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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F16D 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F16D |
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管理番号 | 1240417 |
審判番号 | 不服2010-11481 |
総通号数 | 141 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-09-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-05-28 |
確定日 | 2011-07-20 |
事件の表示 | 特願2006-160925号「自動車圧縮機に結合される電子クラッチ用フィールドコイルアセンブリーの電源連結部及びその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成19年2月1日出願公開、特開2007-24306号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
【1】手続の経緯 本願は、平成18年6月9日(パリ条約による優先権主張2005年7月20日、韓国)の出願であって、平成22年1月25日(起案日)付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成22年5月28日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。 【2】平成22年5月28日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成22年5月28日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1.補正後の本願発明 平成22年5月28日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1は、 「【請求項1】 自動車エンジン側の電源コネクターと接続される電子クラッチ用フィールドコイルアセンブリー(1)の電源連結部において、 前記フィールドコイルアセンブリー(1)から引き出された電線(3)を介して連結されるハウジングアセンブリー(400)と、 サージ電圧を吸収するためのダイオード(510)と、 残留磁場を除去するためのレジスター(520)と、 上部には、前記ダーオード(審決注:「ダイオード」の誤記と認める。以下同様。)(510)及びレジスター(520)のそれぞれの外周面の一部を囲む形状を有して前記ダーオード(510)及びレジスター(520)を載置し、下部には、前記電線(3)を載置するホルダー(600)と、を含み、 前記ダーオード(510)、レジスター(520)及びこれらを囲む前記ホルダー(600)が前記ハウジングアセンブリー(400)内に射出結合されることを特徴とする自動車圧縮機に結合される電子クラッチ用フィールドコイルアセンブリーの電源連結部。」と補正された。(なお、下線は補正箇所に関して審判請求人が付したものである。) 上記補正は、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である、「放電装置」を「ダイオード」に限定するとともに、「磁場除去装置」を「レジスター」に限定し、さらに、「ホルダー」について、「前記放電装置(510)及び磁場除去装置(520)のそれぞれの外周面の一部を囲む形状のホルダー(600)」を「上部には、前記ダーオード(510)及びレジスター(520)のそれぞれの外周面の一部を囲む形状を有して前記ダーオード(510)及びレジスター(520)を載置し、下部には、前記電線(3)を載置するホルダー(600)」と限定するものであって、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の上記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。 2.引用例とその記載事項 引用例1:特開平7-127662号(以下、「引用例1」という。) 原査定の拒絶の理由に引用された上記引用例1には、「電磁クラッチ」に関し、図面とともに次の事項が記載されている。 (あ)「【0007】 【実施例】次に、本発明の電磁クラッチの一実施例を図1ないし図7を基に説明する。図1は電磁クラッチの断面図である。本実施例の電磁クラッチ1は、車両用冷凍サイクルの冷媒圧縮機(図示しない)に装着されるもので、コネクタ2が一体に形成されたステータ3、エンジン(図示しない)の回転動力が伝達されて回転するロータ4(本発明の駆動側回転体)、このロータ4と軸方向に対面して配置されたアーマチュア5(本発明の従動側回転体)、板ばね6を介してアーマチュア5を支持するインナーハブ7(本発明の従動側回転体)、およびサージ電圧を吸収するためのサージ吸収装置8(図4および図5参照)等から構成されている。」 (い)「【0016】サージ吸収装置8は、図4および図5に示すように、カプラ2bの内部に挿入されるベース26(本発明の基台部)と、このベース26に保持されるダイオード27(本発明のサージ吸収素子)とから成る。ベース26は、ダイオード27を収容するベース本体26aと、このベース本体26aから上方へ延びて設けられた位置決め板26bとから成る。 【0017】ベース本体26aは、カプラ2bの底部内面形状に相応する外形状を成し、カプラ2bの底部に軽い圧入によって固定される程の大きさに設けられている。このベース本体26aには、コネクタ2の金属端子2aを通すための一対の端子孔26cと、ダイオード27を収容するための凹部26dとが形成されている。位置決め板26bは、コネクタ2と相手側コネクタ2とを嵌合する時に、両者の嵌合向きを決めるために設けられたもので、ベース本体26aをカプラ2bの底部に挿入した状態で、ベース本体26aからカプラ2bの先端面に達するまでの長さを有する。」 (う)「【0019】次に、本実施例の作動を説明する。励磁コイル9の通電停止時は、アーマチュア5が板ばね6の作用によってロータ4より離れた位置に保持されることから、エンジンよりVベルトを介してロータ4に伝達される回転力がアーマチュア5へ伝達されることはなく、従ってロータ4のみがベアリング16上で空転する。 【0020】励磁コイル9が通電されると、励磁コイル9の発生する磁力により、板ばね6の弾性力に抗してアーマチュア5がロータ4側に吸引される。この結果、アーマチュア5の摩擦面とロータ4の摩擦面とが密着して摩擦係合することにより、ロータ4の回転力がアーマチュア5、板ばね6、インナーハブ7を介して冷媒圧縮機の回転軸20に伝達されて、冷媒圧縮機が駆動される。 【0021】その後、励磁コイル9への通電を停止すると、励磁コイル9の両端にサージ電圧が発生するが、このサージ電圧は、防水コネクタ2の金属端子2aと電気的に接続されたダイオード27によって速やかに吸収されて消滅する。なお、サージ吸収装置8は、カプラ2bの内部に挿入された後、コネクタ2に相手側コネクタ2が嵌合されて強固に保持されることから、車両の振動によってコネクタ2から脱落する虞はない。従って、サージ吸収装置8は、カプラ2bの内部に挿入するだけでコネクタ2に対して固定する必要はないが(本実施例では軽い圧入によって固定する)、接着剤等で固定してコネクタ2からの脱落を防止するようにしても良い。 【0022】次に、本発明の第2実施例を説明する。本実施例のサージ吸収装置8は、図8に示すように、ダイオード27と直列に抵抗体28を接続して使用するものである。このように、サージ吸収装置8に抵抗体28を入れることにより、励磁コイル9への通電が停止された時のロータ4とアーマチュア5とのスリップ時間(すべり時間)を短くすることができる。」 (え)「【0024】次に、本発明の第4実施例を説明する。本実施例のサージ吸収装置8は、コネクタ一体型のステータを有する電磁クラッチ(第1実施例に示したタイプ)に適用するものではなく、図12に示すように、コネクタ2がステータ3と別体で、リード線30によって接続された電磁クラッチに適用するものである。本実施例のように、コネクタ2がリード線30に接続された場合でも、図13に示すように、コネクタ2のカプラ2b内部にサージ吸収装置8を挿入して使用することで、第1実施例と同様の効果を得ることができる。」 (お)上記記載事項(え)及び図12,13からみて、電磁クラッチ1のステータ3とコネクタ2のカプラ2bとは、電磁クラッチ1から引き出されたリード線30を介して連結されていることが看取される。 (か)上記記載事項(い)(う)及び図8からみて、コネクタ2のカプラ2b内に挿入されるベース26において、一端側(図8の右下側)には、ダイオード27及び抵抗体28のそれぞれの外周面の一部を囲む形状を有して前記ダイオード27及び抵抗体28を載置し、他端側(図8の左上側)には、金属端子2aを載置する端子孔26cが設けられている構成が看取される。 (き)上記記載事項(う)の「サージ吸収装置8は、・・・接着剤等で固定してコネクタ2からの脱落を防止するようにしても良い。」との記載及び上記記載事項(か)からみて、ダイオード27、抵抗体28及びこれらを囲むベース26が、コネクタ2のカプラ2b内に接着剤で固定される態様は示されているといえる。 (く)図13からみて、リード線30と金属端子2aが接続されていることが看取される。 上記記載事項及び図面(特に、図1,8,12,13)の記載を総合すると、引用例1には、 「車両用冷凍サイクルの冷媒圧縮機に装着される電磁クラッチ1のコネクタ2において、 電磁クラッチ1から引き出されたリード線30を介して連結されるコネクタ2のカプラ2bと、 サージ電圧を吸収するためのダイオード27と、 ダイオード27と直列に接続された抵抗体28と、 一端側には、前記ダイオード27及び抵抗体28のそれぞれの外周面の一部を囲む形状を有して前記ダイオード27及び抵抗体28を載置し、他端側には、前記リード線と接続される金属端子2aを載置するベース26と、を含み、 前記ダイオード27、抵抗体28及びこれらを囲む前記ベース26が前記コネクタ2のカプラ2b内に接着剤で固定される車両用冷凍サイクルの冷媒圧縮機に装着される電磁クラッチ1のコネクタ2。」の発明(以下、「引用例1発明」という。)が記載されているものと認められる。 3.発明の対比 本願補正発明と引用例1発明とを対比すると、引用例1発明の「車両用冷凍サイクルの冷媒圧縮機に装着される電磁クラッチ1のコネクタ2」は、その機能、構造、技術常識などからみて実質的に、本願補正発明の「自動車エンジン側の電源コネクターと接続される電子クラッチ用フィールドコイルアセンブリー(1)の電源連結部」又は「自動車圧縮機に結合される電子クラッチ用フィールドコイルアセンブリーの電源連結部」に相当し、以下同様に、「電磁クラッチ1」は「フィールドコイルアセンブリー(1)」に、「リード線30」は「電線(3)」に、「コネクタ2のカプラ2b」は「ハウジングアセンブリー(400)」に、「サージ電圧を吸収するためのダイオード27」は「サージ電圧を吸収するためのダイオード(510)」に、「ダイオード27と直列に接続された抵抗体28」は「残留磁場を除去するためのレジスター(520)」に、「ダイオード27」は「ダイオード(510)」(又は「ダーオード(510)」)に、「抵抗体28」は「レジスター(520)」に、それぞれ相当する。 また、引用例1発明の「ベース26」と本願補正発明の「ホルダー(600)」とは、保持の対象の相違は下記に相違点で挙げるとしても、少なくとも、ダイオード等を保持する「ホルダー」である限りでは共通している。そして、その対称性を考慮すれば、「ホルダー」における、引用例1発明の「一端側」及び「他端側」と、本願補正発明の「上部」及び「下部」とは、実質的に相当するものといえる。さらに、ホルダーに載置される、引用例1発明の「(リード線30と接続される)金属端子2a」と本願補正発明の「電線(3)」とは、線種の相違は下記に相違点で挙げるとしても、少なくとも、「通電のための線状体」である限りでは共通している。 そして、引用例1発明の「接着剤で固定」することと本願補正発明の「射出結合」することとは、結合の態様の相違は下記に相違点で挙げるとしても、少なくとも、「結合」するものである点では共通している。 [一致点] してみると、本願補正発明と引用例1発明とは、本願補正発明の記載ぶりに倣って整理すると、 「自動車エンジン側の電源コネクターと接続される電子クラッチ用フィールドコイルアセンブリーの電源連結部において、 前記フィールドコイルアセンブリーから引き出された電線を介して連結されるハウジングアセンブリーと、 サージ電圧を吸収するためのダイオードと、 残留磁場を除去するためのレジスターと、 上部には、前記ダーオード及びレジスターのそれぞれの外周面の一部を囲む形状を有して前記ダーオード及びレジスターを載置し、下部には、通電のための線状体を載置するホルダーと、を含み、 前記ダーオード、レジスター及びこれらを囲む前記ホルダーが前記ハウジングアセンブリー内に結合される自動車圧縮機に結合される電子クラッチ用フィールドコイルアセンブリーの電源連結部。」 である点で一致し、次の点で相違する。 [相違点1] 上記ホルダーの下部に載置される「通電のための線状体」が、本願補正発明は、「電線」であるのに対し、引用例1発明は、リード線30と接続される金属端子2aである点。 [相違点2] 「前記ダーオード、レジスター及びこれらを囲む前記ホルダーが前記ハウジングアセンブリー内に結合」される結合の態様が、本願補正発明は、「射出結合」であるのに対し、引用例1発明は、接着剤で固定である点。 4.当審の判断 4-1.[相違点1]の検討 上記記載事項(く)に示したとおり引用例1においてリード線30と金属端子2aとは接続されているものであるとともに、それぞれ通電のための線状体であり、しかも、図13からみて、リード線30及び金属端子2aはいずれもコネクタ2のカプラ2b内に収容されているものであるから、コネクタ2のカプラ2b(ハウジングアセンブリー)内に挿入されるベース26(ホルダー)によって、金属端子2aを保持する構成に換えて、リード線30を保持するように構成することは、当業者が容易になし得たものである。 4-2.[相違点2]の検討 ホルダーをハウジングアセンブリー内に結合する手段として、どのような結合手段を採用するかは、固着性、密封性、強度等を考慮して、当業者が適宜選択し得る選択的事項にすぎないものであるが、特に、電子部品(又は電子部品を保持するホルダー)をハウジング等に結合する際に射出結合により結合することは従来周知の技術(例えば、特許第2602381号公報の段落【0002】、【0012】及び図7?9を参照。)である。 してみると、引用例1発明において、ベース26(ホルダー)をコネクタ2のカプラ2b(ハウジングアセンブリー)内に挿入した後に、接着剤で固定する構成に換えて、射出結合で結合するよう構成することは、当業者が容易になし得たものである。 結局、引用例1発明及び上記従来周知の技術に基づいて、相違点1、2に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものである。 また、本願補正発明が奏する作用効果は、引用例1発明及び上記従来周知の技術から当業者が予測できる程度のものである。 4-3.まとめ したがって、本願補正発明は、引用例1に記載された発明及び上記従来周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4-4.審判請求人の主張について 審判請求人は、平成22年5月28日付け審判請求書において、「上記引用文献1?7(注:引用文献1は、本審決における「引用例1」に相当。以下、同様。)に対し、本願請求項1は、ダイオードとレジスターを備えて、これらをハウジングアセンブリー内で一体にモールディング成形し、ホルダー600の上部にはダイオードとレジスターを載置し、ホルダー600の下部には電線を固定する構成であり、この内容については、引用文献1?7に開示も示唆もされておりません。 また、上記引用文献1?7の内容からは、本願請求項1の「車両用空調装置の圧縮機に連結される電子クラッチ用フィールドコイルアセンブリーの電源連結部において、ホルダーの上部にはダイオードとレジスターを固定し、ホルダーの下部には電線を固定した後、一体にモールディングする構成」は、容易に想到できるものではありません。 このような本願請求項1の電子クラッチ用フィールドコイルアセンブリーの電源連結部は、フィールドコイルアセンブリーから放出される熱による影響を直接的に受けることがなく、振動や取扱い不注意によりダイオードなどが損傷することを防止できる効果があります。 さらに、ホルダーの上部にダイオード及びレジスターを載置し、ホルダーの下部には電線を固定した状態で、一体にモールディング成形されるため、電気的に防水性が必要な部分、即ち、車両の走行中に流入される水分及び異物から、電線、ダイオード及びレジスター、その他、これらの相互間の電気的連結部が機密性を保持することができるため、耐久性を向上させ、誤作動を防止する効果があります。」旨の主張をし、平成23年1月11日付け回答書においても同趣旨の主張をしている。 しかしながら、引用例1発明及び上記従来周知の技術に基づいて本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たものであることは、上記「4.当審の判断」で述べたとおりであり、また同様の構成により同様の作用効果が奏されることは、当業者にとって明らかである。 5.むすび 以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 【3】本願発明について 1.本願発明 平成22年5月28日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし6に係る発明は、平成21年3月13日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、次のとおりのものである。 「【請求項1】 自動車エンジン側の電源コネクターと接続される電子クラッチ用フィールドコイルアセンブリー(1)の電源連結部において、 前記フィールドコイルアセンブリー(1)から引き出された電線(3)を介して連結されるハウジングアセンブリー(400)と、 サージ電圧を吸収するための放電装置(510)と、 残留磁場を除去するための磁場除去装置(520)と、 前記放電装置(510)及び磁場除去装置(520)のそれぞれの外周面の一部を囲む形状のホルダー(600)と、を含み、 前記放電装置(510)、磁場除去装置(520)及びこれらを囲む形状の前記ホルダー(600)が前記ハウジングアセンブリー(400)内に射出結合することを特徴とする自動車圧縮機に結合される電子クラッチ用フィールドコイルアセンブリーの電源連結部。」 2.引用例とその記載事項 引用例1とその記載事項は、上記【2】2.に記載したとおりである。 3.対比・判断 本願発明は実質的に、上記【2】で検討した本願補正発明の「ダイオード」を「放電装置」に拡張するとともに、「レジスター」を「磁場除去装置」に拡張し、さらに、「ホルダー」について、「上部には、前記ダーオード(510)及びレジスター(520)のそれぞれの外周面の一部を囲む形状を有して前記ダーオード(510)及びレジスター(520)を載置し、下部には、前記電線(3)を載置するホルダー(600)」を「前記放電装置(510)及び磁場除去装置(520)のそれぞれの外周面の一部を囲む形状のホルダー(600)」と拡張したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに限定したものに相当する本願補正発明が、上記【2】3.及び4.に記載したとおり、引用例1に記載された発明及び上記従来周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例1に記載された発明及び上記従来周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 4.むすび 以上のとおり、本願発明(請求項1に係る発明)は、引用例1に記載された発明及び上記従来周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、請求項2ないし請求項6に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2011-02-16 |
結審通知日 | 2011-02-22 |
審決日 | 2011-03-07 |
出願番号 | 特願2006-160925(P2006-160925) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(F16D)
P 1 8・ 575- Z (F16D) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 増岡 亘 |
特許庁審判長 |
川本 真裕 |
特許庁審判官 |
大山 健 山岸 利治 |
発明の名称 | 自動車圧縮機に結合される電子クラッチ用フィールドコイルアセンブリーの電源連結部及びその製造方法 |
代理人 | 特許業務法人共生国際特許事務所 |