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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A01C
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A01C
管理番号 1238895
審判番号 不服2010-14400  
総通号数 140 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-06-30 
確定日 2011-06-23 
事件の表示 平成11年特許願第249837号「玄米ゲル被覆種子、および、その製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 3月21日出願公開、特開2001- 69812〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は,平成11年9月3日にされた出願であって,平成22年4月12日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,同年6月30日に拒絶査定に対する審判請求がなされ,同時に手続補正がなされたものである。
平成22年10月28日付けで,審判請求人に前置報告書の内容を示し意見を求めるための審尋を行ったところ,同年12月27日に回答書が提出された。

第2.平成22年6月30日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成22年6月30日付けの手続補正を却下する。
[理由]
1.補正の内容,補正後の本願発明
平成22年6月30日付けの手続補正(以下,「本件補正」という。)は,特許請求の範囲の請求項1について,補正前(平成21年10月26日付け手続補正書を参照)のものから,次のとおりに補正しようとする補正を含む。

「【請求項1】 無病化玄米が,防腐剤が添加されている水性ゲル層によって被覆された後,催芽処理されてなり,かつ,略球形であることを特徴とする玄米ゲル被覆種子。」

上記補正は,水性ゲル層に防腐剤が添加されていることを特定し,また,玄米ゲル被覆種子の形状を略球状に限定するものであるから,特許請求の範囲の減縮を目的とする。

そこで,本件補正後の請求項1に係る発明(以下,「補正発明」という。)が,特許出願の際,独立して特許を受けることができるものかについて検討する。

2.刊行物及びその記載内容
刊行物1 特開平9-248017号公報
刊行物2 特開平8-9711号公報

(1)本願出願前に頒布された上記刊行物1には,以下の記載がある。
(1a)「【請求項1】 脱ぷしたイネ玄米の外表面を人工被膜で被覆していることを特徴とするイネ玄米人工被膜種子。
【請求項2】人工被膜が水性粘結剤および固体粒子からなる請求項1記載のイネ玄米人工被膜種子。」
(1b)「【0006】本発明のイネ玄米人工被膜種子は,脱ぷすなわちもみ殻を除去したイネ玄米の外表面を人工被膜で被覆したものである。すなわち本発明の種子はイネの種子において,病原菌類が住家としており,また種子の迅速な吸水,発芽を阻止しているもみ(籾)殻を除去した玄米に,土壌病原菌や種々な傷害を防止し,さらに吸熱効果を高めるための人工被膜で被覆して種子としたものである。
【0007】イネの種子伝染性病害としていもち病,ばか苗病,もみ枯細菌病などがあり,これらにイネが汚染されると,種もみ自体が病害菌に汚染されるため,従来は種もみの消毒が必要と考えられていた。ところが本発明者の検討の結果,種もみに付着している病原菌のほとんどはもみ殻に付着あるいは組織中に潜在しており,このもみ殻を除去した玄米にはほとんど病原菌が付着していないことがわかった。
【0008】このように脱ぷした玄米は,もみ殻に潜在または付着している病原菌が除去されているが,播種したときに土壌病原菌,水棲病原菌,その他の菌による攻撃を受けやすく,外部から病原菌に感染したり,発芽や苗立ちが悪くなったりしやすい。そこで本発明では脱ぷした玄米の外表面に人工被膜を形成して,外部の菌から玄米を保護する。脱ぷを行う種もみは,水稲でも陸稲でもよく,その品種は限定されないが,水稲が特に適している。」
(1c)「【0010】上記の玄米を被覆する人工被膜としては、玄米の全外表面を覆うように固体被膜を形成することができ、この固体被膜は水性の粘結剤により玄米表面に付着しているのが好ましい。このような固体被膜としては水性粘結剤と固体粒子(ゲルを含む)から形成されるのが好適である。この場合玄米表面に付着した水性粘結剤層に固体粒子を付着させて固体被膜を形成したものが好ましいが、水性粘結剤と固体粒子の分散体により被膜を形成したものでもよい。」
(1d)「【0014】以下,好ましい製造方法について説明する。まず被膜形成に先立って,玄米表面の洗浄,浸種処理等の前処理を行う。玄米表面の洗浄は,脱ぷ時におけるもみ殻の断片等の混在する異物,および脱ぷ時に混在する病原菌汚染もみから,玄米に付着する病原菌を除去するために,流水(好ましくは水道水)中に脱ぷ玄米を浸漬して洗浄する。洗浄時間は室温で1時間以上,好ましくは15?20時間程度である。
【0015】浸種処理は水性粘結剤の被膜を形成しやすいように,また発芽を促進するために玄米に吸水させる工程であり,前記洗浄時の流水浸漬1時間でも玄米は吸水し,乳白色となるが,さらに吸水させた方が播種後の苗立ちが良好になる場合が多い。この場合,室温で10?30時間,好ましくは約15?20時間洗浄を兼ねて流水中に浸漬することができる。洗浄,浸種は網袋等に入れて行うのが好ましく,洗浄,浸種した玄米は水から引上げて余分の水を切り,玄米表面が湿っている程度に軽く陰干しをする。
【0016】被膜の形成は水性粘結剤による1次被覆処理,および固形粒子による2次被覆処理を行うのが好ましい。1次被覆処理は上記の陰干した半乾きの玄米を,場合によっては洗浄,浸種をしなかった玄米をそのまま,または場合によって少量の水を添加して適当に湿らせた状態で,水性粘結剤を付着させて被覆する。これにより玄米表面に粘結剤(糊)の被膜を形成する。」
(1e)「【0023】
【発明の効果】本発明の玄米人工被膜種子は種もみのもみ殻を除去しているため,農薬を使用しないで種子付着病原菌を極少ないし無にすることができ,これにより種子伝染性病害に対する農薬使用量の大幅な削減,および種子消毒剤の廃液処理問題の解消などが可能となる。また玄米を人工被膜で被覆しているため土壌病原菌や水棲病原菌から玄米を保護し,出芽率を高めることができる。さらに苗立が良好なため,直播による安定栽培が可能であり,省力化に役立つ。その上保存も容易であり,寒冷地における適用も可能である。」
(1f)「【0039】試験例5
低温下における生育促進効果を調べた。供試品種はキヌヒカリとどまんなか(山形産)であり、キヌヒカリは浸種後玄米に水溶性ポリアクリル樹脂と活性炭(黒色)被覆処理(PK1)、どまんなかは無浸種の玄米に水溶性ポリアクリル樹脂と活性炭(黒色)被覆処理(PK2)した。これらの種子を育苗箱(畑状態)播種と、湛水直播(バットを用いた水田状態として湛水土中直播)の両栽培法で播種した。育苗環境は温度16?18℃、人工照明として、約3,000luxで日中12時間照明を行う人工気象室内で実験した。播種翌日から播種後12日まで経時的に出芽率、生育状態(草丈、茎数)を調査した。結果を図10および図11に示す。
【0040】図10および11の結果より、黒色の活性炭による玄米被覆種子は通常のもみ播種に比較し、畑状態での育苗、湛水直播状態での育苗において顕著な出芽及び苗立ち率の向上促進効果が認められた。すなわち図10において、もみ播種に比べて被覆種子の畑状態での出芽は4日以上早期に始まり、苗立ち率が70%以上に達するのは1週間以上早期である。また図11の湛水状態(湛水土中直播条件)ではさらにその差が大きくなり、播種12日後の出芽率は被覆種子で56?80%に対し、もみでは38%であった。」

上述の記載事項(1a)?(1f)の記載から見て,刊行物1には,以下の発明が記載されているものと認められる。(以下,「刊行物1記載の発明」という。)

「もみ殻を除去したイネ玄米の外表面を水性粘結剤と固体粒子(ゲルを含む)から形成された人工被膜で被覆しているイネ玄米人工被膜種子」

(2)本願出願前に頒布された上記刊行物2には,図面とともに,以下の記載がある。
(2a)「【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,催芽処理およびカプセル化された種子とその方法に関し,特に種子の発芽を促進させる催芽処理を行い,さらに機械による播種作業を容易に実施できるようにゲル被覆した種子とその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】植物種子の発芽を促進させる催芽処理については,ジベレリンの発見以来今日に到るまで絶え間無く続けられ,多くの提案,改良がなされてきた。近年,農作業における労働負担を軽減するため,各種の農作業の機械化が進められ,播種作業についても機械化が進められているが,機械による播種を更に容易にするために種子をゲル被覆してカプセル化する方法および機械が考えだされ,これについて多くの提案がなされている(方法については,例えば,特表昭63-500911号公報,特開平3-218303号公報など,機械については,例えば,特公平4-74970号公報)。
【0003】ゲル化剤などの被覆剤で種子のカプセルを製作すると,種子が大粒化して播種し易くなり,播種精度が高まると共に,カプセルによって種子が鳥害から保護される効果があり,被覆剤の中に栄養物質や殺菌剤を含めると種子の発育を促進する効果がある。」
(2b)「【0004】図4は従来の種子の催芽処理およびカプセル化方法の第1の方法を説明するための工程順に示した断面図である。
【0005】図4(a)に示すように,ビーカ1にアルギン酸ナトリウム3%水溶液を入れ,この水溶液にジベレリンを最大25ppm(25mg/l)添加してジベレリン-アルギン酸ナトリウム水溶液8を作る。この水溶液8に種子3を入れる。
【0006】次に,図4(b)に示すように,水溶液8から種子3を取り出すと,種子3は粘稠なジベレリン-アルギン酸ナトリウム皮膜9で包まれた粒になる。
【0007】次に,図4(c)に示すように,ビーカ1に塩化カルシウムの10%水溶液6を入れ,この水溶液6の中にジベレリン-アルギン酸ナトリウム皮膜9で包まれた種子3を落とし,30秒間保持して硬化させる。アルギン酸ナトリウムは塩化カルシウムと反応して水に不溶で吸水性のあるアルギン酸カルシウムのゲルを生成する。この反応は,アルカリ金属のアルギン酸塩のみ水に溶け,それ以外の金属のアルギン酸塩は水に不溶であることを利用している。
【0008】次に,図4(d)に示すように,水溶液6から種子3を取り出すと,種子3はジベレリン-アルギン酸カルシウム皮膜10で包まれた粒になる。これを流水中で5分間以上洗浄した後,乾燥させて播種し易いようにする。ジベレリンは種子3に接触しているので種子内に徐々に吸収され,発芽を促進する。」
(2c)「【0016】上記説明は,いずれも最終的にアルギン酸カルシウムのゲル皮膜にジベレリンを含ませる方法についての説明であるが,アルギン酸カルシウムのゲル皮膜に栄養物質や殺菌剤を含めさせることができる。例えば,防腐剤としてトップサイドを0.01%含ませる。このような種子の催芽処理およびカプセル化は,種子の発芽を促進させ,発芽した種子の芽や根を保護することができるのみならず,種子を鳥害および腐敗から保護し,しかも機械による播種が容易になるので,現在非常に多く用いられている。」

3.対比
補正発明と刊行物1記載の発明とを対比する。
刊行物1記載の発明の「イネ玄米」,「もみ殻を除去したイネ玄米」は,補正発明の「玄米」,「無病化玄米」に相当する。

補正発明の水性ゲル層も無病化玄米を被覆する人工被覆であるから,補正発明と刊行物1記載の発明との一致点,相違点は以下のように認定できる。

一致点
「無病化玄米が,人工被覆によって被覆された玄米人工被覆種子。」

相違点1
補正発明は,人工被覆が「防腐剤が添加されている水性ゲル層」であるのに対し,刊行物1記載の発明は,水性粘結剤と固体粒子からなるものである点。

相違点2
相違点1に関連して,補正発明は,玄米種子が,水性ゲル層に被覆された後に催芽処理されてなるものであるのに対し,刊行物1記載の発明は,上記のような構成を備えていない点。

相違点3
補正発明は,玄米人工被覆種子が略球形であるのに対し,刊行物1記載の発明は,人工被覆種子の形状について限定がない点。

4.判断
上記相違点について検討する。
相違点1について
刊行物2には,機械による播種を容易にする等の目的で植物種子を水性ゲルで被覆してカプセル化する技術と,その際にかび発生を防止して種子を腐敗から防ぐために被覆材中に防腐剤を含めさせる技術(記載事項(2a))とが記載されている。
具体的には,アルギン酸ナトリウムの水溶液で種子を包み,塩化カルシウムで硬化させてアルギン酸カルシウム被膜で包まれた水性のゲルの粒とする技術と,その際にアルギン酸カルシウムのゲル被膜中に防腐剤(トップサイド)を添加して種子を腐敗から保護する技術(記載事項(2b))が記載されている。
機械作業の容易化,腐敗の防止は,播種における一般的な課題であり,刊行物1記載の玄米種子の播種においてもこのような課題があることは自明であるから,刊行物1記載の発明において刊行物2の上記技術を採用し,人工被覆を防腐剤が添加されている水性ゲル層とすることは当業者が容易になし得ることである。

相違点2について
発芽率の向上や発芽時期の均一化等を目的として催芽処理をすることは,播種において一般に行われることであり,刊行物1には,人工被覆による被覆の前に浸種処理によって玄米の発芽を促進することが記載されている(記載事項(1d))。
一方,水性ゲル被覆種子において,ゲル被覆種子を作製した後に催芽処理をすることは,刊行物2(記載事項(2b))に,水性ゲル中のジベレリンが種子内に徐々に吸収されることにより,発芽を促進することが記載される他,平成21年8月19日付け拒絶理由で引用文献として通知した特開平10-33013号公報(【0003】),特開平11-9016号公報(【0015】),22年10月28日付けの審尋において示した,前置報告書中の引用文献である特開平9-275711号公報(【0004】【請求項1】【0017】?【0019】)等に記載のように従来より行われていることであるから,刊行物1記載の発明において,人工被覆として水性ゲルを採用して玄米ゲル被覆種子とするにあたり,ゲル被覆樹脂を作製した後に催芽処理をすることは当業者が容易になし得ることである。

相違点3について
種子を被覆する水性ゲルを略球状とすることは,「相違点2について」で示した各文献に記載のように周知の技術である(特開平11-9016号公報【0006】。なお,特開平10-33013号公報,特開平9-275711号公報については,略球状といった記載がある訳ではないが,図面や水性ゲル被覆種子の製法からして略球状であることは明らかである)。
刊行物1記載の発明において,人工被覆として水性ゲルを採用して玄米ゲル被覆種子とするにあたり,その形状を略球状とすることは当業者が容易になし得ることである。

補正発明の効果について検討する。
催芽処理ができること,被覆膜が剥離しにくく,機械播種を行ったときに発芽後の取り扱いでも胚や芽を保護できることは,刊行物2記載の技術も奏する効果であり,これを刊行物1記載の無病化玄米に適用すれば,催芽処理が可能であり,被覆膜が剥離しにくく,機械播種を行ったときに胚や芽を保護できる無病化玄米が得られることは,刊行物1記載の発明及び刊行物2記載の技術及び周知技術から予測し得ることである。
種子消毒を不要としてもいもち病等の病害が発生しないとの効果は,病原菌類の付着したもみ殻を除去する刊行物1記載の発明から予測し得る効果である。

審判請求人は,審尋回答書中にて,発芽率が,本願の【表1】の例において被覆しない玄米は46%程度であるのに対し,本願発明に係る玄米被覆種子は99%超と2倍以上の発芽率向上効果が得られており,本願の【表2】の例では被覆しない玄米が74%程度であるのに対し本願の玄米被覆種子は95%超と,3割近い,格段の発芽率の向上効果が得られている旨主張する。
しかし,本願発明に係る玄米被覆種子との比較の対象とした玄米の出芽率は,本願明細書【0029】にも記載されるようにばらつきが大きいものであり,玄米に比した際の「2倍以上」といった数値に格別の意味があるものではない。

また,刊行物1においても,温度16?18℃の人工気象室での成育実験では,もみ38%に対し人工被覆した玄米種子では56?80%との発芽率向上効果が示されているものである(記載事項(1f))。さらに,玄米ではなく別の種子ではあるが,水性ゲルで被覆した種子で90パーセントを超える発芽率となる例が示されており(刊行物2,特開平10-33013号公報等),本願で示された発芽率向上の効果が,刊行物1記載の発明及び刊行物2記載の技術から予測し得ない顕著な効果であるとは言えない。

結局,補正発明の効果は,全体として,刊行物1記載の発明,刊行物2記載の技術及び周知技術から予測し得るものである。

したがって,補正発明は,刊行物1記載の発明,刊行物2記載の技術及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである

5.補正の却下の決定についてのむすび
以上のとおり,本件補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり,同法第159条第1項で準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3.本願発明について
1.本願発明
平成22年6月30日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので,本願の請求項1に係る発明(以下,「本願発明」という。)は,平成21年10月26日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。

「【請求項1】 無病化玄米が水性ゲル層によって被覆された後,催芽処理されてなることを特徴とする玄米ゲル被覆種子」(以下,「本願発明」という。)

2.刊行物の記載内容
本願出願前に頒布され,原査定の拒絶の理由に引用された上記刊行物1,2の記載事項は,前記「第2.2.」に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明は,補正発明から,水性ゲル層に防腐剤が添加されているとの限定及び玄米ゲル被覆種子の形状を略球状とする限定を削除したものである。

前記第2.4.で検討したとおり,本願発明において,さらに,水性ゲル層に防腐剤が添加されていることを特定し,また,玄米ゲル被覆種子の形状を略球状に限定した補正発明が,刊行物1記載の発明,刊行物2記載の技術及び周知技術から容易に発明をすることができたものであるから,これらの限定をしない本願発明も,当然,刊行物1記載の発明,刊行物2記載の技術及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである


したがって,本願発明は,刊行物1記載の発明,刊行物2記載の技術及び周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4.むすび
したがって,本願発明は,刊行物1記載の発明,刊行物2記載の技術及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,他の請求項について検討するまでもなく,本願は拒絶をすべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-04-13 
結審通知日 2011-04-19 
審決日 2011-05-06 
出願番号 特願平11-249837
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A01C)
P 1 8・ 121- Z (A01C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松本 隆彦  
特許庁審判長 山口 由木
特許庁審判官 鈴野 幹夫
土屋 真理子
発明の名称 玄米ゲル被覆種子、および、その製造方法  
代理人 瀧野 秀雄  
代理人 松村 貞男  

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