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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1238021
審判番号 不服2008-18618  
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-07-22 
確定日 2011-06-08 
事件の表示 特願2000-547722「ネットワークで汎用的にアクセスする命令及び制御情報のための方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成11年11月11日国際公開、WO99/57837、平成14年 5月21日国内公表、特表2002-514797〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は,平成11年5月7日(優先権主張 1998年5月7日,米国)を国際出願日とする出願であって,平成19年6月14日付けで拒絶の理由が通知され,同年10月18日付けで意見書とともに誤訳訂正書の提出がなされ,平成20年4月9日付けで拒絶査定され,同年7月22日に拒絶査定不服審判の請求がなされ,同年8月8日付けで手続補正書の提出がなされたものである。


第2 補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成20年8月8日付け手続補正を却下する。

[理由]
1.補正後の本願発明

平成20年8月8日付け手続補正(以下「本件補正」という。)は,少なくとも平成19年10月18日付け誤訳訂正書の特許請求の範囲の請求項1の記載
「【請求項1】 ホームネットワーク上でサービスを行うための方法において、
(a) 第1ホームデバイスを前記ホームネットワークに接続する段階と、
(b) 第2ホームデバイスを前記ホームネットワークに接続する段階と、
(c) 複数のアプリケーションインタフェース説明データ対象を含むデータベースを提供する段階とを含み、各アプリケーションインタフェース説明データ対象は前記ネットワークに接続された一つまたはそれ以上の他のホームデバイスによるホームデバイスの命令及び制御のための情報を含み、
(d) 前記第1ホームデバイスが前記データベースで前記第2ホームデバイスのためのアプリケーションインタフェース説明データ対象をアクセスする段階と、
(e) 前記第1ホームデバイスが前記ネットワークを通じて前記第2ホームデバイスのために前記アプリケーションインタフェース説明データ対象を使用して前記第2ホームデバイスに命令及び制御データを伝送する段階とをさらに含み、それにより前記第1及び第2ホームデバイスが自律的に前記サービスを行うことを特徴とするホームネットワーク上でサービスを行うための方法。」を
「【請求項1】 ホームネットワーク上でサービスを行うための方法において、
(a) 第1ホームデバイスを前記ホームネットワークに接続する段階と、
(b) 第2ホームデバイスを前記ホームネットワークに接続する段階と、
(c) 複数のアプリケーションインタフェース説明データ対象を含む、前記ホームネットワークに接続されたデータベースを提供する段階とを含み、各アプリケーションインタフェース説明データ対象は前記ネットワークに接続された一つまたはそれ以上の他のホームデバイスによるホームデバイスの命令及び制御のための情報を含み、
(d) 前記第1ホームデバイスが前記データベースで前記第2ホームデバイスのためのアプリケーションインタフェース説明データ対象をアクセスする段階と、
(e) 前記第1ホームデバイスが前記ネットワークを通じて前記第2ホームデバイスのために前記アプリケーションインタフェース説明データ対象を使用して前記第2ホームデバイスに命令及び制御データを伝送する段階とをさらに含み、それにより前記第1及び第2ホームデバイスが自律的に前記サービスを行うことを特徴とするホームネットワーク上でサービスを行うための方法。」(下線は,請求人が付与し,補正により記載が変更された個所を示す。)と補正することにより,補正前の請求項1に記載された発明を特定する事項を限定し,特許請求の範囲を減縮する補正を含むものである。

そこで,本件補正による請求項1に係る発明(以下「本願補正発明」という。)が,特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について検討する。


2.引用発明

原査定の理由に引用された特開平7-44290号公報(以下「引用例」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。

(1)
「【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数のオブジェクト化された周辺機器と、前記複数の周辺機器と共通の通信回線を介して接続され、前記複数の周辺機器を統一的にコントロールするコントローラとからなり、前記コントローラは前記各周辺機器と前記コントローラとの接続に応じて前記周辺機器側に格納されている制御情報を前記通信回線を介して所定の形態で前記コントローラ内の所定のメモリエリアに読み込み前記コントローラ側において前記周辺機器の制御を可能とするとともに、前記コントローラ側においてなされた指令を前記通信回線を介して前記各周辺機器へと送信するように構成したことを特徴とする制御システム。
【請求項2】 複数のオブジェクト化された周辺機器と、該周辺機器を統一的にコントロールする一つのコントローラと、該コントローラと前記複数の周辺機器とを接続し、前記周辺機器の制御あるいはデータの入出力を行う為の共通の双方向性インターフエースとを備え、前記共通の双方向性インターフエースを介して、前記各周辺機器を前記コントローラによつて制御し得るようにしたシステム制御方式。
【請求項3】 請求項2において、前記オブジェクト化された周辺機器とコントローラは、互いにメッセージ( 制御命令やデータ入出力命令) を送受信するための、メッセージ送受信手段を備えたことを特徴とするシステム制御方式。」(公報2ページ1欄)

(2)
「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、文字・音声・静止画・動画等の各種情報を取り扱うマルチメディア機器のシステム制御に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来アナログ技術を中心としていたオーディオ・ビデオ・TV等のAV機器においては、近年急速にデジタル化が進んできている。また、文字・静止画情報のデジタル化の普及と合わせて、いわゆるマルチメディアとして文字・音声・静止画・動画情報がコンピュータの中で統括的に取り扱われるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、現在マルチメディア機器(デジタルカメラ、CD-ROMプレーヤ、スキャナ、サウンドボード、ビデオボード等の音声入出力機器、映像入出力機器等)をコンピュータで利用する場合、それを駆動する専用のアプリケーションソフトまたはデバイスドライバというソフトウェアをコンピュータにインストールしなければならなかった。
【0004】したがつてこの方法では、新しいマルチメディア機器に対しては新たなアプリケーションソフトまたはデバイスドライバをコンピュータごとにあるいはOS(Operating System)ごとに用意しなければないため、ソフトウェアの開発負荷が大きく、効率的かつ高速の制御が不可能であるという問題があった。
【0005】またこの方法では、一般的にはLANに接続された他のコンピュータから、そのマルチメディア機器を透過的に使用することが出来ないため、LANを介して各コンピユータから各周辺機器にアクセスできるようなマルチメデイアシステムのコンセプトを実現することができないものであつた。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するために、本発明における制御システムによれば、複数のオブジェクト化された周辺機器と、前記複数の周辺機器と共通の通信回線を介して接続され、前記複数の周辺機器を統一的にコントロールするコントローラとからなり、前記コントローラは前記各周辺機器と前記コントローラとの接続に応じて前記周辺機器側に格納されている制御情報を前記通信回線を介して所定の形態で前記コントローラ内の所定のメモリエリアに読み込み前記コントローラ側において前記周辺機器の制御を可能とするとともに、前記コントローラ側においてなされた指令を前記通信回線を介して前記各周辺機器へと送信するように構成する。
【0007】また同じ課題を解決するために、本発明によれば、複数のオブジェクト化された周辺機器と、該周辺機器を統一的にコントロールする一つのコントローラと、該コントローラと前記複数の周辺機器とを接続し、前記周辺機器の制御あるいはデータの入出力を行う為の共通の双方向性インターフエースとを備え、前記共通の双方向性インターフエースを介して、前記各周辺機器を前記コントローラによつて制御し得るようにしたシステム制御方式を用いる。
【0008】
【作用】これによつて、マルチメディア機器の制御において、上記アプリケーションソフトやデバイスドライバ等の特別なソフトウェアを必要とせず、またLANを介して他のコントローラから透過的に共通的にマルチメディア機器を利用できる環境を実現することができる。」(公報2ページ2欄?3ページ3欄)

(3)
「【0014】このオブジェクト指向は、近年のプログラミング開発環境の効率化といった観点で注目を集めているが、更にOSやマルチメディアデータベースにも広く活用することができ、特にオブジェクト指向で特徴的な概念は、
(1) カプセル化
(2) 継承
(3) メッセージング
の3点にあり、これらの概念をベースに、本発明はマルチメディア機器の制御に適用できるよう発展・拡張を図ったものである。
【0015】図1は、本発明のオブジェクト指向の概念を取り入れた、マルチメディアコントローラとマルチメディア機器の論理的な接続形態を示す。1のマルチメディアコントローラを中心に、2の各マルチメディア機器はそれぞれ1対1で各種情報の直接対話が行えるように通信路が確立されていて、その通信路を介してメッセージを相互に通信する事により制御を行うものである。マルチメディア機器は、具体的にはCDプレーヤー・デジタルVTR・デジタルカメラ・デジタルTV等のAV機器やデジタルFAX・デジタルコピー機・プリンター等のOA機器など、すべてのマルチメディアデータを取り扱う機器を対象としている。
【0016】またコントローラは、ここでは専用の機器を想定しているが、パソコンやワードプロセツサWSの汎用コンピュータ上に専用OSとアプリケーションソフトウェアを搭載して実現する事もできる。」(公報3ページ4欄?4ページ5欄)

(4)
「【0029】図6は、マルチメディア機器のソフトウェア面でのシステム階層図を示す。図3で示した内部ブロック図が57のハードウェアにあたる。これらのハードウェアを制御する為の基本的制御を行うのが58のOSである。OS自体は特に限定されないが、リアルタイム性と同時に複数のプログラムを並行して実行するマルチタスクの機能を持ち合わせていることが望ましい。このOSの上に、マルチメディア機器のオブジェクト化を実現するために、マルチメディア機器毎に固有のクラスライブラリー59を持っている。
【0030】また図示していないがコントローラから制御されるための、自身コントロールパネルやコントロールに関するライブラリーを持っていて、これをコントローラと接続時に送信することにより、マルチメディア機器固有の制御をコントローラ側から実現させる。またタイマーや算術演算を行うC関数60がある。
【0031】最上位の階層には、マルチメディア機器本体のコントロールと、マルチメディアコントローラとの通信やユーザーインターフェースを受け持つ61のアプリケーションソフトウェアがある。このアプリケーションにより、マルチメディア機器本体が一つのオブジェクトとしてコントローラからメッセージのやり取りで種々の制御や実行を行なうことができ、また内部パラメータはインスタンス変数として読みだしや変更が行える。
【0032】図5は、マルチメディアコントローラのソフトウェア面でのシステム階層図を示す。図4で示した内部ブロック図が50のハードウェアにあたる。これらのハードウェアを制御する為の基本的制御を行うのが51のOSである。ここでもOS自体は特に限定されないが、リアルタイム性とマルチタスクの機能を持ち合わせていることが望ましい。
【0033】このOSの上に、接続された複数のマルチメディア機器のコントロール画面の表示や全体のシステム接続状態の表示や制御及びデータ入出力の切り替えなどのGUI(Graphical Users Interface )全般を行なう52のWindow Server がある。53の共通クラスライブラリーは、あらかじめコントローラ側で用意している、ボタン、スライドボリューム、テキスト表示エリア等のユーザーインターフェースやコントロールに関する基本的で共通的な部品群(オブジェクト群)が格納されている。
【0034】逆に55の固有クラスライブラリーは、接続されているマルチメディア機器固有のパネル表示やコントロールに関する部品群(オブジェクト群)が格納されている。この固有ライブラリーは先に説明したように、マルチメディア機器がシステムに接続される毎にその機器から送られてきて増加していく。これらの具体的手順は後述する。またタイマーや算術演算を行うC関数54がある。最上位の階層には、接続されているマルチメディア機器全体のコントロールと、マルチメディア機器との通信やユーザーインターフェースを受け持つ56のアプリケーションソフトウェアがある。
【0035】このコントローラとマルチメディア機器間の具体的制御の流れとメッセージのやり取りについてこれから説明を行う。
【0036】図7はマルチメディア機器をマルチメディアコントローラに接続する前の状態を示す図である。図7において4はデジタルデータの通信を行うためのLAN、1はシステム全体の動作を制御するマルチメディアコントローラである。2はLAN4に接続されるマルチメディア機器の構造を一般化したものである。205はマルチメディアコントローラ1に常駐し、システム全体の管理を行うソフトウェアオブジェクト(以後オブジェクトと略す)であるシステムディレクターオブジェクトである。
【0037】1064はLAN4上の他のオブジェクトにとってオブジェクト化されたマルチメディア機器として機能するオブジェクトであるマルチメディア機器オブジェクトである。マルチメディア機器オブジェクト1064はさらに3つのオブジェクト1065,1066,1067から構成されている。
【0038】1065はマルチメディア機器2の大部分の機能を実現するためにハードウェアの制御を行うマルチメディア機器コントローラオブジェクト、1066は他の機器からのデジタルデータのLAN4を介した入力を受け持つマルチメディア機器データ入力オブジェクト、1067は他の機器へのデジタルデータのLAN4を介した出力を受け持つマルチメディア機器データ出力オブジェクトである。
【0039】1061はマルチメディア機器2をマルチメディアコントローラ1にLAN4を介して接続した際にマルチメディアコントローラ1内に生成されるマルチメディア機器代理オブジェクトの仕様を記述するマルチメディア機器代理オブジェクト記述ファイルである。マルチメディア機器代理オブジェクト記述ファイル1061はマルチメディア機器2の操作パネルの仕様を記述するマルチメディア機器コントロールパネルオブジェクト記述部1062とマルチメディア機器2へのデータ入出力の代理を行うデータ入出力代理オブジェクトの仕様を記述するデータ入出力代理オブジェクト記述部1063から構成されている。特にマルチメディア機器コントロールパネルオブジェクト記述部はマルチメディア機器2の操作をGUIで行うためのコントロールパネルを記述するGUI記述言語の機能を実現している。」(公報4ページ6欄?5ページ8欄)

(5)
「【0052】次に上述のシステム制御方式に基づいた具体的なマルチメディア機器2の制御系の例としてデジタルVTRを例にとって本発明の動作を説明する。
【0053】図14はオブジェクト化されたデジタルVTRをマルチメディアコントローラに接続する前の状態を示す図である。図14において、203はデジタルVTR、206はデジタルVTR203に常駐しLAN上の他の機器から見てオブジェクト化されたデジタルVTRとして機能するデジタルVTRオブジェクトである。デジタルVTRオブジェクト206はさらに3つのオブジェクトから構成されている。207はデジタルVTR203のハードウェアの制御を行うデジタルVTRコントローラオブジェクトである。
【0054】208は他の機器からのデジタルデータのLAN4を介した入力を受け持つデジタルVTRデータ入力オブジェクトである。209は他の機器へのデジタルデータのLAN4を介した出力を受け持つデジタルVTRデータ出力オブジェクトである。210はデジタルVTR203をマルチメディアコントローラ1にLAN4を介して接続した際にマルチメディアコントローラ1内に生成されるデジタルVTR代理オブジェクトの仕様を記述するデジタルVTR代理オブジェクト記述ファイルである。
【0055】デジタルVTR代理オブジェクト記述ファイル210はデジタルVTR203の操作パネルの仕様を記述するデジタルVTRコントロールパネルオブジェクト記述部211とデジタルVTR203へのデータ入出力の代理を行うデジタルVTRデータ入出力代理オブジェクトの仕様を記述するデジタルVTRデータ入出力代理オブジェクト記述部212から構成されている。
【0056】図15はVTRコントローラオブジェクト207の構造を示す図である。同図において1009はクラスメソッドテーブルへのポインター格納部でありクラスメソッドテーブル1018へのポインターを格納する。クラスメソッドテーブル1018はデジタルVTR203のハードウェアを制御し再生動作を実行する再生実行手段1019、録画動作を実行する録画実行手段1020等多数のデータ処理手段から構成されている。1010はメッセージ通信手段であり、1011は処理検索手段である。1012はメソッド部であるが実際のデータ処理手段はクラスメソッドテーブル1018によって示される。1015は内部データ部であり、テープの走行状態1016、テープ現在位置1017などデジタルVTR203の制御に必要な多数の変数及びステータス情報により構成されている。
【0057】まず、デジタルVTR203がLAN4に接続されたときの動作について説明する。図16はデジタルVTR203をLAN4に接続した際の動作のフローを示した図である。図17はマルチメディアコントローラ1の画面を示した図である。図17において228はマルチメディアコントローラ1のディスプレー、229はデジタルVTR203が接続されたことを示すアイコン表示であり、230はマウスなどのポインティングデバイスが指示する位置を示すカーソルである。ポインティングデバイスは図示しないが、ポインティングデバイスはボタンを備えており、該ボタンを利用者が押して放す動作を一般的にクリックすると称し、所定間隔で2回クリックする動作をダブルクリックすると称する。尚、他の接続機器としては、カメラ(静止画入力)、チユーナ、テレビジヨン、各種データベース、CD等、種々の機器との接続が可能であり、それらの機器の選択、制御も画面228上のアイコン表示にて行うことができる。
【0058】図18はLAN4にマルチメディア機器の例であるオブジェクト化されたデジタルVTR203が接続されたときの状態を説明する図である。図18において220はマルチメディアコントローラ1内に生成されるオブジェクトでありマルチメディアコントローラ1内においてデジタルVTR203の代理として機能するデジタルVTR代理オブジェクト220である。デジタルVTR代理オブジェクト220はデジタルVTR203のコントロールパネルとして機能するデジタルVTRコントロールパネルオブジェクト221、データ入力の際にデータ入力オブジェクト208の代理として機能するデジタルVTRデータ入力代理オブジェクト222、同様にデータ出力オブジェクト209の代理として機能するデジタルVTRデータ出力代理オブジェクト223から構成される。
【0059】図16、図17、図18に従ってLAN4にマルチメディア機器の例であるオブジェクト化されたデジタルVTR203が接続されたときの動作を説明する。デジタルVTR203をLANに接続すると(636)システムディレクターオブジェクト205がデジタルVTR203の接続を認識する(637)。次にシステムディレクターオブジェクト205はデジタルVTR203にデバイスIDを発送する(638)。
【0060】次にシステムディレクターオブジェクト205はマルチメディア機器代理オブジェクト生成手段1047を用いてデジタルVTR203よりデジタルVTR代理オブジェクト記述ファイル210をロードする(639)。次にシステムディレクターオブジェクト205はマルチメディア機器代理オブジェクト生成手段1047を用いてデジタルVTR代理オブジェクト記述ファイル210に基づきデジタルVTR代理オブジェクト220をマルチメディアコントローラ1中に生成する(640)。その結果図18で示した接続状態になる。次にデジタルVTR代理オブジェクト220はマルチメディアコントローラ1のディスプレー228にデジタルVTR203のアイコン表示229を表示する(641)。その後利用者の指示を待つ(642)。
【0061】以後、操作者は、マルチメデイアコントローラのデジタルVTRコントロールパネルオブジエクト221に基づいて表示された操作画面に基づいてデジタルVTRを操作することにより、マルチメデイアコントローラ1内のデジタルVTR代理オブジエクト220を介してデジタルVTRを制御することができる。
【0062】次にデジタルVTR代理オブジェクト記述ファイル210の記述と生成されるオブジェクトの関連についてさらに詳細に説明する。
【0063】図19はデジタルVTR203のアイコン、図20はコントロールパネル表示画面の例を示した図である。図19はデジタルVTR203がLAN4に接続する際に表示されるアイコン229を示している。図20はデジタルVTRコントロールパネルオブジェクト221が描画するデフォルトの表示画面であり、同図において232はデイスプレー上に表示されるコントロールパネルの表示選択メニュー、265はテープの経過時間を表示するタイムカウンター表示、266はデジタルVTR203の制御モードを選択するコントロールモード選択部267はデフォルトの制御モードに設定するための第1のスイッチボタン表示、268はより詳細な制御モードを選択するための第2のスイッチボタン表示、269は巻き戻しボタン表示、270は逆転再生ボタン表示、271は一時停止ボタン表示、272は再生ボタン表示、273は早送りボタン表示、274は停止ボタン表示、275は録画ボタン表示である。
【0064】図21はオブジェクトの所属するクラスとデジタルVTRコントロールパネルオブジェクト221の構成要素の対応を説明する図である。各基本的な構成要素が所属するクラスはあらかじめクラスライブラリー1081に定義されており、マルチメディアコントローラ1中に保持されている。図21が示すとおりデジタルVTRコントロールパネルオブジェクト221の各構成要素個々がデジタルVTRコントロールパネルオブジェクト221を構成するオブジェクトとして機能する。
【0065】図21においてコントロールパネル表示画面231のフレームはパネルクラスのVTRコントロールパネルオブジェクト284(ID=1)に対応している。コントロールパネルの表示選択メニュー232はメニュークラスのパネルビュー設定メニューオブジェクト285(ID=2)に対応している。タイムカウンター表示265はフォームクラスのタイムカウンターオブジェクト286(ID=3)に対応している。巻き戻しボタン表示269はボタンクラスの巻き戻しボタンオブジェクト287(ID=4)に対応している。逆転再生ボタン表示270はボタンクラスの逆転再生ボタンオブジェクト288(ID=5)に対応している。一時停止ボタン表示271はボタンクラスの一時停止ボタンオブジェクト289(ID=6)に対応している。再生ボタン表示272はボタンクラスの再生ボタンオブジェクト290(ID=7)に対応している。早送りボタン表示273はボタンクラスの早送りボタンオブジェクト291(ID=8)に対応している。停止ボタン表示274はボタンクラスの停止ボタンオブジェクト292(ID=9)、録画ボタン表示275はボタンクラスの録画ボタンオブジェクト293(ID=10)に対応している。
【0066】コントロールモード選択部266はボタングループクラスのコントロールモード切り替えオブジェクト294(ID=11)に対応している。第1のスイッチボタン267はラジオボタンクラスのデフォルトボタンオブジェクト295(ID=12)に対応している。第2のスイッチボタン268はラジオボタンクラスの上級ボタンオブジェクト296(ID=13)に対応している。」(公報7ページ11欄?8ページ14欄)

(6)
「【0095】
【発明の効果】以上の様に、本発明によれば、複数のマルチメディア機器が接続されたシステム全体の制御を行なう際に、今までの様にあらかじめコントローラ側にその制御を行なう為のデバイスドライバやアプリケーションソフトウェアなどをインストールして準備する必要がなくなり、マルチメディア機器をLAN上に接続するだけで自動的にコントロールパネル及び機器状態がコントローラの画面上に表示され、電源のON/OFF・本体の制御・入出力の切り替えを画面において行い易くなる等の大きな効果がある。
【0096】また、マルチメディア機器がコントローラ側に送ったコントロールパネルの部品群の中で、コントローラ側であらかじめ持っていた同一に定義されている部品群とはユーザーの好みで交換することができ、メーカー毎に異なるユーザーインターフェースを統一することが可能である。さらに、LANを介して遠隔地のコントローラからの制御やマルチメディア機器のアクセスを透過的に行なうことが出来るようになった。」(公報12ページ21欄)

上記の記載によれば,引用例には次の発明(以下「引用発明」という。)が開示されている。

「マルチメディア機器のシステム制御に用い,
マルチメディア機器は、具体的にはCDプレーヤー・デジタルVTR・デジタルカメラ・デジタルTV等のAV機器やデジタルFAX・デジタルコピー機・プリンター等のOA機器など、すべてのマルチメディアデータを取り扱う機器を対象とし,
複数のオブジェクト化された周辺機器と、前記複数の周辺機器と共通の通信回線を介して接続され、前記複数の周辺機器を統一的にコントロールするコントローラとからなり、前記コントローラは前記各周辺機器と前記コントローラとの接続に応じて前記周辺機器側に格納されている制御情報を前記通信回線を介して所定の形態で前記コントローラ内の所定のメモリエリアに読み込み前記コントローラ側において前記周辺機器の制御を可能とするとともに、前記コントローラ側においてなされた指令を前記通信回線を介して前記各周辺機器へと送信するように構成したことを特徴とする制御システムにおいて,
システムディレクターオブジェクト(205)は,マルチメディアコントローラ(1)に常駐し,システム全体の管理を行うソフトウェアオブジェクトであり,
デジタルVTR代理オブジェクト記述ファイル(210)はデジタルVTR(203)の操作パネルの仕様を記述するデジタルVTRコントロールパネルオブジェクト記述部(211)とデジタルVTR(203)へのデータ入出力の代理を行うデジタルVTRデータ入出力代理オブジェクトの仕様を記述するデジタルVTRデータ入出力代理オブジェクト記述部(212)から構成され,
デジタルVTR(203)をLANに接続するとシステムディレクターオブジェクト(205)がデジタルVTR(203)の接続を認識し,
システムディレクターオブジェクト(205)はデジタルVTR(203)にデバイスIDを発送し,
システムディレクターオブジェクト(205)はマルチメディア機器代理オブジェクト生成手段(1047)を用いてデジタルVTR(203)よりデジタルVTR代理オブジェクト記述ファイル(210)をロードし,
システムディレクターオブジェクト(205)はマルチメディア機器代理オブジェクト生成手段(1047)を用いてデジタルVTR代理オブジェクト記述ファイル(210)に基づきデジタルVTR代理オブジェクト(220)をマルチメディアコントローラ(1)中に生成し,
デジタルVTR代理オブジェクト(220)はデジタルVTR(203)のコントロールパネルとして機能するデジタルVTRコントロールパネルオブジェクト(221)、データ入力の際にデータ入力オブジェクト(208)の代理として機能するデジタルVTRデータ入力代理オブジェクト(222)、同様にデータ出力オブジェクト(209)の代理として機能するデジタルVTRデータ出力代理オブジェクト(223)から構成され,
複数のマルチメディア機器が接続されたシステム全体の制御を行なう際に,今までの様にあらかじめコントローラ側にその制御を行なう為のデバイスドライバやアプリケーションソフトウェアなどをインストールして準備する必要がなくなり,マルチメディア機器をLAN上に接続するだけで自動的にコントロールパネル及び機器状態がコントローラの画面上に表示され,電源のON/OFF・本体の制御・入出力の切り替えを画面において行い易くなる
制御システム。」

3.対比

本願補正発明と引用発明を比較する。

・本願補正発明において「前記ネットワーク」が「ホームネットワーク」を指示し,意味することは明白である。

・引用発明において「マルチメディア機器」と「周辺機器」が,「コントローラ」と「マルチメディアコントローラ」が同義であることは明らかである。
そして,CDプレーヤー・デジタルVTR・デジタルカメラ・デジタルTV等のAV機器と,複数の周辺機器を統一的にコントロールするコントローラは,家庭においても使用されるものであるから,「ホームデバイス」に相当し,該AV機器及び該コントローラが接続される「LAN」は「ホームネットワーク」といえる。また,該AV機器及び該コントローラがLAN上でサービスを行うことは明らかである。

・引用発明において,「デジタルVTRコントロールパネルオブジェクト記述部(211)」は「デジタルVTR(203)の操作パネルの仕様」を記述したものであり,そしてまた「デジタルVTRデータ入出力代理オブジェクト記述部(212)」は「デジタルVTR(203)へのデータ入出力の代理を行うデジタルVTRデータ入出力代理オブジェクトの仕様」を記述したものであるので,該「デジタルVTRコントロールパネルオブジェクト記述部(211)」及び該「デジタルVTRデータ入出力代理オブジェクト記述部(212)」が,「ホームデバイス」に相当する「デジタルVTR」の「命令及び制御のための情報」を含むものであることは明らかである。
そして,該「デジタルVTRコントロールパネルオブジェクト記述部(211)」及び該「デジタルVTRデータ入出力代理オブジェクト記述部(212)」から構成される「デジタルVTR代理オブジェクト記述ファイル(210)」を,コントローラに常駐するシステムディレクターオブジェクトはデジタルVTRよりロードし,ロードされたデジタルVTR代理オブジェクト記述ファイルに基づき,デジタルVTRのコントロールパネルとして機能するデジタルVTRコントロールパネルオブジェクト,データ入力の際にデータ入力オブジェクトの代理として機能するデジタルVTRデータ入力代理オブジェクト,同様にデータ出力オブジェクトの代理として機能するデジタルVTRデータ出力代理オブジェクトを構成するのである。
そうすると,引用発明の「デジタルVTRコントロールパネルオブジェクト記述部(211)」及び「デジタルVTRデータ入出力代理オブジェクト記述部(212)」が「前記ネットワークに接続された一つまたはそれ以上の他のホームデバイスによるホームデバイスの命令及び制御のための情報」を含む点において本願補正発明の「アプリケーションインターフェース説明データ対象」と共通し,「デジタルVTRデータ入力代理オブジェクト(222)」は「データ入力」の,「デジタルVTRデータ出力代理オブジェクト(223)」は「データ出力」の「アプリケーションインターフェース」のデータといえ,該「アプリケーションインターフェース」が複数であることは明らかであって,デジタルVTR代理オブジェクト記述ファイルに基づき,データ入力の際にデータ入力オブジェクトの代理として機能するデジタルVTRデータ入力代理オブジェクト,同様にデータ出力オブジェクトの代理として機能するデジタルVTRデータ出力代理オブジェクトを構成するのであるから,引用発明の「デジタルVTRコントロールパネルオブジェクト記述部(211)」及び「デジタルVTRデータ入出力代理オブジェクト記述部(212)」は本願補正発明の「複数のアプリケーションインターフェース説明データ対象」といえる。
そして「コントローラ」及び「デジタルVTR」はそれぞれ本願補正発明の「第1ホームデバイス」及び「第2ホームデバイス」といえ,前記データはデジタルVTRに格納されているのである。
ここにおいて,引用発明は当然「格納手段」を備えているのであり,該格納手段と本願補正発明の「データベース」はともにデータを格納,記憶する「記憶手段」である点で共通する。
よって,引用発明と本願補正発明は「複数のアプリケーションインタフェース説明データ対象を含む,前記ホームネットワークに接続された記憶手段を提供する」構成,及び「前記第1ホームデバイスが前記記憶手段で前記第2ホームデバイスのためのアプリケーションインタフェース説明データ対象をアクセスする」構成を備える点で共通している。また引用発明は本願補正発明の「前記第1ホームデバイスが前記ネットワークを通じて前記第2ホームデバイスのために前記アプリケーションインタフェース説明データ対象を使用して前記第2ホームデバイスに命令及び制御データを伝送する」構成を備えているといえる。

・引用発明は「複数のマルチメディア機器が接続されたシステム全体の制御を行なう際に,今までの様にあらかじめコントローラ側にその制御を行なう為のデバイスドライバやアプリケーションソフトウェアなどをインストールして準備する必要がなくなり,マルチメディア機器をLAN上に接続するだけで自動的にコントロールパネル及び機器状態がコントローラの画面上に表示され,電源のON/OFF・本体の制御・入出力の切り替えを画面において行い易くなる」のであるから,本願補正発明のように「第1及び第2ホームデバイスが自律的にサービスを行う」ことは明白であり,引用発明の「制御システム」が「ネットワーク上でサービスを行うための方法」の発明も開示しているといえる。

以上から,本願補正発明と引用発明は次の点で一致,相違する。

<一致点>
「ホームネットワーク上でサービスを行うための方法において,
(a) 第1ホームデバイスを前記ホームネットワークに接続する段階と,
(b) 第2ホームデバイスを前記ホームネットワークに接続する段階と,
(c) 複数のアプリケーションインタフェース説明データ対象を含む,前記ホームネットワークに接続された記憶手段を提供する段階とを含み,各アプリケーションインタフェース説明データ対象は前記ネットワークに接続された一つまたはそれ以上の他のホームデバイスによるホームデバイスの命令及び制御のための情報を含み,
(d) 前記第1ホームデバイスが前記記憶手段で前記第2ホームデバイスのためのアプリケーションインタフェース説明データ対象をアクセスする段階と,
(e) 前記第1ホームデバイスが前記ネットワークを通じて前記第2ホームデバイスのために前記アプリケーションインタフェース説明データ対象を使用して前記第2ホームデバイスに命令及び制御データを伝送する段階とをさらに含み,それにより前記第1及び第2ホームデバイスが自律的に前記サービスを行うことを特徴とするホームネットワーク上でサービスを行うための方法。」

<相違点>
「記憶手段」が本願補正発明は「データベース」である点。

4.当審の補正却下の決定の判断

データの格納をデータベースに行うことは,引用例を提示するまでもなく,周知の技術であり,本願補正発明において,格別な技術的意義を有するものでもない。よって,引用発明において,記憶手段をデータベースとすることは,当業者が適宜なし得た設計的事項に過ぎず,当業者が容易に想到し得たものである。

そして,本願補正発明のように構成したことによる効果も,引用発明及び周知技術から予測できる程度のものである。

したがって,本願補正発明は,引用発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.補正却下の決定のまとめ

以上のとおりであるから,本願補正発明(平成20年8月8日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に係る発明)は,特許法第29条第2項の規定に該当し,特許出願の際独立して特許を受けることができない。
したがって,本件補正(平成20年8月8日付け手続補正)は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明

上記第2のとおり,平成20年8月8日付け手続補正は却下されたので,本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は,平成19年10月18日付け誤訳訂正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるものである。
「【請求項1】 ホームネットワーク上でサービスを行うための方法において、
(a) 第1ホームデバイスを前記ホームネットワークに接続する段階と、
(b) 第2ホームデバイスを前記ホームネットワークに接続する段階と、
(c) 複数のアプリケーションインタフェース説明データ対象を含むデータベースを提供する段階とを含み、各アプリケーションインタフェース説明データ対象は前記ネットワークに接続された一つまたはそれ以上の他のホームデバイスによるホームデバイスの命令及び制御のための情報を含み、
(d) 前記第1ホームデバイスが前記データベースで前記第2ホームデバイスのためのアプリケーションインタフェース説明データ対象をアクセスする段階と、
(e) 前記第1ホームデバイスが前記ネットワークを通じて前記第2ホームデバイスのために前記アプリケーションインタフェース説明データ対象を使用して前記第2ホームデバイスに命令及び制御データを伝送する段階とをさらに含み、それにより前記第1及び第2ホームデバイスが自律的に前記サービスを行うことを特徴とするホームネットワーク上でサービスを行うための方法。」


第4 当審の判断

1.引用発明

原査定の拒絶の理由に引用された引用例に関する記載事項,及び引用発明は,上記第2の「2.引用発明」に記載したとおりである。

2.対比・判断

本願発明は,上記第2で検討した本願補正発明から,本願発明に付した限定を省いたものである。

そうすると,本願発明の構成要件をすべて含み,さらに,限定を付したものに相当する本願補正発明が,上記第2の「3.対比」及び「4.当審の補正却下の決定の判断」に記載したとおり,上記引用発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるのだから,本願発明も,引用発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。


第5 むすび

以上のとおり,本願発明は,引用発明及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって,本願は,他の請求項について論及するまでもなく,拒絶すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-01-05 
結審通知日 2011-01-11 
審決日 2011-01-24 
出願番号 特願2000-547722(P2000-547722)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石井 茂和  
特許庁審判長 水野 恵雄
特許庁審判官 近藤 聡
安島 智也
発明の名称 ネットワークで汎用的にアクセスする命令及び制御情報のための方法及び装置  
代理人 村山 靖彦  
代理人 志賀 正武  
代理人 実広 信哉  
代理人 渡邊 隆  
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