• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 特17 条の2 、4 項補正目的 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1239695
審判番号 不服2009-13535  
総通号数 140 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-08-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-07-28 
確定日 2011-07-07 
事件の表示 平成11年特許願第 42930号「データ転送方法」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 9月 8日出願公開、特開2000-242574〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成11年2月22日の出願であって、平成20年4月14日付けの拒絶理由通知に対し、同年6月23日付けで意見書が提出されるとともに、同日付で手続補正がなされ、その後、平成21年1月28日付けの拒絶理由通知に対し、同年4月6日付けで意見書が提出されるとともに、同日付で手続補正がなされたが、同年4月22日付けで同年4月6日付け手続補正に対して補正の却下の決定がなされるとともに、同日付けで拒絶査定がなされたため、これに対し、同年7月28日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日付けで手続補正がされたものである。

2.平成21年7月28日付け手続補正についての補正却下の決定

[結論]
平成21年7月28日付け手続補正を却下する。
[理由]
(1)本件補正
平成21年7月28日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)は、平成20年6月23日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項(以下「補正前の請求項」という。)1?17を、平成21年7月28日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項(以下「補正後の請求項」という。)1?15に補正したものである。補正前の請求項1と補正後の請求項1は、以下のとおりである。

[補正前の請求項1]
「【請求項1】ネットワークを介して複数の送受信機にコンテンツデータを転送する方法であって、
複数の送受信機のうちの2つ以上を特定することにより、特定された送受信機がコンテンツデータを受け取る予定であることを示す転送先情報を含む予定転送先データベースを準備し、
ネットワークを介して予定転送先データベースおよびコンテンツデータを転送先情報によって特定される送受信機に転送することを特徴とするデータ転送方法。」

[補正後の請求項1]
「【請求項1】ネットワークを介して複数の送受信機にコンテンツデータを転送する方法であって、
複数の送受信機のうちの一の送受信機は、
自身以外の複数の送受信機のうちの2つ以上を特定することにより、当該特定された送受信機がコンテンツデータを受け取る予定であることを示す転送先情報を含む予定転送先データベースを作成し、
コンテンツデータを受信した送受信機は、
コンテンツデータを受信済みであることを示す情報を付加して、自身の予定転送先データベースを更新し、
更新された予定転送先データベースの転送先情報に記載されている全ての送受信機に対しては、更新した予定転送先データベースの複製を送信すると共に、
更新された予定転送先データベースの転送先情報によって特定される送受信機に対しては、更にコンテンツデータを送信することを特徴とするデータ転送方法。」

本件補正は、補正前の請求項1に「複数の送受信機のうちの一の送受信機は」との事項と「コンテンツデータを受信した送受信機は」との事項を追加する補正、補正前の請求項1に記載した事項である「複数の送受信機のうちの2つ以上を特定することにより、特定された送受信機がコンテンツデータを受け取る予定であることを示す転送先情報を含む予定転送先データベースを準備し」について、「自身以外の複数の送受信機のうちの2つ以上を特定することにより、当該特定された送受信機がコンテンツデータを受け取る予定であることを示す転送先情報を含む予定転送先データベースを作成し」とする補正、「ネットワークを介して予定転送先データベースおよびコンテンツデータを転送先情報によって特定される送受信機に転送する」について、「コンテンツデータを受信済みであることを示す情報を付加して、自身の予定転送先データベースを更新し、更新された予定転送先データベースの転送先情報に記載されている全ての送受信機に対しては、更新した予定転送先データベースの複製を送信すると共に、更新された予定転送先データベースの転送先情報によって特定される送受信機に対しては、更にコンテンツデータを送信する」とする補正をしたものである。

(2)補正事項の検討

(i)新規事項の追加について
本願の願書に最初に添付された明細書及び図面(以下「当初明細書等」という。)には、上記の補正事項における「」に関連して、図面とともに以下の事項が記載されている。

「 【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1である各送受信機の物理的伝送路を示す模式図である。送受信機1?4はケーブル5に接続され、各送受信機1?4は、ケーブル5を使って相手先送受信機を指定して、各種データを送受信できる。
【0016】
各送受信機は、動画,音声またはグラフィックデータと云ったコンテンツデータと、該当コンテンツデータを送る予定の送受信機についての情報をデータベースとして送受信する。このデータベースを図2に示す。このデータベースには、コンテンツデータの転送が予定されている送受信機(以下、「データ転送先」という)と、各送受信機に該当コンテンツデータが転送済みであるかどうかを示すフラグ(以下、「フラグ」という)が、それぞれデータ転送先とフラグが対応する形で表現されている。フラグは、「1」は受信済み、「0」は未受信、「2」は送信中または受信中、を示す。
【0017】
各送受信機は、コンテンツデータを送信する時は、データベースを添付して送信する。初めて、データベースを受信した送受信機は、コンテンツデータ毎に対応して、該当データベースを送受信機内に保持する(以下、「内部データベース」という)。更に、この内部データベースを、他の送受信機から送信されるデータベースの内容に従って更新する。
【0018】
送受信機のコンテンツデータ送信時の動作について説明する。
送受信機は内部データベース中フラグが「0」のデータ転送先から、乱数を用いて、転送先送受信機を決め、内部データベースの該当転送先送受信機のフラグを「0」から「2」に更新する。この内部データベースの複製を作成し、このデータベースを、内部データベース中「1」または「2」のフラグをもつ各送受信機に送信する。データベース送信後に、フラグ「2」に相当する転送先送受信機(自機をのぞく)にコンテンツデータを送信する。
【0019】
送受信機のコンテンツデータ受信時の動作ついて説明する。
コンテンツデータを受信中の送受信機の内部データベース中、該当送受信機のフラグは「2」(送信中または受信中)になっている。送受信機はコンテンツデータの受信を完了すると、内部データベース中該当送受信機に対応するデータ転送先のフラグを「2」から「1」に更新する。この内部データベースの複製を作成し、このデータベースを、内部データベース中「1」または「2」のフラグをもつ各送受信機(自機を除く)に送信する。
【0020】
送受信機のデータベースを受信した時の内部データベースの更新について説明する。
内部データベースを持つ送受信機は、既にコンテンツデータを受信済みか、または、コンテンツデータを受信中である。このため、データベースを受信する可能性のある送受信機は、内部データベースを持っている。
【0021】
各送受信機は、受信したデータベースを受信データベースとして保存する。送受信機は、受信データベースと内部データベースをデータ転送先毎にフラグを比較する。受信データベースと内部データベースでフラグが一致するデータ転送先については、更新は行わない。内部データベースでフラグが「2」であり受信データベースでフラグが「1」のデータ転送先については、内部データベースの該当するフラグを「1」に更新する。内部データベースでフラグが「0」であり受信データベースでフラグが「1」または「2」になっているデータ転送先については、内部データベースの該当するフラグをそれぞれ「1」または「2」に更新する。すべてのデータ転送先についてフラグの比較、更新を行ったのち、受信データベースは破棄する。データベースの比較中に別のデータベースを受信した場合は、最初のデータベースと内部データベースの比較、更新を行ったのち、次のデータベースと比較、更新を行う。
【0022】
上記のような、データベース更新手段をもつデータ転送方法の動作について説明する。
【0023】
送受信機1にコンテンツデータと転送予定送受信機のデータベースを入力する。図2に示したデータベースは、送受信機1にコンテンツデータが入力された直後の内部データベースであり、送受信機1はコンテンツデータを受信済みであるので、送受信機1に対応するフラグは「1」であり、他の送受信機のフラグは「0」になっている。
【0024】
送受信機1は、内部で乱数を発生させ、この乱数を利用して、転送予定データベースから「0」フラグのついた転送先送受信機を1つ選択する。例えば、この転送先送受信機を送受信機2とする。送受信機1は内部データベースの送受信機2に対応するフラグを「2」に変更したのち、内部データベースの複製とコンテンツデータを送受信機2に送信する。
【0025】
送受信機2は、データベース受信後コンテンツデータの受信を行い、受信完了後、内部データベースの送受信機2のフラグを「1」に変更する。送受信機2はこの内部データベースの複製を「1」のフラグの付いた送受信機1に送信する。送受信機1は、送受信機2のフラグが「1」になるように内部データベースを更
新する。
【0026】
その後、送受信機1は、内部で乱数を発生させ、この乱数を利用して、転送予定データベースから「0」フラグのついた転送先送受信機を1つ選択する。例えば、この転送先送受信機を送受信機3とする。送受信機1は内部データベースの送受信機3に対応するフラグを「2」に変更する。このとき、内部データベースでフラグが「1」の送受信機は、送受信機1と送受信機2である。そこで、内部データベースの複製を送受信機2に送信する。更に、送受信機3に内部データベースの複製およびコンテンツデータを送信する。
【0027】
送受信機2は、送受信機1からデータベースを受信し内部データベースを更新する。その結果、送受信機2の内部データベースは、送受信機1のフラグが「1」、送受信機2のフラグが「1」、送受信機3のフラグが「2」、送受信機4のフラグが「0」であったとする。このとき、送受信機2は、送受信機4を転送先送受信機として選択する。内部データベース中の送受信機4のフラグを「2」に更新し、内部データベースの複製を送受信機1、送受信機2および送受信機3に送信する。送受信機1、送受信機2および送受信機3は受信したデータベースに対応して各内部データベースの送受信機4のフラグを「2」に更新する。
【0028】
送受信機4は、送受信機3より早く受信を完了したとする。受信完了後、送受信機4は内部データベースを更新し、送受信機1のフラグが「1」、送受信機2のフラグが「1」、送受信機3のフラグが「2」、送受信機4のフラグが「1」になる。この内部データベースの複製を送受信機1、送受信機2および送受信機3に送信する。各送受信機は、各内部データベースの送受信機4のフラグを「1」に更新する。
【0029】
送受信機3が受信を完了すると、送受信機3はデータベースを更新し、送受信機1のフラグが「1」、送受信機2のフラグが「1」、送受信機3のフラグが「1」、送受信機4のフラグが「1」になる。このデータベースを送受信機1、送受信機2および送受信機4に送信する。各送受信機は、送受信機3のフラグを「1」に更新する。この結果、各送受信機のデータベースの各フラグは「1」になり、これでデータ転送が完了する。
【0030】
実施の形態1のデータ転送方法では、上記データベースを調査して、この時どの送受信機にコンテンツデータが転送されているか調べることができる。
【0031】
また、コンテンツデータに不備のあった場合は乱数を発生させ、この乱数を利用して上記データベース中にフラグが「1」の送受信機を適当に選択する。選択した送受信機から該当するコンテンツデータを転送することで、コンテンツデータを更新する。
【0032】
実施の形態1のデータ転送方法を利用すると、従来のクライアント・サーバ方式のデータ転送では、サーバ管理者が各送受信機に転送するか、またはクライアント側からサーバに要求してデータの複写を行っているため、データの転送の管理を行う必要があったが、データの受信に応じて自動的に転送を行うことができる。」(段落【0015】-【0032】)

以上の記載によると、当初明細書等には、「内部データベースの複製を作成し、内部データベース中「1」または「2」のフラグをもつ各送受信機(自機を除く)に送信する」との記載はなされているが、「更新された予定転送先データベースの転送先情報に記載されている全ての送受信機に対しては、更新した予定転送先データベースの複製を送信する」ことについての記載はなされていない。
また、当初明細書には、「フラグ「2」に相当する転送先送受信機(自機をのぞく)にコンテンツデータを送信する」との記載はなされているが、「更新された予定転送先データベースの転送先情報によって特定される送受信機に対しては、更にコンテンツデータを送信する」ことについては記載されていない。そして、当該構成は、当初明細書等の記載から自明な事項であるとも認められない。

そのため、本件補正によって追加された事項は、当初明細書等に記載した事項でなく、また当初明細書等に記載した事項から自明な事項でもない。また、本件補正によって追加された事項は、当初明細書等のすべての記載事項を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものではない。

したがって、本件補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
よって、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

(ii)目的要件違反について
本件補正は、補正後の請求項1と補正前の請求項1と比較すると、「コンテンツデータを受信した送受信機は、コンテンツデータを受信済みであることを示す情報を付加して、自身の予定転送先データベースを更新し、更新された予定転送先データベースの転送先情報に記載されている全ての送受信機に対しては、更新した予定転送先データベースの複製を送信すると共に」という手順をさらに備えることを付加する補正を行うものであって、補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項を限定するものではない。
また、補正後の請求項1と補正前の請求項2?17と比較すると、これらの請求項で規定されている事項について、補正後の請求項1で規定されていない事項が存在しているので、請求項1の補正が、補正前の請求項2?17に記載された発明を特定するために必要な事項を限定するものでもない。
結局、請求項1の補正は、補正前の何れの請求項に対しても、請求項に記載された発明を特定するために必要な事項を限定するものではない。

したがって、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に規定された特許請求の範囲の減縮を目的とするものではない。
また、本件補正は、特許法第17条の2第4項第1号、第3号、第4号の請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明の何れを目的とするものでもないことは明らかである。
よって、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

(3)補正却下の決定についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第3項の規定、及び、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項に規定する要件を満たしていないので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成20年6月23日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】ネットワークを介して複数の送受信機にコンテンツデータを転送する方法であって、
複数の送受信機のうちの2つ以上を特定することにより、特定された送受信機がコンテンツデータを受け取る予定であることを示す転送先情報を含む予定転送先データベースを準備し、
ネットワークを介して予定転送先データベースおよびコンテンツデータを転送先情報によって特定される送受信機に転送することを特徴とするデータ転送方法。」

4.引用例の記載

原査定の拒絶の理由において引用された、本願出願日前に頒布された特開平9-238240号公報(平成9年9月9日公開。以下「引用例」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。

A.「【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明は、通信網に接続された複数の通信装置に伝言情報をリレー転送するメッセージリレー転送方式において、発信元の通信装置は、前記伝言情報を伝達すべき通信装置のグループに対応した送信先リストを作成し、該送信先リストの中から1または複数の送信先に対して順次発信動作を開始し、該送信先が所定のメッセージリレー転送を実行する第1の通信手順による通信が可能な場合は、前記第1の通信手順により前記伝言情報と送信先リストを転送し、該送信先が前記第1の通信手順による通信が不可能な場合は、一般的な通信手順である第2の通信手順により伝言情報を転送すると共に、前記第1の通信手順により伝言情報と送信先リストを受信した各々の通信装置は、前記受信した送信先リストの中から未送信の1または複数の通信装置に対して、前記第1の通信手順による伝言情報と送信先リストの転送、または、前記第2の通信手順による伝言情報の転送を実行し、転送すべき送信先がなくなるまで、このメッセージリレー転送動作を繰り返すことを特徴とする情報の転送方法である。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の情報の転送方法において、前記第1の通信手順において、送信先リストを次の通信装置に転送する場合、前記送信先リストに発信元、または、発信元が指定する特定の通信装置の電話番号またはアドレス情報を付加して転送し、前記メッセージリレー転送動作を繰り返した後に、転送すべき送信先がなくなった時、前記発信元、または、発信元が指定する特定の通信装置に送信結果情報を通知することを特徴とする。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の情報の転送方法において、前記メッセージリレー転送の中継段階の各通信装置において、次段の通信装置に伝言情報を転送する際、所定の回数試行しても通信が不成立の場合、当該送信先を不達宛先として前記送信結果情報に追加し、前記第1の通信手順による通信が成立した次の送信先、または、発信元、または、発信元が指定する特定の通信装置に、前記送信結果情報を転送することを特徴とする。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の情報の転送方法において、前記伝言情報を伝達すべき通信装置の内、前記第1の通信手順で伝言情報と送信先リストを次の通信装置に転送する時、発信元からのパスワードを送信し、前記発信元からのパスワードを受信した通信装置は、該受信したパスワードと予め設定されている所定のパスワードとを比較し、パスワードが一致した場合は、前記メッセージリレー転送を継続し、パスワードが不一致の場合は、当該通信装置へのメッセージリレー転送を中断することを特徴とする。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の情報の転送方法において、着信時に所定のパスワードが一致した場合は、パスワードに関連づけて伝言情報を蓄積することを特徴とする。
【0012】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の情報の転送方法において、前記伝言情報として、音声データ、イメージデータ、バイナリデータの何れか1つまたは複数の種類のデータからなることを特徴とする。」(第4ページ第5欄22行目?同ページ第6欄27行目)

B.「【0023】
【発明の実施の形態】本実施形態の伝言装置は、音声,FAX,データ等からなるメッセージをリレー式に伝達する伝言方法およびその装置であり、本実施形態の伝言装置(メッセージリレー転送装置)は、メッセージ転送手段として、標準的な通信プロトコルと、独自の通信プロトコルを有し、例えば、複数の送信先電話番号のうち未送信分の中から1つの電話番号を選択して発呼し、相手の応答を監視して、所定時間または所定回数の再発呼を行っても相手が応答しない場合は、前記送信先電話番号を未応答電話番号として記録し、相手が応答した場合、前記標準的な通信プロトコルにより通信パラメータの整合性をチェックし、相手も独自通信プロトコルを有している場合は、独自通信プロトコルにより、パスワードと、送信元電話番号と、未送信電話番号の内、1つまたは複数の送信先電話番号と、順次伝言する1つまたは複数のメッセージとを順次伝達する。
【0024】そして、前記未送信分の送信先電話番号から、既に相手に送信した送信先電話番号を除外し、さらに送信先電話番号に未送信分の電話番号がなくなるまで上記メッセージ転送動作を行い、送信先のメッセージリレー転送装置からパスワード不一致情報を受信した時は、管理メモリの該当電話番号に送信完了情報を書き込む。また、パスワードが一致した時は、送信側は送信先電話番号から既に送信した送信先電話番号を削除した上で、送信先電話番号から未送信電話番号がなくなるまで、メッセージ連絡手段を行う。この時、受信側は、特定のメールボックスに蓄積したい場合、パスワードに関連づけてメッセージを蓄積させ、受信した該送信先電話番号から未送信電話番号を選択してメッセージを行い、送信側は動作を終了し受信側がメッセージ連絡を行う。また、メッセージ連絡において、送信先電話番号の中で未送信電話番号がない場合は送信元電話番号に発呼して未送信の電話番号と連絡終了の旨を通知する。
【0025】そして次に、送信先電話番号から未送信分の1つの電話番号を選択し、発呼してメッセージ転送動作を行い、先の通信パラメータの整合性チェックにおいて、相手が独自通信プロトコルを有していなければ、前記標準的な通信プロトコルによりメッセージのみ相手に送信し、送信終了後に送信先電話番号から未送信分の1つの電話番号を選択し、発呼してメッセージ転送動作を行う。
【0026】一方、上記メッセージリレー転送装置が通信網から着信を検出した場合は、着信に自動的に応答し、上述した独自通信プロトコルと標準的な通信プロトコルとを有している旨を、所定の通信プロトコルにより通知し、相手が標準の通信プロトコルしか有していない場合は、通常の通信による着信であるものと見なし、標準の通信プロトコルにより通信網から受信するメッセージを蓄積する。相手が独自通信プロトコルを有している場合は、独自通信プロトコルにより、通信網からパスワードと送信元電話番号と、1つまたは複数の送信先電話番号と、メッセージとを受信すると、前記メッセージを蓄積し、受信した前記パスワードと自装置に登録されているパスワードと比較して、一致すれば受信した前記送信元電話番号と前記送信先電話番号を記録し、通信終了後に先に受信した前記送信先電話番号の中から1つの電話番号を選択して前述したメッセージ転送動作を行う。」(第5ページ第8欄14行目?第6ページ第9欄21行目)

C.「【0035】以下、図3ないし図5を参照して各通信装置11?15における制御回路5の動作について説明する。
(1)メッセージ発信元(通信装置11)の送信動作
通信装置11において、送信指示手段6から送信する連絡グループの指示と、送信開始の指示とが行われると、ステップSA1に進み、まず、グループ・メッセージ管理メモリ4から、メッセージを送信する連絡グループのパスワードPと、指示された連絡グループ全ての送信先電話番号を読み出す。
【0036】そして、ステップSA2へ進み、読み出した送信先電話番号の内、未送信分の電話番号(以下、未送信電話番号という)があるか否かの判断を行う。ここで、もしなければ判断結果はNOとなり、動作を停止する。また、未送信電話番号がある場合はステップSA2における判断結果はYesとなり、ステップSA3へ進む。ステップSA3において、未送信電話番号の中から1つの電話番号を選択し、ステップSA4へ進んで、回線インタフェース1を制御して選択した電話番号に対し発呼する。
【0037】次に、ステップSA5において、発呼した相手からの応答を検出したか否かの判断を行う。ここで、発呼した相手から、所定時間、もしくは、所定回数、再発呼を行っても応答がない場合は、判断結果はNoとなって、ステップSA14へ進み、発呼した電話番号を未応答電話番号とした後、ステップSA2へ戻る。そして、ステップSA1で読み出した送信先電話番号の内、再度、未送信分電話番号の中から他の電話番号を選択(ステップSA3)して発呼する(ステップSA4)。
【0038】一方、発呼した相手から応答があった場合は、判断結果はYesとなって、ステップSA6へ進む。ステップSA6で、制御回路5は、CNG信号を送出して相手からのCED信号の有無を監視する。ここで、CNG信号は、発呼した通信装置が、自分がFAX端末であることを相手の通信装置に通知するための信号である。また、CED信号は、発呼された通信装置が、発呼した通信装置に対し、自分もFAX端末であることを通知する信号である。
【0039】そして、CED信号を受信すると、発呼した相手がFAX端末であることを認識する。また、ここまでの段階、すなわち、相手の通信装置がFAX端末であるとを認識するまでの段階を、一般にフェーズAという。フェーズAが終了すると、次に、相手の通信装置のデータ転送速度やFAX文書を印字する用紙のサイズ等のメッセージ連絡機能等の認識を行うフェーズBに移行する。このフェーズBにおいて、制御回路5は、まず、送信先からのメッセージ連絡機能表示を含むNSF信号を監視する。
【0040】ここで、NSF信号は、主に送信先の通信装置が独自に有するFAX機能(例えば暗号通信機能等)を、送信元の通信装置に通知する信号であり、送信先の通信装置に付与された国コードと企業コード等も含まれている。このNSF信号は、一般にメッセージ連絡機能表示(データ転送速度,用紙サイズ等の通知)と共に、送信先の通信装置へ送信される。また、通信装置11?15は、このNSF信号によって、送信元の通信装置へ、自装置に登録されたパスワードと、本実施形態における伝言方法の実行機能を有していることを通知する(後述する)。
【0041】そして、ステップSA7において、メッセージ連絡機能表示を含むNSF信号を受信したか否かの判断を行う。ここで、もし送信相手がファクシミリ16等、本実施形態の伝言方法を実施する機能を持たない装置である場合は、メッセージ連絡機能表示を受け取らないことになり、ステップSA7における判断結果はNOとなって、ステップSA15へ進む。
【0042】そして、ステップSA15において、画像送信フェーズであるフェーズCへ移行し、制御回路5はメッセージメモリ3に蓄積されたFAX文書を読み出した後、モデム2を制御し、回線インタフェース1を介してファクシミリ16に送信する。そして、グループ・メッセージ管理メモリ4に、ファクシミリ16に対してメッセージの送信が完了した旨を示す送信完了情報を書き込み、これをもってファクシミリ16の電話番号を未送信電話番号の管理外とする。その後、回線を開放し、ステップSA2へ戻って、未送信電話番号があれば、その中から1つの電話番号を選択(ステップSA3)し、回線インタフェース1を制御して発呼(ステップSA4)し、他の通信装置へのメッセージの送信を続行する。
【0043】一方、送信先の通信装置が通信装置12?15である場合は、メッセージ連絡機能表示を含むNSF信号を受信することになり、ステップSA7における判断結果がYESとなる。その場合、ステップSA8へ進み、送信先リストとして分割する未送信電話番号(未応答電話番号を含む)があるか否かの判断を行う。すなわち、現在の未送信電話番号の件数を分けることができるか否かの判断を行い、分けることができるならば、判断結果はYESとなり、できないならばNOになる。
【0044】例えば、現在の未送信電話番号が、現在通信中の通信装置と、もう1つの通信装置の2件あった場合は、分けることができるとして判断結果はYESとなる。また、現在の未送信電話番号が、現在通信中の通信装置のものしかない場合は判断結果はNOとなり、ステップSA16へ進み、その通信装置に対してメッセージ連絡機能表示を含むNSS信号をモデム2を制御し、回線インターフェース1を介して送信すると共に、ステップSA1で読み出したパスワードPとFAX文書を送信後、動作を停止する。
【0045】ステップSA8において、判断結果がYESとなると、ステップSA9へ進み、メッセージ連絡機能表示を含むNSS信号を、モデム2を制御し、回線インタフェース1を介して送信先の通信装置に送信する。ここで、上述したNSS信号は、上述したNSF信号に含まれる国コード、企業コードが、自分の国コードと企業コードに一致した場合した場合に、独自に有するFAX機能を送信先の通信装置へ通知する信号である。また、通信装置11?15は、前述したNSF信号によって送信先の通信装置が本実施形態における伝言方法を実施する機能を有していると判明した時は、このNSS信号によって、本実施形態における伝言方法をこれから実行することを、上記送信先の通信装置へ通知する。
【0046】そして、メッセージ連絡機能表示と共にNSS信号送信後、画像送信フェーズであるフェーズCへ移行すると、パスワードPと、送信元電話番号(この場合、FAX文書の発信源である通信装置11自身の電話番号)、さらに、未送信電話番号の有無を確認し、なければメッセージメモリ3に蓄積されたFAX文書をモデム2を制御して、回線インターフェース1を介して送信先の通信装置に送信する。そして、通信終了後、動作を終了する。また、送信先電話番号があれば、未送信電話番号の半分を送信先リストとして、モデム2を制御して回線インタフェース1を介して送信する。
【0047】ここで、未送信電話番号の半分とは、未送信の送信先電話番号の中から現在通信中である通信装置の電話番号を除き、残りの送信先電話番号の半数を送信することを意味する。また、未送信の送信先電話番号の中から現在通信中の通信装置の電話番号を除いた結果、奇数個の電話番号になったときは、多い方の電話番号を送信する。例えば、未送信電話番号が6つあった場合、その中から現在通信中である通信装置の電話番号を除き、残り5つの電話番号の中から3つの電話番号を送信する。
【0048】また、さらにメッセージメモリ3に蓄積されたFAX文書を、モデム2を制御して回線インタフェース1を介して送信先の通信装置に送信する。そして、ステップSA10へ進み、その通信装置からパスワードが不一致だった旨の通知を含むMCF信号を受信したか否かを判断する。ここで、MCF信号とは、FAX文書を受信する側の通信装置が、1ページ分のFAXデータを受信する毎に出力する信号であり、これにより送信側の通信装置は、送信先の通信装置がFAXデータを受信したことを確認する。」(第7ページ第11欄5行目?第8ページ第13欄47行目)

D.「【0052】(2)網から着信を検出した通信装置の着信動作
本実施形態における通信装置が、通信網10から着信を検出した時は、まず、図4に示すステップSB1へ進み、回線インタフェース1を制御して着信に応答し、モデム2を制御してCNG信号の監視を行う。そして、ステップSB2において、CNG信号を検出するまで監視し続け、CNG信号を検出すると、判断結果がYESとなってステップSB3へ進む。ステップSB3では、モデム2を制御して、回線インタフェース1を介して自装置を発呼した通信装置(以下、送信側通信装置という)にCED信号を送信し、フェーズBに移行する。
【0053】すなわち、ステップSB4へ進み、メッセージ連絡機能表示を含むNSF信号を、送信側通信装置へ送信し、これに応じてメッセージ連絡機能表示を含むNSS信号の監視を行う。そして、ステップSB5へ進み、メッセージ連絡機能表示を含むNSS信号を受信したか否かの判断を行い、受信したNSS信号により、送信側通信装置が本実施形態の伝言方法を実施する機能を持たないと判明した場合は、判断結果がNOとなり、ステップSB31へ進む。
【0054】ステップSB31では、その送信側通信装置を通常のFAX端末と見なし、従来通りのFAX受信を行う。すなわち、フェーズCへ移行し、回線インタフェース1、モデム2を介して受信したFAX文書をメッセージメモリ3に蓄積する。その後、送信側通信装置からDCN信号を受信すると、回線を開放して動作を終了する。ここで、DCN信号は、FAXデータの送受信を終了させる信号であり、送信側通信装置から出力される。
【0055】一方、ステップSB5で、メッセージ連絡機能表示を含むNSS信号を受信し、送信側通信装置が本実施形態の伝言方法を実施する機能を持っていることが判明すると、判断結果がYESとなってステップSB6へ進む。ステップSB6において、上述したNSS信号を受信後、引き続き回線インターフェース1を介してモデム2により受信された情報に、送信完了情報(後述する)が含まれているか否かを判断する。
【0056】ここで、もし送信完了情報を受信した場合は、判断結果がYESとなり、メッセージの発信元となった通信装置において、送信したメッセージが1つの伝言経路の末端まで到達したと見なし、ステップSB32以下の処理を行うが、この場合については、後で詳しく述べることにする。よってここでは、送信完了情報を受信しなかったとして、判断結果がNOとなり、ステップSB7へ進む。
【0057】ステップSB7において、フェーズCへ移行し、送信側通信装置よりNSS信号に続いて送信されてくるパスワード,送信元電話番号,送信先電話番号(未応答電話番号を含む送信先リスト),FAX文書を順次受信し、このうち、受信したFAX文書をステップSB8においてメッセージメモリ3に蓄積する。次にステップSB9に進み、グループメッセージ管理メモリ4から、パスワードPを読み出して、受信したパスワードと比較する。
【0058】ここで、送信側通信装置が、自装置に登録されたパスワードと異なるパスワードであった場合(例えば、送信側通信装置が通信装置15、受信側通信装置が通信装置11だった場合)、ステップSSB10における判断結果がNOとなり、ステップSB11へ進み、受信した送信元電話番号および、送信先電話番号を無視する。そして、ステップSB12で、モデム2を制御し、パスワード不一致情報を含むMCF信号を回線インタフェース1を介して送信側通信装置へ送信する。
【0059】一方、送信側通信装置が、自装置に登録されたパスワードと同じパスワードであった場合(例えば、送信側通信装置が通信装置12、受信側通信装置が通信装置11だった場合)、判断結果がYESとなり、ステップSB13へ進み、メッセージメモリ3に蓄積したFAX文書を、受信したパスワードに関連づけてグループ・メッセージ管理メモリ4に記録する。すなわち、ステップSSB7で受信したFAX文書が、共通のパスワードPが登録された複数の通信装置の1つから送信されたことを認識し得る情報と共に、グループ・メッセージ管理メモリ4に記録される。
【0060】そして、図5のステップSB14へ進み、グループ・メッセージ管理メモリ4からパスワードPと、ステップSB7で受信した送信先リストに記述された送信先電話番号を全て読み出し、ステップSB15へ進む。ステップSB15では、ステップSB14で読み出した送信先電話番号の内、未送信電話番号があるか否かの判断を行う。もし未送信電話番号があれば、判断結果はYESとなって、ステップSB16へ進み、未送信電話番号の中から1つの電話番号を選択し、回線インターフェース1を制御して選択した電話番号に対し発呼を行い、ステップSB17へ進む。
【0061】そして、以下のステップSB17?SB30(但しステップSB26を除く)の処理は、先に説明した図3のステップSA5?SA17の処理と同様になるため、その説明を省く。ここで、ステップSB29(ステップSB20で、送信先リストとして、分割する未送信電話番号がなかった場合;図3、ステップSA16に対応)において、ステップSA16では、パスワードPとFAX文書のみ送信していたが、ステップSB29においては、これらに加え、メッセージの発信源となった通信装置(送信元通信装置)の電話番号も送信している。」(第8ページ第14欄30行目?第9ページ第16欄26行目)

上記の摘記A.?D.によれば、引用例には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

「通信網に接続された複数の通信装置に伝言情報をリレー転送するメッセージリレー転送方式において、
伝言情報として、音声データ、イメージデータ、バイナリデータの何れか1つまたは複数の種類のデータからなり、
発信元の通信装置は、前記伝言情報を伝達すべき通信装置のグループに対応した送信先リストを作成し、
該送信先リストの中から1または複数の送信先に対して順次発信動作を開始し、
該送信先が所定のメッセージリレー転送を実行する第1の通信手順による通信が可能な場合は、前記第1の通信手順により前記伝言情報と送信先リストを転送し、
前記第1の通信手順により伝言情報と送信先リストを受信した各々の通信装置は、
前記受信した送信先リストの中から未送信の1または複数の通信装置に対して、前記第1の通信手順による伝言情報と送信先リストの転送を実行し、
転送すべき送信先がなくなるまで、このメッセージリレー転送動作を繰り返すことを特徴とする情報の転送方法。」

5.対比
本願発明と引用発明を対比する。

引用発明の「通信網」は、本願発明の「ネットワーク」に相当する。
引用発明の「通信装置」は、本願発明の「送受信機」に相当する。
引用発明の「伝言情報」は、音声データ、イメージデータ、バイナリデータの何れか1つまたは複数の種類のデータからなっているので、引用発明の「伝言情報」は「コンテンツデータ」であると言える。そして、引用発明は、「通信網に接続された複数の通信装置に伝言情報をリレー転送するメッセージリレー転送方式」であるので、引用発明と本願発明は「ネットワークを介して複数の送受信機にコンテンツデータを転送する方法」である点で共通する。
引用発明の発信元の通信装置は、伝言情報を伝達すべき通信装置のグループに対応した送信先リストを作成しているので、引用発明の「送信先リスト」は、本願発明の「特定された送受信機がコンテンツデータを受け取る予定であることを示す転送先情報を含む予定転送先データ」に相当する。
また、引用発明の発信元の通信装置は、送信先リストの中から1または複数の送信先に対して順次発信動作を開始しているので、引用発明の「送信先リスト」には、1または複数の送信先の転送先情報が含まれていることは明らかである。そのため、引用発明の「送信先リスト」は、複数の通信装置のうちの2つ以上を特定するしていることになり、引用発明と本願発明は、「複数の送受信機のうちの2つ以上を特定する」点で一致している。
引用発明は、第1の通信手順により伝言情報と送信先リストを受信した各々の通信装置は、前記受信した送信先リストの中から未送信の1または複数の通信装置に対して、前記第1の通信手順による伝言情報と送信先リストの転送を実行しているので、引用発明は、本願発明と「ネットワークを介して予定転送先データ」「およびコンテンツデータを転送先情報によって特定される送受信機に転送」する点で一致している。

すると、本願発明と引用発明とは、次の点で一致する。

一致点
「ネットワークを介して複数の送受信機にコンテンツデータを転送する方法であって、
複数の送受信機のうちの2つ以上を特定することにより、特定された送受信機がコンテンツデータを受け取る予定であることを示す転送先情報を含む予定転送先データを準備し、
ネットワークを介して予定転送先データおよびコンテンツデータを転送先情報によって特定される送受信機に転送することを特徴とするデータ転送方法。」

一方、両者は次の点で相違する。

相違点
本願発明は、転送先情報を含む予定転送先データベースを準備し、ネットワークを介して予定転送先データベースを送受信機に転送するものであるのに対し、引用発明は、転送先情報を含む予定転送先データ(リスト)を準備し、送受信機に転送するものであり、データベースを準備、転送するものではない点。

6.当審の判断
通信装置において、通信に関するデータを扱う手段としてデータベースを用いることは文献をあげるまでもなく周知技術である。そして、本願発明は、転送先情報を予定転送先データベースにより管理しているが、引用発明の予定転送先データ(リスト)を用いることと比較して格別の効果を生じているものとは認められないので、引用発明の予定転送先データ(リスト)をデータベースによるものとして本願発明のように構成することは、当業者であれば容易に成し得ることである。

そして、本願発明のように構成したことによる効果も、引用発明及び周知技術から予測できる程度のものである。

7.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-04-27 
結審通知日 2011-05-10 
審決日 2011-05-24 
出願番号 特願平11-42930
審決分類 P 1 8・ 57- Z (G06F)
P 1 8・ 561- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 田内 幸治須藤 竜也  
特許庁審判長 大野 克人
特許庁審判官 安島 智也
安久 司郎
発明の名称 データ転送方法  
代理人 酒井 宏明  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ