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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F25B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F25B
管理番号 1238124
審判番号 不服2010-2625  
総通号数 139 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-02-05 
確定日 2011-06-09 
事件の表示 特願2003-344240号「冷凍サイクル装置」拒絶査定不服審判事件〔平成17年4月21日出願公開、特開2005-106446号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本件に係る出願(以下「本願」という。)は、平成15年10月2日の出願であって、平成21年11月4日付けで拒絶査定がなされ(発送日:同年11月10日)、これに対し、平成22年2月5日に審判請求がなされ、同日付けで手続補正がなされたものである。

第2.平成22年2月5日付け手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成22年2月5日付け手続補正を却下する。

[理由]
1.本件補正発明
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1について、「圧縮機と、凝縮器と、減圧手段と、蒸発器とを備えた冷凍サイクル装置において、前記蒸発器は、底部から冷媒が流入され上部から冷媒が排出される熱交換流路を有してなり、該熱交換流路は、底部の熱交換流路とその上部の熱交換流路とから構成され、前記底部の熱交換流路は、前記蒸発器で発生したドレン水を溜めるドレンパン内の前記ドレン水に浸漬する位置に支持されてなり、前記底部の熱交換流路とその上部の熱交換流路とを前記減圧手段を介して連結してなることを特徴とする冷凍サイクル装置。」とあったものを「圧縮機と、凝縮器と、減圧手段と、蒸発器とを備えた冷凍サイクル装置において、前記蒸発器は、底部から冷媒が流入され上部から冷媒が排出される熱交換流路を有してなり、該熱交換流路は、底部の熱交換流路とその上部の熱交換流路とから構成され、前記底部の熱交換流路は、前記蒸発器で発生したドレン水を溜めるドレンパン内の前記ドレン水に浸漬する位置に支持されてなり、前記ドレン水に浸漬する前記底部の熱交換流路と前記ドレン水に浸漬しない前記上部の熱交換流路とを前記減圧手段を介して連結してなることを特徴とする冷凍サイクル装置。」と補正することを含むものである。
上記補正について検討する。
本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明は、熱交換流路について、「前記底部の熱交換流路とその上部の熱交換流路」とあったものを「前記ドレン水に浸漬する前記底部の熱交換流路と前記ドレン水に浸漬しない前記上部の熱交換流路」と限定することを含むものであり、かつ、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明と本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野および解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下「改正前特許法」という。)第17条の2第4項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)否かについて検討する。

2.刊行物に記載された発明
原査定の拒絶の理由にて提示された、本願の出願前に頒布された刊行物である特開平9-184636号公報(以下「刊行物」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は当審にて付与。)。
a)「【発明の属する技術分野】本発明は空気調和機に係わり、特に詳細には空気調和機の蒸発器に流入される冷媒を蒸発器と外気との熱交換によって発生される凝縮水にて1次冷却(まず、初に冷却)させた後、毛細管へ流入されるべく成し、冷房効率を向上せしめた空気調和機に関するものである。」(段落【0001】。)
b)「【発明が解決しようとする課題】以上、説明したところのように、従来の空気調和機は、前記のような循環過程を繰り返しながら空調されるべき場所を冷房せしめる。このような空気調和機の冷房能力を向上せしめる方案として、蒸発器13に流入される冷媒の温度を更に低温にて作るための別途の装置を付加するとか、送風ファンを高速にて回転せしめ、風量を大きくしなけばならなかった。即ち、別途の装置が要求されるか、又は、消費電力を大きくしなければならないために、装置の製造費の高騰または装置の維持費の増加を招来するおそれがあった。」(段落【0006】)
c)「【発明の実施の形態】以下、添付された図面に基づいて本発明に伴う空気調和機の好ましき実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明に伴う冷房サイクル図である。
同図において、冷媒が圧縮機31に流入されれば冷媒は圧縮機31において高温(75-90℃)高圧の状態になり、該高温、高圧の冷媒は凝縮器32に流入される。高温、高圧の状態にて凝縮器32に流入された冷媒は、外気と熱交換(外部に熱を放出)を成して室温(45-50℃)高圧の状態になり、該室温高圧の冷媒は1次的に蒸発器33に流入される。蒸発器33に流入された冷媒は、蒸発器33と外気との熱交換中に発生される凝縮水によって1次的に冷却(まず、初に冷却)される。
凝縮水によって1次的に冷却(まず、初に冷却)された冷媒は、分流器35に流入される。前記分流器35は蒸発器33において1次的に冷却(まず、初に冷却)された冷媒を毛細管34にて均一に配分する機能を成す。前記分流器35を通過した冷媒が多数の毛細管34を通過した後、膨脹されて低温(6-12℃)低圧の状態で蒸発器33に流入される。前記蒸発器33に流入された冷媒は外気と熱交換(熱を吸収)を成す。熱を奪われた外気は空調されるべき場所に排出され、空調場所を冷房せしめるものである。以後、熱を吸収した蒸発器33の冷媒は再び圧縮機31に流入される。
本発明に伴う冷房サイクルは冷房能力を向上させるために、前記分流器35に流入れる冷媒をもっと低温にて造り、毛細管34に流入させることができるように構成されている。即ち、前記凝縮器32において前記分流器35に冷媒を伝達する冷媒管37aを、前記蒸発器33に流入させて当該蒸発器33で発生された凝縮水にて冷媒管37a内の冷媒を1次的に冷却(まず、初に冷却)せしめ、分流器35に流入せしめるものである。」(段落【0011】?【0015】)
d)「本発明に伴う冷房サイクルを適用する空気調和機の中で、室内機と室外機が分離された分離型空気調和機をその例にて説明する。
図2に図示したところのように、本発明に伴う空気調和機は空調されるべき場所の空気が吸入される吸入口41が下側に形成され、前記吸入される空気がフィルター49を通じて吐出される吐出口42が上側に形成された空気調和機本体40が設けられている。前記本体の内部、もっと具体的には前記吸入口41の後方には、外気と熱交換(高温の外気を低温にて造る)を成す蒸発器33が設置されている。前記蒸発器33の上側には空調されるべき場所の空気を強制的に吸入して、吐出せしめるための送風ファン44とダクト44aとが設けられている。
前記蒸発器33は、室内機の凝縮器32(図1参照)より冷媒を伝達されるが、前記蒸発器33と凝縮器32との間には冷媒を膨脹せしめて、蒸発器33に送る毛細管34と、前記毛細管34に冷媒を均一に分配する分流器35が設置されている。
更に、前述したように、蒸発器33と外気との熱交換時には凝縮水が発生されるが、該凝縮水が貯蔵される凝縮水受け筒36が蒸発器33の下部に設けられている。また、凝縮器32(図1参照)と分流器35との間の冷媒管37aが前記蒸発器33内部に設置されている。これは、蒸発器33において発生される凝縮水を利用して冷媒を1次的に冷却(まず、初に冷却)せしめて、分流器35に流入して冷房能力を向上せしめるためである。
前記構造にて成された本発明に伴う空気調和機の作用及び効果を図1及び図2を参照して説明する。
空気調和機を稼動させれば送風ファン44が回転され、蒸発器33に低温(6-12℃)低圧の冷媒が冷媒管37aを通じて流入される。更に、蒸発器33と外気の熱交換によって蒸発器33の外面には凝縮水が発生される。
凝縮器32(図1参照)において分流器35に冷媒を伝達する本発明に伴う冷媒管37aは、蒸発器33内の下部に設置されている。従って、前記冷媒管37aに流入れる冷媒は凝縮水により1次的に冷却(まず、初に冷却)されて分流器35に流入される。前記分流器35に流入れた冷媒は、毛細管34を通じた後に膨脹され2次的に冷却(更に冷却)される。因って冷媒温度が低くなった冷媒が蒸発器33に流入される。」(段落【0018】?【0022】)
e)「図3と図4は、本発明の他の実施形態を示したものである。なお、前述で説明された実施形態と同一な部品には同一符号を付与して、詳細な説明は省略する。
凝縮器32において分流器35に延長せしめた冷媒管37bを蒸発器33の外部に生成される凝縮水を溜めておく凝縮水受け筒36内を経由するように配列する。因って、凝縮器32を通過した冷媒は凝縮水内に配列された冷媒管37bを経由する間、冷媒温度が下降するようになり、この低い温度の冷媒が分流器35に流入されるものである。」(段落【0023】、【0024】)
f)「【発明の効果】以上説明したように、第1の発明に伴う冷房サイクルを採用した空気調和機は、自体の循環過程中に発生される凝縮水に冷媒を1次的に冷却(まず、初に冷却)させることにより、冷房能力を向上させるために別途の装置を付加する必要もなく、又、送風ファンの回転力を大きくなすために電力を多く供給すべき必要がないので、甚だ簡便で経済的なる特徴がある。よって、簡易な装置で、且つ、装置の製造費等を高騰させることなく、冷房能力を向上できるという効果がある。
第2の発明は、前記凝縮器と毛細管との間を連結する冷媒管を前記蒸発器内部の凝縮水形成部を貫通するように配列したので、蒸発器において発生される凝縮水を利用して冷媒を1次的に冷却(まず、初に冷却)せしめて、分流器に流入して冷房能力を向上できる。
第3の発明は、前記凝縮器と毛細管との間を連結する冷媒管を前記蒸発器の凝縮水を収集した水槽内を経由するように配列したので、凝縮器を通過した冷媒は凝縮水内に配列された冷媒管を経由する間、冷媒温度が下降するようになり、この低い温度の冷媒が分流器に流入される。」(段落【0025】?【0027】)
g)上記cの記載事項、上記dの「冷媒管37aは、蒸発器33内の下部に設置されている」なる記載及び【図1】、【図2】の図示内容によれば、蒸発器33の上部に、毛細管34を通じた後の冷媒が通過する冷媒管37の部分が設置されていること、蒸発器33内の下部に設置されている冷媒管37aと蒸発器33上部の冷媒が通過する冷媒管37の部分とが、分配器35と毛細管34を介して連結されることが示されている。

上記a?d、fの記載事項、上記gの認定事項および【図1】、【図2】の図示内容を総合勘案して、第1の実施形態を中心に整理すると、刊行物には、次の発明が記載されていると認められる。
「圧縮機31、凝縮器32、分流器35、通過した冷媒が膨脹される毛細管34及び蒸発器33とからなる冷房サイクルを適用する空気調和機において、
蒸発器33には、下部に凝縮器と毛細管との間を連結する冷媒管37aが、上部に毛細管34を通じた後の冷媒が通過する冷媒管37の部分が設置され、
蒸発器33で発生された凝縮水にて、蒸発器33内部の凝縮水形成部を貫通するように配列した冷媒管37a内の冷媒を初に冷却せしめ、
蒸発器33内の下部に設置されている冷媒管37aと、蒸発器33上部の毛細管34を通じた後の冷媒が通過する冷媒管37の部分とを分配器35と毛細管34を介して連結され、
冷房効率を向上せしめた冷房サイクルを適用する空気調和機。」

また、上記e、fの記載事項及び【図3】、【図4】の図示内容を総合勘案して、第2の実施形態を中心に整理すると、刊行物には、次の技術事項が記載されていると認められる。
「冷媒管37bを蒸発器33の外部に生成される凝縮水を溜めておく凝縮水受け筒36内を経由するように配列すること。」

3.対比
本件補正発明と刊行物に記載された発明とを対比する。
刊行物に記載された発明の「圧縮機31」は、その構成および機能からみて、本件補正発明の「圧縮機」に相当し、以下同様に、
「凝縮器32」は「凝縮器」に、
「通過した冷媒が膨脹される毛細管34」は「減圧手段」に、
「蒸発器33」は「蒸発器」に、
「冷房サイクルを適用する空気調和機」は「冷凍サイクル装置」に、
「蒸発器33には、下部に凝縮器と毛細管との間を連結する冷媒管37aが、上部に毛細管34を通じた後の冷媒が通過する冷媒管37の部分が設置され」ることは、蒸発器33において、冷媒が、下部の冷媒管37aから流入され、上部の冷媒管37の部分から流出されるといえるから、「蒸発器は、底部から冷媒が流入され上部から冷媒が排出される熱交換流路を有してなり、該熱交換流路は、底部の熱交換流路とその上部の熱交換流路とから構成され」ることに、
それぞれ相当する。
そして、刊行物に記載された発明の「蒸発器33内の下部に設置されている冷媒管37aと、蒸発器33上部の毛細管34を通じた後の冷媒が通過する冷媒管37の部分とを分配器35と毛細管34を介して連結」することと、本件補正発明の「ドレン水に浸漬する底部の熱交換流路とドレン水に浸漬しない上部の熱交換流路とを減圧手段を介して連結」することとは、「底部の熱交換流路と上部の熱交換流路とを減圧手段を介して連結」することで共通する。

したがって、上記両者の一致点および相違点は、次のとおりと認められる。
[一致点]
「圧縮機と、凝縮器と、減圧手段と、蒸発器とを備えた冷凍サイクル装置において、前記蒸発器は、底部から冷媒が流入され上部から冷媒が排出される熱交換流路を有してなり、該熱交換流路は、底部の熱交換流路とその上部の熱交換流路とから構成され、前記底部の熱交換流路と前記上部の熱交換流路とを前記減圧手段を介して連結してなることを特徴とする冷凍サイクル装置。」

[相違点1]
本件補正発明では、底部の熱交換流路は、蒸発器で発生したドレン水を溜めるドレンパン内のドレン水に浸漬する位置に支持されているのに対して、刊行物に記載された発明では、蒸発器33で発生された凝縮水にて、蒸発器33内部の凝縮水形成部を貫通するように配列した冷媒管37a内の冷媒を初に冷却させている点。

[相違点2]
底部の熱交換流路と上部の熱交換流路との減圧手段を介した連結が、本件補正発明では、底部の熱交換流路をドレン水に浸漬させ、上部の熱交換流路をドレン水に浸漬させない状態で行われるのに対して、刊行物に記載された発明では、当該発明特定事項を具備しない点。

4.当審の判断
上記相違点1及び2について検討する。
刊行物に記載された発明は、冷房効率を向上させるために、蒸発器33で発生された凝縮水にて冷媒管37a内の冷媒を初に冷却するものである。
ところで、凝縮水にて冷媒管37aの冷媒を初に冷却する手段としては、刊行物に記載された発明のように、発生された凝縮水にて、蒸発器33内部の凝縮水形成部を貫通するように配列した冷媒管37aを冷却する手段と、刊行物に記載された技術事項のように、一旦、凝縮水を蒸発器33下方の凝縮水受け筒36内に溜め、冷媒管37bを凝縮水受け筒36内を経由するように配列した冷媒管37bを冷却する手段とがある。
そして、どちらの冷却技術手段も、冷房サイクルの冷房効率を向上させるために採用される手段であるから、冷房サイクルの冷房効率を向上させるために、どちらの冷却手段を採用するのかは、当業者が適宜選択し得たものといえる。
したがって、刊行物に記載された発明において、冷媒管37a内の冷媒を1次的に冷却する手段として、刊行物に記載された技術事項に倣って、凝縮水を一旦凝縮水受け筒内に溜めるとともに、冷媒管37aを、蒸発器33の下部に設置したままの状態で、凝縮水受け筒内の凝縮水に浸漬するように、かつ、蒸発器33上部の毛細管34を通じた後の冷媒が通過する冷媒管37の部分を、凝縮水受け筒内の凝縮水に浸漬しないように、蒸発器33を支持する程度のことは、当業者が容易になし得たものである。
また、本件補正発明の奏する効果についてみても、刊行物に記載された発明及び刊行物に記載されたに技術事項から当業者が予測できた範囲内のものである。
ゆえに、本件補正発明は、刊行物に記載された発明及び刊行物に記載されたに技術事項に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。
よって、本件補正発明は、刊行物に記載された発明及び刊行物に記載されたに技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5.まとめ
以上のとおりであるから、本件補正は、改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願発明について
1.本願発明
平成22年2月5日付け手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成21年7月21日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「圧縮機と、凝縮器と、減圧手段と、蒸発器とを備えた冷凍サイクル装置において、前記蒸発器は、底部から冷媒が流入され上部から冷媒が排出される熱交換流路を有してなり、該熱交換流路は、底部の熱交換流路とその上部の熱交換流路とから構成され、前記底部の熱交換流路は、前記蒸発器で発生したドレン水を溜めるドレンパン内の前記ドレン水に浸漬する位置に支持されてなり、前記底部の熱交換流路とその上部の熱交換流路とを前記減圧手段を介して連結してなることを特徴とする冷凍サイクル装置。」

2.刊行物に記載された発明
原査定の拒絶の理由にて提示された刊行物の記載事項及び刊行物に記載された発明及び刊行物に記載された技術事項は、前記「第2.[理由]2.刊行物に記載された発明」に記載したとおりである。

3.対比および判断
本願発明は、前記「第2.[理由]1.本件補正発明」において検討した本件補正発明の熱交換流路について、「前記ドレン水に浸漬する前記底部の熱交換流路と前記ドレン水に浸漬しない前記上部の熱交換流路」とあったものを「前記底部の熱交換流路とその上部の熱交換流路」とその限定を省くことを含むものである。
そうすると、本願発明の構成要件の全てを含む本件補正発明が前記「第2.[理由]3.対比および4.当審の判断」に記載したとおり、刊行物に記載された発明及び刊行物に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様に、刊行物に記載された発明及び刊行物に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、刊行物に記載された発明及び刊行物に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-04-06 
結審通知日 2011-04-12 
審決日 2011-04-25 
出願番号 特願2003-344240(P2003-344240)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F25B)
P 1 8・ 575- Z (F25B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川上 佳槙原 進久保 克彦  
特許庁審判長 岡本 昌直
特許庁審判官 青木 良憲
長崎 洋一
発明の名称 冷凍サイクル装置  
代理人 吉岡 宏嗣  

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