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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する H04L |
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管理番号 | 1248394 |
審判番号 | 訂正2011-390115 |
総通号数 | 146 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-02-24 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2011-10-11 |
確定日 | 2011-12-08 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第4741130号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第4741130号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
第1.請求の要旨 本件審判の請求の要旨は、特許第4741130号発明(2000年9月19日国際出願(パリ条約による優先権主張・外国庁受理1999年10月7日欧州特許庁)、平成23年5月13日設定登録)の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものである。 (1)訂正事項1 特許明細書の特許請求の範囲の請求項6について、 「データフレームを伝送する方法において、 該方法は、つぎのステップ、すなわち、 伝送するエレメントをインタリーバによってフレームのセットに分け、 データレート適合化のためにインタリーブの後、繰り返しステップを実行して、これによって当該繰り返しステップの繰り返しパターンにより、相前後して繰り返されるエレメント間で等しい距離が得られるようにし、ただし当該の等しい距離は、前記のインタリーバの前におけるエレメントの順序についての距離であり、前記の繰り返されるエレメントはつぎのようにして、すなわち、 a) 平均繰り返し距離の整数分の1であるqを式 【数10】 を使用して決定し、ただし は切り上げを表し、またNcは、前記のレート適合化前の各フレームのビット数を表して おり、Niは、前記のレート適合化後の各フレームのビット数を表しており、 b) 第1フレームにて繰り返すべきエレメントの最初のエレメントを選択し、 c) まず繰り返すべき第1のエレメントから始めて、第1フレームにて繰り返すべき第1エレメントから開始して、つぎのフレームにて繰り返すべき複数のエレメントのつぎのエレメントを選択し、ただし当該の選択は、エレメントのシーケンスについて平均繰り返し距離qを有するつぎのエレメントを選択することによって行われ、ここで当該の選択が行われるのは、前記の平均繰り返し距離qでつぎのエレメントを選択した場合につぎのフレームが二重に繰り返されない場合であり、平均繰り返し距離qを有するつぎのエレメントを選択することによって、つぎのフレームが繰り返されることになる場合には、qとは変化させた距離を有するつぎのエレメントを選択し、 d) 前記の複数のフレームであるすべてのフレームが1回繰り返されるまでステップc)を反復することを特徴とする、 データフレームを伝送する方法。」 とあるを、 「データフレームを伝送する方法において、 該方法は、つぎのステップ、すなわち、 伝送するエレメントをインタリーバによってフレームのセットに分け、 データレート適合化のためにインタリーブの後、繰り返しステップを実行して、これによって当該繰り返しステップの繰り返しパターンにより、相前後して繰り返されるエレメント間で等しい距離が得られるようにし、ただし当該の等しい距離は、前記のインタリーバの前におけるエレメントの順序についての距離であり、前記の繰り返されるエレメントはつぎのようにして、すなわち、 a) 平均繰り返し距離の整数部分qを式【数10】 を使用して決定し、ただし は切り上げを表し、またNcは、前記のレート適合化前の各フレームのビット数を表して おり、Niは、前記のレート適合化後の各フレームのビット数を表しており、 b) 第1フレームにて繰り返すべきエレメントの最初のエレメントを選択し、 c) まず繰り返すべき第1のエレメントから始めて、第1フレームにて繰り返すべき第1エレメントから開始して、つぎのフレームにて繰り返すべき複数のエレメントのつぎのエレメントを選択し、ただし当該の選択は、エレメントのシーケンスについて平均繰り返し距離qを有するつぎのエレメントを選択することによって行われ、ここで当該の選択が行われるのは、前記の平均繰り返し距離qでつぎのエレメントを選択した場合につぎのフレームが二重に繰り返されない場合であり、平均繰り返し距離qを有するつぎのエレメントを選択することによって、つぎのフレームが繰り返されることになる場合には、qとは変化させた距離を有するつぎのエレメントを選択し、 d) 前記の複数のフレームであるすべてのフレームが1回繰り返されるまでステップc)を反復することを特徴とする、 データフレームを伝送する方法。」 と訂正する。(下線部は訂正箇所を示す。以下同じ。) (2)訂正事項2 特許明細書の特許請求の範囲の請求項15について、 「データフレーム伝送装置において、 伝送するエレメントをインタリーバによってフレームのセットに分ける分配部と、 繰り返しステップを実行するための実行部とを有しており、当該実行部は、データレート適合化のため、インタリーブの後、繰り返しステップの繰り返しパターンにより、任意の連続して繰り返される2つのエレメント間の距離が平均繰り返し距離よりも大きくならないようにし、 当該の平均繰り返し距離は、前記のインタリーバの前のエレメントの順序についての距離であり、 繰り返されるエレメントは、 a) 平均繰り返し距離の整数分の1であるqを式 【数14】 を使用して決定し、ただし は切り上げを表し、またNcは、前記のレート適合化前の各フレームのビット数を表しており、Niは、前記のレート適合化後の各フレームのビット数を表しており、 b) 第1フレームにて繰り返すべきエレメントの最初のエレメントを選択し、 c) まず繰り返すべき第1のエレメントから始めて、第1フレームにて繰り返すべき第1エレメントから開始して、つぎのフレームにて繰り返すべき複数のエレメントのつぎのエレメントを選択し、ただし当該の選択は、エレメントのシーケンスについて平均繰り返し距離qを有するつぎのエレメントを選択することによって行われ、ここで当該の選択が行われるのは、前記の平均繰り返し距離qでつぎのエレメントを選択した場合につぎのフレームが二重に繰り返されない場合であり、 平均繰り返し距離qを有するつぎのエレメントを選択することによって、つぎのフレームが繰り返されることになる場合には、qとは変化させた距離を有するつぎのエレメントを選択し、 d) 前記の複数のフレームであるすべてのフレームが1回繰り返されるまでステップc)を反復することを特徴とする、 データフレーム伝送装置。」 とあるを、 「データフレーム伝送装置において、 伝送するエレメントをインタリーバによってフレームのセットに分ける分配部と、 繰り返しステップを実行するための実行部とを有しており、当該実行部は、データレート適合化のため、インタリーブの後、繰り返しステップの繰り返しパターンにより、任意の連続して繰り返される2つのエレメント間の距離が平均繰り返し距離よりも大きくならないようにし、 当該の平均繰り返し距離は、前記のインタリーバの前のエレメントの順序についての距離であり、 繰り返されるエレメントは、 a) 平均繰り返し距離の整数部分qを式【数14】 を使用して決定し、ただし は切り上げを表し、またNcは、前記のレート適合化前の各フレームのビット数を表しており、Niは、前記のレート適合化後の各フレームのビット数を表しており、 b) 第1フレームにて繰り返すべきエレメントの最初のエレメントを選択し、 c) まず繰り返すべき第1のエレメントから始めて、第1フレームにて繰り返すべき第1エレメントから開始して、つぎのフレームにて繰り返すべき複数のエレメントのつぎのエレメントを選択し、ただし当該の選択は、エレメントのシーケンスについて平均繰り返し距離qを有するつぎのエレメントを選択することによって行われ、ここで当該の選択が行われるのは、前記の平均繰り返し距離qでつぎのエレメントを選択した場合につぎのフレームが二重に繰り返されない場合であり、 平均繰り返し距離qを有するつぎのエレメントを選択することによって、つぎのフレームが繰り返されることになる場合には、qとは変化させた距離を有するつぎのエレメントを選択し、 d) 前記の複数のフレームであるすべてのフレームが1回繰り返されるまでステップc)を反復することを特徴とする、 データフレーム伝送装置。」 と訂正する。 第2 当審の判断 1.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び拡張・変更の存否について (1)訂正事項1について 訂正前の特許請求の範囲の【請求項6】における「平均繰り返し距離の整数分の1であるqを式」に記載中の「平均の繰り返し距離の整数分の1であるq」については、当該qの定義式が【数10】において と定義されており、そして、当該qの定義式中に用いられている記号 が切り上げを表すとされており、また、当該記号がその記号中の実数値に対して実数値以上の最小の整数として定義する天井関数であることは周知であることから、当該qの定義式の値は「整数分の1」という数値になり得るものではなく、式の意味からすれば記号中の「Nc/|Ni-Nc|」の実数値以上の最小の「整数部分」の値となるものである。 さらに、当該qの定義式は、【請求項4】にも【数7】として記載されており、【請求項4】では当該qの定義式について「a) 平均の繰り返し距離の整数部分q」としており、また、本件明細書の段落【0056】にも、当該qの定義式が【数20】として記載されており、段落【0056】でも当該qの定義式について「a) 平均の繰り返し距離の整数部分q」としている。 したがって、当該【数10】として記載されたqの定義式の式の意味、【請求項4】及び段落【0056】のqの定義式に関する記載から、本件の【請求項6】の「平均の繰り返し距離の整数分の1であるq」が「平均繰り返し距離の整数部分q」の誤記であることは明らかであるから、訂正事項(1)は、単なる誤記の訂正というべきものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。 (2)訂正事項2について 訂正前の特許請求の範囲の【請求項15】における「平均繰り返し距離の整数分の1であるqを式」に記載中の「平均の繰り返し距離の整数分の1であるq」については、当該qの定義式が【数14】において と定義されており、そして、当該qの定義式中に用いられている記号 が切り上げを表すとされており、また、当該記号がその記号中の実数値に対して実数値以上の最小の整数として定義する天井関数であることは周知であることから、当該qの定義式の値は「整数分の1」という数値になり得るものではなく、式の意味からすれば記号中の「Nc/|Ni-Nc|」の実数値以上の最小の「整数部分」の値となるものである。 さらに、当該qの定義式は、【請求項4】にも【数7】として記載されており、【請求項4】では当該qの定義式について「a) 平均の繰り返し距離の整数部分q」としており、また、本件明細書の段落【0056】にも、当該qの定義式が【数20】として記載されており、段落【0056】でも当該qの定義式について「a) 平均の繰り返し距離の整数部分q」としている。 したがって、当該【数14】として記載されたqの定義式の式の意味、【請求項4】及び段落【0056】のqの定義式に関する記載から、本件の【請求項15】の「平均の繰り返し距離の整数分の1であるq」が「平均繰り返し距離の整数部分q」の誤記であることは明らかであるから、訂正事項(1)は、単なる誤記の訂正というべきものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでない。 2.独立特許要件について 訂正後の特許請求の範囲の請求項6及び請求項15に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものか否かについて検討する。 訂正後の特許請求の範囲の請求項6及び請求項15に係る発明に対しては、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由を発見しない。 したがって、訂正後の特許請求の範囲の請求項6及び請求項15に係る発明は、特許法第126条第5項の規定に適合する。 第3 むすび したがって、本件審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項ないし第5項に適合する。 よって、結論の通り審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 データフレームを伝送する方法および装置ならびにデータレートを適合化する方法および装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】データレート適合化方法において、 伝送すべきデータを、第1のインタリーバにより、ビットの形態でフレームのセットに分け、 データレート適合化のために前記のインタリーブの後に繰り返しステップを実行し、これによって各フレームにて同数のビットが繰り返され、かつ当該繰り返されたビットの距離が、前記の第1のインタリーバの前にて、伝送されるビットの順序について互いに均一になるようにし、 前記の繰り返しステップの繰り返しパターンをシフトして適用し、 当該の繰り返しパターンは、前記の複数のフレームの第1フレーム内でも、フレームのセットの別のフレーム内でも適用され、 前記の繰り返しレートは整数分の1ではなく、 前記のフレームのセットに対する繰り返しパターンのシフトS(k)は、整数分の1であるつぎに小さい繰り返しレートのシフトを使用して行われ、 前記の複数のフレームのフレームkに対する繰り返しパターンのシフトS(k)はつぎのようにして得られ、すなわち、 - 平均繰り返し距離qを式 【数1】 を使用して計算し、ただし は切り上げを表し、||は絶対値を表し、またN_(C)は、前記のレート適合化前の各フレームのビット数を表しており、N_(i)は、前記のレート適合化後の各フレームのビット数を表しており、 - if q=偶数 then q=q+lcd(q,F)/F end if とし、ただしlcd(q,F)は、qとFとの最大公約数であり、Fはフレームの数であり、 - 前記の各フレームkの繰り返しパターンのシフトであるS(k)を for i=0 to F-1 【数2】 end for を使用して計算し、ただし は切り下げを表し、R_(F)(k)は、前記の第1インタリーバのフレーム交換操作の逆数であり、 - 前記のフレームkの繰り返しパターンをS(k)だけシフトすることを特徴とする データレート適合化方法。 【請求項2】フレームkへの繰り返しパターンの適用におけるシフトS(k)は、フレームk=0への当該繰り返しパターンの適用に対して、つぎのステップによって得られ、すなわち、 【数3】 ただし は切り下げ、また||は絶対値を表し、N_(C)は、前記のレート適合化前の各フレームのビット数を、またN_(i)は、前記のレート適合化後の各フレームのビット数をそれぞれ表しており、 if q=偶数 then q=q+lcd(q,F)/F end if ただしFはフレームの数を、またlcd(q,F)は、qとFとの最大公約数をそれぞれ表しており、 for i=0 to F-1 【数4】 end for ただし は切り下げを意味し、R_(F)(k)は、前記の第1インタリーバのフレーム交換操作の逆数であり、 前記の各ステップを実行することによって得られる、 請求項1に記載の方法。 【請求項3】フレームkへの繰り返しパターンの適用におけるシフトS(k)は、つぎのステップによって得られ、すなわち、 平均の繰り返し距離を計算し、 【数5】 ただし は、つぎの大きな整数に切り上げることを意味し、 if q=偶数 -- 同じ行が早く出現しすぎて2回目になることを回避する then q’=q+lcd(|q|,F)/F -- ここでlcdは最大公約数を表す -- q’は整数ではなく、1/8ないしはFの倍数である -- ||は絶対値を表す else q’=q endif S(k)、フレームkのシフトを計算する: for i=0 to F-1 【数6】 end for であり、ただし は切り下げを表し、R_(F)(k)は、第1インタリーバのフレーム交換操作の逆変換であり、 前記各ステップを実行することによって得られる、 請求項1に記載の方法。 【請求項4】繰り返すべきビットはつぎのステップを有する方法によって得られ、すなわち、 a)平均の繰り返し距離の整数部分qを 【数7】 によって決定し、ただし は切り上げを表し、またN_(C)は、前記のレート適合化前の各フレームのビット数を、またN_(i)は、前記のレート適合化後の各フレームのビット数をそれぞれ表しており、 b)第1のフレームにて繰り返すべきビットを選択し、 c)つぎのフレームにてつぎに繰り返すべきビットを、前のフレームの最後に繰り返すべきビットから出発して選択し、 ここで当該選択は、前記の最後に繰り返されたビットから開始して、元々の順序について距離qを有するつぎのビットをそれぞれ選択することによって行われ、ここで当該選択は、当該選択によってフレームが2回繰り返されることがない限りは行われ、その他の場合にはqに対して変更された距離を有するビットが選択され、 d)すべてのフレームが1回繰り返されるまでステップc)を繰り返すことによって得られる、 請求項1から3までのいずれか1項に記載の方法。 【請求項5】フレームkへの繰り返しパターンの適用におけるシフトS(k)は、フレームk=0への当該繰り返しパターンの適用に対して、つぎのステップによって得られ、すなわち、 a)平均の繰り返し距離分qをつぎの関係式 【数8】 にしたがって計算し、ただし は切り上げ、また||は絶対値を表し、またN_(C)は、前記のレート適合化前の各フレームのビット数を、またN_(i)は、前記のレート適合化後の各フレームのビット数をそれぞれ表しており、 b)qが偶数の場合、つぎの関係式 q=q+lcd(q,F)/F にしたがって変更された平均の繰り返し距離qを計算し、ただしFはフレーム数を、またlcd(q,F)はqとFとの最大公約数を表し、 c)変数iを0に等しく設定し; d)S(k)を関係式 【数9】 にしたがって計算し、ただし は切り下げを意味し、 e)iを1だけ増加し、 f)ステップd)およびe)をi=F-1まで繰り返す、 前記のステップを実行することによって得られる、 請求項1に記載の方法。 【請求項6】データフレームを伝送する方法において、 該方法は、つぎのステップ、すなわち、 伝送するエレメントをインタリーバによってフレームのセットに分け、 データレート適合化のためにインタリーブの後、繰り返しステップを実行して、これによって当該繰り返しステップの繰り返しパターンにより、相前後して繰り返されるエレメント間で等しい距離が得られるようにし、ただし当該の等しい距離は、前記のインタリーバの前におけるエレメントの順序についての距離であり、前記の繰り返されるエレメントはつぎのようにして、すなわち、 a)平均繰り返し距離の整数部分qを式 【数10】 を使用して決定し、ただし は切り上げを表し、またN_(C)は、前記のレート適合化前の各フレームのビット数を表しており、N_(i)は、前記のレート適合化後の各フレームのビット数を表しており、 b)第1フレームにて繰り返すべきエレメントの最初のエレメントを選択し、 c)まず繰り返すべき第1のエレメントから始めて、第1フレームにて繰り返すべき第1エレメントから開始して、つぎのフレームにて繰り返すべき複数のエレメントのつぎのエレメントを選択し、ただし当該の選択は、エレメントのシーケンスについて平均繰り返し距離qを有するつぎのエレメントを選択することによって行われ、ここで当該の選択が行われるのは、前記の平均繰り返し距離qでつぎのエレメントを選択した場合につぎのフレームが二重に繰り返されない場合であり、平均繰り返し距離qを有するつぎのエレメントを選択することによって、つぎのフレームが繰り返されることになる場合には、qとは変化させた距離を有するつぎのエレメントを選択し、 d)前記の複数のフレームであるすべてのフレームが1回繰り返されるまでステップc)を反復することを特徴とする、 データフレームを伝送する方法。 【請求項7】前記繰り返しレートは、整数分の1でなく、第1のフレーム内で適用される繰り返しパターンはシフトされて、前記のフレームのセットの別のフレーム内でも適用され、 q′に対して適用されるシフトが適用され、ただしq′はqからつぎのように計算され、すなわちqがつぎの整数q″に切り上げられ、この場合にq″とFとが互いに素でないならば、q″とFとの最大公約数をFによって除算して加算し、ただしFはフレームの数である、 請求項6に記載の方法。 【請求項8】前記の繰り返しパターンのシフトがパンクチャレートに基づいて決定され、ここで該パンクチャレートは、100%の倍数から繰り返しレートを減算したものに等しく、 前記パンクチャレートは0以上100%未満の範囲にある、 請求項6に記載の方法。 【請求項9】対応するパンクチャレートがあらかじめ設定される条件を満たす場合には、前記の繰り返しパターンのシフトが当該パンクチャレートに基づいて決定される、 請求項8に記載の方法。 【請求項10】対応するパンクチャレートが0%から50%以下の範囲にある場合には、前記の繰り返しパターンのシフトが当該パンクチャレートに基づいて決定される、 請求項9に記載の方法。 【請求項11】フレームkへの繰り返しパターンの適用におけるシフトS(k)は、つぎのステップによって得られ、すなわち、 数字符号を有する平均の繰り返し距離を計算し: R=(N_(i)-N_(C))mod N_(C) -- ただしx mod N_(C)は0?N_(C)-1の範囲であり、 if R≠0 かつ 2*R≦Nc then 【数11】 else 【数12】 end if if q=偶数 then q’=q+lcd(|q|,F)/F else q’=q endif ただしlcd(|q|,F)は|q|とFとの最大公約数を表し、q’は整数ではなく、1/8ないしはより一般的には1/Fの倍数であり、 フレームkのシフトS(k)を式 for k=0 to F-1 【数13】 end for によって計算し、 ただしR_(F)(k)は、前記のインタリーバのフレーム交換操作の逆変換である、 前記の各ステップを実行することによって得られる、 請求項8に記載の方法。 【請求項12】前記エレメントは2進数である、 請求項6に記載の方法。 【請求項13】前記フレームは10msの持続時間を有し、 前記インタリーブは、複数個のフレームにわたって行われ、ここでフレームの個数は2のべきである、 請求項6に記載の方法。 【請求項14】前記フレームは、CDMA無線伝送方式を使用して送信される、 請求項6に記載の方法。 【請求項15】データフレーム伝送装置において、 伝送するエレメントをインタリーバによってフレームのセットに分ける分配部と、 繰り返しステップを実行するための実行部とを有しており、当該実行部は、データレート適合化のため、インタリーブの後、繰り返しステップの繰り返しパターンにより、任意の連続して繰り返される2つのエレメント間の距離が平均繰り返し距離よりも大きくならないようにし、 当該の平均繰り返し距離は、前記のインタリーバの前のエレメントの順序についての距離であり、 繰り返されるエレメントは、 a)平均繰り返し距離の整数部分qを式 【数14】 を使用して決定し、ただし は切り上げを表し、またN_(C)は、前記のレート適合化前の各フレームのビット数を表しており、N_(i)は、前記のレート適合化後の各フレームのビット数を表しており、 b)第1フレームにて繰り返すべきエレメントの最初のエレメントを選択し、 c)まず繰り返すべき第1のエレメントから始めて、第1フレームにて繰り返すべき第1エレメントから開始して、つぎのフレームにて繰り返すべき複数のエレメントのつぎのエレメントを選択し、ただし当該の選択は、エレメントのシーケンスについて平均繰り返し距離qを有するつぎのエレメントを選択することによって行われ、ここで当該の選択が行われるのは、前記の平均繰り返し距離qでつぎのエレメントを選択した場合につぎのフレームが二重に繰り返されない場合であり、 平均繰り返し距離qを有するつぎのエレメントを選択することによって、つぎのフレームが繰り返されることになる場合には、qとは変化させた距離を有するつぎのエレメントを選択し、 d)前記の複数のフレームであるすべてのフレームが1回繰り返されるまでステップc)を反復することを特徴とする、 データフレーム伝送装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 本発明は、データフレームを伝送する方法および装置ならびにデータレートを適合化する方法および装置に関し、ここでは殊に伝送すべきビットの繰り返しが使用される。 【0002】 ディジタル通信システムというものは、データの伝送に対して、このデータが所定の形式で表されることによって設計される。ここでこの所定の形式とは、通信媒体を介するデータの伝送が軽減される形式のことである。例えば無線伝送の場合、データは無線信号として表されてこの通信システムの送信機と受信機との間で伝送される。広帯域電気通信網の場合、データを光として表すことができ、また例えば光ファイバー網を介してこのデータをシステムの送信機と受信機との間で伝送することができる。 【0003】 データの伝送中、伝送されるデータのビットまたはシンボルが改ざんされてしまうことがあり、この結果、このビットまたはシンボルを受信機において正しく決定することができなくなる。このような理由からデータ通信システムには、伝送中に発生するデータの改ざんを軽減する手段を有することが多い。このような手段のうちの1つは、システムの送信機に符号化器を備えることであり、ここでこの符号化器により、伝送の前にデータがエラー制御コードにしたがって符号化される。このエラー制御コードはつぎのように設計される。すなわち制御が行われてこのエラー制御コードにより、データに冗長性が付与されるように設計されるのである。受信機では、伝送中に発生するエラーを訂正することができ、ここでこれはエラー制御コードを復号化し、これによって元々のデータを再現することにより行われる。この復号化は、受信機に既知であるエラー制御コードに相応するエラー復号化アルゴリズムを使用して行われる。 【0004】 データを符号化した後、データレートの適合化(レートマッチング rate matching)のために、これらのデータを伝送する前に、符号化されたデータのブロックからデータビットまたはシンボルをパンクチャまたは反復(繰り返す)しなければならないことが多い。ここでパンクチャ/繰り返しとは、符号化されたデータブロックからビットを取り除くまたは消去するプロセス、ないし符号化されたデータブロックからのビットを繰り返すプロセスのことである。ここで上記のビットを取り除くプロセスの影響は、パンクチャされたビットがこのデータブロックによって伝送されないことであり、また上記のビットを繰り返すプロセスの影響は、繰り返すべきビットがこのデータブロックによって複数回伝送されることである。以下では1用語「パンクチャ」ないしは「反復/繰り返し」だけが頻繁に使用されるとしても、当然のことながらそれとは別のケースすなわち「反復/繰り返し」ないしは「パンクチャ」に対しても本発明をそれぞれ使用可能である。 【0005】 パンクチャが必要となり得るのは、例えば、データ搬送媒体を介してデータを伝送するのに使用される多元接続方式によって、所定のサイズを有するブロックにデータをフォーマットすることが要求されるからである。ここでこの所定のサイズと、符号化されたデータフレームのサイズとは等しくない。 【0006】 したがって符号化されたデータフレームを、所定のサイズの伝送データブロックに収容するためには、符号化されたデータフレームが伝送ブロックのサイズよりも大きい場合には、符号化されたデータフレームからデータビットをパンクチャして、符号化されたデータブロックのサイズを小さくするか、または符号化されたデータフレームが伝送ブロックの所定のサイズよりも小さい場合には、符号化されたデータフレームのビットを繰り返す。データフレームが伝送データブロックよりも小さい場合には、データビット(ビット)またはデータシンボルが、この伝送データブロックの残りを満たすために必要な量だけ繰り返される(反復される)。 【0007】 符号化されたデータフレームをパンクチャすることの1つの影響は、元々のデータが正しく再現される確率が低減されてしまうことであり、このことは当業者に公知である。さらに公知のエラー制御コードの性能およびこのエラー制御コードの復号化の性能が最大であるのは、データの伝送中に発生するエラーが、ガウスノイズに起因する場合である。それは伝送データブロックにわたってエラーが無関係に分散するという影響をガウスノイズが有するからである。符号化されたデータフレームをパンクチャすべき場合には、符号化されたデータフレームの、ビットがパンクチャされる位置は、できる限り互いに離れているべきである。この点ではパンクチャ位置はデータフレームにわたって均一に分散すべきである。例えば、インタリーブを使用しない無線通信システムの場合、エラーは伝送中に断続的に発生することが多く、またビットの繰り返しによって品質はデータフレームの特定の領域だけにおいて殊に高められるのではなくできるだけ均一に高められるべきであるため、符号化または符号化されていないデータフレームにおける、データビットが繰り返されるべきビット位置も適切に配置して、これがデータフレーム全体において均一に互いに分かれているようにすべきである。 【0008】 符号化されたデータフレームにおいてパンクチャまたは繰り返されるべきビットまたはシンボルの位置を選択する公知の方法には、1フレームにおけるビットまたはシンボルの数を、パンクチャまたは繰り返すべきビットまたはシンボルの数によって除算することと、この除算に相応する整数値によってビット位置を選択することとがある。しかしながらパンクチャすべきビットの数が、データフレームのビット数の整数の除算でない場合、パンクチャまたは繰り返されるビット位置の均一な間隔は得られず、これによってつぎのような欠点が生じてしまう。すなわち、所定のビット位置が、この整数よりも互いに近くに位置したり、この整数よりも互いに離れて(部分的には大きく離れて)位置したり、また多くの場合には隣接して位置するという欠点が生じてしまう。 【0009】 伝送多重化方式におけるインタリーブは、2つのステップで実行されることが多い。パンクチャ/反復を行う種々の解決手段は、例えばこれがUMTSシステムに対して行われているようにパンクチャが第1のインタリーバ(1st interleaver)の後に行われる場合、決まった結果を有する。この際に殊に注意しなければならないのは、列交換を有するブロックインタリーバ、例えば、UMTSに使用されるFS-MIL(FS-Multistage Interleaver)を、レート適合化アルゴリズムに関連して上りパス多重化方式におけるインタリーバとして使用する際には性能が低下してしまう可能性があることである。上記の第1のインタリーバの後、フレームに割り当てられたビットはさらに第2のインタリーバによってインタリーブされ、これは例えば、TS 25.212(詳細については以下を参照されたい)″4.2.11 2nd interleaving″の章に記載されている。しかしながらこの第2のインタリーバは、パンクチャ/反復の様相には影響を与えない。このため以下ではこれをさらに考慮しない。つまり本発明から見ればこのインタリーバは無意味なのである。したがってこの明細書では上記の第1のインタリーバをしばしば単にインタリーバとも称する。 【0010】 列交換を有するブロックインタリーバはつぎのように動作する。すなわちまずビットを行毎にマトリクスに書き込む。このマトリクスはF個の列からなり、ここでFはフレーム(以下ではしばしば無線フレームないしは列とも称される)の数であり、これらのフレームに、1データフレームのデータが分割される。TS 25.212(詳細については以下を参照されたい)″4.2.5 1st interleaving″も参照されたい。 【0011】 UMTS規格の現在の版(3GPP TSG RAN WG1;Multiplexing and channel coding (FDD);TS 25.212 V2.3.0 (1999-10))の″4.2.7 Rate matching″の章、殊に″4.2.7.1.2 Determination of parameters needed for calculating the rate matching pattern″の節には、寄稿文献R1-99641 (Siemens;Properties of optimised puncturing scheme;TSG-RAN WG1#5,June 1-4,Cheju,Korea)に示された手法が記載されている。この手法では、パンクチャされるビットはできる限り均一に分けられ、かつ例えば接近して相並ぶビットがパンクチャされるケースが回避される。これは、このパンクチャが、インターフレームインタリーバの後に適用される場合にも行われる。この同じ方法は、繰り返しの場合にも適用することができ、この際にも同様に良好な結果が得られる。 【0012】 上記の寄稿文献R1-99641では、レート適合化方式に対するつぎの変更が提案されている。すなわちレート適合化は、パンクチャ/繰り返しパターンにより、共通のパターンがすべてのフレームに適用されることによって行われるのであり、ここでこのパターンは個々のフレームにおいてシフトされる。シフトを計算するため、簡単な計算ルールが示され、この計算ルールによって、列交換(「行毎の処理」(″row-by-row-processing″)の代わりにここでは列交換という用語を使用する。一部ではカラムランダマイズまたは列ランダマイズとも称される)の影響がインタリーバ(例えばFS-MIL)によって考慮される。 【0013】 列交換の過程が式において考慮されることにより、実践的な理由から後に行われなければならないのにかかわらず、あたかもインタリーバの列交換の前にレート適合化が実行されたかのように同じ効果が得られる。このことは、S(列ないしはフレーム毎のパターンのシフト)ないしはe_(offset)(フレーム毎に実行される、以下にさらに説明するレート適合化アルゴリズムに使用されるパラメタ)を計算する式に、列交換ルール、より正確にいえばその逆変換RF(ないしはR_(F)またはRF(k)ないしR_(F)(k))を使用することによって達成される。類似の手順をパンクチャおよび繰り返しに使用することができ、ここで本発明では殊に繰り返しの場合を扱う。ここで第1のインタリーバ後の、別の条件によって強制されるレート適合化の実行によって、パンクチャおよび繰り返しパターンの最適な形成に対して複数の結果がもたらされる。 【0014】 良好な繰り返し方式の目的は、繰り返されるビットをできる限り均一に分散させることである。同じことが良好なパンクチャ方式に対しても当てはまる。上記の寄稿文献R1-99641に示された方式はつぎのように動作する(簡単のために以下ではつねにパンクチャ/繰り返しとは記載せずに一方のものについてだけ記載する。当然のことながら説明は他方のものについても適用可能である)。すなわち、最も均一な分散が得られるのは、nビット目毎に繰り返される場合である。繰り返しレートが整数でない場合、間隔を変更しなければならない。すなわち時としてn番目のビットを繰り返したり、n+1番目のビットを繰り返したりしなければならない。繰り返しを第1のインタリーバの後に適用する場合にもこの原理を適用することを試みることができる。しかしながらこの場合、別の付帯条件がある。すなわち繰り返されるビットは、すべての無線フレームに均一に分散されなければならないのである。 【0015】 例として図4において80msのインタリーブ間隔と、1:6の繰り返しレートとを仮定する。太字で印刷された数字は繰り返すべきビットを表す。6番目のビット毎に繰り返す場合、列0,2,4,6のビットだけが繰り返され、列1,3,5,7のビットは繰り返されないことになってしまい、これは繰り返されるビットを無線フレームに不均一に分散させることになる。繰り返しをすべての列に均一に分散させるためには、繰り返し間隔を何度か(この例では1回)変更して、つねに同じ列がパンクチャされることを阻止しなければならない。このことが図4に示されている。輪郭線の間隔が狭い水平方向の細い矢印は6の繰り返し間隔を示しており、輪郭線の間隔が広い水平方向の太い矢印はこれとは異なる5の繰り返し間隔を示しており、これによって、第1列があまりにはやく繰り返されて2回目になることが回避される。各列が1回ずつ繰り返された後は、繰り返しパターンを6行分下にシフトすることができ、これによって繰り返すべきつぎのビット(参照符号48ではじまる)が決定されこれが以降同様に行われる。この手法は明らかに、1つの列において6番目のビット毎にパンクチャしてこのパンクチャパターンを別の列において相対的に互いにシフトすることと同じである。 【0016】 以下ではパンクチャの例に基づいて、最適化されたこの方法に対する式ないしは計算ステップを示す。これは上記の寄稿文献において定義されており、かつパンクチャの場合には最も有利である。 【0017】 レート適合化前の無線フレーム当たりのビット数をN_(c)で、レート適合化後の無線フレーム当たりのビット数をN_(i)で、第の1行(k=0)におけるパンクチャ/繰り返すべきビットのインデックスないしは位置をm_(j)で、フレーム番号をkで、またインタリーブが実行されるフレームの数をFで示す。ここでは実質的にN_(c)>N_(i)なる場合、すなわちパンクチャの場合を考察する。しかしながらこの式は繰り返しに対しても適用可能である。この例ではパラメタの第1のセット:N_(c)=20,N_(i)=16,m_(1)=4,m_(2)=9,m_(3)=14,m_(4)=19,k=0…7,およびF=8が成り立つ。ここおよび本発明全体の枠内において2つ並んだ線「--」には相応するステップのコメントが続いている。 【0018】 この場合にパンクチャパターンのシフトはつぎの式によって行うことできる。 【0019】 -- 平均のパンクチャ間隔の計算 【0020】 【数15】 ここで は切り下げを、また||は絶対値を表す。 【0021】 if q=偶数 -- 特殊なケースを処理する then q=q-lcd(q,F)/F -- ここでlcd(q,F)は、qとFとの最大公約数である -- この最大公約数は、Fが2のべきの場合、ビット操作によって簡単に計算可能である -- 同じ理由からpによる計算を2値の固定小数点演算によって実行可能である(または択一的にはシフト演算を使用して整数演算によって行うことも可能である。) endif -- SとTの計算;Sは行のシフトmod Fを表し、またTはシフト量絶対値div Fを表す;したがってSはqについての行のシフト(すなわちmod F)を、またTはQについてのシフト量絶対値(すなわちdiv F)を表す; 【0022】 for i=0 to F-1 【数16】 end for ここで は切り下げを意味し、RF(k)によってインタリーバが逆変換される。 【0023】 実際の実現の際にはこの式を図5に示したように参照テーブルとして実現可能である。さらにこのテーブルは、RF(k)によって考慮される列交換の効果を有する。Sは、明らかに別の実現選択肢としてTから計算することも可能可能である。 【0024】 ここからeoffset(e_(offset))をつぎのように計算することができる: eoffset(k)=((2*S)+2*T*Q+1)*y+1)mod 2N_(c) ここでeoffset(k)により、eがUMTSに対するレート適合化方法においてプリロードされる。eoffsetのこの選択によって明らかに、列のパンクチャパターンのシフトが互い相対的に、ないしはk=0で示される列に対して値S+T*Qだけ行われる。eoffsetはeinitと称されることも多い。ここのフレーム内で適用される、UMTSに対するレート適合化方法は、TS25.212(詳細については上を参照されたい)、4.2.7.4節″Rate matching pattern determination″に記載されている。ここではエラー制御に基づくパンクチャないしは繰り返し方法が記載されている。この方法をここで再度説明する: レート適合化の前にビットをつぎのように記す: x_(i,1),x_(i,2),x_(i,3),x_(i,4),…,x_(i,N),ここでiは伝送チャネルの数(TrCH番号)であり、Nは、TS25.212の4.2.7.2節に定義されているパラメタである。 【0025】 ここでレート適合化アルゴリズムはつぎのように動作する: if パンクチャを行うべき: e=e_(ini) -- 目下のパンクチャレートと所望のパンクチャレートとの間の初期のエラー m=1 -- 目下処理するビットに対するインデックス do while m<=N e=e-e_(minus) -- エラー値を適合化する if e<=0 then -- ビット番号mをパンクチャすべきか否かを判定する ビットx_(i,m)をパンクチャする e=e+e_(plus) -- エラー値を適合化する endif m=m+1 -- つぎのビット end do else e=e_(ini) -- 目下のパンクチャレートと所望のパンクチャレートとの間の初期のエラー m=1 -- 目下処理するビットに対するインデックス do while m<=N e=e-e_(minus) -- エラー値を適合化する do while e<=0 then -- ビット番号mを繰り返すべきか否かを判定する ビットx_(i,m)を繰り返す e=e+e_(plus) -- エラー値を適合化する end do m=m+1 -- つぎのビット end do end if。 【0026】 ビットを繰り返す場合、このビットは元々すでに存在していたビットに直後に挿入される。 【0027】 簡略化された説明がつぎに示されており、ここでこれが簡単であるのは、qおよびQの計算が、Fによる除算およびFによる乗算の際に残りに対して別個に行われるのでなく、2つの成分に対して組み合わせられて行われるためである。これと同様にしてSおよびTをqおよびQに対して別個に計算するのではなく、同様に組み合わせて計算することができる。置換q+F*Q-->qおよびS+Q*T-->Sによってつぎに示す同じ説明が得られる。実現の詳細に応じて1つまたは別の計算手法(またはこれとは別の同等の手法)をより有利に実行することできる。 【0028】 -- 平均のパンクチャ間隔の計算 【0029】 【数17】 ここで は切り下げを、また||は絶対値を表す。 【0030】 if q=偶数 -- 特殊なケースを処理する then q=q-lcd(q,F)/F -- ここでlcd(q,F)は、qとFとの最大公約数である -- Fが2のべきであるため、lcdはビット操作によって簡単に計算可能であることに注意せよ -- 同じ理由からqによる計算を2値の固定小数点算術(または整数演算と数回のシフト演算)によって行うことが可能である。 【0031】 end if -- 列kのシフトのS(k)の計算; 【0032】 for i=0 to F-1 【数18】 end for -- RF(k)によってインタリーバが逆変換される 【0033】 この後、e_(offset)をつぎのように計算することができる: e_(offset)(k)=((2*S)*y+1)mod2Nc ここでe_(offset)(k)によりeがあらかじめレート適合化方法において初期化すされる。 【0034】 当業者には公知であるのは、e_(offset)のこの定義に使用される一定値1がすべての列ないしはフレームにおいて同じである場合、これを任意の別の値に置き換え可能なことである。説明を簡単にするという理由からこのことについて以下で明に扱うことはない。さらにここに示した方法をさらに変更または拡張することができる。しかしながらその際に基本的な仮定は引き続き維持されたままにする。 【0035】 パンクチャレートが奇数分の1(すなわち奇数の分母を有する)、例えば1:5または1:9の場合、この方法によってつぎと同じような完全なパンクチャパターンが形成される。すなわち、このパンクチャによって、レート適合化方法の使用の下で、インターリブの直前に適用されるのと同じ完全なパンクチャパターンが形成されるのである。別の場合には隣り合うビットがパンクチャされることはなく、またパンクチャされるビット間の間隔は、他のビットよりもlcd(q,F)+1まで大きくなることが可能である。この方法は、相応してビット繰り返し(ビット反復)にも適用可能である。隣り合うビットの繰り返しは、エラー補正コードの効率に、隣り合うビットのパンクチャの場合ほど大きな影響を与えないが、繰り返されるビットをできる限り均一に分散させることは有利である。 【0036】 この方法の基本的な目標設定は、パンクチャされるビット間の均一な間隔が元々の順序において達成されると同時に、別個のフレームにおいて同じ数のビットがパンクチャされるという制限が考慮されることである。これはパンクチャ間隔を所定の場合に1だけ少なくすることによって達成される。ここに示した方法は、これがこの間隔を1以上は決して少なくしない、かつこれが必要な回数だけ少なくする限りにおいては最適である。これにより、上記の制限の下でできる限りに良好なパンクチャパターンが得られる。 【0037】 以下の例が示しているのは、パラメタの第1のセット(N_(c)=20,N_(i)=16,m_(1)=4,m_(2)=9,m_(3)=14,m_(4)=19,k=0…7,およびF=8)の使用、すなわち1:5を有するパンクチャ(図6)である。最適化された方法によって明らかに回避されるのは、隣り合うビットのパンクチャだけではなく、さらに元々の順番において同じ間隔に分散されてパンクチャされるビットである。実際にこのパンクチャが、インターリブの前の符号化の直後に実行されたかのように同じ特性が達成される。 【0038】 ここではつぎのような場合、すなわち1:8を有するパンクチャを検証する(図7)。ここでも隣り合うビットのパンクチャは回避される。この場合には均一に間隔を置いたパンクチャを達成することはできない。それはそのようにすれば個々のフレームのすべてのビットがパンクチャされてしまうことになるからであり、これは全く受け入れることができない。この場合に隣り合うビットの距離のほとんどは7である(最適の分散における距離よりも1だけ少ない)。これに対していくつかの距離はより大きい(それぞれ8)。 【0039】 しかしながらこれまでに提案された解決手段、すなわち繰り返しパターンとしての適用において提案されたパンクチャパターンが、なおすべてのケースにおいてつねに最適ではないことが示された。このことから出発して、本発明の課題は従来技術の上記の欠点を小さくすることである。本発明の課題は殊に、例えばビットの繰り返しの場合、良好な品質を有する復号化を受信機において可能にする技術的な方式を提供することである。 【0040】 この課題は、請求項1,7および16の特徴部分に記載された特徴的構成によって解決される。本発明の発展形態は従属請求項に記載されている。 【0041】 これによれば本発明はつぎの認識に基づいている。すなわち受信機における復号化結果は送信機における繰り返しパターンに依存し、また良好なパンクチャパターンに対する評価基準と、良好な繰り返しパターンに対する評価基準とは互いに異なるという認識に基づいているのである。繰り返しパターンを決定する際に、良好な繰り返しパターンに関連する評価基準を特に考慮することにより、繰り返しの場合に、R1-99641に示したパターンと比較して性能が改善される。 【0042】 本発明の実施形態を、単なる実施例として、添付の図面を参照して説明する。ここで、 図1は、本発明の実施例を適用する際に発生する1:4繰り返しパターンを示しており、 図2は、移動無線通信システムのブロック図を示しており、 図3は、図1に示した通信ネットワークの基地局と移動局と間のパスを形成するデータ通信装置のブロック回路図を示しており、 図4は、最適化されたパンクチャ方式の原理の実施例(従来技術)を示しており、 図5は、ルックアップテーブル(従来技術)を示しており、 図6は、80msの第1インタリーブおよび1:5パンクチャ(従来技術)を示しており、 図7は、R1-99641に示された方法による1:8パンクチャ(従来技術)を示しており、 図8は、R1-99641に示された方法による1:4パンクチャ(従来技術)を示している。 【0043】 本発明の例示的な実施形態を移動無線通信システムに関連して説明する。移動無線通信システムは多元接続システムを備えており、これは、例えば時分割多重化(TDMA)における多元接続にしたがって動作し、例えばグローバル移動無線システム(GSM)、ヨーロッパ電気通信標準化機構において規格化された移動無線通信規格にしたがって使用されている。択一的にはこの移動無線通信システムが、符号分割多重化(CDMA)における多元接続にしたがって動作する多元接続システムを備えることも可能であり、ここでこれは例えば、第3世代の汎用移動無線システムに対して提案されたUTMSシステムにしたがって使用される。しかしながらここで明らかであるのは、本発明の例示的な実施形態を示すために任意のデータ通信システム、例えばローカルなデータネットワークまたは非同期伝送モードで動作する広帯域電気通信ネットワークを使用できることである。この例示的なデータ通信システムの特徴は、例えば、データがフレーム、パケットまたはブロックとして伝送されることである。移動無線通信システムの場合、データは、データを搬送する、所定のデータ量の無線信号のフレームにおいて伝送される。このような移動無線通信システムの例が図2に示されている。 【0044】 図2には3つの基地局BSが示されており、これらは、点線2によって定められたセル1によって形成される無線カバー領域において無線信号を移動局MSと交換する。基地局BSはネットワークリレーシステムNETによって一緒に結合されている。移動局MSと基地局BSとはデータを交換し、ここでこのデータの交換は、これらが参照符号4によって示した無線信号を、移動局MSおよび基地局BSに結合されたアンテナ6間で伝送することによって行われる。データは、データ通信装置を使用して、移動局MSと基地局BSとの間で伝送される。このデータ通信装置ではデータが無線信号4に変換され、この無線信号は、無線信号を識別する受信機のアンテナ6に伝送される。このデータは、受信機によって無線信号から再構成される。 【0045】 図3はデータ通信装置の例を示しており、これは無線通信パスを、移動局MSのうち1つと、基地局BSのうちの1つのとの間で形成し、ここで図2にも示されているエレメントには同じ参照符号が付されている。 【0046】 図3ではデータソース10によりデータフレーム8が形成され、ここでこのデータフレームはデータタイプによって決定されるレートを有し、このデータタイプは上記のソースによって形成される。ソース10によって形成されたデータフレーム8は、レート変換器12に供給され、これはデータフレーム8を伝送データブロック14に変換する。伝送データブロック14は、これがあらかじめ定めたサイズおよびデータ量と実質的に等しくなるように設計されており、ここでこれは、データを搬送する無線信号のフレームによって収容できるサイズおよびデータ量である。ここではこの無線信号を介してデータが無線インタフェースを通して伝送され、この無線インタフェースは、送信機18と受信機22とからなる対から構成される。 【0047】 データ伝送ブロック14は無線アクセスプロセッサ16に供給され、この無線アクセスプロセッサによって、無線アクセスインタフェースを介する伝送データブロック14の伝送のフロー制御が行なわれる。相応する時点に伝送データブロック14は無線アクセスプロセッサ16によって送信機18に供給され、この送信機は、データを搬送する無線信号のフレームにこの伝送データブロックを変換し、これらの無線信号は、この送信機に割り当てられた時間に伝送されてこの無線信号が伝送される。受信機22ではこの受信機のアンテナ6″によって無線信号が識別され、データフレームのダウンコンバージョンと再構成が行われ、このデータフレームは、無線アクセス-フロー制御逆変換装置24に供給される。無線アクセス-フロー制御逆変換装置24により、受信されたデータ伝送ブロックはレート変換逆変換装置26に供給され、ここでこれは多元接続-フロー制御逆変換装置24の制御の下で行われ、この制御は線路28を介して行われる。その後レート変換逆変換装置26によって、再構成されたデータフレーム8の表現が、このデータフレーム8に対する到達個所ないしはシンクに供給され、これはブロック30によって表されている。 【0048】 レート変換器12およびレート変換逆変換装置26は、これらが、伝送データブロック14において利用可能なデータ案内容量をできる限り最適に利用するように設計されている。これは本発明の例示的な実施形態ではレート適合化変換装置12によって行われ、このレート適合化変換装置によって、データフレームの符号化が行われ、引き続いて、符号化されたデータフレームから選択されたデータビットまたはシンボルのパンクチャまたは繰り返しが行われてデータブロック14にぴったり合う伝送データブロックが形成される。レート変換器12は、符号化器とパンクチャ器とを有する。この符号化器に供給されるデータフレーム8は符号化されて、符号化されたデータフレームが形成され、これがパンクチャ器に供給される。つぎにこの符号化されたデータフレームはパンクチャ器によってパンクチャされ、データ伝送ブロック14が形成される。 【0049】 パンクチャないしは繰り返しは、共通のパンクチャパターンないしは繰り返しパターンを別個のフレームにおいて互いに相対的にシフトして適用することに行われる。パンクチャ/繰り返しは、(無線フレーム内)インタリーバの後に適用されるが、このパンクチャ/繰り返しが列交換の前に行われたかのように同じ効果、すなわち同じパンクチャ/繰り返しパターンが得られる。 【0050】 しかしながら意外なことにこの方法は繰り返しの場合にさらに改善可能である。これが可能であるのは、良好な繰り返しパターンとパンクチャパターンとの間には違いがあるからである。すなわちパンクチャにおいては、相前後するビットをパンクチャすることは殊に不利な結果をもたらす。さらに回避すべきであるのは、相前後してパンクチャされるビット間の間隔が、平均的なパンクチャ間隔よりもはるかに小さいことである。その理由は、補強されてないしは比較的短い間隔で行われるパンクチャによって局所的にビット誤り率が大きくに増大し、この場合には全体的な性能が損なわれてしまうためである。 【0051】 以下では、公知および冒頭に説明した方法を繰り返しの場合に改善するために適用する変更を説明する。冒頭に説明した方法はパンクチャされたビットの均一な分散を達成するために明らかに最適である。 【0052】 相前後するビットの繰り返しによって、復号化器の結果が大きく悪化してしまうことはない。より一般的にいうと、相前後する繰り返しの距離が、中間の繰り返し距離よりも格段に小さい場合には性能が損なわれてしまうこともない。しかしながらこの距離が局所的に格段に大きい場合、そうでなければこの領域において繰り返しにより可能になる改善された復号化も得られない。このことは、ここでもビット誤り率が局所的に大きくなることを意味することになり、これは上記の不利なパンクチャにおけるのと同じである。したがって有利であるのは、わずかに大きくした繰り返し距離をより頻繁に使用し、これに相応して極めて大きくして距離をより少なく使用することである。この最適化評価基準を満たすために上記の方法をつぎのように変更して、個々の列における繰り返しパターンのシフトが決定されるようにする: - 繰り返しレートが整数分の1でないか、またはその逆数が整数であってもこの整数とフレームの数Fとが公約数を有しない場合、上記の繰り返しパターンをフレームに適用する際のシフトは、つぎのような繰り返しレートに相応するシフト、すなわち別の整数の整数分の1でありかつこの別の整数とフレームの数Fとが公約数を有する繰り返しレートであってつぎに小さい繰り返しレートに相応するシフトとする。 - 平均的なパンクチャ距離qが計算される場合、これはより小さなつぎの整数に下方に切り下げられるのではなく、より大きなつぎの整数に上方に切り上げられる(これが行われるのはqそれ自体がまだ整数でない場合である)。 【0053】 - qが偶数の場合、これは減少されるのではなく増大される。 【0054】 この場合、簡略化された形態の上記の式ないしは上記の簡略化された計算ステップは、この変更によってつぎのようになる(当然のことながら相応する変更は、式の1番目に示した形態においても、または任意の別の表現においても行うことができ、これによって所望の適合化が繰り返しに対して達成される): 【0055】 【数19】 -- 同じ列が早く出現しすぎて2回目になることを回避する。 ここで は切り上げを、||は絶対値を表す。 【0056】 if q=偶数 then q=q+lcd(q,F)/F -- ここでlcd(q,F)は、qとFとの最大公約数を表す -- この最大公約数は、Fが2のべきの場合にビット操作によって簡単に計算可能である -- 同じ理由からpによる計算を2値の固定小数点演算によって実行可能である。(または択一的にはシフト演算を使用して整数演算によって行うことも可能である。) endif - Sの計算;ここでSは列毎のパターンのシフトのことである。また繰り返すべきビットはつぎのステップを有する方法によって得られ、繰り返すべきビットはつぎのステップを有する方法によって得られ、すなわち、 a)平均の繰り返し距離の整数部分qを 【数20】 によって決定し、ただし は切り上げを表し、またN_(C)は、前記のレート適合化前の各フレームのビット数を、またN_(i)は、前記のレート適合化後の各フレームのビット数をそれぞれ表しており、 b)第1の列にて繰り返すべきビットを選択し、 c)つぎの行にてつぎに繰り返すべきビットを、前列の最後に繰り返すべきビットから出発して選択し、 ここで当該選択は、前記の最後に繰り返されたビットから開始して、元々の順番について距離qを有するつぎのビットをそれぞれ選択することによって行われ、ここで当該選択は、当該選択によって列が2回繰り返されることがない限りは行われ、その他の場合にはqに対して変更された距離を有するビットが選択され、 d)すべての列が1回繰り返されるまでステップc)を繰り返す。 【0057】 for i=0 to F-1 【数21】 end for ここで は切り下げを意味し、RF(k)(RF(k)に相応する)は、第1のインタリーバの逆変換、詳しくいうと第1のインタリーバのフレーム交換操作の逆変換である。開発中のUMTSシステムの場合にはこの関数はそれ自体逆数である。 【0058】 ここでパラメタe_(offset)はつぎのように計算することができる: e_(offset)(k)=((2*S(k)*|N_(i)-N_(C)|+1)mod 2N_(C) 個々の列kのパンクチャ/繰り返しパターンは、互いに相対的に絶対値S(k)だけシフトされる。パンクチャ/繰り返すべきビットの計算に対していわゆるエラー分散アルゴリズムを使用する場合、このシフトは、初期のエラー値を上記のようにプリロードすることに得られる。当然のことながらシフトを得るために別の実現も可能であり、これは例えば列内で別のパンクチャ方式を使用する場合である。 【0059】 パンクチャと繰り返しとの間には別の違いがある。パンクチャレートは理論的にも決して100%(このことは各ビットがパンクチャされることを意味する)を上回ることはない。実践においては、約20%(特殊な場合におそらく50%)よりも大きなパンクチャレートにおける復号化性能は大きく損なわれてしまうため、このような高いパンクチャレートは回避される。しかしながら繰り返しレートについてはこのような制限はない。100%の繰り返しレート(すなわち各ビットが2回、伝送される)も十分に可能であり、より高い繰り返しレートさえも可能である。各ビットは何回も繰り返すことができる。多くの繰り返しを送信すれば送信するほど、正しい復号化に対する確率が高くなる。 【0060】 80%の繰り返しレート(すなわちビットの80%が2重に伝送され、20%が一度だけ伝送される(すなわち繰り返されない))はつぎのようにも解釈することができる。すなわち、各ビットは繰り返され(つまり2回伝送され)るが、ビットの20%(より正確にいうと2重にする前の元々のビットの20%)がパンクチャされると解釈することも可能である。すなわちビットの20%が、残りのものと比較してより少ないエネルギーで、ひいてはより低い信頼性で伝送される。これはビットの20%がパンクチャされる場合と極めて類似する。 【0061】 この2つの場合にビットの20%が、残りのものと比較してより低い信頼性で伝送される。しかしながらパンクチャ(パンクチャされるビットを介して情報は伝達されない)における信頼性の違いは、繰り返しの排除における信頼性の違いよりも大きく、ここでは関連するビットを介する情報の品質は、他のビットに対してよりも少なくとも半分ほど良好である。 【0062】 20%のパンクチャと80%の繰り返しとが上述のように同等であることに起因して、つぎの置き換えを行った場合、20%のパンクチャに対して最適であるパンクチャパターンは、80%の繰り返しに対しても最適である可能性がある: 【0063】 【表1】 【0064】 上に説明した、およびTS25.212(詳細については上記を参照されたい)においてUMTSに対しても設けられているパンクチャないしは繰り返し方法によって、パンクチャが第1のインタリーバの前に実行される場合に対して、上記の2つの場合にも同じパターンが形成される。場合によってはパターンは一定の絶対値だけ相対的に相互にシフトされる。しかしながらパンクチャが第1のインタリーバの後、はじめて(インターフレームインタリーバ)行われる場合、これにはこの方法の変更が必要である。この変更は、上記の寄稿文献R1-99641におけるパンクチャ(パンクチャパターンのシフトの最適化)の場合、また上に説明したような場合(繰り返しに対するパターンの最適化されたシフト)に示されている。 【0065】 パンクチャまたは繰り返しレートは r=(N_(i)-N_(C))/N_(C) と表すことができ、ここでN_(C)はレート適合化前のビットの数であり、またN_(i)はレート適合化後のビットの数である。ここで繰り返し(すなわちN_(i)>N_(C))に場合に「同等の」レートをつぎのように定義する: re=((N_(i)-N_(C)/2)modN_(C)-N_(C)/2)/N_(C)。 【0066】 すなわち列間のパターンの最適なシフトに関して、20%のパンクチャレートは80%,180%,280%等々の繰り返しレートと同等である。同様に30%の繰り返しレートは、130%,230%,330%等々の繰り返しレートと同等である。 【0067】 本発明の別の様相はつぎのような認識である。すなわち個々の列におけるパンクチャパターンの相対的なシフトが、実際の繰り返しレートの代わりに、この有効な繰り返しレートreに基づいて計算することもできるという認識である。ここではreが0より大きいかまたは小さいかに応じて、このためにパンクチャに対するシフトを計算する式か、繰り返しに対するシフトを計算する式かのいずれかを使用しなければならない。 【0068】 別の実施例として変数qをつぎのようにreの逆数として計算することも可能である: q=N_(C)/((N_(i)-N_(C)/2)modN_(C)-N_(C)/2)。 【0069】 N_(C)が奇数の場合にN_(C)/2を計算するためには複数のやり方がある。切り上げたり、切り下げたり、または分数値によって引き続き計算する、すなわち丸めを回避することも可能である。この計算手法によれば、qの数字符号は、パンクチャまたは繰り返しのどちらを実行しなければならないかについての情報を有する。すなわちqを相応の式に代入する前に、まず絶対値を計算しなければならないことがある。 【0070】 別の実施例としてパターンのシフトを計算する式をつぎのように計算することができる。この定式化は、パンクチャと繰り返しとを区別する必要がなく、2つのケースが同じ式によってカバーされるという付加的な利点を有する。上述した原理を考慮してパンクチャパターンのシフトを定義する別の式を得ることは、当業者には可能なことである。 【0071】 【数22】 ここで は、つぎの大きな整数に切り上げることを意味し、例えば、 【数23】 である。 【0072】 if q=偶数 -- 同じ行が早く出現しすぎて2回目になることを回避する then q’=q+lcd(|q|,F)/F -- ここでlcdは最大公約数を表す -- この最大公約数は、Fが2のべきの場合、ビット操作によって簡単に計算可能である -- q’は整数ではなく、1/8ないしはより一般的にはFの倍数である -- ||は絶対値を表す else q’=q endif - S(k)を計算する。ここでSはフレームkに対する列毎のパターンのシフトである。S(k)は、上記のように初期のエラー値eを上に引用したレート適合化アルゴリズムにおいて計算するために使用可能であり、これはUMTS仕様TS25.212に記載されている。 【0073】 for i=0 to F-1 【数24】 end for。ここで は切り下げを表す。 【0074】 上記の実施例ではモジュロ演算によって同等のパンクチャ/繰り返しレートreが計算される。択一的には、100%の倍数をレートにおいて考慮するためにだけモジュロ演算を利用し、このレートが50%よりも大きいかまたは小さいかの区別を問い合わせによって実現することも可能である。同時にqをつねに数字符号を有する量として計算することも可能であり、これによって上記の実施例の利点、すなわちパンクチャおよび繰り返しの統一的な計算が保たれるようにする。0による除算を回避するために場合によっては、適合化を行う必要のない場合を特別に扱うこと必要がある。したがってつぎの同等な式が得られる: R=(N_(i)-N_(C))mod N_(C) -- ここでx mod N_(C)は0?N_(C)-1の範囲であり、例えば-1mod10=9である -- したがってRは、N_(C)と乗算された同等の繰り返しレート(0?50%の範囲にある)である 【0075】 if R≠0 かつ 2*R≦Nc -- 同等の繰り返しレートが50%よりも小さい場合、繰り返しが行われ、この場合、q>0である。 then 【数25】 else -- 別の場合にはパンクチャが行われ、この場合q>0である 【数26】 end if 【0076】 -- ここでqは数字符号付きの量である if q=偶数 then q’=q+lcd(|q|,F)/F -- ここでlcd(|q|,F)は、|q|とFとの最大公約数を表す -- q’は整数ではなく、1/8ないしは1/Fの倍数である else q’=q endif 【0077】 for k=0 to F-1 【数27】 end for 【0078】 すでに何度も述べたように、上に示した式ではインタリーバ内部での列交換の影響が考慮される。完全性を期すために注意したいのは、この式によって記述される原理が、同等の結果をもたらす同等の表記によって表し得ることである。変更された表記の例を以下に簡単に示す: N_(C)->N_(i,j) N_(i)-N_(C)->delta N_(i,j) S(k)->S(P1_(Fi)(n_(i)))=S(RF(x)) F->F_(i) 図1は、1:4の繰り返しレートに対して提案された繰り返しパターンに対して結果的に得られたパターンを示している。太字で印刷された数字ないしは矢印が始まるまたは終了する数字は、繰り返すべきビットを表す。輪郭線の間隔が狭い矢印(例えば8から12への矢印)は、隣り合って繰り返されるビットの4の間隔を示し、細く示された矢印(例えば12から17への矢印)は5の間隔を示し、また輪郭線の間隔が広い矢印(例えば39から40への矢印)は1の間隔を示す。 【0079】 比較のために図8には同じ場合が、従来適用された繰り返し方法に対して示されており、ここでこれは例えばR1-99641に示されている。輪郭線の間隔が狭い矢印(例えば8から12への矢印)は隣り合って繰り返される4のビット間隔を示し、細く示された矢印(例えば12から15への矢印は3の間隔を示し、輪郭線の間隔が広い矢印(例えば33から40への矢印は)7の間隔を示す。 【0080】 2つの図を比較すると、本発明の枠内にある繰り返しパターンによって、繰り返されるビット間の比較的大きな間隔(図8の7)が回避されることがわかる。例えば繰り返し間の大きな間隔によって性能が損なわれるため、また本発明の方法によってこのような大きな間隔は回避されるため、本発明の方法を適用することは有利である。 【0081】 したがってレート適合化が第1のインタリーバの後に適用される場合、本発明の繰り返し方法によって実践的に最適な繰り返しパターンが形成される。ここでこの方法はとりわけ煩雑というわけではない。それはここでは無線フレーム毎に一度だけ適用すればよく、各ビットに対して適用する必要がないからである。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の実施例を適用する際に発生する1:4繰り返しパターンを示す図である。 【図2】 移動無線通信システムのブロック図である。 【図3】 図1に示した通信ネットワークの基地局と移動局と間のパスを形成するデータ通信装置のブロック回路図である。 【図4】 最適化されたパンクチャ方式の原理の実施例(従来技術)を示す図である。 【図5】 ルックアップテーブル(従来技術)を示す図である。 【図6】 80msの第1インタリーブおよび1:5パンクチャ(従来技術)を示す図である。 【図7】 R1-99641に示された方法による1:8パンクチャ(従来技術)を示す図である。 【図8】 R1-99641に示された方法による1:4パンクチャ(従来技術)を示す図である。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2011-11-15 |
結審通知日 | 2011-11-17 |
審決日 | 2011-11-29 |
出願番号 | 特願2001-529117(P2001-529117) |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(H04L)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 谷岡 佳彦 |
特許庁審判長 |
藤井 浩 |
特許庁審判官 |
新川 圭二 宮田 繁仁 |
登録日 | 2011-05-13 |
登録番号 | 特許第4741130号(P4741130) |
発明の名称 | データフレームを伝送する方法および装置ならびにデータレートを適合化する方法および装置 |
代理人 | 高橋 佳大 |
代理人 | 高橋 佳大 |
代理人 | 久野 琢也 |
代理人 | 星 公弘 |
代理人 | 久野 琢也 |
代理人 | 星 公弘 |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |
代理人 | アインゼル・フェリックス=ラインハルト |