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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1244523
審判番号 不服2010-10783  
総通号数 143 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-05-20 
確定日 2011-10-06 
事件の表示 特願2001-107368「割込信号生成装置及び割込信号の生成方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 2月20日出願公開、特開2002- 55830〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、
特許法第41条に基づく優先権主張を伴う平成13年4月5日(優先日、平成12年5月29日)の出願であって、
平成21年8月27日付けで最初の拒絶理由通知(同年9月1日発送)がなされ、
同年10月27日付けで意見書が提出されるとともに、手続補正がなされ、
同年11月16日付けで最後の拒絶理由通知(同年同月24日発送)がなされ、
平成22年1月21日付けで意見書が提出されるとともに、手続補正がなされ、
同年2月16日付けで同年1月21日付けの手続補正を却下する旨の補正の却下の決定(同年2月23日発送)がなされるとともに、同年2月16日付けで拒絶査定(同年2月23日発送)がなされ、
同年5月20日付けで審判請求がなされるとともに、手続補正がなされたものである。
なお、同年6月10日付けで審査官より特許法第164条第3項の規定による前置報告がなされ、
平成23年3月24日付けで当審より審尋(同年同月29日発送)がなされ、
この審尋に対して、同年5月26日付けで回答書が提出されている。

第2.補正却下の決定
[補正却下の決定]
平成22年5月20日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.本件補正
平成22年5月20日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、
平成21年10月27日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項7及び請求項8の記載
「【請求項7】 (a) 複数の検出信号の発生の有無を少なくとも1以上のグループ単位で監視する監視工程と、(b) 前記グループに属する検出信号のいずれか1個について前記検出信号を受信したときに、該検出信号の属する前記グループに対応する割込信号を出力することを特徴とする割込信号の生成方法。
【請求項8】 前記監視工程(a)はさらに、前記グループ構成の変更要求の有無を監視する工程と、前記グループ構成の変更要求に応じて前記グループを構成する前記検出信号を変更する工程とを含むことを特徴とする請求項7に記載の割込信号の生成方法。」
(以下、この請求項7を「補正前の請求項7」といい、請求項8を「補正前の請求項8」という。)を、本件補正後の請求項5として、
「【請求項5】 センサまたは監視装置からの入力信号に基づいて複数種類の割込要因の発生を監視し、割込要因の発生を検出したときに、複数の検出信号が割込検出部より出力され、出力された前記複数の検出信号の一部又は全部はグループ設定部により2以上のグループに分割、設定され、分割、設定されたグループ毎に前記割込処理部により割込信号が生成される割込信号生成方法において
前記割込処理部は、前記割込信号出力部において、前記グループに属する複数の前記検出信号の論理和条件に基づいて該グループに割り当てられた前記割込信号を生成する工程と、前記グループ設定部において、設定された前記検出信号が属する前記グループの変更を行う工程と、
を有することを特徴とする割込信号の生成方法。」
(以下、この請求項5を「補正後の請求項5」という。)
と補正することを含むものである。

2.目的要件の検討
2の1.補正前の請求項8と補正後の請求項5の関係
補正前の請求項7を引用する補正前の請求項8の記載と、補正後の請求項5の記載を比較する。すると、補正前の請求項8における「前記グループ構成の変更要求の有無を監視する工程と、前記グループ構成の変更要求に応じて」の記載に対応する箇所が、補正後の請求項5にはない。
このような補正前の請求項8における「前記グループ構成の変更要求の有無を監視する工程と、前記グループ構成の変更要求に応じて」の記載を削除する補正が、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第4号でいう「明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)」を目的とするものであるか否かを検討する。平成22年2月16日付け拒絶査定を行う理由が記された平成21年11月16日付け最後の拒絶理由通知では、補正前の請求項7及び8に関する特許法第36条第6項第2号違反に関して「請求項7,8に記載の方法について、各工程を実行する主体が不明であり、特に人間が何らかの装置等を道具として用いて実行する工程であるのか、何らかの装置等が有する構成が自律的に実行する工程であるのかが不明である。…(中略)…よって、請求項7,8に係る発明は明確でない。」と指摘するにとどまる。そのため、補正前の請求項8における「前記グループ構成の変更要求の有無を監視する工程と、前記グループ構成の変更要求に応じて」の記載を削除する補正が、平成21年11月16日付け最後の拒絶理由通知での指摘に対する明りょうでない記載の釈明であるとは言えない。
また、補正前の請求項8における「前記グループ構成の変更要求の有無を監視する工程と、前記グループ構成の変更要求に応じて」の記載を削除する補正が平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の第1号、第2号及び第3号に掲げられる事項のいずれかを目的としているとも言えない。
よって、本件補正により、補正前の請求項7を引用する補正前の請求項8を補正して、補正後の請求項5としたものとすると、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであることになる。

2の2.補正前の請求項7と補正後の請求項5の関係
補正前の請求項7の記載と補正後の請求項5の記載を比較すると、以下に示す(A)乃至(E)の点を指摘することができる。
(A)補正前の請求項7にはなかった「センサまたは監視装置からの入力信号に基づいて複数種類の割込要因の発生を監視し、割込要因の発生を検出したときに、複数の検出信号が割込検出部より出力され、出力された」という記載が補正後の請求項5にはある。
(B)補正前の請求項7には各工程を実行する主体が記載されていないが、補正後の請求項5には「グループ設定部により」、「前記割込処理部により」、「前記割込処理部は、」、「前記割込信号出力部において、」、「前記グループ設定部において、」と記載され、動作を実行する主体が示されている。
(C)補正前の請求項7では「複数の検出信号の発生の有無を少なくとも1以上のグループ単位で監視する」と記載されているのに対して、補正後の請求項5では「前記複数の検出信号の一部又は全部は」「2以上のグループに分割、設定され、」と記載されている。
(D)補正前の請求項7では「前記グループに属する検出信号のいずれか1個について前記検出信号を受信したときに、該検出信号の属する前記グループに対応する割込信号を出力する」と記載されているのに対し、補正後の請求項5では「分割、設定されたグループ毎に」「割込信号が生成される」と記載され、「前記グループに属する複数の前記検出信号の論理和条件に基づいて該グループに割り当てられた前記割込信号を生成する」と記載されている。
(E)補正前の請求項7にはなかった「設定された前記検出信号が属する前記グループの変更を行う」という記載が補正後の請求項5にはある。

そこで、上記した(A)乃至(E)で示す補正が平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項のいずれかの号に掲げられる事項を目的とするものであるのか否かを検討する。
上記した(A)で指摘する補正は、補正前の請求項7にはなかった発明特定事項を追加するものであるので、特許請求の範囲の減縮に当たる。そこで、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に掲げられる「特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」という目的(以下、「限定的減縮の目的」という。)を上記した(A)で指摘する補正が有するものであるかを検討すると、補正前の請求項7においては割込に関わる信号としては「検出信号」と「割込信号」が示されているのに対し、補正後の請求項5においては割込に関わる信号として「検出信号」と「割込信号」に加え「センサまたは監視装置からの入力信号」も示されている。さらに、補正後の請求項5においては「センサまたは監視装置からの入力信号に基づいて複数種類の割込要因の発生を監視し、割込要因の発生を検出したときに、複数の検出信号が割込検出部より出力され」と記載されていることから、補正後の請求項5には「センサまたは監視装置からの入力信号」に関して監視する「割込検出部」が示されている。つまりは、上記した(A)で指摘する補正により、補正前の請求項7に記載されていた発明を特定するために必要な事項(発明特定事項)ではない「センサまたは監視装置からの入力信号」と「割込検出部」に関する記載が追加されている。よって、上記した(A)で指摘する補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものではあるが、限定的減縮の目的を有するものであるとはいえない。また、上記(A)で指摘する補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の第1号、第3号及び第4号に掲げられる事項のいずれかを目的としているとも言えない。この点で、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであることになる。
上記した(B)で指摘する補正は、平成22年2月16日付け拒絶査定を行う理由が記された平成21年11月16日付け最後の拒絶理由通知において、補正前の請求項7及び8に関する特許法第36条第6項第2号違反に関して「請求項7,8に記載の方法について、各工程を実行する主体が不明であり、特に人間が何らかの装置等を道具として用いて実行する工程であるのか、何らかの装置等が有する構成が自律的に実行する工程であるのかが不明である。…(中略)…よって、請求項7,8に係る発明は明確でない。」と指摘していることに対応して、補正後の請求項5において動作を実行する主体を示したものである。そのため、上記した(B)で指摘する補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第4号に掲げられる「明りょうでない記載の釈明(拒絶理由通知に係る拒絶の理由に示す事項についてするものに限る。)」を目的とするものである。
上記した(C)で指摘する補正により、補正前の請求項7にはあった「複数の検出信号の発生の有無を」「監視する」という文言が補正後の請求項5では削除されている。(なお、補正後の請求項5でも「監視」という語はあるが、あくまでも「センサまたは監視装置からの入力信号」や「複数種類の割込要因の発生」に関して用いられている。)このような文言を削除する補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項のいずれの号に掲げられる事項を目的としたものとはいえず、本件補正は同第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであることになる。
上記した(D)で指摘する補正により、補正前の請求項7では「割込信号を出力する」と記載されていたところが、補正後の請求項5では「割込信号が生成される」または「割込信号を生成する」と記載されるようになった。つまり、上記した(D)で指摘する補正により、割込信号は生成されるにとどまり、割込信号が出力されるか否かが特定されなくなった。このような補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項のいずれの号に掲げられる事項を目的としたものとはいえず、本件補正は同第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであることになる。
上記した(E)で指摘する補正は、補正前の請求項7にはなかった発明特定事項を追加するものであるので、特許請求の範囲の減縮に当たる。そこで、限定的減縮の目的を上記した(E)で指摘する補正が有するものであるかを検討すると、補正前の請求項7における「複数の検出信号の発生の有無を少なくとも1以上のグループ単位で監視する」というステップと「前記グループに属する検出信号のいずれか1個について前記検出信号を受信したときに、該検出信号の属する前記グループに対応する割込信号を出力する」というステップとは異なる、「設定された前記検出信号が属する前記グループの変更を行う」というステップを、上記した(E)で指摘する補正は実質的に追加することになる。つまり、上記した(E)で指摘する補正により、補正前の請求項7に記載されていた発明を特定するために必要な事項(発明特定事項)ではない新たなステップを追加することになる。よって、上記した(E)で指摘する補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものではあるが、限定的減縮の目的を有するものであるとはいえない。また、上記(E)で指摘する補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の第1号、第3号及び第4号に掲げられる事項のいずれかを目的としているとも言えない。この点で、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであることになる。
よって、本件補正により補正前の請求項7を補正して補正後の請求項5としたものとしても、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものであることになる。

2の3.目的要件の検討の小括
以上の2の1及び2の2で検討したように、本件補正により、補正前の請求項7を引用する補正前の請求項8を補正して、補正後の請求項5としたものとしても、本件補正により補正前の請求項7を補正して補正後の請求項5としたものとしても、いずれの場合でも、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.独立特許要件の検討
「2.目的要件の検討」で既に示したように、本件補正は平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するものである。しかしながら、「2の2.補正前の請求項7と補正後の請求項5の関係」で示したように、補正前の請求項7と補正後の請求項5の関係において、上記した(A)と(E)で指摘する補正は特許請求の範囲の減縮ではある。
そこで、仮に本件補正が補正前の請求項7から補正後の請求項5に補正する目的として限定的減縮の目的が含まれるとして、以下では、本件補正が、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるか、特に、補正後の請求項5に係る発明が、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるかを検討する。

3の1.補正後の請求項5に係る発明の認定
平成22年5月20日付けの手続補正により補正された、本願の特許請求の範囲の請求項5には下記のように記載されている。

「【請求項5】 センサまたは監視装置からの入力信号に基づいて複数種類の割込要因の発生を監視し、割込要因の発生を検出したときに、複数の検出信号が割込検出部より出力され、出力された前記複数の検出信号の一部又は全部はグループ設定部により2以上のグループに分割、設定され、分割、設定されたグループ毎に前記割込処理部により割込信号が生成される割込信号生成方法において
前記割込処理部は、前記割込信号出力部において、前記グループに属する複数の前記検出信号の論理和条件に基づいて該グループに割り当てられた前記割込信号を生成する工程と、前記グループ設定部において、設定された前記検出信号が属する前記グループの変更を行う工程と、
を有することを特徴とする割込信号の生成方法。」

上記した補正後の請求項5の記載のうち、「分割、設定されたグループ毎に前記割込処理部により割込信号が生成される」という部分における「前記割込処理部」という語と、「前記割込信号出力部において、前記グループに属する複数の前記検出信号の論理和条件に基づいて該グループに割り当てられた前記割込信号を生成する工程」という部分における「前記割込信号出力部」という語に関して、これらの語よりも前に「割込処理部」及び「割込信号出力部」という語は前記されていない。そして、上記で指摘した箇所における「前記割込処理部」と「前記割込信号出力部」のそれぞれの語から「前記」を削除しても、補正後の請求項5の記載に明確でない記載が新たに生じるわけでもなく、補正後の請求項5の記載が意味するところが実質的に変更されるわけでもないから、上記で指摘した箇所における「前記割込処理部」と「前記割込信号出力部」のそれぞれの語における「前記」の部分は単なる誤記である。よって、上記で指摘した箇所における「前記割込処理部」と「前記割込信号出力部」のそれぞれの語から「前記」を削除することにより、補正後の請求項5に係る発明は次のとおりのものと認められる。

「センサまたは監視装置からの入力信号に基づいて複数種類の割込要因の発生を監視し、割込要因の発生を検出したときに、複数の検出信号が割込検出部より出力され、出力された前記複数の検出信号の一部又は全部はグループ設定部により2以上のグループに分割、設定され、分割、設定されたグループ毎に割込処理部により割込信号が生成される割込信号生成方法において
前記割込処理部は、割込信号出力部において、前記グループに属する複数の前記検出信号の論理和条件に基づいて該グループに割り当てられた前記割込信号を生成する工程と、前記グループ設定部において、設定された前記検出信号が属する前記グループの変更を行う工程と、
を有することを特徴とする割込信号の生成方法。」

3の2.先行技術文献に記載されている技術的事項と先行技術文献に記載されている発明の認定

3の2の1.引用例1に記載されている技術的事項
原審が平成21年11月16日付け最後の拒絶理由通知において引用した特開平5-81040号公報(平成5年4月2日出願公開。以下、「引用例1」という。)には、図面とともに以下の技術的事項が記載されている。

(1の1)
「【0011】
【作用】図2は、本発明の作用説明図であり、図1において割込み要求信号をグループ化する状況を例示するブロック図である。グループ化信号Gnは、CPUによってプログラムを介して制御されたグループ化信号生成部1において順次生成されており、グループ化信号生成部1は、このグループ化信号Gnを割込み要求信号グループ化部2に対し順次に出力し、割込み要求信号グループ化部2は、入力されたグループ化信号Gnに従って各割込み要求信号IRQI1?IRQInを、例示した如く8のグループに順次グループ化し、得られたグループ割込み信号IRQO1?IRQO8を、割込み制御回路3の割込み監視レジスタ31に入力している。」

(1の2)
「【0014】グループ化信号のためのプログラムを予め二以上用意しておき、システムにおける現在の作動状況に応じてグループ化信号Gnを適当に選択することで、各割込み要求信号IRQI1?IRQInが所属するグループを選択変更するように構成できる。」

(1の3)
「【0015】
【実施例】図面を参照して本発明を更に説明する。図3は、本発明の一実施例のコンピュータシステムにおける割込み要求回路の構成を示すブロック図である。同図において、割込み要求回路を構成するグループ化信号生成部1、割込み要求信号グループ化部2及び割込み制御ブロック(割込み制御回路)3は何れも一つのLSI10内に纏めて配されている。
【0016】LSI10内部には、他に、各機能モジュールを構成する内部ダイレクトメモリアクセスコントローラ(DMAC)41、内部ロジック(1)及び(2)42、43が配されており、割込み要求信号グループ化部2には、これら夫々から内部割込み要求信号が入力されている。更に、LSI10外部には別に多数の機能モジュールを含むLSIが配され、外部DMAC51、外部ロジックLSI52等から夫々外部割込み要求信号が入力されている。」

(1の4)
「【0017】グループ化信号生成部1は、データバス6を介してLSI外部に配されたCPU9によって制御されており、コンピュータシステムの初期化の時点において、或いはグループ分けを変更すべき特定の時点において、プログラムによるCPU9の制御を介してグループ化のための信号を順次生成すると共に、この信号を内部レジスタにロードし、更にこれをデコードしてグループ化信号Gnとして割込み要求信号グループ化部2に対して出力する。
【0018】図4は、グループ化信号生成部1の前記内部レジスタにロードされる信号内容を例示するブロック図である。同図(a)は、グループ化信号Gnを構成する信号の内、選択レジスタ11にロードされる選択信号を示しており、選択レジスタ11には、次にグループ化される一つの割込み要求信号のアドレスがSEL5?SEL0にロードされる。選択レジスタでは、例えば64アドレスの割込み要求信号を指定できる。
【0019】また、図4(b)は、グループ及び優先順位指定レジスタ12にロードされるグループ指定信号及び優先順位指定信号を示しており、この指定レジスタ12は、選択レジスタ11においてアドレスが選択された各割込み要求信号について、上位3ビットC3?C1のグループ指定信号において8つのグループのうち当該割込み要求信号が所属するグループを指定し、下位3ビットP3?P1の優先順位指定信号においてグループ内における当該割込み信号の優先順位を指定する。」

(1の5)
「【0020】図3に戻り、割込み要求信号グループ化部2は、各割込み要求信号IRQI1?IRQInに対応して夫々グループ情報レジスタ21?2nを備えており、コンピュータシステムの初期化時点等においてグループ化信号Gnを受け取ると、グループ化信号生成部1のグループ及び優先順位指定レジスタ12の内容である、各割込み要求信号IRQI1?IRQInについてのグループ指定信号と、優先順位指定信号とを受領し、当該割込み要求信号に対応するグループ情報レジスタ21?2n内に夫々格納する。」

(1の6)
「【0021】以下図3の割込み要求回路の作動について図5のフロー図を参照しながら説明する。コンピュータシステムがスタートするとまず前記の如くグループ化が行われる(P1)。CPUの作動時に何れかの割込み要求信号がアクティブになると(P2)、当該割込み要求信号に対応するグループ情報レジスタ21?2nの内容に従って、アクティブとなった割込み要求信号が所属するグループ割込み信号がアクティブとなって(P3)、割込み制御ブロック3の割込み監視レジスタ31の対応するビットに対して出力される。」

3の2の2.引用発明甲の認定
引用例1の上記(1の3)に「LSI10内部には、他に、各機能モジュールを構成する内部ダイレクトメモリアクセスコントローラ(DMAC)41、内部ロジック(1)及び(2)42、43が配されており、割込み要求信号グループ化部2には、これら夫々から内部割込み要求信号が入力されている。更に、LSI10外部には別に多数の機能モジュールを含むLSIが配され、外部DMAC51、外部ロジックLSI52等から夫々外部割込み要求信号が入力されている。」と記載され、上記(1の2)と上記(1の5)に「割込み要求信号IRQI1?IRQIn」と記載されていることから明らかなように、内部ダイレクトメモリアクセスコントローラ(DMAC)41、内部ロジック(1)42、内部ロジック(2)43、外部DMAC51、外部ロジックLSI52から、複数の割込み要求信号IRQI1?IRQInが出力されていると認められる。

引用例1の上記(1の4)に「図4は、グループ化信号生成部1の前記内部レジスタにロードされる信号内容を例示するブロック図である。同図(a)は、グループ化信号Gnを構成する信号の内、選択レジスタ11にロードされる選択信号を示しており、選択レジスタ11には、次にグループ化される一つの割込み要求信号のアドレスがSEL5?SEL0にロードされる。…(中略)…また、図4(b)は、グループ及び優先順位指定レジスタ12にロードされるグループ指定信号…(中略)…を示しており、この指定レジスタ12は、選択レジスタ11においてアドレスが選択された各割込み要求信号について、上位3ビットC3?C1のグループ指定信号において8つのグループのうち当該割込み要求信号が所属するグループを指定…(中略)…する。」と記載され、上記(1の5)に「図3に戻り、割込み要求信号グループ化部2は、各割込み要求信号IRQI1?IRQInに対応して夫々グループ情報レジスタ21?2nを備えており、…(中略)…グループ化信号Gnを受け取ると、グループ化信号生成部1のグループ及び優先順位指定レジスタ12の内容である、各割込み要求信号IRQI1?IRQInについてのグループ指定信号…(中略)…を受領し、当該割込み要求信号に対応するグループ情報レジスタ21?2n内に夫々格納する。」と記載されていることから明らかなように、複数の割込み要求信号IRQI1?IRQInはグループ情報レジスタ21?2nにより8つのグループに分割、設定されるものと認められる。

引用例1の上記(1の6)に「CPUの作動時に何れかの割込み要求信号がアクティブになると(P2)、当該割込み要求信号に対応するグループ情報レジスタ21?2nの内容に従って、アクティブとなった割込み要求信号が所属するグループ割込み信号がアクティブとなって(P3)、割込み制御ブロック3の割込み監視レジスタ31の対応するビットに対して出力される。」と記載され、上記(1の1)に「割込み要求信号グループ化部2は、入力されたグループ化信号Gnに従って各割込み要求信号IRQI1?IRQInを、例示した如く8のグループに順次グループ化し、得られたグループ割込み信号IRQO1?IRQO8を、割込み制御回路3の割込み監視レジスタ31に入力している。」と記載され、引用例1の図面の【図2】(上記(1の1)は【図2】に関する記載である。)と【図3】(上記(1の6)は【図3】に関する記載である。)のそれぞれの割込み要求信号グループ化部2は、グループ割込み信号(【図2】ではIRQO1?IRQO8、【図3】ではIRQO1A?IRQO8A)を出力するものである点では同じであることから明らかなように、分割、設定されたグループ毎に割込み要求信号グループ化部2によりグループ割込み信号IRQO1A?IRQO8Aが生成されるものと認められる。

上記で既に認定したように、引用例1には、内部ダイレクトメモリアクセスコントローラ(DMAC)41、内部ロジック(1)42、内部ロジック(2)43、外部DMAC51、外部ロジックLSI52から出力された複数の割込み要求信号IRQI1?IRQInはグループ情報レジスタ21?2nにより8つのグループに分割、設定され、分割、設定されたグループ毎に割込み要求信号グループ化部2によりグループ割込み信号IRQO1A?IRQO8Aが生成されることが記載されているのであるから、引用例1は割込信号生成方法に関するものであることは明らかである。

引用例1の上記(1の6)に「CPUの作動時に何れかの割込み要求信号がアクティブになると(P2)、当該割込み要求信号に対応するグループ情報レジスタ21?2nの内容に従って、アクティブとなった割込み要求信号が所属するグループ割込み信号がアクティブとなって(P3)、割込み制御ブロック3の割込み監視レジスタ31の対応するビットに対して出力される。」と記載され、上記(1の1)に「割込み要求信号グループ化部2は、入力されたグループ化信号Gnに従って各割込み要求信号IRQI1?IRQInを、例示した如く8のグループに順次グループ化し、得られたグループ割込み信号IRQO1?IRQO8を、割込み制御回路3の割込み監視レジスタ31に入力している。」と記載され、引用例1の図面の【図2】(上記(1の1)は【図2】に関する記載である。)と【図3】(上記(1の6)は【図3】に関する記載である。)のそれぞれの割込み要求信号グループ化部2は、グループ割込み信号(【図2】ではIRQO1?IRQO8、【図3】ではIRQO1A?IRQO8A)を出力するものである点では同じであることから明らかなように、割込み要求信号グループ化部2は、いずれかの割込み要求信号IRQI1?IRQInがアクティブになると、当該割込み要求信号IRQI1?IRQInが所属するグループのグループ割込み信号IRQO1A?IRQO8Aを生成するものであるのであるから、割込み要求信号グループ化部2は、グループに属する複数の割込み要求信号IRQI1?IRQInの論理和条件に基づいて該グループに割り当てられたグループ割込み信号IRQO1A?IRQO8Aを生成する工程を行うものであると認められる。

引用例1の上記(1の2)に「グループ化信号のためのプログラムを予め二以上用意しておき、システムにおける現在の作動状況に応じてグループ化信号Gnを適当に選択することで、各割込み要求信号IRQI1?IRQInが所属するグループを選択変更するように構成できる。」と記載され、上記(1の4)に「グループ化信号生成部1は、データバス6を介してLSI外部に配されたCPU9によって制御されており、コンピュータシステムの初期化の時点において、或いはグループ分けを変更すべき特定の時点において、プログラムによるCPU9の制御を介してグループ化のための信号を順次生成すると共に、この信号を内部レジスタにロードし、更にこれをデコードしてグループ化信号Gnとして割込み要求信号グループ化部2に対して出力する。」と記載され、上記(1の5)に「割込み要求信号グループ化部2は、各割込み要求信号IRQI1?IRQInに対応して夫々グループ情報レジスタ21?2nを備えており、コンピュータシステムの初期化時点等においてグループ化信号Gnを受け取ると、グループ化信号生成部1のグループ及び優先順位指定レジスタ12の内容である、各割込み要求信号IRQI1?IRQInについてのグループ指定信号…(中略)…を受領し、当該割込み要求信号に対応するグループ情報レジスタ21?2n内に夫々格納する。」と記載されていることから明らかなように、割込み要求信号グループ化部2は、グループ情報レジスタ21?2nにおいて、設定された割込み要求信号IRQI1?IRQInが属するグループの変更を行う工程を行うものであると認められる。

上記引用例1の記載事項及び図面を総合勘案すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明甲」という。)が記載されていると認められる。

「内部ダイレクトメモリアクセスコントローラ(DMAC)41、内部ロジック(1)42、内部ロジック(2)43、外部DMAC51、外部ロジックLSI52から出力された複数の割込み要求信号IRQI1?IRQInはグループ情報レジスタ21?2nにより8つのグループに分割、設定され、分割、設定されたグループ毎に割込み要求信号グループ化部2によりグループ割込み信号IRQO1A?IRQO8Aが生成される割込信号生成方法において、
割込み要求信号グループ化部2は、グループに属する複数の割込み要求信号IRQI1?IRQInの論理和条件に基づいて該グループに割り当てられたグループ割込み信号IRQO1A?IRQO8Aを生成する工程と、グループ情報レジスタ21?2nにおいて、設定された割込み要求信号IRQI1?IRQInが属するグループの変更を行う工程と、
を有することを特徴とする割込信号の生成方法。」

3の2の3.周知例に記載されている技術的事項
3の2の3の1.周知例1に記載されている技術的事項
本願の優先日前に頒布された刊行物である特開平2-232759号公報(平成2年9月14日出願公開。以下、「周知例1」という。)には、図面とともに以下の技術的事項が記載されている。

(周知1の1)
「従来より、ビル管理システム等で第5図に示す如き計測通信装置10が使用されている。計測通信装置10はCPU部11,通信制御部12,I/O部13に大別される。装置外部に設置されたセンサよりの入力情報及び設備機器のに(当審注:この「に」は誤記であり、正しくは削除されるべきものである。)入出力情報はI/O部13内のI/Oユニット14_(1)?14_(n)にて行なわれ、CPU分(当審注:この「分」は誤記であり、正しくは「部」である。)11はバス15を介してI/Oユニット14_(1)?14_(n)のデータ読出し及び書込みを行なう。通信制御回路部12はホスト機器へ収集データを通信し、またホスト機器よりの制御データを受信する。
このように多数のI/Oユニットを有する装置ではI/Oユニットの回路構成が簡単であることが要望されている。

〔従来の技術〕
I/Oユニット14_(1)?14_(n)による入力情報の収集は、I/Oユニット14_(1)?14_(n)内に入力情報を格納するラッチ回路と共に第6図に示す状変検出器20を設け、各1ビットの入力情報が変化したときフリップフロップ21をセットして割込み信号を発生させる。この割込み信号はオア回路22を介して端子23からCPU部11に供給される。」
(第2頁左上欄下から7行目?同頁右上欄下から4行目)

(周知1の2)
「〔課題を解決するための手段〕
第1図は本発明回路の原理図を示す。
同図中、状変検出器1_(1)?1_(m)はビット単位の入力情報1?m夫々の状態変化を検出して検出パルスを生成する。この状変検出器1_(1)?1_(m)夫々の検出パルスはオア回路2を通して第1,第2のフリップフロップ3,4夫々に供給する。
第1のフリップフロップ3は、検出パルスの供給によりセットされて割込み信号を生成し端子6より中央処理部に供給する。」
(第2頁右下欄下から18行目?同頁同欄下から9行目)

(周知1の3)
「〔実施例〕
第2図は本発明回路の一実施例の回路図を示す。
同図中、30_(1)?30_(m)はI/Oユニット毎に設けられた状変検出器としての立上り検出器であり、入力情報1?m夫々の立上り時に所定パルス幅の検出パルスを生成する。立上がり検出器30_(1)?30_(m)夫々の検出パルスはオア回路31に供給され、オア回路31の出力する検出パルスは第1,第2のSR型フリップフロップ32,33のセット端子Sに供給される。
第1のフリップフロップ32はセットされるとQ端子よりHレベルの割込み信号を出力し、この割込み信号はアンド回路34,35に供給されると共に、端子36よりCPU部11に供給される。」
(第3頁左上欄下から2行目?同頁右上欄第12行目)

3の2の3の2.周知例2に記載されている技術的事項
本願の優先日前に頒布された刊行物である特開昭55-30780号公報(昭和55年3月4日出願公開。以下、「周知例2」という。)には、図面とともに以下の技術的事項が記載されている。

(周知2の1)
「従来、状態変化検出機能を有するデイジタル入力装置は第1図に示すようになっていた。即ち各入力信号毎に設けられたフィルター回路FLTと、微分回路等によりなる状態変化検出回路CDと、これら複数の状態変化検出回路CDからの出力の論理をとって電子計算機へ割込を発生する割込回路と、及び入力データを選択するマルチプレクサとから構成されていた。このように構成されたデイジタル入力装置では、入力信号が変化すると、その変化は状態検出回路CDから検出パルスが生成され、この検(当審注:この「検」は誤記であり、削除すべきものである。)検出パルスを利用して割込回路が電子計算機に割込をかけ、この割込に基いて電子計算機がマルチプレクサで選択された入力データを取り込んでいた。」
(第2頁右上欄第6行目?同頁同欄第20行目)

3の2の3の3.周知例3に記載されている技術的事項
本願の優先日前に頒布された刊行物である実願平1-139270号(実開平3-78340号)のマイクロフィルム(平成3年8月8日出願公開。以下、「周知例3」という。)には、図面とともに以下の技術的事項が記載されている。なお、下記においては、文字の上にアッパーラインを付することに代えて、文字の前に「/」を付すように表記している。

(周知3の1)
「第1図は本考案の一実施例を示す回路図である。外部機器からの入力信号(INPUT)はバッファ1を通してD型フリップフロップ2のデータ入力にされると共に排他的論理和回路3の一方の入力にされる。フリップフロップ2のQ出力は排他的論理和回路3の他方の入力にされ、/Q出力は入力状態信号(STATUS)にされる。排他的論理和回路3の出力はカウンタ4のクリア信号にされ、該カウンタ4は内部クロック(CLK)を計数入力にする。比較回路5は内部選択信号(SELECT)によって数値が設定され、この設定数値とカウンタ4の計数値との比較をし、カウンタ4の計数値が該設定値を越えたときに論理“1”出力を得る。アンドゲート6は内部マスク信号(MASK)でゲートが開かれて比較回路5の出力をD型フリップフロップ7のクロック入力にする。フリップフロップ7はデータ(D)入力を電源電圧Vccとし、Q出力を割り込み信号(INTERRUPT)として取り出すと共にフリップフロップ2のクロック入力にする。…(中略)…
上述の構成になる本実施例の動作を第2図を参照して以下に詳細に説明する。
外部機器からの入力信号(INPUT)がローレベル(L)からハイレベル(H)に状態変化したとき(時刻t_(1))、フリップフロップ2のQ出力はハイレベルにあって排他的論理和回路3がハイレベルに復帰する。これにより、カウンタ4がクロック(CLK)の計数を開始し、その計数値が比較回路5の設定値を越えたとき(時刻t_(2))に該比較回路5にハイレベル出力を得る。この出力によってフリップフロップ7はセットされ、割り込み信号(INTERRUPT)を発生すると共にフリップフロップ2をリセットし、このリセットで状態信号(STATUS)を発生及び排他的論理和回路3に一致出力を得てカウンタ4のクリアを行う。また、カウンタ4の計数中に入力信号(INPUT)が復帰すると、カウンタ4がクリアされ、比較回路5にはローレベルのままに保持されて割り込み信号の発生は起きない。
従って、入力信号のパルス幅が比較回路5の設定値に相当する時間以上か否かによって割り込み信号の発生可否が決定される。」
(明細書第5頁第11行目?第8頁第10行目)

3の2の4.割込検出に関する周知技術の認定
周知例1の上記(周知1の1)に「装置外部に設置されたセンサよりの入力情報」、「第6図に示す状変検出器20を設け、各1ビットの入力情報が変化したときフリップフロップ21をセットして割込み信号を発生させる。」と記載され、上記(周知1の2)に「第1図は本発明回路の原理図を示す。…(中略)…状変検出器1_(1)?1_(m)はビット単位の入力情報1?m夫々の状態変化を検出して検出パルスを生成する。…(中略)…検出パルスの供給により…(中略)…割込み信号を生成し」と記載され、上記(周知1の3)に「第2図は本発明回路の一実施例の回路図を示す。…(中略)…30_(1)?30_(m)はI/Oユニット毎に設けられた状変検出器としての立上り検出器であり、入力情報1?m夫々の立上り時に所定パルス幅の検出パルスを生成する。立上がり検出器30_(1)?30_(m)夫々の検出パルスはオア回路31に供給され、オア回路31の出力する検出パルスは第1,第2のSR型フリップフロップ32,33のセット端子Sに供給される。…(改行)…第1のフリップフロップ32はセットされるとQ端子よりHレベルの割込み信号を出力し、」と記載されている。
また、周知例2の上記(周知2の1)に「従来、状態変化検出機能を有するデイジタル入力装置は第1図に示すようになっていた。即ち各入力信号毎に設けられたフィルター回路FLTと、微分回路等によりなる状態変化検出回路CDと、これら複数の状態変化検出回路CDからの出力の論理をとって電子計算機へ割込を発生する割込回路と、…(中略)…とから構成されていた。このように構成されたデイジタル入力装置では、入力信号が変化すると、その変化は状態検出回路CDから検出パルスが生成され、この検出パルスを利用して割込回路が電子計算機に割込をかけ」と記載されている。
さらに、周知例3の上記(周知3の1)に「外部機器からの入力信号(INPUT)がローレベル(L)からハイレベル(H)に状態変化したとき(時刻t_(1))、…(中略)…カウンタ4がクロック(CLK)の計数を開始し、その計数値が比較回路5の設定値を越えたとき(時刻t_(2))に該比較回路5にハイレベル出力を得る。この出力によってフリップフロップ7はセットされ、割り込み信号(INTERRUPT)を発生する…(中略)…。また、カウンタ4の計数中に入力信号(INPUT)が復帰すると、カウンタ4がクリアされ、比較回路5にはローレベルのままに保持されて割り込み信号の発生は起きない。…(改行)…従って、入力信号のパルス幅が比較回路5の設定値に相当する時間以上か否かによって割り込み信号の発生可否が決定される。」と記載されている。
これらの周知例1乃至3に記載されているような、入力信号(周知例1における「入力情報」、周知例2における「入力信号」、周知例3における「入力信号(INPUT)」に対応する。)に基づいて割込要因の発生を監視し、割込要因の発生を検出したときに、検出信号(周知例1における「検出パルス」、周知例2における「検出パルス」、周知例3における「割り込み信号(INTERRUPT)」に対応する。)が所定の手段(周知例1における「状変検出器」または「立上り検出器」、周知例2における「状態検出回路CD」、周知例3における図面第1図の回路全体に対応する。)により出力されるように構成して、入力信号と検出信号が区別されるようにすることは、割込制御の技術分野の当業者には周知な技術である(以下、この周知技術を「周知技術1」という。)。

3の3.対比
補正後の請求項5に係る発明と引用発明甲を比較する。

引用発明甲における「内部ダイレクトメモリアクセスコントローラ(DMAC)41、内部ロジック(1)42、内部ロジック(2)43、外部DMAC51、外部ロジックLSI52」は、「割込み要求信号IRQI1?IRQIn」を出力するものであるから、当該「割込み要求信号IRQI1?IRQIn」を用いて監視される対象となる装置であることに他ならない。よって、引用発明甲における「内部ダイレクトメモリアクセスコントローラ(DMAC)41、内部ロジック(1)42、内部ロジック(2)43、外部DMAC51、外部ロジックLSI52」は、補正後の請求項5に係る発明における「監視装置」に相当する。

引用発明甲における「割込み要求信号IRQI1?IRQIn」と、補正後の請求項5に係る発明における「入力信号」及び「検出信号」は、グループ化される前の割込に関する信号である点で一致する。

引用発明甲における「グループ情報レジスタ21?2n」は、補正後の請求項5に係る発明における「グループ設定部」に相当する。

引用発明甲における「割込み要求信号グループ化部2」は、補正後の請求項5に係る発明における「割込処理部」に相当する。

引用発明甲における「グループ割込み信号IRQO1A?IRQO8A」は、補正後の請求項5に係る発明における「割込信号」に相当する。

すると、補正後の請求項5に係る発明と引用発明甲とは、次の点で一致する。

<一致点>
センサまたは監視装置からのグループ化される前の割込に関する信号に基づいて、出力された前記複数のグループ化される前の割込に関する信号の一部又は全部はグループ設定部により2以上のグループに分割、設定され、分割、設定されたグループ毎に割込処理部により割込信号が生成される割込信号生成方法において
前記割込処理部は、前記グループに属する、複数のグループ化される前の割込に関する信号の論理和条件に基づいて該グループに割り当てられた前記割込信号を生成する工程と、前記グループ設定部において、設定された、グループ化される前の割込に関する信号が属する前記グループの変更を行う工程と、
を有することを特徴とする割込信号の生成方法。

一方で、両者は、次の点で相違する。

<相違点1>
グループ化される前の割込に関する信号に関して、補正後の請求項5に係る発明では「入力信号に基づいて複数種類の割込要因の発生を監視し、割込要因の発生を検出したときに、複数の検出信号が割込検出部より出力され」るものであり、センサまたは監視装置からの「入力信号」とグループ設定部によりグループに分割、設定される対象である「検出信号」は区別されるものであるのに対し、引用発明甲ではそのような区別はなく「割込み要求信号IRQI1?IRQIn」のみである点。

<相違点2>
割込処理部が、グループに属する、複数のグループ化される前の割込に関する信号の論理和条件に基づいて該グループに割り当てられた割込信号を生成する工程を行うことに関して、補正後の請求項5に係る発明は割込処理部における「割込信号出力部において」行うものであるのに対し、引用発明甲では割込み要求信号グループ化部2(割込処理部)におけるいかなる構成において行うものであるのかが明確でない点。

3の4.判断
上記相違点1及び2について検討する。

3の4の1.相違点1について
「3の2の4.割込検出に関する周知技術の認定」にて周知技術1として示したように、入力信号に基づいて割込要因の発生を監視し、割込要因の発生を検出したときに、検出信号が所定の手段により出力されるように構成して、入力信号と検出信号が区別されるようにすることは、割込制御の技術分野の当業者には周知な技術である。
引用発明甲は割込信号の生成方法であり割込制御の技術分野に関するものであるから、引用発明甲に上記した周知技術1を適用して、割込み要求信号IRQI1?IRQInに代えて、当該信号を入力信号と検出信号に分けて区別されるようにし、入力信号に基づいて複数種類の割込要因の発生を監視し、割込要因の発生を検出したときに、複数の検出信号が割込検出部より出力されるように、設計変更することに特段の困難性はない。
よって、上記相違点1は格別のものではない。

3の4の2.相違点2について
引用発明甲における「割込み要求信号グループ化部2」は「グループに属する複数の割込み要求信号IRQI1?IRQInの論理和条件に基づいて該グループに割り当てられたグループ割込み信号IRQO1A?IRQO8Aを生成する工程」を行うものであるから、「割込み要求信号グループ化部2」内に「グループに属する複数の割込み要求信号IRQI1?IRQInの論理和条件に基づいて該グループに割り当てられたグループ割込み信号IRQO1A?IRQO8Aを生成する工程」を行うための特定の構成を設けて、当該構成を割込信号出力部とすることに何ら困難性はない。
よって、上記相違点2は格別のものではない。

また、補正後の請求項5に係る発明が有する作用効果は、引用発明甲及び周知技術1から当業者が予測できた範囲内のものである。

よって、補正後の請求項5に係る発明は、引用発明甲及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

3の5.独立特許要件の小括
したがって、補正後の請求項5に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。つまり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

4.補正却下の決定のむすび
「2.目的要件の検討」で示したように、本件補正は、平成14年法律第24号改正附則第2条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
また「3.独立特許要件の検討」で示したように、仮に本件補正が限定的減縮の目的を有するとしても、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正却下の決定の結論のとおり決定する。

第3.本願発明の認定
平成22年5月20日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項7に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成21年10月27日付けの手続補正により補正された、本願の特許請求の範囲の請求項7に記載されたとおりの次のものと認められる。

「(a) 複数の検出信号の発生の有無を少なくとも1以上のグループ単位で監視する監視工程と、(b) 前記グループに属する検出信号のいずれか1個について前記検出信号を受信したときに、該検出信号の属する前記グループに対応する割込信号を出力することを特徴とする割込信号の生成方法。」

第4.先行技術文献に記載されている発明の認定
引用例1には、図面とともに、「第2.補正却下の決定」の「3の2の1.引用例1に記載されている技術的事項」で示される技術的事項が記載されている。

引用例1の上記(1の6)に「CPUの作動時に何れかの割込み要求信号がアクティブになると(P2)、当該割込み要求信号に対応するグループ情報レジスタ21?2nの内容に従って、アクティブとなった割込み要求信号が所属するグループ割込み信号がアクティブとなって(P3)、割込み制御ブロック3の割込み監視レジスタ31の対応するビットに対して出力される。」と記載され、上記(1の1)に「割込み要求信号グループ化部2は、入力されたグループ化信号Gnに従って各割込み要求信号IRQI1?IRQInを、例示した如く8のグループに順次グループ化し、得られたグループ割込み信号IRQO1?IRQO8を、割込み制御回路3の割込み監視レジスタ31に入力している。」と記載され、引用例1の図面の【図2】(上記(1の1)は【図2】に関する記載である。)と【図3】(上記(1の6)は【図3】に関する記載である。)のそれぞれの割込み要求信号グループ化部2は、割込み要求信号IRQI1?IRQInを入力し、グループ割込み信号(【図2】ではIRQO1?IRQO8、【図3】ではIRQO1A?IRQO8A)を出力するものである点では同じであることから明らかなように、グループに属する割込み要求信号IRQI1?IRQInのいずれか1個について割込み要求信号IRQI1?IRQInを受信したときに、該割込み要求信号IRQI1?IRQInの属するグループに対応するグループ割込み信号IRQO1A?IRQO8Aを出力するものであると認められる。
また、引用例1においては、グループに属する割込み要求信号IRQI1?IRQInのいずれか1個について割込み要求信号IRQI1?IRQInを受信したときに、該割込み要求信号IRQI1?IRQInの属するグループに対応するグループ割込み信号IRQO1A?IRQO8Aを出力するものであり、引用例1の上記(1の1)に「8のグループ」と記載されているように、引用例1におけるグループの個数は8であるから、引用例1においては、複数の割込み要求信号IRQI1?IRQInの発生の有無を8つのグループ単位で監視する監視工程があるものと認められる。

上記で認定したように、引用例1には、複数の割込み要求信号IRQI1?IRQInの発生の有無を8つのグループ単位で監視する監視工程が記載され、グループに属する割込み要求信号IRQI1?IRQInのいずれか1個について割込み要求信号IRQI1?IRQInを受信したときに、該割込み要求信号IRQI1?IRQInの属するグループに対応するグループ割込み信号IRQO1A?IRQO8Aを出力することが記載されているのであるから、引用例1は割込信号生成方法に関するものであることは明らかである。

上記引用例1の記載事項及び図面を総合勘案すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明乙」という。)が記載されていると認められる。

「複数の割込み要求信号IRQI1?IRQInの発生の有無を8つのグループ単位で監視する監視工程と、グループに属する割込み要求信号IRQI1?IRQInのいずれか1個について割込み要求信号IRQI1?IRQInを受信したときに、該割込み要求信号IRQI1?IRQInの属するグループに対応するグループ割込み信号IRQO1A?IRQO8Aを出力することを特徴とする割込信号の生成方法。」

周知例1乃至3には、図面とともに、「第2.補正却下の決定」の「3の2の3.周知例に記載されている技術的事項」で示される技術的事項が記載されており、これらの周知例1乃至3には、「第2.補正却下の決定」の「3の2の4.割込検出に関する周知技術の認定」にて周知技術1として認定したとおりの周知技術が例示されている。

第5.対比
本願発明と引用発明乙を比較する。

引用発明乙における「割込み要求信号IRQI1?IRQIn」と、本願発明における「検出信号」は、グループ化される前の割込に関する信号である点で一致する。

引用発明乙における「グループ割込み信号IRQO1A?IRQO8A」は、本願発明における「割込信号」に相当する。

すると、本願発明と引用発明乙とは、次の点で一致する。

<一致点>
(a) 複数のグループ化される前の割込に関する信号の発生の有無を少なくとも1以上のグループ単位で監視する監視工程と、(b) 前記グループに属するグループ化される前の割込に関する信号のいずれか1個について前記グループ化される前の割込に関する信号を受信したときに、該グループ化される前の割込に関する信号の属する前記グループに対応する割込信号を出力することを特徴とする割込信号の生成方法。

一方で、両者は、次の点で相違する。

<相違点>
グループ化される前の割込に関する信号に関して、本願発明では「検出信号」であるのに対し、引用発明乙では「割込み要求信号IRQI1?IRQIn」である点。

第6.判断
上記相違点について検討する。

本願発明に対応する本願の請求項7においては、グループ化される前の割込に関する信号としては、単に「検出信号」と記載されているのみである。引用発明乙における「割込み要求信号IRQI1?IRQIn」も割込要求元で何らかの事象を検出したことを起因としたものであることは自明であるから、引用発明乙における「割込み要求信号IRQI1?IRQIn」も、ある意味で検出信号である。
また、本願発明における「検出信号」の語句の解釈のため、本願明細書等の記載を参酌して、本願発明における「検出信号」が、補正後の請求項5に係る発明における「検出信号」と同様のものであると解釈したとしても、既に「第2.補正却下の決定」の「3の4の1.相違点1について」で周知技術1を考慮しつつ判断したことと同様の理由で、当該解釈で生じる本願発明と引用発明乙との「検出信号」に関する相違点は格別のものではない。
よって、上記相違点は格別のものではない。

また、本願発明が有する作用効果は、引用発明乙及び周知技術1から当業者が予測できた範囲内のものである。

よって、本願発明は、引用発明乙及び周知技術1に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第7.むすび
したがって、本願の請求項7に係る発明は、その優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、他の請求項について検討をするまでもなく、本願は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-08-05 
結審通知日 2011-08-09 
審決日 2011-08-25 
出願番号 特願2001-107368(P2001-107368)
審決分類 P 1 8・ 572- Z (G06F)
P 1 8・ 574- Z (G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 北元 健太  
特許庁審判長 吉岡 浩
特許庁審判官 田中 秀人
清木 泰
発明の名称 割込信号生成装置及び割込信号の生成方法  
代理人 宮坂 一彦  
代理人 須澤 修  
代理人 上柳 雅誉  

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