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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F01L
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F01L
管理番号 1242199
審判番号 不服2010-5964  
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-03-18 
確定日 2011-08-15 
事件の表示 特願2006- 36554「可変動弁機構」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 8月 9日出願公開、特開2007-198363〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件出願(以下、「本願」という。)は、平成18年2月14日(優先権主張平成17年12月26日)の出願であって、平成18年9月22日付けで手続補正書が提出され、平成21年6月30日付けで拒絶理由が通知され、平成21年9月4日付けで意見書及び手続補正書が提出されたが、平成22年1月12日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成22年3月18日付けで拒絶査定不服審判が請求されると同時に、同日付けで明細書及び特許請求の範囲を補正する手続補正書が提出され、その後、当審において平成22年11月1日付けで書面による審尋がなされ、これに対して平成22年12月27日付けで回答書が提出されたものである。


第2 平成22年3月18日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成22年3月18日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1 本件補正について
(1)平成22年3月18日付けの手続補正書による手続補正(以下、単に「本件補正」という。)は、特許請求の範囲に関しては、本件補正により補正される前の(すなわち、平成21年9月4日付けの手続補正書によって補正された)特許請求の範囲の以下の(a)に示す請求項1ないし5を、(b)に示す請求項1ないし3に補正するものである。

(a)本件補正前の特許請求の範囲
「【請求項1】
二本のバルブ(12A,12B)を別々に開閉する二つの動弁部材(6,6)と、一本のカムシャフト(4)上に設けられた駆動カム(13)と、カムシャフト(4)とは異なる軸線の回りで揺動して駆動カム(13)の動力を動弁部材(6,6)に別々に伝える二つの揺動アーム(66,66)と、駆動カム(13)一回転あたりの揺動アーム(66,66)の変位量を内燃機関の運転状態に応じて変更する可変装置(62)とを備え、
可変装置(62)が一本のコントロールシャフト(7)と、コントロールシャフト(7)を駆動するアクチュエータと、コントロールシャフト(7)に連動して二つの揺動アーム(66,66)の変位量を相違させるカム手段とを含み、
カム手段が二つの揺動アーム(66,66)を別々に駆動する二つの可変カム(74,75)をコントロールシャフト(7)上に備え、二つの可変カム(74,75)にそれぞれ異なるプロフィールのカム面(740,750)を設け、
コントロールシャフト(7)の同じ第1回動区間(S3)で、二つの可変カム(74,75)のカム面(740,750)は各々のバルブ(12A,12B)が最大リフト量となる最大リフト部(743,753)を有し、
コントロールシャフト(7)の第1回動区間(S3)に続く同じ第2回動区間(S4)で、一方の可変カム(75)のカム面(750)はバルブ(12B)の最大リフト量を保持する最大リフト部(753)を連続して有し、他方の可変カム(74)のカム面(740)はバルブ(12A)のリフト量が連続的に減少する漸減リフト部(744)を有することを特徴とする可変動弁機構。
【請求項2】
二つの可変カム(74,75)の最大リフト部(743,753)は、コントロールシャフト(7)の軸心からの高さが等しい請求項1記載の可変動弁機構。
【請求項3】
最大リフト部(743,753)とは別のコントロールシャフト(7)の回動区間(S4,S5,S6)において、二つの可変カム(74,75)のカム面(740,750)をコントロールシャフト(7)の軸心から異なる高さで形成した請求項2記載の可変動弁機構。
【請求項4】
コントロールシャフト(7)の第2回動区間(S4)に続く同じ第3回動区間(S5)で、一方の可変カム(75)のカム面(750)は最大リフト量を保持する最大リフト部(753)を連続して有し、他方の可変カム(74)のカム面(740)はバルブ(12A)が停止する最小リフト部(741)を有する請求項1?3のいずれか一項に記載の可変動弁機構。
【請求項5】
コントロールシャフト(7)の第3回動区間(S5)に続く同じ第4回動区間(S6)で、一方の可変カム(75)のカム面(750)はバルブ(12B)のリフト量が連続的に減少する漸減リフト部(754)を有し、他方の可変カム(74)のカム面(740)はバルブ(12A)が停止する最小リフト部(741)を連続して有する請求項4記載の可変動弁機構。」

(b)本件補正後の特許請求の範囲
「【請求項1】
二本のバルブ(12A,12B)を別々に開閉する二つの動弁部材(6,6)と、一本のカムシャフト(4)上に設けられた駆動カム(13)と、カムシャフト(4)とは異なる軸線の回りで揺動して駆動カム(13)の動力を動弁部材(6,6)に別々に伝える二つの揺動アーム(66,66)と、駆動カム(13)一回転あたりの揺動アーム(66,66)の変位量を内燃機関の運転状態に応じて変更する可変装置(62)とを備え、
可変装置(62)が一本のコントロールシャフト(7)と、コントロールシャフト(7)を駆動するアクチュエータと、コントロールシャフト(7)に連動して二つの揺動アーム(66,66)の変位量を相違させるカム手段とを含み、
カム手段が二つの揺動アーム(66,66)を別々に駆動する二つの可変カム(74,75)をコントロールシャフト(7)上に備え、二つの可変カム(74,75)にそれぞれ異なるプロフィールのカム面(740,750)を設け、
コントロールシャフト(7)の同じ第1回動区間(S3)で、二つの可変カム(74,75)のカム面(740,750)は各々のバルブ(12A,12B)が最大リフト量となる最大リフト部(743,753)を有し、
コントロールシャフト(7)の第1回動区間(S3)に続く同じ第2回動区間(S4)で、一方の可変カム(75)のカム面(750)はバルブ(12B)の最大リフト量を保持する最大リフト部(753)を連続して有し、他方の可変カム(74)のカム面(740)はバルブ(12A)のリフト量が連続的に減少する漸減リフト部(744)を有し、
コントロールシャフト(7)の第2回動区間(S4)に続く同じ第3回動区間(S5)で、一方の可変カム(75)のカム面(750)は最大リフト量を保持する最大リフト部(753)を連続して有し、他方の可変カム(74)のカム面(740)はバルブ(12A)が停止する最小リフト部(741)を有し、
コントロールシャフト(7)の第3回動区間(S5)に続く同じ第4回動区間(S6)で、一方の可変カム(75)のカム面(750)はバルブ(12B)のリフト量が連続的に減少する漸減リフト部(754)を有し、他方の可変カム(74)のカム面(740)はバルブ(12A)が停止する最小リフト部(741)を連続して有することを特徴とする可変動弁機構。
【請求項2】
二つの可変カム(74,75)の最大リフト部(743,753)は、コントロールシャフト(7)の軸心からの高さが等しい請求項1記載の可変動弁機構。
【請求項3】
最大リフト部(743,753)とは別のコントロールシャフト(7)の回動区間(S4,S5,S6)において、二つの可変カム(74,75)のカム面(740,750)をコントロールシャフト(7)の軸心から異なる高さで形成した請求項2記載の可変動弁機構。」(なお、下線部は補正箇所を示す。)

(2)本件補正の目的
特許請求の範囲の請求項1についての本件補正は、本件補正前の請求項1の発明特定事項である「それぞれ異なるプロフィールのカム面」に関し、本件補正前の請求項4及び5の発明特定事項によって限定するものである。
したがって、特許請求の範囲の請求項1についての本件補正の目的は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

2 本件補正の適否についての判断
本件補正における請求項1に関する補正事項は、前述したように、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するので、本件補正後の請求項1に記載された事項により特定される発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下に検討する。

2-1 特開平7-63023号公報(以下、「引用文献」という。)
(1)引用文献の記載事項
原査定の拒絶理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である引用文献には、例えば、以下の記載がある。(なお、下線は当審で付した。)

(a)「【要約】
【目的】 弁往復過程を多彩にかつ互いに異なるように調節することができる動弁装置を提供する。
【構成】 内燃機関はシリンダ毎に少なくともに2個の吸気-往復弁4を備えている。この往復弁の往復過程は互いに異なるように調節可能である。この調節は偏心軸10によって行われる。この偏心軸は各カム5aと各往復弁4の間にある伝達部材19の支持点を移動させる。シリンダに付設された両偏心体10a,10a′は互いに異なる幾何学形状をしている。伝達部材19は偏心体10a,10a′に支持されカム5aによって操作されるロッカーレバーによって形成されている。このロッカーレバーはスイングレバーに作用する。他の伝達部材はゲート軌道8aを備えている。」(【要約】)

(b)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリンダ(14a,14b)毎に少なくとも2個の往復弁を備え、この往復弁が互いに平行に作用し、かつそれぞれカム(5a,5a′)と伝達部材(9,9′,19,19′)によって操作され、往復弁の往復過程が互いに異なるように調節可能である内燃機関の動弁装置において、伝達部材(9,9′,19,19′)の支持点が共通の偏心軸(10)上に設けられた回転可能な偏心体(10a,10a′)によって調節可能であり、シリンダ(14a,14b)毎に設けられた少なくとも2個の偏心体(10a,10a′)のリフトカーブが互いに異なっていることを特徴とする内燃機関の動弁装置。」(【特許請求の範囲】)

(c)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリンダ毎に少なくとも2個の往復弁を備え、この往復弁が互いに平行に作用し、かつそれぞれカムと伝達部材によって操作され、往復弁の往復過程が互いに異なるように調節可能である内燃機関の動弁装置に関する。」(段落【0001】)

(d)「【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の課題は、弁往復過程を多彩にかつ互いに異なるように調節することができる手段を、シリンダあたり少なくとも2個の、平行に作用する往復弁を備えた動弁装置に講じることである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するために、伝達部材の支持点が共通の偏心軸上に設けられた回転可能な偏心体によって調節可能であり、シリンダ毎に設けられた少なくとも2個の偏心体のリフトカーブが互いに異なっている。
【0006】本発明により、個々のカムと個々の弁の間に設けられた伝達部材の支持点が調節可能である。この伝達部材は、上述の技術水準のように傾動レバーであるかあるいはロッカーレバーまたはスイングレバーである。しかし、そのほかに他の実施形も可能である。例えば、ローラ用のゲート軌道を有するゲート要素でもよい。このスイングレバーまたは傾動レバーまたはゲート要素の支持点が移動すると、それぞれ付設された往復弁について、変形した往復過程が生じる。なぜなら、カムストロークが異なるように伝達されるからである。弁往復過程を変えるためのこの原理はそれ自体公知である(ドイツ連邦共和国特許第3833540号明細書)が、この公知の実施形は、伝達部材の支持点をどのようにして簡単に移動させるかについて示していない。
【0007】これは本発明では偏心体によって行われる。この偏心体に伝達部材が支持されている。偏心体は共通の一つの偏心軸の構成要素である。複数のシリンダが列をなして設けられていると、この偏心軸はすべてのシリンダにわたって延びている。この偏心軸は簡単に回転可能である。本発明では更に、個々のシリンダに付設された偏心体が異なってる。それによって、所望されるように、この個々の偏心体に付設された弁を互いに異なるように操作することができ、また弁の往復過程を互いに異なるように調節することができる。」(段落【0004】ないし【0007】)

(e)「【0008】
【実施例】次に、二つの有利な実施例に基づいて本発明を詳しく説明する。
【0009】参照数字1によって内燃機関のシリンダヘッドが示してある。このシリンダヘッドは図1では、図面の平面に対して垂直に複数のシリンダにわたって延びている。各シリンダには、燃焼室3に通じる、少なくとも二つの吸気通路2が設けられている。この場合、各吸気通路2には公知のごとく1個の往復弁4が設けられている。この往復弁はカム軸5のカム5aによって操作される。カム5aはローラ6に作用する。このローラ自体は往復弁4のタペット7上で転動する。
(中略)
【0016】各シリンダにおいて平行に作用する二つの往復弁の異なる弁往復過程は、ガス交換ダイナミクスと燃焼室3内に入れられた給気の渦流化を改善するために望まれている。図示した構造によって、および次に説明する他の構造により、シリンダ当たり少なくとも2個の平行に作用する往復弁について、このような弁ストローク特性が簡単に得られる。」(段落【0008】ないし【0016】)

(f)「【0017】図5に示す第2の実施例では、内燃機関のシリンダヘッドが参照番号1で示してある。このシリンダヘッドも、図示では図面の平面に対して垂直に複数のシリンダにわたって延びている。各シリンダには、燃焼室3に通じる少なくとも二つの吸気通路2が設けられている。この場合、各吸気通路2には往復弁4が設けられている。この往復弁4,4′はカム軸の各々一つのカム5a,5a′によって操作される。この場合、各カムはロッカーレバー16,16′に作用する。このロッカーレバー自体はスイングレバー17,17′に作用する。スイングレバー17,17′内には液圧式の遊び補償要素18,18′が支承されている。この遊び補償要素には往復弁4,4′のシャフトが支持されている。ロッカーレバー16とスイングレバー17は伝達部材19または19′を形成している。この伝達部材により、カム5aまたは5a′のストロークが往復弁4または4′に伝達される。
【0018】明らかなように、伝達部材19またはロッカーレバー16は偏心体10aに支持されている。この偏心体は偏心軸19から加工されている。偏心軸10がその長手軸線10b回りに回転すると、ロッカーレバー16または伝達部材19の支持点が移動する。伝達部材19の支持点のこのような変化により、同じカムストロークで異なる弁ストロークが生じる。というのは、ロッカーレバー16の変更された支持に基づいて、カム5aの回転時にスイングレバー17に対して異なる運動軌道を進むので、スイングレバー17も異なるように移動するからである。これによって特に、最大弁ストロークのほかに、往復弁4が最小開放するほとんど零の弁ストロークを達成することができる。
【0019】ロッカーレバー16は全体を参照番号20で示したピン-長穴-ガイドによって案内される。明らかなように、ロッカーレバー16は長穴20aを備えている。ロッカーレバーはこの長穴を介してピン20bに懸吊されている。このピンはシリンダの支承個所20cに固定されている。このピン-長穴-ガイド20に基づいて、ロッカーレバー16は異なる位置を占めることができる。勿論、ピン-長穴-ガイド20は逆に形成可能である。すなわち、ピン20bをロッカーレバー15に固定し、長穴20aをシリンダヘッド支承個所20cに設けることができる。上記の調節機能を確実にするために更に、ロッカーレバーのかかと16aに戻し心棒11が作用している。この戻し心棒はロッカーレバー16を常にカム5aおよび偏心体10aに押付けている。そのために、戻し心棒11は適当な方法で圧縮ばね12aによって付勢されている。この圧縮ばねはシリンダヘッド1に組み込まれた案内要素12cに支持されている。」(段落【0017】ないし【0019】)

(g)「【0020】図6,7に示すように、内燃機関のシリンダヘッド1の各シリンダまたは燃焼室3について、2個の往復弁4,4′が設けられている。各往復弁4,4′には、固有のカム5a,5a′と固有の伝達部材19,19′が設けられている。この伝達部材は、固有のロッカーレバー16,16′および固有のスイングレバー17,17′の形をしている。その際、各ロッカーレバー16,16′は、シリンダヘッド1全体にわたって延びる偏心軸10の固有の偏心体10a,10a′に支持されている。図5に示すように、シリンダまたは燃焼室3に付設された両偏心体10a,10a′はその形状が異なっている。一つのシリンダまたは燃焼室の両偏心体10a,10a′は最小の偏心体ストロークと最大の偏心ストロークの点でのみ同じである。図示しした最小偏心体ストロークの位置では、一つのシリンダの両往復弁4,4′は、カムストロークが最大であるにもかかわらずほとんど閉じている。これに対して、図示位置から出発して、偏心軸10が180°だけ回転され、それによって偏心体10a,10a′のそのときの最大偏心体ストロークに基づいて偏心体がロッカーレバー16,16′を調節すると、最大カムストロークの際に、両往復弁4,4′が最大開放する。これに対して、偏心軸10の中間位置では、両往復弁4,4′はカムストロークが最大のときに異なる量だけ開放する。従って、この両往復弁4,4′の弁ストローク経過は、偏心軸10を調節することにより、互いに異なるように変えることができる。
【0021】伝達部材19がロッカーレバー16によっておよびスイングレバー17によって形成されることにより、きわめて信頼性のある構造となる。この構造は更に、空間を節約するという利点がある。動弁装置の摩擦損失を少なくするために、カム5aとロッカーレバー16の間の接触範囲およびロッカーレバー16とスイングレバー17の間の接触範囲に、ころがり摩擦が生じる。すなわち、ロッカーレバー16はローラ16bを支持し、スイングレバー17はローラ17bを支持している。
【0022】各ロッカーレバー16のローラ16bは、部分的に2本腕状に形成されたロッカーレバーの両腕16cの間を案内され、このロッカーレバーの腕に固定された詳しく図示していないローラ軸に支承されている。特に図8から判るロッカーレバー16の部分が2本腕状に形成されていることに基づいて、特に重量軽減のため、このロッカーレバー16に付設された偏心体10aは二つの部分によって形成されている。すなわち、ロッカーレバーの各々の腕16cのために、固有の偏心ディスクが設けられている。この場合、ローラ16bの幅だけ互いに離して並べて設けられた両偏心ディスクは勿論、同じ形状である。
【0023】スイングレバー17はそれ自体公知のように、スイングレバー軸受17aを備えている。このスイングレバー軸受から出発してスイングレバーアーム17cが収容部17dまで延びている。この収容部は往復弁4に作用する液圧式遊び補償要素18を支持している。スイングレバーアーム17cの側方にはローラ17bが設けられている。特に図9から判るようにこの非対称の形成により、きわめて省スペース的な構造となる。その際、ローラ17bは同様に軸に支承されている。この軸は一方ではスイングレバーアーム17cに、他方では他の隣接アーム17eに固定されている。この隣接アーム17eは同様に、スイングレバー軸受17aから収容部17dまで延びている。
【0024】伝達部材がロッカーレバー16とスイングレバー17によって形成されることにより生じる、信頼性があって簡単で省スペース的な構造に関する同じ利点は、カム5aと伝達部材19の間でおよび伝達部材内の接触面がローラ16b,17bによって形成されるときではなく、この接触面が中高状または真っ直ぐな滑り面として形成されるときにも、勿論生じる。その際、上記の両装置は構造が簡単であるだけでなく、最高の信頼性があるという利点がある。勿論、特許請求の範囲の内容を逸脱することなく、特に図示した実施例の構造の多数の他の変形が可能である。」(段落【0020】ないし【0024】)

(h)「【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による動弁装置を備えた内燃機関シリンダヘッドの半分の断面図である。この場合、最大のカムストロークが最大の弁ストロークに変換されている。
【図2】図1と同じ構造を示す図である。この場合、最大のカムストロークが最小の弁ストロークを生じる。
【図3】図1のX方向の矢視図である。
【図4】複数の弁往復過程を示すグラフである。
【図5】本発明による他の動弁装置を備えた内燃機関シリンダヘッドの半分の断面図である。
【図6】一つのシリンダのための図5の動弁装置の斜視図である。
【図7】図6の動弁装置の他の方向から見た斜視図である。
【図8】この他の動弁装置の特に伝達部材を示す斜視図である。
【図9】図8の伝達部材の構成部品であるスイングレバーを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 シリンダヘッド
4,4′ 往復弁
5a,5a′ カム
6 ローラ
6a,6b,6c 転動段
7 タペット
8 ゲート要素
8a ゲート軌道
9,9′,19,19′ 伝達部材
10 偏心軸
10a,10a′ 偏心体
11 戻しレバー
14a,14b シリンダ
16 ロッカーレバー
16b ローラ
16c ロッカーレバーアーム
17,17′ スイングレバー
17a スンイングレバー軸受
17c スイングレバーアーム
17d 収容部
18 遊び補償要素
20 ピン-長穴-ガイド
20a 長穴 」(【図面の簡単な説明】及び【符号の説明】)

(2)上記(1)(a)ないし(h)及び図面の記載から分かること

(ア)上記(1)(a)ないし(h)及び図面の記載から、引用文献には、シリンダ14a,14b毎に少なくとも2個の往復弁4,4’を備え、この往復弁4,4’がそれぞれカム5a,5a’と伝達部材9,9’,19,19’によって操作され、往復弁4,4’の往復過程が互いに異なるように調節可能である内燃機関の動弁装置が記載されていることが分かる。

(イ)上記(1)(e)の記載から、各シリンダ14a,14bにおいて平行に作用する二つの往復弁4,4’の異なる弁往復過程は、ガス交換ダイナミクスと燃焼室3内に入れられた給気の渦流化(すなわち、スワール)を改善するという課題を解決していることが分かる。

(ウ)上記(1)(a)ないし(h)及び図面の記載から、引用文献に記載された動弁装置において、偏心軸10及び偏心体10a,10a’と、偏心軸を回転させる装置は、ロッカーレバー16,16aの変位量を内燃機関の運転状態に応じて変更する可変装置を構成していることが分かる。

(エ)上記(1)(a)ないし(h)及び図面の記載から、引用文献に記載された動弁装置において、偏心体10a,10a’は、その形状が異なっており、互いに異なるリフトカーブのカム面を有していることが分かる。

(オ)上記(1)(a)ないし(h)及び図面の記載から、引用文献に記載された動弁装置は、2個の往復弁4,4’を別々に開閉する2つのスイングレバー17,17’と、1本のカム軸5上に設けられたカム5aと、カム軸5とは異なる軸線の回りで揺動してカム5aの動力をスイングレバー17,17’に別々に伝える二つのロッカーレバー16,16aと、カム5a一回転当たりのロッカーレバー16,16aの変位量を内燃機関の運転状態に応じて変更する可変装置を備え、可変装置が一本の偏心軸10と、偏心軸10を回転させる手段と、偏心軸10に連動して二つのロッカーレバー16,16aの変位量を相違させるカム手段とを含み、カム手段が二つのロッカーレバー16,16aを別々に駆動する二つの偏心体10a,10a’を偏心軸上に備え、二つの偏心体10a,10a’にそれぞれ異なるリフトカーブのカム面を設けた動弁装置であることが分かる。

(カ)上記(1)(g)及び図面の記載から、引用文献に記載された動弁装置において、両偏心体10a,10a′はその形状が異なっており、一つのシリンダまたは燃焼室の両偏心体10a,10a′は最小の偏心体ストロークと最大の偏心ストロークの点でのみ同じであり、偏心軸10の中間位置では、両往復弁4,4′は異なる量だけ開放し、この両往復弁4,4′の弁ストロークは、偏心軸10を調節することにより、互いに異なるように変えることができることが分かる。
また、偏心軸の同じ回動区間(図5の位置)では、二つの偏心体10a,10a’のカム面は最小の偏心体ストロークの位置であって、最大カムストロークにおいても一つのシリンダの両往復弁4,4′はほとんど閉じており、図5の位置から偏心軸が180°回転した位置では、偏心体10a,10a’のカム面は最大偏心体ストロークの位置であって、最大カムストロークの際に両往復弁4,4′は最大開放し、偏心軸の中間位置では、両往復弁4,4′は最大カムストロークの際に異なる量だけ開放することが分かる。

(3)引用発明
上記(1)及び(2)並びに図面の記載から、引用文献には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。

「2個の往復弁4,4’を別々に開閉する2つのスイングレバー17,17’と、1本のカム軸5上に設けられたカム5aと、カム軸5とは異なる軸線の回りで揺動してカム5aの動力をスイングレバー17,17’に別々に伝える二つのロッカーレバー16,16aと、カム5a一回転当たりのロッカーレバー16,16aの変位量を内燃機関の運転状態に応じて変更する可変装置を備え、
可変装置が一本の偏心軸10と、偏心軸10を回転させる手段と、偏心軸10に連動して二つのロッカーレバー16,16aの変位量を相違させるカム手段とを含み、
カム手段が二つのロッカーレバー16,16aを別々に駆動する二つの偏心体10a,10a’を偏心軸上に備え、二つの偏心体10a,10a’にそれぞれ異なるリフトカーブのカム面を設け、
偏心軸の図5の位置で、二つの偏心体10a,10a’のカム面は両往復弁4,4′が最大開放となる最大偏心体ストロークの位置を有し、
偏心軸の中間位置で、二つの偏心体10a,10a’のカム面は両往復弁4,4′が異なる量だけ開放する位置を有する、動弁装置。」

2-2 本願補正発明と引用発明との対比
本願補正発明と引用発明とを対比するに、引用発明における「(2個の)往復弁4,4’」は、その形状・構造又は技術的意義からみて、本願補正発明における「(二本の)バルブ(12A,12B)」に相当し、以下同様に、「(2つの)スイングレバー17,17’」は「二つの動弁部材(6,6)」に、「カム軸5」は「カムシャフト(4)」に、「カム5a」は「駆動カム(13)」に、「スイングレバー17,17’」は「動弁部材(6,6)」に、「ロッカーレバー16,16」は「揺動アーム(66,66)」に、「偏心軸10」は「コントロールシャフト(7)」に、「二つの偏心体10a,10a’」は「二つの可変カム(74,75)」に、「リフトカーブ」は「プロフィール」に、それぞれ相当する。
また、引用発明における「図5の位置」は、技術的意義からみて、本願補正発明における「同じ第1回動区間(S3)」に相当するから、引用発明における「偏心軸の図5の位置で、二つの偏心体10a,10a’のカム面は両往復弁4,4′が最大開放となる最大偏心体ストロークの位置を有し」は、本願補正発明における「コントロールシャフト(7)の同じ第1回動区間(S3)で、二つの可変カム(74,75)のカム面(740,750)は各々のバルブ(12A,12B)が最大リフト量となる最大リフト部(743,753)を有し」に相当する。
また、引用発明における「中間位置」は、技術的意義からみて、本願補正発明における「第2回動区間(S4)」ないし「第4回動区間(S6)」に相当するから、引用発明における「偏心軸の中間位置で、二つの偏心体10a,10a’のカム面は両往復弁4,4′が異なる量だけ開放する位置を有する」は、「コントロールシャフトの第1回動区間に続く同じ第2ないし第4回動区間で、一方の可変カムのカム面は他方の可変カムのカム面と異なるカム面を有する」限りにおいて、本願補正発明における「コントロールシャフト(7)の第1回動区間(S3)に続く同じ第2回動区間(S4)で、一方の可変カム(75)のカム面(750)はバルブ(12B)の最大リフト量を保持する最大リフト部(753)を連続して有し、他方の可変カム(74)のカム面(740)はバルブ(12A)のリフト量が連続的に減少する漸減リフト部(744)を有し、コントロールシャフト(7)の第2回動区間(S4)に続く同じ第3回動区間(S5)で、一方の可変カム(75)のカム面(750)は最大リフト量を保持する最大リフト部(753)を連続して有し、他方の可変カム(74)のカム面(740)はバルブ(12A)が停止する最小リフト部(741)を有し、コントロールシャフト(7)の第3回動区間(S5)に続く同じ第4回動区間(S6)で、一方の可変カム(75)のカム面(750)はバルブ(12B)のリフト量が連続的に減少する漸減リフト部(754)を有し、他方の可変カム(74)のカム面(740)はバルブ(12A)が停止する最小リフト部(741)を連続して有する」に相当する。
してみると、本願補正発明と引用発明は、
「二本のバルブを別々に開閉する二つの動弁部材と、一本のカムシャフト上に設けられた駆動カムと、カムシャフトとは異なる軸線の回りで揺動して駆動カムの動力を動弁部材に別々に伝える二つの揺動アームと、駆動カム一回転あたりの揺動アームの変位量を内燃機関の運転状態に応じて変更する可変装置とを備え、
可変装置が一本のコントロールシャフトと、コントロールシャフトを駆動するアクチュエータと、コントロールシャフトに連動して二つの揺動アームの変位量を相違させるカム手段とを含み、
カム手段が二つの揺動アームを別々に駆動する二つの可変カムをコントロールシャフト上に備え、二つの可変カムにそれぞれ異なるプロフィールのカム面を設け、
コントロールシャフトの同じ第1回動区間で、二つの可変カムのカム面は各々のバルブが最大リフト量となる最大リフト部を有し、
コントロールシャフトの第1回動区間に続く同じ第2ないし第4回動区間で、一方の可変カムのカム面は他方の可変カムのカム面と異なるカム面を有する、可変動弁機構。」
である点で一致し、次の(a)及び(b)の点で相違又は一応相違する。

<相違点>
(a)本願補正発明においては、「コントロールシャフト(7)を駆動するアクチュエータ」が明記されているのに対し、引用発明においては「偏心軸10を回転させる手段」がアクチュエータかどうか明らかではない点(以下、「相違点1」という。)。

(b)「コントロールシャフトの第1回動区間に続く同じ第2ないし第4回動区間で、一方の可変カムのカム面は他方の可変カムのカム面と異なるカム面を有する」点について、本願補正発明においては、「コントロールシャフト(7)の第1回動区間(S3)に続く同じ第2回動区間(S4)で、一方の可変カム(75)のカム面(750)はバルブ(12B)の最大リフト量を保持する最大リフト部(753)を連続して有し、他方の可変カム(74)のカム面(740)はバルブ(12A)のリフト量が連続的に減少する漸減リフト部(744)を有し、コントロールシャフト(7)の第2回動区間(S4)に続く同じ第3回動区間(S5)で、一方の可変カム(75)のカム面(750)は最大リフト量を保持する最大リフト部(753)を連続して有し、他方の可変カム(74)のカム面(740)はバルブ(12A)が停止する最小リフト部(741)を有し、コントロールシャフト(7)の第3回動区間(S5)に続く同じ第4回動区間(S6)で、一方の可変カム(75)のカム面(750)はバルブ(12B)のリフト量が連続的に減少する漸減リフト部(754)を有し、他方の可変カム(74)のカム面(740)はバルブ(12A)が停止する最小リフト部(741)を連続して有する」のに対し、
引用発明においては、本願補正発明における「コントロールシャフトの第1回動区間に続く同じ第2ないし第4回動区間」に相当する「偏心軸の中間位置」で、「二つの偏心体10a,10a’のカム面は両往復弁4,4′が異なる量だけ開放する位置を有する」ものの、本願補正発明における「第2回動区間(S4)」ないし「第4回動区間(S6)」のようなカム面を備えているかどうか明らかでない点(以下、「相違点2」という。)。

2-3 相違点についての検討
(a)相違点1について
可変動弁機構において、引用発明における偏心軸10(本願補正発明における「コントロールシャフト」)を回転させる手段として、アクチュエータを用いることは周知技術(以下、「周知技術1」という。例えば、本願明細書の段落【0003】及び【0004】において「特許文献2」として記載されている特許第3485434号公報の【特許請求の範囲】の【請求項1】、段落【0009】及び【0029】等の記載を参照。)であり、引用発明においても偏心軸10がアクチュエータにより駆動されていることは自明である。
したがって、相違点1は実質的な相違点ではない。

(b)相違点2について
本願補正発明において、「第2回動区間(S4)」ないし「第4回動区間(S6)」のようなカム面を備えているのは、本願明細書の記載によれば、「コントロールシャフト7上の二つの可変カム74,75に異なるプロフィールのカム面740,750を設けたので、スワールを発生させるための機構を簡単に構成することができる。(中略)可変カム54,55のプロフィールを多様に変化させて組み合わせることにより、図15にハッチングで例示するように、スワールをコントロールシャフト7の比較的広い回動区間に最適なタイミングで発生させることができ、更なる燃費向上を達成できる。」(段落【0047】を参照。)という効果を得るためである。
一方、引用発明においても、二つの偏心体10a,10a’にそれぞれ異なるリフトカーブのカム面を設けたことにより、「燃焼室3内に入れられた給気の渦流化(すなわち、スワール)を改善する」という課題を解決しているのであるから、両者は、”二つの可変カムに異なるプロフィールのカム面を設ける”という共通の構成を有することにより、”最適なスワールを発生させる”という共通の課題を解決しようとするものである。
また、一気筒あたり二本の吸気バルブを備えたエンジン(本願明細書の段落【0016】を参照。)において、二本の吸気バルブのリフト量を相違させることにより、燃焼室にスワールを発生させるようにした技術は周知技術(以下、「周知技術2」という。例えば、特開平10-77870号公報の特許請求の範囲の請求項4、段落【0012】、【0040】及び図面、特開平2003-83098号公報の特許請求の範囲の請求項2、段落【0009】ないし【0012】及び図面、特開昭62-121811号公報の第5ページ右上欄第12行ないし左下欄第4行、特開平3-3909号公報の第1ページ右下欄第8行ないし第14行等の記載を参照。)でもある。
そして、具体的なカムプロフィールをどのようにするかということは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎない。

してみると、引用発明のカム面のプロフィールの異なる二つの可変カムについて、相違点2に係る本願補正発明の発明特定事項のようにカム面を形成することは、当業者が容易に想到できたことである。

また、本願補正発明を全体としてみても、引用発明並びに周知技術1及び2から想定される以上の格別の作用効果を奏するものとは認められない。

以上のように、本願補正発明は、引用発明並びに周知技術1及び2に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

なお、請求人は、平成22年12月27日付け回答書において、
「請求項1に係る本願発明の次の事項(事項A?C)については、審判請求書でも述べた通り、引用文献1(当審注;引用文献)には記載も示唆もされていません。
[事項A]:「第2回動区間(S4)で、一方の可変カム(75)のカム面(750)は・・最大リフト部(753)を連続して有し、他方の可変カム(74)のカム面(740)は・・漸減リフト部(744)を有」するという事項。
[事項B]:「第3回動区間(S5)で、一方の可変カム(75)のカム面(750)は・・最大リフト部(753)を連続して有し、他方の可変カム(74)のカム面(740)は・・最小リフト部(741)を有」するという事項。
[事項C]:「第4回動区間(S6)で、一方の可変カム(75)のカム面(750)は・・漸減リフト部(754)を有し、他方の可変カム(74)のカム面(740)は・・最小リフト部(741)を連続して有する」という事項。」
と主張している。
しかしながら、引用文献の図5に示される位置から偏心軸が180°回転した最大偏心ストロークの位置を少し越えた位置は、上記事項Aに非常に近いものであるし、引用文献の図5に示される最小偏心体ストロークの位置の少し手前の位置は、上記事項Cに非常に近いものである。また、上記周知技術2を考慮すれば、上記事項Bのように、ある回動区間において一方の可変カムを最大リフト量に対応するカム面とし、他方の可変カムを最小リフト量に対応するカム面とすることは、当業者が容易に想到しうることである。
したがって、引用発明において、上記事項Aないし事項Cを設けることは、当業者が容易に想到し得たことといわざるを得ない。

したがって、請求人の上記主張は採用できない。

2-4 むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。


第3 本願発明について
1 本願発明
平成22年3月18日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本件出願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、上記第2の[理由]1 (1)(a)の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。

2 引用文献
原査定の拒絶理由に引用された引用文献(特開平7-63023号公報)の記載事項及び引用発明は、前記第2の[理由]2 2-1 (1)ないし(3)に記載したとおりである。

3 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]1 (1)及び(2)で検討したように、実質的に、本願補正発明における発明特定事項の一部の特定事項を省いたものに相当する。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含む本願補正発明が、前記第2の[理由]2 2-1ないし2-4に記載したとおり、引用発明並びに周知技術1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明並びに周知技術1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4 むすび
以上のとおり、本願発明は、その優先日前に日本国内において頒布された引用発明並びに周知技術1及び2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-06-07 
結審通知日 2011-06-14 
審決日 2011-06-27 
出願番号 特願2006-36554(P2006-36554)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (F01L)
P 1 8・ 121- Z (F01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 佐々木 訓角田 貴章  
特許庁審判長 中村 達之
特許庁審判官 金澤 俊郎
柳田 利夫
発明の名称 可変動弁機構  
代理人 松原 等  

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