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審決分類 審判 一部無効 2項進歩性  F24F
管理番号 1241627
審判番号 無効2010-800159  
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2010-09-10 
確定日 2011-07-04 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3717509号発明「気流拡散装置(拡散扇)及び空気調和機」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 1 手続の経緯
(1)本件特許第3717509号の請求項1?9に係る発明についての出願(以下「本件出願」という。)は、平成16年11月2日に出願され、平成17年9月9日にその発明について特許権の設定登録がされたものである。
(2)これに対し請求人は、平成22年9月10日付けで本件無効審判を請求し、本件特許の請求項1乃至3に係る発明についての特許を無効とするとの審決を求めた。
(3)被請求人は、平成22年12月6日付けで答弁書を提出するとともに、訂正請求書を提出して訂正を求めた。
(4)その後請求人より平成23年1月12日付けで無効審判弁駁書が提出された。
(5)請求人より平成23年2月9日付けで無効審判上申書が提出された。
(6)当審より平成23年2月28日付けで審理事項通知書を通知した。
(7)その後被請求人より平成23年3月30日付けで口頭審理陳述要領書が提出された。
(8)請求人より平成23年3月30日付け(31日差出)で口頭審理陳述要領書が提出された。
(9)平成23年4月20日に、特許庁第1審判廷において口頭審理を行い、審理を終結した。

2 訂正の可否
(1)訂正の内容
平成22年12月6日付け訂正請求は、本件特許発明の特許請求の範囲及び明細書を訂正請求書に添付した特許請求の範囲及び明細書のとおりに訂正しようとするものであって、訂正の内容は以下の訂正事項1、2のとおりである。(下線部は訂正箇所を示す。)
(ア)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の第4行目に「前記空気調和機の下方に前記シャフト部材を吊り下げる吊下部材と、を備え」とあるのを「前記空気調和機の吸い込み口正面下方に前記シャフト部材を吊り下げる吊下部材と、を備え」と訂正する。
(イ)訂正事項2
明細書段落0011の第3-4行目に「前記空気調和機の下方に前記シャフト部材を吊り下げる吊下部材と、」とあるのを「前記空気調和機の吸い込み口正面下方に前記シャフト部材を吊り下げる吊下部材と、」と訂正する。

(2)訂正の適否に対する判断
(ア)これらの訂正事項について検討すると、上記訂正事項1は、本件特許明細書段落【0019】の「 背面プレート11は、前記空気調和機の吸い込み口背面に配置し、装置全体を空気調和機の吸込口110に掛止するための部材である。台座プレート12は、ねじ山が形成された垂直シャフト挿入部12aを有し、空気調和機の吸込口110正面に配置し、垂直シャフトを取り付ける台座をなす部材である。」の記載に基づいて、請求項1に係る特許発明の特定事項であるシャフト部材を吊り下げる位置について、「前記空気調和機の下方」を「前記空気調和機の吸い込み口正面下方」と限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
上記訂正事項2は、訂正事項1に伴い特許請求の範囲と整合しなくなった発明の詳細な説明の記載を特許請求の範囲と整合させるものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当する。
そして、いずれの訂正事項も、訂正後の技術事項が願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、かつ、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(イ)訂正後の特許請求の範囲のうち、無効審判が請求されていない請求項4乃至9に係る発明は、請求項1に係る発明を直接的又は間接的に引用するものであり、請求項1に係る発明は特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正がなされているものであるから、本件訂正により、訂正後の請求項4乃至9についても、実質的に特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正がなされているものである。
そこで、請求項4乃至9に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討する。
訂正後の請求項1に係る発明は、以下の「7 当審の判断(1)本件特許発明1について」において述べるとおり、請求人の主張する理由によっては特許を受けることができないとすることはできないし、他に特許を受けることができない理由を発見しないから、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。そして、当該請求項1に係る発明を直接的又は間接的に引用する訂正後の請求項4乃至9に係る発明についても、他に特許を受けることができない理由を発見しないから、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
(ウ)したがって、平成22年12月6日付けの訂正請求に係る訂正は、特許法第134条の2第1項第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、同法第134条の2第5項の規定によって準用する同法第126条第3項及び第4項の規定並びに同法第134条の2第5項の規定によって読み替えて準用する同法第126条第5項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3 請求人の主張する無効理由
請求人は、訂正後の本件特許の請求項1乃至3に係る発明の特許を無効とする、との審決を求め、その理由として、本件の請求項1乃至3に係る特許発明は、甲第2号証を主引例として、甲第2号証乃至甲第10号証に記載された発明に基づいて、本件特許出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、その特許は同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきであると主張している。(「第1回口頭審理調書」参照)

[証拠方法]
甲第2号証 :実願昭56-193237号(実開昭58-102133号)のマイクロフィルム
甲第3号証 :実願平5-75473号(実開平7-41348号)のCD-ROM
甲第4号証 :米国特許4598632号明細書
甲第5号証 :米国特許5704832号明細書
甲第6号証 :特開2002-284265号公報
甲第7号証 :特開平8-280946号公報
甲第8号証 :登録実用新案第3078419号公報
甲第9号証 :特開2000-205617号公報
甲第10号証 :特開2002-243264号公報

なお、甲第4号証-1(米国特許抄録)、甲第4号証-2(請求人作成の参考図)及び甲第5号証-1(米国特許抄録)、甲第5号証-2(請求人作成の参考図)は、参考資料である。

ここで、請求人は、被請求人が提出した平成22年12月6日付けの答弁書及び訂正請求書による訂正の請求に対して、平成23年1月12日付け無効審判弁駁書で甲第6、7号証を追加し、また、平成23年3月30日付け口頭審理陳述要領書で甲第8乃至10号証を追加して、これらに基づく本件特許の請求項1乃至3に対する無効の理由を追加する補正を行った。
この、甲第6号証乃至甲第10号証に基づく無効理由の追加は、特許法第131条の2第2項第1号に該当するとして許可する旨決定された。(「第1回口頭審理調書」参照)

4 被請求人の主張
一方、被請求人は、本件の請求項1乃至3に係る特許発明は、甲第2号証乃至甲第10号証に記載された発明に基づいて、本件特許出願前に当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明ではなく、その特許は同法第123条第1項第2号に該当しないので、無効ではないと主張している。(「第1回口頭審理調書」参照)

なお、被請求人は参考資料として乙第1号証及び乙第2号証を提出した。
乙第1号証 :三菱重工業株式会社ホームページ冷熱事業本部の「三菱重工の歴史」のページの写し(URL http://www.mhi.co.jp/aircon/introduction/outline/contents/history02.html)
乙第2号証 :ダイキン工業株式会社ホームページの「ダイキン業務用エアコンの歴史」のページの写し(URL http://www.daikinaircon.com/shopoffice/history/index.html)

5 本件特許発明
訂正後の本件特許の請求項1乃至3に係る発明(以下「本件特許発明1」乃至「本件特許発明3」という。)は、特許請求の範囲及び明細書並びに図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1乃至3に記載された事項により特定される次のとおりのものと認める。
「【請求項1】
羽根部材と前記羽根部材を支持するハブ部材とからなり、空気調和機の送風口から吹き降ろされる風が前記羽根部材の回転軌道上に当たるよう配設される羽根車と、
前記羽根車の回転軸を構成するシャフト部材と、
前記空気調和機の吸い込み口正面下方に前記シャフト部材を吊り下げる吊下部材と、を備え、
少なくとも前記送風口から吹き出される風のみによって前記羽根車を自転可能としたこと、
を特徴とする気流拡散装置。
【請求項2】
羽根部材とスポーク部材と前記スポーク部材を支持するハブ部材とからなり、空気調和機の送風口から吹き降ろされる風が前記羽根部材の回転軌道上に当たるよう配設される羽根車と、
前記羽根車の回転軸を構成するシャフト部材と、
前記空気調和機の下方に前記シャフト部材を吊り下げる吊下部材と、を備え、
少なくとも前記送風口から吹き出される風のみによって前記羽根車を自転可能としたこと、
を特徴とする気流拡散装置。
【請求項3】
羽根部材とスポーク部材と前記スポーク部材を支持するハブ部材とからなり、空気調和機の送風口から吹き降ろされる風が前記羽根部材の回転軌道上に当たるよう配設される羽根車と、
ねじ山が形成された上端と前記羽根車を水平に軸支する下端を有するシャフト部材と、
前記シャフト部材の螺入孔を有し、前記空気調和機の吸い込み口正面に配置する台座プレートと、
前記シャフト部材の前記空気調和機の吸い込み口背面に配置する背面プレートと、
前記台座プレートと背面プレートを挟持して、前記シャフト部材を前記空気調和機の吸い込み口正面に吊り下げる挟持部材と、を備え、
風によって前記羽根車を自転可能としたこと、
を特徴とする気流拡散装置。」

6 甲各号証の記載内容
請求人の提出した甲第2号証乃至甲第10号証には、図面と共にそれぞれ次の事項が記載されている。
(1)甲第2号証
(ア)「複数のブレードを一定方向に傾斜させて設け、それらに補強リブを放射方向に延在させて設置し、ブレード及び補強リブの回転によりフアンの作り出す風の向きを変える回転グリル…」(実用新案登録請求の範囲)
(イ)「本考案は扇風機のフアンの前方向或いは空気調和機の吹出口に設置される回転グリルに係り、」(明細書1頁17?18行)
(ウ)「補強リブ4は中心から放射方向に延在して設けられ、ブレード3と一体的に形成されている。」(明細書2頁11?13行)
(エ)「第7図に示す如く、3はブレードで、一定方向に傾斜して設置されており、そのブレード3を補強するために補強リブ4が放射方向に延在して設けられている。」(明細書5頁19行?6頁2行)
(オ)「風量が増大し、また、拡がりのある風が得られ、」(明細書6頁13行)
(カ)「回転グリルの回転駆動手段としては、第8図乃至第10図に示す如く、フアン1の風力で回転グリル2を回転駆動させ、回転グリル2の回転速度を低く押えるために流体継手9を用いる方式が、省エネルギー、薄形及び低コストの天井型扇風機にとつて好都合である。すなわち、流体継手9の外筒10側は化粧キセ11に固定され、流体継手9の内筒12側は回転グリル2の中心部に固定されており、フアンモータ6の駆動でフアン1が回転すると、フアン1の風力で回転グリル2は流体継手9の内筒12と共に回転するが、…できる。」(明細書6頁18?7頁13行)
(キ)「このような方式では、ギヤモータ或いはギヤボツクスを使用しないので、省エネルギー、低騒音、低重量及び低コストとなる。」(明細書7頁16?18行)
(ク)「渦の発生が押えられ、空気の流れが滑らかに放出されるので、配風範囲を拡大することができる。」(明細書8頁11?13行)
(ケ)第7?12図及び摘記事項(カ)からみて、フアン1の風力で回転グリル2が流体継手9の内筒12と共に回転するように、吹出口の上方に位置した流体継手9の内筒12を上端としそこから下方に延び回転グリル2の中心部を下端としてそこに固定された回転軸を構成するシャフト部材、及び、前記回転グリル2が空気調和機の吹出口と同一平面上に設置され、吹出口を通過する風が前記ブレード3及び補強リブ4に当たるようにした点が記載されている。
(コ)第1図、第3図及び第8図には、回転グリル2の中心部に補強リブ4を放射状に延在させたハブ部材が記載されている。

上記摘記事項、図面の記載及び認定事項からみて、甲第2号証には次の発明が記載されている。
「一定方向に傾斜させて設けられた複数のブレード3と、この複数のブレード3に一体的に形成された補強リブ4を放射方向に延在させた回転グリル中心部のハブ部材とからなり、空気調和機の吹出口を通過するフアン1の作り出す風が前記ブレード3及び補強リブ4に当たるように吹出口と同一平面上に設置された回転グリル2と、
前記回転グリル2の回転軸を構成するシャフト部材と、
外筒10と内筒12とからなり、前記外筒10が、吹出口の上方の位置で、前記空気調和機の化粧キセ11に固定され、前記内筒12を上端としてシャフト部材が下方に延びて下端を吹出口に設置された回転グリル2の中心部に固定した、流体継手9と、を備え、
前記吹出口を通過するフアン1の風力で回転し回転グリル2でフアン1の作り出す風の向きを変える回転グリル装置。」

(2)甲第3号証
(ア)「【請求項1】 天井型吹出口本体の開口部に、一つの斜め下方吹出が得られ、かつ駆動部によって回転する整流部が装着された偏向部を、冠設せしめた如き構成としたことを特徴とする天井型吹出口。
【請求項2】 天井型吹出口本体の開口部に、複数の斜め下方吹出が得られ、かつ駆動部によって回転する整流部が装着された偏向部を、冠設せしめた如き構成としたことを特徴とする天井型吹出口。
【請求項3】 吹出気流の巾の広い斜め下方吹出が得られる整流部が装着された偏向部を、冠設せしめたことを特徴とする請求項1、若しくは2記載の天井型吹出口。
【請求項4】 上記整流部を、駆動部によらないで自走式により回転させる如き構成としたことを特徴とする請求項1、2、若しくは3記載の天井型吹出口。」(実用新案登録請求の範囲)
(イ)「上記整流部6の風向羽根8を斜め一方向に調節することによって、斜め下方吹出気流が得られるようにする。」(段落【0007】)
(ウ)「図13に示すように、上記それぞれの構成の整流部6に連結される回転軸9の先端側に、風車部10を設け、駆動力によらないでダクト1内からの風圧によって風車部10を回転させ、整流部6を回転させる構成とするものである。」(段落【0010】)
(エ)「【考案の効果】
以上述べて来た如く本考案によれば、吹出気流パタ-ンについて、従来の夏期冷房時での水平吹出では、吹出気流のデッドゾ-ンが広く気流同志の干渉が生じた地点では、気流が居住域まで下降するため、その地点ではドラフトを生じる。
しかし本考案では、旋回気流なのでデッドゾ-ンを少なくすることができる。
更に旋回気流は、自然風により近いことから人に快適感を与える。又冬期暖房時、拡散半径を大きくすることができ、室内全体にまんべんなく暖房気流を満たすことができる。」(段落【0011】)

上記摘記事項及び図面の記載からみて、甲第3号証には次の技術的事項が記載されている。
「風向羽根8を斜め一方向に調節することにより一つの斜め下方吹出の旋回気流が得られるように回転する整流部6が装着され、天井吹出口本体の開口部に冠設せしめた偏向部において、
整流部6に連結される回転軸9の先端側に、風車部10を設け、駆動力によらないでダクト1内から風圧によって風車部10を回転させ自走式駆動部とし、整流部6を回転させる偏向部。」

(3)甲第4号証
(ア)「 DETAILED DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENT
FIGS. 1 and 2 show generally the preferred embodiment of the apparatus of the present invention designated generally by the numeral 10 . The ceiling fan 10 provides a housing 11 that comprises a bottom plate 25, a top plate 28 and a plurality of connecting struts. Top plate 28 would be generally flat on its upper surface and would be positioned adjacent the ceiling of a room to which apparatus 10 would be added with the top plate 28 abutting against the ceiling in a face-to-face arrangement as best seen in FIG. 3. A suitable hanger 50 could take the form of for example an elongated bar other such member which would sandwich the ceiling inbetween the hanger 50 and the plate 28. This is exemplary and other means for hanging plate 28 to a ceiling of a room could be utilized such as for example bolting, or other such fasteners. Further, connectors on the upper surface of plate 28 could take the form of clips designed to interlock plate 28 with existing register connections formed on the register outlet which is mounted in the ceiling of the air conditioning system.
Disposed within housing 11 in a rotational fashion is squirrel cage blower 20 which rotates with common shaft 14. In FIGS. 1 and 2 shaft 14 can be seen terminating at its lower end portion at hub 13 which attaches to a plurality of brackets 12 each of which carries fan blade 15. During operation, fan blades 15 will rotate in a horizontal plane and will be spaced a distance below the surface of ceiling 30 as best seen in FIG. 3. As will be described more fully hereinafter, blades 15 are both functional and asthetically pleasing, emulating the blade positioning of prior art type ceiling fans which are electrically driven and which are hung from a ceiling in a spaced horizontal arrangement.
A pair of bearing assemblies 16,17 are provided for forming an interface between common shaft 14, and housing 11. It will be understood by one skilled in the art that housing 11 is stationary and attached to ceiling 30 as best seen in FIG. 3 while squirrel cage blower 20 and shaft 14 rotate as well as rotating hub 13, brackets 12 and blades 15.
Squirrel cage blower 20 provides the driving force for rotating shaft 14 and thus blades 15. To illustrate, with regard to FIG. 3, there can be seen duct work 35 which terminates at opening 38 in ceiling 30. Ceiling 30 would provide an outer surface 32 generally parallel with the floor of a room and innersurface 31. Plate 28 of housing 11 is shown abutting the lower surface 32 of ceiling 30 and would be affixed as aforedescribed by conventional means. Air would flow through duct work 35 which would be hollow and dispense through opening 38 of ceiling 30 into the confines or inner portion of squirrel cage blower 20. The inner confines of blower 20 can be seen best in FIG. 2 as being that area internal of ring 26. Ring 26 would be attached to the upper surface of a plurality of vanes 22 which vanes would affix at their bottom portion to a rotating plate 21. Plate 21 would be affixed to shaft 14 and rotate therewith.
Air entering the inner portion of blower 20 would be dispensed laterally through the spaces between vanes 22 as best shown in FIG. 3. Arrows 42 represent such lateral movement of air through squirrel cage blower 20 and through the individual vanes 22 thereof. Since vanes 22 are angular disposed, this movement of air causes a rotation of lower 22 and a corresponding rotation of shaft 14, hub 13, brackets 12 and blades 15. From the above, it can be seen that air is dispensed both laterally and downwardly as shown by the arrows 42 and 45 respectively of FIG. 3. Curved arrow 46 represents the rotational movement of blades 15.
Thus the apparatus of the present invention is totally air driven using air which is flowing through the duct work as powered by conventional central air conditioning systems.
Because many varying and different embodiments may be made within the scope of the inventive concept herein taught, and because many modifications may be made in the embodiments herein detailed in accordance with the descriptive requirement of the law, it is to be understood that the details herein are to be interpreted as illustrative and not in a limiting sense.」(3欄21行?4欄35行)

「好ましい実施形態の詳細な説明
図1と2は、本発明の装置の好ましい実施例の全体を、天井ファン10として、示している。天井ファン10は、下部板25、上部板28と、複数の接続する支柱を含むハウジング11を備え付けている。図3は、上部板28が、一般的にその上部面は平坦で、天井に接して取付けられるものであること、上部板28に隣接する天井ファン10とともに、部屋の天井に直面して取付けられていることを示している。適当な引掛け部50は、例えば細長いバーや、その他枝のような形をしており、引掛け部50と上部板20(28の誤記)の間に天井をサンドイッチのように挟みこむ。これは模範的なもので、ボルトやその他そのような取付部品を利用して、部屋の天井に上部板28を引掛ける他の手段も利用できる。さらに、上部板28の上部表面にあるコネクターは、上部板28と、空調システムの天井に取り付けられた既存の通風装置の吹出口につながる既存の通風装置を連動させるように設計されたクリップのような形にすることができる。
ハウジング11の中に配置されている回転手段は、りすかご型送風機20で、共通軸14とともに回転する。図1と図2の中で、軸14がハブ13の一番下のあたりに取り付けられているのが見られ、ハブ13は、羽根15が取り付けられている複数のブラケット12に取付けられている。羽根15は天井30表面の下に、少し距離をあけたところに設置され、作動中は水平面で回転する。以下により完全に説明されるように、羽根15は、機能的であって、かつ芸術的に美しく、羽根の位置は、電気で駆動するような従来の天井ファンの技術に習って決められており、羽根は天井から少し離した水平面に引掛けられて取付けられている。
1組のベアリング16、17は、共通の軸14と、ハウジング11の間で接点を形成しながら、取付けられる。それは、当業者には、以下のように理解される、ハウジング11は、図13で最もよく表されているように天井に固定され、それと同時にりすかご型送風機20と軸14は、回転するハブ13、ブラケット12、および羽根15と同様に回転する。
りすかご型送風機20は、回転する軸14と羽根15に駆動力を伝える。図3に関して説明すると、天井30の、ダクト35の末端に、開口部38があるのが見える。天井30の外側面32は、部屋の床及び(天井30の)内側面31と平行になっている。ハウジング11のプレート28は、天井30の下面32に接して、前述のような、従来の手段で取り付けられているのが見える。空気は、空洞のダクト35を流れて、天井30の開口部38を通して、かご型送風機20の境界もしくはその内部に分配される。送風機20の内側の境界が、リング26の内部の空間であることが、図2で最もよく表されている。リング26は複数の羽根22の上部面に取付けられ、その羽根22の下の部分には回転するプレート21が取付けられる。プレート21は、軸14に取付けられ、それとともに回転する。
図3が最も良く示すように、りすかご型送風機20の内部に入る空気が、羽根22の間の空間を通して横方向に分配される。矢印42はりすかご型送風機20と個々の羽根22を通した、空気のそのような横方向の運動を表している。羽根22が角度をつけて配列されているので、空気のこの動きは羽根22の下側の回転と、それに連動する軸14、ハブ13、ブラケット12、および羽根15の回転を引き起こす。図3で、空気が矢印42と45によってそれぞれ示されているように、上方から、横向きと下向きに分配されているのが分かる。曲がった矢印46は、羽根15の回転運動を表す。
したがって、本発明の装置は、従来の集中空調方式のダクトに流れている空気を使用し、完全に空気で駆動するのである。
これまで述べた、発明的概念の範囲内で、様々な多くの異なった、具体化をするかもしれないし、また、法律の記述要件に従って記載された明細書に多くの変更をするかもしれないので、この明細書は、説明には役立つが、発明の内容を限定するような要旨ではない。」(無効審判上申書翻訳文4頁2行?5頁18行)

上記記載事項及び図面の記載からみて、甲第4号証には次の技術的事項が記載されている。
「下部板(底板)25、上部板28及び複数の連結支柱27からなるハウジング11を、引掛け部50と上部板28の間に天井30をサンドイッチのように挟みこむことで、天井30に取り付け、りすかご型送風機(多翼送風機)20の軸14の下端のハブ13に羽根15を有する複数のブラケット12が取付けられ、ダクト35、開口部38を通って、天井の下面32に接した形で取り付けられたハウジング11内のりすかご型送風機20の内部に入る空気が、羽根22の間の空間を通して横方向に分配され、空気のこの動きにより、りすかご型送風機20を回転させ、同時に軸14を介して羽根15を回転させ空気が下向きに分配されるエア駆動天井ファン。」

(4)甲第5号証
(ア)「 Shown throughout the figures, the present invention is directed towards an air conditioning vent cover assembly, generally indicated as 10. The air conditioning vent cover assembly 10 is structured for use with an air conditioning system, and although useable with a variety of types of air conditioning devices, preferably with a central air conditioning system. Generally, the air conditioning system is of the type that includes at least one air conditioning duct 14, through which air flows, and an outlet vent 15, from which the air enters a select location and to which the vent cover assembly 10 of the present invention is secured.
In particular, the air conditioner vent cover assembly 10 of the present invention includes a frame 20 structured for secure, fitted engagement over the outlet vent 15. The frame 20 includes an exterior face 22 that is preferably structured to substantially cover and conceal the outlet vent 15 when properly positioned.
…(中略)…
The air conditioner vent cover assembly 10 of the present invention is structured to diffuse the air exiting the outlet vent 15 as it passes therethrough. As a result, the air exiting the outlet vent 15 is not merely focused at a particular point in the room, where it must rely on redirection by the walls of the room, but rather it more evenly circulates and spreads out as it exits the assembly 10. In order to achieve the effective diffusion of exiting air, the air conditioner vent cover assembly 10 includes at least one, but preferably a pair of propeller assemblies 30. Each propeller assembly 30 is preferably constructed of a lightweight material, such as plastic, rigid vinyl, or aluminum, and functions to diffuse the straight stream of air flowing through the air conditioning duct 14.
Each of the individual propeller assemblies 30 includes primarily a central hub 31 and at least one blade 32 extending from a perimeter of the central hub 31. In the preferred embodiment, a plurality of blades 32 extend from the central hub 31 in a fan or pin-wheel type configuration. Further, the blades 32 may be integrally formed with the central hub 31, or attached as separate elements depending upon the manufacturing considerations.
Additionally, connected between a central axis 60 of the propeller assembly 30 and the frame 20 of the air conditioner vent cover assembly 10 are rotation means. The rotation means are structured and disposed to facilitate and permit the free rotation of the propeller assembly 30 as a result of airflow from the air conditioning duct flowing over the propeller assembly 30, as best shown in FIG. 1. Specifically, the rotation means allow free movement so that the natural forces of the airflow over the propeller assemblies 30 cause them to rotate and in turn disburse the air flow as it passes from the propeller assembly 30 through the exterior face 22 of the frame 20 of the air conditioner vent cover assembly 10. As such, without requiring any additional electrical connection or substantial modification, the bent cover assembly 10 is able to more evenly cool or heat an area into which the outlet vent 15 extends.
In the preferred embodiment, the rotation means include a central shaft 50 extending from the central hub 31 and aligned with the central axis 60 of the propeller assembly 30. Accordingly, the central shaft 50 defines an axis of rotation for the propeller assembly 30. As best shown in FIGS. 1 and 3, the central shaft 50 is preferably generally narrow and elongate, and includes a distal end 52 structured to be rotatably positioned within a bearing seat 70. The bearing seat 70, which is structured to facilitate the free rotation of the central shaft 50 and therefore the propeller assembly 30 in an efficient manner so that friction losses are minimized, is preferably mounted directly to the frame 20. Alternatively, however, a separate bracket may be secured to the frame 20 to facilitate securing of the bearing seat 70. Further, the bearing seat 70, which may take on a number of configurations, is preferably structured to retain the distal end 52 of the central shaft 50 therein during use. Moreover, the bearing seat 70 is preferably secured at or adjacent the exterior face 22 of the frame 20 such that the airflow over the propeller assembly 30 tends to urge the propeller assembly 30 and therefore the central shaft 50 into better engagement with the bearing seat 70. As can be appreciated, in the preferred embodiment, disposed opposite the distal end 52 of the central shaft 50 is a securement nut 54 which prevents the propeller assembly 30 from sliding off of the central shaft 50 and secures the central shaft 50 to the propeller assembly 30 such that they both rotate together. Nevertheless, it will be appreciated by those skilled in the art, that in an alternative embodiment, the central shaft 50 may be fixed so that it does not rotate, but rather it permits the propeller assembly 30 to rotate thereabout.」(3欄49行?5欄40行)

「この発明は、空調吹出口カバーアセンブリに関するもので、全体をひとくくりにして空調吹出口カバーアセンブリ10とする。空調吹出口カバーアセンブリは、空調システムと一緒に使うもので、もちろん、その他の様々な空調設備でも利用できるものであるが、集中空調システムに使うのが好ましい。一般に、空調システムとは、少なくとも気流が流れるための空調配管14と吹出口15があり、選ばれた場所に設置された吹出口から空気が流入し、本願の空調吹出口カバーアセンブリ10はそのような吹出口に、固定されている。
特に、本発明の空調吹出口カバーアセンブリ10は、安全のために、吹出口15の上にがっちりと取付けられているフレーム20も含む。フレーム20は、外側面22も含んでおり、それは、風車が取付けられたときに、吹出口15を実質的に覆い、隠すよう取付けられるのが望ましい。
…(中略)…
本願空調吹出口カバーアセンブリ10は、気流が吹出口15を通るときに、気流を分散させる構造になっている。その結果として、吹出口15から出てきた空気は、部屋の特定の場所や、部屋の壁による方向の修正を受けざるをえないところ、に集中しなくなる、言い換えれば、空調吹出口カバーアセンブリ10が存在することによって、より均等に空気が循環、分散するのである。流入する気流のより効果的な拡散を達成するため、空調吹出口カバーアセンブリ10は、少なくとも1つ、もしくは1対(2つ)が望ましい、風車30を含む。個々の風車30は、軽量な材料、例えばプラスチック、硬化ビニール、アルミニウムで作られることが望ましい、そして、空調ダクト14から流れてくる直線的な気流を拡散するよう機能する。
個々の風車30は、主として中央ハブ31と、少なくとも1つ中央ハブ31の周囲から拡張された羽根32を含む。好ましい実施形態は、ファンまたは回転ピン型の形状をしたものの中央ハブ31から、複数の羽根32が拡張されたものである。さらに羽根32は、中央ハブ31と完全一体型の形態でもよいし、又は、工業生産的な見地によっては、ばらばらの部品で取付けられるのでもよい。
加えて、風車30の中央軸60(50の誤記)と空調吹出口カバーアセンブリ10のフレーム20との間に取付けられたものは、回転手段である。回転手段は、空調ダクトから出てきた気流が、風車30の上を流れることによって、風車30に自由な回転をさせ、また自由な回転を助けるように構成、配置されている、図1がこれを最もよく表している。具体的には、気流が風車30から空調吹出口カバーアセンブリ10のフレーム20の外側面22へ流れるのにしたがって、風車30はその周囲を流れる気流の自然の力によって回転し、順々に気流を送るため、回転手段は自由な運動をするのである。このように追加の電気配線や実質的な変更をすることなく、吹出口15が取付けられている室内へ、より均一な冷気又は暖気を送ることができる。
好ましい実施形態として、中央軸50を含む回転手段は中央ハブ31から拡張され、また風車30の中央軸60(50の誤記)とつながっている。したがって、中央軸50は風車30の回転軸でもある。図1、図3によく表されているが、中央軸50は一般的には細長いものが望ましい、そしてそれは、ベアリングシート70とともに回転するよう配置された筒体52を含む。ベアリングシート70は、中央軸50の自由な回転を手助けする、したがって、効果的に摩擦を最小限にするためには、風車30はフレーム20に直接取付けられることが望ましい。もしくは、ベアリングシート70を固定するのを手助けするために、分離できるブラケットをフレーム20に取り付ける方法でもよい。さらに、ベアリングシート70は、回転中の中央軸50の筒体52を保持するような構成にするのが望ましい、それは様々な構成を呈してよい。また、ベアリングシート70は、フレーム20の外側面22に固定されるか隣接して取り付けられるのが望ましい、そうすることによって、風車30の周囲を流れる気流が、風車30とそれにともない中央軸50を、ベアリングシート70とよりかみ合うように促すのである。高く評価されるために好ましい実施形態は、中央軸50の筒体52の反対側に、取り付けナット54を配置する、それは、風車30が中央軸50から滑り落ちるのを防ぎ、また中央軸50と風車30が一体となって回転するように中央軸50と風車30を固定するためのものである。当業者には高く評価されるが、それでもなお、これにかわる好ましい実施例としては、中央軸50を回転しないように固定して、そのかわりに、風車30をその周りで回転させる方法がある。」(無効審判上申書翻訳文4頁19行?7頁2行)

(イ)「1. To be disposed over an outlet vent of an air conditioner duct, an air conditioner vent cover assembly comprising:
a frame, said frame being structured for secure, fitted engagement over the outlet vent,
said frame including an exterior face having a plurality of openings formed therein so as to permit air flow therethrough from the vent,
at least one propeller assembly, said propeller assembly including a central hub and at least one blade extending from a perimeter of said central hub,
said central hub being generally perpendicularly disposed to said exterior face of said frame and to a direction of flow of said air flow,
rotation means connected between a central axis of said propeller assembly and said frame and structured to permit the free rotation of said propeller assembly as a result of air flow from said air conditioning duct flowing over said propeller assembly such that said air flow is dispersed as it passes from said propeller assembly through said exterior face of said frame to more evenly affect an area into which the outlet vent extends, and
scent dispersement means structured and disposed to disperse an air freshener into said air flow upon passage of said air flow therethrough.」(6欄41?65行)

「1.空調ダクトの吹出口に取付けるための、空調吹出口カバーアセンブリは以下のものを含む
フレーム、安全のためのフレーム、吹出口の上に取付けられたアセンブリ
前記フレームには、吹出口から流れてくる気流を通すため、フレームの外側面にある複数の開口部も含まれる
少なくとも1つ風車があって、その風車には、中央にあるハブと、少なくとも1つの中央ハブの周辺から拡張されている羽根も含まれる
中央のハブは、フレームの外側面に垂直に、気流の流れる方向に取付けられている
回転手段は、風車の中央軸とフレームの間で接続されており、空調ダクトから気流が流れてきた結果、風車に自由な回転をさせ、気流が風車からフレーム外側面へ通りぬけることによって、空調吹出口カバーが取付けられている空間に、より均等に気流を分散させる効果をもたらす
芳香拡散装置は、芳香剤を含んだ気流を分散させるため、気流がそこを通過するように組み立てられ取付けられている」(無効審判上申書翻訳文8頁12?26行)

上記記載事項及び図面の記載からみて、甲第5号証には次の技術的事項が記載されている。
「空調ダクト14の吹出口15に取付ける空調吹出口カバーアセンブリ10であって、複数の開口部を有するフレーム20の裏側(上流側)に、中央ハブ31、羽根32からなる風車30の回転軸となる中央軸50を含む回転手段を設け、回転手段は、空調ダクト14から出てきた気流が、風車30の上を流れることによって、風車30に自由な回転をさせ空調ダクト14から流れてくる直線的な気流を拡散するよう機能する空調吹出口カバーアセンブリ。
なお、前記回転手段は、前記中央軸50を回転しないように固定して、そのかわりに、風車30をその周りで回転させてもよい。」

(5)甲第6号証
(ア)「数個の孔の開いた筐体内部に固形の芳香剤を入れ、その筐体を自動車や室内エアコンの通風口に取り付けて、エアコンの送風作用で芳香剤の飛散力を高め、その作用が目でも確認できるようにエアコンの送風作用で回転する羽根又はウイービングするものを筐体の一部として取り付け、夜間の暗闇でも回転、ウイビングが視界にはいるように可動部に蛍光塗料を塗装した芳香剤インテリヤ。」(【特許請求の範囲】)
(イ)「【発明が解決しようとする課題】従来の芳香剤インテリヤはカラフルな瓶又は缶を使用して、蓋を開けたり、蓋に孔を明けたりして、安定した場所に置いて、風の無い状態の中で、芳香剤固有の飛散力によって香りを拡散している。従って芳香剤の付近でないと余り香りを感じない欠点があった。又芳香剤は嗅覚を主体とするため、視覚の楽しみを忘れていたように思われる。本発明は芳香剤を嗅覚と視覚の両面でサポートして、本来の芳香剤効果を充分に引き出し、魅力的な嗜好品に変身させようとするものである。」(段落【0003】)
(ウ)「1 数個の孔の開いた風通しの良い筐体内部に固形の芳香剤を入れ、エアコンの送風口に取り付けて、エアコンの風に乗って芳香剤の飛散力を高め、空間一杯に速やかに香りが拡散するようにしている。…(中略)…
3 筐体をエアコンの通風口に取り付けることで、その風を受けて回転する羽根や、ウイービングする物を取り付ける。このため筐体の外形は羽根を回転させるものではヘリコプター、風車などの形で加工し、ウイビングさせるものは自然界に存在する動植物、または乗り物などあらゆるものを対象として、その一部がウイビングするように加工する。又夜間の暗闇でも回転やウイビングが視覚に入るように稼働する一部に蛍光塗料を塗装する。」(段落【0004】)
(エ)「羽根1はエアコンの風を受けて回転するように角度を付け、一部に蛍光塗料2を塗っている。筐体3には4面に細長孔5を設けてエアコンの風を受けて、芳香剤が筐体から外の空間に飛散し易いようにし、エアコン通風口への取り付けは通風口のサンに差込式のピン7で固定する。」(段落【0005】)

上記記載事項及び図面の記載からみて、甲第6号証には次の技術的事項が記載されている。
「筐体内部に芳香剤を入れ、その筐体を自動車や室内エアコンの通風口に取り付けて、エアコンの送風作用で芳香剤の飛散力を高め、その作用が目でも確認できるようにエアコンの送風作用で回転する羽根又はウイービングするものを筐体の一部として取り付けた芳香剤インテリヤ。」

(6)甲第7号証
(ア)「(イ) 8枚の羽(1,2,3,4,5,6,7,8)を回転軸(9)に円筒形に取り付ける。
(ロ) 回転軸(9)に受軸(10)を取り付け,受軸(10)に取付具(11)を取り付ける。
(ハ) 羽(1,2,3,4,5,6,7,8)には絵柄を描きます。
以上の構成によりなる回転体。」(【特許請求の範囲】)
(イ)「本発明を使用するときには,自動車の吹出口に取付具(11)でとめ,風を送りこみます。」(段落【0005】)
(ウ)「風力を利用して,回転数が変化(風が強弱)することによって羽に描がかれた絵柄は変化することが出来ます。」(段落【0006】)

上記記載事項及び図面の記載からみて、甲第7号証には次の技術的事項が記載されている。
「自動車の吹出口に取付具で取り付け、風力を利用して、回転軸に取り付けられた羽の回転数が変化することによって羽に描かれた絵柄が変化する回転体。」

(7)甲第8号証
(ア)「空気調和機の吹出し口から吹出す風の向きを変更する風向変更装置において、
前記吹出し口から吹出す風を当てることにより風向を変更する板状部材と、
該板状部材を前記吹出し口から一定の距離に配置するために、天井または前記空気調和機本体から前記板状部材を吊り下げるための吊り下げ部材とを具備することを特徴とする空気調和機の風向変更装置。」(【実用新案登録請求の範囲】の【請求項1】)
(イ)「図4は、本実施形態の風向変更装置が実際に利用されている状態を示す。図4に示すように、天井埋め込み式空気調和機302の吹き出し口と辺104とが平行となるように風向変更装置が取付けられている。これにより、天井埋め込み式空気調和機302の下に座っている人に、当該空気調和機から吹き出す冷風等が直接当ることを回避できる。」(段落【0018】)
(ウ)図4には、中央に吸込口、その周囲の四辺に吹出し口を設けた天井埋め込み式空気調和機302が示唆されている。

上記摘記事項及び図面の記載からみて、甲第8号証には次の技術的事項が記載されている。
「中央に吸込口、その周囲の四辺に吹出し口を設けた天井埋め込み式空気調和機の吹出し口から吹出す風の向きを変更する風向変更装置において、
前記吹出し口から吹出す風を当てることにより風向を変更する板状部材と、
該板状部材を前記吹出し口から一定の距離に配置するために、天井または前記空気調和機本体から前記板状部材を吊り下げるための吊り下げ部材とを具備する空気調和機の風向変更装置。」

(8)甲第9号証
(ア)「ほぼ鉛直な軸に結合しほぼ水平面内で所望の回転方向に回転する複数の細長の面を有する羽根と、
該羽根と前記軸とを結合する結合手段とを有し、
該結合手段は、羽根を羽根の幅方向の中心軸を外れた位置で回動可能に支える羽根軸と、羽根の回転方向に従って、羽根の羽根軸のまわりの回動を制御する第1及び第2のストッパーとを各羽根毎に有し、
第1のストッパーは、羽根が第1の方向に回転するとき、羽根が水平面及び鉛直面に対し斜めの位置で当該ストッパーにより位置ぎめされる位置にあり、
第2のストッパーは羽根が第1の方向と反対の第2の方向に回転するとき、羽根の面がほぼ鉛直面で当該ストッパーにより位置ぎめされる位置にあることを特徴とする天井扇。」(【特許請求の範囲】)
(イ)「上記天井扇を天井の吹出し口、又は付近に取り付け、冷風を水平に周辺へ散らし、空気の比重の差で自然に下降させ快適空間を造る。」(段落【0008】)
(ウ)「【発明の実施の形態】図1に天井扇を示す。冷温風の吹出し口の中央付近に天井扇の回転軸(1)を設ける、この回転軸は極数の多い低回転の電動機を使用するか、インバーターで低速回転としてもよいし、ギヤで減速してもよく、送風量にあわせて固定の回転速度でも良い。
回転方向は夏冬逆回転とする為、空調器と連動して又は手動で配線切り替えにより逆転させる。・・・。
羽根(4)は羽根軸(3)に対し上下非対象で下の面積が広く停止の時は広い方の重みで図1の(10)位置で止る。回転時は風圧を多く受けるが、ストッパー(5、6)に支えられ一定位置で止る。
暖房時は、回転軸(1)は下から見上げると左回り、即ち(8)の方向に回転し、羽根(4)は冬用羽根ストッパー(5)により、一定角度を保持し下に向け温風を吹き下げる。
冷房時は回転軸(1)は下から見上げて右回りとなり((9)の方向)、風圧で羽根(4)は羽根軸(3)を中心にやや右回りになり、夏用ストッパー(6)で止まり、羽根(4)は、ほぼ垂直になり、冷風は周囲へと散らされる。」(段落【0010】?【0015】)

上記摘記事項及び図面の記載からみて、甲第9号証には次の技術的事項が記載されている。
「天井の吹出し口の下方に取り付け、ほぼ鉛直な回転軸(1)に結合しほぼ水平面内で回転する複数の羽根(4)を有し、暖房時と冷房時で逆回転する電動機により回転される天井扇において、停止時は重みで羽根(4)の面はほぼ鉛直面であり、回転持は風圧を受けて羽根(4)が羽根軸(3)のまわりを回動し、暖房時は、羽根(4)は冬用羽根ストッパー(5)により、一定角度を保持し位置決めされ下に向け温風を吹き下げ、冷房時は夏用ストッパー(6)により羽根(4)の面がほぼ鉛直面に位置決めされ冷風を水平に周辺へ散らす天井扇。」

(9)甲第10号証
(ア)「少なくともエアコン本体(1)の吸込口(2)の幅(W)と前記吸込口(2)を覆うに足る伸張最大長(L)を有する伸縮性材質のフィルター布(4)の伸縮方向両端部に引手基軸(5)、(6)を固定し、該引手基軸(5)、(6)に前記エアコン本体(1)の吸込口(2)又は吹出口(3)の溝、ルーバ等への取付手段(7)を設けたエアコン吸込口用伸縮フィルター。」(【特許請求の範囲】の【請求項1】)
(イ)「【発明が属する技術分野】本発明は、天井埋込み方式や壁取付方式のエアコンの吸込口に装着する、伸縮性の除菌、集塵、消臭を目的とするフィルターに関する。」(段落【0001】)
(ウ)「フィルター布4の伸縮方向両端部に引手基軸5、6を固定し、該引手基軸5、6に前記エアコン本体1の吸込口2又は吹出口3の溝に引掛ける一対のフック8、8を取付手段7として一体的に設けて構成される。」(段落【0007】)

上記摘記事項及び図面の記載からみて、甲第10号証には次の技術的事項が記載されている。
「天井埋込み方式のエアコン本体1の吸込口2を覆う伸縮性材質のフィルター布4に、前記エアコン本体1の吸込口2又は吹出口3の溝、ルーバ等への取付手段7を設けたエアコン吸込口用伸縮フィルター。」

7 当審の判断
(1)本件特許発明1について
(ア)対比
本件特許発明1と甲第2号証に記載された発明(以下「甲2発明」という。)とを対比すると、甲2発明の「一定方向に傾斜させて設けられた複数のブレード3」は本件特許発明1の「羽根部材」に相当し、以下同様に、「複数のブレード3に一体的に形成された補強リブ4を放射方向に延在させた回転グリル中心部のハブ部材」は「羽根部材を支持するハブ部材」に、「回転グリル2」は「羽根車」に、「空気調和機の吹出口」は「空気調和機の送風口」に、「フアン1の作り出す風が前記ブレード3及び補強リブ4に当たるように」「設置」することは「風が羽根部材の回転軌道上に当たるように配設」することにそれぞれ相当する。
また、甲2発明の「流体継手9」は、「外筒10と内筒12とからなり、前記外筒10が、吹出口の上方の位置で、前記空気調和機の化粧キセ11に固定され、前記内筒12を上端としてシャフト部材が下方に延びて下端を吹出口に設置された回転グリル2の中心部に固定した」ものであり、空気調和機の化粧キセ11に固定される外筒10にシャフト部材を吊り下げて、吹出口と同一平面上に回転グリル2を吊り下げるものであるから、本件特許発明1の「空気調和機」「にシャフト部材を吊り下げる吊下部材」に相当する。
さらに、甲2発明において「フアン1の風力で回転」することは、ファンの風力のみで自転することであるから、本件特許発明1の「風のみによって」「自転可能」であることに相当する。
そして、甲2発明の「空気調和機の吹出口を通過するフアン1の作り出す風」と本件特許発明1の「空気調和機の送風口から吹き降ろされる風」及び「前記送風口から吹き出される風」は「空気調和機の風」である点で共通する。
また、甲2発明の「フアン1の作り出す風の向きを変える回転グリル装置」と本件特許発明1の「気流拡散装置」は「気流調整装置」である点で共通する。

そうすると、本件特許発明1と甲2発明とは、本件特許発明1の用語を用いて記載すると次の一致点及び相違点を有する。
(一致点)
「羽根部材と前記羽根部材を支持するハブ部材とからなり、空気調和機の風が前記羽根部材の回転軌道上に当たるよう配設される羽根車と、
前記羽根車の回転軸を構成するシャフト部材と、
前記空気調和機に前記シャフト部材を吊り下げる吊下部材と、を備え、
前記空気調和機の風のみによって前記羽根車を自転可能とした気流調整装置。」

(相違点1)
本件特許発明1では、羽根部材の回転軌道上に当たり、羽根車を自転可能とする風が、「空気調和機の送風口から吹き降ろされる風」及び「送風口から吹き出される風」であり、吊下部材が、「空気調和機の吸い込み口正面下方にシャフト部材を吊り下げる」ものであり、気流調整装置が「気流拡散装置」であるのに対し、甲2発明では、羽根部材の回転軌道上に当たり、羽根車を自転可能とする風が、「空気調和機の送風口(吹出口)を通過するフアン1の作り出す風」であり、吊下部材が、「シャフト部材で吹出口と同一平面上に設置された回転グリル2を吊り下げる」ものであり、気流調整装置が「フアン1の作り出す風の向きを変える回転グリル装置」である点。

(イ)判断
相違点1は、本件特許発明1では、羽根車を空気調和機の外部である空気調和機の吸い込み口正面下方に吊り下げた気流拡散装置であるのに対し、甲2発明では、羽根車(回転グリル)を空気調和機の送風口(吹出口)と同一平面上に吊り下げたファンの作り出す風の向きを変える回転グリル装置であることに基づく相違点といえる。
まず、本件特許発明1と甲2発明の作用効果について検討する。
本件特許発明1は本件特許明細書段落【0024】の「空気調和機の吹出口100からの風を受けて、風力で回転し、気流を拡散することができる。また、少なくとも、吹出口100と利用者との間に羽根部材30が位置する状態を所定時間毎に作り出すことができ、冷気等が利用者に吹き付けられる時間を短くすることが可能」及び段落【0030】の「風力によって回転せしめて広角に吹出し気流を拡散させ、また、少なくとも羽根部材30の通過時に直接風を寸断させることができる。」とあるように、羽根車を空気調和機の下方に吊り下げることで、開放空間において、空気調和機の送風口(吹出口)からの風を受けて羽根部材が羽根車を駆動し、かつ、広角にその気流を拡散するものであり、さらに、送風口と利用者との間に羽根部材が位置する状態を所定時間毎に作り出すことにより、羽根部材30の通過時に直接風を寸断させることで、冷気等が利用者に吹き付けられる時間を短くするという効果を奏するものである。
これに対し、甲2発明では、送風口に設置された回転グリルの羽根部材が、一定方向に傾斜させて設けられた複数のブレードを有しているので回転グリルのファンの風力による回転に応じて、ブレードの傾斜方向に送風口を通過する風を首振り機構のように風の向きを変えるものである。これは、本件特許明細書の段落【0005】に発明が解決しようとする課題として、「例えば冷房について見ると、上記風向調整板を用いた首振り機能やゆらぎ機能を用いたとしても、強冷房時は冷気に直接さらされる人間を増やしてしまうことになる」と記載されているように、人間に直接冷気があたるものであって、本件特許発明1が解決しようとする首振りする従来例と同じものに当たる。
ところで、甲第2号証の明細書6頁13行に「風量が増大し、また、拡がりのある風が得られ」るとあるが、これは甲第2号証の明細書4頁6?16行に記載されているように、補強リブを傾斜させていないため、補強リブに渦が生じ、配風範囲が狭くなるという従来構成(第2図参照)との比較において、拡がりのある風が得られるという意味にすぎない。
以上のように、本件特許発明1の羽根車と甲2発明の回転グリルとは構造が相違するだけでなく、本件特許発明1の気流の拡散と、甲2発明の風の向きを変えることは、その技術的意義及び作用効果が全く相違するものである。

そこで、甲第3乃至10号証について、羽根車を空気調和機の吸い込み口正面下方を含む空気調和機の下方に吊り下げる気流拡散装置の点から検討する。
甲第3号証には、回転する整流部6の風向羽根8を斜め一方向に調節することにより一つの斜め下方吹出の旋回気流が得られ、天井吹出口に冠設せしめた偏向部において、
整流部6に連結される回転軸の先端側(ダクト1の上流側)に、風車部10を設け、駆動力によらないでダクト1から風圧によって風車部10を回転させ自走式駆動部とし、整流部6を回転させる偏向部の構成が記載されている。
そして、甲第3号証に記載の風向羽根8及び風車部10は天井吹出口の内部に設けるものである。
また、甲第3号証の段落【0011】にいうところの「旋回気流」とは、甲第3号証の段落【0003】に記載の水平吹出、垂直吹出に対して斜め下方吹出にしたという意味である。また、段落【0011】にいうところの「拡散半径を大きくすることができ」とは、上記「斜め下方吹出」を実現する風向羽根8が装着された偏向部を、駆動させることにより実現されるものである。
したがって、甲第3号証の天井吹出口の作用・効果としては、整流部が装着された偏向部を駆動部の駆動により、斜め下方を指向した吹出流の向きを変更させるに止まるものであり、甲第2号証と同様のものである。

また、甲第5号証には、「空調ダクト14の吹出口15に取付ける空調吹出口カバーアセンブリ10であって、複数の開口部を有するフレーム20の裏側(上流側)に、中央ハブ31、羽根32からなる風車30の回転軸となる中央軸50を含む回転手段を設け、回転手段は、空調ダクト14から出てきた気流が、風車30の上を流れることによって、風車30に自由な回転をさせ空調ダクト14から流れてくる直線的な気流を拡散するよう機能する空調吹出口カバーアセンブリ。」が記載されている。
しかし、甲第5号証では、風車30は空調機の内部に設けられたものであり、本件特許発明1のように風車が空調機の下方にあって、吹出口から吹き降ろされる風が当たり自転可能とし、拡散するというものではない。

甲第6号証には、「筐体内部に芳香剤を入れ、その筐体を自動車や室内エアコンの通風口に取り付けて、エアコンの送風作用で芳香剤の飛散力を高め、その作用が目でも確認できるようにエアコンの送風作用で回転する羽根又はウイービングするものを筐体の一部として取り付けた芳香剤インテリヤ。」が記載されている。しかし、この羽根をエアコンの下方に吊り下げることは記載も示唆もない。また、芳香剤を拡散するものであり、羽根を回転させるのは目で確認するためであって、エアコンからの風を拡散させるためのものではない。

甲第7号証には、「自動車の吹出口に取付具で取り付け、風力を利用して、回転軸に取り付けられた羽の回転数が変化することによって羽に描かれた絵柄が変化する回転体。」が記載されている。しかし、羽は吹出口の下方に吊り下げるものではなく、横向きの吹出口の前に設けるものである。また、羽が回転させるのは絵柄を変化させるためであって、自動車の吹出口からの風を拡散させるためのものではない。

また、甲第8号証は回転しない風向きを変更する板状部材であり、甲第10号証は空気調和機の吸い込み口へのフィルターの取付けに関するものであり、何れも回転する羽根車を空気調和機の下方に吊り下げた気流拡散装置ではない。

以上のように、甲第3、5?8、10号証に記載されたものは、羽根車を空気調和機等の下方に吊り下げられたものでもなく、本件特許発明1のような気流拡散機能は有しないものである。

次に甲第4号証及び甲第9号証について検討する。
甲第4号証には、「りすかご型送風機(多翼送風機)20の軸14の下端のハブ13に羽根15を有する複数のブラケット12が取付けられ、ダクト35、開口部38を通って、天井の下面32に接した形で取り付けられたハウジング11内のりすかご型送風機20の内部に入る空気が、羽根22の間の空間を通して横方向に分配され、空気のこの動きにより、りすかご型送風機20を回転させ、同時に軸14を介して羽根15を回転させ空気が下向きに分配されるエア駆動天井ファン。」が記載されている。
ここで、羽根15は空気が吹き出す開口部38の下方に吊り下げられたものである。
しかし、甲第4号証では、開口部38から吹き出される空気により、回転させる駆動部となり、空気を横方向に分配させるのは、りすかご型送風機20であり、これと同軸に別途設けた、本件特許発明1の羽根部材と前記羽根部材を支持するハブ部材とからなる羽根車と同様の構造である羽根15は、空気を下向きに送風するファンとして作用するものであり、空気を分散しつつ、自転可能とするものではなく、本件特許発明1のように羽根車が駆動機能と拡散機能を併せ持つものではない。また、異なる構造のりすかご型送風機20と羽根15を含むファンが同軸に別途設けられることでそれぞれが異なる機能を奏するものであって、各部分を分離して用いたり、1つの羽根車に合体することは想定されないものである。
したがって、甲第4号証に記載のエア駆動天井ファンを甲2発明に適用して本件特許発明1とすることはできない。

また、甲第9号証には、「天井の吹出し口の下方に取り付け、ほぼ鉛直な回転軸(1)に結合しほぼ水平面内で回転する複数の羽根(4)を有し、暖房時と冷房時で逆回転する電動機により回転される天井扇において、停止時は重みで羽根(4)の面はほぼ鉛直面であり、回転持は風圧を受けて羽根(4)が羽根軸(3)のまわりを回動し、暖房時は、羽根(4)は冬用羽根ストッパー(5)により、一定角度を保持し位置決めされ下に向け温風を吹き下げ、冷房時は夏用ストッパー(6)により羽根(4)の面がほぼ鉛直面に位置決めされ冷風を水平に周辺へ散らす天井扇。」が記載されており、羽根車が、吹出し口下方に吊り下げられ、羽根部材と前記羽根部材を支持するハブ部材とからなる羽根車を有する「気流拡散装置」が記載されている。
しかし、この天井扇の羽根は電動機により回転されることで気流を拡散するものであり、本件特許発明1のように羽根車が駆動機能と拡散機能を併せ持つものではない。たとえ羽根だけを分離して、吹出し口に取り付けても、停止時は重みで羽根(4)の面はほぼ鉛直面であるため、吹出し口からの風により羽根を回転させることはできないものであり、甲第9号証に記載の天井扇を甲2発明に適用して本件特許発明1とすることはできない。

以上のように、駆動機能と拡散機能を併せ持つ羽根車を空気調和機の下方あるいは吸い込み口正面下方に吊り下げる気流拡散装置は、甲第3号証乃至甲第10号証には記載されていないし、また、周知であるともいえない。

したがって、甲2発明に甲第3号証乃至甲第10号証に記載の事項を適用しても、駆動機能と拡散機能を併せ持つ羽根車を空気調和機の下方あるいは吸い込み口正面下方に吊り下げる気流拡散装置とすることはできない。

さらに、羽根車を吸い込み口正面下方に吊り下げることについては、羽根車を有する甲第3?7、9号証には、羽根車を送風口側に配設されるものが記載されている以上、当業者は羽根車を送風口側に配設しようとするのが通常考えるところであり、羽根車を吸い込み口側に配設しようとする動機付けもない。
したがって、甲第3号証乃至甲第10号証には、本件特許発明1のような駆動機能と拡散機能を併せ持つようにした羽根車を空気調和機の吸い込み口正面下方に吊り下げる気流拡散装置は開示されておらず、甲2発明に甲第3号証乃至甲第10号証に記載の事項を組み合わせても、本件特許発明1の特定事項とすることは、当業者が容易になし得たこととはいえない。

なお、請求人は口頭審理陳述要領書(2頁19行?5頁末行)において、甲第8号証は空気調和機の風向を変更する板状部材を吸い込み口正面下方に配設される構造も含んでおり、この板状部材を甲第4、9号証の回転する羽根部材にすることは、甲第10号証に空気調和機の吸い込み口正面下方に、「物」であるフィルターを配設することが公知であるから、「回転する羽根部材」を、「空気調和機の吸い込み口正面下方に配設」する構成は、公知である旨主張している。
しかし、甲第8号証の板状部材を吸い込み口正面下方に配設することは、口頭審理陳述要領書4頁の参考図1をみれば明らかなように、4箇所の吹出し口からの風の風向を変えることがほとんどできないから、風向を変更するための板状部材を吸い込み口正面下方に設ける技術的意味がない。また、回転しない板状部材を甲第4、9号証のような回転する羽根部材にする動機付けもないし、甲第10号証は、空気調和機の吸い込み口へのフィルターの取付けに関するものであり、本件特許発明1と全く関係がないものである。
したがって、甲第8乃至10号証に基づき、「回転する羽根部材」を、「空気調和機の吸い込み口正面下方に配設」する構成は、公知であるという主張は採用できない。
また、請求人は口頭審理陳述要領書(6頁1?7行)において、甲第2号証の図8には、出力軸を扇風機の吸い込み口正面下方に配設する構成が示唆されている旨主張しているが、甲第2号証の図8では、吸い込み口は側方の化粧セキ11の上にあるだけであるから、この主張も採用できない。
また、請求人は、無効審判弁駁書(3頁23?25行)において「(ク)また、甲1号証の実施例タイプの空気調和機において、吹出口に羽根車を設置しようとすれば、その回転中心が吸い込み口正面(好ましくは矩形の中央付近)になるのは極めて自然な構成であり、このような構成を当業者が採用するのは何ら困難性はない。」と主張している。
しかし、甲第8、10号証に記載されたような本件特許明細書に記載された実施例タイプの中央の吸い込み口の周囲に吹出口を設けた天井埋込型の空気調和機において、その吹出口に羽根車を設置するという前提自体が甲第3?10号証に何れにも記載も示唆もされておらず、請求人の主張は本件特許発明1を知った上での後知恵といわざるを得ないから採用できない。

さらに、請求人は気流拡散装置について、甲第2?5号証に記載のものがそれぞれ気流拡散装置に相当する旨主張する(審判請求書14頁10?35行)。
また、無効審判弁駁書において、1)甲第5乃至7号証には「後付けの気流拡散装置」が記載されており、周知であり技術常識である旨(2頁24行?3頁22行)、
2)甲第2号証の回転グリル2は、「羽根車の羽根部材が、羽根車の駆動部材として機能しつつ、同時に風の拡散機構も担っている」ものであり、さらに、本件特許発明1の「送風口から吹き降ろされる風が羽根部材の回転軌道上に当たるように羽根車を配設する気流拡散装置」は甲第4号証に示されており、技術常識である旨(4頁11?29行)主張する。
さらに、口頭審理陳述要領書において、甲第4号証及び甲第9号証に記載されたものは、本件特許発明1の「気流拡散装置」であって、吹出し口に設けた羽根又はファンで拡散する構造である旨(6頁21行及び7頁7?9行)主張する。
しかし、前述のように、これらの本件特許発明1の気流拡散装置についての甲各号証との対比、及び甲各号証の効果に関する各摘記事項が本件特許発明1と同様な効果であるとする請求人の前記主張は採用できない。

(2)本件特許発明2について
(ア)対比
本件特許発明2は、本件特許発明1の羽根車について、「羽根部材と前記羽根部材を支持するハブ部材とからなり」とあったものを「羽根部材とスポーク部材と前記スポーク部材を支持するハブ部材とからなり」とし、吊下部材がシャフト部材を吊り下げる位置について「空気調和機の吸い込み口正面下方」とあったものを「空気調和機の下方」としたものである。
そして、甲2発明の「一定方向に傾斜させて設けられた複数のブレード3」は本件特許発明2の「羽根部材」に相当し、同様に、「回転グリル中心部のハブ部材」は「ハブ部材」に相当する。また、甲2発明の「放射方向に延在させた」「補強リブ4」と本件特許発明2の「スポーク部材」はハブ部材に支持される「放射状部材」である点で共通する。

そうすると、他の部材は本件特許発明1と同様の相当関係、共通関係を有するから、本件特許発明2と甲2発明とは、本件特許発明2の用語を用いて記載すると次の一致点及び相違点を有する。
(一致点)
「羽根部材と放射状部材と前記放射状部材を支持するハブ部材とからなり、空気調和機の風が前記羽根部材の回転軌道上に当たるよう配設される羽根車と、
前記羽根車の回転軸を構成するシャフト部材と、
前記空気調和機に前記シャフト部材を吊り下げる吊下部材と、を備え、
前記空気調和機の風のみによって前記羽根車を自転可能とした気流調整装置。」

(相違点2)
本件特許発明2では、羽根車が「羽根部材とスポーク部材と前記スポーク部材を支持するハブ部材」とからなり、羽根部材の回転軌道上に当たり、羽根車を自転可能とする風が、「空気調和機の送風口から吹き降ろされる風」及び「送風口から吹き出される風」であり、吊下部材が、「空気調和機の下方にシャフト部材を吊り下げる」ものであり、気流調整装置が「気流拡散装置」であるのに対し、甲2発明では、羽根車が、「一定方向に傾斜させて設けられた複数のブレード3と、この複数のブレード3に一体的に形成された補強リブ4を放射方向に延在させた回転グリル中心部のハブ部材」とからなり、羽根部材の回転軌道上に当たり、羽根車を自転可能とする風が、「空気調和機の吹出口を通過するフアン1の作り出す風」であり、吊下部材が、「シャフト部材で吹出口と同一平面上に設置された回転グリル2を吊り下げる」ものであり、気流調整装置が「フアン1の作り出す風の向きを変える回転グリル装置」である点。

(イ)判断
相違点2は、相違点1において本件特許発明1の「空気調和機の吸い込み口正面下方」を「空気調和機の下方」と「吸い込み口正面」の限定を削除し、羽根車について「羽根部材と羽根部材を支持するハブ部材とからなる羽根車」を「羽根部材とスポーク部材とスポーク部材を支持するハブ部材とからなる羽根車」と羽根車についての相違点(「スポーク部材」)を付加したものである。
しかし、「スポーク部材」の限定がない羽根車を「空気調和機の下方」に配置した場合については、本件特許発明1の相違点1で述べたとおり、甲2発明に甲第3号証乃至甲第10号証に記載の事項を適用しても、駆動機能と拡散機能を併せ持つ羽根車を空気調和機の下方に吊り下げる気流拡散装置とすることはできない。
さらに、スポーク部材を付加した点についても、検討する。
本件特許発明2は、スポーク部材を設けたことで、羽根部材よりスポーク部材の空気抵抗が小さいというその構成から奏する自明な作用効果として、シャフト部材を吊り下げる位置が空気調和機の吸い込み口であるときは、本件特許明細書の段落【0022】に記載のように、空気調和機の吸い込み口の障害にならないこと、また、本件特許明細書には明記されていないが、羽根車の回転抵抗を減少させるなどの効果が期待できるものである。
そして、甲第4号証には本件特許発明2の「スポーク部材」に相当する「ブラケット12」が記載されている。
しかし、甲2発明の「放射方向に延在させた」「補強リブ4」は羽根部材(ブレード3)の補強のためであり傾斜することを前提とするものであって、しかも、甲第4号証のブラケット12は前記のような作用効果を意図するものではないから、甲2発明の補強リブ4に甲第4号証を適用し、棒状をなすスポーク部材とすることは、当業者が容易に想到することはできない。

したがって、甲第3号証乃至甲第10号証には、本件特許発明2のような駆動機能と拡散機能を併せ持つようにしたスポーク部材を有する羽根車を空気調和機の下方に吊り下げる気流拡散装置は開示されておらず、甲2発明に甲第3号証乃至甲第10号証に記載の事項を組み合わせても、本件特許発明2の特定事項とすることは、当業者が容易になし得たこととはいえない。

(3)本件特許発明3について
(ア)対比
本件特許発明3と甲2発明とを対比すると、甲2発明の「一定方向に傾斜させて設けられた複数のブレード3」は本件特許発明3の「羽根部材」に相当し、以下同様に、「回転グリル中心部のハブ部材」は「ハブ部材」に、「回転グリル2」は「羽根車」に、「空気調和機の吹出口」は「空気調和機の送風口」に、「フアン1の作り出す風が前記ブレード3及び補強リブ4に当たるように」「設置」することは「風が羽根部材の回転軌道上に当たるように配設」することに、それぞれ相当する。
さらに、甲2発明において「フアン1の風力で回転」することは、ファンの風力で自転することであるから、本件特許発明3の「風によって」「自転可能」であることに相当する。
そして、甲2発明の「放射方向に延在させた」「補強リブ4」と本件特許発明3の「スポーク部材」はハブ部材に支持される「放射状部材」である点で共通し、同様に、
甲2発明の「空気調和機の吹出口を通過するフアン1の作り出す風」と本件特許発明3の「空気調和機の送風口から吹き降ろされる風」及び「風」は「空気調和機の風」である点、
甲2発明の「フアン1の作り出す風の向きを変える回転グリル装置」と本件特許発明3の「気流拡散装置」は「気流調整装置」である点で共通する。
また、甲2発明の「流体継手9」は、「外筒10と内筒12とからなり、前記外筒10が、吹出口の上方の位置で、前記空気調和機の化粧キセ11に固定され、前記内筒12を上端としてシャフト部材が下方に延びて下端を吹出口に設置された回転グリル2の中心部に固定した」ものであり、空気調和機の化粧キセ11に固定される外筒10にシャフト部材を吊り下げて、吹出口と同一平面上に回転グリル2を吊り下げるものであるから、本件特許発明3の「前記シャフト部材の螺入孔を有し、前記空気調和機の吸い込み口正面に配置する台座プレートと、前記シャフト部材の前記空気調和機の吸い込み口背面に配置する背面プレートと、前記台座プレートと背面プレートを挟持して、前記シャフト部材を前記空気調和機の吸い込み口正面に吊り下げる挟持部材」と「吊下部材」である点で共通する。
さらに、甲2発明の「シャフト部材」は「前記内筒12を上端としてシャフト部材が下方に延びて下端を吹出口に設置された回転グリル2の中心部に固定した」ものであり、上端を内筒12に固定し、下端に回転グリル2の中心部に固定して回転グリル2を水平に回転させるものであるから、本件特許発明3の「ねじ山が形成された上端と前記羽根車を水平に軸支する下端を有するシャフト部材」と「固定のための上端と前記羽根車を水平に回転させる下端を有するシャフト部材」である点で共通する。

そうすると、本件特許発明3と甲2発明とは、本件特許発明3の用語を用いて記載すると次の一致点及び相違点を有する。
(一致点)
「羽根部材と放射状部材と前記放射状部材を支持するハブ部材とからなり、空気調和機の風が前記羽根部材の回転軌道上に当たるよう配設される羽根車と、
固定のための上端と前記羽根車を水平に回転させる下端を有するシャフト部材と、
前記空気調和機に前記シャフト部材を吊り下げる吊下部材と、を備え、
前記空気調和機の風によって前記羽根車を自転可能とした気流調整装置。」

(相違点3)
本件特許発明3では、羽根車が「羽根部材とスポーク部材と前記スポーク部材を支持するハブ部材」とからなり、羽根部材の回転軌道上に当たり、羽根車を自転可能とする風が、「空気調和機の送風口から吹き降ろされる風」及び「風」であり、吊下部材が、「前記シャフト部材を前記空気調和機の吸い込み口正面に吊り下げる」ものであり、気流調整装置が「気流拡散装置」であるのに対し、甲2発明では、羽根車が、「一定方向に傾斜させて設けられた複数のブレード3と、この複数のブレード3に一体的に形成された補強リブ4を放射方向に延在させた回転グリル中心部のハブ部材」とからなり、羽根部材の回転軌道上に当たり、羽根車を自転可能とする風が、「空気調和機の吹出口を通過するフアン1の作り出す風」であり、吊下部材が、「シャフト部材で吹出口と同一平面上に回転グリル2を吊り下げる」ものであり、気流調整装置が「フアン1の作り出す風の向きを変える回転グリル装置」である点。

(相違点4)
本件特許発明3では、シャフト部材が、「ねじ山が形成された上端と前記羽根車を水平に軸支する下端を有するシャフト部材」であり、吊下部材が、「前記シャフト部材の螺入孔を有し、前記空気調和機の吸い込み口正面に配置する台座プレートと、前記シャフト部材の前記空気調和機の吸い込み口背面に配置する背面プレートと、前記台座プレートと背面プレートを挟持」する「挟持部材」であるのに対して、甲2発明では、シャフト部材が、「内筒12を上端として」「下方に延びて下端を吹出口に設置された回転グリル2の中心部に固定した」ものであり、吊下部材が、「外筒10と内筒12とからなり、前記外筒10が、吹出口の上方の位置で、前記空気調和機の化粧キセ11に固定され、前記内筒12を上端としてシャフト部材が下方に延びて下端を吹出口に設置された回転グリル2の中心部に固定した、流体継手9」である点。

(イ)判断
(相違点3について)
相違点3は相違点1において、
a 本件特許発明1の「送風口から吹き出される風によって」を「風によって」とし、
b 本件特許発明1の「前記空気調和機の吸い込み口正面下方に前記シャフト部材を吊り下げる」を「前記シャフト部材を前記空気調和機の吸い込み口正面に吊り下げる」とし、
c 「羽根部材と羽根部材を支持するハブ部材とからなる羽根車」を「羽根部材とスポーク部材とスポーク部材を支持するハブ部材とからなる羽根車」と羽根車についての相違点(「スポーク部材」)を付加したものである。

aは、本件特許発明3の「風」は「送風口から吹き出される風」であると解され、bは、実質的に同じことを表しているから、cを除く相違点3については、本件特許発明1の相違点1と実質的に同じであり、既に述べたとおり、甲2発明に甲第3号証乃至甲第10号証に記載の事項を組み合わせても、当業者が容易になし得たこととはいえない。
さらに、cのスポーク部材を付加した点についても、検討する。
本件特許発明3は、空気調和機の吸い込み口正面に吊り下げたシャフト部材にスポーク部材を有する羽根車を設けることにより、本件特許明細書の段落【0022】に記載のように空気調和機の吸い込み口の障害にならないという作用効果を奏するものである。
甲第4号証には本件特許発明3の「スポーク部材」に相当する「ブラケット12」が記載されている。
しかし、甲2発明の「放射方向に延在させた」「補強リブ4」は羽根部材(ブレード3)の補強のためであり傾斜することを前提とするものであって、しかも、甲第4号証のブラケット12は前記のような作用効果を意図するものではないから、甲2発明の補強リブ4に甲第4号証を適用し、棒状をなすスポーク部材とすることは、当業者が容易に想到することはできない。

したがって、甲第3号証乃至甲第10号証には、本件特許発明3のような駆動機能と拡散機能を併せ持つようにしたスポーク部材を有する羽根車を空気調和機の吸い込み口正面下方に吊り下げた気流拡散装置は開示されておらず、甲2発明に甲第3号証乃至甲第10号証に記載の事項を組み合わせても、相違点3に係る本件特許発明3の特定事項とすることは、当業者が容易になし得たこととはいえない。

(相違点4について)
相違点4は、本件特許発明3が吸い込み口正面に配置する台座プレートの螺入孔にシャフト部材の上端のねじ山に螺入して固定するものであることからシャフト部材は羽根車と共に回転しないものである。そうすると、甲2発明のシャフト部材が回転軸であるものと羽根車の回転支持構造が基本的に相違する。
そして、回転しないシャフト部材を用いたものは甲第2?4、6?10号証の何れにも記載も示唆もなく、甲第5号証に「Nevertheless, it will be appreciated by those skilled in the art, that in an alternative embodiment, the central shaft 50 may be fixed so that it does not rotate, but rather it permits the propeller assembly 30 to rotate thereabout.」(5欄37?40行)「当業者に理解されるように、それでもなお、これにかわる実施例としては、中央軸50を回転しないように固定して、そのかわりに、風車30をその周りで回転させる方法がある。」(無効審判上申書翻訳文6頁下から2行?7頁2行(下線部は当審訳。))と記載されているのみである。
しかも、空気調和機の吸い込み口正面と背面に配置する台座プレートと背面プレートを挟持して、前記シャフト部材を前記空気調和機の吸い込み口正面に吊り下げる挟持部材に関する事項は甲第2?10号証の何れにも記載も示唆もない。
また、甲第4号証の「下部板(底板)25」、「上部板28」、「連結支柱27」はりすかご型送風機20を内蔵するためのハウジングを構成するためのものであり、本件特許発明3のように、空気調和機の吸い込み口正面と背面に配置する台座プレートと背面プレートを挟持して、回転しないシャフト部材を前記空気調和機の吸い込み口正面に吊り下げる挟持部材ではない。
さらに、甲第4号証には、「ハウジング11を、引掛け部50と上部板28の間に天井30をサンドイッチのように挟みこむことで、天井30に取り付け」ることが記載されているが、軸14は回転するものであり、回転しないシャフト部材を前記空気調和機の吸い込み口正面に吊り下げるものではない。

したがって、甲第3号証乃至甲第10号証には、回転しないシャフト部材を前記空気調和機の吸い込み口正面に吊り下げることは開示されておらず、甲第2号証乃至甲第10号証に記載の事項を組み合わせても、相違点4に係る本件特許発明3の特定事項とすることは、当業者が容易になし得たこととはいえない。

よって、甲第2号証乃至甲第10号証に記載の事項を組み合わせても、本件特許発明3の特定事項とすることは、当業者が容易になし得たこととはいえない。

8 むすび
以上のとおりであるから、請求人の主張する理由及び提出した証拠方法によっては本件特許発明1乃至3の特許を無効とすることができない。
審判に関する費用については、特許法169条2項の規定で準用する民事訴訟法61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
気流拡散装置(拡散扇)及び空気調和機
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機(エアーコンディショナー)や送風ダクト等からの風を拡散する気流拡散装置(拡散扇)及び該装置を備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機からの冷風が直接当たる位置に居ると、冷え性のほか、体のバランスにも影響を及ぼすと言われている。空気調和機からの冷風が直接当たる位置に居ざるを得ない者を守るために、空気調和機を間欠的に動作させるタイマー機能のほか、吹き出し口内部等に複数の風向調整板を備え、適当な時間間隔で上下左右に風向を変更できる機能を備えたものも一般的である。また、自然風に近い風量・風向制御を行うゆらぎ機能を備えた空気調和機も製品化されるに至っている。
【0003】
また、風向自体を全く変えてしまうものとして、実用新案登録第3078419号記載の風向変更装置等がある。この種の装置を用いれば、例えば、受付窓口等の担当者席に向かう冷風を、板状部材によって、所定方向(例えば、訪問客ロビー側)に返すことが可能となっている。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第3078419号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そもそも空気調和機が設置された空間の利用者それぞれに、快適な温度というものがあり、万人に満足の行く気温設定や風向の調整が難しいことに問題がある。また、各種空気調和機は冷暖房を効率良くなしうるよう、冷気は上方に、暖気は下方に吹き出すよう設計されているため、強冷房時は冷たい空気が強く吐き出され、強暖房時には熱い空気が強く吐き出される。例えば冷房について見ると、上記風向調整板を用いた首振り機能やゆらぎ機能を用いたとしても、強冷房時は冷気に直接さらされる人間を増やしてしまうことになるため、実用新案登録第3078419号記載のような装置が必要となる。更には、設置場所の観点から吹出し口の幅を大きく取れず吹出し範囲が制限される場合や、美観や安全性等の面から首振り範囲自体が制限される場合がある。
【0006】
また、上述の実用新案登録の風向変更装置では、当該装置が設置された方向には直接風が全く届かないことになってしまい、当該状態を快適と感じる者とそうでない者とが表れてしまう。例えば、顧客の待合ロビーと業務窓口の中間の天井に、天井設置型の空気調和機が設置されている場合、上述の実用新案登録の風向変更装置を用いることによって、窓口担当者に冷風が当たらないようにすることができるが、窓口担当者の背後で従事する者にも冷風が届かなくなってしまうことになる。
【0007】
また、レストランや車両内等の利用者の出入が激しい場所では、上述の実用新案登録の風向変更装置を適用することは困難である。例えば、絶えず入れ替わる利用者からの申出に応じて、上述の実用新案登録の風向変更装置をその都度着脱することになり、現実的な解決策は得られない。
【0008】
更に、上述の実用新案登録の風向変更装置では、空間全体の空調設計にて予定されていた空気の対流をも妨げてしまうという難点もある。
【0009】
また、上述した実用新案登録記載の風向変更装置同様に、追加の動力源を必要としない構成であることも望まれる。そうすれば、配線等に悩む必要も無く後付けの設置が容易となり、また装置全体の軽量化にも資することができる。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、無動力で動作し、広角に吹出し気流を拡散し部屋の温度を均一化するとともに、冷え性や冷房病の対策ともなる後付け型の気流拡散装置(拡散扇)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の視点によれば、空気調和機や送風ダクト等の送風口付近に設置する気流拡散装置が提供される。この気流拡散装置は、羽根部材と前記羽根部材を支持するハブ部材とからなる羽根車と、前記羽根車の回転軸を構成するシャフト部材と、前記空気調和機の吸い込み口正面下方に前記シャフト部材を吊り下げる吊下部材と、を含んで構成される。前記羽根車は、前記少なくとも風のみによって自転できるように、前記送風口から吹き降ろされる風が羽根部材の回転軌道上を通過し乃至当たるよう配設される。
【0012】
また、本発明の第2の視点によれば、この気流拡散装置を備えた空気調和機が提供される。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、空気調和機等から吐き出される気流を拡散させることができるため、部屋全体の温度のムラを解消することができる。また、冷房時、少なくとも上記羽根車の羽根部材が回転している間は、当該吹き出し方向に居る利用者に届く冷気流は羽根部材によって遮られ分断されるため、冷え性や冷房病の対策としても有効である。
【0014】
また、本発明に係る気流拡散装置(拡散扇)は、追加の動力源を必要とするものでない無動力型であり、気流拡散のために、余分な二酸化炭素(CO2)を排出することもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
続いて、本発明を天井埋込型の空気調和機に後付けする気流拡散装置(拡散扇)として構成した最良の実施の形態について説明する。はじめに、天井埋込型の空気調和機について概説する。天井埋込型の空気調和機200は、オフィスビルや店舗等で広く採用されているものであり、吸込口110を装置中央部分に備えるとともに、吹出口100を2方乃至4方に備え、それぞれ斜め前方に向かって冷風を送風可能となっている(図10参照)。
【0016】
図1は、本実施形態に係る気流拡散装置(拡散扇)を、側方から見た場合の概略構成を表した図である。図1を参照すると、気流拡散装置(拡散扇)は、吊下げ機構10と、垂直シャフト20と、羽根部材30、スポーク40(うち2本を図示)、ハブ50とからなる羽根車で構成され、空気調和機の吸込口110のグリル部分に吊下げられた状態が示されている。
【0017】
羽根車は、羽根部材30の回転軌道に、空気調和機の吹出口100から吹き出す風が当たるように配設される。なお、本実施の形態に係る気流拡散装置(拡散扇)羽根部材30は、後述するようにスポーク40上を摺動可能であるため、空気調和機の吸込口110に設置した後から調整することも可能である。
【0018】
図2は、図1の中央付近を拡大した側面図である。図2を参照すると、吊下げ機構10は、背面プレート11と、台座プレート12と、背面プレート11と正面プレート12との間に空気調和機の吸込口110のグリル部分を挟んで保持するためのボルト13及びナット14とが示されている。
【0019】
背面プレート11は、前記空気調和機の吸い込み口背面に配置し、装置全体を空気調和機の吸込口110に掛止するための部材である。台座プレート12は、ねじ山が形成された垂直シャフト挿入部12aを有し、空気調和機の吸込口110正面に配置し、垂直シャフトを取り付ける台座をなす部材である。
【0020】
また、垂直シャフト20の上端は、台座プレート12の垂直シャフト挿入部12aのねじ山に適合するねじ山が形成されており、垂直シャフト20の下端は、上述した羽根車のハブ50と、ベアリングプレート60とが挿入され、最後にエンド部材70が固着されている。
【0021】
ベアリングプレート60は、表面(上面)に多数のボール(鋼球、ステンレス球、プラスチック球)を埋設したリング状の部材であり、ハブ50が速やかに回転を開始し、またその回転を保持できるようになっている。
【0022】
図3は、本実施形態に係る気流拡散装置(拡散扇)の羽根車の平面図である。図3を参照すると、ハブ50は6本のスポーク40を支持しており、各スポーク40の先端には、羽根部材30が装着された、6枚羽根の羽根車が示されている。また、羽根車は、図中点線で示された空気調和機の4つの吹出口100によって構成される4角形の中心に配置され、静止した状態にあっても、いずれかの羽根部材30が吹出口100の外方下側に位置し、風を受けて回転を開始できるようになっている。また、本実施の形態に係る羽根車は、空気調和機の吸込口110の障害とならないように、ハブ50を介して対向する羽根部材30間を離隔し、スペースを確保できるような構成となっている。
【0023】
図4は、図3の羽根部材30のP-P’断面拡大図である。図4を参照すると、各羽根部材30は、スポーク保持構造32を有しており、スポーク保持構造32にスポーク40を挿入して取り付けることが可能となっている。また、スポーク40の断面は円形であり、スポーク保持構造32のビス32aによって、羽根部材30を所望のピッチ角に変更し固定することが可能となっている。また、図5に示すように、ビス32aを緩めて、羽根部材30をスポーク40上を移動させ、空気調和機の吹出口100のレイアウトに適合させることや、羽根車全体の径を拡大乃至縮小することが可能となっている。
【0024】
この羽根部材30は、例えばアルミ板、アクリル板等を好適に使用することができる。また、羽根車全体も、能動的に動作し風を起こすものではないため、特段剛性の高い構成を採用する必要もない。
以上の構成よりなる気流拡散装置(拡散扇)は、その羽根車の羽根部材30の数、形状、面積、ピッチ角等に応じて、図1に示すように、空気調和機の吹出口100からの風を受けて、風力で回転し、気流を拡散することができる。また、少なくとも、吹出口100と利用者との間に羽根部材30が位置する状態を所定時間毎に作り出すことができ、冷気等が利用者に吹き付けられる時間を短くすることが可能となっている。
【0025】
続いて、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述した第1の実施の形態の羽根車の羽根部材30のいくつかを図形や絵をあしらった飾り羽根に変更したことを特徴する。図6は、本実施形態に係る気流拡散装置(拡散扇)の羽根車の平面図である。図6を参照すると、6本のスポーク40のうち、2本に図形をあしらった飾り羽根51を備えた6枚羽根の羽根車が示されている。上述したとおり、本発明では、そのピッチ角の調整により、羽根車の回転速度を低速することができるため、羽根部材30のピッチ角の調整することによって、飾り羽根51の動きを楽しむ構成を得ることができる。
【0026】
続いて、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述した第1、第2の実施の形態の羽根車を垂直方向に複数配置したことを特徴する。図7は、本実施形態に係る気流拡散装置(拡散扇)の側面図である。図7を参照すると、1本の垂直シャフト20に2つの羽根車を並べた構成が示されている。本構成によれば、羽根車の数に応じて、吹出口100と利用者との間に羽根部材30が位置するタイミングを多数作り出すことができる。また、羽根車同士の径の大きさや、羽根部材30の数、形状、面積、ピッチ角を変えることにより、相対的な回転動作の違いを楽しむ構成を得ることもできる。
【0027】
続いて、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述した各実施の形態のベアリングプレート60に代えてスラスト軸受61を配設したことを特徴する。図8は、本実施形態に係る気流拡散装置(拡散扇)の側方から見た場合の概略構成図である。このように、本発明は、図8に示された玉軸受のほか、磁気軸受等の各種スラスト軸受を追加することも可能である。
【0028】
続いて、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上述した各実施の形態のベアリングプレート60、スラスト軸受61を吊下部材10側に配設し、垂直シャフト20にハブ50を固定したことを特徴する。図9は、本実施形態に係る気流拡散装置(拡散扇)の側方から見た場合の概略構成図である。図9をを参照すると、垂直シャフト20上端に吊下げエンド15を固着し、その下面にベアリングプレート60が配設されている。
【0029】
以上、天井埋込型の空気調和機に後付けする場合に好適ないくつかの実施の形態を説明したが、本発明は上述の各実施形態に限定されず、種々の変形構成を採りうることはいうまでもない。
【0030】
例えば、上記した各実施の形態では、天井埋込型の空気調和機に後付けすることのできる気流拡散装置(拡散扇)を説明したが、本発明は、天井埋込型の空気調和機以外にも適用可能である。他にも、壁掛け露出型や天井吊下げ型(露出型)の空気調和機があるが、吹出口付近に、上述した羽根車を一つ、或いは複数配置し、風力によって回転せしめて広角に吹出し気流を拡散させ、また、少なくとも羽根部材30の通過時に直接風を寸断させることができる。
【0031】
また、上記した各実施の形態では、背面プレート11、台座プレート12、これらを挟持するボルト13、ナット14にて、吊下げ部材を構成し、垂直シャフト20を天井面から吊り下げるものとして説明したが、羽根車及びシャフトの重みに耐えうるものであれば、台座プレート12を直接天井に打ち付ける、その他構成も採用可能である。また、適宜、垂直シャフト20の中間部分と、天井に別途埋設したフック、リング等をチェーン、紐材、ピアノ線等で連結し荷重を分散させるようにしてもよい。
【0032】
また、空気調和機の吸込口のグリル部分を垂直シャフト20を支持可能な構造にすること、空気調和機の吸込口のグリル部分を上記台座プレート12と掛合可能な構成とすることで、上記した気流拡散装置(拡散扇)の機能を備えた空気調和機を得ることができる。
【0033】
また、上記した各実施の形態では、羽根部材30は、スポーク保持構造32を有し、ピッチ角を可変であること、スポーク40上を移動させることが可能であるものとして説明したが、固定ピッチ型やレイアウト固定型の羽根車を用いることも可能である。
【0034】
同様に、上記した各実施の形態では、6枚羽根で台形の羽根部材30を備えた羽根車を用いるものとして説明したが、ハブ50を代えることでその他複数枚の羽根部材を備える構成も採用できる。また、羽根部材30の形状も、幾何学形状はもちろんとして、オール状のものや、ラグビーボール状のもの等、羽根車の回転が可能な形状であれば、各種形状を採用することができる。
【0035】
また、上記した各実施の形態ではスポーク部材40に羽根部材30を取り付ける構成としているが、羽根部材30にハブ部材50との接合部を設けて羽根車を構成し、スポーク部材40を省いた構成も採用可能である。この場合は、羽根車の径や羽根レイアウトは原則固定して用いることになる。もちろん、羽根車の径や羽根レイアウトが異なる羽根車を予め用意しておき、羽根車全体を交換するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】
本発明の一実施形態に係る気流拡散装置(拡散扇)の概略構成を表した図である。
【図2】
図1の拡大図である。
【図3】
本実施形態に係る気流拡散装置(拡散扇)の羽根車の平面図である。
【図4】
図3のP-P’断面拡大図である。
【図5】
本実施形態に係る気流拡散装置(拡散扇)の羽根車の平面図である。
【図6】
本発明の第2の実施形態に係る気流拡散装置(拡散扇)の概略構成を表した図である。
【図7】
本発明の第3の実施形態に係る気流拡散装置(拡散扇)の概略構成を表した図である。
【図8】
本発明の第4の実施形態に係る気流拡散装置(拡散扇)の概略構成を表した図である。
【図9】
本発明の第5の実施形態に係る気流拡散装置(拡散扇)の概略構成を表した図である。
【図10】
天井埋込型の空気調和機の送風方向を表した図である。
【符号の説明】
【0037】
10 吊下げ機構
11 背面プレート
12 台座プレート
12a 垂直シャフト挿入部
13 ボルト
14 ナット
15 吊下げエンド
20 垂直シャフト
30 羽根部材
31 飾り羽根
32 スポーク保持構造
32a ビス
40 スポーク
50 ハブ
60 ベアリングプレート
61 スラスト軸受
70 エンド部材
100 吹出口
110 吸込口
200 空気調和機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
羽根部材と前記羽根部材を支持するハブ部材とからなり、空気調和機の送風口から吹き降ろされる風が前記羽根部材の回転軌道上に当たるよう配設される羽根車と、
前記羽根車の回転軸を構成するシャフト部材と、
前記空気調和機の吸い込み口正面下方に前記シャフト部材を吊り下げる吊下部材と、を備え、
少なくとも前記送風口から吹き出される風のみによって前記羽根車を自転可能としたこと、
を特徴とする気流拡散装置。
【請求項2】
羽根部材とスポーク部材と前記スポーク部材を支持するハブ部材とからなり、空気調和機の送風口から吹き降ろされる風が前記羽根部材の回転軌道上に当たるよう配設される羽根車と、
前記羽根車の回転軸を構成するシャフト部材と、
前記空気調和機の下方に前記シャフト部材を吊り下げる吊下部材と、を備え、
少なくとも前記送風口から吹き出される風のみによって前記羽根車を自転可能としたこと、
を特徴とする気流拡散装置。
【請求項3】
羽根部材とスポーク部材と前記スポーク部材を支持するハブ部材とからなり、空気調和機の送風口から吹き降ろされる風が前記羽根部材の回転軌道上に当たるよう配設される羽根車と、
ねじ山が形成された上端と前記羽根車を水平に軸支する下端を有するシャフト部材と、
前記シャフト部材の螺入孔を有し、前記空気調和機の吸い込み口正面に配置する台座プレートと、
前記シャフト部材の前記空気調和機の吸い込み口背面に配置する背面プレートと、
前記台座プレートと背面プレートを挟持して、前記シャフト部材を前記空気調和機の吸い込み口正面に吊り下げる挟持部材と、を備え、
風によって前記羽根車を自転可能としたこと、
を特徴とする気流拡散装置。
【請求項4】
前記羽根部材のピッチ角は可変であること、を特徴とする請求項1乃至3いずれか一に記載の気流拡散装置。
【請求項5】
前記羽根部材が、前記スポーク部材上を移動可能としたこと、を特徴とする請求項1乃至4いずれか一に記載の気流拡散装置。
【請求項6】
前記シャフト部材に、前記羽根車の荷重を支持する軸受部材を嵌挿したこと、を特徴とする請求項1乃至5いずれか一に記載の気流拡散装置。
【請求項7】
前記シャフト部材によって複数の羽根車を1軸上に配設したこと、を特徴とする請求項1乃至6いずれか一に記載の気流拡散装置。
【請求項8】
前記羽根部材に代えて、飾り部材を配設したこと、を特徴とする請求項1乃至7いずれか一に記載の気流拡散装置。
【請求項9】
請求項1乃至8いずれか一に記載の気流拡散装置を備えたことを特徴とする空気調和機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2011-05-24 
出願番号 特願2004-319707(P2004-319707)
審決分類 P 1 123・ 121- YA (F24F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 莊司 英史  
特許庁審判長 森川 元嗣
特許庁審判官 長浜 義憲
稲垣 浩司
登録日 2005-09-09 
登録番号 特許第3717509号(P3717509)
発明の名称 気流拡散装置(拡散扇)及び空気調和機  
代理人 加藤 朝道  
代理人 熊崎 陽一  
代理人 青木 充  
代理人 青木 充  
代理人 青木 充  
代理人 竹中 一宣  
代理人 加藤 朝道  
代理人 加藤 朝道  
代理人 大矢 広文  

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