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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B09B
管理番号 1239577
審判番号 不服2008-11304  
総通号数 140 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-05-02 
確定日 2011-07-08 
事件の表示 特願2003-183791「有機性廃棄物由来の発酵産物の処理方法、飼料の製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 1月20日出願公開、特開2005- 13909〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成15年6月27日の出願であって、平成20年3月28日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年5月2日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同年6月2日付けで手続補正がなされたものである。その後、平成22年11月11付けで特許法第164条第3項に基づく報告書を引用した審尋がなされ、平成23年1月17日に回答書が提出されたものである。

2.本願発明
(1)平成20年6月2日付けの手続補正について
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1?4は、以下のように補正された。
【請求項1】 有機性廃棄物を高温メタン発酵菌によりメタン発酵させる発酵工程と、
前記メタン発酵後の発酵液から、発酵によって生成するアンモニアを回収するアンモニア回収工程と、
前記アンモニア回収工程で回収されたアンモニアを、飼料原料と接触させるアンモニア処理工程を含むことを特徴とする飼料の製造方法。
【請求項2】 請求項1に記載の飼料の製造方法において、前記発酵工程では、発酵によって生成したバイオガスを回収することを特徴とする飼料の製造方法。
【請求項3】 請求項1に記載の飼料の製造方法において、前記アンモニア回収工程では、アンモニアを含有する発酵液を蒸発濃縮してアンモニアを分離することを特徴とする飼料の製造方法。
【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の飼料の製造方法において、前記アンモニア処理工程の前に、回収されたアンモニアを濃縮するアンモニア濃縮工程を含むことを特徴とする飼料の製造方法。

上記補正は、補正前の請求項4及び6を削除し、補正前の請求項5を補正後の請求項4として繰り上げたものであって、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第1号の請求項の削除を目的とするものに該当する。
そして、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成20年6月2日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりの
「有機性廃棄物を高温メタン発酵菌によりメタン発酵させる発酵工程と、前記メタン発酵後の発酵液から、発酵によって生成するアンモニアを回収するアンモニア回収工程と、
前記アンモニア回収工程で回収されたアンモニアを、飼料原料と接触させるアンモニア処理工程を含むことを特徴とする飼料の製造方法。」と認める。

3.引用刊行物及びその記載事項
原査定の拒絶理由に引用文献1として引用された刊行物である特開2002-113494号公報(以下、「引用例1」という。)及び、同じく引用文献3として引用された刊行物である特開昭60-133845号公報(以下、「引用例2」という。)には、次の事項が記載されている。
(1)引用例1(特開2002-113494号公報)
(1-ア)「【請求項1】 畜産廃棄物を発酵させてメタンを生成するメタン発酵工程と、メタンの脱硫工程とを含む該廃棄物中のメタンを回収する工程と、該廃棄物中のアンモニアを除去回収するアンモニア回収工程とを含む畜産廃棄物処理方法。
【請求項2】 上記アンモニア回収工程が、上記メタン発酵工程後の廃棄物中に含有するアンモニアを回収する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の畜産廃棄物処理方法。」(【請求項1】、【請求項2】)
(1-イ)「また、上記反応式で示される様に、窒素成分は最終的には窒素(N_(2))ガスとして大気へ放出されるために、比較的高価なアンモニアを有効利用することができなかった。近年、資源の有効利用が求められるつつあり、このアンモニアを有効に再利用することが切望されている。
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、畜産廃棄物処理設備から発生するアンモニアを有効に利用するようにした畜産廃棄物処理方法及び装置を提供することを目的とする。」(段落【0012】、【0013】)
(1-ウ)「図1に、本発明の一つの実施の形態である家畜廃棄物処理工程のブロック図を示す。家畜糞1及び家畜尿2は混合されメタン発酵工程3へと導入される。メタン発酵工程では家畜廃棄物に含まれている有機物が嫌気性細菌の働きによって最終的にメタンと二酸化炭素にまで分解される。このとき、メタン発酵槽の総対流時間は15?30日間、温度は30?55℃であることが好ましいがこれらに限定されない。」(段落【0016】)
(1-エ)「一方、メタン発酵工程3にて低級分子まで分解された家畜糞、尿混合物はアンモニア回収工程11へと導入され、ここで家畜糞、尿混合物中のアンモニアが除去され固液混合状態の肥料6として回収、資源として有効利用される。」(段落【0018】)
(1-オ)「アンモニア回収工程11で得られたアンモニア水等14は、別途、資源として有効利用される。」(段落【0020】)

(2)引用例2(特開昭60-133845号公報)
(2-ア)「ガス状アンモニアでわらを処理すると、わらの動物飼料の価値を著しく増大させることは本出願人のデンマーク特許第145051号から知られており、ベールの形でわらのかかる処理のための方法および装置が記載されている。」(第2ページ右上欄10?15行)
(2-イ)「本発明による方法はわらの処理に限定されず、セルロース成分の消化性を改良するという点で、セルロース成分がアンモニアによつて変性される任意のセルロース含有材料に適用できる。」(第5ページ右上欄8?11行)

4.引用発明の認定
引用例1には、記載事項(1-ア)に「畜産廃棄物を発酵させてメタンを生成するメタン発酵工程と、メタンの脱硫工程とを含む該廃棄物中のメタンを回収する工程と、該廃棄物中のアンモニアを除去回収するアンモニア回収工程とを含む畜産廃棄物処理方法。
上記アンモニア回収工程が、上記メタン発酵工程後の廃棄物中に含有するアンモニアを回収する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の畜産廃棄物処理方法。」と記載されることから、上記「畜産廃棄物処理方法」は、畜産廃棄物を発酵させてメタンを生成するメタン発酵工程と、メタンの脱硫工程とを含む該廃棄物中のメタンを回収する工程と、上記メタン発酵工程後の廃棄物中に含有するアンモニアを回収するアンモニア回収工程とを含む方法であるといえる。
そして、上記「メタン発酵工程」について、記載事項(1-ウ)に「メタン発酵工程では家畜廃棄物に含まれている有機物が嫌気性細菌の働きによって最終的にメタンと二酸化炭素にまで分解される。このとき、メタン発酵槽の総対流時間は15?30日間、温度は30?55℃であることが好ましい」(なお、「総対流時間」は、「総滞留時間」の明らかな誤記であるから、以下そのように読み替える。)と記載されることから、「メタン発酵工程」は、メタン発酵槽の温度を30?55℃、総滞留時間を15?30日間として、畜産廃棄物を嫌気性細菌の働きによって発酵させてメタンを生成するものといえる。
さらに、上記「アンモニア回収工程」について、記載事項(1-エ)に「一方、メタン発酵工程3にて低級分子まで分解された家畜糞、尿混合物はアンモニア回収工程11へと導入され、ここで家畜糞、尿混合物中のアンモニアが除去され」と記載されることから、「アンモニア回収工程」は、メタン発酵工程後の低級分子まで分解された廃棄物中に含有するアンモニアを回収するものといえる。
さらに、記載事項(1-イ)及び(1-オ)によれば、上記「畜産廃棄物処理方法」は、畜産廃棄物処理設備から発生するアンモニアを有効に利用することを目的としたものであり、そのために、アンモニア回収工程で得られたアンモニアは、別途、資源として有効利用されることを意図するものいえる。
以上のことから、引用例1に記載された事項を本願発明に則して整理し直すと、引用例1には、
「メタン発酵槽の温度を30?55℃、総滞留時間を15?30日間として、畜産廃棄物を嫌気性細菌の働きによって発酵させてメタンを生成するメタン発酵工程と、メタンの脱硫工程とを含む該廃棄物中のメタンを回収する工程と、上記メタン発酵工程後の低級分子まで分解された廃棄物中に含有するアンモニアを回収するアンモニア回収工程と、アンモニア回収工程で得られたアンモニアを別途、資源として有効利用することを含む畜産廃棄物処理方法」の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認める。

5.対比
そこで、本願発明と引用発明とを比較すると、本願明細書の段落【0029】に「本発明において有機性廃棄物とは、例えば、畜産廃棄物や緑農廃棄物、排水処理汚泥などが挙げられる。」と記載されることから、引用発明の「畜産廃棄物」は、本願発明の「有機性廃棄物」に相当する。
つぎに、引用発明の「メタン発酵槽の温度を30?55℃、総滞留時間を15?30日間として、畜産廃棄物を嫌気性細菌の働きによって発酵させてメタンを生成するメタン発酵工程」は、記載事項(1-ウ)によれば、有機物を嫌気性細菌の働きによって発酵させてメタンを生成するものであるから、本願発明の「有機性廃棄物を高温メタン発酵菌によりメタン発酵させる発酵工程」と、有機性廃棄物を嫌気性細菌によりメタン発酵させる発酵工程である点で共通するものといえる。
つぎに、本願明細書の段落【0044】に「蛋白質等の窒素を含有する物質を原料とするメタン発酵液中には、数%以上の濃度の多量のアンモニアが含まれることもある。メタン発酵の発酵液からアンモニアを回収する方法は、特に限定されるものではない」と記載され、発酵工程後のメタン発酵液中に含まれるアンモニアを回収する方法は特に限定されないことから、引用発明の「上記メタン発酵工程後の低級分子まで分解された廃棄物中に含有するアンモニアを回収するアンモニア回収工程」は、本願発明の「前記メタン発酵後の発酵液から、発酵によって生成するアンモニアを回収するアンモニア回収工程」に相当する。
つぎに、本願明細書の段落【0008】に「本発明の課題は、有機性廃棄物を発酵処理することによって生成するアンモニアを回収するとともに、これを有効利用して付加価値の高い肥料や飼料を製造する方法を提供することである。」と記載され、回収したアンモニアを有効利用して別途、肥料や飼料を製造することが記載されているといえるから、引用発明の「アンモニア回収工程で得られたアンモニアを別途、資源として有効利用すること」は、本願発明の「前記アンモニア回収工程で回収されたアンモニアを、飼料原料と接触させるアンモニア処理工程」と、アンモニア回収工程で回収されたアンモニアを別途、有効利用する点で共通するものといえる。
以上のことを総合すると、本願発明と引用発明は、
「有機性廃棄物を嫌気性細菌によりメタン発酵させる発酵工程と、前記メタン発酵後の発酵液から、発酵によって生成するアンモニアを回収するアンモニア回収工程と、前記アンモニア回収工程で回収されたアンモニアを別途、有効利用することを含む方法。」の点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点1]本願発明のメタン発酵菌によりメタン発酵させる発酵工程は、「高温メタン発酵菌」によるものであるのに対し、引用発明の嫌気性細菌の働きによって発酵させてメタンを生成するメタン発酵工程は、「メタン発酵槽の温度を30?55℃、総滞留時間を15?30日間として」行うものである点。
[相違点2]本願発明は、「アンモニア回収工程で回収されたアンモニアを、飼料原料と接触させるアンモニア処理工程を含む飼料の製造方法」であるのに対し、引用発明は、「アンモニア回収工程で得られたアンモニアを別途、資源として有効利用することを含む畜産廃棄物処理方法」である点。

6.判断
[相違点1]について
本願発明の「有機性廃棄物を高温メタン発酵菌によりメタン発酵させる発酵工程」について本願明細書をみてみると、段落【0036】に「高含水率の原料(固形物濃度を10重量%程度まで)の場合は、完全混合方式の発酵槽を用い、高温メタン発酵菌(至適温度55℃)では、滞留時間(Retention Time)を15日間程度、中温メタン発酵菌(至適温度37℃)では、滞留時間を20?30日間程度とすることが可能である。」と記載されることから、上記「メタン発酵させる発酵工程」は、至適温度55℃の高温メタン発酵菌では、滞留時間を15日間程度とし、至適温度37℃の中温メタン発酵菌では、滞留時間を20?30日間程度とすることが可能であるといえる。
これに対して、引用発明の「メタン発酵工程」においては、「メタン発酵槽の温度を30?55℃、総滞留時間を15?30日間として」メタン発酵を行うものであり、この発酵条件からみて、上記「メタン発酵工程」は、嫌気性細菌として「高温メタン発酵菌」及び「中温メタン発酵菌」を用いるものであることが推認できる。
してみると、引用発明の「メタン発酵槽の温度を30?55℃、総滞留時間を15?30日間として、畜産廃棄物を嫌気性細菌の働きによって発酵させてメタンを生成するメタン発酵工程」は、嫌気性細菌として「高温メタン発酵菌」又は「中温メタン発酵菌」を用いることを含むものであり、本願発明の「有機性廃棄物を高温メタン発酵菌によりメタン発酵させる発酵工程」も含まれるものといえる。
したがって、相違点1は、実質的な相違点とはいえない。
また、仮に、相違しているとしても、引用発明の「メタン発酵工程」において「高温メタン発酵菌」又は「中温メタン発酵菌」のいずれを用いるかは、滞留時間を勘案して選択し得る設計的事項といえるから、相違点1に係る本願発明の発明特定事項は、引用発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。

[相違点2]について
まず、本願発明の「アンモニア回収工程で回収されたアンモニアを、飼料原料と接触させるアンモニア処理工程」について本願明細書をみてみると、段落【0058】、【0059】に「アンモニア処理(アンモニアの長時間曝気)は、常温から加温条件において、飼料原料の乾物重量あたり、例えば1?3重量%程度のアンモニアを添加することにより行われる。この処理は、密閉室あるいは密閉容器(例えば、袋状の軟質樹脂シート内)などで行うことができる。アンモニア処理の期間は、概ね20?30日間程度とすることが好ましい。
穀物の葉茎(例えば、藁類や半乾燥牧草など)をアンモニア処理することによって、飼料としての消化性、栄養価及び家畜の嗜好性が向上するとともに、保存時の品質も維持される。藁類の主成分であるセルロース、ヘミセルロース及びリグンなどは、互いに複雑に絡み合い、硬い組織を作って、微生物や酸素では分解されにくい組織を形成している。これにアンモニアを作用させると、加安分解(架橋結合の開裂などの分解反応と窒素が添加される反応)などが起って、そのままでは家畜が消化吸収することが困難な穀物の葉茎などが、消化吸収されやすくなり、粗蛋白価が高く、付加価値の高い飼料になる。」と記載されている。
そこで、アンモニアを飼料原料と接触させる処理について、本件出願時の技術水準をみてみると、引用例2には、記載事項(2-ア)に「ガス状アンモニアでわらを処理すると、わらの動物飼料の価値を著しく増大させることは本出願人のデンマーク特許第145051号から知られており」と記載され、さらに、記載事項(2-イ)に「本発明による方法はわらの処理に限定されず、セルロース成分の消化性を改良するという点で、セルロース成分がアンモニアによつて変性される任意のセルロース含有材料に適用できる。」と記載されることから、飼料の製造方法において、アンモニアでわらなどのセルロース含有材料を処理すると、セルロース成分がアンモニアによつて変性されることにより、セルロース成分の消化性を改良して動物飼料の価値を著しく増大させることが知られていたといえる。
さらに、飼料原料のアンモニア処理については、例えば、特開昭53-127178号公報(特に、第2ページ左上欄18行?同ページ右上欄4行を参照。)、特開昭60-164439号公報(特に、第1ページ左下欄12?13行、第2ページ右下欄6?11行を参照。)及び実願平2-77462号(実開平4-35799号)のマイクロフィルム(特に、明細書第1ページ16行?第2ページ6行を参照。)に記載されることから、本願発明における「アンモニア処理工程」として行われる、アンモニアを飼料原料と接触させるアンモニア処理は、飼料製造の技術分野において、本件出願前から周知の技術といえる。
つぎに、本願発明の「アンモニア処理工程」において、飼料原料と接触させるアンモニアとして、上記「アンモニア回収工程」で回収されたアンモニアを用いる理由について、本願明細書をみてみると、段落【0062】に「本発明の飼料製造方法では、高付加価値を持つ飼料を作る際のアンモニアとして、・・・あるいは嫌気性発酵設備の発酵残渣中からアンモニアを取出し、必要に応じ濃縮したものを使用する。このように、有機性廃棄物からアンモニアを回収することによって、工業薬品のアンモニアを使用する場合に比べて、アンモニア処理のコストを格段に低減することが可能となる。」と記載されることから、本願発明の「アンモニア処理工程」において、「アンモニア回収工程」で回収されたアンモニアを用いる理由は、有機性廃棄物から回収したアンモニアを使用することによって、工業薬品のアンモニアを使用する場合に比べて、アンモニア処理のコストを低減することにあるとみることができる。
一方、引用発明の「アンモニア回収工程で得られたアンモニア」についてみてみると、引用例1の記載事項(1-イ)によれば、従来、有効利用されなかった畜産廃棄物に含まれる比較的高価なアンモニアを有効に再利用するために、畜産廃棄物処理設備から発生するアンモニアを有効に利用することを目的としたものであり、得られたアンモニアの用途は特定されておらず、各種用途に使用可能であるといえるから、飼料原料と接触させるアンモニア処理に用いることも当然可能であり、それを妨げる要因も見当たらない。
さらに、「アンモニア処理工程」において飼料原料と接触させるアンモニアは、工業薬品のアンモニアを使用する場合に限らず、廃棄物から回収したアンモニアも使用できることは当然のことである(必要であれば、例えば、特開昭53-81384号公報(特に、第3ページ右上欄16行?同ページ左下欄2行参照。)。
してみると、引用発明の「アンモニア回収工程で得られたアンモニア」を別途、飼料製造において周知の「アンモニア処理工程」で使用することは、廃棄物から得られたアンモニアを資源として有効利用する観点から必要に応じて選択し得る用途の一つといえる。
したがって、相違点2に係る本願発明の構成は、引用発明及び引用例2に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たものであり、これによって格別の効果を奏するものともいえない。

7.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用例1及び2に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。
したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-04-27 
結審通知日 2011-05-11 
審決日 2011-05-24 
出願番号 特願2003-183791(P2003-183791)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B09B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 増田 健司富永 正史  
特許庁審判長 真々田 忠博
特許庁審判官 目代 博茂
斉藤 信人
発明の名称 有機性廃棄物由来の発酵産物の処理方法、飼料の製造方法  
代理人 石井 博樹  
代理人 石井 博樹  
代理人 石井 博樹  

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