• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) F16C
管理番号 1241903
審判番号 不服2010-13401  
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-06-18 
確定日 2011-08-08 
事件の表示 特願2005-311647「円すいころ軸受」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 5月17日出願公開、特開2007-120575〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
1.手続の経緯・本願発明

本願は、平成17年10月26日の出願であって、本願の請求項1に係る発明は、平成21年12月18日付け、平成22年3月5日付け及び平成23年5月13日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定される次のとおりのものと認める。なお、平成22年6月18日付けの手続補正は、当審において平成23年3月11日付けで決定をもって却下された。
「【請求項1】
内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配された複数の円すいころと、円すいころを円周所定位置に保持する保持器とを備えた、保持器が軸中心に位置した状態で保持器と外輪とが接触しないタイプの円すいころ軸受であり、
保持器が、円すいころの小径端面側で連なる小環状部と、円すいころの大径端面側で連なる大環状部と、これらの環状部を連結する複数の柱部とからなり、隣接する柱部間に、円すいころの小径側を収納する部分が狭幅側、大径側を収納する部分が広幅側となる台形状のポケットが形成されるとともに、ポケットの狭幅側の柱部および狭幅側の小環状部に、内輪側から外輪側へ潤滑油を逃がすための内径側から外径側まで切り通した切欠きを設け、ころ本数を減らさないか増加させつつPCDを小さくすることにより(ころ本数×ころ平均径)/(π×PCD)で表されるころ係数が0.94を越え、かつ、保持器が軸中心に位置した状態では保持器外径と外輪軌道面間にすきまが存在していることを特徴とする円すいころ軸受。」(以下「本願発明」という。)
(なお、上記平成23年5月13日付けの手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載の「大径状のポケット」は誤記で、正しくは「台形状のポケット」であることが明らかであるので、本願発明を上記のとおり認定した。)

2.引用刊行物とその記載事項

これに対して、当審が平成23年3月11日付けの拒絶理由通知で引用した刊行物は、次のとおりである。

刊行物1:特開2005-188738号公報
(公開日:平成17年7月14日(2005.7.14))
刊行物2:実願昭49-38975号(実開昭50-126841号)
のマイクロフィルム
刊行物3:特開平11-201149号公報

(1)刊行物1(特開2005-188738号公報)の記載事項

刊行物1には、「円すいころ軸受」に関し、図面(特に、図1)とともに次の事項が記載されている。

(ア) 「【0006】
ところで、自動車トランスミッションは、近年、ミッションのAT化、CVT化および低燃費化等のために低粘度の油が使われる傾向にある。低粘度オイルが使用される環境化では、(1)油温が高い、(2)油量が少ない、(3)予圧抜けが発生するなどの悪条件が重なった場合に、潤滑不良に起因する非常に短寿命の表面起点剥離が面圧の高い内輪軌道面に生じることがある。
【0007】
この表面起点剥離による短寿命対策としては最大面圧低減が直接的かつ有効な解決策である。最大面圧を低減するためには軸受寸法を変更するか、軸受寸法を変えない場合は軸受のころ本数を増大させる。ころ直径を減少させないでころ本数を増やすためには保持器のポケット間隔を狭くしなければならないが、そのためには保持器のピッチ円を大きくして外輪側にできるだけ寄せる必要がある。
【0008】
保持器を外輪内径面に接するまで寄せた例として、図8に記載の円すいころ軸受がある(特許文献1参照)。この円すいころ軸受61は保持器62の小径側環状部62aの外周面と大径側環状部62bの外周面を外輪63内径面と摺接させて保持器62をガイドし、保持器62の柱部62cの外径面に引きずりトルクを抑制するため凹所64を形成して、柱部62cの外径面と外輪63の軌道面63aの非接触状態を維持するようにしている。保持器62は、小径側環状部62aと、大径側環状部62bと、小径側環状部62aと大径側環状部62bとを軸方向に繋ぎ外径面に凹所64が形成された複数の柱部62cとを有する。そして柱部62c相互間に円すいころ65を転動自在に収容するための複数のポケットが設けられている。小径側環状部62aには、内径側に一体に延びたつば部62dが設けられている。図8の円すいころ軸受は、保持器62の強度向上を図るもので、保持器62の柱部62cの周方向幅を大きくするために保持器62を外輪63の内径面に接するまで寄せた例である。
【特許文献1】特開2003-28165号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1記載の円すいころ軸受61では、保持器62を外輪63の内径面に接するまで外径に寄せて保持器62の柱部62cの周方向幅を大きくしている。また、保持器62の柱部62cに凹所64があるので、板厚が必然的に薄くなって保持器62の剛性が低下し、軸受61の組立て時の応力によって保持器62が変形したり、軸受61の回転中に保持器62が変形したりする等の可能性もある。
【0010】
一方、特許文献1記載の円すいころ軸受以外の従来の典型的な保持器付き円すいころ軸受は、図9のように外輪71と保持器72との接触を避けた上で、保持器72の柱幅を確保し、適切な保持器72の柱強度と円滑な回転を得るために、次式で定義されるころ係数γ(ころの充填率)を、通常0.94以下にして設計している。
ころ係数γ=(Z・DA)/(π・PCD)
ここで、Z:ころ本数、DA:ころ平均径、PCD:ころピッチ円径。
【0011】
なお、図9で符号73は円すいころ、74は柱面、75は内輪、θは窓角である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は負荷容量のアップと軌道面の面圧過大による早期破損を防止することを目的とする。
【0013】
本発明の円すいころ軸受は、内輪と、外輪と、前記内輪と外輪との間に転動自在に配された複数の円すいころと、前記円すいころを円周所定間隔に保持する保持器とを備えた円すいころ軸受において、ころ係数γが0.94を越えることを特徴とする。」

(イ) 「【0019】
以下、本発明の実施の形態を図1?図4に基づいて説明する。図1(A)(B)に示す実施の形態の円すいころ軸受1は、円すい状の軌道面2aを有し、この軌道面2aの小径側に小つば部2b、大径側に大つば部2cを有する内輪2と、円すい状の軌道面3aを有する外輪3と、内輪2の軌道面2aと外輪3の軌道面3aとの間に転動自在に配された複数の円すいころ4と、円すいころ4を円周等間隔に保持する保持器5とで構成される。ここで、円すいころ軸受1は、ころ係数γ>0.94となっている。
【0020】
保持器5は、例えばPPS、PEEK、PA、PPA、PAI等のスーパーエンプラで一体成形されたもので、小径側環状部5aと、大径側環状部5bと、小径側環状部5aと大径側環状部5bとを軸方向に繋ぐ複数の柱部5cとを備えている。」

上記記載事項(ア)、(イ)及び図面(特に、図1)の記載を総合すると、刊行物1には、
「内輪2と、外輪3と、内輪2と外輪3との間に転動自在に配された複数の円すいころ4と、円すいころ4を円周所定間隔に保持する保持器5とを備えた円すいころ軸受1であり、
保持器5は、小径側環状部5aと、大径側環状部5bと、小径側環状部5aと大径側環状部5bとを軸方向に繋ぐ複数の柱部5cとを備えているとともに、次式(ころ係数γ=(Z・DA)/(π・PCD)。ここで、Z:ころ本数、DA:ころ平均径、PCD:ころピッチ円径。)で定義されるころ係数γが0.94を越える円すいころ軸受。」
の発明(以下「刊行物1記載の発明」という。)が記載されているものと認められる。

(2)刊行物2(実願昭49-38975号(実開昭50-126841号)のマイクロフィルム)の記載事項

刊行物2には、「コロ軸受の保持器」に関し、図面(特に、第1図、第2図)とともに次の事項が記載されている。

(ウ) 「さらに、突起部(16)(17)の形成によつて必然的に作られた保持窓(15)の空隙部(22)(23)は、コロ(3)の回動に伴なう潤滑油の流通を頗る円滑にし、コロ軸受の焼損を防止する効果をも有している。」(全文補正された明細書第5ページ第3?7行)

(3)刊行物3(特開平11-201149号公報)の記載事項

刊行物3には、「円錐ころ軸受」に関し、図面(特に、図1、図2)とともに次の事項が記載されている。

(エ) 「【0018】……さらに、保持器3の各ポケット31の軸方向両側には、凹形の切欠き33が設けられている。なお、切欠き33の形状は、凹形の他、半円形など、任意である。
……
【0021】ここで、保持器3の小径端側に径方向内向きの鍔部32を設けているから、保持器3と内輪1との間に対して潤滑油が流入しにくくなり、大半の潤滑油が保持器3と外輪2との間から流入することになる。ここから流入した潤滑油は、保持器3の隣り合うポケット31間の柱部と外輪2との間をそのまま通過するだけでなく、保持器3のポケット31および保持器3の小径端側の切欠き33から内輪1側へも流れることになり、図中の矢印に示すように、内・外輪1,2の大径端側から流出することになる。なお、保持器3の鍔部32と内輪1との間の隙間からもわずかながらも潤滑油が流入して、前記潤滑油と合流して排出される。このような潤滑油の流れにより、内・外輪1,2および保持器3と円錐ころ4との接触部位を潤滑、冷却する。」

3.発明の対比

本願発明と刊行物1記載の発明とを対比すると、刊行物1記載の発明の「内輪2」は、本願発明の「内輪」に相当し、以下同様に、「外輪3」は「外輪」に、「円すいころ4」は「円すいころ」に、「円すいころ4を円周所定間隔に保持する保持器5」は「円すいころを円周所定位置に保持する保持器」に、「円すいころ軸受1」は「円すいころ軸受」に、それぞれ相当する。
また、円すいころ軸受の保持器についての技術常識を考慮すれば、刊行物1記載の発明の「小径側環状部5a」は、本願発明の「円すいころの小径端面側で連なる小環状部」に相当し、以下同様に、「大径側環状部5b」は「円すいころの大径端面側で連なる大環状部」に、「小径側環状部5aと大径側環状部5bとを軸方向に繋ぐ複数の柱部5c」は「これらの環状部を連結する複数の柱部」に、それぞれ相当し、また、刊行物1記載の発明の「保持器5」には、本願発明の「隣接する柱部間に、円すいころの小径側を収納する部分が狭幅側、大径側を収納する部分が広幅側となる台形状のポケット」に相当するものが形成されているものと認められる。
更に、刊行物1記載の発明の「次式(ころ係数γ=(Z・DA)/(π・PCD)。ここで、Z:ころ本数、DA:ころ平均径、PCD:ころピッチ円径。)で定義されるころ係数γが0.94を越える」ことは、本願発明の「(ころ本数×ころ平均径)/(π×PCD)で表されるころ係数が0.94を越え」ることに相当する。

よって、本願発明と刊行物1記載の発明とは、
[一致点]
「内輪と、外輪と、内輪と外輪との間に転動自在に配された複数の円すいころと、円すいころを円周所定位置に保持する保持器とを備えた、円すいころ軸受であり、
保持器が、円すいころの小径端面側で連なる小環状部と、円すいころの大径端面側で連なる大環状部と、これらの環状部を連結する複数の柱部とからなり、隣接する柱部間に、円すいころの小径側を収納する部分が狭幅側、大径側を収納する部分が広幅側となる台形状のポケットが形成されるとともに、(ころ本数×ころ平均径)/(π×PCD)で表されるころ係数が0.94を越える円すいころ軸受。」
である点で一致し、次の点で相違する。

[相違点1]
本願発明は、「保持器が軸中心に位置した状態で保持器と外輪とが接触しないタイプの」円すいころ軸受であり、「保持器が軸中心に位置した状態では保持器外径と外輪軌道面間にすきまが存在している」のに対して、刊行物1記載の発明は、この点が明らかでない点。

[相違点2]
本願発明は、「ポケットの狭幅側の柱部および狭幅側の小環状部に、内輪側から外輪側へ潤滑油を逃がすための内径側から外径側まで切り通した切欠きを設け」るのに対して、刊行物1記載の発明は、そのような切欠きの有無が明らかでない点。

[相違点3]
本願発明は、「ころ本数を減らさないか増加させつつPCDを小さくすることにより」(ころ本数×ころ平均径)/(π×PCD)で表されるころ係数が0.94を越えるようにしているのに対して、刊行物1記載の発明は、どのようにして「次式(ころ係数γ=(Z・DA)/(π・PCD)。ここで、Z:ころ本数、DA:ころ平均径、PCD:ころピッチ円径。)で定義されるころ係数γが0.94を越える」ようにしているか明らかでない点。

4.当審の判断

(1)相違点1について

上記刊行物1の段落【0008】、【0009】及び図8(刊行物1記載の発明の従来例)の記載と対比して図1ないし3の記載を参酌すれば、刊行物1記載の円すいころ軸受1は、「保持器が軸中心に位置した状態で保持器と外輪とが接触しないタイプの」円すいころ軸受であり、「保持器が軸中心に位置した状態では保持器外径と外輪軌道面間にすきまが存在している」ことが、記載又は示唆されているといえる。
また、刊行物1の段落【0010】及び図9(刊行物1記載の発明の別の従来例)の記載のように、外輪と保持器との接触を避けることが通常の技術であることを考慮すれば、ころ係数γが0.94を越える円すいころ軸受においても、「保持器が軸中心に位置した状態で保持器と外輪とが接触しないタイプの」円すいころ軸受であり、「保持器が軸中心に位置した状態では保持器外径と外輪軌道面間にすきまが存在している」ようにすることによって上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易に想到し得たことである。

(2)相違点2について

上記刊行物2の記載事項(ウ)とともに第2図の記載を参酌すれば、刊行物2記載の「保持窓(15)の空隙部(22)を作る」旨は、上記相違点2に係る本願発明の「ポケットの狭幅側の柱部に、内径側から外径側まで切り通した切欠きを設け」ることに相当し、また同様に、上記刊行物3の記載事項(エ)とともに図2の記載を参酌すれば、刊行物3記載の「保持器3の小径端側に、切欠き33を設ける」ことは、上記相違点2に係る本願発明の「ポケットの狭幅側の小環状部に、内径側から外径側まで切り通した切欠きを設け」ることに相当する。
ところで、上記相違点2に係る本願発明の切欠きは、「内輪側から外輪側へ潤滑油を逃がすため」に設けられるものであるのに対して、上記刊行物2記載の空隙部(22)は、「コロ(3)の回動に伴なう潤滑油の流通を頗る円滑に」するものであり、また、上記刊行物3記載の小径端側の切欠き33は、潤滑油が「内輪1側へも流れる」ように設けられるものである。
そこで、円すいころ軸受において、潤滑油がどのように流動するかについて検討すると、上記刊行物3の段落【0003】には、
「例えば、円錐ころ軸受は、その内・外輪間において小径端側から大径端側へ潤滑油が通過するように配置されることが多い。このとき、内・外輪と円錐ころとの間の空間が潤滑油流路となるが、保持器の存在によって、保持器を中心としてそれと内輪の外周面との間および外輪の内周面との間に別れて潤滑油が通過することになる。」
と記載されている。
そして、上記のように別れて通過する潤滑油の流動は、内輪、外輪及び保持器の各形状や相互の配置関係により影響されるものと考えられるところ、刊行物1の図1(B)の記載をみると、内輪2の大径側に大つば部2cが設けられていることにより、保持器5と内輪2の外周面との間を通過する潤滑油が、上記大つば部2cで堰き止められて保持器5と内輪2の外周面との間に滞留しやすくなることは、当業者であれば容易に想到し得ることである。
そうすると、刊行物1記載の発明の保持器5に、刊行物2記載の空隙部(22)及び刊行物3記載の小径端側の切欠き33を適用して、上記大つば部2cで堰き止められて保持器5と内輪2の外周面との間に滞留した潤滑油を、内輪2側から外輪3側へ逃がすようにすることによって、上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(3)相違点3について

刊行物1記載の発明は、負荷容量のアップと軌道面の面圧過大による早期破損を防止することを目的として(刊行物1の段落【0012】)、「次式(ころ係数γ=(Z・DA)/(π・PCD)。ここで、Z:ころ本数、DA:ころ平均径、PCD:ころピッチ円径。)で定義されるころ係数γが0.94を越える」ようにしたものであって、特に刊行物1の段落【0007】?【0010】の記載を参酌すれば、主にころ本数を増加させることによって、ころ係数γが0.94を越えるようにしているものと解されるが、上記ころ係数γの式には、ころ本数(Z)が分子にあり、ころピッチ円径(PCD)が分母にあることより、「ころ本数を減らさないか増加させつつPCDを小さくすることにより」、ころ係数γが0.94を越えるようにできることは、上記ころ係数γの式から自明である。
また、(ころ本数×ころ平均径)/(π×PCD)で表されるころ係数が0.94を越える範囲において、ころ本数、ころ平均径、及びPCDの数値について最適値を見いだすことにより円すいころ軸受の低トルク化を実現することは、当業者の通常の創作能力の発揮というべきものである。
したがって、刊行物1記載の発明のころ係数に基づいて当業者が通常の創作能力を発揮することにより、上記相違点3に係る本願発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

(4)作用効果について

本願発明が奏する作用効果は、刊行物1ないし3に記載された発明から当業者が予測できる程度のものである。

(5)審判請求人の主張について

審判請求人は、上記の当審の拒絶理由通知に対する平成23年5月13日付けの意見書において、
「刊行物1には、PCDを小さくするということは開示してありません。まして、低トルク化を実現するためにPCDを小さくすることを示唆しているとは到底、認められません。」(「3.拒絶の理由について」の項参照。)
と主張している。
しかしながら、上記(3)で説示したとおり、ころピッチ円径(PCD)を小さくすることにより、ころ係数γが0.94を越えるようにできることは、ころ係数γの式から自明であるし、また、ころピッチ円径(PCD)を小さくすることにより、低トルク化を実現できるという効果は、当業者が容易に予測できる効果である。
よって、審判請求人の主張は採用できない。

5.むすび

したがって、本願発明(請求項1に係る発明)は、刊行物1ないし3に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。



 
審理終結日 2011-06-16 
結審通知日 2011-06-17 
審決日 2011-06-28 
出願番号 特願2005-311647(P2005-311647)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (F16C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 関口 勇  
特許庁審判長 川上 溢喜
特許庁審判官 常盤 務
倉田 和博
発明の名称 円すいころ軸受  
代理人 田中 秀佳  
代理人 白石 吉之  
代理人 城村 邦彦  
代理人 熊野 剛  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ