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審決分類 審判 一部無効 2項進歩性  H04N
審判 一部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H04N
審判 一部無効 特123条1項5号  H04N
管理番号 1240903
審判番号 無効2010-800111  
総通号数 141 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-09-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2010-06-29 
確定日 2011-07-24 
事件の表示 上記当事者間の特許第4338215号発明「テレビジョン・システムにおけるマルチ・ソース情報の組合せ」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 【第1】手続の経緯等

本件特許第4338215号は、平成8年4月4日(パリ条約による優先権主張:平成7年4月17日、米国)を国際出願日として出願(特願平8-531776号)され、
平成21年7月10日に設定登録されたものであって、手続きの概要は以下の通りである。

本件出願 平成 8年 4月 4日
(特願平8-531776号、
パリ条約による優先権主張 平成7年4月17日、米国)
設定登録(請求項の数6) 平成21年 7月10日
本件無効審判請求(請求人) 平成22年 6月29日
答弁書(被請求人) 平成22年10月12日付け
審理事項通知書(合議体) 平成23年 2月10日付け
(両当事者に対して)
口頭審理陳述要領書(請求人) 平成23年 3月22日付け
口頭審理陳述要領書(被請求人)平成23年 4月 5日付け
口頭審理 平成23年 4月12日

【第2】特許請求の範囲

本件特許第4338215号に係る明細書(以下,本件明細書という。)の特許請求の範囲の請求項2,5の各記載は,次のとおりである(以下,請求項2,5に係る各発明を「本件発明2」,「本件発明5」ともいう。)。

「【請求項2】
異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイスを用いる少なくとも2つのソースからの信号がテレビジョンの一つ以上の入力によって受信されるシステムで使用する方法であって、各ソースデバイスは、複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能であり、
前記方法は、
複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データと各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子をメモリに格納するステップと、
前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のための前記テレビジョン番組情報のリストをガイドフォーマットに同時に表示するステップと、
前記表示された番組リストからの番組選択を利用者から受理するステップと、
前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから検索するステップと
を備えている、方法。」

「【請求項5】
異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイスを用いる少なくとも2つのソースからの信号をテレビジョンの一つ以上の入力によって受信するシステムであって、各ソースデバイスは、複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能であり、
前記システムは、
複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データと各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子をメモリに格納する手段と、
前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のためのテレビジョン番組情報のリストをガイドフォーマットに同時に表示する手段と、
前記表示された番組リストからの番組選択を利用者から受理する手段と、
前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから検索する手段と
を備えている、システム。」

〈構成要件の分説〉
本件発明2,本件発明5は、それぞれ、上記した請求項2及び請求項5記載のとおりの構成要件をその構成としたものと認められるところ、以下での検討の便宜上、本件発明2の構成要件を次のとおり2A?2E,本件発明5の構成要件を下記のとおり5A?5Eに分説する(以下、この分説に従って、「(構成)要件2A」などという。なお、このように分説することについて当事者間に争いはない。)。

記(本件発明2,5の構成要件の分説)

【本件発明2】
2A 異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイスを用いる少
なくとも2つのソースからの信号がテレビジョンの一つ以上の入力に
よって受信されるシステムで使用する方法であって、各ソースデバイ
スは、複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能であり、
前記方法は、
2B 複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、前記少なく
とも2つのソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のための
テレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データと各テレビ
ジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース
識別子をメモリに格納するステップと、
2C 前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のた
めの前記テレビジョン番組情報のリストをガイドフォーマットに同時
に表示するステップと、
2D 前記表示された番組リストからの番組選択を利用者から受理するステ
ップと、
2E 前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、
その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから
検索するステップと
を備えている、方法。

【本件発明5】
5A 異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイスを用いる少
なくとも2つのソースからの信号をテレビジョンの一つ以上の入力に
よって受信するシステムであって、各ソースデバイスは、複数のテレ
ビチャンネルを伝送するように動作可能であり、
前記システムは、
5B 複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、前記少なく
とも2つのソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のための
テレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データと各テレビ
ジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース
識別子をメモリに格納する手段と、
5C 前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のた
めのテレビジョン番組情報のリストをガイドフォーマットに同時に表
示する手段と、
5D 前記表示された番組リストからの番組選択を利用者から受理する手段
と、
5E 前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、
その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから
検索する手段と
を備えている、システム。

【第3】当事者の主張

【第3-1】請求人の主張(請求)

[1]請求の趣旨
本件特許請求の範囲の請求項2及び請求項5についての特許を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

[2]請求の理由(概要)

請求書における、請求項2についての進歩性欠如を理由とする無効理由1と、請求項5についての進歩性欠如を理由とする無効理由2とは、実質的に同様な主張であるので、以下、当審決では、これらをまとめて「無効理由1」とする。
同様に、請求書における、請求項2についてのサポート要件違反を理由とする無効理由3と、請求項5についてのサポート要件違反を理由とする無効理由4とは、実質的に同様な主張であるので、以下、当審決では、これらをまとめて「無効理由2」とし、
また、請求書における、請求項2についての原文新規事項追加を理由とする無効理由5と、請求項5についての原文新規事項追加を理由とする無効理由6とは、実質的に同様な主張であるので、以下、当審決では、これらをまとめて「無効理由3」とする。

(1)無効理由1(進歩性欠如、29条第2項)
請求項2及び請求項5に係る特許発明は、甲4号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって,請求項2及び請求項5に係る特許は,特許法第123条第1項第2号に該当し,無効とすべきものである。

(2)無効理由2(サポート要件違反、36条第6項第1号)
請求項2における「前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから検索するステップ」(要件2E)及び請求項5における「前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから検索する手段」(要件5E)は、いずれも、本件特許明細書の「発明の詳細な説明」に記載されておらず、
請求項2及び請求項5の記載は、特許法第36条第6項第1号「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること」(サポート要件)の規定を満たさない。
したがって、請求項2及び請求項5に係る特許は、同法第123条第1項第4号の規定により、無効とすべきものである。

(3)無効理由3(原文新規事項追加、123条第1項第5号)
請求項2における「前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから検索するステップ」及び請求項5における「前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから検索する手段」は、いずれも、本件特許に係る外国語書面出願の外国語書面(原文)に記載されておらず、
本件特許の願書に添付した明細書又は図面に記載した事項が原文に記載した事項の範囲内にない。
したがって、請求項2及び請求項5に係る特許は、平成14年改正前特許法第184条の18によって読み替えて適用される同法第123条第1項第5号に該当し、無効とすべきである。

[3]請求の理由の要点

[3-1]無効理由1(進歩性欠如、29条第2項)の具体的要点

以下、「(ア)、(サ)」等は、【第4-3】で後述する甲4号証、甲5号証の記載摘示箇所を示す。

-請求書-
1.一致、相違
本件特許に係る出願の優先日(平成7年4月17日)前の平成6年5月12日に頒布された刊行物である甲第4号証(特表平6-504165号公報)には、本件特許発明2の構成中、2A、2B、2C及び2Dに相当する構成、並びに、2E’なる点が記載されており、また、本件特許発明5の構成中、5A、5B、5C及び5Dに相当する構成、並びに、5E’なる点が記載されている。

1ア 要件2A・5Aは、甲4の(ウ),図22Aに記載されていて、甲4発明と共通する。
甲4(ウ)の「アンテナ200及びケーブル入力部205」は、要件2A・5A中の「異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイス」に該当するから、甲4(ウ)は「異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイスを用いる少なくとも2つのソースからの信号がテレビジョンの一つ以上の入力によって受信される」に該当する。
図1?図3、図5及び図6には、テレビジョンスケジュールグリッド24の一番左の列にチャンネルコラムが示されており、オーバジエア放送の局番号(2、4、5、7、9、13、44)とケーブルサービスの局名(A&E、CNN、DIS、LIF、TNT)とが示されているから{(ケ)}、「アンテナ200」が複数のテレビチャンネルを含むオーバジエア放送を伝送し、「ケーブル入力部205」が複数のテレビチャンネルを含むケーブルサービスを伝送していることが明らかである。
よって、「各ソースデバイスが複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能」の点は、甲第4号証に記載されているに等しい。

1イ 要件2B・5Bは、甲4発明と共通する。
甲4(エ)「プログラマブルチューナ202は、・・・チャンネル割当へ変換する。」の「リストデータ」は要件2B・5B中の「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」に該当するから、
「プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調する」は、「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送された」に、
「リストデータは、スケジュールメモリ232へ記憶される」は、「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ・・・をメモリに格納する」に、それぞれ該当する。
「ケーブルチャンネル割当データ」は、一般的なTVソース名を特定のケーブルシステムのチャンネル割当へ変換するものであることが記載されているから、ケーブルシステムのチャンネルを識別するものであることが明らかである。また、上述したように、図22Aに示されるシステム180においては、TV信号をアンテナ200及びケーブル入力部205またはいずれかより受信し、図1?図3、図5、図6に示されるような、オーバジエア放送の局番号(2、4、5、7、9、13、44)とケーブルサービスの局名(A&E、CNN、DIS、LIF、TNT)とが示されるテレビジョンスケジュールグリッド24が作成されるのであるから、ケーブルチャンネル割当デ一タは、チャンネルを識別するのみならず、当該チャンネルがケーブルという伝送方式に基づくものであることも識別することが明らかである。
よって、「ケーブルチャンネル割当データ」は要件2B・5B中の「前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子」に該当する。
そして、「各テレビジョン番組のためのケーブルチャンネル割当データは、ケーブル指定のRAMメモリ238へ記憶される」は、「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子をメモリに格納する」に該当する。よって、要件2B中の「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子をメモリに格納する」の点でも甲4発明と共通する。

1ウ 要件2C・5Cは、甲4発明と共通する。
・甲4(オ)「TV内容確認要求に関してスケジュールメモリ232に記憶されているリストが呼び出され・・・出力される。」の「スケジュールメモリ232に記憶されているリスト」は、要件2C・5C中の「前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のための前記テレビジョン番組情報のリスト」に該当するから、
「スケジュールメモリ232に記憶されているリストが呼び出され、・・・ビデオ表示発生器224へ出力される」は、要件2C5C中の「前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のための前記テレビジョン番組情報のリストを・・・表示する」に該当する。
要件2C・5C中の「前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のための前記テレビジョン番組情報のリストを・・・表示する」の点で甲4発明と共通する。
・甲4の(ア)「図1-3及び図5-6は、・・・リストアップされていない。」、図1?図3、図5及び図6{テレビジョンスケジュールグリッド24の一番左の列にチャンネルコラムが示されており、オーバジエア放送の局番号(2、4、5、7、9、13、44)とケーブルサービスの局名(A&E、CNN、DIS、LIF、TNT)とが同時に表示されていることを示している。}の、「テレビジョンスケジュールグリッド24」は、要件2C・5C中の「番組のための前記テレビジョン番組情報のリスト」及び「ガイドフォーマット」に該当するから、
「オーバジエア放送の局番号(2、4、5、7、9、13、44)とケーブルサービスの局名(A&E、CNN、DIS、LIF、TNT)とが同時に表示されている」は、「番組のための前記テレビジョン番組情報のリストを同時に表示する」に該当する。
要件2C・5C中の「番組のための前記テレビジョン番組情報のリストをガイドフォーマットに同時に表示する」の点でも甲4発明と共通する。

1エ 要件2D・5Dは、甲4発明と共通する。
甲4の(イ)「図2で示される・・・チャンネル選択は影響されない。」の「図2で示される」「ガイド」は要件2D・5D中の「前記表示された番組リスト」に該当するから、
「図2で示される」「ガイド」における「カーソル32」の「移動」は、要件2D・5D中の「前記表示された番組リストからの番組選択」に該当する。
要件2D・5D中の「番組選択を利用者から受理する」の点については、甲第4号証に直接記載がないが、利用者が「カーソル32」の「移動」を行うことは甲第4号証に記載されているに等しい(カーソル32とは別のカーソルについてではあるが、甲第4号証には「ユーザーは、カーソルを動かして、残りの15のトピックの各々を選択解除しなければならない。」(10頁左上欄6行?8行)との記載があり、ユーザーがカーソルの移動を行うことが記載されている。)。

1オ 甲4の(キ)「オンスクリーンスケジュールから・・・実現している。」(2E’・5E’)には、要件2E・5Eの「・・・受信に応答して、その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから検索するステップ」の点について記載がない。
しかしながら、上記記載においては、VCRまたはケーブルデコーダに同調させるためにCPUに名前を特定のチャンネルに変換させているから、VCR及びケーブルデコーダに信号が送られていることは明らかであるところ、その変換の際に、ケーブル指定RAM238を利用していることが記載されており、ケーブル指定RAM238には「ケーブルチャンネル割当データ」が記憶されているから、「受信に応答して」「ケーブルチャンネル割当データ」をメモリから読み出すことが記載されているに等しい(甲第4号証には、ケーブル指定RAM238に「ケーブルチャンネル割当データ」以外のデータが記憶されていることは記載されていない。)。

2.容易想到
本件特許発明2と甲4発明とは、要件2A、2B、2C及び2Dが共通し、要件2Eの「検索するステップ」の有無の点で相違し、
本件特許発明5と甲4発明とは、要件5A、5B、5C及び5Dが共通し、要件5Eの「検索するステップ」(審決註:正しくは「検索する手段」)の有無の点で相違するが、
当該相違点は甲5号証に基づき当業者が容易に推考し得るものである(特許法第29条第2項)。

2ア 甲5号証の(サ)?(タ)から、甲第5号証においては、視聴者が、視聴したいチャンネルを、地上波放送のネットワーク(ABC、NBC、CBC等)及びケーブルサービスのネットワーク(HBO、ESPN・Cinemax等)から選択する際に、ネットワークの名称等の「ラベル」を手持ち遠隔制御ユニット(すなわち、リモコン)で入力すると、そのラベルがメモリ中にあるかどうかサーチ(すなわち、検索)をし、ラベルが見つかればそのラベルに相当するチャンネルに同調し、視聴者がそのチャンネルの番組を視聴することが可能になることが記載されているということができる。
ここで、「ラベル」は、地上波放送のネットワーク及びケーブルサービスのネットワークの各チャンネルに割り当てられているものであり、かつ、「ラベル」が見つかればそのチャンネルに同調することを可能とするものであるから、チャンネルを識別するのみならず、当該チャンネルが地上波放送のネットワーク又はケーブルサービスのネットワークという伝送方式に基づくものであることも識別することが明らかである。例えば、地上波放送のネットワークのチャンネルが選択されている場合において、ケーブルサービスのネットワークのチャンネルのラベルがサーチ(検索)されて同チャンネルに同調するときには、必ず、地上波放送のネットワークからケーブルサービスのネットワークへとソースの切替えが行われるから、「ラベル」はケーブルサービスのネットワークという伝送方式をも識別するものであることを要する。よって、「ラベル」は要件2E・5E中の「ソース識別子」に該当する。
なお、本件特許発明2・5の「ソース識別子」は、「現在のテレビジョン22への入力ソースがソース識別子と関係したソースと同一であれば、コーディネータ20は、ステップ84において、該特定のソースを所望のチャンネルに同調させる。現在のソースがソース識別子と関係するソースでなかった場合には、システムは、ソースを適切なソースへ切り換える。」(本件特許明細書9頁34行?38行)という機能を奏するところ、甲5号証の「ラベル」も上述したように、当該機能を奏するということができる。
そして、甲5号証における「サーチ(検索)」は、ラベルをメモリから検索するものであるから、「ソース識別子」に該当する「ラベル」を「メモリから検索する」に該当する。

2イ 上述したように、要件2E・5Eの「前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから検索するステップ」について、甲4号証には、「前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して」、「その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子」に該当する「ケーブルチャンネル割当データ」を「前記メモリから読み出すステップ」が記載されているところ、
甲5号証には、「ソース識別子」に該当する「ラベル」を「メモリから検索する」に該当することが記載されており、しかも甲5号証に記載されているのはテレビジョンのチャンネルの識別に関する技術であり、甲4号証に記載された発明と技術分野を同一にするものであるから、甲5号証に記載された上記の点の構成を甲4号証に記載されたものに適用し、「前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して」、「その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子」に該当する「ケーブルチャンネル割当データ」を「前記メモリから検索するステップ」とすることはその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に推考し得るものである。

-口頭審理陳述要領書(請求人)、口頭審理-

3.甲4記載発明
請求人は、合議体の求めに応じ、まとまりのある技術思想として捉えられる甲4記載発明として、方法の発明とテレビジョンスケジュールシステムの発明を提示した。
これら、方法の発明とシステムの発明の構成は、ほとんどの部分が同様に記載することができるから、異なる部分のみを[X|Y]の表記を用いて一の記載で表現した。
「[X|Y]」は、択一的に、「X」か若しくは「Y」を意味する。

甲4には、以下の各構成(構成a)?(構成e’)を備えた発明が記載さ
れているということができる。

甲4に記載された発明(請求人)
(構成a)
伝送方式の異なるアンテナ200及びケーブル入力部205の2つの入力を用い、当該2つの入力からの信号をテレビジョンのプログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202に受信する[方法|テレビジョンスケジュールシステム]であって、アンテナ200及びケーブル入力部205は、それぞれオーバジエア放送の複数のチャンネルのTV信号及びケーブルサービスの複数のチャンネルのTV信号を伝送するように動作可能であり、
前記[方法|テレビジョンスケジュールシステム]は、
{根拠 甲4(ウ)(ケ)図22A}

(構成b)
オーバジエア放送の複数のチャンネル及びケーブルサービスの複数のチャンネルについて、前記アンテナ200及びケーブル入力部205の2つの入力から伝送された「リストデータ」と「ケーブルチャンネル割当データ」とを、それぞれスケジュールメモリ232とケーブル指定のRAMメモリ238とに記憶(格納)する[ステップ|手段]と、
{根拠 甲4(エ)}

(構成c)
前記アンテナ200及びケーブル入力部205の2つの入力から伝送され(スケジュールメモリ232に記憶されている)「リストデータ」をTV/モニター210に、複数のオーバジエア放送のチャンネルと番組リスト及び複数のケーブルサービスのチャンネルと番組リストを同時に表示する[ステップ|手段]と、
{根拠 甲4(オ)(ケ)(ア),図1?図3、図5及び図6}

(構成d)
オンスクリーンスケジュールから選択されたタイトルをユーザーから受理する[ステップ|手段]と、
{根拠 甲4(キ)の「オンスクリーンスケジュールか・・・プログラム」、甲4(キ)の「番組を時間シフトして記録する要求がなされた場合」から、番組を録画する際に「番組選択」が行われることは明らかである。}

(構成e')
オンスクリーンスケジュールからタイトルを選択するプログラムでは、選択されたタイトルをユーザーから受信し(構成d)、
(リモートコントローラー212で局名及びケーブルチャンネル名を入力すると、)
CPU228で入力された当該局名及びケーブルチャンネル名が特定のチャンネルに変換されるが、その際にケーブル指定RAM238に格納された所望の「ケーブルチャンネル割当データ」を検索する[ステップ|手段]と
を備えている、[方法|テレビジョンスケジュールシステム]。
{根拠
甲4(キ)「オンスクリーンスケジュールから・・・実現している。」から、甲4には、リモートコントローラー212から局名やケーブルチャンネル名が伝送された場合に、CPU228で局名やチャンネル名を特定のチャンネルに変換させるところ、この変換がケーブル指定RAM238を備えることで実現される旨が記載されていることが分かる。
もっとも上記記載から分かるとおり、甲4では「ケーブルチャンネル割当データ」を「検索」するとの明示の記載はない。
しかし、後述するように、被請求人の「メモリから『ソース識別子』を読み取るためには、その前に『ソース識別子』がメモリのどこに格納されているかをさがし出すこと(すなわち、検索すること)が必要であることは技術常識である」(答弁書6頁1行?4行、下から8行?下から6行)との主張に基づけば、以下の技術的事項が甲4に記載されているに等しいといえる。
まず、ユーザーが局名及びケーブルチャンネル名を入力するとCPU228で特定のチャンネルに変換する操作が行われており、この操作が「ケーブルチャンネル割当データ」が記憶されているケーブル指定RAM238を備えることによって実現されているのであるから、チャンネル変換の際にケーブル指定RAM238に記憶された「ケーブルチャンネル割当データ」を読み出す操作が行われていることは甲4に記載されているに等しい。そして、ケーブル指定RAM238にはケーブルチャンネル全ての「ケーブルチャンネル割当データ」が記憶されているので、所望の「ケーブルチャンネル割当データ」を読み出すためには、上記全ての「ケーブルチャンネル割当データ」から所望の「ケーブルチャンネル割当データ」を選び出す操作(「検索」操作)が行われていることも、甲4に記載されているに等しい事項となる。

そして、甲4の(ク)の「リモートコントローラー212でプログラムする」場合に行われる「名前を特定のチャンネルに変換させる」は、甲4(キ)の「オンスクリーンスケジュールからタイトルを選択するプログラム」の場合(甲4(カ)の番組を録画する際の「番組選択」が行われる場合)にも、同様に行われていることは明らかである。(口頭審理での請求人の釈明)}

4.本件発明2(要件2A?2E),本件発明5(要件5A?5E)と上記甲4記載発明(構成a?e’)との対比

4ア 要件2A・5A
「アンテナ」及び「ケーブル」は、本件発明2,5でいう「ソースデバイス」である。
《理由》本件特許明細書の「図1Cは、ソース装置としてDBS及びケーブルを備えたテレビ番組/テレビジョン・スケジュール・ガイド・システムのブロック図である。」(5頁2行?3行)、「更に本発明の別の実施例では、DBS(IRDボックス28を介した)及びケーブル(ケーブル・ボックス26を介した)は、テレビジョン22に直列に接続されたソース装置として構成される。」(7頁29行?31行)」から、
「ケーブル」が「ソースデバイス」に該当することが明らかである。
さらに、本件特許に係る出願についての平成18年8月2日付け手続補正書(甲7)の請求項9及び18において、「前記ソースデバイスがケーブル、衛星用ディッシュアンテナおよびテレビジョンアンテナのうちの少なくとも1つである」と記載されており、「ソースデバイス」の具体例として「アンテナ」及び「ケーブル」が明示されている。

構成aの「アンテナ200及びケーブル入力部205」は要件2A・5A中の「異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイス」に該当する。
「アンテナ200」が複数のテレビチャンネルを含むオーバジエア放送を伝送し、「ケーブル入力部205」が複数のテレビチャンネルを含むケーブルサービスを伝送していることは明らかである{図1?図3、図5及び図6には、テレビジョンスケジュールグリッド24の一番左の列にチャンネルコラムが示されており、オーバジエア放送の局番号(2、4、5、7、9、13、44)とケーブルサービスの局名(A&E、CNN、DIS、LIF、TNT)とが示されている。}から、
「各ソースデバイスが複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能」の点でも両発明は共通する。
そうすると、構成aと、要件2A・5Aは共通する。

4イ 要件2B・5B

4イ-1 構成bにおいて、「リストデータ」は、要件2B・5B中の「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」に該当するから、
「オーバジエア放送の複数のチャンネル及びケーブルサービスの複数のチャンネルについて、前記アンテナ200及びケーブル入力部205の2つの入力から伝送された」は、
要件2B・5B中の「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送された」に該当しする。

4イ-2 構成bにおいて、「リストデータ」は要件2B・5B中の「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」に該当するから、
「『リストデータ』と「ケーブルチャンネル割当データ」とを、それぞれスケジュールメモリ232とケーブル指定のRAMメモリ238とに記憶(格納)する」は、
要件2B・5Bの「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ・・・をメモリに格納する」に該当する。
このため、要件2B・5B中の「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」「をメモリに格納する」点で、両発明は共通する。

4イ-3 構成bの「ケーブルチャンネル割当データ」は、本件発明2,5の「ソース識別子」に該当する。

a.本件発明2,5の「ソース識別子」の解釈
本件発明2,5の「ソース識別子」とは、「ソースを識別し得るもの」であれば良く、また、「ソースデバイスをその伝送方式により識別し得るもの」であるということもできるものである。

《理由》
a-1.明細書の発明の詳細な説明の記載の参酌
請求項2,5の「ソース識別子」との記載は、技術的意義が一義的に明確に理解することができないものであるから、明細書の発明の詳細な説明の記載を参酌して解釈されるべきであり、下記の本件明細書の記載によれば、
「ソース識別子」が、「スケジュールガイド情報」及び当該ガイド情報内の「ショー(番組)又はチャンネル」が、「特定のソースからのものであることを識別する」ことができるものであること、すなわち、「ソース」を識別し得るものであることを明確に示している。

a-2.原文の請求の範囲{原文(甲2。翻訳文として甲3参照。)の明細書は、本件特許明細書と同一の記載となっているため、『「ソース」を識別し得るものであること』の解釈を裏付ける。}においては、請求項33に、
「one of said multiple sources being identified by one of said source identifiers(1つのソースがソース識別子の1つにより識別され)」とあり、ソース識別子がソースを識別し得るものであることを直截的に示しているものである。
上述したように、「ソース識別子」は、チャンネル等が特定のソースからのものであることを識別し得るものであること、すなわち、チャンネル等の「ソース」を識別し得るものであることを明確に示している。このような「ソース識別子」を「ソース」を識別し得るものとする解釈は、一般的な意味に即した解釈である「ソース」を「識別」する「付合」程度の意味とも合致するものである。
そして、「ソース識別子」が識別の対象とする「ソース」としては、例えば、「ケーブル及び衛星用ディッシュ・アンテナ」(本件特許明細書5頁17行)のそれぞれが挙げられる。

記(本件の発明の詳細な説明の記載(甲1号証))
・「スケジュール情報には、該スケジュール情報が特定のソースからのものであることを識別するソース識別子が設けられている。」(5頁19行?20行)
・「利用者が表示されたガイド内の表示チャンネルの1つに配置されたショーまたはチャンネルを選択すると、システムが該ショーまたはチャンネルに関係したソース識別子を読み取る。」(5頁22行?24行)
・「どのソースからどのチャンネルが利用可能かを追跡するために、ソース識別子が各チャンネルに配置される。」(9頁3行?4行)
・「図3は自動同調の処理のフローチャートの一例である。自動同調を開始するには、利用者が所定のチャンネルまたは番組をステップ70で選択する。この選択は、例えば、カーソルを所望の番組までスクロールさせ、『エンター』キーを押すか、または、遠隔制御器32を使用してチャンネル番号を入力することにより、実行できる。コーディネータ20は、ステップ72でソース識別子を読み取り、現在のテレビジョン22への入力がソース識別子と関係したソースであるか否かを決定する(ステップ74)。」(9頁29行?34行)

a-3.要件2B・5B,2E・5Eとの関係
また、「ソースを識別し得るもの」は、「ソースデバイスを識別し得るもの」と読み替えることも可能であるということができる。
また、本件特許明細書9頁3行?4行には、「どのソースからどのチャンネルが利用可能かを追跡するために、ソース識別子が各チャンネルに配置される。」との記載があるところ、本件特許明細書3頁41行?48行にはソース又はソースデバイスについて「異なる伝送方式」があることが記載されていることも併せて考慮すると、本件発明2,5においては、ソース又はソースデバイスの識別はそれらの伝送方式を識別することにより行われることを当然の前提としているということができる。
したがって、「ソース識別子」を「ソースを識別し得るもの」と解釈しても、要件2B,5B,2E,5Eと矛盾することなく本件特許発明を理解することができるものである。

b.甲4の「ケーブルチャンネル割当データ」は、「ソース識別子」に該当する。

《理由》
b-1.甲4の「ケーブルチャンネル割当データ」は、「HBOといった一般的なTVソース名(請求人注:「HBO」は米国の大手ケーブルテレビ放送局である「Home Box Office」のことを指すものと考えられるから、「TVソース名」はケーブルテレビの放送局名を指す。)を特定のケーブルシステムのチャンネル割当へ変換する」(甲4、11頁左上欄19行?20行)ものであり、
「CPU228及びリモートコントローラー212中のケーブル指定RAM238を備えることによって実現している。」
ケーブルチャンネルはチャンネル数が多いため、所望の放送局がどのチャンネル番号であるかをユーザーが記憶しておくことが困難であり、チャンネル番号の操作に変えて放送局名で操作することができるようにしておく必要がある。そして、選択された放送局名をケーブルチャンネルに割り当てるための変換をするために、ケーブルチャンネル割当データが必要となる。
「ケーブル指定RAM238」は「ケーブルチャンネル割当データ」を記憶するためのものであり、それ以外の役割はないから(11頁左上欄18行?19行)、「ケーブル指定RAM238」に記憶された「ケーブルチャンネル割当データ」がケーブルチャンネルの局名を特定のチャンネルに変換し、これによりケーブルデコーダを当該特定のチャンネルに同調させることが示されている。

b-2.ここで、ケーブルチャンネル割当データに基づいてケーブルデコーダが特定のケーブルチャンネルに同調するためには、その前に「ケーブル入力部205及びそれに接続されたケーブルデコーダを使い、アンテナ200及びそれに接続されたTVチューナは使わない」という2つのソースデバイスからの「ケーブル入力部205(又はケーブル入力部205及びそれに接続されたケーブルデコーダ)」の選択が必須である。
具体的には、
(i)ユーザーが局名として、例えば、ケーブルテレビ放送局の「HBO」を入力すると、(ii)CPU228がRAM238に記憶されている全ケーブルチャンネルに対応するケーブルチャンネル割当データの中から、「HBO」を含むケーブルチャンネル割当データを検索して、(iii)ついで、CPU228がHBOを含むケーブルチャンネル割当データにおけるチャンネルの情報(甲4において「チャンネル割当」と呼ばれるもの。例えば、「チャンネルの周波数帯域○Hz?○Hz」や「チャンネル番号36」。)を読み出す(「チャンネル割当へ変換」)。(iv)その後、プログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202が、(iii)で読み出した「チャンネルの情報」に対応するチャンネルがケーブルチャンネルのものであることを識別し、(v)ケーブル入力部205及びそれに接続されたケーブルデコーダを有効にし、(vi)さらに、ケーブルデコーダ(上述したように、チューナの機能を有する。)に、当該「チャンネルの情報」に基づき、そのチャンネルの周波数帯域への同調を行わせる。
したがって、「ケーブルチャンネル割当データ」は、明示されている「変換」の機能を奏するのみならず、ソース又はソースデバイスを識別するという機能も奏するものであり、「ソース識別子」の性質を有している。
「ケーブルチャンネル割当データ」が「ソース識別子」の機能を有している限り、その他の性質(例えば、「変換データ」という性質)を有していてもよいのは当然である。
「識別」がそれらの伝送方式を識別することにより行われることは上述したとおりである。結局、「ケーブルチャンネル割当データ」は、「ソース」又は「ソースデバイス」をその伝送方式により識別し得るものであるから、「ソース識別子」に該当する。

b-3.甲4ではオーバジエア放送に対応するソース識別子の存在が前提となっている。
甲4には、オーバジエア放送に対応するソース識別子について明示の記載はないが、甲4に記載の引用発明は、結局のところ、オーバジエア放送、ケーブルテレビ放送という複数のソースにかかる番組リストを表示し(図1?図3、図5、図6)、この表示に対してユーザーが番組を視聴、録画のために選択することを可能とする点において、本件発明2,5とその実質を一にするところ、引用発明は、甲4にオーバジエア放送にかかるソース識別子が明示されていないという点のみにおいて、本件特許発明と形式的に異なるに過ぎない。
甲4の(キ)によれば、オーバジエア放送のチャンネルの同調が行われることも当然に想定されているところ、オーバジエア放送及びケーブルテレビという2つのソースデバイスから、オーバジエア放送のチャンネルに同調する際には、「アンテナ200及びそれに接続されたTVチューナを使い、ケーブル入力部205及びそれに接続されたケーブルデコーダは使わない」という「アンテナ200(又はアンテナ200及びそれに接続されたTVチューナ)」の選択が必須となる。ということは、「アンテナ」というソースの選択(識別)を行うためのソース識別子が必要となることもまた自明である。
このように、甲4には、明示の記載はないものの、オーバジエア放送に対応するソース識別子の存在を前提としている。したがって、当業者にとっては、甲4のシステムにおいて、ソース識別子が用いられていることは、本件特許に係る出願の優先日(平成7年4月17日)において技術常識となっていたものである。

b-4.以上述べたように、甲4にはソース識別子が記載されていることが明らかである。

4イ-4 上述したとおり、構成b中の「ケーブルチャンネル割当データ」は「前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子」に該当する。そして、「「ケーブルチャンネル割当データ」「を、」「ケーブル指定のRAMメモリ238」「に記憶(格納)する」は、「前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子をメモリに格納する」に該当する。

4イ-5 以上から、要件2B、5Bの点で両発明は共通する。

4ウ 要件2C・5C
構成cの「前記アンテナ200及びケーブル入力部205の2つの入力から伝送され(スケジュールメモリ232に記憶されている)『リストデータ』」は、「前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のための前記テレビジョン番組情報のリスト」に、「TV/モニター210に、複数のオーバジエア放送のチャンネルと番組リスト及び複数のケーブルサービスのチャンネルと番組リストを同時に表示する」は、「ガイドフォーマットに同時に表示する」にそれぞれ該当する。
したがって、要件Cの点で両発明は共通する。

4エ 要件2D・5D
構成e’の「オンスクリーンスケジュールから選択されたタイトルをユーザーから受理する」は、要件2D・5Dの「前記表示された番組リストからの番組選択を利用者から受理する」に該当する。
したがって、要件Dの点で両発明は共通する。

4オ 要件2E・5E
「オンスクリーンスケジュールからタイトルを選択するプログラムでは、選択されたタイトルをユーザーから受信し」は、「前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信」に該当する。
また、「リモートコントローラー212で局名及びケーブルチャンネル名を入力すると、CPU228で入力された当該局名及びケーブルチャンネル名が特定のチャンネルに変換されるが、その際にケーブル指定RAM238に格納された所望の『ケーブルチャンネル割当データ』を検索する」は、「ソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから検索する」に該当する。
(相違点)
もっとも、表示された番組リストから番組の利用者選択の受信「に応答」して「その番組の」ソース識別子をメモリから検索する点については、甲4に明示的な記載はない。

5.容易想到
しかしながら、甲5の(サ)「プログラムは・・・(ステツプ470)。」から、
例えば、地上波放送のネットワークのチャンネルが選択されている場合において、ケーブルサービスのネットワークのチャンネルのラベルがサーチ(検索)されて同チャンネルに同調するときには、必ず、地上波放送のネットワークからケーブルサービスのネットワークへとソースの切替えが行われるから、『ラベル』はケーブルサービスのネットワークという伝送方式をも識別するものであることを要する。よって、『ラベル』は要件E中の『ソース識別子』に該当する
ことは明らかである。
したがって、甲5に記載された発明には、「表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、その番組のソースデバイスを表すソース識別子を・・・検索するステップ」が記載されている。
加えて、甲5に記載されているのは甲4と同様の「ソース識別子」を用いたテレビジョンのチャンネルの識別に関する技術であり、引用発明と技術分野を同一にするものであるから、甲5に記載された上記の点の構成を甲4に記載されたものに適用し、要件2E・5Eとすることはその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に推考し得るものである。

[3.2]無効理由2(サポート要件違反)の具体的要点
要件2Eの「ソース識別子を前記メモリから検索するステップ」、 要件5Eの「ソース識別子を前記メモリから検索する手段」でいう「検索」とは、「メモリ」に「格納」された「少なくとも2つのソースデバイスから伝送された」「各テレビジョン番組のための」「ソース識別子」の中から、「利用者選択の受信に応答して」「ソース識別子」をさがし出すことを意味する。

本件特許明細書の発明の詳細な説明には、ソース識別子の使用に関し、 甲1号証(本件特許公報)の
5頁22行?24行、
9頁29行?34行、
10頁5行?12行、
10頁38行?45行に記載があり、
利用者が選択したショー、チャンネル又は番組についての「ソース識別子を読み取」ることは記載されているものの、
これらの「ソース識別子を読み取」るこることは、要件2Eの「検索するステップ」、5Eの「検索する手段」(「メモリ」に「格納」された「少なくとも2つのソースデバイスから伝送された」「各テレビジョン番組のための」「ソース識別子」の中から、「利用者選択の受信に応答して」「ソース識別子」をさがし出すこと)とは異なる技術的事項を示しているに過ぎず、
発明の詳細な説明中には、本件特許発明2の要件2Eの「検索するステップ」、要件5Eの「検索する手段」と対応する事項が、記載も示唆もされていない。

[3.3]無効理由3(原文新規事項追加)の具体的要点
本件特許に係る外国語書面出願の外国語書面(原文)を示す国際公開パンフレットである甲第2号証の、
4頁22行?25行(翻訳;甲第3号証11頁16行?18行)、
12頁7行?13行(翻訳;甲第3号証19頁下から6行?20頁1行)、
13頁6行?14行(翻訳;甲第3号証20頁下から4行?21頁5行)、
14頁9行?19行(翻訳;甲第3号証22頁7行?16行)、
には、
利用者が選択したショー、チャンネル又は番組に結び付けられた(関係付けられた)ソース識別子を読み取ることは記載されているものの、
これらの「ソース識別子を読み取」るこることは、要件2Eの「検索するステップ」、5Eの「検索する手段」(「メモリ」に「格納」された「少なくとも2つのソースデバイスから伝送された」「各テレビジョン番組のための」「ソース識別子」の中から、「利用者選択の受信に応答して」「ソース識別子」をさがし出すこと)とは異なる技術的事項を示しているに過ぎず、
要件2Eの「検索するステップ」、要件5Eの「検索する手段」は原文に記載されておらず、原文に記載した事項の範囲内にない。


[3.4]証拠方法
〈審判請求書〉
甲第1号証 特許第4338215号公報
甲第2号証 国際公開第96/33572号(WO96/33572)
(本件特許に係る外国語書面出願である国際出願(PCT
/US96/04731)の公開公報)
甲第3号証 特表平11-504171号公報
甲第4号証 特表平6-504165号公報
甲第5号証 特開平3-62719号公報
甲第6号証 広辞苑第六版第一刷発行(2008年1月11日)
(「検索」の意味。)

〈口頭審理陳述要領書〉
甲第7号証 本件特許に係る出願についての平成18年8月2日付け
手続補正書
甲第8号証 フリー百科事典「ウィキペディア」『伝送』,
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%9D%E9%80%81,
最終更新 2009年9月4日 (金) 17:17
甲第9号証 広辞苑第六版第一刷発行(2008年1月11日)
(「チューナ」の意味。)
甲第10号証 NHKテレビ技術教科書[上]、日本放送出版協会、
平成元年4月10日第一刷発行,
p20-31,p50-55,p121-131,
甲第11号証 ケーブルテレビ技術入門-基礎検討ら応用まで-,
コロナ社,1994年9月5日初版第3刷発行,
p1-3,p174-185
甲第12号証 官報,号外第110号平成3年7月17日,
平成三年七月十七日郵政省令第三十六号,
標準テレビジョン放送に関する送信の標準方式
甲第13号証 有線テレビジョン放送法施行規則,昭和四十七年十二月
十四日号外郵政省令第四十号,
(p1901-1980)
甲第14号証 特開平6-350979号公報
甲第15号証 国際公開第92/04801号パンフレット,
(甲第4号証に係る特許出願の国際出願日の明細書の内容)

【第3-2】被請求人の主張(答弁)

[1]答弁の趣旨及び理由の概要
本件審判の請求は成り立たない。
審判費用は請求人の負担とする。

無効理由1ないし無効理由3は、請求項2及び請求項5についての特許を無効とする理由にはならない。
請求項2及び請求項5についての特許は維持されるべきものである。

[2]答弁の理由の具体的要点

[2.1]無効理由1(進歩性欠如、29条第2項)について

-答弁書-
1.甲第4号証および甲第5号証のいずれも、少なくとも、請求項2に係る発明(本件発明2)の要件2B、2E、請求項5に係る発明(本件発明5)の5B、5Eの「ソース識別子」を教示も示唆もしていない。

1ア 相違点
要件2B、2E、5B、5Eの「ソース識別子」は、「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表す」ものであるのに対し、甲第4号証に記載の「ケーブルチャンネル割当データ」がチャンネルを表すものである点で、両者は、相違点を有するというべきである。

《理由》
甲第4号証の第11頁左上欄第15行?第20行「プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調する。VBI信号がCPU228によって処理された後、リストデータは、スケジュールメモリ232へ記憶される一方、ケーブルチャンネル割当データは、ケーブル指定のRAMメモリ238へ記憶される。このデータは、HBOといった一般的なTVソース名を特定のケーブルシステムのチャンネル割当へ変換する。」から、
「ケーブルチャンネル割当データ」が、単に、プロバイダ名を特定のチャンネルに変換する(例えば、甲第4号証の図20に示されるように、「HBO」をチャンネル「36」に変換する)ために用いられるデータであることは明らかである。このように、「ケーブルチャンネル割当データ」が何らかの識別子であると考えられるべきであるとすれば、「ケーブルチャンネル割当データ」は、チャンネルを表すチャンネル識別子であると考えられるべきである。
これとは対照的に、要件2B、2E、5B、5Eの「ソース識別子」は、「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表す」ものとして定義されている。すなわち、要件2B、2E、5B、5Eの「ソース識別子」が「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表す」ものであるのに対し、甲第4号証に記載の「ケーブルチャンネル割当データ」がチャンネルを表すものである点で、両者は、相違点を有するというべきである。

1イ 課題、動機付けの不存在
この相違点は、本件特許発明の解決すべき課題にリンクしている。すなわち、本件特許発明の解決すべき課題は、複数のソース間の切り換えを手動で行っていたことである。この課題を解決するために、本件特許発明は、番組が選択されると適切なソースが自動的に決定されるように、複数のソースからの複数の番組を含む番組ガイドを提供するシステムまたは方法を提供することを目的とする。
これに対して、甲第4号証の解決すべき課題は、テレビジョンのプログラミングおよび記録のために従来のユーザーインタフェースが不十分であったことである。この課題を解決するために、甲第4号証に記載の発明は、テレビジョンスケジュール情報の特定の性質を補償することが可能な改良されたユーザーインタフェースを提供することを目的とする(例えば、甲第4号証の第6頁左下欄第10行?第12行)。甲第4号証には、本件特許発明の解決すべき課題および目的に言及している記載は何ら存在しない。それ故、甲第4号証には、上述した相違点をなくすように当業者が甲第4号証に記載の発明を改変する動機付けが何ら存在しないというべきである。

1ウ 仮に、甲第4号証の教示と甲第5号証の教示とが組み合わせられたとしても、依然として、本件特許発明2、5には到達しないというべきである。

《理由》
甲第5号証は、単に、(テレビのリモコンを用いて)テキスト・ラベルを入力すること、そのテキストラベルを同調されるべき特定のチャンネルに関連付けることをユーザが行うことを可能にすることを開示しているにすぎない。同調されるべきチャンネルは、そのラベルを入力したユーザによって選択されることが可能である。特定のチャンネルに同調するためにラベルが入力されると、同調システムが、そのラベルがメモリ内に存在するか否かをチェックする。入力されたラベルに一致するラベルがメモリ内に存在する場合には、同調システムは、その一致したラベルに対応するチャンネルに同調する。
甲第4号証と同様に、甲第5号証に記載の「ラベル」も、要件2B、2E、5B、5Eの「ソース識別子」には対応しない。なぜなら、甲第5号証に記載の「ラベル」は、ラベルに対応するチャンネルを表すチャンネル識別子にすぎないからである。すなわち、甲第4号証と同様に、甲第5号証もまた、「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表す」ものとして定義されている「ソース識別子」を教示も示唆もしていない。
それ故、仮に、甲第5号証の開示を用いて、甲第4号証に記載の発明を改変したとしても、その結果として得られるものは、せいぜい、甲第4号証に記載の「チャンネル識別子」を改変したものに到達するに留まり、要件2B、2E、5B、5Eの「ソース識別子」を必要とする本件特許発明2、5に到達することはできないというべきである。

-口頭審理陳述要領書(被請求人)-
2.「ソースデバイス」
要件2A・5Aでは、「各ソースデバイスは、複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能であり」と規定されていることから、この規定を満たし、かつ、”ソース”を構成する装置は、「ソースデバイス」であると解釈されるべきである。すなわち、”ソース”の源に配置される伝送源としての送信側の装置もまた「ソースデバイス」に該当すると解釈されるべきである。
このような送信側の装置もまた「ソースデバイス」に該当することは、例えば、本件特許明細書(甲1)の第5頁第25行?第26行の「ソース装置には、DBS、ケーブル・ボックス、テレビジョン・チューナ等が含まれる。」という記載および本件特許明細書(甲1)の第3頁第42行?第44行の「例えば、直接放送衛星システム(DBS)では、衛星用ディッシュ・アンテナ及びセットトップ型の受信機を介して、テレビ番組及びテレビ番組スケジュール情報が提供される。」という記載によってサポートされている。
これらの記載から、DBSの伝送源としてのソース装置からテレビ番組およびテレビスケジュール情報が送信されることによってこれらの情報が提供されることは明らかだからである。本件の図1A・図1B・図1Cの「ケーブル・ボックス26」および「IRDボックス47」といった受信側の装置もまた「ソースデバイス」の一例であるが、「ソースデバイス」はこれらの受信側の装置に限定されない。
「ケーブル」や「アンテナ」は、単に信号が伝送していく物であって、「複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能であり」とされているものではないから、「ソースデバイス」には該当しない。

3.甲4における「番組選択」(要件2D・5D)の有無について
甲4の(カ)「図2で示される・・・チャンネル選択は影響されない。」の「チャンネル選択」は、「番組選択」とは選択されるべき対象が異なるため、異なるものである。
甲4の(キ)(ク),図1?図3の箇所に「番組選択」が記載されていたとしても(被請求人がこのことを自認するわけではないが)、そのような番組選択に応答して、その番組のソースデバイスを表すソース識別子をメモリから検索することが甲4のどこに記載されているのかは依然として不明なままである。

4.各要件について
甲4の「アンテナ200及びケーブル入力部205」は、本件発明2・5の「2つのソースデバイス」に該当しないから、構成aと要件2A・5Aは共通しない。
甲4の「ケーブルチャンネル割当データ」は、本件発明2・5の「ソース識別子」に該当しないから、構成bと要件2B・5Bは共通しない。
甲4の「アンテナ200及びケーブル入力部205」は、本件発明の2・5の「2つのソースデバイス」に該当しないから、構成cと要件2C・5Cは共通しない。
要件2D・5D、2E・5Eについて、請求人は、表示された番組リストから番組の利用者選択の受信「に応答」して「その番組の」ソース識別子をメモリから検索する点については、甲4に明示的な記載はないことを自認している(請求人の口頭陳述要領書の第47頁)。しかし、この相違点のみが両発明の相違点ではない。なぜなら、上述したように、甲4の「ケーブルチャンネル割当データ」は、本件発明の「ソース識別子」に該当しないからである。この相違点もまた両発明の相違点である。
請求人は、表示された番組リストから番組の利用者選択の受信「に応答」して「その番組の」ソース識別子をメモリから検索する点が甲4に明示的に記載されていない点について、甲4の記載の欠如を甲5によって補うことができると主張しているようである(請求人の口頭陳述要領書の第49頁?第50頁)。しかし、被請求人は、請求人の主張を正確に理解することができない。少なくとも、番組選択に応答して、その番組のソースデバイスを表すソース識別子をメモリから検索することが甲5のどこに記載されていると請求人が主張しているのかが不明である。

[2.2]無効理由2(サポート要件違反)について
本件特許明細書の発明の詳細な説明には、メモリから「ソース識別子」を読み取ることが記載されているところ、メモリから「ソース識別子」を読み取るためには、その前に「ソース識別子」がメモリのどこに格納されているかをさがし出すこと(すなわち、検索すること)が必要であることは技術常識であるからである(一般に、読み出されるべきデータがメモリ内のどこに格納されているかを特定することができなければ、そのデータをメモリから読み出すことができない)。
このことは、請求人が主張する「検索する」の広辞苑(甲第6号証)による定義にも整合する。それ故、「ソース識別子」を検索することは、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されている事項の範囲内であるというべきである。

[2.3]無効理由3(原文新規事項追加)の具体的要点
本件特許の原文には、メモリから「ソース識別子」を読み取ることが記載されているところ、メモリから「ソース識別子」を読み取るためには、その前に「ソース識別子」がメモリのどこに格納されているかをさがし出すこと(すなわち、検索すること)が必要であることは技術常識であるからである(一般に、読み出されるべきデータがメモリ内のどこに格納されているかを特定することができなければ、そのデータをメモリから読み出すことができない)。
このことは、請求人が主張する「検索する」の広辞苑(甲第6号証)による定義にも整合する。それ故、「ソース識別子」を検索することは、本件特許の原文に記載されている事項の範囲内であるというべきである。


[2.4]証拠方法
〈口頭審理陳述要領書〉
乙第1号証 広辞苑第四版第一刷発行(1991年11月15日)
(「伝送」を記載した部分)
乙第2号証 デジタル大辞泉の解説(「伝送」を記載した部分),
http://kotobank.jp/word/伝送
乙第3号証 "Modern Cable Television Technology
Video,Voice,and Data Communications",
p349-359,p805-807,
WALTER CICIORA,JAMES FARMER,DAVID LARGE著,
1999年,Morgan Kaufmann Publishers,Inc.San Francisco,
California,
Rrinted in United States of America
乙第3号証の抄訳(352頁34行?354頁12行)
乙第4号証 "Cable TV Channel Frequencies",インターネットウェブ
サイト
http://www.jneuhaus.com/fccindex/cablech.htmlの印刷物
乙第5号証 [Code of Federal Regulations],インターネットウェブ
サイト
http://frwebgate.access.gpo.gov/cgi-bin/get-cfr.cgi?
TITLE=47&PART=73&SECTION=603&TYPE=TEXT
の印刷物



【第4】当審の判断

【第4-1】無効理由2(サポート要件違反、36条6項1号)について

ア 請求人の主張する無効理由2の要点は、前記【第3-1】[3-2]のとおりであって、本件発明2の要件2E、及び本件発明5の要件5Eの「前記ソース識別子を前記メモリから検索する」の「検索する」は、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されていない、というものである。

イ 一般的に「検索する」とは、(マイクロプロセサー等の装置により)データの中から特定のデータをさがし出すこと、をいうものと言えるところ、
本件発明2の要件2E,及び本件発明5の要件5Eの「その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから検索する」について、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載を検討するに、
請求人が主張するとおり、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載には、ソース識別子を「検索する」または「さがし出す」との文言の明示の記載はない。
しかしながら、
同発明の詳細な説明の記載中、本件発明2の要件2E及び本件発明5の要件5Eの「その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから検索する」の「検索する」に直接対応する記載として考慮すべき記載は、
下記「記a」の(ア)?(エ)に示す記載であってそれ以外にはないこと、
同記載のいずれもが、“ソース識別子をメモリから「読み取る」”という技術事項を示していること{「読み取り」と称していること、発明の詳細な説明の下記「記載b」等から、「読み取り」がコーディネータの「メモリ」(RAM38)からなされることは、発明の詳細な説明に記載されているといい得ることは明らかである。}
は、当業者に明らかであり、
また、そこに示される“ソース識別子をメモリから「読み取る」”動作は、
・メモリ38内には、「その番組のソース識別子」ではない「ソース識別子」や「テレビジョン・スケジュール情報」を含む図2に表示される種々の多数の情報が格納されていることは明らかであり、メモリ38に格納されているそれらの多数の情報から、とりわけ「その番組のソース識別子」を「読み取る」動作であり、
・また、そのように読み取り動作をするため、メモリ38における、上記「それら多数の情報」のうちの「その番組のソース識別子」の格納場所の以外の格納場所ではなく、「その番組のソース識別子」の格納場所を特定する動作が行われた上でなされる動作であることも明らかであることからすれば、
そこに示される“ソース識別子をメモリから「読み取る」”動作は、
上記「それら多数の情報」の中から、求める特定のデータである「その番組のソース識別子」を抽出して「読み取る」動作といえ、そのような動作は『さがし出し』て「読み取る」動作ともいえ、上記した「検索する」の一般的な意味にも合致するものである。

すなわち、上記要件2E及び5Eでいう「その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから検索する」と記載したからといって、そこでいう「検索する」との技術事項は、『さがし出し』て「読み取る」と理解し得る下記aの(ア)?(エ)に記載された技術事項を超える技術事項をいうものとは言えず、したがって、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されている、と言うべきである。

ウ まとめ(無効理由2:36条第6項第1号(サポート要件違反))
以上のとおりであるから、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載には、ソース識別子を「検索する」又は「さがし出す」との文言明示の記載はないからといって、本件発明2の要件2E、及び本件発明5の要件5Eでいう「その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子をメモリから検索する」が本件明細書の発明の詳細な説明に記載されていない、とすることはできず、
請求項2及び請求項5の記載は、特許法第36条第6項第1号「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること」(サポート要件)の規定を満たさないとはいえない。

したがって、本件発明2及び本件発明5に係る特許は、いずれも、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであるから同法第123条第1項第4号に該当し無効とすべきものである、とすることはできない。

記a(本件の発明の詳細な説明(甲1号証)、
「検索」関連)
(ア)「利用者が表示されたガイド内の表示チャンネルの1つに配置されたショーまたはチャンネルを選択すると、システムが該ショーまたはチャンネルに関係したソース識別子を読み取る。」(5頁22行?24行)
(イ)「自動同調を開始するには、利用者が所定のチャンネルまたは番組をステップ70で選択する。この選択は、例えば、カーソルを所望の番組までスクロールさせ、「エンター」キーを押すか、または、遠隔制御器32を使用してチャンネル番号を入力することにより、実行できる。次いで、コーディネータ20は、ステップ72でソース識別子を読み取り、現在のテレビジョン22への入力がソース識別子と関係したソースであるか否かを決定する(ステップ74)。」(9頁29行?34行)
(ウ)「この例においては、IRDボックス28が利用可能なチャンネル100?200を有しており、該ボックスが、現在テレビジョン22への入力ソースとなっている(図1C参照)。更にケーブルボックス26はIRDボックス28への入力である(図1C参照)。利用者が、ステップ70において、第2チャンネル58上のバットマン60を選択する。選択された番組は、ケーブル・ボックス26からのチャンネルで利用することが可能である。コーディネータ20は、選択された番組に関係したソース識別子を読み取り、第2チャンネルがケーブルボックス26からのものであることを、ステップ72にて決定する。」(10頁5行?12行)
(エ)「図4に示したように、利用者がステップ90においてショウ番組を選択した後、コーディネータが該ショウ番組の開始時間が過ぎてしまったか否かをチェックする(ステップ92参照)。開始時間が過ぎていない場合には、コーディネータ20はステップ94において待機をする。正しい時間(番組の開始時間)が来ると、VCR24がオンされて(ステップ96参照)、コーディネータ20があたかも自動同調が起こったかのように作動する。従って、コーディネータ20は、ステップ72(図3参照)で選択したショウ番組を提供するチャンネルと関係したソース識別子を読み取る。この自動読み取り処理のフローと、自動同調処理のフローとの間の移行が、Bにより示されている。」(10頁38行?45行)

記b(本件の発明の詳細な説明の記載(甲1号証)、
「メモリに格納」関連)
(オ)「コーディネータ20は、プロセッサ(CPU)36及びメモリ(RAM)38を含んでいる。」(6頁26行?27行)
(カ)「コーディネータ20は、システム10において利用できる番組ガイド情報を探しかつ分類する。所望のテレビジョン・ガイド情報を受信するため、コーディネータ20は該情報のソースへ接続される。」(7頁8行?10行)
(キ)「テレビジョン・スケジュール情報に、種々のフォーマットが使用できる。例えば、ヘッダ部分及び情報部分を備えたデータ・パケットを、他のより複雑なデータ・パケット・フォーマットを使用して受信することができる。好適な実施例では、コーディネータ20が、利用可能なソース又はデータ入力線からテレビジョン・スケジュール情報を受け取り、分類/混合する。例えば、コーディネータ20がテレビジョン・チャンネルの垂直ブランキング期間に、またはDBSのトランスポンダを介して、番組スケジュールを受信するようにしても良い。
利用できるスケジュール情報を分類/混合するために、コーディネータ20は、先ず、構造化フレームワークを生成し、次いで、受信したデータを該構造化フレームワーク内にセーブする。この構造化フレームワークには、組織化されたデータ記憶用の幾つかのレベルが含まれる。該フレームワークのレベルがコーディネータ20により準備された後、ポインタを使用して該構造の適切なレベルにデータをセーブする。
別の構成では、番組スケジュール情報の分類/混合は、別個の場所でなされ、そして、例えば、衛星チャンネル上のシステム10に供給される。従って、既に混合、分類、組織化された番組スケジュール情報は、即座に表示可能なフォーマットで受信される。この後者の状況では、見られる画面/格子のみをセーブすれば良いことから、コーディネータのメモリは少なくて済む。例えば、この後者の状況において、利用者が4時間の格子状の案内を見たいと思った時、4時間分の情報のみをRAM38にセーブすればよいのである。」(7頁47行?8頁14行)
(ク)「どのソースからどのチャンネルが利用可能かを追跡するために、ソース識別子が各チャンネルに配置される。ソース識別子の各々は、チャンネル・ガイド情報に含めても良く、あるいは、ソース識別子を、チャンネル・ガイド情報のオリジンに基づいて、システムにより追加するようにしても良い。従って、これらのデータが未だに供給されていなければ、コーディネータ20は適切な識別子を受信したチャンネル・ガイド情報に付加する。例えば、バットマン60がIRDボックス28を介して受信された場合、該バットマン60は、そのチャンネル58上に配置されたIRDボックス28を識別するソース識別子を有することになる。」(9頁2行?9行)
(ケ)「特定の番組に関連した追加の情報には、該番組の概要説明を含めるようにしても良い。例えば、連続ホームドラマに含まれる物語りの概要説明を提供するようにしても良い。この追加の情報を表示するには、コーディネータ20がRAM38内の所望の情報にアクセスし、あるいは、異なるデータ入力に切り換えて、格子状ガイド50内の適切な場所内の追加情報を表示すればよい。」(9頁22行?26行)

【第4-2】無効理由3(原文新規事項追加、123条1項5号)について

ア 請求人の主張する無効理由3は、前記【第3-1】[3-3]のとおりであって、本件発明2の要件2E、及び本件発明5の要件5Eの「前記ソース識別子を前記メモリから検索する」の「検索する」は、本件特許に係る外国語書面出願である国際出願(PCT/US96/04731)の外国語書面に記載されていない、というものである。

イ 本件特許に係る出願は、外国語書面出願であるところ、その外国語書面{国際出願(PCT/US96/04731)の外国語書面(以下、単に「外国語書面」という}の記載事項は甲2号証(国際公開第96/33572号(WO96/33572))に示されるものである。その翻訳文は、上記国際公開に対応する、本件特許に係る公表特許公報である甲3号証(特表平11-504171号公報)を採用することとする。

甲2号証(国際公開)の1頁?15頁の記載事項{「WHAT IS CLAIMED IS:」以降の16頁?22頁を除く。その翻訳は、甲3号証の発明の詳細な説明に示される。}についてみるに、
同記載事項は、本件特許明細書の発明の詳細な説明と図面の簡単な説明の記載事項と実質的に同じである{このうち、上記「記a」に対応する記載部分を下記「記c」に摘示した。}から、
本件特許明細書の発明の詳細な説明中に記載された事項(上記の「記a」,「記b」を含む)は、上記外国語書面にも記載されているということができる。

そして、上記要件2E及び5Eでいう「検索する」との技術事項が、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載された技術事項を超えるものとはいえないことは、既に前記「【第4-1】無効理由2」に示したとおりであるところ、
上記外国語書面にも、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載された技術事項が記載されているといえるのであるから、
上記要件2E及び5Eでいう「検索する」との技術事項が、上記外国語書面のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係においても、新たな技術的事項を導入しないものと言うことができる。

ウ まとめ(無効理由3:123条第1項第5号(原文新規事項追加))
以上のとおりであるから、本件発明2及び本件発明5の
本件発明2の要件2E、及び本件発明5の要件5Eの「前記ソース識別子を前記メモリから検索する」の「検索する」は、本件特許に係る外国語書面出願である国際出願(PCT/US96/04731)の外国語書面に記載した事項の範囲内にない、とはいえない。

したがって、本件発明2に係る特許は、請求項2に記載した事項が本件特許に係る外国語出願の外国語書面に記載した事項の範囲内にないから(平成14年改正前特許法第184条の18によって読み替えて適用される)特許法第123条第1項第5号に該当し無効とすべきものである、とすることはできない。
同様に、本件発明5に係る特許は、請求項5に記載した事項が本件特許に係る外国語出願の外国語書面に記載した事項の範囲内にないから(平成14年改正前特許法第184条の18によって読み替えて適用される)特許法第123条第1項第5号に該当し無効とすべきものである、とすることはできない。

記c(甲第2号証;国際公開第96/33572号、
「検索」関連 )
(ア)「When a user selects a show or channel located on one of the displayed channels within a displayed guide, the system reads the source identifier associated with that show or channel. 」(4頁22行?25行)
{翻訳;「利用者が表示されたガイド内の表示チャンネルの1つに配置されたショーまたはチャンネルを選択すると、システムが該ショーまたはチャンネルに関係したソース識別子を読み取る。」(甲第3号証11頁16行?18行)}
(イ)「Fig. 3 is an exemplary process flow chart for automatic tuning. To begin automatic tuning, the user selects a certain channel or show at step 70. The selection may be made by, for example, scrolling a cursor to a desired show and striking the "enter" key, or entering a channel number using remote 32. Coordinator 20 then reads the source identifier at step 72 and determines if the present input to television 22 is the source associated with the source identifier (see step 74).」(12頁7行?13行)
{翻訳;「自動同調を開始するには、利用者が所定のチャンネルまたは番組をステップ70で選択する。この選択は、例えば、カーソルを所望の番組までスクロールさせ、「エンター」キーを押すか、または、遠隔制御器32を使用してチャンネル番号を入力することにより、実行できる。次いで、コーディネータ20は、ステップ72でソース識別子を読み取り、現在のテレビジョン22への入力がソース識別子と関係したソースであるか否かを決定する(ステップ74)。」(甲第3号証19頁下から6行?20頁1行)}
(ウ)「Fig. 3, the following example is provided. In this example, IRD box 28 has channels 100-200 available and is presently the input source to television 22 (see Fig. lc) . Additionally, cable box 26 is an input to IRD box 28 (see Fig. lc) . A user selects BATMAN 60 on channel 2 58 at step 70. The selected show is available on a channel from cable box 26. Coordinator 20 reads the source identifier associated with the selected show and determines that channel 2 is from cable box 26 at step 72.」(13頁6行?14行)
{翻訳;「この例においては、IRDボックス28が利用可能なチャンネル100?200を有しており、該ボックスが、現在テレビジョン22への入力ソースとなっている(図1C参照)。更にケーブルボックス26はIRDボックス28への入力である(図1C参照)。利用者が、ステップ70において、第2チャンネル58上のバットマン60を選択する。選択された番組は、ケーブル・ボックス26からのチャンネルで利用することが可能である。コーディネータ20は、選択された番組に関係したソース識別子を読み取り、第2チャンネルがケーブルボックス26からのものであることを、ステップ72にて決定する。」(甲第3号証20頁下から4行?21頁5行)}
(エ)「As set forth in Fig. 4, after the user selects a show at step 90, the coordinator checks to see if the beginning time for that show has passed (see step 92) . If the beginning time has not passed, coordinator 20 waits at step 94. When the correct time (the program's starting time) does occur, VCR 24 is turned "on" (see step 96) and coordinator 20 acts as though automatic tuning has occurred. Therefore coordinator 20 reads the source identifier associated with the channel providing the selected show at step 72 (see Fig. 3) . This transition between the process flow for automatic recording and the process flow for automatic tuning is indicated by B. 」(14頁9行?19行)
{翻訳;「図4に示したように、利用者がステップ90においてショウ番組を選択した後、コーディネータが該ショウ番組の開始時間が過ぎてしまったか否かをチェックする(ステップ92参照)。開始時間が過ぎていない場合には、コーディネータ20はステップ94において待機をする。正しい時間(番組の開始時間)が来ると、VCR24がオンされて(ステップ96参照)、コーディネータ20があたかも自動同調が起こったかのように作動する。従って、コーディネータ20は、ステップ72(図3参照)で選択したショウ番組を提供するチャンネルと関係したソース識別子を読み取る。この自動読み取り処理のフローと、自動同調処理のフローとの間の移行が、Bにより示されている。」(甲第3号証22頁7行?16行)}

【第4-3】無効理由1(進歩性欠如、29条第2項)について

請求人の主張する無効理由1の要点は、本件発明2及び本件発明5は、甲4号証記載の発明(主引用発明)及び甲5号証記載の発明(従発明)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条第2項の規定により特許を受けることができないというものであり、詳しくは、本件発明2・5と甲4号証記載の発明とは、要件2E・5Eでのみ相違するが、この相違は甲5号証から当業者が容易に克服し得た、というものである{前記【第3-1】[2](1)、[3-1]}。

以下、甲4号証,甲5号証などを、「甲4」、「甲5」などともいい、甲4号証記載の発明を「甲4発明」などともいう。

[1]本件発明2、5(分説)

本件発明2、5(請求項2、5記載の発明)は、前記のとおり以下のように分説される。

(本件発明2(分説)、再掲)
2A 異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイスを用いる少
なくとも2つのソースからの信号がテレビジョンの一つ以上の入力に
よって受信されるシステムで使用する方法であって、各ソースデバイ
スは、複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能であり、
前記方法は、
2B 複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、前記少なく
とも2つのソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のための
テレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データと各テレビ
ジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース
識別子をメモリに格納するステップと、
2C 前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のた
めの前記テレビジョン番組情報のリストをガイドフォーマットに同時
に表示するステップと、
2D 前記表示された番組リストからの番組選択を利用者から受理するステ
ップと、
2E 前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、
その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから
検索するステップと
を備えている、方法。

(本件発明5(分説)、再掲)
5A 異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイスを用いる少
なくとも2つのソースからの信号をテレビジョンの一つ以上の入力に
よって受信するシステムであって、各ソースデバイスは、複数のテレ
ビチャンネルを伝送するように動作可能であり、
前記システムは、
5B 複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、前記少なく
とも2つのソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のための
テレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データと各テレビ
ジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース
識別子をメモリに格納する手段と、
5C 前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のた
めのテレビジョン番組情報のリストをガイドフォーマットに同時に表
示する手段と、
5D 前記表示された番組リストからの番組選択を利用者から受理する手段
と、
5E 前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、
その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから
検索する手段と
を備えている、システム。

[2]甲4,5号証の記載
甲4,5号証には、以下の記載がある。なお、摘示した各記載事項に付した「(K1)」等の記号は、本審決で付した記号であり、請求人が摘示した箇所には「(ア)」等の記号を併記した。また注目する記載部分には下線を施した。

(1)甲4号証(特表平6-504165号公報)

甲4号証には以下の記載がある。

(K1)「請求の範囲
1.テレビジョンスケジュールシステムであって表示部と、
異なったテレビジョン番組時間長に応じて、長さを変化させる不規則なセルのアレーとして前記表示部へテレビジョンスケジュールを表示するために前記表示部へ接続されている手段と、
前記表示部の前記テレビジョンスケジュールヘカーソルを提供するため前記表示部へ接続されている手段と、前記カーソルは、前記カーソルが置かれている不規則なセルの選択された一つのセルの長さに応じて可変長の長さを有し、
等長のステップのシリーズのアレーで前記カーソルを移動する目的で前記カーソルを提供するための前記手段に接続された手段とを含み、少なくとも前記不規則なセルのあるものは前記ステップの長さより長い長さを有すことを特徴とするテレビジョンスケジュールシステム。」(請求項1)

(K2)「69.テレビジョンスケジュールシステムであって、
表示部と、
前記表示部へテレビジョンスケジュールを表示するため前記表示部へ接続されている手段と、
スケジュールを表示するための前記手段は、スケジュール情報の表示のため、希望チャンネルの第一の数をユーザーが選択できるように構成可能であり、前記第一の数が、利用可能チャンネルの第二の数より少なく、
スケジュールを表示するための前記手段へ接続されているプログラマブルチューナと、
チャンネルアップあるいはチャンネルダウンコマンドに応答して前記表示部へ前記テレビジョンスケジュールが表示されるとき、前記希望チャンネルの第一の数を追尾するように前記プログラマブルチューナは構成され、かつチャンネルアップあるいはチャンネルダウンコマンドに応答して前記表示部に前記テレビジョンスケジュールが存在しない場合は、前記利用可能なチャンネルの第二の数を追尾するように前記プログラマブルチューナは構成されていることを特徴とするテレビジョンスケジュールシステム。」(請求項69)

(K3)「1.発明の分野
本発明は、一般に、テレビジョン視聴者がスクリーン上のテレビジョンのプログラムリストにアクセスし、ビデオカセットレコーダー(VCR)またはその他の記録装置を容易かつ便利な方法で制御するために番組リストの使用を可能とするシステムおよび方法に関する。更に、本発明は、容易な呼び出しおよび再生のため、タイトルによって記録番組のディレクトリを作成するシステムおよび方法に関する。より具体的には、VCRまたは他の記録装置が、将来の日付と時間の記録についても、番組のタイトルの簡単な選択および記録コマンドによって制御されるシステムおよび方法に関する。もっと具体的には、直感的なユーザーインタフェースを備えたシステム及び方法に関する。」(6頁左上欄4行?同欄13行)

(K4)「印刷されたグリッドテレビジョンスケジュールガイドは、よく番組のタイトル及び放送局名以外の付属情報を含む。そのようなグリッドはまた一般に、各番組の紹介、その番組が再放送かどうか、映画の人気及びその他の情報を含むより詳細な印刷スケジュールと組み合わせて提供される。テレビジョンセットをスケジュールシステムの表示部として利用する場合、テレビジョン表示部のサイズ及び解像度がグリッドに表示されるテキストの量を制限する。テレビジョン表示部の制限の範囲内にてユーザーに容易に理解されるやり方で最大の情報を伝えるためには、改良した技術が要求される。視聴のための多数のチャンネルの利用が可能である場合、ユーザーにとって最も都合のよいように情報の表示を編成する必要がある。」(6頁右上欄28行?同頁左下欄8行)

(K5)「発明の要約
従って、発明の目的は、テレビジョンスケジュール情報の特定の性質を補償するように構成されたユーザーインターフェースを有するテレビジョンスケジュールシステム及び方法を提供することにある。
・・・(中略)・・・
本発明の目的は、更に、スケジュール情報がテレビジョン表示部の解像度制限を補償するようなフォーマットにて表示されるようなユーザーインタフェースを提供することにある。
・・・(中略)・・・
本発明の目的は、更に、スケジュール情報の提示順序がユーザーの好みに合わせて変更可能なユーザーインタフェースを提供することにある。」(6頁左下欄9行?同欄23行)

(K6)「本発明の他の特徴は、ビデオ記録装置のコントロールシステムがビデオ記録装置の開始及び停止のため、記録媒体上にビデオ情報を記録するため、および記録媒体上の記録されたビデオ情報を再生するためのコントローラーを有すことである。表示発生器は、表示イメージ発生信号を提供する。ビデオ記録装置の操作に関連する表示イメージの発生のために表示発生器へ情報を提供するための手段が存在する。情報を提供する手段は、記録媒体上に記録された番組に対応したセグメントで目盛付けをされた記録媒体位置インジケータを発生するための手段を含む。」(6頁右下欄14行?同欄21行)

(K7)「本発明の他の特徴は、テレビジョンスケジュールシステムが表示部を含み、表示部上にテレビジョンスケジュールを表示するために表示部に接続される手段があることである。スケジュールを表示するための手段は、スケジュール情報の表れは利用可能な第二のチャンネル数より少ない。プログラマブルチューナが、スケジュールを表示するための手段へ接続されている。プログラマブルチューナは、チャンネルアップコマンドまたはチャンネルダウンコマンドに応答して表示部にテレビジョンスケジュールが示されるとき、第一の希望チャンネル数に従うように構成される。プログラマブルチューナは、チャンネルアップコマンドまたはチャンネルダウンコマンドに応答して表示部にテレビジョンスケジュールがない場合、第二の利用可能なチャンネル数に従うように構成される。」(6頁右下欄26行?7頁左上欄7行)

(K8)「発明の詳細な説明
図を参照して、特に図1-7を参照すると、本発明のシステムの動作に使用され、本発明による方法を実行している一連のメニュースクリーン10、12、14、16、18、20及び22が示されている。スクリーン10、12、14、18及び20の各々は、不規則なセル26のアレー24を含み、これらセル26は、半時間から一時間半以上の時間までの異なったテレビジョン番組長に応じて変化するように可変長である。アレーは、半時間長の三つのコラム28、及び十二の行30の番組リストとして構成されている。番組リストの幾つかは、長さのため、二つかそれ以上のコラム28を重複して使用している。セル26の長さが大きく変化しているので、セル位置を選択するのに用いられた従来のカーソルが一つのセルから他のセルへ単純に段階的に移動すると、カーソルが何時間かの時間長であるセル26から同じ行の隣接したセルへ移動するので、結果は、スクリーン10、12、14、18及び20間で急に変化することになる。そのような急は変化は、システムのユーザーの感覚を失わせる。
・・・(中略)・・・
即ち、カーソルが半時間のステップで移動し、セル長が例えば4時間とすると、カーソルは1/2時間の長さとするか、4時間の長さとするか? カーソルが基礎セル(1/2時間)の間隔だけ広がっているとすると、カーソルは、セルのセグメントをハイライトするように現われ、これは誤解をもたらす。反対に、カーソルが、TVリストの4時間全体に広がると、カーソル基礎位置がわからなくなる。この場合、カーソル右/左コマンドは、長いセルを横切る間は、動作停止している。カーソルコマンドに追従するフィードバックが存在しないので、ユーザーはまごつく。従って、幾つかの矛盾する条件を満たす不規則アレー24の革新的なカーソル32(図1)が必要とされる。
・・・(中略)・・・
グリッド連続アイコン38が図1に示される。印刷グリッドテレビジョンスケジュールガイドは、しばしば番組が連続していることを示すため(”続く”といった)括弧で括ったコメントを含む。TVスクリーンに表示される電子ガイドでは、テキストスペースに対する制限故に、これらの括弧付きコメントは、除外される。スペースを節約するため、アイコン38が、セル26の連続性を示すために用いられる。次のスクリーンへ連続しているセル26の境界では、右を向いている矢印アイコン38が、重ねられている。矢印の方向は常に右を向き、それは番組の経過の方向である。」(7頁右上欄10行?同頁右下欄1行)

(K9)「図2及び図3は、記録状態の表示である。一つの番組が記録のため選択されていると、そのリストセル26が、40で示されるように、アウトラインが強調されるか、赤でハイライトされる。ガード時間が追加されているか、除去されているかすると、セルは、それを反映して延びるか、縮むかする。セル26の連続性は、既に述べたように扱われる。他に四つの記録状態表示がある。」(7頁右下欄2行?同欄6行)

(K10)「図6は、番組ノートオーバレイ52を有すテレビジョンスケジュールグリッドスクリーン20を示す。TV表示部のテキストスペースの制限により、可能な限りTVリストの多数の行を表示するのが好ましい。テキストで一杯の番組ノートを処理するため、即時応答オーバレイ52が使用される。番組ノートオーバレイ52は、次の情報のいずれかまたは全てを含む。
○ 番組ジャンル
○ 番組紹介
・・・(中略)・・・
選択した番組の番組ノートは、要求に応じてグリッドガイド上に重ねて表示される。番組ノートは、選択コマンドを利用してスイッチオン・オフすることが可能である。番組ノート52は、ガイドの3または4のリストに重ねられるか隠してしまう。」(8頁左上欄13行?同頁右上欄3行)

(K11)(ア)「図1-3及び図5-6は、テレビジョンスケジュールグリッド24のチャンネルコラム54を示す。好きな局及びケーブルチャンネルは、個人の好みに合わせたグリッドガイドを作成するため、一緒にリストされる。大半の印刷TVガイドと異なって、チャンネルコラム54は、オーバジエア放送の局名とケーブルサービスの局名が混合している。グリッド24ガイドは、局番号、ケーブル名の好きな組み合わせによってチャンネルをリストしていて、通常の番号順ではリストアップされていない。」(8頁右上欄9行?同欄15行)

(K12)「グリッド24ガイドを見る場合は、チューナアップ/ダウンチャンネルコマンドは、スクリーン上のチャンネル及びリストアップされた順で位置付けられる。ガイドを見ない場合は、チューナ手順は、通常の番号順に返る。ページの最後のチャンネルに行き着くと、次のチューナコマンドがチャンネルを次のページの最初にリストアップされているチャンネルとする。 チューナが同調するチャンネルがグリッド24に表示されると、56で示されるように、そのチャンネルはハイライトされる。グリッド24ページは、ページコマンドか、または上述のようにチャンネルアップ/ダウンコマンドを入力することで変えられる。ページがページコマンドを用いて同調される場合、現在のチャンネルは、前ページに配置され、新ページでは見られない。従って、それが現チャンネルを示すので、新ページは、チャンネルのハイライトなしとされなければならない。現チャンネルに関する情報は、スクリーンの底部のチャンネル情報ボックス58にまだ提示されている。
ハイライトはいつ再起動されるか?新ページに一旦入ると、第一チャンネルアップ/ダウンコマンドは、チューナを自動的に、新ページの最後または最初の行30にリストアップされているチャンネルへ移動するように作動する。チューナのチャンネルは、新ページに現在配置されているので、現在のチャンネルは、再びハイライトされる。
ページが選択された後、チャンネルハイライトが抑圧されていない場合は、定義により、チューナは、ハイライトされたチャンネルを追尾するように変化しなければならない。不用意なページ変更がチャンネル変更をもたらさないためには、これは望ましくない。」(8頁右上欄15行?8頁左下欄8行)

(K13)(イ)「図2で示されるように、ガイドが初めて開かれたとき、カーソル32及び現在のチャンネル56は、グリッド24の同じ行に配置される。チャンネル56が変更されると、カーソル32は、チャンネルと共に誘引されることが望ましい。これを実現するには、カーソル32は、選択コマンド(番組ノートを呼び出すための)に備えるか、記録コマンドに備えるかする。チャンネルコマンドによるカーソル誘引は、チャンネル56及びカーソル32が同じ行で融合されている場合は常に実行される。これらが融合されていると、カーソル32は、チャンネルコマンドから切り離される。誘引は、相互的ではないことに注意を払う必要がある;カーソル32を移動してもチャンネル選択は影響されない。」(8頁左下欄9行?同欄17行)

(K14)「図7は、グリッド24とリスト58との間でスイッチ選択するためのテープ内容確認コマンドをユーザーにさせることで発生する、単一チャンネルの番組リスト58のスクリーン22を示す。リスト58は、そのチャンネルの一連の番組リストの行60とチャンネル情報フィールド62を含む。番組ノートは、グリッド24に関して図6で示されたと同様な方法でリスト58上に重ねられる。
TV内容確認コマンドは、グリッドガイド24と次のチャンネル確認行ガイド58との間で交互に選択される。グリッドガイド24を見ている間は、次のTV内容確認コマンドは、グリッド24を単一チャンネル行ガイド58で置き換える。図8は、TV内容確認コマンドのフローチャートである。
二つのガイド24と58との間のページ関係は、緊密に組み合わされている。単一のチャンネルガイドは、グリッド24上のカーソル32により選択されたチャンネルとスケジュール時間とに対して開かれる。単一チャンネルガイド58を見ている間は、アップ/ダウンチャンネルコマンドは、リストアップされているチャンネルを変更するために使用される。単一のチャンネルガイド58が存在し、グリッドガイド24に返るとき、グリッドカーソル32は、単一チャンネルガイド58で選択されたチャンネルとスケジュール時間とを指し示すようになっている。」(8頁左下欄18行?同頁右下欄5行)

(K15)「図20は、チャンネルカスタム化スクリーン116を示す。スクリーン116により、ユーザーは、チャンネルを興味に合わせカスタム化でき、リストをコンパクトにでき、アップダウン走査中の必要のないチャンネルを除去できる。スケジュール更新中に、加入者ケーブルシステム(またはオーバジエア加入者のための放送局)で利用可能な全てのケーブルチャンネルのリストがVCRに入力される。このチャンネルの完全な省略のないセットは、スクリーン116を使用してカスタム化できる。
チャンネルカスタム化スクリーン116は、二つのフィールドを有し、三つのコラムを有すフィールド118は、36までのチャンネルを省略することなしにリストアップし、単一のコラムを有すフィールド120は、12の好きなマイ(MY)チャンネルをリストアップする。後者は、オープニンググリッドガイドのチャンネル記述子コラム122(図1)の複製である。36チャンネルより多数のチャンネルを有するシステムを収容するために(ページ間のスワッブを実行するためのページキーを使用して)、付加ページが利用できる。三コラムフィールド118内の各セル124は、以下の情報を有す:チャンネル番号及び番組サービス名(例えば、HBOやKTVU局2)。セル124は、次の状態を示すためにカラーコード化されている:
オン、セル124は、薄緑のバックグラウンドで、いかなるカスタム化も実行されていないディフォールト状態である。マイ(MY)、単一コラムフィールド120に好きなチャンネルがリストアップされ、三コラムフィールド118は青のバックグラウンドで表示される。オフ、全ガイドから抹消されたチャンネル、チャンネルアップ/ダウン中のチャンネル(テンキーチャンネルパッドを用いてまだアクセス可能である)。オフセルは、灰色のバックグラウンドである。
初めての装備のとき、システムは、初めの12(番号順にリストアップ)チャンネルをMY好きなチャンネルとして割り当てる。チャンネル状態は、チャンネルを変更することで変更でき、選択キーを使用してマイ、オン及びオフの状態を選択できる。
12の好きなチャンネルが許されるだけなので、ユーザーは、既存の好きなチャンネルの状態をオフ又はオンとすることで好きなチャンネルを除去できる。これがなされると、第一コラムは、自動的に次のMY選択のためのスペースを開けることになる。新規のMYが選択されるとMYコラム120は、自動的に新規選択をあらかじめ決められた順で挿入する。MY好きなチャンネルコラム120にリストアップされる順は、以下のようになる:
全ての好きな放送局がまず番号順にリストアップされる。次に、全てのケーブルサービスがアルファベット順にリストアップされる。」(10頁右上欄末行?同頁右下欄6行)

(K16)「図21は、スケジュールシステムのリモートコントローラー用のフロントパネル130を示す。フロントパネル130の上半分は、テレビジョンセット及びVCR用の従来のリモートコントローラーに対応する。ここに含まれるのは、各キーが第二機能と数値機能を有す二重機能テンキーのキーパッド132、TV/VCR選択キー134、ボリューム及びチャンネルアップ/ダウンキー136及びVCRコントロールキー138である。フロントパネル130の下半分は、スケジュールシステムに固有のコントロールキーを含む。ここに含まれているのは、テープ内容確認キー140、TV内容確認キー142、テーマキー144、記録メモキー146、記録キー148、リンクキー150、ヘルプ/メニューキー152、選択/ゴーツウキー154、左、右、アップ、ダウンおよびカーソルキー156、リターンTV/VCRキー158及び取消/復元キー160がある。これらのキーの使用法は、既に説明済みかラベルより明白であろう。」(10頁右下欄10行?同欄22行)

(K17)「図22A及び22Bは、テレビジョンスケジュールシステム/テープコントローラー180及び182のブロックダイヤグラムであり、ここでユーザーインタフェースが使用される。スケジュールシステム/コントローラー180は、既存のテレビジョン装置に応用でき、そこでは基本的なテレビジョン装置からスケジュールシステムは切り離される。プログラマブルチューナ202は、ケーブルデコーダの部分として示されている。スケジュールシステム/コントローラー182は、図示のようにVCR211へ組み込まれている。このバージョンでは、ケーブルデコーダは、必要ではなく、チューナ207は、VCR211の部分を構成している。これれ二つのシステム180及び182から、スケジュール/テープコントローラーは、ケーブルデコーダまたはTV/モニター受信機のように他のテレビジョン装置へ組み込むことが可能であることが明かである。リモートコントローラ-212へLCDスクリーンといったテキスト表示部を付加することで、リモートコントローラーへスケジュール/テープコントローラー全体を組み込むことも可能である。」(10頁右下欄23行?11頁左上欄7行)

(K18)(ウ)「システム180では、ケーブルデコーダユニットの部分を構成するプログラマブルチューナは、TV信号をアンテナ200及びケーブル入力部205またはいずれかより受信する。チューナ出力216は、字幕デコーダあるいは高速テレテキストデコーダである垂直ブランキングインターバル(VBI)デコーダ222に向かう。リスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報が、一つかそれ以上のローカル局またはケーブルチャンネルにより一日数回または連続的にVBIへ送信される。」(11頁左上欄8行?同欄14行)

(K19)(エ)「更新が必要な場合、プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調する。VBI信号がCPU228によって処理された後、リストデータは、スケジュールメモリ232へ記憶される一方、ケーブルチャンネル割当データは、ケーブル指定のRAMメモリ238へ記憶される。このデータは、HBOといった一般的なTVソース名を特定のケーブルシステムのチャンネル割当へ変換する。」(11頁左上欄15行?同欄20行)

(K20)(オ)「TV内容確認要求に関して、スケジュールメモリ232に記憶されているリストが呼び出され、CPU228で処理され、ビデオ表示発生器224へ出力される。ビデオスイッチャー226は、CPU出力246により起動され、スケジュールデータがTV/モニター210へ表示されると常にビデオ表示発生器224の出力を選択する。」(11頁左上欄26行?同頁右上欄1行)

(K21)(カ)「番組を時間シフトして記録する要求がなされた場合、番組のタイトル及びその記録パラメータ(チャンネル、開始時間及び長さ)は、スケジュールメモリ232から記録メモRAMメモリ236へコピーされる。システムクロック230が、スケジュール時間と一致すると、CPU228は、チャンネルコマンドをケーブルデコーダ202のプログラマブルチューナへ、パワーオン及び記録コマンドをVCR206へ、これら両装置の赤外線入力ポートに向けられている赤外線リモートドライバ214によって、転送する。VCRに組み込まれたバージョン182では、チューナ207へのコマンドは、ケーブルバス264によりなされる。」(11頁右上欄2行?同欄10行)

(K22)(キ)「オンスクリーンスケジュールからタイトルを選択することでなされるプログラムに加えて、VCR206及び211並びにケーブルデコーダ202または207をリモートコントローラー212でプログラムすることもまた可能である。このモードでは、プログラム情報は、リモートコントローラー212に入力され、必要なときに、リモートコントローラー212は、適当なTV装置へプログラム情報を伝送する。プログラム機能を有す多くのユニバーサルリモートコントローラーがあるが、その一方で、ユーザーが局名及びケーブルチャンネル名といった総称を入力できるものは存在せず、VCRまたはケーブルデコーダに同調させるためにCPUに名前を特定のチャンネルに変換させている。これは、CPU228及びリモートコントローラー212中のケーブル指定RAM238を備えることによって実現している。」(11頁右上欄11行?21行)

(K23)「リモートコントローラー212及び赤外線リモートドライバ214は、ケーブルデコーダ202及びVCR206によって要求される赤外線コマンド命令をエミュレートすることが可能である。リモートドライバ214のためのコマンドエミュレーションコードはケーブルデコーダIFRコードRAM/ROMメモリ239に記憶される。よく普及しているケーブルデコーダ及びVCRのコマンドは、ROMにプリプログラムされている。これに替えて、オリジナルのリモートコントローラーの赤外線コマンドは、IFR入力受信部264にコントローラーを向けて、CPU228によって処理後、RAMメモリ239にコマンドコードを記憶することによって、学習することができる。この処理は、ユニバーサルリモートコントローラーの技術でよく知られており、ここで詳述の必要はない。
図22に示されるように、VCR206及びケーブルデコーダ202は、リモートコントローラー212により手動で制御することができ、また赤外線リモートドライバ214により自動で制御することも可能である。」(11頁右上欄22行?同頁左下欄5行)

(K24)「システム182では、スケジュール/テープコントローラー220は、VCR211へ埋め込まれている。VCRテープ機構252は、プログラマブルチューナ207を除くビデオレコーダの全ての記録及び再生の電子回路を含む。」(11頁左下欄17行?同欄左下欄19行)

(ク)図22Aには、システム180の構成が示されている。

(ケ)図1?図3、図5及び図6には、テレビジョンスケジュールグリッド24の一番左の列にチャンネルコラムが示されており、オーバジエア放送の局番号(2、4、5、7、9、13、44)とケーブルサービスの局名(A&E、CNN、DIS、LIF、TNT)とが同時に表示されていることが示されている(図1?図3、図5、図6)。

(2)甲5号証(特開平3-62719号公報)

甲5号証には以下の記載がある。

(サ)「アメリカ合衆国には、少くとも3つの大きな放送ネツトワーク(たとえば、ABC、NBCおよびCBC)と共に多数の有線(ケーブル)サービス・ネツトワーク(たとえば、HBO、ESPN・Cinemax、等)があり、それぞれ全国規模で放送テレビジヨン・プログラムを供給している。多くの視聴者は、それぞれ好みのテレビジヨン・プログラムについてそれを放送しているネツトワークを通じて楽しもうとしている。そこで生ずる共通の問題は、利用できるチヤンネルの数が非常に多くて、視聴者にとつてはどのチヤンネル番号がどのネツトワークに対応しているか憶えきれないことである。たとえば、米国のある地方では視聴者は40チヤンネルもの多数の局にアクセスせねばならない。従つて、広く普及している方法であるとはいえこの様な場合チヤンネル番号によつて選局することは、好ましいことではない。」(2頁右上欄3行?左下欄14行)

(シ)「テレビジヨン製造業者は、視聴者がネツトワークの名称によつてチヤンネルを選択できるような、手持ち遠隔制御ユニツトを提供することが望まれている。」(3頁右上欄9行?12行)

(ス)「この発明によれば、使用者がテキスト・ラベルを入力させ、またそのラベルに同調させるべき特定チヤンネルを関連づけることのできる同調システムが提供される。その後、使用者がそのラベルを入力することによつて同調すべきチヤンネルを選択することができる。この同調システム制御器は、ラベル・メモリ領域にラベルをアルフアベツト順に記憶させて、チヤンネル変更に要する全時間が不要に長くならないようにするため、チヤンネル変更に伴なうラベル・サーチ時間を最小にする。」(3頁右下欄9行?18行)

(セ)「このラベルは放送局のコールサインを表わすものでなければならぬ訳ではなく、文字、数または句読点を表わす1個乃至4個の任意の文字より成る如何なる英数字ラベルとすることもできる。従つて、使用者は、所望のチヤンネルを選局するに当つてその助けとなる任意の便利なラベルを入力することができる。」(5頁右下欄1行?7行)

(ソ)「プログラムは使用者がラベルの入力を完了したものと理解して、そのラベルがメモリ120中に在るかどうかを知るためのサーチを開始する(ステツプ460)。・・・ラベルがステツプ460中で見付かればこのラベルに相当するチヤンネルに同調する(ステツプ470)。」(6頁右下欄6行?14行)

(タ)「上述のようなラベルによる同調システムにおいて、特定ラベルとの整合のためにメモリをサーチする」(7頁左上欄13行?15行)

[3]甲4発明

甲4号証には、番組のタイトルの簡単な選択および記録コマンドによって制御される、直感的なユーザーインタフェースを備えた「テレビジョンスケジュールシステムおよび方法」が記載されており{(K1)(K2)(K3)}、(→甲4発明のN)
甲4号証に記載された発明(甲4発明)として、本件発明2,5に関連するもの、特に、「番組のための前記テレビジョン番組情報のリストをガイドフォーマットに同時に表示する」(要件2C・5C)、「前記表示された番組リストからの番組選択を利用者から受理する」(要件2D・5D)に関連する事項を含むものを認定する。
なお、以下の「(→甲4発明のN)」等の記述「N」は、後記する甲4発明の対応する構成部分に付した記号を意味するものである。

(1)甲4記載の「テレビジョンスケジュールシステムおよび方法」の構成

ア グリッドガイド、表示されるグリッドガイド24

ア-1 チャンネルと時間のグリッドガイド
「テレビジョンスケジュールシステムおよび方法」は、前掲(K1),(K2),(K8)?(K9),(K11),図1?3,図5,図6によれば、
TVスクリーン上に、ユーザーインタフェースとして、図1?3に示されるTVグリッドガイド24(テレビジョンスケジュールグリッドガイド)を表示するところ、
前掲(K8)の「アイコン38が、セル26の連続性を示すために用いられる。次のスクリーンへ連続しているセル26の境界では、・・・」、(K12)の「ページの最後のチャンネルに行き着くと、次のチューナコマンドがチャンネルを次のページの最初にリストアップされているチャンネルとする。」「グリッド24ページは、ページコマンドか、または上述のようにチャンネルアップ/ダウンコマンドを入力することで変えられる。」等によれば、
ガイドには、画面に表示されたガイド24に続く次ぺージも存在することは明らかであり、従って、TVグリッドガイドは、その一部が、TVスクリーン上に表示されている(図1に示されるグリッドガイド24)ものであり、
各チャンネルに対応する各行
(最上行は各時間帯を案内する行であって、各列に表示されるセルの
時間帯が、その列位置で示されることを案内する行)と、
各時間帯に対応する各列
(最左列は各チャンネルを案内する列であって、各行に表示されるセル
のチャンネルが、その行位置で示されることを案内する列)
で区画された各セルが、各番組リスト(各番組項目)に対応するように各番組リスト(各番組項目)のスケジュールを示す、
チャンネルと時間のグリッドガイドであって、
各番組リスト(各番組項目)は、該当セルにそのタイトルが表示され、そのチャンネルが該当セルの行位置で、その時間帯が該当セルの列位置で示されるように構成されたグリッドガイドである。(→甲4発明のU2)

ここで、「図2・図3は、記録状態の表示である」{(K9)}。
また、甲4における上記「番組リスト」が、番組のコンテンツを指し示していう「番組項目」のことを意味することは、前掲(K8)?(K10)の「番組リスト」「TVリスト」「リストセル26」の記載等から明らかであり、
この点、少なくとも複数の番組情報を含むことが明らかである本件発明2,5の「リスト」
(要件2C・5Cの「2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のための前記テレビジョン番組情報のリスト」、要件2D・5Dの「前記表示された番組リストからの番組選択」、要件2E・5Eの「前記表示された番組リストから番組の利用者選択」でいう「リスト」)
とは異なる。{この点は、本件発明と甲4発明の対比{[4-1](3-2)要件5C(対比)でも後述する。}

ア-2 オーバジエア放送の局名とケーブルサービスの局名の混在
前記(K11)「好きな局及びケーブルチャンネルは、個人の好みに合わせたグリッドガイドを作成するため、一緒にリストされる。大半の印刷TVガイドと異なって、チャンネルコラム54は、オーバジエア放送の局名とケーブルサービスの局名が混合している。グリッド24ガイドは、局番号、ケーブル名の好きな組み合わせによってチャンネルをリストしていて、通常の番号順ではリストアップされていない。」,チャンネルカスタム化についての前記(K15)の特に「全ての好きな放送局がまず番号順にリストアップされる。次に、全てのケーブルサービスがアルファベット順にリストアップされる。」,図1によれば、
グリッドガイド24は、各時間帯を案内する最上行に続いて、ユーザの好きなチャンネルの行だけが、オーバジエア放送の局番号「2」,「4」・・・「44」の行、ケーブルサービス名(アルファベット順)「A&E」「CNN」・・・「TNT」」の行の順にリストアップされる(→甲4発明のU2)

イ システムの構成

イ-1 全体
当該ユーザーインタフェースが使用される「テレビジョンスケジュールシステム」として、システム180(テレビジョンスケジュールシステム/テープコントローラー180)が、図21,図22A、前掲(K15)?(K23)に示されており、システム180は、
プログラマブルチューナ202(図22A)、
スケジュール/テープコントローラー220(図22A)、
リモートコントローラー212(図21、図22A)、
VCR206、TV/モニター210、赤外線リモートドライバ214
を備えている。(→甲4発明のP,Q,R,S)

イ-2 リモートコントローラー(図21)
システム180のリモートコントローラー212(図21、図22A)は、
上半分の「テレビジョンセット及びVCR用の従来のリモートコントローラーに対応する」部分に、「チャンネルアップ/ダウンキー136」を備え、
下半分の「スケジュールシステムに固有のコントロールキーを含む」部分に、「TV内容確認キー142」、「記録メモキー146、記録キー148」、「選択/ゴーツウキー154、左、右、アップ、ダウンおよびカーソルキー156」を備えている。{(K16)}(→甲4発明のR)

イ-3 プログラマブルチューナ202{(K17)(K18)}
「プログラマブルチューナ202」は、「ケーブルデコーダユニットの部分として」「構成」されているものである。(→甲4発明のP)

ウ システムの動作
ウ-1 リスト情報(リストデータ)・ケーブルチャンネル割当データの処理・記憶

「プログラマブルチューナ202」は、(上記の通り、「ケーブルデコーダユニットの部分として」「構成」されているものであって)「TV信号をアンテナ200及びケーブル入力部205またはいずれかより受信する。」{(K18)}
「リスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報は、一つかそれ以上のローカル局またはケーブルチャンネルにより一日数回または連続的にVBIへ送信され」{(K18)}、
「更新が必要な場合、プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調する。」{(K19)}

「VBIのリスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報」を、「字幕デコーダあるいは高速テレテキストデコーダである垂直ブランキングインターバル(VBI)デコーダ222」で「デコード」して{(K18)}、
「CPU228によって処理され」た後、「リストデータは、スケジュールメモリ232へ記憶され」、「ケーブルチャンネル割当データ」(「HBOといった一般的なTVソース名を特定のケーブルシステムのチャンネル割当へ変換するデータ」)は、「ケーブル指定のRAMメモリ238へ記憶される。」{(K19)}(→甲4発明のT)
この「リストデータ」は、上記「リスト情報」と同じものと認められる。

ウ-2 TV視聴、グリッドガイド24の表示
前掲(K19)(K20)(K14),図7,図8によれば、TV視聴中(図8)、リモートコントローラーの「TV内容確認キー142」により発せられる「TV内容確認コマンド」{(K14)}により「TV内容確認要求」がなされると、「スケジュールメモリ232に記憶されているリストが呼び出され、CPU228で処理され、ビデオ表示発生器224へ出力」するもので、「ビデオスイッチャー226は、CPU出力246により起動され、スケジュールデータがTV/モニター210へ表示されると常にビデオ表示発生器224の出力を選択」し、「スケジュールデータがTV/モニター210へ表示される」、つまり、上記グリッドガイド24がTV/モニタ-210に表示される、と理解される。
上記「スケジュールメモリ232に記憶されているリスト」とは、ウ-1で上記した「リスト情報」であることは明らかである。
また、図22Aのブロック図を踏まえれば、TV視聴は、ビデオスイッチャー226がプログラマブルチューナ202の出力を選択してなされること、TV視聴におけるTV番組の映像信号もグリッドガイド24の映像信号もTV/モニター210の一つの外部入力に入力されるように接続されていて、TV/モニター210でその外部入力が選択されることで表示されることは明らかである。

したがって、
プログラマブルチューナ202の出力は、スケジュール/テープコントローラー220を介してTV/モニター210の一つの外部入力に入力されるように接続されていて、
TV視聴は、TV/モニター210でその外部入力が選択されているときに、ビデオスイッチャー226がプログラマブルチューナ202の出力を選択することで、TV番組の映像信号がTV/モニター210に表示されることでなされ、
TV視聴中、リモートコントローラーの「TV内容確認キー142」により発せられる「TV内容確認コマンド」{(K14)}により「TV内容確認要求」がなされると、「スケジュールメモリ232に記憶されている」リスト情報「が呼び出され、CPU228で処理され、ビデオ表示発生器224へ出力」し、「ビデオスイッチャー226」がビデオ表示発生器224の出力を選択」し、上記グリッドガイド24がTV/モニタ-210に表示される。(→甲4発明のU1)

ウ-3 グリッドガイド24が表示されている状態でのコマンド受付と動作
(i)「TV内容確認コマンド」
前掲(K14),図7,図8によれば、グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを特定の「番組リスト」に位置させ、「TV内容確認コマンド」(リモートコントローラーの「TV内容確認キー142」によるものと理解される。)が発せられると、グリッドガイド24の表示から、当該特定の「番組リスト」を含む「単一チャンネル行ガイド58」への表示に遷移し、さらに、その状態で、「TV内容確認コマンド」が発せられると、グリッドガイド24の表示に戻る。(→甲4発明のV1)

(ii)「選択コマンド」
前掲(K10),図6,「カーソル32は、選択コマンド(番組ノートを呼び出すための)に備えるか、記録コマンドに備えるかする。」{(K13}によれば、グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを特定の「番組リスト」に位置させ、「選択コマンド」(リモートコントローラーの「選択/ゴーツウキー154」によるものと理解される。)が発せられると、グリッドガイド24に「番組ノート52」を重ねるように表示し、再度、「選択コマンド」が発せられると、「番組ノート52」が消えて元のグリッドガイド24の表示に戻る、と理解される。(→甲4発明のV2)

(iii) 「記録コマンド」
前掲(K22)によれば、「番組を時間シフトして記録」、つまり、予約録画するのに、
「オンスクリーンスケジュールからタイトルを選択」して「プログラム」する場合」(前者)と、「VCR206及び211並びにケーブルデコーダ202または207をリモートコントローラー212でプログラムする」場合(後者)があるとされ、
前者では、
「番組を時間シフトして記録する要求がなされた場合、番組のタイトル及びその記録パラメータ(チャンネル、開始時間及び長さ)は、スケジュールメモリ232から記録メモRAMメモリ236へコピーされる。システムクロック230が、スケジュール時間と一致すると、CPU228は、チャンネルコマンドをケーブルデコーダ202のプログラマブルチューナへ、パワーオン及び記録コマンドをVCR206へ、これら両装置の赤外線入力ポートに向けられている赤外線リモートドライバ214によって、転送する」{(K21)}とされ、
「VCRまたは他の記録装置が、将来の日付と時間の記録についても、番組のタイトルの簡単な選択および記録コマンドによって制御されるシステムおよび方法に関する。」{(K3)}、「カーソル32は、選択コマンド(番組ノートを呼び出すための)に備えるか、記録コマンドに備えるかする。」{(K13)}によれば、
グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを特定の「番組リスト」に位置させ、「記録コマンド」(リモートコントローラーの「記録キー148」に対応すると考え得る。)が発せられると、その番組リストの「タイトル」及びその「番組リスト」が放送される「チャンネル」、その「番組リスト」の放送「開始時間及び長さ」が記録メモRAMメモリ236へコピーされ、システムクロック230が、「開始時間」と一致すると、 CPU228は、その「チャンネル」に同調させるためのコマンドをケーブルデコーダ202のプログラマブルチューナへ転送し、パワーオン及び記録コマンドをVCR206へ転送することで、その「番組リスト」の番組の自動録画を開始させる、と理解される。
ここで、その「番組リスト」が放送される「チャンネル」に同調させるためのコマンドは、プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかが識別できるコマンドでなければならないから、プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子を含んでいることは明らかである。
また、「図2・図3は、記録状態の表示である」{(K9)}から、このとき表示されているグリッドガイド24は、図1のものである。

後者、すなわち、「VCR206及び211並びにケーブルデコーダ202または207をリモートコントローラー212でプログラムする」場合とは、前者と異なり、「オンスクリーンスケジュール」、すなわちグリッドガイド24を用いずに予約録画する場合といえ、
「このモードでは、プログラム情報は、リモートコントローラー212に入力され、必要なときに、リモートコントローラー212は、適当なTV装置へプログラム情報を伝送する。」{(K22)},図22A,及び従来周知技術を参酌すれば、
リモートコントローラー212により、VCR206に、記録の開始終了時間を入力しセットするとともに、ケーブルデコーダ(のプログラマブルチューナ)に同調させるためのチャンネルと、記録の開始終了時間を入力しセットすると理解される。
また、前記(K22)「プログラム機能を有す多くのユニバーサルリモートコントローラーがあるが、その一方で、ユーザーが局名及びケーブルチャンネル名といった総称を入力できるものは存在せず、VCRまたはケーブルデコーダに同調させるためにCPUに名前を特定のチャンネルに変換させている。これは、CPU228及びリモートコントローラー212中のケーブル指定RAM238を備えることによって実現している。」とあるところ、「CPU228及び」とすることから、「リモートコントローラー212」は誤記であって、正しくは、図22A中の「スケジュール/テープコントローラー220」と理解されるから、
局名及びケーブルチャンネル名を入力した場合には、CPU228及びケーブル指定RAM238{これが、「ケーブルチャンネル割当データ」(「HBOといった一般的なTVソース名を特定のケーブルシステムのチャンネル割当へ変換するデータ」)を記憶していることは上記のとおりである。}により、ケーブルシステムのチャンネル割当に変換され、変換されたケーブルシステムのチャンネル割当が、同調させるためのチャンネルとして、ケーブルデコーダのプログラマブルチューナ202に入力しセットされる{これは、(K23)を考慮すれば、赤外線リモートドライバ214等を介して行われる、と考えられる。}と理解される。

そして、このことを踏まえて、「オンスクリーンスケジュール」、すなわちグリッドガイド24を用いた予約録画である前者の場合において、カーソルを、グリッドガイド24のケーブルサービス名(ケーブルチャンネル名)の行の「番組リスト」に位置させた状態で「記録コマンド」が発せられた場合の「番組のタイトル及びその記録パラメータ」の「スケジュールメモリ232から記録メモRAMメモリ236へ」のコピーを考えると、
記録メモRAMメモリ236に、「ケーブルサービス名」のままで記憶されるのか、それがケーブル指定RAM238で変換された「ケーブルシステムのチャンネル割当」が記憶されるのかは不明ではあるものの、
システムクロック230が、その「番組リスト」の放送「開始時間」と一致したときには、CPU228は、その「番組リスト」が放送される、変換された「ケーブルシステムのチャンネル割当」に同調させるためのコマンドをケーブルデコーダ202のプログラマブルチューナへ転送し、パワーオン及び記録コマンドをVCR206へ転送することで、その「番組リスト」の番組の自動録画を開始させる、と普通に想定され、
ここでも、その「番組リスト」が放送される「ケーブルシステムのチャンネル割り当て」に同調させるためのコマンドは、プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかが識別できるコマンドを含んでいなければならないから、同コマンドには、プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子(ケーブルシステムのチャンネル割り当て)を含んでいることは明らかである。つまり、記録メモRAMメモリ236に、「ケーブルサービス名」のままで記憶されていた場合には、「ケーブルシステムのチャンネル割当」に変換され、「ケーブルシステムのチャンネル割当」に対応する、プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子(ケーブルシステムのチャンネル割り当て)を含んでいるプログラマブルチューナへのコマンドとなる。

したがって、グリッドガイド24を用いた予約録画(前者)の場合、
グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを、特定の「番組リスト」に位置させて「記録コマンド」(リモートコントローラーの「記録キー148」に対応すると考え得る。)を発せられると、
当該「番組リスト」がオーバジエア放送の局番号(「2」「4」・・・「44」)を表示する行又はケーブルサービス名を表示する行のいずれの行の 「番組リスト」であっても、
・その「タイトル」と、
・その「番組リスト」が放送される「チャンネル」(ケーブルの場合は「ケーブルシステムのチャンネル割り当て」又は「ケーブルサービス名」)と、
・その「番組リスト」の放送「開始時間及び長さ」
が記録メモRAMメモリ236へコピーされ、
システムクロック230が、「開始時間」と一致すると、 記録メモRAMメモリ236に記憶されている、「チャンネル」又は変換済みの「ケーブルシステムのチャンネル割当」又は変換前の「ケーブルサービス名」(「ケーブルサービス名」のままで記憶されていた場合)
が読み出され、
「ケーブルサービス名」のままで記憶されていた場合は、「ケーブルシステムのチャンネル割当」に変換し、
CPU228は、「チャンネル」又は「ケーブルシステムのチャンネル割当」に対応する、その「番組リスト」を放送する局を特定する情報であって、プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子を含むコマンドを、ケーブルデコーダ202のプログラマブルチューナへ転送し、パワーオン及び記録コマンドをVCR206へ転送することにより、その「番組リスト」が示す番組の自動録画を開始させるもの、ということができる。(→甲4発明のV3)

(iv)「チャンネルアップ/チャンネルダウンコマンド」
前掲(K2)(K7)(K12)によれば、グリッドガイド24が表示されている状態で、リモートコントローラー212によりチャンネルアップ/チャンネルダウンコマンドが発せられると、全てのチャンネルではなく、グリッドガイド24(図1)にリストアップされたオーバジエア放送の局とケーブルサービスの局の順に、ケーブルデコーダ202のプログラマブルチューナが同調される。
このとき、チャンネルアップ/チャンネルダウンコマンドにより指定されるチャンネルが、オーバジエア放送の局番号であっても、ケーブルサービス名で示されるチャンネルであっても、発せられるコマンドにより、プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかが識別できなければならないことは明らかであるから、
プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子を含むコマンドがケーブルデコーダ202のプログラマブルチューナへ発せられると理解される。(→甲4発明のV4)
もっとも、チャンネルアップ/チャンネルダウンコマンドは、チャンネルを特定するするものであって、「番組リスト」を特定して発せられるものではない。

(2)甲4発明

本件発明5は「システム」の発明、本件発明2は「システムを使用する方法」の発明であるところ、
上記「テレビジョンスケジュールシステムおよび方法」を記載する上記甲4号証にも、「・・システム」の発明、及び「・・システムを使用する方法」の発明が記載されているということができることは明らかである。

上記(1)での検討結果によれば、甲4発明(甲4号証に記載された発明)として、下記の「システム」の発明と「システムを使用する方法」の発明を認定することができる。

甲4発明として認定するこれらの発明は、異なる部分のみを[X|Y]の表記を用いて一の記載で表現することとした。
「[X|Y]」は、前記「【第3-1】請求人の主張の[3.1]3」での表記と同様、択一的に、「X」か若しくは「Y」を意味するものとする。

記(甲4発明)
N:番組のタイトルの簡単な選択および記録コマンドによって制御される、直感的なユーザーインタフェースを備えたテレビジョンスケジュールシステムとしての、テレビジョンスケジュールシステム/テープコントローラー180(図22A)[であって|で使用する方法であって]、
該システム180は、
P:ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナ202(図22A)と、
Q:スケジュール/テープコントローラー220(図22A)と、
R:『チャンネルアップ/ダウンキー136』、
『TV内容確認キー142』、
『記録メモキー146』、
『記録キー148』、
『選択/ゴーツウキー154』、
『左、右、アップ、ダウンおよびカーソルキー156』
を備えるリモートコントローラー212と、
S:VCR206、TV/モニター210、赤外線リモートドライバ214を備え、
以下のように、動作する、[システム|方法]。

T:リスト情報・ケーブルチャンネル割当データの処理・記憶
プログラマブルチューナ202(図22A)は、TV信号をアンテナ200及びケーブル入力部205またはいずれかより受信するもので、
リスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報は、一つかそれ以上のローカル局またはケーブルチャンネルにより一日数回または連続的にVBIへ送信され、
更新が必要な場合、プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調し、
VBIのリスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報を、字幕デコーダあるいは高速テレテキストデコーダである垂直ブランキングインターバル(VBI)デコーダ222でデコードして、
CPU228によって処理された後、リスト情報は、スケジュールメモリ232へ記憶され、ケーブルチャンネル割当データ(『HBOといった一般的なTVソース名を特定のケーブルシステムのチャンネル割当へ変換するデータ』)は、ケーブル指定のRAMメモリ238へ記憶される。

U:TV視聴、グリッドガイド24(図1)の表示

U1:プログラマブルチューナ202の出力は、スケジュール/テープコントローラー220を介してTV/モニター210の一つの外部入力に入力されるように接続されていて、
TV視聴は、TV/モニター210でその外部入力が選択されているときに、ビデオスイッチャー226がプログラマブルチューナ202の出力を選択することで、TV番組の映像信号がTV/モニター210に表示されることでなされ、
TV視聴中、リモートコントローラーの『TV内容確認キー142』により発せられる『TV内容確認コマンド』により『TV内容確認要求』がなされると、スケジュールメモリ232に記憶されているリスト情報が呼び出され、CPU228で処理され、ビデオ表示発生器224へ出力し、ビデオスイッチャー226がビデオ表示発生器224の出力を選択して、TV/モニタ-210のTVスクリーン上にグリッドガイド24(テレビジョンスケジュールグリッドガイド)を表示する。

U2:TVグリッドガイドは、その一部が、TVスクリーン上に表示されている(図1に示されるグリッドガイド24)ものであり、
各チャンネルに対応する各行
(最上行は各時間帯を案内する行であって、各列に表示されるセルの
時間帯が、その列位置で示されることを案内する行)と、
各時間帯に対応する各列
(最左列は各チャンネルを案内する列であって、各行に表示されるセル
のチャンネルが、その行位置で示されることを案内する列)
で区画された各セルが、各『番組リスト(番組項目)』に対応するように各『番組リスト(番組項目)』のスケジュールを示す、
チャンネルと時間のグリッドガイドであって、
各『番組リスト(番組項目)』は、該当セルにそのタイトルが表示され、そのチャンネルが該当セルの行位置で、その時間帯が該当セルの列位置で示されるように構成され、
各時間帯を案内する最上行に続いて、ユーザの好きなチャンネルの行だけが、オーバジエア放送の局番号『2』,『4』・・・『44』の行、ケーブルサービス名(アルファベット順)『A&E』『CNN』・・・『TNT』の行の順にリストアップされるガイドである。

V:グリッドガイド24が表示されている状態でのコマンド受付と動作

V1:『TV内容確認コマンド』(リモートコントローラーの『TV内確認キー142』によるものと理解される。)
グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを特定の『番組リスト』に位置させ、『TV内容確認コマンド』が発せられると、グリッドガイド24の表示から、当該特定の『番組リスト』を含む『単一チャンネル行ガイド58』への表示に遷移し、さらに、その状態で、『TV内容確認コマンド』が発せられると、グリッドガイド24の表示に戻る。

V2:『選択コマンド』(リモートコントローラーの『選択/ゴーツウキー154』によるものと理解される。)
グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを特定の『番組リスト』に位置させ、『選択コマンド』が発せられると、グリッドガイド24に『番組ノート52』を重ねるように表示し、再度、『選択コマンド』が発せられると、『番組ノート52』が消えて元のグリッドガイド24の表示に戻る。

V3:『記録コマンド』(リモートコントローラーの『記録キー148』に対応すると考え得る。)
オンスクリーンスケジュールからタイトルを選択してプログラムする、グリッドガイド24を用いた予約録画の場合、
グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを、特定の『番組リスト』に位置させて『記録コマンド』(リモートコントローラーの『記録キー148』に対応すると考え得る。)を発せられると、
当該『番組リスト』がオーバジエア放送の局番号(『2』『4』・・・『44』)を表示する行又はケーブルサービス名を表示する行のいずれの行の 『番組リスト』であっても、
・その『タイトル』と、
・その『番組リスト』が放送される『チャンネル』(ケーブルの場合は『ケーブルシステムのチャンネル割り当て』又は『ケーブルサービス名』)と、
・その『番組リスト』の放送『開始時間及び長さ』
が記録メモRAMメモリ236へコピーされ、
システムクロック230が、『開始時間』と一致すると、 記録メモRAMメモリ236に記憶されている、『チャンネル』又は変換済みの『ケーブルシステムのチャンネル割当』又は変換前の『ケーブルサービス名』(『ケーブルサービス名』のままで記憶されていた場合)
が読み出され、
『ケーブルサービス名』のままで記憶されていた場合は、『ケーブルシステムのチャンネル割当』に変換し、
CPU228は、『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』に対応する、その『番組リスト』が示す番組を放送する局を特定する情報であって、ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子を含むコマンドを、ケーブルデコーダのプログラマブルチューナへ転送し、パワーオン及び記録コマンドをVCR206へ転送することにより、その『番組リスト』が示す番組の自動録画を開始させる。

V4:『チャンネルアップ/チャンネルダウンコマンド』
グリッドガイド24が表示されている状態で、リモートコントローラー212によりチャンネルアップ/チャンネルダウンコマンドが発せられると、全てのチャンネルではなく、グリッドガイド24(図1)にリストアップされたオーバジエア放送の局とケーブルサービスの局の順に、ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナが同調される。
このとき、チャンネルアップ/チャンネルダウンコマンドにより指定されるチャンネルが、オーバジエア放送の局番号であっても、ケーブルサービス名で示されるチャンネルであっても、ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子を含むコマンドがケーブルデコーダのプログラマブルチューナへ発せられる。


[4]本件発明5について

本件発明5は「システム」の発明、本件発明2は「システムを使用する方法」の発明であって、前者の構成要素が「手段」で記載され、後者の構成要素が「ステップ」で記載されているものの、それらの相違を除き両者間に実質的な相違はない。
まず、「システム」の発明である本件発明5から検討することとする。

[4-1]本件発明5と甲4発明(システムの発明)の対比

(1)要件5Aについての対比
5A 異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイスを用いる少
なくとも2つのソースからの信号をテレビジョンの一つ以上の入力に
よって受信するシステムであって、各ソースデバイスは、複数のテレ
ビチャンネルを伝送するように動作可能であり、
前記システムは、

(1-1)本件発明5でいう「ソース」、「ソースデバイス」について

要件5Aによれば、
本件発明の「システム」は、「少なくとも2つのソースからの信号がテレビジョンの一つ以上の入力によって受信されるシステム」であり、
その「少なくとも2つのソース」は、「異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイスを用いる」2つのソースであり、
その「2つのソースデバイス」の各々は、「複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能であ」る装置(デバイス)とされており、
「少なくとも2つのソース」は、そこ「からの信号がテレビジョンの一つ以上の入力によって受信される」、「異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイスを用いる」ソースであるとされていること、
「ソース」と称することから、信号発生源も当然に含んでいると解せられること、
以上を踏まえれば、本件発明5でいう「ソース」は、
『「テレビジョンの一つ以上の入力」への、これより上流側の信号伝送路及びその信号発生源を含んでいう源(ソース)』と理解される。

そして、「ソースデバイス」について、上記のことと、要件5Bの「前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子」、要件5Eの「その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子」、要件5Cの「前記少なくとも2つの異なるソースデバイス」の記載からすれば、
「2つのソースデバイス」は、「異なる伝送方式」のための、「異なる伝送方式」に対応し、「複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能であ」る装置であって、「2つのソース」、つまり上述した『テレビジョンの一つ以上の入力への、これより上流側の信号伝送路及びその信号発生源を含んでいう源(ソース)』に用いられる装置であるということができる。

そして、これらのことを踏まえ、発明の詳細な説明、図面の記載を検討する。
《ソース》
図1A?1C、下記「記A」の記載(特に下線部)に照らしてみても、「ソース」は、入力ケーブル線(例えば、同軸ケーブルの)、衛星放送、専用電話回線(例えば、ツイストペア)及び信号を伝送できるその他の任意の媒体、衛星用ディッシュ・アンテナ、衛星、DBSソース、衛星ソース、ケーブル・ボックス26、IRDボックス28を含んでいうものと説明されていて、
上述した『テレビジョンの一つ以上の入力への、これより上流側の信号伝送路及びその信号発生源を含んでいう源(ソース)』という理解と合致する。

《ソースデバイス》
そして、図1A?1C、下記(M11)「テレビジョンへの入力(RFまたはビデオ)をソース装置へ切換える。ソース装置には、DBS、ケーブル・ボックス、テレビジョン・チューナ等が含まれる。」、(M23)「更に本発明の別の実施例では、DBS(IRDボックス28を介した)及びケーブル(ケーブル・ボックス26を介した)は、テレビジョン22に直列に接続されたソース装置として構成される。図1Cはソース装置としてのDBS及びケーブルを備えたテレビ番組/テレビジョン・スケジュール・ガイド・システムのブロック図である。」等の記載、及び「ソースデバイス」と称していること、によれば、
「ソース装置」(要件5Aでいう「ソースデバイス」に対応することが明らかである)は、例えば、「直接放送衛星システム」と説明されるDBS、衛星用ディッシュ・アンテナ及びセットトップ型の受信機(IRDボックス28)-、ケーブル、ケーブル・ボックス26を含んでいうものと理解され、“ソース”(『テレビジョンの一つ以上の入力への、これより上流側の信号伝送路及びその信号発生源を含んでいう源(ソース)』)に用いられる装置(デバイス)とう解釈に合致する。

《複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能であり》
発明の詳細な説明には「動作可能」について具体的説明はないものの、要件5Aでは「2つのソースデバイス」の各々は、「複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能であり」と特定されていることからすれば、
「ソース」に用いられる装置(デバイス)のうち、「複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能であ」る装置(デバイス)であることを要求していると解すべきである。
これについて発明の詳細な説明の記載を検討するに、
上記のDBS、衛星用ディッシュ・アンテナ及びセットトップ型の受信機(IRDボックス28)-、ケーブル、ケーブル・ボックス26は、発明の詳細な説明において「ソース装置」と説明されていることは上記の通りであるが、
このうち、「信号を伝送できる媒体」(伝送媒体)とされる「入力ケーブル線(例えば、同軸ケーブル)」{(M7)(M10)}は、
「ソース」に用いられる物ではあるが、一般的には「動作」するものとはいえない。したがって、「動作可能であり」とする、本件発明5でいう「ソースデバイス」には含まれないと解せられる。

《請求人の主張について》
この点に関連し、請求人は、「ケーブル」は「複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能」といえるから、本件発明5でいう「ソースデバイス」に含まれる、と主張するが、上記の通りであるから、当該主張は採用できない。

《放送信号送出側装置について》
また、上記5Aの規定を満たすものとして、当業者は、まず、「複数のテレビチャンネル」の放送信号を送出する(送信用アンテナ等を含む)信号送出側の装置をごく普通に想定するものといえる。
すなわち、「ソースデバイス」は、必ず存在する『複数のテレビチャンネルの放送信号を伝送媒体に送出する(送信用アンテナ等を含む)送出側装置』も含んでいるものと、当業者に普通に想定される。
そして、そのように想定した上記『複数のテレビチャンネルの・・・送出側装置』が、
「複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能であ」るといえることも、
上記『「テレビジョンの一つ以上の入力」への、これより上流側の信号伝送路及びその信号発生源を含んでいう源(ソース)』に用いられる「デバイス」といえることも明らかであり、
また、そのように想定したとき(上記『複数のテレビジョン番組の・・・送出側装置』と想定したとき)、請求項1の他の要件5B?1Eと矛盾を生じることはなく、請求項5に基づいて特許を受けようとする発明がまとまりのある一つの技術的思想として把握できるものである。
したがって、当業者に普通に想定される『複数のテレビチャンネルの放送信号を伝送媒体に送出する(送信用アンテナ等を含む)送出側装置』も、本件発明5でいう「ソースデバイス」に含まれると解される。

記A(本件の詳細な説明(甲1号証)、
ソース(デバイス)関連)

(なお、記号(M2)等における数字は、本件の分割出願に係る特許第4362130号公報の段落番号に略対応する。以下、同様である。)

(M2)「数多くの異なる伝送方式が、テレビジョン・スケジュール・ガイドに必要とされる情報の提供に、利用可能である。例えば、直接放送衛星システム(DBS)では、衛星用ディッシュ・アンテナ及びセットトップ型の受信機を介して、テレビ番組及びテレビ番組スケジュール情報が提供される。DBSシステムは、例えば、ヒューズ・アンド・プライムスター(Hughes and Primestar)から商業的に入手可能である。更に、従来の衛星用ディッシュ・アンテナ、同軸ケーブル、電話回線、光ファイバ・ケーブル、アンテナ等を利用して、テレビ番組及びテレビ番組スケジュール情報の一方または両方が配給される。」(3頁41行?48行)

(M3)「利用者がDBSに加入している場合には、画面表示(オンスクリーン・ディスプレイ)生成装置を有する別体の統合型受信デコーダ(IRD)ボックスが通常提供される。通常、IRDボックスには、最低でも受信機及びチューナが含まれている。DBS加入者は、DBSサービスの提供者が提供/管理する番組ガイドに加えて、潜在的には何百と言ったテレビ・チャンネルへのアクセスが可能となる。不都合なことには、通常DBSシステムはローカル・ネットワーク即ち地方の独立系チャンネルを受信しない。・・・不可欠となる。」(3頁49行?4頁13行)

(M7)「発明の背景
本発明の好適な実施例では、本発明は、入力信号及び番組情報の調整(コーディネート)に関しており、より詳細には(1)多数のソースから受信するテレビジョン・スケジュールガイド情報の調整、(2)所望の信号ソースへの自動切換え、及び(3)所望のテレビ番組への同調に関する。従って、本発明は、テレビジョン・スケジュール・ガイド情報を調整する同調方式を提供する。この情報は数多くのソースから受信することができる。これらのソースは、入力ケーブル線(例えば、同軸ケーブル)、衛星放送、専用電話回線(例えば、ツイストペア)及び信号を伝送することができるその他の任意の媒体を含んでいる。」(4頁30行?38行)

(M9)「下記の本発明の詳細な説明を添付の図面を参照しつつ読めば、当業者には前記及びその他の利点が明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
図1Aは、テレビジョンに直接接続された多数のソースを備えたマルチ・ソース・テレビ番組/テレビジョン・スケジュール・ガイド・システムのブロック図である。図1Bは、コーディネータに直接接続された多数のソースを備えたマルチ・ソース・テレビ番組/テレビジョン・スケジュール・ガイド・システムのブロック図である。図1Cは、ソース装置としてDBS及びケーブルを備えたテレビ番組/テレビジョン・スケジュール・ガイド・システムのブロック図である。 ・・・
図4は、自動無人録画処理のフローチャートである。」(4頁45行?5頁10行)

(M10)「特定の実施例の説明
本発明は、テレビ番組及びテレビジョン・スケジュール・ガイド情報を調整する同調方式を提供する。このテレビジョン・スケジュール・ガイド情報は多数のソースから受信することが可能である。上記に述べたように、これらのソースは、入力ケーブル線(例えば、同軸ケーブルの)、衛星放送、専用電話回線(例えば、ツイストペア)及び信号を伝送できるその他の任意の媒体を含んでいる。好適な実施例では、テレビジョン・チャンネル放送は、(1)ケーブル及び衛星用ディッシュ・アンテナ、または(2)2つの異なる衛星、または(3)ローカル・ケーブル及びDBSソース等の、少なくとも2つの別個のソースから受信される。スケジュール情報には、該スケジュール情報が特定のソースからのものであることを識別するソース識別子が設けられている。スケジュール情報は、組織的に分類されて利用者へ配給される。」(5頁11行?21行)

(M11)「利用者が表示されたガイド内の表示チャンネルの1つに配置されたショーまたはチャンネルを選択すると、システムが該ショーまたはチャンネルに関係したソース識別子を読み取る。好適な実施例では、次いでシステムが自動切換え/同調処理を行い、テレビジョンへの入力(RFまたはビデオ)をソース装置へ切換える。ソース装置には、DBS、ケーブル・ボックス、テレビジョン・チューナ等が含まれる。システムは、次いで、所望のショーに関するチャンネルへの同調を行う。更に、ソース識別子を使用して、無人VCRプログラムが所望のときには、様々な装置間の自動切換えを行う。更に、番組情報が多数の衛星ソースから受信されて所望のチャンネルが選択された場合には、本発明の一実施例では、利用者の衛星用ディッシュ・アンテナを自動的に動かして、利用者が関係するソースから所望の番組を受信できるようにする。本発明では、次いで、正しいチャンネルへの同調が行われる。」(5頁22行?32行)

(M15)「図1Aは、テレビジョン22に直接接続された多数のソースを備えたマルチ・ソース・テレビジョン・スケジュール・ガイド・システムの一例を簡単な形態で図示したものである。図示のように、マルチ・ソース・テレビ番組/テレビジョン・スケジュール・ガイド・システム10は、コーディネータ20の制御により作動する。テレビジョン22及びVCR24には、ケーブル・ボックス26及びIRDボックス28から入力が供給される。その他の入力30も、テレビジョン22及びVCR24の少なくとも一方へ供給するようにしても良い。視聴者は、遠隔制御器32を使用してテレビジョンの同調及びその他の操作を行うことができる。本実施例では、ケーブル信号がケーブルボックス26を介して供給され、DBSがIRDボックス28を介して供給される。テレビジョン22のアンテナ34をテレビ放送の追加のソースとして、ケーブル・ボックス26、IRDボックス28及び他の入力30と一緒に使用するようにしても良い。典型的な実施例では、アンテナ34及びケーブル・ボックス26が「ローカル」ソースとなる。他の入力30には、多数の衛星ソースを含めることができる。多数の衛星ソースが存在する場合には、コーディネータ20が利用者の衛星用ディッシュ・アンテナを動かすことにより、または、衛星用ディッシュ・アンテナの切換えを行うことにより、利用できる衛星ソース間の切換えを自動的に行う。衛星用ディッシュ・アンテナを自動的に動かすために、IRDボックス内のメモリが、DBS衛星用ディッシュ・アンテナを介して利用できる衛星ソースに関係して、DBS衛星用ディッシュ・アンテナの姿勢を追跡する。IRDボックス28が、DBS衛星用ディッシュ・アンテナを自動的に位置決めし、所望の衛星ソースがIRDボックス28で受信される。」(6頁6行?同頁25行)

(M20)「コーディネータ20は、・・・供給される。図1Aでは、コーディネータ20及びソース装置がテレビジョン22に連結されている。従って、コーディネータ20は、電話回線43を介して番組ガイド情報を受信し、テレビジョン22が多数のソースからテレビ番組情報を受信する。更に、・・・番組ガイド情報を受信する。」(7頁8行?18行)
(M22)
「本発明の別の実施例では、コーディネータ20は全てのソース装置入力を直接受信するよう構成されている。図1Bは、コーディネータに直接接続された多数のソースを備えたマルチ・ソーステレビ番組/テレビジョン・スケジュール・ガイド・システムのブロック図である。本実施例では、コーディネータ20が多数のソース26、28及び30の切換えを行い、次いで、所望のソースからテレビジョン22または別の宛て先装置へ情報を出力する。・・・メモリ等である。」(7頁19行?28行)

(M23)「更に本発明の別の実施例では、DBS(IRDボックス28を介した)及びケーブル(ケーブル・ボックス26を介した)は、テレビジョン22に直列に接続されたソース装置として構成される。図1Cはソース装置としてのDBS及びケーブルを備えたテレビ番組/テレビジョン・スケジュール・ガイド・システムのブロック図である。この構成では・・・テレビジョン22へ入力を行う。」(7頁29行?36行)

(M24)「図1Dは、DBS、・・・録画される。図1A?DにおけるVCRは、オプションである。更に・・・可能である。」(7頁37行?46行)

(M25)「テレビジョン・スケジュール情報に・・・または垂直ブランキング期間に、DBSのトランスポンダを介して、番組スケジュールを受信するようにしても良い。」(7頁47行?8頁3行)

(M35)「図3に図示した処理を更に示するために下記の例を説明する。この例においては、IRDボックス28が利用可能なチャンネル100?200を有しており、該ボックスが、現在テレビジョン22への入力ソースとなっている(図1C参照)。利用者が・・・判定する。」(10頁5行?13行)

(M34)「図3は自動同調の処理の・・・
・・・
現在のテレビジョン22への入力ソースがソース識別子と関係したソースと同一であれば、コーディネータ20は、ステップ84において、該特定のソースを所望のチャンネルに同調させる。現在のソースが・・・確実にしてもよい。所望のソースに関係した正しいテレビジョン・チャンネルまたは入力を起動した後(あるいは同時に)、ステップ84において、IRエミッタ40が当該ソース内の受信機を所望のチャンネルに同調させる。次いで、・・・82が存在しない。」(9頁29行?10頁4行)

(M36)「従って、ソースの切換えを実行しなければならない。・・・
コーディネータ20は次いで、ステップ84において、IR発生器40を使用して、ケーブル・ボックス26を所望の第2チャンネルに同調させる。上記に述べたように・・・可能である。」(10頁14行?27行)

(M41)「本発明の別の実施例では、・・・テレビジョン・チューナ、またはテレビジョンチューナ及びケーブル・ボックスを、所望のチャンネルに同調させる。DBSチャンネルを後で選択する場合には、システムが統合受信デコーダ装置へ再度切換えて、所望のDBSチャンネルへの同調を行う。この構成により、マルチ・ソースの調整がIR発生器を必要とせずに達成される。」(11頁6行?14行)

(1-2)要件5Aについての対比
上記の解釈を踏まえ、甲4発明と対比する。

ア 「異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイス2つのソースデバイスを用いる少なくとも2つのソースからの信号を」「受信するシステムであって、各ソースデバイスは、複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能であり、」について

甲4発明(システムの発明)は、
「N:番組のタイトルの簡単な選択および記録コマンドによって制御される、直感的なユーザーインタフェースを備えたテレビジョンスケジュールシステムとしての、テレビジョンスケジュールシステム/テープコントローラー180(図22A)[であって|で使用する方法であって]、
該システム180は、
P:ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナ202(図22A)と、
Q:スケジュール/テープコントローラー220(図22A)と、
S:VCR206、TV/モニター210、赤外線リモートドライバ214を備え、」
「プログラマブルチューナ202(図22A)は、TV信号をアンテナ200及びケーブル入力部205またはいずれかより受信するもの」(T)であり、
「U1:プログラマブルチューナ202の出力は、スケジュール/テープコントローラー220を介してTV/モニター210の一つの外部入力に入力されるように接続されていて、
TV視聴は、TV/モニター210でその外部入力が選択されているときに、ビデオスイッチャー226がプログラマブルチューナ202の出力を選択することで、TV番組の映像信号がTV/モニター210に表示されることでなされ、
TV視聴中、リモートコントローラーの「TV内容確認キー142」により発せられる「TV内容確認コマンド」{(K14)}により「TV内容確認要求」がなされると、「スケジュールメモリ232に記憶されている」リスト情報「が呼び出され、CPU228で処理され、ビデオ表示発生器224へ出力」し、「ビデオスイッチャー226」がビデオ表示発生器224の出力を選択」し、上記グリッドガイド24がTV/モニタ-210に表示」
され、
「各時間帯を案内する最上行に続いて、ユーザの好きなチャンネルの行だけが、オーバジエア放送の局番号『2』,『4』・・・『44』の行、ケーブルサービス名(アルファベット順)『A&E』『CNN』・・・『TNT』」の行の順にリストアップされるガイドである」(U2)グリッドガイド24が表示されている状態で、
「リモートコントローラー212によりチャンネルアップ/チャンネルダウンコマンドが発せられると、全てのチャンネルではなく、グリッドガイド24(図1)にリストアップされたオーバジエア放送の局とケーブルサービスの局の順に、ケーブルデコーダ202のプログラマブルチューナが同調される。
このとき、チャンネルアップ/チャンネルダウンコマンドにより指定されるチャンネルが、オーバジエア放送の局番号であっても、ケーブルサービス名で示されるチャンネルであっても、プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子を含むコマンドがケーブルデコーダ202のプログラマブルチューナへ発せられる」(V4)
ものである。

つまり、甲4発明は、オーバジエア放送の『2』,『4』・・・『44』で放送される放送信号(前者)と、ケーブルサービス『A&N』『CNN』・・・『TNT』で放送される放送信号(後者)の何れかに同調するものであり、
前者の放送信号は、オーバジエアのチャンネルの放送信号を電波で送出する『オーバジエアの放送信号送出側装置』から送出された放送信号といえ、また、かかる『オーバジエアの放送信号送出側装置』として上記『2』,『4』・・・『44』のうちの複数のチャンネルの放送信号を送出するもの、すなわち「複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能」であるものも普通に想定し得るものである。
また、後者の放送信号は、ケーブルのチャンネルの放送信号をケーブルに送出する『ケーブルの放送信号送出側装置』から送出された放送信号といえ、また、かかる『ケーブルの放送信号送出側装置』として上記『A&N』『CNN』・・・『TNT』の複数のチャンネルの放送信号を送出するもの、すなわち「複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能」であるものも普通に想定し得るものである。

したがって、明記はされていないが、甲4発明のシステムにも、
(i)複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能である『オーバジエアの放送信号送出側装置』の存在、及び、
(ii)複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能である『ケーブルの放送信号送出側装置』の存在が明らかであり、
いずれも、上記(1-1)でした、本件発明5の「ソースデバイス」についてした解釈である、
『複数のテレビチャンネルの放送信号を伝送媒体に送出する(送信用アンテナ等を含む)送出側装置』を含む、『テレビジョンの一つ以上の入力への、これより上流側の信号伝送路及びその信号発生源を含んでいう源(ソース)』)に用いられる装置(デバイス)、
ということができる。

そして、上記(i)の『オーバジエアの放送信号送出側装置』は「オーバジエア」という伝送方式のための装置であり、上記(ii)の『ケーブルの放送信号送出側装置』は「ケーブル」という伝送方式のための装置といい得るものである。
したがって、甲4発明にも存在することが明らかな、『オーバジエアの放送信号送出側装置』、『ケーブルの放送信号送出側装置』は、
「異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイス」であって「複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能であ」るものということができ、このことから、
甲4発明のシステムも、「異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイス2つのソースデバイスを用いる少なくとも2つのソースからの信号を」「受信するシステムであって、各ソースデバイスは、複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能であり、」といい得るものである。

《請求人の主張について》
上記アに関連し、請求人は、甲4発明が要件5Aを備えているとする理由として、本件の発明の詳細な説明・図面記載の「ケーブル」が本件発明5でいう「ソースデバイス」に含まれることを前提に、甲4の「ケーブル入力部205」も「ソースデバイス」といえることを主張しているが、
上記の通り、本件発明の詳細な説明の「信号を伝送できる媒体」(伝送媒体)としての「入力ケーブル線(例えば、同軸ケーブル)」は、本件発明5でいう「ソースデバイス」には含まれないと解される以上、
上記請求人の主張は採用できない。

イ 「2つのソースからの信号がテレビジョンの一つ以上の入力によって受信されるシステム」について

甲4発明は、上記の通り、
「プログラマブルチューナ202(図22A)は、TV信号をアンテナ200及びケーブル入力部205またはいずれかより受信するもの」(T)であり、
「TV視聴は、TV/モニター210でその外部入力が選択されているときに、ビデオスイッチャー226がプログラマブルチューナ202の出力を選択することで、TV番組の映像信号がTV/モニター210に表示されることでなされ」(U1)
オーバジエア放送の『2』,『4』・・・『44』で放送される放送信号(前者)と、ケーブルサービス『A&N』『CNN』・・・『TNT』で放送される放送信号(後者)の何れかに同調するものである。
したがって、甲4発明は、「2つのソースからの信号がテレビジョンの一つ以上の入力によって受信されるシステム」といい得るものである。

ウ まとめ(要件5Aについての対比)
以上によれば、甲4発明も、要件5Aで特定するシステムといえ、要件5Aにおいて、本件発明5と甲4発明は相違しない。

(2)要件5B?5Eの解釈について
要件5B?5Eについての対比に先立ち、これらの解釈について検討する。

(2-1)要件5B(解釈)
5B 複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、前記少なく
とも2つのソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のための テレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データと各テレビ
ジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース
識別子をメモリに格納する手段と

要件5Bの手段は、以下のように特定される手段と解される。

複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、
(i)「チャンネルガイド情報データ」と
(ii)「ソース識別子」
をメモリに格納する手段であって、
(i)「チャンネルガイド情報データ」は、
(a)テレビジョン番組のための「チャンネルガイド情報データ」であ
って、
(b)テレビジョン番組情報を表す「チャンネルガイド情報データ」で
あって、
(c)前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送された「チャンネ
ルガイド情報データ」であり、
(ii)「ソース識別子」は、
(d)各テレビジョン番組のための「ソース識別子」であって、
(e)前記ソースデバイスの前記伝送方式を表す「ソース識別子」
である
手段であって、

『利用者に、特定のチャンネルについて、そこで放送される番組の放送予定を、番組情報(「その放送チャンネル情報(「HBO」等も含む)」、「タイトル情報」、「放送時間情報」を含む)を示して案内するガイド表示のために用いる、同ガイド表示に対応する情報データ』と理解され、
具体的には、チャンネルガイド表示のために用いる、同ガイド表示に対応する『テレビジョン番組情報を表す情報データ、つまり上記の「その放送チャンネル情報(「HBO」等も含む)」、「タイトル情報」、「放送時間情報」を含んでいうもの』であって、
この「チャンネルガイド情報データ」は「ソース識別子」とは別のもの
と解される。

以下に、そのように解される理由を記す。

〈理由〉

ア 各用語の修飾関係

ア-1〈伝送された〉
「前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送された」の「伝送された」は、直ぐ後ろの「テレビジョン番組」に係るものではなく、少なくとも、「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」に係るものである。

なぜなら、テレビジョン番組情報を表す「チャンネルガイド情報データ」とは、放送される番組のスケジュール情報をいうことは明らかであり、「伝送されたテレビジョン番組」、すなわち、番組が放送された後の、その番組のための「テレビジョン番組情報」をいうものでないことは、「スケジュール情報(データ)」とも称する明細書の記載に照らしても明らかであり、また、要件5Cで、「前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のためのテレビジョン番組情報」と記載していることからみても明らかである。
したがって、「伝送された」は、直ぐ後ろの「テレビジョン番組」に係るものではなく、少なくとも、「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」に係るものである。(後記ア-4も参照。)

ア-2〈チャンネルガイド情報データ〉、〈ソース識別子〉
上記ア-1によれば、5Bの「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」が一まとまりと理解されるところ、
「テレビジョン番組情報」という用語自体、「テレビジョン番組のための情報」をいうことは、特に特定記載せずとも明らかであり、このことからすれば、
5Bの「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」における「テレビジョン番組のための」は、その直ぐ後の「テレビジョン番組情報」に係るものではなく「チャンネルガイド情報データ」に係ると言うべきである。
したがって、要件5Bは、
(i)「チャンネルガイド情報データ」を、
(a)テレビジョン番組のための「チャンネルガイド情報データ」であっ
て、
(b)テレビジョン番組情報を表す「チャンネルガイド情報データ」であ
る、
と特定している、と解される、
また、
(ii)「ソース識別子」を、
(d)各テレビジョン番組のための「ソース識別子」であって、
(e)前記ソースデバイスの前記伝送方式を表す「ソース識別子」である
と特定していることは、文脈上明らかである。

ア-3〈格納する〉
「格納する」のが、
(i) 「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」と
(ii)「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子」であることを特定していることは、文脈上明らかであり、また、「ソース識別子」は、「チャンネルガイド情報データ」とは別のものであることを特定していることも明らかである。

ア-4〈伝送された〉(その2)
「前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送された」は、
「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」に係り、
「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子」には係らない、と解せられる。
すなわち、「伝送された」と特定するのは、
(i)「チャンネルガイド情報データ」だけであり、「ソース識別子」は「伝送された」ものに限らない、
と解される。

《理由》
・前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送された」は、直ぐ後ろの「テレビジョン番組」に係るものではなく、少なくとも、(i)「チャンネルガイド情報データ」に係るといえる(上記ア-1、ア-2)ところ、
「伝送された」の後に“、”がない(「伝送された、テレビジョン・・・ガイド情報データと・・・識別子を」とはしていない。)ことからみて、「ソース識別子」にまで係るものではないと解するのが自然である。
・「チャンネルガイド情報データ」の前に、これに係ると理解される「テレビジョン番組のための」との記載があり、かつ、「ソース識別子」の前にも、これに係ると理解される「各テレビジョン番組のための」との記載がある一方、
「伝送された」の記載は、「チャンネルガイド情報データ」の前にのみ存在し、「ソース識別子」の前には存在しない。
・本件発明の詳細な説明の下記「記B」の(M7)(M8)(M19)のいずれもが、例外なく「テレビジョン番組情報」を指す情報(「テレビジョン・スケジュールガイド情報」「チャンネル・ガイド情報」「番組スケジュール情報」「テレビジョン・スケジュール・データ」)を表すチャンネルガイド情報データ」「テレビジョン・ガイド情報」)が「ソースデバイスから伝送」されることを記載するのに対して、
「ソース識別子」については、下記「記B」の(M31)に「ソース識別子を、チャンネル・ガイド情報のオリジンに基づいて、システムにより追加するようにしても良い。」とされ、ソースデバイスから伝送される場合のほか、伝送されない場合もあることを記載している。

以上からすれば、「伝送された」と特定するのは、
(i)「チャンネルガイド情報データ」だけであり、「ソース識別子」は「伝送された」ものに限らないと解するのが相当である。

ア-5〈複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、〉
「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、」は、「格納する」に係る、と解される。
すなわち、「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、」
(i)「チャンネルガイド情報データ」と
(ii)「ソース識別子」
をメモリに格納する手段、と解される。

《理由》
「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、」の「ついて」が係り得るのは、「伝送された」か「格納する」である
{「ついての」ではないから、名詞である「テレビジョン番組」、「テレビジョン番組情報」「チャンネルガイド情報データ」「ソース識別子」に係るものではないことは明らかである。}ところ、

「伝送された」に係ると解する場合、
・「伝送された」に係るとするのであれば、「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送された」とすべきであって、「ついて」の後に“、”があるべきではない。「ついて、」とする以上、「伝送された」に係るとの理解は自然な理解ではない。

・「伝送された」に係るとした場合、
「複数のテレビジョン番組」である番組Aと番組B「の各テレビジョン番組」である番組Aと番組Bの各々について「前記少なくとも2つのソースデバイスから」「(テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表す)チャンネルガイド情報データ」が「伝送され」る、
すなわち、1つの番組Aについて異なる2つのソースデバイスから「(テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表す)チャンネルガイド情報データ」が「伝送され」ると同様、
他方の番組Bについても同様に、異なる2つのソースデバイスから「(テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表す)チャンネルガイド情報データ」が「伝送され」ることになるところ、
そのようなことだけ{特に「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について」とする点}を特定しても(請求項6のように特定するのではなく)、その技術的意味を含めてまとまりのある技術思想として理解困難となる。
請求項6では、上記要件5Bと同じ要件である
「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データと各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子をメモリに格納する手段と、」に、
1つの番組について異なる2つのソースデバイスからテレビジョン番組情報(番組リスト)が伝送されたことを(前提として)特定することになる「前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送されるそれぞれ同一の番組についての単一の番組リストを表示する手段」を要件として更に追加していて、
同要件を追加限定することで、同一の番組についての重複する番組情報を排除して表示する、というまとまりのある技術思想としている。
要件5Bは、
1つの番組Aについて異なる2つのソースデバイスから「(テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表す)チャンネルガイド情報データ」が「伝送され」ると同様、
他方の番組Bについても同様に、異なる2つのソースデバイスから「(テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表す)チャンネルガイド情報データ」が「伝送され」ること(このことを排除するものではないが、)まで特定していると解するのは、困難である。
以上のように、「伝送された」に係るとすれば、種々の不自然さ、不合理な点が生じる。

「格納する」に係ると解する場合、
・「ついて」の後に“、”があることが合理的であり、全体として自然な理解というべきである。
・そして、発明の詳細な説明にはこれに対応する記載がある。
すなわち、(i)「チャンネルガイド情報データ」については、
「テレビジョン番組のための」データであり、RAM38に格納されることは明らかであって{例えば、下記Bの(M27)}、これに基づいて図2のガイドが表示されることからみて、番組の各々についてそのタイトル・時間・チャンネル(「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」)が特定できるようにRAM38に「格納」されているといえ、
また、(ii)「識別子」については、
下記「記B」の(M11)の「システムが該ショーまたはチャンネルに関係したソース識別子を読み取る。」、(M31)の「例えば、バットマン60がIRDボックス28を介して受信された場合、該バットマン60は、そのチャンネル58上に配置されたIRDボックス28を識別するソース識別子を有することになる」は、「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、」「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子をメモリに格納する」に対応する記載と言うことができる。
以上のように、「格納する」に係るとの理解は、自然であり合理的である。

イ 「チャンネルガイド情報データ」の解釈

イ-1〈請求項の記載〉
「チャンネルガイド情報データ」が、要件5Bの記載から、
(a)テレビジョン番組のための「チャンネルガイド情報データ」であ
って、
(b)テレビジョン番組情報を表す「チャンネルガイド情報データ」
と理解されることは、上記アのとおりであり、
一般に「テレビジョン番組情報」とは、番組についての「タイトル」、「放送時間」、「放送チャンネル」、「番組説明」等をいうものであること、
「チャンネルガイド」とは、その文言から、利用者にチャンネルを案内するものであることは明らかであるが、合理的に普通に理解すれば、利用者にどのチャンネルでいかなる番組が放送予定となっているか、すなわち、少なくとも特定のチャンネルでの番組放送予定を案内するもの、と理解されるところ、「いかなる番組」であるかは通常「番組のタイトル情報」で、番組の「放送予定」は通常「放送時間情報」で示されること、
からすれば、
要件5Bでいう「チャンネルガイド情報データ」とは、請求項5の記載からみれば、
『利用者に、特定のチャンネルについて、そこで放送される番組の放送予定を、番組情報(「その放送チャンネル情報(「HBO」等も含む)」、「タイトル情報」、「放送時間情報」を含む)を示して案内するガイド表示のために用いる、同ガイド表示に対応する情報データ』と理解され、
具体的には、チャンネルガイド表示のために用いる、同ガイド表示に対応する『テレビジョン番組情報を表す情報データ、つまり上記の「その放送チャンネル情報(「HBO」等も含む)」、「タイトル情報」、「放送時間情報」を含んでいうもの』である。

イ-2〈発明の詳細な説明の記載〉
そして、「チャンネルガイド」について、本件発明の詳細な説明の記載(下記「記B」参照、特に下線部・(M1)(M8)(M28)(M29)に照らし検討する。

a.下記(M1)において、
「テレビジョン・スケジュール・ガイドに関する情報」は、「利用可能なチャンネル及び該チャンネルそれぞれのテレビ番組を」「スクリーン上に」「通常、利用可能なチャンネルがY軸上に表示され、時間枠がX軸を占める」「格子(グリッド)状に表示するために使用され」とされ{(M1)前段}、これに続いて
「これらの一覧表にされたチャンネルは、順番にまたは所望の所定の順序でテレビジョン画面上に表示することができる。」{(M1)後段}と説明されており、
(M8)では、
「チャンネル・ガイド情報」は「多数のテレビジョン信号ソースから受信され」「受信した後で、システムが該情報を混合分類して所望の順序に並べ」、「最後に、このチャンネル・ガイド情報の表示が生成されて、所望の順序でテレビジョンに表示される。」と説明されている。

b.図2、(M28)(M29)(一部)の記載、実施例のもの
上記イ-1を踏まえて、好適な実施例を説明する(M28)、(M29)(一部)の記載、
(M1)「図2は、テレビジョン・ガイド情報から組み立てられた格子状のスケジュール・ガイドの画面表示の例である。本発明の格子状ガイドはまた、・・・、チャンネル・ガイド及び番組情報を表示するその他のガイドを含んでる。好適な実施例では、コーディネータ20が利用できる番組ガイド情報を全て収集及び分類し終わった後、コーディネータ20は、図2に図示した格子状ガイドを生成し、テレビジョン22の画面上に表示する。・・・符号50で表される格子状ガイドは、全てのチャンネルまたは選択されたチャンネル52のラインナップを、時間56にそのチャンネルで利用できる番組54の説明とともに提供する。例えば、第2チャンネル58では、午後1時?2時の間、バットマン60が放映され、午後2時?2時30分の間、ソープ(ホームコメディ)62が放映される。」
(M29)「「格子状ガイドが使用される場合には、チャンネル52のラインナップを、(1)チャンネルが番号またはアルファベット順になるように、または(2)チャンネルがそれぞれの特定のソースと関係した順になるように、または(3)チャンネルが利用者がプログラムした混合した順になるように、または(4)チャンネルがその他の任意の配置となるように配列することが可能である。・・・チャンネルの順番52が決定される。従って、任意の所望の配列でチャンネル52のラインナップが可能となる。」
および、そこに記載された実施例のものについて検討する。

(M28)で、好適な実施例として図2に示される「格子状ガイド(50)」は、格子状ガイドの画面表示の例とされているところ、
本発明の“格子状ガイド”はまた、テーマ・ガイド、チャンネル・ガイドを含んでる、と説明されており、
番組ガイド情報を全て収集及び分類し終わった後に、生成して、テレビジョン22の画面上に表示した「画面表示された格子状ガイド(50)」は、
全てのチャンネルまたは選択されたチャンネル52のラインナップを時間56にそのチャンネルで利用できる番組54の説明とともに提供する、と説明していること、
(M29)でも上記のとおり「格子状ガイドが使用される場合には、チャンネル52のラインナップを」順に配列すると説明されていること、
及び図2から、
その各ラインナップは、1つのチャンネルについて、そのチャンネルで利用できる番組が何であって、いかなる時間に放送されるかを示すものと理解できる。

そうすると、本実施例のものにおける、「画面表示された格子状ガイド(50)」は、(M8)で説明される「所望の順序でテレビジョン画面上に表示」された「チャンネル・ガイド情報の表示」と理解され、
(1)その『画面表示された格子状ガイド(50)の「チャンネル52のラインナップ」の1つである、例えば、2チャンネルの行部分』は、
「第2チャンネル58では、午後1時?2時の間、バットマン60が放映され、午後2時?2時30分の間、ソープ(ホームコメディ)62が放映される」ということを示す2チャンネルについての「チャンネルガイド情報の画面表示」と理解され
『利用者に、特定のチャンネルについて、そこで放送される番組の放送予定を、番組情報(「その放送チャンネル情報(「HBO」等も含む)」、「タイトル情報」、「放送時間情報」を含む)を示して案内するガイド表示のために用いる、同ガイド表示に対応する情報データ』(上記イ-1でした要件5Bの記載からの理解)を画面表示したものということができる。
(2)そして、本実施例のものにおける
『画面表示された格子状ガイド(50)の、「チャンネル52のラインナップ」(複数)である、例えば、2?4チャンネルの行部分』は、1つのソースデバイスから伝送される「チャンネルガイド情報データの画面表示」ととみることができ、
(3)『画面表示された格子状ガイド(50)の、「チャンネル52のラインナップ」(複数)である、例えば、「HBO」チャンネル以下の行部分』は、上記とは異なるソースデバイスから伝送される「チャンネルガイド情報データの画面表示」とみることができて、
要件5Cの「前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のためのテレビジョン番組情報のリストをガイドフォーマットに同時に表示する」に対応すると理解される。

すなわち、『』を付して示した、画面表示された格子状ガイド(50)の、例えば、上記(1)?(3)の行部分のガイド表示部分が、要件5Bでいう「チャンネルガイド情報データの画面表示と理解される。
そして、そのガイド表示部分の表示をするためには、当該行部分に表示する「番組のタイトル」、その番組が放送される「チャンネル(「HBO」等も含む)」と「時間」を表すデータを必要であることは明らかであり、これらのデータは一般に「テレビジョン番組情報」と呼ばれるデータであるから、
要件5Bの「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」なる記載に符合する。

イ-3 まとめ(「チャンネルガイド情報データ」の解釈)
以上のことを総合すれば、本件発明5でいう「チャンネルガイド情報データ」、「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」とは、上記のとおり解される。

すなわち、
「チャンネルガイド情報データ」とは、
『利用者に、特定のチャンネルについて、そこで放送される番組の放送予定を、番組情報(「その放送チャンネル情報(「HBO」等も含む)」、「タイトル情報」、「放送時間情報」を含む)を示して案内するガイド表示のために用いる、同ガイド表示に対応する情報データ』と理解され、
具体的には、チャンネルガイド表示のために用いる、同ガイド表示に対応する『テレビジョン番組情報を表す情報データ、つまり上記の「その放送チャンネル情報(「HBO」等も含む)」、「タイトル情報」、「放送時間情報」を含んでいうもの』であって、
この「チャンネルガイド情報データ」は「ソース識別子」とは別のもの
と解される。

記B(本件の発明の詳細な説明(甲1号証)、
「伝送された」等)

(なお、記号(M1)等における数字は、本件の分割出願に係る特許第4362130号公報の段落番号に略対応する。以下、同様である。)

(M1)「発明の背景
従来の技術として、テレビジョン・スケジュール・ガイドに関する情報を提供する装置が幾つかある。これらの情報は、利用可能なチャンネル及び該チャンネルそれぞれのテレビ番組を、スクリーン上に格子(グリッド)状に表示するために使用される。通常、利用可能なチャンネルがY軸上に表示され、時間枠がX軸を占めることになる。これらの一覧表にされたチャンネルは、順番にまたは所望の所定の順序でテレビジョン画面上に表示することができる。米国特許第5353121号には、斯かるシステムが開示されており、当業界で幅広く受け入れられている。米国特許第5353121号は、参照することにより本書に組み入れられている。」(3頁31行?40行)

(M7)「発明の背景
本発明の好適な実施例では、本発明は、入力信号及び番組情報の調整(コーディネート)に関しており、より詳細には(1)多数のソースから受信するテレビジョン・スケジュールガイド情報の調整、(2)・・・」(4頁30行?38行)

(M8)「本発明は、テレビジョン・システムのチャンネル・ガイド情報を組合せる(マージする)方法を提供する。この方法は、チャンネル・ガイド情報の受信及び記憶を含む。チャンネル・ガイド情報は、多数のテレビジョン信号ソースから受信される。このチャンネル・ガイド情報を受信した後で、システムが該情報を混合分類して所望の順序に並べる。最後に、このチャンネル・ガイド情報の表示が生成されて、所望の順序でテレビジョンに表示される。」(4頁39行?44行)

(M10)「特定の実施例の説明
本発明は、テレビ番組及びテレビジョン・スケジュール・ガイド情報を調整する同調方式を提供する。このテレビジョン・スケジュール・ガイド情報は多数のソースから受信することが可能である。・・・スケジュール情報には、該スケジュール情報が特定のソースからのものであることを識別するソース識別子が設けられている。スケジュール情報は、組織的に分類されて利用者へ配給される。」(5頁11行?21行)

(M11)「利用者が表示されたガイド内の表示チャンネルの1つに配置されたショーまたはチャンネルを選択すると、システムが該ショーまたはチャンネルに関係したソース識別子を読み取る。・・・次いで、正しいチャンネルへの同調が行われる。」(5頁22行?32行)

(M19)「IRDボックス28は、一実施例では、衛星用ディッシュ・アンテナ29を介してテレビ番組及びその他の情報を受信する。IRDボックス28は、次いで、番組スケジュール情報をシステムに供給する。スケジュール情報はDBSサービス提供者またはその契約会社により伝送された信号に追加される。DBSサービスの例として、ダイレクトTV(Direct TV)及びUSSBが上げられる。この番組スケジュール情報(即ちガイド)に、特定のソースで利用できるチャンネル情報を含んだチャンネル・マップを含ませてもよい。DBSガイドに関係した情報は、IRDボックス受信機のRAM42に記憶される、即ちダウンロードされる。同様に、番組ガイド情報をケーブル・ボックス26、他の入力30、アンテナ34、及びその他の任意の伝送媒体(例えば、専用ツイスト・ペア電話回線)の少なくとも1つを介して受信することができる。これらソースの各々は、サービス提供者により伝送された信号内にテレビジョン・スケジュール・データを含むようにしてもよい。」(6頁46行?7頁7行)

(M21)「・・・好適な実施例では、テレビジョン・ガイド情報は、利用できるテレビ・チャンネル上の垂直ブランキング期間に供給される。・・・番組ガイド情報を受信する。」(7頁13行?18行)

(M27)「別の構成では、番組スケジュール情報の分類/混合は、別個の場所でなされ、そして、例えば、衛星チャンネル上のシステム10に供給される。・・・例えば、この後者の状況において、利用者が4時間の格子状の案内を見たいと思った時、4時間分の情報のみをRAM38にセーブすればよいのである。・・・チャンネル上に供給することができる。」(8頁9行?16行)

(M28)「図2は、テレビジョン・ガイド情報から組み立てられた格子状のスケジュール・ガイドの画面表示の例である。本発明の格子状ガイドはまた、テーマ・ガイド、チャンネル・ガイド及び番組情報を表示するその他のガイドを含んでる。好適な実施例では、コーディネータ20が利用できる番組ガイド情報を全て収集及び分類し終わった後、コーディネータ20は、図2に図示した格子状ガイドを生成し、テレビジョン22の画面上に表示する。この格子状ガイドもまた、IRDボックス、衛星用受信機、テレビジョン、VCR、本社位置等の内部に生成することが可能である。符号50で表される格子状ガイドは、全てのチャンネルまたは選択されたチャンネル52のラインナップを、時間56にそのチャンネルで利用できる番組54の説明とともに提供する。例えば、第2チャンネル58では、午後1時?2時の間、バットマン60が放映され、午後2時?2時30分の間、ソープ(ホームコメディ)62が放映される。テーマ毎、チャンネル毎、又はランダムのリストを、図2に示した格子状ガイドに代えて使用することも可能である。」(8頁17行?28行)

(M29)「格子状ガイドが使用される場合には、チャンネル52のラインナップを、(1)チャンネルが番号またはアルファベット順になるように、または(2)チャンネルがそれぞれの特定のソースと関係した順になるように、または(3)チャンネルが利用者がプログラムした混合した順になるように、または(4)チャンネルがその他の任意の配置となるように配列することが可能である。・・・更に、コーディネータ20が、自動的に利用者の習慣に基づいて、チャンネルのラインナップを行うことができる。このチャンネルの自動配列のモードが利用者により選択されると、利用者の習慣に基づいたアルゴリズムを使用して、チャンネルの順番52が決定される。従って、任意の所望の配列でチャンネル52のラインナップが可能となる。」(8頁29行?45行)

(M31)「どのソースからどのチャンネルが利用可能かを追跡するために、ソース識別子が各チャンネルに配置される。ソース識別子の各々は、チャンネル・ガイド情報に含めても良く、あるいは、ソース識別子を、チャンネル・ガイド情報のオリジンに基づいて、システムにより追加するようにしても良い。従って、これらのデータが未だに供給されていなければ、コーディネータ20は適切な識別子を受信したチャンネル・ガイド情報に付加する。例えば、バットマン60がIRDボックス28を介して受信された場合、該バットマン60は、そのチャンネル58上に配置されたIRDボックス28を識別するソース識別子を有することになる。」(9頁3行?10行)

(M35)「図3に図示した処理を更に示するために下記の例を説明する。
・・・(図1C参照)。利用者が、ステップ70において、第2チャンネル58上のバットマン60を選択する。選択された番組は、ケーブル・ボックス26からのチャンネルで利用することが可能である。コーディネータ20は、選択された番組に関係したソース識別子を読み取り、第2チャンネルがケーブルボックス26からのものであることを、ステップ72にて決定する。その後、コーディネータ20は、ステップ74において、現在のソースがIRDボックス28であることを判定する。」(10頁5行?13行)

(2-2)要件5C(解釈)
5C 前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のた
めのテレビジョン番組情報のリストをガイドフォーマットに同時に表
示する手段と、

要件5Cは、
(i)1のソースデバイスから伝送される番組のためのテレビジョン番組情報のリストを表示すること、
(ii)当該1のソースデバイスとは異なるソースデバイスから伝送される番組のためのテレビジョン番組情報のリストを表示すること、
(iii)これら2つのテレビジョン番組情報のリストを、ガイドフォーマットに同時に表示すること、
を特定していると解せられ、また、
また、
(iv)表示される「テレビジョン番組情報のリスト」は、利用者がこれを見てその中から少なくとも個々の番組が特定できるような「リスト」でなければならない、と理解される。

〈理由〉

ア 要件5Bの「前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」とは異なり、
要件5Cでは「前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のためのテレビジョン番組情報」としていて、
「伝送される」は、放送された後の番組を意味するものではないから、「前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のための」は、「テレビジョン番組情報」に係ることは明らかである。
上記(iv)と理解されるのは、要件5Dに「前記表示された番組リストからの番組選択」、要件5Eに「前記表示された番組リストから番組の利用者選択」とあるからである。

イ そして、上記(i)?(iv)を特定していると理解される要件5Cの「テレビジョン番組情報のリスト」(の表示)とは、
本件発明の詳細な説明・図面に照らしてみるに、下記「記C」の(M8)(M28)(M29)、図2に示される「格子状ガイド(50)」の、
チャンネルがCH2の行で、時間が1:00pm?2:00pmの列のセルに表示される「バットマン」や、チャンネルがCH2の行で、時間が2:00pmの列のセルに表示される「ソープ」の、
行列に配列されるこれらセル群のタイトル表示のリストアップ(の表示)を含んでいうものと理解される。
{上記それぞれのタイトルの表示は、個々の番組に対応し、
「バットマン」・「ソープ」・・・のタイトル表示が、利用者がこれを見てその中から少なくとも個々の番組が特定できることは明らかである。}

記C(本件の発明の詳細な説明(甲1号証)、「ガイド関連」)

(M8)「本発明は、テレビジョン・システムのチャンネル・ガイド情報を組合せる(マージする)方法を提供する。この方法は、チャンネル・ガイド情報の受信及び記憶を含む。チャンネル・ガイド情報は、多数のテレビジョン信号ソースから受信される。このチャンネル・ガイド情報を受信した後で、システムが該情報を混合分類して所望の順序に並べる。最後に、このチャンネル・ガイド情報の表示が生成されて、所望の順序でテレビジョンに表示される。」(4頁39行?44行)

(M28)「図2は、テレビジョン・ガイド情報から組み立てられた格子状のスケジュール・ガイドの画面表示の例である。本発明の格子状ガイドはまた、テーマ・ガイド、チャンネル・ガイド及び番組情報を表示するその他のガイドを含んでる。好適な実施例では、コーディネータ20が利用できる番組ガイド情報を全て収集及び分類し終わった後、コーディネータ20は、図2に図示した格子状ガイドを生成し、テレビジョン22の画面上に表示する。・・・符号50で表される格子状ガイドは、全てのチャンネルまたは選択されたチャンネル52のラインナップを、時間56にそのチャンネルで利用できる番組54の説明とともに提供する。例えば、第2チャンネル58では、午後1時?2時の間、バットマン60が放映され、午後2時?2時30分の間、ソープ(ホームコメディ)62が放映される。・・・」(8頁17行?28行)

(M29)「格子状ガイドが使用される場合には、チャンネル52のラインナップを、(1)チャンネルが番号またはアルファベット順になるように、または(2)チャンネルがそれぞれの特定のソースと関係した順になるように、または(3)チャンネルが利用者がプログラムした混合した順になるように、または(4)チャンネルがその他の任意の配置となるように配列することが可能である。・・・従って、任意の所望の配列でチャンネル52のラインナップが可能となる。」(8頁29行?45行)


(2-3)要件5D(解釈)
5D 前記表示された番組リストからの番組選択を利用者から受理する手段
と、

要件5Dの「番組リスト」は、上記{(2-2)要件5C}のとおり解せられ、「番組リストからの番組選択」は、図3の自動同調、すなわち視聴のための場合と、図4の自動無人録画のための「選択」を含んでいうものと解される。
要件5Dの「選択」は、
下記「記D」の(M11)の「利用者が表示されたガイド内表示チャンネルの1つに配置されたショーまたはチャンネルを選択する」の「ショー」の「選択」、
下記(M33)の「遠隔制御器32を使用して一定のチャンネルまたは番組を選択して、(1)特定の番組に関連した追加の情報を表示し、または(2)特定のチャンネルまたは番組に同調し、または(3)特定の番組を自動的に録画することができる。」の「番組」の「選択」、
下記(M34)の「図3は自動同調の処理のフローチャートの一例である。自動同調を開始するには、利用者が所定のチャンネルまたは番組をステップ70で選択する。この選択は、例えば、カーソルを所望の番組までスクロールさせ、「エンター」キーを押すか・・・」の「番組」の「選択」、
下記(M35)の「利用者が、ステップ70において、第2チャンネル58上のバットマン60を選択する。」の「選択」、
下記(M39)の「図4に示したように、利用者がステップ90においてショウ番組を選択した後、コーディネータが該ショウ番組の開始時間・・・」における「ショー番組」の「選択」
等をいうものであることは明らかであり、
図3の自動同調、すなわち視聴のための場合と、図4の自動無人録画のための「選択」を含んでいると解される。

記D(本件の発明の詳細な説明(甲1号証)、「ガイド関連」)

(M11)「利用者が表示されたガイド内の表示チャンネルの1つに配置されたショーまたはチャンネルを選択すると、システムが該ショーまたはチャンネルに関係したソース識別子を読み取る。好適な実施例では、次いでシステムが自動切換え/同調処理を行い、テレビジョンへの入力(RFまたはビデオ)をソース装置へ切換える。・・・システムは、次いで、所望のショーに関するチャンネルへの同調を行う。更に、ソース識別子を使用して、無人VCRプログラムが所望のときには、様々な装置間の自動切換えを行う。・・・利用者が関係するソースから所望の番組を受信できるようにする。本発明では、次いで、正しいチャンネルへの同調が行われる。」(5頁22行?32行)

(M33)「利用者は、遠隔制御器32を使用して、コーディネータ20をプログラムしたり、あるいは、格子状ガイド50の異なるチャンネル、時間及び番組間を移動することが可能となる。更に、遠隔制御器32を使用して一定のチャンネルまたは番組を選択して、(1)特定の番組に関連した追加の情報を表示し、または(2)特定のチャンネルまたは番組に同調し、または(3)特定の番組を自動的に録画することができる。・・・表示される。」(9頁16行?28行)

(M34)「図3は自動同調の処理のフローチャートの一例である。自動同調を開始するには、利用者が所定のチャンネルまたは番組をステップ70で選択する。この選択は、例えば、カーソルを所望の番組までスクロールさせ、「エンター」キーを押すか、または、遠隔制御器32を使用してチャンネル番号を入力することにより、実行できる。・・・所望のチャンネルまたは番組が、情報をテレビジョン22に入力するソースとしての機能を果たす。・・・従って、この後者の構成では、ステップ80及び82が存在しない。」(9頁29行?10頁4行)

(M35)「図3に図示した処理を更に示するために下記の例を説明する。この例においては、IRDボックス28が利用可能なチャンネル100?200を有しており、該ボックスが、現在テレビジョン22への入力ソースとなっている(図1C参照)。更に、ケーブルボックス26はIRDボックス28への入力である(図1C参照)。利用者が、ステップ70において、第2チャンネル58上のバットマン60を選択する。選択された番組は、ケーブル・ボックス26からのチャンネルで利用することが可能である。コーディネータ20は、選択された番組に関係したソース識別子を読み取り、第2チャンネルがケーブルボックス26からのものであることを、ステップ72にて決定する。その後、コーディネータ20は、ステップ74において、現在のソースがIRDボックス28であることを判定する。」(10頁5行?13行)

(M39)「図4に示したように、利用者がステップ90においてショウ番組を選択した後、コーディネータが該ショウ番組の開始時間が過ぎてしまったか否かをチェックする(ステップ92参照)。開始時間が過ぎていない場合には、コーディネータ20はステップ94において待機をする。正しい時間(番組の開始時間)が来ると、VCR24がオンされて(ステップ96参照)、コーディネータ20があたかも自動同調が起こったかのように作動する。従って、コーディネータ20は、ステップ72(図3参照)で選択したショウ番組を提供するチャンネルと関係したソース識別子を読み取る。この自動読み取り処理のフローと、自動同調処理のフローとの間の移行が、Bにより示されている。自動読み取りのための同調が実行されている間、VCRは、テレビジョンではなく正しいチャンネルに同調される(ステップ80、82を参照)。図3に示した処理フローが完了すると、Aで示すように、コーディネータ20がIR発生器40を使用して図4のステップ100において、VCRの記録機能を選択すなわち起動する。これにより、VCR24が選択された番組を録画する。次いで、コーディネータ20は、ステップ102において、ショウ番組の終了時間が現在の時間と合致するか否かをチェックする。
」(10頁38行?11頁1行)

(2-4)要件5E(解釈)
5E 前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、
その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから
検索する手段と
を備えている、システム。

ア 「検索する」
「その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから検索する」とは、「・・・前記ソース識別子を前記メモリから”読み取る”」ことを意味すると理解されることは、【第4-1】で前記した通りである。

イ 「応答して」
「利用者選択の受信に応答して」「ソース識別子を前記メモリから検索する(読み取る)」とは、
「利用者選択の受信」がなされると、(特に何らかの操作をしなくても)自動的に「ソース識別子を前記メモリから検索する(読み取る)」ことをいうものと解される。

〈理由〉
発明の詳細な説明の記載に照らせば、「前記表示された番組リストから番組の利用者選択」が、図3の自動同調、すなわち視聴のための場合と、図4の自動無人録画のための「選択」を含んでいうものと解されることは上記(2-3)のとおりであるところ、
視聴(図3,自動同調)の場合、
「番組をステップ70で選択する」{上記「記D」の(M33)「利用者選択」}する、
「利用者が、ステップ70において、第2チャンネル58上のバットマン60を選択する。・・・コーディネータ20は、選択された番組に関係したソース識別子を読み取り、第2チャンネルがケーブルボックス26からのものであることを、ステップ72にて決定する。」{上記D(M35)}とされ、
番組を「選択する」ステップ70の次のステップ72で自動的に前記ソース識別子を前記メモリから読み取ることは明らかであり、「番組の利用者選択」と「識別子の読み取り動作」の関係を「応答して」というものと普通に理解される。
自動無人録画(図4)の場合は、上記D(M39){特に、「正しい時間(番組の開始時間)が来ると、VCR24がオンされて(ステップ96参照)、コーディネータ20があたかも自動同調が起こったかのように作動する。従って、コーディネータ20は、ステップ72(図3参照)で選択したショウ番組を提供するチャンネルと関係したソース識別子を読み取る。」}によれば、
番組の開始時間が来るまで待機し続け、番組の開始時間が来たとき、ソース識別子を前記メモリから読み取るものである。
すなわち、「番組の利用者選択」と「識別子の読み取り動作」の間に番組の開始時間が来るまでの待機時間が存在する点が、上記「視聴の場合」と異なる。
しかしながら、単に待機しているだけで、その間に利用者が何らかの操作をしなくても待機時間が来れば自動的に「識別子の読取り動作」がなされるのであるから、この場合の「番組の利用者選択」と「識別子の読み取り動作」の関係も「応答して」と言うことができるというべきである。


(3)要件5B?5Eについての対比

(3-1)要件5B(対比)

ア 「チャンネルガイド情報データ」関連
「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、」「前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」「をメモリに格納する手段」
{「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、
(i)「チャンネルガイド情報データ」
をメモリに格納する手段であって、
(i)「チャンネルガイド情報データ」は、
(a)テレビジョン番組のための「チャンネルガイド情報データ」であ
って、
(b)テレビジョン番組情報を表す「チャンネルガイド情報データ」で
ある手段」と解される部分}
について

ア-1「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、」「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」「をメモリに格納する手段」
甲4発明は、
「T:リスト情報・ケーブルチャンネル割当データの処理・記憶
プログラマブルチューナ202(図22A)は、TV信号をアンテナ200及びケーブル入力部205またはいずれかより受信するもので、
リスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報は、一つかそれ以上のローカル局またはケーブルチャンネルにより一日数回または連続的にVBIへ送信され、
更新が必要な場合、プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調し、
VBIのリスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報を、字幕デコーダあるいは高速テレテキストデコーダである垂直ブランキングインターバル(VBI)デコーダ222でデコードして、
CPU228によって処理された後、リスト情報は、スケジュールメモリ232へ記憶され、ケーブルチャンネル割当データ(『HBOといった一般的なTVソース名を特定のケーブルシステムのチャンネル割当へ変換するデータ』は、ケーブル指定のRAMメモリ238へ記憶される。」
ものであり、
U1によれば、「スケジュールメモリ232に記憶されているリスト情報が呼び出され、」、このリスト情報に基づいて、U2の「グリッドガイド24」を表示するのであるから、スケジュールメモリ232には、リスト情報として、少なくとも、各番組{(「番組リスト」(番組項目)}のデータとして「タイトル」「チャンネル(「HBO」等も含む)」「時間」が、各番組に対応して取り出せるように記憶されているとは明らかである。

そして、上記「[4-1](1-2)要件5Aについての対比」でU2の「グリッドガイド」についてした検討結果からすれば、
甲4発明の「グリッドガイド」は、
『利用者に、特定のチャンネルについて、そこで放送される番組の放送予定を、番組情報(「その放送チャンネル情報(「HBO」等も含む)」、「タイトル情報」、「放送時間情報」を含む)を示して案内するガイド表示』といえ、同ガイド表示のために用いる、同ガイド表示に対応する情報データの存在も明らかである。
すなわち、スケジュールメモリ232に記憶されたリスト情報としての、上記した各番組のデータとしての「タイトル」、「チャンネル(「A&E」「HBO」等も含む)」、「時間」は、
上記下線を施した『利用者に、・・・ガイド表示』のために用いる、同ガイド表示に対応する、テレビジョン番組情報を表す情報データであって、テレビジョン番組のための情報データ、
具体的には、『「その放送チャンネル情報(「HBO」等も含む)」、「タイトル情報」、「放送時間情報」を含んでいうもの』と解される要件Bでいう「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」ということができることも明らかである。

したがって、甲4発明も、要件5Bのうちの上記アと解される部分({}で示した部分)を備えているといえ、
「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、」「テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」「をメモリに格納する手段」の点においては、本件発明5と相違しない。

ア-2「前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送された」について
甲4発明のTの「リスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報は、一つかそれ以上のローカル局またはケーブルチャンネルにより一日数回または連続的にVBIへ送信され」、「更新が必要な場合、プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調し、」からすれば、
「リスト情報」は、
「ソースデバイス」と言い得る、『オーバジエアの放送信号送出側装置』と『ケーブルの放送信号送出側装置』の一方から伝送されたものとは言い得る、すなわち、「ソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」と言い得るものの、その両方から「伝送される」とまではしておらず、「前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送された」ものとまでは言えない。

イ 「ソース識別子」関連
「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子をメモリに格納する手段」について

本件発明5Bでいう「ソース識別子」は、前記のとおり、
(d)各テレビジョン番組のための「ソース識別子」であって、
(e)前記ソースデバイスの前記伝送方式を表す「ソース識別子」
であって、
『利用者に、特定のチャンネルについて、そこで放送される番組の放送予定を、番組情報(「その放送チャンネル情報(「HBO」等も含む)」、「タイトル情報」、「放送時間情報」を含む)を示して案内するガイド表示のために用いる、同ガイド表示に対応する情報データ(「その放送チャンネル情報(「HBO」等も含む)」、「タイトル情報」、「放送時間情報」を含んでいうもの』と解される「チャンネルガイド情報データ」とは別のもの
であるところ、
甲4発明がそのような「ソース識別子」を備えていないことは明らかである。
したがって、複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、かかる「ソース識別子」を「メモリに格納する手段」も備えない。

〈請求人の主張について〉
請求人は、甲4発明の「ケーブルチャンネル割当データ」は、ソースデバイス」を識別する機能を奏するものであるところ、
本件発明5の「ソース識別子」も「ソースデバイス」を識別する機能を奏するものであることをいうに過ぎないものであるから、
甲4発明の「ケーブルチャンネル割当データ」は、本件発明5の「ソース識別子」に該当する、と主張している。

しかしながら、甲4発明の「ケーブルチャンネル割当データ」は、本件発明5の「チャンネルガイド情報データ」に含まれるものであって、
仮に「チャンネルガイド情報データ」が「ソースデバイス」を識別する機能を奏するものであるとしても、
甲4発明は、「チャンネルガイド情報データ」とは別の「ソース識別子」を備えないことは明らかであり、
したがって、複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、かかる「ソース識別子」を「メモリに格納する手段」も備えないことも明らかである。
したがって、上記請求人の主張は採用できない。

なお、この点の請求人の主張について、後記[4-3]で更に詳しく論じる。

ウ まとめ{要件5B(対比)}
以上によれば、
本件発明5と甲4発明は、
5B’複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、ソースデバ
イスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報
を表すチャンネルガイド情報データをメモリに格納する手段と
を備える点では相違せず、
上記5B’の
ソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データが、
本件発明5では、
「前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」とするのに対して、
甲4発明では、
「少なくとも2つのソースデバイスから伝送されそたチャンネルガイド情報データ」とはしていない点、

上記5B’の
複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、ソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データをメモリに格納する、とする手段が、
本件発明5では、
上記「チャンネルガイド情報データ」だけでなく、
上記「チャンネルガイド情報データ」とは別の、
「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子」も、
「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、」「メモリに格納する」、とするのに対して、
甲4発明は、
「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、」「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子」を、「メモリに格納する」
とはしていない点、
で相違する。

(3-2)要件5C(対比)
5C 前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のた
めのテレビジョン番組情報のリストをガイドフォーマットに同時に表
示する手段と、

甲4発明でも、
「TV視聴中、リモートコントローラーの『TV内容確認キー142』により発せられる『TV内容確認コマンド』により『TV内容確認要求』がなされると、スケジュールメモリ232に記憶されているリスト情報が呼び出され、CPU228で処理され、ビデオ表示発生器224へ出力し、ビデオスイッチャー226がビデオ表示発生器224の出力を選択して、TV/モニタ-210のTVスクリーン上にグリッドガイド24(テレビジョンスケジュールグリッドガイド)を表示する。」(U1)
「U2:TVグリッドガイドは、その一部が、TVスクリーン上に表示されている(図1に示されるグリッドガイド24)ものであり、
各チャンネルに対応する各行
(最上行は各時間帯を案内する行であって、各列に表示されるセルの
時間帯が、その列位置で示されることを案内する行)と、
各時間帯に対応する各列
(最左列は各チャンネルを案内する列であって、各行に表示されるセル
のチャンネルが、その行位置で示されることを案内する列)
で区画された各セルが、各『番組リスト(番組項目)』に対応するように各『番組リスト(番組項目)』のスケジュールを示す、
チャンネルと時間のグリッドガイドであって、
各『番組リスト(番組項目)』は、該当セルにそのタイトルが表示され、そのチャンネルが該当セルの行位置で、その時間帯が該当セルの列位置で示されるように構成され、
各時間帯を案内する最上行に続いて、ユーザの好きなチャンネルの行だけが、オーバジエア放送の局番号『2』,『4』・・・『44』の行、ケーブルサービス名(アルファベット順)『A&N』『CNN』・・・『TNT』」の行の順にリストアップされるガイドである。」
としていて、

モニタ-210のTVスクリーン上に表示されるグリッドガイド24は、
本件の図2に示される「画面表示された格子状ガイド(50)」と本質的に異ならないガイドの画面表示といえることは明らかであり、
したがって、甲4発明も、要件5Cで特定する表示手段を備えていると言うことができる。

念の為、以下にみておく。

モニタ-210のTVスクリーン上に表示されるグリッドガイド24は、
行列に配列される各セルに、タイトル表示を伴う各『番組リスト(番組項目)』が示されるところ、
そのタイトル表示を伴う各『番組リスト(番組項目)』は、本件の図2の「画面表示された格子状ガイド(50)」の各マス(セル)に示される、例えば「バットマン」等の「タイトル情報」と同じであり、
甲4発明の、そのタイトル表示を伴う各『番組リスト(番組項目)』のリストアップは、
上記「(2-2)要件5C(解釈)」で既に検討したことから、行列に配列されるセル群のタイトル表示のリストアップを含んでいうものと理解される、要件5Cの「テレビジョン番組情報のリスト」ということができ、
したがって、要件5Cでいう「テレビジョン番組情報のリストをガイドフォーマットに表示する」ものといえることは明らかである。
{なお、[3](1)ア-1で前記したように、甲4における上記『番組リスト(番組項目)』は、“リスト”とは称するものの、本件発明5(要件5C)でいう「テレビジョン番組情報のリスト」に相当するものではなく、
甲4における上記『番組リスト(番組項目)』のリストアップが、本件発明5(要件5C)でいう「テレビジョン番組情報のリスト」に相当するものであることは明らかである}。

そして、グリッドガイド24の各セルに示される、タイトル表示を伴う各『番組リスト(番組項目)』のリストアップは、
・オーバジエア放送の局番号『2』,『4』・・・『44』の行の各セルに示される、タイトル表示を伴う各『番組リスト(番組項目)』のリストアップ(前者)と、
・ケーブルサービス名『A&N』『CNN』・・・『TNT』」の行の各セルに示される、タイトル表示を伴う各『番組リスト(番組項目)』のリストアップ(後者)と
をガイドフォーマットに同時に表示したものであり、
前者のリストアップは、
本件発明5でいう「ソースデバイス」といい得る『オーバジエアの放送信号送出側装置』から伝送される番組のためのテレビジョン番組情報のリストといえ、
後者のリストアップは、これとは「異なるソースデバイス」といい得る『ケーブルの放送信号送出側装置』から伝送される番組のためのテレビジョン番組情報のリストといえることは、
上記「[4-1](1-2)要件5Aについての対比」でU2の「グリッドガイド24」について既に検討したことから明らかである。

したがって、要件5Cが特定していると解される上記(i)?(iii)、
すなわち、
(i)1のソースデバイスから伝送される番組のためのテレビジョン番組情報のリストを表示すること、
(ii)当該1のソースデバイスとは異なるソースデバイスから伝送される番組のためのテレビジョン番組情報のリストを表示すること、
(iii)これら2つのテレビジョン番組情報のリストを、ガイドフォーマットに同時に表示すること、
を満たしている。

また、グリッドガイド24の各セルに示される、タイトル表示を伴う各『番組リスト(番組項目)』のリストアップは、
利用者がこれを見てその中から少なくとも個々の番組が特定できるような「リスト」といえることも明らかであり、
上記(iv)「表示される「テレビジョン番組情報のリスト」は、利用者がこれを見てその中から少なくとも個々の番組が特定できるような「リスト」でなければならない」も満たしている。

以上によれば、甲4発明も、上記要件5Cを備えているといえ、要件5Cにおいて、本件発明5と甲4発明は相違しない。

(3-3)要件5D、5E(対比)
5D 前記表示された番組リストからの番組選択を利用者から受理する手段と、
5E 前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、
その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから
検索する手段と
を備えている、システム。

要件5Dの「番組リストからの番組選択」は、図3の自動同調、すなわち視聴のための場合と、図4の自動無人録画のための「選択」を含んでいうものと解されることは上記の通りである。

ア 甲4発明は、
「V:グリッドガイド24が表示されている状態でのコマンド受付と動作」で「V3:『記録コマンド』(リモートコントローラーの『記録キー148』に対応すると考え得る。)
オンスクリーンスケジュールからタイトルを選択してプログラムする、グリッドガイド24を用いた予約録画の場合、
グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを、特定の『番組リスト』に位置させて『記録コマンド』(リモートコントローラーの『記録キー148』に対応すると考え得る。)を発せられると、
当該『番組リスト』がオーバジエア放送の局番号(『2』『4』・・・『44』)を表示する行又はケーブルサービス名を表示する行のいずれの行の 『番組リスト』であっても、
・その『タイトル』と、
・その『番組リスト』が放送される『チャンネル』(ケーブルの場合は『ケーブルシステムのチャンネル割り当て』又は『ケーブルサービス名』)と、
・その『番組リスト』の放送『開始時間及び長さ』
が記録メモRAMメモリ236へコピーされ、
システムクロック230が、『開始時間』と一致すると、 記録メモRAMメモリ236に記憶されている、『チャンネル』又は変換済みの『ケーブルシステムのチャンネル割当』又は変換前の『ケーブルサービス名』(『ケーブルサービス名』のままで記憶されていた場合)
が読み出され、
『ケーブルサービス名』のままで記憶されていた場合は、『ケーブルシステムのチャンネル割当』に変換し、
CPU228は、『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』に対応する、その『番組リスト』を放送する局を特定する情報であって、ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子を含むコマンドを、ケーブルデコーダのプログラマブルチューナへ転送し、パワーオン及び記録コマンドをVCR206へ転送することにより、その『番組リスト』が示す番組の自動録画を開始させる。」
ものである。

イ 要件5D(対比)
上記グリッドガイド24の表示が、本件発明5の「前記表示された番組リスト」と言えることは、前記(3-2)のとおりであるから、
上記「グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを、特定の『番組リスト』に位置させて『記録コマンド』を発せられる」(この『記録コマンド』が、自動無人録画のためのものであることは明らかである。)ことから、
甲4発明も、「前記表示された番組リストからの番組選択を利用者から受理する手段」を備えているといえ、
要件5Dにおいて、本件発明5と甲4発明は相違しない。

甲4発明では、
(i)「グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを特定の『番組リスト』に位置させ、『TV内容確認コマンド』が発せられる」(V1)、
(ii)「グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを特定の『番組リスト』に位置させ、『選択コマンド』が発せられる」(V2)としていて、
これらのことからも、甲4発明が、要件5D:「前記表示された番組リストからの番組選択を利用者から受理する手段」を備えているといい得るものであり、
要件5Dにおいて、本件発明5と甲4発明は相違しない。

ウ 要件5E(対比)
「(3-1)要件5B(対比)」で検討したように、甲4発明は、「ソース識別子」を備えない。
したがって、要件5Eの手段を備えていないことは明らかである。

念の為、以下にみておく。
甲4発明は、上記アのとおり「グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを、特定の『番組リスト』に位置させて『記録コマンド』を発せられると、」
「・その『番組リスト』が放送される『チャンネル』(ケーブルの場合は『ケーブルシステムのチャンネル割り当て』又は『ケーブルサービス名』)
「が記録メモRAMメモリ236へコピーされ」るところ、 そのコピーは、「・その『番組リスト』が放送される『チャンネル』(ケーブルの場合は『ケーブルシステムのチャンネル割り当て』又は『ケーブルサービス名』」が、スケジュールメモリ232から読み出してなされるから、
本件発明5でいう「前記記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して前記メモリから検索する」といい得ることができる。
もっとも、検索するのは、「・その『番組リスト』が放送される『チャンネル』(ケーブルの場合は『ケーブルシステムのチャンネル割り当て』又は『ケーブルサービス名』」であって、「ソース識別子」ではない。
また、
「システムクロック230が、『開始時間』と一致すると、 記録メモRAMメモリ236に記憶されている、『チャンネル』又は変換済みの『ケーブルシステムのチャンネル割当』又は変換前の『ケーブルサービス名』(『ケーブルサービス名』のままで記憶されていた場合)
が読み出され、
『ケーブルサービス名』のままで記憶されていた場合は、『ケーブルシステムのチャンネル割当』に変換し、
CPU228は、『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』に対応する、その『番組リスト』を放送する局を特定する情報であって、プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子を含むコマンドを、ケーブルデコーダ202のプログラマブルチューナへ転送し、」とするのであるから、
『開始時間』になると、『ケーブルサービス名』に対応する『ケーブルシステムのチャンネル割当』を記録メモRAMメモリ236から読み出している(「検索する」)ことは明らかである。 この場合においても、『ケーブルシステムのチャンネル割り当て』を「検索」する、のであって、「ソース識別子」を検索するものではない。
また、CPU228が、プログラマブルチューナへ転送する、その『番組リスト』を放送する局を特定する情報であって、プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子を含むコマンドは、『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』に対応するものとはいい得るものの、「ソース識別子」に基づくものともいえない。

また、上記「イ 要件5D(対比)」でみた、
(i)『TV内容確認コマンド』が発せられる」(V1)場合、これに応答して、『単一チャンネル行ガイド58』への表示に遷移するのであるから、
選択した『番組リスト』が放送される『チャンネル』(ケーブルの場合は『ケーブルシステムのチャンネル割り当て』又は『ケーブルサービス名』)が、メモリから検索されることはあり得ても、「ソース識別子」を検索するものではない。

(ii)「グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを特定の『番組リスト』に位置させ、『選択コマンド』が発せられる」場合、これに応答して、選択した『番組リスト』の『番組ノート52』を表示するのであるから、選択した『番組リスト』の『番組ノート52』をメモリから検索するとはいい得るものの、「ソース識別子」を検索するものではない。

[4-2]本件発明5と甲4発明の一致点、相違点

以上の対比結果によれば、本件発明5と甲4発明(システムの発明)との一致点、相違点は次のとおりということができる。

[一致点]
5A 異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイスを用いる少
なくとも2つのソースからの信号をテレビジョンの一つ以上の入力に
よって受信するシステムであって、各ソースデバイスは、複数のテレ
ビチャンネルを伝送するように動作可能であり、
前記システムは、
5B’複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、ソースデバ
イスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報
を表すチャンネルガイド情報データをメモリに格納する手段と、
5C 前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のた
めのテレビジョン番組情報のリストをガイドフォーマットに同時に表
示する手段と、
5D 前記表示された番組リストからの番組選択を利用者から受理する手段
と、
を備えている、システム

[相違点]

[相違点1]
上記5B’の
ソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データが、
本件発明5では、
「前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」とするのに対して、
甲4発明では、
「少なくとも2つのソースデバイスから伝送されそたチャンネルガイド情報データ」とはしていない点

[相違点2]
上記5B’の
複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、ソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データをメモリに格納する、とする手段が、
本件発明5では、
上記「チャンネルガイド情報データ」だけでなく、
上記「チャンネルガイド情報データ」とは別の、
「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子」も、
「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、」「メモリに格納する」、とするのに対して、
甲4発明は、
「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、」「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子」を、「メモリに格納する」
とはしていない点、

[相違点3]
本件発明5は、
5E 前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、
その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから
検索する手段
を備えているのに対して、
甲4発明は、
要件5Eの手段を備えていない点


[4-3]請求人の主張(一致点、相違点、「ソース識別子」)について

請求人は、本件発明5と甲4発明との一致点、相違点に関して、
甲4発明の「ケーブルチャンネル割当データ」は、本件発明5の「ソース識別子」に該当するから、甲4発明も「ソース識別子」を備えるとし、このことを前提に、
本件発明5と甲4発明とは、
要件5A、5C、5Dのほか、5Bと、5Eの「応答して」「検索する」とする点を除く構成で一致し、
甲4発明が、要件5Eの「応答して」「検索する」とはしない点でのみ相違する、
と主張している。

そこで、ここで、上記請求人の主張について検討しておく。

(1)請求人の主張とその根拠・理由
a 請求人は、甲4発明の「ケーブルチャンネル割当データ」は、本件発明5の「ソース識別子」に該当するとし、
これを前提に、
b 甲4も、「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子」を備え、該「ソース識別子をメモリに格納する」ものであるから、要件5Bと、5Eの「応答して」「検索する」とする点を除く構成でも甲4と一致する旨主張している。

そして、上記a、bの主張の根拠・理由の骨子は、以下のa-1?a-4,b-1と思われる{【第3-1】請求人の主張の[3-1]の4イ-3?4イ-5参照}。

〈根拠・理由〉
a-1.甲4において、特定のケーブルチャンネルに同調するのはチューナの機能を有するケーブルデコーダであり、オーバジエア放送のチャンネルに同調するのは、チューナの機能を有するケーブルデコーダとは異なるアンテナ200に接続されたTVチューナである。
甲9?甲14号証(口頭審理陳述要領書添付)からみて、図22Aでボックスで示される上記「プログラマブルTVチューナ/デコーダ202」は2つのチューナ(同調手段)を有していると認められる(予備的主張)。

a-2.甲4において、選択した『番組リスト』がケーブル放送の番組リストである場合、
「ケーブルチャンネル割当データ」により、ケーブルチャンネルに同調するために、ケーブルデコーダを使いアンテナ200に接続されたTVチューナは使わないという選択がなされるから、「ケーブルチャンネル割当データ」はソースデバイスを識別するという機能も奏するといえ、
「ソースデバイス」を識別する機能を奏するものであることをいうに過ぎない本件発明5の「ソース識別子」と異なるものではない。

a-3.上記a1?a3であるから、
甲4の「ケーブルチャンネル割当データ」は、本件発明5の「ソース識別子」に該当する。

a-4.甲4には、オーバジエア放送に対応するソース識別子について明示の記載はないが、オーバジエア放送のチャンネルの場合、オーバジエア放送に同調するために、アンテナ200に接続されたTVチューナを使いケーブルデコーダを使わないという選択がなされるから、オーバジエア放送に対応する識別子も、明示はなくとも、使用されているはずであり、その『使用されているはずの「オーバジエア放送に対応する識別子」』は、
「ソースデバイス」を識別する機能を奏するものであることをいうに過ぎない本件発明5の「ソース識別子」と異なるものではなく、本件発明5の「ソース識別子」に該当する。

b-1.「ケーブルチャンネル割当データ」、『使用されているはずの「オーバジエア放送に対応する識別子」』を、「ケーブル指定のRAMメモリ238」「に記憶(格納)する」ことは、「前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子をメモリに格納する」に該当する。

(2)検討

ア 上記a-1について
・甲4の請求項、発明の詳細な説明における「プログラマブルチューナ202」または図22Aでボックスで示される「プログラマブルチューナ/ケーブルデコーダ202」に関する、前掲(K2)(請求項69)、(K7)(K12)(K17)(K18)(K19)(K21)(K24)等の記載自体は、「プログラマブルチューナ202」がケーブルチャンネルにもオーバジエア放送のチャンネルにも同調するものとして記載、またはこれを前提として記載していると認められる一方、
甲4のどこにも、プログラマブルチューナ/ケーブルデコーダ202が複数のチューナを内蔵していると窺わせる記載はないこと、
・本件出願の優先日(平成7年4月17日)の相当前から、地上波TV放送と共にケーブルテレビ放送にも同調でき、それらの両方を受信する(1つの)チューナは周知かつ一般的であったと認められること(下記周知例参照。)、
・さらに、甲4の前掲(K24),図22Bには、ケーブルデコーダを含まない「プログラマブルTVチューナ207」も、甲4の図22Aでボックスで示される上記「プログラマブルTVチューナ/デコーダ202」と同じく、ケーブル入力205とアンテナ入力203を有していて、ケーブルチャンネルにもオーバジエア放送のチャンネルにも同調するもの(上記周知技術と同様のもの)と認められ、ケーブルデコーダがなくてもケーブルチャンネルに同調できることは明らかであって、「ケーブルデコーダ」と称するその「デコーダ」とはチューナ機能のことをいうのではなくて、スクランブル解除するデコード機能のことをいうものと解されること、
からすれば、
甲4発明の「ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナ202」は、
オーバジエア放送の『2』,『4』・・・『44』で放送される放送信号(前者)のも、ケーブルサービス『A&N』『CNN』・・・『TNT』で放送される放送信号(後者)にも同調できる1つのチューナであって、
それら前者にのみ同調するチューナと、これとは異なる後者(ケーブル)にのみ同調するチューナの2つのチューナとはいえず、
また、図22Aでボックスで示される「プログラマブルチューナ/ケーブルデコーダ202」にそれら2つのチューナが内蔵されている、とも認めることはできない。

また、この点に関して、請求人は甲9?甲14号証を提出しているが、その何れも、上記判断を覆し、甲4号証の図22Aでボックスで示される「プログラマブルTVチューナ/デコーダ202」が、ケーブルチャンネルに同調するチューナと、これとは別のオーバジエア放送のチャンネルに同調するチューナを備えているものであると認めるに足るものではない。

したがって、上記請求人の主張a-1は採用できない。

記(周知例)
(1)周知例1:特開昭60-24736号公報
{第1図、2頁右上欄13行?左下欄6行、3頁右上欄16行?左下欄
16行等参照}
(2)周知例2:特開平2-20114号公報
{2頁右上欄16行?左下欄17行等参照}
(3)周知例3:特開昭61-212110号公報
{1頁右下欄7行?2頁左上欄2行、2頁左下欄4行?右下欄2行
等参照}
(4)周知例4:特開昭63-194407号公報
{1頁右下欄6行?2頁左上欄6行、2頁左下欄7行?右下欄7行
等参照}

イ 上記a-2?a-4について
「プログラマブルTVチューナ/デコーダ202」が、2つのチューナを備えているとは言えないとしても、以下にみるように、
甲4発明では、プログラマブルTVチューナ/デコーダ202は、記録メモRAMからの『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』を用いて、結果的にソースを識別していることになる、つまり、『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』は、プログラマブルチューナ202内においては、「ソース」を識別するのに使用されているといい得るものである。

すなわち、「プログラマブルチューナ202(図22A)」は、
スケジュールシステム180(図22A)の記録メモRAMから(『ケーブルサービス名』のままで記憶されていた場合は、『ケーブルシステムのチャンネル割当』への変換を介して)、
『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』に対応する、その『番組リスト』を放送する局を特定する情報であって、プログラマブルチューナ202がどの局に同調すべきかを示す同調チャンネル識別子を含むコマンドを、受け取り、当該チャンネル(割り当て)識別子に基づいて同調するところ(甲4発明のV3)、
その同調は、『オーバジエアの放送信号送出側装置』から放送される特定のチャンネル、若しくは、『ケーブルの放送信号送出側装置』から放送される特定のチャンネルに同調し、そのいずれかのチャンネルの映像信号を一の出力端子から出力するものであることは明らかであるから、
結果として、プログラマブルチューナ202内で、『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』に基づいて、『オーバジエアの放送信号送出側装置』か『ケーブルの放送信号送出側装置』かの選択・識別がなされている、ということができる。

もっとも、そうであるからといって、
甲4発明の『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』が、本件発明5でいう「ソース識別子」であるとは言えないこと、
甲4発明がその構成においても本件発明の要件5B、5Eを備えているとはいえないことは、前記「(3-1)要件5B(対比){特に、イ〈請求人の主張について〉)、(3-3)」において理由と共に示したとおりである。

したがって、上記請求人の主張は採用できない。

〈「ソース識別子」の技術的意義〉
そして、本件発明5の「ソース識別子」は、以下にみるように、甲4発明の『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』には奏し得ない技術的意義を奏するものである。

上述した甲4発明の『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』(これらに対応する、放送する局を特定する情報であって、プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子が、プログラマブルチューナ202内において「ソース」を識別するのに使用されるのは、
プログラマブルチューナ202が、どの局に同調すべきかを示す同調チャンネル識別子を含むコマンドを受けるだけで、これに対応するソースを識別する機能を内蔵しているからこそ可能であることは明らかであるが、
本件発明の詳細な説明の下記「記E」の(M1)?(M7),(M42)の記載(特に下線部)によれば、
本件発明5は、
そのようなテレビジョンの装置、すなわち、プログラマブルチューナ202のような、どの局に同調すべきかを示す同調チャンネル識別子を含むコマンドを受けて、これに対応するソースを識別する機能を内蔵しているテレビジョンの装置が従来より存在していて、これにより、自動ソース切換が部分的に達成されていること
-そのようなテレビジョンの装置とは、DBS衛星入力とローカル入力とを自動的に切換え可能に構成されているDBS受信機で、IRDボックスをテレビジョン(該テレビジョンに接続されてVCR)と、ローカル線(ローカル・ケーブルまたはローカル・アンテナ)との間に配置して、自動切換えするもので、ローカル・チャンネルが利用者により手動または遠隔制御により選択されると、IRDボックスが自動的にDBSサービスの受信をやめて、ローカル入力へのバイパスとなるものである。{下記E(M3)}-
を、認識した上で、
そのようなテレビジョンの装置では対処し得ない場合、すなわち、
・DBSサービスの他、利用者がケーブルと共にローカル・アンテナ・ソースの双方からテレビチャンネルを受信している場合や、
・2つのソースを2つの入力ポートへ結合した、手動で入力切替するテレビジョンの場合{下記(M4)}、
にも容易に適用できるようにし、より万能な自動切換とすることを課題とし、
そのような課題を解決するために、「チャンネルガイド情報データ」とは別に「ソース識別子」を導入し、
更に、最終の利用者または消費者が手動操作をしなければならない部分が存在するとしても、最小の操作に止められるようにする課題を解決するために、テレビジョン・システムのチャンネル・ガイド情報を組合せた(マージした)ガイドの生成とソース識別子によるソースの自動切換えを組み合わせた構成(5A?5E)を採るものといえ、
「ソース識別子」について要件5Bで規定する、
複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、(「チャンネルルガイド情報データ」とは別の)各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子をメモリに格納する、
との規定は、上記の課題を解決するという、甲4発明の『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』には奏しえない技術的意義を奏するものである。

本件発明5が、「ソース識別子」を、チャンネル情報を含む「チャンネルガイド情報データ」とは別のものとして規定する意義は重要であり、かかる重要性を無視して、甲4発明の『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』が本件発明5の「ソース識別子」に該当するとはいえないことは、以上の点から見ても明らかである、

したがって、かかる「ソース識別子」の技術的意義からみても、上記請求人の主張は採用できない。

記E(本件の発明の詳細な説明(甲1号証)、
課題・「ソース識別子」の意義関連)
(M1)「発明の背景
従来の技術として、テレビジョン・スケジュール・ガイドに関する情報を提供する装置が幾つかある。これらの情報は、利用可能なチャンネル及び該チャンネルそれぞれのテレビ番組を、スクリーン上に格子(グリッド)状に表示するために使用される。通常、利用可能なチャンネルがY軸上に表示され、時間枠がX軸を占めることになる。これらの一覧表にされたチャンネルは、順番にまたは所望の所定の順序でテレビジョン画面上に表示することができる。米国特許第5353121号には、斯かるシステムが開示されており、当業界で幅広く受け入れられている。米国特許第5353121号は、参照することにより本書に組み入れられている。」(3頁32行?40行)
(M2)「数多くの異なる伝送方式が、テレビジョン・スケジュール・ガイドに必要とされる情報の提供に、利用可能である。例えば、直接放送衛星システム(DBS)では、衛星用ディッシュ・アンテナ及びセットトップ型の受信機を介して、テレビ番組及びテレビ番組スケジュール情報が提供される。DBSシステムは、例えば、ヒューズ・アンド・プライムスター(Hughes and Primestar)から商業的に入手可能である。更に、従来の衛星用ディッシュ・アンテナ、同軸ケーブル、電話回線、光ファイバ・ケーブル、アンテナ等を利用して、テレビ番組及びテレビ番組スケジュール情報の一方または両方が配給される。」(3頁41行?48行)
(M3)「利用者がDBSに加入している場合には、画面表示(オンスクリーン・ディスプレイ)生成装置を有する別体の統合型受信デコーダ(IRD)ボックスが通常提供される。通常、IRDボックスには、最低でも受信機及びチューナが含まれている。DBS加入者は、DBSサービスの提供者が提供/管理する番組ガイドに加えて、潜在的には何百と言ったテレビ・チャンネルへのアクセスが可能となる。不都合なことには、通常DBSシステムはローカル・ネットワーク即ち地方の独立系チャンネルを受信しない。これらの受信できないローカル・チャンネルを受信するために、幾つかのDBS受信機では、DBS衛星入力とローカル入力とを自動的に切換え可能に構成されている。この自動切換えは、IRDボックスをテレビジョン(該テレビジョンに接続されてVCR)と、ローカル線(ローカル・ケーブルまたはローカル・アンテナ)との間に配置することにより、可能にされている。ローカル・チャンネルが利用者により選択されると、IRDボックスが自動的にDBSサービスの受信をやめて、ローカル入力へのバイパスとなる。利用者は、手動または遠隔制御によりローカル・チャンネルを選択することができる。地域的に利用可能なチャンネルへのアクセスは、ゴールデン・アワーの主要番組がローカル・ネットワークから提供されるために、不可欠となる。(3頁49行?4頁13行)」
(M4)「これに対して、利用者がケーブル及びローカル・アンテナ・ソースの双方からテレビチャンネルを受信している場合、話は異なってくる。利用者のテレビジョンが多数テレビジョン入力ポートを備えている場合は、2つのソースを容易に2つの入力ポートへ結合することが可能である。この解決策は、ソース数がテレビジョン入力ポートの数を超えない限り、良好に機能する。」(4頁14行?18行)
(M5)「利用者のテレビジョンが多数の入力を備えていなかった場合には、多数のソース及びテレビジョン入力に取付られた手動スイッチ・ボックスを利用することができる。この解決策では、利用者は、あるソースから別の所望のソースへの切換えを手動で行わなければならない。例えば、利用者がローカル・ニュースを見たいと思った時には、スイッチをケーブルにセットして、利用者がケーブルからローカル・アンテナへ手動で切換えを行わなければならない。遠隔制御と自動化が当たり前となった社会においては、この解決策は多くの消費者に受け入れられないものである。更に、チャンネル間の手動切換えは、チャンネル・ソース数が増えるにつれて、より複雑になる。」(4頁19行?26行)
(M6)「IRDボックス、多数のテレビジョン入力ポート、手動切換え装置等では、前記の問題点に対する自動的切換えを可能にする解決策を提供することは不可能であり、斯かる問題点は場合によっては部分的にしか解決されず、より万能な技術が必要とされている。」(4頁27行?29行)
(M7)「本発明の好適な実施例では、本発明は、入力信号及び番組情報の調整(コーディネート)に関しており、より詳細には(1)多数のソースから受信するテレビジョン・スケジュールガイド情報の調整、(2)所望の信号ソースへの自動切換え、及び(3)所望のテレビ番組への同調に関する。従って、本発明は、テレビジョン・スケジュール・ガイド情報を調整する同調方式を提供する。この情報は数多くのソースから受信することができる。これらのソースは、入力ケーブル線(例えば、同軸ケーブル)、衛星放送、専用電話回線(例えば、ツイストペア)及び信号を伝送することができるその他の任意の媒体を含んでいる。」(4頁30行?38行)
(M42)「コーディネータ20を使用することにより、利用者は、テレビ番組ソースを手動で選択することも、手動で所望のチャンネルまたは番組への同調を行うことも不要になる。更に、システム10が可能とする自動受信、格子状ガイドの生成、切換え及び同調により、最終の利用者または消費者が手動操作をしなければならない部分が存在するとしても、最小の操作に止められている。」(11頁15行?19行)


[4-4]本件発明5の進歩性欠如(容易想到性)についての判断
(本件発明5と甲4発明の相違点についての判断)

(1)[相違点1]の克服の容易想到性について

甲4発明の「ソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」を、
少なくとも2つのソースデバイス(『放送信号送出側装置』)から伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ、
とすることで、上記[相違点1]は克服されるところ、
かかる[相違点1]の克服は、以下にみるように、当業者が容易に想到し得ることである。

甲4発明の「リスト情報」(チャンネルガイド情報データ)は、(3-1)要件5B(対比)ア-2で前記したように、
「ソースデバイス」と言い得る、『オーバジエアの放送信号送出側装置』と『ケーブルの放送信号送出側装置』の一方から伝送された「(テレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表す)チャンネルガイド情報データ」である一方、
この「リスト情報」が、
・『オーバジエアの放送信号送出側装置』から放送される(伝送される)番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データと、 ・『ケーブルの放送信号送出側装置』から放送される(伝送される)番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ
の両方のガイドデータを含んでいることは明らかである。
{「リスト情報」に基づいて表示されるグリッドガイド24 の、
・オーバジエア放送の局番号『2』,『4』・・・『44』の行に、『オーバジエアの放送信号送出側装置』から放送される『番組リスト』が、
・ケーブルサービス名(アルファベット順)『A&E』『CNN』・・・『TNT』」の行に、『ケーブルの放送信号送出側装置』から放送される『番組リスト』が表示される(U2)ことから、明らかである。}

これは、つまり、『オーバジエアの放送信号送出側装置』か『ケーブルの放送信号送出側装置』のどちらか一方の『放送信号送出側装置』(X)が、自身(X)から放送される番組の『番組リスト』に加え、他の『放送信号送出側装置』(Y)から放送される番組の『番組リスト』のリスト情報も伝送していて、
他の『放送信号送出側装置』(Y)は自身(Y)から放送される番組の『番組リスト』のリスト情報を伝送していない状況を意味している。
かかる状況において、他の『放送信号送出側装置』(Y)が、自身(Y)から放送される番組の『番組リスト』のリスト情報について、利用者の便宜を図る上でも、自身(Y)から伝送する、とすることは、ごく自然な普通の発想というべきである。
そして、他の『放送信号送出側装置』(Y)が、自身(Y)から放送される番組の『番組リスト』のリスト情報を、自身(Y)から伝送するようにするのに対応するべく、
甲4発明のシステム(プログラマブルチューナ202)も、他の『放送信号送出側装置』(Y)のリスト情報を伝送する局に自動的に同調するように変更して、他の『放送信号送出側装置』(Y)から伝送されたリスト情報(チャンネルガイド情報)を受信してメモリに格納するようにすることも、当業者が容易に想到し得ることである。

したがって、上記[相違点1]の克服は、当業者が容易に想到し得ることである。

(2)[相違点2]、[相違点3]の克服の容易想到性について

(2-1)[相違点2]・[相違点3]の克服

〈相違点2の克服〉
甲4発明の、
複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、ソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データをメモリに格納する、とする手段を、
上記「チャンネルガイド情報データ」だけでなく、
上記「チャンネルガイド情報データ」とは別の、
「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子」も、
「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、」「メモリに格納する」、
とすることで、上記[相違点2]は克服され、

〈相違点3の克服〉
甲4発明に、
5E 前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、
その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから
検索する手段
を付加することで、上記[相違点3]は克服される。

(2-2)相違点2・相違点3の克服の容易想到性

上記〈相違点2の克服〉も、上記〈相違点3の克服〉も、以下にみるように、いずれも、当業者が容易に想到し得ることであるとはいえない。

ア 甲5号証
甲5号証には、前記「【第4-3】[2](2)」で摘示した(サ)?(タ)の記載が認められる。

ア-1 甲5号証記載の発明
放送ネツトワーク(たとえば、ABC、NBCおよびCBC)は、「有線(ケーブル)サービス」と並列的に記載されていることなどから、無線電波による放送ネツトワークといえ、したがって、
上記(サ)?(タ)によれば、
「無線電波による放送ネツトワーク(たとえば、ABC、NBCおよびCBC)と共に多数の有線(ケーブル)サービス・ネツトワーク(たとえば、HBO、ESPN・Cinemax、等)があり、視聴者にとつてはどのチヤンネル番号がどのネツトワークに対応しているか憶えきれないという問題があり{(サ)}、
そのような問題を解決すべく、視聴者がネツトワークの名称のテキスト・ラベルを入力させ、そのラベルに同調させるべき特定チヤンネルを関連づけることのできる同調システムを提供することを課題とし{(シ)}、
視聴者が、ネットワークの名称等の「テキストラベル」を手持ち遠隔制御ユニットで入力すると、入力したそのテキストラベルがメモリ中にあるかどうかサーチし、ラベルが見つかればそのラベルに相当するチャンネルにチューナが同調し、視聴者がそのチャンネルで放送されている番組を視聴できるようにした同調システム{(ス)?(タ)}」(以下、「甲5発明a」という。)
が記載されている、ということができる。

請求人は、上記摘示(サ)?(タ)から、甲5号証には、
『無線電波による放送ネツトワークのチャンネルとケーブルサービスのネットワークのチャンネルのいずれのチャンネルについても、
視聴者が、ネットワークの名称等の「テキストラベル」を手持ち遠隔制御ユニットで入力するだけで、入力したそのテキストラベルがメモリ中にあるかどうかサーチし、ラベルが見つかればそのラベルに相当するチャンネルであって、上記何れのネットワークのチャンネルについても(チューナが)同調し、視聴者がそのチャンネルで放送されている番組を視聴できるようにした同調システム。』(以下、「甲5発明b」という。)
が記載されている旨、主張している。

上記摘示(サ)?(タ)から、請求人が記載されているとする上記「甲5発明b」が記載されているとまでいえるかは定かではないが、
以下、甲5号証には、上記「甲5発明b」が記載されているとして論じることとする。

ア-2 容易想到性
上記甲5発明bは、
甲4号証の(K22)「プログラム機能を有す多くのユニバーサルリモートコントローラーがあるが、その一方で、ユーザーが局名及びケーブルチャンネル名といった総称を入力できるものは存在せず、VCRまたはケーブルデコーダに同調させるためにCPUに名前を特定のチャンネルに変換させている。これは、CPU228及びリモートコントローラー212中のケーブル指定RAM238を備えることによって実現している。」記載の技術と基本的に同様の技術を示すにとどまるものであって、
本件発明5の「ソース識別子」を示すものでも、本件発明5の「ソース識別子」の奏する上記技術的意義{上記「[4-3](2)検討イ〈「ソース識別子」の技術的意義〉参照}を示すものでもなく、
したがって、上記甲5発明bは、
上記[相違点2]・[相違点3]に係る本件発明5の構成を示すものでないことも、
上記〈相違点2の克服〉〈相違点3の克服〉をして、上記[相違点2]・[相違点3]に係る本件発明5の構成に至らしめる示唆はもちろん、同構成に至るに足る動機付けを示すものでもないことも明らかである。

したがって、甲5号証記載の発明に基づいて上記〈相違点2の克服〉〈相違点3の克服〉が当業者が容易になし得たことである、とはいえない。

イ まとめ(相違点2・相違点3の克服の容易想到性)
また、他に、上記甲4発明を出発点として、上記[相違点2]・[相違点3]に係る本件発明5の構成に至らしめるに足る動機付けも構成も見いだすことはできない。
以上によれば、上記〈相違点2の克服〉も〈相違点3の克服〉も、困難であり、当業者が容易になし得たことであるとはいえない、

(3)まとめ(本件発明5の進歩性欠如(容易想到性)の判断)
以上によれば、本件発明5は、甲4号証記載の発明及び甲5号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである、とすることはできない。
したがって、本件発明5に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから同法第123条第1項第2号に該当し無効とすべきものである、とすることはできない。

[5]本件発明2について
[5-1]本件発明2と甲4発明(方法の発明)の対比、一致点、相違点

〈対比〉
前記のとおり、本件発明5は「システム」の発明、本件発明2は「システムを使用する方法」の発明であって、前者の構成要素が「手段」で記載され、後者の構成要素が「ステップ」で記載されているものの、それらの相違を除き両者間に実質的な相違はなく、
本件発明2と甲4発明(方法の発明)の対比については、前記「[4-1]本件発明5と甲4発明(システムの発明)の対比」を援用する。

〈一致点、相違点〉
本件発明2と甲4発明(方法の発明)との一致点、相違点は次のとおりということができる。

[一致点]
2A 異なる伝送方式のための少なくとも2つのソースデバイスを用いる少
なくとも2つのソースからの信号がテレビジョンの一つ以上の入力に
よって受信されるシステムで使用する方法であって、各ソースデバイ
スは、複数のテレビチャンネルを伝送するように動作可能であり、
前記方法は、
2B’複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、ソースデバ
イスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報
を表すチャンネルガイド情報データをメモリに格納するステップと、
と各テレビ
ジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース
識別子をメモリに格納するステップと、
2C 前記少なくとも2つの異なるソースデバイスから伝送される番組のた
めの前記テレビジョン番組情報のリストをガイドフォーマットに同時
に表示するステップと、
2D 前記表示された番組リストからの番組選択を利用者から受理するステ
ップと、
と、
を備えている、方法。

[相違点]

[相違点1]
上記2B’の
ソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データが、
本件発明2では、
「前記少なくとも2つのソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データ」とするのに対して、
甲4発明では、
「少なくとも2つのソースデバイスから伝送されそたチャンネルガイド情報データ」とはしていない点

[相違点2]
上記2B’の
複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、ソースデバイスから伝送されたテレビジョン番組のためのテレビジョン番組情報を表すチャンネルガイド情報データをメモリに格納する、とするステップが、
本件発明2では、
上記「チャンネルガイド情報データ」だけでなく、
上記「チャンネルガイド情報データ」とは別の、
「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子」も、
「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、」「メモリに格納する」、とするのに対して、
甲4発明は、
「複数のテレビジョン番組の各テレビジョン番組について、」「各テレビジョン番組のための前記ソースデバイスの前記伝送方式を表すソース識別子」を、「メモリに格納する」
とはしていない点、

[相違点3]
本件発明2は、
2E 前記表示された番組リストから番組の利用者選択の受信に応答して、
その番組のソースデバイスを表す前記ソース識別子を前記メモリから
検索するステップと
を備えているのに対して、
甲4発明は、
要件2Eの手段を備えていない点


〈請求人の主張(一致点、相違点、「ソース識別子」)について〉
請求人は、本件発明2についても、前記「[4-3](1)」でしたのと同様の主張をしているが、当該主張は、前記「[4-3](2)」で示したと同じ理由により、採用できない。

[5-2]本件発明2の進歩性欠如(容易想到性)についての判断

本件発明2と甲4発明(方法の発明)との一致点、相違点は上記[5-1]のとおりであるところ、その一致点、相違点は共に、
上記[4-2]で示した本件発明5と甲4発明(システムの発明)との一致点、相違点と実質的に同じである。

したがって、本件発明2と甲4発明(方法の発明)との相違点についての判断も、上記[4-4]で示した本件発明5と甲4発明との相違点についての判断と同じである。
すなわち、甲5号証記載の発明に基づいて上記[相違点2]を克服することは困難であり、[相違点3]を克服することも困難である。

以上によれば、本件発明2は、甲4号証記載の発明及び甲5号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである、とすることはできない。
したがって、本件発明2に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから同法第123条第1項第2号に該当し無効とすべきものである、とすることはできない。

[6]まとめ(無効理由1(進歩性欠如、29条第2項))

以上のとおりであるから、本件の請求項2及び請求項5に係る発明は、いずれも、甲4号証記載の発明及び甲5号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである、とすることはできない。
したがって、本件の請求項2及び請求項5に係る特許は、いずれも、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから同法第123条第1項第2号に該当し無効とすべきものである、とすることはできない。

【第5】むすび

以上のとおりであるから、
請求人の主張及び証拠方法によっては、請求項2及び請求項5に係る特許を無効とすることができない。

審判に関する費用については、請求人の負担とする。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-06-02 
結審通知日 2011-06-03 
審決日 2011-06-16 
出願番号 特願平8-531776
審決分類 P 1 123・ 54- Y (H04N)
P 1 123・ 537- Y (H04N)
P 1 123・ 121- Y (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川崎 優  
特許庁審判長 乾 雅浩
特許庁審判官 渡邊 聡
梅本 達雄
登録日 2009-07-10 
登録番号 特許第4338215号(P4338215)
発明の名称 テレビジョン・システムにおけるマルチ・ソース情報の組合せ  
復代理人 大塩 竹志  
代理人 松島 淳也  
代理人 山本 秀策  
代理人 伊藤 雅浩  
代理人 森下 夏樹  
代理人 高見 憲  
代理人 安村 高明  
復代理人 ▲柳▼下 彰彦  
代理人 鮫島 正洋  
復代理人 溝田 宗司  

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