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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) C09J
管理番号 1239057
審判番号 不服2008-16671  
総通号数 140 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-06-30 
確定日 2011-06-22 
事件の表示 平成10年特許願第529967号「接着剤表面の表面形態を制御する方法」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 7月 9日国際公開、WO98/29516、平成13年 6月12日国内公表、特表2001-507732〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件審判請求に係る出願(以下「本願」という。)は、1997年5月30日を国際出願日(パリ条約による優先権主張、1996年12月31日、米国)とする国際特許出願であって、以降の手続の経緯は以下のとおりのものである。

平成11年 6月29日 国内書面(翻訳文)提出
平成17年 2月 2日 刊行物提出書
平成19年 7月23日付け 拒絶理由通知
平成20年 1月31日 意見書・手続補正書・誤訳訂正書
平成20年 3月24日付け 拒絶査定
平成20年 6月30日 本件審判請求
平成20年 8月28日付け 手続補正指令
平成20年10月 2日 手続補正書(審判請求理由補充書)
平成22年 2月10日付け 拒絶理由通知
平成22年 8月16日 意見書・手続補正書
平成22年10月 8日 刊行物提出書

第2 当審が通知した拒絶理由の概要
当審は、平成22年2月10日付けで拒絶理由を通知した。その拒絶理由の概要は、以下のとおりである。
「理由1:本願は、明細書の特許請求の範囲の記載が下記の点で不備であるから、特許法第36条第6項に規定する要件を満たしていない。
理由2:本願の下記1ないし8の各請求項に係る発明は、その出願前日本国内又は外国において頒布された下記1ないし4の各刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。



・・(中略)・・
2.上記理由2について

上記1.に示したとおり、本願は、請求項に記載不備が存するものではあるが、上記理由2につき検討するにあたり、本願に係る発明は、平成20年1月31日付け手続補正書で補正された請求の範囲の請求項1ないし8に記載された下記の事項で特定されるとおりのものであるとして検討を行う。

<本願の請求の範囲>
「1.接着剤表面の表面形態を制御する方法であって、
500グラム重量の圧力で支持基材に接着剤表面を適用することにより接着剤層と支持基材との間に接着界面が確立されると、接着剤が少なくとも35%の接触領域を有し、支持基材に接着剤を適用した後に接着界面の平面から流体が排出しうるように、連続接着剤において面の平面寸法の最大差45μm未満を生じる有効三次元パターンを有する表面である微細エンボスパターンを接着剤層に接触させて、接着剤表面が接触した微細エンボスパターンと実質的に逆である表面形態を少なくとも一方の主要な実質的に連続な面に有する連続的な感圧接着剤表面を形成するステップ
を含む方法。
2.接触ステップが、キャスティング技法、コーティング技法および圧縮技法からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
3.前記キャスティング技法が微細エンボスパターンを有する工具を使用することを含み、前記コーティング技法が微細エンボスパターンを有する剥離ライナーに接着剤を被覆するステップを含み、前記圧縮技法がニップロールを通過させて剥離ライナーに感圧接着剤を押し付けるステップを含む、請求項2に記載の方法。
4.前記工具の前記エンボスパターンがエッチング、フォトリソグラフィ、ステレオリソグラフィ、微細機械加工、ローレット切り、スコアリングまたは切削によって形成される、請求項3に記載の方法。
5.前記微細エンボスパターンが剥離ライナーまたはテープバッキングに残存する、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
6.前記微細エンボスパターンが第1のエンボスパターンと第2のエンボスパターンを含む、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
7.前記微細複製接着面を前記支持基材に接触させて、前記接着面と前記支持基材との界面からの流体の流出を制御するステップをさらに含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
8.第2のエンボスパターンにガラスビーズが導入される、請求項6に記載の方法。」
・・(中略)・・
<刊行物>
1.実願平1-128090号のマイクロフィルム(実開平3-67043号)
(原審における「引用文献4」)
2.特開平7-138541号公報
3.特開平3-181578号公報
4.特表平7-508303号公報
(以下「引用例1」?「引用例4」という。)
・・(後略)」

第3 本願の請求項に係る発明
本願の請求項に係る発明は、平成20年1月31日付け及び平成22年8月16日付けの各手続補正書で補正された明細書及び図面(以下、「本願明細書」という。)の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項で特定されるとおりの以下のものである。
「【請求項1】 微細エンボスパターンを接着剤層に接触させて、接着剤表面が接触した微細エンボスパターンと実質的に逆である表面形態を少なくとも一方の主要な実質的に連続な面に有する連続な感圧接着剤表面を形成するステップを含み、
接着剤層と支持基材との間に接着界面が確立されると、接着剤が少なくとも35%の接触領域を有し、支持基材に接着剤を適用した後に接着界面の平面から流体が排出することができ、
前記微細エンボスパターンが相互に接続している多数の線状隆起部により構成され、前記隆起部が当該隆起部により規定されるランド部から3?45μmの高さまで隆起しており、前記微細エンボスパターンの表面の総面積に対する前記ランド部の面積の百分率が60?97%であり、前記隆起部の幅が0.30mm以下である、接着剤表面の表面形態を制御する方法。
【請求項2】 接触ステップが、キャスティング技法、コーティング技法および圧縮技法からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】 前記キャスティング技法が微細エンボスパターンを有する工具を使用することを含み、前記コーティング技法が微細エンボスパターンを有する剥離ライナーに接着剤を被覆するステップを含み、前記圧縮技法がニップロールを通過させて剥離ライナーに感圧接着剤を押し付けるステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】 前記工具の前記エンボスパターンがエッチング、フォトリソグラフィ、ステレオリソグラフィ、微細機械加工、ローレット切り、スコアリングまたは切削によって形成される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】 前記微細エンボスパターンが剥離ライナーまたはテープバッキングに残存する、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】 前記微細エンボスパターンが第1のエンボスパターンと第2のエンボスパターンを含む、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】 前記微細エンボスパターンと実質的に逆である表面形態を少なくとも一方の主要な実質的に連続な面に有する連続な感圧接着剤表面を前記支持基材に接触させて、前記接着剤表面と前記支持基材との界面からの流体の流出を制御するステップをさらに含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】 前記微細エンボスパターンを接着剤層に接触させる前に、第2のエンボスパターンにガラスビーズが導入され、接着剤表面に形成された表面形態が、ガラスビーズが導入された第2のエンボスパターンと接触した部分において、第2のエンボスパターンとそこに導入されたガラスビーズとの実質的に逆である表面形態を有する、請求項6に記載の方法。」

第4 当審の判断
上記第2で示した当審が通知した拒絶理由における「理由2」につき、再度検討する。

1.各引用例に記載された事項
上記「理由2」で引用した引用例1及び2には、それぞれ以下の事項が記載されている。

(1)引用例1(実願平1-128090号のマイクロフィルム)

(1-ア)
「シート基材の片面に粘着剤層が設けられ、該粘着剤層の表面に離型紙が剥離可能に積層されているマーキングシートにおいて、
該離型紙の粘着剤層と接する面には、多数の凹部と凸部を有する凹凸模様が形成され、凹凸模様の各凸部はシート基材の端縁まで連なっているマーキングシート。」
(明細書第1頁、「2.実用新案登録請求の範囲」の欄)

(1-イ)
「(産業上の利用分野)
本発明は、看板、車両、各種部品等の被着体に貼付けるために、シート基材の片面に粘着剤層が設けられているマーキングシート(ラベルを含む)に関する。」
(明細書第1頁第12行?第16行)

(1-ウ)
「(従来の技術)
マーキングシートとは、看板、車両、各種部品等の被着体の表面に貼付けられるものであって、通常未使用時にはシート基材の片面に粘着剤層が設けられて、その粘着剤層の表面に離型紙が貼付けられている。
従来、離型紙には、目止め及び吸湿防止のためにポリエチレン(以下PEとする)を紙にラミネートしたラミネート材料の表面に、離型剤としてシリコーンを塗布したものが用いられてきた。このようなラミネート材料は、押出機によりポリエチレンを押出してポリエチレンが固化する前にロールを用いて紙とラミネートすることによって作製される。よってポリエチレン及び離型剤の表面は平滑面に形成されている。従って、離型紙に接する粘着剤の表面も平滑面となる。
(考案が解決しようとする課題)
しかし、被着体である金属板、塗装板、ガラス板、樹脂板等が平滑板である場合、マーキングシート貼付け時に、マーキングシートと被着板との間に気泡が入り込むことがある。マーキングシートと被着板との間に溜った気泡は脱泡しにくいために、針で穴をあけて気泡を外部へ抜く必要があり、貼付作業性が悪いという問題があった。
本考案は、上記従来の問題点を解決するものであり、その目的は、被着体との間に気泡が溜ることなく、貼付け作業が簡単に行えるマーキングシートを提供することにある。」
(明細書第1頁第17行?第3頁第5行)

(1-エ)
「(課題を解決するための手段)
すなわち本考案のマーキングシートは、シート基材の片面に粘着剤層が設けられ、該粘着剤層の表面に離型紙が剥離可能に積層されているマーキングシートにおいて、該離型紙の粘着剤層と接する面には、多数の凹部と凸部を有する凹凸模様が形成され、凹凸模様の各凸部はシート基材の端縁まで連なっていて、そのことにより上記目的が達成される。」
(明細書第3頁第6行?第14行)

(1-オ)
「本考案で用いられる離型紙は、通常,紙の表面に樹脂をラミネートして形成される。・・(中略)・・
これらの樹脂を紙とラミネートしたラミネート材料又はこれらの樹脂フイルムの表面に、凹凸模様を付ける方法には公知の方法が用いられる。樹脂としてPEを用いる場合、PEを紙の上に押出してラミネートした直後、エンボス加工された冷却ロール間を通すことによってPE表面に凹凸加工を施すことが好ましい。」
(明細書第3頁第15行?第4頁第7行)

(1-カ)
「離型紙表面に形成された凹凸模様の凸部は、シート基材の端部にまで連なっている。この凹凸模様は、多数の溝を有するストライプ模様や多数の溝が碁盤目状に設けられた模様、角状、丸状の突起部を有する格子模様、水玉模様であってもよい。
多数の溝を碁盤目状に設ける場合、凹凸加工に用いられるロール表面の凹凸のサイズは、50?300メッシュが好ましい。具体的には、第2図に示すロール6表面の断面図において凸部7上面の幅をa、凹部8の開口幅をb、凸部7の高さをcとすると、a=15μm?5μm、b=490μm?80μm、c=200μm?15μmが好ましい。
次に凹凸加工が施された樹脂膜表面に、離型剤を塗布して離型紙を作製する。離型剤の塗布には、シリコーン加工が好ましい。ここで、離型剤の塗布厚は凹凸加工の寸法に比して非常に小さいので、凹凸加工は、離型紙にそのまま残ることになる。
よって、このようにして作製された離型紙の離型剤表面には、凹凸模様が形成されている。この離型紙の表面に粘着剤を塗布し、乾燥後、これにシート基材を積層接着してマーキングシートが得られる。」
(明細書第4頁第10行?第5頁第12行)

(1-キ)
「このようにして作製されたマーキングシートの離型紙を剥すと、粘着剤層の表面には離型紙表面と同様に凹部と凸部を有する凹凸模様が転写されている。このマーキングシートを被着体に貼付ける際、粘着剤層の凸部が被着体表面に接触したとき、被着体の表面と凹部との間に形成される空間部がシートの端縁部まで通じているので、この空間部を通して、粘着剤層と被着体との間に入り込んだ気泡を外部へ逃がすことができる。粘着剤層表面の凹凸模様が300メッシュより小さい場合は、脱泡しにくく、50メッシュより大きい場合は、凹部に気泡が残存しやすい傾向にある。」
(明細書第5頁第13行?第6頁第4行)

(1-ク)
「(作用)
本考案のマーキングシートの離型紙は、離型剤が塗布されたラミネート材料又は樹脂フイルム上に凹凸模様が施されている。凹凸模様を有する離型紙に粘着剤が塗布されるので、離型紙を剥すと粘着剤にはこの凹凸模様が転写されている。すなわち、マーキングシートの被着体との接触面は凹凸模様を有している。この凹凸模様は、凹部がシート端縁部へ連通する溝のようなものである。よって、マーキングシートを貼付ける際に被着体との間に入り込んだ空気が、この溝を通じてシート外部へ逃げることができるのでマーキングシートと被着体との間に大きな気泡が生じることがない。」
(明細書第6頁第5行?第17行)

(1-ケ)「第2図」(添付頁下段)




(2)引用例2(特開平7-138541号公報)

(2-ア)
「【請求項1】 透視性を有する粘着フィルム本体1と、剥離フィルム2と、から構成される粘着加工フィルムであって、上記粘着フィルム本体1の粘着面4側に、所定のパターンをもって連続する細凹溝3を凹設したことを特徴とする粘着加工フィルム。
【請求項2】 相互に積層された粘着フィルム本体1と剥離フィルム2に於て、該剥離フィルム2側から押圧したエンボス加工によって、細凹溝3が重ね合わせ状に形成されている請求項1記載の粘着加工フィルム。
【請求項3】 粘着フィルム本体1を、表面フィルム5と、粘着層6と、から構成した請求項1又は請求項2記載の粘着加工フィルム。
・・(中略)・・
【請求項5】 細凹溝3の幅寸法Wを0.1mm?2.0mmに設定した請求項1又は請求項2記載の粘着加工フィルム。
【請求項6】 細凹溝3の相互間隔Sを3mm?20mmに設定した請求項1又は請求項2又は請求項5記載の粘着加工フィルム。
【請求項7】 所定パターンが、格子状,蜂の巣状又は線状である請求項1又は請求項2又は請求項5又は請求項6記載の粘着加工フィルム。
・・(後略)」
(【特許請求の範囲】)

(2-イ)
「【産業上の利用分野】
本発明は、粘着加工フィルムに関する。
【従来の技術】
従来、自動車の窓ガラスや家屋の窓ガラス等に、遮光、破損時の飛散防止、保温等を目的として貼着けられる粘着加工フィルムは、一般に、透視性を有する平坦な粘着フィルム本体と、粘着フィルム本体の粘着面に貼設された平坦な剥離フィルムと、からなり、使用時に剥離フィルムを剥がして粘着フィルム本体を被貼着け面に貼着けるように構成されていた。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述のような従来の粘着加工フィルムでは、粘着フィルム本体を、皺や気泡が発生しないように、被貼着け面に直接貼着けることは殆ど不可能であった。このため、被貼着け面に界面活性剤の水溶液をスプレー等で塗布し、その上から粘着フィルム本体を貼着けて、その後、上記溶液を絞り出して放置することにより、皺や気泡の貼り込みを防ぐ方法をとっていたが、作業に相当の熟練を要し、かつ、作業時間が長くなるという不具合があった。
また、上記のような方法で貼着けても、被貼着け面が自動車のリアウインドウのような3次曲面である場合には、皺や気泡の発生をなくすことはさらに困難であった。
そこで、本発明は、上述の問題を解決して、粘着フィルム本体を、容易かつ迅速に貼着け得ると共に、皺の発生や気泡の貼り込みを防止できる粘着加工フィルムを提供することを目的とする。」
(【0001】?【0005】)

(2-ウ)
「【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る粘着加工フィルムは、透視性を有する粘着フィルム本体と、剥離フィルムと、から構成される粘着加工フィルムであって、上記粘着フィルム本体の粘着面側に、所定のパターンをもって連続する細凹溝を凹設したものである。」
(【0006】)

(2-エ)
「図1と図2と図3に於て、細凹溝3の幅寸法Wを0.1mm?2.0mmに設定する。また、相互間隔Sを3mm?20mmに設定する。なお本実施例では、幅寸法Wと相互間隔Sと深さ寸法Dを、各々、1.0mm,5.0mm,0.05mmに設定した。
このようにすれば、図2の仮想線で示す如く粘着フィルム本体1を貼着ける際に、細凹溝3から空気を確実に排出でき、気泡や皺の発生を防止できる。かつ、粘着フィルム本体1をガラス9の表面10に貼着けた後の透視性を十分に確保できる。
即ち、幅寸法Wが2.0mmよりも大きく、かつ、相互間隔Sが3mm未満である場合、細凹溝3及び細凸条8が密となり、透視性が失われてしまう。
また、幅寸法Wが0.1mm未満である場合、又は、相互間隔Sが20mm以上である場合は、粘着フィルム本体1を貼着ける際の空気の排出が十分でなく、気泡や皺が発生する虞れがある。」
(【0031】?【0034】)

(2-オ)【図1】及び【図3】(第4頁下段及び第5頁上段)






2.検討
以下、上記第3で示した本願請求項1に記載された事項で特定される発明(以下「本願発明」という。)につき検討する。

(1)上記引用例1に記載された発明
上記引用例1には、
「シート基材の片面に粘着剤層が設けられ、該粘着剤層の表面に離型紙が剥離可能に積層されているマーキングシートにおいて、該離型紙の粘着剤層と接する面には、多数の凹部と凸部を有する凹凸模様が形成され、凹凸模様の各凸部はシート基材の端縁まで連なっているマーキングシート」(上記摘示(1-ア)参照)が記載され、「本考案・・の目的は、被着体との間に気泡が溜ることなく、貼付け作業が簡単に行えるマーキングシートを提供することにある」(上記摘示(1-ウ)参照)こと及び「本考案のマーキングシートは、シート基材の片面に粘着剤層が設けられ、該粘着剤層の表面に離型紙が剥離可能に積層されているマーキングシートにおいて、該離型紙の粘着剤層と接する面には、多数の凹部と凸部を有する凹凸模様が形成され、凹凸模様の各凸部はシート基材の端縁まで連なっていて、そのことにより上記目的が達成される」こと(上記摘示(1-エ)参照)もそれぞれ記載されている。
そして、当該「マーキングシート」の製造にあたり、「離型紙」が、紙にポリエチレンなどの樹脂をラミネートしたラミネート材料を使用することができ、当該ラミネート材料を使用する場合、ポリエチレンを紙に押出しラミネートした直後、エンボス加工された冷却ロール間を通すことによりポリエチレン表面に凹凸加工を施すのが好適であることが記載され(上記摘示(1-オ)参照)、当該「凹凸加工」により形成される「凹凸模様」が「多数の溝が碁盤目状に設けられた模様」であってもよく、その場合の上記加工時の「冷却ロール」の「凸部」の高さが15?200μmであることも記載されており、さらに、当該「凹凸加工」が施された樹脂膜表面に、離型剤を小さい(薄い)塗布厚で塗布して「離型紙」を作成することも記載されている(上記摘示(1-カ)参照)。
また、当該「マーキングシート」の製造が、上記の方法で製造された「離型紙」の「凹凸模様」が形成されている離型剤表面に粘着剤を塗布し、乾燥後、これにシート基材を積層接着することによりマーキングシートが得られることが記載されている(上記摘示(1-カ)参照)。
さらに、「作製されたマーキングシートの離型紙を剥すと、粘着剤層の表面には離型紙表面と同様に凹部と凸部を有する凹凸模様が転写されて」おり、「このマーキングシートを被着体に貼付ける際、粘着剤層の凸部が被着体表面に接触したとき、被着体の表面と凹部との間に形成される空間部がシートの端縁部まで通じているので、この空間部を通して、粘着剤層と被着体との間に入り込んだ気泡を外部へ逃がすことができ」、「粘着剤層表面の凹凸模様が300メッシュより小さい場合は、脱泡しにくく、50メッシュより大きい場合は、凹部に気泡が残存しやすい傾向にある」ことも記載され(上記摘示(1-キ)参照)、「本考案のマーキングシートの離型紙は、離型剤が塗布されたラミネート材料・・に凹凸模様が施されている。凹凸模様を有する離型紙に粘着剤が塗布されるので、離型紙を剥すと粘着剤にはこの凹凸模様が転写されている。すなわち、マーキングシートの被着体との接触面は凹凸模様を有している。この凹凸模様は、凹部がシート端縁部へ連通する溝のようなものである。よって、マーキングシートを貼付ける際に被着体との間に入り込んだ空気が、この溝を通じてシート外部に逃げることができるのでマーキングシートと被着体との間に大きな気泡が生じることがない。」ことも記載されている(上記摘示(1-ク)参照)。
ここで、上記「冷却ロール」の「凸部」の高さが15?200μmであることは、当該冷却ロールの凹凸がまず離型紙の剥離面に転写されさらに当該離型紙の剥離面を介して粘着剤層に転写されるのであるから、粘着剤層に転写される離型紙表面の凹凸模様の凸部の凹部からの高さと略同一となることが当業者に自明であり、本願発明でいう「微細エンボスパターン」における「隆起部」の「ランド部からの高さ」と実質的に同義であるものといえる。
そして、上記「離型紙の凹凸模様」が「粘着剤(層)」に転写されているのであるから、粘着剤層の表面の凹凸模様は、離型紙の凹凸模様と凸部及び凹部がそれぞれ逆転した模様となっていることも明らかである。

なお、引用例1では、冷却ロールの断面形状に係る「第2図」を提示するとともに(上記摘示(1-ケ)参照。)、「多数の溝を碁盤目状に設ける場合、凹凸加工に用いられるロール表面の凹凸のサイズは、50?300メッシュが好ましい。具体的には、第2図に示すロール6表面の断面図において凸部7上面の幅をa、凹部8の開口幅をb、凸部7の高さをcとすると、a=15μm?5μm、b=490μm?80μm、c=200μm?15μmが好ましい。」と記載されており(上記摘示(1-カ)参照。)、「凹凸模様を有する離型紙に粘着剤が塗布されるので、離型紙を剥すと粘着剤にはこの凹凸模様が転写されている。・・この凹凸模様は、凹部がシート端縁部へ連通する溝のようなものである。よって、マーキングシートを貼付ける際に被着体との間に入り込んだ空気が、この溝を通じてシート外部へ逃げることができるのでマーキングシートと被着体との間に大きな気泡が生じることがない。」とも記載されている(上記摘示(1-ク)参照。)。
しかるに、引用例1における「マーキングシート」の粘着剤表面の凹凸形状は、「冷却ロール」の加工面形状が転写された離型紙の剥離面の形状が更に転写され形成されたものであり、「マーキングシート」の粘着剤表面の凹凸形状と「冷却ロール」の加工面形状とは略同一形状となるものと解される。
そこで、上記「第2図」につき検討すると、凸部7上面の幅a=15μm?5μm、凹部8の開口幅b=490μm?80μmであるならば、凸部7上面の幅が凹部8の開口幅に比して極めて小さいのであるから、凸部は微小底面積の突起状物となり、凹部は幅が極めて広い平坦部となることは明らかであって、粘着剤層表面の凹部として「碁盤目状」の「多数の溝」、すなわち碁盤目状の多数の「細長いくぼみ」を設けることとならないことが当業者に自明である。
それに対して、仮に、上記「a」及び「b」の各数値範囲が入れ替わったとすると、凸部7上面の幅が凹部8の開口幅に比して極めて大きいのであるから、粘着剤層表面の凸部は幅が極めて広い平坦部となり、凹部は幅が狭い「細長いくぼみ」すなわち「溝」となり、「碁盤目状」の「多数の溝」が設けられた構造となることが当業者に自明である。
また、上述のとおり、「凹凸加工に用いられるロール表面の凹凸のサイズは、50?300メッシュが好ましい」旨記載されているところ、当該「凹凸のサイズ」とは、凸部と凹部とを1個ずつ配した組合せの幅、すなわち、第2図における凸部7上面の幅aと凹部8の開口幅bとの和(a+b)を意味することが当業者に自明である。
そして、「凹凸のサイズ」に係る「50?300メッシュ」なる範囲は、「508μm?85μm」と換算することができるから、「a=15μm?5μm、b=490μm?80μm」から算出することができる「a+b」に係る範囲「505μm?85μm」と概略一致するものであり、「凹凸のサイズ」が「50?300メッシュ」である旨の記載と「a+b」に係る記載とは、技術的に整合しているものといえる。
してみると、引用例1の上記「a=15μm?5μm、b=490μm?80μm」なる記載は、その文脈及び技術的常識に基づく上記「第2図」との対応関係の検討結果からみて、「a=490μm?80μm、b=15μm?5μm」の誤記と解するのが自然である。
そして、冷却ロールにおける凸部の幅が490μm?80μmで、凹部の開口幅が15μm?5μmであることは、離型紙を転写により製造した場合に逆転し、離型紙の剥離面の凹凸模様における凸部の幅が15μm?5μmであり、凹部の開口幅が490μm?80μmであることを意味するものといえる。

したがって、上記引用例1には、
「マーキングシートを貼付ける際に被着体との間に入り込んだ空気がシート外部に逃げることができるように、高さ15?200μmを生じる幅15μm?5μmの凸部がシート基材の端縁まで連なり凹部の開口幅が490μm?80μmである碁盤目状の凹凸模様を有する離型紙の凹凸表面に粘着剤を塗布・乾燥した後、シート基材を粘着剤層に積層してなり、得られた粘着剤層の離型紙側の表面が離型紙の凹凸模様と逆転した凹凸模様を形成してなるマーキングシートの製造方法」
に係る発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

(2)対比
本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明における「被着体」、「空気」及び「粘着剤」は、本願発明における「支持基材」、「流体」及び「(感圧)接着剤」にそれぞれ相当することが明らかである。
そして、引用発明における「マーキングシートを貼付ける際に被着体との間」は、マーキングシートの粘着剤層を被着体に貼り付ける、すなわち、適用することであって、マーキングシートの粘着剤層表面と被着体表面との間が接着界面となることも明らかであるから、本願発明における「支持基材に接着剤を適用した後に接着界面」に相当するものであって、さらに、引用発明における「空気がシート外部に逃げることができるように」は、空気がシートの表面から逃げること、すなわち、排出されることを意味することが明らかであるから、本願発明における「平面から流体が排出することができ」に相当する。
また、引用発明における「凸部がシート基材の端縁まで連な・・る碁盤目状の凹凸模様」は、当該「凸部」が粘着剤層に接触され粘着剤層表面に凹部を形成し空気をシート外部に逃げることができるようにするものであって、直線状の凸部が相互に縦横に接続して「碁盤目状」となったものであるから、本願発明における「相互に接続している多数の線状隆起部により構成され」に相当し、引用発明における「凹部」は、凸部により囲まれたくぼんだ部分をいうものであるから、本願発明における「隆起部により規定されるランド部」に相当する。してみると、引用発明における「(凹凸模様を有する)離型紙(の凹凸表面)」は、本願発明における「微細エンボスパターン」に相当することが明らかである。
さらに、引用発明における「凹凸模様を有する離型紙の凹凸表面に粘着剤を塗布・乾燥」は、結局のところ、塗布・乾燥により形成される粘着剤層を離型紙の凹凸表面に接触させていることにほかならないから、本願発明における「微細エンボスパターンを接着剤層に接触させて」に相当するし、引用発明における「得られた粘着剤層の離型紙側の表面が離型紙の凹凸模様と逆転した凹凸模様」は、本願発明における「接着剤表面が接触した微細エンボスパターンと実質的に逆である表面形態を少なくとも一方の主要な実質的に連続な面に有する連続な感圧接着剤表面」に相当することも明らかである。
そして、引用発明における「マーキングシートの製造方法」は、その工程において粘着剤層の離型紙側の表面に特定の凹凸模様を形成するものであり、粘着剤層の離型紙側の表面の形態が決定されるものであるから、本願発明における「接着剤表面の表面形態を制御する方法」に相当することは明らかである。
したがって、本願発明と引用発明とは、
「微細エンボスパターンを接着剤層に接触させて、接着剤表面が接触した微細エンボスパターンと実質的に逆である表面形態を少なくとも一方の主要な実質的に連続な面に有する連続な感圧接着剤表面を形成するステップを含み、
支持基材に接着剤を適用した後に接着界面の平面から流体が排出することができ、
前記微細エンボスパターンが相互に接続している多数の線状隆起部により構成され、前記隆起部が当該隆起部により規定されるランド部から隆起したものである、接着剤表面の表面形態を制御する方法。」
に係る点で一致し、下記の4点で一応相違している。

相違点1:「微細エンボスパターンの隆起部の高さ」について、本願発明では、「ランド部から3?45μm」であるのに対して、引用発明では、「凸部の高さ」が「15?200μm」である点
相違点2:「微細エンボスパターンの隆起部」について、本願発明では、「隆起部の幅が0.30mm以下である」のに対し、引用発明では、「離型紙」が「幅15μm?5μmの凸部」を有する点
相違点3:本願発明では、「微細エンボスパターンの表面の総面積に対する前記ランド部の面積の百分率が60?97%であ」るのに対し、引用発明では、離型紙における凹部の面積比につき規定されていない点
相違点4:本願発明では、「接着剤層と支持基材との間に接着界面が確立されると、接着剤が少なくとも35%の接触領域を有し」ているのに対し、引用発明では、当該接触領域の割合につき規定されていない点

(3)各相違点に係る検討

ア.相違点1について
上記相違点1につき検討すると、本願発明における「3?45μm」なる範囲と引用発明における「凸部の高さ」に係る「15?200μm」なる範囲は、「15μm?45μm」の範囲で重複するものであるから、上記相違点1に係る事項は、実質的な相違ではない。

イ.相違点2について
上記相違点2につき検討すると、本願発明における「微細エンボスパターンの隆起部の幅」に係る「0.30mm以下」なる範囲と引用発明における「凸部の幅」に係る「15?5μm」なる範囲は、「15μm?5μm」の範囲で重複するものであるから、上記相違点2に係る事項は、実質的な相違ではない。

ウ.相違点3について
上記相違点3につき検討するにあたり、引用発明における「離型紙」の本願発明でいう「微細エンボスパターンの表面の総面積に対する前記ランド部の面積の百分率」に相当する離型紙の表面の総面積に対する凹部の面積の百分率及びその範囲につき算出する。
当該「百分率」は、
(百分率)=(凹部の開口幅)^(2)/{(凹部の開口幅)+(凸部の幅)}^(2)×100
で算出できる。
そして、引用発明の「離型紙」は、「高さ15?200μmを生じる幅15μm?5μmの凸部がシート基材の端縁まで連なり凹部の開口幅が490μm?80μmである碁盤目状の凹凸模様を有する」ものであるから、当該凸部の幅及び凹部の開口幅の各範囲の数値から、当該「百分率」の最大値及び最小値を算出すると、
(最大値)=490^(2)/(490+5)^(2)×100=97.99
(最小値)=80^(2)/(80+15)^(2)×100=70.91
となり、引用発明の「離型紙」の当該「百分率」の範囲は、おおむね71%?98%の範囲であるといえる。
(なお、審判請求人は、平成22年8月16日付け意見書において、引用発明における離型紙の剥離面の凹部の面積比が2.5%であり、本願請求項1における「60?97%」の範囲を大きく下回る旨主張し、もって欠点が存在する旨主張している(意見書第5頁第1行?第20行)。
しかしながら、上記(1)で検討したとおり、審判請求人が上記主張の根拠とする引用例1の「a=15μm?5μm、b=490μm?80μm」なる記載は、「a=490μm?80μm、b=15μm?5μm」の誤記であり、引用発明における離型紙の凸部の幅が15?5μm、凹部の開口幅490?80μmであると解するのが自然であるから、審判請求人の上記意見書における主張は、根拠を欠くものであり、採用することができない。)
してみると、本願発明における「60?97%」なる面積百分率の範囲と引用発明における「71?98%」の範囲とは、「71?97%」の範囲で重複するものであるから、実質的に相違するものでないか、本願発明において「60?97%」と範囲規定した点に格別な技術的創意がなく、当業者が適宜なし得ることというほかはない。
また、上記引用例2にも、「細凹溝3の幅寸法Wを0.1mm?2.0mm」及び「細凹溝3の相互間隔Sを3mm?20mmに設定」し「格子状」の「パターンをもって連続する細凹溝3を」「粘着フィルム本体1の粘着面4側に」「凹設した」旨記載されている(上記摘示(2-ア)参照)とおり、貼着ける際に粘着面に設けた細凹溝から空気を確実に排出でき、気泡や皺の発生を防止できる粘着フィルムにおいて、粘着面の細凹溝の相互間隔、すなわち本願発明でいう「ランド部」の幅を細凹溝の幅0.1mm?2.0mmに対し3mm?20mmに設定し、もってランド部の面積比として36?99%の範囲とすることは、少なくとも公知の技術であるから、上記引用発明において、接着界面からの空気の流出の改善及び十分な接着の確保などを意図して、上記公知技術に基づき、粘着剤層に形成する溝の相互間隔と溝の幅とを所望に応じて設定し、離型紙の表面の総面積に対する凹部の面積の百分率を「60?97%」の範囲と規定することは、当業者が適宜なし得ることである。
したがって、上記相違点3に係る事項は、実質的な相違ではないか、当業者が適宜なし得る事項である。

エ.相違点4について
上記相違点4につき検討すると、技術的常識からみて、本願発明における「接着剤の接触領域」の面積は、「接着剤層と支持基材との間に接着界面が確立される」すなわち(感圧)接着剤(シート)が貼り付けられた時点における接触領域に係る面積であるから、(感圧)接着剤層表面の凸部領域、すなわち「ランド部」の領域に係る面積と略同一になることが当業者に自明である。
してみると、上記ウ.で示したとおり、引用発明における本願発明でいう「微細エンボスパターンの表面の総面積に対する前記ランド部の面積の百分率」に相当する離型紙の表面の総面積に対する凹部の面積の百分率は71%?98%の範囲であるから、引用発明の製造方法により製造された粘着剤層の接触領域の割合は、35%以上となっているものと解され、実質的な相違ではないか、当業者が所望に応じて適宜なし得ることというほかはない。
したがって、上記相違点4に係る事項は、実質的な相違ではないか、当業者が適宜なし得る事項である。

オ.本願発明の効果について
本願発明の効果につき本願明細書の記載に基づいて検討する。
本願明細書の記載(【0001】?【0009】、特に【0007】)からみて、本願発明の解決すべき課題は、(i)感圧接着剤シートの貼り付け時に被着材と感圧接着剤層との界面に生じる気泡中の空気などの流体の流出経路の提供、(ii)バッキング材料表面の平坦で均一な面の提供及び(iii)効果的な永久接着の提供の3つの提供すべき制限条件下において、接着剤表面の幾何構造を工作して上記制限条件に係る特定の性能を具備する制御された接着剤表面の形態を提供することであるものと解される。
してみると、当該解決課題に対応する本願発明に係る効果は、本願発明の方法により形成された接着剤表面を有する感圧接着剤フィルムが、「別の材料に転写または接着された場合に、制御された期間の間特定目的の用途に役立つ」ものであり、「その接着剤を基材に接着するバッキング材料の外観に有害な影響を与えることなく、効果的に流体を流出させる」(本願明細書【0016】参照)ものである接着剤表面を提供することであるといえる。
それに対して、上記引用例1又は2において、「マーキングシートを貼付ける際に被着体との間に入り込んだ空気が、この溝を通じてシート外部へ逃げることができるのでマーキングシートと被着体との間に大きな気泡が生じることがない」(上記摘示(1-ク)参照)及び「粘着フィルム本体を、容易かつ迅速に貼着け得ると共に、細凹溝から空気を確実に排出でき、皺の発生や気泡の貼り込みを防止できる」(上記摘示(2-エ)参照)とそれぞれ記載されているとおり、引用発明及び引用例2に記載された公知技術により製造されたマーキングシート等の接着シートにおいても、接着界面からの空気等の流体を接着剤表面の溝(凹溝)を通じて流出させる効果を奏することが明らかである。
また、引用発明の方法により製造されるものは、外観が重要視される「マーキングシート」であるから、接着剤表面形状が「シート基材」の外観に影響を与えるのを避けるべきことが当業者に自明であって、引用発明においても、本願発明により形成される接着剤表面の凹凸形状と略同等のミクロンスケールの凹凸形状を製造するものであるから、製造されるマーキングシートにつき外観に影響が与えられることなく製造されるという効果が奏されているであろうことは明らかである。
してみると、本願発明が、上記各相違点に係る事項により、上記引用発明及び引用例2に記載された公知技術に比して、当業者が予期し得ない程度の特段の効果を奏しているものともいえない。

(4)小括
したがって、本願発明は、上記引用発明及び上記引用例2に記載された公知技術に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものである。

3.まとめ
以上検討したとおり、本願発明は、引用発明及び上記引用例2記載の公知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

第5 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に記載された事項で特定される発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、他の請求項に係る発明につき検討するまでもなく、本願は、特許法第49条第2号の規定に該当し、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-01-24 
結審通知日 2011-01-25 
審決日 2011-02-07 
出願番号 特願平10-529967
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (C09J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 大畑 通隆  
特許庁審判長 西川 和子
特許庁審判官 松本 直子
橋本 栄和
発明の名称 接着剤表面の表面形態を制御する方法  
代理人 蛯谷 厚志  
代理人 小林 良博  
代理人 出野 知  
代理人 青木 篤  
代理人 石田 敬  
代理人 古賀 哲次  
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