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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H01L |
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管理番号 | 1242946 |
審判番号 | 不服2009-3412 |
総通号数 | 142 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-10-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-02-16 |
確定日 | 2011-09-07 |
事件の表示 | 特願2001-512067「膜プローブシステム」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 2月 1日国際公開、WO01/07207、平成15年 2月12日国内公表、特表2003-505871〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、1999年 7月21日を国際出願日とする出願であって、平成20年11月13日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成21年 2月16日付けで拒絶査定の不服審判の請求がなされ、平成21年 3月17日付けで手続補正がなされ、平成22年11月16日付けで当審によって拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の通知がなされ、平成23年 2月24日付けで、意見書が提出されるとともに、特許請求の範囲について手続補正がなされた。 2.本願発明 本願の請求項1?105に係る発明は、平成23年 2月24日付けの手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1?105に記載された事項により特定されるとおりのものであり、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)、及び、同請求項30に係る発明(以下、「本願発明2」という。)は、以下のとおりのものと認める。 (本願発明1) 「【請求項1】(a) 基板を用意するステップと; (b) 前記基板内に第1の窪みを作製するステップと; (c) 前記第1の窪み内に導電材料を配置するステップと; (d) 前記導電材料に導線を接続するステップと; (e) 前記導電材料を前記導線と共に前記導線上から支持する膜を付加して、前記導電材料が、前記膜と前記基板との間に位置するようにするステップと; (f) 前記導電材料から前記基板を除去するステップと を具えていることを特徴とする膜プローブの構成方法。」 (本願発明2) 「【請求項30】電気的デバイスをプローブ検査するプローブアセンブリにおいて、 (a) 膜と; (b) 該膜によって支持される複数の伸長した導体と; (c) 前記膜によって前記導体と共に支持される複数の伸長した接触子とを具え、該接触子の各々が、少なくともそれぞれの前記導体に電気的に接続され、前記接触子の各々が、前記電気的デバイスとの加圧接触に応答して傾斜し、前記接触子の各々が、前記膜に対して傾斜して前記膜に対して鋭角を規定する平らな表面を少なくとも1つ有することを特徴とするプローブアセンブリ。」 3.当審の拒絶理由 当審において平成22年11月16日付けで通知した拒絶の理由の概要は、本願発明は、本願の国際出願日前に頒布された特開平11-23615号公報(以下、「引用例1」という。)に記載された発明、又は、本願の国際出願日前に頒布された国際公開第98/07040号(以下、「引用例2」という。)に記載された発明であって、本願発明は、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができない、というものである。 4.引用例 (1)引用例1:特開平11-23615号公報 引用例1には、「接続装置および検査システム」(発明の名称)が記載され、図面とともに以下の記載がある。 (引1ア)「【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、対接する電極に接触した接触端子を通して電極に電気信号を伝送して半導体素子等の被検査対象物の良否判定を実施する接続装置および検査システムに関し、特に、半導体素子等の被検査対象物の狭ピッチ多ピンの電極に対して、半導体素子等の被検査対象物の損傷を防止した接続装置および検査システムに関するものである。」 (引1イ)「【0007】本発明の目的は、上記課題を解決すべく、半導体素子等の被検査対象物の高密度化に対応可能な狭ピッチ多ピンへのプロービングを、被検査対象物を損傷させることなく、低荷重で安定して実現し、しかも高速電気信号、即ち高周波電気信号の伝送を可能にした接続装置および検査システムを提供することにある。また本発明の他の目的は、尖った先端を有する接触端子を被検査対象物上の電極に、低荷重で、単に押しつけることによって、電極材料等のクズを発生させることなく、低抵抗で安定した接続を実現した接続装置および検査システムを提供することにある。また本発明の他の目的は、尖った先端を有する接触端子と、引き出し用配線とを別々に形成して、両者を接続して接触端子付きの引き出し用配線を形成することにより、製造時の歩留りを向上し、製造期間を短縮した安価な接続装置および検査システムを提供することにある。」 (引1ウ)「【0017】本発明に係る接続装置(プロービング装置)は、ウエハの状態において、多数並設された半導体素子(チップ)の内、1個または多数個の半導体素子について同時に、小さな接触圧(1ピン当たり3?50mN程度)で表面に酸化物が形成されたAlまたははんだ等の電極3と0.05Ω?0.1Ω程度の安定した低抵抗値で確実に接続させて、テスタにより各半導体素子について動作試験を行うものである。」 (引1エ)「【0019】配線基板50は、例えば、ポリイミド樹脂、ガラスエポキシ樹脂等の樹脂材からなり、内部配線50bおよび接続端子50cを有している。前記電極50aは、例えば、内部配線50bの一部に接続されるビア50dで構成される。配線基板50と多層フィルム44とは、例えば、多層フィルム44を、多層フィルム押さえ部材53と配線基板50に挟み込んでねじ54等を用いて固定される。多層フィルム44は、可撓性があり、好ましくは、耐熱性がある樹脂を主体に形成する。本実施例では、ポリイミド樹脂が用いられる。緩衝層46としては、エラストマ(ゴム状弾性を有する高分子材料)等の弾性を有する物質で構成される。具体的には、シリコンゴム等が用いられる。また緩衝層46としては、押さえ部材43を枠45に対して移動可能にシールしてこのシールされた空間に気体を供給するように構成しても良い。」 (引1オ)「【0037】次に、本発明に係る接続装置の第1の実施の形態における接触端子部分の構造およびその製造方法について説明する。図13に示す接触端子部分は、多層フィルム44として下層にポリイミド膜71を有し、かつ、突起を構成するためのバンプ72と、その先端部に被着されためっき膜73とで構成される。また、ポリイミド膜71の一方の面(基板対向面)に、引き出し用配線48、ポリイミド膜74、グランド層49およびポリイミド保護膜75を構成する。引き出し用配線48が、その一端を前記バンプ72に接触させて設けられている。接触端子47は、例えば、先端が角錐形状に尖ったバンプ72と該パンプ72の先端の表面に形成されためっき膜73とによって形成される。バンプ72は、硬度が高く、且つめっきをしやすいニッケル等で形成される。めっき膜73は、ニッケル膜より更に硬く、ロジウムで構成される。めっき膜73として、ロジウムを用いる理由は、ロジウム膜の硬度がニッケル膜より大きいことによる。 ・・・(略)・・・ 【0040】一方、本発明に係る先端が尖った接触端子47を用いた場合には、1ピン当たり3?50mN程度以上の接触圧があれば、電極3に擦り突けることなく、単に押圧するだけで、0.5Ω以下の安定した接触抵抗で、通電を行うことができる。その結果、低針圧で電極に接触すればよいため、電極、または、その直下にある素子に損傷を与えることが防止できる。また、全接触端子にピン圧をかけるために必要な力を小さくすることができる。その結果、この接続装置を用いる試験装置におけるプローバ駆動装置の耐荷重を軽減し、製造コストを低減することができる。なお、もし1ピン当たり100mN以上の荷重をかけることができる場合には、例えば、底面の一辺が40μm程度の四角錐台の突起であって、先端部の一辺を30μmより小さくするならば、点のように尖っていなくともよい。ただし、上述した理由から、可能な限り先端部の面積を5μm以下と小さくして尖らせることが必要となる。また、先端を尖らせた接触端子47を用いることによって、電極3に擦り突けることなく、低い押圧力(1ピン当たり3?50mN)で接触すれば良いため、電極材料のくずが発生することを防止することができる。この結果、プロービング後に、電極材料のくずを取り除くための洗浄工程が不要となり、製造コストを低減することができる。 【0041】次に、図2、図5、図6および図8に示す接続装置(プロービング装置)を形成するための製造プロセスについて、図14および図15を参照して説明する。図14および図15は、図2に示す接続装置を形成するための製造プロセスのうち、特に、型材であるシリコンウエハ80に異方性エッチングで形成した四角錐の穴を用いて、四角錐の接触端子先端部を形成した薄膜の押圧状態を、センターピボット31を介して、緩衝層36とスプリングプローブ32により自在に調整可能な接続装置を組み上げるための製造プロセスを工程順に示したものである。 【0042】まず図14(a)に示す工程が実行される。この工程は、厚さ0.2?0.6mmのシリコンウエハ80の(100)面の両面に熱酸化により二酸化シリコン膜81を0.5μm程度形成し、次にホトレジストマスクにより二酸化シリコン膜81をエッチングし、次に該二酸化シリコン膜81をマスクとして、シリコンウエハ80を異方性エッチングして、(111)面に囲まれた四角錐のエッチング穴80aを形成するものである。即ち、二酸化シリコン膜81をマスクとして、異方性エッチングにより(111)面に囲まれた四角錐のエッチング穴80aが形成されることになる。 【0043】次に、図14(b)に示す工程が実行される。この工程は、異方性エッチングしたシリコンウエハ80の(111)面を、ウェット酸素中での熱酸化により、二酸化シリコン膜82を、0.5μm程度形成し、次にその表面に導電性被覆83を形成し、次に上記導電性被覆83の表面に、多層フィルムとなるポリイミド膜84(71)を膜状に形成し、ついで、接触端子47を形成すべき位置にあるポリイミド膜84(71)を、上記導電性被覆83の表面に至るまで除去した後、該ポリイミド膜84の開口部に露出した導電性被覆83に、該導電性被覆83を電極として、ニッケルのような硬度の高い材料を主成分として電気めっきして、接触端子とするバンプ85(72)を形成するものである。電気めっきして接触端子47とするバンプ85(72)を形成できる材料としては、ニッケル以外にCuがあるが、硬度がやわらかく単独では使用不可能である。次に、図14(c)に示す工程が実行される。この工程は、上記ポリイミド膜84およびバンプ85(72)の表面に、銅を、スパッタリング法あるいは蒸着法により成膜することにより、厚さ1μm程度の導電膜を形成して、その表面に配線形成用のホトレジストマスクにより、引き出し用配線48を形成し、次に上記ポリイミド膜84の表面に、更に中間ポリイミド膜86(74)を形成し、次にその表面にグランド層49を形成し、更にその表面に保護用のポリイミド膜87(75)を形成するものである。 【0044】次に、図14(d)に示す工程が実行される。この工程は、上記保護用のポリイミド膜87(75)の表面に、枠45を位置合わせして接着固定し、次にシリコーン系のコーティング材を緩衝層46として枠45の中に供給するものである。本実施例では、例えば、厚さが0.5?3mmで、硬さ(JISA)が15?70程度のシリコンコーティング材をエラストマとして用いている。しかし、エラストマは、これに限定されない。また、エラストマは、シ-ト状のエラストマを使用してもよいし、エラストマ自体を使用しなくてもよい。緩衝層46の役目としては、多数の接触端子47の先端が半導体ウエハ1に配列された電極3に接触する際の全体としての衝撃を緩和すると共に、個々の接触端子47の先端の高さの±2μm程度以下のバラツキを局部的な変形によって吸収して半導体ウエハ1上に配列された各被接触材(電極)3の高さの±0.5μm程度のバラツキに倣って均一な食い込みによる接触を行わせるためである。特に本発明に係る実施の形態では、1ピン当たり低荷重であるため、全体としての衝撃の緩和の役目は小さい。従って、接触端子47の先端の高さのバラツキが±0.5μm程度以下に形成できれば、緩衝層46は必ずしも必要としない。接触端子47の先端の高さのバラツキを±0.5μm程度以下にする方法としては、例えば、平坦度が確保された例えばシリコン基板に多層フィルム44に形成された接触端子の群を一括して均一に押しつけることによって得ることができる。 【0045】次に、図14(e)に示す工程が実行される。この工程は、上記枠45に押さえ部材43をねじ56によりねじ止めするものである。次に、図15(a)に示す工程が実行される。この工程は、型材であるシリコンウエハ80をエッチングするためのステンレス製の固定治具88に、前記押さえ部材43を枠45にねじ止めした多層フィルム44を形成したシリコンウエハ80を、Oリング89を介してステンレス製のふた90との間に装着するものである。次に、図15(b)に示す工程が実行される。この工程は、シリコンウエハ80および導電性被覆83をエッチング除去するものである。 【0046】次に、図15(c)に示す工程が実行される。この工程は、上記ふた90、Oリング89および固定治具88から、押さえ部材43を枠45にねじ止めした多層フィルムを取り外し、次にロジウムめっき91(73)を施し、多層フィルムの保護用のポリイミド膜87(75)の周辺に多層フィルム押さえ部材53を位置合わせして接着するものである。接触端子47を構成するニッケル等で形成されたバンプ85(72)の表面にロジウムめっき91(73)を施す理由は、電極3の材料であるはんだやAl等が付きにくく、バンプ85(72)の材料(ニッケル)より硬度が高く、酸化されにくく接触抵抗が安定で、めっきがしやすいためである。次に、図15(d)に示す工程が実行される。この工程は、多層フィルムを設計外形に切り取り、次に枠45と押さえ部材(押さえ板)43との間隔をねじ57により調整し、ねじ56によるねじ締めによりねじ57の先端が枠45の上面に当接するように押さえ部材43を枠45に対して進めて緩衝層46を介して多層フィルム44における接触端子47を並設した領域部44aを押さえ部材43で押すことにより、多層フィルムを適度に張って多層フィルム自身の弛みをなくして多数の接触端子に亘る該接触端子の先端の平坦度を±2μm程度以下の高精度を確保するものである。」 すなわち、引用例1には、「ニッケル等で形成されたバンプ85(72)とめっき膜73からなる先端が尖った接触端子47と、接触端子47と接続された引き出し用配線48、ポリイミド膜84(71)、中間ポリイミド膜86(74)、グランド層49、及び、ポリイミド膜87(75)を有する多層フィルム44とを備え、ウエハに並設された半導体素子に、低荷重で、単に押し付けることによって低抵抗で安定した接続を実現する接続装置(プロービング装置)が記載され、 該接続装置を製造するプロセスは、 シリコンウエハ80に四角錐のエッチング穴80aを形成するステップと、 該シリコンウエハ80に二酸化シリコン膜82を形成するステップと、 該二酸化シリコン膜82の表面に導電性被覆83を形成するステップと、 該導電性被覆83の表面に、多層フィルムとなるポリイミド膜84(71)を膜状に形成するステップと、 接触端子47を形成すべき位置にあるポリイミド膜84(71)を、上記導電性被覆83の表面に至るまで除去するステップと、 該ポリイミド膜84の開口部に露出した導電性被覆83に、該導電性被覆83を電極として、ニッケルのような硬度の高い材料を主成分として電気めっきして、接触端子とするバンプ85(72)を形成するステップと、 該ポリイミド膜84及び該バンプ85(72)の表面に、銅を、スパッタリング法あるいは蒸着法により成膜することにより、厚さ1μm程度の導電膜を形成し、該導電膜の表面に配線形成用のホトレジストマスクにより、引き出し用配線48を形成するステップと、 該ポリイミド膜84の表面に、更に中間ポリイミド膜86(74)を形成するステップと、 次に該ポリイミド膜84の表面にグランド層49を形成し、更に該グランド層49の表面に保護用のポリイミド膜87(75)を形成するステップと、 シリコンウエハ80及び導電性被膜83をエッチング除去するステップ、とを備えた接続装置(プロービング装置)を製造する方法」(以下、「引用発明1」という。)が記載されている。 (2)引用例2:国際公開第98/07040号 引用例2には、「MEMBRANE PROBING SYSTEM WITH LOCAL CONTACT SCRUB(接点を局限擦過させる膜プローブシステム)」(発明の名称)(英文の後の括弧内の日本語は、パテントファミリーである特表2001-525118号公報に基づく、当審による訳。以下、同じ。)が記載され、図面とともに以下の記載がある。 (引2ア)「TECHNICAL FIELD The present invention relates to probe assemblies of the type commonly used for testing the individual devices that comprise an integrated circuit (IC) and, in particular, the present invention relates to a membrane probing assembly having contacts which scrub, in a locally controlled manner, across the respective input/output conductors of each device so as to reliably wipe clear the surface oxides that are normally found on those conductors thereby ensuring good electrical connection between the probing assembly and each device.(技術分野 本発明は集積回路(IC)を有する個々のデバイスをテストするため、通常使用される形式のプローブアセンブリに関し、また特に、本発明は各デバイスのそれぞれの入力・出力導体を横切って、部分的に制御された方法で、プローブアセンブリの接点を擦過させ、通常、これ等の導線に見られる表面酸化物を確実に清掃除去し、プローブアセンブリと、各デバイスとの間の良好な電気的接続を確実なものにする膜プローブアセンブリに関するものである。)」(明細書1頁4?14行) (引2イ)「A probing assembly system for probing an electrical device in accordance with the present invention provides a forward support of incompressible material, a flexible membrane assembly mounted with its central region overlying the support, a plurality of rigid contacts disposed on the membrane assembly within the central region each including a beam and a contacting portion, each contacting portion being arranged in suitable position for pressing engagement with a corresponding pad on the device, each beam being electrically connected to a corresponding flexible conductor that extends into the central region. In accordance with the present invention, the probing assembly further provides a pressure control mechanism including an elastomeric member interposed between each contact and the support and a motion control mechanism locally operating in respect to each contact to urge each beam, when the corresponding contacting portion is placed into pressing engagement with the respective pad, into tilting motion so that different portions of each beam move different distances relative to the forward support and so that each contact is driven, in accordance with this tilting motion, into a lateral scrubbing movement across the corresponding pad. The elastomeric member is positioned so as to resiliently oppose the tilting motion and so as to enable each contact to recover from this tilting motion in a manner avoiding mechanical straining of each beam.(電気デバイスを検査する本発明によるプローブアセンブリシステムは、非圧縮性材料から成る前方支持体と、この支持体の上にある中心区域を取り付けた可撓性膜組立体と、この膜組立体の中心区域内に配置された複数個の剛強接点とを具え、各剛強接点はビームと接触部とを有し、各接触部はデバイスの対応するパッドに押圧掛合するのに適する位置に配置され、各ビームは中心区域内に延びる対応する可撓性導電体に電気的に接続されている。更に、本発明によれば、このプローブアセンブリは、各接点と支持体との間に介挿された弾性部材を有する圧力制御機構と、対応する接触部がそれぞれのパッドに押圧掛合するように置かれた時、各接点に関して、各ビームを傾動させるように押圧し、各ビームの異なる部分が前方支持体に対して異なる距離だけ動き、各接点がその傾動に応じて、対応するパッドを横切って横方向擦過運動を行うよう各接点を駆動する運動制御機構とを具える。傾動に弾性的に対向するよう弾性部材を位置させ、この弾性部材により、各ビームが機械的歪みを受けることなく、各接点がこの傾動から復帰し得るようにする。)」(明細書8頁2?29行) (引2ウ)「FIG. 6 shows an enlarged view of the central region 80a of the preferred membrane assembly 72a. In this embodiment, the contacts 88 are arranged in a square-like pattern suitable for engagement with a square-like arrangement of pads. Referring also to FIG. 7a, which represents a sectional view taken along lines 7a-7a in FIG. 6, each contact comprises a relatively thick rigid beam 90, preferably 150 to 250 microns long, at one end of which is formed a rigid contact bump 92. The contact bump includes thereon a contacting portion 93, which, in the embodiment illustrated, comprises a nub of rhodium nickel alloy fused to the contact bump, although the contacting portion may, alternatively, comprise the rounded sides of the contact bump itself. Using a conventional process, such as electroplating, each beam is preferably formed in an overlapping connection with the end of a flexible conductive trace 76a to form a large surface joint therewith. This conductive trace in conjunction with a backplane conductive layer 94 effectively provides a controlled impedance data/signal line to the contact and hence its dimensions are preferably established precisely using a photolithographic process. The backplane layer preferably includes openings therein to assist, for example, with gas venting during fabrication. For ease of illustration, the flexible membrane assembly 72a is shown as having only a single dielectric ply 96, preferably polyimide; however, multiple dielectric plies and conductive layers will normally be used in accordance with conventional layering techniques. The membrane assembly is interconnected to the flat support surface 70 by an interposed elastomeric layer 98, which layer is coextensive with the support surface and can be formed by a silicon rubber compound such as ELMER'S STICK-ALL^(TM) made by the Borden Company or Sylgard 182 by Dow Corning Corporation. This compound can be conveniently applied in a paste-like phase which hardens as it sets. The flat support surface, as previously mentioned, is made of incompressible material and is preferably a hard dielectric such as polysulfone or glass. In accordance with the above-described construction, when one of the contacts 88 is brought into pressing, engagement with a respective pad 100, as indicated in FIG. 7b, the resulting off-center force on the rigid beam 90 and bump 92 structure causes the beam to pivot or tilt against the elastic recovery force provided by the elastomeric pad 98. This tilting motion is localized in the sense that a forward portion 102 of the beam moves a greater distance toward the flat support surface 70 than a rearward portion 104 of the same beam. The effect is such as to drive the contact into lateral scrubbing movement across the pad as is indicated in FIG. 7b with a dashed-line and solid-line representation showing the beginning and ending positions, respectively, of the contact on the pad. In this fashion, the insulative oxide buildup on each pad is removed so as to ensure reliable contact-to-pad electrical connections. FIG. 8 shows, in dashed line view, the relative positions of the contact 88 and pad 100 at the moment of initial engagement or touchdown and, in solid-line view, these same elements after "overtravel" of the pad by a distance 106 in a vertical direction directly toward the flat support surface 70. As indicated, the distance 106 of lateral scrubbing movement is directly dependent on the vertical deflection of the contact 88 or, equivalently, on the overtravel distance 108 moved by the pad 100. Hence, since the overtravel distance for each contact on the central region 80a will be substantially the same (with differences only arising from minor variations in contact height), the distance of lateral scrubbing movement by each contact on the central region will be substantially uniform and will not, in particular, be affected by the relative position of each contact on the central region. Because the elastomeric layer 98 is backed by the incompressible support surface 70, the elastomeric layer exerts a sufficient recovery force on each tilting beam 90 and thus each contact 88 to maintain an adequate level of contact-to-pad pressure during scrubbing. At the same time, the elastomeric layer accommodates minor height variations between the respective contacts. Thus, referring to FIG 9a, when a relatively shorter contact 88a is situated between an immediately adjacent pair of relatively taller contacts 88b and these taller contacts are brought into engagement with their respective pads, then, as indicated in FIG. 9b, deformation by the elastomeric layer allows the smaller contact to be brought into engagement with its pad after only a small amount of further overtravel by the pads. It will be noted, in this example, that the tilting action of each contact is locally controlled, and the larger contacts are able, in particular, to tilt independently of the smaller contact so that the smaller contact is not urged into lateral movement until it has actually touched down on its pad. In respect to the preferred membrane assembly 72a, not only is the distance and pressure of the scrub action of each contact 88 well regulated, but so also is the scrub direction. In FIG. 6 the respective scrub directions of contacts 88c-f are indicated by means of directional arrows 112c-f. As shown, each contact scrubs forwardly in the direction of the longitudinal axis of its beam 90. Preferably, as further shown, the contacts are arranged in pairs (88c, 88d or 88e, 88f) in which the respective contacts of each pair scrub in opposite directions. Accordingly, in relation to the wafer or device on which the pads are formed, the scrubbing force exerted on the device by the first contact of each pair is cancelled out by the scrubbing force exerted by the second contact of each pair. Hence, the device is not dragged frictionally along by these scrubbing forces in a manner that can reduce or even prevent desirable scrubbing action between the contacts and pads. In addition to providing reliable electrical connection with the device under test, the preferred membrane assembly 72a is able to provide such connection over a large number of contact or touchdown cycles. The elastomeric layer 98, in particular, serves as a reliable mechanism for enabling each beam 90 to recover from each touchdown operation, thereby avoiding the need to rely on a failure prone recovery mechanism such as bending and mechanical straining of any portion of the stiff contacts themselves. To prevent excessive wearing of the contacts 88, as mentioned above, each contact includes a contacting portion or nub 93 of rhodium nickel alloy, and the beam 90 and contact bump 92 are also formed of nickel alloy. The flexible traces 76a are preferably of highly conductive metal, such as gold, for good connection with the contacts.(図6は好適な膜組立体72aの中心区域80aの拡大図を示す。この実施例では、方形に配置されたパッドに掛合するのに適する方形パターンに接点88を配置する。図6の7a-7a線に沿う断面を示す図7aにおいて、各接点は相対的に厚く、長さが150?250ミクロンであるのが好適な剛強ビーム90を具え、その一端に剛強接触突起92を形成する。この接触突起92には接触部93を設ける。図示の実施例では、この接触部93はこの接触部に融着させたロジウム・ニッケル合金の小隆起を有するが、代案として、この接触部が接触突起自身の丸い側部を具えていてもよい。電気めっきのような通常の方法を使用して、可撓性の導電トレース76aの端部と共に大きな表面のジョイントを形成するよう、導電トレースの端部に重複して接続して、各ビームを形成するのが好適である。背面導電層94に組み合わせるこの導電トレースは制御されたインピーダンスデータ・信号ラインを有効に接点に提供する。従って、好適なことには、その寸法はフォトリソグラフ法を使用して正確に制定される。背面層94は製造中、例えば、ガス抜きを助けるため、開口を有するのが好適である。 図示を容易にするため、ポリイミドが好適な単一の誘電プライ96のみを有するように可撓性膜組立体72aを示したが、通常の層形成技術で、多数の誘電プライと導電層とを通常のように使用することができる。介挿弾性層98によって、膜組立体を平坦支持面70に相互に接続する。この介挿弾性層98は支持表面と同一の広がりにあり、Borden Companyによって製造されるELMER'S STICK-ALL(商標名)、又はDow Corning Corporationによって製造されるSylgard 182のようなシリコンゴム化合物によって形成することができる。この化合物はペースト状の相で有利に加えることができ、固化すると硬化する。上述の平坦支持面は非圧縮性材料で造られ、ポリスルホン、又はガラスのような硬質誘電体であるのが好適である。 上述の構造によれば、図7bに示すように、接点88の1個をそれぞれのパット100に押圧掛合させた時、剛強ビーム90と、突起92との構造に加わる中心を外れた力は、弾性パッド98によって生ずる弾性復帰力に抗して、剛強ビーム90を回動させ、即ち傾動させる。剛強ビームの後部104が移動する距離よりも、剛強ビームの前部102が平坦支持面70に向け移動する距離が大きくなるように、この傾動を局限する。この効果により、図7bに示すように、パッドを横切って、接点が横方向に擦過運動を行うよう、接点を駆動する。図7bでは、それぞれ点線、及び実線で、パッド上の接点の最初の位置と、終わりの位置とを示す。このようにして、各パッド上の絶縁酸化物の堆積を除去し、接点と、パッドとの信頼性ある電気的接続を確実にする。 図8は、最初の掛合、即ち接触した瞬間の接点88と、パッド100との相対位置を点線で示し、平坦支持面70に直接向け、垂直な方向に、距離106だけ、パッドが「超過移動」した後の、接点88と、パッド100とを実線で示す。図面に示すように、横方向擦過運動の距離106は、接点88の垂直な偏向に直接関係し、又はパッド100によって接点が動かされた超過移動距離108に相当する。従って、中心区域80aの各接点の超過移動距離は、ほぼ同一であるから(例え、差があったにしても、接点の高さの微小な変化に起因するものに過ぎない)、中心区域の各接点による横方向擦過運動の距離は実質的に均一であり、特に、中心区域の各接点の相対位置に影響を受けない。 弾性層98が非圧縮支持面70によって裏当てされているから、傾動する各剛強ビーム90に、即ち各接点88に弾性層は十分な復帰力を作用させ、擦過中、接点とパッドとの間の圧力を十分なレベルに維持する。同時に、弾性層はそれぞれの接点と接点との間の微小な高さの変化、即ち差を受け入れることができる。従って、図9aにおいて、比較的短い接点88aが密接する比較的背が高い対をなす接点88bの間に位置し、図9aに示すように、これ等背が高い接点がそれぞれのパッドに掛合した時、弾性層が変形して、パッドが僅かな距離を超過移動した後、小さい接点をそのパッドに掛合させることができる。この例において、各接点の傾動作用は局限するように制御され、特に、大きな接点は小さな接点から独立して傾動することができ、小さな接点がそのパッドに実際に接触するまで、小さな接点は横方向に運動するよう押圧されない。 この好適な膜組立体72aに関しては、各接点88の擦過作用の距離と、圧力とが良く規制されると共に、擦過方向も良く規制される。図6においては、接点88c?88fのそれぞれの擦過方向を方向矢印112c?112fによって示す。ここに示すように、各接点はそのビーム90の縦軸線の方向に前方に擦過する。更に、示すように、接点は対をなして配置され(88c、88d、又は88e、88f)、各対のそれぞれの接点は反対方向に擦過するのが好適である。従って、パッドを形成しているウエハ、又はデバイスに関し、各対の第1接点によってデバイスに作用する擦過力は、各対の第2接点によってデバイスに作用する擦過力によって打ち消される。従って、接点とパッドとの間の希望する擦過作用を減少させ、妨害さえするような、これ等の擦過力によるデバイスの摩擦による引きずりはない。 テストを受けるデバイスとの信頼性ある電気的接続が得られることの他に、この好適な膜組立体72aは非常に多くの接触サイクルにわたり、そのような信頼性ある接続を行うことができる。特に、弾性層98は各ビーム90を各接触動作から復帰させることができる信頼性ある機構として役立ち、これにより、剛強接点自身のいずれかの部分の曲がり、及び機械的変形のような故障し易い復帰機構に依存する必要がない。上述したように、接点88の過剰な摩耗を防止するため、各接点にはロジウム・ニッケル合金の接触部、即ち接触突起92を設け、ビーム90、及び接触突起92もニッケル合金で形成する。可撓性トレース76aは接点との良好な接続のため、金のような高い導電性の金属で造るのが好適である。)」(明細書13頁21行?16頁末行) (引2エ)「BRIEF DESCRIPTION OF THE DRAWINGS ・・・(略)・・・ FIG. 6 is an enlarged top elevational view of the central region of an exemplary construction of the membrane assembly of FIG. 2. FIGS. 7a-7b are sectional views taken along lines 7a-7a in FIG. 6 first showing an exemplary contact before touchdown and then showing the same contact after touchdown and scrub movement across its respective pad. FIG. 8 is a schematic side view showing, in dashed-line representation, the exemplary contact of FIGS. 7a-7b at the moment of initial touchdown and, in solid-line representation, the same contact after further vertical overtravel by the pad. FIGS. 9a-9b are schematic side views showing three of the exemplary contacts of FIG. 6 and how such contacts engage their respective pads despite minor height variations between the contacts.(図面の簡単な説明 ・・・(略)・・・ 図6は図2の膜組立体の例示の構造の中心区域の拡大平面図である。 図7a、及び図7bはまだパッドに接触する前の例示の接点と、接触した後、パッドを横切って擦過運動を行っているその接点とをそれぞれ示す図6の7a-7a線に沿う断面図である。 図8は図7a、及び図7bの例示の接点がパッドに最初に接触した瞬間を点線で示し、パッドによって垂直に超過移動した後のこの接点を実線で示した線図的側面図である。 図9a、及び図9bは微小な高さの差がある図6の3個の例示の接点がどのようにして、それぞれのパッドに掛合するかを示す線図的側面図である。)」(明細書9頁下から8行?10頁29行) (引2オ)「bump (接触突起)92」の「contacting portion (接触部)93」に関して、平面図である図6、断面図である図7a、7b、及び、側面図である図8からみて、「bump (接触突起)92」の「contacting portion (接触部)93」は、平面部を有していることが看取される。 すなわち、引用例2には、「『弾性層98』と、『背面層94』と『誘電プライ96』と、『可撓性の導電トレース76a』を備え、さらに、『接点88』と、『接触突起92』と、平面部を有する『接触部93』とを備えた複数の『ビーム90』とを備えた、集積回路のパッド100に押圧掛合させたときに、『ビーム90』が傾動するようになっている集積回路のデバイスをテストする『膜プローブアセンブリ42』」(以下、「引用発明2」という。)が記載されている。 5.対比・判断 (1)本願発明1について 引用発明1において、「シリコンウエハ80」に「エッチング穴80a」を形成していることから、「シリコンウエハ80」を用意するステップを備えていることは明らかである。 また、引用発明1の「エッチング穴80a」は、四角錐であって、「窪み」であることは明らかである。 また、引用発明1では、「エッチング穴80a」に「導電性被覆83」が形成され、該導電性被覆83を電極として、ニッケルのような硬度の高い材料を主成分として電気めっきして、電気的接続を行う接触端子を形成していることから、該「ニッケル」は導電材料であって、「エッチング穴80a」に、導電材料であるニッケルを配置して、接触端子を形成していることは明らかである。 また、引用発明1では、「接触端子とするバンプ85(72)」の表面に「引き出し用配線48」が形成されていることから、「接触端子」には、導線である「引き出し用配線48」が接続されていることは明らかである。 また、引用発明1の「中間ポリイミド膜86(74)」は、図14に示されるように、「引き出し用配線48」の表面に形成されていることは明らかである。 そして、引用発明1の「接続装置(プロービング装置)」は、「ポリイミド膜84(71)」、「中間ポリイミド膜86(74)」、「ポリイミド膜87(75)」を有する「多層フィルム44」を用いたプローブであるから、「膜プローブ」であることは明らかである。 そこで、本願発明1と引用発明1とを比較すると、引用発明1の「シリコンウエハ80」、「エッチング穴80a」、「エッチング穴80a」に電気メッキされた「ニッケル」、「引き出し用配線48」、「中間ポリイミド膜86(74)」、及び、「接続装置(プロービング装置)」は、本願発明1の「基板」、「第1の窪み」、「導電材料」、「導線」、「膜」、及び、「膜プローブ」にそれぞれ相当する。 したがって、本願発明1と引用発明1とは、 「(a) 基板を用意するステップと; (b) 前記基板内に第1の窪みを作製するステップと; (c) 前記第1の窪み内に導電材料を配置するステップと; (d) 前記導電材料に導線を接続するステップと; (e) 前記導電材料を前記導線と共に前記導線上から支持する膜を付加して、前記導電材料 が、前記膜と前記基板との間に位置するようにするステップと; (f) 前記導電材料から前記基板を除去するステップと を具えていることを特徴とする膜プローブの構成方法。」 で一致し、両者に実質的な相違はない。 なお、審判請求人は、当審拒絶理由に対する平成23年 2月24日付けの意見書において、「文献1に記載の接続装置、シリコンウエハ(80)、エッチング穴(80a)、バンプ(85)、引き出し用配線(48)、中間ポリイミド膜(86)(及び保護用ポリイミド膜(87))がそれぞれ、上記本願発明における膜プローブ、基板(200)、窪み(216)、導電材料(250)、導線(252)、膜(254)に相当するものとすれば、文献1に記載の従来技術は、次の点で本願発明とは異なる: (イ) 本願発明では窪み(216)内に直接、導電材料(250)を配置するのに対し、文献1の従来技術では、エッチング穴(80a)内に二酸化シリコン膜(82)、導電性被膜(83)、ポリイミド膜(84)を重ねて形成した上で、バンプ(85)を形成する。 (ロ) 本願発明では、最後に基板(200)のみを除去するのに対し、文献1の従来技術では、シリコンウエハ(80)に加えて導電性被膜(83)を除去している。 以上より、本願の請求項1に係る発明は、文献1に記載された発明ではない。」と主張している。 しかしながら、当審拒絶理由を通知することによって、請求項を補正する機会を与えたのにもかかわらず、「窪み(216)内に直接、導電材料(250)を配置する」こと、及び、「最後に基板(200)のみを除去する」ことは、請求項1に記載されていない。 そして、本願発明1は、「膜プローブの構成方法」において、「第1の窪み内に導電材料を配置するステップ」を備えているといっても、必ずしも、「窪み(216)内に直接、導電材料(250)を配置する」ものではないことはもちろんのこと、「導電材料」がどのような形状であるとか、単一の材料からなるか、複数の材料からなるか、といった、導電材料について、特段の限定はされておらず、当該ステップは、単に、「第1の窪み内に導電材料を配置するステップ」であれば、どのようなステップでも良いと、解さざるを得ない。 また、本願の請求項16には、「【請求項16】前記基板上に絶縁層をパターン化するステップをさらに具えていることを特徴とする請求項1に記載の方法。」と記載され、本願の請求項17には、「【請求項17】前記第1の窪みを作製するよりも先に、前記基板上に前記絶縁層をパターン化することを特徴とする請求項16に記載の方法。」と記載されているように、本願発明1は、「膜プローブの構成方法」において、少なくとも、本願の請求項1に記載されたステップを含む、という発明であって、他の別のステップが本願発明1に含まれることを排除するものではない。 すなわち、本願発明1において、「前記第1の窪み内に導電材料を配置するステップ」が「窪み(216)内に直接、導電材料(250)を配置する」ものであると限定的に解釈する根拠はなく、また、本願発明1において、「前記導電材料から前記基板を除去するステップが「最後に基板(200)のみを除去する」ものであると限定的に解釈する根拠もない。 してみると、本願発明1は、引用例1に記載された発明である、と言わざるを得ない。 (2)本願発明2について 本願発明2と引用発明2とを比較する。 引用発明2において、「膜プローブアセンブリ42」は、「接点88」と、「接触突起92」と、平面部を有する「接触部93」とを備えた「ビーム90」を、集積回路を有するデバイスのパッドに接触させてテストを行っており、図6及び7a等から明らかなように、「ビーム90」は、伸長した形状であることは明らかであり、該「ビーム90」は、「伸長した形状の可撓性の導電トレース76a」を介して「誘電プライ96」に支持されていることは明らかである。 したがって、引用発明2の「膜プローブアセンブリ42」は、本願発明2の「電気的デバイスをプローブ検査するプローブアセンブリ」に相当し、引用発明2の「誘電プライ96」、「可撓性の導電トレース76a」、及び、「ビーム90」は、本願発明2の「膜」、「該膜によって支持される複数の伸長した導体」、及び、「前記膜によって前記導体と共に支持される複数の伸長した接触子」にそれぞれ相当する。 そして、引用例2の図7bから明らかなように、複数の「ビーム90」は、デバイスに押圧させたとき傾斜するものであって、「接触部93」の表面は、「誘電プライ96」に対して鋭角を規定していることから、引用発明2の「接触部93」の表面は、本願発明2の「前記接触子の各々が、前記膜に対して傾斜して前記膜に対して鋭角を規定する平らな表面」に相当する。 したがって、本願発明2と引用発明2とは、 「電気的デバイスをプローブ検査するプローブアセンブリにおいて、 (a) 膜と; (b) 該膜によって支持される複数の伸長した導体と; (c) 前記膜によって前記導体と共に支持される複数の伸長した接触子とを具え、該接触子の各々が、少なくともそれぞれの前記導体に電気的に接続され、前記接触子の各々が、前記電気的デバイスとの加圧接触に応答して傾斜し、前記接触子の各々が、前記膜に対して傾斜して前記膜に対して鋭角を規定する平らな表面を少なくとも1つ有するプローブアセンブリ。」 である点で一致し、実質的な差異は見出せない。 6.むすび 以上のとおり、本願発明1は、引用例1に記載された発明であり、本願発明2は、引用例2に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 したがって、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2011-03-23 |
結審通知日 | 2011-03-29 |
審決日 | 2011-04-21 |
出願番号 | 特願2001-512067(P2001-512067) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(H01L)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 今井 拓也、田代 吉成 |
特許庁審判長 |
藤原 敬士 |
特許庁審判官 |
川端 修 田村 耕作 |
発明の名称 | 膜プローブシステム |
代理人 | 高梨 玲子 |
代理人 | 杉村 憲司 |
代理人 | 英 貢 |