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審決分類 審判 一部無効 特123条1項5号  H04N
審判 一部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  H04N
審判 一部無効 2項進歩性  H04N
審判 一部無効 1項3号刊行物記載  H04N
管理番号 1240904
審判番号 無効2010-800122  
総通号数 141 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-09-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2010-07-16 
確定日 2011-07-23 
事件の表示 上記当事者間の特許第4362130号発明「テレビジョン・システムにおけるマルチ・ソース情報の組合せ」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 【第1】手続の概要

本件特許第4362130号は、平成8年4月4日(パリ条約による優先権主張:平成7年4月17日、米国)を国際出願日とする出願である特願平8-531776号(以下、「原出願」ともいう。)の一部を、拒絶査定不服審判請求の日から明細書について補正ができる期間内である平成18年8月2日に新たな特許出願(特願2006-211507号)として出願され、
平成21年8月21日に設定登録されたものであって、手続きの概要は以下の通りである。

本件(分割)出願 平成18年 8月 2日
{特願2006-211507号、
原出願:特願平8-531776号(平成8年4月4日出願、
パリ条約による優先権主張 平成7年4月17日、米国)}
設定登録(請求項の数22) 平成21年 8月21日
本件無効審判請求(請求人) 平成22年 7月16日
答弁書(被請求人) 平成22年11月 2日付け
審理事項通知書(合議体) 平成23年 2月10日付け
(両当事者に対して)
口頭審理陳述要領書(請求人) 平成23年 3月22日付け
口頭審理陳述要領書(被請求人)平成23年 4月 5日付け
口頭審理 平成23年 4月12日

【第2】特許請求の範囲

本件特許第4362130号の特許請求の範囲の記載は,次のとおりである。

「【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器装置において用いられる方法であって、該ユーザ機器装置は、第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する第1のチューナと、該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源としての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン番組を受信する第2のチューナとを有し、
該方法は、
該第1のソース装置から該第1の伝送方式を用いて伝送される第1の番組スケジュール情報と、該第2のソース装置から該第2の伝送方式を用いて伝送される第2の番組スケジュール情報とを受信することであって、該第1の番組スケジュール情報は、該複数の第1のテレビジョン番組のうちの1つに対応し、該第2の番組スケジュール情報は、該複数の第2のテレビジョン番組のうちの1つに対応する、ことと、
該第1の番組スケジュール情報と該第2の番組スケジュール情報とを有するチャンネルガイドを提供することと、
該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少なくともいくつかを表示することと、
該チャンネルガイドに含まれる該複数の番組スケジュール情報のうちユーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ選択を示す信号を受信したことに応答して、該ユーザ機器装置上に表示を出力するために、該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの1つを選択することであって、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報が該第1の番組スケジュール情報である場合には、該第1のチューナが選択され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報が該第2の番組スケジュール情報である場合には、該第2のチューナが選択される、ことと、
該選択されたチューナによって受信され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を提供することと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記第1の番組スケジュール情報と前記第2の番組スケジュール情報とを結合することにより、前記チャンネルガイドを形成することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記複数の番組スケジュール情報を所望の順序で混合し、ソートすることと、
該複数の番組スケジュール情報を所望の順序で提供することと
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数の番組スケジュール情報から重複した番組スケジュール情報を自動的に削除することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記複数の番組スケジュール情報のそれぞれに対する信号ソース識別子を提供することをさらに包含し、各信号ソース識別子は、前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の番組スケジュール情報のうちユーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ選択を示す信号を受信することと、
該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応する前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する信号ソース識別子を検索することと、
該識別された伝送方式を用いる前記第1のチューナおよび前記第2のチューナのうちの1つからテレビジョン信号を受信することと
をさらに包含する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のソース装置および前記第2のソース装置は、ケーブル、放送ソース、アンテナソース、地上ソース、衛星ソース、直接放送衛星ソースからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記複数の番組スケジュール情報のうちの1つに対応するテレビジョン番組を伝送するために用いられる伝送方式を識別し、表示することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記複数の番組スケジュール情報のうちの1つに対応するテレビジョン番組を伝送するために用いられる伝送方式を識別し、表示することは、前記第1の番組スケジュール情報を第1の色で表示することと、前記第2の番組スケジュール情報を該第1の色とは異なる第2の色で表示することとを包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つは、地上波を用いた伝送方式である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つは、衛星を用いた伝送方式である、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ユーザ機器装置において用いられるシステムであって、該ユーザ機器装置は、第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する第1のチューナと、該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源としての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン番組を受信する第2のチューナとを有し、
該システムは、
該第1のソース装置から該第1の伝送方式を用いて伝送される第1の番組スケジュール情報と、該第2のソース装置から該第2の伝送方式を用いて伝送される第2の番組スケジュール情報とを受信する手段であって、該第1の番組スケジュール情報は、該複数の第1のテレビジョン番組のうちの1つに対応し、該第2の番組スケジュール情報は、該複数の第2のテレビジョン番組のうちの1つに対応する、手段と、
該第1の番組スケジュール情報と該第2の番組スケジュール情報とを有するチャンネルガイドを提供する手段と、
該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少なくともいくつかを表示する手段と、
該チャンネルガイドに含まれる該複数の番組スケジュール情報のうちユーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ選択を示す信号を受信したことに応答して、該ユーザ機器装置上に表示を出力するために、該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの1つを選択する手段であって、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報が該第1の番組スケジュール情報である場合には、該第1のチューナが選択され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報が該第2の番組スケジュール情報である場合には、該第2のチューナが選択される、手段と、
該選択されたチューナによって受信され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を提供する手段と
を含む、システム。
【請求項13】
前記第1の番組スケジュール情報と前記第2の番組スケジュール情報とを結合することにより、前記チャンネルガイドを形成する手段をさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記複数の番組スケジュール情報を所望の順序で混合し、ソートする手段と、
該複数の番組スケジュール情報を所望の順序で提供する手段と
をさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記チャンネルガイドを提供する手段は、前記複数の番組スケジュール情報から重複した番組スケジュール情報を自動的に削除する手段をさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の番組スケジュール情報のそれぞれに対する信号ソース識別子を提供する手段をさらに含み、各信号ソース識別子は、前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記複数の番組スケジュール情報のうちユーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ選択を示す信号を受信する手段と、
該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応する前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する信号ソース識別子を検索する手段と、
該識別された伝送方式を用いる前記第1のチューナおよび前記第2のチューナのうちの1つからテレビジョン信号を受信する手段と
をさらに含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のソース装置および前記第2のソース装置は、ケーブル、放送ソース、アンテナソース、地上ソース、衛星ソース、直接放送衛星ソースからなる群から選択される、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記複数の番組スケジュール情報のうちの1つに対応するテレビジョン番組を伝送するために用いられる伝送方式を識別し、表示する手段をさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記複数の番組スケジュール情報のうちの1つに対応するテレビジョン番組を伝送するために用いられる伝送方式を識別し、表示する手段は、前記第1の番組スケジュール情報を第1の色で表示する手段と、前記第2の番組スケジュール情報を該第1の色とは異なる第2の色で表示する手段とを含む、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つは、地上波を用いた伝送方式である、請求項12に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つは、衛星を用いた伝送方式である、請求項12に記載のシステム。」

〈構成要件の分説〉

下記の請求項(無効が請求されている請求項)は、それぞれ、上記のとおりの構成要件をその構成としたものと認められるところ、以下での検討の便宜上、各構成要件を次のとおり1A,1B・・・,2A・・などと下記のとおりに分説する(以下、この分説に従って、「(要件)1A」などという。なお、このように分説することについて当事者間に争いはない。)。

記(請求項 1? 3, 5? 8,10,11
請求項12?14,16?19,21,22
の構成要件の分説)

【請求項1】
1A:ユーザ機器装置において用いられる方法であって、該ユーザ機器装置は、第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する第1のチューナと、該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源としての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン番組を受信する第2のチューナとを有し、
該方法は、
1B:該第1のソース装置から該第1の伝送方式を用いて伝送される第1の番組スケジュール情報と、該第2のソース装置から該第2の伝送方式を用いて伝送される第2の番組スケジュール情報とを受信することであって、該第1の番組スケジュール情報は、該複数の第1のテレビジョン番組のうちの1つに対応し、該第2の番組スケジュール情報は、該複数の第2のテレビジョン番組のうちの1つに対応する、ことと、
1C:該第1の番組スケジュール情報と該第2の番組スケジュール情報とを有するチャンネルガイドを提供することと、
1D:該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少なくともいくつかを表示することと、
1E:該チャンネルガイドに含まれる該複数の番組スケジュール情報のうちユーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ選択を示す信号を受信したことに応答して、該ユーザ機器装置上に表示を出力するために、該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの1つを選択することであって、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報が該第1の番組スケジュール情報である場合には、該第1のチューナが選択され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報が該第2の番組スケジュール情報である場合には、該第2のチューナが選択される、ことと、
1F:該選択されたチューナによって受信され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を提供することと
を包含する、方法。

【請求項2】
2A:前記第1の番組スケジュール情報と前記第2の番組スケジュール情報とを結合することにより、前記チャンネルガイドを形成することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
3A:前記複数の番組スケジュール情報を所望の順序で混合し、ソートすることと、
3B:該複数の番組スケジュール情報を所望の順序で提供することと
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。

【請求項5】
5A:前記複数の番組スケジュール情報のそれぞれに対する信号ソース識別子を提供することをさらに包含し、各信号ソース識別子は、前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
6A:前記複数の番組スケジュール情報のうちユーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ選択を示す信号を受信することと、
6B:該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応する前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する信号ソース識別子を検索することと、
6C:該識別された伝送方式を用いる前記第1のチューナおよび前記第2のチューナのうちの1つからテレビジョン信号を受信することと
をさらに包含する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
7A:前記第1のソース装置および前記第2のソース装置は、ケーブル、放送ソース、アンテナソース、地上ソース、衛星ソース、直接放送衛星ソースからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
8A:前記複数の番組スケジュール情報のうちの1つに対応するテレビジョン番組を伝送するために用いられる伝送方式を識別し、表示することをさらに包含する、請求項1に記載の方法。

【請求項10】
10A:前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つは、地上波を用いた伝送方式である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
11A:前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つは、衛星を用いた伝送方式である、請求項1に記載の方法。

【請求項12】
12A:ユーザ機器装置において用いられるシステムであって、該ユーザ機器装置は、第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する第1のチューナと、該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源としての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン番組を受信する第2のチューナとを有し、
該システムは、
12B:該第1のソース装置から該第1の伝送方式を用いて伝送される第1の番組スケジュール情報と、該第2のソース装置から該第2の伝送方式を用いて伝送される第2の番組スケジュール情報とを受信する手段であって、該第1の番組スケジュール情報は、該複数の第1のテレビジョン番組のうちの1つに対応し、該第2の番組スケジュール情報は、該複数の第2のテレビジョン番組のうちの1つに対応する、手段と、
12C:該第1の番組スケジュール情報と該第2の番組スケジュール情報とを有するチャンネルガイドを提供する手段と、
12D:該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少なくともいくつかを表示する手段と、
12E:該チャンネルガイドに含まれる該複数の番組スケジュール情報のうちユーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ選択を示す信号を受信したことに応答して、該ユーザ機器装置上に表示を出力するために、該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの1つを選択する手段であって、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報が該第1の番組スケジュール情報である場合には、該第1のチューナが選択され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報が該第2の番組スケジュール情報である場合には、該第2のチューナが選択される、手段と、
12F:該選択されたチューナによって受信され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を提供する手段と
を含む、システム。

【請求項13】
13A:前記第1の番組スケジュール情報と前記第2の番組スケジュール情報とを結合することにより、前記チャンネルガイドを形成する手段をさらに含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
14A:前記複数の番組スケジュール情報を所望の順序で混合し、ソートする手段と、
14B:該複数の番組スケジュール情報を所望の順序で提供する手段と
をさらに含む、請求項12に記載のシステム。

【請求項16】
16A:前記複数の番組スケジュール情報のそれぞれに対する信号ソース識別子を提供する手段をさらに含み、各信号ソース識別子は、前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
17A:前記複数の番組スケジュール情報のうちユーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ選択を示す信号を受信する手段と、
17B:該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応する前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する信号ソース識別子を検索する手段と、
17C:該識別された伝送方式を用いる前記第1のチューナおよび前記第2のチューナのうちの1つからテレビジョン信号を受信する手段と
をさらに含む、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
18A:前記第1のソース装置および前記第2のソース装置は、ケーブル、放送ソース、アンテナソース、地上ソース、衛星ソース、直接放送衛星ソースからなる群から選択される、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
19A:前記複数の番組スケジュール情報のうちの1つに対応するテレビジョン番組を伝送するために用いられる伝送方式を識別し、表示する手段をさらに含む、請求項12に記載のシステム。

【請求項21】
21A:前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つは、地上波を用いた伝送方式である、請求項12に記載のシステム。
【請求項22】
22A:前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つは、衛星を用いた伝送方式である、請求項12に記載のシステム。

【第3】当事者の主張

【第3-1】請求人の主張(請求)

[1]請求の趣旨(概要)
本件特許請求の範囲の請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22についての特許を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

[2]請求の理由

(1)無効理由1(明確性要件違反1「ソース装置」)
特許請求の範囲の記載で使用されている「ソース装置」とは,その意味が不明確であり,
請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22の記載は、特許法第36条第6項第2号「特許を受けようとする発明が明確であること」(明確性要件))の規定を満たさない。
したがって,請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22に係る特許は,いずれも特許法第123条第1項第4号の規定により無効とすべきものである。

(2)無効理由2(明確性要件違反2「チャンネルガイド」)
特許請求の範囲の記載で使用されている「チャンネルガイド」とは,その意味が不明確であり,
請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22の記載は、特許法第36条第6項第2号「特許を受けようとする発明が明確であること」(明確性要件)の規定を満たさない。
したがって,請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22に係る特許は,いずれも特許法第123条第1項第4号の規定により無効とすべきものである。

(3)無効理由3(サポート要件違反、原文新規事項追加)
(3-1)サポート要件違反
請求項1における「チャンネルガイドを提供すること」および,請求項12における「チャンネルガイドを提供する手段」は,いずれも本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されておらず,
請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22の記載は、特許法第36条第6項第1号「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること」(サポート要件)の規定を満たさない。
したがって,請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22に係る特許は,いずれも特許法第123条第1項第4号の規定により無効とすべきものである。

(3-2)原文新規事項追加
請求項1における「該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少なくともいくつかを表示することと」および,請求項12における「該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少なくともいくつかを表示する手段と」は,いずれも,本件特許の国際出願日における国際出願の明細書,請求の範囲及び図面(以下「原文」という。)に記載されておらず,本件特許の願書に添付した明細書又は図面に記載した事項が原文に記載した事項の範囲内にない。
したがって,請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22に係る特許は,平成14年改正前特許法第184条の18によって読み替えて適用される同法第123条第1項第5号に該当し,無効とすべきである。

(4)無効理由4(新規性欠如・進歩性欠如)
(4-1)新規性欠如
請求項1,2,5,8,10,12,13,16,19,21(計10)に係る特許発明は、甲2号証に記載された発明である(新規性欠如)から、特許法第29条第1項3号に該当し特許を受けることができない。
したがって,請求項1,2,5,8,10,12,13,16,19、21に係る特許は,特許法第123条第1項第2号に該当し,無効とすべきものである。
(4-2)進歩性欠如
請求項3,7,11,14,18,22(計6)に係る特許発明は、甲2号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
また、請求項6,17(計2)に係る特許発明は、甲2号証に記載された発明及び甲5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって、請求項3,6,7,11,14,17,18,22(計8)に係る特許は,特許法第123条第1項第2号に該当し,無効とすべきものである。

[3]請求の理由の要点

以下,請求人が無効を求める請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22に係る各発明を「本件発明1」,「本件発明2」・・・などとともいう。

[3-1]無効理由1(明確性要件違反1「ソース装置」)
の具体的要点
-請求書-
ア 「ソース装置」とは,「ソース」にかかる「装置」である。「ソース」とは,「source」すなわち,「源,元,起点」などを意味する用語で,これが「装置」にかかることによって,何らかの「情報・データの発信源となる装置」を意味するものと考えられる。しかし,一般にテレビジョンに関する装置において「ソース装置」という用語が用いられることはなく,具体的にどの機器・装置を示すのかは明らかではない。
イ 明細書の段落【0011】の「ソース装置には,DBS ,ケーブル・ボックス,テレビジョン・チューナ等が含まれる。」によれば,少なくとも「テレビジョン・チューナ」は,受信側の装置を示すものであることが明らかである。そうすると,「ソース装置」とは,テレビジョン・チューナを含む受信側の装置の上位概念としての装置を示すものだと考えられる。
しかし,要件1Aにおける「ソース装置」を「テレビジョン・チューナ」に置き換えてみると,
【要件1A(抜粋)】第1のテレビジョン・チューナから伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する第1のチューナとなり,「チューナ」から「チューナ」に伝送することになり,要件1Aの内容がまったく意味をなさないことになる。
このように,請求項中の用語であるところの「ソース装置」を明細書中の説明にしたがって解釈すると,請求項の内容が不明確であるといわざるを得ない。
-口頭審理陳述要領書-
ウ 被請求人は,【0011】に挙げた「DBS,ケーブル・ボックス,テレビジョン・チューナ等が含まれる。」という記載が例示である上に,「少なくとも1つが請求項に記載の『ソース装置』の定義を満たせば十分である」と主張するが,その根拠が明らかではない。一般に,ある用語の具体例として例示したものは,すべてその定義に含まれると考えられるが,被請求人が「ソース装置」の定義に限っては「少なくとも1つが・・満たせば十分である」と主張するのであれば,その根拠を明らかにされたい。
エ 仮に「ソース装置」が「複数の第1のテレビジョン番組を伝送」するものであるとすると,DBS,ケーブル・ボックス,テレビジョン・チューナが複数のテレビジョン番組を伝送するという部分については,明細書に開示がない。
オ なお、電気機器,電子機器などの工学分野における伝送とは,情報やデータを一方の装置から他の装置へ移動させる際に,別の形式に変えて伝えることをいう。形式を変えないで移動させる「転送」とは異なる用語として用いられている(甲13)。要件1Aによれば,ソース装置は,テレビジョン番組等を「伝送」する装置であるところ,【0011】でソース装置の例として示された「DBS,ケーブル・ボックス,テレビジョン・チューナ」は,いかなる形式からどのように変調されているのかについて,明細書中に開示がなされていない。

[3-2]無効理由2(明確性要件違反2「チャンネルガイド」)
の具体的要点
-請求書-
ア 要件1Cの記載によれば,「チャンネルガイド」とは,「第1の番組スケジュール情報と該第2の番組スケジュール情報とを有する」ものであって,要件1Dの記載によれば,番組スケジュール情報のうちのいくつかを表示することができ,要件1Eの記載によれば,チャンネルガイドからユーザが番組スケジュール情報を選択することができるとなっている。しかし,この請求項の記載それ自体からは,「チャンネルガイド」が何を示すのかは明らかであるとはいえない。
「チャンネル」とは,本件特許発明がテレビジョン・システムに関する発明であることから,「テレビ放送毎に割り当てられたそれぞれの周波数帯域に伏せられた番号,識別子」を意味するものと考えられ,「ガイド」とは,「guide」すなわち,案内すること,手引きすることを意味するため,「チャンネルガイド」とは,チャンネルを選択・識別するための手引きのようなものを意味するものと考えられる。
例えば甲第4号証(特開平4-233877)においては,下図のような図が「チャンネルガイド」とされている。これは各チャンネルの小画像とチャンネル番号が複数個同時に表示されているものである。

イ 明細書の段落【0008】「本発明は,テレビジョン・システムのチャンネル・ガイド情報を組合せる(マージする)方法を提供する。この方法は,チャンネル・ガイド情報の受信及び記憶を含む。チャンネル・ガイド情報は,多数のテレビジョン信号ソースから受信される。このチャンネル・ガイド情報を受信した後で,システムが該情報を混合分類して所望の順序に並べる。」によれば,「チャンネル・ガイド情報」とは,テレビジョン信号ソースから受信され,テレビジョンに表示される情報であることがわかる。
また,同【0028】「図2は、テレビジョン・ガイド情報から組み立てられた格子状のスケジュール・ガイドの画面表示の例である。本発明の格子状ガイドはまた、テーマ・ガイド、チャンネル・ガイド及び番組情報を表示するその他のガイドを含んでる。」の説明と,上記図2によれば,図2の格子状ガイドと,チャンネル・ガイドの関係は,
格子状ガイド(図2) ⊃ チャンネル・ガイド
であるといえる。
ところが,図2には,テーマ・ガイド,チャンネル・ガイドおよびその他のガイドから構成されるとしつつも,どの部分が「チャンネル・ガイド」に相当するのかが明らかではない。
仮に甲第4号証の図2のように,チャンネルの一覧を「チャンネル・ガイド」に相当するとすれば,本件明細書の図2でいうと,下記の図で□で囲った部分が「チャンネルガイド」だと考えられるが,その場合,チャンネルガイド自体には数字情報しか存在しないため,要件1Dの「該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール」と矛盾する。
逆に,本件明細書の図2全体を「チャンネル・ガイド」であると解釈すると,要件1Dの「該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール」とは整合するものの,【0028】の「図2は,テレビジョン・ガイド情報から組み立てられた格子状のスケジュール・ガイド」であることと整合しないし,図2には3つの要素から構成されていることとも矛盾する。
以上の記載によれば,「チャンネルガイド」の意味は,請求項それ自体の記載からは必ずしも不明確であるとはいえないものの,明細書の説明に従うと,かえって請求項の記載内容が不明確になるといわざるをえない。

-口頭審理陳述要領書-
ウ 「テーマ・ガイド」及び「番組情報を表示するその他のガイド」という語は【0028】以外には使用されておらず,「テーマ・ガイド」と,「番組情報を表示するその他のガイド」とが,いかなるものを指すのか明らかではないことからみても、図2の格子状ガイドは,3つの機能を概念的に含んでいるものだという被請求人の主張には根拠がなく,かえって「チャンネル・ガイド」とはどのようなものであるかが不明確となるというべきである。

[3-3]無効理由3(サポート要件違反、原文新規事項追加)
の具体的要点

(1)サポート要件違反
前記のとおり,本件特許明細書の発明の詳細な説明には,要件1C及び要件12Cに記載された「チャンネルガイド」がいかなる部分を示すのか明らかではない。
【0028】には「格子状ガイドを生成し,テレビジョン22の画面上に表示する」との記載があるが,これはあくまでも「格子状ガイド」(すなわち【図2】で示されたもの)についての生成・表示に関する記載であって,構成要件1C及び要件12Cの「チャンネルガイドを提供する」ことに関する記述ではない。
さらに,明細書を参酌しても「チャンネルガイドを提供」した上で,「チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちのいくつかを表示する」(要件1D,要件12D)に該当する開示は見当たらない。
したがって,要件1C,要件1D,要件12C,要件12Dの「チャンネルガイド」は,本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されていない。

(2)原文新規事項追加
要件1D及び要件12Dは,平成21年7月13日付けの手続補正書によって新たに挿入されたものである。
前記で述べたとおり,この構成要件は本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されておらず,原文に記載されていない。


[3-4]無効理由4(新規性欠如・進歩性欠如)の具体的要点

ア 「ソース装置」「チャンネルガイド」の意味が不明確であり,または明細書の発明の詳細な説明中に記載がない。仮にこれらの用語を整合的に解釈することができたとしても,以下に述べるとおり,本件特許発明は,引用発明1と一致するから特許法第29条第1項第3号に該当し,特許を受けることができない,あるいは,甲第2号証に記載された発明に基づいて出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから,同条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

イ 請求人は、合議体の求めに応じ、上記主張の前提として、
無効理由4は、無効理由1、2が成立しない場合の予備的主張であるから、その前提となる「ソース装置」及び「チャンネルガイド」の解釈は,原則として被請求人の主張(答弁書)と同様であって、
・「ソース装置」とは、要件1A・1Bから「複数のテレビジョン番組及び複数の番組スケジュール情報を伝送するもの」であると解され、
引用発明(甲2)の「アンテナ200及びケーブル入力部205」(11頁左上9行目、図22A)は、被請求人の主張である「複数のテレビジョン番組及び複数の番組スケジュール情報を伝送するもの」と相違がない。
・「チャンネルガイド」は、被請求人も主張するとおり,「チャンネルをガイドするもの」という一般的な意味どおりに解され、引用発明(甲2)の「テレビジョンスケジュールグリッド」(7頁左上19行目、図1ないし図3)に対応する、とした(口頭審理陳述要領書)。

-請求書-

ウ 本件発明1(29-1(3))
本件発明1と引用発明1(甲2記載発明)との対比
以下、「(ア)、(タ)」等は、【第4-4】で後述する甲4号証、甲5号証の記載摘示箇所を示す。

ウ-1 要件1Aの対比
甲2の(ク)「システム180では,ケーブルデコーダユニットの部分を構成するプログラマブルチューナは,TV信号をアンテナ200及びケーブル入力部205またはいずれかより受信する。」とあり、
「プログラマブルチューナ」は,甲第2号証の図22Aにおける「プログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202」を示すものであって,本件発明1の『ユーザ機器装置』に該当する。
アンテナと,ケーブルを利用する方式は異なる『伝送方式』である。また,「プログラマブルチューナは,TV信号を・・受信する」との記述から,『テレビジョン番組を受信する・・チューナ』が開示されている。
本件発明1は,チューナに関し,『第1のチューナ』『第2のチューナ』と明示的に別々のチューナであるとしているのに対し,引用発明1では,表記上,1つのプログラマブルチューナ202とされている。しかし,アンテナからの伝送情報と,ケーブルからの伝送情報とは,異なる形式の情報であることから,プログラマブルチューナ202には,これらの両形式に対応するチューナが内蔵していることは明らかである。したがって,引用発明1には,『第1のチューナと,・・第2のチューナとを有し』が開示されている。
以上より,引用発明1では,要件1Aがすべて開示されているのであり,本件発明1と一致する。

ウ-2 要件1Bの対比
甲2の(ケ)によれば,プログラマブルチューナは,「データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に(リスト情報が)同調する」ことになっていることから,『該第1の伝送方式を用いて伝送される第1の番組スケジュール情報と、該第2のソース装置から該第2の伝送方式を用いて伝送される第2の番組スケジュール情報とを受信すること』が開示されている。
また,「ケーブルチャンネル割当データ」は,上記のとおり,「TVソース名」と「チャンネル割当」の関係を示すもので,当該「ケーブルチャンネル割当データ」が記憶されているということは,『番組スケジュール情報』と,『テレビジョン番組』の対応関係を可能にするということを意味する。
したがって,上記記述より,『該・・番組スケジュール情報は,該複数の・・テレビジョン番組のうちの1つに対応』することが開示されているに等しい。
以上より,引用発明1では,要件1Bがすべて開示されているのであり,本件発明1と一致する。

(口頭審理陳述要領書)
甲2の(ケ)「一つかそれ以上のローカル局またはケーブルチャンネルにより一日数回または連続的にVBIへ送信される。/更新が必要な場合,プログラマブルチューナ202は,データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調する。」という記載についてみてみると,
「ローカル局」がケーブルチャンネルのリスト情報を送信することはなく,逆に「ケーブルチャンネル」がローカル局のリスト情報を送信することもないから,ローカル局はローカル局のリスト情報を,ケーブルチャンネルはケーブルチャンネルのリスト情報をVBIデコーダ222に送信しているということになる。
したがって,ローカル局またはケーブルチャンネルのそれぞれからリスト情報を受信すると解釈するのが相当であり,「いずれか一方である」と解釈することはできない。

ウ-3 要件1C・1Dの対比
甲2の(ウ),図1-3及び図5-6によれば,「オーバジエア放送」すなわち地上波放送と「ケーブルサービス」の番組スケジュール情報が混在したチャンネルガイドが表示されている。複数の番組スケジュールのいくつかを表示させているため,引用発明1では,要件1Cと1Dがすべて開示されているのであり,本件発明1と一致する。

ウ-5 要件1Eの対比

(1Eの前段)
甲2の(オ)「図2で示されるように、ガイドが初めて開かれたとき、カーソル32及び現在のチャンネル56は、グリッド24の同じ行に配置される。チャンネル56が変更されると、カーソル32は、チャンネルと共に誘引されることが望ましい。これを実現するには、カーソル32は、選択コマンド(番組ノートを呼び出すための)に備えるか、記録コマンドに備えるかする。チャンネルコマンドによるカーソル誘引は、チャンネル56及びカーソル32が同じ行で融合されている場合は常に実行される。これらが融合されていると、カーソル32は、チャンネルコマンドから切り離される。誘引は、相互的ではないことに注意を払う必要がある;カーソル32を移動してもチャンネル選択は影響されない。」(8頁左下欄9行?同欄17行)
(コ)「オンスクリーンスケジュールからタイトルを選択することでなされるプログラムに加えて、VCR206及び211並びにケーブルデコーダ202または207をリモートコントローラー212でプログラムすることもまた可能である。」
から,引用発明1において,チャンネルガイドには「カーソル」が存在し,これは「選択コマンド(番組ノートを呼び出すための)」の機能を有するものである。また,「オンスクリーンスケジュールからタイトルを選択する」ことができることから,『該チャンネルガイドに含まれる該複数の番組スケジュール情報のうちユーザによって選択』する部分は開示されている、といえる。
〈その理由(口頭審理陳述要領書)〉
(オ)は,テレビジョン番組表におけるカーソルの動作に関する記述であり,チャンネルをリモコン等で変更すると,テレビジョン番組表に表示されたチャンネル表示も変更され,併せて番組に合わせられているカーソルも変更されることが望ましいことを記載するものであり、
(コ)は,チャンネルの変更・設定方法として,VCR,ケーブルデコーダ等から行うことも可能であることを記載するものであるから、
引用発明は,(リモートコントローラー等の)ユーザの選択によって,適切なチャンネルを選択し,テレビジョン番組を提供することができることを含んでいる。
さらに(K3)「本発明は、一般に、テレビジョン視聴者がスクリーン上のテレビジョンのプログラムリストにアクセスし、ビデオカセットレコーダー(VCR)またはその他の記録装置を容易かつ便利な方法で制御するために番組リストの使用を可能とするシステムおよび方法に関する。」ことから、
「チューナ、チャンネルを選択して,画面上に表示する」を補強するものである。
また,チャンネルの選択に際しては,地上波のチャンネルが選択された場合と,ケーブルテレビのチャンネルが選択された場合とにおいて,それぞれ適切なチューナを選択することが必要とされることは明らかである。

(1Eの後段)
甲2に(ア)「本発明は,容易な呼び出しおよび再生のため,タイトルによって記録番組のディレクトリを作成するシステムおよび方法に関する。」とあることから、ユーザが選択した番組は「呼び出しおよび再生」すなわち,適切なチューナ,チャンネルを選択して,画面上に表示することができることになっている。
したがって,カーソルによる選択コマンドが実行されれば,『ユーザ選択を示す信号を受信したことに応答して、該ユーザ機器装置上に表示を出力するために、該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの1つを選択すること』になるから,当該部分も引用発明1において開示されている、といえる。
〈その理由(口頭審理陳述要領書)〉
(コ)は,プログラム選択の方法が,「オンスクリーンスケジュール」から行うことができることの他,「リモートコントローラー」からも可能であることについて記載されている。ユーザによるプログラムの選択が,種々の方法によって可能であることを示すものであり,『ユーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ選択を示す信号を受信したことに応答して(チューナ)を選択することであって』(要件1E)と,『該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を提供する』(要件1F)と関係を有するものである。
(ア)は,引用発明の概括的な説明であるが,(K3)も併せると,引用発明がプログラムリストからユーザが選択した番組等を記録し,ディレクトリを作成するものであることから,チューナを選択すること(要件1E)及び対応するテレビジョン番組を提供すること(要件1F)と関係を有するものである。

また,上記のとおり,引用発明1には,リスト中のプログラムをユーザが選択すれば,それに対応するプログラムがスクリーン上に表示されることが想定されているから,異なる伝送方式のチューナが同時に表示されていた場合においても,選択されたプログラムに対応するチューナを選択されることは当然の前提となっているといえる。
したがって,要件1Eの後段である『該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報が該第1の番組スケジュール情報である場合には、該第1のチューナが選択され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報が該第2の番組スケジュール情報である場合には、該第2のチューナが選択される』部分も引用発明1において開示されている。
したがって,引用発明1では,要件1Eがすべて開示されているのであり,本件発明1と一致する。

〈補足、口頭審理陳述要領書)
地上波,ケーブルテレビという異なる伝送方式からなるテレビ番組情報を受信して,画面上にチャンネル・ガイドを表示するために,2つのチューナが必要となる。
また,カーソルをユーザが選択できることにより,特定の局,番組を選択できることは,(オ)の部分で開示されている。また,ユーザが選択した局がオーバジエア放送の局であれば,プログラマブルチューナ202がTVチューナを選択し,ケーブルTV放送の局であれば,ケーブルデコーダを選択して自動的に同調することは甲2の11頁左上15行目に開示されている。すなわち,二つのチューナのうちの1つを選択することが開示されていることから,要件1Eはすべて開示されているといえる。

甲2の図2において,ユーザがガイド上のカーソルを合わせることにより,番組を選択することができることは開示されている。この点は,同11頁右上11行目以下に,「オンラインスクリーンスケジュールからタイトルを選択すること」と記載があることからも明らかである。
ユーザが選択した番組が,地上波TV局の番組であれば,TVチューナを自動的に選択し,ケーブルチャンネルの番組であれば,ケーブルデコーダを自動的に選択しなければ「タイトルを選択」することはできないのであるから,『該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの1つを選択すること』は開示されているに等しい。

ウ-6 要件1Fの対比
要件1Eとの対比で述べたとおり,引用発明1において,ユーザによって選択されたテレビジョン番組が表示されること,すなわち『選択されたチューナによって受信され,該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を提供する』ことは開示されているから,引用発明1では,要件1Fがすべて開示されているのであり,本件発明1と一致する。

〈補足、口頭審理陳述要領書)
「提供する」は,「物品や情報を,役立ててもらうために差し出すこと」を意味する(大辞泉)。これを「テレビジョン番組を提供する」という表現において解釈すると,「テレビジョン番組をテレビ画面上に表示すること」のほか,「録画機に記録すること」も含むと考えられる。したがって,これまで述べたとおり,(オ)(コ)(ア)及び(K3)の記載により,引用発明は,ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を提供する(要件1F)を備えるといえる。

さらに,選択された番組に対応するリストデータが,スケジュールメモリ232へ記憶されること(甲2の11頁左上16行目),さらに記憶されているリストが呼び出されて表示されることについては、
(K20)「TV内容確認要求に関して,スケジュールメモリ232に記憶されているリストが呼び出され,CPU228で処理され,ビデオ表示発生器224へ出力される。ビデオスイッチャー226は,CPU出力246により起動され,スケジュールデータがTV/モニター210へ表示されると常にビデオ表示発生器224の出力を選択する。」(11頁左上の下から4行目以下)と開示されている。
したがって,ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組が,ビデオ表示発生器またはTVモニターに提供されることから,要件1Fもすべて開示されている。

ウ-7 小括(本件発明1)
以上のとおり,本件発明1と引用発明1とは,要件1Aないし要件1Fのいずれにおいても一致しており,相違点と評価すべき箇所はない。

エ 本件発明2(29-1(3))
要件1Cで述べたところと同様、甲2の(ウ),図1-3及び図5-6には、要件2Aがすべて開示されているのであり,本件発明2と一致する。

オ 本件発明3(29-2、甲2のみ)
オ-1 甲2の(カ)(キ)によれば、ユーザは,任意のカテゴリやチャンネルに応じてリスト表示することができるため,『番組スケジュール情報を所望の順序で混合』することが開示されている。
なお,スケジュール情報を所望の順序で並び替えること(ソート)に関しては,引用発明1中には明示されていないから、【要件3B】「該複数の番組スケジュール情報を所望の順序で提供することと」では相違する。[相違点1]
オ-2 相違点1の検討
引用発明1では,任意にスケジュール情報をテーマ別ないしチャンネル別に選択・抽出することができることが説明されており、
甲2の(シ)「本発明の目的は,更に,スケジュール情報の表示順序がユーザーの好みに合わせて変更可能なユーザーインターフェースを提供することにある。」によれば、
これら抽出された番組スケジュール情報を任意に並べ替えることができるように構成することは,単なる設計事項に過ぎず,当業者であれば容易になし得るものである。

カ 本件発明5(29-1(3))
甲2(ケ)のとおり,「ケーブルチャンネル割当データ」がチャンネル変換を可能にするものであるから,『番組スケジュール情報のそれぞれに対する信号ソース識別』を行うものである。そして,識別のためには何らかの識別子が用いられることは,当然のことだといえる。したがって,『信号ソース識別子を提供することを・・包含』することが開示されており,該『信号ソース識別』により,『第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する』ことが可能になる。
したがって,引用発明1では,要件5Aがすべて開示されているのであり,本件発明5と一致する。

キ 本件発明6(29-2、甲2+甲5)
キ-1 要件6Aの対比
甲2(オ)より,カーソル32によって『複数の番組スケジュール情報のうちユーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定する』ことが可能であることが開示されている。ユーザが指定することによって,当該指定された番組に対応する処理が可能になることから,『指定するユーザ選択を示す信号を受信する』ことが可能になる。
したがって,要件6Aがすべて開示されている。
キ-2 要件6Bの対比
引用発明1には,要件5Aで述べたとおり,『信号ソース識別子』に関する記述は開示されているが,『伝送方式のうちの1つを識別する信号ソース識別子を検索すること』について記載がない[相違点2]。
キ-3 要件6Cの対比
甲2(サ)「番組が一旦記録されると,そのタイトル及び番組の他の情報が記録メモRAMメモリ236の部分へ記憶される。記録番組を再生するため,テープ内容確認要求により,テープの記録番組のディレクトリが表示される。」とあり、すなわち,ユーザが指定した番組が「記録され」,それが「再生」可能な状態になっていることから,『識別された伝送方式を用いる・・テレビジョン信号を受信する』ことが開示されている。
したがって,引用発明1では,要件6Aないし6Cが,相違点2を除いてすべて開示されていて本件発明6と一致する。
キ-4 相違点2の検討
甲5の(タ)?(ナ)から,甲5においては,視聴者が,視聴したいチャンネルを,地上波放送のネットワーク(ABC,NBC,CBC等)及びケーブルサービスのネットワーク(HBO,ESPN・Cinemax等)から選択する際に,ネットワークの名称等の「ラベル」を手持ち遠隔制御ユニット(すなわち,リモコン)で入力すると,そのラベルがメモリ中にあるかどうかサーチ(すなわち,検索)をし,ラベルが見つかればそのラベルに相当するチャンネルに同調し,視聴者がそのチャンネルの番組を視聴することが可能になることが記載されているということができる。
ここで,「ラベル」は,地上波放送のネットワーク及びケーブルサービスのネットワークの各チャンネルに割り当てられているものであり,かつ,「ラベル」が見つかればそのチャンネルに同調することを可能とするものであるから,チャンネルを識別するのみならず,当該チャンネルが地上波放送のネットワーク又はケーブルサービスのネットワークという伝送方式に基づくものであることも識別することが明らかである。例えば,地上波放送のネットワークのチャンネルが選択されている場合において,ケーブルサービスのネットワークのチャンネルのラベルがサーチ(検索)されて同チャンネルに同調するときには,必ず,地上波放送のネットワークからケーブルサービスのネットワークへとソースの切替えが行われるから,「ラベル」はケーブルサービスのネットワークという伝送方式をも識別するものであることを要する。よって,「ラベル」は『ソース識別子』に該当する。
なお,本件発明6の『ソース識別子』は,【0034】(10頁)によれば,「現在のテレビジョン22への入力ソースがソース識別子と関係したソースと同一であれば,コーディネータ20は,ステップ84において,該特定のソースを所望のチャンネルに同調させる。現在のソースがソース識別子と関係するソースでなかった場合には,システムは,ソースを適切なソースへ切り換える。」という機能を奏するところ,甲第5号証の「ラベル」も上述したように,当該機能を奏するということができる。
そして,甲第5号証における「サーチ(検索)」は,ラベルをメモリから検索するものであるから,『ソース識別子』に該当する「ラベル」を『検索する』に該当する。
以上より,甲5には,『ソース識別子』に該当する「ラベル」を『検索する』に該当することが記載されており,しかも甲5に記載されているのはテレビジョンのチャンネルの識別に関する技術であり,引用発明1と技術分野を同一にするものであるから,甲5に記載された上記の点の構成を引用発明1に記載されたものに適用し,『該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応する前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する信号ソース識別子を検索する』ことはその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に推考し得るものである。

ク 本件発明7(29-2、甲2+周知技術)
ク-1 要件7Aの対比
甲2(ク)「システム180では,ケーブルデコーダユニットの部分を構成するプログラマブルチューナは,TV信号をアンテナ200及びケーブル入力部205またはいずれかより受信する。」によれば,
『ソース装置』として,『ケーブル』と『アンテナソース』が明示的に開示されている。『放送ソース』,『地上ソース』とは,明らかではないが,テレビジョン番組の伝送方式の一形態を示すものと考えられ,「アンテナ」で受信すると考えられるため,この点についても開示されている。
『衛星ソース』『直接放送衛星ソース』については,明示的には開示されていない[相違点3]。
ク-2 相違点3の検討
テレビジョン番組の伝送方式として,衛星を用いた伝送方式は,出願日当時において周知の技術であった。
相違点3は、当業者であれば容易に発明することができたものである。

ケ 本件発明8(29-1(3))
甲2(エ)「現チャンネルに関する情報は,スクリーンの底部のチャンネル情報ボックス58にまだ提示されている。」とあり、図1の下部には,「CH2」「KNTV-FOX」「CBL 2」といったチャンネル情報が表示されている。CBLとは「ケーブル」を示すもので,『伝送方式を・・表示すること』が開示されている。
なお,仮に『表示する』の客体が『テレビジョン番組』であったとしても, 甲2(ア)「本発明は,容易な呼び出しおよび再生のため,タイトルによって記録番組のディレクトリを作成するシステムおよび方法に関する。」とあることから,『テレビジョン番組を・・表示すること』も開示されている。
したがって,引用発明1では,要件8Aがすべて開示されているのであり,本件発明8と一致する。

コ 本件発明10(29-1(3))
甲2(ウ) の、「オーバジエア放送」とは,前述のとおり,ケーブルTVに対応する通常の地上波テレビ放送をいうことであるから,『前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つは、地上波を用いた伝送方式』が開示されている。
したがって,引用発明1には,要件10Aが開示されているのであり,本件発明10と一致する。

サ 本件発明11(29-2、甲2+周知技術(甲6))
サ-1 要件11Aの対比
『衛星を用いた伝送方式』は,引用発明1中には明示されていない[相違点4]
サ-2 相違点4の検討
テレビジョン番組の伝送方式として,衛星を用いた伝送方式は,出願日当時において周知の技術であった。(甲第6号証(米国特許4706121号?出願日1986年5月6日)のカラム20から21)
よって,本件発明11において,テレビジョン番組の伝送方式に,衛星を用いた伝送方式を含ませることは,当業者であれば容易になし得ることができたものである。

シ 本件発明12?14,16?19,21及び22については、それぞれ、上記本件発明1?3,5?8,10及び11についての主張と同様の主張をしている。

-口頭審理陳述要領書-

ス 甲2記載発明(引用発明1)
合議体の求めに応じてした、まとまりのある技術思想として捉えられる甲2記載発明(引用発明1)の主張(甲2の(K3)(K20)の摘示を追加し、引用発明1を以下のように提示した。)

引用発明1は、いわゆる番組ガイドに関する発明であり、全体としては,「直感的なユーザインタフェース」を開示していて{(K3)}、
多様かつ柔軟なユーザーインターフェースを提供するものである{(イ)(シ)}から,その前提として,地上波放送とケーブルテレビ放送の番組を混在して表示する技術が開示されていて{(ア)、図1-3及び図5-6に示されているように,チャンネル欄(図1では「122」と表記)においては,オーバジエア放送の局名(2,4,5・・・)とケーブルサービスの局名(A&E,CNN,DIS・・)が一つの表形式で表示される。}、
この点は,本件発明の目的そのものである。
上記のユーザーインターフェースを生成する装置の構成として,図22Aが開示されていて、テレビジョン番組表において,「オーバジエア放送の局名とケーブルサービスの局名が混合」表示させるためには,オーバジエア放送とケーブルサービスという複数の受信源から情報を入手する必要があるが,当該複数の受信源として,図22Aにおいては,アンテナ200及びケーブル入力部205が開示されている{(ウ)}。
この受信した情報を画面上に表示させるためには,信号形式となっている情報をデコード(復号)し,デコードされた状態でメモリに記憶,その後,ユーザの要求に応じ一定のタイミングにてビデオ発生表示器へと表示させる必要があり、
(ケ)のように、情報をデコードし,メモリへ記憶する。
また、(K20)のように、ユーザの要求に応じビデオ発生表示器へと表示する。
以上の動作により表示されたテレビジョンスケジュール画面は,図1-3,5,6のような態様のものである。

セ 2つのチューナが存在するといえる根拠・理由
合議体の求めに応じてした、「プログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202」が2つのチューナを内蔵しているということができることの根拠・理由についての主張

a.TVチューナ/ケーブルデコーダの意義
(i)「チューナ」とは,必ずしも独立した製品でなくとも,部品や基板,回路等を指して「TVチューナ」と呼ばれる。
〈根拠〉
「一般には同調装置のこと。普通,テレビ・ラジオなどの受信機で,所要のチャンネルの電波を選択して受信し,これを中間周波という一定周波数の信号に変換して出力する部分をいう。」のことを指す(広辞苑・第六版。甲7)。
甲8は,平成元年刊の日本放送協会編「NHKテレビ技術教科書[上]」中の「チューナ」に関する説明箇所の抜粋であるが,「チューナ」の構成として,あくまで回路の集合たる部品であることを前提としている。
(ii)ケーブルテレビ放送を視聴する場合には,一般に「ホームターミナル」と呼ばれる装置によって,放送信号を一般のテレビで視聴可能な信号へと変換することが行われている。
〈根拠〉
甲9の平成6年刊(社)日本電子機械工業会他編「ケーブルテレビ技技術入門」における「ケーブルテレビの基本構成」の3頁の図。
(iii)「ホームターミナル」は,独立した製品であることが多いが,「ケーブル用チューナ」「ケーブルモデム」「ケーブルデコーダ」「セットトップボックス」などの種々の名称で呼ばれ,名称は異なっていても,ケーブルテレビ放送の信号を同調・受信する機能,すなわちチューナ機能を備えている点で共通する。
〈根拠〉甲9の167頁の図。
(iv)本書面においては,引用発明にて使用されている「ケーブルデコーダ」という呼称で統一する。

b.TVチューナ/ケーブルデコーダの機能は異なる。
(i)仮に,「TVチューナ」と「ケーブルデコーダ」の両機能が同一であれば,甲2の図22Aにおける「プログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202」は,結局,単一機能のものを二つ実装したということになってしまう。しかし,通常のアンテナから受信される地上波アナログTV信号(オーバジエア局にかかるもの)と,ケーブルテレビ信号とでは,以下に述べるとおり伝送情報の形式が異なることから,これを同調・受信するチューナも機能の異なる別個のものが要求されるというべきである。
なお,図22Aの「プログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202」の出力216が,ビデオスイッチャー226を経由してTVモニター210に表示されることから,出力216は,中間周波ではなく,復調回路等を経たNTSC形式 のテレビジョン信号であると考えられる。そのため,プログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202には,aで引用したチューナの定義に含まれる中間周波への変換機能のみならず,チャンネル選択回路,復調回路,スクランブル解除回路等を含むNTSC形式の信号を出力する機能を有するものだといえる。
(ii)ケーブルデコーダは,スクランブルを解除する機能が備わっているが、通常の地上波アナログ放送を受信するTVチューナは,スクランブル解除機能は有しない。
ケーブルデコーダの機能のひとつにスクランブル解除機能がある。テレビ放送分野における「スクランブル」とは,放送事業者の意図に反する視聴を防止するため,信号を暗号化することをいう。ケーブルテレビ放送は,加入者に限り視聴できるサービスであって,その放送信号は,加入者が正規に設置したチューナでしか正常に受信できないように,スクランブル処理がなされている。そして,ケーブルデコーダでは,正常に視聴するため,スクランブルを解除する機能が備わっている。
(iii)地上波アナログ放送における送信の標準方式は、振幅変調(残留側波帯振幅変調 )が行われている。したがって,TVチューナには,振幅変調された信号の復調回路が必須となる。
〈根拠〉
「標準テレビジョン放送(デジタル放送を除く。)に関する送信の標準方式」(平成三年郵政省令第三十六号,甲10 )の第5条によれば,
「(映像信号搬送波の変調)
第5条 映像信号搬送波の変調の型式は,振幅変調とする。
2 映像信号(同期信号を含む。次章において同じ。)により変調された電波(以下「映像電波」という。)は,別表第一号に示す残留側波帯特性を有するものとする。
3 (略)」
・これに対し,ケーブルテレビ放送では,これに対応する特段の変調方式は採用されていないため,対応する復調回路も不要である。
〈根拠〉甲11「有線テレビジョン放送法施行規則」(昭和四十七年郵政省令第四十号)には,対応する記載なし。

c.ケーブルテレビ放送を受信するには通常のTVチューナの他にチューナを必要とすることは,本件出願当時,当業者にとって技術常識となっていた。
〈根拠〉
甲12の公知例(特開平6-350979号?公開日平成6年12月22日)、段落【0002】【0003】【0004】に照らしても明らかである。
「通常のテレビジョン放送を受信するだけの場合,このTV2のみでシステムが構成されるのであるが,例えば,ケーブルテレビジョンシステムにおけるスクランブルされた所定のチャンネルのプログラムを見ることができるようにするためには,このTV2に対してデコーダ1が接続される。」(段落【0003】)
「デコーダ1には,チューナ11が内蔵されており,・・・」(段落【0004】)
〈説明〉
図1において,テレビ放送を受信するチューナ50とは別に,ケーブルテレビ放送を受信するためのケーブルデコーダ1を必要とし,ケーブルデコーダ内には,同調機能としてチューナ11が含まれる。TVチューナさえあれば,ケーブルテレビ放送も受信することができるのであれば,ケーブルデコーダ1を敢えて必要としない。別途ケーブルデコーダを必要とするということは,これらのチューナが異なる機能を有する部品・基板・回路であることを示している。

d.図22AのプログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202は2つのチューナを内蔵している。
以上より,地上波TV放送を受信するTVチューナと,ケーブルテレビ放送を受信するケーブルデコーダとでは,その機能を異にする。これらが,仮に装置として一体化されていたとしても,当該装置の内部には,TVチューナと,ケーブルデコーダに相当する機能の異なる2つのチューナが内蔵されていなければ,地上波TV放送と,ケーブルテレビ放送の双方を受信,視聴することはできないはずである。
引用発明における図22AのプログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202は,地上波TV放送のアンテナ200と,ケーブル入力部205からTV信号を受信する。1つの装置で2つの信号を受信,同調を可能にするには,上記のとおり,2つの異なるチューナが内蔵されていなければ,これを実現することができない。
したがって,図22AにおけるプログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202は,2つの異なるチューナを内蔵していることは,当業者にとって容易に理解できる事項であり,甲2明細書に記載されたに等しい事項である。このことは,まさにその名称が「プログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202」となっていることからも,「TVチューナ」と「ケーブルデコーダ」の両機能を内蔵していることを示唆するものである名称が付されていることにより,開示されているといえる。
このように,図示する際には1つのボックスとして表現されている場合でも,その内部に異なる機能を具備する複数の装置を内蔵しているということは,形式上珍しいことではない。本件発明(甲1)においても,図1Dの「コーディネータ及びTVチューナ付のIRDボックス48」で見られる。図1Dの説明は,
「図1Dは,同一のIRDボックス内に収められたDBS,コーディネータ及びテレビジョン・チューナを有するテレビ番組/テレビジョン・スケジュール・ガイド・システムのブロック図である。」
となっている。図1Dは,本発明の実施例として紹介されており(段落【0024】),48の装置が複数の「チューナ」を具備していることは要件1Aからも明らかである。

e.要件1Aと図22Aの202「プログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ」との対比
(i)「・・・第1のチューナ」:
「第1の伝送源」であるオーバジエア局固有の「第1の伝送方式を用いて・・第1のソース装置から伝送される」オーバジエア局にかかる「第1のテレビジョン番組」をアンテナ200により「受信する第1のチューナ」であるプログラマブルTVチューナに相当する。
(ii)「・・・第2のチューナ」:
「第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて」伝送された「第2の伝送源」であるケーブルテレビ局にかかる「第2のテレビジョン番組」をケーブル205により「受信する第2のチューナ」であるケーブルデコーダに相当する。

f.「プログラマブルTVチューナ」202は、チューナの切り換えが行われているものと読み取れる理由。
前述のとおり,「プログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202」には,TVチューナと,ケーブルデコーダの2種類のチューナ機能が内蔵されている。
すでに述べたように,アナログテレビ局/ケーブルチャンネルからの信号は,伝送情報の形式が異なり,論理的には2つのチューナが必要であることに鑑みれば,局(オーバジエア局のこと),または,ケーブルチャンネルへ自動的に同調することによってテレビ番組スケジュールに関する情報が受信されるためには,2つのチューナの自動的な切換えが必須であることは明白である。

[3.5]証拠方法
〈審判請求書〉
甲第1号証 特許公報(特許第4362130号)
甲第2号証 特表平6-504165号公報
甲第3号証 特許・実用新案審査基準(抜粋)
甲第4号証 特開平4-233877号公報
甲第5号証 特開平3-62719号公報
甲第6号証 米国特許第4706121号公報

〈口頭審理陳述要領書〉
甲第7号証 広辞苑第六版第一刷発行(2008年1月11日)
(「チューナ」「提供」の意味。)
甲第8号証 NHKテレビ技術教科書[上]、日本放送出版協会、
平成元年4月10日第一刷発行,
p20-31,p50-55,p121-131
甲第9号証 ケーブルテレビ技術入門-基礎検討ら応用まで-,
コロナ社,1994年9月5日初版第3刷発行,
p1-3,p174-185
甲第10号証 官報,号外第110号平成3年7月17日,
平成三年七月十七日郵政省令第三十六号,
標準テレビジョン放送に関する送信の標準方式
甲第11号証 有線テレビジョン放送法施行規則,昭和四十七年十二月
十四日号外郵政省令第四十号,
(p1901-1980)
甲第12号証 特開平6-350979公報
甲第13号証 フリー百科事典「ウィキペディア」『伝送』,
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%9D%E9%80%81,
最終更新 2009年9月4日 (金) 17:17
甲第14号証 国際公開第W096/33572号
甲第15号証 特表平11-504171号公報

【第3-2】被請求人の主張(答弁)

[1]答弁の趣旨及び理由の概要
本件審判の請求は成り立たない。
審判費用は請求人の負担とする。

無効理由1ないし無効理由4は、請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22についての特許を無効とする理由にはならない。
請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22についての特許は維持されるべきものである。

[2]答弁の理由の具体的要点

[2-1]無効理由1(明確性要件違反1「ソース装置」)について

-答弁書-
ア 「ソース装置」の意味は、請求項の記載自体から明確である。すなわち、要件1A、1Bの記載から、「ソース装置」が、「複数のテレビジョン番組」および「番組スケジュール情報」を伝送するものとして定義されていることは明らかである。

イ 本件特許明細書の段落0011に、「ソース装置には、DBS、ケーブル・ボックス、テレビジョン・チューナ等が含まれる。」という記載があることはそのとおりであるが、この記載をもって、かえって請求項の記載が不明確になるとまではいえない。なぜなら、この記載は、ソース装置を単に例示したものであるから、ここに例示されたもののうちの少なくとも1つが請求項に記載の「ソース装置」の定義を満たせば十分であるからである。例えば、「DBS」は、「複数のテレビジョン番組」および「番組スケジュール情報」を伝送するソース装置の一例である(例えば、本件特許明細書の段落0002を参照)。

以上の理由から、理由1は存在しないというべきである。

-口頭審理陳述要領書-
ウ 「ソース装置」という用語は、”ソース”(『テレビジョンの一つ以上の入力への、これより上流側の信号伝送路を含んでいう源(ソース)』)を構成する装置であると解釈されるべきである。ただし、要件Aでは、「第1の伝送源としての第1のソース装置」、「第2の伝送源としての第2のソース装置」と規定されていることから、”ソース”の源に配置される伝送源としての送信側の装置もまた「ソース装置」に該当すると解釈されるべきである。このような送信側の装置もまた「ソース装置」に該当することは、例えば、本件特許明細書(甲1)の第5頁第25行?第26行の「ソース装置には、DBS、ケーブル・ボックス、テレビジョン・チューナ等が含まれる。」という記載および本件特許明細書(甲1)の第3頁第42行?第44行の「例えば、直接放送衛星システム(DBS)では、衛星用ディッシュ・アンテナ及びセットトップ型の受信機を介して、テレビ番組及びテレビ番組スケジュール情報が提供される。」という記載によってサポートされている。これらの記載から、DBSの伝送源としてのソース装置からテレビ番組およびテレビスケジュール情報が送信されることによってこれらの情報が提供されることは明らかだからである。本件の図1A・図1B・図1Cの「ケーブル・ボックス26」および「IRDボックス47」といった受信側の装置もまた「ソース装置」の一例であるが、「ソース装置」はこれらの受信側の装置に限定されない。

エ なお、伝送源としての送信側のソース装置が「複数の第1のテレビジョン番組を伝送」することができることは明らかである。
請求人の『「伝送」とは、情報やデータを一方の装置から他の装置へ移動させる際に、別の形式に変えて伝えることをいう』との主張の根拠である甲13の記載は、信頼性に疑問がある。
乙1、乙2によれば、「伝送」とは、電気信号を伝えることをいい、請求人が主張するように「別の形式に変えて」伝えるという意味はない。

[2-2]無効理由2(明確性要件違反2「チャンネルガイド」)について

ア 「チャンネルガイド」の意味は、請求項の記載自体から、「チャンネルをガイドするもの」を意味するものとして明確であるからである。
請求人は、甲第4号証の図2を根拠にして、テレビジョンに関する「チャンネルガイド」とは、複数のチャンネルを選択するための補助的な表示機能を意味するものといえる、と主張する(審判請求書の第17頁)。しかし、請求人による「チャンネルガイド」という用語の解釈は、甲第4号証の図2に示される特定の態様に依存するものであり、かつ、「チャンネルガイド」を意図的に狭く解釈しようとするものであるから失当である。甲第4号証の図2に示される「チャンネルガイド」もまた、「チャンネルをガイドするもの」という通常の解釈を何ら妨げるものではない。

イ 本件特許明細書の段落0011の正しい解釈は、「本発明の格子状ガイドはまた、テーマ・ガイド、チャンネル・ガイド及び番組情報を表示するその他のガイドを(概念的に)含んでいる。」という意味である。
すなわち、本発明の格子状ガイドは、テーマ・ガイドとして機能することも可能であり、チャンネル・ガイドとして機能することも可能であり、番組情報を表示するその他のガイドとして機能することも可能であるという意味である。
請求人の主張するように、本発明の格子状ガイドが、「テーマ・ガイド」、「チャンネル・ガイド」、「番組情報を表示するその他のガイド」という3つの構成要素から構成されるという意味ではない。「格子状ガイド」の意味が請求人の主張するような意味でないことは、格子状ガイドの一例として本件特許の図2に示されている格子状ガイド50が、「テーマ・ガイド」、「チャンネル・ガイド」、「番組情報を表示するその他のガイド」という3つの構成要素から構成されているわけではないことからも明らかである。
むしろ、本件特許の図2に示される格子状ガイド50の全体が、「チャンネルをガイドするもの」としての「チャンネル・ガイド」として機能することから、格子状ガイド50の全体が、「チャンネル・ガイド」の一例であるというべきである。このことは、請求項に記載される「チャンネル・ガイド」の通常の意味である「チャンネルをガイドするもの」という意味と何ら矛盾しない。

以上の理由から、理由2は存在しないというべきである。

[2-3]無効理由3(サポート要件違反、原文新規事項追加)について

本件特許の図2に示される格子状ガイド50は、「チャンネル・ガイド」の一例である。従って、要件1C、要件1D、要件12C、要件12Dの「チャンネルガイド」は、少なくとも、本件特許明細書の段落0028および図2の記載によってサポートされているというべきである。それ故、サポート要件は満たされている。同様の理由から、原文新規事項追加も存在しない。

[2-4]無効理由4(新規性欠如・進歩性欠如)について

(1)本件特許発明1について

-答弁書-
1.甲第2号証は、少なくとも、要件1B、要件1C、要件1D、要件1E、要件1Fを開示していないから、本件特許発明1と引用発明1とは同一の発明ではない。
少なくとも以下の理由から、本件特許発明1に対する理由4は存在しないというべきである。

〈理由〉

1ア 要件1Bを開示してない。
甲第2号証は、複数のソース装置から異なる伝送方式を用いて伝送される番組スケジュール情報を受信することを開示していない。
なぜなら、甲第2号証に開示されていることは、単一のソース装置から伝送される番組スケジュール情報を受信することにすぎないからである。請求人も指摘しているように、甲第2号証の第11頁左上欄第15行?第16行には、「更新が必要な場合、プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調する。」と記載されている。しかし、この記載の意味は、プログラマブルチューナ202が、データを伝送する局に同調してリスト情報を受信するか、もしくは、ケーブルチャンネルに同調してリスト情報を受信するかのいずれか一方であるという意味であって、データを伝送する局およびケーブルチャンネルの両方に同調して、その両方から、それぞれ、リスト情報を受信するという意味ではない。甲第2号証のどこにも、プログラマブルチューナ202が、データを伝送する局への同調とケーブルチャンネルへの同調とを切り換えながら、リスト情報を受信する旨の開示は何ら存在しない。それ故、甲第2号証は、複数のソース装置から異なる伝送方式を用いて伝送される番組スケジュール情報を受信することを開示していないというべきである。

1イ 要件1Cを開示してない。
要件1Cは、(第1のソース装置から第1の伝送方式を用いて伝送される)第1の番組スケジュール情報と(第2のソース装置から第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて伝送される)第2の番組スケジュール情報とを有するチャンネルガイドを提供することを必要とする。これに対し、甲第2号証は、そのようなチャンネルガイドを提供することを開示していない。なぜなら、要件1Bについて上述したように、甲第2号証は、複数のソース装置から異なる伝送方式を用いて伝送される番組スケジュール情報を受信することを開示していないからである。

さらに、仮に、甲第2号証が、要件1Bを開示しているとしても(被請求人がそのことを自認するわけでないが)、甲第2号証は、依然として、要件1Cを開示していない。なぜなら、甲第2号証のどこにも、複数のソース装置から異なる伝送方式を用いて伝送される複数の番組スケジュール情報を有するチャンネルガイドを提供することは開示されていないからである。

請求人は、図1-3及び図5-6に、「オーバジエア放送」と「ケーブルサービス」の番組スケジュール情報が混在したチャンネルガイドが表示されていることを根拠に、『該第1の番組スケジュール情報と該第2の番組スケジュール情報とを有するチャンネルガイド』が開示されていると主張する(審判請求書の第27頁)。しかし、この請求人の主張は正しくない。なぜなら、「オーバジエア放送」と「ケーブルサービス」の番組スケジュール情報は、単一のソース装置から伝送されたものであるからである。

1ウ 要件1Dを開示してない。
要件1Dは、「該チャンネルガイド」が要件1Cに規定される「チャンネルガイド」であることを必要とする。これに対し、甲第2号証は、そのようなチャンネルガイドを提供することを開示していない。その理由は、要件1Cについて上述したとおりである。

1エ 要件1Eを開示してない。
要件1Eは、ユーザ選択を示す信号を受信したことに応答して、第1のチューナおよび第2のチューナのうちの1つを選択することを必要とする。これに対し、甲第2号証は、そのようなチューナの選択を開示していない。なぜなら、甲第2号証のどこにも、ユーザ選択に応答して、プログラマブルチューナ202が、データを伝送する局への同調とケーブルチャンネルへの同調とを切り換えることは開示されていないからである。

さらに、要件1Eは、「該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報」が、要件1Cに規定される「該第1の番組スケジュール情報」または「該第2のスケジュール情報」であることを必要とする。これに対し、甲第2号証は、そのような番組スケジュール情報を含むチャンネルガイドを提供することを開示していない。その理由は、要件1Cについて上述したとおりである。

1オ 要件1Fを開示してない。
要件1Fは、「該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報」が、要件1C、1Eに規定される「該第1の番組スケジュール情報」または「該第2のスケジュール情報」であることを必要とする。これに対し、甲第2号証は、そのような番組スケジュール情報を含むチャンネルガイドを提供することを開示していない。その理由は、要件1Cについて上述したとおりである。

-口頭審理陳述要領書-
2.請求人は、甲2に記載されていると認められる、まとまりのある技術思想として捉えられる特定技術がいかなる発明であるのかを説明しておらず(甲2に記載されている発明の課題が何でそれをどのように解決したと捉えているのかが不明である)、甲2に記載されていると認められる発明を明確に特定した上で、その各構成要素が本件発明の各要件に一致するか否かを示さず、本件発明の要件A?Fと甲2の記載事項との対比をしていて、そのような対比に不備があることは明らかである。

3.要件Aについて
甲2の甲2図22AのプログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202は、2つのチューナを内蔵しているとはいえない。

その理由は、
第1に、甲2は、「プログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202」が2つのチューナを内蔵していることを開示していないからであり、
第2に、甲2の「プログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202」が、必然的に、2つのチューナを内蔵しているともいえないからである。
〈理由〉
・乙3(乙第3号証の抄訳)の8.2.2(第352頁?第354頁、)
によれば、1980年代半ば以前に、「テレビメーカは、ケーブルチャンネルに同調するチューナーを使用し始めた。そのようなチューナーと75オーム入力を用いることによって、そのセットは「ケーブルレディ(cable ready)」と呼ばれ、セットトップターミナルが不要となるものとして販売された。」状況があった、と理解され、デレビの放送チャンネルとケーブルチャンネルに同調するチューナーが販売されていた(口頭審理)。
・甲2図22Aの「プログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202」は、単一のチューナと、その単一のチューナへの2つの入力を切り換えるための機械的なスイッチ(または、プログラマブルスイッチ)とを含んでいれば足りる。
なぜなら、単一のチューナが特定の周波数の信号を選択的に出力することによって、ケーブルチャンネルおよび放送チャンネルのいずれにも同調することができるからである。2つのチューナを用いる場合にも2つのチューナの後段にスイッチを設けることが必要とされる。従って、単一のチューナを用いるか2つのチューナを用いるかにかかわらず、スイッチは必要である。
甲2の構成要素202を単一のチューナおよびスイッチで構成することが可能であることから、当業者であれば、甲2の構成要素202を、敢えて、2つのチューナおよびスイッチで構成するようにはしないというべきである。むしろ、甲2の構成要素202を単一のチューナおよびスイッチで構成することが自然である。
・甲2には、「チューナ出力216は、字幕デコーダあるいは高速テキストデコーダである垂直ブランキングインターバル(VBI)デコーダ222に向かう。リスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の指示情報が、一つかそれ以上のローカル局またはケーブルチャンネルにより一日数回または連続的にVBIへ送信される。更新が必要な場合、プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調する。」(甲2の11頁左上10?20行目)と記載されている。特に、下線部の記載は、「局」についても「ケーブルチャンネル」についても、等しく「同調」するだけで受信し出力できると理解するのが自然である(チューナを切換えることを要するとは読めない)。

4.要件Bについて(請求人の主張に対する反論)
・請求人は、甲2に「複数のソース装置」が開示されていることを前提として、甲2の11頁左上13行目以下の「一つかそれ以上のローカル局またはケーブルチャンネルにより一日数回または連続的にVBIへ送信される。更新が必要な場合、プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調する。」という記載から、「ローカル局」がケーブルチャンネルのリスト情報を送信することはなく、逆に「ケーブルチャンネル」がローカル局のリスト情報を送信することもない旨を主張するが、
例えば、ケーブル局と加入者との加入契約により、ケーブル局が、ローカル局の番組およびケーブル局の番組の両方を提供することも可能である。したがって、甲2に「複数のソース装置」が開示されていたとしても、そのことが、甲2に「複数のソース装置から伝送される番組スケジュール情報を受信すること」が開示されていることを意味するわけでない。

5.要件E・Fについて(請求人の主張に対する反論)
・少なくとも、「適切なチューナを選択する」ことが甲2に記載されているという請求人の主張は、甲2図22AのプログラマブルTVチューナ/ケーブルデコーダ202が2つのチューナを内蔵しているという誤った解釈に基づくものであるから、失当である。
・請求人は、要件Eが甲2に開示されている根拠として、甲2の11頁左上15行目を挙げているが、甲2の11頁左上15行目の「更新が必要な場合、プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調する。」という記載は、「同調」がユーザ選択を示す信号とは無関係に行われることを意味するから、「同調」がユーザ選択を示す信号に応答して行われることを必要とする要件Eとは無関係である。
・請求人は、要件Fが、テレビジョン番組が「該選択されたチューナによって受信され」ることを必要とすることを完全に見落としている。上述したように、甲2が「2つのチューナ」を開示していないことから、甲2が「該選択されたチューナ」を開示していないこともまた明らかである。
・請求人は、「選択された番組に対するリストデータが、スケジュールメモリ232へ記憶されること」が、甲2の11頁左上16行目に記載されていると主張する(請求人の口頭審理陳述要領書の第23頁)が、
甲2の11頁左上16行目の「VBI信号がCPU228によって処理された後、リストデータは、スケジュールメモリ232へ記憶される」という記載は、リストデータ(すなわち、甲2の図1等に示される番組表を表示するためのデータ)がスケジュールメモリ232へ記憶されることを意味し、「選択された番組に対するリストデータが、スケジュールメモリ232へ記憶されること」を意味するものではない。

(2)本件特許発明2?3、5?8、10?11について
本件特許発明2?3、5?8、10?11のそれぞれは、本件特許発明1を引用する。従って、本件特許発明1について上述した理由と少なくとも同一の理由から、本件特許発明2?3、5?8、10?11に対する理由4もまた存在しないというべきである。

(3)本件特許発明12について
本件特許発明12は、本件特許発明1について上述した特徴と実質的に同一の特徴を規定する。従って、本件特許発明1について上述した理由と少なくとも同一の理由から、本件特許発明12に対する理由4もまた存在しないというべきである。

(4)本件特許発明13?14、16?19、21?22について
本件特許発明13?14、16?19、21?22のそれぞれは、本件特許発明12を引用する。従って、本件特許発明12について上述した理由と少なくとも同一の理由から、本件特許発明13?14、16?19、21?22に対する理由4もまた存在しないというべきである。

以上の理由から、理由4は存在しないというべきである。


[2-5]証拠方法
〈口頭審理陳述要領書〉
乙第1号証 広辞苑第四版第一刷発行(1991年11月15日)
(「伝送」を記載した部分)
乙第2号証 デジタル大辞泉の解説(「伝送」を記載した部分),
http://kotobank.jp/word/伝送
乙第3号証 "Modern Cable Television Technology
Video,Voice,and Data Communications",
p349-359,p805-807,
WALTER CICIORA,JAMES FARMER,DAVID LARGE著,
1999年,Morgan Kaufmann Publishers,Inc.San Francisco,
California,
Rrinted in United States of America
乙第3号証の抄訳(352頁34行?354頁12行)
乙第4号証 "Cable TV Channel Frequencies",インターネットウェブ
サイト
http://www.jneuhaus.com/fccindex/cablech.htmlの印刷物 。
乙第5号証 [Code of Federal Regulations],インターネットウェブ
サイト
http://frwebgate.access.gpo.gov/cgi-bin/get-cfr.cgi?
TITLE=47&PART=73&SECTION=603&TYPE=TEXT
の印刷物。

【第4】当審の判断

【第4-1】無効理由1(明確性要件違反1「ソース装置」)について

明確性要件について》
特許法第36条6項2号の規定は、発明の詳細な説明に多面的に記載されている発明のうち、どの発明について特許を受けようとしているのかを、出願人の意思により、特許請求の範囲に明示すべきことを要求しているものであり、一つの請求項に基づいて特許を受けようとする発明がまとまりのある一つの技術的思想として明確に把握できるべく、特許請求の範囲には、「特許を受けようとする発明が明確であること」を要求するものであり、
したがって、特許請求の範囲の記載は,できる限り,それ自体で,特許出願に係る発明の技術的範囲が明確になるように記載されるべきではあるものの、特許を受けようとする発明が明確であるか否かは,特許請求の範囲の記載のみならず、明細書の記載及び図面を考慮し,また,当業者の出願当時における技術的常識を基礎として,特許請求の範囲の記載が,第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるか、という観点から判断されるというべきである。
以下、この点を踏まえ、無効理由1及び次の【第4-2】無効理由2について検討する。

請求人が主張する無効理由1の要点は、請求項1,12の「ソース装置」が不明確であるから、請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22の記載は明確性要件に違反するというものであり(前記【第3-1】の[2](1)及び[3-1])、
「ソース装置には,DBS ,ケーブル・ボックス,テレビジョン・チューナ等が含まれる。」(段落【0011】)によれば、「テレビジョン・チューナ」は「ソース装置」であるとされているところ、
要件1A(請求項1)の「ソース装置」に「テレビジョン・チューナ」を当てはめると、『第1のテレビジョン・チューナから伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する第1のチューナとなり』となってまったく意見をなさなくなる、と主張する。
しかし、「まったく意味不明となる」ことが明らかであるということは、『「ソース装置」に「テレビジョン・チューナ」が含まれる』としたその前提が妥当でないことが明らかであることを示しているのであるから、
要件1Aでいう「ソース装置」に「テレビジョン・チューナ」が含まれないことは、明らかである。
そもそも、要件1Aで「第1の伝送源としての第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する第1のチューナ」と特定していること自体が、「ソース装置」が「テレビジョン・チューナ」を含まないことを規定していることは明らかであり、明らかである以上、上記のことを理由に「ソ-ス装置」が不明であるとすることができないことも、明らかである。

そして、以下にみるように、請求項1,12でいう「ソース装置」とは、
明細書の記載及び図面、技術常識を考慮すれば、
『複数のテレビジョン番組を伝送するものであって、テレビジョン番組を受信するチューナの入力へ至る、これより上流側の信号伝送経路(信号源を含む)を構成する装置』
と理解され、明確でないとはいえない。

〈請求項1,12について〉

ア 請求項の記載
独立請求項である請求項1の要件1Aは次のとおりである。
1A「ユーザ機器装置において用いられる方法であって、該ユーザ機器装置は、第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する第1のチューナと、該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源としての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン番組を受信する第2のチューナとを有し、」

請求項1の要件1Aにおいて、「ソース装置」とは、
『その装置から特定の伝送方式を用いて伝送される「複数のテレビジョン番組」をチューナが受信するようにする、伝送源としての装置』
と規定されている。

この規定を満たすものとして、当業者は、まず、「複数のテレビジョン番組」の信号を送出する(送信用アンテナ等を含む)信号送出側の装置をごく普通に想定するものといえる。
すなわち、「ソース装置」は、『複数のテレビジョン番組の放送信号を伝送媒体に送出する(送信用アンテナ等を含む)送出側装置』も含んでいるものと、当業者に普通に想定される。
そして、「ソース装置」を、そのように想定したとき(上記『複数のテレビジョン番組の・・・送出側装置』と想定したとき)、請求項1の他の要件1B?1Fと矛盾を生じることはなく、請求項1に基づいて特許を受けようとする発明がまとまりのある一つの技術的思想として把握できるものである。

また、独立請求項である請求項12についても、以上と同じことが言えることは明らかである。

イ 明細書、図面の記載
明細書には「伝送源としての」についての説明はないものの、
図1A?1C、明細書の下記「記A」(特に下線部)には、「ソース」の具体例として、入力ケーブル線(例えば、同軸ケーブルの)、衛星放送、専用電話回線(例えば、ツイストペア)及び信号を伝送できるその他の任意の媒体、衛星用ディッシュ・アンテナ、衛星、DBSソース、衛星ソース、ケーブル・ボックス26、IRDボックス28が挙げられていて、「ソース装置」とはそれら「ソース」に用いる装置と理解されること、
そして、図1A?1C、下記段落【0011】「テレビジョンへの入力(RFまたはビデオ)をソース装置へ切換える。ソース装置には、DBS、ケーブル・ボックス、テレビジョン・チューナ等が含まれる。」、段落【0023】「更に本発明の別の実施例では、DBS(IRDボックス28を介した)及びケーブル(ケーブル・ボックス26を介した)は、テレビジョン22に直列に接続されたソース装置として構成される。図1Cはソース装置としてのDBS及びケーブルを備えたテレビ番組/テレビジョン・スケジュール・ガイド・システムのブロック図である。」等の記載、及び「ソースデバイス」と称していること、によれば、
明細書において、「ソース装置」とは、
『複数のテレビジョン番組を伝送するものであって、テレビジョンへの入力へ至る、これより上流側の信号伝送経路(信号源を含む)を構成する装置』と説明されているということができ、
また、明細書全体からみて、テレビジョンへの入力からみてこれより上流側の複数のテレビジョン番組を伝送する信号伝送路が異なる複数経路存在することが、発明の前提として本質的に重要なことと理解され、
経路を構成する各装置自体が具体的にいかなる装置であるかは、発明の本質的な特徴点ではない、と理解される。

ウ 請求項1、12でいう「ソース装置」
上記イを考慮して請求項1,12をみれば、請求項1,12でいう「ソース装置」とは、
『複数のテレビジョン番組を伝送するものであって、テレビジョンへの入力へ至る、これより上流側の信号伝送経路(信号源を含む)を構成する装置』の中から、「テレビジョン番組を受信するチューナ」が除かれ、「テレビジョンへの入力へ至る」ではなくて「テレビジョン番組を受信するチューナの入力へ至る」ものに限定されているものといい得ることは明らかである。
すなわち、請求項1、12でいう「ソース装置」とは、
『複数のテレビジョン番組を伝送するものであって、テレビジョン番組を受信するチューナの入力へ至る、これより上流側の信号伝送経路(信号源を含む)を構成する装置』
と困難なく理解され、
そのように解釈することで、請求項1、12に基づいて特許を受けようとする発明がまとまりのある一つの技術的思想として把握できるものである。

以上によれば、
請求項1,12の「ソース装置」は明確でない、とはいえないし、
請求項1,12の記載は、「ソース装置」が明確でないから明確性要件に違反する(特許を受けようとする発明が明確でない)ともいえない。

〈請求項2,3,5?8,10,11、及び
請求項13,14,16?19,21,22〉

これら各請求項についての無効理由1(明確性要件違反1)は、請求項1,12の記載は「ソース装置」が明確でないから明確性要件に違反することを前提とするものであるところ、
その前提が成り立たないことは上記のとおりであるから、
これら各請求項についての無効理由1(明確性要件違反1)も、理由がない。
すなわち、(請求項1,12の記載は「ソース装置」が明確でないから明確性要件に違反することを理由に)請求項2,3,5?8,10,11及び請求項13,14,16?19,21,22の記載が明確性要件に違反するとはいえない。

【まとめ:無効理由1(明確性要件違反1「ソース装置」)】

以上によれば、特許請求の範囲の請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22のいずれの記載も、特許法第36条第6項第2号「特許を受けようとする発明が明確であること」(明確性要件)の規定を満たさない、とはいえない。
したがって、本件発明1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22に係る特許は,いずれも、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであるから同法第123条第1項第4号に該当し無効とすべきものである、とすることはできない。

記A(本件の明細書の記載(甲1号証)、
ソース(デバイス)関連)
【0002】
数多くの異なる伝送方式が、テレビジョン・スケジュール・ガイドに必要とされる情報の提供に、利用可能である。例えば、直接放送衛星システム(DBS)では、衛星用ディッシュ・アンテナ及びセットトップ型の受信機を介して、テレビ番組及びテレビ番組スケジュール情報が提供される。DBSシステムは、例えば、ヒューズ・アンド・プライムスター(Hughesand Primestar)から商業的に入手可能である。更に、従来の衛星用ディッシュ・アンテナ、同軸ケーブル、電話回線、光ファイバ・ケーブル、アンテナ等を利用して、テレビ番組及びテレビ番組スケジュール情報の一方または両方が配給される。」
【0003】
利用者がDBSに加入している場合には、画面表示(オンスクリーン・ディスプレイ)生成装置を有する別体の統合型受信デコーダ(IRD)ボックスが通常提供される。通常、IRDボックスには、最低でも受信機及びチューナが含まれている。DBS加入者は、DBSサービスの提供者が提供/管理する番組ガイドに加えて、潜在的には何百と言ったテレビ・チャンネルへのアクセスが可能となる。不都合なことには、通常DBSシステムはローカル・ネットワーク即ち地方の独立系チャンネルを受信しない。・・・不可欠となる。
【0004】
これに対して、利用者がケーブル及びローカル・アンテナ・ソースの双方からテレビチャンネルを受信している場合、話は異なってくる。利用者のテレビジョンが多数テレビジョン入力ポートを備えている場合は、2つのソースを容易に2つの入力ポートへ結合することが可能である。この解決策は、ソース数がテレビジョン入力ポートの数を超えない限り、良好に機能する。
【0007】
本発明の好適な実施例では、本発明は、入力信号及び番組情報の調整(コーディネート)に関しており、より詳細には(1)多数のソースから受信するテレビジョン・スケジュールガイド情報の調整、(2)所望の信号ソースへの自動切換え、及び(3)所望のテレビ番組への同調に関する。従って、本発明は、テレビジョン・スケジュール・ガイド情報を調整する同調方式を提供する。この情報は数多くのソースから受信することができる。これらのソースは、入力ケーブル線(例えば、同軸ケーブル)、衛星放送、専用電話回線(例えば、ツイストペア)及び信号を伝送することができるその他の任意の媒体を含んでいる。
【0010】
(特定の実施例の説明)
本発明は、テレビ番組及びテレビジョン・スケジュール・ガイド情報を調整する同調方式を提供する。このテレビジョン・スケジュール・ガイド情報は多数のソースから受信することが可能である。上記に述べたように、これらのソースは、入力ケーブル線(例えば、同軸ケーブルの)、衛星放送、専用電話回線(例えば、ツイストペア)及び信号を伝送できるその他の任意の媒体を含んでいる。好適な実施例では、テレビジョン・チャンネル放送は、(1)ケーブル及び衛星用ディッシュ・アンテナ、または(2)2つの異なる衛星、または(3)ローカル・ケーブル及びDBSソース等の、少なくとも2つの別個のソースから受信される。スケジュール情報には、該スケジュール情報が特定のソースからのものであることを識別するソース識別子が設けられている。スケジュール情報は、組織的に分類されて利用者へ配給される。
【0011】
利用者が表示されたガイド内の表示チャンネルの1つに配置されたショーまたはチャンネルを選択すると、システムが該ショーまたはチャンネルに関係したソース識別子を読み取る。好適な実施例では、次いでシステムが自動切換え/同調処理を行い、テレビジョンへの入力(RFまたはビデオ)をソース装置へ切換える。ソース装置には、DBS、ケーブル・ボックス、テレビジョン・チューナ等が含まれる。システムは、次いで、所望のショーに関するチャンネルへの同調を行う。更に、ソース識別子を使用して、無人VCRプログラムが所望のときには、様々な装置間の自動切換えを行う。更に、番組情報が多数の衛星ソースから受信されて所望のチャンネルが選択された場合には、本発明の一実施例では、利用者の衛星用ディッシュ・アンテナを自動的に動かして、利用者が関係するソースから所望の番組を受信できるようにする。本発明では、次いで、正しいチャンネルへの同調が行われる。
【0015】
図1Aは、テレビジョン22に直接接続された多数のソースを備えたマルチ・ソース・テレビジョン・スケジュール・ガイド・システムの一例を簡単な形態で図示したものである。図示のように、マルチ・ソース・テレビ番組/テレビジョン・スケジュール・ガイド・システム10は、コーディネータ20の制御により作動する。テレビジョン22及びVCR24には、ケーブル・ボックス26及びIRDボックス28から入力が供給される。その他の入力30も、テレビジョン22及びVCR24の少なくとも一方へ供給するようにしても良い。視聴者は、遠隔制御器32を使用してテレビジョンの同調及びその他の操作を行うことができる。本実施例では、ケーブル信号がケーブルボックス26を介して供給され、DBSがIRDボックス28を介して供給される。テレビジョン22のアンテナ34をテレビ放送の追加のソースとして、ケーブル・ボックス26、IRDボックス28及び他の入力30と一緒に使用するようにしても良い。典型的な実施例では、アンテナ34及びケーブル・ボックス26が「ローカル」ソースとなる。
【0016】
他の入力30には、多数の衛星ソースを含めることができる。多数の衛星ソースが存在する場合には、コーディネータ20が利用者の衛星用ディッシュ・アンテナを動かすことにより、または、衛星用ディッシュ・アンテナの切換えを行うことにより、利用できる衛星ソース間の切換えを自動的に行う。衛星用ディッシュ・アンテナを自動的に動かすために、IRDボックス内のメモリが、DBS衛星用ディッシュ・アンテナを介して利用できる衛星ソースに関係して、DBS衛星用ディッシュ・アンテナの姿勢を追跡する。IRDボックス28が、DBS衛星用ディッシュ・アンテナを自動的に位置決めし、所望の衛星ソースがIRDボックス28で受信される。
【0021】
好適な実施例では、テレビジョン・ガイド情報は、利用できるテレビ・チャンネル上の垂直ブランキング期間に供給される。図1Aでは、コーディネータ20及びソース装置がテレビジョン22に連結されている。従って、コーディネータ20は、電話回線43を介して番組ガイド情報を受信し、テレビジョン22が多数のソースからテレビ番組情報を受信する。更に、テレビジョン22は、コーディネータ20から番組ガイド情報を受信する。
【0022】
本発明の別の実施例では、コーディネータ20は全てのソース装置入力を直接受信するよう構成されている。図1Bは、コーディネータに直接接続された多数のソースを備えたマルチ・ソーステレビ番組/テレビジョン・スケジュール・ガイド・システムのブロック図である。本実施例では、コーディネータ20が多数のソース26、28及び30の切換えを行い、次いで、所望のソースからテレビジョン22または別の宛て先装置へ情報を出力する。・・・メモリ等である。
【0023】
更に本発明の別の実施例では、DBS(IRDボックス28を介した)及びケーブル(ケーブル・ボックス26を介した)は、テレビジョン22に直列に接続されたソース装置として構成される。図1Cはソース装置としてのDBS及びケーブルを備えたテレビ番組/テレビジョン・スケジュール・ガイド・システムのブロック図である。この構成では・・・テレビジョン22へ入力を行う。
【0024】
図1Dは、DBS、・・・録画される。図1A?DにおけるVCRは、オプションである。更に・・・可能である。
【0025】
テレビジョン・スケジュール情報に・・・または垂直ブランキング期間に、DBSのトランスポンダを介して、番組スケジュールを受信するようにしても良い。
【0034】
図3は自動同調の処理の・・・
・・・
現在のテレビジョン22への入力ソースがソース識別子と関係したソースと同一であれば、コーディネータ20は、ステップ84において、該特定のソースを所望のチャンネルに同調させる。現在のソースが・・・確実にしてもよい。所望のソースに関係した正しいテレビジョン・チャンネルまたは入力を起動した後(あるいは同時に)、ステップ84において、IRエミッタ40が当該ソース内の受信機を所望のチャンネルに同調させる。次いで、・・・82が存在しない。
【0036】
従って、ソースの切換えを実行しなければならない。・・・
コーディネータ20は次いで、ステップ84において、IR発生器40を使用して、ケーブル・ボックス26を所望の第2チャンネルに同調させる。上記に述べたように・・・可能である。
【0041】
本発明の別の実施例では、コーディネータ20がIRDボックス28内に配置され、且つ、コーディネータ20がIR発生器を使用せずにDBS及びケーブル・ソースに必要とされる切換え及び同調を処理するよう構成される。利用者/消費者がガイドから非DBSチャンネルを選択すると、(最初のソースがDBSであった場合には)コーディネータが衛星用の統合受信デコーダ装置からケーブルに切換え、テレビジョン・チューナ、またはテレビジョンチューナ及びケーブル・ボックスを、所望のチャンネルに同調させる。・・・達成される。
【0044】
【図1A】図1Aは、テレビジョンに直接接続された多数のソースを備えたマルチ・ソース・テレビ番組/テレビジョン・スケジュール・ガイド・システムのブロック図である。
【図1B】図1Bは、コーディネータに直接接続された多数のソースを備えたマルチ・ソース・テレビ番組/テレビジョン・スケジュール・ガイド・システムのブロック図である。
【図1C】図1Cは、ソース装置としてDBS及びケーブルを備えたテレビ番組/テレビジョン・スケジュール・ガイド・システムのブロック図である。

【第4-2】無効理由2(明確性要件違反2「チャンネルガイド」)について

請求人が主張する無効理由2の要点は、請求項1,12の「チャンネルガイド」が不明確であるから、請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22の記載は明確性要件に違反するというものである(前記【第3-1】の[2](2)及び[3-2])。

〈請求項1、12について〉

ア 請求項の記載

独立請求項である請求項1の要件1B、1C、1D、請求項12の要件12B、12C、12Dは、次のとおりであり、請求項1(方法の発明)と請求項12(システムの発明)の上記各要件は、「こと」と「手段」が異なるだけである。

1B「該第1のソース装置から該第1の伝送方式を用いて伝送される第1の番組スケジュール情報と、該第2のソース装置から該第2の伝送方式を用いて伝送される第2の番組スケジュール情報とを受信することであって、該第1の番組スケジュール情報は、該複数の第1のテレビジョン番組のうちの1つに対応し、該第2の番組スケジュール情報は、該複数の第2のテレビジョン番組のうちの1つに対応する、ことと、」
1C「該第1の番組スケジュール情報と該第2の番組スケジュール情報とを有するチャンネルガイドを提供することと、」
1D「該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少なくともいくつかを表示することと、」

12B「該第1のソース装置から該第1の伝送方式を用いて伝送される第1の番組スケジュール情報と、該第2のソース装置から該第2の伝送方式を用いて伝送される第2の番組スケジュール情報とを受信する手段であって、該第1の番組スケジュール情報は、該複数の第1のテレビジョン番組のうちの1つに対応し、該第2の番組スケジュール情報は、該複数の第2のテレビジョン番組のうちの1つに対応する、手段と、」
12C「該第1の番組スケジュール情報と該第2の番組スケジュール情報とを有するチャンネルガイドを提供する手段と、」
12D「該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少なくともいくつかを表示する手段と、」

「チャンネルガイド」とは、その文言から、利用者にチャンネルについて案内するガイド、といえるところ、
要件1C及び1Dの上記規定、要件1Bの規定{「番組スケジュール情報」は、「テレビジョン番組」に対応すること}からすれば、
本件発明でいう「チャンネルガイド」は、「利用者に、チャンネルについて、複数の「番組スケジュール情報」を案内するガイド」ということができる。
そして、テレビジョン番組に対応する「番組スケジュール情報」とは、
技術常識からみて、一般に、放送が予定される番組についての放送予定スケジュールを示す情報(番組の放送予定情報)といい得ることは明らかであり、かかる情報とは、通常、いかなる特定の番組が、いかなる特定のチャンネルで、いかなる特定の時間に放送する予定なのかを示す予定情報と理解される。

そして、そのような「案内するガイド」としては、画面表示されたガイドを一応想定することができるものの、
要件1Dで「該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少なくともいくつかを表示」とすることから、そこでいう「チャンネルガイド」とは、画面表示されたそのもの(画面表示後のもの)をいうものではなく、画面表示前のものをいうことは明らかであり、
したがって、要件1Cの「チャンネルガイド」も画面表示前のものをいい、要件1Cでいう「提供すること」とは、画面表示する前に提供(供給)することをいい、要件1Dで、「提供された」もの(チャンネルガイド)を受けて、これに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少なくともいくつかを表示する、と合理的に理解される。

また、請求項1を引用する請求項3(請求項12を引用する請求項14)には、
【請求項3】
3A:前記複数の番組スケジュール情報を所望の順序で混合し、ソートすることと、
3B:該複数の番組スケジュール情報を所望の順序で提供することと
をさらに包含する、請求項1に記載の方法。
(【請求項14】
14A:前記複数の番組スケジュール情報を所望の順序で混合し、ソートする手段と、
14B:該複数の番組スケジュール情報を所望の順序で提供する手段と
をさらに含む、請求項12に記載のシステム。)
とあり、
「さらに」との記載はあるものの、合理的に理解すれば、実質上、請求項1(請求項12)の要件1C(12C)の「提供する」内容を限定しているものと理解され、このことから、
要件1C(12C)が「提供する」とする「チャンネルガイド」は、
前記複数の番組スケジュール情報を所望の順序で混合し、ソートし、該複数の番組スケジュール情報を所望の順序で提供することを含んでいうもの、と理解される。

以上のことからすれば、請求項1の記載からすれば、
請求項1でいう「チャンネルガイド」とは、
「画面表示されたチャンネルガイド」、「チャンネルガイドの画面表示」、「チャンネルガイド表示」等で表現される「画面表示後のチャンネルガイド」を意味するものではなく、
「画面表示前のチャンネルガイド」、つまり、「チャンネルガイド表示に対応するチャンネルガイドデータ」を意味するものと理解され、
まとめれば、

請求項1でいう「チャンネルガイド」とは、
『(画面表示後のチャンネルガイドではなく)
画面表示前のチャンネルガイドであって、
チャンネルガイド表示-利用者に、特定のチャンネルについて、そこで放送される複数の番組スケジュール情報(番組の放送予定情報-その特定のチャンネルで、いかなる特定の番組が、いかなる特定の時間に放送されるかの予定情報)を案内するガイド表示-に対応するガイドデータ』
(『前記複数の番組スケジュール情報を所望の順序で混合し、ソートし、該複数の番組スケジュール情報を所望の順序で提供するものを含む』)
と合理的に理解できる。

また、独立請求項である請求項12についても、以上と同じことが言えることは明らかである。

イ 発明の詳細な説明の記載
そして、「チャンネルガイド」について、本件発明の詳細な説明の記載(下記「記B」参照、特に下線部・段落【0001】【0008】【0019】【0028】【0029】)に照らし検討する。

イ-1 段落【0001】【0008】の記載

段落【0001】において、
「テレビジョン・スケジュール・ガイドに関する情報」は、「利用可能なチャンネル及び該チャンネルそれぞれのテレビ番組を」「スクリーン上に」「通常、利用可能なチャンネルがY軸上に表示され、時間枠がX軸を占める」「格子(グリッド)状に表示するために使用され」とされ(段落【0001】前段)、これに続いて
「これらの一覧表にされたチャンネルは、順番にまたは所望の所定の順序でテレビジョン画面上に表示することができる。」(段落【0001】後段)と説明されており、
段落【0008】では、
本件発明を、「本発明は、テレビジョン・システムのチャンネル・ガイド情報を組合せる(マージする)方法」で「チャンネル・ガイド情報の受信及び記憶を含む」と概要説明した上、
(i)チャンネル・ガイド情報は、多数のテレビジョン信号ソースから受信される。
(ii)このチャンネル・ガイド情報を受信した後で、システムが該情報を混合分類して所望の順序に並べる。
(iii)最後に、このチャンネル・ガイド情報の表示が生成されて、所望の順序でテレビジョンに表示される。
と、3段階のステップを説明しており、
請求項1、請求項12との関係でみれば、
上記(i)は、番組スケジュール情報を受信することを特定する要件1B・12Bに対応し、
上記(ii)の「システムが該情報を混合分類して所望の順序に並べ」たものは、「前記複数の番組スケジュール情報を所望の順序で混合し、ソートし、該複数の番組スケジュール情報を所望の順序で提供するものを含む」とした上記「チャンネルガイド」の解釈に整合し、“チャンネルガイド”を提供することを特定する要件1C・12Cに対応し、
上記(iii)の「最後に、このチャンネル・ガイド情報の表示が生成されて、所望の順序でテレビジョンに表示される。」も、上記「チャンネルガイド」の解釈に整合し、“該チャンネルガイド”に含まれる番組スケジュール情報を表示することを特定する要件1D・12Dに、それぞれ対応するものということができる。

イ-2 図2、段落【0019】の記載
段落【0019】には、「番組スケジュール情報(即ちガイド)」とあり、“ガイド”を“情報”と同一視していて、“ガイド”なる用語を(「画面表示されたガイド」ではなく)ガイド“情報”としている。

イ-3 図2、段落【0028】、【0029】(一部)に記載される実施例のもの
以上を踏まえて、好適な実施例を説明する段落【0028】の記載
「図2は、テレビジョン・ガイド情報から組み立てられた格子状のスケジュール・ガイドの画面表示の例である。本発明の格子状ガイドはまた、テーマ・ガイド、チャンネル・ガイド及び番組情報を表示するその他のガイドを含んでる。好適な実施例では、コーディネータ20が利用できる番組ガイド情報を全て収集及び分類し終わった後、コーディネータ20は、図2に図示した格子状ガイドを生成し、テレビジョン22の画面上に表示する。・・・符号50で表される格子状ガイドは、全てのチャンネルまたは選択されたチャンネル52のラインナップを、時間56にそのチャンネルで利用できる番組54の説明とともに提供する。例えば、第2チャンネル58では、午後1時?2時の間、バットマン60が放映され、午後2時?2時30分の間、ソープ(ホームコメディ)62が放映される。」(段落【0028】)
と、段落【0029】の記載
「格子状ガイドが使用される場合には、チャンネル52のラインナップを、(1)チャンネルが番号またはアルファベット順になるように、または(2)チャンネルがそれぞれの特定のソースと関係した順になるように、または(3)チャンネルが利用者がプログラムした混合した順になるように、または(4)チャンネルがその他の任意の配置となるように配列することが可能である。・・・チャンネルの順番52が決定される。従って、任意の所望の配列でチャンネル52のラインナップが可能となる。」(段落【0029】)と、
そこに記載された実施例のものについて検討する。

(a)好適な実施例として図2に示される「格子状ガイド(50)」は、“格子状ガイド”の画面表示の例とされていて、ここでも、“格子状ガイド”そのものが、画面表示されたもの(図2に示される「格子状ガイド(50)」)とは説明しておらず、上記「チャンネルガイド」の解釈と齟齬するわけではなく、むしろガイドデータと理解する方が自然というべきである。

(b)本発明の“格子状ガイド”はまた、テーマ・ガイド、チャンネル・ガイドを含んでる、と説明されている。
番組ガイド情報を全て収集及び分類し終わった後に、生成して、テレビジョン22の画面上に表示した「画面表示された格子状ガイド(50)」は、
全てのチャンネルまたは選択されたチャンネル52のラインナップを時間56にそのチャンネルで利用できる番組54の説明とともに提供する、と説明していること、
段落【0029】でも上記のとおり「格子状ガイドが使用される場合には、チャンネル52のラインナップを」順に配列すると説明されていること、
及び図2から、
その各ラインナップは、1つのチャンネルについて、そのチャンネルで利用できる番組が何であって、いかなる時間に放送されるかを示すものと理解できる。
そうすると、本実施例のものにおける、「画面表示された格子状ガイド(50)」は、段落【0008】の(iii)で説明される「所望の順序でテレビジョン画面上に表示」された「チャンネル・ガイド情報の表示」と理解され、
(1)その『画面表示された格子状ガイド(50)の「チャンネル52のラインナップ」の1つである、例えば、2チャンネルの行部分』は、
「第2チャンネル58では、午後1時?2時の間、バットマン60が放映され、午後2時?2時30分の間、ソープ(ホームコメディ)62が放映される」ということを示す2チャンネルについての「チャンネルガイド」の画面表示」と理解され、
『利用者に、特定のチャンネルについて、そこで放送される複数の番組スケジュール情報(番組の放送予定情報-その特定のチャンネルで、いかなる特定の番組が、いかなる特定の時間に放送されるかの予定情報)を案内するガイド表示』ということができる。
(2)そして、本実施例のものにおける
『画面表示された図2の格子状ガイド(50)の、「チャンネル52のラインナップ」(複数)である、例えば、2?4チャンネルの行部分』は、「第1のソース装置から該第1の伝送方式を用いて伝送される第1の番組スケジュール情報」(要件1B・12B)を示し、
同じく『画面表示された図2の格子状ガイド(50)の、「チャンネル52のラインナップ」(複数)である、例えば、HBO以下のの行部分』は、「第2のソース装置から該第2の伝送方式を用いて伝送される第2の番組スケジュール情報」(要件1B・12B)を示し、
これらを合わせた図2の「画面表示された格子状ガイド(50)」は、「第1の番組スケジュール情報と該第2の番組スケジュール情報とを有するチャンネルガイド表示」ということができる。

(3)また、
・テレビジョンスケジュールガイド自体は、数日分の番組スケジュール情報を有していて、TV画面の広さの制約からその一部をガイド表示するのが常であり技術常識であること、
・図2に示される「格子状ガイド(50)」の時間欄56に「・・・」とあることから、「格子状ガイド」そのものは、画面に表示されていない(4時間を超える)もっと多くの時間帯部分も有しているものと普通に理解されること、
・「選択されたチャンネル52のラインナップを時間56にそのチャンネルで利用できる番組54の説明とともに提供する。」とあること
からすれば、
本実施例のものは、
『図2の「画面表示された格子状ガイド(50)」に対応するガイドデータであって、「画面表示された格子状ガイド(50)」に表示されていない時間やチャンネル分も含む格子状ガイドデータ』を元にして、図2の「画面表示された格子状ガイド(50)」が表示されている、とごく普通に理解される。

そして、その元となる上記『格子状ガイドデータ』は、
『(画面表示後のチャンネルガイドではなく)
画面表示前のチャンネルガイドであって、
チャンネルガイド表示-利用者に、特定のチャンネルについて、そこで放送される複数の番組スケジュール情報(番組の放送予定情報-その特定のチャンネルで、いかなる特定の番組が、いかなる特定の時間に放送されるかの予定情報)を案内するガイド表示-に対応するガイドデータ』
という上記「チャンネルガイド」の解釈に符合するものであり、
その元となる上記『格子状ガイド-データ』が「提供」(供給)され、その「提供」(供給)された元となる上記『格子状ガイド-データ』を受けて、図2の「画面表示された格子状ガイド(50)」が表示される、
と理解される。

すなわち、本実施例のものは、
(i)請求項1、12でいう「チャンネルガイド」に対応する、
『図2の「画面表示された格子状ガイド(50)」に対応するガイドデータであって、「画面表示された格子状ガイド(50)」に表示されていない時間やチャンネル分も含む格子状ガイドデータ』が、「提供」(供給)される。
このことは、
1C「該第1の番組スケジュール情報と該第2の番組スケジュール情報と
を有するチャンネルガイドを提供することと、」、
12C「該第1の番組スケジュール情報と該第2の番組スケジュール情報
とを有するチャンネルガイドを提供する手段と、」
に対応し、これら要件に合致するものである。
(ii)次に、その「提供」(供給)された上記『格子状ガイドデータ』(請求項1、12でいう「チャンネルガイド」)を受けて、
当該『格子状ガイドデータ』に含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少なくともいくつかを表示する。
このことは、
1D「該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうち
の少なくともいくつかを表示することと、」
12D「該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のう
ちの少なくともいくつかを表示する手段と、」
に対応し、これら要件に合致するものである。

ウ まとめ(請求項1,12の記載不備)

請求項1,12でいう「チャンネルガイド」とは、
請求項1,12の記載自体(ア)、発明の詳細な説明の記載(イ)からみて、
『(画面表示後のチャンネルガイドではなく)
画面表示前のチャンネルガイドであって、
チャンネルガイド表示-利用者に、特定のチャンネルについて、そこで放送される複数の番組スケジュール情報(番組の放送予定情報-その特定のチャンネルで、いかなる特定の番組が、いかなる特定の時間に放送されるかの予定情報)を案内するガイド表示-に対応するガイドデータ』
(『前記複数の番組スケジュール情報を所望の順序で混合し、ソートし、該複数の番組スケジュール情報を所望の順序で提供するものを含む』)
と理解される。

そして、そのように「チャンネルガイド」に理解することが、請求項1,12記載の発明を不明確にするものでもなく、
請求項1、12に基づいて特許を受けようとする発明がまとまりのある一つの技術的思想として把握できるものである。

以上によれば、
請求項1,12の「チャンネルガイド」は明確でない、とはいえないし、
請求項1,12の記載は、「チャンネルガイド」が明確でないから明確性要件に違反する(特許を受けようとする発明が明確でない)ともいえない。

〈請求人の主張について〉
「本発明の格子状ガイドはまた、テーマ・ガイド、チャンネル・ガイド及び番組情報を表示するその他のガイドを含んでる。」(段落【0028】)に記載される「テーマ・ガイド」、「番組情報を表示するその他のガイド」はいかなるものか、図2の格子状ガイド(50)をみても不明であるのと同様、これらと同列に記載される「チャンネル・ガイド」も不明である旨主張する(前記【第3-1】[3-2]ウ)。
確かに、「テーマ・ガイド」、「番組情報を表示するその他のガイド」がいかなるものかは、画面表示された図2の格子状ガイド(50)をみても理解困難であるものの、
「チャンネル・ガイド」は、これらのガイドとは異なり、上記「記B」に示した段落に説明されていて、上記のとおり理解される以上、上記請求人の主張は採用できない。

〈請求項2,3,5?8,10,11、及び
請求項13,14,16?19,21,22について〉

これら各請求項についての無効理由2(明確性要件違反2)は、請求項1,12の記載は「チャンネルガイド」が明確でないから明確性要件に違反することを前提とするものであるところ、
その前提が成り立たないことは上記のとおりであるから、
これら各請求項についての無効理由2(明確性要件違反2)も、理由がない。
すなわち、(請求項1,12の記載は「チャンネルガイド」が明確でないから明確性要件に違反することを理由に)請求項2,3,5?8,10,11及び請求項13,14,16?19,21,22の記載が明確性要件に違反するとはいえない。

【まとめ:無効理由2(明確性要件違反2「チャンネルガイド」)】
以上によれば、特許請求の範囲の請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22のいずれの記載も、特許法第36条第6項第2号「特許を受けようとする発明が明確であること」(明確性要件)の規定を満たさない、とはいえない。
したがって、本件発明1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22に係る特許は,いずれも、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであるから同法第123条第1項第4号に該当し無効とすべきものである、とすることはできない。

記B(本件の発明の詳細な説明(甲1号証)、
「チャンネルガイド」関連)
「【0001】
(発明の背景)
従来の技術として、テレビジョン・スケジュール・ガイドに関する情報を提供する装置が幾つかある。これらの情報は、利用可能なチャンネル及び該チャンネルそれぞれのテレビ番組を、スクリーン上に格子(グリッド)状に表示するために使用される。通常、利用可能なチャンネルがY軸上に表示され、時間枠がX軸を占めることになる。これらの一覧表にされたチャンネルは、順番にまたは所望の所定の順序でテレビジョン画面上に表示することができる。米国特許第5353121号には、斯かるシステムが開示されており、当業界で幅広く受け入れられている。米国特許第5353121号は、参照することにより本書に組み入れられている。」
「【0007】
本発明の好適な実施例では、本発明は、入力信号及び番組情報の調整(コーディネート)に関しており、より詳細には(1)多数のソースから受信するテレビジョン・スケジュールガイド情報の調整、(2)・・・」
「【0008】
本発明は、テレビジョン・システムのチャンネル・ガイド情報を組合せる(マージする)方法を提供する。この方法は、チャンネル・ガイド情報の受信及び記憶を含む。チャンネル・ガイド情報は、多数のテレビジョン信号ソースから受信される。このチャンネル・ガイド情報を受信した後で、システムが該情報を混合分類して所望の順序に並べる。最後に、このチャンネル・ガイド情報の表示が生成されて、所望の順序でテレビジョンに表示される。」
「【0010】
(特定の実施例の説明)
本発明は、テレビ番組及びテレビジョン・スケジュール・ガイド情報を調整する同調方式を提供する。このテレビジョン・スケジュール・ガイド情報は多数のソースから受信することが可能である。・・・スケジュール情報には、該スケジュール情報が特定のソースからのものであることを識別するソース識別子が設けられている。スケジュール情報は、組織的に分類されて利用者へ配給される。」
「【0011】
利用者が表示されたガイド内の表示チャンネルの1つに配置されたショーまたはチャンネルを選択すると、システムが該ショーまたはチャンネルに関係したソース識別子を読み取る。」
「【0019】
IRDボックス28は、一実施例では、衛星用ディッシュ・アンテナ29を介してテレビ番組及びその他の情報を受信する。IRDボックス28は、次いで、番組スケジュール情報をシステムに供給する。スケジュール情報はDBSサービス提供者またはその契約会社により伝送された信号に追加される。DBSサービスの例として、ダイレクトTV(DirectTV)及びUSSBが上げられる。この番組スケジュール情報(即ちガイド)に、特定のソースで利用できるチャンネル情報を含んだチャンネル・マップを含ませてもよい。DBSガイドに関係した情報は、IRDボックス受信機のRAM42に記憶される、即ちダウンロードされる。同様に、番組ガイド情報をケーブル・ボックス26、他の入力30、アンテナ34、及びその他の任意の伝送媒体(例えば、専用ツイスト・ペア電話回線)の少なくとも1つを介して受信することができる。これらソースの各々は、サービス提供者により伝送された信号内にテレビジョン・スケジュール・データを含むようにしてもよい。」
「【0028】
図2は、テレビジョン・ガイド情報から組み立てられた格子状のスケジュール・ガイドの画面表示の例である。本発明の格子状ガイドはまた、テーマ・ガイド、チャンネル・ガイド及び番組情報を表示するその他のガイドを含んでる。好適な実施例では、コーディネータ20が利用できる番組ガイド情報を全て収集及び分類し終わった後、コーディネータ20は、図2に図示した格子状ガイドを生成し、テレビジョン22の画面上に表示する。この格子状ガイドもまた、IRDボックス、衛星用受信機、テレビジョン、VCR、本社位置等の内部に生成することが可能である。符号50で表される格子状ガイドは、全てのチャンネルまたは選択されたチャンネル52のラインナップを、時間56にそのチャンネルで利用できる番組54の説明とともに提供する。例えば、第2チャンネル58では、午後1時?2時の間、バットマン60が放映され、午後2時?2時30分の間、ソープ(ホームコメディ)62が放映される。テーマ毎、チャンネル毎、又はランダムのリストを、図2に示した格子状ガイドに代えて使用することも可能である。」
「【0029】
格子状ガイドが使用される場合には、チャンネル52のラインナップを、(1)チャンネルが番号またはアルファベット順になるように、または(2)チャンネルがそれぞれの特定のソースと関係した順になるように、または(3)チャンネルが利用者がプログラムした混合した順になるように、または(4)チャンネルがその他の任意の配置となるように配列することが可能である。・・・更に、コーディネータ20が、自動的に利用者の習慣に基づいて、チャンネルのラインナップを行うことができる。このチャンネルの自動配列のモードが利用者により選択されると、利用者の習慣に基づいたアルゴリズムを使用して、チャンネルの順番52が決定される。従って、任意の所望の配列でチャンネル52のラインナップが可能となる。」


【第4-3】無効理由3(サポート要件違反(36条6項1号)、
原文新規事項)について

(1)サポート要件違反(36条6項1号)

請求人の主張する無効理由3(サポート要件違反)の要点は、発明の詳細な説明の段落【0028】の「格子状ガイドを生成し,テレビジョン22の画面上に表示する」との記載は「格子状ガイド」についての記載であって、「チャンネルガイド」についての記載ではなく、
「チャンネルガイド」について、要件1C・12C,1D・12Dとすることは、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されていないから、請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22の記載はサポート要件に違反するというものである(前記【第3-1】の[2](3-1)及び[3-3](1))。

請求項1、12でいう「チャンネルガイド」は、
『(画面表示後のチャンネルガイドではなく)
画面表示前のチャンネルガイドであって、
チャンネルガイド表示-利用者に、特定のチャンネルについて、そこで放送される複数の番組スケジュール情報(番組の放送予定情報-その特定のチャンネルで、いかなる特定の番組が、いかなる特定の時間に放送されるかの予定情報)を案内するガイド表示-に対応するガイドデータ』
(『前記複数の番組スケジュール情報を所望の順序で混合し、ソートし、該複数の番組スケジュール情報を所望の順序で提供するものを含む』)
と解されることは、前記「【第4-2】無効理由2」のとおりであるところ、
そのように解される「チャンネルガイド」について、要件1C・12C,1D・12Dとすることが、発明の詳細な説明に記載されていると言えることは、既に、前記「【第4-2】無効理由2のイ」で検討したとおりである。

念のためにみておくと、段落【0028】【0029】に記載される実施例のものは、
上記に解される「チャンネルガイド」に対応する、
・『図2の「画面表示された格子状ガイド(50)」に対応するガイドデータであって、「画面表示された格子状ガイド(50)」に表示されていない時間やチャンネル分も含む格子状ガイドデータ』が、「提供」(供給)され(要件1C,12C)、
・その「提供」(供給)された上記『格子状ガイドデータ』を受けて、
当該『格子状ガイドデータ』に含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少なくともいくつかを表示する(要件1D,12D)もので、
・上記『格子状ガイドデータ』は、「第1の番組スケジュール情報と該第2の番組スケジュール情報とを有する」(要件1C,12C)ものであって
{『画面表示された図2の格子状ガイド(50)の、「チャンネル52のラインナップ」(複数)である、例えば、2?4チャンネルの行部分』に対応するガイドデータは、
「第1のソース装置から該第1の伝送方式を用いて伝送される第1の番組スケジュール情報」(要件1B・12B)といえ、
『画面表示された図2の格子状ガイド(50)の、「チャンネル52のラインナップ」(複数)である、例えば、HBO以下のの行部分』に対応するガイドデータは、
「第2のソース装置から該第2の伝送方式を用いて伝送される第2の番組スケジュール情報」(要件1B・12B)といえ、
上記『格子状ガイドデータ』は、これらを合わせた図2の「画面表示された格子状ガイド(50)」に対応するものである。}
要件1C・12C,1D・12Dを備えるものである。

このことは、上記のとおり解釈した「チャンネルガイド」について、要件1C,1D,12C,12Dとすることが記載されていることを示すものである。
したがって、「チャンネルガイド」について、要件1C・12C,1D・12Dとすることは、本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されているということができ、サポート要件に違反するとはいえない。

同様に、「チャンネルガイド」についての要件1C,要件1Dを含む請求項1?3,5?8,10,11の記載、
「チャンネルガイド」についての要件12C,要件12Dを含む請求項12?14,16?19,21,22の記載、
のいずれの記載もサポート要件に違反するとはいえない。

すなわち、請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22の記載は、いずれも、特許法第36条第6項第1号「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること」(サポート要件)の規定を満たさない、とはいえない。

【まとめ:無効理由3(サポート要件違反(36条6項1号)】

以上によれば、本件発明1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22に係る特許は、いずれも、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してなされたものであるから同法第123条第1項第4号に該当し無効とすべきものである、とすることはできない。

(2)原文新規事項追加(36条6項1号)

請求人の主張する無効理由3(原文新規事項追加)の要点は、要件1D及び要件12Dは,
いずれも,本件特許の国際出願日における国際出願の明細書,請求の範囲及び図面(以下「原文」という。)に記載されておらず,本件特許の願書に添付した明細書又は図面に記載した事項が原文に記載した事項の範囲内にないから、
本件発明1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22に係る特許は、特許法第123条第1項第5号に該当する、
というものである(前記【第3-1】の[2](3-2)及び[3-3](2))。

ア しかし、前記【第1】のとおり、本件特許に係る出願は、
平成8年4月4日(パリ条約による優先権主張:平成7年4月17日、米国)を国際出願日とする出願である特願平8-531776号(以下、「原出願」ともいう。)の一部を新たな特許出願(特願2006-211507号)として出願したものであって、
外国語書面出願ではない(その原出願が外国語書面出願である。)から、
そもそも、(平成14年改正前特許法第184条の18によって読み替えて適用される)特許法第123条第1項第5号は、適用され得ないものである。

【まとめ:無効理由3(原文新規事項追加)】
以上によれば、本件発明1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22に係る特許は、(平成14年改正前特許法第184条の18によって読み替えて適用される)特許法第123条第1項第5号に該当し無効とすべきものである、とすることはできない。

〈付記〉
なお、請求人は、要件1D及び要件12Dが、平成21年7月13日付けの手続補正書によって新たに挿入されたものである、とも主張しているので、以下にみておく。

要件1D及び12Dが本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されているとした根拠である上記段落【0001】【0007】【0008】【0010】【0011】【0019】【0028】【0029】(上記「記B」)の記載事項は、
本件特許の願書の最初に添付した明細書の発明の詳細な説明の段落【0001】【0007】【0008】【0010】【0011】【0019】【0028】【0029】の記載事項と同じであるから、
要件1D及び12Dは、本件特許の願書の最初に添付した明細書の発明の詳細な説明に記載されていたともいうことができる。

また、本件出願の原出願は、外国語書面出願であるところ、その外国語書面{国際出願(PCT/US96/04731)の外国語書面(以下、単に「外国語書面」という}の記載事項は、甲14号証(国際公開第96/33572号(WO96/33572))に示されるものである{その翻訳文は、上記国際公開に対応する、本件特許の原出願に係る公表特許公報である甲15号証(特表平11-504171号公報)を採用することとする。}。
そして、要件1D及び12Dが本件特許明細書の発明の詳細な説明に記載されているとした根拠である上記段落【0001】【0007】【0008】【0010】【0011】【0019】【0028】【0029】(上記「記B」)の記載事項は、
甲14号証(国際公開)の下記「記C」の記載事項と実質的に同じであるから、
要件1D及び12Dは、本件出願の原出願の外国語書面に記載されていた
ともいうことができる。

記C(甲第14号証;国際公開第96/33572号、
「チャンネルガイド」関連 )

「BACKGROUND OF THE INVENTION
The prior art includes several arrangements for presenting information associated with a television schedule guide. This information is often used to provide an on-screen grid-like display of the available channels along with their related television shows. Usually, a list of available channels are displayed on the y-axis and time slots occupy the x-axis. These listed channels can appear sequentially or in any preferred, predetermined order within the display on the television. U.S. Patent No. 5,353,121 is representative of such systems, and has found wide success in the industry. U.S. Patent No. 5,353,121 is hereby incorporated by reference.」(1頁6行?17行)
{翻訳;「(発明の背景)
従来の技術として、テレビジョン・スケジュール・ガイドに関する情報を提供する装置が幾つかある。これらの情報は、利用可能なチャンネル及び該チャンネルそれぞれのテレビ番組を、スクリーン上に格子(グリッド)状に表示するために使用される。通常、利用可能なチャンネルがY軸上に表示され、時間枠がX軸を占めることになる。これらの一覧表にされたチャンネルは、順番にまたは所望の所定の順序でテレビジョン画面上に表示することができる。米国特許第5353121号には、斯かるシステムが開示されており、当業界で幅広く受け入れられている。米国特許第5353121号は、参照することにより本書に組み入れられている。」(甲15号証、段落【0001】)}

「In the preferred embodiment, the present invention is directed to coordinating input signals and program information, and more particularly to (1) coordinating television schedule guide information received from multiple sources, (2) ・・・」(2頁33行?37行)
{翻訳;「本発明の好適な実施例では、本発明は、入力信号及び番組情報の調整(コーディネート)に関しており、より詳細には(1)多数のソースから受信するテレビジョン・スケジュールガイド情報の調整、(2)・・・」(段落【0007】)」

「The present invention provides a method of merging channel guide information in a television system. This method includes the receiving and storing of channel guide information. The channel guide information is received from multiple television signal sources. After receiving this channel guide information, the system mixes and sorts it into a desired order. Finally, a display of this channel guide information is generated and then shown on a television in the desired order.」(3頁8行?16行)
{翻訳;「本発明は、テレビジョン・システムのチャンネル・ガイド情報を組合せる(マージする)方法を提供する。この方法は、チャンネル・ガイド情報の受信及び記憶を含む。チャンネル・ガイド情報は、多数のテレビジョン信号ソースから受信される。このチャンネル・ガイド情報を受信した後で、システムが該情報を混合分類して所望の順序に並べる。最後に、このチャンネル・ガイド情報の表示が生成されて、所望の順序でテレビジョンに表示される。」(段落【0008】)

「The present invention provides a tuning scheme which coordinates television programs and television schedule guide information. This television schedule guide information can be received from numerous sources. ・・・The schedule information is provided with a source identifier which identifies that schedule information as being from a particular source. The schedule information is sorted and displayed in an organized fashion to the user.」(4頁7行?21行)
{翻訳;「本発明は、テレビ番組及びテレビジョン・スケジュール・ガイド情報を調整する同調方式を提供する。このテレビジョン・スケジュール・ガイド情報は多数のソースから受信することが可能である。・・・スケジュール情報には、該スケジュール情報が特定のソースからのものであることを識別するソース識別子が設けられている。スケジュール情報は、組織的に分類されて利用者へ配給される。」(段落【0010】)}

「When a user selects a show or channel located on one of the displayed channels within a displayed guide, the system reads the source identifier associated with that show or channel. 」(4頁22行?25行)
{翻訳;「利用者が表示されたガイド内の表示チャンネルの1つに配置されたショーまたはチャンネルを選択すると、システムが該ショーまたはチャンネルに関係したソース識別子を読み取る。」(段落【0011】)}

「IRD box 28 receives television programs along with other information via, in one embodiment, satellite dish 29. IRD box 28 then provides program schedule information to the system. The schedule information is added to the transmitted signal by the DBS service provider or a company under contract. Examples of DBS service providers include Direct TV and USSB. This program schedule information (or guide) may also include a channel map that contains the channel information which is available on a particular source. Information associated with the DBS guide is saved in the IRD box receiver's RAM 42 or downloaded. Similarly, program guide information can be received through cable box 26, other inputs 30, antenna 34, and/or through any other transmission medium (e.g., dedicated twisted pair telephone line) . Each of these sources may also be provided with television schedule data within the signal transmitted by the service provider.」(7頁8行?23行)
{翻訳;「IRDボックス28は、一実施例では、衛星用ディッシュ・アンテナ29を介してテレビ番組及びその他の情報を受信する。IRDボックス28は、次いで、番組スケジュール情報をシステムに供給する。スケジュール情報はDBSサービス提供者またはその契約会社により伝送された信号に追加される。DBSサービスの例として、ダイレクトTV(Direct TV)及びUSSBが上げられる。この番組スケジュール情報(即ちガイド)に、特定のソースで利用できるチャンネル情報を含んだチャンネル・マップを含ませてもよい。DBSガイドに関係した情報は、IRDボックス受信機のRAM42に記憶される、即ちダウンロードされる。同様に、番組ガイド情報をケーブル・ボックス26、他の入力30、アンテナ34、及びその他の任意の伝送媒体(例えば、専用ツイスト・ペア電話回線)の少なくとも1つを介して受信することができる。これらソースの各々は、サービス提供者により伝送された信号内にテレビジョン・スケジュール・データを含むようにしてもよい。」(段落【0019】)}

「Fig. 2 is an example of an on-screen display of a schedule grid guide that has been assembled from the television guide information. The grid guide of the present invention also refers to and includes theme guides, channel guides, and other guides which display program information. In the preferred embodiment, after coordinator 20 has collected and sorted all the available program guide information, coordinator 20 generates the grid guide set forth in Fig. 2 for display on television 22. This grid guide can also be generated within the IRD box, a satellite receiver, the television, the VCR, a central office location, etc. The grid guide, designated generally with the reference numeral 50, provides a line up of all channels or a selection of channels 52 along with a description of the shows 54 available on those channels at certain times 56. For example, channel 2 58 has BATMAN 60 as a show from 1:00p.m. to 2:00p.m. and SOAP 62 as a show from 2:00 p.m. to 2:30 p.m. A theme, or channel, or random, etc. listing can be used instead of the grid guide shown in Fig. 2.」(9頁30行?10頁10行)
{翻訳;「図2は、テレビジョン・ガイド情報から組み立てられた格子状のスケジュール・ガイドの画面表示の例である。本発明の格子状ガイドはまた、テーマ・ガイド、チャンネル・ガイド及び番組情報を表示するその他のガイドを含んでる。・・・符号50で表される格子状ガイドは、全てのチャンネルまたは選択されたチャンネル52のラインナップを、時間56にそのチャンネルで利用できる番組54の説明とともに提供する。例えば、第2チャンネル58では、午後1時?2時の間、バットマン60が放映され、午後2時?2時30分の間、ソープ(ホームコメディ)62が放映される。テーマ毎、チャンネル毎、又はランダムのリストを、図2に示した格子状ガイドに代えて使用することも可能である。」(段落【0028】)}

「If a grid guide is used, the lineup of channels 52 can be arranged such that (1) channels are in numerical and/or alphabetical order, or (2) channels are in an order associated with their particular source, or (3) channels are in a mixed order programmed by a user, or (4) channels are in any other arrangement. 」(10頁11行?16行)
{翻訳;「格子状ガイドが使用される場合には、チャンネル52のラインナップを、(1)チャンネルが番号またはアルファベット順になるように、または(2)チャンネルがそれぞれの特定のソースと関係した順になるように、または(3)チャンネルが利用者がプログラムした混合した順になるように、または(4)チャンネルがその他の任意の配置となるように配列することが可能である。」(段落【0029】)}

【第4-4】無効理由4(新規性欠如・進歩性欠如)について

請求人の主張する無効理由4(新規性欠如・進歩性欠如)は、無効理由1、2が成立しない場合の予備的主張であるとしており、その要点は、
(4-1)新規性欠如
請求項1,2,5,8,10,12,13,16,19,21(計10)に係る特許発明は、甲2号証に記載された発明である(新規性欠如)から、特許法第29条第1項3号に該当し特許を受けることができない。
(4-2)進歩性欠如
請求項3,7,11,14,18,22(計6)に係る特許発明は、甲2号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
請求項6,17(計2)に係る特許発明は、甲2号証に記載された発明及び甲5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
というものである。{前記【第3-1】[2](4)、[3-4]}

以下、甲2号証,甲5号証などを、「甲2」、「甲5」などともいい、甲2号証記載の発明を「甲2発明」などともいう。

[1]甲2,5号証の記載
甲2,5号証には、以下の記載がある。なお、摘示した各記載事項に付した「(K1)」等の記号は、本審決で付した記号であり、請求人が摘示した箇所には「(ア)」等の記号を併記した。また注目する記載部分には下線を施した。

(1)甲2号証(特表平6-504165号公報)

甲2号証には以下の記載がある。

(K1)「請求の範囲
1.テレビジョンスケジュールシステムであって表示部と、
異なったテレビジョン番組時間長に応じて、長さを変化させる不規則なセルのアレーとして前記表示部へテレビジョンスケジュールを表示するために前記表示部へ接続されている手段と、
前記表示部の前記テレビジョンスケジュールヘカーソルを提供するため前記表示部へ接続されている手段と、前記カーソルは、前記カーソルが置かれている不規則なセルの選択された一つのセルの長さに応じて可変長の長さを有し、
等長のステップのシリーズのアレーで前記カーソルを移動する目的で前記カーソルを提供するための前記手段に接続された手段とを含み、少なくとも前記不規則なセルのあるものは前記ステップの長さより長い長さを有すことを特徴とするテレビジョンスケジュールシステム。」(請求項1)

(K2)「69.テレビジョンスケジュールシステムであって、
表示部と、
前記表示部へテレビジョンスケジュールを表示するため前記表示部へ接続されている手段と、
スケジュールを表示するための前記手段は、スケジュール情報の表示のため、希望チャンネルの第一の数をユーザーが選択できるように構成可能であり、前記第一の数が、利用可能チャンネルの第二の数より少なく、
スケジュールを表示するための前記手段へ接続されているプログラマブルチューナと、
チャンネルアップあるいはチャンネルダウンコマンドに応答して前記表示部へ前記テレビジョンスケジュールが表示されるとき、前記希望チャンネルの第一の数を追尾するように前記プログラマブルチューナは構成され、かつチャンネルアップあるいはチャンネルダウンコマンドに応答して前記表示部に前記テレビジョンスケジュールが存在しない場合は、前記利用可能なチャンネルの第二の数を追尾するように前記プログラマブルチューナは構成されていることを特徴とするテレビジョンスケジュールシステム。」(請求項69)

(K3)「1.発明の分野
本発明は、一般に、テレビジョン視聴者がスクリーン上のテレビジョンのプログラムリストにアクセスし、ビデオカセットレコーダー(VCR)またはその他の記録装置を容易かつ便利な方法で制御するために番組リストの使用を可能とするシステムおよび方法に関する。更に、本発明は、容易な呼び出しおよび再生のため、タイトルによって記録番組のディレクトリを作成するシステムおよび方法に関する。より具体的には、VCRまたは他の記録装置が、将来の日付と時間の記録についても、番組のタイトルの簡単な選択および記録コマンドによって制御されるシステムおよび方法に関する。もっと具体的には、直感的なユーザーインタフェースを備えたシステム及び方法に関する。」(6頁左上欄4行?同欄13行)
(ア)「本発明は、容易な呼び出しおよび再生のため、タイトルによって記録番組のディレクトリを作成するシステムおよび方法に関する。」(6頁左上欄8行?同欄10行)

(K4)「印刷されたグリッドテレビジョンスケジュールガイドは、よく番組のタイトル及び放送局名以外の付属情報を含む。そのようなグリッドはまた一般に、各番組の紹介、その番組が再放送かどうか、映画の人気及びその他の情報を含むより詳細な印刷スケジュールと組み合わせて提供される。テレビジョンセットをスケジュールシステムの表示部として利用する場合、テレビジョン表示部のサイズ及び解像度がグリッドに表示されるテキストの量を制限する。テレビジョン表示部の制限の範囲内にてユーザーに容易に理解されるやり方で最大の情報を伝えるためには、改良した技術が要求される。視聴のための多数のチャンネルの利用が可能である場合、ユーザーにとって最も都合のよいように情報の表示を編成する必要がある。」(6頁右上欄28行?同頁左下欄8行)

(K5)(イ)(シ)「発明の要約
従って、発明の目的は、テレビジョンスケジュール情報の特定の性質を補償するように構成されたユーザーインターフェースを有するテレビジョンスケジュールシステム及び方法を提供することにある。
・・・(中略)・・・
本発明の目的は、更に、スケジュール情報がテレビジョン表示部の解像度制限を補償するようなフォーマットにて表示されるようなユーザーインタフェースを提供することにある。
・・・(中略)・・・
本発明の目的は、更に、スケジュール情報の提示順序がユーザーの好みに合わせて変更可能なユーザーインタフェースを提供することにある。」(6頁左下欄9行?同欄23行)

(K6)「本発明の他の特徴は、ビデオ記録装置のコントロールシステムがビデオ記録装置の開始及び停止のため、記録媒体上にビデオ情報を記録するため、および記録媒体上の記録されたビデオ情報を再生するためのコントローラーを有すことである。表示発生器は、表示イメージ発生信号を提供する。ビデオ記録装置の操作に関連する表示イメージの発生のために表示発生器へ情報を提供するための手段が存在する。情報を提供する手段は、記録媒体上に記録された番組に対応したセグメントで目盛付けをされた記録媒体位置インジケータを発生するための手段を含む。」(6頁右下欄14行?同欄21行)

(K7)「本発明の他の特徴は、テレビジョンスケジュールシステムが表示部を含み、表示部上にテレビジョンスケジュールを表示するために表示部に接続される手段があることである。スケジュールを表示するための手段は、スケジュール情報の表れは利用可能な第二のチャンネル数より少ない。プログラマブルチューナが、スケジュールを表示するための手段へ接続されている。プログラマブルチューナは、チャンネルアップコマンドまたはチャンネルダウンコマンドに応答して表示部にテレビジョンスケジュールが示されるとき、第一の希望チャンネル数に従うように構成される。プログラマブルチューナは、チャンネルアップコマンドまたはチャンネルダウンコマンドに応答して表示部にテレビジョンスケジュールがない場合、第二の利用可能なチャンネル数に従うように構成される。」(6頁右下欄26行?7頁左上欄7行)

(K8)「発明の詳細な説明
図を参照して、特に図1-7を参照すると、本発明のシステムの動作に使用され、本発明による方法を実行している一連のメニュースクリーン10、12、14、16、18、20及び22が示されている。スクリーン10、12、14、18及び20の各々は、不規則なセル26のアレー24を含み、これらセル26は、半時間から一時間半以上の時間までの異なったテレビジョン番組長に応じて変化するように可変長である。アレーは、半時間長の三つのコラム28、及び十二の行30の番組リストとして構成されている。番組リストの幾つかは、長さのため、二つかそれ以上のコラム28を重複して使用している。セル26の長さが大きく変化しているので、セル位置を選択するのに用いられた従来のカーソルが一つのセルから他のセルへ単純に段階的に移動すると、カーソルが何時間かの時間長であるセル26から同じ行の隣接したセルへ移動するので、結果は、スクリーン10、12、14、18及び20間で急に変化することになる。そのような急は変化は、システムのユーザーの感覚を失わせる。
・・・(中略)・・・
即ち、カーソルが半時間のステップで移動し、セル長が例えば4時間とすると、カーソルは172時間の長さとするか、4時間の長さとするか? カーソルが基礎セル(1/2時間)の間隔だけ広がっているとすると、カーソルは、セルのセグメントをハイライトするように現われ、これは誤解をもたらす。反対に、カーソルが、TVリストの4時間全体に広がると、カーソル基礎位置がわからなくなる。この場合、カーソル右/左コマンドは、長いセルを横切る間は、動作停止している。カーソルコマンドに追従するフィードバックが存在しないので、ユーザーはまごつく。従って、幾つかの矛盾する条件を満たす不規則アレー24の革新的なカーソル32(図1)が必要とされる。
・・・(中略)・・・
グリッド連続アイコン38が図1に示される。印刷グリッドテレビジョンスケジュールガイドは、しばしば番組が連続していることを示すため(”続く”といった)括弧で括ったコメントを含む。TVスクリーンに表示される電子ガイドでは、テキストスペースに対する制限故に、これらの括弧付きコメントは、除外される。スペースを節約するため、アイコン38が、セル26の連続性を示すために用いられる。次のスクリーンへ連続しているセル26の境界では、右を向いている矢印アイコン38が、重ねられている。矢印の方向は常に右を向き、それは番組の経過の方向である。」(7頁右上欄10行?同頁右下欄1行)

(K9)「図2及び図3は、記録状態の表示である。一つの番組が記録のため選択されていると、そのリストセル26が、40で示されるように、アウトラインが強調されるか、赤でハイライトされる。ガード時間が追加されているか、除去されているかすると、セルは、それを反映して延びるか、縮むかする。セル26の連続性は、既に述べたように扱われる。他に四つの記録状態表示がある。」(7頁右下欄2行?同欄6行)

(K10)「図6は、番組ノートオーバレイ52を有すテレビジョンスケジュールグリッドスクリーン20を示す。TV表示部のテキストスペースの制限により、可能な限りTVリストの多数の行を表示するのが好ましい。テキストで一杯の番組ノートを処理するため、即時応答オーバレイ52が使用される。番組ノートオーバレイ52は、次の情報のいずれかまたは全てを含む。
○ 番組ジャンル
○ 番組紹介
・・・(中略)・・・
選択した番組の番組ノートは、要求に応じてグリッドガイド上に重ねて表示される。番組ノートは、選択コマンドを利用してスイッチオン・オフすることが可能である。番組ノート52は、ガイドの3または4のリストに重ねられるか隠してしまう。」(8頁左上欄13行?同頁右上欄3行)

(K11)(ウ)「図1-3及び図5-6は、テレビジョンスケジュールグリッド24のチャンネルコラム54を示す。好きな局及びケーブルチャンネルは、個人の好みに合わせたグリッドガイドを作成するため、一緒にリストされる。大半の印刷TVガイドと異なって、チャンネルコラム54は、オーバジエア放送の局名とケーブルサービスの局名が混合している。グリッド24ガイドは、局番号、ケーブル名の好きな組み合わせによってチャンネルをリストしていて、通常の番号順ではリストアップされていない。」(8頁右上欄9行?同欄15行)

(K12)(ウ)「グリッド24ガイドを見る場合は、チューナアップ/ダウンチャンネルコマンドは、スクリーン上のチャンネル及びリストアップされた順で位置付けられる。ガイドを見ない場合は、チューナ手順は、通常の番号順に返る。ページの最後のチャンネルに行き着くと、次のチューナコマンドがチャンネルを次のページの最初にリストアップされているチャンネルとする。 チューナが同調するチャンネルがグリッド24に表示されると、56で示されるように、そのチャンネルはハイライトされる。グリッド24ページは、ページコマンドか、または上述のようにチャンネルアップ/ダウンコマンドを入力することで変えられる。ページがページコマンドを用いて同調される場合、現在のチャンネルは、前ページに配置され、新ページでは見られない。従って、それが現チャンネルを示すので、新ページは、チャンネルのハイライトなしとされなければならない。現チャンネルに関する情報は、スクリーンの底部のチャンネル情報ボックス58にまだ提示されている。
ハイライトはいつ再起動されるか?新ページに一旦入ると、第一チャンネルアップ/ダウンコマンドは、チューナを自動的に、新ページの最後または最初の行30にリストアップされているチャンネルへ移動するように作動する。チューナのチャンネルは、新ページに現在配置されているので、現在のチャンネルは、再びハイライトされる。
ページが選択された後、チャンネルハイライトが抑圧されていない場合は、定義により、チューナは、ハイライトされたチャンネルを追尾するように変化しなければならない。不用意なページ変更がチャンネル変更をもたらさないためには、これは望ましくない。」(8頁右上欄15行?8頁左下欄8行)
(エ)「現チャンネルに関する情報は、スクリーンの底部のチャンネル情報ボックス58にまだ提示されている。」(8頁右上欄27,28行)

(K13)(オ)「図2で示されるように、ガイドが初めて開かれたとき、カーソル32及び現在のチャンネル56は、グリッド24の同じ行に配置される。チャンネル56が変更されると、カーソル32は、チャンネルと共に誘引されることが望ましい。これを実現するには、カーソル32は、選択コマンド(番組ノートを呼び出すための)に備えるか、記録コマンドに備えるかする。チャンネルコマンドによるカーソル誘引は、チャンネル56及びカーソル32が同じ行で融合されている場合は常に実行される。これらが融合されていると、カーソル32は、チャンネルコマンドから切り離される。誘引は、相互的ではないことに注意を払う必要がある;カーソル32を移動してもチャンネル選択は影響されない。」(8頁左下欄9行?同欄17行)

(カ)「図14-17は、テーマ機能スクリーン104を示す。テーマ機能により、視聴者は、ダウンロードスケジュールを素早く分類でき、興味のある主題4づくサブセットスケジュールを表示することが可能である。ユーザーは、主なテーマ別にまず分類され、第二にテーマ内のトビツク及びトビッククオリファイアまたはそのいずれかによって分類されたリストを選択する自由がある。テーマ、トビツク及びトピッククオリファイアで分類された全ガイドは、行別に表になっているフォーマットに表示され、現在の半時間に最も近接している番組をリストアツブすることで開始する。」(9頁右下欄12行?同17行)

(K14)「図7は、グリッド24とリスト58との間でスイッチ選択するためのテープ内容確認コマンドをユーザーにさせることで発生する、単一チャンネルの番組リスト58のスクリーン22を示す。リスト58は、そのチャンネルの一連の番組リストの行60とチャンネル情報フィールド62を含む。番組ノートは、グリッド24に関して図6で示されたと同様な方法でリスト58上に重ねられる。
TV内容確認コマンドは、グリッドガイド24と次のチャンネル確認行ガイド58との間で交互に選択される。グリッドガイド24を見ている間は、次のTV内容確認コマンドは、グリッド24を単一チャンネル行ガイド58で置き換える。図8は、TV内容確認コマンドのフローチャートである。
二つのガイド24と58との間のページ関係は、緊密に組み合わされている。単一のチャンネルガイドは、グリッド24上のカーソル32により選択されたチャンネルとスケジュール時間とに対して開かれる。単一チャンネルガイド58を見ている間は、アップ/ダウンチャンネルコマンドは、リストアップされているチャンネルを変更するために使用される。単一のチャンネルガイド58が存在し、グリッドガイド24に返るとき、グリッドカーソル32は、単一チャンネルガイド58で選択されたチャンネルとスケジュール時間とを指し示すようになっている。」(8頁左下欄18行?同頁右下欄5行)

(K15)「図20は、チャンネルカスタム化スクリーン116を示す。スクリーン116により、ユーザーは、チャンネルを興味に合わせカスタム化でき、リストをコンパクトにでき、アップダウン走査中の必要のないチャンネルを除去できる。スケジュール更新中に、加入者ケーブルシステム(またはオーバジエア加入者のための放送局)で利用可能な全てのケーブルチャンネルのリストがVCRに入力される。このチャンネルの完全な省略のないセットは、スクリーン116を使用してカスタム化できる。
チャンネルカスタム化スクリーン116は、二つのフィールドを有し、三つのコラムを有すフィールド118は、36までのチャンネルを省略することなしにリストアップし、単一のコラムを有すフィールド120は、12の好きなマイ(MY)チャンネルをリストアップする。後者は、オープニンググリッドガイドのチャンネル記述子コラム122(図1)の複製である。36チャンネルより多数のチャンネルを有するシステムを収容するために(ページ間のスワッブを実行するためのページキーを使用して)、付加ページが利用できる。三コラムフィールド118内の各セル124は、以下の情報を有す:チャンネル番号及び番組サービス名(例えば、HBOやKTVU局2)。セル124は、次の状態を示すためにカラーコード化されている:
オン、セル124は、薄緑のバックグラウンドで、いかなるカスタム化も実行されていないディフォールト状態である。マイ(MY)、単一コラムフィールド120に好きなチャンネルがリストアップされ、三コラムフィールド118は青のバックグラウンドで表示される。オフ、全ガイドから抹消されたチャンネル、チャンネルアップ/ダウン中のチャンネル(テンキーチャンネルパッドを用いてまだアクセス可能である)。オフセルは、灰色のバックグラウンドである。
初めての装備のとき、システムは、初めの12(番号順にリストアップ)チャンネルをMY好きなチャンネルとして割り当てる。チャンネル状態は、チャンネルを変更することで変更でき、選択キーを使用してマイ、オン及びオフの状態を選択できる。
12の好きなチャンネルが許されるだけなので、ユーザーは、既存の好きなチャンネルの状態をオフ又はオンとすることで好きなチャンネルを除去できる。これがなされると、第一コラムは、自動的に次のMY選択のためのスペースを開けることになる。新規のMYが選択されるとMYコラム120は、自動的に新規選択をあらかじめ決められた順で挿入する。MY好きなチャンネルコラム120にリストアップされる順は、以下のようになる:
全ての好きな放送局がまず番号順にリストアップされる。次に、全てのケーブルサービスがアルファベット順にリストアップされる。」(10頁右上欄末行?同頁右下欄6行)

(キ)「図20は、チャンネルカスタム化スクリーン116を示す。スクリーン116により、ユーザーは、チャンネルを興味に合わせカスタム化でき、リストをコンパクトにでき、アップダウン走査中の必要のないチャンネルを除去できる。」(10頁右上欄24行?同頁左下欄2行)

(K16)「図21は、スケジュールシステムのリモートコントローラー用のフロントパネル130を示す。フロントパネル130の上半分は、テレビジョンセット及びVCR用の従来のリモートコントローラーに対応する。ここに含まれるのは、各キーが第二機能と数値機能を有す二重機能テンキーのキーパッド132、TV/VCR選択キー134、ボリューム及びチャンネルアップ/ダウンキー136及びVCRコントロールキー138である。フロントパネル130の下半分は、スケジュールシステムに固有のコントロールキーを含む。ここに含まれているのは、テープ内容確認キー140、TV内容確認キー142、テーマキー144、記録メモキー146、記録キー148、リンクキー150、ヘルプ/メニューキー152、選択/ゴーツウキー154、左、右、アップ、ダウンおよびカーソルキー156、リターンTV/VCRキー158及び取消/復元キー160がある。これらのキーの使用法は、既に説明済みかラベルより明白であろう。」(10頁右下欄10行?同欄22行)

(K17)「図22A及び22Bは、テレビジョンスケジュールシステム/テープコントローラー180及び182のブロックダイヤグラムであり、ここでユーザーインタフェースが使用される。スケジュールシステム/コントローラー180は、既存のテレビジョン装置に応用でき、そこでは基本的なテレビジョン装置からスケジュールシステムは切り離される。プログラマブルチューナ202は、ケーブルデコーダの部分として示されている。スケジュールシステム/コントローラー182は、図示のようにVCR211へ組み込まれている。このバージョンでは、ケーブルデコーダは、必要ではなく、チューナ207は、VCR211の部分を構成している。これれ二つのシステム180及び182から、スケジュール/テープコントローラーは、ケーブルデコーダまたはTV/モニター受信機のように他のテレビジョン装置へ組み込むことが可能であることが明かである。リモートコントローラ-212へLCDスクリーンといったテキスト表示部を付加することで、リモートコントローラーへスケジュール/テープコントローラー全体を組み込むことも可能である。」(10頁右下欄23行?11頁左上欄7行)

(K18)(ク)(ケ)「システム180では、ケーブルデコーダユニットの部分を構成するプログラマブルチューナは、TV信号をアンテナ200及びケーブル入力部205またはいずれかより受信する。チューナ出力216は、字幕デコーダあるいは高速テレテキストデコーダである垂直ブランキングインターバル(VBI)デコーダ222に向かう。リスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報が、一つかそれ以上のローカル局またはケーブルチャンネルにより一日数回または連続的にVBIへ送信される。」(11頁左上欄8行?同欄14行)

(K19)(ケ)「更新が必要な場合、プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調する。VBI信号がCPU228によって処理された後、リストデータは、スケジュールメモリ232へ記憶される一方、ケーブルチャンネル割当データは、ケーブル指定のRAMメモリ238へ記憶される。このデータは、HBOといった一般的なTVソース名を特定のケーブルシステムのチャンネル割当へ変換する。」(11頁左上欄15行?同欄20行)

(K20)「TV内容確認要求に関して、スケジュールメモリ232に記憶されているリストが呼び出され、CPU228で処理され、ビデオ表示発生器224へ出力される。ビデオスイッチャー226は、CPU出力246により起動され、スケジュールデータがTV/モニター210へ表示されると常にビデオ表示発生器224の出力を選択する。」(11頁左上欄26行?同頁右上欄1行)

(K21)「番組を時間シフトして記録する要求がなされた場合、番組のタイトル及びその記録パラメータ(チャンネル、開始時間及び長さ)は、スケジュールメモリ232から記録メモRAMメモリ236へコピーされる。システムクロック230が、スケジュール時間と一致すると、CPU228は、チャンネルコマンドをケーブルデコーダ202のプログラマブルチューナへ、パワーオン及び記録コマンドをVCR206へ、これら両装置の赤外線入力ポートに向けられている赤外線リモートドライバ214によって、転送する。VCRに組み込まれたバージョン182では、チューナ207へのコマンドは、ケーブルバス264によりなされる。」(11頁右上欄2行?同欄10行)

(K22)(コ)「オンスクリーンスケジュールからタイトルを選択することでなされるプログラムに加えて、VCR206及び211並びにケーブルデコーダ202または207をリモートコントローラー212でプログラムすることもまた可能である。このモードでは、プログラム情報は、リモートコントローラー212に入力され、必要なときに、リモートコントローラー212は、適当なTV装置へプログラム情報を伝送する。プログラム機能を有す多くのユニバーサルリモートコントローラーがあるが、その一方で、ユーザーが局名及びケーブルチャンネル名といった総称を入力できるものは存在せず、VCRまたはケーブルデコーダに同調させるためにCPUに名前を特定のチャンネルに変換させている。これは、CPU228及びリモートコントローラー212中のケーブル指定RAM238を備えることによって実現している。」(11頁右上欄11行?21行)

(K23)「リモートコントローラー212及び赤外線リモートドライバ214は、ケーブルデコーダ202及びVCR206によって要求される赤外線コマンド命令をエミュレートすることが可能である。リモートドライバ214のためのコマンドエミュレーションコードはケーブルデコーダIFRコードRAM/ROMメモリ239に記憶される。よく普及しているケーブルデコーダ及びVCRのコマンドは、ROMにプリプログラムされている。これに替えて、オリジナルのリモートコントローラーの赤外線コマンドは、IFR入力受信部264にコントローラーを向けて、CPU228によって処理後、RAMメモリ239にコマンドコードを記憶することによって、学習することができる。この処理は、ユニバーサルリモートコントローラーの技術でよく知られており、ここで詳述の必要はない。
図22に示されるように、VCR206及びケーブルデコーダ202は、リモートコントローラー212により手動で制御することができ、また赤外線リモートドライバ214により自動で制御することも可能である。」(11頁右上欄22行?同頁左下欄5行)

(サ)「番組が一旦記録されると、そのタイトル及び番組の他の情報が記録メモRAMメモリ236の部分へ記憶される。記録番組を再生するため、テープ内容確認要求により、テープの記録番組のディレクトリが表示される。」

(K24)「システム182では、スケジュール/テープコントローラー220は、VCR211へ埋め込まれている。VCRテープ機構252は、プログラマブルチューナ207を除くビデオレコーダの全ての記録及び再生の電子回路を含む。」(11頁左下欄17行?同欄左下欄19行)

(2)甲5号証(特開平3-62719号公報)

甲5号証には以下の記載がある。

(タ)「アメリカ合衆国には、少くとも3つの大きな放送ネツトワーク(たとえば、ABC、NBCおよびCBC)と共に多数の有線(ケーブル)サービス・ネツトワーク(たとえば、HBO、ESPN・Cinemax、等)があり、それぞれ全国規模で放送テレビジヨン・プログラムを供給している。多くの視聴者は、それぞれ好みのテレビジヨン・プログラムについてそれを放送しているネツトワークを通じて楽しもうとしている。そこで生ずる共通の問題は、利用できるチヤンネルの数が非常に多くて、視聴者にとつてはどのチヤンネル番号がどのネツトワークに対応しているか憶えきれないことである。たとえば、米国のある地方では視聴者は40チヤンネルもの多数の局にアクセスせねばならない。従つて、広く普及している方法であるとはいえこの様な場合チヤンネル番号によつて選局することは、好ましいことではない。」(2頁右上欄3行?左下欄14行)

(チ)「テレビジヨン製造業者は、視聴者がネツトワークの名称によつてチヤンネルを選択できるような、手持ち遠隔制御ユニツトを提供することが望まれている。」(3頁右上欄9行?12行)

(ツ)「この発明によれば、使用者がテキスト・ラベルを入力させ、またそのラベルに同調させるべき特定チヤンネルを関連づけることのできる同調システムが提供される。その後、使用者がそのラベルを入力することによつて同調すべきチヤンネルを選択することができる。この同調システム制御器は、ラベル・メモリ領域にラベルをアルフアベツト順に記憶させて、チヤンネル変更に要する全時間が不要に長くならないようにするため、チヤンネル変更に伴なうラベル・サーチ時間を最小にする。」(3頁右下欄9行?18行)

(テ)「このラベルは放送局のコールサインを表わすものでなければならぬ訳ではなく、文字、数または句読点を表わす1個乃至4個の任意の文字より成る如何なる英数字ラベルとすることもできる。従つて、使用者は、所望のチヤンネルを選局するに当つてその助けとなる任意の便利なラベルを入力することができる。」(5頁右下欄1行?7行)

(ト)「プログラムは使用者がラベルの入力を完了したものと理解して、そのラベルがメモリ120中に在るかどうかを知るためのサーチを開始する(ステツプ460)。・・・ラベルがステツプ460中で見付かればこのラベルに相当するチヤンネルに同調する(ステツプ470)。」(6頁右下欄6行?14行)

(ナ)「上述のようなラベルによる同調システムにおいて、特定ラベルとの整合のためにメモリをサーチする」(7頁左上欄13行?15行)

[2]甲2発明

甲2号証には、番組のタイトルの簡単な選択および記録コマンドによって制御される、直感的なユーザーインタフェースを備えた「テレビジョンスケジュールシステムおよび方法」が記載されている{(K1)(K2)(K3)}、(→甲2発明のN)。
なお、以下の「(→甲2発明のN)」等の記述「N」は、後記する甲2発明の対応する構成部分に付した記号を意味するものである。

(1)甲2記載の「テレビジョンスケジュールシステムおよび方法」の構成

ア グリッドガイド、表示されるグリッドガイド24

ア-1 チャンネルと時間のグリッドガイド
「テレビジョンスケジュールシステムおよび方法」は、前掲(K1),(K2),(K8)?(K9),(K11),図1?3,図5,図6によれば、
TVスクリーン上に、ユーザーインタフェースとして、図1?3に示されるTVグリッドガイド24(テレビジョンスケジュールグリッドガイド)を表示するところ、
前掲(K8)の「アイコン38が、セル26の連続性を示すために用いられる。次のスクリーンへ連続しているセル26の境界では、・・・」、(K12)の「ページの最後のチャンネルに行き着くと、次のチューナコマンドがチャンネルを次のページの最初にリストアップされているチャンネルとする。」「グリッド24ページは、ページコマンドか、または上述のようにチャンネルアップ/ダウンコマンドを入力することで変えられる。」等によれば、
ガイドには、画面に表示されたガイド24に続く次ぺージも存在することは明らかであり、従って、TVグリッドガイドは、その一部が、TVスクリーン上に表示されている(図1に示されるグリッドガイド24)ものであり、
各チャンネルに対応する各行
(最上行は各時間帯を案内する行であって、各列に表示されるセルの
時間帯が、その列位置で示されることを案内する行)と、
各時間帯に対応する各列
(最左列は各チャンネルを案内する列であって、各行に表示されるセル
のチャンネルが、その行位置で示されることを案内する列)
で区画された各セルが、各番組リスト(各番組項目)に対応するように各番組リスト(各番組項目)のスケジュールを示す、
チャンネルと時間のグリッドガイドであって、
各番組リスト(各番組項目)は、該当セルにそのタイトルが表示され、そのチャンネルが該当セルの行位置で、その時間帯が該当セルの列位置で示されるように構成されたグリッドガイドである。(→甲4発明のU2)

ここで、「図2・図3は、記録状態の表示である」{(K9)}。

ア-2 オーバジエア放送の局名とケーブルサービスの局名の混在
前記(K11)「好きな局及びケーブルチャンネルは、個人の好みに合わせたグリッドガイドを作成するため、一緒にリストされる。大半の印刷TVガイドと異なって、チャンネルコラム54は、オーバジエア放送の局名とケーブルサービスの局名が混合している。グリッド24ガイドは、局番号、ケーブル名の好きな組み合わせによってチャンネルをリストしていて、通常の番号順ではリストアップされていない。」,チャンネルカスタム化についての前記(K15)の特に「全ての好きな放送局がまず番号順にリストアップされる。次に、全てのケーブルサービスがアルファベット順にリストアップされる。」,図1によれば、
グリッドガイド24は、各時間帯を案内する最上行に続いて、ユーザの好きなチャンネルの行だけが、オーバジエア放送の局番号「2」,「4」・・・「44」の行、ケーブルサービス名(アルファベット順)「A&E」「CNN」・・・「TNT」」の行の順にリストアップされる(→甲2発明のU2)

イ システムの構成

イ-1 全体
当該ユーザーインタフェースが使用される「テレビジョンスケジュールシステム」として、システム180(テレビジョンスケジュールシステム/テープコントローラー180)が、図21,図22A、前掲(K15)?(K23)に示されており、システム180は、
プログラマブルチューナ202(図22A)、
スケジュール/テープコントローラー220(図22A)、
リモートコントローラー212(図21、図22A)、
VCR206、TV/モニター210、赤外線リモートドライバ214
を備えている。(→甲2発明のP,Q,R,S)

イ-2 リモートコントローラー(図21)
システム180のリモートコントローラー212(図21、図22A)は、
上半分の「テレビジョンセット及びVCR用の従来のリモートコントローラーに対応する」部分に、「チャンネルアップ/ダウンキー136」を備え、
下半分の「スケジュールシステムに固有のコントロールキーを含む」部分に、「TV内容確認キー142」、「記録メモキー146、記録キー148」、「選択/ゴーツウキー154、左、右、アップ、ダウンおよびカーソルキー156」を備えている。{(K16)}(→甲2発明のR)

イ-3 プログラマブルチューナ202{(K17)(K18)}
「プログラマブルチューナ202」は、「ケーブルデコーダユニットの部分として」「構成」されているものである。(→甲2発明のP)

ウ システムの動作
ウ-1 リスト情報(リストデータ)・ケーブルチャンネル割当データの処理・記憶

「プログラマブルチューナ202」は、(上記の通り、「ケーブルデコーダユニットの部分として」「構成」されているものであって)「TV信号をアンテナ200及びケーブル入力部205またはいずれかより受信する。」{(K18)}
「リスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報は、一つかそれ以上のローカル局またはケーブルチャンネルにより一日数回または連続的にVBIへ送信され」{(K18)}、
「更新が必要な場合、プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調する。」{(K19)}

「VBIのリスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報」を、「字幕デコーダあるいは高速テレテキストデコーダである垂直ブランキングインターバル(VBI)デコーダ222」で「デコード」して{(K18)}、
「CPU228によって処理され」た後、「リストデータは、スケジュールメモリ232へ記憶され」、「ケーブルチャンネル割当データ」(「HBOといった一般的なTVソース名を特定のケーブルシステムのチャンネル割当へ変換するデータ」)は、「ケーブル指定のRAMメモリ238へ記憶される。」{(K19)}(→甲2発明のT)
この「リストデータ」は、上記「リスト情報」と同じものと認められる。

ウ-2 TV視聴、グリッドガイド24の表示
前掲(K19)(K20)(K14),図7,図8によれば、TV視聴中(図8)、リモートコントローラーの「TV内容確認キー142」により発せられる「TV内容確認コマンド」{(K14)}により「TV内容確認要求」がなされると、「スケジュールメモリ232に記憶されているリストが呼び出され、CPU228で処理され、ビデオ表示発生器224へ出力」するもので、「ビデオスイッチャー226は、CPU出力246により起動され、スケジュールデータがTV/モニター210へ表示されると常にビデオ表示発生器224の出力を選択」し、「スケジュールデータがTV/モニター210へ表示される」、つまり、上記グリッドガイド24がTV/モニタ-210に表示される、と理解される。
上記「スケジュールメモリ232に記憶されているリスト」とは、ウ-1で上記した「リスト情報」であることは明らかである。
また、図22Aのブロック図を踏まえれば、TV視聴は、ビデオスイッチャー226がプログラマブルチューナ202の出力を選択してなされること、TV視聴におけるTV番組の映像信号もグリッドガイド24の映像信号もTV/モニター210の一つの外部入力に入力されるように接続されていて、TV/モニター210でその外部入力が選択されることで表示されることは明らかである。

したがって、
プログラマブルチューナ202の出力は、スケジュール/テープコントローラー220を介してTV/モニター210の一つの外部入力に入力されるように接続されていて、
TV視聴は、TV/モニター210でその外部入力が選択されているときに、ビデオスイッチャー226がプログラマブルチューナ202の出力を選択することで、TV番組の映像信号がTV/モニター210に表示されることでなされ、
TV視聴中、リモートコントローラーの「TV内容確認キー142」により発せられる「TV内容確認コマンド」{(K14)}により「TV内容確認要求」がなされると、「スケジュールメモリ232に記憶されている」リスト情報「が呼び出され、CPU228で処理され、ビデオ表示発生器224へ出力」し、「ビデオスイッチャー226」がビデオ表示発生器224の出力を選択」し、上記グリッドガイド24がTV/モニタ-210に表示される。(→甲2発明のU1)

ウ-3 グリッドガイド24が表示されている状態でのコマンド受付と動作
(i)「TV内容確認コマンド」
前掲(K14),図7,図8によれば、グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを特定の「番組リスト」に位置させ、「TV内容確認コマンド」(リモートコントローラーの「TV内容確認キー142」によるものと理解される。)が発せられると、グリッドガイド24の表示から、当該特定の「番組リスト」を含む「単一チャンネル行ガイド58」への表示に遷移し、さらに、その状態で、「TV内容確認コマンド」が発せられると、グリッドガイド24の表示に戻る。(→甲2発明のV1)

(ii)「選択コマンド」
前掲(K10),図6,「カーソル32は、選択コマンド(番組ノートを呼び出すための)に備えるか、記録コマンドに備えるかする。」{(K13}によれば、グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを特定の「番組リスト」に位置させ、「選択コマンド」(リモートコントローラーの「選択/ゴーツウキー154」によるものと理解される。)が発せられると、グリッドガイド24に「番組ノート52」を重ねるように表示し、再度、「選択コマンド」が発せられると、「番組ノート52」が消えて元のグリッドガイド24の表示に戻る、と理解される。(→甲2発明のV2)

(iii) 「記録コマンド」
前掲(K22)によれば、「番組を時間シフトして記録」、つまり、予約録画するのに、
「オンスクリーンスケジュールからタイトルを選択」して「プログラム」する場合」(前者)と、「VCR206及び211並びにケーブルデコーダ202または207をリモートコントローラー212でプログラムする」場合(後者)があるとされ、
前者では、
「番組を時間シフトして記録する要求がなされた場合、番組のタイトル及びその記録パラメータ(チャンネル、開始時間及び長さ)は、スケジュールメモリ232から記録メモRAMメモリ236へコピーされる。システムクロック230が、スケジュール時間と一致すると、CPU228は、チャンネルコマンドをケーブルデコーダ202のプログラマブルチューナへ、パワーオン及び記録コマンドをVCR206へ、これら両装置の赤外線入力ポートに向けられている赤外線リモートドライバ214によって、転送する」{(K21)}とされ、
「VCRまたは他の記録装置が、将来の日付と時間の記録についても、番組のタイトルの簡単な選択および記録コマンドによって制御されるシステムおよび方法に関する。」{(K3)}、「カーソル32は、選択コマンド(番組ノートを呼び出すための)に備えるか、記録コマンドに備えるかする。」{(K13)}によれば、
グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを特定の「番組リスト」に位置させ、「記録コマンド」(リモートコントローラーの「記録キー148」に対応すると考え得る。)が発せられると、その番組リストの「タイトル」及びその「番組リスト」が放送される「チャンネル」、その「番組リスト」の放送「開始時間及び長さ」が記録メモRAMメモリ236へコピーされ、システムクロック230が、「開始時間」と一致すると、 CPU228は、その「チャンネル」に同調させるためのコマンドをケーブルデコーダのプログラマブルチューナへ転送し、パワーオン及び記録コマンドをVCR206へ転送することで、その「番組リスト」の番組の自動録画を開始させる、と理解される。
ここで、その「番組リスト」が放送される「チャンネル」に同調させるためのコマンドは、プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかが識別できるコマンドでなければならないから、プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子を含んでいることは明らかである。
また、「図2・図3は、記録状態の表示である」{(K9)}から、このとき表示されているグリッドガイド24は、図1のものである。

後者、すなわち、「VCR206及び211並びにケーブルデコーダ202または207をリモートコントローラー212でプログラムする」場合とは、前者と異なり、「オンスクリーンスケジュール」、すなわちグリッドガイド24を用いずに予約録画する場合といえ、
「このモードでは、プログラム情報は、リモートコントローラー212に入力され、必要なときに、リモートコントローラー212は、適当なTV装置へプログラム情報を伝送する。」{(K22)},図22A,及び従来周知技術を参酌すれば、
リモートコントローラー212により、VCR206に、記録の開始終了時間を入力しセットするとともに、ケーブルデコーダ(のプログラマブルチューナ)に同調させるためのチャンネルと、記録の開始終了時間を入力しセットすると理解される。
また、前記(K22)「プログラム機能を有す多くのユニバーサルリモートコントローラーがあるが、その一方で、ユーザーが局名及びケーブルチャンネル名といった総称を入力できるものは存在せず、VCRまたはケーブルデコーダに同調させるためにCPUに名前を特定のチャンネルに変換させている。これは、CPU228及びリモートコントローラー212中のケーブル指定RAM238を備えることによって実現している。」とあるところ、「CPU228及び」とすることから、「リモートコントローラー212」は誤記であって、正しくは、図22A中の「スケジュール/テープコントローラー220」と理解されるから、
局名及びケーブルチャンネル名を入力した場合には、CPU228及びケーブル指定RAM238{これが、「ケーブルチャンネル割当データ」(「HBOといった一般的なTVソース名を特定のケーブルシステムのチャンネル割当へ変換するデータ」)を記憶していることは上記のとおりである。}により、ケーブルシステムのチャンネル割当に変換され、変換されたケーブルシステムのチャンネル割当が、同調させるためのチャンネルとして、ケーブルデコーダのプログラマブルチューナ202に入力しセットされる{これは、(K23)を考慮すれば、赤外線リモートドライバ214等を介して行われる、と考えられる。}と理解される。

そして、このことを踏まえて、「オンスクリーンスケジュール」、すなわちグリッドガイドを用いた予約録画である前者の場合において、カーソルを、グリッドガイド24のケーブルサービス名(ケーブルチャンネル名)の行の「番組リスト」に位置させた状態で「記録コマンド」が発せられた場合の「番組のタイトル及びその記録パラメータ」の「スケジュールメモリ232から記録メモRAMメモリ236へ」のコピーを考えると、
記録メモRAMメモリ236に、「ケーブルサービス名」のままで記憶されるのか、それがケーブル指定RAM238で変換された「ケーブルシステムのチャンネル割当」が記憶されるのかは不明ではあるものの、
システムクロック230が、その「番組リスト」の放送「開始時間」と一致したときには、CPU228は、その「番組リスト」が放送される、変換された「ケーブルシステムのチャンネル割当」に同調させるためのコマンドをケーブルデコーダのプログラマブルチューナへ転送し、パワーオン及び記録コマンドをVCR206へ転送することで、その「番組リスト」の番組の自動録画を開始させる、と普通に想定され、
ここでも、その「番組リスト」が放送される「ケーブルシステムのチャンネル割り当て」に同調させるためのコマンドは、プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかが識別できるコマンドを含んでいなければならないから、同コマンドには、ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子(ケーブルシステムのチャンネル割り当て)を含んでいることは明らかである。つまり、記録メモRAMメモリ236に、「ケーブルサービス名」のままで記憶されていた場合には、「ケーブルシステムのチャンネル割当」に変換され、「ケーブルシステムのチャンネル割当」に対応する、ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子(ケーブルシステムのチャンネル割り当て)を含んでいるプログラマブルチューナへのコマンドとなる。

したがって、グリッドガイド24を用いた予約録画(前者)の場合、
グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを、特定の「番組リスト」に位置させて「記録コマンド」(リモートコントローラーの「記録キー148」に対応すると考え得る。)を発せられると、
当該「番組リスト」がオーバジエア放送の局番号(「2」「4」・・・「44」)を表示する行又はケーブルサービス名を表示する行のいずれの行の 「番組リスト」であっても、
・その「タイトル」と、
・その「番組リスト」が放送される「チャンネル」(ケーブルの場合は「ケーブルシステムのチャンネル割り当て」又は「ケーブルサービス名」)と、
・その「番組リスト」の放送「開始時間及び長さ」
が記録メモRAMメモリ236へコピーされ、
システムクロック230が、「開始時間」と一致すると、 記録メモRAMメモリ236に記憶されている、「チャンネル」又は変換済みの「ケーブルシステムのチャンネル割当」又は変換前の「ケーブルサービス名」(「ケーブルサービス名」のままで記憶されていた場合)
が読み出され、
「ケーブルサービス名」のままで記憶されていた場合は、「ケーブルシステムのチャンネル割当」に変換し、
CPU228は、「チャンネル」又は「ケーブルシステムのチャンネル割当」に対応する、その「番組リスト」を放送する局を特定する情報であって、ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子を含むコマンドを、ケーブルデコーダのプログラマブルチューナへ転送し、パワーオン及び記録コマンドをVCR206へ転送することにより、その「番組リスト」が示す番組の自動録画を開始させるもの、ということができる。(→甲2発明のV3)

(iv)「チャンネルアップ/チャンネルダウンコマンド」
前掲(K2)(K7)(K12)によれば、グリッドガイド24が表示されている状態で、リモートコントローラー212によりチャンネルアップ/チャンネルダウンコマンドが発せられると、全てのチャンネルではなく、グリッドガイド24(図1)にリストアップされたオーバジエア放送の局とケーブルサービスの局の順に、ケーブルデコーダのプログラマブルチューナが同調される。
このとき、チャンネルアップ/チャンネルダウンコマンドにより指定されるチャンネルが、オーバジエア放送の局番号であっても、ケーブルサービス名で示されるチャンネルであっても、発せられるコマンドにより、プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかが識別できなければならないことは明らかであるから、
プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子を含むコマンドがケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナプログラマブルチューナへ発せられると理解される。(→甲2発明のV4)
もっとも、チャンネルアップ/チャンネルダウンコマンドは、チャンネルを特定するするものであって、「番組リスト」を特定して発せられるものではない。

(2)甲2発明

本件発明12は「システム」の発明、本件発明1は「システムを使用する方法」の発明であるところ、
上記「テレビジョンスケジュールシステムおよび方法」を記載する上記甲2号証にも、「・・システム」の発明、及び「・・システムを使用する方法」の発明が記載されているということができることは明らかである。

上記(1)での検討結果によれば、甲2発明(甲2号証に記載された発明)として、下記の「システム」の発明と「システムを使用する方法」の発明を認定することができる。

甲2発明として認定するこれらの発明は、異なる部分のみを[X|Y]の表記を用いて一の記載で表現することとした。
「[X|Y]」は、択一的に、「X」か若しくは「Y」を意味するものとする。

記(甲2発明)
N:番組のタイトルの簡単な選択および記録コマンドによって制御される、直感的なユーザーインタフェースを備えたテレビジョンスケジュールシステムとしての、テレビジョンスケジュールシステム/テープコントローラー180(図22A)[であって|で使用する方法であって]、
該システム180は、
P:ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナ202(図22A)と、
Q:スケジュール/テープコントローラー220(図22A)と、
R:『チャンネルアップ/ダウンキー136』、
『TV内容確認キー142』、
『記録メモキー146』、
『記録キー148』、
『選択/ゴーツウキー154』、
『左、右、アップ、ダウンおよびカーソルキー156』
を備えるリモートコントローラー212と、
S:VCR206、TV/モニター210、赤外線リモートドライバ214を備え、
以下のように、動作する、[システム|方法]。

T:リスト情報・ケーブルチャンネル割当データの処理・記憶
プログラマブルチューナ202(図22A)は、TV信号をアンテナ200及びケーブル入力部205またはいずれかより受信するもので、
リスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報は、一つかそれ以上のローカル局またはケーブルチャンネルにより一日数回または連続的にVBIへ送信され、
更新が必要な場合、プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調し、
VBIのリスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報を、字幕デコーダあるいは高速テレテキストデコーダである垂直ブランキングインターバル(VBI)デコーダ222でデコードして、
CPU228によって処理された後、リスト情報は、スケジュールメモリ232へ記憶され、ケーブルチャンネル割当データ(『HBOといった一般的なTVソース名を特定のケーブルシステムのチャンネル割当へ変換するデータ』は、ケーブル指定のRAMメモリ238へ記憶される。

U:TV視聴、グリッドガイド24(図1)の表示

U1:プログラマブルチューナ202の出力は、スケジュール/テープコントローラー220を介してTV/モニター210の一つの外部入力に入力されるように接続されていて、
TV視聴は、TV/モニター210でその外部入力が選択されているときに、ビデオスイッチャー226がプログラマブルチューナ202の出力を選択することで、TV番組の映像信号がTV/モニター210に表示されることでなされ、
TV視聴中、リモートコントローラーの『TV内容確認キー142』により発せられる『TV内容確認コマンド』により『TV内容確認要求』がなされると、スケジュールメモリ232に記憶されているリスト情報が呼び出され、CPU228で処理され、ビデオ表示発生器224へ出力し、ビデオスイッチャー226がビデオ表示発生器224の出力を選択して、TV/モニタ-210のTVスクリーン上にグリッドガイド24(テレビジョンスケジュールグリッドガイド)を表示する。
U2:TVグリッドガイドは、その一部が、TVスクリーン上に表示されている(図1に示されるグリッドガイド24)ものであり、
各チャンネルに対応する各行
(最上行は各時間帯を案内する行であって、各列に表示されるセルの
時間帯が、その列位置で示されることを案内する行)と、
各時間帯に対応する各列
(最左列は各チャンネルを案内する列であって、各行に表示されるセル
のチャンネルが、その行位置で示されることを案内する列)
で区画された各セルが、各『番組リスト(番組項目)』に対応するように各『番組リスト(番組項目)』のスケジュールを示す、
チャンネルと時間のグリッドガイドであって、
各『番組リスト(番組項目)』は、該当セルにそのタイトルが表示され、そのチャンネルが該当セルの行位置で、その時間帯が該当セルの列位置で示されるように構成され、
各時間帯を案内する最上行に続いて、ユーザの好きなチャンネルの行だけが、オーバジエア放送の局番号『2』,『4』・・・『44』の行、ケーブルサービス名(アルファベット順)『A&E』『CNN』・・・『TNT』の行の順にリストアップされるガイドである。

V:グリッドガイド24が表示されている状態でのコマンド受付と動作

V1:『TV内容確認コマンド』(リモートコントローラーの『TV内確認キー142』によるものと理解される。)
グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを特定の『番組リスト』に位置させ、『TV内容確認コマンド』が発せられると、グリッドガイド24の表示から、当該特定の『番組リスト』を含む『単一チャンネル行ガイド58』への表示に遷移し、さらに、その状態で、『TV内容確認コマンド』が発せられると、グリッドガイド24の表示に戻る。

V2:『選択コマンド』(リモートコントローラーの『選択/ゴーツウキー154』によるものと理解される。)
グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを特定の『番組リスト』に位置させ、『選択コマンド』が発せられると、グリッドガイド24に『番組ノート52』を重ねるように表示し、再度、『選択コマンド』が発せられると、『番組ノート52』が消えて元のグリッドガイド24の表示に戻る。

V3:『記録コマンド』(リモートコントローラーの『記録キー148』に対応すると考え得る。)
オンスクリーンスケジュールからタイトルを選択してプログラムする、グリッドガイド24を用いた予約録画の場合、
グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを、特定の『番組リスト』に位置させて『記録コマンド』(リモートコントローラーの『記録キー148』に対応すると考え得る。)を発せられると、
当該『番組リスト』がオーバジエア放送の局番号(『2』『4』・・・『44』)を表示する行又はケーブルサービス名を表示する行のいずれの行の 『番組リスト』であっても、
・その『タイトル』と、
・その『番組リスト』が放送される『チャンネル』(ケーブルの場合は『ケーブルシステムのチャンネル割り当て』又は『ケーブルサービス名』)と、
・その『番組リスト』の放送『開始時間及び長さ』
が記録メモRAMメモリ236へコピーされ、
システムクロック230が、『開始時間』と一致すると、 記録メモRAMメモリ236に記憶されている、『チャンネル』又は変換済みの『ケーブルシステムのチャンネル割当』又は変換前の『ケーブルサービス名』(『ケーブルサービス名』のままで記憶されていた場合)
が読み出され、
『ケーブルサービス名』のままで記憶されていた場合は、『ケーブルシステムのチャンネル割当』に変換し、
CPU228は、『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』に対応する、その『番組リスト』を放送する局を特定する情報であって、ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子を含むコマンドを、ケーブルデコーダのプログラマブルチューナへ転送し、パワーオン及び記録コマンドをVCR206へ転送することにより、その『番組リスト』が示す番組の自動録画を開始させる。

V4:『チャンネルアップ/チャンネルダウンコマンド』
グリッドガイド24が表示されている状態で、リモートコントローラー212によりチャンネルアップ/チャンネルダウンコマンドが発せられると、全てのチャンネルではなく、グリッドガイド24(図1)にリストアップされたオーバジエア放送の局とケーブルサービスの局の順に、ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナが同調される。
このとき、チャンネルアップ/チャンネルダウンコマンドにより指定されるチャンネルが、オーバジエア放送の局番号であっても、ケーブルサービス名で示されるチャンネルであっても、ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子を含むコマンドがケーブルデコーダのプログラマブルチューナへ発せられる。

[3]本件発明12について(新規性欠如についての判断)

本件発明12は「ユーザ機器装置において用いられるシステム」の発明、本件発明1は「ユーザ機器装置において用いられる方法」の発明であって、前者の構成要素が「する手段」で記載され、後者の構成要素が「すること」で記載されているものの、それらの相違を除き両者間に実質的な相違はない。
「システム」の発明である本件発明12から検討することとする。

本件発明12は、前記【第2】のとおり要件12A?12Fに分説されるところ、本項[3]においては、要件12A、要件12B、・・・要件12Fを、簡単のため、“12”を略して単に、要件A、要件B、・・・要件Fとも言うこととする。すなわち単に、「要件A」は、本項[3]においては「要件12A」のことをいうものとする。

本件発明12

A ユーザ機器装置において用いられるシステムであって、該ユーザ機器装
置は、第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての第1のソース装
置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する第1のチュ
ーナと、該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の
伝送源としての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジ
ョン番組を受信する第2のチューナとを有し、
該システムは、
B 該第1のソース装置から該第1の伝送方式を用いて伝送される第1の番
組スケジュール情報と、該第2のソース装置から該第2の伝送方式を用
いて伝送される第2の番組スケジュール情報とを受信する手段であっ
て、該第1の番組スケジュール情報は、該複数の第1のテレビジョン番
組のうちの1つに対応し、該第2の番組スケジュール情報は、該複数の
第2のテレビジョン番組のうちの1つに対応する、手段と、
C 該第1の番組スケジュール情報と該第2の番組スケジュール情報とを有
するチャンネルガイドを提供する手段と、
D 該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少
なくともいくつかを表示する手段と、
E 該チャンネルガイドに含まれる該複数の番組スケジュール情報のうちユ
ーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ
選択を示す信号を受信したことに応答して、該ユーザ機器装置上に表示
を出力するために、該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの
1つを選択する手段であって、該ユーザ選択によって指定された番組ス
ケジュール情報が該第1の番組スケジュール情報である場合には、該第
1のチューナが選択され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジ
ュール情報が該第2の番組スケジュール情報である場合には、該第2の
チューナが選択される、手段と、
F 該選択されたチューナによって受信され、該ユーザ選択によって指定さ
れた番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を提供する手段

を含む、システム。

[3-1]本件発明12と甲2発明(システムの発明)の対比

(1)要件Aについての対比
A ユーザ機器装置において用いられるシステムであって、該ユーザ機器装
置は、第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての第1のソース装
置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する第1のチュ
ーナと、該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の
伝送源としての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジ
ョン番組を受信する第2のチューナとを有し、
該システムは、

(1-1)「ユーザ機器装置において用いられるシステムであって、該ユーザ機器装置は、」

甲2発明の「N:番組のタイトルの簡単な選択および記録コマンドによって制御される、直感的なユーザーインタフェースを備えたテレビジョンスケジュールシステムとしての、テレビジョンスケジュールシステム/テープコントローラー180(図22A)」は、
「ユーザ機器装置」と言え、また、「ユーザ機器装置において用いられるシステムであって、該ユーザ機器装置は、」ということもできる。

(1-2)「ソース装置」、
「第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する」、
「該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源としての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン番組を受信する」

ア 本件発明12でいう「ソース装置」が、
『複数のテレビジョン番組を伝送するものであって、テレビジョン番組を受信するチューナの入力へ至る、これより上流側の信号伝送経路(信号源を含む)を構成する装置』
と解されることは、前記のとおりである。

イ 甲2発明(システムの発明)は、
「N:番組のタイトルの簡単な選択および記録コマンドによって制御される、直感的なユーザーインタフェースを備えたテレビジョンスケジュールシステムとしての、テレビジョンスケジュールシステム/テープコントローラー180(図22A)[であって|で使用する方法であって]、
該システム180は、
P:ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナ202(図22A)と、
Q:スケジュール/テープコントローラー220(図22A)と、
S:VCR206、TV/モニター210、赤外線リモートドライバ214を備え、」
「プログラマブルチューナ202(図22A)は、TV信号をアンテナ200及びケーブル入力部205またはいずれかより受信するもの」(T)であり、

「U1:プログラマブルチューナ202の出力は、スケジュール/テープコントローラー220を介してTV/モニター210の一つの外部入力に入力されるように接続されていて、
TV視聴は、TV/モニター210でその外部入力が選択されているときに、ビデオスイッチャー226がプログラマブルチューナ202の出力を選択することで、TV番組の映像信号がTV/モニター210に表示されることでなされ、
TV視聴中、リモートコントローラーの『TV内容確認キー142』により発せられる『TV内容確認コマンド』により『TV内容確認要求』がなされると、スケジュールメモリ232に記憶されているリスト情報が呼び出され、CPU228で処理され、ビデオ表示発生器224へ出力し、ビデオスイッチャー226がビデオ表示発生器224の出力を選択して、TV/モニタ-210のTVスクリーン上にグリッドガイド24(テレビジョンスケジュールグリッドガイド)を表示」し(U1)、

「U2:TVグリッドガイドは、その一部が、TVスクリーン上に表示されている(図1に示されるグリッドガイド24)ものであり、
各チャンネルに対応する各行
(最上行は各時間帯を案内する行であって、各列に表示されるセルの
時間帯が、その列位置で示されることを案内する行)と、
各時間帯に対応する各列
(最左列は各チャンネルを案内する列であって、各行に表示されるセル
のチャンネルが、その行位置で示されることを案内する列)
で区画された各セルが、各『番組リスト(番組項目)』に対応するように各『番組リスト(番組項目)』のスケジュールを示す、
チャンネルと時間のグリッドガイドであって、
各『番組リスト(番組項目)』は、該当セルにそのタイトルが表示され、そのチャンネルが該当セルの行位置で、その時間帯が該当セルの列位置で示されるように構成され、
各時間帯を案内する最上行に続いて、ユーザの好きなチャンネルの行だけが、オーバジエア放送の局番号『2』,『4』・・・『44』の行、ケーブルサービス名(アルファベット順)『A&E』『CNN』・・・『TNT』の行の順にリストアップされるガイドである」(U2)

そのような(グリッドガイド24が表示されている状態で)
「V4:グリッドガイド24が表示されている状態で、リモートコントローラー212によりチャンネルアップ/チャンネルダウンコマンドが発せられると、全てのチャンネルではなく、グリッドガイド24(図1)にリストアップされたオーバジエア放送の局とケーブルサービスの局の順に、ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナが同調される。
このとき、チャンネルアップ/チャンネルダウンコマンドにより指定されるチャンネルが、オーバジエア放送の局番号であっても、ケーブルサービス名で示されるチャンネルであっても、ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子を含むコマンドがケーブルデコーダのプログラマブルチューナへ発せられる。」(V4)
ものである。

つまり、甲2発明の、ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナは、オーバジエア放送の『2』,『4』・・・『44』で放送される放送信号(前者)と、ケーブルサービス『A&N』『CNN』・・・『TNT』で放送される放送信号(後者)の何れかに同調するものであり、
前者の放送信号は、オーバジエアの複数のチャンネルの複数のテレビジョン番組(これが、本件発明12・要件Aでいう「複数の第1のテレビジョン番組」といえることは明らかである。)の放送信号を電波で送出する『オーバジエアの放送信号送出側装置』から送出された放送信号といえ、
また、後者の放送信号は、ケーブルの複数のチャンネルの複数のテレビジョン番組(これが、本件発明12・要件A2でいう「複数の第2のテレビジョン番組」といえることは明らかである。)の放送信号をケーブルに送出する『ケーブルの放送信号送出側装置』から送出された放送信号といえ、
このことから、そのような『オーバジエアの放送信号送出側装置』及びこれとは異なる『ケーブルの放送信号送出側装置』の存在が普通に想定されるものである。

そして、上記『オーバジエアの放送信号送出側装置』は、
(i)『複数のオーバジエアのテレビジョン番組を伝送するものであって、オーバジエアのテレビジョン番組を受信する「ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナ」の入力へ至る、これより上流側の信号伝送経路(信号源を含む)を構成する装置』といい得るものであるから、要件Aでいう「第1の伝送源としての第1のソース装置」といえ、
また、「第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する」ということができる。
同様に、『ケーブルの放送信号送出側装置』は、
(ii)『複数のケーブルのテレビジョン番組を伝送するものであって、ケーブルのテレビジョン番組を受信する「ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナ」の入力へ至る、これより上流側の信号伝送経路(信号源を含む)を構成する装置』といい得るものであるから、要件Aでいう「第2の伝送源としての第2のソース装置」といえ、
また、「該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源としての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン番組を受信する」とうことができる。

したがって、甲2発明のシステムも、
要件Aでいう
「第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する」、
「該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源としての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン番組を受信する」ということができるものである。

(1-3)「第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する第1のチューナと、
該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源としての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン番組を受信する第2のチューナとを有し、」

ア しかしながら、
・甲2の「プログラマブルチューナ202」または図22Aでボックスで示される「プログラマブルチューナ/ケーブルデコーダ202」に関する記載は、「プログラマブルチューナ202」がケーブルチャンネルにもオーバジエア放送のチャンネルにも同調するものとして記載、またはこれを前提として記載していると認められる一方(下記イ)、
甲2のどこにも、プログラマブルチューナ/ケーブルデコーダ202が複数のチューナを内蔵していると窺わせる記載はないこと、
・本件出願の優先日(平成7年4月17日)の相当前から、地上波TV放送と共にケーブルテレビ放送にも同調でき、それら両方を受信する(1つの)チューナは周知かつ一般的であったと認められること(下記ウ)、
・さらに、甲2の前掲(K24),図22Bには、ケーブルデコーダを含まない「プログラマブルTVチューナ207」も、甲2の図22Aでボックスで示される上記「プログラマブルTVチューナ/デコーダ202」と同じく、ケーブル入力205とアンテナ入力203を有していて、ケーブルチャンネルにもオーバジエア放送のチャンネルにも同調するもの(上記周知技術と同様のもの)と認められ、ケーブルデコーダがなくてもケーブルチャンネルに同調できることは明らかであって、「ケーブルデコーダ」と称するのは、「ケーブル用のチューナ」を有しているからではなくて、「スクランブル解除するデコード」を有しているからと解されること、
からすれば、
甲2発明の「ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナ202」は、
オーバジエア放送の『2』,『4』・・・『44』で放送される放送信号(前者)にも、ケーブルサービス『A&N』『CNN』・・・『TNT』で放送される放送信号(後者)にも同調できる1つのチューナであって、
それら前者にのみ同調するチューナと、これとは異なる後者(ケーブル)にのみ同調するチューナの2つのチューナとはいえず、
また、図22Aでボックスで示される「プログラマブルチューナ/ケーブルデコーダ202」にそれら2つのチューナが内蔵されている、とも認めることはできない。

《理由》

イ 甲2の記載事項
甲2の前掲(K18)「システム180では、ケーブルデコーダユニットの部分を構成するプログラマブルチューナは、TV信号をアンテナ200及びケーブル入力部205またはいずれかより受信する。」、
(K19)「更新が必要な場合、プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調する。」、
(K2)「チャンネルアップあるいはチャンネルダウンコマンドに応答して前記表示部へ前記テレビジョンスケジュールが表示されるとき、前記希望チャンネルの第一の数を追尾するように前記プログラマブルチューナは構成され、かつチャンネルアップあるいはチャンネルダウンコマンドに応答して前記表示部に前記テレビジョンスケジュールが存在しない場合は、前記利用可能なチャンネルの第二の数を追尾するように前記プログラマブルチューナは構成されている」、
(K7)「プログラマブルチューナが、スケジュールを表示するための手段へ接続されている。プログラマブルチューナは、チャンネルアップコマンドまたはチャンネルダウンコマンドに応答して表示部にテレビジョンスケジュールが示されるとき、第一の希望チャンネル数に従うように構成される。プログラマブルチューナは、チャンネルアップコマンドまたはチャンネルダウンコマンドに応答して表示部にテレビジョンスケジュールがない場合、第二の利用可能なチャンネル数に従うように構成される。」
(K12)「「グリッド24ガイドを見る場合は、チューナアップ/ダウンチャンネルコマンドは、スクリーン上のチャンネル及びリストアップされた順で位置付けられる。ガイドを見ない場合は、チューナ手順は、通常の番号順に返る。ページの最後のチャンネルに行き着くと、次のチューナコマンドがチャンネルを次のページの最初にリストアップされているチャンネルとする。 チューナが同調するチャンネルがグリッド24に表示されると、56で示されるように、そのチャンネルはハイライトされる。」、
をはじめ、プログラマブルチューナに関連する前掲(K18)(K21)を含めて、
「プログラマブルチューナ202」に関する記載は、「プログラマブルチューナ202」がケーブルチャンネルにもオーバジエア放送のチャンネルにも同調するものとして記載、またはこれを前提として記載している一方、
甲2のどこにも、プログラマブルチューナ/ケーブルデコーダ202が複数のチューナを内蔵していると窺わせる記載はない。

ウ 周知事項・技術常識
本件出願の優先日(平成7年4月17日)の相当前から、地上波TV放送と共にケーブルテレビ放送をも受信するチューナは周知かつ一般的であったと認められる(下記周知例参照)。

記(周知例1?4)

(1)周知例1:特開昭60-24736号公報(第1図)
〈記載事項の摘示〉
「ケーブル・テレビジヨンの普及の増大に伴つて、製造業者は、放送チヤンネルと共にケーブル・チヤンネルに同調させ得るいわゆるケーブル兼用(ケーブル・レデイ)テレビジヨン同調器を提供し始めた。ケーブル・チヤンネルは、低VHF帯(チヤンネル2?6)と高VHF帯(チヤンネル7?13)の間および高VHF帯とUHF範囲の間にあるVHFチヤンネルである。最高ケーブル・チヤンネルの周波数は、最低UHFチヤンネルの直ぐ下である。この点は、前述のように或る地区でUHFチヤンネルをより多数設定しようとして、VHFとUHFの間に第1中間周波数信号の周波数を選択するに当つて一つの問題を生起することになる。」(2頁右上欄13行?左下欄6行)
「〔実施例〕
第1図に示されたテレビジヨン受像機の2重変換同調装置は、受像機の外にあるUHFアンテナ3へ使用者が接続するようになつているUHF入力1と、VHFアンテナ7またはケーブル分配回路網9へ使用者が接続するようになされたVHF入力5とを持つている。使用者がUHF放送チヤンネルを選択するときは、可同調UHFRFフイルタ段11が或る同調電圧に応じて可動状態となり、UHFアンテナ3が受信した複数のUHFRF信号から選んだUHF放送チヤンネルに対応する特定のUHFRF信号を選択する。使用者がVHF放送チヤンネルまたはケーブル・チヤンネルを選択するときは、同調電圧に応じて可同調VHFRFフイルタ段13を可動状態として、VHFアンテナ7で受信された複数のVHFRF信号から選ばれたVHF放送チヤンネルに対応する特定VHFRF信号か、ケーブル分配回路9から受入れた複数のVHFRF信号から選ばれたケーブル・チヤンネルに相当する特定VHFRF信号か、を選択する。」(3頁右上欄16行?左下欄16行)

(2)周知例2:特開平2-20114号公報
〈記載事項の摘示〉
「(発明の背景)
多くのテレビジョン受像機用同調装置は、放送受信アンテナによって供給される標準周波数のRFテレビジョン信号及びケーブル分配ネットワークによって供給されるような非標準周波数のRFテレビジョン信号にも自動的に同調できる。このような同調装置は往々にして複雑であって、かなりの時間、例えば、0.5秒程度を必要とする制御アルゴリズムて動作する。」(2頁左上欄2行?9行)
「(実施例の説明)
第1図に示されているテレビジョン受像機は、RF入力1を有し、とのRF入力1は、それぞれの放送チャンネル、即ち、「エア」チャンネルに対応する「オフシェア」、即ち、放送RF倍信号受信するための放送受信アンテナ、または、それぞれの「ケーブル」チャンネルに対応するRF倍信号受信するためのケーブル分配ネットワーク、あるいは、ビデオカセットレコーダ、ビデオディスクプレーヤ、家庭用ビデオカメラ、家庭用コンピュータあるいはビデオゲームのようなテレビジョンアクセサリに接続される。RF入力1はチューナ3に接続されている。
チューナ3はエアチャンネルまたはケーブルチャンネルのいずれかに同調できる。このようなチューナはこの技術分野では周知であり、時には、「ケーフルレディ」または「ケーブルコンパチブル」であると呼ばれる。図示されていないか、チューナ3は、帯域選択信号と同調電圧(TV)とに応答して、選択されたチャンネルに付随するRF倍信号対応するIF語信号変換する(ヘテロダインする)RF段・局部発振器部を含んでいる。」(2頁右上欄16行?左下欄17行)

(3)周知例3:特開昭61-212110号公報
〈記載事項の摘示〉
「〔発明の背景〕
有線回路網の利用の増大と共にテレビジョン同調器が放送チャンネルだけでなく有線チャンネルも同調し得ることが望ましくなった。この様な有線共用の(すなわち有線用変換器なしで有線チャンネルも同調し得るようになっている)同調器は通常各周波数範囲に対応する部分に分割されている。例えば、有線共用同調器はUHF放送チャンネル用のVHF部と、VHF放送チャンネルと有線チャンネル用のVHF部を備え得るが、信頼度と経済性のためこの同調器内の部分の数はできるだけ少いことが望ましい。このため同調器の各部分に用いる局部発振器を1つだけにすることが望ましい。
開示の装置は一般に例えば米国内で101?509MHzの比較的広い周波数範囲に亘るVHF放送チャンネルと有線チャンネルのすべてに用いられる局部発振器に関する。」(1頁右下欄7行?2頁左上欄3行)
「〔推奨実施例の詳細な説明〕
図はVHF放送チャンネルと有線チャンネル同調用のテレビジョン同調器を示す。この同調器は例えば米国内用として次表のRF画像搬送波周波数および局部発振周波数を指定されたチャンネルを同調するものである。

帯域 RF域(MHz) LO域(MHz)
B1 55.25 ?83.25 101?129
B2 91.25?151.25 137?197
B3 157.25?265.25 203?311
B4 271.25?463.25 317?509

帯域B1は低VHF放送帯の各チャンネル(即ちチャンネル2?6)、帯域B2はミツド有線帯域の低周波数部分の各チャンネル、帯域B3はミツド有線帯域の残部と高VHF放送帯の各チャンネル(即ちチャンネル7?13)およびスーパー有線帯域の低周波数部分の各チャンネル、帯域B4はスーパー有線帯域の残部およびハイパー有線帯域の各チャンネルにそれぞれ対応することが判る。」(2頁左下欄4行?右下欄2行)

(4)周知例4:特開昭63-194407号公報
「【発明の詳細な説明】
〈産業上の利用分野〉
この発明は放送チャンネルあるいはケーブル・チャンネルのいずれかを同調することのできるテレビジョン受像機に関するものである。
〈発明の背景〉
最近の大抵のテレビジョン受像機は放送チャンネルすなわち「オフ・ジ・エアー」チャンネルとケーブル・チャンネルの何れにも同調することができる。エアー・バンドおよびケーブル・バンドは異なるチャンネルを持っている。更に、エアー・チャンネル用のRF信号は連邦通信委員会(FCC)によって割り当てられた標準周波数を持っているが、ケーブル・チャンネル用のFR信号はケーブル・ネットワーク毎に異なこともある非標準周波数を持っている。従って、エアー・チャンネルおよびケーブル・チャンネルの何れにも同調することのできる受像機は、所謂エアー/ケーブル切替えスイッチを有し、チューナをエアー・チャンネル、ケーブル・チャンネルの何れにも同調し得るようにセットすることができる。」(1頁右下欄6行?2頁左上欄6行)
「〈図示の実施例の詳細な説明〉
第1図に示すテレビジョン受像機はA、Bの2個の入力を持っている。各入力は、各放送すなわちエアー・チャンネルに関連するオフ・ジ・エアーRF信号を受信するための放送受信アンテナあるいは各ケーブル・チャンネルに関連するRF信号を受信するためのケーブル分配ネットワークのいずれかに接続されている。A/B制御信号に応答して、RF入力Aで得られるRF信号あるいはRF人力Bで得られるRF信号のいずれかをチューナ3に選択的に供給するためのいわゆるA/Bスイッチ1が設けられている。チューナ3はエアー・チャンネルあるいはケーブル・チャンネルのいずれかを同調することができる。このようなチューナは当技術分野では周知で、ケーブル受信可能(ケーブル・レディ)あるいはケーブル・コンパチブルと称されることがある。チューナ3はRF段と、同調電圧と帯域選択信号とに応答して選択されたチャンネルに関連するRF信号を対応するIF信号に変換(ヘテロダイン)する局部発振器とを具備している。」(2頁左下欄7行?右下欄7行)

エ 請求人の主張について
請求人の主張は、
『技術常識からみて、甲2の「プログラマブルチューナ/ケーブルデコーダ202」には、オーバジエア放送のチャンネルにも同調するチューナと、これとは異なるケーブルチャンネルに同調するチューナの2つのチューナが内蔵されているということができる』
との主張である。
そして、その根拠として、甲9?甲14号証を提出して下記a?dの点{前記「【3-1】[3-4]セ参照}を挙げているが、
以下にみるように、その何れも、上記判断を覆し、甲2の図22Aでボックスで示される「プログラマブルTVチューナ/デコーダ202」が、ケーブルチャンネルに同調するチューナと、これとは別のオーバジエア放送のチャンネルに同調するチューナを備えているものであると認めるに足るものではなく、上記請求人の主張は採用できない。

a.チューナ/ケーブルデコーダの意義;
(i)「チューナ」とは,必ずしも独立した製品でなくとも,部品や基板,回路等を指して「TVチューナ」と呼ばれる。
(ii)ケーブルテレビ放送を視聴する場合には,一般に「ホームターミナル」と呼ばれる装置によって,放送信号を一般のテレビで視聴可能な信号へと変換することが行われている。
(iii)「ホームターミナル」は,独立した製品であることが多いが,「ケーブル用チューナ」「ケーブルモデム」「ケーブルデコーダ」「セットトップボックス」などの種々の名称で呼ばれ,名称は異なっていても,ケーブルテレビ放送の信号を同調・受信する機能,すなわちチューナ機能を備えている点で共通する。

《上記a.について》
仮に、上記(i)?(iii)のとおりであるとしても、上記(i)か?(iii)が、甲2の「プログラマブルチューナ/ケーブルデコーダ202」が2つのチューナを有しているいい得る根拠にはならない。

b.TVチューナ/ケーブルデコーダの機能は異なる。
(i)地上波アナログTV信号(オーバジエア局にかかるもの)と,ケーブルテレビ信号とでは、伝送情報の形式が異なることから,これを同調・受信するチューナも機能の異なる別個のものが要求されるというべきである。
(ii)ケーブルデコーダは,スクランブルを解除する機能が備わっているが、通常の地上波アナログ放送を受信するTVチューナは,スクランブル解除機能は有しない。
(iii)地上波アナログ放送における送信の標準方式は、振幅変調(残留側波帯振幅変調 )が行われている。したがって,TVチューナには,振幅変調された信号の復調回路が必須となる。
これに対し,ケーブルテレビ放送では,これに対応する特段の変調方式は採用されていないため,対応する復調回路も不要である。

《上記b.について》
仮に、上記(i)のとおり、チューナの機能として異なるものが要求されるとしても、そのことが、甲2の「プログラマブルチューナ/ケーブルデコーダ202」が2つのチューナを有していることを示していることにはならないことは明らかである。すなわち、上記(i)は、上記請求人の主張の妥当性を根拠づける理由になるものではない。
事実、地上波アナログTV信号(オーバジエア局にかかるもの)と,ケーブルテレビ信号にも同調でき、それら両方を受信する(1つの)チューナは、上記のとおり、周知かつ一般的であったと認められるのである。
上記(ii)(iii)も同様であって、仮に、上記(ii)(iii)のとおりであるとしても、そのことが、甲2の「プログラマブルチューナ/ケーブルデコーダ202」が2つのチューナを有していることを示していることにはならないことは明らかである。すなわち、上記(ii)も、上記請求人の主張の妥当性を根拠づける理由になるものではない。

c.ケーブルテレビ放送を受信するには通常のTVチューナの他にチューナを必要とすることは,本件出願当時,当業者にとって技術常識となっていた。(甲12)
d.TVチューナと,ケーブルデコーダに相当する機能の異なる2つのチューナが内蔵されていなければ,地上波TV放送と,ケーブルテレビ放送の双方を受信,視聴することはできないはずである。

《上記c、dについて》
上記c、dがともに妥当でないことは、上述した甲2の前掲(K24)図22Bの実施例、周知技術から明らかである。
また、そもそも、甲12は、オーバジエア放送もケーブル放送もともに受信するものではないのであるから、上記cの根拠にも、甲2の「プログラマブルチューナ/ケーブルデコーダ202」が2つのチューナを有しているといえる根拠にもならないことは明らかである。

(1-4)まとめ(要件Aについての対比)
以上によれば、
本件発明12と甲2発明は、
A’ユーザ機器装置において用いられるシステムであって、該ユーザ機器装
置は、第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての第1のソース装
置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する、
とともに、
該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源と
しての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン番組
を受信する、システムであり、
該システムは
とする点では一致するものの、

本件発明12が、
該ユーザ機器装置は、第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての
第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信
する第1のチューナと、該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を
用いて、第2の伝送源としての第2のソース装置から伝送される複数の
第2のテレビジョン番組を受信する第2のチューナとを有し、
とするのに対して、
甲2発明は、
該ユーザ機器装置は、第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての
第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信
する、とともに、
該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源と
しての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン番組
を受信するチューナとを有し、
とする点
で相違する。

なお、「第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する」受信を、『第1の受信』といい、
「第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源としての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン番組を受信する」受信を、『第2の受信』ということとすれば、

本件発明12と甲2発明は、
A’ユーザ機器装置において用いられるシステムであって、該ユーザ機器装
置は、『第1の受信』とともに『第2の受信』をする点では一致するも
のの、

『第1の受信』と『第2の受信』が
(「第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての第1のソース装置
から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する」受信と
「第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源としての第2のソース装置
から伝送される複数の第2のテレビジョン番組を受信する」受信が)
本件発明12では、
異なる2つのチューナで受信する(『第1の受信』を第1のチューナで受信し、『第2の受信』を第2のチューナで受信する)とするのに対して、
甲2発明では、
1つのチューナ(ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナ)で受信する、とする点
で相違する、
ともいうことができる。

(2)要件Bについての対比
B 該第1のソース装置から該第1の伝送方式を用いて伝送される第1の番
組スケジュール情報と、該第2のソース装置から該第2の伝送方式を用
いて伝送される第2の番組スケジュール情報とを受信する手段であっ
て、該第1の番組スケジュール情報は、該複数の第1のテレビジョン番
組のうちの1つに対応し、該第2の番組スケジュール情報は、該複数の
第2のテレビジョン番組のうちの1つに対応する、手段と、

(2-1)要件Bのうち、
「第1の番組スケジュール情報」が「該第1のソース装置から該第1の伝送方式を用いて伝送され」、「第2の番組スケジュール情報」が「該第2のソース装置から該第2の伝送方式を用いて伝送される」とする点を除く部分、
すなわち、
「第1の番組スケジュール情報と、第2の番組スケジュール情報とを受信する手段であって、該第1の番組スケジュール情報は、該複数の第1のテレビジョン番組のうちの1つに対応し、該第2の番組スケジュール情報は、該複数の第2のテレビジョン番組のうちの1つに対応する、手段と」について

甲2発明は、
「T:リスト情報・ケーブルチャンネル割当データの処理・記憶
プログラマブルチューナ202(図22A)は、TV信号をアンテナ200及びケーブル入力部205またはいずれかより受信するもので、
リスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報は、一つかそれ以上のローカル局またはケーブルチャンネルにより一日数回または連続的にVBIへ送信され、
更新が必要な場合、プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調し、
VBIのリスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報を、字幕デコーダあるいは高速テレテキストデコーダである垂直ブランキングインターバル(VBI)デコーダ222でデコードして、
CPU228によって処理された後、リスト情報は、スケジュールメモリ232へ記憶され、ケーブルチャンネル割当データ(『HBOといった一般的なTVソース名を特定のケーブルシステムのチャンネル割当へ変換するデータ』は、ケーブル指定のRAMメモリ238へ記憶される。」(T)
ものであり、

U1によれば、「スケジュールメモリ232に記憶されているリスト情報が呼び出され、」、このリスト情報に基づいて、U2の「グリッドガイド24」を表示するのであるところ、

「U2:TVグリッドガイドは、その一部が、TVスクリーン上に表示されている(図1に示されるグリッドガイド24)ものであり、
各チャンネルに対応する各行
(最上行は各時間帯を案内する行であって、各列に表示されるセルの
時間帯が、その列位置で示されることを案内する行)と、
各時間帯に対応する各列
(最左列は各チャンネルを案内する列であって、各行に表示されるセル
のチャンネルが、その行位置で示されることを案内する列)
で区画された各セルが、各『番組リスト(番組項目)』に対応するように各『番組リスト(番組項目)』のスケジュールを示す、
チャンネルと時間のグリッドガイドであって、
各『番組リスト(番組項目)』は、該当セルにそのタイトルが表示され、そのチャンネルが該当セルの行位置で、その時間帯が該当セルの列位置で示されるように構成され、
各時間帯を案内する最上行に続いて、ユーザの好きなチャンネルの行だけが、オーバジエア放送の局番号『2』,『4』・・・『44』の行、ケーブルサービス名(アルファベット順)『A&E』『CNN』・・・『TNT』の行の順にリストアップされるガイドである。」であるから、

「プログラマブルチューナ202」が「データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調し」て取得してスケジュールメモリ232に記憶した「リスト情報」が、
オーバジエア放送で放送される複数の番組と、ケーブルサービスで放送される複数の番組についての、少なくとも、各番組{(「番組リスト」(番組項目)}のデータとして「タイトル」「チャンネル(「HBO」等も含む)」「時間」を含んでいることは明らかであり、
これら「タイトル」「チャンネル(「HBO」等も含む)」「時間」は、「番組スケジュール情報」といい得るものである。

そして、「オーバジエア放送で放送される複数の番組」、「ケーブルサービスで放送される複数の番組」は、それぞれ、要件Aでいう「複数の第1のテレビジョン番組」、「複数の第2のテレビジョン番組」といい得ることは、上記(1-2)イで示したとおりであり、
「オーバジエア放送で放送される複数の番組」の「番組スケジュール情報」は「第1の番組スケジュール情報」といえ、
「ケーブルサービスで放送される複数の番組」の「番組スケジュール情報」は「第2の番組スケジュール情報」ということができる。

以上によれば、
甲2発明も、
「第1の番組スケジュール情報と、第2の番組スケジュール情報とを受信する手段であって、該第1の番組スケジュール情報は、該複数の第1のテレビジョン番組のうちの1つに対応し、該第2の番組スケジュール情報は、該複数の第2のテレビジョン番組のうちの1つに対応する、手段」を備えているということができ、この点では、本件発明12と相違しない。

(2-2)要件Bのうち、
「第1の番組スケジュール情報」が「該第1のソース装置から該第1の伝送方式を用いて伝送される」とする点、および、
「第2の番組スケジュール情報」が「該第2のソース装置から該第2の伝送方式を用いて伝送される」とする点について

甲2発明のTの「リスト情報やケーブルチャンネル割当データといった他の支持情報は、一つかそれ以上のローカル局またはケーブルチャンネルにより一日数回または連続的にVBIへ送信され」、「更新が必要な場合、プログラマブルチューナ202は、データを伝送する局またはケーブルチャンネルへ自動的に同調し、」からすれば、
「リスト情報」は、
「第1のソース装置」と言い得る『オーバジエアの放送信号送出側装置』と「第2のソース装置」といい得る『ケーブルの放送信号送出側装置』の一方から伝送されたものとは言い得るものの、
プログラマブルチューナ202は、
「リスト情報」のうちの、
「オーバジエア放送で放送される複数の番組」の「番組スケジュール情報」(「第1の番組スケジュール情報」)については、『オーバジエアの放送信号送出側装置』から伝送された信号に同調して取得し、
「ケーブルサービスで放送される複数の番組」の「番組スケジュール情報」(「第2の番組スケジュール情報」)については、『ケーブルの放送信号送出側装置』から伝送された信号に同調して取得する、とまではしていない。

すなわち、甲2発明は、
「第1の番組スケジュール情報」が「該第1のソース装置から該第1の伝送方式を用いて伝送され」、「第2の番組スケジュール情報」が「該第2のソース装置から該第2の伝送方式を用いて伝送される」とはしておらず、この点、本件発明12と相違する。

〈請求人の主張について〉
請求人は、「ローカル局」がケーブルチャンネルのリスト情報を送信することはなく,逆に「ケーブルチャンネル」がローカル局のリスト情報を送信することもないから,ローカル局はローカル局のリスト情報を,ケーブルチャンネルはケーブルチャンネルのリスト情報をVBIデコーダ222に送信しているということになる。
したがって,ローカル局またはケーブルチャンネルのそれぞれからリスト情報を受信すると解釈するのが相当であり,「いずれか一方である」と解釈することはできない、
と主張する。

請求人は、『「ローカル局」がケーブルチャンネルのリスト情報を送信することはなく,逆に「ケーブルチャンネル」がローカル局のリスト情報を送信することもない』と断定し、これを前提に上記の主張をしているが、その前提が必ず成立つとは言うことはできず、したがって、これを前提とする上記請求人の主張は採用できない。

(2-3)まとめ(要件Bについての対比)
以上によれば、
本件発明12と甲2発明は、
B’第1の番組スケジュール情報と、第2の番組スケジュール情報とを受信
する手段であって、該第1の番組スケジュール情報は、該複数の第1の
テレビジョン番組のうちの1つに対応し、該第2の番組スケジュール情
報は、該複数の第2のテレビジョン番組のうちの1つに対応する、手段
を備える点では一致するものの、

B’の「第1の番組スケジュール情報」、「第2の番組スケジュール情報」が、
本件発明12では、
「第1の番組スケジュール情報」が「該第1のソース装置から該第1の伝
送方式を用いて伝送される」、
「第2の番組スケジュール情報」が「該第2のソース装置から該第2の伝
送方式を用いて伝送される」
とするのに対して、
甲2発明では、
「第1の番組スケジュール情報」が「該第1のソース装置から該第1の伝
送方式を用いて伝送される」、
「第2の番組スケジュール情報」が「該第2のソース装置から該第2の伝
送方式を用いて伝送される」
とはしていない点
で相違が認められる。

(3)要件C・Dについての対比
C 該第1の番組スケジュール情報と該第2の番組スケジュール情報とを有
するチャンネルガイドを提供する手段と、
D 該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少
なくともいくつかを表示する手段と、

(3-1)本件発明12の「チャンネルガイド」、要件C・Dの解釈

本件発明12の「チャンネルガイド」が、
『(画面表示後のチャンネルガイドではなく)
画面表示前のチャンネルガイドであって、
チャンネルガイド表示-利用者に、特定のチャンネルについて、そこで放送される複数の番組スケジュール情報(番組の放送予定情報-その特定のチャンネルで、いかなる特定の番組が、いかなる特定の時間に放送されるかの予定情報)を案内するガイド表示-に対応するガイドデータ』
(『前記複数の番組スケジュール情報を所望の順序で混合し、ソートし、該複数の番組スケジュール情報を所望の順序で提供するものを含む』)
と解されることは、前記「【第4-2】無効理由2 ウ」のとおりであり、

また、そのように解される「チャンネルガイド」について要件C,Dとするものは、図2,段落【0028】に記載された実施例のものを含んでいることも、「【第4-3】無効理由3(1)」で前記したとおりである。

(3-2)甲2発明との対比(要件C・D)

上記解釈を踏まえ、甲2発明をみるに、
甲2発明でも、
「U2:TVグリッドガイドは、その一部が、TVスクリーン上に表示されている(図1に示されるグリッドガイド24)ものであり、
各チャンネルに対応する各行
(最上行は各時間帯を案内する行であって、各列に表示されるセルの
時間帯が、その列位置で示されることを案内する行)と、
各時間帯に対応する各列
(最左列は各チャンネルを案内する列であって、各行に表示されるセル
のチャンネルが、その行位置で示されることを案内する列)
で区画された各セルが、各『番組リスト(番組項目)』に対応するように各『番組リスト(番組項目)』のスケジュールを示す、
チャンネルと時間のグリッドガイドであって、
各『番組リスト(番組項目)』は、該当セルにそのタイトルが表示され、そのチャンネルが該当セルの行位置で、その時間帯が該当セルの列位置で示されるように構成され、
各時間帯を案内する最上行に続いて、ユーザの好きなチャンネルの行だけが、オーバジエア放送の局番号『2』,『4』・・・『44』の行、ケーブルサービス名(アルファベット順)『A&E』『CNN』・・・『TNT』の行の順にリストアップされるガイドである。」
としていて、

上記TVスクリーン上に表示されるグリッドガイド24は、本件の図2の実施例のもので示される「画面表示された格子状ガイド(50)」と基本的に異ならないガイドといえるものである。

以下、詳しくみてみる。
甲2発明のTVスクリーン上に表示されるグリッドガイド24の
・オーバジエア放送の局番号『2』,『4』・・・『44』の行は、
『利用者に、特定のチャンネルについて、そこで放送される複数の番組スケジュール情報(番組の放送予定情報-その特定のチャンネルで、いかなる特定の番組が、いかなる特定の時間に放送されるかの予定情報)を案内するガイド表示』、すなわち「チャンネルガイド表示」といえ、
その各セルに示される各『番組リスト(番組項目)』が、
本件発明12の「第1のソース装置」といい得る『オーバジエアの放送信号送出側装置』から伝送される「第1のテレビジョン番組」に対応する「第1の番組スケジュール情報」と言い得ること、
・ケーブルサービス名(アルファベット順)『A&E』『CNN』・・・『TNT』の行も、
『利用者に、特定のチャンネルについて、そこで放送される複数の番組スケジュール情報(番組の放送予定情報-その特定のチャンネルで、いかなる特定の番組が、いかなる特定の時間に放送されるかの予定情報)を案内するガイド表示』、すなわち「チャンネルガイド表示」といえ、
そのの各セルに示される各『番組リスト(番組項目)』が、
本件発明12の「第2のソース装置」といい得る『ケーブルの放送信号送出側装置』から伝送される「第2のテレビジョン番組」に対応する「第2の番組スケジュール情報」と言い得ること、
は、(1)要件Aについての対比(2)要件Bについての対比で既に検討したことから明らかである。
もっとも、甲2発明では、「第1の番組スケジュール情報」が「該第1のソース装置から該第1の伝送方式を用いて伝送され」、「第2の番組スケジュール情報」が「該第2のソース装置から該第2の伝送方式を用いて伝送される」とはしておらず、この点、本件発明12と相違していることも、前記のとおりである。

そして、TVスクリーン上に表示されるグリッドガイド24は、(ガイドには、画面に表示されたガイド24に続く次ぺージも存在していて)TVグリッドガイドは、その一部が、TVスクリーン上に表示されている(図1に示されるグリッドガイド24)ものであり、
本件の図2「画面表示された格子状ガイド(50)」を画面表示する、図2の実施例のものが、そうであったように、すなわち、

・『図2の「画面表示された格子状ガイド(50)」に対応するガイドデータであって、「画面表示された格子状ガイド(50)」に表示されていない時間やチャンネル分も含む格子状ガイドデータ』が、「提供」(供給)され(要件12C)、
・その「提供」(供給)された上記『格子状ガイドデータ』を受けて、
当該『格子状ガイドデータ』に含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少なくともいくつかを表示する(要件12D)ものであった(【第4-3】(1))ように、

甲2発明も、『「画面に表示されたグリッドガイド24」に対応するガイドデータであって、「画面に表示されたグリッドガイド24」に表示されていない部分も含むグリッドガイドデータ』が、「提供」(供給)され、
・その「提供」(供給)された上記『グリッドガイドデータ』を受けて、
当該『グリッドガイドデータ』に含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少なくともいくつかを表示するもの、といい得るものであり、
当該『グリッドガイドデータ』は、本件発明12の「チャンネルガイド」、 すなわち、
『(画面表示後のチャンネルガイドではなく)
画面表示前のチャンネルガイドであって、
チャンネルガイド表示-利用者に、特定のチャンネルについて、そこで放送される複数の番組スケジュール情報(番組の放送予定情報-その特定のチャンネルで、いかなる特定の番組が、いかなる特定の時間に放送されるかの予定情報)を案内するガイド表示-に対応するガイドデータ』
といい得るものである。

(3-3)まとめ(要件C・Dについての対比)
以上によれば、
本件発明12と甲2発明は、
C’第1の番組スケジュール情報と第2の番組スケジュール情報とを有
するチャンネルガイドを提供する手段と、
D 該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少
なくともいくつかを表示する手段と、
を備える点では一致するものの、

C’「第1の番組スケジュール情報」、「第2の番組スケジュール情報」が、
本件発明12では、
「第1の番組スケジュール情報」が「該第1のソース装置から該第1の伝送方式を用いて伝送される」、
「第2の番組スケジュール情報」が「該第2のソース装置から該第2の伝送方式を用いて伝送される」とするのに対して、
甲2発明では、
そのようにするとはしていない点
で相違が認められる。

(4)要件E・Fについての対比
E 該チャンネルガイドに含まれる該複数の番組スケジュール情報のうちユ
ーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ
選択を示す信号を受信したことに応答して、該ユーザ機器装置上に表示
を出力するために、該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの
1つを選択する手段であって、該ユーザ選択によって指定された番組ス
ケジュール情報が該第1の番組スケジュール情報である場合には、該第
1のチューナが選択され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジ
ュール情報が該第2の番組スケジュール情報である場合には、該第2の
チューナが選択される、手段と、
F 該選択されたチューナによって受信され、該ユーザ選択によって指定さ
れた番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を提供する手段

を含む、システム。

(4-1)要件E・Fの解釈

ア 要件Eの手段は、以下のように更に分説できる。
E1:ユーザ選択を示す信号を受信したことに応答して、チューナ選択がされる手段であること、
E2:ユーザ選択は、該チャンネルガイドに含まれる該複数の番組スケジュール情報のうちユーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ選択であること
E3:チューナ選択は、
E3a:該ユーザ機器装置上に表示を出力するために、
E3b:該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの1つを選択する手段であって、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報が該第1の番組スケジュール情報である場合には、該第1のチューナが選択され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報が該第2の番組スケジュール情報である場合には、該第2のチューナが選択されること

〈請求項の記載〉

イ 「該ユーザ機器装置上に表示を出力するために」
E3の「チューナ選択」は、E3a「該ユーザ機器装置上に表示を出力するために」なされるところ、E3a「該ユーザ機器装置上に表示を出力するために」とは、
・チューナ選択により特定のチャンネルに同調してそこで放送されている番組映像信号を取得することになること、
・要件Fで「該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を提供する」としていて、「提供」する以上、少なくとも「テレビジョン番組」を供給し出力するものであるといえるところ「表示を出力」するとすること、
からすれば、当然に、テレビジョン番組の映像表示を出力するために、すなわち、テレビジョン番組の映像表示をするために、と解される。
すなわち、
「該ユーザ機器装置上に表示を出力するために」(チューナが選択される)とは、
『テレビジョン番組の映像表示をするために』(チューナが選択される)と解される。

ウ ユーザ選択
上記のとおり、E3の「チューナ選択」が、「該ユーザ機器装置上に表示を出力するために」、つまり「テレビジョン番組の映像表示をするために」なされる選択といえるところ、
その応答としてのE3「チューナ選択」をさせる「番組スケジュール情報を指定するユーザ選択ユーザ選択」も、
「テレビジョン番組の映像表示をするために」する選択、つまり、「テレビジョン番組を視聴するための」「ユーザ選択」と解される。

エ 「応答」
E1「ユーザ選択を示す信号を受信したことに応答して、」の「応答」とは、「ユーザ選択を示す信号を受信したこと」により、他に何らの操作をしなくても自動的にE3の「チューナ選択」がなされることをいうもの、と解される。

オ 要件Fの「提供」
上記イ、ウ、及び、要件Eの結果として要件F「該選択されたチューナによって受信され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を提供する」こととなることからすれば、
要件Fの「テレビジョン番組の提供」とは、テレビジョン番組の「表示による提供」つまり、テレビジョン番組映像を「表示出力する」ことをいうものと解される。

〈明細書の記載(実施例)との対応〉

カ 要件E・Fについて、明細書の記載をみるに、
上記E1・E2の「ユーザ選択」とは、
段落【0011】の「利用者が表示されたガイド内表示チャンネルの1つに配置されたショーまたはチャンネルを選択する」の「ショー」の「選択」、
段落【0033】の「遠隔制御器32を使用して一定のチャンネルまたは番組を選択して、(1)特定の番組に関連した追加の情報を表示し、または(2)特定のチャンネルまたは番組に同調し、または(3)特定の番組を自動的に録画することができる。」の「番組」の「選択」、
段落【0034】の「図3は自動同調の処理のフローチャートの一例である。自動同調を開始するには、利用者が所定のチャンネルまたは番組をステップ70で選択する。この選択は、例えば、カーソルを所望の番組までスクロールさせ、「エンター」キーを押すか・・・」の「番組」の「選択」、
段落【0035】の「利用者が、ステップ70において、第2チャンネル58上のバットマン60を選択する。」の「選択」、
段落【0039】の「図4に示したように、利用者がステップ90においてショウ番組を選択した後、コーディネータが該ショウ番組の開始時間・・・」における「ショー番組」の「選択」
に対応する。
また、上記E3の「チューナ選択」は、
図3の自動同調の実施例、すなわち視聴のための場合(前者)(【0034】?【0037】)と、図4の自動無人録画の実施例、すなわち予約録画のための場合(後者)(【0038】?【0040】)のための「チューナ選択」とが記載されているところ、
上記イ、ウからすれば、
要件E・Fは、図4の自動無人録画のための「ユーザ選択」「チューナ選択」は除外していることは明らかである。
つまり、要件E・Fでいう「ユーザ選択」「チューナ選択」は、図3の自動同調すなわち視聴のための場合の「ユーザ選択」「チューナ選択」が該当するものと理解される。

(4-2)甲2発明との対比(要件E・F)

甲2発明において、要件E・Fに対応する動作・構成は、
甲2発明の「V:グリッドガイド24が表示されている状態でのコマンド受付と動作」における、
V1:『TV内容確認コマンド』、
V2:『選択コマンド』、
V3:『記録コマンド』、
V4:『チャンネルアップ/チャンネルダウンコマンド』、
が発せられたときの動作及びそのように動作する手段である。

ア ユーザ選択
要件Eの「ユーザ選択」は、
E2:ユーザ選択は、該チャンネルガイドに含まれる該複数の番組スケジュール情報のうちユーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ選択であること
を要求しているところ、
甲2発明の上記V1?V4のうち、V1:『TV内容確認コマンド』、
V2:『選択コマンド』、V3:『記録コマンド』を発することは、上記E2を満たすユーザ選択ということができるが、
V4:『チャンネルアップ/チャンネルダウンコマンド』は、チャンネルを選択するコマンドであって、
上記E2「チャンネルガイドに含まれる該複数の番組スケジュール情報のうちユーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ選択」とはいえない。

イ チューナ選択
要件Eは、チューナ選択について、
E1:ユーザ選択を示す信号を受信したことに応答して、チューナ選択がされる手段であること、
E3:チューナ選択は、
E3a:該ユーザ機器装置上に表示を出力するために、
E3b:該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの1つを選択する手段であって、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報が該第1の番組スケジュール情報である場合には、該第1のチューナが選択され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報が該第2の番組スケジュール情報である場合には、該第2のチューナが選択されること
を要求しているところ、
甲2発明は、そもそも、「(1)要件Aについての対比」でみたように、2つのチューナ(本件発明12の「第1のチューナ」と「第2のチューナ」の2つ)を備えていない以上、「該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの1つを選択する手段」を備えていないから、
当然に、上記E1、E3、E3bを満たさず、要件Eを満たさない。
要件Fは「該選択されたチューナによって受信され」とすることから、要件Fも満たさないことは明らかである。

ウ 上記イのとおり、甲2発明は、要件E,要件Fを備えていないことは、明らかであるが、
要件Eの「ユーザ選択」を満たす、上記V1:『TV内容確認コマンド』、V2:『選択コマンド』、V3:『記録コマンド』が発せられたときの動作について以下にみておく。.

ウ-1 V1:『TV内容確認コマンド』
甲2発明は、上記のとおり「グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを特定の『番組リスト』に位置させ、『TV内容確認コマンド』が発せられると、グリッドガイド24の表示から、当該特定の『番組リスト』を含む『単一チャンネル行ガイド58』への表示に遷移し、さらに、その状態で、『TV内容確認コマンド』が発せられると、グリッドガイド24の表示に戻る。」ものであるから、
要件Eのうちの、上記E1、E3,E3a,E3bを満たさないことは明らかである。

ウ-2 V2:『選択コマンド』
甲2発明は、上記のとおり「グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを特定の『番組リスト』に位置させ、『選択コマンド』が発せられると、グリッドガイド24に『番組ノート52』を重ねるように表示し、再度、『選択コマンド』が発せられると、『番組ノート52』が消えて元のグリッドガイド24の表示に戻る。」ものであるから、
上記V1と同様、要件Eのうちの、上記E1、E3,E3a,E3bを満たさないことは明らかである。

ウ-3 V3:『記録コマンド』
甲2発明は、上記のとおり「オンスクリーンスケジュールからタイトルを選択してプログラムする、グリッドガイド24を用いた予約録画の場合、
グリッドガイド24が表示されている状態で、カーソルを、特定の『番組リスト』に位置させて『記録コマンド』(リモートコントローラーの『記録キー148』に対応すると考え得る。)を発せられると、
当該『番組リスト』がオーバジエア放送の局番号(『2』『4』・・・『44』)を表示する行又はケーブルサービス名を表示する行のいずれの行の 『番組リスト』であっても、
・その『タイトル』と、
・その『番組リスト』が放送される『チャンネル』(ケーブルの場合は『ケーブルシステムのチャンネル割り当て』又は『ケーブルサービス名』)と、
・その『番組リスト』の放送『開始時間及び長さ』
が記録メモRAMメモリ236へコピーされ、
システムクロック230が、『開始時間』と一致すると、 記録メモRAMメモリ236に記憶されている、『チャンネル』又は変換済みの『ケーブルシステムのチャンネル割当』又は変換前の『ケーブルサービス名』(『ケーブルサービス名』のままで記憶されていた場合)
が読み出され、
『ケーブルサービス名』のままで記憶されていた場合は、『ケーブルシステムのチャンネル割当』に変換し、
CPU228は、『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』に対応する、その『番組リスト』を放送する局を特定する情報であって、ケーブルデコーダユニットの部分として構成されているプログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子を含むコマンドを、ケーブルデコーダのプログラマブルチューナへ転送し、パワーオン及び記録コマンドをVCR206へ転送することにより、その『番組リスト』が示す番組の自動録画を開始させる。」
ものである。

この動作は、
『記録コマンド』を発せられ、その後、何らの操作をしなくても、システムクロック230が『開始時間』と一致すると、その『番組リスト』が示す番組の自動録画を開始させるから、「ユーザ選択を示す信号を受信したことに応答して」「自動録画」動作する、といえる。
したがって、
「チャンネルガイドに含まれる該複数の番組スケジュール情報のうちユ
ーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ
選択を示す信号を受信したことに応答して、」
プログラマブルチューナを該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報のチャンネル(オーバジエア放送または、ケーブルサービスのチャンネル)に同調させる手段と、
プログラマブルチューナよって受信され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を(記録信号として)提供する手段
により行われるものということができる。

しかしながら、甲2発明のV3:『記録コマンド』が発せられたときの動作は、上記のとおり「該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの1つを選択する」ことがないから、上記V1、V2と同様、
要件Eのうちの、
E1:ユーザ選択を示す信号を受信したことに応答して、チューナ選択がされる手段であること
E3:チューナ選択は、
E3a:該ユーザ機器装置上に表示を出力するために、
E3b:該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの1つを選択する手段であって、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報が該第1の番組スケジュール情報である場合には、該第1のチューナが選択され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報が該第2の番組スケジュール情報である場合には、該第2のチューナが選択されること
を満たさないこと、
要件F「該選択されたチューナによって受信され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を提供する」も満たさないこと、
以上は、明らかである。

また、甲2発明でなされる「ユーザ選択」は、自動録画のための選択であるから、
「テレビジョン番組を視聴するための」と解されるE3a「該ユーザ機器装置上に表示を出力するために」する「ユーザ選択」でもない。

(4-3)まとめ(要件E・Fについての対比)
以上によれば、
本件発明12と甲2発明は、
E’該チャンネルガイドに含まれる該複数の番組スケジュール情報のうちユ
ーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ
選択を示す信号を受信したことに応答して、特定の動作をする手段 を含む、システム、とする点では一致するものの、
特定の動作をする手段が、
本件発明12では、
該ユーザ機器装置上に表示
を出力するために、該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの
1つを選択する手段であって、該ユーザ選択によって指定された番組ス
ケジュール情報が該第1の番組スケジュール情報である場合には、該第
1のチューナが選択され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジ
ュール情報が該第2の番組スケジュール情報である場合には、該第2の
チューナが選択される、手段とし、
そして、
F 該選択されたチューナによって受信され、該ユーザ選択によって指さ
れた番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を提供する手段 を含む
とするのに対して、
甲2発明では、
そのような手段ではなく、
上記V1:『TV内容確認コマンド』又は、V2:『選択コマンド』又
は、V3:『記録コマンド』が発せられたときの上記動作をする手段
とする点で相違する。

( 上記『記録コマンド』が発せられたときの上記動作をする手段は、
プログラマブルチューナを該ユーザ選択によって指定された番組スケジ
ュール情報のチャンネル(オーバジエア放送または、ケーブルサービス
のチャンネル)に同調させる手段と、
プログラマブルチューナよって受信され、該ユーザ選択によって指定さ
れた番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を(記録信号と
して)提供する手段である。)

[3-2]本件発明12と甲2発明(システムの発明)との一致点、相違点

以上の対比結果によれば、本件発明12と甲2発明(システムの発明)との一致点、相違点は次のとおりということができる。

[本件発明12との一致点]
本件発明12と甲2発明は、
A’ユーザ機器装置において用いられるシステムであって、該ユーザ機器装
置は、第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての第1のソース装
置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する、
とともに、
該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源と
しての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン番組
を受信する、システムであり、
該システムは、
B’第1の番組スケジュール情報と、第2の番組スケジュール情報とを受信
する手段であって、該第1の番組スケジュール情報は、該複数の第1の
テレビジョン番組のうちの1つに対応し、該第2の番組スケジュール情
報は、該複数の第2のテレビジョン番組のうちの1つに対応する、手段

C’第1の番組スケジュール情報と第2の番組スケジュール情報とを有
するチャンネルガイドを提供する手段と、
D 該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少
なくともいくつかを表示する手段と、
E’該チャンネルガイドに含まれる該複数の番組スケジュール情報のうちユ
ーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ
選択を示す信号を受信したことに応答して、特定の動作をする手段と
を含む、システム、

[本件発明12との相違点]

[相違点1]
本件発明1が、
該ユーザ機器装置は、第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての
第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信
する第1のチューナと、該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を
用いて、第2の伝送源としての第2のソース装置から伝送される複数の
第2のテレビジョン番組を受信する第2のチューナとを有し、
とするのに対して、
甲2発明は、
該ユーザ機器装置は、第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての
第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信
する、とともに、
該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源と
しての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン番組
を受信するチューナとを有し、
とする点

[相違点2]
B’C’の「第1の番組スケジュール情報」、「第2の番組スケジュール情報」が、
本件発明12では、
「第1の番組スケジュール情報」が「該第1のソース装置から該第1の伝
送方式を用いて伝送される」、
「第2の番組スケジュール情報」が「該第2のソース装置から該第2の伝
送方式を用いて伝送される」
とするのに対して、
甲2発明では、
「第1の番組スケジュール情報」が「該第1のソース装置から該第1の伝
送方式を用いて伝送される」、
「第2の番組スケジュール情報」が「該第2のソース装置から該第2の伝
送方式を用いて伝送される」
とはしていない点

[相違点3]
E’特定の動作をする手段が、
本件発明12では、
該ユーザ機器装置上に表示
を出力するために、該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの
1つを選択する手段であって、該ユーザ選択によって指定された番組ス
ケジュール情報が該第1の番組スケジュール情報である場合には、該第
1のチューナが選択され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジ
ュール情報が該第2の番組スケジュール情報である場合には、該第2の
チューナが選択される、手段とし、
そして、
F 該選択されたチューナによって受信され、該ユーザ選択によって指さ
れた番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を提供する手段 を含む
とするのに対して、
甲2発明では、
そのような手段ではなく、
上記V1:『TV内容確認コマンド』又は、V2:『選択コマンド』又
は、V3:『記録コマンド』が発せられたときの上記動作をする手段
とする点で相違する。

( 上記『記録コマンド』が発せられたときの上記動作をする手段は、
プログラマブルチューナを該ユーザ選択によって指定された番組スケジ
ュール情報のチャンネル(オーバジエア放送または、ケーブルサービス
のチャンネル)に同調させる手段と、
プログラマブルチューナよって受信され、該ユーザ選択によって指定さ
れた番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を(記録信号と
して)提供する手段である。)

[3-3]本件発明12の新規性判断
上記[3-1][3-2]のとおり、本件発明12と甲2発明は、上記[相違点1],[相違点2]及び[相違点3]で相違する(本件発明12は、甲2発明が備えない[相違点1],[相違点2]及び[相違点3]に係る構成を備える)から、本件発明12が甲2号証に記載された発明であるとはいえない。
したがって、本件発明12は、甲2号証に記載された発明であるから特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない、とすることはできない。

[4]本件発明13,16,19,21の新規性判断
本件発明13,16,19,21は、いずれも、請求項12を引用する発明であって、本件発明12にさらに限定事項を付加する発明であるところ、
上記[3]で検討したとおり、
本件発明12と甲2発明は、上記[本件発明12との相違点]、すなわち、上記[相違点1],[相違点2]及び[相違点3]で相違する(本件発明12は、甲2発明が備えない[相違点1],[相違点2]及び[相違点3]に係る構成を備える)のであるから、
本件発明13,16,19,21は、いずれも、甲2発明とは少なくとも上記[本件発明12との相違点](上記[相違点1],[相違点2]及び[相違点3])で相違するということができる。
すなわち、本件発明12が甲2号証に記載された発明であるとはいえないのであるから、本件発明13,16,19,21はいずれも甲2号証に記載された発明であるとはいえない。

したがって、本件発明13,16,19,21は、いずれも特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない、とすることはできない。

以上のとおりであるが、特に本件発明16(請求項16で特定する事項:要件16A)についてみておく。

【請求項16】
16A:前記複数の番組スケジュール情報のそれぞれに対する信号ソース識別子を提供する手段をさらに含み、各信号ソース識別子は、前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する、請求項12に記載のシステム。

請求人は、本件発明16で特定する要件16Aについて、
甲2(ケ)のとおり,「ケーブルチャンネル割当データ」がチャンネル変換を可能にするものであるから,『番組スケジュール情報のそれぞれに対する信号ソース識別』を行うものである。そして,識別のためには何らかの識別子が用いられることは,当然のことだといえ、
したがって,甲2には、『信号ソース識別子を提供することを・・包含』することが開示されており,甲2発明は、該『信号ソース識別』により,『第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する』ことが可能になるものであって、
甲2には、要件16Aがすべて開示されているのであり,甲2発明は本件発明16と一致する、と主張している。(【第3-1】[3-4]無効理由4カ)
しかしながら、甲2発明は、以下にみるように、上記要件16Aを備えているとはいえず、
本件発明16と甲2発明は、
本件発明1と甲2発明の相違点である上記[相違点1],[相違点2],[相違点3]に加えて、
[本件発明16との相違点4]
本件発明16が上記要件16Aを備えるのに対して、
甲2発明は要件16Aを備えていない点
でも相違する。

〈甲2発明が要件16Aを備えていないといえる理由〉

ア 請求項16でいう「信号ソース識別子」
要件16Aでは、「信号ソース識別子」は、
複数の番組スケジュール情報のそれぞれに対応して存在するもので、
前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する信号ソース識別子である、とされているから、
「番組スケジュール情報」とは別のものであることは明らかであるところ、
本件発明でいう「チャンネルガイド」
{-『(画面表示後のチャンネルガイドではなく)
画面表示前のチャンネルガイドであって、
チャンネルガイド表示-利用者に、特定のチャンネルについて、そこで放送される複数の番組スケジュール情報(番組の放送予定情報-その特定のチャンネルで、いかなる特定の番組が、いかなる特定の時間に放送されるかの予定情報)を案内するガイド表示-に対応するガイドデータ』-
と解される「チャンネルガイド」}
が、(「チャンネルガイド」と称することからも)当然に含んでいるということができる「チャンネル情報(ケーブルチャンネル割当データ含む)」とも別のものである(「チャンネル情報」は、「番組スケジュール情報」に含まれるものである)ことは、実施例(段落【0028】「画面表示された図2の格子状ガイド(50)の実施例)や明細書の全趣旨からみても明らかである。

そうすると、甲2発明がそのような「信号ソース識別子」を備えていないことは明らかであるから、甲2発明は、要件16Aで規定される「信号ソース識別子を提供する手段」を備えているとは言えず、
本件発明16と甲2発明は、前記の[相違点4]でも相違する。

イ 請求人の主張について
上記のとおり、甲2発明の「ケーブルチャンネル割当データ」は、本件発明16の、「チャンネルガイド」に含まれる「チャンネル情報」、「番組スケジュール情報」に含まれる「チャンネル情報」に相当するものであって、要件16Aで「番組スケジュール情報のそれぞれに対する」とする「信号ソース識別子」とは異なるものである。
甲2発明の「ケーブルチャンネル割当データ」が、伝送方式を識別する機能を奏するものであるとしても、
甲2発明が、「ケーブルチャンネル割当データ」とは別に、「番組スケジュール情報のそれぞれに対する」「第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する」「信号ソース識別子」を備えないことは明らかであり、
したがって、そのような「信号ソース識別子を提供する手段」も備えないことは明らかである。
したがって、上記請求人の主張は採用できない。

〈「信号ソース識別子」の技術的意義〉
そして、本件発明16の「信号ソース識別子」は、以下にみるように、甲4発明の『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』には奏し得ない技術的意義を奏するものである。

甲2発明の『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』(これらに対応する、放送する局を特定する情報であって、プログラマブルチューナがどの局に同調すべきかをプログラマブルチューナが理解し得るように示す同調チャンネル識別子が、プログラマブルチューナ202内において「信号ソース」を識別するのに使用されるのは、
プログラマブルチューナ202が、どの局に同調すべきかを示す同調チャンネル識別子を含むコマンドを受けるだけで、これに対応する信号ソースを識別する機能を内蔵しているからこそ可能であることは明らかであるが、

本件発明の詳細な説明の下記「記D」の段落【0001】?【0007】,【0042】の記載(特に下線部)によれば、
本件発明16は、
そのようなテレビジョンの装置、すなわち、プログラマブルチューナ202のような、どの局に同調すべきかを示す同調チャンネル識別子を含むコマンドを受けて、これに対応する信号ソースを識別する機能を内蔵しているテレビジョンの装置が従来より存在していて、これにより、自動ソース切換が部分的に達成されていること
-そのようなテレビジョンの装置とは、DBS衛星入力とローカル入力とを自動的に切換え可能に構成されているDBS受信機で、IRDボックスをテレビジョン(該テレビジョンに接続されてVCR)と、ローカル線(ローカル・ケーブルまたはローカル・アンテナ)との間に配置して、自動切換えするもので、ローカル・チャンネルが利用者により手動または遠隔制御により選択されると、IRDボックスが自動的にDBSサービスの受信をやめて、ローカル入力へのバイパスとなるものである。(段落【0003】)-
を、認識した上で、

そのようなテレビジョンの装置では対処し得ない場合、すなわち、
・DBSサービスの他、利用者がケーブルと共にローカル・アンテナ・ソースの双方からテレビチャンネルを受信している場合や、
・2つのソースを2つの入力ポートへ結合した、手動で入力切替するテレビジョンの場合(段落【0004】)、
にも容易に適用できるようにし、より万能な自動切換とすることを課題とし、
そのような課題を解決するために、「番組スケジュール情報」(「チャンネル情報」)とは別に「番組スケジュール情報のそれぞれに対する信号ソース識別子」を導入し、
更に、最終の利用者または消費者が手動操作をしなければならない部分が存在するとしても、最小の操作に止められるようにする課題を解決するために、テレビジョン・システムのチャンネル・ガイド情報を組合せた(マージした)ガイドの生成とソースの自動切換えのためにソース識別子を利用する構成(12B、12C、16A)を採るものといえ、
「信号ソース識別子」について要件16Aで規定する、
「前記複数の番組スケジュール情報のそれぞれに対する」「前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する」「信号ソース識別子を提供する手段をさらに含み、」
との規定は、上記の課題を解決するという、甲2発明の『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』には奏しえない技術的意義を奏するものである。

本件発明16が、「信号ソース識別子」を、チャンネル情報を含む「番組スケジュール情報」とは別のものとして規定する技術的意義は存在するのであり、かかる技術的意義を無視して、甲2発明の『チャンネル』又は『ケーブルシステムのチャンネル割当』が本件発明16の「信号ソース識別子」に該当するとはいえないことは、以上の点から見ても明らかである、

したがって、かかる「信号ソース識別子」の技術的意義からみても、上記請求人の主張は採用できない。

記D(本件発明16,課題・「ソース識別子」の意義関連)
「【0001】
(発明の背景)
従来の技術として、テレビジョン・スケジュール・ガイドに関する情報を提供する装置が幾つかある。これらの情報は、利用可能なチャンネル及び該チャンネルそれぞれのテレビ番組を、スクリーン上に格子(グリッド)状に表示するために使用される。通常、利用可能なチャンネルがY軸上に表示され、時間枠がX軸を占めることになる。これらの一覧表にされたチャンネルは、順番にまたは所望の所定の順序でテレビジョン画面上に表示することができる。米国特許第5353121号には、斯かるシステムが開示されており、当業界で幅広く受け入れられている。米国特許第5353121号は、参照することにより本書に組み入れられている。」
「【0002】
数多くの異なる伝送方式が、テレビジョン・スケジュール・ガイドに必要とされる情報の提供に、利用可能である。例えば、直接放送衛星システム(DBS)では、衛星用ディッシュ・アンテナ及びセットトップ型の受信機を介して、テレビ番組及びテレビ番組スケジュール情報が提供される。DBSシステムは、例えば、ヒューズ・アンド・プライムスター(Hughes and Primestar)から商業的に入手可能である。更に、従来の衛星用ディッシュ・アンテナ、同軸ケーブル、電話回線、光ファイバ・ケーブル、アンテナ等を利用して、テレビ番組及びテレビ番組スケジュール情報の一方または両方が配給される。」
「【0003】
利用者がDBSに加入している場合には、画面表示(オンスクリーン・ディスプレイ)生成装置を有する別体の統合型受信デコーダ(IRD)ボックスが通常提供される。通常、IRDボックスには、最低でも受信機及びチューナが含まれている。DBS加入者は、DBSサービスの提供者が提供/管理する番組ガイドに加えて、潜在的には何百と言ったテレビ・チャンネルへのアクセスが可能となる。不都合なことには、通常DBSシステムはローカル・ネットワーク即ち地方の独立系チャンネルを受信しない。これらの受信できないローカル・チャンネルを受信するために、幾つかのDBS受信機では、DBS衛星入力とローカル入力とを自動的に切換え可能に構成されている。この自動切換えは、IRDボックスをテレビジョン(該テレビジョンに接続されてVCR)と、ローカル線(ローカル・ケーブルまたはローカル・アンテナ)との間に配置することにより、可能にされている。ローカル・チャンネルが利用者により選択されると、IRDボックスが自動的にDBSサービスの受信をやめて、ローカル入力へのバイパスとなる。利用者は、手動または遠隔制御によりローカル・チャンネルを選択することができる。地域的に利用可能なチャンネルへのアクセスは、ゴールデン・アワーの主要番組がローカル・ネットワークから提供されるために、不可欠となる。」
「【0004】
これに対して、利用者がケーブル及びローカル・アンテナ・ソースの双方からテレビチャンネルを受信している場合、話は異なってくる。利用者のテレビジョンが多数テレビジョン入力ポートを備えている場合は、2つのソースを容易に2つの入力ポートへ結合することが可能である。この解決策は、ソース数がテレビジョン入力ポートの数を超えない限り、良好に機能する。」
「【0005】
利用者のテレビジョンが多数の入力を備えていなかった場合には、多数のソース及びテレビジョン入力に取付られた手動スイッチ・ボックスを利用することができる。この解決策では、利用者は、あるソースから別の所望のソースへの切換えを手動で行わなければならない。例えば、利用者がローカル・ニュースを見たいと思った時には、スイッチをケーブルにセットして、利用者がケーブルからローカル・アンテナへ手動で切換えを行わなければならない。遠隔制御と自動化が当たり前となった社会においては、この解決策は多くの消費者に受け入れられないものである。更に、チャンネル間の手動切換えは、チャンネル・ソース数が増えるにつれて、より複雑になる。」
「【0006】
IRDボックス、多数のテレビジョン入力ポート、手動切換え装置等では、前記の問題点に対する自動的切換えを可能にする解決策を提供することは不可能であり、斯かる問題点は場合によっては部分的にしか解決されず、より万能な技術が必要とされている。」
「【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好適な実施例では、本発明は、入力信号及び番組情報の調整(コーディネート)に関しており、より詳細には(1)多数のソースから受信するテレビジョン・スケジュールガイド情報の調整、(2)所望の信号ソースへの自動切換え、及び(3)所望のテレビ番組への同調に関する。従って、本発明は、テレビジョン・スケジュール・ガイド情報を調整する同調方式を提供する。この情報は数多くのソースから受信することができる。これらのソースは、入力ケーブル線(例えば、同軸ケーブル)、衛星放送、専用電話回線(例えば、ツイストペア)及び信号を伝送することができるその他の任意の媒体を含んでいる。」
「【0042】
コーディネータ20を使用することにより、利用者は、テレビ番組ソースを手動で選択することも、手動で所望のチャンネルまたは番組への同調を行うことも不要になる。更に、システム10が可能とする自動受信、格子状ガイドの生成、切換え及び同調により、最終の利用者または消費者が手動操作をしなければならない部分が存在するとしても、最小の操作に止められている。」

[5]本件発明1について(新規性欠如についての判断)

本件発明1は、前記【第2】のとおり要件1A?1Fに分説されるところ、本項[5]においては、要件1A、要件1B、・・・要件1Fを、簡単のため、“1”を略して単に、要件A、要件B、・・・要件Fとも言うこととする。すなわち単に、「要件A」とは、本項[5]においては「要件1A」のことをいうものとする。

本件発明1

A ユーザ機器装置において用いられる方法であって、該ユーザ機器装置は、
第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての第1のソース装置から
伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する第1のチューナ
と、該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の伝送
源としての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン
番組を受信する第2のチューナとを有し、
該方法は、
B 該第1のソース装置から該第1の伝送方式を用いて伝送される第1の番
組スケジュール情報と、該第2のソース装置から該第2の伝送方式を用
いて伝送される第2の番組スケジュール情報とを受信することであっ
て、該第1の番組スケジュール情報は、該複数の第1のテレビジョン番
組のうちの1つに対応し、該第2の番組スケジュール情報は、該複数の
第2のテレビジョン番組のうちの1つに対応する、ことと、
C 該第1の番組スケジュール情報と該第2の番組スケジュール情報とを有
するチャンネルガイドを提供することと、
D 該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少
なくともいくつかを表示することと、
E 該チャンネルガイドに含まれる該複数の番組スケジュール情報のうちユ
ーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ
選択を示す信号を受信したことに応答して、該ユーザ機器装置上に表示
を出力するために、該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの
1つを選択することであって、該ユーザ選択によって指定された番組ス
ケジュール情報が該第1の番組スケジュール情報である場合には、該第
1のチューナが選択され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジ
ュール情報が該第2の番組スケジュール情報である場合には、該第2の
チューナが選択される、ことと、
F 該選択されたチューナによって受信され、該ユーザ選択によって指定さ
れた番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を提供すること と
を包含する、方法。

[5-1]本件発明1と甲2発明(方法の発明)の対比、一致点、相違点

〈対比〉
前記のとおり、本件発明12は「ユーザ機器装置において用いられるシステム」の発明、本件発明1は「ユーザ機器装置において用いられる方法」の発明であって、前者の構成要素が「する手段」で記載され、後者の構成要素が「すること」で記載されているものの、それらの相違を除き両者間に実質的な相違はなく、
本件発明1と甲2発明(方法の発明)の対比については、前記「[3-1]本件発明12と甲2発明(システムの発明)の対比」を援用する。

〈一致点、相違点〉
本件発明1と甲2発明(方法の発明)との一致点、相違点は次のとおりということができる。

[本件発明1との一致点]
本件発明1と甲2発明は、
A’ユーザ機器装置において用いられるシステムであって、該ユーザ機器装 置は、第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての第1のソース装
置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信する、
とともに、
該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源と
しての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン番組
を受信する、方法であり、
該方法は、
B’第1の番組スケジュール情報と、第2の番組スケジュール情報とを受信
することであって、該第1の番組スケジュール情報は、該複数の第1の
テレビジョン番組のうちの1つに対応し、該第2の番組スケジュール情
報は、該複数の第2のテレビジョン番組のうちの1つに対応する、こと と
C’第1の番組スケジュール情報と第2の番組スケジュール情報とを有
するチャンネルガイドを提供することと、
D 該チャンネルガイドに含まれる複数の番組スケジュール情報のうちの少
なくともいくつかを表示することと、
E’該チャンネルガイドに含まれる該複数の番組スケジュール情報のうちユ
ーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ
選択を示す信号を受信したことに応答して、特定の動作をすること を包含する、方法。

[本件発明1との相違点]

[相違点1’]
本件発明1が、
該ユーザ機器装置は、第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての
第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信
する第1のチューナと、該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を
用いて、第2の伝送源としての第2のソース装置から伝送される複数の
第2のテレビジョン番組を受信する第2のチューナとを有し、
とするのに対して、
甲2発明は、
該ユーザ機器装置は、第1の伝送方式を用いて、第1の伝送源としての
第1のソース装置から伝送される複数の第1のテレビジョン番組を受信
する、とともに、
該第1の伝送方式とは異なる第2の伝送方式を用いて、第2の伝送源と
しての第2のソース装置から伝送される複数の第2のテレビジョン番組
を受信するチューナとを有し、
とする点

[相違点2’]
B’C’の「第1の番組スケジュール情報」、「第2の番組スケジュール情報」が、
本件発明1では、
「第1の番組スケジュール情報」が「該第1のソース装置から該第1の伝
送方式を用いて伝送される」、
「第2の番組スケジュール情報」が「該第2のソース装置から該第2の伝
送方式を用いて伝送される」
とするのに対して、
甲2発明では、
「第1の番組スケジュール情報」が「該第1のソース装置から該第1の伝
送方式を用いて伝送される」、
「第2の番組スケジュール情報」が「該第2のソース装置から該第2の伝
送方式を用いて伝送される」
とはしていない点

[相違点3’]
E’特定の動作をすることが、
本件発明1では、
該ユーザ機器装置上に表示
を出力するために、該第1のチューナおよび該第2のチューナのうちの
1つを選択することであって、該ユーザ選択によって指定された番組ス
ケジュール情報が該第1の番組スケジュール情報である場合には、該第
1のチューナが選択され、該ユーザ選択によって指定された番組スケジ
ュール情報が該第2の番組スケジュール情報である場合には、該第2の
チューナが選択される、こととし、
そして、
F 該選択されたチューナによって受信され、該ユーザ選択によって指さ
れた番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を提供すること を包含する
とするのに対して、
甲2発明では、
そのようなことではなく、
上記V1:『TV内容確認コマンド』又は、V2:『選択コマンド』又
は、V3:『記録コマンド』が発せられたときの上記動作をすること とする点。
( 『記録コマンド』が発せられたときの上記動作をすることは、
プログラマブルチューナを該ユーザ選択によって指定された番組スケジ
ュール情報のチャンネル(オーバジエア放送または、ケーブルサービス
のチャンネル)に同調させることと、
プログラマブルチューナよって受信され、該ユーザ選択によって指定さ
れた番組スケジュール情報に対応するテレビジョン番組を(記録信号と
して)提供することである。)

[5-2]本件発明1の新規性判断
上記[5-1]のとおり、本件発明1と甲2発明は、上記[相違点1’],[相違点2’]及び[相違点3’]で相違する(本件発明1は、甲2発明が備えない[相違点1’],[相違点2’]及び[相違点3’]に係る構成を備える)から、本件発明1が甲2号証に記載された発明であるとはいえない。
したがって、本件発明1は、甲2号証に記載された発明であるから特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない、とすることはできない。

[6]本件発明2,5,8,10の新規性判断
本件発明2,5,8,10は、いずれも、請求項1を引用する発明であって、本件発明1にさらに限定事項を付加する発明であるところ、
上記[5]で検討したとおり、
本件発明1と甲2発明は、上記[本件発明1との相違点]、すなわち、上記[相違点1’],[相違点2’]及び[相違点3’]で相違する(本件発明1は、甲2発明が備えない[相違点1’],[相違点2’]及び[相違点3’]に係る構成を備える)のであるから、
本件発明2,5,8,10は、いずれも、甲2発明とは少なくとも上記[本件発明1との相違点](上記[相違点1’],[相違点2’]及び[相違点3’])で相違するということができる。
すなわち、本件発明1が甲2号証に記載された発明であるとはいえないのであるから、本件発明2,5,8,10はいずれも甲2号証に記載された発明であるとはいえない。

したがって、本件発明2,5,8,10は、いずれも特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない、とすることはできない。

また、本件発明16について検討したのと同様に、本件発明5について検討してみれば、
本件発明5と甲2発明は、
本件発明1と甲2発明の相違点である上記[相違点1’],[相違点2’],[相違点3’]に加えて、
[本件発明5との相違点4’]
本件発明5が下記要件5Aを備えるのに対して、
甲2発明は要件5Aを備えていない点
でも相違する、
ということができる。

【請求項5】
5A:前記複数の番組スケジュール情報のそれぞれに対する信号ソース識別子を提供することをさらに包含し、各信号ソース識別子は、前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する、請求項1に記載の方法。

【まとめ:無効理由4(新規性欠如(29条1項3号)】
以上のとおりであるから、
本件発明1,2,5,8,10,12,13,16,19,21は、いずれも、甲2号証に記載された発明であるから特許法第29条第1項3号に該当し特許を受けることができない、とすることはできない。
したがって,本件発明1,2,5,8,10,12,13,16,19、21に係る特許は,いずれも、特許法第29条第1項の規定に違反してなされたものであるから同法第123条第1項第2号に該当し無効とすべきものである、とすることはできない。

[7]本件発明3,6,7,11,14,17,18,22について(進歩
性欠如)
進歩性欠如を理由とする無効理由4は、
本件発明3,7,11,14,18,22(計6)は、甲2号証に記載された発明に基づく容易想到であり、
本件発明6,17(計2)は、甲2号証に記載された発明及び甲5号証に記載された発明に基づく容易想到である。

[7-1]本件発明3,7,11について(進歩性欠如についての判断)
本件発明3,7,11は、いずれも、本件発明1を引用する発明であるから、甲2発明とは上記[本件発明1との相違点]、すなわち、上記[相違点1’],[相違点2’]及び[相違点3’]の点で相違があるといえるところ、
甲2発明を出発点として、これら3つの相違点を克服して、これら3つの相違点に係る本件発明3、7,11の構成に至らしめるに足る動機付けも、これら3つの相違点に係る本件発明3,7,11の構成も、甲2号証のどこにも見出すことはできないのであるから、
甲2号証記載の発明に基づいて、これら3つの相違点の克服が当業者が容易になし得たことである、とはいえない。
したがって、本件発明3,7,11は、いずれも、甲2号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである、とすることはできない。

[7-2]本件発明14,18,22について(進歩性欠如についての判断)
本件発明14,18,22は、いずれも、本件発明12を引用する発明であるから、甲2発明とは上記[本件発明12との相違点]、すなわち、上記[相違点1],[相違点2]及び[相違点3]の点で相違があるといえるところ、
甲2発明を出発点として、これら3つの相違点を克服して、これら3つの相違点に係る本件発明14,18,22の構成に至らしめるに足る動機付けも、これら3つの相違点に係る本件発明14,18,22の構成も、甲2号証のどこにも見出すことはできないのであるから、
甲2号証記載の発明に基づいて、これら3つの相違点の克服が当業者が容易になし得たことである、とはいえない。
したがって、本件発明14,18,22は、いずれも、甲2号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである、とすることはできない。

[7-3]本件発明6について(進歩性欠如についての判断)

ア 【請求項6】
6A:前記複数の番組スケジュール情報のうちユーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ選択を示す信号を受信することと、
6B:該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応する前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する信号ソース識別子を検索することと、
6C:該識別された伝送方式を用いる前記第1のチューナおよび前記第2のチューナのうちの1つからテレビジョン信号を受信することと
をさらに包含する、請求項5に記載の方法。

イ 本件発明6は、本件発明1を引用する本件発明5を更に引用する発明であるから、甲2発明とは少なくとも、上記[本件発明1との相違点]、すなわち、上記[相違点1’],[相違点2’]及び[相違点3’]の点に加え、上記[本件発明5との相違点4’]でも相違があるといえる。

ウ 甲5号証
甲5号証には、前記【第4-4】[1](2)」で摘示した(タ)?(ナ)の記載が認められる。

〈甲5号証記載の発明〉
放送ネツトワーク(たとえば、ABC、NBCおよびCBC)は、「有線(ケーブル)サービス」と並列的に記載されていることなどから、無線電波による放送ネツトワークといえ、したがって、
上記(タ)?(ナ)によれば、
「無線電波による放送ネツトワーク(たとえば、ABC、NBCおよびCBC)と共に多数の有線(ケーブル)サービス・ネツトワーク(たとえば、HBO、ESPN・Cinemax、等)があり、視聴者にとつてはどのチヤンネル番号がどのネツトワークに対応しているか憶えきれないという問題があり{(タ)}、
そのような問題を解決すべく、視聴者がネツトワークの名称のテキスト・ラベルを入力させ、そのラベルに同調させるべき特定チヤンネルを関連づけることのできる同調システムを提供することを課題とし{(チ)}、
視聴者が、ネットワークの名称等の「テキストラベル」を手持ち遠隔制御ユニットで入力すると、入力したそのテキストラベルがメモリ中にあるかどうかサーチし、ラベルが見つかればそのラベルに相当するチャンネルにチューナが同調し、視聴者がそのチャンネルで放送されている番組を視聴できるようにした同調システム{(ツ)?(ナ)}」(以下、「甲5発明a」という。)
が記載されている、ということができる。

請求人は、上記摘示(タ)?(ナ)から、甲5号証には、
『無線電波による放送ネツトワークのチャンネルとケーブルサービスのネットワークのチャンネルのいずれのチャンネルについても、
視聴者が、ネットワークの名称等の「テキストラベル」を手持ち遠隔制御ユニットで入力するだけで、入力したそのテキストラベルがメモリ中にあるかどうかサーチし、ラベルが見つかればそのラベルに相当するチャンネルであって、上記何れのネットワークのチャンネルについても(チューナが)同調し、視聴者がそのチャンネルで放送されている番組を視聴できるようにした同調システム。』(以下、「甲5発明b」という。)
が記載されている旨、主張している。

上記摘示(タ)?(ナ)から、請求人が記載されているとする上記「甲5発明b」が記載されているとまでいえるかは定かではないが、
以下、甲5号証には、上記「甲5発明b」が記載されているとして論じることとする。

エ 上記[相違点1’],[相違点2’],[相違点3’]
及び[本件発明5との相違点4’]の克服の容易想到性
エ-1 相違点1’],[相違点2’],[相違点3’]の克服
上記甲5発明bは、
甲2号証の(K22)「プログラム機能を有す多くのユニバーサルリモートコントローラーがあるが、その一方で、ユーザーが局名及びケーブルチャンネル名といった総称を入力できるものは存在せず、VCRまたはケーブルデコーダに同調させるためにCPUに名前を特定のチャンネルに変換させている。これは、CPU228及びリモートコントローラー212中のケーブル指定RAM238を備えることによって実現している。」記載の技術と基本的に同様の技術を示すにとどまるものであって、
上記[相違点1’],[相違点2’]及び[相違点3’]を克服して、これら3つの相違点に係る本件発明6の構成に至らしめるに足る動機付けも、これら3つの相違点に係る本件発明6の構成も、甲5号証に見出すことはできない。
したがって、甲2発明を出発点として、甲5号証記載の発明に基づいて、上記[相違点1’],[相違点2’]及び[相違点3’]を克服することは当業者が容易になし得たことである、とはいえない。

エ-2 [本件発明5との相違点4’]の克服等
請求人は、甲5号証の「ラベル」は、
本件発明5でいう「前記複数の番組スケジュール情報のそれぞれに対する」「前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する」「信号ソース識別子」、
本件発明6の要件6Bでいう「該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応する前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する信号ソース識別子」に該当すると主張している。

しかし、上述の通り、甲5号証の「ラベル」は、甲2号証の(K22)記載の技術と基本的に同様の技術を示すにとどまるものであり、
甲2号証の(K22)記載の技術における「ケーブルチャンネル名」やこれをを変換した「ケーブルチャンネル割当データ」が、本件発明5、6でいう上上記の「信号ソース識別子」とは言えないことは、「【第4-4】[4]〈甲2発明が要件16Aを備えていないといえる理由〉」で示したことから明らかである。
すなわち、甲5号証の「ラベル」は、
本件発明5でいう「前記複数の番組スケジュール情報のそれぞれに対する」「前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する」「信号ソース識別子」に該当する、とはいえないし、
本件発明6の要件6Bでいう「該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応する前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する信号ソース識別子」に該当する、ともいえない。
したがって、甲5号証記載の発明に基づいて、[本件発明5との相違点4’]の克服をすることは困難である。
さらに、本件発明6の要件6Bに至ることも困難である。

オ まとめ(本件発明6について(進歩性欠如についての判断))
以上によれば、本件発明6は、甲2号証記載の発明及び甲5号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである、とすることはできない。

[7-4]本件発明17について(進歩性欠如についての判断)

ア 【請求項17】
17A:前記複数の番組スケジュール情報のうちユーザによって選択された1つの番組スケジュール情報を指定するユーザ選択を示す信号を受信する手段と、
17B:該ユーザ選択によって指定された番組スケジュール情報に対応する前記第1の伝送方式および前記第2の伝送方式のうちの1つを識別する信号ソース識別子を検索する手段と、
17C:該識別された伝送方式を用いる前記第1のチューナおよび前記第2のチューナのうちの1つからテレビジョン信号を受信する手段と
をさらに含む、請求項16に記載のシステム。

イ 本件発明17は、本件発明12を引用する本件発明16を更に引用する発明であるから、甲2発明とは少なくとも、上記[本件発明12との相違点]、すなわち、上記[相違点1],[相違点2]及び[相違点3]の点に加え、上記[本件発明16との相違点4]で相違があるといえる。

ウ 上記[相違点1],[相違点2],[相違点3]
及び[本件発明16との相違点4]の克服の容易想到性
上記[7-3]で本件発明6についてした判断と同様、
甲5号証記載の発明に基づいて、[本件発明16との相違点4]の克服をすることは困難であるし、本件発明17の要件17Bに至ることも困難である。

エ まとめ(本件発明17について(進歩性欠如についての判断))
したがって、本件発明17に係る特許は特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから同法第123条第1項第2号に該当し無効とすべきものである、とすることはできない。

【まとめ:無効理由4(進歩性欠如(29条2項)】
以上のとりであるから、
本件発明3,7,11,14,18,22は、いずれも、甲2号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである、とすることはできない。
また、本件発明6,17は、いずれも、甲2号証記載の発明及び甲5号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである、とすることはできない。

したがって、本件発明3,6,7,11,14,17,18,22に係る特許は,いずれも、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであるから同法第123条第1項第2号に該当し無効とすべきものである、とすることはできない。

【第5】むすび

以上のとおりであるから、
請求人の主張及び証拠方法によっては、請求項1?3,5?8,10?14,16?19,21及び22に係る特許を無効とすることができない。

審判に関する費用については、請求人の負担とする。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-06-02 
結審通知日 2011-06-03 
審決日 2011-06-15 
出願番号 特願2006-211507(P2006-211507)
審決分類 P 1 123・ 537- Y (H04N)
P 1 123・ 113- Y (H04N)
P 1 123・ 54- Y (H04N)
P 1 123・ 121- Y (H04N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川崎 優  
特許庁審判長 乾 雅浩
特許庁審判官 渡邊 聡
梅本 達雄
登録日 2009-08-21 
登録番号 特許第4362130号(P4362130)
発明の名称 テレビジョン・システムにおけるマルチ・ソース情報の組合せ  
代理人 山本 秀策  
代理人 鮫島 正洋  
復代理人 大塩 竹志  
復代理人 溝田 宗司  
復代理人 ▲柳▼下 彰彦  
代理人 安村 高明  
代理人 伊藤 雅浩  
代理人 森下 夏樹  
代理人 松島 淳也  
代理人 高見 憲  

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