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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04N 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 H04N |
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管理番号 | 1244486 |
審判番号 | 不服2009-7786 |
総通号数 | 143 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-11-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2009-04-09 |
確定日 | 2011-10-06 |
事件の表示 | 特願2003-354741「再生装置、再生方法、再生プログラムおよび記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 5月12日出願公開、特開2005-123775〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
【第1】経緯 [1]手続 本願は、平成15年10月15日の出願であって、手続の概要は以下のとおりである。 拒絶理由通知 :平成17年12月22日(起案日) 意見書 :平成18年 2月27日 手続補正 :平成18年 2月27日 最後の拒絶理由通知 :平成19年 4月16日(起案日) 意見書 :平成19年 6月25日 手続補正 :平成19年 6月25日 拒絶理由通知 :平成20年 5月30日(起案日) 意見書 :平成20年 8月 1日 手続補正 :平成20年 8月 1日 最後の拒絶理由通知 :平成20年 9月17日(起案日) 意見書 :平成20年11月21日 手続補正 :平成20年11月21日 補正却下 :平成21年 3月 2日(起案日) 拒絶査定 :平成21年 3月 2日(起案日) 拒絶査定不服審判請求 :平成21年 4月 9日 手続補正 :平成21年 5月11日 前置審査報告 :平成21年 6月 3日(起案日) 審尋 :平成22年10月14日(起案日) 回答書 :平成22年12月16日 平成20年11月21日付け手続補正は、平成21年3月2日に却下されている。 [2]査定 原審での査定の理由は、概略、以下のとおりである。 本願の各請求項に係る発明は、下記刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 記 刊行物1:特開2003-101957号公報 刊行物2:特開平03-251893号公報 刊行物3:特開2003-234974号公報 刊行物4:特開2001-238094号公報 刊行物5:特開2001-189703号公報 刊行物6:特開2003-289505号公報 【第2】補正の却下の決定 平成21年5月11日付けの補正(以下「本件補正」という。)について次のとおり決定する。 《結論》 平成21年5月11日付けの補正を却下する。 《理由》 [1]特許請求の範囲の記載(補正前と補正後) 本件補正は特許請求の範囲についてする補正を含むところ、本件補正前および本件補正後の特許請求の範囲は、下記のとおりである。(補正部分をアンダーラインで示す。) 本件補正前の特許請求の範囲は、平成20年8月1日付け手続補正によるものである{平成20年11月21日付け手続補正は、平成21年3月2日に却下されている。}。 記(補正前) 【請求項1】 円盤状記録媒体から、符号化された第1の動画データと第2の動画データとを含むコンテンツデータを再生する再生装置において、 上記符号化された第1の動画データを復号する第1の復号手段と、 上記符号化された第2の動画データを復号する第2の復号手段と、 上記第1の復号手段で復号された第1の動画データを格納する第1のプレーンメモリと、 上記第2の復号手段で復号された第2の動画データを格納する第2のプレーンメモリと、 上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し、画素単位での選択を行う選択手段と、 上記第1又は第2の動画データのサイズを縮小するダウンコンバータと を有し、 上記第1のプレーンメモリに格納される上記第1の動画データおよび上記第2のプレーンメモリに格納される上記第2の動画データのうち一方は、上記ダウンコンバータにより縮小され、 上記選択手段は、該縮小して表示される動画データの表示位置に応じて上記選択を行い、 上記選択手段の出力に基づき表示信号を生成するようにした ことを特徴とする再生装置。 【請求項2】 請求項1に記載の再生装置において、 上記ダウンコンバータは、上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの後段に配置される ことを特徴とする再生装置。 【請求項3】 請求項2に記載の再生装置において、 上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリのうち他方は、上記第1の動画データまたは上記第2の動画データの代わりに静止画像データが格納されるようにした ことを特徴とする再生装置。 【請求項4】 請求項2に記載の再生装置において、 上記コンテンツデータは、さらに符号化されたプレゼンテーショングラフィクスデータとインタラクティブグラフィクスデータとを含み、 上記符号化されたプレゼンテーショングラフィクスデータを復号する第3の復号手段と、 上記符号化されたインタラクティブグラフィクスデータを復号する第4の復号手段と、 上記第3の復号手段で復号されたプレゼンテーショングラフィクスデータを格納する第 3のプレーンメモリと、 上記第4の復号手段で復号されたインタラクティブグラフィクスデータを格納する第4のプレーンメモリと、 上記選択手段の出力と上記第3のプレーンメモリに格納された上記プレゼンテーショングラフィクスデータとを合成する第1の合成手段と、 上記第1の合成手段の出力と上記第4のプレーンメモリに格納された上記インタラクティブグラフィクスデータとを合成する第2の合成手段と をさらに有する ことを特徴とする再生装置。 【請求項5】 請求項4に記載の再生装置において、 上記第1の合成手段による上記合成の度合いは、上記プレゼンテーショングラフィクスデータに応じて制御される ことを特徴とする再生装置。 【請求項6】 請求項4に記載の再生装置において、 上記第2の合成手段による上記合成の度合いは、上記インタラクティブグラフィクスデータに応じて制御される ことを特徴とする再生装置。 【請求項7】 請求項4に記載の再生装置において、 上記第2の合成手段で上記第1の合成手段の出力が合成される上記インタラクティブグラフィクスデータに対して、上記第1の合成手段の出力を透過表示させる透明領域を上記縮小して表示される動画データの上記表示位置に対応して設けるようにした ことを特徴とする再生装置。 【請求項8】 請求項7に記載の再生装置において、 上記インタラクティブグラフィクスデータの上記透明領域以外の領域に壁紙画像を表示するようにした ことを特徴とする再生装置。 【請求項9】 請求項8に記載の再生装置において、 上記第2の合成手段の出力に対して、さらに部品画像が表示され、上記壁紙画像は、上記透明領域および上記部品画像の表示領域以外の領域に表示されるようにした ことを特徴とする再生装置。 【請求項10】 円盤状記録媒体から、符号化された第1の動画データと第2の動画データとを含むコンテンツデータを再生する再生方法において、 上記符号化された第1の動画データを復号する第1の復号のステップと、 上記符号化された第2の動画データを復号する第2の復号のステップと、 上記第1の復号のステップで復号された第1の動画データを第1のプレーンメモリに格納するステップと、 上記第2の復号のステップで復号された第2の動画データを第2のプレーンメモリに格納するステップと、 上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し、画素単位での選択を行う選択のステップと 上記第1又は第2の動画データのサイズをダウンコンバータにより縮小するステップとを有し、 上記第1のプレーンメモリに格納される上記第1の動画データおよび上記第2のプレーンメモリに格納される上記第2の動画データのうち一方は、上記ダウンコンバータにより縮小され、 上記選択のステップは、該縮小して表示される動画データの表示位置に応じて上記選択を行い、 上記選択のステップの出力に基づき表示信号を生成するようにした ことを特徴とする再生方法。 【請求項11】 円盤状記録媒体から、符号化された第1の動画データと第2の動画データとを含むコンテンツデータを再生する再生方法をコンピュータ装置に実行させる再生プログラムにおいて、 上記再生方法は、 上記符号化された第1の動画データを復号する第1の復号のステップと、 上記符号化された第2の動画データを復号する第2の復号のステップと、 上記第1の復号のステップで復号された第1の動画データを第1のプレーンメモリに格納するステップと、 上記第2の復号のステップで復号された第2の動画データを第2のプレーンメモリに格納するステップと、 上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し、画素単位での選択を行う選択のステップと 上記第1又は第2の動画データのサイズをダウンコンバータにより縮小するステップとを有し、 上記第1のプレーンメモリに格納される上記第1の動画データおよび上記第2のプレーンメモリに格納される上記第2の動画データのうち一方は、上記ダウンコンバータにより縮小され、 上記選択のステップは、該縮小して表示される動画データの表示位置に応じて上記選択を行い、 上記選択のステップの出力に基づき表示信号を生成するようにした ことを特徴とする再生プログラム。 【請求項12】 円盤状記録媒体から、符号化された第1の動画データと第2の動画データとを含むコンテンツデータを再生する再生方法をコンピュータ装置に実行させる再生プログラムが記録されたコンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体において、 上記再生方法は、 上記符号化された第1の動画データを復号する第1の復号のステップと、 上記符号化された第2の動画データを復号する第2の復号のステップと、 上記第1の復号のステップで復号された第1の動画データを第1のプレーンメモリに格納するステップと、 上記第2の復号のステップで復号された第2の動画データを第2のプレーンメモリに格納するステップと、 上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し、画素単位での選択を行う選択のステップと、 上記第1又は第2の動画データのサイズをダウンコンバータにより縮小するステップと を有し、 上記第1のプレーンメモリに格納される上記第1の動画データおよび上記第2のプレーンメモリに格納される上記第2の動画データのうち一方は、上記ダウンコンバータにより縮小され、 上記選択のステップは、該縮小して表示される動画データの表示位置に応じて上記選択 を行い、 上記選択のステップの出力に基づき表示信号を生成するようにした ことを特徴とする記録媒体。 記(補正後) 【請求項1】 円盤状記録媒体から、符号化された第1の動画データと第2の動画データとを含むコンテンツデータを再生する再生装置において、 上記符号化された第1の動画データを復号する第1の復号手段と、 上記符号化された第2の動画データを復号する第2の復号手段と、 上記第1の復号手段で復号された第1の動画データを格納する第1のプレーンメモリと、 上記第2の復号手段で復号された第2の動画データを格納する第2のプレーンメモリと、 上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し、画素単位での選択を行う選択手段と、 上記第1又は第2の動画データのサイズを縮小するダウンコンバータと を有し、 上記コンテンツデータは、さらに符号化されたプレゼンテーショングラフィクスデータとインタラクティブグラフィクスデータとを含み、 上記符号化されたプレゼンテーショングラフィクスデータを復号する第3の復号手段と、 上記符号化されたインタラクティブグラフィクスデータを復号する第4の復号手段と、 上記第3の復号手段で復号されたプレゼンテーショングラフィクスデータを格納する第3のプレーンメモリと、 上記第4の復号手段で復号されたインタラクティブグラフィクスデータを格納する第4のプレーンメモリと、 上記選択手段の出力と上記第3のプレーンメモリに格納された上記プレゼンテーショングラフィクスデータとを合成する第1の合成手段と、 上記第1の合成手段の出力と上記第4のプレーンメモリに格納された上記インタラクティブグラフィクスデータとを合成する第2の合成手段と をさらに有し、 上記第1のプレーンメモリに格納される上記第1の動画データおよび上記第2のプレーンメモリに格納される上記第2の動画データのうち一方は、上記ダウンコンバータにより縮小され、 上記選択手段は、該縮小して表示される動画データの表示位置に応じて上記選択を行い、 上記選択手段の出力に基づき表示信号を生成するようにし、 表示画面の奥から、上記第1の動画データからなる第1のビデオプレーン、上記第2の動画データからなる第2のビデオプレーン、上記プレゼンテーショングラフィクスデータからなるプレゼンテーショングラフィクスプレーン、上記インタラクティブグラフィクスデータからなるインタラクティブグラフィクスプレーンの順に配置されるようにした再生装置。 【請求項2】 請求項1に記載の再生装置において、 上記ダウンコンバータは、上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの後段に配置される再生装置。 【請求項3】 請求項2に記載の再生装置において、 上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリのうち他方は、上記第1の動画データまたは上記第2の動画データの代わりに静止画像データが格納されるようにした再生装置。 【請求項4】 請求項1に記載の再生装置において、 上記第1の合成手段による上記合成の度合いは、上記プレゼンテーショングラフィクスデータに応じて制御される再生装置。 【請求項5】 請求項1に記載の再生装置において、 上記第2の合成手段による上記合成の度合いは、上記インタラクティブグラフィクスデータに応じて制御される再生装置。 【請求項6】 請求項1に記載の再生装置において、 上記第2の合成手段で上記第1の合成手段の出力が合成される上記インタラクティブグラフィクスデータに対して、上記第1の合成手段の出力を透過表示させる透明領域を上記縮小して表示される動画データの上記表示位置に対応して設けるようにした再生装置。 【請求項7】 請求項6に記載の再生装置において、 上記インタラクティブグラフィクスデータの上記透明領域以外の領域に壁紙画像を表示するようにした再生装置。 【請求項8】 請求項7に記載の再生装置において、 上記第2の合成手段の出力に対して、さらに部品画像が表示され、上記壁紙画像は、上記透明領域および上記部品画像の表示領域以外の領域に表示されるようにした再生装置。 【請求項9】 円盤状記録媒体から、符号化された第1の動画データと第2の動画データとを含むコンテンツデータを再生する再生方法において、 上記符号化された第1の動画データを復号する第1の復号のステップと、 上記符号化された第2の動画データを復号する第2の復号のステップと、 上記第1の復号のステップで復号された第1の動画データを第1のプレーンメモリに格納するステップと、 上記第2の復号のステップで復号された第2の動画データを第2のプレーンメモリに格納するステップと、 上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し、画素単位での選択を行う選択のステップと 上記第1又は第2の動画データのサイズをダウンコンバータにより縮小するステップと を有し、 上記コンテンツデータは、さらに符号化されたプレゼンテーショングラフィクスデータとインタラクティブグラフィクスデータとを含み、 上記符号化されたプレゼンテーショングラフィクスデータを復号する第3の復号のステップと、 上記符号化されたインタラクティブグラフィクスデータを復号する第4の復号のステップと、 上記第3の復号のステップで復号されたプレゼンテーショングラフィクスデータを第3のプレーンメモリに格納するステップと、 上記第4の復号のステップで復号されたインタラクティブグラフィクスデータを第4のプレーンメモリに格納するステップと、 上記選択のステップの出力と上記第3のプレーンメモリに格納された上記プレゼンテーショングラフィクスデータとを合成する第1の合成のステップと、 上記第1の合成のステップの出力と上記第4のプレーンメモリに格納された上記インタラクティブグラフィクスデータとを合成する第2の合成のステップと をさらに有し、 上記第1のプレーンメモリに格納される上記第1の動画データおよび上記第2のプレーンメモリに格納される上記第2の動画データのうち一方は、上記ダウンコンバータにより縮小され、 上記選択のステップは、該縮小して表示される動画データの表示位置に応じて上記選択を行い、 上記選択のステップの出力に基づき表示信号を生成するようにし、 表示画面の奥から、上記第1の動画データからなる第1のビデオプレーン、上記第2の動画データからなる第2のビデオプレーン、上記プレゼンテーショングラフィクスデータからなるプレゼンテーショングラフィクスプレーン、上記インタラクティブグラフィクスデータからなるインタラクティブグラフィクスプレーンの順に配置されるようにした再生方法。 【請求項10】 円盤状記録媒体から、符号化された第1の動画データと第2の動画データとを含むコン テンツデータを再生する再生方法をコンピュータ装置に実行させる再生プログラムにおいて、 上記再生方法は、 上記符号化された第1の動画データを復号する第1の復号のステップと、 上記符号化された第2の動画データを復号する第2の復号のステップと、 上記第1の復号のステップで復号された第1の動画データを第1のプレーンメモリに格納するステップと、 上記第2の復号のステップで復号された第2の動画データを第2のプレーンメモリに格納するステップと、 上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し、画素単位での選択を行う選択のステップと 上記第1又は第2の動画データのサイズをダウンコンバータにより縮小するステップと を有し、 上記コンテンツデータは、さらに符号化されたプレゼンテーショングラフィクスデータとインタラクティブグラフィクスデータとを含み、 上記符号化されたプレゼンテーショングラフィクスデータを復号する第3の復号のステップと、 上記符号化されたインタラクティブグラフィクスデータを復号する第4の復号のステップと、 上記第3の復号のステップで復号されたプレゼンテーショングラフィクスデータを第3のプレーンメモリに格納するステップと、 上記第4の復号のステップで復号されたインタラクティブグラフィクスデータを第4のプレーンメモリに格納するステップと、 上記選択のステップの出力と上記第3のプレーンメモリに格納された上記プレゼンテーショングラフィクスデータとを合成する第1の合成のステップと、 上記第1の合成のステップの出力と上記第4のプレーンメモリに格納された上記インタラクティブグラフィクスデータとを合成する第2の合成のステップと をさらに有し、 上記第1のプレーンメモリに格納される上記第1の動画データおよび上記第2のプレーンメモリに格納される上記第2の動画データのうち一方は、上記ダウンコンバータにより縮小され、 上記選択のステップは、該縮小して表示される動画データの表示位置に応じて上記選択を行い、 上記選択のステップの出力に基づき表示信号を生成するようにし、 表示画面の奥から、上記第1の動画データからなる第1のビデオプレーン、上記第2の動画データからなる第2のビデオプレーン、上記プレゼンテーショングラフィクスデータからなるプレゼンテーショングラフィクスプレーン、上記インタラクティブグラフィクスデータからなるインタラクティブグラフィクスプレーンの順に配置されるようにした再生プログラム。 【請求項11】 円盤状記録媒体から、符号化された第1の動画データと第2の動画データとを含むコンテンツデータを再生する再生方法をコンピュータ装置に実行させる再生プログラムが記録されたコンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体において、 上記再生方法は、 上記符号化された第1の動画データを復号する第1の復号のステップと、 上記符号化された第2の動画データを復号する第2の復号のステップと、 上記第1の復号のステップで復号された第1の動画データを第1のプレーンメモリに格 納するステップと、 上記第2の復号のステップで復号された第2の動画データを第2のプレーンメモリに格納するステップと、 上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し、画素単位での選択を行う選択のステップと、 上記第1又は第2の動画データのサイズをダウンコンバータにより縮小するステップと を有し、 上記コンテンツデータは、さらに符号化されたプレゼンテーショングラフィクスデータとインタラクティブグラフィクスデータとを含み、 上記符号化されたプレゼンテーショングラフィクスデータを復号する第3の復号のステップと、 上記符号化されたインタラクティブグラフィクスデータを復号する第4の復号のステップと、 上記第3の復号のステップで復号されたプレゼンテーショングラフィクスデータを第3のプレーンメモリに格納するステップと、 上記第4の復号のステップで復号されたインタラクティブグラフィクスデータを第4のプレーンメモリに格納するステップと、 上記選択のステップの出力と上記第3のプレーンメモリに格納された上記プレゼンテーショングラフィクスデータとを合成する第1の合成のステップと、 上記第1の合成のステップの出力と上記第4のプレーンメモリに格納された上記インタラクティブグラフィクスデータとを合成する第2の合成のステップと をさらに有し、 上記第1のプレーンメモリに格納される上記第1の動画データおよび上記第2のプレーンメモリに格納される上記第2の動画データのうち一方は、上記ダウンコンバータにより縮小され、 上記選択のステップは、該縮小して表示される動画データの表示位置に応じて上記選択を行い、 上記選択のステップの出力に基づき表示信号を生成するようにし、 表示画面の奥から、上記第1の動画データからなる第1のビデオプレーン、上記第2の動画データからなる第2のビデオプレーン、上記プレゼンテーショングラフィクスデータからなるプレゼンテーショングラフィクスプレーン、上記インタラクティブグラフィクスデータからなるインタラクティブグラフィクスプレーンの順に配置されるようにした記録媒体。 [2]本件補正の適合性(第17条の2第4項第1号?第4号) (1)本件補正前後の請求項の減縮対応関係 ア 補正後請求項9,10,11とする補正 補正後の請求項9,10,11は、それぞれ、補正前請求項10,11,12に対応するものであることは明らかであり、 いずれも、補正前請求項10,11,12に、 (i)補正前請求項4で特定する「上記コンテンツデータは、さらに符号化されたプレゼンテーショングラフィクスデータとインタラクティブグラフィクスデータとを含み、 上記符号化されたプレゼンテーショングラフィクスデータを復号する第3の復号手段と、 上記符号化されたインタラクティブグラフィクスデータを復号する第4の復号手段と、 上記第3の復号手段で復号されたプレゼンテーショングラフィクスデータを格納する第3のプレーンメモリと、 上記第4の復号手段で復号されたインタラクティブグラフィクスデータを格納する第4のプレーンメモリと、 上記選択手段の出力と上記第3のプレーンメモリに格納された上記プレゼンテーショングラフィクスデータとを合成する第1の合成手段と、 上記第1の合成手段の出力と上記第4のプレーンメモリに格納された上記インタラクティブグラフィクスデータとを合成する第2の合成手段と をさらに有する」(以下、「補正前請求項4特定事項」という)と、 (ii)「表示画面の奥から、上記第1の動画データからなる第1のビデオプレーン、上記第2の動画データからなる第2のビデオプレーン、上記プレゼンテーショングラフィクスデータからなるプレゼンテーショングラフィクスプレーン、上記インタラクティブグラフィクスデータからなるインタラクティブグラフィクスプレーンの順に配置されるようにした」(以下、「特定事項Z」という。) を追加特定したものとなっているから、 補正前請求項10,11,12を減縮したものとなっている。 イ 補正後請求項1?3とする補正 補正後請求項1は、補正前請求項1に上記「補正前請求項4特定事項」と上記「特定事項Z」を追加特定したものとなっており、 補正後請求項2、3と補正前請求項2、3の記載事項は実質的に同一であって、いずれも請求項1を引用するものであるから、 補正後請求項2,3は、いずれも、補正前請求項2,3に上記「補正前請求項4特定事項」と上記「特定事項Z」を追加特定したものとなっているから、 それぞれ、補正前請求項1,2,3を減縮したものとなっている。 ウ 補正後4?8とする補正 また、補正後請求項4?8は、補正前請求項5?9における各引用請求項番号のみを 、 補正前請求項5:引用項4 → 補正後請求項4:引用項1 補正前請求項6:引用項4 → 補正後請求項5:引用項1 補正前請求項7:引用項4 → 補正後請求項6:引用項1 補正前請求項8:引用項7 → 補正後請求項7:引用項6 補正前請求項9:引用項8 → 補正後請求項8:引用項7 と補正したものとなっている。 補正前請求項5?9は、いずれも、 補正前請求項1を引用する補正前請求項2を引用する補正前請求項4を引用しているから、内容的には補正前請求項1,2,4に(項の引用でなく文言で)実際に記載された事項を含んでおり、 したがって、補正前請求項2で特定する「上記ダウンコンバータは、上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの後段に配置される」(以下「補正前請求項2特定事項」という)を含んでいるのに対して、 上記補正後請求項4?8は、いずれも、上記「補正前請求項2特定事項」を含んでいないから、補正前請求項5?9を減縮したものとなっておらず、補正前請求項5?9に対応するものとはいえない。 補正後請求項4?8は、補正前請求項で「補正前請求項2特定事項」を含んでいない補正前請求項1を、分割減縮して,補正後請求項1の他に新たな請求項(補正後請求項4?8)を追加する態様による補正である。 (2)本件補正の態様 以上によれば、本件補正は、以下の態様の補正を含む補正である。 ア 補正前請求項10,11、12についてする補正 補正前請求項10,11,12について、それぞれ、上記「補正前請求項4特定事項」と上記「特定事項Z」を追加特定して、補正後請求項9,10,11とする補正 イ 補正前請求項1,2,3についてする補正 補正前請求項1,2,3について、それぞれ、上記「補正前請求項4特定事項」と上記「特定事項Z」を追加特定して、補正後請求項1,2,3とする補正 ウ 補正前請求項1を分割減縮して,(補正後請求項1の他に)新たな請求項として補正後請求項4?8を追加する補正 (3)適合性判断 上記ウの態様の補正は、補正前の一つの請求項(補正前請求項1)に記載された発明を複数の請求項(補正後請求項1,4?8)に分割減縮して,新たな請求項(補正後請求項4?8)を追加する態様による補正であって、かつ、補正前の請求項と補正後の請求項との対応関係が明白でなく、補正前の請求項と補正後の請求項とが,一対一又はこれに準ずるような対応関係(例えば多数項引用形式で記載された補正前のn項引用形式請求項をn-1項以下の独立形式請求項に変更する補正の場合等)に立つものともいえないものであるから、特許法第17条の2第4項第2号の規定に適合するものということはできない。(参考:東京高裁平成16年4月14日判決,平成15年(行ケ)第230号、東京高裁平成17年4月25日判決,平成17年(行ケ)第10192号)。 また、上記ア、イの補正のうち上記「補正前請求項4特定事項」の追加は 特定事項の追加であるから対応する補正前各請求項1,2,3,10,11,12を減縮するものではある。 しかし、それら補正前各請求項1,2,3,10,11,12は、追加記載した上記「補正前請求項4特定事項」で特定する「第3の復号手段」「第4の復号手段」「第3のプレーンメモリ」「第4のプレーンメモリ」「第1の合成手段」「第2の合成手段」に対応する特定事項を全く記載しておらず、したがって、上記「補正前請求項4特定事項」を追加記載するこれら補正は、補正前各請求項1,2,3,10,11,12に記載した発明を特定するために必要な事項を限定したものとはいえず、新たな観点から発明を特定する事項を付加したというべきものである。 したがって、補正前請求項1,2,3,10,11、12についてする各補正は、いずれも、特許法第17条の2第4項第2号で規定する特許請求の範囲の減縮(請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであって、・・・に限る。)を目的とするものに該当しない。 そして、これらアイウの補正は、いずれも、特許法第17条の2第4項第1号,第3号,第4号でそれぞれ規定する請求項の削除、誤記の訂正、明りょうでない記載の釈明のいずれを目的とするものにも該当しない。 以上によれば、本件補正は、特許法第17条の2第4項各号に掲げる目的とするもののいずれにも該当しない。 [3]まとめ 本件補正は特許請求の範囲についてする補正を含むところ、その補正は、特許法第17条の2第4項各号に掲げる事項を目的とするもののいずれにもも該当しない。 したがって、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第4項の規定に違反しているものであるから、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 【第3】本願発明 平成21年5月11日付けの手続補正は上記のとおり却下する。 したがって、本願発明は、(平成18年2月27日付け、平成19年6月25日付け及び平成20年8月1日付けの手続補正によって補正された特許請求の範囲・明細書及び図面の記載からみて、)平成20年8月1日付けの手続補正によって補正された特許請求の範囲の請求項1から12までに記載した事項により特定されるとおりのものであるところ、そのうち、請求項1に係る発明(以下、本願発明ともいう)は、上記補正前の請求項1のとおりであり、 以下の要件A,B,C,D1,D2,E1,E2,Fに分説することができる。 記(本願発明、分説) A:円盤状記録媒体から、符号化された第1の動画データと第2の動画データとを含むコンテンツデータを再生する再生装置において、 B:上記符号化された第1の動画データを復号する第1の復号手段と、 上記符号化された第2の動画データを復号する第2の復号手段と、 C:上記第1の復号手段で復号された第1の動画データを格納する第1のプレーンメモリと、 上記第2の復号手段で復号された第2の動画データを格納する第2のプレーンメモリと、 D1:上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し、画素単位での選択を行う選択手段と、 E1:上記第1又は第2の動画データのサイズを縮小するダウンコンバータと を有し、 E2:上記第1のプレーンメモリに格納される上記第1の動画データおよび上記第2のプレーンメモリに格納される上記第2の動画データのうち一方は、上記ダウンコンバータにより縮小され、 D2:上記選択手段は、該縮小して表示される動画データの表示位置に応じて上記選択を行い、 F:上記選択手段の出力に基づき表示信号を生成するようにした A:ことを特徴とする再生装置。 【第4】当審の判断 [1]引用刊行物の記載の摘示 (1)刊行物1:特開2003-101957号公報 原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1(特開2003-101957号公報)には、以下の記載がある。 (K1)「【0001】【発明の属する技術分野】本発明は、重複した時刻情報を有する複数のビデオクリップを再生するマルチアングル再生装置に関する。」 「【0003】一方、再生専用型の光ディスクレコーダとしてDVDとよばれる映像再生装置があり、主に映画ソフトなどのパッケージ化された映像ソフトの再生がなされている。DVDでは、映像表現の多様化に応えるためにマルチシーン/マルチアングル再生機能が搭載されており、映像ソフト製作者が作成した複数種類の画像をユーザが任意に切替えて再生することが可能である。マルチシーン再生とマルチアングル再生は本質的に同種の再生方法であるので、ここでは両者を合わせてマルチアングル再生として取り扱う。」 〈発明の実施の形態〉 (K2)「【0019】(実施の形態1)本発明の第1の実施の形態は、次のような構成となっている。 【0020】図1のように、再生ドライブ1には信号が記録された媒体である光ディスク2が装着されている。光ディスク2には、ビデオクリップ3が複数記録されており、複数のビデオクリップ3にはそれぞれ時刻情報4(図示せず)が付与されている。 【0021】再生ドライブ1に搭載された光ヘッド5が光ディスク2から複数のビデオクリップ3の情報信号を読み出すが、読み出された複数のビデオクリップ3の情報信号は、半導体メモリから成るバッファメモリ6に順次かつ一時的に保存される。 【0022】再生ドライブ1から読み出されるビデオクリップ3の情報は同時には1つであるが、複数のビデオクリップ3を読み出してバッファメモリ6に格納することで、バッファメモリ6内には同時に複数のビデオクリップ3を保存するようになっている。すなわち図1のようにバッファメモリ6を複数の領域に分割し、それぞれの領域に異なる複数のビデオクリップ3を保持する。この領域の大きさは固定されたものである必要は無く、読み込む複数のビデオクリップ3の数によって動的に変化可能である。 【0023】また、映像選択手段であるセレクタ7によってバッファメモリ6に格納されたビデオクリップ3のうちの一つが選択され、映像信号が表示装置8へ出力される構成となっている。このとき、圧縮されたビデオクリップ3を復号する複数のデコーダ9が、セレクタ7とバッファメモリ6との間に複数設置されている。また、システムコントローラ10によってその全体の動作がコントロールされる。」 (K3)「【0032】このような動作を行なうと、バッファメモリ6にはビデオクリップ3aとビデオクリップ3bの2つの情報が格納されることになる。このときバッファメモリ6内にある両ビデオクリップ3a、3bは同一の時刻情報を有する。セレクタ7はユーザからの指示に基づいてビデオクリップ3aとビデオクリップ3bのいずれかを選択する。ビデオクリップ3aの映像は、デコーダ9aによって映像信号に復号され、同時にビデオクリップ3bの映像はデコーダ9bによって映像信号に復号されている。そのため実際にはセレクタ7はデコーダ9aまたは9bによって復号された映像信号を切り替える。 【0033】このようにして、ユーザはビデオクリップ3aとビデオクリップ3bのうちの任意の映像を選択することが出来る。映像選択が可能な期間は、ビデオクリップ3aとビデオクリップ3bの時刻情報が重複した重複区間であり、本例では、TS2からTE2までの区間である。時刻情報4はこれらの映像が収録された時刻を表すものであるため、ユーザからみれば同時刻に収録された画像を切り替えて楽しめることとなる。」 (K4)「【0040】上記した説明ではビデオクリップ3aとビデオクリップ3bを交互に読み出して順次バッファメモリ6に格納するといった動作を行なうが、こうした動作についてさらに詳細に説明する。まず、ビデオクリップ3は映像情報および音声情報を含んでおり、そのうち映像情報はMPEG2といわれるデジタル圧縮方式にて圧縮され、また音声信号も所定の形式で圧縮されている。両者をあわせた信号のビットレートは5Mbps?12Mbpsといったような幅を持ち、ビットレートが大きいほど高品位な映像情報を有するものである。しかし、以降の説明においてはビデオクリップ3の有するビットレートを8Mbpsに固定して論ずる。説明の煩雑さを避けるためであってこれとは異なるビットレートであっても本発明の要旨を逸脱するものではない。」 (K5)「【0081】また、上記した実施例1および実施例2においては、マルチアングル再生期間において、ユーザが1つのビデオクリップ3を選択して出力するものとしているが、これは必ずしも1つに限定しなくても良い。例えば、図5のように映像合成部15を用い、ピクチャーインピクチャーなどの手法で2つ以上の映像を出力、表示する構成としても良い。もちろん、ピクチャーインピクチャー形式だけではなく、2つ以上の映像を整列して表示するタイリング表示としてもよい。 【0082】このとき、ユーザは例えば親画面映像に表示したいビデオクリップ3を指示するといった構成が可能である。図5は実施例1に対してピクチャーインピクチャー形式をとった場合のものであるが、実施例2に対しても同様に映像合成部15を設けることで同様の動作とすることが出来る。 【0083】あるいはまた、セレクタ7によって1つのビデオクリップ3を選択するのではなく、例えば図6のような構成として、マルチアングル再生可能期間において、再生可能な映像信号を全て独立に出力する構成としても良い。図6は、実施例1の構成に対してセレクタ7を無くしたものであるが、実施例2に対しても同様にセレクタ7を無くした構成を取ることが可能である。」 (2)刊行物3:特開2003-234974号公報 同じく、原査定の拒絶の理由に引用された刊行物3(特開2003-234974号公報)には、以下の記載がある。 (L1)「【請求項1】 親画面の中に子画面を挿入表示させる表示制御装置において、 前記親画面と前記子画面のデータをそれぞれ個別の領域に格納する表示メモリと、 前記子画面を構成する前記表示メモリ内の前面画データの領域を全て透過色データにより塗りつぶす透過色データ塗りつぶし手段と、 透過色データにより塗りつぶされた前面画データの所望の位置に子画面となる挿入画データを上書きする挿入画データ上書手段と、 挿入画データが上書きされた前記前面画データを画素毎に透過色か否かを判定する第1の透過色判定手段と、 前記親画面を構成する前記表示メモリ内に格納された背面画データと前記子画面を構成する挿入画データが上書きされた前記前面画データとを画素毎に読み出し、前面画データが透過色と判定された場合は背面画データを表示し、前面画データが透過色でないと判定された場合は前面画データを表示するようにして2つの画データを重ね合わせる画データ重ね合わせ手段と、 を備えていることを特徴とする表示制御装置。」 (L2)「【請求項3】 親画面の中に子画面を挿入表示させる表示制御装置において、 前記子画面を挿入表示するか否かを表す挿入表示情報を子画面を構成する挿入画データに付加する挿入表示情報付加手段と、 前記親画面と前記子画面を構成するそれぞれのデータを個別の領域に格納する表示メモリと、 前記子画面を構成する挿入画データが書き込まれた前記表示メモリの前面画データを読み出す際に、前記挿入表示情報が含まれているか否かを判定する挿入表示情報判定手段と、 前記挿入画データに挿入表示情報が含まれていると判定した場合は、親画面である背面画データの中に子画面である挿入画データを挿入表示するように2つの画データを重ね合わせる画データ重ね合わせ手段と、 を備えていることを特徴とする表示制御装置。 【請求項4】 前記挿入表示情報付加手段は、親画面の中に子画面を挿入表示するか否かを表す挿入表示情報を前記子画面を構成する挿入画データの画素毎に付加し、 前記挿入表示情報判定手段は、前記表示メモリに格納された前面画データを読み出す際に、挿入表示情報が付加されているか否かを画素毎に判定し、 前記画データ重ね合わせ手段は、前記親画面を構成する前記表示メモリ内に格納された背面画データと前記挿入画データが書き込まれた前面画データとを画素毎に読み出し、前面画の画素データに挿入表示情報が含まれている場合は前面画データを表示し、前面画の画素データに挿入表示情報が含まれていない場合は背面画データを表示するように2つの画像を重ね合わせることを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。」 〈実施の形態1〉 (L3)「【0029】実施の形態1.図1は、この発明の実施の形態1にかかる表示制御装置の概略構成を説明するブロック図である。この表示制御装置は、表示部5の画面上に表示された親画面中の所望位置に、子画面として小さな挿入画面を表示する、いわゆる、ピクチャーインピクチャー表示(PinP表示)を行うための装置である。 【0030】図1に示す表示制御装置は、親画面を構成する背面画データが格納される背面画データ領域1bと、子画面を構成する前面画データが格納される前面画データ領域1aとが確保された表示メモリ1と、表示メモリ1に対してデータの書き込みや読み出し制御等を行うCPUやDMAなどから成る透過色データ塗りつぶし手段や挿入画データ上書手段としてのメモリ制御部2と、前面画データ領域1aから画素毎に読み出した前面画データに透過色データが含まれているか否かを判定する第1の透過色判定手段としての透過色判定部3と、表示メモリ1から読み出された背面画データと挿入画データが上書きされた前面画データとを透過色判定部3による判定結果に基づいて、前面画データが透過色と判定された場合は背面画データを表示し、前面画データが透過色でないと判定された場合は前面画データを表示するように2つの画データを重ね合わせる画データ重ね合わせ手段としての表示制御部4と、その重ね合わせた画データを表示する表示部5などにより構成されている。 【0031】略 【0032】ここでは、輝度色差ともに「0」である「真の黒」を透過色として用いたが、必ずしもこれに限定されるものではない。しかし、挿入画データが例えばCCIR601規格で作成された画データであるならば、画像データの輝度は、256階調の16?235、色差は16?240の範囲を持っているため、挿入画の画像データの中には、「真の黒」は存在しない。そのため、作成された子画面としての挿入画データと親画面としての背面画データとを重ね合わせて表示する際に、挿入画が透過して表示されることがなくなる。 【0033】図2(a)?(d)は、実施の形態1の処理動作の流れを説明する図である。図1および図2を用いて動作を説明する。まず、図2(a)に示すように、メモリ制御部2は、子画面を構成する表示メモリ1の前面画データ領域1aを透過色(ここでは、真の黒)データで塗りつぶしておく。 【0034】つぎに、図2(b)に示すように、透過色データで塗りつぶされた前面画21に対して入力される挿入画22を所望の位置に上書きする。上書きされた挿入画22内は真の黒で無くなる。 【0035】続いて、図2(c)に示すように、表示メモリ1の背面画データ領域1bに書き込まれた親画面としての背面画23と、前面画データ領域1aに書き込まれた挿入画22が上書きされた前面画21とを表示制御部4が1画素ずつ読み出して表示画面データを選択し、重ね合わせる。その際、前面画21のデータは、透過色判定部3によって透過色データが透過色であるか否かを判定し、前面画21の画素データが透過色(真の黒)であった場合には、背面画23のデータを表示するようにし、前面画21の画素データが透過色(真の黒)でない場合には、前面画21のデータを表示するように選択して、2つの画像を重ね合わせるようにする。 【0036】その結果、図2(d)に示すように、背面画23の所望位置に挿入画22が挿入されたピクチャーインピクチャー表示を行うことができる。」 〈実施の形態4〉 (L4)「【0055】実施の形態4.図6は、この発明の実施の形態4にかかる表示制御装置の概略構成を説明するブロック図である。この表示制御装置の特徴は、図1の表示制御装置に対して、表示メモリ1の前面画データ領域1aに書き込まれる前の挿入画データにピクチャーインピクチャー表示をするか否かを表す挿入表示情報としてのPinP情報を付加するPinP情報付加部41を追加し、図1の表示制御装置の透過色判定部3に代えて、上記したPinP情報の有無を判定するPinP情報判定部42を備えている点である。その他の構成部分については、同じであるので構成説明を省略する。 【0056】また、図7(a)?(d)は、実施の形態4の処理動作の流れを説明する図である。図6および図7を用いて動作を説明する。まず、図7(a)に示すように、PinP情報付加部41は、PinP情報を含んでいない挿入画223を使ってピクチャーインピクチャー表示を行いたい場合に、PinP情報を付加してPinP情報を持つ挿入画224とする。 【0057】そして、図7(b)に示すように、メモリ制御部2は、子画面を構成する表示メモリ1の前面画データ領域1aに、PinP情報を持つ挿入画224を書き込んで前面画51としておく。 【0058】つぎに、図7(c)に示すように、PinP情報を持つ挿入画224が書き込まれた前面画51に対してPinP情報を持っているか否かをPinP情報判定部42により判定し、PinP情報が含まれていると判定された場合は、親画面である背面画23の中に子画面であるPinP情報を持つ挿入画224を挿入表示するように表示制御部4によって2つの画データを重ね合わせ、表示部5に表示する。 【0059】その結果、図7(d)に示すように、背面画23の所望位置に挿入画223が挿入された適正なピクチャーインピクチャー表示を行うことができる。 【0060】略 【0061】なお、上記実施の形態4では、挿入画単位でPinP情報を持たせる場合について説明したが、挿入画を構成する各画素毎にピクチャーインピクチャー表示を行うか否かのPinP情報を持たせるようにしても良い。こうすれば、画素単位で背面画を表示するか前面画を表示するかを選択することが可能となり、所望の輪郭形状からなる挿入画を背面画の中に容易に挿入表示させることも可能となる。 [2]刊行物に記載された発明(以下「引用発明」という。) 刊行物1の前掲(K1)(段落【0001】【0003】)によれば、「光ディスクから複数のビデオクリップを再生するマルチアングル再生装置」を認めることができ、 前掲(K2)(K3)(【0019】?【0023】【0032】【0033】),図1によれば、光ディスクから複数のビデオクリップ3(3a、3b)の情報信号を読み出して、バッファメモリ6に一時的に格納し、バッファメモリ6内に格納されたビデオクリップ3a、3b映像は、それぞれ、デコーダ9a,9bによって映像信号に復号され、復号された映像信号のうちの一つがセレクタ7によって選択され、映像信号が表示装置8へ出力される構成となっている。 そして、前掲(K5)(段落【0081】?【0083】),図5によれば、マルチアングル再生期間において、上記のようにセレクタ7によってユーザが1つのビデオクリップ3(復号された映像信号)を選択して出力する構成とするのではなく、映像合成部15を用い、ユーザが親画面映像に表示したいビデオクリップ3を指示するといった方法でピクチャーインピクチャーの手法で図5のように2つ以上の映像を出力、表示する構成としてもよいとされている。 すなわち、複数のビデオクリップ3(3a、3b)の映像を、映像合成部15を用いて、その一方を親画面映像16、他方を子画面映像17としてピクチャーインピクチャーの手法で表示する構成とするものも示されている。 また、前掲(K4)(段落【0040】)によれば、ビデオクリップ3は映像情報および音声情報を含んでおり、そのうち映像情報はMPEG2といわれるデジタル圧縮方式にて圧縮され、また音声信号も所定の形式で圧縮されて光ディスク記録されているものである。 以上によれば、本願発明と対比する、刊行物1に記載された発明として下記の引用発明を認定することができる。 記(引用発明) 光ディスクから、MPEG2のデジタル圧縮方式にて圧縮された映像情報を含む複数のビデオクリップを再生するマルチアングル再生装置であって、 複数のビデオクリップ3(3a、3b)の映像情報を読み出して、バッファメモリ6に一時的に格納し、 バッファメモリ6内に格納されたビデオクリップ3a、3bの映像情報は、デコーダ9a,9bによって映像信号に復号され、 復号された2つの映像信号{復号された複数のビデオクリップ3(3a、3b)の映像情報}は、 (そのうちの一つがセレクタ7によって選択されて表示装置8に出力し表示する構成とするのに代えて、) 映像合成部15を用いて、一方を親画面映像16、他方を子画面映像17としてピクチャーインピクチャーの手法で表示装置8に出力し図5のように表示する構成とする、 再生装置。 [3]本願発明と引用発明との対比(対応関係) (1)要件Aについて (A:「円盤状記録媒体から、符号化された第1の動画データと第2の動画データとを含むコンテンツデータを再生する再生装置において、」、「ことを特徴とする再生装置。」) 引用発明の「光ディスク」は「円盤状記録媒体」といえ、 引用発明の、「複数のビデオクリップ3(3a、3b)の映像情報」は「MPEG2のデジタル圧縮方式にて圧縮された映像情報」であるから、「ビデオクリップ3aの映像情報」、「ビデオクリップ3bの映像情報」は、それぞれ、本願発明でいう「符号化された第1の動画データ」、「符号化された第2の動画データ」といえ、 引用発明の「複数のビデオクリップ3(3a、3b)」は、本願発明でいう「符号化された第1の動画データと第2の動画データとを含むコンテンツデータ」といい得るものである。 したがって、要件Aにおいて、本願発明と引用発明は相違しない。 (2)要件Bについて (B:上記符号化された第1の動画データを復号する第1の復号手段と、 上記符号化された第2の動画データを復号する第2の復号手段と、) 引用発明の「デコーダ9a,9b」は、要件Bの「上記符号化された第1の動画データを復号する第1の復号手段」、「上記符号化された第2の動画データを復号する第2の復号手段」といい得るものであるから、要件Bにおいても、本願発明と引用発明は相違しない。 (3)要件Cについて (C:上記第1の復号手段で復号された第1の動画データを格納する第1のプレーンメモリと、 上記第2の復号手段で復号された第2の動画データを格納する第2のプレーンメモリと、) 引用発明は要件Cを備えるとはしておらず、この点本願発明と相違する。 (4) 要件D1,D2,E1,E2,Fについて (D1:上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し、画素単位での選択を行う選択手段と、 E1:上記第1又は第2の動画データのサイズを縮小するダウンコンバータと を有し、 E2:上記第1のプレーンメモリに格納される上記第1の動画データおよび上記第2のプレーンメモリに格納される上記第2の動画データのうち一方は、上記ダウンコンバータにより縮小され、 D2:上記選択手段は、該縮小して表示される動画データの表示位置に応じて上記選択を行い、 F:上記選択手段の出力に基づき表示信号を生成するようにした) ア これら要件(ダウンコンバータ、選択手段)の解釈 これらD1,D2,E1,E2,Fで特定されるダウンコンバータ、選択手段は、 明細書の記載(例えば、【0013】?【0016】,【0025】,【0028】,【0068】?【0073】,【0141】?【0148】等)に照らせば、ピクチャインピクチャ機能実現のためのダウンコンバータ、選択手段を含んでいう構成であることは明らかである。 また、本願発明でいうE1「上記第1又は第2の動画データのサイズを縮小するダウンコンバータ」とは、明細書の段落【0144】,【0148】(第2の実施形態ではあるが)の下記記載に照らせば、(段落【0152】【0153】のアップ/ダウンコンバータ154,161」ではなく、)「第1の復号手段又は第2の復号手段で復号された第1の動画データ又は第2の動画データのサイズを縮小するダウンコンバータ」であることは明らかであるから、 上記要件E1は、「第1の復号手段で復号された第1の動画データ又は第2の復号手段で復号された第2の動画データのサイズを縮小するダウンコンバータとを有し」と理解され、 上記要件E2は、「上記第1のプレーンメモリに格納される上記第1の動画データおよび上記第2のプレーンメモリに格納される上記第2の動画データのうち一方は、上記ダウンコンバータにより縮小されて格納され、」と理解される。 したがって、要件D1の「上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力」である第1及び第2の動画データのうち一方は縮小された動画データである、と理解される。 イ 引用発明との対比 引用発明は、「復号された2つの映像信号{復号された複数のビデオクリップ3(3a、3b)の映像情報}は、映像合成部15を用いて、一方を親画面映像16、他方を子画面映像像17としてピクチャーインピクチャーの手法で図5のように表示する構成とする」ものであるところ、 その「映像合成部15」は、ピクチャインピクチャ機能実現手段といえ、 ・「映像合成部15」では、他方の映像が縮小されて子画面映像17とされていること、つまり、「映像合成部15」はそのような縮小手段を有していること、 ・「映像合成部15」では、縮小されて子画面映像17とされた、その子画面映像17の画素範囲位置では子画面映像17が選択され、同範囲位置を除く親画面映像16の画素範囲位置では親画面映像16が選択されて1の画面に表示する表示信号が合成されていること、すなわち、「映像合成部15」は、そのような選択手段を有していること、 以上のことは、 PIP(ピクチャーインピクチャー)の技術常識から明らかである。 したがって、この「映像合成部15」は、 復号された2つの映像信号、 すなわち、復号された複数のビデオクリップ3(3a、3b)の映像情報(これが、本願発明でいう「復号された(符号化された)第1、第2の動画データ」といい得ることは上記のとおりである。)のうち一方のサイズを縮小する縮小手段を有しているといえ、 また、この縮小手段を「ダウンコンバータ」とも称しても支障はないから、 引用発明も、(ピクチャインピクチャのための)「第1の復号手段で復号された第1の動画データ又は第2の復号手段で復号された第2の動画データのサイズを縮小するダウンコンバータ」と理解される要件E1でいう「ダウンコンバータ」を備えるといえ、「第1の動画データおよび第2の動画データのうち一方は、上記ダウンコンバータにより縮小されて」いるものである。 もっとも、引用発明は、要件E2「上記第1のプレーンメモリに格納される上記第1の動画データおよび上記第2のプレーンメモリに格納される上記第2の動画データのうち一方は、上記ダウンコンバータにより縮小され、」のうちの下線で示した構成とはしていない点では本願発明と異なる。 また、引用発明は、上記の通り、「映像合成部15」の縮小手段によって縮小された子画面映像17の画素範囲位置では子画面映像17が選択され、同範囲位置を除く親画面映像16の画素範囲位置では親画面映像16が選択されて1の画面に表示する表示信号が合成されるようにする選択手段を有しているといえることから、引用発明の「選択手段」も、 要件D2の「該縮小して表示される動画データの表示位置に応じて上記選択を行い、」とするものであって、要件Fの「上記選択手段の出力に基づき表示信号を生成するようにした」ものということができる。 もっとも、「選択手段」が要件D1「画素単位での選択を行う」ものとまでは言えず、この点、本願発明と相違する。 また、要件D1の「選択手段」が選択するとする「上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力」は、「第1の復号手段で復号された第1の動画データおよび第2の復号手段で復号された第2の動画データ」(そのうちの一方は縮小されたものである)と同じものということができるから、 本願発明の「選択手段」は、「第1の復号手段で復号された第1の動画データ又は第2の復号手段で復号された第2の動画データ」(そのうちの一方は縮小されたものである)のいずれかを選択しているものであるといえるところ、 引用発明の「選択手段」も「子画面映像17」又は「親画面映像16」のいずれかを選択しているものであり、それぞれ、「第1の復号手段で復号された第1の動画データ」、「第2の復号手段で復号された第2の動画データ」であって、そのうちの一方は縮小されたもの、といい得るものである。 もっとも、引用発明は、「プレーンメモリ」を備えるとはしていないから、引用発明の「選択手段」は、「上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し」「選択を行う」とするものではなく、この点、相違する。 ウ 以上をまとめると、 本願発明と引用発明は、 D1’:第1の復号手段で復号された第1の動画データ又は第2の復号手段で復号された第2の動画データ」(そのうちの一方は縮小されたものである)のいずれかを選択する選択手段と、 E1:上記第1又は第2の動画データのサイズを縮小するダウンコンバータと を有し、 E2’:上記第1の動画データおよび上記第2の動画データのうち一方は、上記ダウンコンバータにより縮小され、 D2:上記選択手段は、該縮小して表示される動画データの表示位置に応じて上記選択を行い、 F:上記選択手段の出力に基づき表示信号を生成するようにした の点では、相違しない。 もっとも、本願発明では、 E2’の「上記第1の動画データおよび上記第2の動画データ」を、 「上記第1のプレーンメモリに格納される上記第1の動画データおよび上記第2のプレーンメモリに格納される上記第2の動画データ」とし、 D1’の「選択手段」を、 「上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し、画素単位での選択を行う選択手段」とするのに対して、 引用発明は、そのようなデータ、選択手段とはしていない点では相違する。 記(明細書の記載) 【0144】 この発明の実施の第1の形態が適用されたプレーヤデコーダ100において、ピクチャインピクチャ機能により、ビデオプレーン134または第2ビデオプレーン160何れかの動画データを子画面として用いる場合には、子画面として用いる動画データを予め縮小して対応するビデオプレーン134または第2ビデオプレーン160に展開するとよい。縮小画像の作成は、MPEGビデオデコーダ120にその機能を持たせることで可能である。勿論、縮小画像を作成するための縮小画像作成部を、MPEGビデオデコーダ120とビデオプレーン134および第2ビデオプレーン160との間に別途、設けてもよい。 【0148】 子画面としてフレームメモリ領域221Bに格納された動画データが用いられるとすると、フレームメモリ領域221Bに格納された動画データが図示されないダウンコンバータ222Bにより縮小処理される。この縮小処理は、例えば、フレームメモリ領域221Bから動画データを読み出す際に、所定に画素を間引きすることによって可能である。そして、フレームバッファ400に対して、上述したスイッチ223においてなされる切り替え制御に基づきフレームメモリ領域221Aおよび221Bに格納された動画データの読み出し制御が画素単位で行われ、フレームバッファ400から読み出された動画データがビデオプレーン134に供給される。このようにすることで、プレーヤデコーダ100において、実施の第2の形態による、1枚のビデオプレーン134を用いたピクチャインピクチャ機能が実現される。 [4]一致点・相違点 以上の対比結果によれば、本願発明と引用発明との一致点および相違点は、下記のとおりである。 記(一致点) A 円盤状記録媒体から、符号化された第1の動画データと第2の動画データとを含むコンテンツデータを再生する再生装置において、 B 上記符号化された第1の動画データを復号する第1の復号手段と、 上記符号化された第2の動画データを復号する第2の復号手段と、 D1’第1の復号手段で復号された第1の動画データ又は第2の復号手段で復号された第2の動画データ」(そのうちの一方は縮小されたものである)のいずれかを選択する選択手段と、 E1 上記第1又は第2の動画データのサイズを縮小するダウンコンバータと を有し、 E2’上記第1の動画データおよび上記第2の動画データのうち一方は、上記ダウンコンバータにより縮小され、 D2 上記選択手段は、該縮小して表示される動画データの表示位置に応じて上記選択を行い、 F 上記選択手段の出力に基づき表示信号を生成するようにした A ことを特徴とする再生装置。 記(相違点) 本願発明は、 C 上記第1の復号手段で復号された第1の動画データを格納する第1のプレーンメモリと、 上記第2の復号手段で復号された第2の動画データを格納する第2のプレーンメモリと、 を備え、 E2’の「上記第1の動画データおよび上記第2の動画データ」を、 「上記第1のプレーンメモリに格納される上記第1の動画データおよび上記第2のプレーンメモリに格納される上記第2の動画データ」とし、 D1’の「選択手段」を、 「上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し、画素単位での選択を行う選択手段」とするのに対して、 引用発明は、上記Cの第1,第2のプレーンメモリを備えず、 E2’の「上記第1の動画データおよび上記第2の動画データ」を「上記第1のプレーンメモリに格納される上記第1の動画データおよび上記第2のプレーンメモリに格納される上記第2の動画データ」としておらず、 D1’の「選択手段」を「上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し、画素単位での選択を行う選択手段」とはしていない点。 [5]相違点の判断等 (1)相違点の克服 引用発明のピクチャインピクチャ機能実現手段である「映像合成部15」を、 第1の復号手段で復号された第1の動画データ及び第2の復号手段で復号された第2の動画データ」(そのうちの一方は縮小されたものである)を、それぞれ、格納する第1のプレーンメモリ及び第2のプレーンメモリを備えるとし、 その選択手段、すなわち、上記D1’の「第1の復号手段で復号された第1の動画データ又は第2の復号手段で復号された第2の動画データ」(そのうちの一方は縮小されたものである)のいずれかを選択する選択手段」を、 「上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し、画素単位での選択を行う選択手段」とすること(以下、[相違点の克服]という)で、 上記[相違点]は克服され、本願発明に到達する。 すなわち、上記[相違点の克服]をすることで、 要件Cを備えることとなり、、 E2’の「上記第1の動画データおよび上記第2の動画データ」は、 「上記第1のプレーンメモリに格納される上記第1の動画データおよび上記第2のプレーンメモリに格納される上記第2の動画データ」となり、 D1’の「選択手段」は、 「上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し、画素単位での選択を行う選択手段」となって、 上記[相違点]は克服され、本願発明に到達する。 (2)[相違点の克服]の容易想到性の判断 ア 公知技術(刊行物3記載技術) 上記刊行物3の前掲(L1)(L3),図1,図2には、実施の形態1として、 ピクチャーインピクチャー表示(PinP表示)するのに、 親画面を構成する背面画データを格納する背面画データ領域1bと、子画面挿入画を構成する前面画データを格納する前面画データ領域1aとをそれぞれ個別の領域として確保した表示メモリ1を設け、 親画面を構成する背面画データを背面画データ領域1bに格納し、 透過色(例えば真の黒)で塗りつぶした子画面用前面画データ領域1aに子画面挿入画22を所望の位置に上書き格納し(上書きされた挿入画22内は真の黒で無くなる。)、 表示メモリ1の背面画データ領域1bに書き込まれた親画面としての背面画23と、前面画データ領域1aに書き込まれた子画面挿入画22が上書きされた前面画21とを表示制御部4が1画素ずつ読み出し、 前面画21の画素データが透過色(真の黒)であった場合には、背面画23のデータを表示し、前面画21の画素データが透過色(真の黒)でない場合には、前面画21のデータを表示するように、選択して、2つの画像を重ね合わせるようにすることが示され、 また、前掲(L2)(L4){特に段落【0061】}、図7には、実施の形態4として、 同じく、ピクチャーインピクチャー表示(PinP表示)するのに 親画面を構成する背面画データを格納する背面画データ領域1bと、子画面挿入画を構成する前面画データを格納する前面画データ領域1aとをそれぞれ個別の領域として確保した表示メモリ1を設け、 親画面を構成する背面画データを背面画データ領域1bに格納し、 子画面挿入画にPinP情報を付加してPinP情報を持つ挿入画224とした前面画51を前面画データ領域1aに書き込み(格納)し、 表示メモリ1の背面画データ領域1bに書き込まれた親画面としての背面画23と、前面画データ領域1aに子画面挿入画224が書き込まれた前面画51とを表示制御部4が1画素ずつ読み出し、 前面画51の画素データがPinP情報を持っていると判定された場合には、親画面である背面画23の中に子画面であるPinP情報を持つ挿入画224を挿入表示するように表示制御部4によって2つの画データを重ね合わせ、表示部5に表示することが示されていて、 いずれも、 ピクチャーインピクチャー表示(PinP表示)を、ピクチャーインピクチャー表示する対象画像データである親画面データと子画面データとを、それぞれ表示用メモリの個別の領域として確保した背面画データ領域1bと前面画データ領域1aに格納し、表示用メモリの背面画データ領域1bと前面画データ領域1aの出力に対し、画素単位で選択することにより行う技術(以下、「刊行物3記載技術」という)が示されている。 イ [相違点の克服]の容易想到性の判断 上記「刊行物3記載技術」における、表示用メモリの個別の領域として確保した背面画データ領域1b、前面画データ領域1aは、合成表示する複数画像(イメージ)の各々を記憶するための表示する画素対応メモリ領域をいうものであって、いずれも「プレーン」と称し得るものであること(例えば、下記周知例等参照)は当業者に明らかであり、また、各プレーンを「プレーンメモリ」とすることも当業者にごく普通のことにすぎない{例えば、下記周知例2,4?7等参照}。 そうすると、刊行物3に接した当業者が、上記[相違点の克服]をなすこ と、すなわち、 引用発明のピクチャインピクチャ機能実現手段である「映像合成部15」を、 第1の復号手段で復号された第1の動画データ及び第2の復号手段で復号された第2の動画データ」(そのうちの一方は縮小されたものである)を、それぞれ、格納する第1のプレーンメモリ及び第2のプレーンメモリを備えるとし、 その選択手段、すなわち、上記D1’の「第1の復号手段で復号された第1の動画データ又は第2の復号手段で復号された第2の動画データ」(そのうちの一方は縮小されたものである)のいずれかを選択する選択手段」を、 「上記第1のプレーンメモリおよび上記第2のプレーンメモリの出力に対し、画素単位での選択を行う選択手段」とすること、 は容易に想到し得ることであり、 これにより本願発明に至る。 記(周知例) 周知例1:特開2000-194354号公報(段落【0002】等) 周知例2:特開2001-189703号公報(前記刊行物5、段落【0075】,図17等) 周知例3:特開2003-259213号公報(段落【0002】?【0004】,図1等、平成17年12月22日付け拒絶理由通知の引用文献2、平成20年5月30日付け拒絶理由通知の引用文献8) 周知例4:特開昭59-114581号公報 周知例5:特開昭61-59481号公報 周知例6:特開平7-38858号公報 周知例7:特開平6-14300号公報 (3)まとめ(相違点の判断等) 以上、引用発明を出発点として、上記[相違点の克服]をなすことで本願発明に達するところ、同[相違点の克服]は、刊行物1に記載された発明及び刊行物3に記載された発明,周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得るものである。 そして本願発明の構成は、上記のとおり、当業者容易想到であるところ、その作用効果も、上記構成の採用に伴って予測される程度のものにすぎず、格別顕著なものがあるとは認められない。 [6]まとめ (当審の判断) 本願発明は、刊行物1に記載された発明及び刊行物3に記載された発明、周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 【第5】むすび 以上、本願の請求項1に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び刊行物3に記載された発明,周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願の他の請求項について特に検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2011-08-03 |
結審通知日 | 2011-08-09 |
審決日 | 2011-08-23 |
出願番号 | 特願2003-354741(P2003-354741) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(H04N)
P 1 8・ 572- Z (H04N) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 梅岡 信幸 |
特許庁審判長 |
乾 雅浩 |
特許庁審判官 |
梅本 達雄 奥村 元宏 |
発明の名称 | 再生装置、再生方法、再生プログラムおよび記録媒体 |
代理人 | 杉浦 正知 |