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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1245625
審判番号 不服2009-6524  
総通号数 144 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2011-12-22 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-03-26 
確定日 2011-10-27 
事件の表示 平成11年特許願第304052号「情報処理装置および方法、情報処理システム、並びにプログラム格納媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 5月11日出願公開、特開2001-125856〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成11年10月26日の出願であって、平成20年9月9日付けで拒絶の理由が通知され、これに対して同年11月7日に意見書が提出されるとともに、手続補正がなされたが、同年11月28日付で最後の拒絶理由が通知され、これに対して平成21年2月2日に意見書とともに手続補正書が提出されたが、同年2月20日付けで補正却下の決定がなされ、同日付けで拒絶査定がなされた。これに対し、平成21年3月26日に拒絶査定不服の審判が請求されるとともに、同年4月27日付けで手続補正がなされ、平成22年12月15日付けで審尋がなされ、これに対して平成23年2月4日に回答書が提出されたものである。



第2 平成21年4月27日の手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成21年4月27日の手続補正を却下する。

[理由]
1.本件補正について
平成21年2月2日の手続補正に対して、同年2月20日付けで補正却下の決定がなされていることから、平成21年4月27日の手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲を平成20年11月7日の手続補正書に記載されたとおりの、

「 【請求項1】
複数のオーディオデータの中から選択された1以上のオーディオデータの総容量を計算する計算手段と、
選択された前記1以上のオーディオデータに関するデータ情報のリスト、および、前記計算手段により計算された前記総容量を表示手段に表示させる制御を行う表示制御手段と、
前記計算手段による前記総容量の計算対象となった前記オーディオデータを記憶媒体に記憶させる制御を行う記憶制御手段と、
前記計算手段により計算された前記総容量が記憶媒体に記憶可能な記憶可能容量を超える場合、前記総容量が前記記憶可能容量を超えることを通知する通知手段と
を備え、
前記計算手段は、
前記リストに前記データ情報が含まれている前記1以上のオーディオデータの中から、選択の解除が1以上なされた場合、前記計算手段は、選択が解除された1以上の前記オーディオデータを除く総容量を再計算することで、前記総容量の更新を行う
情報処理装置。
【請求項2】
前記表示部を備える外部装置によって、前記複数のオーディオデータの中から前記1以上のオーディオデータが選択され、前記1以上のオーディオデータおよび前記リストが送信されてきた場合、前記1以上のオーディオデータおよび前記リストを受信する受信手段をさらに備え、
前記計算手段は、前記受信手段に受信された前記1以上のオーディオデータの前記総容量を計算し、
前記表示制御手段は、前記受信手段に受信された前記リストに加えて、前記計算手段により計算された前記総容量を前記表示部に表示させる制御を行い、
前記記憶制御手段は、前記受信手段に受信された前記1以上のオーディオデータを、前記記憶媒体に記憶させる制御を行い、
前記通知手段は、前記総容量が前記記憶可能容量を超えることを前記外部装置に通知し、
前記外部装置によって、1以上のオーディオデータの選択の解除がなされ、選択が解除された前記1以上のオーディオデータを特定する信号が送信されてきた場合、前記受信手段は前記信号をさらに受信し、前記計算手段は、前記信号から、選択が解除された前記1以上のオーディオデータを認識して、前記総容量の更新を行う
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
所定のオーディオデータについての前記データ情報は、その所定のオーディオデータを識別するための識別情報を含み、
前記識別情報を、前記記憶媒体に貼付するラベルに印刷する条件を指定するためのGUI(Graphical User Interface)データを保持する保持手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記保持手段に保持された前記GUIデータに基づく画像を、前記ラベルと対応付けて前記表示部に表示させる制御をさらに行う
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知手段は、前記記憶可能容量を超えることを示す画像を前記表示部に表示させる制御を前記表示制御手段に対して行わせることで、前記記憶可能容量を超えることを通知する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記記憶可能容量を前記表示部に表示させる制御をさらに行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
選択された前記1以上のオーディオデータのそれぞれに対して、1つのソフトウエアボタンが割り当てられ、所定のソフトウエアボタンが押下されることで、割り当てられたオーディオデータの選択解除を指示するためのGUI(Graphical User Interface)データを保持する保持手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記1以上のオーディオデータのそれぞれに対して割り当てられた前記ソフトウエアボタンを前記表示部にそれぞれ表示させる制御をさらに行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
所定のオーディオデータについての前記データ情報は、その所定のオーディオデータ単体の容量を示す個別容量情報をさらに含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記総容量、前記記憶可能容量および前記個別容量は、時間情報により表現される
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記記憶媒体は複数種類存在し、
前記複数種類の記憶媒体から、所定の種類の前記記憶媒体を選択する選択手段をさらに備え、
前記通知手段は、前記選択手段により選択された種類の前記記憶媒体の記憶可能容量が前記総容量を超える場合に通知を行い、
前記記憶制御手段は、前記選択手段により選択された種類の前記記憶媒体に、前記オーディオデータを記憶させる制御を行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記記憶媒体は、光ディスクである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
情報処理装置が、
複数のオーディオデータの中から選択された1以上のオーディオデータの総容量を計算し、
選択された前記1以上のオーディオデータに関するデータ情報のリスト、および前記総容量を表示部に表示させる制御を行い、
前記総容量の計算対象となった前記オーディオデータを記憶媒体に記憶させる制御を行い、
前記総容量が記憶媒体に記憶可能な記憶可能容量を超える場合、前記総容量が前記記憶可能容量を超えることを通知し
前記リストに前記データ情報が含まれている前記1以上のオーディオデータの中から、選択の解除が1以上なされた場合、選択が解除された前記1以上のオーディオデータを除く総容量を再計算することで、前記総容量の更新を行う
ステップを含む情報処理方法。
【請求項12】
コンピュータに、
複数のオーディオデータの中から選択された1以上のオーディオデータの総容量を計算し、
選択された前記1以上のオーディオデータに関するデータ情報のリスト、および前記総容量を表示手段に表示させる制御を行い、
前記総容量の計算対象となった前記オーディオデータを記憶媒体に記憶させる制御を行い、
前記総容量が記憶媒体に記憶可能な記憶可能容量を超える場合、前記総容量が前記記憶可能容量を超えることを通知し
前記リストに前記データ情報が含まれている前記1以上のオーディオデータの中から、選択の解除が1以上なされた場合、選択が解除された前記1以上のオーディオデータを除く総容量を再計算することで、前記総容量の更新を行う
ステップを含む制御処理を実行させるプログラム。
【請求項13】
第1の情報処理装置と第2の情報処理装置とから構成され、
前記第1の情報処理装置は、
前記第2の情報処理装置から送信されてきた1以上のオーディオデータとそれらに関するデータ情報のリストとを受信する受信手段と、
前記受信手段に受信された前記1以上のオーディオデータの総容量を計算する計算手段と、
前記受信手段に受信された前記リスト、および、前記計算手段により計算された前記総容量を、前記第2の情報処理装置に表示させる制御を行う表示制御手段と、
前記計算手段による前記総容量の計算対象となった前記オーディオデータを記憶媒体に記憶させる制御を行う記憶制御手段と、
前記計算手段により計算された前記総容量が記憶媒体に記憶可能な記憶可能容量を超えるとき、前記記憶可能容量を超えることを前記第2の情報処理装置に通知する通知手段と
を備え、
前記第2の情報処理装置によって、前記リストに前記データ情報が含まれている1以上の前記オーディオデータの中から選択の解除が1以上なされ、選択が解除された1以上の前記オーディオデータを特定する特定信号が送信されてきた場合、前記受信手段は、前記特定信号を受信し、前記計算手段は、前記特定信号から、選択が解除された前記1以上のオーディオデータを認識し、認識した前記1以上のオーディオデータを除く総容量を再計算することで、前記総容量の更新を行い、
前記第2の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置における前記総容量の計算対象となる前記1以上のオーディオデータを、前記複数のオーディオデータの中から選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記1以上のオーディオデータに関するデータ情報の前記リストを生成するリスト生成手段と、
前記選択手段により選択された前記1以上のオーディオデータ、および、前記リスト生成手段により生成された前記リストを前記第1の情報処理装置に送信する送信手段と、
前記第1の情報処理装置の制御の下、前記リストおよび前記総容量を表示する表示手段と
前記総容量が前記記憶可能容量を超えることについての前記第1の情報処理装置からの通知を受信する受信手段と、
前記リストに前記データ情報が含まれている1以上の前記オーディオデータの中から、所定のオーディオデータの選択解除を行う選択解除手段と
を備える
情報処理システム。」

から、平成21年4月27日の手続補正書に記載されたとおりの、

「 【請求項1】
複数のオーディオデータの中から選択された1以上のオーディオデータの総容量を計算する計算手段と、
選択された前記1以上のオーディオデータに関するデータ情報のリスト、および、前記計算手段により計算された前記総容量を表示手段に表示させる制御を行う表示制御手段と、
前記計算手段による前記総容量の計算対象となった前記オーディオデータを記憶媒体に記憶させる制御を行う記憶制御手段と、
前記計算手段により計算された前記総容量が記憶媒体に記憶可能な記憶可能容量を超える場合、前記総容量が前記記憶可能容量を超えることを通知する通知手段と
を備え、
前記計算手段は、
前記リストに前記データ情報が含まれている前記1以上のオーディオデータの中から、選択の解除が1以上なされた場合、前記計算手段は、選択が解除された1以上の前記オーディオデータを除く総容量を再計算することで、前記総容量の更新を行い、
前記記憶媒体は複数種類存在し、
前記表示手段は前記複数種類の記憶媒体のうち接続されている複数種類の記憶媒体を表示させ、
前記接続されている複数種類の記憶媒体から、一の種類の前記記憶媒体を選択する選択手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記選択手段により選択された前記記憶媒体の記憶可能容量を前記表示部に表示させ、
前記通知手段は、前記総容量が前記選択手段により選択された前記記憶媒体の記憶可能容量を超える場合に通知を行い、
前記記憶制御手段は、前記選択手段により選択された前記記憶媒体に、前記オーディオデータを記憶させる制御を行う
情報処理装置。
【請求項2】
前記表示部を備える外部装置によって、前記複数のオーディオデータの中から前記1以上のオーディオデータが選択され、前記1以上のオーディオデータおよび前記リストが送信されてきた場合、前記1以上のオーディオデータおよび前記リストを受信する受信手段をさらに備え、
前記計算手段は、前記受信手段に受信された前記1以上のオーディオデータの前記総容量を計算し、
前記表示制御手段は、前記受信手段に受信された前記リストに加えて、前記計算手段により計算された前記総容量を前記表示部に表示させる制御を行い、
前記記憶制御手段は、前記受信手段に受信された前記1以上のオーディオデータを、前記記憶媒体に記憶させる制御を行い、
前記通知手段は、前記総容量が前記記憶可能容量を超えることを前記外部装置に通知し、
前記外部装置によって、1以上のオーディオデータの選択の解除がなされ、選択が解除された前記1以上のオーディオデータを特定する信号が送信されてきた場合、前記受信手段は前記信号をさらに受信し、前記計算手段は、前記信号から、選択が解除された前記1以上のオーディオデータを認識して、前記総容量の更新を行う
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
所定のオーディオデータについての前記データ情報は、その所定のオーディオデータを識別するための識別情報を含み、
前記識別情報を、前記記憶媒体に貼付するラベルに印刷する条件を指定するためのGUI(Graphical User Interface)データを保持する保持手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記保持手段に保持された前記GUIデータに基づく画像を、前記ラベルと対応付けて前記表示部に表示させる制御をさらに行う
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記通知手段は、前記記憶可能容量を超えることを示す画像を前記表示部に表示させる制御を前記表示制御手段に対して行わせることで、前記記憶可能容量を超えることを通知する
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
選択された前記1以上のオーディオデータのそれぞれに対して、1つのソフトウエアボタンが割り当てられ、所定のソフトウエアボタンが押下されることで、割り当てられたオーディオデータの選択解除を指示するためのGUI(Graphical User Interface)データを保持する保持手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記1以上のオーディオデータのそれぞれに対して割り当てられた前記ソフトウエアボタンを前記表示部にそれぞれ表示させる制御をさらに行う
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
所定のオーディオデータについての前記データ情報は、その所定のオーディオデータ単体の容量を示す個別容量情報をさらに含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記総容量、前記記憶可能容量および前記個別容量は、時間情報により表現される
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記記憶媒体は、光ディスクである
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が、
複数のオーディオデータの中から選択された1以上のオーディオデータの総容量を計算し、
選択された前記1以上のオーディオデータに関するデータ情報のリスト、および前記総容量を表示部に表示させる制御を行い、
前記総容量の計算対象となった前記オーディオデータを記憶媒体に記憶させる制御を行い、
前記総容量が記憶媒体に記憶可能な記憶可能容量を超える場合、前記総容量が前記記憶可能容量を超えることを通知し
前記リストに前記データ情報が含まれている前記1以上のオーディオデータの中から、選択の解除が1以上なされた場合、選択が解除された前記1以上のオーディオデータを除く総容量を再計算することで、前記総容量の更新を行い、
前記記憶媒体は複数種類存在し、
複数種類の前記記憶媒体のうち接続されている複数種類の記憶媒体を表示させ、
前記接続されている複数種類の記憶媒体から、一の種類の前記記憶媒体を選択し、
選択された前記記憶媒体の記憶可能容量を前記表示部に表示させ、
選択された前記記憶媒体の記憶可能容量が前記総容量を超える場合に通知を行い、
選択された前記記憶媒体に、前記オーディオデータを記憶させる制御を行う
ステップを含む情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
複数のオーディオデータの中から選択された1以上のオーディオデータの総容量を計算し、
選択された前記1以上のオーディオデータに関するデータ情報のリスト、および前記総容量を表示手段に表示させる制御を行い、
前記総容量の計算対象となった前記オーディオデータを記憶媒体に記憶させる制御を行い、
前記総容量が記憶媒体に記憶可能な記憶可能容量を超える場合、前記総容量が前記記憶可能容量を超えることを通知し
前記リストに前記データ情報が含まれている前記1以上のオーディオデータの中から、選択の解除が1以上なされた場合、選択が解除された前記1以上のオーディオデータを除く総容量を再計算することで、前記総容量の更新を行い、
前記記憶媒体は複数種類存在し、
複数種類の前記記憶媒体のうち接続されている複数種類の記憶媒体を表示させ、
前記接続されている複数種類の記憶媒体から、一の種類の前記記憶媒体を選択し、
選択された前記記憶媒体の記憶可能容量を前記表示部に表示させ、
選択された前記記憶媒体の記憶可能容量が前記総容量を超える場合に通知を行い、
選択された前記記憶媒体に、前記オーディオデータを記憶させる制御を行う
ステップを含む制御処理を実行させるプログラム。
【請求項11】
第1の情報処理装置と第2の情報処理装置とから構成され、
前記第1の情報処理装置は、
前記第2の情報処理装置から送信されてきた1以上のオーディオデータとそれらに関するデータ情報のリストとを受信する受信手段と、
前記受信手段に受信された前記1以上のオーディオデータの総容量を計算する計算手段と、
前記受信手段に受信された前記リスト、および、前記計算手段により計算された前記総容量を、前記第2の情報処理装置に表示させる制御を行う表示制御手段と、
前記計算手段による前記総容量の計算対象となった前記オーディオデータを記憶媒体に記憶させる制御を行う記憶制御手段と、
前記計算手段により計算された前記総容量が記憶媒体に記憶可能な記憶可能容量を超えるとき、前記記憶可能容量を超えることを前記第2の情報処理装置に通知する通知手段と
を備え、
前記第2の情報処理装置によって、前記リストに前記データ情報が含まれている1以上の前記オーディオデータの中から選択の解除が1以上なされ、選択が解除された1以上の前記オーディオデータを特定する特定信号が送信されてきた場合、前記受信手段は、前記特定信号を受信し、前記計算手段は、前記特定信号から、選択が解除された前記1以上のオーディオデータを認識し、認識した前記1以上のオーディオデータを除く総容量を再計算することで、前記総容量の更新を行い、
前記記憶媒体は複数種類存在し、
前記表示制御手段は、前記複数種類の記憶媒体のうち接続されている複数種類の記憶媒体を、前記第2の情報処理装置に表示させ、
前記第2の情報処理装置によって、前記接続されている複数種類の記憶媒体から、一の種類の前記記憶媒体を選択され、選択された前記記憶媒体を特定する記憶媒体特定信号が送信されてきた場合、前記受信手段は前記記憶媒体特定信号を受信し、
前記通知手段は、前記記憶媒体特定信号により特定された前記記録媒体の記憶可能容量が前記総容量を超える場合に通知を行い、
前記記憶制御手段は、前記記憶媒体特定信号により特定された前記記憶媒体に、前記オーディオデータを記憶させる制御を行い、
前記第2の情報処理装置は、
前記第1の情報処理装置における前記総容量の計算対象となる前記1以上のオーディオデータを、前記複数のオーディオデータの中から選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記1以上のオーディオデータに関するデータ情報の前記リストを生成するリスト生成手段と、
前記選択手段により選択された前記1以上のオーディオデータ、および、前記リスト生成手段により生成された前記リストを前記第1の情報処理装置に送信する送信手段と、
前記第1の情報処理装置の制御の下、前記リストおよび前記総容量を表示する表示手段と
前記総容量が前記記憶可能容量を超えることについての前記第1の情報処理装置からの通知を受信する受信手段と、
前記リストに前記データ情報が含まれている1以上の前記オーディオデータの中から、所定のオーディオデータの選択解除を行う選択解除手段と、 前記表示手段は、前記第1の情報処理装置の制御の下、前記複数種類の記憶媒体のうち接続されている複数種類の記憶媒体を表示し、
前記表示手段により表示された、前記接続されている複数種類の記憶媒体から、一の種類の前記記憶媒体を選択する選択手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記選択手段により選択された前記記憶媒体の記憶可能容量を前記表示部に表示させ、
前記受信手段は、前記選択手段により選択された前記記憶媒体の記憶可能容量が、前記総容量を超えることについての前記第1の情報処理装置からの通知を受信する
情報処理システム。」(下線は、補正箇所を示すものとして、請求人が補正書において記載したものを援用した。)

と補正するものである。
なお、本件補正後の請求項1について、平成21年4月27日付け手続補正書には、
「 前記通知手段は、前記選択手段により選択された前記記憶媒体の記憶可能容量が前記総容量を超える場合に通知を行い、」と記載されているが、これは以下の理由により誤記と認められる。
すなわち、請求項1の他の部分に、
「前記計算手段により計算された前記総容量が記憶媒体に記憶可能な記憶可能容量を超える場合、前記総容量が前記記憶可能容量を超えることを通知する通知手段」と記載されていることと矛盾すること。
また、出願当初の発明の詳細な説明【0088】段落に、
「Webサーバ321のCPU371は、ステップS38において、合計時間を演算した場合、合計時間が録音可能時間より大きくなったか否かを判断し、大きくなったとき、例えば、「曲の合計時間が録音可能時間を越えています」のような警告メッセージを生成し、ショッピングカートページに挿入して、クライアント301に送信する。これにより、クライアント301の液晶ディスプレイ21には、例えば、図19に示すような警告427が表示される。」と記載され、さらに【0125】段落には、
「Webサーバ321のCPU371は、ステップS178において、残り時間を演算した場合、残り時間がマイナスになったか否かを判定し、マイナスになったとき、すなわち、合計時間が録音可能時間より大きくなったとき、警告のメッセージを発生させる。そしてこのメッセージをステップS179において、演奏時間、合計時間、および残り時間とともに、クライアント301に通知する。その結果、この警告がともに通知された場合には、計算ページ461には、例えば図35に示すように、「選択された曲の合計時間が、録音可能時間を越えています」のような警告481が表示される。」
と記載されていること。
したがって、請求項1の記載は以下の記載の誤記であると認められるので、そのように認定をした。
「 前記通知手段は、前記総容量が前記選択手段により選択された前記記憶媒体の記憶可能容量を超える場合に通知を行い、」
仮に、当該記載が誤記ではないとすると、新規な構成を追加する補正となるので、新規事項の追加に当たるから、本件補正は却下される。


2.補正の目的について
本件補正は上記のとおりのものであって、その補正の前後の内容を対比すると、本件補正は以下(a)ないし(e)の補正事項を含む。

(a)本件補正前の請求項1を、本件補正前の請求項5及び9の特定事項によって限定し、さらに以下の限定を加える補正。
・「表示手段は前記複数種類の記憶媒体のうち接続されている複数種類の記憶媒体を表示させ」、そこから記憶媒体が選択されるという限定。
・選択される記憶媒体が「一の種類の記憶媒体」であるという限定。
・表示部に表示される記憶可能容量が「前記選択手段により選択された前記記憶媒体の記憶可能容量」であるという限定。

(b)本件補正前の請求項5及び9を削除する補正。

(c)本件補正前の請求項11及び12に対して、本件補正前の請求項1に対する限定と同様の内容の限定を行う補正。

(d)本件補正前の請求項13に対して、
「 前記記憶媒体は複数種類存在し、
前記表示制御手段は、前記複数種類の記憶媒体のうち接続されている複数種類の記憶媒体を、前記第2の情報処理装置に表示させ、
前記第2の情報処理装置によって、前記接続されている複数種類の記憶媒体から、一の種類の前記記憶媒体を選択され、選択された前記記憶媒体を特定する記憶媒体特定信号が送信されてきた場合、前記受信手段は前記記憶媒体特定信号を受信し、
前記通知手段は、前記記憶媒体特定信号により特定された前記記録媒体の記憶可能容量が前記総容量を超える場合に通知を行い、
前記記憶制御手段は、前記記憶媒体特定信号により特定された前記記憶媒体に、前記オーディオデータを記憶させる制御を行」うという限定、及び、
「 前記表示手段は、前記第1の情報処理装置の制御の下、前記複数種類の記憶媒体のうち接続されている複数種類の記憶媒体を表示し、
前記表示手段により表示された、前記接続されている複数種類の記憶媒体から、一の種類の前記記憶媒体を選択する選択手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記選択手段により選択された前記記憶媒体の記憶可能容量を前記表示部に表示させ、
前記受信手段は、前記選択手段により選択された前記記憶媒体の記憶可能容量が、前記総容量を超えることについての前記第1の情報処理装置からの通知を受信する」という限定を加える補正。

(e)本件補正前の請求項5及び9の削除に伴って、請求項の項番を繰り上げる補正。

上記各補正事項について検討する。
上記補正事項(a)(c)及び(d)は、記載された構成にさらに特定を加える補正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。
上記補正事項(b)及び(e)は、請求項の削除を目的とする補正に該当する。

したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の各号に規定の事項を目的とする補正である。


3.独立特許要件について
上記2.で判断したように、本件補正は特許請求の範囲の減縮を目的とする補正を含むものであるから、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が、特許出願の際、独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか。)について以下に検討する。

(1)本件補正発明について
本件補正発明を再掲すると、次のとおりである。

「 複数のオーディオデータの中から選択された1以上のオーディオデータの総容量を計算する計算手段と、
選択された前記1以上のオーディオデータに関するデータ情報のリスト、および、前記計算手段により計算された前記総容量を表示手段に表示させる制御を行う表示制御手段と、
前記計算手段による前記総容量の計算対象となった前記オーディオデータを記憶媒体に記憶させる制御を行う記憶制御手段と、
前記計算手段により計算された前記総容量が記憶媒体に記憶可能な記憶可能容量を超える場合、前記総容量が前記記憶可能容量を超えることを通知する通知手段と
を備え、
前記計算手段は、
前記リストに前記データ情報が含まれている前記1以上のオーディオデータの中から、選択の解除が1以上なされた場合、前記計算手段は、選択が解除された1以上の前記オーディオデータを除く総容量を再計算することで、前記総容量の更新を行い、
前記記憶媒体は複数種類存在し、
前記表示手段は前記複数種類の記憶媒体のうち接続されている複数種類の記憶媒体を表示させ、
前記接続されている複数種類の記憶媒体から、一の種類の前記記憶媒体を選択する選択手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記選択手段により選択された前記記憶媒体の記憶可能容量を前記表示部に表示させ、
前記通知手段は、前記総容量が前記選択手段により選択された前記記憶媒体の記憶可能容量を超える場合に通知を行い、
前記記憶制御手段は、前記選択手段により選択された前記記憶媒体に、前記オーディオデータを記憶させる制御を行う
情報処理装置。」


(2)引用例
(2-1)引用例1
原査定の拒絶の理由に引用された特開平1-173347号公報(平成元年7月10日公開。以下、「引用例1」という。)には、図面とともに以下(ア)ないし(ウ)の事項が記載されている。

(ア)「2.特許請求の範囲
複数の記録ブロックをディジタル記録したディジタル記録媒体を再生する再生手段と、
上記再生手段の出力する再生信号を別の記録媒体に記録する記録手段と、
上記複数の記録ブロックのうち1つ以上の記録ブロックを選択する手段と、
ディジタル記録媒体にあらかじめ記録された、各記録ブロックの再生時間に関する情報を読取り、上記選択された1つ以上の記録ブロックの再生時間の合計を算出する手段と、
上記別の記録媒体の記録可能時間を記憶する手段と、
上記再生時間合計と上記記録可能時間とを比較した結果に基づき記録手段を制御する手段と、
を備える記録再生システム。」(1頁左下欄4ないし19行)

(イ)「まず、テープ状態検出手段21を動作させるか、あるいは操作ボタン16を操作することにより、カセットテープ20の録音可能時間T(片面の録音可能時間)を読取り、CPU15内に設けられた図示しないRAMか、RAM13にTを記憶する。
次に、操作ボタン12により記録媒体5にディジタル記録された複数の記録ブロックの中からダビングしようとする1つ以上の記録ブロックをあらかじめ与えられた記録ブロック番号を入力することにより選択する。
入力された記録ブロック番号は、RAM13に順次記憶される。」(3頁左下欄1ないし13行)

(ウ)「以上の動作の流れの中で、CPU15は一時停止ボタンまたは録音ボタンの抑圧を検出すると、記録ブロックの選択が終了したと判断し、RAM13に記憶された記録ブロック番号に対応する再生時間情報k(C1)、k(C2)・・・k(Cn)を記録媒体5から読出し、それらを合計した全再生時間Kを算出する。
そして、カセットテープ20の録音可能時間Tと全再生時間Kを比較し、KがT以下であれば表示器14に選択された記録ブロックすべてをカセットテープ20の片面に録音可能であることを表示する。例えば「ダビングOK」のように表示する。
一方、KがTより大きければ、表示器14に選択された記録ブロックすべてをカセットテープ20の片面に録音することは不可能であると表示する。例えば「NG」のように表示する。
この表示を行なうことにより、ユーザーはそのままダビングを始めてよいか、選択をやり直すかを判断することができ、演奏中にテープ終端部に達してしまう不具合を未然に防ぐことができる。」(3頁右下欄6行ないし4頁左上欄6行)

上記摘記事項(ア)及び(ウ)によれば、引用例1に記載されたものは、音声情報から成る複数の記録ブロックから選択された1つ以上の記録ブロックの再生時間の合計である全再生時間Kを算出する手段を有している。
上記摘記事項(ア)ないし(ウ)によれば、引用例1記載のものでは、全再生時間Kの合計対象である選択された1つ以上の記録ブロックは別の記録媒体(カセットテープ)にダビングしようとするものであり、全再生時間Kの合計対象となった記録ブロックを別の記録媒体に記憶させる制御を行っているということができ、そのための制御手段を有していると考えるのが自然である。
上記摘記事項(ウ)によれば、算出された全再生時間Kが記憶媒体に録音可能な録音可能時間Tより大きければ、録音することは不可能であることを、例えば「NG」のように表示する手段を有している。

そうすると、上記摘記事項(ア)ないし(ウ)によれば、引用例1には次の発明(以下、「引用例1発明」という。)が記載されているものと認められる。

「複数の記録ブロックから選択された1つ以上の記録ブロックの全再生時間Kを算出する手段と、
前記全再生時間Kの合計対象となった記録ブロックを記録媒体に記憶させる制御を行う制御手段と、
算出された全再生時間Kが記憶媒体に録音可能な録音可能時間Tより大きければ、録音することは不可能であることを、例えば「NG」のように表示する手段と、
を備える記録再生システム。」


(2-2)引用例2
原査定の拒絶の理由に引用された特開平10-222537号公報(平成10年8月21日公開。以下、「引用例2」という。)には、図面とともに以下(エ)ないし(カ)の事項が記載されている。

(エ)「【0004】
【課題を解決するための手段】この発明に係わる、通信により音楽用CD中の曲を録音する録音デバイス作成装置は、あらかじめサーバー側のコンピューターに、音楽用のCDの中の各曲に付けたシリアル番号を記録しておく曲番データ記録手段と、あらかじめサーバー側のコンピューターに、音楽用のCDの中の各曲を音楽のジャンル別にまとめて曲のタイトル名を記録しておく曲名データ記録手段と、あらかじめサーバー側のコンピューターに、音楽用のCDの中の各曲の演奏時間を記録しておく演奏時間データ記録手段と、あらかじめサーバー側のコンピューターに、音楽用のCDの中の各曲の価格を記録しておく価格データ記録手段と、サーバー側のコンピューターに、注文した曲の曲番データを記録する注文曲番データ記録手段と、あらかじめサーバー側のコンピューターに、音楽用のCDの中の各曲のサウンドのデジタル信号を記録しておくサウンドデータ記録手段と、あらかじめサーバー側のコンピューターに、音楽用のCDの中の各曲の歌詞を記録しておく歌詞データ記録手段と、サーバー側のコンピューターに、注文した録音デバイスの種類を記録しておくデバイス種類データ記録手段と、サーバー側のコンピューターに、注文した録音デバイスの録音時間を記録しておくデバイス録音時間データ記録手段と、あらかじめサーバー側のコンピューターに、音楽用のCDの中の各曲の上記サウンドデータを短く編集したサウンドのデジタル信号を記録しておくサンプルサウンドデータ記録手段と、あらかじめサーバー側のコンピューターに、インターネットのホームページのソースプログラムを記録しておくホームページプログラム記録手段と、あらかじめサーバー側のコンピューターに、端末側のコンピューター上にて中央処理装置に種々の制御の指令を出すプログラムを記録しておく制御プログラムクライアント記録手段と、あらかじめサーバー側のコンピューターに、サーバー側のコンピューター上にて中央処理装置に種々の制御の指令を出すプログラムを記録しておく制御プログラムサーバー記録手段と、サーバー側のコンピューターと、インターネットとつなぐ通信手段と、端末側のコンピューターと、インターネットとつなぐ通信手段と、あらかじめ端末側のコンピューターに、インターネットのホームページを読み込み解読するプログラムを記録しておくホームページ解読プログラム記録手段と、あらかじめ端末側のコンピューターに、サウンドのデータを演奏したり録音するプログラムを記録しておくサウンド演奏プログラム記録手段と、端末側のコンピューターにて、インターネットのホームページを表示する手段と、端末側のコンピューターにて、インターネットのホームページ上に表示された項目を選択する入力手段と、インターネットのホームページ上にあらかじめ表示された録音に使うデバイスの種類を選択し、その際デバイス種類データである第1の値とデバイス録音時間データである第2の値を得る手段と、インターネットのホームページ上にあらかじめ表示された曲の検索項目を選択し、その際検索項目を通信装置を通してサーバー側のコンピューターへ書き出し、検索項目名にあてはまる曲名データを探しだし該曲名データに対応する曲番データ、演奏時間データ、価格データ、サンプルサウンドデータ及び曲名データを通信装置を通じて端末側のコンピューターへ読み出しホームページ上に検索結果の一覧表を表示する手段と、インターネットのホームページ上に表示された曲の上記検索の結果の一覧表から注文したい曲を選択し、録音したい順序で曲の曲番データを、メモリに記憶した第3の値を得る手段と、第3の値に対応する演奏時間データと価格データを随時積算し、トータルの価格の値とトータルの演奏時間である第4の値を得る手段と、第2の値から第4の値を減算し、録音デバイスに録音できる残り時間である第5の値を得る手段と、第5の値がゼロ以下になる場合、注文したい曲を新しく追加できなくする手段と、端末側のコンピューターで音の入力装置を使って音のデータを録音し、その音のデータよりサウンドデータと演奏時間データを作り、曲番データ、曲名データ、価格データ、サンプルサウンドデータの各データに適当値を当てはめ、上記第3の値のデータとして追加するとともに、これらの値を第6の値とする手段と、インターネットのホームページ上に表示された試し聴きの部分を選択し、その際第3の値に対応するサンプルサウンドデータをサウンド演奏プログラムで演奏する手段と、インターネットのホームページ上に表示された、録音デバイスの作成注文の部分を選択し、その際第1の値と第2の値と第3の値及び第6の値を通信装置を通してサーバー側のコンピューターへ書き出す手段と、上記サーバー側のコンピューターへ書き出された第1の値をデバイス種類データ記録手段へ記録し、第2の値をデバイス録音時間データ記録手段へ記録し、第3の値を注文曲番データ記録手段へ記録する手段と、デバイス種類データによりデバイスのレコーダーを決定する手段と、デバイス録音時間データとデバイス種類データにより録音デバイスを決定する手段と、注文曲番データに対応するサウンドデータを決定する手段と、上記決定したレコーダーを駆動し、上記決定したサウンドデータを、上記決定した録音デバイスへ録音する手段と、注文曲番データに対応する歌詞データを出力する手段と、注文曲番データに対応する曲名データを出力する手段、とからなる。」(4欄7行ないし5欄49行)

(オ)「次にユーザーは、この表示された検索結果一覧表16の中から注文したい曲をランダムに選んで、曲番データの表示16a部分をマウスなどの入力装置11を使って選択し、あらかじめホームページ上に表示された注文したい曲を入れるエリア17の好きな行へ移動(例えばドラッグ)する、このとき中央処理装置8は、メモリ9中の制御プログラムクライアント6bの指令を受け、移動するたびに曲番データの表示16aとそれに対応する曲名データの表示16b、演奏時間データの表示16c、価格データの表示16dが注文したい曲を入れるエリア17の移動先の行に新しく表示(曲番17a、曲名17b、演奏時間17c、価格17d)される、また、同時に中央処理装置8は、メモリ9中の制御プログラムクライアント6bの指令を受け、ここで選ばれた曲番データの表示17aに対応する曲番データ2aを注文したい曲を入れるエリア17の行の順番17eでメモリ9へ記憶し、この値を第3の値とする。また中央処理装置8は、メモリ9中の制御プログラムクライアント6bの指令を受け、この第3の値に対応する演奏時間データ2cと価格データ2dを随時積算し、トータルの演奏時間17fとトータルの価格17gを得て表示装置10のホームページ上へ表示する、そしてトータルの演奏時間17fのデータをメモリ9へ記憶する、この値を第4の値とする。」(9欄42行ないし10欄15行)

(カ)【図2】には注文したい曲を入れるエリア17が記載され、そこには曲名が表形式で表示され、またトータルの演奏時間17fの表示や、残り時間表示18も行われている。

上記摘記事項(エ)ないし(カ)の内容を総合すると、引用例2には以下の事項が記載されている。
「選択した曲のリストと、トータルの演奏時間、及び、録音デバイスに録音できる残りの時間を表示する技術。」


(2-3)引用例3
田澤仁・岡地伸晃、「もっと聴かせて MP3」、日経WinPC、日本、日経BP社、1999年10月1日、第5巻、第10号、p200-203(以下、「引用例3」という。)の特に図6には、図面とともに「ユーティリティーソフト「NOMAD Manager」。左がNOMAD内部のメモリーで左上のviewボタンで内部メモリーとスマートメディアの表示を切り替えられる。右は転送元となるPC側のディレクトリー。」と説明が付されている。また、図6には記憶可能なメモリーの量も表示している。したがって、引用例3には以下の事項が記載されている。
「複数の種類のメモリーである、接続されたNOMAD内部のメモリーとスマートメディアを、viewボタンにより切り替え可能に表示するものであり、記憶可能なメモリーの量と、転送元であるPCのディレクトリも同時に表示する技術。」


(3)対比
次に、本件補正発明を引用例1発明と比較する。

・引用例1発明の「記録ブロック」「全再生時間K」「算出する手段」が、それぞれ、本件補正発明の「オーディオデータ」「総容量」「計算手段」に相当する。
・引用例1発明の、記憶させる制御を行っている「制御手段」が、本件補正発明の「記憶制御手段」に相当する。
・引用例1発明は、算出された全再生時間Kが別の記憶媒体に録音可能な録音可能時間Tより大きければ、録音することは不可能であることを、例えば「NG」のように表示する手段を有していることから、全再生時間Kが録音可能時間Tを超えていることを通知しているといえ、そのための通知手段が存在していると考えるのが自然である。そして、引用例1発明の「録音可能時間T」が、本件補正発明の「記憶可能容量」に相当する。
・また、引用例1発明の記録再生システムは、例えば全再生時間Kと録音可能時間Tの比較を行うなどの情報処理をしており、情報処理装置ということができる。

したがって、本件補正発明と引用例1発明とは、以下の[一致点]で一致し、[相違点1]ないし[相違点3]で相違する。

[一致点]
「複数のオーディオデータの中から選択された1以上のオーディオデータの総容量を計算する計算手段と、
前記計算手段による前記総容量の計算対象となった前記オーディオデータを記憶媒体に記憶させる制御を行う記憶制御手段と、
前記計算手段により計算された前記総容量が記憶媒体に記憶可能な記憶可能容量を超える場合、前記総容量が前記記憶可能容量を超えることを通知する通知手段と、
を備える、
情報処理装置。」

[相違点1]
本件補正発明が、「選択された前記1以上のオーディオデータに関するデータ情報のリスト、および、前記計算手段により計算された前記総容量を表示手段に表示させる制御を行う表示制御手段」を有しているのに対して、引用例1発明はそのようなものではない点。

[相違点2]
本件補正発明では、「前記計算手段は、前記リストに前記データ情報が含まれている前記1以上のオーディオデータの中から、選択の解除が1以上なされた場合、前記計算手段は、選択が解除された1以上の前記オーディオデータを除く総容量を再計算することで、前記総容量の更新を行」うものであるのに対して、引用例1発明はそのようなものではない点。

[相違点3]
本件補正発明は、「 前記記憶媒体は複数種類存在し、
前記表示手段は前記複数種類の記憶媒体のうち接続されている複数種類の記憶媒体を表示させ、
前記接続されている複数種類の記憶媒体から、一の種類の前記記憶媒体を選択する選択手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記選択手段により選択された前記記憶媒体の記憶可能容量を前記表示部に表示させ、
前記通知手段は、前記総容量が前記選択手段により選択された前記記憶媒体の記憶可能容量を超える場合に通知を行い、
前記記憶制御手段は、前記選択手段により選択された前記記憶媒体に、前記オーディオデータを記憶させる制御を行う」ものであるのに対して、引用例1発明はそのようなものではない点。


(4)判断
上記相違点について検討する。

[相違点1]について
引用例1発明においては、複数の記録ブロックから選択された1つ以上の記録ブロックの全再生時間Kを算出をおこなっている。ここで、上記(2-2)で示したように、選択した曲のリストやトータルの演奏時間を表示する技術は周知の技術にすぎないから、引用例1発明において、算出を行う際の根拠となっている各記録ブロックの再生時間や算出した全再生時間Kを確認のために表示するような構成とすることは、上記周知技術を勘案すれば、当業者が適宜設計できた程度の技術事項にすぎない。したがって、相違点1とした本件補正発明の構成は格別のものではない。

[相違点2]について
上記「(2-1)(ウ)」に摘記したように、引用例1には、録音可能時間Tと全再生時間Kを比較し、KがTより大きければ「NG」の表示を行ない、選択のやり直しを促すことについて記載されている。そうしてみると、KをTより小さくするように一旦選択した記録ブロックの選択の削除を可能とする構成とすることは当業者が格別な創意工夫を要することなく容易に想到し得た構成にすぎない。また、KがTより小さくなったことを確認するために全再生時間Kを再計算するように構成することも、格別な発明力の発揮を必要としたものではない。したがって、相違点2とした本件補正発明の構成は格別のものではない。

[相違点3]について
上記(2-3)に記載したように、引用例3には記録媒体を複数種類とし、接続されている記録媒体が表示可能であり、viewボタンによりそのうちの一つを選択し、選択した記録媒体について記録可能メモリーを表示する技術について記載されている。そうしてみると、引用例1発明に当該技術を適用することにより、相違点3とした構成のうち、
「記憶媒体は複数種類存在し、
前記表示手段において表示されるのは前記複数種類の記憶媒体のうち接続されている複数種類の記憶媒体であり、
前記接続されている複数種類の記憶媒体から、一の種類の前記記憶媒体を選択する選択手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記選択手段により選択された前記記憶媒体の記憶可能容量を前記表示部に表示させ」るという構成は、当業者が容易に想到できたものである。
そして、このように選択手段により一の種類の記憶媒体を選択する構成とすることによって、総容量が記憶媒体の記憶可能容量を超える場合の通知を、選択手段により選択された記憶媒体の記憶可能容量に基づくものとすること、及び、オーディオデータの記憶を、選択手段により選択された記憶媒体に対して行う構成とすることも、適宜なし得た程度の技術事項にすぎない。そうすると、相違点3とした構成のうち
「前記通知手段は、前記総容量が前記選択手段により選択された前記記憶媒体の記憶可能容量を超える場合に通知を行い、
前記記憶制御手段は、前記選択手段により選択された前記記憶媒体に、前記オーディオデータを記憶させる制御を行う」構成も格別なものとはいえない。

以上検討したとおり、本件補正発明は、当業者が引用例1発明、引用例1に記載された事項、引用例3に記載された事項、及び周知技術に基づいて容易に想到できたものであるから、特許法第29条第2項に規定する要件を満たしておらず、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。


4.補正却下の決定のむすび
以上のとおり、本件補正は、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。



第3 本願発明
1.本願発明について
平成21年4月27日の手続補正は、上記「第2」に記載したとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は本件補正前の平成20年11月7日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものである。

「複数のオーディオデータの中から選択された1以上のオーディオデータの総容量を計算する計算手段と、
選択された前記1以上のオーディオデータに関するデータ情報のリスト、および、前記計算手段により計算された前記総容量を表示手段に表示させる制御を行う表示制御手段と、
前記計算手段による前記総容量の計算対象となった前記オーディオデータを記憶媒体に記憶させる制御を行う記憶制御手段と、
前記計算手段により計算された前記総容量が記憶媒体に記憶可能な記憶可能容量を超える場合、前記総容量が前記記憶可能容量を超えることを通知する通知手段と
を備え、
前記計算手段は、
前記リストに前記データ情報が含まれている前記1以上のオーディオデータの中から、選択の解除が1以上なされた場合、前記計算手段は、選択が解除された1以上の前記オーディオデータを除く総容量を再計算することで、前記総容量の更新を行う
情報処理装置。」


2.引用例について
原査定の拒絶の理由で引用された引用例に記載された事項は、上記「第2 3.(2-1)及び(2-2)」に記載したとおりである。


3.対比、判断
本願発明は、本件補正発明から、上記補正事項「第2 2.(a)」とした構成の限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件をすべて含み、さらに他の発明特定事項を付加したものに相当する本件補正発明が、上記「第2 3.(4)」に記載したとおり、引用例1発明、引用例1に記載された事項、引用例3に記載された事項、及び周知技術に基づいて、当業者が容易に想到することができたものであることから、本願発明は、本件補正発明と同様の理由(だたし、[相違点3]に係る理由は除く。)により当業者が容易に発明をすることができたものである。
そして、本願発明の作用効果も、引用例1発明、引用例1に記載された事項、及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。


4.審判請求人の意見について
平成23年2月4日に提出された回答書において、審判請求人は以下のような主張をしている
「(a)本願の説明
本審判請求人は、本願発明について拒絶理由を受領して再度補正の機会を賜ることを希望します。もし、補正の機会が与えられたならば、本審判請求人は、特許請求の範囲を次のように補正するつもりです。
すなわち、審判請求時の補正後の請求項1、請求項4、および請求項6乃至請求項8を、新たな請求項1乃至請求項5とする補正をするつもりです。換言すれば、特許請求の範囲を、審判請求時の補正後の特許請求の範囲から、請求項2、請求項3、請求項5、および請求項9乃至請求項11を削除したものとするつもりです。」
しかしながら、上記「第2 3.」において検討したように、本件補正後(審判請求時の補正後)の請求項1に係る発明は特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、たとえ請求項2、請求項3、請求項5、および請求項9乃至請求項11を削除したとしても結論に影響するものではなく、審判請求人の主張は採用できない。

また、審判請求人は前記回答書において以下のようにも主張している。
「この点、引用例1乃至引用例3には、上述した本願発明の特徴的構成については、一切記載されていません。
例えば、引用例1では、全再生時間が、装着されたカセットテープの録音可能時間よりも大きい場合には警告が表示されますが、引用例1では複数種類の記憶媒体を接続し、それらのうちの1つを選択することはできません。
したがって、引用例1では、接続された複数の記憶媒体のそれぞれについて、全再生時間が録音可能時間よりも大きいかを個別に計算し、警告の表示を行なうことはできません。
また、引用例2では、複数種類の記憶媒体のうち、選択された記憶媒体のメモリサイズと空き容量が表示されるだけであるため、ユーザは、各記憶媒体を順番に選択しながら、表示された空き容量と、データの総容量とをいちいち比較しなければなりません。
このように、補正後の請求項1乃至請求項5に記載の本願発明は、引用例1乃至引用例3には開示されていない構成を有するとともに、引用例1乃至引用例3に記載の発明では実現することが出来ない作用効果を有し、これらの発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとは、到底認められません。 」
しかしながら、上記の主張において審判請求人は本願発明と引用例1及び引用例2との相違については主張しているものの、引用例3との相違については主張しておらず、引用例1乃至引用例3に、本願発明の特徴的構成が一切記載されていないとする主張の根拠も不明である。したがって、上記審判請求人の主張も採用することはできない。



第4 むすび
上記「第3」で述べたとおり、本願請求項1に係る発明は、引用例1発明、引用例1に記載された事項、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、その他の請求項について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-08-26 
結審通知日 2011-08-30 
審決日 2011-09-12 
出願番号 特願平11-304052
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石井 茂和高瀬 勤  
特許庁審判長 清田 健一
特許庁審判官 山本 章裕
木方 庸輔
発明の名称 情報処理装置および方法、情報処理システム、並びにプログラム格納媒体  
代理人 稲本 義雄  
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