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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 D06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 D06F
管理番号 1240715
審判番号 不服2010-9071  
総通号数 141 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-04-27 
確定日 2011-07-27 
事件の表示 特願2006-291446号「アイロン」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 5月 8日出願公開、特開2008-104728号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成18年10月26日の出願であって、平成22年1月26日付け(発送日:平成22年2月1日)で拒絶査定がなされ、これに対して平成22年4月27日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、審判の請求と同時に手続補正がなされたものである。

第2.平成22年4月27日付け手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成22年4月27日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.本件補正により特許請求の範囲の請求項1は、本件補正前の平成21年3月23日付けで補正された特許請求の範囲の請求項2を、
「本体と、該本体に設けられた加熱手段により加熱されるベースと、前記ベースに形成した気化室と、把持部を形成した把手体と、液体を貯えるタンクと、多量の前記液体を前記気化室へ一度に供給するための第1の操作部及びシリンダーと、前記液体を噴霧装置へ供給する第2の操作部と、毎分のスチーム噴射量を設定した液量を前記気化室へ供給するための第3の操作部とを具備し、前記第1の操作部と前記第2の操作部とが、前記把持部の長手方向に直交する方向に配置され、前記把持部の前部上面より突出して上下方向に押動操作可能に設けられ、前記第1の操作部の下部が、前記第3の操作部の内側に嵌め込まれ、前記第3の操作部は、前記第1の操作部と同軸方向となるように、前記シリンダーの上に配置され、円筒状部材の上端一側面に摘み片を突設し、前記ベースに対して水平方向に回転する回転体により構成され、前記第1の操作部及び前記第2の操作部とは操作方向が異なるものであることを特徴とするアイロン。」と補正したものである。
なお、平成21年8月21日付けの手続補正は、平成22年1月26日付けの補正却下の決定により却下された。

上記の補正は、請求項2に係る発明を特定するために必要な事項である「加熱手段」に対して、「本体と、該本体に設けられた」ことを限定し、請求項2に係る発明を特定するために必要な事項である、「多量の液体を気化室へ一度に供給する第1の操作部」を、「多量の液体を気化室へ一度に供給するための第1の操作部及びシリンダー」と限定し、請求項2に係る発明を特定するために必要な事項である「所定時間当たりの設定液量」を、「毎分のスチーム噴射量」と限定し、請求項2に係る発明を特定するために必要な事項である「第1操作部又は前記第2操作部の下部」を、その選択肢である第2操作部を削除することにより、「第1の操作部の下部」と限定し、請求項2に係る発明を特定するために必要な事項である「第3の操作部が、第1の操作部又は第2の操作部と同軸に配置されたこと」を、その選択肢である第2の操作部を削除し、第3の操作部がシリンダーの上に配置されたことを新たに特定することにより、「第3の操作部は、第1の操作部と同軸となるように、シリンダーの上に配置され」と限定し、請求項2に係る発明を特定するために必要な事項である「円筒状部材の上部一側面」を、「円筒状部材の上端一側面」と限定するものであり、かつ、補正前の特許請求の範囲の請求項2に記載された発明と、補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例とされる同法による改正前の特許法(以下「改正前の特許法」という。)第17条の2第4項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が独立して特許をうけることができるものであるか (改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するかどうか)について以下に検討する。

2.引用刊行物とその記載内容
刊行物1:特開平11-90096号公報
刊行物2:特開昭59-166199号公報

(1)原査定の拒絶の理由に引用され、本願出願前に頒布された刊行物1には、スチームアイロンに関して以下の記載がある。

ア.「【請求項2】ヒータにより加熱されるベースと、このベースの上方に設け上部に握り部を形成した把手体と、前記ベースの上方に配置した貯水用のタンクと、このタンクの上部に配設し前記タンク内の水を前記気化室へ一度に多量に供給する第1の操作部と、前記タンクの上部に配設しタンク内の水を噴霧装置へ供給する第2の操作部と、前記タンクの上部に配設しタンク内の水を前記気化室へ可変的に一定量を供給する第3の操作部とを具備し、前記把手体の前方で、アイロンの前方から後方に向かって、第3の操作部、前記握り部の長手方向に直交する方向に第1の操作部と第2の操作部を配置したスチームアイロン。
【請求項3】第3の操作部は、握り部の長手方向に対して直交方向に回転する回転体により構成した請求項2記載のスチームアイロン。」(下線部は当審にて付与。以下同様。)

イ.「【0017】(実施例1)図1および図2に示すように、ベース13は、ベース13を加熱するヒータ14を埋設し、気化室15を形成している。ベース13の上面は樹脂製のベースカバー16で覆われ、ベースカバー16の上面に把手体17を固定し、把手体17の上部に棒状の握り部18を形成している。貯水用のタンク19はベースカバー16の上方で把手体17に着脱自在に装着され、このタンク19の上面に上下に可動する第1の操作部20と第2の操作部21を設けている。」

ウ.「【0020】上記構成において動作を説明すると、アイロン掛けをする場合に使用者は、ヒータ14によりベース13が熱せられた状態にてアイロン掛けを開始し、布のしわを伸ばすために、必要に応じて、第1の操作部20を操作してスチームを噴出させるか、もしくは、第2の操作部21を操作して噴霧装置22よりミストを噴霧し、布に水分を吸収させてアイロン掛けを行っている。
【0021】多量のスチームを噴出させながらアイロン掛けするときは、ヒータ14によりベース13を加熱した状態で、第1の操作部20を押した後離すと、タンク19内の水がポンプ装置23へ入り、再度第1の操作部20を押すと、ポンプ装置23内の水は気化室15に一度に供給され、多量のスチームを噴出させる。
【0022】ミストを発生させてアイロン掛けするときは、ヒータ14によりベース13を加熱し、第2の操作部21を押した後離すと、タンク19内の水がポンプ装置24へ入り、再度第2の操作部21を押すと、ポンプ装置24内の水は噴霧装置22に供給され、噴霧装置22よりミストを噴霧し、布に水分を吸収させてアイロン掛けを行うことができる。」

エ.「【0026】(実施例2)図4から図6に示すように、第3の操作部25は、タンク19内の水を気化室15へ供給制御するもので、把手体17の握り部18の長手方向に対して直交方向に回転操作するように構成している。この第3の操作部25は、把手体17の握り部18の前方にて、アイロンの前方から後方に向かって、第3の操作部25、把手体17の握り部18の長手方向に直交する状態で第1の操作部20と第2の操作部21とを順に配置している。ここで、第3の操作部25は、第1の操作部20と第2の操作部21より低い位置に配設している。
【0027】また、貯水用のタンク19はベースカバー16の上方で把手体17に着脱自在に装着され、このタンク19の上面に第1の操作部20、第2の操作部21と第3の操作部25とを設けている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0028】上記構成において動作を説明すると、使用者はアイロン掛けをする場合に、布のしわの状態に応じて、スチームの状態及び噴霧の状態を切替えて使用する。つまり、通常のスチームアイロンとして使用する場合は、第3の操作部25を操作することで、開閉桿26を上昇させてタンク19内の水を気化室15に供給し、常時スチームを噴出しながらアイロン掛けを行う。」

オ.「【0031】また、回転する第3の操作部25と、上下に可動する第1の操作部20と第2の操作部21とでは、操作の方向が異なるため、第3の操作部25を操作する場合に、第1の操作部20または第2の操作部21に誤って触れたときの誤動作を防止でき、また、第1の操作部20または第2の操作部21を操作する場合に、第3の操作部25に誤って触れたときの誤動作を防止できる。」

カ.図5には、スチームアイロンの本体にヒータ14が設けられていること、気化室15がベース13に形成されていること、第1の操作部20、第2の操作部21が握り部18の前部上面より突出していることが図示されている。また、図3には、ポンプ装置23、24が、シリンダとピストン等からなることが図示されており、シリンダを含むことは明らかである。

以上のア.?オ.の記載と、カ.に示した図3及び図5から把握できる事項とを総合すると、刊行物1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

「スチームアイロンの本体と、該本体に設けられたヒータ14により加熱されるベース13と、ベース13に形成した気化室15と、握り部18と、貯水用のタンク19と、タンク19内の水を前記気化室15へ一度に多量に供給する第1の操作部20及びシリンダを含むポンプ装置23と、タンク19内の水を噴霧装置22へ供給する第2の操作部21、タンク19内の水を前記気化室15へ可変的に一定量を供給する第3の操作部25とを具備し、第1の操作部20と第2の操作部21が握り部18の長手方向に直交する方向に配置され、握り部18の前部上面より突出して上下に可動するように設けられ、第3の操作部は、把手体17の握り部18の長手方向に対して直交方向に回転操作するように構成され、第1の操作部20と第2の操作部21とでは操作の方向が異なるものであるスチームアイロン。」

(2)原査定の理由に引用され、本願出願前に頒布された刊行物2には、アイロンに関して以下の記載がある。

キ.「ハンドル6の前端上部には回動自在のカム盤35およびこのカム盤35を回動操作する操作体36が収納され、操作体36には操作摘み37が一体に設けられ、この操作摘み37がハンドル6の外部に突出している。」(公報第2ページ右下欄第5?9行)

ク.「ハンドル6の上端には操作ボタン60が設けられ、この操作ボタン60はほぼ上半部がハンドルの上面からその上方に突出し、下半分が操作体36の内側に摺動自在に収納されている。」(公報第3ページ左下欄第1?5行)

ケ.「操作摘み37を介して操作体36を回動操作し、その操作摘み37を表示プレート34の「スチーム」の位置に合わせると、ヒータ7が通電される。」(公報第4ページ左上欄第9?12行)

コ.「操作ボタン60を押圧し、弁体55を介して開口13を閉塞すれば、分流室9の噴出孔15からのスチームの噴出は停止し、案内室10の噴出孔16からのみスチームが集中して噴出する。」(公報第4ページ右上欄第19行?左下欄第3行)

サ.第2図及び第3図には、操作ボタン60の下部が操作体36の内側に嵌め込まれていること、操作体36は、操作ボタンと同軸方向となるように配置されていること、操作体36は円筒状部材であり、その上部の一側面には操作摘み37が突設されており、その回動方向が、ベース3に対して水平方向である回転体であること、及び、操作ボタン60及び操作体36がハンドル6の前部上面に設けられているアイロンの操作部材が図示されている。

以上のキ.?ク.の記載と、サ.に示した第2図及び第3図から把握できる事項から、さらに、ケ.?コ.の記載から、操作ボタン60と操作摘み37、操作体36は、スチームに関する操作部材といえることから、刊行物2には、以下の発明が記載されている。

「操作ボタン60の下部が、操作体36の内側に嵌め込まれ、操作体36は、操作ボタン60と同軸方向となるように配置され、円筒状部材の上部の一側面に操作摘み37を突設し、ベース3に対して水平方向に回転する回転体より構成されるアイロンのスチームに関する操作部材の構造」(以下「引用発明2」という。)

3.発明の対比
本願補正発明と、引用発明とを対比すると、引用発明における「スチームアイロンの本体」は、本願補正発明の「本体」に、以下同様に、「ヒータ14」は、「加熱手段」に、「ベース13」は、「ベース」に、「気化室15」は、「気化室」に、「握り部18」は、「把持部を形成した把手体」に、「貯水用のタンク19」は、「液体を貯えるタンク」に、「タンク19内の水」は、「液体」に、「貯水タンク19内の水を気化室15へ一度に多量に供給する第1の操作部20及びシリンダを含むポンプ装置23」は、「多量の前記液体を前記気化室へ一度に供給するための第1の操作部及びシリンダー」に、「タンク19内の水を噴霧装置22へ供給する第2の操作部21」は、「液体を噴霧装置へ供給する第2の操作部」に、「上下に可動するように設け(る)」ことは、「上下方向に押動操作可能」に、「スチームアイロン」は、「アイロン」にそれぞれ相当し、
引用発明の「タンク19内の水を前記気化室15へ可変的に一定量を供給する第3の操作部25」と、本願補正発明の「毎分のスチーム噴射量を設定した液量を前記気化室へ供給するための第3の操作部」とは、ともに「設定した量の液体を気化室に供給するための第3の操作部」であることにおいて一致する。
よって、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。

[一致点]
「本体と、該本体に設けられた加熱手段により加熱されるベースと、前記ベースに形成した気化室と、把持部を形成した把手体と、液体を貯えるタンクと、多量の前記液体を前記気化室へ一度に供給するための第1の操作部及びシリンダーと、前記液体を噴霧装置へ供給する第2の操作部と、設定した量の液体を気化室に供給するための第3の操作部とを具備し、前記第1の操作部と前記第2の操作部とが、前記把持部の長手方向に直交する方向に配置され、前記把持部の前部上面より突出して上下方向に押動操作可能に設けられ、前記第3の操作部は、前記第1の操作部及び前記第2の操作部とは操作方向が異なるアイロン。」

[相違点1]
設定した量の液体を気化室に供給するための第3の操作部が、本願補正発明においては、「毎分のスチーム噴射量を設定した液量を前記気化室へ供給する」ものであるのに対して、引用発明においては、タンク19内の水を前記気化室15へ可変的に一定量を供給するものである点。

[相違点2]
本願補正発明においては、「第1の操作部の下部が、第3の操作部の内側に嵌め込まれ、前記第3の操作部は、前記第1の操作部と同軸方向となるように、前記シリンダーの上に配置され、円筒状部材の上端一側面に摘み片を突設し、ベースに対して水平方向に回転する回転体により構成され」ているのに対し、引用発明においては、第3の操作部25は、把手体17の握り部18の長手方向に対して直交方向に回転操作するように構成されている点。

4.当審の判断
そこで、上記相違点について判断する。

[相違点1について]
引用発明は、「タンク19内の水を前記気化室15へ可変的に一定量を供給する」ことにより、常時スチームを噴出するものである(上記刊行物1の記載エ.【0028】を参照)。そして、気化室15への水の供給量と、スチームの噴射量が互いに対応関係にあることは自明であり、さらに、「可変的に一定量を供給する」ということは、一定量を可変にして供給できることであるから、引用発明において、気化室15に供給する水の「一定量」を「毎分当たりのスチームの噴射量に基づく液量」とし、上記相違点1に係る本願補正発明とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。

[相違点2について]
本願補正発明と、引用発明2とを対比すると、引用発明2の「操作摘み37」は、本願補正発明の「摘み片」に、引用発明2の「ベース3」は、本願補正発明の「ベース」に、引用発明2の「操作ボタン60」と本願補正発明の「第1の操作部」とは、「押しボタンによる操作部」である点で共通し、引用発明2の「操作体36」と本願補正発明の「第3の操作部」とは、「円筒状部材による回転操作部」である点で共通するから、引用発明2は、「押しボタンによる操作部の下部が、円筒状部材による回転操作部の内側に嵌め込まれ、円筒状部材による回転操作部は、押しボタンによる操作部と同軸方向になるように配置され、円筒状部材の上部の一側面に摘み片を突設し、ベースに対して水平方向に回転する回転体により構成されるアイロンのスチームに関する操作部材の構造」と言い換えることができる。
ところで、引用発明の第1の操作部20と第3の操作部25は、タンク19内の水を気化室15に供給するためのものであり、アイロンのスチームに関する操作部材であるから、引用発明2に倣って、引用発明の第1の操作部20と第3の操作部25を、引用発明2の押しボタンによる操作部と、円筒状部材による回転操作部の配列及び構造とすることは、当業者が容易になし得たことである。そして、摘み片を円筒状部材に設ける位置を、操作性などを考慮して円筒状部材の上端一側面とすることは、当業者が適宜なし得ることであり、また、押しボタンによる操作部と、円筒状部材による回転操作部とを同軸方向に配置することで、ポンプ装置23のシリンダーの上に配置されることになるから、引用発明に引用発明2を適用して上記相違点2に係る本願補正発明とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。

そして、本願補正発明全体により得られる効果も、引用発明、引用発明2から当業者であれば予測できた範囲のものである。

よって、本願補正発明は、引用発明、引用発明2から当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により独立して特許を受けることができない。

5.結び
以上のとおり、本件補正は、改正前の特許法第17条の2第5項において準用する、同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項により読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3.本願発明について
1.本願の発明
本件補正は上述のように却下されたので、本願の請求項2に係る発明は、平成21年3月23日付けで手続補正された特許請求の範囲の請求項2に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。(以下「本願発明」という。)

「【請求項1】
加熱手段により加熱されるベースと、前記ベースに形成した気化室と、把持部を形成した把手体と、液体を貯えるタンクと、多量の液体を前記気化室へ一度に供給する第1の操作部と、液体を噴霧装置へ供給する第2の操作部と、所定時間当りの設定液量を前記気化室へ供給する第3の操作部とを具備し、
前記第3の操作部は、円筒状部材の上部一側面に摘み片を突設し、前記ベースに対して水平方向に回転する回転体により構成され、前記第1の操作部及び前記第2の操作部とは操作方向が異なるものであることを特徴とするアイロン。
【請求項2】
前記第1の操作部と前記第2の操作部とが、前記把持部の長手方向に直交する方向に配置され、前記把持部の前部上面より突出して上下方向に押動操作可能に設けられ、
前記第1の操作部又は前記第2操作部の下部が、前記第3の操作部の内側に嵌め込まれ、
前記第3の操作部が、前記第1の操作部又は前記第2の操作部と同軸方向に配置されたことを特徴とする請求項1記載のアイロン。」

2.引用刊行物とその記載内容
引用刊行物は、上記「第2.2.」で記載したとおりのものである。

3.発明の対比・判断
本願発明は、上記「第2.」で検討した本願補正発明から、上記「第2.1.」に記載した限定を省いたものである。そうすると、本願発明の構成要件を全て含んだものに相当する本願補正発明が、上記「第2.4.」に記載したとおり、引用発明、引用発明2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様に、引用発明、引用発明2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.結び
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用発明2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-05-24 
結審通知日 2011-05-30 
審決日 2011-06-10 
出願番号 特願2006-291446(P2006-291446)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (D06F)
P 1 8・ 121- Z (D06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山田 由希子  
特許庁審判長 森川 元嗣
特許庁審判官 長崎 洋一
松下 聡
発明の名称 アイロン  
代理人 牛木 護  

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