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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  G05B
審判 全部無効 特36条4項詳細な説明の記載不備  G05B
審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  G05B
管理番号 1238814
審判番号 無効2009-800186  
総通号数 140 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-08-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2009-08-31 
確定日 2011-06-23 
事件の表示 上記当事者間の特許第3797998号発明「モータ制御装置」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1.手続の経緯
本件特許第3797998号の請求項1ないし7に係る発明(以下、「本件特許発明1ないし7」という。)についての出願は、平成15年11月17日に特許出願され、同18年4月28日にその発明について特許の設定登録がなされたものである。
これに対して、同21年8月31日に請求人株式会社ハイピーテックより無効審判の請求がなされ、同21年11月26日に被請求人株式会社コスモテックスより審判事件答弁書が提出され、同22年4月30日に請求人及び被請求人よりそれぞれ口頭審理陳述要領書が提出され、そして同22年5月17日に第1回口頭審理が実施され、同22年6月1日に請求人より上申書が提出されたものである。


第2.本件特許発明
本件特許発明1ないし7は、特許された特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された次のとおりのものと認められる。
なお、請求項1における(A)、(B)等の分説は、請求人の審判請求書によるものを採用し、当審にて付与したものである。
「【請求項1】
(A)複数のパルス列入力型モータを駆動するため、各パルス列入力型モータ用の駆動パルスを出力するモータ制御装置であって、
(B)速度指令パルスに基づいて補間処理を行い、前記駆動パルスを生成する補間制御部と、
(C)補間開始位置から補間終了位置まで、前記速度指令パルスのパルス数をカウントする総パルス数カウント部と、
(D)前記補間制御部によって生成された前記駆動パルスをモータ制御装置の外部へ出力するか否かを制御するパルス出力制御部と、
(E)前記総パルス数カウント部のカウント値をモータ制御装置の外部から読み出すためのインタフェース部と
を備えると共に、
(F)動作モードとして、総パルス数を求めるためのトレースモードと実動作のための通常動作モードとを有し、
(G)前記パルス出力制御部は、前記トレースモード時には、前記補間制御部によって生成された前記駆動パルスをモータ制御装置の外部へ出力せず、前記通常動作モード時には、前記補間制御部によって生成された前記駆動パルスをモータ制御装置の外部へ出力する
ことを特徴とする
(H)モータ制御装置。
【請求項2】
前記補間終了位置に達したことを検出する終点検出部を更に備え、
前記総パルス数カウント部は、前記終点検出部が前記補間終了位置を検出するまで、前記速度指令パルスのパルス数をカウントする
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項3】
前記終点検出部は、複数の補間動作が連続して指示された場合、一番最後の補間動作についての補間終了位置に達したことを検出し、
前記総パルス数カウント部は、前記終点検出部が前記一番最後の補間動作についての補間終了位置を検出するまで、前記速度指令パルスのパルス数をカウントすることを特徴とする請求項2に記載のモータ制御装置。
【請求項4】
前記補間終了位置に到達したときの前記総パルス数カウント部のカウント値を格納する記憶部を更に備えた
ことを特徴とする請求項1?3のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
【請求項5】
前記記憶部を複数備えた
ことを特徴とする請求項4に記載のモータ制御装置。
【請求項6】
前記速度指令パルスを生成するパルス発生部を更に備え、
当該パルス発生部は、前記記憶部に格納されたカウント値に基づいて、減速開始位置を自動検出する
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のモータ制御装置。
【請求項7】
請求項1?6のいずれか一項に記載のモータ制御装置と、
複数のパルス列入力型モータと、
前記モータ制御装置が出力する駆動パルスに基づいて、前記複数のパルス列入力型モータを駆動する複数のモータドライバと
を備えたことを特徴とするモータ制御システム。」


第3.請求人の主張の概要
請求人は、証拠方法として後記の書証をもって、以下に示す理由(a)及び(b)により本件特許は無効にされるべきであると主張している。

1.理由(a)
(1)特許法第36条第6項第2号
本件特許発明1において、トレースモードと通常動作モードとを切り換える機能手段が記載されていないため、上記構成要件(E)において、何故に総パルス数カウント部のカウント値をモータ制御装置の外部から読み出す必要があるのかが技術的に不明であり、その結果、構成要件(E)、(F)、(G)の技術的関連性が不明確だから、特許を受けようとする発明が明確ではない。本件特許発明1が不明確だから、本件特許発明1を引用する本件特許発明2乃至7も特許を受けようとする発明が明確ではない。

(2)特許法第36条第4項第1号
補間処理の対象となる経路が真円を描くとき、補間処理開始時点で開始位置座標=終了位置座標が成立する。このため、終点検出部270は、終点検出信号271を生成し、特許明細書の【0033】段落第1行目乃至第4行目に記載されるように、この時点で総パルス数カウント部250は、カウントを停止するから、真円経路に対するトレースモードは、総パルス数に対応するカウント値を取得できないことは明らかである。すなわち、本件特許発明1は、本件特許明細書の段落【0016】に記載されている作用効果を奏し得ない構成まで含むものだから、本件特許発明1は、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていない。
また、1パルスあたりの距離は、特定の機械系に依存してそれぞれに異なるものであって、本件特許に係るモータ制御装置が独自に設定できるものではなく、1パルスあたりの距離は、モータ制御装置が適用される機械系に依存して設定されなければ、カウント値と、補間終了位置座標値とは直接比較できないことは明らかである。しかしながら、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、X軸用及びY軸用駆動パルス241a,241bのカウント値を現在位置とし、補間終了座標位置と直接比較することを可能とする技術的手段が記載されておらず、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されていない。

2.理由(b)
本件特許発明1ないし7は、本件特許の出願前に頒布された刊行物である、甲第1号証、甲第2号証及び甲第7号証に記載された発明に基づき当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、特許法第123条第1項第2号の規定により無効とされるべきである。

[証拠方法]
甲第1号証 Compact PCI MOTOR CONTROL
MODULE ACP-425、ユーザーズ・マニュアル、
2003年5月09日 初版1刷発行、OMO30000006A、
編集 株式会社アバールデータ、
発行 株式会社アバールデータ、の写し
甲第2号証 特開平9-295247号公報
甲第3号証 日経テックオン2002年11月25日付け、ACP-425 発売開始の記事:URLアドレス=
http://techon.nikkeibp.co.jp/members/01db/200211/1005430/
ダウンロードページ
甲第4号証 日経テックオン2002年7月31日付け、モータ・コントロ ーラ製品の発売に関する記事:URLアドレス=
http://techon.nikkeibp.co.jp/members/01db/200207/1005321/
甲第5号証 株式会社アバールデータ、ACP-425製品情報:
URLアドレス=http://www.avaldata.com/products/z1_
embedded_compact/acp425/acp425.htmからのダウンロードページ
甲第6号証 トランジスタ技術2002年11月号、
平成14年11月1日、CQ出版社発行、第87ページの写し
甲第7号証 4軸補間制御用LSI、IPC710取扱説明書、
2001年12月付け、IPC710-GM01、
株式会社コスモテックス発行、
第1、2、3及び82ページの写し
甲第8号証 4軸補間制御用LSI、IPC710取扱説明書、
2004年10月付け、IPC710-GM02、
株式会社コスモテックス発行、第1、2及び3ページの写し


第4.被請求人の主張の概要
被請求人は、上記請求人の主張に対して、以下のとおり反論している。

1.理由(a)について
(1)特許法第36条第6項第2号について
本件特許明細書の段落【0036】、【0028】、【0038】、【0050】及び【0061】等の記載からみて、移動対象物の移動開始位置から移動終了位置までの移動量に相当する総パルス数のカウントを行う際に、動作モードをトレースモードにし、実動作させる際に、動作モードを通常動作モードにするのは明らかであり、現在の請求項1に、トレースモードと通常動作モードとを切り換える機能手段が記載されていないからといって、特許を受けようとする発明が不明確であるとは言えない。

(2)特許法第36条第4項第1号について
例えば、補間処理開始時点で開始位置座標=終了位置座標が成立する場合は、補間終了位置の検出のタイミングを遅らせ、現在位置座標=終了位置座標が成立しなくなった時点で、補間終了位置の検出を開始するようにすればよいのであり、このようなことは、本件特許の出願時においても、当業者であれば適宜なし得たことである。甲第1号証においても、9-12頁の「9.3.4 360°円弧を描く場合」の部分に、「360°の閉じた円弧を描く場合、『開始位置座標=目標位置座標』となり、円弧補間ドライブ起動時に『現在位置座標=目標位置座標』のドライブ終了条件が成立します。しかし、IPC710では、円弧補間ドライブ起動時に『開始位置座標=目標位置座標』が成立していた場合に限り、360°の円弧指令であると自動認識し、360°の閉じた円弧が描かれる様対策されています。」と記載されており、360°円弧を描く場合、すなわち、真円を描く場合に特別な取り扱いがされることが示されている。
また、本件特許明細書の段落【0032】の審判請求人が指摘する部分は、単に、補間終了位置座標はパルス数で指定されるということを言っているに過ぎず、仮に、1パルスあたりの距離が、特定の機械系に依存してそれぞれに異なるとしても、適用される機械系によって、上位CPUによって設定される補間終了位置座標値(パルス数)が異なることになるだけで、当該記載部分になんら問題はない。

2.理由(b)について
甲第1号証では、補間ドライブに必要な速度指令パルス数の算出は計算により行うこと、例えば、円弧補間ドライブに必要な速度指令パルス数の算出は、各象限を45°に区切り、各部における必要パルス数を計算し、合計することにより行うことが前提となっている。一方、本件特許発明は、このような計算をすることなく、補間ドライブに必要な速度指令パルス数を容易に求めることを可能にすることを目的とするものである。
そして、甲第2号証及び甲第7号証のいずれにも、上述したような本件特許発明の構成は記載されていない。従って、このような甲第2号証及び甲第7号証に記載された発明に基づいて、上述したような顕著な効果を奏する本件特許発明を容易に発明することができたとは言えない。


第5.当審の判断
1.理由(a)について
(1)特許法第36条第6項第2号について
本件特許の請求項1には、請求人が主張するように、「トレースモードと通常動作モードとを切り換える機能手段」は明記されていない。
しかしながら、モータ制御装置の技術分野において、モータ制御装置のモードを切り換える機能手段として、例えば、上位制御装置により切り換える等、様々な手段が存在することは、例示するまでもなく従来周知の事項であって、当業者が普通に想定し得る程度のことである。
そうすると、本件特許発明1は、上記分説(E)で特定される「インターフェース部」を備え、上位制御装置等の周知の機能手段によって切り換えられる、上記分説(F)、(G)で特定される「トレースモード」及び「通常動作モード」を有するモータ制御装置であることは明らかであって、上記分説(E)について、何故に総パルス数カウント部のカウント値をモータ制御装置の外部から読み出す必要があるのかが特定されていないからといって、本件特許発明1を明確でないとすることはできない。また、本件特許発明1を明確でないとすることができない以上、本件特許発明2ないし7についても、同様の理由により明確でないとすることはできない。

(2)特許法第36条第4項第1号について
例えば、甲第1号証第9-12ページの「9.3.4 360°円弧を描く場合」欄に、「360°の閉じた円弧を描く場合、『開始位置座標=目標位置座標』となり、円弧補間ドライブ起動時に『現在位置座標=目標位置座標』のドライブ終了条件が成立します。しかし、IPC710では、円弧補間ドライブ起動時に『開始位置座標=目標位置座標』が成立していた場合に限り、360°の円弧指令であると自動認識し、360°の閉じた円弧が描かれる様対策されています。」と記載されているように、現在位置座標が目標位置座標に一致したか否かを判定するものにおいて、開始位置座標=目標位置座標が成立してしまう場合には、何らかの特別な取り扱いが必要となることは技術常識である。
そして、本件特許発明1においても、補間処理開始時点で、補間開始位置座標を補間終了位置座標と認識してしまうと総パルス数がカウントできないことは明らかであって、そのような場合に、例えば、補間終了位置の検出のタイミングを遅らせ、現在位置座標=終了位置座標が成立しなくなった時点で、補間終了位置の検出を開始する等、補間開始位置を補間終了位置と誤認しないように取り扱う程度のことは、当業者が普通に想定し得ることにすぎない。
また、本件特許明細書の段落【0032】には「パルス列入力型モータの場合、通常、1パルスあたりの距離を決めておき(例えば、1パルスが1μm)、位置座標についてはパルス数で指定するようにする」と記載されており、予め決めておいた1パルスあたりの距離を用いて、補間終了位置座標をパルス数で指定することが読み取れる。
そうすると、仮に、1パルスあたりの距離が特定の機械系に依存してそれぞれに異なるとしても、その機械系における1パルス当たりの距離を用いて、補間終了位置座標をパルス数で指定する程度のことは、当業者であれば普通に想定し得ることということができる。
よって、本件特許明細書の発明の詳細な説明を、当業者が本件特許発明1ないし7の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載されたものでないとすることはできない。

2.理由(b)について
(1)甲第1号証の記載事項
ア.第2-1ページ、「2.1 概要」欄
「ACP-425(以下、本製品)は高性能4軸モータコントロールボードで、最大4軸までの直線補間及び任意2軸の円弧補間制御が行える3UタイプのCompact PCI モジュールです。
制御対象はステッピングモータ及びサーボモータであり、幅広い用途に御使用頂けます。
又,システムバスにComactPCIbusがフォーマットされています。」

イ.第2-2ページ、「2.3.1 一般仕様」欄
表には、「モータ制御用LSI」が「PMC620(コスモテックス製)」であり、「補間用LSI」が「IPC710(コスモテックス製)」であることが記載されている。

ウ.第2-4ページ、「2.4 ブロック図」欄
「モータ系」と記載された信号の経路を見ると、PMC620と補間用PMC620とから、それぞれIPC710に信号が出力され、さらにIPC710から出力回路に信号が出力されることが看取できる。

エ.第3-18ページ、「3.2 補間モード」欄
「3.2.1 RIGHT CIRCULAR DRIVE

4軸中任意の軸をX軸及びY軸に定義し、X/Yの直交座標における右回り円弧補間ドライブを行います。
右回り円弧補間ドライブには、開始位置と目標位置の設定が必要であり、描かれる円弧の中心点を(0,0)とした場合の開始位置座標(Xstr,Ystr)及び目標座標位置(Xobj,Yobj)をX/Y START POINT PRE-BUFFER及びX/Y OBJECT POINT PRE-BUFFERにそれぞれ設定します。
右回り円弧補間ドライブ起動時、内部レジスタには下記データがロードされ、その後補間パルスが発生する毎にX/Y NOW POINT REGISTERの値が更新されます。
・・・
右回り円弧補間ドライブでは、下記項目が共に成立することにより、目標位置へ到達したものと判断し、ドライブを終了します。
・X NOW POINT REGISTER = X OBJECT POINT REGISTER
・Y NOW POINT REGISTER = Y OBJECT POINT REGISTER」

オ.第3-24ページ、「3.3 モードの切り替え」欄
「ACP-425には補間モードとスルーモードの2つのモードがあり、軸毎に指定することが可能です。
補間モードとは直線/円弧補間ドライブを行うためのモードであり、補間用パルスジェネレータからの速度指令パルスを基に作成された補間パルスを出力します。
スルーモードとはPMC620より出力されたパルスをIPC710がスルー(そのまま)で出力します。」

カ.第3-24ページ、「3.4 割り込み機能」欄
「・・・
補間制御時(IPC710から出力します)
・INTIPC:補間ドライブ終了時に割り込みが発生します。」

キ.第3-25ページ、「3.5 CompactPCI・インターフェース」欄
「本モジュールのCompactPCIインターフェースとして、PCIブリッジ(PCI9050-1・PLX社製)を採用しており、CompactPCIbus(Rev. 2.1)に準拠しています。
また、インターフェースとしてCompactPCIコネクタ(J1:オムロン社製)を標準装備しています。・・・・」

ク.第6-1ページ、「第6章 コマンド説明」欄
「ACP-425には、表に示すPMC620に対して73種類、IPC710に対しては62種類のコマンドが用意されており、ドライブコマンドを除く全てのコマンドは、ドライブ中(DRIVE STATUS READ PORT内 BUSY Bit=1中)/ドライブ停止中(DRIVE STATUS READ PORT内 BUSY Bit=0中)に関わらず常時実行可能ですが、コマンドによっては、その後の動作が正常に行われなくなる場合がありますので、注意が必要です。」

ケ.第6-14ページ、「・DRIVE PULSE COUNTER READ コマンド(CODE=13H)」欄
「各軸より、DRIVE PULSE COUNTERの値を読み出すコマンドです。DRIVE PULSE COUNTERからは、ドライブ中の場合、現ドライブにおける現在までの出力パルス数を、またドライブ停止中の場合、前回のドライブにおける出力パルス数を読み出すことができます。DATA2,3,4 READ PORTより下記データを読み出します。当コマンドは常時実行可能です。・・・」

コ.第6-32ページ、「・INTERRUPT ENABLE MODE SET コマンド(CODE=00H)」欄
「“割り込み有効モード”に設定するためのコマンドです。
“割り込み有効モード”の場合、補間ドライブ終了時(BUSY出力信号のH→L変化時)に、ユーザーCPUに対する割り込み要求信号INT=Hが出力されます。」

サ.第6-35ページ、「・RIGHT CIRCULAR DRIVE 1/2 コマンド(CODE=08H / 09H)」欄
「右回り円弧補間ドライブを実行するためのコマンドです。
右回り円弧補間ドライブには2つのコマンドが用意されており、RIGHT CIRCULAR DRIVE 1 コマンドでは、周速補正無し、RIGHT CIRCULAR DRIVE 2 コマンドでは、周速補正有りとなります。
補間ドライブ停止中に当コマンドを実行した場合、直ちに右回り円弧補間ドライブが起動しますが、補間ドライブ実行中の場合には、STATUS1 READ PORT内のSDREQ bit=1及びSDREQ=Hとなり、連続補間ドライブ要求として受け付けられます。
尚、連続補間ドライブ要求として受け付けられた場合には、現在実行中の補間ドライブが、目標位置に到達次第、右回り円弧補間ドライブが起動することになります。
円弧補間ドライブには、X軸/Y軸の指定、開始位置座標及び目標位置座表の設定が必要であり、当コマンドの実行前に、下記により指定、設定しておく必要があります。

◆ MODE2 WRITE PORTによるX軸/Y軸の指定
◆ X, Y OBJECT POINT PRE-BUFFER WRITE コマンドにより、
X軸及びY軸の目標位置座標(Xobj,Yobj)を設定
◆ X, Y START POINT PRE-BUFFER WRITE コマンドにより、
X軸及びY軸の開始位置座標(Xstr,Ystr)を設定」

シ.第6-35ページ、「・LEFT CIRCULAR DRIVE 1/2 コマンド(CODE=0AH / 0BH)」欄
「左回り円弧補間ドライブを実行するためのコマンドです。
左回り円弧補間ドライブには2つのコマンドが用意されており、LEFT CIRCULAR DRIVE 1 コマンドでは、周速補正無し、LEFT CIRCULAR DRIVE 2 コマンドでは、周速補正有りとなります。
補間ドライブ停止中に当コマンドを実行した場合、直ちに左回り円弧補間ドライブが起動しますが、補間ドライブ実行中の場合には、STATUS1 READ PORT内のSDREQ bit=1及びSDREQ=Hとなり、連続補間ドライブ要求として受け付けられます。
尚、連続補間ドライブ要求として受け付けられた場合には、現在実行中の補間ドライブが、目標位置に到達次第、左回り円弧補間ドライブが起動することになります。
円弧補間ドライブには、X軸/Y軸の指定、開始位置座標及び目標位置座表の設定が必要であり、当コマンドの実行前に、下記により指定、設定しておく必要があります。

◆ MODE2 WRITE PORTによるX軸/Y軸の指定
◆ X, Y OBJECT POINT PRE-BUFFER WRITE コマンドにより、X軸及びY軸の目標位置座標(Xobj,Yobj)を設定
◆ X, Y START POINT PRE-BUFFER WRITE コマンドにより、X軸及びY軸の開始位置座標(Xstr,Ystr)を設定」

ス.第6-36ページ、「・STRAIGHT DRIVE コマンド(CODE=0CH)」欄
「直線補間ドライブを実行するためのコマンドです。
補間ドライブ停止中に当コマンドを実行した場合、直ちに直線補間ドライブが起動しますが、補間ドライブ実行中の場合には、STATUS1 READ PORT内のSDREQ bit=1及びSDREQ=Hとなり、連続補間ドライブ要求として受け付けられます。
尚、連続補間ドライブ要求として受け付けられた場合には、現在実行中の補間ドライブが、目標位置に到達次第、直線補間ドライブが起動することになります。
直線補間ドライブには、出力比の分母置、目標位置座表の設定が必要であり、当コマンドの実行前に、下記により指定、設定しておく必要があります。・・・」

セ.第9-16ページ、「9.4 速度指令パルス数の算出」欄
「右回り円弧補間ドライブ/左回り円弧補間ドライブ/直線補間ドライブを行う場合、目標位置の設定が必要であり、目標位置に到達することによりドライブを終了します。
従って、これらのドライブを行う場合には、目標位置に到達するのに必要な数の速度指令パルスが入力されなければならず、速度指令パルスが必要数に満たない場合には、目標位置に到達することができません。・・・」

ソ.第9-16ページ、「9.4.1 直線補間ドライブ時」欄
「直線補間ドライブを行う場合、目標位置座標(N1obj,N2bj,N3obj,N4obj)と共に、出力比の分母値Dを設定する必要があります。
分母値Dは、
D≧|N1obj|, |N2obj|, |N3obj|, |N4obj| の最大値
であることが条件であり、直線補間ドライブにおいて必要な速度指令パルス数は、分母値Dそのものとなります。
尚、分母値Dに設定する値は、以下の通りです。
・最長軸への補間パルス出力速度を速度指令パルス入力と等しくする場合、
D=|N1obj|, |N2obj|, |N3obj|, |N4obj| の最大値
とします。
・・・」

タ.第9-19ページ、「9.4.2 円弧補間ドライブ時」欄
「円弧補間ドライブ時、必要パルス数を算出するには、各象限を45°に区切り、各部における必要パルス数を計算し、合計することにより行います。(図5参照)
・・・」

チ.第10-1ページ、「第10章 参考文献」欄
「本マニュアルは下記の文献を参考にしております。
また、詳細な説明、機能などは下記の文献を参考にしてください。

・プルグラマブル2軸モータコントロールLSI PMC620
・・・株式会社 コスモテックス
・4軸補間制御用LSI IPC710 取扱説明書
・・・株式会社 コスモテックス
・New Products Catalog(PCI9050-1)
・・・PLX TECHNOLOGY」

モータ制御装置の技術分野における技術常識を踏まえて上記摘記事項キ.ないしケ.の記載をみれば、DRIVE PULSE COUNTERの値は、上位制御装置等により、CompactPCIインターフェースを介して読み出されることは、当業者が容易に理解することができる。
そうすると、上記摘記事項を技術常識を勘案しながら本件特許発明1に照らして整理すると、甲第1号証には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。

[甲1発明]
「複数のステッピングモータを駆動するため、各ステッピングモータ用のパルスを出力する高性能4軸モータコントロールボードであって、
速度指令パルスに基づいて補間処理を行い、前記パルスを生成するIPC710と、
前記速度指令パルスのパルス数をカウントするDRIVE PULSE COUNTERと、
前記DRIVE PULSE COUNTERのカウント値を高性能4軸モータコントロールボードの外部から読み出すためのCompactPCI・インターフェースと
を備えると共に、
動作モードとして、補間モードとスルーモードとを有する高性能4軸モータコントロールボード。」

(2)甲第2号証の記載事項
a.段落【0001】
「【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、切削工具が着脱可能に装着される主軸装置に関する。」

b.段落【0024】
「【0024】
・・・
この発明は、高価である主軸回転角度位相を認識する機能を具備することなく、所定回転原位置以外の所望の停止位置に主軸を効率よく回転位置決めする機能を具備した主軸装置を提供することを目的としている。」

c.段落【0067】?【0069】
「【0067】図7におけるプロセスに従って工具装着固締を説明する。
ステップ1
制御装置30において、工具装着固締指令が出力される。
ステップ2
すると、全軸マシンロック指令手段54が作動し、全軸マシンロック指令がゲート回路55に入力されると、ゲート回路55は、U軸送り指令手段53からの指令がU軸駆動アンプ38に入力されないで、U軸位置カウント手段57に入力するように切換えられる。
【0068】ステップ3
U軸サーボモータ33の回転位置は、常にエンコーダ35で検出されているので、U軸引張棒7を原位置にしたときのU軸サーボモータ33の回転位置、即ち新しい切削工具の工具ホルダ41のテーパシャンク41aが主軸4のテーパ穴5に挿入されて、仮クランプされた時点のU軸サーボモータ33の回転角位置がエンコーダ35からU軸現在位置記憶手段56に記憶される。
【0069】ステップ4
同期制御指令手段51から主軸回転指令手段52及びU軸送り指令手段53の夫々に指令が同時に入力されると、主軸回転指令手段52から主軸回転指令が主軸駆動アンプ37に入力され、それに基づいてビルドイン主軸モータ3は回転駆動される。それと同時に、U軸送り指令手段53からはU軸サーボモータ33がビルドイン主軸モータ3と同期回転するようにU軸送り指令が出力されるが、それは、U軸駆動アンプ38に入力されないで、U軸位置カウント手段57に入力される。即ち、U軸サーボモータ33は、その指令で実際回転しないが、ビルドイン主軸モータ3との同期回転指令による回転角が順次U軸位置カウント手段57に入力されることになる。」

d.段落【0075】
「【0075】ステップ5
上記のようにして装着固締が進み、装着固締が完了すると工具クランプ作動駒15の後退が阻止され、ビルドイン主軸モータ3の負荷が増大する。即ちビルドイン主軸モータ3は減速され、やがて停止する。そこで、ビルドイン主軸モータ3の回転速度を検出する回転速度センサ36から入力される検出信号の変化に基づいてクランプ判定手段58においては、主軸4におけるテーパシャンク41aの装着固締完了が判定される。」

e.段落【0077】
「【0077】ステップ6
U軸位置カウント手段57においては、U軸現在位置記憶手段56から入力された仮クランプされた時点のU軸サーボモータ33の回転角位置とビルドイン主軸モータ3との仮想同期回転の回転角とから同期回転中のU軸サーボモータ33の回転角位置が求められ、それがU軸スキップ位置記憶手段59に入力される。そして、クランプ判定手段58から装着固締完了を判定した固締完了判定信号がU軸スキップ位置記憶手段59に入力されると、その時点でのU軸サーボモータ33の回転角位置がU軸スキップ位置記憶手段59に記憶される。」

f.段落【0095】
「【0095】
【発明の効果】この発明の主軸装置によれば、所定回転原位置にある主軸を他の所望の停止位置に効率よく回転位置決めすることができる。例えば、自動工具交換において、使用済の切削工具を取り外す場合、所定の回転原位置で停止した主軸を、工具装着解放ねじ式機構作動開始位置(ナット部材締着位置)に回転位置決めする時間を短縮することができる。結局は、工具交換時間を短縮することができる。」

g.図5
図5から、制御装置30の内部にU軸座標カウント手段57があり、制御装置30の外部にU軸駆動アンプ38があることが看取できる。

上記摘記事項を技術常識を勘案しながら本件特許発明1に照らして整理すると、甲第2号証には次の事項(以下、「甲2記載事項」という。)が記載されていると認められる。

[甲2記載事項]
「U軸送り指令を制御装置30の外部へ出力せず、U軸位置カウント手段57に入力させること。」

(3)甲第7号証に記載された事項
i.第1ページ、「2-1 補間モード/スルーモードの切り替え」欄
例として記載された図から、補間用パルスジェネレータからの速度指令パルスを補間演算した信号を第1軸ないし第4軸パルス切替回路に入力すること、第1軸ないし第4軸パルスジェネレータからのドライブパルスを、それぞれ第1軸ないし第4軸パルス切替回路に入力すること及び第1軸ないし第4軸パルス切替回路から、それぞれ第1軸ないし第4軸のドライブパルスを出力することが看取できる。

ii.第2ページ、「■RIGHT CIRCULAR DRIVE」欄及び第3ページ、「■LEFT CIRCULAR DRIVE」欄
「・・・
・補間演算は、補間モード/スルーモードの指定に関わりなく行われますが、補間パルスの出力は、当該軸が補間モードに指定されている場合のみ行われます。
・・・」

上記摘記事項を技術常識を勘案しながら本件特許発明1に照らして整理すると、甲第7号証には次の事項(以下、「甲7記載事項」という。)が記載されていると認められる。

[甲7記載事項]
「第1軸パルス切替回路ないし第4軸パルス切替回路を設けると共に、補間演算は、補間モード/スルーモードの指定に関わりなく行い、補間パルスの出力は、当該軸が補間モードに指定されている場合のみ行うこと。」

(2)対比・判断
ア.本件特許発明1について
(ア)対比
本件特許発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「ステッピングモータ」は本件特許発明1の「パルス列入力型モータ」に相当し、以下同様に「パルス」は「駆動パルス」に、「高性能4軸モータコントロールボード」は「モータ制御装置」に、「IPC710」は「補間制御部」に、「CompactPCI・インターフェース」は「インタフェース部」に、それぞれ相当する。
また、甲1発明の「前記速度指令パルスのパルス数をカウントするDRIVE PULSE COUNTER」は、「前記速度指令パルスのパルス数をカウントするパルス数カウント部」という限りにおいて、本件特許発明1の「補間開始位置から補間終了位置まで、前記速度指令パルスのパルス数をカウントする総パルス数カウント部」と共通している。
したがって、両者の一致点及び相違点は以下のとおりと認められる。

[一致点]
「複数のパルス列入力型モータを駆動するため、各パルス列入力型モータ用の駆動パルスを出力するモータ制御装置であって、
速度指令パルスに基づいて補間処理を行い、前記駆動パルスを生成する補間制御部と、
前記速度指令パルスのパルス数をカウントするパルス数カウント部と、
前記パルス数カウント部のカウント値をモータ制御装置の外部から読み出すためのインタフェース部とを備えたモータ制御装置」である点。

[相違点1]
本件特許発明1は、パルス数カウント部が、「補間開始位置から補間終了位置まで、前記速度指令パルスのパルス数をカウントする総パルス数カウント部」であるのに対し、甲1発明は、パルス数カウント部が、「速度指令パルスのパルス数をカウントする」ものの、補間開始位置から補間終了位置までのパルス数をカウントするか明らかでない点。

[相違点2]
本件特許発明1は、「補間制御部によって生成された駆動パルスをモータ制御装置の外部へ出力するか否かを制御するパルス出力制御部」を有すると共に、動作モードとして、「総パルス数を求めるためのトレースモードと実動作のための通常動作モードとを有し」、「前記パルス出力制御部は、前記トレースモード時には、前記補間制御部によって生成された前記駆動パルスをモータ制御装置の外部へ出力せず、前記通常動作モード時には、前記補間制御部によって生成された前記駆動パルスをモータ制御装置の外部へ出力する」のに対し、甲1発明は、そのようなものか明らかでない点。

(イ)判断
上記相違点1について検討する。
甲1発明は、動作モードとして補間モードを有しており、上記摘記事項ウ.、オ.及びケ.の記載からみて、補間モードを実行した場合には、補間用パルスジェネレータである補間用PMC620から出力される速度指令パルスをDRIVE PULSE COUNTERがカウントすることとなり、結果として補間開始位置から補間終了位置まで速度指令パルスのパルス数がカウントされることは明らかである。
そうすると、甲1発明において、補間モードを実行し、パルス数カウント部(DRIVE PULSE COUNTER)により補間開始位置から補間終了位置まで速度指令パルスのパルス数をカウントさせるとことは、当業者が容易になし得たことである。

上記相違点2について検討する。
上記摘記事項ソ.及びタ.記載のごとく、甲第1号証には、補間ドライブに必要な速度指令パルス数の算出は、計算により求めることが記載されており、本件特許発明1における「トレースモード」を設けることについての記載や示唆はない。
また、甲2記載事項は、上記摘記事項b.の記載からみて、主軸回転角度位相を認識する機能を具備することなく、所定回転原位置以外の所望の停止位置に主軸を回転位置決めするためのものであり、本件特許発明1の、補間開始位置から補間終了位置までの速度指令パルスのパルス数である「総パルス数を求めるためのトレースモード」とは技術的意義が異なるものである。 さらに、上記摘記事項c.段落【0067】の「U軸送り指令手段53からの指令がU軸駆動アンプ38に入力されないで」なる記載からみて、甲2記載事項がカウントする「U軸送り指令」は、本件特許発明1の「駆動パルス」に相当するものでって、甲2記載事項には、本件特許発明1の「トレースモード」のごとく「速度指令パルス」をカウントすることについての記載や示唆もない。
甲第7号証についても、補間モード及びスルーモードに関するものであって、本件特許発明1における「トレースモード」を設けることについての記載や示唆はない。
そうすると、甲1発明において、本件特許発明1のごとく「総パルス数を求めるためのトレースモード」を設けるように変更する契機は存在しないということができ、甲1発明において、甲2記載事項及び甲7記載事項を適用し、「総パルス数を求めるためのトレースモード」を設けることが、当業者にとって容易であったとすることはできない。
請求人は、口頭審理陳述要領書第5ページ「5-3.」欄において、甲第7号証の第1軸パルス切替回路ないし第4軸パルス切替回路が本件特許発明1のパルス出力制御部に相当する旨主張すると共に、口頭審理陳述要領書第7ページ「5-4.」欄において、甲第1号証のIPC710の全軸をスルーモードに設定しながら、IPC710に対して補間制御演算を指令すれば、本件特許発明1の「トレースモード」の態様を実現することになる旨主張し、さらに、上申書第2ページ「(3)むすび」欄においても、本件特許に係るモータ制御装置は、その機能手段の全部が甲第1号証及び甲第7号証に記載されたものであり、上位CPUの制御プログラムによっては、実質的に本件特許に係るモータ制御装置と同様の動作をさせることができる旨主張している。
しかしながら、上記のとおり、そもそも甲第1号証、甲第2号証及び甲第7号証のいずれにも、本件特許発明1における「トレースモード」が存在しないのであるから、請求人が主張するようなモード設定や指令入力を行う契機も存在しないのであって、上記請求人の主張は採用することができない。

そして、本件特許発明1は、「トレースモード」を設けることで、繁雑な計算等をすることなく容易に、総移動量に相当する速度指令パルス数を求めることができ、また、機械系の動作が行われないため、加減速制御を行う必要が無く速度パラメータも設定可能な最大値に設定できるので、総パルス数のカウントに要する時間を短縮できるという、格別の効果を奏するものである。
請求人は、口頭審理陳述要領書第5ページ第1ないし3行目において、甲2記載事項も、機械系を実動作させずに制御に係るカウント値を取得でき、時間的な短縮が可能である作用効果を奏する旨主張しているが、甲第2号証には、上記摘記事項c.段落【0069】記載のごとく、U軸については実際に回転させなないものの、主軸については実際に回転させることが記載されており、すなわち、機械系全体としては実動作させることが記載されていることから、上記本件特許発明の効果が、甲1発明、甲2記載事項及び甲7記載事項から当業者が予測し得た程度のものとすることもできない。

したがって、本件特許発明1を、甲1発明、甲2及び甲7記載事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

イ.本件特許発明2ないし7について
本件の請求項2ないし7は、いずれも請求項1を引用するものであって、本件特許発明2ないし7は、本件特許発明1の発明特定事項をすべて含むものである。
そして、本件特許発明1が上記ア.のとおり、甲1発明、甲2及び甲7記載事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることができない以上、同様の理由により、本件特許発明2ないし7についても、甲1発明、甲2及び甲7記載事項に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。


第7 むすび
以上のとおりであるから、請求人の主張する無効理由及び証拠方法によっては、本件特許発明1ないし7についての特許を無効とすることはできない。
また、他に本件特許発明1ないし7についての特許を無効とすべき理由を発見しない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-06-25 
結審通知日 2010-06-29 
審決日 2010-07-12 
出願番号 特願2003-386421(P2003-386421)
審決分類 P 1 113・ 537- Y (G05B)
P 1 113・ 536- Y (G05B)
P 1 113・ 121- Y (G05B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 二階堂 恭弘和田 雄二  
特許庁審判長 豊原 邦雄
特許庁審判官 野村 亨
佐々木 一浩
登録日 2006-04-28 
登録番号 特許第3797998号(P3797998)
発明の名称 モータ制御装置  
代理人 藤野 義昭  
代理人 特許業務法人エム・アイ・ピー  

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