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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1240513
審判番号 不服2009-20051  
総通号数 141 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-10-19 
確定日 2011-07-21 
事件の表示 特願2003-148533「情報分析支援システム、情報分析支援方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成16年12月16日出願公開、特開2004-355066〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成15年5月27日の出願であって、平成21年4月24日付けで拒絶理由通知がなされ、同年6月26日付けで手続補正がなされたが、同年7月14日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年10月19日に審判請求がなされるとともに同日付けで手続補正がなされたものである。そして、同年11月11日付けで審査官から前置報告がなされ、平成23年1月18日付けで当審より審尋がなされたものである。

第2.平成21年10月19日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成21年10月19日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正の内容
平成21年10月19日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、平成21年6月26日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項7の記載

「【請求項7】 ネットワークで接続されたサーバおよびクライアントによりユーザの情報分析を支援する情報分析支援方法において、
プログラムの一覧の中から少なくとも二つのプログラムを選択するプログラム選択工程と、
前記プログラム選択工程で選択された各プログラムを表現するアイコンを画面上の所定領域に配置するアイコン配置工程と、
前記アイコン配置工程で配置されたアイコンを接続することで前記プログラム選択工程で選択されたプログラムの実行順序を指定する実行順序指定工程と、
前記プログラム選択工程で選択されたプログラムおよび前記実行順序指定工程で指定された実行順序を記述したファイルを作成するファイル作成工程と、
を含んだことを特徴とする情報分析支援方法。」(以下、この特許請求の範囲の請求項7を「補正前の請求項7」という。)を、

「【請求項6】 ネットワークで接続されたサーバおよびクライアントによりユーザの情報分析を支援する情報分析支援方法において、
プログラムの一覧の中から少なくとも二つのプログラムを選択するプログラム選択工程と、
前記プログラム選択工程で選択された各プログラムを表現するアイコンを画面上の所定領域に配置するアイコン配置工程と、
前記アイコン配置工程で配置されたアイコンを接続することで前記プログラム選択工程で選択されたプログラムの実行順序を指定する実行順序指定工程と、
前記プログラム選択工程で選択されたプログラムおよび前記実行順序指定工程で指定された実行順序を記述したファイルを作成するファイル作成工程と、
を含み、
前記実行順序指定工程は、前記アイコンのうちの一つ(以下「第1アイコン」という)を指定した後に、当該第1アイコンと、当該第1アイコンとは別の複数のアイコン(以下「第2アイコン群」という)を指定することで当該第1アイコンと当該第2アイコン群とを接続することにより、当該第1アイコンにかかるプログラムを実行した後に当該第2アイコン群にかかる各プログラムを並列処理するように実行させるというプログラムの実行順序を指定することを特徴とする情報分析支援方法。」(以下、この特許請求の範囲の請求項6を「補正後の請求項6」という。)

に補正することを含むものである。

2.補正の適否
2-1.新規事項の有無、補正の目的要件
本件補正は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされており、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。
そして、本件補正の補正前の請求項7についてなされた補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例とされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮(請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、その補正前の当該請求項7に記載された発明とその補正後の請求項6に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるもの)を目的とするものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定に適合する。

2-2.独立特許要件
補正前の請求項7についてなされた補正は、特許法17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とすることから、補正前の請求項7についてなされた補正、すなわち補正後の請求項6(以下「補正後の発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか、(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)以下に検討する。

(1)補正後の発明
前記補正前の請求項7についてなされた補正により、補正後の発明は、前記「1.補正の内容」の「補正後の請求項6」に記載された以下のものと認められる。

「ネットワークで接続されたサーバおよびクライアントによりユーザの情報分析を支援する情報分析支援方法において、
プログラムの一覧の中から少なくとも二つのプログラムを選択するプログラム選択工程と、
前記プログラム選択工程で選択された各プログラムを表現するアイコンを画面上の所定領域に配置するアイコン配置工程と、
前記アイコン配置工程で配置されたアイコンを接続することで前記プログラム選択工程で選択されたプログラムの実行順序を指定する実行順序指定工程と、
前記プログラム選択工程で選択されたプログラムおよび前記実行順序指定工程で指定された実行順序を記述したファイルを作成するファイル作成工程と、
を含み、
前記実行順序指定工程は、前記アイコンのうちの一つ(以下「第1アイコン」という)を指定した後に、当該第1アイコンと、当該第1アイコンとは別の複数のアイコン(以下「第2アイコン群」という)を指定することで当該第1アイコンと当該第2アイコン群とを接続することにより、当該第1アイコンにかかるプログラムを実行した後に当該第2アイコン群にかかる各プログラムを並列処理するように実行させるというプログラムの実行順序を指定することを特徴とする情報分析支援方法。」

(2)引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された特開2001-256186号公報(以下、「引用文献1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

(ア)「【0004】
【発明が解決しようとする課題】ビジネスにおける情報のデジタル化は、今後も益々拍車がかかるものと予想され、種々のデータに対して、様々なデータ処理を行う必要が生じ、データ処理の内容が多様化してゆくことは避けられないものと思われる。しかしながら、上述した従来のデータ処理システムで、この多様化に対応してゆこうとすれば、ユーザが利用するシステムは益々肥大化せざるを得ず、データ処理の操作も複雑化せざるを得ない。その反面、SOHO(Small Office Home Office)なる概念のもとに、今後は比較的小規模な事業所が増えてゆくものと予想され、これら小規模事業所では、多様化するデータ処理に十分に対応できない事態が懸念される。」

(イ)「【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るデータ処理システムの基本構成を示すブロック図である。このシステムは、サービス提供者がサービス利用者に対してデータ処理サービスを提供するビジネス形態を採る際に利用されるデータ処理サービスの提供システムともいうべきシステムである。このシステムを利用すれば、一連の単位データ処理をジョブとして登録しておくことができ、サービス利用者が用意した処理前ファイルに対して、ジョブとして登録されていた一連の単位データ処理をサービス提供者が実行し、その結果を処理後ファイルとしてサービス利用者へと戻すことが可能になる。
【0018】このシステムの大きな構成要素は、サービス提供者用コンピュータ100と、サービス利用者用コンピュータ200と、両者を接続する通信手段300である。…(中略)…」

(ウ)「【0026】実際のジョブは、ジョブ実行部130によって実行されるが、実行すべきジョブの内容は、予めジョブ登録部140に登録しておく必要がある。このジョブ登録部140は、複数のジョブのそれぞれについて、処理前格納庫および処理後格納庫を対応づける格納庫情報と、当該ジョブを構成する一連の単位データ処理に必要なコンポーネントおよびその実行順序を示すコンポーネント情報と、を保持する機能を有している。
…(中略)…
【0038】ところで、ジョブ登録部140にジョブを登録する作業は、サービス提供者自身が行ってもかまわないが、実用上は、ジョブ登録部140をサービス利用者に対して開放し、個々のサービス利用者が自分自身で必要なジョブを登録し、これを利用できるようにしておいた方が好ましい。必要なデータ処理の種類は今後も益々増加し、多様化してゆくことが予想され、個々の利用者のニーズに応じたすべてのジョブをサービス提供者側で用意することは困難である。そこで、本実施形態に係るシステムでは、サービス利用者用コンピュータ200側に、ジョブ登録部140に対する登録作業を行う機能をもった登録作業部220を設け、サービス利用者自身が任意のジョブを登録することができるようにしている。
【0039】図4は、ジョブ登録部140の登録内容の一例を示す概念図である。既に述べたように、ジョブ登録部140には、個々のジョブについて、処理前格納庫および処理後格納庫を対応づける格納庫情報と、当該ジョブを構成する一連の単位データ処理に必要なコンポーネントおよびその実行順序を示すコンポーネント情報とが保持されていればよい。したがって、たとえば、3つのジョブX,Y,Zをジョブ登録部140に登録するのであれば、図4に示すような各情報が用意できればよい。 …(中略)… これに対して、コンポーネント情報は、登録を行う者による指示に基づいて作成する必要がある。図4の例の場合、ジョブXについて、「B→A→E→G→D」なるコンポーネント情報が登録されているが、どのコンポーネントをどのような順序で実行すべきかは、当該ジョブの登録者の自由裁量に基づいて決定すべき事項である。したがって、サービス利用者によってジョブ登録を行わせる場合、登録作業部220からコンポーネント情報を入力してもらう必要がある。
【0040】しかしながら、一般の利用者に、このようなジョブ登録作業を行わせるためには、できるだけ容易な操作での登録が可能となるようなマンマシンインターフェースを提供するのが好ましい。そこで、本実施形態では、コンポーネント格納部110に用意されている個々のコンポーネントをそれぞれアイコンで表示し、このアイコンを画面上で所定の順序に並べる作業を行うことにより、ジョブ登録部140に登録すべきコンポーネント情報を作成できるようにしている。このようなマンマシンインターフェースを採用することにより、サービス利用者による登録作業は、Webブラウザ上でのマウス操作という単純作業で実施することが可能になる。
【0041】…(中略)…
【0042】このようなジョブ登録ダイアログ400を用いれば、新たなジョブ登録を行う作業を次のような操作により簡単に行うことができる。まず、制御領域430内の「ジョブ追加」ボタンをクリックして、新たなジョブを追加する旨の指示を伝える。そして、任意のジョブ名をキーボードなどから入力すると、ジョブテーブル領域410内に新たな行が生成され、入力されたジョブ名と、このジョブに対応づけられたフォルダ名が自動的に表示される。続いて、この行の1?5の欄に、実行すべきコンポーネントを実行順序に従って入力する作業を行うことになるが、この作業は、コンポーネント選択領域420に表示されている所望のコンポーネントのアイコンを、マウスによるドラッグアンドドロップ操作で所望の欄へと移動するだけでよい。サービス利用者は、コンポーネント選択領域420内から必要なコンポーネントのアイコンを選択しては、これをジョブテーブル領域410内の所定の欄へと移動させる作業を繰り返してゆくことにより、コンポーネント情報を作成することが可能になる。」

(ア)の段落【0004】における記載「種々のデータに対して、様々なデータ処理を行う必要が生じ、データ処理の内容が多様化してゆくことは避けられないものと思われる。 … SOHO(Small Office Home Office)なる概念のもとに、今後は比較的小規模な事業所が増えてゆくものと予想され、これら小規模事業所では、多様化するデータ処理に十分に対応できない事態が懸念される。」、(イ)の段落【0017】における記載「このシステムは、サービス提供者がサービス利用者に対してデータ処理サービスを提供するビジネス形態を採る際に利用されるデータ処理サービスの提供システムともいうべきシステムである。」及び(イ)の段落【0018】における記載「このシステムの大きな構成要素は、サービス提供者用コンピュータ100と、サービス利用者用コンピュータ200と、両者を接続する通信手段300である。」からすると、引用文献1には、通信手段で接続されたサービス提供者用コンピュータおよびサービス利用者用コンピュータにより利用者の多様化するデータ処理を提供するデータ処理提供方法に関する発明が記載されていると解される。

(ウ)の段落【0038】における記載「本実施形態に係るシステムでは、サービス利用者用コンピュータ200側に、ジョブ登録部140に対する登録作業を行う機能をもった登録作業部220を設け、サービス利用者自身が任意のジョブを登録することができるようにしている。」、(ウ)の段落【0040】における記載「本実施形態では、コンポーネント格納部110に用意されている個々のコンポーネントをそれぞれアイコンで表示し、このアイコンを画面上で所定の順序に並べる作業を行うことにより、ジョブ登録部140に登録すべきコンポーネント情報を作成できるようにしている。」、(ウ)の段落【0042】における記載「続いて、この行の1?5の欄に、実行すべきコンポーネントを実行順序に従って入力する作業を行うことになるが、この作業は、コンポーネント選択領域420に表示されている所望のコンポーネントのアイコンを、マウスによるドラッグアンドドロップ操作で所望の欄へと移動するだけでよい。サービス利用者は、コンポーネント選択領域420内から必要なコンポーネントのアイコンを選択しては、これをジョブテーブル領域410内の所定の欄へと移動させる作業を繰り返してゆくことにより、コンポーネント情報を作成することが可能になる。」からすると、前記データ処理提供方法は、コンポーネントの選択領域の中から少なくとも二つのコンポーネントを選択するコンポーネント選択工程と、前記コンポーネント選択工程で選択された各コンポーネントを表現するアイコンを画面上のジョブテーブル領域内の所定の欄に配置するアイコン配置工程と、前記アイコン配置工程で、所定の欄にアイコンを並べることで前記コンポーネント選択工程で選択されたコンポーネントの実行順序を指定する実行順序指定工程とをを有すると解される。
(ウ)の段落【0026】における記載「実行すべきジョブの内容は、予めジョブ登録部140に登録しておく必要がある。このジョブ登録部140は、複数のジョブのそれぞれについて、処理前格納庫および処理後格納庫を対応づける格納庫情報と、当該ジョブを構成する一連の単位データ処理に必要なコンポーネントおよびその実行順序を示すコンポーネント情報と、を保持する機能を有している。」からすると、前記データ処理提供方法は、前記コンポーネント選択工程で選択されたコンポーネントおよび前記実行順序指定工程で指定された実行順序を保持したジョブ情報を作成するジョブ情報作成工程を有すると解される。

したがって、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

通信手段で接続されたサービス提供者用コンピュータおよびサービス利用者用コンピュータにより利用者の多様化するデータ処理を提供するデータ処理提供方法において、
コンポーネントの選択領域の中から少なくとも二つのコンポーネントを選択するコンポーネント選択工程と、
前記コンポーネント選択工程で選択された各コンポーネントを表現するアイコンを画面上のジョブテーブル領域に配置するアイコン配置工程と、
前記アイコン配置工程で、所定の欄にアイコンを並べることで前記コンポーネント選択工程で選択されたコンポーネントの実行順序を指定する実行順序指定工程と、
前記コンポーネント選択工程で選択されたコンポーネントおよび前記実行順序指定工程で指定された実行順序を保持したジョブ情報を作成するジョブ情報作成工程と、
を含んだことを特徴とするデータ処理提供方法。

(3)対比
ここで、補正後の発明と引用発明とを比較する。
引用発明の「通信手段」、「サービス提供者用コンピュータ」、「サービス利用者用コンピュータ」、「利用者」、及び「提供」は、それぞれ、補正後の発明の「ネットワーク」、「サーバ」、「クライアント」、「ユーザ」、及び「支援」に相当する。
引用発明の「コンポーネント」、「選択領域」、「コンポーネント選択工程」、及び「ジョブテーブル領域」は、それぞれ、補正後の発明の「プログラム」、「一覧」、「プログラム選択工程」、及び「所定領域」に相当する。
引用発明の「前記コンポーネント選択工程で選択されたコンポーネントおよび前記実行順序指定工程で指定された実行順序を保持したジョブ情報」及び「ジョブ情報作成工程」は、それぞれ、補正後の発明の「前記プログラム選択工程で選択されたプログラムおよび前記実行順序指定工程で指定された実行順序を記述したファイル」及び「ファイル作成工程」に相当する。

引用発明の「多様化するデータ処理」と、補正後の発明の「情報分析」とは、ともに「データ処理」の点で共通する。
引用発明の「所定の欄にアイコンを並べることでコンポーネント選択工程で選択されたコンポーネントの実行順序を指定する」ことと、補正後の発明の「配置されたアイコンを接続することで前記プログラム選択工程で選択されたプログラムの実行順序を指定する」こととは、アイコン間の関係付けを行うことでプログラム選択工程で選択されたプログラムの実行順序を指定する点で共通する。

よって、補正後の発明と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。

(一致点)
ネットワークで接続されたサーバおよびクライアントによりユーザのデータ処理を支援するデータ処理支援方法において、
プログラムの一覧の中から少なくとも二つのプログラムを選択するプログラム選択工程と、
前記プログラム選択工程で選択された各プログラムを表現するアイコンを画面上の所定領域に配置するアイコン配置工程と、
前記アイコン配置工程でアイコン間の関係付けを行うことで前記プログラム選択工程で選択されたプログラムの実行順序を指定する実行順序指定工程と、
前記プログラム選択工程で選択されたプログラムおよび前記実行順序指定工程で指定された実行順序を記述したファイルを作成するファイル作成工程と、
を含んだことを特徴とするデータ処理支援方法。

(相違点1)
「データ処理」について、補正後の発明は、「情報分析」であるのに対して、引用発明は「多様化するデータ処理」である点。

(相違点2)
「実行順序指定工程」について、補正後の発明は、配置されたアイコンを接続することで前記プログラム選択工程で選択されたプログラムの実行順序を指定するものであって、アイコンのうちの一つ(以下「第1アイコン」という)を指定した後に、当該第1アイコンと、当該第1アイコンとは別の複数のアイコン(以下「第2アイコン群」という)を指定することで当該第1アイコンと当該第2アイコン群とを接続することにより、当該第1アイコンにかかるプログラムを実行した後に当該第2アイコン群にかかる各プログラムを並列処理するように実行させるというプログラムの実行順序を指定するものであるのに対して、引用発明は、所定の欄にアイコンを並べることで前記コンポーネント選択工程で選択されたコンポーネントの実行順序を指定する点。

(4)判断
相違点1について検討する。
多様化するデータ処理として、情報分析データ処理は、当業者にとって周知事項(以下、「周知技術1」という)である。
(例えば、原査定の拒絶の理由に引用された特開2003-99450号公報における記載
「【0016】…情報分析支援装置100は、該情報の詳細が管理される情報システムA、B、C又はDから該詳細をダウンロードして所定の加工処理を施し、該ユーザ端末20へ処理結果を表示させる。情報分析支援装置100による加工処理は、例えば、ダウンロードした詳細を所定の分類毎に集計し、グラフ作成等を行う処理である。」、
及び特開2002-358290号公報における記載
「【0083】…ユーティリティサービスの例としては、情報分析サービス、情報提供サービス、…などがある。」等参照。)
してみると、引用発明の「多様化するデータ処理」として、情報分析データ処理を採用することは、当業者であれば、適宜なし得たことである。
よって、相違点1は格別のものではない。

相違点2について検討する。
原査定の拒絶の理由で指摘されたように、「アイコンを使ってプログラムを作成する場合に、プログラムの実行順序指定するためにアイコンを接続線により接続すること」は、当業者にとって周知事項(以下、「周知技術2」という)である。
(例えば、特開平9-231059号公報における記載
「【0005】…この発明と関連する技術としては(1)特開平7-56725号公報、(2)特開平7-191840号公報、(3)特開平6-12250号公報がある。(1)は機能を視覚化した情報処理部品を矢印で結線し、入出力関係を規定するプログラム作成支援方法を開示している。(2)は機能を視覚化したプログラムモジュールのグラフィカルシンボルをデータフローを示す線で結線するプログラム自動生成装置を開示している。また(3)は機能を視覚化したオブジェクト部品のアイコンを、メッセージ通信を表示する結合線で接続する視覚的プログラミング方法を開示している。」(備考:当該段落の特殊文字「○付き数字1」?「○付き数字3」をそれぞれ(1)?(3)で代替した。)、
「【0046】…アイコンの配置情報に基づいて機能オブジェクトの実行順序を決定する場合でも、図12に示すように、正方形のアイコンを右から左に隣接する場合(A)に限らず、オブジェクトの形状を直方体にしたり(B)、種々の形状またはその組み合わせにしたり(C)、1つのフローを左から右の方向と上から下への方向から構成したり(D)、また完全にアイコンの間を接触させなくても、所定の距離いないに近づいていれば連続実行されるようにしてもよい(E)。…
【0047】また、図13に示すように、アイコン間の結線のよって実行順序を設定するようにもできる。」、
前記特開平9-231059号公報の段落【0005】で挙げられた、特開平7-56725号公報、特開平7-191840号公報、及び特開平6-12250号公報における記載、
並びに特開平10-320240号公報における記載
「【0002】
【従来の技術】…特定の機能を実現する機能オブジェクトをソフトウェア部品として、複数の機能オブジェクトからプログラムを構成することが行われている。例えば、上述のようにしてシーケンス制御用プログラム等のプロセス制御用プログラムを作成する場合、プロセスを構成する装置や機器に対する単位操作が一つの機能オブジェクトとして用意される。そして、複数の機能オブジェクトの実行順序を決定することにより、各機器のそれぞれに対する一連の操作(シーケンス)を記述する。従来より、複数の機能オブジェクトからなるプログラムをコンピュータのディスプレイ上に表示する方法には、各機能オブジェクトとその関係をアイコンと接続線でブロック線図のように表示するグラフィック表示(シーケンシャル・ファンクション・チャート、またはSFCという)…があった。
【0003】図5にシーケンス制御用プログラムのSFC表示およびにマトリクス表示の例を示す。ここでプログラムは、例として「A」,「B1」,「B2」,「C」,「D」というラベルを与えられた5個の機能オブジェクトから構成されているものとする。図5(a)は、5個の機能オブジェクトで表される基本操作の実行順序を5個のアイコン51?55と接続線56,57で表現したSFCである。ここで各機能オブジェクトを接続する接続線のうち、水平にのびる二重線57は、2以上の機能オブジェクトを同時に並行して実行することを表している。このSFCは、機能オブジェクト「A」51から実行が開始されて機能オブジェクト「D」55に至るまで上から下へ順次実行され、かつ機能オブジェクト「B2」53と「B2」52および「C」54が並列に実行されることを表している。」等参照。)

そして、アイコン間の結線により実行順序を設定する際に、一つのアイコンに複数のアイコンを接続することにより、前記一つのアイコンにかかるプログラムを実行した後に前記複数のアイコンにかかる各プログラムを並列処理するように実行させるというプログラムの実行順序を指定することも、当業者にとって周知事項(以下、「周知技術3」という)である。
(例えば、前記特開平7-56725号公報における記載
「【0027】…DB入力部品アイコンP11と列方向合計部品アイコンP21とを矢印3で結び、…DB入力部品アイコンP11と列方向合成部品アイコンP31とを矢印4で結び、 …DB入力部品アイコンP12と列方向合計部品アイコンP22とを矢印5で結び、…DB入力部品アイコンP12と列方向合成部品アイコンP32とを矢印6で結び、…」と関連する【図1】、及び
前記特開平10-320240号公報における記載
「【0003】図5にシーケンス制御用プログラムのSFC表示およびにマトリクス表示の例を示す。ここでプログラムは、例として「A」,「B1」,「B2」,「C」,「D」というラベルを与えられた5個の機能オブジェクトから構成されているものとする。図5(a)は、5個の機能オブジェクトで表される基本操作の実行順序を5個のアイコン51?55と接続線56,57で表現したSFCである。ここで各機能オブジェクトを接続する接続線のうち、水平にのびる二重線57は、2以上の機能オブジェクトを同時に並行して実行することを表している。このSFCは、機能オブジェクト「A」51から実行が開始されて機能オブジェクト「D」55に至るまで上から下へ順次実行され、かつ機能オブジェクト「B2」53と「B2」52および「C」54が並列に実行されることを表している。」参照。)

してみると、引用発明の「実行順序指定工程」において、周知技術2及び周知技術3を適用することで、引用発明の「実行順序指定工程」を、配置されたアイコンを接続することで前記コンポーネント選択工程で選択されたコンポーネントの実行順序を指定するものであって、アイコンのうちの一つ(以下「第1アイコン」という)を指定した後に、当該第1アイコンと、当該第1アイコンとは別の複数のアイコン(以下「第2アイコン群」という)を指定することで当該第1アイコンと当該第2アイコン群とを接続することにより、当該第1アイコンにかかるコンポーネントを実行した後に当該第2アイコン群にかかる各コンポーネントを並列処理するように実行させるというコンポーネントの実行順序を指定するように構成することは、当業者であれば、容易に想到し得たことである。
よって、上記相違点2は格別のものではない。

そして、補正後の発明の構成によってもたらされる効果も、当業者であれば当然に予測可能なものに過ぎず格別なものとは認められない。

したがって、補正後の発明は引用発明、及び前記周知技術1?周知技術3に基づいて容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3.むすび
以上のとおり、補正後の発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものではないから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項の規定により準用する特許法第126条第5項の規定に適合していないから、前記補正前の請求項7についてする補正を含む本件補正は、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3.本願発明について
平成21年10月19日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項7に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成21年6月26日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項7に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「ネットワークで接続されたサーバおよびクライアントによりユーザの情報分析を支援する情報分析支援方法において、
プログラムの一覧の中から少なくとも二つのプログラムを選択するプログラム選択工程と、
前記プログラム選択工程で選択された各プログラムを表現するアイコンを画面上の所定領域に配置するアイコン配置工程と、
前記アイコン配置工程で配置されたアイコンを接続することで前記プログラム選択工程で選択されたプログラムの実行順序を指定する実行順序指定工程と、
前記プログラム選択工程で選択されたプログラムおよび前記実行順序指定工程で指定された実行順序を記述したファイルを作成するファイル作成工程と、
を含んだことを特徴とする情報分析支援方法。」

(1)引用文献
原査定の拒絶の理由に引用された、引用文献1およびその記載事項は、前記「第2.平成21年10月19日付けの手続補正についての補正却下の決定 」の「2.補正の適否」の「2-2.独立特許要件」の「(2)引用文献1」に記載したとおりである。

(2)対比
本願発明は、前記「第2.平成21年10月19日付けの手続補正についての補正却下の決定 」の「2.補正の適否」の「2-2.独立特許要件」の「(1)補正後の発明」に記載された補正後の発明の発明特定事項「実行順序指定工程」の備える機能から「前記アイコンのうちの一つ(以下「第1アイコン」という)を指定した後に、当該第1アイコンと、当該第1アイコンとは別の複数のアイコン(以下「第2アイコン群」という)を指定することで当該第1アイコンと当該第2アイコン群とを接続することにより、当該第1アイコンにかかるプログラムを実行した後に当該第2アイコン群にかかる各プログラムを並列処理するように実行させるというプログラムの実行順序を指定すること」を削除したものである。
そうすると、本願発明と引用発明とは、前記「第2.平成21年10月19日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「2.補正の適否」の「2-2.独立特許要件」の「(3)対比」に記載したと同様の理由で、本願発明と引用発明とは、以下の点で一致し、また、相違している。

(一致点)
ネットワークで接続されたサーバおよびクライアントによりユーザのデータ処理を支援するデータ処理支援方法において、
プログラムの一覧の中から少なくとも二つのプログラムを選択するプログラム選択工程と、
前記プログラム選択工程で選択された各プログラムを表現するアイコンを画面上の所定領域に配置するアイコン配置工程と、
前記アイコン配置工程でアイコン間の関係付けを行うことで前記プログラム選択工程で選択されたプログラムの実行順序を指定する実行順序指定工程と、
前記プログラム選択工程で選択されたプログラムおよび前記実行順序指定工程で指定された実行順序を記述したファイルを作成するファイル作成工程と、
を含んだことを特徴とするデータ処理支援方法。

(相違点1’)
「データ処理」について、本願発明は、「情報分析」であるのに対して、引用発明は「多様化するデータ処理」である点。

(相違点2’)
「実行順序指定工程」について、本願発明は、配置されたアイコンを接続することで前記プログラム選択工程で選択されたプログラムの実行順序を指定するものであるのに対して、引用発明は、所定の欄にアイコンを並べることで前記コンポーネント選択工程で選択されたコンポーネントの実行順序を指定する点。

(3)判断
相違点1’は、前記「第2.平成21年10月19日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「2.補正の適否」の「2-2.独立特許要件」の「(4)判断」の(相違点1)についての検討と同様に、引用発明の「多様化するデータ処理」として、前記周知技術1を適用することで、情報分析データ処理を採用することは、当業者であれば、適宜なし得たことである。
よって、相違点1’は格別のものではない。

相違点2’は、前記「第2.平成21年10月19日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「2.補正の適否」の「2-2.独立特許要件」の「(4)判断」の(相違点2)についての検討と同様に、引用発明の「実行順序指定工程」に前記周知技術2を適用することで、引用発明の「実行順序指定工程」を、配置されたアイコンを接続することで前記コンポーネント選択工程で選択されたコンポーネントの実行順序を指定するように構成することは、当業者であれば、容易に想到し得たことである。
よって、上記相違点2’は格別のものではない。

そして、本願発明の構成によってもたらされる効果も、当業者であれば当然に予測可能なものに過ぎず格別なものとは認められない。

したがって、本願発明は引用発明、周知技術1、及び周知技術2に基づいて容易に発明できたものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明は、本願の特許出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-05-18 
結審通知日 2011-05-24 
審決日 2011-06-06 
出願番号 特願2003-148533(P2003-148533)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 漆原 孝治  
特許庁審判長 赤川 誠一
特許庁審判官 吉岡 浩
冨吉 伸弥
発明の名称 情報分析支援システム、情報分析支援方法およびその方法をコンピュータに実行させるプログラム  
代理人 酒井 昭徳  

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