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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F04C |
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管理番号 | 1246224 |
審判番号 | 不服2011-7419 |
総通号数 | 144 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2011-12-22 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-04-08 |
確定日 | 2011-11-22 |
事件の表示 | 特願2006-275694「スクリュー圧縮機及びスクリュー圧縮機の制御方法」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 1月11日出願公開、特開2007- 2852、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
1.手続の経緯 本願は、平成8年2月2日に出願した特願平8-17235号の一部を平成14年6月20日に新たな特許出願とした特願2002-180066号の一部を平成18年10月6日に新たな特許出願としたものであって、平成22年12月27日付けで拒絶査定され、これに対し、平成23年4月8日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。 2.拒絶査定についての判断 拒絶査定の理由である第29条第2項について検討する。 本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明1」という。)は、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものであると認める。 「空気を圧縮する圧縮機本体と、 前記圧縮機本体を駆動するモータと、 前記モータに所望の電力を供給して前記モータの回転数を制御するインバータと、 前記圧縮機本体から吐出される吐出空気の圧力を検出する吐出空気圧力検出手段と、 前記圧縮機本体から吐出される吐出空気の圧力の所望の基準値となる吐出圧力設定値を定める吐出圧力設定手段と、 前記吐出圧力設定値が定格圧力より低く設定された場合に、前記吐出圧力設定値が定格圧力に設定された場合の最高回転数よりも大きい最高回転数を前記モータの負荷容量の範囲内で設定する最高回転数制御手段と、 前記吐出圧力設定値が定格圧力より低く設定された場合に、前記インバータを制御することにより、前記定格圧力より低く設定された吐出圧力設定値に基づいて前記最高回転数制御手段により予め設定された最高回転数を上限とする範囲で、前記吐出空気圧力検出手段により検出された圧力検出値に基づいて吐出圧力が前記吐出圧力設定手段により設定された吐出圧力設定値となるように制御しつつ、前記吐出空気の使用空気量の変化に応じて前記モータの回転数を制御する回転数制御手段と、 を有することを特徴とするスクリュー圧縮機。」 ここで、本願発明1における「吐出圧力設定値が定格圧力より低く設定された場合に、前記吐出圧力設定値が定格圧力に設定された場合の最高回転数よりも大きい最高回転数をモータの負荷容量の範囲内で設定する最高回転数制御手段」は、モータの回転数を増加することにより、定格空気量以上の空気量を得るためのものである(明細書段落【0024】の「・・・吐出圧力設定値に応じた最高回転数を設定することにより、定格圧力より低い圧力を設定した場合には、・・・定格空気量以上の空気量が得られ、・・・。なお、ここで、定格値というのは、製品仕様での代表値である。」なる記載、図2?4を参照)。 一方、原査定の拒絶理由で引用された引用文献1(ターボ機械、日本、日本工業出版(株)、1994年6月10日、第22巻第6号、p.381-p.387)の図12には、縦軸が吐出圧力比、横軸が使用空気量比のグラフで示された一定圧力制御範囲について開示されており、ここで、吐出圧力比が100%未満の範囲において使用空気量比が100%以上、つまり、定格空気量以上の空気量が得られることが開示されている。 しかしながら、引用文献1の記載内容からは、当該範囲における使用空気量比の増加が何によって達成されているのかを特定することはできない(スクリュー圧縮機の体積効率によるものなのか(吐出側の圧力が低い場合には、体積効率が高くなるため、回転数が一定であっても使用空気量比は大きくなる)、モータの回転数の増加によるものなのか等)。 そうすると、少なくとも本願発明における「吐出圧力設定値が定格圧力より低く設定された場合に、前記吐出圧力設定値が定格圧力に設定された場合の最高回転数よりも大きい最高回転数をモータの負荷容量の範囲内で設定する最高回転数制御手段」を設けることを当業者が容易に想到し得たとすることはできない。 また、本願発明1を引用する本願の請求項2に係る発明についても同様の理由により、当業者が容易に想到し得たとすることはできない。 3.まとめ 本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2011-11-08 |
出願番号 | 特願2006-275694(P2006-275694) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(F04C)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 尾崎 和寛 |
特許庁審判長 |
大河原 裕 |
特許庁審判官 |
神山 茂樹 仁木 浩 |
発明の名称 | スクリュー圧縮機及びスクリュー圧縮機の制御方法 |
代理人 | 井上 学 |