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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G01P
管理番号 1248250
審判番号 不服2009-12952  
総通号数 146 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-07-16 
確定日 2011-05-31 
事件の表示 特願2005-512458「加速度センサの特性調整方法」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 2月10日国際公開、WO2005/012922、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 本願は、平成16年 7月 1日(優先権主張 平成15年 8月 4日)の出願であって、その請求項1に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。

すなわち、原査定の拒絶理由に引用された引用文献1(特開2002-107372号公報)、引用文献2(特開平11-230980号公報)、引用文献3(特開2003-215152号公報)、引用文献4(特開2001-27648号公報)及び引用文献5(特開平11-51961号公報)のいずれにも、本願の請求項1に係る発明を特定する事項である、
「電極間でエネルギー閉じ込め振動が励振される振動部を有する第1,第2の共振子とを備え」た加速度センサに対し、「第1,第2の共振子は、その電極が加速度印加方向と直角方向を向くように、上記ベース版に接合され」た上で、「ケース部材によって固定支持された状態で上記第1又は第2の共振子の電極にレーザーを照射してトリミングを行うか、又は電極面に周波数調整用インクを塗布することで、2つの共振子間の共振特性差を調整する」ようにする方法が、記載されていない。

引用文献1には、2つの共振子に微妙に生じる共振特性差を調整するという課題を示唆する記載はなく、また、電極を加速度印加方向と直角方向を向くように設ける構成を示唆する記載もない。
また、引用文献2の加速度センサは、電極を、単一の圧電体基板の加速度印加方向と直角方向を向く面に設けた構成を有するが、「エネルギー閉じ込み振動が励振される」ものでも、「第1,第2の共振子は……ベース版に接合され」るものでもない。さらに電極は、圧電体基板の全面に設けられるものであって、該電極をトリミング等により調整することを示唆するものでもない。
さらに、引用文献3及び引用文献4は、共振子の電極を、ケース部材およびカバー部材の外表面に形成された電極に接続する技術を開示するにとどまるものであり、引用文献5は、検出素子の加速度印加方向と直角方向の高さをベース板の同方向の高さより小さくする技術を開示するにとどまるものである。

そして、本願の請求項1に係る発明は、「2つの共振子の特性差を調整するための作業が容易になり、2つの共振子の特性差を解消できる」(【0014】)という明細書に記載の効果を奏するものである。

したがって、本願の請求項1に係る発明は、原査定の拒絶理由に引用された文献に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明し得たものであるとはいえない。

また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2011-05-18 
出願番号 特願2005-512458(P2005-512458)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G01P)
最終処分 成立  
前審関与審査官 越川 康弘  
特許庁審判長 飯野 茂
特許庁審判官 森 雅之
松浦 久夫
登録日 2011-06-10 
登録番号 特許第4757026号(P4757026)
発明の名称 加速度センサの特性調整方法  
代理人 筒井 秀隆  

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