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審決分類 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1238545
審判番号 訂正2011-390035  
総通号数 140 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-08-26 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2011-04-01 
確定日 2011-05-19 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4697716号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4697716号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第4697716号の請求項1及び2に係る発明は、平成16年8月10日に出願した特願2004-233550号の特許出願の一部を平成22年3月31日に特願2010-80313号として分割した特許出願に係り、平成23年3月11日にその特許権の設定の登録がなされたものである。


2.審判請求の要旨
本件審判請求の要旨は、本件特許第4697716号の明細書(以下、「本件特許明細書」という。)及び特許請求の範囲(以下、「本件特許請求の範囲」という。)を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを求めるものである。
その訂正内容は、次のとおりである。

<訂正事項1>
本件特許請求の範囲の
「【請求項1】
所定の遊技領域が設けられた遊技盤を備え、前記遊技領域内に遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機において、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な通過始動口と、
前記通過始動口を遊技球が通過すると所定の抽選ソフトウェアを利用した第1の抽選を行う第1抽選手段と、
前記遊技領域内に設けられ、前記第1の抽選結果に応じて所定の図柄変動表示が可能な図柄表示装置と、
前記第1の抽選結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第1の特別遊技を行わせる第1特別遊技実行手段と、
前記図柄表示装置の前面側に露出する表示部を囲んで前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な入球口および、前記入球口を通過した遊技球が入球可能な内部空間を有する飾り部材と、
前記飾り部材の前記内部空間の下部に設けられ、前記入球口を通過して前記内部空間内に入り込んだ遊技球を利用して機械的な抽選を行う機械的抽選手段と、
前記入球口に対する遊技球の通過を許可および規制可能な通過規制装置と、
遊技球が前記遊技領域に設けられたゲートを通過したときに前記通過規制装置を作動させて遊技球が前記入球口を通過することを許可し、前記入球口を通過して前記内部空間に入り込んだ遊技球による前記機械的抽選手段による機械的抽選を行わせ、前記機械的抽選手段により遊技球が前記特別入賞口に入球したときに前記抽選ソフトウェアを利用したソフトウェア抽選を行わせ、このソフトウェア抽選の結果に基づいて前記第2特別遊技実行手段による前記第2の特別遊技を行わせる組み合わせ抽選手段と、
前記組み合わせ抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第2の特別遊技を行わせる第2特別遊技実行手段と、を備え、
前記通過始動口は前記遊技領域内における前記飾り部材の外側に設けられ、一つの遊技球が前記通過始動口の通過および前記入球口の通過のいずれか一方のみしか可能とならないように構成されており、
前記機械的抽選手段は、前記内部空間に設けられ、遊技球の入球に応じて前記第2の特別遊技の発生に繋がる特別入賞口と、遊技球を前記遊技盤の裏面側に排出するための球排出口と、前記内部空間に入球した遊技球を前記特別入賞口もしくは前記球排出口のいずれか一方に導く振り分け装置とを有し、
前記飾り部材における前記内部空間の前側に位置する前部空間内に、前記前部空間に入り込んだ遊技球を転動移動させて前記通過始動口に向けて落下移動するように案内する第1ステージ部が設けられており、前記内部空間と前記前部空間とを仕切る仕切り部材が設けられていることを特徴とする弾球遊技機。」を
「【請求項1】
所定の遊技領域が設けられた遊技盤を備え、前記遊技領域内に遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機において、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な通過始動口と、
前記通過始動口を遊技球が通過すると所定の抽選ソフトウェアを利用した第1の抽選を行う第1抽選手段と、
前記遊技領域内に設けられ、前記第1の抽選の結果に応じて所定の図柄変動表示が可能な図柄表示装置と、
前記第1の抽選の結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第1の特別遊技を行わせる第1特別遊技実行手段と、
前記図柄表示装置の前面側に露出する表示部を囲んで前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な入球口および、前記入球口を通過した遊技球が入球可能な内部空間を有する飾り部材と、
前記飾り部材の前記内部空間の下部に設けられ、前記入球口を通過して前記内部空間内に入り込んだ遊技球を利用して機械的な抽選を行う機械的抽選手段と、
前記入球口に対する遊技球の通過を許可および規制可能な通過規制装置と、
組み合わせ抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第2の特別遊技を行わせる第2特別遊技実行手段と、を備え、
前記組み合わせ抽選手段が、遊技球が前記遊技領域に設けられたゲートを通過したときに前記通過規制装置を作動させて遊技球が前記入球口を通過することを許可し、前記入球口を通過して前記内部空間に入り込んだ遊技球による前記機械的抽選手段による機械的抽選を行わせ、前記機械的抽選手段により遊技球が特別入賞口に入球したときに抽選ソフトウェアを利用したソフトウェア抽選を行わせ、このソフトウェア抽選の結果に基づいて前記第2特別遊技実行手段による前記第2の特別遊技を行わせるものであり、
前記通過始動口は前記遊技領域内における前記飾り部材の外側に設けられ、一つの遊技球が前記通過始動口の通過および前記入球口の通過のいずれか一方のみしか可能とならないように構成されており、
前記機械的抽選手段は、前記内部空間に設けられ、遊技球の入球に応じて前記第2の特別遊技の発生に繋がる前記特別入賞口と、遊技球を前記遊技盤の裏面側に排出するための球排出口と、前記内部空間に入球した遊技球を前記特別入賞口もしくは前記球排出口のいずれか一方に導く振り分け装置とを有し、
前記飾り部材における前記内部空間の前側に位置する前部空間内に、前記前部空間に入り込んだ遊技球を転動移動させて前記通過始動口に向けて落下移動するように案内する第1ステージ部が設けられており、前記内部空間と前記前部空間とを仕切る仕切り部材が設けられていることを特徴とする弾球遊技機。」と訂正する。

<訂正事項2>
本件特許請求の範囲の
「【請求項2】
所定の遊技領域が設けられた遊技盤を備え、前記遊技領域内に遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機において、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な通過始動口と、
前記通過始動口を遊技球が通過すると所定の抽選ソフトウェアを利用した第1の抽選を行う第1抽選手段と、
前記遊技領域内に設けられ、前記第1の抽選結果に応じて所定の図柄変動表示が可能な図柄表示装置と、
前記第1の抽選結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第1の特別遊技を行わせる第1特別遊技実行手段と、
前記図柄表示装置の前面側に露出する表示部を囲んで前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な入球口および、前記入球口を通過した遊技球が入球可能な内部空間を有する飾り部材と、
前記飾り部材の前記内部空間の下部に設けられ、前記入球口を通過して前記内部空間内に入り込んだ遊技球を利用して機械的な抽選を行う機械的抽選手段と、
前記入球口に対する遊技球の通過を許可および規制可能な通過規制装置と、
前記ゲートを遊技球が通過したときに前記ソフトウェア抽選を行わせ、このソフトウェア抽選の結果に基づいて前記通過規制装置を作動させて遊技球が前記入球口を通過することを許可し、前記入球口を通過して前記内部空間に入り込んだ遊技球により前記機械的抽選を行わせ、前記機械的抽選手段による抽選結果に基づいて前記第2特別遊技実行手段による前記第2の特別遊技を行わせる組み合わせ抽選手段と、
前記組み合わせ抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第2の特別遊技を行わせる第2特別遊技実行手段と、を備え、
前記通過始動口は前記遊技領域内における前記飾り部材の外側に設けられ、一つの遊技球が前記通過始動口の通過および前記入球口の通過のいずれか一方のみしか可能とならないように構成されており、
前記機械的抽選手段は、前記内部空間に設けられ、遊技球の入球に応じて前記第2の特別遊技の発生に繋がる特別入賞口と、遊技球を前記遊技盤の裏面側に排出するための球排出口と、前記内部空間に入球した遊技球を前記特別入賞口もしくは前記球排出口のいずれか一方に導く振り分け装置とを有し、
前記飾り部材における前記内部空間の前側に位置する前部空間内に、前記前部空間に入り込んだ遊技球を転動移動させて前記通過始動口に向けて落下移動するように案内する第1ステージ部が設けられており、前記内部空間と前記前部空間とを仕切る仕切り部材が設けられていることを特徴とする弾球遊技機。」を
「【請求項2】
所定の遊技領域が設けられた遊技盤を備え、前記遊技領域内に遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機において、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な通過始動口と、
前記通過始動口を遊技球が通過すると所定の抽選ソフトウェアを利用した第1の抽選を行う第1抽選手段と、
前記遊技領域内に設けられ、前記第1の抽選の結果に応じて所定の図柄変動表示が可能な図柄表示装置と、
前記第1の抽選の結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第1の特別遊技を行わせる第1特別遊技実行手段と、
前記図柄表示装置の前面側に露出する表示部を囲んで前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な入球口および、前記入球口を通過した遊技球が入球可能な内部空間を有する飾り部材と、
前記飾り部材の前記内部空間の下部に設けられ、前記入球口を通過して前記内部空間内に入り込んだ遊技球を利用して機械的な抽選を行う機械的抽選手段と、
前記入球口に対する遊技球の通過を許可および規制可能な通過規制装置と、
組み合わせ抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第2の特別遊技を行わせる第2特別遊技実行手段と、を備え、
前記組み合わせ抽選手段が、前記遊技領域に設けられたゲートを遊技球が通過したときにソフトウェア抽選を行わせ、このソフトウェア抽選の結果に基づいて前記通過規制装置を作動させて遊技球が前記入球口を通過することを許可し、前記入球口を通過して前記内部空間に入り込んだ遊技球により前記機械的抽選を行わせ、前記機械的抽選手段による抽選結果に基づいて前記第2特別遊技実行手段による前記第2の特別遊技を行わせるものであり、
前記通過始動口は前記遊技領域内における前記飾り部材の外側に設けられ、一つの遊技球が前記通過始動口の通過および前記入球口の通過のいずれか一方のみしか可能とならないように構成されており、
前記機械的抽選手段は、前記内部空間に設けられ、遊技球の入球に応じて前記第2の特別遊技の発生に繋がる特別入賞口と、遊技球を前記遊技盤の裏面側に排出するための球排出口と、前記内部空間に入球した遊技球を前記特別入賞口もしくは前記球排出口のいずれか一方に導く振り分け装置とを有し、
前記飾り部材における前記内部空間の前側に位置する前部空間内に、前記前部空間に入り込んだ遊技球を転動移動させて前記通過始動口に向けて落下移動するように案内する第1ステージ部が設けられており、前記内部空間と前記前部空間とを仕切る仕切り部材が設けられていることを特徴とする弾球遊技機。」と訂正する。

<訂正事項3>
本件特許明細書の段落【0008】の
「このような目的達成のため、本発明に係る弾球遊技機は、所定の遊技領域が設けられた遊技盤を備え、前記遊技領域内に遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機において、前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な通過始動口と、前記通過始動口を遊技球が通過すると所定の抽選ソフトウェアを利用した第1の抽選を行う第1抽選手段と、前記遊技領域内に設けられ、前記第1の抽選結果に応じて所定の図柄変動表示が可能な図柄表示装置と、前記第1の抽選結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第1の特別遊技を行わせる第1特別遊技実行手段と、前記図柄表示装置の前面側に露出する表示部を囲んで前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な入球口および前記入球口を通過した遊技球が入球可能な内部空間を有する飾り部材と、前記飾り部材の前記内部空間の下部に設けられ、前記入球口を通過して前記内部空間内に入り込んだ遊技球を利用して機械的な抽選を行う機械的抽選手段と、前記入球口に対する遊技球の通過を許可および規制可能な通過規制装置と、遊技球が前記遊技領域に設けられたゲートを通過したときに前記通過規制装置を作動させて遊技球が前記入球口を通過することを許可し、前記入球口を通過して前記内部空間に入り込んだ遊技球による前記機械的抽選手段による機械的抽選を行わせ、前記機械的抽選手段により遊技球が前記特別入賞口に入球したときに前記抽選ソフトウェアを利用したソフトウェア抽選を行わせ、このソフトウェア抽選の結果に基づいて前記第2特別遊技実行手段による前記第2の特別遊技を行わせる組み合わせ抽選手段と、前記組み合わせ抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第2の特別遊技を行わせる第2特別遊技実行手段と、を備え、前記通過始動口は前記遊技領域内における前記飾り部材の外側に設けられ、一つの遊技球が前記通過始動口の通過および前記入球口の通過のいずれか一方のみしか可能とならないように構成されており、前記機械的抽選手段は、前記内部空間に設けられ、遊技球の入球に応じて前記第2の特別遊技の発生に繋がる特別入賞口と、遊技球を前記遊技盤の裏面側に排出するための球排出口と、前記内部空間に入球した遊技球を前記特別入賞口もしくは前記球排出口のいずれか一方に導く振り分け装置とを有し、前記飾り部材における前記内部空間の前側に位置する前部空間内に、前記前部空間に入り込んだ遊技球を転動移動させて前記通過始動口に向けて落下移動するように案内する第1ステージ部が設けられており、前記内部空間と前記前部空間とを仕切る仕切り部材が設けられている。」を、
「このような目的達成のため、本発明に係る弾球遊技機は、所定の遊技領域が設けられた遊技盤を備え、前記遊技領域内に遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機において、前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な通過始動口と、前記通過始動口を遊技球が通過すると所定の抽選ソフトウェアを利用した第1の抽選を行う第1抽選手段と、前記遊技領域内に設けられ、前記第1の抽選の結果に応じて所定の図柄変動表示が可能な図柄表示装置と、前記第1の抽選の結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第1の特別遊技を行わせる第1特別遊技実行手段と、前記図柄表示装置の前面側に露出する表示部を囲んで前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な入球口および前記入球口を通過した遊技球が入球可能な内部空間を有する飾り部材と、前記飾り部材の前記内部空間の下部に設けられ、前記入球口を通過して前記内部空間内に入り込んだ遊技球を利用して機械的な抽選を行う機械的抽選手段と、前記入球口に対する遊技球の通過を許可および規制可能な通過規制装置と、組み合わせ抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第2の特別遊技を行わせる第2特別遊技実行手段と、を備え、前記組み合わせ抽選手段が、遊技球が前記遊技領域に設けられたゲートを通過したときに前記通過規制装置を作動させて遊技球が前記入球口を通過することを許可し、前記入球口を通過して前記内部空間に入り込んだ遊技球による前記機械的抽選手段による機械的抽選を行わせ、前記機械的抽選手段により遊技球が特別入賞口に入球したときに抽選ソフトウェアを利用したソフトウェア抽選を行わせ、このソフトウェア抽選の結果に基づいて前記第2特別遊技実行手段による前記第2の特別遊技を行わせるものであり、前記通過始動口は前記遊技領域内における前記飾り部材の外側に設けられ、一つの遊技球が前記通過始動口の通過および前記入球口の通過のいずれか一方のみしか可能とならないように構成されており、前記機械的抽選手段は、前記内部空間に設けられ、遊技球の入球に応じて前記第2の特別遊技の発生に繋がる前記特別入賞口と、遊技球を前記遊技盤の裏面側に排出するための球排出口と、前記内部空間に入球した遊技球を前記特別入賞口もしくは前記球排出口のいずれか一方に導く振り分け装置とを有し、前記飾り部材における前記内部空間の前側に位置する前部空間内に、前記前部空間に入り込んだ遊技球を転動移動させて前記通過始動口に向けて落下移動するように案内する第1ステージ部が設けられており、前記内部空間と前記前部空間とを仕切る仕切り部材が設けられている。」と訂正する。

<訂正事項4>
本件特許明細書の段落【0009】の
「もう一つの本発明に係る弾球遊技機は、所定の遊技領域が設けられた遊技盤を備え、前記遊技領域内に遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機において、前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な通過始動口と、前記通過始動口を遊技球が通過すると所定の抽選ソフトウェアを利用した第1の抽選を行う第1抽選手段と、前記遊技領域内に設けられ、前記第1の抽選結果に応じて所定の図柄変動表示が可能な図柄表示装置と、前記第1の抽選結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第1の特別遊技を行わせる第1特別遊技実行手段と、前記図柄表示装置の前面側に露出する表示部を囲んで前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な入球口および、前記入球口を通過した遊技球が入球可能な内部空間を有する飾り部材と、前記飾り部材の前記内部空間の下部に設けられ、前記入球口を通過して前記内部空間内に入り込んだ遊技球を利用して機械的な抽選を行う機械的抽選手段と、前記入球口に対する遊技球の通過を許可および規制可能な通過規制装置と、前記ゲートを遊技球が通過したときに前記ソフトウェア抽選を行わせ、このソフトウェア抽選の結果に基づいて前記通過規制装置を作動させて遊技球が前記入球口を通過することを許可し、前記入球口を通過して前記内部空間に入り込んだ遊技球により前記機械的抽選を行わせ、前記機械的抽選手段による抽選結果に基づいて前記第2特別遊技実行手段による前記第2の特別遊技を行わせる組み合わせ抽選手段と、前記組み合わせ抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第2の特別遊技を行わせる第2特別遊技実行手段と、を備え、前記通過始動口は前記遊技領域内における前記飾り部材の外側に設けられ、一つの遊技球が前記通過始動口の通過および前記入球口の通過のいずれか一方のみしか可能とならないように構成されており、前記機械的抽選手段は、前記内部空間に設けられ、遊技球の入球に応じて前記第2の特別遊技の発生に繋がる特別入賞口と、遊技球を前記遊技盤の裏面側に排出するための球排出口と、前記内部空間に入球した遊技球を前記特別入賞口もしくは前記球排出口のいずれか一方に導く振り分け装置とを有し、前記飾り部材における前記内部空間の前側に位置する前部空間内に、前記前部空間に入り込んだ遊技球を転動移動させて前記通過始動口に向けて落下移動するように案内する第1ステージ部が設けられており、前記内部空間と前記前部空間とを仕切る仕切り部材が設けられている。」を、
「もう一つの本発明に係る弾球遊技機は、所定の遊技領域が設けられた遊技盤を備え、前記遊技領域内に遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機において、前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な通過始動口と、前記通過始動口を遊技球が通過すると所定の抽選ソフトウェアを利用した第1の抽選を行う第1抽選手段と、前記遊技領域内に設けられ、前記第1の抽選の結果に応じて所定の図柄変動表示が可能な図柄表示装置と、前記第1の抽選の結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第1の特別遊技を行わせる第1特別遊技実行手段と、前記図柄表示装置の前面側に露出する表示部を囲んで前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な入球口および、前記入球口を通過した遊技球が入球可能な内部空間を有する飾り部材と、前記飾り部材の前記内部空間の下部に設けられ、前記入球口を通過して前記内部空間内に入り込んだ遊技球を利用して機械的な抽選を行う機械的抽選手段と、前記入球口に対する遊技球の通過を許可および規制可能な通過規制装置と、組み合わせ抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第2の特別遊技を行わせる第2特別遊技実行手段と、を備え、前記組み合わせ抽選手段が、前記遊技領域に設けられたゲートを遊技球が通過したときにソフトウェア抽選を行わせ、このソフトウェア抽選の結果に基づいて前記通過規制装置を作動させて遊技球が前記入球口を通過することを許可し、前記入球口を通過して前記内部空間に入り込んだ遊技球により前記機械的抽選を行わせ、前記機械的抽選手段による抽選結果に基づいて前記第2特別遊技実行手段による前記第2の特別遊技を行わせるものであり、前記通過始動口は前記遊技領域内における前記飾り部材の外側に設けられ、一つの遊技球が前記通過始動口の通過および前記入球口の通過のいずれか一方のみしか可能とならないように構成されており、前記機械的抽選手段は、前記内部空間に設けられ、遊技球の入球に応じて前記第2の特別遊技の発生に繋がる特別入賞口と、遊技球を前記遊技盤の裏面側に排出するための球排出口と、前記内部空間に入球した遊技球を前記特別入賞口もしくは前記球排出口のいずれか一方に導く振り分け装置とを有し、前記飾り部材における前記内部空間の前側に位置する前部空間内に、前記前部空間に入り込んだ遊技球を転動移動させて前記通過始動口に向けて落下移動するように案内する第1ステージ部が設けられており、前記内部空間と前記前部空間とを仕切る仕切り部材が設けられている。」と訂正する。


3.当審の判断
(1)訂正事項1について
訂正事項1において、本件特許請求の範囲の請求項1(以下、「訂正前の請求項1」という。)の「前記第1の抽選結果」を「前記第1の抽選の結果」に訂正する点は、「前記」が「第1の抽選」に係ることを明らかにするための訂正であって、明りようでない記載の釈明を目的とするものであると認めることができる。

訂正事項1において、訂正前の請求項1の「前記抽選ソフトウェアを利用したソフトウェア抽選」を「抽選ソフトウェアを利用したソフトウェア抽選」に訂正する点は、訂正前の請求項1に記載された「所定の抽選ソフトウェアを利用した第1の抽選」との混同を避けるための訂正であって、明りようでない記載の釈明を目的とするものであると認めることができる。

訂正事項1において、訂正前の請求項1に順番に記載された「前記特別入賞口」及び「特別入賞口」を、それぞれ「特別入賞口」及び「前記特別入賞口」に訂正する点は、記載された順番に応じた記載とするための訂正であって、明りようでない記載の釈明を目的とするものであると認めることができる。

訂正事項1において、訂正前の請求項1の「第2特別遊技実行手段」を規定する段落を「組み合わせ抽選手段」を規定する段落の前側に移動する点は、「組み合わせ抽選手段」を規定する段落内に「前記第2特別遊技実行手段」と記載されていることにあわせて段落の順番を入れ換えるための訂正であって、明りようでない記載の釈明を目的とするものであると認めることができる。
また、訂正前の請求項1の「第2特別遊技実行手段」を規定する段落の文頭における「前記組み合わせ抽選手段」を「組み合わせ抽選手段」に訂正し、
訂正前の請求項1の「組み合わせ抽選手段」を規定する段落の文頭に「前記組み合わせ抽選手段が、」を挿入し、
訂正前の請求項1の「組み合わせ抽選手段」を規定する段落の文末における「行わせる組み合わせ抽選手段と、」を「行わせるものであり、」に訂正する点は、
段落の順番を入れ換えるための上記訂正に整合させるため、表現の訂正を行ったものであり、実際上の意味内容を変更するものではない。

したがって、訂正事項1は、特許法126条1項ただし書3号に掲げる事項を目的としたものと認める。
そして、訂正事項1は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内においてされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもないので、特許法126条3?4項の規定に適合する。

(2)訂正事項2について
訂正事項2において、本件特許請求の範囲の請求項2(以下、「訂正前の請求項2」という。)の「前記第1の抽選結果」を「前記第1の抽選の結果」に訂正する点、
訂正前の請求項2の「前記ソフトウェア抽選」を「ソフトウェア抽選」に訂正する点、及び
訂正前の請求項2の「第2特別遊技実行手段」を規定する段落を「組み合わせ抽選手段」を規定する段落の前側に移動することに関する訂正については、
訂正事項1と同様に、明りようでない記載の釈明を目的とするものであると認めることができる。

訂正事項2において、訂正前の請求項2に順番に記載された「前記ゲート」を「前記遊技領域に設けられたゲート」に訂正する点は、「ゲート」の構成及び「ゲート」が前出していないことを明らかにするための訂正であって、特許請求の範囲の減縮及び明りようでない記載の釈明を目的とするものであると認めることができる。

したがって、訂正事項2は、特許法126条1項ただし書1号及び3号に掲げる事項を目的としたものと認める。
そして、訂正事項2は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内においてされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもないので、特許法126条3?4項の規定に適合する。
さらに、訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、訂正後における請求項2に係る発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しないから、訂正事項2は、特許法126条5項の規定にも適合する。

(3)訂正事項3?4について
訂正事項3?4は、いずれも訂正事項1?2における本件特許請求の範囲を訂正したことに伴い、訂正した特許請求の範囲の記載と、発明の詳細な説明の記載の整合を取るものであって、明りようでない記載の釈明を目的とするものであると認めることができる。
したがって、訂正事項3?4は、いずれも特許法126条1項ただし書3号に掲げる事項を目的としたものと認める。
そして、訂正事項3?4は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内においてされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもないので、特許法126条3?4項の規定に適合する。


4.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法126条1項ただし書1号及び3号に掲げる事項を目的とするものである。また、同条3?5項の規定にも適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
弾球遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機(ぱちんこ遊技機)に代表される弾球遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
弾球遊技機には、第1種ぱちんこ遊技機や、第2種ぱちんこ遊技機と称されるものがあり、従来から広く親しまれている。第1種ぱちんこ遊技機は、所定の遊技領域が設けられた遊技盤と、遊技領域に設けられて遊技球が通過可能な始動口と、始動口を遊技球が通過すると所定の抽選を行う抽選手段と、抽選手段による抽選の結果に基づいて図柄を変動表示可能な図柄表示装置とを備えて構成される。そして、図柄表示装置に停止表示された図柄が予め定められた当たり図柄であるときに、遊技領域の下部に設けられた大入賞装置により大入賞口を開放して遊技球の入賞を容易にすることで、遊技者に通常遊技よりも有利な特別遊技を行わせるようになっている。
【0003】
第2種ぱちんこ遊技機は、所定の遊技領域が設けられた遊技盤と、遊技領域に設けられて遊技球が通過可能な始動口と、遊技領域に設けられて側部に形成された大入賞口を通じて遊技球が内部に入球可能な役物と、役物の側部に設けられて大入賞口を開閉可能な羽根部材とを有して構成される。そして、始動口を遊技球が通過することで羽根部材が大入賞口を開放し、羽根部材に拾われて大入賞口を通過(入賞)した遊技球が役物内のVゾーンと称される特別入賞口に飛び込むと、羽根部材が大入賞口を比較的長い時間開放して遊技球の入賞を容易にすることで、遊技者に特別遊技を行わせるようになっている。
【0004】
このような第1種ぱちんこ遊技機および第2種ぱちんこ遊技機に対し、遊技性を向上させるための様々な技術が提案されている。その中で、第1種ぱちんこ遊技機および第2種ぱちんこ遊技機の遊技を組み合わせた弾球遊技機も提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000-33141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、2種類の遊技を組み合わせた従来の弾球遊技機は、2種類の遊技が単に組み合わされただけに過ぎないため、2つの遊技が同時に行われた場合でも遊技の展開が単調となり、それぞれの遊技によってもたらされるべき遊技性が十分に発揮されているとは言い難いものであった。
【0007】
本発明は、このような問題に鑑みて成されたものであり、2種類の遊技を効果的に組み合わせることが可能な弾球遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このような目的達成のため、本発明に係る弾球遊技機は、所定の遊技領域が設けられた遊技盤を備え、前記遊技領域内に遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機において、前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な通過始動口と、前記通過始動口を遊技球が通過すると所定の抽選ソフトウェアを利用した第1の抽選を行う第1抽選手段と、前記遊技領域内に設けられ、前記第1の抽選の結果に応じて所定の図柄変動表示が可能な図柄表示装置と、前記第1の抽選の結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第1の特別遊技を行わせる第1特別遊技実行手段と、前記図柄表示装置の前面側に露出する表示部を囲んで前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な入球口および前記入球口を通過した遊技球が入球可能な内部空間を有する飾り部材と、前記飾り部材の前記内部空間の下部に設けられ、前記入球口を通過して前記内部空間内に入り込んだ遊技球を利用して機械的な抽選を行う機械的抽選手段と、前記入球口に対する遊技球の通過を許可および規制可能な通過規制装置と、組み合わせ抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第2の特別遊技を行わせる第2特別遊技実行手段と、を備え、前記組み合わせ抽選手段が、遊技球が前記遊技領域に設けられたゲートを通過したときに前記通過規制装置を作動させて遊技球が前記入球口を通過することを許可し、前記入球口を通過して前記内部空間に入り込んだ遊技球による前記機械的抽選手段による機械的抽選を行わせ、前記機械的抽選手段により遊技球が特別入賞口に入球したときに抽選ソフトウェアを利用したソフトウェア抽選を行わせ、このソフトウェア抽選の結果に基づいて前記第2特別遊技実行手段による前記第2の特別遊技を行わせるものであり、前記通過始動口は前記遊技領域内における前記飾り部材の外側に設けられ、一つの遊技球が前記通過始動口の通過および前記入球口の通過のいずれか一方のみしか可能とならないように構成されており、前記機械的抽選手段は、前記内部空間に設けられ、遊技球の入球に応じて前記第2の特別遊技の発生に繋がる前記特別入賞口と、遊技球を前記遊技盤の裏面側に排出するための球排出口と、前記内部空間に入球した遊技球を前記特別入賞口もしくは前記球排出口のいずれか一方に導く振り分け装置とを有し、前記飾り部材における前記内部空間の前側に位置する前部空間内に、前記前部空間に入り込んだ遊技球を転動移動させて前記通過始動口に向けて落下移動するように案内する第1ステージ部が設けられており、前記内部空間と前記前部空間とを仕切る仕切り部材が設けられている。
【0009】
もう一つの本発明に係る弾球遊技機は、所定の遊技領域が設けられた遊技盤を備え、前記遊技領域内に遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機において、前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な通過始動口と、前記通過始動口を遊技球が通過すると所定の抽選ソフトウェアを利用した第1の抽選を行う第1抽選手段と、前記遊技領域内に設けられ、前記第1の抽選の結果に応じて所定の図柄変動表示が可能な図柄表示装置と、前記第1の抽選の結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第1の特別遊技を行わせる第1特別遊技実行手段と、前記図柄表示装置の前面側に露出する表示部を囲んで前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な入球口および、前記入球口を通過した遊技球が入球可能な内部空間を有する飾り部材と、前記飾り部材の前記内部空間の下部に設けられ、前記入球口を通過して前記内部空間内に入り込んだ遊技球を利用して機械的な抽選を行う機械的抽選手段と、前記入球口に対する遊技球の通過を許可および規制可能な通過規制装置と、組み合わせ抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第2の特別遊技を行わせる第2特別遊技実行手段と、を備え、前記組み合わせ抽選手段が、前記遊技領域に設けられたゲートを遊技球が通過したときにソフトウェア抽選を行わせ、このソフトウェア抽選の結果に基づいて前記通過規制装置を作動させて遊技球が前記入球口を通過することを許可し、前記入球口を通過して前記内部空間に入り込んだ遊技球により前記機械的抽選を行わせ、前記機械的抽選手段による抽選結果に基づいて前記第2特別遊技実行手段による前記第2の特別遊技を行わせるものであり、前記通過始動口は前記遊技領域内における前記飾り部材の外側に設けられ、一つの遊技球が前記通過始動口の通過および前記入球口の通過のいずれか一方のみしか可能とならないように構成されており、前記機械的抽選手段は、前記内部空間に設けられ、遊技球の入球に応じて前記第2の特別遊技の発生に繋がる特別入賞口と、遊技球を前記遊技盤の裏面側に排出するための球排出口と、前記内部空間に入球した遊技球を前記特別入賞口もしくは前記球排出口のいずれか一方に導く振り分け装置とを有し、前記飾り部材における前記内部空間の前側に位置する前部空間内に、前記前部空間に入り込んだ遊技球を転動移動させて前記通過始動口に向けて落下移動するように案内する第1ステージ部が設けられており、前記内部空間と前記前部空間とを仕切る仕切り部材が設けられている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、入球口に対する遊技球の通過を許可および規制可能な通過規制装置を備えて構成されるため、通過規制装置により入球口に対する遊技球の通過が許可されたときに、飾り部材の内部空間に設けられた第2抽選手段による(第2の)抽選を行うことが可能となり、第1抽選手段を用いた第1の遊技(抽選)と第2抽選手段を用いた第2の遊技(抽選)とをそれぞれ独立して行うことができる。従って、通過規制装置の作動により2種類の遊技を効果的に組み合わせることが可能となり、それぞれの遊技によってもたらされるべき遊技性を十分に発揮させることができるため、遊技性を向上させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明に係る弾球遊技機の一例として示すパチンコ機の正面図である。
【図2】上記パチンコ機の裏面側を示す背面図である。
【図3】センター役物の正面図である。
【図4】カバー部材が取り外されたセンター役物の正面図である。
【図5】センター役物の左方向斜視図である。
【図6】センター役物の右方向斜視図である。
【図7】図3中の矢印VII-VIIに沿った側断面図である。
【図8】図3中の矢印VIII-VIIIに沿った平断面図である。
【図9】図3中の矢印IX-IXに沿った側断面図である。
【図10】カバー部材の左側面図である。
【図11】上記パチンコ機に構成される遊技制御装置の概要を示すブロック図である。
【図12】回転体の変形例を示す拡大正面図である。
【図13】第二実施形態のパチンコ機に構成される遊技盤の正面図である。
【図14】第二実施形態のパチンコ機に構成されるセンター役物の正面図である。
【図15】第二実施形態のパチンコ機に構成される遊技制御装置の概要を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら説明する。本発明に係る弾球遊技機の代表例としてパチンコ機(ぱちんこ遊技機)PMを図1および図2に示しており、まず、これらの図面を参照しながらパチンコ機PMの全体構成について要約説明する。ここで、図1はパチンコ機PMの正面図、図2はパチンコ機PMの背面図である。
【0013】
パチンコ機PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成される開閉搭載用の前枠2が互いの正面左側上下に配設されたヒンジ部材3a,3bで横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置4を利用して常には外枠1と係合された閉鎖状態に保持される。
【0014】
前枠2の各部には、パチンコ遊技を展開する遊技展開部材として、前枠2の前側面域に合わせた方形状のガラス扉5および球皿6が正面左側部に設けられたヒンジ機構7a,7b,7cを利用して横開き開閉および着脱が可能に組付けられ、球皿6の右側下部には遊技球の発射操作を行う操作ハンドル8が装備されている。前枠2の中央部から上部にかけて後方に突出する方形枠状の収容枠(図示せず)が前枠2と一体に形成されており、この収容枠に所定のゲージ設定で構成された遊技盤10が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス扉5に遊技盤正面の遊技領域PAを臨ませている。
【0015】
遊技盤10の遊技領域PAには、図示しない遊技釘が多数配設され、遊技領域PAの中央部近傍には、特別図柄表示装置11や装飾図柄表示装置12が取り付けられたセンター役物100が配設される。また、遊技領域PAの下部には、通過始動口13aを有する始動入賞装置13が設けられ、遊技球が通過始動口13aを通過すると、始動入賞装置13内に設けられた入賞検出センサ23(図11を参照)に検出されて遊技盤10の裏面側へ排出されるようになっている。
【0016】
さらに、始動入賞装置13の下方には、開放始動口14aを有する普通電動役物14が設けられ、遊技球が開放始動口14aを通過すると、普通電動役物14内に設けられた入賞検出センサ24(図11を参照)に検出されて遊技盤10の裏面側へ排出されるようになっている。普通電動役物14は、始動入賞装置13の下方に隣接して設けられた開閉型入賞装置であり、普通電動役物14が閉鎖状態にあるときには、入口部分が始動入賞装置13に塞がれて遊技球は普通電動役物14に入賞できず、普通電動役物14が開放状態にあるときに、遊技球が普通電動役物14に入賞できるようになっている。
【0017】
また、普通電動役物14の左方には遊技球が通過可能な普通図柄作動ゲート15が設けられ、普通電動役物14の下方には第1大入賞口16aを開閉可能な第1大入賞装置16が設けられる。第1大入賞装置16は、特別遊技中に第1大入賞口ソレノイド26(図11を参照)を用いて第1大入賞口16aを開放し、遊技球を第1大入賞口16aに対し通過容易にする。第1大入賞口16aは、遊技領域PAの下部に設けられた横長方形状の入賞口であり、第1大入賞口16aが閉鎖状態にあるときには、遊技球は第1大入賞口16aを通過することができず、第1大入賞口16aが開放状態になったときに、遊技球が第1大入賞口16aを通過することができる。遊技球が第1大入賞口16aを通過すると、第1大入賞装置16内に設けられた入賞検出センサ27(図11を参照)に検出されて遊技盤10の裏面側へ排出されるようになっている。
【0018】
また、遊技領域PAの右下部には、普通図柄作動ゲート15での遊技球の通過を契機として行われる抽選の結果に基づいて普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置17が設けられる。さらに、遊技領域PAの左右下部には、普通入賞口18aを有する複数の普通入賞装置18が設けられ、遊技球が普通入賞口18aを通過すると、普通入賞装置18内に設けられた入賞検出センサ(図示せず)に検出されて遊技盤10の裏面側へ排出されるようになっている。また、遊技領域PAの下端には、各入賞装置に入賞せずに落下した遊技球を遊技盤10の裏面側へ排出させるアウト口19が設けられている。
【0019】
前枠2の裏面側には、図2に示すように、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりもやや小型の方形枠状に形成された裏セット盤30が、前枠2の裏面に設けられた複数のレバーL,L…を利用して着脱可能にセット保持される。裏セット盤30の各部には遊技球を貯留する球貯留タンク31、タンクレール32、整列待機通路33、賞球カセット34、賞球排出通路35などの賞球装置が装備されるとともに、裏面各部に電源基板40や主基板50等の各種制御基板および電子部品等が取り付けられ、これらの各機器および遊技盤10の裏面に取り付けられたサブ制御基板60が図示省略するワイヤーハーネスで接続されている。
【0020】
球皿6に前面側が覆われた前枠2の下部領域には遊技補助盤(図示せず)と称される補助機構部が形成されており、この遊技補助盤の各部に、打球発射装置(図示せず)や、裏セット盤30側の賞球排出通路35と繋がり球皿6に排出できない遊技球を一時貯留する貯留カセット(図示せず)などが設けられている。
【0021】
次に、センター役物100について図3?図10を追加参照しながら説明する。ここで、図3はセンター役物100の正面図、図4はカバー部材190が取り外されたセンター役物100の正面図、図5はセンター役物100の左方向斜視図、図6はセンター役物100の右方向斜視図、図7は図3中の矢印VII-VIIに沿った側断面図、図8は図3中の矢印VIII-VIIIに沿った平断面図、図9は図3中の矢印IX-IXに沿った側断面図、そして図10はカバー部材190の左側面図である。
【0022】
センター役物100は、樹脂材料を用いて射出成形等により一体的に形成された種々の構成部品からなり、遊技盤10の中央前面側に取り付けられる。センター役物100の中央部には、図3および図4に示すように、前後に開口した直方体形の内部空間103が形成されており、この内部空間103に遊技球が入球可能に構成されている。内部空間103の前下方には、図3および図4に示すように、前面側が開口した前部空間104が形成されており、この前部空間104にも遊技球が入球可能に構成されている。
【0023】
前部空間104の前面側には、遊技球が通過可能なステージ開口107が形成されており、ステージ開口107を通過した遊技球が前部空間104へ入球するようになっている。前部空間104の底部には、第1ステージ部105が左右に延びて形成される。第1ステージ部105は、左右両端から中央に向けて下方へ傾斜するように形成され、その中央上部にはステージ傾斜部106が前方へ向かうにつれて下方へ傾斜するように形成される。そして、ステージ開口107を通過して前部空間104に入球した遊技球は、第1ステージ部105の上を一時的に停留するように左右へ転がり移動し、ステージ傾斜部106から遊技領域PAの下部に設けられた始動入賞装置13へ向けて落下するようになっている。
【0024】
センター役物100の後部には、図3、図4および図9に示すように、内部空間103の後方を塞ぐように図示しない透明板を介して装飾図柄表示装置12が取り付けられており、装飾図柄表示装置12の前面に設けられた表示面12aが内部空間103(および、ガラス扉5等)を通じて外部から視認可能に構成されている。また、センター役物100の上部前面側には、特別図柄表示装置11が取り付けられている。なお、図5および図6において、特別図柄表示装置11および装飾図柄表示装置12の記載を省略している。
【0025】
特別図柄表示装置11は、発光ダイオード等から構成され、後述する第1抽選手段212による抽選(以下、第1の抽選と称する)の結果に基づいて特別図柄(図示せず)を変動表示する。装飾図柄表示装置12は、液晶ディスプレイ等から構成され、特別図柄表示装置11と連動して装飾図柄(図示せず)を表示面12aに変動表示する。特別図柄は、始動入賞装置13(通過始動口13a)への遊技球の入賞を契機として行われる第1の抽選の結果に基づいて表示される図柄であり、大当たりを発生させるか否かを示す役割を持つ。また、装飾図柄は、特別図柄で示される第1の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄であり、例えば、スロットマシンの図柄表示を模した複数列の変動図柄として表示面12aの中央領域に表示される。
【0026】
なお、本実施形態における特別図柄(図示せず)は、演出的な役割を持たず、特別図柄表示装置11により装飾図柄と比較して目立たない大きさで表示されるが、これに限られるものではなく、装飾図柄を用いずに特別図柄に演出的な役割を持たせ、この特別図柄を装飾図柄表示装置12のような表示装置に表示させるようにしてもよい。また、装飾図柄表示装置12は、液晶ディスプレイに限らず、回転式ドラムや発光ダイオード等を用いた表示手段を有して構成されてもよい。
【0027】
センター役物100の左側には、第2大入賞装置120が設けられる。第2大入賞装置120は、センター役物100の左前面に取り付けられた入賞装置本体121と、入賞装置本体121に形成される第2大入賞口122を開閉可能な開閉装置130とを主体に構成される。入賞装置本体121は樹脂材料を用いて略箱形に形成され、センター役物100の左前面を覆うように取り付けられる。入賞装置本体121の左側部、すなわちセンター役物100の左周部に位置して、縦長方形状の第2大入賞口122が形成されており、この第2大入賞口122を通過した遊技球は入賞装置本体121の内部を落下するようになっている。入賞装置本体121の内部には、図5および図7に示すように、第2大入賞口122を通過して入賞装置本体121の内部に達した遊技球を検出する入賞検出センサ123が設けられている。
【0028】
図7に示すように、センター役物100の左前面における入賞装置本体121に覆われる部分には、入賞装置本体121の底部に達した遊技球が通過可能な開口101が形成されており、センター役物100内の導入通路102に繋がっている。この導入通路102は、センター役物100内で前後方向に延びて入賞装置本体121の内部と内部空間103とに繋がるように形成されており、開口101を通過して導入通路102に達した遊技球は、導入通路102を転がり移動して内部空間103に入球するようになっている。
【0029】
開閉装置130は、図5に示すように、第2大入賞口122を開閉可能な開閉扉131と、開閉扉131を開閉させるための第2大入賞口ソレノイド132とを主体に構成される。開閉扉131は、樹脂材料を用いて羽根状に形成され、入賞装置本体121に対し第2大入賞口122を揺動開閉可能に取り付けられる。なおこのとき、開閉扉131はセンター役物100の左周部に位置することになる。そして、開閉扉131の開放時には、羽根状の開閉扉131が第2大入賞口122の側方へ揺動し、開閉扉131上に達した遊技球を受け止めて第2大入賞口122へ導くようになっている。これにより、開閉扉131の開放時には遊技球が第2大入賞口122に対し通過容易となる。このようにして、2つの大入賞装置16,120を省スペースで遊技盤10に取り付けることが可能になる。なお、開閉扉131の閉鎖時には、遊技球は第2大入賞口122を通過することができない。
【0030】
第2大入賞口ソレノイド132は、センター役物100の裏面側に取り付けられ、可動鉄心133がリンク機構134を介して開閉扉131と連結される。そして、第2大入賞口ソレノイド132のオフ作動時には、可動鉄心133が図示しない付勢バネの付勢力を受けて下方へ移動するとともに、可動鉄心133とリンク機構134を介して連結された開閉扉131が第2大入賞口122を閉鎖するように(右方へ)揺動する。一方、第2大入賞口ソレノイド132のオン作動時には、可動鉄心133が付勢バネの付勢力に抗して上方へ移動するとともに、開閉扉131が第2大入賞口122を開放するように(左方へ)揺動する。
【0031】
ところで、センター役物100の内部空間103には、内部空間103に入球した遊技球を利用して機械的な抽選(以下、第2の抽選と称する)を行う第2抽選手段150が設けられる。第2抽選手段150は、図6に示すように、内部空間103に入球した遊技球を遊技盤10の裏面側に排出するための球排出口151と、遊技球が通過可能な特別入賞口156(Vゾーンとも称される)と、内部空間103に入球した遊技球を球排出口151もしくは特別入賞口156のいずれか一方に導く振り分け装置160と備えて構成される。
【0032】
球排出口151は、図8および図9に示すように、内部空間103の底部において、振り分け装置160に構成される第2ステージ部161の前下方に上方を向いて形成され、第2ステージ部161から落下した遊技球が通過可能に構成される。また、球排出口151は、第2ステージ部161に合わせて左右へ延びる横長方形状に形成されている。センター役物100の下部には、球排出口151に繋がって球排出通路152が形成されており、センター役物100の下端に設けられた裏排出口153(図5を参照)に繋がっている。この裏排出口153は、遊技盤10の裏面側に位置して形成されており、球排出口151を通過した遊技球は、球排出通路152を転がり移動し裏排出口153から遊技盤10の裏面側に排出されるようになっている。
【0033】
特別入賞口156は、図6、図8および図9に示すように、内部空間103の底部において、球排出口151の前方に形成された第3ステージ部157の中央部に上方を向いて形成される。第3ステージ部157は、球排出口151に合わせて左右へ延びるように形成されており、その上部は球排出口151へ向けて下方に傾斜している。図9に示すように、第3ステージ部157内には、特別入賞口156に繋がって特別入賞通路158が形成されており、球排出通路152に繋がっている。特別入賞通路158には、特別入賞口156を通過して特別入賞通路158に達した遊技球を検出するV入賞センサ159が設けられている。
【0034】
振り分け装置160は、図4および図6に示すように、内部空間103に入球した遊技球を一時的に停留させつつ前下方へ落下させる第2ステージ部161と、第2ステージ部161の前面壁部に回転自在に取り付けられて遊技球を支持可能な左回転体171および右回転体176と、左回転体171および右回転体176を回転駆動する回転駆動装置180とを備えて構成される。第2ステージ部161は、内部空間103の底部後端において左右へ延びるように形成され、図4に示すように、装飾図柄表示装置12の表示面12aの一部が第2ステージ部161に覆われるようになっている。
【0035】
また、第2ステージ部161は、半透明(もしくは、透明)となっており、表示面12aにおける第2ステージ部161に覆われた部分(以下、図4に示すようにサブ表示面12bと称する)からの表示光を透過可能に構成されている。そして、サブ表示面12bに所定の発光制御画像(例えば、第2ステージ部161の左右部分に位置整合させた単色光や点滅光等)を表示させることで、第2ステージ部161が発光するようになっている。
【0036】
これにより、装飾図柄表示装置12による発光制御画像の表示を制御することで第2ステージ部161を所望の色模様で発光させることが可能となり、第2ステージ部161の発光による演出効果を高めることができる。また、装飾図柄表示装置12により別途ランプ等を用いることなく第2ステージ部161を発光させることができるため、部品点数を減少させることが可能となり、パチンコ機PMの製造コストを低減させることができる。さらに、第2ステージ部161全体がサブ表示面12bからの表示光を透過可能な光透過部として機能するため、装飾図柄表示装置12により第2ステージ部161全体を発光させることが可能となり、演出効果をより高めることができる。
【0037】
第2ステージ部161の上部には、遊技球が転がり移動可能な球通過部162が形成されている。球通過部162は、図4および図6に示すように、第2ステージ部161の上部に左右へ延びる波面状に形成され、図6に示すように、左端部が導入通路102に繋がっている。波面状の球通過部162に形成される3つの谷部には、中央傾斜部163と、左傾斜部164と、右傾斜部165とがそれぞれ形成されている。
【0038】
中央傾斜部163および左傾斜部164並びに右傾斜部165は、前方へ向かうにつれて下方へ傾斜するようにそれぞれ形成され、球通過部162を転がり移動する遊技球が各傾斜部163,164,165のいずれかを通過して第2ステージ部161から落下可能に構成される。そして、中央傾斜部163は、第2ステージ部161から落下した遊技球が左右の回転体171,176を利用して特別入賞口156へ到達することが可能な入賞落下位置に位置するようになっている。これにより、遊技球が各傾斜部163,164,165のいずれかを通過することで、その後の抽選の結果を容易に認識することができ、遊技球を利用した第2の抽選の展開を明快にすることができる。
【0039】
左回転体171は、前後に延びる円柱状の左胴部172と、左胴部172の外周部に垂直に突出して形成された2つの第1左羽根部173と、左胴部172の外周部に垂直に突出して形成された2つの第2左羽根部174とを備え、左胴部172の中心を回転軸として回転自在に構成される。左胴部172は、後方へ向かうにつれて径が若干小さくなる円柱状に形成されており、左胴部172上に位置する遊技球が前方へ落下し難いようになっている。
【0040】
第1左羽根部173は、前後に延びる板状に形成されており、左胴部172の外周部に180度間隔で配置される。第2左羽根部174は、第1左羽根部173より狭い幅を有して前後に延びる板状に形成されており、左胴部172の外周部に180度間隔で配置される。そして、第1左羽根部173および第2左羽根部174は、左胴部172の外周部に交互に90度間隔で配置されるようになっている。また、第1左羽根部173および第2左羽根部174は、それぞれ左胴部172の右端側に変位した状態で、前方へ向かうにつれて下方へ傾斜するようになっている。
【0041】
右回転体176は、左回転体171と同様に、前後に延びる円柱状の右胴部177と、右胴部177の外周部に垂直に突出して形成された2つの第1右羽根部178と、右胴部177の外周部に垂直に突出して形成された2つの第2右羽根部179とを備え、右胴部177の中心を回転軸として回転自在に構成される。右胴部177は、後方へ向かうにつれて径が若干小さくなる円柱状に形成されており、右胴部177上に位置する遊技球が前方へ落下し難いようになっている。
【0042】
第1右羽根部178は、前後に延びる板状に形成されており、右胴部177の外周部に180度間隔で配置される。第2右羽根部179は、第1右羽根部178より狭い幅を有して前後に延びる板状に形成されており、右胴部177の外周部に180度間隔で配置される。そして、第1右羽根部178および第2右羽根部179は、右胴部177の外周部に交互に90度間隔で配置されるようになっている。また、第1右羽根部178および第2右羽根部179は、それぞれ右胴部177の左端側に変位した状態で、前方へ向かうにつれて下方へ傾斜するようになっている。
【0043】
このような左回転体171および右回転体176は、第2ステージ部161の前面壁部に左右対称に設けられ、左回転体171と右回転体176との間隙部を開放し第2ステージ部161の中央傾斜部163(入賞落下位置)から落下した遊技球を該間隙部に通過させて球排出口151へ落下させる非入賞位置と、左右の羽根部(例えば、第1左羽根部173および第1右羽根部178、もしくは第2左羽根部174および第2右羽根部179)により該間隙部を閉鎖し中央傾斜部163(入賞落下位置)から落下した遊技球を羽根部で受け止めて支持する入賞可能位置(図4および図6を参照)とに選択的に回転変位可能に構成される。そして、左回転体171と右回転体176との間隙部を閉鎖する羽根部に支持された遊技球は、前方に転がり移動して羽根部から落下し特別入賞口156を通過するようになっている。これにより、第2の抽選における遊技性を確保しつつ、各回転体171,176の構造をシンプルにすることができる。
【0044】
回転駆動装置180は、図9に示すように、電動モータ181と、電動モータ181の回転力を左右の回転体171,176に伝達する歯車機構182とを備えて構成され、センター役物100の下部に配設される。そして、電動モータ181が(正方向に)回転すると、電動モータ181の回転力が歯車機構182を介して左右の回転体171,176に伝達され、左回転体171が前方から見て時計回りに回転するとともに、右回転体176が前方から見て反時計回りに回転するようになっている。
【0045】
また、センター役物100には、内部空間103における第2抽選手段150の前面側を覆うカバー部材190が設けられている。このカバー部材190は、図10に示すように、透明樹脂材料を用いて板状に形成され、図9に示すように、第3ステージ部157の前部に取り付けられる。これにより、内部空間103(第2抽選手段150)に対する第2大入賞口122以外からの遊技球の入球、例えば、前部空間104に達した遊技球が内部空間103に入球するのを防止することができ、第2抽選手段150による遊技球を利用した機械的な(第2の)抽選を確実に行うことができる。さらに、カバー部材190を透明もしくは半透明にすることで、カバー部材190を通じて内部空間103に設けられた第2抽選手段150を視認することができる。
【0046】
また、カバー部材190が第3ステージ部157の前部に取り付けられることにより、図9に示すように、センター役物100の中央内部において、装飾図柄表示装置12と、ガラス扉5と、カバー部材190とに囲まれて内部空間103が形成され、センター役物100の前部において、ガラス扉5と、カバー部材190とに囲まれて前部空間104が形成される。すなわち、カバー部材190を用いてセンター役物100の内部空間103と前部空間104とが仕切られるようになっている。そのため、第1の抽選に関連する第1ステージ部105と、機械的な第2の抽選を行う第2抽選手段150とを互いに独立した状態でセンター役物100に設けることができる。
【0047】
カバー部材190の上端には、天井部191が前方に延びて形成されており、この天井部191により前部空間104の上部(第1ステージ部105の上方)が覆われるようになっている。これにより、前部空間104から内部空間103への遊技球の入球をより確実に防止することができる。また、カバー部材190の上端(天井部191)の高さ位置は、第2ステージ部161の上端の高さ位置とほぼ一致するようになっている。これにより、内部空間103(第2抽選手段150)に対する第2大入賞口122以外からの遊技球の入球を防止しつつ、メンテナンス時には内部空間103へ容易にアクセスすることが可能になる。
【0048】
続いて、パチンコ機PMに構成される遊技制御装置200について図11を参照しながら説明する。ここで、図11は遊技制御装置200の概要を示すブロック図である。この遊技制御装置200は、主基板50や、サブ制御基板60等から構成される(図11では不図示)。遊技制御装置200には、始動入賞装置13、普通図柄作動ゲート15、普通電動役物14、第1大入賞装置16、第2大入賞装置120、第2抽選手段150のV入賞センサ159、特別図柄表示装置11、装飾図柄表示装置12、普通図柄表示装置17等が電気的に接続されており、各種検出信号および制御信号の送受信が行われるようになっている。
【0049】
また、遊技制御装置200は、各入賞装置への入球(入賞)を判定する入球判定手段210と、始動入賞装置13(通過始動口13a)への遊技球の入賞に基づき特別図柄抽選(第1の抽選)を実行する第1抽選手段212と、普通図柄作動ゲート15での遊技球の通過に基づき普通図柄抽選を実行する第3抽選手段214と、特別図柄、装飾図柄、普通図柄の変動表示パターンを保持するパターン記憶手段216と、図柄変動における停止図柄および変動表示の表示パターンを決定する図柄決定手段220と、図柄等の表示を制御する表示制御手段230と、大当たり遊技等の通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技を制御する特別遊技制御手段240と、確率変動遊技等の通常遊技よりも遊技者に有利な特定遊技を制御する特定遊技制御手段260と、第1大入賞装置16や第2大入賞装置120等の開閉制御を行う開閉制御手段270とを備えて構成される。
【0050】
始動入賞装置13の入賞検出センサ23は、始動入賞装置13への遊技球の入球(入賞)を検出し、第1始動入賞情報を出力する。入球判定手段210は、第1始動入賞情報を受信すると遊技球が通過始動口13aを通過して始動入賞装置13に入球したことを判定する。始動入賞装置13への入球が判定されると、第1抽選手段212は、保留球数が上限に達しているか否かを調べる。例えば、保留球数の上限は4つに設定されている。保留球数が上限に達していない場合、入球判定手段210が第1始動入賞情報を受信したタイミングで、第1抽選手段212は始動入賞に対する乱数を取得する。なお、第1抽選手段212は、数学的に乱数を生成して取得してもよく、また図示しないカウンタにより生成されるカウント値を乱数として取得してもよい。このようにして取得した乱数に基づいて、第1抽選手段212は特別図柄抽選(第1の抽選)の当否を判定する。なお、抽選の当否判定は、乱数の取得と同時に行われてもよく、また、特別図柄の変動を開始する直前に行われてもよく、所定の抽選ソフトウェアを利用して行われる。抽選乱数が当たりであった場合、第1抽選手段212は確率変動付きの当たりであるか否かを決定する。
【0051】
図柄決定手段220における特別図柄決定手段222および装飾図柄決定手段224は、第1抽選手段212による判定結果に応じた停止図柄と、図柄変動の表示パターンとを決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示するべき図柄である。パターン記憶手段216は、特別図柄や装飾図柄を変動表示させるときの表示パターンとして複数種のパターンを保持する。表示パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンとが含まれる。また、リーチ状態を経るときのパターンとして、長短様々な表示時間をもつパターンが含まれる。各表示パターンは、その図柄変動の終了条件として表示時間がそれぞれ定められており、その表示時間が経過すると、図柄変動が停止される。
【0052】
特別図柄決定手段222は、第1抽選手段212による抽選結果に応じてパターン記憶手段216からいずれかのパターンを選択し、抽選結果に応じた特別図柄の停止図柄を決定する。装飾図柄決定手段224は、特別図柄決定手段222のより選択された表示パターンに応じたパターンをパターン記憶手段216から選択し、抽選結果に応じた特別図柄の停止図柄を決定する。
【0053】
普通図柄作動ゲート15には通過検出センサ25が設けられており、普通図柄作動ゲート15での遊技球の通過を検出し、第2始動入賞情報を出力するようになっている。入球判定手段210は、第2始動入賞情報を受信すると遊技球が普通図柄作動ゲート15を通過したことを判定する。普通図柄作動ゲート15の通過が判定されると、第3抽選手段214は、第1抽選手段212と同様に、保留球数が上限に達しているか否かを調べ、保留球数が上限に達していない場合、入球判定手段210が第2始動入賞情報を受信したタイミングで、始動入賞に対する乱数を取得する。このようにして取得した乱数に基づいて、第3抽選手段214は普通図柄抽選(第3の抽選)の当否を判定する。なお、抽選の当否判定は、乱数の取得と同時に行われてもよく、また、特別図柄の変動を開始する直前に行われてもよく、所定の抽選ソフトウェアを利用して行われる。
【0054】
図柄決定手段220における普通図柄決定手段226は、第3抽選手段214による抽選結果に応じてパターン記憶手段216からいずれかのパターンを選択し、抽選結果に応じた普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄決定手段226により決定された停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段270が普通電動役物14を所定時間だけ拡開作動させる。
【0055】
表示制御手段230は、特別図柄および装飾図柄を変動表示させる第1表示制御手段231と、普通図柄を変動表示させる第2表示制御手段232とを有して構成される。第1表示制御手段231は、特別図柄決定手段222において決定された変動パターンおよび停止図柄をもとに、特別図柄表示装置11に特別図柄を表示させる。また同時に、第1表示制御手段231は、装飾図柄決定手段224において決定された変動パターンおよび停止図柄をもとに、装飾図柄表示装置12に装飾図柄を表示させる。第1表示制御手段231により特別図柄を表示させる機能は主基板50側の処理として実行され、装飾図柄を表示させる機能はサブ制御基板60側の処理として実行される。第2表示制御手段232は、普通図柄決定手段226において決定された変動パターンおよび停止図柄をもとに、普通図柄表示装置17に普通図柄を表示させる。
【0056】
特別遊技制御手段240は、2種類の特別遊技を選択的に実行することができる。特別遊技制御手段240において、条件保持手段242は、2種類の特別遊技の作動条件を保持する。特別遊技実行手段248は、所定の作動条件が成立したことに基づいて特別遊技を実行する機能を有する。
【0057】
条件保持手段242における第1条件保持手段243は、第1の特別遊技を実行するための条件である第1作動条件を保持している。本実施形態において第1作動条件は、第1表示制御手段231により変動表示される特別図柄が特別図柄表示装置11において所定の図柄で停止されたことに設定される。また、第2条件保持手段244は、第2の特別遊技を実行するための条件である第2作動条件を保持している。本実施形態において第2作動条件は、普通電動役物14に遊技球が入賞(入球)したことに設定される。
【0058】
特別遊技制御手段240における条件判定手段246は、遊技情報を監視し、特別遊技への移行条件である第1作動条件または第2作動条件の成立の可否を判定する。また、条件判定手段246は、それぞれの作動条件の判定結果をもとに、各種作動フラグのオンまたはオフの設定を行う。
【0059】
特別遊技実行手段248における第1特別遊技実行手段249は、第1作動条件が成立すると、第1の特別遊技を実行する。ここで、第1の特別遊技は、第1大入賞装置16による第1大入賞口16aの開閉操作を複数回連続して継続する遊技であり、第1の特別遊技に移行すると、遊技者は特別遊技が行われていることを容易に認識することができるとともに、相当数の賞球を期待することができる。このとき、第1特別遊技実行手段249は、開閉制御手段270に第1大入賞口16aの開閉制御を行わせる。開閉制御手段270は、第1の特別遊技中、第1大入賞装置16の第1大入賞口ソレノイド26に開放作動信号(もしくは、閉鎖作動信号)を出力し、第1大入賞口16aを開放(もしくは、閉鎖)させる。
【0060】
特別遊技実行手段248における第2特別遊技実行手段250は、第2作動条件が成立すると、第2の特別遊技を実行する。ここで、第2の特別遊技は、第1段階と第2段階の2段階に分けられる。第1段階では、第2特別遊技実行手段250は、開閉制御手段270に第2大入賞口122を所定時間だけ開放する制御を行わせる。このとき、開閉制御手段270は、開閉装置130の第2大入賞口ソレノイド132に開放作動信号を出力し、開閉扉131を揺動させて第2大入賞口122を開放させる。さらに、第1段階において、第2抽選手段150のV入賞センサ159からV入賞情報を受信すると、第2段階に移行する。なお、V入賞情報は、V入賞センサ159が特別入賞口156の遊技球の通過を検出したときに、V入賞センサ159から出力される。
【0061】
第2の特別遊技における第2段階は、第1大入賞装置16による第1大入賞口16aの開閉操作を複数回連続して継続する段階であり、第2段階に移行すると、遊技者は、第1の特別遊技と同様に、相当数の賞球を期待することができる。このとき、第2特別遊技実行手段250は、開閉制御手段270に第1大入賞口16aの開閉制御を行わせる。開閉制御手段270は、第2段階の間、第1大入賞装置16の第1大入賞口ソレノイド26に開放作動信号(もしくは、閉鎖作動信号)を出力し、第1大入賞口16aを開放(もしくは、閉鎖)させる。
【0062】
特別遊技制御手段240における作動回避手段252は、第1作動条件および第2作動条件のいずれか一方の作動条件が成立したとき、他方の作動条件の成立を回避させる機能を有する。本実施形態おいて、第2作動条件の成立は、第2の特別遊技の第1段階への移行条件が成立したことを示し、第1段階および第2段階を通して第2の特別遊技が続く限り第2作動条件が成立しているものとする。したがって、第2作動条件の成立中であって、第2の特別遊技における第1段階または第2段階が実行されている間は、第1作動条件の成立が回避される。一方、第1作動条件の成立中は、第2作動条件の成立が回避されるので、第2の特別遊技における第1段階および第2段階のいずれも実行されない。
【0063】
特定遊技制御手段260は、特別遊技とは異なる遊技者に有利な特定遊技、例えば確率変動遊技の実行を制御する。本実施形態において、当たり抽選は、第1抽選手段212による特別図柄抽選(第1の抽選)と、第3抽選手段214による普通図柄抽選(第3の抽選)の2種類が存在しており、それぞれの図柄抽選に対して確率変動遊技が設定可能とされる。
【0064】
特定遊技制御手段260における第1特定遊技実行手段262は、第1抽選手段212による抽選結果に基づいて、特別図柄の確率変動遊技を実行する。例えば、特別図柄の停止図柄が奇数であるときに、第1の特別遊技の終了後、特別図柄の確率変動遊技が実行される。なお、特別図柄の確率変動遊技における当たりの割合は、通常遊技のときよりも高く設定される。また、第2特定遊技実行手段264は、特別図柄の確率変動遊技が実行されたことを契機として、普通図柄の確率変動遊技を実行する。なお、普通図柄の確率変動遊技における当たりの割合は、通常遊技のときよりも高く設定される。
【0065】
以上のように構成されるパチンコ機PMにおいて、前述したように、第2抽選手段150が、遊技球が通過すると特別遊技実行手段248が作動する特別入賞口156と、内部空間103に入球した遊技球を遊技盤10の裏面側に排出するための球排出口151と、内部空間103に入球した遊技球を特別入賞口156もしくは球排出口151のいずれか一方に導く振り分け装置160とを有して、センター役物100の内部空間103に設けられている。また、このようにして内部空間103に第2抽選手段150が設けられたセンター役物100の左周部に、第2入賞口122を所定の契機に応じて開閉可能な開閉装置130(開閉扉131)が設けられている。
【0066】
そのため、開閉装置130(開閉扉131)により第2入賞口122が開放されたときに第2の抽選を行うことが可能となり、第1抽選手段212を用いた第1の遊技(抽選)と第2抽選手段150を用いた第2の遊技(抽選)とをそれぞれ独立して行うことができる。従って、2種類の遊技を効果的に組み合わせることが可能となり、それぞれの遊技によってもたらされるべき遊技性を十分に発揮させることができるため、遊技性を向上させることが可能になる。なお、第1の抽選が所定の抽選ソフトウェアを利用して行われ、第2の抽選が第2大入賞口122を通過し内部空間103に入球した遊技球を利用して機械的に行われるため、異なる種類の抽選(遊技)を行うことが可能となり、遊技性をさらに向上させることができる。
【0067】
また、第2抽選手段150が、遊技球が通過すると特別遊技実行手段248が作動する特別入賞口156と、内部空間103に入球した遊技球を遊技盤10の裏面側に排出するための球排出口151と、内部空間103に入球した遊技球を特別入賞口156もしくは球排出口151のいずれか一方に導く振り分け装置160とを有して、センター役物100の内部空間103に設けられることで、機械的な抽選を行う第2抽選手段150を省スペースで遊技盤10に設けることができる。
【0068】
さらに、振り分け装置160が、内部空間103に左右へ延びるように設けられた第2ステージ部161と、第2ステージ部161の前面壁部に回転自在に取り付けられた左右の回転体171,176とを備えて構成されることで、振り分け装置160の構造をシンプルにすることができ、第2抽選手段150の省スペース化が可能になる。
【0069】
そして、このように構成されるパチンコ機PMは、図1に示すように、前枠2、ガラス扉5および球皿6がともに閉止され施錠された状態で遊技に供され、球皿6に遊技球を貯留させて操作ハンドル8を回動操作することにより遊技が開始される。操作ハンドル8が回動操作されると、球皿6に貯留された遊技球が打球発射装置により1球ずつ遊技盤10の遊技領域PAに打ち出され、以降パチンコゲームが展開される。
【0070】
遊技球が通過始動口13aを通過して始動入賞装置13に入賞すると、第1抽選手段212により所定の抽選ソフトウェアを利用した特別図柄抽選(第1の抽選)が行われ、特別図柄表示装置11および装飾図柄表示装置12において特別図柄および装飾図柄が所定時間だけ変動表示される。変動停止時の特別図柄が大当たりを示す図柄である場合、第1の特別遊技に移行する。特別図柄が大当たりの図柄で停止するとき、装飾図柄表示装置12の表示面12aには、例えば、スロットマシンの図柄表示を模した装飾図柄が3つの図柄を一致させるような表示態様を有して表示される。
【0071】
またこのとき、例えば、装飾図柄表示装置12のサブ表示面12bに所定の発光制御画像を表示させ、サブ表示面12bからの表示光を第2抽選手段150の第2ステージ部161に透過させることで第2ステージ部161を発光させるようにしてもよい。これにより、演出効果を高めることができる。
【0072】
第1の特別遊技においては、第1大入賞装置16の作動により第1大入賞口16aが開放される。そして、第1大入賞口16aが約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が第1大入賞口16aを通過して第1大入賞装置16に入賞した後、第1大入賞口16aが一旦閉鎖され、このような開閉動作が所定回数継続して繰り返される。
【0073】
なお、遊技球がセンター役物100のステージ開口107を通過して前部空間104に入球した場合には、前部空間104に入球した遊技球は、第1ステージ部105の上を一時的に停留するように左右へ転がり移動し、ステージ傾斜部106から始動入賞装置13へ向けて落下する。これにより、始動入賞装置13に入賞する期待感を向上させている。
【0074】
さて、遊技球が普通図柄作動ゲート15を通過すると、第3抽選手段214により所定の抽選ソフトウェアを利用した普通図柄抽選(第3の抽選)が行われ、普通図柄表示装置17において普通図柄が所定時間だけ変動表示される。なお、普通図柄は、例えば、装飾図柄表示装置12における表示面12aの隅の方に(装飾図柄とは別に)変動表示させてもよく、他の表示装置において変動表示させるようにしてもよい。そして、変動停止時の普通図柄が所定の図柄(当たりを示す図柄)である場合、普通電動役物14が所定時間だけ開放される。
【0075】
開放された普通電動役物14に遊技球が入賞(開放始動口14aを通過)すると、第2の特別遊技における第1段階に移行し、開閉装置130の作動により開閉扉131が開放され、第2入賞口122が所定時間だけ開放状態となる。このようにして、第2抽選手段150による第2の抽選に関連する遊技性を向上させている。
【0076】
遊技球が第2入賞口122を通過して第2大入賞装置120に入賞すると、センター役物100内の第2抽選手段150において遊技球を利用した機械的な第2の抽選が行われる。第2入賞口122を通過した遊技球は、図7に示すように、入賞装置本体121内を落下した後、センター役物100の開口101から導入通路102を通過して第2抽選手段150の第2ステージ部161に達する。
【0077】
第2ステージ部161に達した遊技球は、図4および図6に示すように、第2ステージ部161の上の球通過部162を転がり移動し、球通過部162に形成される各傾斜部163,164,165のいずれかを通過して第2ステージ部161から落下する。左傾斜部164および右傾斜部165から落下した遊技球は、図8および図9に示すように、球排出口151を通過して球排出通路152を転がり移動し、裏排出口153から遊技盤10の裏面側に排出される。
【0078】
中央傾斜部163(入賞落下位置)から落下した遊技球は、左回転体171および右回転体176が非入賞位置に回転変位している場合には、左回転体171と右回転体176との間隙部を通過して球排出口151へ落下する。そして、左回転体171と右回転体176との間隙部を通過した遊技球は、球排出口151を通過して球排出通路152を転がり移動し、裏排出口153から遊技盤10の裏面側に排出される。なお、回転駆動装置180により、左回転体171は前方から見て時計回りに回転するとともに、右回転体176は前方から見て反時計回りに回転しており、左回転体171および右回転体176は、非入賞位置と入賞可能位置とに交互選択的に回転変位している。
【0079】
一方、図4および図6に示すように、左回転体171および右回転体176が入賞可能位置に回転変位している場合には、中央傾斜部163(入賞落下位置)から落下した遊技球は、例えば、上述の間隙部を塞ぐ第1左羽根部173および第1右羽根部178で受け止められて支持される。そして、第1左羽根部173および第1右羽根部178に支持された遊技球は、前方に転がり移動して第1左羽根部173および第1右羽根部178から落下し特別入賞口156を通過する。遊技球が特別入賞口156を通過すると、第2の特別遊技における第2段階に移行し、第1の特別遊技と同様に、第1大入賞装置16の作動による第1大入賞口16aの開閉動作が所定回数継続して繰り返される。
【0080】
なおこのとき、例えば、装飾図柄表示装置12のサブ表示面12bに所定の発光制御画像を表示させ、サブ表示面12bからの表示光を第2抽選手段150の第2ステージ部161に透過させることで第2ステージ部161を発光させるようにしてもよい。これにより、演出効果を高めることができる。
【0081】
なお、第2左羽根部174および第2右羽根部179が左回転体171と右回転体176との間隙部を塞ぐ場合にも、第1左羽根部173および第1右羽根部178の場合と同様なことを行うことが可能であるが、第2左羽根部174および第2右羽根部179は、第1左羽根部173および第1右羽根部178よりも幅が狭いため、遊技球を受け止めることができるタイミングが難しくなる。
【0082】
ところで、第2ステージ部161の左傾斜部164および右傾斜部165から落下した遊技球は、各回転体の左胴部171および右胴部176の近傍を通過可能に構成されている。例えば、左傾斜部164の右端近傍から落下した遊技球は、左胴部172の左方を通過する。このとき、図4および図6に示すように、左胴部172の左端側に第1左羽根部173が変位している場合には、左傾斜部164の右端近傍から落下した遊技球は、第1左羽根部173で受け止められて支持される。
【0083】
また、第1左羽根部173は、左胴部172の右端側(すなわち、各回転体同士の間隙部を閉鎖する位置)に変位した状態で前方へ向かうにつれて下方へ傾斜し、前方から見て時計回りに(下方へ向けて)回転変位するように構成されており、左胴部172の左端側(すなわち、各回転体同士の間隙部と反対側)に回転変位した状態では、反転して前方へ向かうにつれて上方へ傾斜し、且つ上方へ向けて変位する状態となる。そのため、左胴部172の左端側に位置する第1左羽根部173に支持された遊技球は、第2ステージ部161の前面壁部に転がり移動して当接し、前方へ落下しにくい状態となる。
【0084】
このようにして遊技球が第1左羽根部173に支持された状態で、左回転体171が前方から見て時計回りに90度回転すると、第1左羽根部173は左胴部172の上端側に傾斜しつつ回転変位するとともに、第1左羽根部173に対し90度回転した位置に(隣接して)設けられた第2左羽根部174の一つは、左胴部172の右端側に回転変位する。一方、左回転体171と対称に設けられた右回転体176は、前方から見て反時計回りに回転し、第2右羽根部179の一つが右胴部177の左端側に回転変位して、第2左羽根部174とともに左回転体171と右回転体176との間隙部を塞ぐ。すなわち、左回転体171および右回転体176は入賞可能位置に回転変位することになる。
【0085】
そのため、左回転体171が前方から見て時計回りに90度回転すると、第1左羽根部173に支持された遊技球は、重力の作用により左回転体171と右回転体176との間隙部へ向けて転がり移動し、第2左羽根部174および第2右羽根部179で受け止められて支持される。そして、第2左羽根部174および第2右羽根部179に支持された遊技球は、前方に転がり移動して第2左羽根部174および第2右羽根部179から落下し特別入賞口156を通過する。
【0086】
これにより、中央傾斜部163(入賞落下位置)以外から落下した遊技球を特別入賞口156へ導くことができ、遊技性を向上させることができる。なお、右傾斜部165の左端近傍から遊技球が落下して、右胴部177の右方を通過する場合にも同様なことを行うことが可能であるが、説明を省略する。また、第2左羽根部174もしくは第2右羽根部179でも遊技球を受け止めて同様なことを行うことが可能であるが、第2左羽根部174および第2右羽根部179は、第1左羽根部173および第1右羽根部178よりも幅が狭いため、遊技球を受け止めることができるタイミングが難しくなる。
【0087】
なお、図12の2点鎖線で示すように、左胴部172および右胴部177の外周部上端の位置を、第2ステージ部161の球通過部162の位置よりも高くするようにしてもよい。このようにすれば、第2ステージ部161の中央傾斜部163(入賞落下位置)以外から落下していずれかの羽根部で受け止められた遊技球を球通過部162へ戻すことができる。
【0088】
なお、中央傾斜部163(入賞落下位置)以外から落下して、左右の回転体171,176に当接する等して第3ステージ部157の上部に達した遊技球は、第3ステージ部157の上部が球排出口151へ向けて下方に傾斜しているため、特別入賞口156に到達することなく球排出口151へ落下する。また、図9に示すように、第3ステージ部157の前部にカバー部材190が取り付けられているため、第3ステージ部157の上部に達した遊技球が前部空間104へ落下することが防止される。さらに、カバー部材190の上端には天井部191が形成されているため、内部空間103から前部空間104への遊技球の落下が防止され、さらに、前部空間104から内部空間103への遊技球の入球がより確実に防止される。
【0089】
以上に説明した本発明の実施形態において、達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
【0090】
第1に、第2入賞口122を開閉可能な(すなわち、第2入賞口122に対する遊技球の通過を許可および規制可能な)開閉装置130(開閉扉131)を備えて構成されるため、開閉装置130(開閉扉131)により第2入賞口122が開放された(すなわち、第2入賞口122に対する遊技球の通過が許可された)ときに、センター役物100の内部空間103に設けられた第2抽選手段150による(第2の)抽選を行うことが可能となり、第1抽選手段212を用いた第1の遊技(抽選)と第2抽選手段150を用いた第2の遊技(抽選)とをそれぞれ独立して行うことができる。従って、開閉装置130の作動により2種類の遊技を効果的に組み合わせることが可能となり、それぞれの遊技によってもたらされるべき遊技性を十分に発揮させることができるため、遊技性を向上させることが可能になる。また、開閉装置130(開閉扉131)の開閉により、第2の抽選に関連する遊技性を向上させることができる。
【0091】
第2に、特別遊技実行手段248が第1大入賞装置16を有して構成されることで、第1大入賞装置16の開放作動により特別遊技が行われていることを遊技者が容易に認識することができる。
【0092】
第3に、遊技球が普通電動役物14の開放始動口14aを通過すると、開閉装置130(第2大入賞装置120)により第2大入賞口122を所定時間だけ開放させる制御を行うように構成されることで、第2の抽選に関連する遊技性を向上させることができる。
【0093】
第4に、第1の抽選が所定の抽選ソフトウェアを利用して行われ、第2の抽選が第2大入賞口122を通過し内部空間103に入球した遊技球を利用して機械的に行われることで、異なる種類の抽選(遊技)を行うことが可能となり、遊技性をさらに向上させることができる。
【0094】
第5に、第2抽選手段150が、遊技球が通過すると特別遊技実行手段248が作動する特別入賞口156と、内部空間103に入球した遊技球を遊技盤10の裏面側に排出するための球排出口151と、内部空間103に入球した遊技球を特別入賞口156もしくは球排出口151のいずれか一方に導く振り分け装置160とを有して、センター役物100の内部空間103に設けられることで、機械的な抽選を行う第2抽選手段150を省スペースで遊技盤10に設けることができる。
【0095】
第6に、振り分け装置160が、内部空間103に左右へ延びるように設けられた第2ステージ部161と、第2ステージ部161の前面壁部に回転自在に取り付けられた左右の回転体171,176とを備えて構成されることで、振り分け装置160の構造をシンプルにすることができ、第2抽選手段150の省スペース化が可能になる。
【0096】
第7に、第2ステージ部161が、第2ステージ部161の上部に左右へ延びる波面状に形成された球通過部162と、波面状の球通過部162に形成される複数の谷部にそれぞれ設けられた複数の傾斜部163,164,165とを有し、複数の傾斜部の一つである中央傾斜部163が入賞落下位置に位置するように構成されることで、遊技球を利用した第2の抽選の展開を明快にすることができる。
【0097】
第8に、回転体が第2ステージ部161の前面壁部に左右対称に設けられた左回転体171および右回転体176からなり、左回転体171および右回転体176がそれぞれ、前後に延びる円柱状の胴部(左胴部172および右胴部177)と、胴部の外周部に設けられた複数の羽根部(第1左羽根部173および第1右羽根部178)とを有し、胴部の中心を回転軸として回転自在に構成されることで、回転体の構造をシンプルにすることができる。
【0098】
第9に、左回転体171が前方から見て時計回りに回転するとともに、右回転体176が前方から見て反時計回りに回転し、各羽根部(第1左羽根部173および第1右羽根部178、もしくは、第2左羽根部174および第2右羽根部179)が前後に延びる板状に形成されて(各回転体171,176同士の)間隙部を閉鎖する位置では前方へ向かうにつれて下方へ傾斜するように構成されることで、各回転体171,176の回転により、上述の間隙部と反対側の位置では、各羽根部は前方へ向かうにつれ上方へ傾斜し、且つ上方へ向けて変位する状態となる。
【0099】
そのため、中央傾斜部163(入賞落下位置)以外(例えば、左傾斜部164の右端近傍)から落下した遊技球が間隙部と反対側に位置する羽根部(例えば、第1左羽根部173)で受け止められると、第2ステージ部161の前面壁部に転がり当接し、球排出口151へ落下しにくい状態となる。各回転体171,176の回転により羽根部が上方へ回転変位し傾斜すると、羽根部で受け止められていた遊技球は、(各回転体171,176同士の)間隙部へ向けて転がり移動する。このとき、回転方向に隣接する羽根部(例えば、第2左羽根部174および第2右羽根部179)が間隙部を閉鎖している場合には、(各回転体171,176同士の)間隙部へ向けて転がり移動する遊技球は、間隙部を閉鎖する羽根部で受け止められて支持され、前方に転がり移動して特別入賞口156へ落下する。このようにして、中央傾斜部163(入賞落下位置)以外から落下した遊技球を特別入賞口156へ導くことができ、遊技性を向上させることができる。
【0100】
第10に、開閉装置130の開閉扉131が第2大入賞口122を揺動開閉可能な羽根状に形成され、開閉扉131を開放すると遊技球が第2大入賞口122に対し通過容易となるように構成されることで、このような開閉装置130を備える装置を第2大入賞装置120として作動させることが可能となり、2つの大入賞装置を省スペースで遊技領域10に設けることができる。
【0101】
第11に、センター役物100に、内部空間103における第2抽選手段150の前面側を覆うカバー部材190が設けられるため、内部空間103(第2抽選手段150)に対する第2大入賞口122以外からの遊技球の入球を防止することができ、第2抽選手段150による遊技球を利用した機械的な(第2の)抽選を確実に行うことができる。
【0102】
第12に、カバー部材190を用いてセンター役物100の内部空間103と前部空間104とが仕切られるように構成されることで、第1の抽選に関連する第1ステージ部105と、遊技球を利用して機械的な第2の抽選を行う第2抽選手段150とを互いに独立した状態でセンター役物100に設けることができる。
【0103】
第13に、カバー部材190の上端の高さ位置が、第2ステージ部161の上端の高さ位置とほぼ一致するように構成されることで、内部空間103(第2抽選手段150)に対する第2大入賞口122以外からの遊技球の入球を防止しつつ、メンテナンス時には内部空間103へ容易にアクセスすることが可能になる。
【0104】
第14に、カバー部材190の上部に、前部空間104の上部を覆う天井部191が形成されることで、前部空間104から内部空間103への遊技球の入球をより確実に防止することができる。
【0105】
第15に、カバー部材190を透明もしくは半透明にすることで、前部空間104およびカバー部材190を通じて内部空間103に設けられた第2抽選手段150を視認することができる。
【0106】
第16に、第2ステージ部161に覆われたサブ表示面12bに所定の発光制御画像を表示させて、第2ステージ部161を発光させるように構成されることで、装飾図柄表示装置12による発光制御画像の表示を制御することで第2ステージ部161を所望の色模様で発光させることが可能となり、第2ステージ部161の発光による演出効果を高めることができる。また、装飾図柄表示装置12により別途ランプ等を用いることなく第2ステージ部161を発光させることができるため、部品点数を減少させることが可能となり、パチンコ機PMの製造コストを低減させることができる。
【0107】
第17に、第2ステージ部161を透明もしくは半透明にすることで、第2ステージ部161全体を光透過部として機能させることができるため、装飾図柄表示装置12により第2ステージ部161全体を発光させることが可能となり、演出効果をより高めることができる。
【0108】
なお、上述の実施形態において、遊技球が第2抽選手段150の特別入賞口156を通過したときに、開閉装置130(開閉扉131)により第2大入賞口122を(普通電動役物14に入賞したときよりも長い)所定時間だけ開放するようにしてもよい。すなわち、第2の抽選の結果に基づいて、開閉装置130により第2大入賞口122を開閉させる制御を行うようにしてもよい。
【0109】
また、上述の実施形態において、振り分け装置160が、内部空間103に左右へ延びるように設けられた第2ステージ部161と、第2ステージ部161の前面壁部に回転自在に取り付けられた左右の回転体171,176とを備えて構成されているが、これに限られるものではない。例えば、詳細図示しないが、振り分け装置は、内部空間に入球した遊技球が転がり移動可能な球通過部と、特別入賞口を変位させることが可能な変位装置とを備え、この変位装置により特別入賞口が所定通過可能位置に変位したときに、球通過部を転がり移動する遊技球が特別入賞口を通過可能に構成されてもよい。このようにしても、振り分け装置の構造をシンプルにすることができ、第2抽選手段の省スペース化が可能になる。なお、球通過部には、例えば、本実施形態における球通過部162等がある。また、変位装置には、例えば、クルーンとも称される特別入賞口を回転変位させることが可能な回転装置等がある。
【0110】
さらに、上述の実施形態において、第1の抽選が所定の抽選ソフトウェアを利用して行われ、第2の抽選が内部空間103に入球した遊技球を利用して機械的に行われているが、これに限られるものではなく、第1の抽選が機械的に行われてもよく、第2の抽選が所定の抽選ソフトウェアを利用して行われてもよい。さらに、第1および第2の抽選を、機械的な抽選およびソフトウェアを利用した抽選を組み合わせて行うようにしてもよい。
【0111】
また、上述の実施形態において、いわゆる第1種および第2種ぱちんこ遊技機を組み合わせた構成を用いて説明しているが、これに限られるものではなく、例えば、第1種および第3種ぱちんこ遊技機を組み合わせた構成を用いてもよく、また、第1種ぱちんこ遊技機(もしくは、第2種あるいは第3種ぱちんこ遊技機)同士を互いに2つ組み合わせた構成を用いてもよい。
【0112】
さらに、上述の実施形態において、普通電動役物14に遊技球が入賞(開放始動口14aを通過)すると、開閉装置130の作動により開閉扉131が開放されて第2大入賞口122が所定時間だけ開放状態となるように構成されているが、これに限られるものではなく、例えば、遊技球の入賞に関係なく所定時間毎に、開閉扉131(第2大入賞口122)を開閉させるようにしてもよい。
【0113】
また、上述の実施形態において、センター役物100の左周部に、第2大入賞口122および開閉扉131が設けられているが、これに限られるものではなく、例えば、センター役物100の右周部に設けられてもよく、遊技球が入球可能なセンター役物100の周部に設けられていればよい。
【0114】
さらに、上述の実施形態において、センター役物100の左周部に、第2入賞口122を開閉可能な開閉扉131を有する開閉装置130が設けられているが、これに限られるものではない。例えば、シャッター部材を用いて第2入賞口122を開閉させるようにしてもよく、また例えば、遊技領域PAにおける第2入賞口122の近傍に出没可能なピン部材(もしくは、釘部材)を配置し、このピン部材を遊技盤10上に突出させることで第2入賞口122に対する遊技球の通過を規制(および、ピン部材を遊技盤10側に没入させることで遊技球の通過を許可)するようにしてもよく、第2入賞口122に対する遊技球の通過を許可および規制可能な通過規制装置が用いられていればよい。
【0115】
また、上述の実施形態において、カバー部材190の上端の高さ位置が、第2ステージ部161の上端の高さ位置とほぼ一致するように構成されているが、これに限られるものではなく、カバー部材190の上端の高さ位置を内部空間103の上端の高さ位置に一致させて、カバー部材190により内部空間103の前部を塞ぐようにしてもよい。すなわち、カバー部材190の高さは、第2抽選手段150の前面側を覆うことができる高さであればよい。さらに、カバー部材190の上端部形状を、第2ステージ部161の球通過部162の形状に合わせて波面状に形成するようにしてもよい。このようにすれば、見る角度によって第2抽選手段150の構成部品(各回転体171,176や特別入賞口156等)が見えにくくなることが防止され、内部空間103の視認性をより向上させることができる。
【0116】
さらに、上述の実施形態において、第2ステージ部161が透明もしくは半透明に構成されているが、これに限られるものではなく、第2ステージ部161の一部に、サブ表示面12bからの表示光を透過可能な光透過部を形成するようにしてもよい。
【0117】
また、上述の実施形態において、第2ステージ部161に覆われた装飾図柄表示装置12のサブ表示面12bに所定の発光制御画像を表示させることで、第2ステージ部161を発光させるように構成されているが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示装置の表示面の一部を飾り部材で覆い、覆われた部分に発光制御画像を表示させて飾り部材を発光させるようにしてもよく、また、シール部材を図柄表示装置の表示面の一部に貼り付け、貼り付けた部分に発光制御画像を表示させてシール部材を発光させるようにしてもよい。
【0118】
さらに、上述の実施形態において、左回転体171(右回転体176)が、第1左羽根部173(第1右羽根部178)と、第1左羽根部173より幅の狭い第2左羽根部174(第2右羽根部179)とを有して構成されているが、これに限られるものではなく、同じ大きさの羽根部を有して構成されてもよい。
【0119】
また、上述の実施形態において、左回転体171(右回転体176)が、2つの第1左羽根部173(第1右羽根部178)および第2左羽根部174(第2右羽根部179)からなる4つの羽根部を有して構成されているが、これに限られるものではなく、例えば、3つや、5つの羽根部を有して構成されてよく、複数の羽根部を有して構成されていればよい。また、複数の羽根部が設けられる間隔は等間隔でなくてもよい。
【0120】
次に、パチンコ機の第二実施形態について図13?図15を参照しながら説明する。ここで、図13は第二実施形態のパチンコ機に構成される遊技盤310の正面図、図14は第二実施形態のパチンコ機に構成されるセンター役物350の正面図、そして図15は第二実施形態のパチンコ機に構成される遊技制御装置400の概要を示すブロック図である。なお、本実施形態のパチンコ機は、上述した第一実施形態のパチンコ機PMにおける遊技盤10および遊技制御装置200の装置構成のみ異なり、他の装置構成は同様であるため全体図示および重複説明を省略する。
【0121】
第二実施形態のパチンコ機は、詳細図示しないが、第一実施形態のパチンコ機PMに構成される遊技盤10の代わりに、図13に示す遊技盤310を第一実施形態の前枠2における収容枠に装着したものである。この遊技盤310の正面には、第一実施形態の遊技盤10と同様に、遊技領域PA2が形成されている。
【0122】
第二実施形態における遊技盤310の遊技領域PA2には、図13に示すように、図示しない遊技釘や風車311が複数配設され、遊技領域PA2の中央部近傍には、第1図柄表示装置312や第2図柄表示装置313が取り付けられたセンター役物350が配設される。また、遊技領域PA2の下部には、センター役物350の下方に隣接して振り分け装置380が配設されている。振り分け装置380の左方には、通過始動口314aを有する始動入賞装置314が設けられ、遊技球が通過始動口314aを通過すると、始動入賞装置314内に設けられた入賞検出センサ324(図15を参照)に検出されて遊技盤310の裏面側へ排出されるようになっている。
【0123】
また、振り分け装置380の右方には、大入賞口315aを開閉可能な大入賞装置315が設けられる。大入賞装置315は、大入賞口315aを開閉可能な入賞装置であり、特別遊技中に大入賞口ソレノイド325(図15を参照)を用いて大入賞口315aを開放し、遊技球を大入賞口315aに対し通過容易にする。すなわち、大入賞口315aが閉鎖状態にあるときには、遊技球は大入賞口315aを通過することができず、大入賞口315aが開放状態になったときに、遊技球が大入賞口315aを通過することができる。遊技球が大入賞口315aを通過すると、大入賞装置315内に設けられた入賞検出センサ326(図15を参照)に検出されて遊技盤310の裏面側へ排出されるようになっている。
【0124】
遊技領域PA2の上部には、普通入賞口316aを有する複数の普通入賞装置316が設けられ、遊技球が普通入賞口316aを通過すると、普通入賞装置316内に設けられた入賞検出センサ(図示せず)に検出されて遊技盤310の裏面側へ排出されるようになっている。普通入賞装置316の下方には、センター役物350の上方に隣接して普通電動役物330が配設されている。また、センター役物350の左上方に隣接して、図示しない開放始動口を有する始動ゲート317が設けられており、始動ゲート317(開放始動口)を遊技球が通過すると普通電動役物330が拡開作動するようになっている。
【0125】
さらに、センター役物350の右上方に隣接して、上部に右入賞口318aを有する回転型入賞装置318が設けられており、図14に示すように、遊技球が右入賞口318aを通過して回転型入賞装置318内の大入賞装置作動口318bに導かれると、入賞検出センサ328(図15を参照)に検出されて遊技盤310の裏面側へ排出されるようになっている。また、遊技領域PA2の下端には、各入賞装置に入賞せずに落下した遊技球を遊技盤310の裏面側へ排出させるアウト口319が設けられている。
【0126】
普通電動役物330は、図14に示すように、遊技盤310の前面に取り付けられたベース部材331と、ベース部材331に拡開自在に取り付けられた左右の可変翼部材332とを主体として構成され、遊技球が始動ゲート317を通過すると、図示しないソレノイド装置により可変翼部材332が拡開作動を行うようになっている。なお、普通電動役物330の直上部には、規制釘(図示せず)が設けられており、可変翼部材332が拡開した場合にのみ遊技球が普通電動役物330(ベース部材331)の内部に入球できるようになっている。
【0127】
ベース部材331の上部には入賞入口333が設けられるとともに、ベース部材331の下部には入賞出口334が設けられ、入賞入口333を通過してベース部材331の内部へ落入した遊技球は、ベース部材331の内部を流下した後、入賞出口334を通過してセンター役物350へ流下するようになっている。なお、普通電動役物330の内部へ落入した遊技球は、入賞検出センサ335(図15を参照)で検出されるようになっている。
【0128】
センター役物350は、図14に示すように、樹脂材料を用いて射出成形等により一体的に形成された種々の構成部品からなり、遊技盤310の中央前面側に取り付けられる。センター役物350の中央上部には、後述する第1抽選手段412による抽選(以下、第1の抽選と称する)の結果に基づいて第1の図柄(図示せず)を変動表示する第1図柄表示装置312が取り付けられる。また、センター役物350の左右には、後述する第3抽選手段414による抽選(以下、第3の抽選と称する)の結果に基づいて第2の図柄(図示せず)を変動表示する第2図柄表示装置313,313が取り付けられる。センター役物350の中央上端部には入球口351が形成されており、普通電動役物330の入賞出口334を通過した遊技球が、この入球口351を通過してセンター役物350の内部へ流下するようになっている。なお、入球口351の上部は普通電動役物330で覆われており、普通電動役物330の入賞出口334を通過した遊技球のみが入球口351を通過できるようになっている。
【0129】
センター役物350の内部には、入球口351と繋がる球流下通路352が設けられており、入球口351を通過した遊技球が球流下通路352を流下するようになっている。球流下通路352は、センター役物350の左右内周部に沿って形成されており、図14の二点鎖線で示すように、入球口351を通過して球流下通路352に達した遊技球は、球流下通路352の左右いずれか一方を流下してセンター役物350の内部下方に形成された内部空間353へ達するようになっている。
【0130】
内部空間353は、センター役物350の内部下方に前面が開口する略直方体形に形成され、この内部空間353には、遊技球を利用した機械的な抽選を行う第2抽選手段360が設けられている。第2抽選手段360は、内部空間の後部に設けられた振り分け板361と、振り分け板361の前面側に回転自在に取り付けられた回転体370とを備えて構成される。振り分け板361の下部には、入賞通過口362と、入賞通過口362の左側に位置する左通過口363と、入賞通過口362の右側に位置する右通過口364とが形成されており、センター役物350の内部空間353に達した遊技球がこれらの通過口362,363,364のうちいずれか一つを通過するようになっている。
【0131】
入賞通過口362は、振り分け板361の下部裏面側に形成される中央球通路365に繋がっており、入賞通過口362を通過して中央球通路365へ流下した遊技球は、振り分け装置380へ導かれるようになっている。左通過口363は、中央球通路365の左側に隣接する左球通路366に繋がっており、左通過口363を通過して左球通路366へ流下した遊技球は、遊技盤310の裏面側へ導かれるようになっている。そして、右通過口364は、中央球通路365の右側に隣接する右球通路367に繋がっており、右通過口364を通過して右球通路367へ流下した遊技球は、左球通路366と同様に、遊技盤310の裏面側へ導かれるようになっている。
【0132】
回転体370は、振り分け板361の中央部前面側に回転自在に取り付けられ、振り分け板361の裏面側に設けられた電気モータ(図示せず)により回転するようになっている。回転体370の周部には、4本の第1振り分けアーム371および、第1振り分けアーム371よりもアーム長さが短い4本の第2振り分けアーム372が外方へ延びるように形成されている。
【0133】
第1振り分けアーム371は、回転体370の周部に90度間隔(等間隔)で形成され、第1振り分けアーム371の一つが回転して回転体370の下端付近に位置すると、振り分け板361に形成された入賞通過口362を塞ぐようになっている。第2振り分けアーム372は、回転体370の周部における第1振り分けアーム371と45度だけ回転方向へずれた位置に90度間隔(等間隔)で形成される。そして、第2振り分けアーム372は、第1振り分けアーム371よりも短いアーム長さを有しており、第2振り分けアーム372の一つが回転して回転体370の下端付近に位置しても、振り分け板361に形成されたいずれの通過口362,363,364をも塞がないようになっている。
【0134】
振り分け装置380は、振り分け装置380の内部通路に左右へ回動自在に設けられた振り分け部材381を主体に構成され、この振り分け部材381を用いて、センター役物350の中央球通路365から振り分け装置380の内部通路に流下した遊技球を、振り分け部材381の左方に設けられた球排出口382、もしくは振り分け部材381の右方に設けられた入賞排出口383のいずれか一方に振り分けて、(遊技球を)各排出口382,383のいずれかより遊技盤310の裏面側へ排出するようになっている。なお、振り分け装置380の内部通路に流下した遊技球は、振り分け部材381の上方に設けられた通過検出センサ384に検出されるようになっている。また、入賞排出口383を通過した遊技球は、V入賞センサ385(図15を参照)に検出されるようになっている。
【0135】
第二実施形態の遊技制御装置400には、始動入賞装置314、始動ゲート317、普通電動役物330、大入賞装置315、振り分け装置380、第1図柄表示装置312、第2図柄表示装置313等が電気的に接続されており、各種検出信号および制御信号の送受信が行われるようになっている。
【0136】
また、遊技制御装置400は、各入賞装置への入球(入賞)を判定する入球判定手段410と、始動入賞装置314(通過始動口314a)への遊技球の入賞に基づき第1の抽選を実行する第1抽選手段412と、振り分け装置380への遊技球の入球に基づき第3の抽選を実行する第3抽選手段414と、第1の図柄および第2の図柄の変動表示パターンを保持するパターン記憶手段416と、図柄変動における停止図柄および変動表示の表示パターンを決定する図柄決定手段420と、図柄等の表示を制御する表示制御手段430と、大当たり遊技等の通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技を制御する特別遊技制御手段440と、確率変動遊技等の通常遊技よりも遊技者に有利な特定遊技を制御する特定遊技制御手段460と、普通電動役物330や大入賞装置315等の開閉制御を行う開閉制御手段470とを備えて構成される。
【0137】
始動入賞装置314の入賞検出センサ324は、始動入賞装置314への遊技球の入球(入賞)を検出し、第1始動入賞情報を出力する。入球判定手段410は、第1始動入賞情報を受信すると遊技球が通過始動口314aを通過して始動入賞装置314に入球したことを判定する。始動入賞装置314への入球が判定されると、第1抽選手段412は、保留球数が上限に達しているか否かを調べる。例えば、保留球数の上限は4つに設定されている。保留球数が上限に達していない場合、入球判定手段410が第1始動入賞情報を受信したタイミングで、第1抽選手段412は始動入賞に対する乱数を取得する。なお、第1抽選手段412は、数学的に乱数を生成して取得してもよく、また図示しないカウンタにより生成されるカウント値を乱数として取得してもよい。このようにして取得した乱数に基づいて、第1抽選手段412は特別図柄抽選(第1の抽選)の当否を判定する。なお、抽選の当否判定は、乱数の取得と同時に行われてもよく、また、特別図柄の変動を開始する直前に行われてもよく、所定の抽選ソフトウェアを利用して行われる。抽選乱数が当たりであった場合、第1抽選手段412は確率変動付きの当たりであるか否かを決定する。
【0138】
図柄決定手段420における第1図柄決定手段422は、第1抽選手段412による判定結果に応じた停止図柄と、図柄変動の表示パターンとを決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示するべき図柄である。パターン記憶手段416は、第1の図柄を変動表示させるときの表示パターンとして複数種のパターンを保持する。表示パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンとが含まれる。また、リーチ状態を経るときのパターンとして、長短様々な表示時間をもつパターンが含まれる。各表示パターンは、その図柄変動の終了条件として表示時間がそれぞれ定められており、その表示時間が経過すると、図柄変動が停止される。そして、第1図柄決定手段422は、第1抽選手段412による抽選結果に応じてパターン記憶手段416からいずれかのパターンを選択し、抽選結果に応じた第1の図柄の停止図柄を決定する。
【0139】
始動ゲート317には通過検出センサ327が設けられており、始動ゲート317での遊技球の通過を検出し、ゲート通過情報を出力するようになっている。入球判定手段410は、ゲート通過情報を受信すると遊技球が始動ゲート317を通過したことを判定する。始動ゲート317の通過が判定されると、開閉制御手段470が普通電動役物330を所定時間だけ拡開作動させる。
【0140】
振り分け装置380の通過検出センサ384は、振り分け装置380への遊技球の入球(入賞)を検出し、第2始動入賞情報を出力する。入球判定手段410は、第2始動入賞情報を受信すると遊技球が第2抽選手段360の入賞通過口362を通過して振り分け装置380に入球したことを判定する。振り分け装置380への入球が判定されると、第3抽選手段414は、第1抽選手段412と同様に、保留球数が上限に達しているか否かを調べ、保留球数が上限に達していない場合、入球判定手段410が第2始動入賞情報を受信したタイミングで、始動入賞に対する乱数を取得する。このようにして取得した乱数に基づいて、第3抽選手段414は第3の抽選の当否を判定する。なお、抽選の当否判定は、乱数の取得と同時に行われてもよく、また、特別図柄の変動を開始する直前に行われてもよく、所定の抽選ソフトウェアを利用して行われる。
【0141】
図柄決定手段420における第2図柄決定手段424は、第3抽選手段414による判定結果に応じた停止図柄と、図柄変動の表示パターンとを決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示するべき図柄である。パターン記憶手段416は、第2の図柄を変動表示させるときの表示パターンとして第1の図柄と同様に複数種のパターンを保持する。そして、第2図柄決定手段424は、第3抽選手段414による抽選結果に応じてパターン記憶手段416からいずれかのパターンを選択し、抽選結果に応じた第2の図柄の停止図柄を決定する。
【0142】
表示制御手段440は、第1の図柄を変動表示させる第1表示制御手段431と、第2の図柄を変動表示させる第2表示制御手段432とを有して構成される。第1表示制御手段431は、第1図柄決定手段422において決定された変動パターンおよび停止図柄をもとに、第1図柄表示装312に第1の図柄を表示させる。第2表示制御手段432は、第2図柄決定手段424において決定された変動パターンおよび停止図柄をもとに、第2図柄表示装置313に第2の図柄を表示させる。
【0143】
特別遊技制御手段440は、2種類の特別遊技を選択的に実行することができる。特別遊技制御手段440において、条件保持手段442は、2種類の特別遊技の作動条件を保持する。特別遊技実行手段448は、所定の作動条件が成立したことに基づいて特別遊技を実行する機能を有する。
【0144】
条件保持手段442における第1条件保持手段443は、第1の特別遊技を実行するための条件である第1作動条件を保持している。本実施形態において第1作動条件は、第1表示制御手段431により変動表示される第1の図柄が第1図柄表示装置312において所定の図柄で停止されたことに設定される。また、第2条件保持手段444は、第2の特別遊技を実行するための条件である第2作動条件を保持している。本実施形態において第2作動条件は、第2表示制御手段432により変動表示される第2の図柄が第2図柄表示装置313において所定の図柄で停止され、振り分け装置380により遊技球が入賞排出口383へ導かれてV入賞センサ385で検出されるように設定される。
【0145】
特別遊技制御手段440における条件判定手段446は、遊技情報を監視し、特別遊技への移行条件である第1作動条件または第2作動条件の成立の可否を判定する。また、条件判定手段446は、それぞれの作動条件の判定結果をもとに、各種作動フラグのオンまたはオフの設定を行う。
【0146】
特別遊技実行手段448における第1特別遊技実行手段449は、第1作動条件が成立すると、第1の特別遊技を実行する。ここで、第1の特別遊技は、大入賞装置315による大入賞口315の開閉操作を複数回連続して継続する遊技であり、第1の特別遊技に移行すると、遊技者は特別遊技が行われていることを容易に認識することができるとともに、相当数の賞球を期待することができる。このとき、第1特別遊技実行手段449は、開閉制御手段470に大入賞口315aの開閉制御を行わせる。開閉制御手段470は、第1の特別遊技中、大入賞装置315の大入賞口ソレノイド326に開放作動信号(もしくは、閉鎖作動信号)を出力し、大入賞口315aを開放(もしくは、閉鎖)させる。
【0147】
特別遊技実行手段448における第2特別遊技実行手段450は、第2作動条件が成立すると、第2の特別遊技を実行する。ここで、第2の特別遊技は、回転型入賞装置318への遊技球の入賞(入賞検出センサ328による遊技球の検出)を条件に、大入賞装置315による大入賞口315の開閉操作を複数回連続して継続する遊技であり、第2の特別遊技に移行すると、遊技者は、第1の特別遊技と同様に、相当数の賞球を期待することができる。このとき、第2特別遊技実行手段450は、回転型入賞装置318への遊技球の入賞を条件に、開閉制御手段470に大入賞口315aの開閉制御を行わせる。開閉制御手段470は、第2の特別遊技中、大入賞装置315の大入賞口ソレノイド326に開放作動信号(もしくは、閉鎖作動信号)を出力し、大入賞口315aを開放(もしくは、閉鎖)させる。
【0148】
特別遊技制御手段440における作動回避手段452は、第1作動条件および第2作動条件のいずれか一方の作動条件が成立したとき、他方の作動条件の成立を回避させる機能を有する。したがって、第2作動条件の成立中は、第1作動条件の成立が回避される一方、第1作動条件の成立中は、第2作動条件の成立が回避される
【0149】
特定遊技制御手段460は、特別遊技とは異なる遊技者に有利な特定遊技、例えば確率変動遊技の実行を制御する。本実施形態において、当たり抽選は、第1抽選手段412による第1の抽選と、第3抽選手段414による第3の抽選の2種類が存在しており、それぞれの図柄抽選に対して確率変動遊技が設定可能とされる。
【0150】
特定遊技制御手段460における第1特定遊技実行手段462は、第1抽選手段412による抽選結果に基づいて、第1の図柄の確率変動遊技を実行する。例えば、第1の図柄の停止図柄が奇数であるときに、第1の特別遊技の終了後、第1の図柄の確率変動遊技が実行される。なお、第1の図柄の確率変動遊技における当たりの割合は、通常遊技のときよりも高く設定される。また、第2特定遊技実行手段464は、第3抽選手段414による抽選結果に基づいて、第1特定遊技実行手段462と同様に、第2の図柄の確率変動遊技を実行する。なお、第2の図柄の確率変動遊技における当たりの割合は、通常遊技のときよりも高く設定される。
【0151】
以上のように構成される第二実施形態のパチンコ機において、前述したように、内部空間353に第2抽選手段360が設けられたセンター役物350の上方に隣接して、センター役物350の入球口351に対する遊技球の通過を許可および規制可能な普通電動役物330が設けられている。そのため、普通電動役物330が拡開作動して遊技球が普通電動役物330および入球口351を通過可能となったときに第2の抽選を行うことが可能となり、第1抽選手段412を用いた第1の遊技(抽選)と第2抽選手段360を用いた第2の遊技(抽選)とをそれぞれ独立して行うことができる。従って、2種類の遊技を効果的に組み合わせることが可能となり、それぞれの遊技によってもたらされるべき遊技性を十分に発揮させることができるため、遊技性を向上させることが可能になる。なお、第1の抽選が所定の抽選ソフトウェアを利用して行われ、第2の抽選が入球口351を通過し内部空間353に入球した遊技球を利用して機械的に行われるため、異なる種類の抽選(遊技)を行うことが可能となり、遊技性をさらに向上させることができる。
【0152】
そして、遊技球が通過始動口314aを通過して始動入賞装置314に入賞すると、第1抽選手段412により所定の抽選ソフトウェアを利用した第1の抽選が行われ、第1図柄表示装置312において第1の図柄が所定時間だけ変動表示される。変動停止時の第1の図柄が大当たりを示す図柄である場合、第1の特別遊技に移行する。
【0153】
第1の特別遊技においては、大入賞装置315の作動により大入賞口315aが開放される。そして、大入賞口315aが約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が大入賞口315aを通過して大入賞装置315に入賞した後、大入賞口315aが一旦閉鎖され、このような開閉動作が所定回数継続して繰り返される。
【0154】
また、遊技球が始動ゲート317(開放始動口)を通過すると、普通電動役物330が所定時間だけ開放される。遊技球が開放された普通電動役物330の入賞入口333を通過すると、普通電動役物330のベース部材331の内部を流下した後、入賞出口334を通過してセンター役物350へ流下する。
【0155】
普通電動役物330の入賞出口334からセンター役物350へ流下する遊技球は、センター役物350の入球口351を通過して球流下通路352の左右いずれか一方を流下し、センター役物350の内部下方に形成された内部空間353に達する。そして、遊技球がセンター役物350の内部空間353に達すると、第2抽選手段150により遊技球を利用した機械的な第2の抽選が行われる。
【0156】
このとき、遊技球は、球流下通路352に形成されたガイド板(図示せず)により、振り分け板361の入賞通過口362の前方まで導かれ、回転部材370の第1振り分けアーム371の一つが回転部材370の下端付近に位置して入賞通過口362を塞いでいるときには、遊技球は第1振り分けアーム371の一つに当接して左通過口363もしくは右通過口364のいずれか一つを通過する。そして、左通過口363もしくは右通過口364を通過した遊技球は、左球通路366もしくは右球通路367を流下して遊技盤310の裏面側へ向かう。
【0157】
一方、第1振り分けアーム371の一つが回転部材370の下端付近に位置せずに、第2振り分けアーム372の一つが回転部材370の下端付近に位置するときには、遊技球はそのまま入賞通過口362を通過して中央球通路365を流下し、振り分け装置380へ向かう。このようにして、第2抽選手段360による遊技球を利用した機械的な(第2の)抽選が行われる。
【0158】
遊技球が振り分け装置380に達すると、第3抽選手段414により所定の抽選ソフトウェアを利用した第3の抽選が行われ、第2図柄表示装置313,313において第2の図柄が所定時間だけ変動表示される。変動停止時の第2の図柄が大当たりを示す図柄である場合、振り分け装置380により遊技球が入賞排出口383を通過して第2の特別遊技に移行する。
【0159】
第2の特別遊技においては、回転型入賞装置318への遊技球の入賞(入賞検出センサ328による遊技球の検出)を条件に、大入賞装置315の作動により大入賞口315aが開放される。そして、大入賞口315aが約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が大入賞口315aを通過して大入賞装置315に入賞した後、大入賞口315aが一旦閉鎖され、このような開閉動作が所定回数継続して繰り返される。
【0160】
以上に説明した本発明の第二実施形態において、達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
【0161】
第1に、センター役物350の入球口351に対する遊技球の通過を許可および規制可能な普通電動役物330を備えて構成されるため、普通電動役物330が拡開作動して遊技球が普通電動役物330および入球口351を通過可能となったときに第2の抽選を行うことが可能となり、第1抽選手段412を用いた第1の遊技(抽選)と第2抽選手段360を用いた第2の遊技(抽選)とをそれぞれ独立して行うことができる。従って、2種類の遊技を効果的に組み合わせることが可能となり、それぞれの遊技によってもたらされるべき遊技性を十分に発揮させることができるため、遊技性を向上させることが可能になる。
【0162】
第2に、第1の抽選が所定の抽選ソフトウェアを利用して行われ、第2の抽選が入球口351を通過し内部空間353に入球した遊技球を利用して機械的に行われることで、異なる種類の抽選(遊技)を行うことが可能となり、遊技性をさらに向上させることができる。
【0163】
なお、上述の第二実施形態において、第1の抽選が所定の抽選ソフトウェアを利用して行われ、第2の抽選が内部空間353に入球した遊技球を利用して機械的に行われているが、これに限られるものではなく、第1の抽選が機械的に行われてもよく、第2の抽選が所定の抽選ソフトウェアを利用して行われてもよい。さらに、第1および第2の抽選を、機械的な抽選およびソフトウェアを利用した抽選を組み合わせて行うようにしてもよい。
【0164】
また、上述の第二実施形態において、振り分け装置380に設けられた通過検出センサ384は、第2抽選装置(センター役物350)の中央球通路365に設けてられてもよい。
【0165】
さらに、上述の第二実施形態において、センター役物350の上方に隣接して、センター役物350の入球口351に対する遊技球の通過を許可および規制可能な普通電動役物330が設けられているが、これに限られるものではない。例えば、開閉扉(もしくは、シャッター部材)を用いて入球口351を開閉させるようにしてもよく、また例えば、遊技領域PA2における入球口351の近傍に出没可能なピン部材(もしくは、釘部材)を配置し、このピン部材を遊技盤310上に突出させることで入球口351に対する遊技球の通過を規制(および、ピン部材を遊技盤310側に没入させることで遊技球の通過を許可)するようにしてもよく、入球口351に対する遊技球の通過を許可および規制可能な通過規制装置が用いられていればよい。
【0166】
また、上述の第二実施形態において、遊技盤310の遊技領域PA2に大入賞装置315が1つ設けられているが、これに限られるものではなく、遊技領域PA2に大入賞装置を2つ(複数)設けてもよい。
【0167】
さらに、上述の第二実施形態において、センター役物350に、遊技球を一時的に停留させつつ始動入賞装置314へ落下させることが可能な(例えば、第一実施形態における第1ステージ部105のような)ステージ部を設けるようにしてもよい。このようにすれば、遊技性をさらに向上させることができる。なおこのとき、センター役物350の内部空間353(第2抽選手段360)の前面側に、入球口351以外から遊技球が内部空間353に入球するのを防止可能なカバー部材を設けることが好ましい。
【符号の説明】
【0168】
PM パチンコ機
PA 遊技領域
PA2 遊技領域(第二実施形態)
10 遊技盤
12 装飾図柄表示装置(12a 表示面、12b サブ表示面)
13 始動入賞装置(13a 通過始動口)
14 普通電動役物(14a 開放始動口)
16 第1大入賞装置(16a 第1大入賞口)
100 センター役物
103 内部空間
104 前部空間
105 第1ステージ部
120 第2大入賞装置
122 第2大入賞口
130 開閉装置
131 開閉扉
150 第2抽選手段
151 球排出口
156 特別入賞口
160 振り分け装置
161 第2ステージ部
162 球通過部
163 中央傾斜部
164 左傾斜部
165 右傾斜部
171 左回転体
172 左胴部
173 第1左羽根部
174 第2左羽根部
176 右回転体
177 右胴部
178 第1右羽根部
179 第2右羽根部
190 カバー部材
191 天井部
212 第1抽選手段
248 特別遊技実行手段
310 遊技盤(第二実施形態)
314 始動入賞装置(314a 通過始動口)
317 始動ゲート(開放始動口)
330 普通電動役物
350 センター役物
351 入球口
353 内部空間
360 第2抽選手段
412 第1抽選手段
448 特別遊技実行手段
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の遊技領域が設けられた遊技盤を備え、前記遊技領域内に遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機において、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な通過始動口と、
前記通過始動口を遊技球が通過すると所定の抽選ソフトウェアを利用した第1の抽選を行う第1抽選手段と、
前記遊技領域内に設けられ、前記第1の抽選の結果に応じて所定の図柄変動表示が可能な図柄表示装置と、
前記第1の抽選の結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第1の特別遊技を行わせる第1特別遊技実行手段と、
前記図柄表示装置の前面側に露出する表示部を囲んで前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な入球口および、前記入球口を通過した遊技球が入球可能な内部空間を有する飾り部材と、
前記飾り部材の前記内部空間の下部に設けられ、前記入球口を通過して前記内部空間内に入り込んだ遊技球を利用して機械的な抽選を行う機械的抽選手段と、
前記入球口に対する遊技球の通過を許可および規制可能な通過規制装置と、
組み合わせ抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第2の特別遊技を行わせる第2特別遊技実行手段と、を備え、
前記組み合わせ抽選手段が、遊技球が前記遊技領域に設けられたゲートを通過したときに前記通過規制装置を作動させて遊技球が前記入球口を通過することを許可し、前記入球口を通過して前記内部空間に入り込んだ遊技球による前記機械的抽選手段による機械的抽選を行わせ、前記機械的抽選手段により遊技球が特別入賞口に入球したときに抽選ソフトウェアを利用したソフトウェア抽選を行わせ、このソフトウェア抽選の結果に基づいて前記第2特別遊技実行手段による前記第2の特別遊技を行わせるものであり、
前記通過始動口は前記遊技領域内における前記飾り部材の外側に設けられ、一つの遊技球が前記通過始動口の通過および前記入球口の通過のいずれか一方のみしか可能とならないように構成されており、
前記機械的抽選手段は、前記内部空間に設けられ、遊技球の入球に応じて前記第2の特別遊技の発生に繋がる前記特別入賞口と、遊技球を前記遊技盤の裏面側に排出するための球排出口と、前記内部空間に入球した遊技球を前記特別入賞口もしくは前記球排出口のいずれか一方に導く振り分け装置とを有し、
前記飾り部材における前記内部空間の前側に位置する前部空間内に、前記前部空間に入り込んだ遊技球を転動移動させて前記通過始動口に向けて落下移動するように案内する第1ステージ部が設けられており、前記内部空間と前記前部空間とを仕切る仕切り部材が設けられていることを特徴とする弾球遊技機。
【請求項2】
所定の遊技領域が設けられた遊技盤を備え、前記遊技領域内に遊技球を発射して遊技を行う弾球遊技機において、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な通過始動口と、
前記通過始動口を遊技球が通過すると所定の抽選ソフトウェアを利用した第1の抽選を行う第1抽選手段と、
前記遊技領域内に設けられ、前記第1の抽選の結果に応じて所定の図柄変動表示が可能な図柄表示装置と、
前記第1の抽選の結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第1の特別遊技を行わせる第1特別遊技実行手段と、
前記図柄表示装置の前面側に露出する表示部を囲んで前記遊技領域に設けられ、遊技球が通過可能な入球口および、前記入球口を通過した遊技球が入球可能な内部空間を有する飾り部材と、
前記飾り部材の前記内部空間の下部に設けられ、前記入球口を通過して前記内部空間内に入り込んだ遊技球を利用して機械的な抽選を行う機械的抽選手段と、
前記入球口に対する遊技球の通過を許可および規制可能な通過規制装置と、
組み合わせ抽選手段の抽選結果に基づいて、遊技者に通常遊技よりも有利な第2の特別遊技を行わせる第2特別遊技実行手段と、を備え、
前記組み合わせ抽選手段が、前記遊技領域に設けられたゲートを遊技球が通過したときにソフトウェア抽選を行わせ、このソフトウェア抽選の結果に基づいて前記通過規制装置を作動させて遊技球が前記入球口を通過することを許可し、前記入球口を通過して前記内部空間に入り込んだ遊技球により前記機械的抽選を行わせ、前記機械的抽選手段による抽選結果に基づいて前記第2特別遊技実行手段による前記第2の特別遊技を行わせるものであり、
前記通過始動口は前記遊技領域内における前記飾り部材の外側に設けられ、一つの遊技球が前記通過始動口の通過および前記入球口の通過のいずれか一方のみしか可能とならないように構成されており、
前記機械的抽選手段は、前記内部空間に設けられ、遊技球の入球に応じて前記第2の特別遊技の発生に繋がる特別入賞口と、遊技球を前記遊技盤の裏面側に排出するための球排出口と、前記内部空間に入球した遊技球を前記特別入賞口もしくは前記球排出口のいずれか一方に導く振り分け装置とを有し、
前記飾り部材における前記内部空間の前側に位置する前部空間内に、前記前部空間に入り込んだ遊技球を転動移動させて前記通過始動口に向けて落下移動するように案内する第1ステージ部が設けられており、前記内部空間と前記前部空間とを仕切る仕切り部材が設けられていることを特徴とする弾球遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2011-05-10 
出願番号 特願2010-80313(P2010-80313)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
P 1 41・ 851- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大浜 康夫  
特許庁審判長 立川 功
特許庁審判官 秋山 斉昭
小原 博生
登録日 2011-03-11 
登録番号 特許第4697716号(P4697716)
発明の名称 弾球遊技機  
代理人 大西 正悟  
代理人 大西 正悟  

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