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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する A63F
管理番号 1240069
審判番号 訂正2011-390057  
総通号数 141 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-09-30 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2011-05-18 
確定日 2011-06-30 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4714968号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4714968号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第4714968号発明(平成12年8月1日出願、優先日:平成12年6月12日、平成23年4月8日設定登録)の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、下記のとおり訂正することを求めるものである

(訂正事項1)
特許請求の範囲を、次のとおり、請求項2を削除し、請求項3?8について項数を繰り上げ、その従属関係について調整するよう訂正をする(下線部が訂正部分である)。

「【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技制御を行う制御手段と、
該制御手段が設けられる被設手段と、
該被設手段を収容する収容手段とを備えた遊技機において、
前記制御手段は、所定の内容が記憶されている記憶手段を有し、
前記被設手段は、
前記被設手段を前記収容手段に収容した状態で、前記所定の内容を前記収容手段の外部から確認するための第1接続手段が設けられる第1被設部と、
遊技機に設けられる所定の装置と前記制御手段とを電気的に接続するための第2接続手段が設けられる第2被設部とを有し、
前記第1被設部は、前記被設手段の第1辺寄りに設けられ、
前記第2被設部は、前記被設手段の第2辺寄りに設けられ、
前記第2接続手段の、前記第2被設部から第2接続手段へ向かう方向には保護部材が設けられており、
かつ、
前記第1接続手段の、前記第1被設部から第1接続手段へ向かう方向には前記保護部材が設けられていないことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記保護部材は、前記所定の装置を保護する部材であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記所定の装置は、前記制御手段とは異なり、所定の制御を行う第2の制御手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記所定の装置は、所定条件の成立を検出する検出手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項5】
前記所定の装置は、所定の駆動手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項6】
前記収容手段は、第1カバー部と第2カバー部とを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項7】
前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の遊技機。」

(訂正事項2)
明細書の段落【0006】における「また、前記第2辺は、前記第1辺に向い合う辺であることとしてもよい。」を削除する。

2.当審の判断
訂正事項1のうち請求項2を削除する訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、訂正事項1のうち、項数を繰り上げる訂正及び従属関係を調整する訂正は、請求項2の削除に伴って形式を整えるものであるから、明りようでない記載の釈明を目的とするものである。
訂正事項2は請求項2の削除に伴って、請求項2記載の遊技機の構成について説明している段落【0006】における記載を削除するものであるから、明りようでない記載の釈明を目的とするものである。

さらに、上記訂正事項1及び2は、いずれも訂正前の明細書に記載されていた請求項2記載の遊技機に関する事項の削除及び削除に伴って他の請求項の項数、従属関係について形式を整えることのみを行うものであるから、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてされたものであり、また、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。

3.むすび
したがって、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第2項乃至第4項の規定に適合する。
また、請求項1については訂正が求められていないので、請求項1に係る発明は同条第5項の「訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明」には当たらず、該発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討する必要はない。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技制御を行う制御手段と、
該制御手段が設けられる被設手段と、
該被設手段を収容する収容手段とを備えた遊技機において、
前記制御手段は、所定の内容が記憶されている記憶手段を有し、
前記被設手段は、
前記被設手段を前記収容手段に収容した状態で、前記所定の内容を前記収容手段の外部から確認するための第1接続手段が設けられる第1被設部と、
遊技機に設けられる所定の装置と前記制御手段とを電気的に接続するための第2接続手段が設けられる第2被設部とを有し、
前記第1被設部は、前記被設手段の第1辺寄りに設けられ、
前記第2被設部は、前記被設手段の第2辺寄りに設けられ、
前記第2接続手段の、前記第2被設部から第2接続手段へ向かう方向には保護部材が設けられており、
かつ、
前記第1接続手段の、前記第1被設部から第1接続手段へ向かう方向には前記保護部材が設けられていないことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記保護部材は、前記所定の装置を保護する部材であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記所定の装置は、前記制御手段とは異なり、所定の制御を行う第2の制御手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記所定の装置は、所定条件の成立を検出する検出手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項5】
前記所定の装置は、所定の駆動手段であることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【請求項6】
前記収容手段は、第1カバー部と第2カバー部とを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項7】
前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機やスロットマシン等の回胴式遊技機に代表される遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パチンコ遊技機、スロットマシン等の遊技機の制御は、かかる制御を実行するCPU、制御プログラムを記憶したROM、及び遊技状況を記憶するRAM等を含む制御回路基板を備えることによって行われている。制御回路基板は、例えばパチンコ遊技機では遊技盤の背面側等に配設される専用の基板ボックス内に収納されているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かかる基板ボックスに収納された制御回路基板から遊技内容等に関する制御プログラムが記憶されたROM等を取り外し交換して、遊技機の遊技内容を変更等する不正行為が近年問題になっている。
【0004】
本発明は以上例示した事情等に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、不正行為を抑制することのできる遊技機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的等を解決するべく、本発明においては、
遊技制御を行う制御手段と、
該制御手段が設けられる被設手段と、
該被設手段を収容する収容手段とを備えた遊技機において、
前記制御手段は、所定の内容が記憶されている記憶手段を有し、
前記被設手段は、
前記被設手段を前記収容手段に収容した状態で、前記所定の内容を前記収容手段の外部から確認するための第1接続手段が設けられる第1被設部と、
遊技機に設けられる所定の装置と前記制御手段とを電気的に接続するための第2接続手段が設けられる第2被設部とを有し、
前記第1被設部は、前記被設手段の第1辺寄りに設けられ、
前記第2被設部は、前記被設手段の第2辺寄りに設けられ、
前記第2接続手段の、前記第2被設部から第2接続手段へ向かう方向には保護部材が設けられており、
かつ、
前記第1接続手段の、前記第1被設部から第1接続手段へ向かう方向には前記保護部材が設けられていないことを特徴とする。
【0006】
【0007】
また、前記保護部材は、前記所定の装置を保護する部材であることとしてもよい。
【0008】
また、前記所定の装置は、前記制御手段とは異なり、所定の制御を行う第2の制御手段であることとしてもよい。
【0009】
また、前記所定の装置は、所定条件の成立を検出する検出手段であることとしてもよい。
【0010】
また、前記所定の装置は、所定の駆動手段であることとしてもよい。
【0011】
また、前記収容手段は、第1カバー部と第2カバー部とを含むこととしてもよい。
【0012】
また、前記遊技機はパチンコ遊技機であることとしてもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
手段1.遊技を司る制御手段を備えた遊技機であって、前記制御手段内において予め記憶されている事項を外部から確認可能としたことを特徴とする遊技機。
【0014】
手段1によれば、遊技を司る制御手段内において予め記憶されている事項を外部から確認することができる。このため、制御手段を外部から取外し不能に構成したとしても検査等の確認を行うことができることとなり、かかる構成を採用することで、不正行為の防止を図ることができる。また、制御手段を設置した状態のままで確認作業を行うことができ、制御手段が例えば何らかによって被包されている場合であっても被包状態を解除したりする必要がない。従って、確認作業の簡素化を図ることができる。なお、「前記事項を、電源を投入した状態(又は遊技状態)においても外部から確認可能」としてもよい。かかる構成とすることで、いちいち電源をオフ状態にすることなく、又は遊技状態中においても確認を行うことができる。このため、ホールコンピュータ(遊技場に設置された統括制御装置)側での管理・確認を営業中であっても行うことが可能となる。
【0015】
手段2.前記制御手段とは別に設けられ前記事項を外部から確認するための媒介手段を設けたことを特徴とする手段1に記載の遊技機。
【0016】
手段2によれば、媒介手段を介して制御手段内において予め記憶されている事項を外部から確認することができる。
【0017】
手段3.前記制御手段は制御基板に設けられ、かつ、前記媒介手段は前記制御基板に対し直接的又は間接的に設けられていることを特徴とする手段2に記載の遊技機。特に、「制御手段は制御基板に取外し困難に固着されていること」、或いは「制御手段は制御基板に対し固着手段(例えばハンダ等)にて固着されていること」とすることで、制御手段が取り外されることによる不正行為の抑制をより確実に防止することができる。また、媒介手段が前記制御基板に対し直接的に設けられている場合の態様としては、制御基板に対し実装されている場合が挙げられる。さらに、媒介手段が前記制御基板に対し間接的に設けられている場合の態様としては、例えば制御基板に対して中間部材を介して設けられる場合や、制御基板とは離間した部位において別途設けられている場合(この場合、媒介手段及び制御基板間が電気的に接続されていたり、通信可能となっていたりすることで前記事項を確認できるような構成となっている必要がある)が挙げられる。
【0018】
手段4.前記制御手段を前記制御基板から取り外すことなく、前記事項を外部から確認可能としたことを特徴とする手段3に記載の遊技機。
【0019】
手段4によれば、制御手段を制御基板に取り外すことができないよう、或いは困難なように構成したとしても、制御手段を制御基板から取り外さずとも前記事項を外部から確認できるため、上記構成を採用することで、不正行為の防止を図ることができる。また、確認に際しては、制御手段を前記制御基板から取り外す手間を省略でき、また、確認後の設置作業も不要となる。
【0020】
手段5.少なくとも前記制御手段を被包した状態で閉鎖状態に維持可能な被包部材を備え、前記閉鎖状態を維持したまま、前記事項を外部から確認可能としたことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
【0021】
手段5によれば、少なくとも前記制御手段を被包した状態で被包部材が閉鎖状態に維持されうる。従って、被包部材による閉鎖状態を解除しない限り制御手段が不正によって取り替えられたりすることがなく、不正防止を図ることができる。また、確認に際しては、閉鎖状態を維持したまま、前記事項を外部から確認することができる。従って、被包部材の閉鎖状態を解除する手間及び確認後再度閉鎖状態に維持する手間を省略することが可能となる。
【0022】
手段6.遊技を司る制御手段と、前記制御手段を被包した状態で閉鎖状態に維持可能な被包部材とを備え、前記制御手段内には所定の事項が予め記憶されている遊技機において、前記閉鎖状態を維持したまま、前記制御手段から前記所定の事項を確認するのを許容する媒介手段を、前記被包部材の所定部位に対応させて少なくとも一部が露出した状態又は露出可能な状態で設けたことを特徴とする遊技機。なお、媒介手段が設けられることに伴い、被包部材には開口又は凹部が形成されることもありうる。この場合、「前記被包部材には、媒介手段のための開口又は凹部が設けられていること」が特徴点となる。
【0023】
手段6によれば、遊技を司る制御手段を被包した状態で被包部材が閉鎖状態に維持されうる。制御手段内には所定の事項が予め記憶されている。そして、確認作業に際しては、被包部材の所定部位に対応して少なくとも一部が露出した状態又は露出可能な状態で設けられた媒介手段を介して、前記閉鎖状態を維持したまま、制御手段から所定の事項を確認することができる。このため、制御手段を取外し不能又は困難とするよう構成したとしても確認に支障が生じない。従って、かかる構成を採用することで、しかも、被包部材が閉鎖状態に維持されていることもあって、制御手段が取り外されるという不正行為がより確実に抑制される。また、確認に際しては、閉鎖状態を解除する手間及び確認後閉鎖状態に復帰させる手間を省略することができる。なお、「前記閉鎖状態を維持したまま、かつ、電源を投入した状態(又は遊技状態)にあっても前記制御手段から前記所定の事項を確認するのを許容する媒介手段外部から確認可能」としてもよい。かかる構成とすることで、いちいち電源をオフ状態にすることなく、又は遊技状態中においても確認を行うことができる。このため、ホールコンピュータ(遊技場に設置された統括制御装置)側での管理・確認を営業中であっても行うことが可能となる。
【0024】
手段7.前記所定部位は、前記被包部材の略周辺部位であることを特徴とする手段6に記載の遊技機。
【0025】
手段7によれば、媒介手段が被包部材の略周辺部位に対応して設けられるため、各種設計の自由度を阻害しにくい。また、被包部材と部分的に重複して別部材が配設されるような場合には、該別部材と媒介手段とを離間させた配置構成としやすく、その結果、媒介手段の少なくとも一部の露出状態を確保しやすくなる。
【0026】
手段8.他の装置及び被包部材の一部を異物から保護するための保護部材を配設するとともに、前記所定部位を前記保護部材の非配設部位としたことを特徴とする手段6又は7のいずれかに記載の遊技機。
【0027】
手段8によれば、媒介手段が保護部材から外れた部位に位置するため、検査に際し保護部材が邪魔とならず、かつ、保護部材を取り外したりする必要もなくなる。そのため、保護部材の存在によって確認に手間が生じるという事態を回避することができる。
【0028】
手段9.前記被包部材は、前記制御手段と、前記媒介手段とは別に遊技機に設けられた他の装置との間で通信を行うための接合端子を露出状態で有してなり、かつ、少なくとも該接合端子が前記保護部材で保護されるよう構成したことを特徴とする手段8に記載の遊技機。
【0029】
手段9によれば、少なくとも他の装置との間で通信を行うための接合端子が保護部材で保護される。一方で、媒介手段が保護部材から外れた部位に位置するため、確認に際し保護部材が邪魔とならず、しかも、前記接合端子の接合状態を解除する必要もない。
【0030】
手段10.前記媒介手段は、露出状態となる部位を除いて前記被包部材に設けられた壁部材にて保護されていることを特徴とする手段6乃至9のいずれかに記載の遊技機。
【0031】
手段10によれば、壁部材の存在により媒介手段が保護される。従って、異物等が当たったりすることによる損傷が極力抑制される。
【0032】
手段11.前記制御手段は前記被包手段にて被包されてなる制御基板に設けられ、かつ、前記媒介手段は前記制御基板に対し直接的又は間接的に設けられていることを特徴とする手段6乃至10のいずれかに記載の遊技機。特に、「制御手段は制御基板に取外し困難に固着されていること」、或いは「制御手段は制御基板に対し固着手段(例えばハンダ等)にて固着されていること」とすることで、制御手段が取り外されることによる不正行為の抑制をより確実に防止することができる。また、媒介手段が前記制御基板に対し直接的に設けられている場合の態様としては、制御基板に対し実装されている場合が挙げられる。さらに、媒介手段が前記制御基板に対し間接的に設けられている場合の態様としては、例えば制御基板に対して中間部材を介して設けられる場合や、制御基板とは離間した部位において別途設けられている場合(この場合、媒介手段及び制御基板間が電気的に接続されていたり、通信可能となっていたりすることで前記事項を確認できるような構成となっている必要がある)が挙げられる。
【0033】
手段12.前記制御手段は、遊技にかかわる制御とは切り離された独立記憶部を有してなり、該独立記憶部に前記事項が記憶されていることを特徴とする手段1乃至11のいずれかに記載の遊技機。ここで、「遊技にかかわる制御とは切り離された」とあるのは、「具体的な遊技内容(演出等)に直接関係のない」、或いは「それ(独立記憶部)がなくても遊技の実行を継続的に導出することができる」という意味が含まれる。従って、例えば正規の独立記憶部が備えられている場合に限って電源投入時の立ち上げが許容され、逆にそれが備えられていない場合には電源投入時の立ち上げが許容されないような特性(機能)を独立記憶部が有していたとしても差し支えない。
【0034】
手段12によれば、制御手段に設けられた独立記憶部に前記事項が記憶されており、該独立記憶部は遊技にかかわる制御とは切り離されている。このため、遊技に支障を来すことがなく、しかも、場合によっては遊技中であっても前記事項の確認を行うこともできる。
【0035】
手段13.少なくとも遊技を司る機能を有する回路を備えてなる回路基板と、前記回路基板を被包した状態で閉鎖状態に維持可能な被包部材とを備え、前記回路基板は、少なくとも遊技内容とは無関係の事項を予め記憶してなる独立記憶部を有している遊技機において、前記閉鎖状態を維持したまま、前記独立記憶部から前記事項を確認するのを許容する媒介手段を、前記被包部材の所定部位から少なくとも一部が露出した状態又は露出可能な状態で設けたことを特徴とする遊技機。
【0036】
手段13によれば、少なくとも遊技を司る機能を有する回路を備えてなる回路基板を被包した状態で、被包部材が閉鎖状態に維持されうる。従って、回路や回路基板に対する不正を行いにくくすることができる。また、回路基板は、少なくとも遊技内容とは無関係の事項を予め記憶してなる独立記憶部を有しており、被包部材の所定部位から少なくとも一部が露出した状態又は露出可能な状態で設けられた媒介手段を介して、前記閉鎖状態を維持したまま、前記独立記憶部から前記事項を確認することができる。従って、閉鎖状態を解除する手間及び確認後閉鎖状態に復帰させる手間を省略することができる。
【0037】
手段14.前記事項は、プログラム、データ及びアドレスの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする手段1乃至13のいずれかに記載の遊技機。ここで、プログラムとしては、例えば制御プログラム、設定プログラム等が挙げられる。特に、遊技内容とは無関係のプログラムとして、例えば確認用の設定プログラム等が挙げられる。また、データとしては、例えば、遊技に関するデータ、遊技機固有のデータ等が挙げられる。特に、遊技内容とは無関係のデータとして、遊技機に固有のIDデータが挙げられる。この場合、「前記データは、遊技機固有のIDデータであること」としてもよい。
【0038】
手段14によれば、プログラム、データ及びアドレスの少なくとも1つを確認するに際して上述の各作用効果が奏される。
【0039】
手段15.少なくとも遊技を司る機能を有する回路を備えてなる回路基板と、前記回路基板を被包した状態で閉鎖状態に維持可能な被包部材とを備え、前記回路基板は、少なくとも遊技内容とは無関係の事項を予め記憶してなる独立記憶部を有している遊技機において、前記閉鎖状態を維持したまま前記独立記憶部と外部確認装置との間での通信を許容するための通信端子を前記回路基板に設け、該通信端子の少なくとも一部が、前記被包部材の所定部位から露出した状態又は露出可能な状態となるよう構成したことを特徴とする遊技機。
【0040】
手段15によれば、少なくとも遊技を司る機能を有する回路を備えてなる回路基板を被包した状態で、被包部材が閉鎖状態に維持されうる。従って、回路や回路基板に不正を行いにくくすることができる。また、回路基板の独立記憶部には、少なくとも遊技内容とは無関係の事項が予め記憶されている。そして、確認作業に際しては、前記閉鎖状態を維持したまま、被包部材の所定部位から少なくとも一部が露出した状態又は露出可能な状態で設けられた通信端子を介して、独立記憶部と外部確認装置との間での通信が許容される。このため、回路を回路基板から取外し不能又は困難とするよう構成したとしても、或いは回路基板を被包部材から取外し不能又は困難とするよう構成したとしても、確認に支障が生じない。従って、かかる構成を採用することで、回路等が取り外されるという不正行為が抑制される。また、確認に際しては、閉鎖状態を解除する手間及び確認後閉鎖状態に復帰させる手間をかけることなく前記独立記憶部に記憶されている事項を確認することができる。なお、「前記閉鎖状態を維持したまま、かつ、電源を投入した状態(又は遊技状態)にあっても前記独立記憶部と外部確認装置との間での通信を許容するための通信端子」としてもよい。かかる構成とすることで、いちいち電源をオフ状態にすることなく、又は遊技状態中においても確認を行うことができる。このため、ホールコンピュータ(遊技場に設置された統括制御装置)側での管理・確認を営業中であっても行うことが可能となる。このことは、後述する手段25においても同様である。
【0041】
手段16.先端に端子が設けられてなるフレキシブルな配線を具備可能となっているとともに、自身及び回路基板間での通信が許容されるか否かを少なくとも導出することができるよう構成されてなる外部確認装置の前記端子が、前記通信端子に対し接続可能となるよう構成されていることを特徴とする手段15に記載の遊技機。
【0042】
手段16によれば、前記外部確認装置側の端子が通信端子に接続されうる。そして、この状態で、外部確認装置において、自身及び回路基板間での通信が許容されるか否かが少なくとも導出される。従って、外部確認装置の導出結果に基づいて、不正が行われたか否かについての判定を非常に簡易的に行うことができる。
【0043】
手段17.前記被包部材は略箱状をなし、かつ、前記通信端子は前記被包部材の側壁部分において露出した状態又は露出可能な状態で設けられていることを特徴とする手段15又は16に記載の遊技機。
【0044】
手段17によれば、検査等の確認に際しては、被包部材の側壁部分に露出する通信端子に対して外部確認装置側の端子を接続すればよい。ここで、被包部材が遊技機の背面側に設けられている場合であって、遊技機の表側から接続を行うような場合には、遊技機の背面側を視認することなく接続を行うことができることがあるため、この場合には通信端子への接続作業を非常に容易に行うことができる。また、被包部材の天壁部分を有効に活用することも可能となる。
【0045】
手段18.前記通信端子近傍には前記外部確認装置側の端子の接続が容易に行われるよう案内手段を設けたことを特徴とする手段15乃至17のいずれかに記載の遊技機。
【0046】
手段18によれば、案内手段によって、外部確認装置側の端子が位置ずれを起こしたりすることなく容易にかつ円滑に接続される。特に、案内手段が通信端子を囲むものであれば、通信端子の保護及び外部確認装置側の端子の接続の円滑化といった作用効果が併せて奏される。
【0047】
手段19.前記被包部材は、常には視認不能又は視認困難となるよう遊技面の裏面側の取付部材に取付けられているとともに、通信に際しては前記取付部材が一側を回動軸として開かれることによって、視認可能となるよう構成されており、かつ、前記通信端子は、前記回動軸とは反対側に設けられていることを特徴とする手段15乃至18のいずれかに記載の遊技機。
【0048】
手段19によれば、遊技面の裏面側の取付部材に取付けられた被包部材は、常には視認不能又は視認困難であって、通信に際しては前記取付部材が一側を回動軸として開かれることによって、視認可能となる。このとき、通信端子が、回動軸とは反対側に設けられているため、比較的少ない回動量(開き量)でもって、通信端子を視認することができ、接続作業を行うことができる。このため、通信を行うに際しての作業性の向上が図られることとなる。
【0049】
手段20.前記所定部位は、前記被包部材の略周辺部位であることを特徴とする手段15乃至19のいずれかに記載の遊技機。
【0050】
手段20によれば、通信端子が被包部材の略周辺部位に設けられるため、回路基板等の設計の自由度を阻害しにくい。また、被包部材と部分的に重複して別部材が配設される場合には、該別部材と通信端子とを離間させた配置構成としやすく、その結果、通信端子の少なくとも一部の露出状態を確保しやすくなる。
【0051】
手段21.他の装置及び前記被包部材の一部を異物から保護するための保護部材を配設するとともに、前記所定部位を前記保護部材の非配設部位としたことを特徴とする手段15乃至20のいずれかに記載の遊技機。
【0052】
手段21によれば、通信端子が保護部材から外れた部位に位置するため、検査等に際し保護部材が邪魔とならず、かつ、保護部材を取り外したりする必要もなくなる。そのため、保護部材の存在によって検査に手間が生じるという事態を回避することができる。
【0053】
手段22.前記被包部材は、前記通信端子とは別に遊技機に設けられた他の装置との間で通信を行うための接合端子を露出状態で有してなり、かつ、少なくとも該接合端子が前記保護部材で保護されるよう構成したことを特徴とする手段21に記載の遊技機。
【0054】
手段22によれば、少なくとも他の装置との間で通信を行うための接合端子が保護部材で保護される。一方で、通信端子が保護部材から外れた部位に位置するため、検査に際し保護部材が邪魔とならず、しかも、前記接合端子の接合状態を解除する必要もない。
【0055】
手段23.前記通信端子は、露出状態となる部位を除いて前記被包部材に設けられた壁部材にて保護されていることを特徴とする手段15乃至22のいずれかに記載の遊技機。
【0056】
手段23によれば、壁部材の存在により通信端子が保護される。従って、異物等が当たったりすることによる損傷が極力抑制される。
【0057】
手段24.前記通信端子は、下方に開口するようにして設けられていることを特徴とする手段15乃至23のいずれかに記載の遊技機。
【0058】
手段24によれば、通信端子が下方に開口しているため、異物等が重力に逆らって移動しない限り、開口部から異物が侵入することがない。このため、異物の侵入に伴う不具合を回避することができる。
【0059】
手段25.少なくとも遊技を司る機能を有する回路を備えてなる回路基板と、前記回路基板を被包した状態で閉鎖状態に維持可能な被包部材とを備え、前記回路基板は、少なくとも遊技内容とは無関係の事項を予め記憶してなる独立記憶部を有している遊技機において、前記閉鎖状態を維持したまま前記独立記憶部と外部確認装置との間での通信を許容するための通信端子を前記被包部材とは別の離間部位に設けたことを特徴とする遊技機。
【0060】
手段25によれば、少なくとも遊技を司る機能を有する回路を備えてなる回路基板を被包した状態で、被包部材が閉鎖状態に維持されうる。従って、回路や回路基板に不正を行いにくくすることができる。また、回路基板の独立記憶部には、少なくとも遊技内容とは無関係の事項が予め記憶されている。そして、確認作業に際しては、前記閉鎖状態を維持したまま、被包部材とは別の離間部位に設けられた通信端子を介して、独立記憶部と外部確認装置との間での通信が許容される。このため、回路を回路基板から取外し不能又は困難とするよう構成したとしても、或いは回路基板を被包部材から取外し不能又は困難とするよう構成したとしても、確認に支障が生じない。従って、かかる構成を採用することで、回路等が取り外されるという不正行為が抑制される。また、確認に際しては、閉鎖状態を解除する手間及び確認後閉鎖状態に復帰させる手間をかけることなく前記独立記憶部に記憶されている事項を確認することができる。なお、「別の離間部位」に関して、第1に、「通信に際しては、通信端子の取付けられてなる取付部材(前枠等)が一側を回動軸として開かれることによって通信端子が視認可能となるよう構成されており、かつ、前記離間部位は、前記回動軸とは反対側であること」としてもよい。かかる構成とすることで、比較的少ない回動量(開き量)でもって、通信端子を視認することができ、接続作業を行うことができ、通信を行うに際しての作業性の向上を図ることができる。また第2に、「前記通信端子は、一側を回動軸として開かれることのある取付部材(前枠等)に設けられるとともに、前記離間部位は前記回動軸近傍であること」としてもよい。かかる構成とすることで、常に通信端子及び外部確認装置間を配線で接続させたままとしても、取付部材が開かれる場合に、配線が邪魔になってしまうことが起こりにくい。このため、電源を投入した状態(又は遊技状態)にあっても前記独立記憶部と外部確認装置との間での通信ができるよう構成されている場合に特に好都合となる。すなわち、外部確認装置をホールコンピュータとした場合には、該ホールコンピュータ側での管理・確認を営業中に行ったとしても、前記配線が邪魔になりにくい。
【0061】
手段26.前記独立記憶部と外部確認装置との間での通信を行わないときには、前記通信端子が外部からの影響を受けにくくなるよう前記通信端子を略非開口状態に維持し、通信を行うに際しては前記非開口状態を解除可能に構成したことを特徴とする手段15乃至25のいずれかに記載の遊技機。ここで、略非開口状態に維持する手段としては通信端子の開口部分に対応して設けられる蓋部材、シール部材、リブ部材、可動窓部材等が挙げられる。当該部材は、通信に際し取り外したり開いたりすることで、略非開口状態が解除され通信が可能となる。また、略非開口状態に維持する他の手段としては、被包部材とは別に遊技機側において通信端子の開口部分に相対して設けられる部材(例えばパチンコ遊技機にあっては外枠等)が挙げられる。当該部材は、通信に際し前記開口部分から相対離間することで、略非開口状態がいわば自動的に解除され通信が可能となる。
【0062】
手段26によれば、非検査状態にあっては通信端子が外部からの影響を受けにくくなるため、より確実に保護される。また、通信されない限りは通信端子が略非開口状態に維持されることとなるため、通信端子の経時劣化等を抑制することができ、実際に通信が行われる場合の接触不良等の不具合の防止が図られる。
【0063】
手段27.少なくとも遊技を司る機能を有する回路を備えてなる回路基板と、前記回路基板を被包した状態で閉鎖状態に維持可能な被包部材とを備え、前記回路基板は、少なくとも遊技内容とは無関係の事項を予め記憶してなる独立記憶部を有している遊技機において、前記閉鎖状態を維持したまま前記独立記憶部と外部確認装置との間で非接触で通信できるよう構成されていることを特徴とする遊技機。
【0064】
手段27によれば、少なくとも遊技を司る機能を有する回路を備えてなる回路基板を被包した状態で、被包部材が閉鎖状態に維持されうる。従って、回路や回路基板に不正を行いにくくすることができる。また、回路基板の独立記憶部には、少なくとも遊技内容とは無関係の事項が予め記憶されている。そして、確認作業に際しては、前記閉鎖状態を維持したまま、前記独立記憶部と外部確認装置との間で非接触で通信することができる。このため、閉鎖状態を解除する手間及び確認後閉鎖状態に復帰させる手間をかけることなく前記独立記憶部に記憶されている事項を確認することができる。
【0065】
手段28.前記事項は、プログラム、データ及びアドレスの少なくとも1つを含んでいることを特徴とする手段15乃至27のいずれかに記載の遊技機。ここで、プログラムとしては、例えば通信のための設定プログラム等が挙げられる。また、データとしては、例えば、遊技とは無関係の遊技機固有のデータ(IDデータ)等が挙げられる。従って、「前記データは、遊技機固有のIDデータであること」としてもよい。
【0066】
手段28によれば、プログラム、データ及びアドレスの少なくとも1つの通信に際して上述の各作用効果が奏される。
【0067】
手段29.前記被包部材は、前記回路基板が外部から視認できるよう構成されていることを特徴とする手段15乃至28のいずれかに記載の遊技機。なお、上記構成としては、前記被包部材を透明又は半透明の素材で構成すること、或いは被包部材に、内部を視認することのできる窓部を設けること、等が挙げられる。
【0068】
手段29によれば、被包部材内の回路基板が外部から視認できるため、回路基板に関し不正が加えられた場合であって、それが外観上明らかである場合には、検査等を行うまでもなく不正を容易に発見することが可能となる。
【0069】
手段30.前記回路を内包するように封止体にて封止し、封止体には前記回路に接続される導電体の内端側を内包する一方、該導電体の外端側を封止体から露出させ、該導電体の外端側を基板側に接続することにより前記回路基板を構成するとともに、前記封止体は、その外形が表裏両面を他の面と比較して広域面とした肉薄平板状に形成されており、かつ、前記封止体は基板側へ接続したままでその表裏両面を視認し得る状態に配置したことを特徴とする手段29に記載の遊技機。なお、回路の具体的な態様としては、例えばCPU、ROM、RAM等を含むICチップなどが挙げられる。また、前記封止体としては樹脂又はセラミックによるパッケージが一般的であるが、他にもケース状のものや蓋状のものであってもよい。また、前記導電体としては例えばリードが挙げられ、前記導電体の外端側のうち封止体から露出した部位は例えばリードの一部であるピンが挙げられる。
【0070】
手段30によれば、手段29の作用に加えて、回路が封止体に封止され、その封止体から露出された導電体が基板側に接続されているが、封止体は基板側への接続状態を維持したままでその表裏両面を視認し得る状態に配置されていることから、封止体の表面側のみならず裏面側の目視等による検査も可能となる。これにより、封止体の外観中、表面側を正規のものに真似つつ裏面側を粗悪に製作したものが従来の不正品として確認されることがあったが、そのような不正の発見が容易なものとなるとともに早期発見が可能となる。
【0071】
手段31.前記回路を内包するように封止体にて封止し、封止体には前記回路に接続される導電体の内端側を内包する一方、該導電体の外端側を封止体から露出させ、該導電体の外端側を基板側に接続することにより前記回路基板を構成するとともに、前記封止体を、前記回路及び導電体の全体を封止体外部より視認可能とすべく、透明又は半透明としたことを特徴とする手段29又は30に記載の遊技機。
【0072】
手段31によれば、遊技機の制御に関連性をもたせた回路及びそれに接続される導電体の内端側を、透明又は半透明な封止体で封止しているため、基板実装状態のままで、外部より回路が交換されていたり改変されていたり導電体との接続形態が変更されていたりといった状況を目視等によって確認することが可能となり、封止体の外観だけを真似た不正の発見が非常に容易になものとなるとともに早期発見が可能となる。これにより、間接的な側面より不正の防止に大きく寄与し得る。しかも、回路を表面側のみ真似て、その回路の裏面側に重複して不正回路を付加したような不正をも発見することが可能となり、ハード的な構成を一部でも変更(追加、削除を含む)すれば目視等で容易に発見することができ、不正の撲滅に一層貢献し得る。
【0073】
手段32.手段15乃至31のいずれかにおいて、前記回路基板は、遊技を司る機能を有する回路を備えてなる遊技制御基板の外に、遊技媒体(景品球や貸出球)を払出すための払出制御を司る回路を備えてなる払出制御基板、可変表示手段の表示制御を司る回路を備えてなる表示制御基板、音声報知手段の音声報知を司る回路を備えてなる音声制御手段、前記可変表示装置を除いたランプ等の周辺表示器の表示制御を司る回路を備えてなる周辺装置表示制御基板、遊技媒体を発射させる発射制御を司る回路を備えてなる発射制御基板の少なくとも1つを含んでいることを特徴とする遊技機。
【0074】
手段32によれば、制御対象に応じて個々に遊技制御基板等の各回路基板が備えられており、この場合、全ての回路基板に手段15乃至31のいずれかに記載のとおりの対策を講じれば、いずれの基板についての確認作業をも容易に行うことができる。勿論、少なくとも遊技制御基板についての被包部材において適用されればよく、好ましくは遊技制御基板及び払出制御基板についての被包部材において適用されていればよい。遊技制御基板について適用すべきとしたのは、かかる回路基板によって遊技媒体(景品球や貸出球)の払出が制御されるので、不正な遊技媒体の払出をより確実に抑制すべきだからである。
【0075】
手段33.手段1乃至32のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ遊技機であること。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては、操作ハンドルを備えていてそのハンドル操作に応じて遊技球を所定の遊技領域に発射させ、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配置された作動口に入賞することを必要条件として可変表示装置において変動表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されることが挙げられる。また、特別遊技状態発生時には遊技領域内の所定の位置に配置された可変入賞装置が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへの書き込み等も含む)が付与されることが挙げられる。なお、パチンコ遊技機にあっては、被包部材は遊技盤の背面側に配設される。
【0076】
手段34.手段1乃至32のいずれかにおいて、遊技機は回胴式遊技機であること。ここで、回胴式遊技機の構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段を備えた回胴式遊技機」となる。なお、回胴式遊技機にあっては、被包部材は遊技機本体を画定する本体ボックス内に収納される。
【0077】
手段35.手段1乃至32のいずれかにおいて、遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させた遊技機であること。中でも、前記融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列(具体的にはリールであり、識別情報はリールに付されたシンボルである)を変動表示(具体的にはリールの回動である)した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して或いは所定時間経過することにより識別情報の変動が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として遊技球を使用するとともに、前記識別情報の変動開始に際しては所定数の遊技球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの遊技球が払い出されるよう構成されてなる遊技機」となる。なお、かかる遊技機にあっては、被包部材は遊技機本体を画定する本体ボックスを備えたものであればその本体ボックス内に収容され、本体ボックスを有しないものであれば遊技機背面側に配設される。
【0078】
以下に、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)についての一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0079】
図1に示すように、パチンコ機の外形を構成する外枠1には前枠2が一側の回動軸を中心に回動可能に装着されている。同図では前枠2は閉じた状態にある。前枠2には、遊技盤3(図2参照)、遊技盤3の前方に設けられガラス板4aを有してなるガラス扉枠4、上皿5、下皿6、ハンドル7等が装着されている。上皿5の側方であって、前枠2の内部にはスピーカ8が埋設されている。スピーカ8は、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を音声にて報知する。前記遊技盤3の後部には機構盤が配設されている。
【0080】
次に、遊技盤3の遊技面上の構成について説明する。図2に示すように、遊技盤3には、作動口ユニット11及び大入賞口ユニット12が設けられている。作動口ユニット11は、遊技媒体としての遊技球Bが入賞したり通過する作動口11a及び作動ゲート11bを備えており、その作動口11aの入口には羽根13が開閉可能に支持されている。
【0081】
また、大入賞口ユニット12は、大入賞口12a及びシャッタ14を備えている。シャッタ14は、大入賞口12aの側部に設けられた図示しない大入賞口用ソレノイドにより作動させられ、大入賞口12aを開閉する。詳しくは、当該ソレノイドが励磁状態となることにより、シャッタ14が略水平に傾き、これにより大入賞口12aが開かれる。また、ソレノイドが非励磁状態となることにより、シャッタ14が略垂直状態となり、これにより大入賞口12aは閉鎖される。
【0082】
さらに、遊技盤3の側部には、一般入賞口ユニット15,16,17,18が設けられている。一般入賞口ユニット15?18は、一般入賞口15a,16a,17a,18aを備えている。
【0083】
遊技盤3の中央部分(大入賞口ユニット12の上方)には、特別図柄表示装置(以下、単に「表示装置」という)19が組込まれている。表示装置19は、液晶ディスプレイ(LCD)よりなる表示部19aを備えており、ここに複数の(例えば3つの)図柄列が表示される。図柄列は、基本的には、複数種類の図柄によって構成されている。これらの図柄は、特別遊技図柄としての大当たり図柄、外れリーチ図柄及び外れ図柄のいずれかになりうる。
【0084】
表示装置19の表示部19aでは、各図柄列の図柄変動(回転変動)が、遊技球Bの作動口11aへの入賞に基づいて開始させられる。また、大当たり図柄、外れリーチ図柄、外れ図柄の中から1つが選択され、これが停止図柄として設定される。停止図柄とは、各図柄列が図柄変動を停止したときに表示される図柄である。
【0085】
大当たり図柄は、いわゆるリーチ状態を経た後、遊技者に有利な大当たり状態を発生させるための図柄である。詳しくは、全ての図柄列の変動が停止させられたとき、表示されている図柄の組合せが、予め定められた大当たりの組合せ、すなわち、同一種類の図柄が大当たりラインに沿って並んでいるときの同図柄の組合せ(例えば、「7」、「7」、「7」の図柄)となる場合がある。この組合せを構成する図柄が「大当たり図柄」である。大当たりの組合せが成立すると、大入賞口12aが開かれ、遊技者にとって有利な大当たり状態の到来、すなわち、より多くの景品球を獲得することが可能となる。
【0086】
表示装置19において、表示部19aの上方には、発光ダイオード(LED)からなる保留ランプ21a,21b,21c,21dが組み込まれている。保留ランプ21a?21dは、基本的には作動口11aへの入賞に基づく変動表示の保留毎に点灯させられ、その保留に対応した変動表示の実行に伴い消灯させられる。
【0087】
また、表示装置19の上部には、LEDよりなる7セグ表示部22が設けられている。さらに、前記表示装置22の左右両側方には一対の通過ゲート23a,24aを備えた通過ゲートユニット23,24が配設されている。同通過ゲート23a,24aを遊技球Bが通過することに基づいて、前記7セグ表示部22が作動する。本実施の形態では、7セグ表示部22は、「0」から「9」までの数字を可変表示する。そして、その数字が所定値(本実施の形態では「7」)で停止することに基づいて、作動口ユニット11の羽根13が所定秒数開放するようになっている。この開放により、作動口11aへの入賞が比較的容易なものとなる。7セグ表示部22の周辺近傍においては、遊技球Bの通過ゲート23a,24aの通過回数が4回まで記憶表示され、図示しない4つの保留ランプでその保留数が表示される。
【0088】
また、遊技盤3の複数箇所には、遊技効果を高めるための各種ランプ等の他の役物が取付けられている(ランプ風車、コーナー飾り等)。
【0089】
本実施の形態では、遊技者の操作に応じて変化するパチンコ機の遊技状態を検出するべく、遊技盤3には、遊技球Bの入賞を検出するための種々の検出スイッチが取付けられている。より詳しくは、作動ゲート11bには、作動ゲート用スイッチ31が設けられている。また、作動口11a近傍には作動口用スイッチ32が設けられている。本実施の形態では、作動口用スイッチ32にて遊技球Bの入賞が検出された場合、遊技者に対し、1入賞あたり5個の景品球が払い出されるようになっている。
【0090】
また、大入賞口12a近傍には、2つの大入賞口用スイッチ33,34が設けられている。シャッタ14の内側面には、逆ハの字状をなす図示しない案内レールが一体形成されており、該案内レールにより、大入賞口12aに入賞した入賞球は円滑に、かつ、速やかにいずれかの大入賞口用スイッチ33,34を通過しうる。本実施の形態では、大入賞口用スイッチ33,34にて遊技球Bの入賞が検出された場合、遊技者に対し、1入賞あたり15個の景品球が払い出されるようになっている。さらに、一般入賞口15a?18a近傍には、一般入賞口用スイッチ35,36,37,38が設けられている。本実施の形態では、一般入賞口用スイッチ35?38にて遊技球Bの入賞が検出された場合、遊技者に対し、1入賞あたり10個の景品球が払い出されるようになっている。なお、上記景品球の払い出し数(「5個」又は「10個」又は「15個」)に関する数値はあくまでも例示であって、上記数値に何ら限定されるものではない。従って、例えば「6個」「7個」「11個」「12個」「13個」「14個」「16個」或いはそれ以上(例えば「25個」)等の数値を採用しても何ら差し支えない。併せて、通過ゲート23,24には、通過ゲート用スイッチ39,40が設けられている。
【0091】
そして、これらスイッチ31?40により、遊技球Bの作動ゲート11bの通過や作動口11aへの入賞、大入賞口12aへの入賞、或いは一般入賞口15a?18aへの入賞や、通過ゲート23a,24aの通過等が検出される。また、各スイッチ32?38の検出結果に基づき、図示しない景品球払出装置等の駆動制御が導出されるようになっている。景品球払出装置等は、パルスモータを備えており、該モータが駆動させられることにより、タンク64(図4参照)等に貯留されている景品球(遊技球B)が、払い出し通路を通って、上皿5(又は下皿6)へと払い出されるようになっている。
【0092】
本実施の形態では、上記各スイッチ31?40の検出結果に基づき、各種ソレノイドや、表示装置19、各保留ランプ21a?21d、各種ランプ、スピーカ8、パルスモータ等の各種外部装置をそれぞれ駆動制御するために制御装置50が設けられている。制御装置50は、図3,4に示すように、主基板(回路基板、制御基板、遊技制御基板を構成する)51、払出制御基板52、図柄表示装置制御基板53、音声制御基板54、ランプ制御基板55及び発射制御基板56等を備えており、これらは例えばそれぞれ透明樹脂等よりなる被包部材を構成する基板ボックス(例えば51B,52B,56B)内に収容されている。
【0093】
前記遊技盤3の後部に設けられた機構盤の上部には、主たる電源(電源電圧)が供給される電源スイッチ基板61が設けられているとともに、機構盤の下部には、前記電源スイッチ基板61からの電源を適宜供給するための電源分配基板62が設けられている。前記主基板51の基板ボックス51Bは、機構盤の後部において、前記表示装置19の背面側に設けられた図柄表示装置制御基板53の下方に設けられている。図4に示すように、機構盤には、表示装置19を覆うようにして樹脂製の保護部材としての保護カバー63が装着されており、これにより、上部のタンク64等から落下してくる遊技球B等から表示装置19及び図柄表示装置制御基板53が保護されるようになっている。そして、主基板51の基板ボックス51Bの大部分は、前記保護カバー63からはみ出すようにして横長に配置されている(これについては後述する)。
【0094】
また、払出制御基板52は、前記主基板51の側方に設けられている。当該主基板51及び払出制御基板52には、前記電源分配基板62からの分配された電源電圧がそれぞれ印加(供給)される。また、これとともに、図柄表示装置制御基板53、音声制御基板54及びランプ制御基板55には、主基板51からの電源電圧がそれぞれ供給される。さらに、発射制御基板56には、前記払出制御基板52からの電源電圧が供給されるようになっている。景品球払出装置は、払出制御基板52からの出力信号に基づいて駆動制御されるようになっている。なお、電源スイッチ基板61に隣接して、情報端子65が設けられている。該情報端子65からホールコンピュータや外部のカウント表示装置等へ当該パチンコ機における各種遊技情報(例えば本日の大当たり回数、図柄の変動回数、出玉に関する情報等)が出力されるようになっている。
【0095】
主基板51、払出制御基板52をはじめとする各種基板には、制御用のICパッケージが実装されている。ここで、図8に示すように、基板ボックス51B内の主基板51に実装されるICパッケージ71は、回路、制御手段を構成するICチップ72と、複数本のリード73と、これらを封止する封止体74とによって構成されており、リード73が主基板51に対しハンダ接合により実装されている(ハンダは固着手段を構成する)。本実施の形態では、このようにリード73が主基板51に対し強固に固着されていることで、ICパッケージ71が主基板51から取外し不能又は困難となっており、ICパッケージ71の取外し、交換による不正行為の抑制が図られている。もちろん、主基板51に設けられた図示しないソケット等の「中間部材」を介して装着される構成としてもよい。
【0096】
本実施の形態において、ICチップ72は、リード73の大部分とともに封止体74にてパッケージングされている。封止体74は透明なエポキシ樹脂材料によって構成されている。これにより、ICチップ72及びリード73は、外部から透視可能となっている。なお、リード73とICチップ72とはワイヤでボンディングされることにより電気的な導通が可能となっている。また、ICパッケージ71は、ZIP(Zig-zag Inline Package)構造を有している。すなわち、ICパッケージ71は、リード73の引出面(リード73が外部に突出している面)が封止体74の1側面であるいわゆる縦型タイプである。これにより、封止体74が表裏両面から視認可能となっている。また特に、本実施の形態の封止体74は透明であるため、その内部のICチップ72及びリード73についても表裏両面から視認可能となっている。
【0097】
また、特に、本実施の形態ではICパッケージ71の周辺には、プリント配線等を除いて主基板51上にほぼ何も配設されていない。これにより、ICパッケージ71をより一層視認しやすくなっている。この場合、「回路、制御手段の周辺において、視認を阻害する他部材の配設を規制したこと」が特徴点となる。なお、ICパッケージ71の視認をより容易ならしめるべく、照明手段、ミラー、或いはレンズ(いずれも図示せず)等の「視認補助手段」を設けることとしてもよい。
【0098】
さらに、上記ICパッケージ71に関しては、ZIP構造の中でもリード73間のピッチが狭く、かつ、特殊なSZIP(Shrink Zig-zag Inline Package)構造が採用されている。すなわち、上記SZIP構造におけるリード73間のピッチは、例えば0.82mmに設定されている。
【0099】
さて、図9は、ICチップ72の電気的構成を示すブロック図である。同図に示すように、ICチップ72には、中央処理装置(CPU)81を中心して、プログラムROM82、HWパラメータ83、ユーザワークRAM84、内部I/Oブロック85、I/Oポート86等が備えられており、これらは互いにバス87によって接続されている。また、これらはバスモニタ88を介して管理ブロック89に接続されている。
【0100】
本実施の形態においてプログラムROM82は、光学的作用による書換不能であり、かつ、不揮発性の記憶部であるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)により構成され、ここに所定の制御プログラムや初期データが予め記憶されている。CPU81は、I/Oポート86を介して入力されてくる各種信号等に基づき前記プログラムROM82の制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。HWパラメータ83もEEPROMによって構成され、クロック等に関する各種設定事項等が記憶されている。ユーザワークRAM84はCPU81による演算結果等の各種データを一時的に記憶するようになっている。また、ユーザワークRAM84の所定の端子にはコンデンサが接続され、これにより停電時等におけるデータバックアップが可能となっている。内部I/Oブロック85は、カウンタ・タイマ、割込みコントローラ及び高速HWカウンタ等の機能ブロックにより構成されている。
【0101】
さらに、バスモニタ88は、CPU81の演算データ等を管理ブロック89へ出力する。管理ブロック89は、独立記憶部を構成し、検査ポート91並びにミラードRAM92、ステータスRAM93及びID用RAM94等を備えている。
【0102】
検査ポート91は書込みエラーやシーケンス異常等を検出可能となっており、ミラードRAM92はユーザワークRAM84のデータをミラーリング(複写)するものである。
【0103】
また、ステータスRAM93には、HWパラメータ83の設定事項等の各種設定事項や各種状態が書き込まれる。すなわち、ステータスRAM93の所定ステータスには、予め設定されている各種の状態が随時指定されたアドレスに書き込まれ、指定アドレスの各種状態を示すデータは、検査ポートから随時読み出すことができるようになっている。
【0104】
書き込まれるデータとしては、例えば次のようなものが挙げられる。
【0105】
(1)遊技球Bの作動口11aへの入賞に基づく記憶個数や、遊技球Bの通過ゲート23a,24aの通過に基づく記憶個数、すなわち、表示装置19の表示部19aにおける図柄の変動表示分の記憶回数や、7セグ表示部22における普通図柄の変動表示分の記憶回数。換言すれば「前記独立記憶部には、遊技状態に関連する数値、状態及び情報に関する事項が含まれており、当該事項には図柄変動表示装置の変動回数や、変動記憶に関する情報が含まれていること」が特徴点となる。
【0106】
(2)表示装置19の表示部19aにおける図柄の状態(変動中或いは停止中)や、7セグ表示部22における普通図柄の状態(変動中或いは停止中)。換言すれば「前記独立記憶部には、遊技状態に関連する数値、状態及び情報に関する事項が含まれており、当該事項には図柄の状態に関する情報が含まれていること」が特徴点となる。
【0107】
(3)大入賞口12a用のシャッタ14(大入賞口用ソレノイド)や、作動口11a用の羽根13(ソレノイド)の作動状態(開閉状態);もちろん、他の役物(例えば大羽根等の第2種特別電動役物と称される役物を有するタイプの遊技機にあっては当該役物)の作動状態にも適用可能である。換言すれば「前記独立記憶部には、遊技状態に関連する数値、状態及び情報に関する事項が含まれており、当該事項には変動(入賞)装置の作動状態が含まれていること」が特徴点となる。
【0108】
(4)作動口11aへの入賞、大入賞口12aへの入賞、或いは一般入賞口15a?18aへの入賞や、通過ゲート23a,24aの通過等の検出情報或いは各種入賞に伴う払出個数情報。換言すれば「前記独立記憶部には、遊技状態に関連する数値、状態及び情報に関する事項が含まれており、当該事項には遊技媒体の入賞、通過情報、或いは遊技媒体の払出情報が含まれていること」が特徴点となる。
【0109】
(5)前枠2やガラス扉枠4の開閉等に関する外部情報。換言すれば「前記独立記憶部には、遊技状態に関連する数値、状態及び情報に関する事項が含まれており、当該事項には遊技機を構成する枠体及び板体のうち少なくとも1つの開閉状況を含む外部情報が含まれていること」が特徴点となる。
【0110】
(6)特定の動作(例えばセット動作)を行った場合や電源投入後所定期間のみの特定情報。「前記独立記憶部には、遊技状態に関連する数値、状態及び情報に関する事項が含まれており、当該事項には特殊な設定を施した場合の特定情報が含まれていること」が特徴点となる。
【0111】
これらの数値、状態、情報等は、例えばビット対応で特定番地に設定することで、所定ステータスの指定アドレスに随時書き込まれ、書き込まれたデータが、検査ポートから随時読み出される。これにより、パチンコ機の動作中、つまり遊技中であっても状態等を把握することが可能となる。
【0112】
従って、例えば後述する検査を行うに際し、パチンコ機を動作させたままの状態で、作動口11a等に遊技球Bを所定個数入賞させる等して、保留ランプ21a?21dの点灯状態と、読み出したデータとを比較したりすることで、管理ブロック89、ひいてはICパッケージ71(ICチップ72)が正常に動作しているか否か、特に、CPU、CPUの入出力、周辺基板等との動的組合せが正常に機能しているか否かをきわめて簡易に判定することができる。
【0113】
なお、これらの数値、状態、情報等を、異種遊技機(パチンコ機)間で統一規格化して同型の所定ステータスに書き込み(記憶させ)、随時読み出し可能とすることとしてもよい。かかる構成とすることで、異種遊技機同士において随時検査等が可能となるというメリットが生ずる。この場合、「異種遊技機毎に、記憶部の所定部位に、遊技状態に関する数値、状態、情報のうちの少なくとも1つを、統一規格化して記憶させ、随時読み出し可能としたことを特徴とする把握管理システム」が特徴点となる。
【0114】
さらに、ID用RAM94には、ICチップ72固有の(パチンコ機固有の)データ(IDデータ)としてのIDコードが書き込まれている。IDコードには、メーカ側で設定されたIDコード、機種に対応したIDコード等の遊技内容とは無関係のデータが含まれる。
【0115】
次に、基板ボックス51Bについて説明する。図5,6,7に示すように、前記主基板51が被包されてなる基板ボックス51Bは、略箱状をなし、ボックス本体101と、そのボックス本体101に覆設されるボックス蓋体102とを備えている。ここで、「被包」とあるのは、主基板51を外部から遮断するべく、カバーすること、覆うこと、被せ包むこと等を含んでおり、外部から完全に遮断されている場合のみならず、部分的に露出している場合をも含む趣旨である。また、基板ボックス51Bは、上記例のように2つの部材101,102で構成される場合以外にも単一の部材によって構成されていてもよいし、3つ以上の部材によって構成されていてもよい。また、「被包」する材質は、破壊困難な剛体により構成されていることが望ましいが、部分的に柔軟な素材が含まれていたとしても差し支えない。
【0116】
ボックス本体101には、前記主基板51が固定されている。そして、該主基板51を覆うようにしてボックス蓋体102が取着固定されている。より詳しくは、ボックス本体101及びボックス蓋体102の一側部には、相互に係合可能なヒンジ機構103が設けられており、該ヒンジ機構103にて両者の係合及び位置合わせ等が行われるようになっている(図5,6参照)。上述したように、ボックス本体101及びボックス蓋体102は透明な樹脂材料により構成されており、内部の主基板51、特に、ICパッケージ71を容易に外部から視認できるようになっている。
【0117】
また、ヒンジ機構103を除く部位において基板ボックス51Bのほぼ四隅部には、封印手段104が設けられている。図10に示すように、封印手段104は、ボックス本体101から突出するよう形成された本体側封印部105と、ボックス蓋体102から突出するよう形成された蓋体側封印部106とを備えている。本体側封印部105には上部の開口する凹部107が形成されているとともに、その付け根部分において係合溝108が形成されている。一方、蓋体側封印部106には前記凹部107に対応するようにして段差部を有してなる透孔109が形成されているとともに、その付け根部分において係合突起110が形成されている。但し、係合溝108及び係合突起110は、少なくとも前記凹部107の直径よりも長く形成されている。
【0118】
そして、ボックス本体101に主基板51がセットされた状態でボックス蓋体102が接合され、このとき係合溝108に係合突起110が係合されることで、凹部107及び透孔109がそれぞれ位置合わせされる。さらに、この位置合わせ状態で、凹部107及び透孔109内に接着剤が流し込まれ、その状態で樹脂製の係止ピン111が凹部107及び透孔109に嵌め込まれている。これにより、本体側封印部105と蓋体側封印部106とが相互に固定され、基板ボックス51Bが封印状態に維持されている。従って、このように一旦封印されてしまうと、該封印手段104を破壊することなく開封することができないようになっている。換言すれば、ボックス本体101からボックス蓋体102を開封しようとした場合には、本体側封印部105及び蓋体側封印部106の付け根の括れ部分をニッパ等で切断しなければ、開封できないように構成されている。なお、上述した係合溝108及び係合突起110の存在により、段差が形成されることから、流動状態にある接着剤が本体側封印部105及び蓋体側封印部106の接合面を伝って基板ボックス51B内部の主基板51側へ漏出するといった事態が防止されるようになっている。
【0119】
図5及び図7において、主基板51の側部(パチンコ機の裏面側から見て上部)には、接合端子を構成する複数のソケット112が設けられており、該ソケット112は前記ICパッケージ71内のICチップ72のI/Oポート86と電気的に接続されている。各ソケット112は、基板ボックス51Bから露出した状態となっており、ここに、「他の装置」を構成する他の基板(例えば図柄表示装置制御基板53、音声制御基板54、ランプ制御基板55等)や各種外部装置(例えばソレノイドや検出スイッチ)等から延びるコネクタが接続されている。但し、該ソケット112部分は、前述した保護カバー63で被覆されている(図4参照)。これにより、タンク64等からの遊技球Bの落下等から、ソケット112やコネクタが保護されるようになっている。また、ソケット112やコネクタが保護カバー63で保護されていることから、検出スイッチと主基板51との間、或いは、主基板51と図柄表示装置制御基板との間に、不正な基板をぶら下げて(「ぶら下げ基板」を取付けて)、不当に特別遊技状態を発生させるといった、いわゆる「ぶら下げ」と称される不正行為の抑制をも図ることができるようになっている。
さらに、基板ボックス51Bの下端部に対応して、媒介手段、通信端子を構成するモジュラージャック113が設けられている。該モジュラージャック113は主基板51に実装されており、前記ICパッケージ71内のICチップ72の管理ブロック89に対し主基板51上のプリント配線、リード73等を介して電気的に接続されている。モジュラージャック113は、基板ボックス51Bの下方に向けて一端が露出した状態で開口しており、そこに図9に示すような外部確認装置を構成する外部リーダ121のコネクタ122が差し込まれるようになっている。かかる構成により、基板ボックス51Bには、モジュラージャック113が設けられることに伴う開口が設けられることとなる。なお、本実施の形態において、モジュラージャック113は、ICパッケージ71の近傍に設けられており、これにより、検査時のノイズの低減が図られている。
【0120】
外部リーダ121は、本実施の形態におけるシステムに関して専用のものであって、その本体部分は操作用のキー123及び表示部124を備えている。また、本体部分からは先端に前記コネクタ122の設けられてなるフレキシブルなコード125が延びており、前記コネクタ122がモジュラージャック113に差し込まれることで、外部リーダ121及び管理ブロック89間での通信が許容されるようになっている。例えば、コネクタ122をモジュラージャック113に差し込んだ上で所定のキー操作を行うことで、ID用RAM94に書き込まれたICチップ72固有のIDコードが読み出され、それが表示部124に表示されるようになっている。また、例えばIDコードを入力した上で、さらに所定のキー操作を行うことで、ミラードRAM92に書き込まれたユーザワークRAM84のデータや、或いは、ステータスRAM93に書き込まれたHWパラメータ83の設定事項等が読み出され、それらが表示部124に適宜表示されるようになっている。
【0121】
また、万一ICパッケージ71やICチップ72が不正に交換されたような場合には、(1)外部リーダ121と管理ブロック89との間で通信そのものができないこと、(2)また、仮に通信ができたとしても、IDコードが表示されないこと、各種データや設定事項を読み出すことができないこと等から、不正行為を容易に発見することができるようになっている。特に、上記(1)に関しては、外部リーダ121が、管理ブロック89との間で通信可能か否かをテストできる一種のテスタとしての役割が果たされることとなり、極めて簡易に不正行為のチェックを行うことができる。
【0122】
本実施の形態において、前記モジュラージャック113は、パチンコ機の裏面側からみて基板ボックス51Bの周辺部分、特に、下端部に設けられており、上述した保護カバー63からはみ出した位置に存在している。このため、保護カバー63や基板ボックス51Bを機構板から取り外したりすることなく、上記設置状態のまま、コネクタ122を差し込んで外部リーダ121との間で通信を行うことができる。もちろん、このときには基板ボックス51Bを開封したりする必要がなく、さらには、管理ブロック89の設けられてなるICパッケージ71(ICチップ72)を取り外す必要もない。この場合、「前記制御手段(回路)を制御基板(回路基板)から取り外すことなく、前記事項を外部から確認可能としたこと」、「前記制御手段(回路)を遊技機から取り外すことなく、前記事項を外部から確認可能としたこと」、「前記制御基板(回路基板)を遊技機から取り外すことなく、前記事項を外部から確認可能としたこと」、「前記被包部材を遊技機から取り外すことなく、前記事項を外部から確認可能としたこと」、「前記被包部材の閉鎖状態を維持したまま、前記事項を外部から確認可能としたこと」が特徴点となる。
【0123】
また、パチンコ機の外周側にモジュラージャック113が設けられているため、コネクタ122の接続作業を行いやすくなるとともに、検査等の確認作業に際し、コード125が邪魔になりにくいというメリットもある。この場合、「媒介手段又は通信端子を遊技機の外周側に設けたこと」が特徴点となる。
【0124】
なお、上記例では、いわゆる検査時において、外部リーダ121のコネクタ122をモジュラージャック113に差し込むように構成されている。すなわち、ホール(遊技場)の非営業時において、電源が投入されていない状態で検査が行われるようになっているが、電源が投入された状態下であっても検査可能な構成としてもよい。このように構成すれば、ホールの営業中、特に、遊技中においても検査等を行うことができる。例えば、上記例におけるコネクタ122に代えて、外部確認装置としてのホールコンピュータ側の端子を差し込むことで通信(検査等の確認)を行うことができるような構成としてもよい。この場合、ホールコンピュータ側の端子は、常時モジュラージャック113に接続されていることが好ましい。このような構成とすることで、不正が行われたりしない限り、随時通信が可能となり、遊技中においても確認を行うことができるという点でメリットがある。さらには、不正の検査のみならず、ホールコンピュータ側で随時パチンコ機のデータ等を管理できるというメリットもある。
【0125】
なお、モジュラージャック113に常時外部確認装置側の端子を接続したままにしておくような場合には、モジュラージャック113を前枠2の回動軸側(回動軸近傍)に設けることが望ましい。このように構成すれば、前枠2が開かれる場合(ホール関係者が球詰まり等を解消したり、パチンコ機内部を点検するために前枠2を開放するような場合)に、配線が比較的短くて済むとともに、配線の移動が少なくて済み、配線が邪魔になってしまうといった事態を回避することができる。
【0126】
かかる別例にもあるとおり、モジュラージャック113は、必ずしも主基板51に(直接的に)実装されている必要はない。つまり、主基板51以外の基板ボックス51Bの所定部位に設けてもよいし(この場合、主基板51及びモジュラージャック113間は、配線等で通信可能となっている必要がある)、或いは、基板ボックス51Bから離間した部位に設けてもよい。この場合、「制御基板に対し間接的に設けたこと」が特徴点となる。基板ボックス51Bから離間した部位としては、上記別例の如く、前枠2の回動軸近傍を例示することができる。特に、図4のような配置例においては、払出制御基板52や、電源スイッチ基板61に実装することが好ましい。特に、電源スイッチ基板61に設ける場合には、該基板61からは元来少なくとも電源用の配線が延びており、かかる配線に付随させて外部確認装置から延びる配線をも付設することが可能となる。このため、別途配線が増えることによる不具合を抑制することができるという点でメリットは大きい。しかも、電源スイッチ基板61は、元々主基板51に電気的に接続されているため、場合によっては別途の信号線を配設しなくても済むという効果もある。
【0127】
また、モジュラージャック113は、その開口部以外についてはボックス蓋体102及び周壁114で覆われている。このため、モジュラージャック113については上記保護カバー63で覆われてはいないものの、タンク64等から落下してくる遊技球Bやゴミ等の異物が当たったり、入ったりしにくいようになっている。特に、モジュラージャック113は下端側に開口しているため、異物等が重力に逆らった動きをしない限り開口部から侵入することはない。そのため、遊技球Bのみならず、ゴミやホコリ等の異物の侵入による不具合をも確実に回避できる。
ところで、モジュラージャック113の前記開口部にシール部材や蓋部材、或いは檻状のリブ等を設けておくこととしてもよい。或いは、開口部にスライド、或いは開閉可能な可動窓部材を設けることとしてもよい。このように構成することで、開口部からの異物の侵入をより一層確実に規制することができるとともに、モジュラージャック113の主要部が経時的に劣化しにくくなり、製造から長期間経過した場合でも、適切な検査を実行することができる。また、この場合、検査に際してはシール部材や蓋部材等を切断、剥離等によって取り外すことで、或いは、窓部材を開くことで、検査を行うことが可能となる。
【0128】
以上説明したように、本実施の形態によれば、基板ボックス51Bの下端部に、ICパッケージ71内のICチップ72の管理ブロック89に対し電気的に接続されたモジュラージャック113を設けることとした。そして、検査に際しては、該モジュラージャック113に対し外部リーダ121のコネクタ122が差し込まれることで、管理ブロック89及び外部リーダ121間での通信が許容されうる。このため、万一ICパッケージ71やICチップ72が不正に交換されたような場合には、外部リーダ121と管理ブロック89との間で通信そのものができないこと等に基づいて、不正行為が容易に発見される。かかる検査に際し、基板ボックスの封印状態を解除した上でROM等を取り外して検査が行われていた従来技術とは異なり、基板ボックス51Bの封印状態を解除することなく、しかも基板ボックス51Bが設置された状態のままで検査を行うことができる。従って、検査に要する手間を著しく簡略化することができ、容易に検査(確認)作業を行うことができる。そのため、巧妙な不正に対してもその発見を非常に容易なものとすることができ、結果として、間接的な側面より不正の防止に大きく寄与し得るといえる。
【0129】
また、基板ボックス51Bを開封しなくても検査できることから、検査を考慮した封印構成を採用する必要がない。そのため、封印状態を解除しにくい厳重な封印構成が採用されたとしても、検査に何ら支障を来すことはなく、かかる点で不正の防止効果をより高めることができる。
【0130】
さらに、ICパッケージ71を実装したまま外部から検査できることから、ICパッケージ71を取外し不能又は困難とするよう構成したとしても確認に支障が生じない。すなわち、本実施の形態の如く、ICパッケージ71のリード73を主基板51に対しハンダ接合により強固に固着することで、ICパッケージ71が取り外されるという不正行為が抑制され、より一層の不正防止に貢献できる。
【0131】
さらに、検査が行われた後、異常のない主基板51及び基板ボックス51Bを再度利用に供しようとした場合、再度封印を行ったり、基板ボックスを設置し直したりといった作業を要しないため、かかる点においても手間を簡略化することができ、結果として検査に際しての作業性の飛躍的な向上を図ることができる。
【0132】
なお、本実施の形態では、基板ボックス51Bを透明の樹脂素材により構成していること、並びに、ZIPタイプのICパッケージ71としたこと、及び、ICパッケージ71の封止体74を透明樹脂材料により構成していることから、パッケージ71を主基板51から剥離することなく表面側のみならず裏面側も視認することができ、しかも、封止体74内部のICチップ72をも容易に識別することができる。このため、外観上明らかな不正行為を、上記検査を行うまでもなく容易に発見することができ、さらなる不正行為の間接的な抑制を図ることができる。
さらに、本実施の形態では、基板ボックス51Bに対し、封印手段104が設けられ、本体側封印部105及び蓋体側封印部106の付け根の括れ部分をニッパ等で切断することにより、主基板51を破損させることなく開封することができる。そのため、基板ボックス51B内部を詳細に確認したい場合や、主基板51をリサイクルに供するような場合に有利となる。但し、基板ボックス51Bが開封されるのを極力防止して不正行為をより確実に抑制するといった観点からは、ニッパ等で切断されることで開封可能となるような封印手段104を設けることなく、開封不能又は著しく困難となるように基板ボックス51Bを極力完全に閉鎖状態とするのが望ましい。
【0133】
尚、上述した実施の形態の記載内容に限定されることなく、例えば次のように実施してもよい。
【0134】
(a)上記実施の形態では、本体側封印部105の凹部107及び蓋体側封印部106の透孔109内に接着剤が流し込まれ、その状態で係止ピン111が嵌め込まれることにより、基板ボックス51Bが封印状態に保持されることとなっているが、他の封印構成を採用しても何ら差し支えない。但し、上述したように検査等に際しては封印状態を解除する必要がないため、その封印構造は、容易に封印が解除されるものよりは、開封が困難なように構成されていることが望ましい。
【0135】
例えば図11(a)に示す例では、本体側封印部131及び蓋体側封印部132が共に位置合わせされた状態で、樹脂封止体133にて封止された基板ボックスが図示されている。また、図11(b)に示す例では、本体側封印部134及び蓋体側封印部135に、それぞれ透孔136,137を形成するとともに、量透孔136,137を位置合わせした状態で、樹脂封止体138にて封止された基板ボックスが示されている。特に後者の例では、透孔136,137内にまで樹脂封止体138の樹脂が回り込むため、より確実に封印状態を確保することができる。もちろん、従来技術で説明したような特殊ネジ等の封印具を用いて接合固定したりしてもよい。さらに、上記例においては、樹脂製の係止ピン111を凹部107及び透孔109に嵌め込むといった構成を採用しているが、該係止ピン111を省略して、接着剤又は流動状態にある硬化性樹脂を凹部107及び透孔109に流し込む構成としてもよい。併せて、完全な封印状態としなくても、ボックス本体及びボックス蓋体を略閉鎖状態に維持できるものであれば、ボックス本体及びボックス蓋体間を接着剤やねじ等で固定したりしてもよい。
【0136】
(b)上記実施の形態では、主基板51の基板ボックス51Bは、保護カバー63の下方において、上部のソケット112部分が保護カバー63で覆われるよう横長に配置する構成を採用しているが、図12に示すように、基板ボックス51Bを、保護カバー63の側方において、側部のソケット112部分が保護カバー63で覆われるよう縦長に配置する構成を採用してもよい。また、同図に示しように、モジュラージャック113が側方(図の左側方)に開口するよう配置してもよい。このように構成することで、図13に示すように、非検査時には、モジュラージャック113の開口部に相対した近傍部位に外枠1が位置することとなるため、外枠1によってモジュラージャック113の開口部が保護されることとなり、異物が入りにくいという作用効果がより一層確実なものとなる。なお、同図に示す例ではモジュラージャック113の開口部を外枠1の近傍に位置せしめることとしているが、他の構成部材(例えば外枠1や前枠2から突出する図示しないリブ等)の近傍に配置せしめ、モジュラージャック113の開口部を保護することとしてもよい。
【0137】
また、図12,13に示す例では、モジュラージャック113は、パチンコ機の裏面から見て左側に設けられている。ここで、各種検査が行われるに際してはパチンコ機の裏面から見て右側を回動軸として前枠2が開かれるため、モジュラージャック113は、回動ストロークの最も多い部分、つまり、前枠2開成時に、パチンコ機の表側から見て最も近い側に設けられることとなる。このため、位置という観点から見れば、モジュラージャック113に対し外部リーダ121のコネクタ122を差し込むという作業をより行いやすくすることができる。
【0138】
(c)さらに、図14(a),(b)に示すように、基板ボックス51Bを、上記実施の形態と同様、保護カバー63の下部において横長に配置するとともに、モジュラージャック113の位置をパチンコ機の裏面から見て側部に設けることとしてもよい。このように構成しても、モジュラージャック113に対し外部リーダ121のコネクタ122を差し込むという作業をより行いやすくすることができる。
【0139】
(d)上記各例では、モジュラージャック113の開口部が略箱状をなす基板ボックス51Bの側壁部に対応して設けられる構成が主流でとなっているが、例えば図15(a),(b)に示すように、モジュラージャック113の開口部を基板ボックス51Bの天壁部に対応して設けることとしてもよい。なお、同図の例では、モジュラージャック113内部は、周壁115で囲われることとなるため、異物等の侵入からの十分な保護を図ることができる。また、同図において周壁115はテーパ状をなし、外部リーダ121側の端子122の接続時においては、該端子122が周壁115に沿って円滑に案内されることとなるため、接続作業が容易かつ円滑に行われることとなる。また、万一周壁115部分に遊技球Bが入り込んだとしても、テーパ面の存在によって、遊技球Bを確実に落下させることができる。なお、天壁部に対応してモジュラージャック113を設ける場合、図15のように周辺部分ではなく、中央部分又はその近傍に対応して設けることとしてもよい。
【0140】
(e)媒介手段、通信端子を構成するものとしてモジュラージャック113以外の端子(例えばピン受端子)等を採用してもよい。また、ICチップ72と外部確認装置との間で所定の端子を介して非接触状態で通信を行うことができるような構成としてもよい。例えば、主基板51に、アンテナを配設しておき、管理ブロック89及び無線通信可能な図示しない外部確認装置間で前記アンテナを介して送受信できるような構成が考えられる。かかる構成とすることで、確認時にコネクタの接続作業を行う必要がなく、しかも基板ボックスにモジュラージャック等の開口を必要とする部材を設ける必要がない。
【0141】
(f)基板ボックス51Bは必ずしも透明樹脂素材により構成されていなくてもよい。従って、例えば金属により構成されていてもよい。但し、この場合には、内部構造を視認できるよう、除き窓等が設けられているのが望ましい。
【0142】
(g)上記実施の形態では主基板51に対しICチップ72を内包したICパッケージ71を実装する構成を採用しているが、パッケージングを施すことなくCPU、ROM等を基板に設けることとしてもよい。また、ICパッケージ71を採用する場合であっても、封止体74を透明でない例えば黒色の樹脂材料により構成してもよい。また、上記実施の形態ではZIPタイプ等の縦型のICパッケージ71を採用しているが、他のいかなるタイプをも適用することができる。例えば、上記ZIP構造と同様にリード引出面が1側面のタイプ(縦型)としては、他にもSIP(Single Inline Package)等を挙げることができる。また、リード突出面が2側面のタイプとしては上記DIP(Dual Inline Package)タイプ(SDIP(Shrink DIP)を含む)を例示することができる。
【0143】
なお、これらは、いずれもソケットを介して基板に実装される挿入型である。これに対し、面実装型のタイプを適用してもよい。面実装型としては、第1にリード突出面が2側面のタイプとして、SOP(Small Outline Package)タイプ(SSOP(Shrink SOP)を含む)、TSOP(Thin Small Outline Package)タイプ、SOJ(Small Outline J-leaded Package)タイプ等を例示することができ、第2にリード突出面が4側面のタイプとして、QFP(Quad Flat Package)タイプ、TQFP(Thin Quad Flat Package)タイプ、QFJ(Quad Flat J-leaded Package)タイプ等を例示することができる。また、BGA(Ball Grid Array)タイプであってもよい。
【0144】
(h)本発明は、上記実施の形態とは異なるタイプのパチンコ機等にも適用できる。例えば、大当たり図柄が表示された後に所定の領域に遊技球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、表示装置19のないパチンコ機(例えば大羽根やクルーンといった役物が搭載されているタイプや、いわゆる多くのチューリップが搭載されているタイプ等)にも応用できる。また、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン等の各種遊技機として実施することも可能である。なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
【0145】
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、遊技球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく、所定量の遊技球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して或いは所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の遊技球が払い出されるものである。
【0146】
(i)上記実施の形態では、主基板51及び主基板51用の基板ボックス51Bを代表例として説明しているが、このような構成を払出制御基板52、図柄表示装置制御基板53、音声制御基板54、ランプ制御基板55、発射制御基板56等の他の基板及び各基板ボックスについても同様に適用してもよい。
【0147】
【発明の効果】
本発明によれば、不正行為を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態におけるパチンコ機を示す斜視図である。
【図2】パチンコ機の遊技盤等を示す正面図である。
【図3】制御装置等への電源供給の流れ等を示す一種のブロック図である。
【図4】各種基板及び基板ボックス等を説明するためのパチンコ機の背面図である。
【図5】パチンコ機の背面側に取付けられた主基板の被包されてなる基板ボックスを示す正面図である。
【図6】パチンコ機の背面側に装着されている基板ボックスを下面側から見た状態を示す図である。
【図7】基板ボックスの断面図である。
【図8】ICパッケージを示す斜視図である。
【図9】ICチップの電気的構成等を説明するブロック図である。
【図10】封印手段を拡大して示す部分断面図である。
【図11】別の実施の形態における封印手段を拡大して示す部分断面図である。
【図12】別の実施の形態における基板ボックスの配置状態等を説明するためのパチンコ機の背面図である。
【図13】別の実施の形態におけるパチンコ機の模式的な断面図である。
【図14】別の実施の形態において、(a)は基板ボックスを下面側から見た状態を示す図であり、(b)は基板ボックスの正面図である。
【図15】別の実施の形態において、(a)は基板ボックスを下面側から見た状態を示す図であり、(b)は基板ボックスの正面図である。
【符号の説明】
3…遊技盤、50…制御装置、51…主基板、52…払出制御基板、53…図柄表示装置制御基板、54…音声制御基板、55…ランプ制御基板、56…発射制御基板、51B,52B,56B…基板ボックス、61…電源スイッチ基板、62…電源分配基板、63…保護部材としての保護カバー、71…ICパッケージ、72…ICチップ、73…リード、74…封止体、81…中央処理装置(CPU)、82…プログラムROM、83…ユーザワークRAM、89…独立記憶部を構成する管理ブロック、101…ボックス本体、102…ボックス蓋体、104…開封維持手段を構成する封印手段、112…ソケット、113…通信端子を構成するモジュラージャック、121…外部確認装置としての外部リーダ、122…コネクタ。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2011-06-21 
出願番号 特願2000-233767(P2000-233767)
審決分類 P 1 41・ 851- Y (A63F)
P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 土屋 保光  
特許庁審判長 立川 功
特許庁審判官 小原 博生
澤田 真治
登録日 2011-04-08 
登録番号 特許第4714968号(P4714968)
発明の名称 遊技機  
代理人 川口 光男  
代理人 川口 光男  

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