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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F25D
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F25D
管理番号 1248620
審判番号 不服2009-20756  
総通号数 146 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-10-28 
確定日 2011-12-14 
事件の表示 特願2004-193210号「加熱・冷却装置」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 1月19日出願公開、特開2006- 17330号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成16年6月30日の出願であって、平成21年7月24日付け(発送日:平成21年8月4日)で拒絶査定がなされ、これに対して平成21年10月28日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、審判の請求と同時に手続補正がなされたものである。

第2.平成21年10月28日付け手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成21年10月28日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、
「加熱・冷却装置および撹拌装置を備える容器であって、
該加熱・冷却装置が、該装置内に液状の媒体および該媒体の蒸気を減圧状態で維持する手段と、該液状の媒体を加熱する加熱手段と、該媒体の蒸気を冷却する冷却手段とを備え、
該加熱・冷却装置が、該容器本体の外側面に備え付けられ、
該加熱・冷却装置が、該装置の上部に冷却手段を備え、そして、該冷却手段の下部に凝縮液散布手段を備えており、該冷却手段が該媒体の蒸気を凝縮して凝縮液を生成し、該凝縮液が該装置の伝熱面に沿って流れるように構成され、そして、
該撹拌装置が、撹拌によって生じる遠心力を利用して該容器本体内の液を汲み上げ、該容器本体の上部内壁に散布し得る液体散布装置として機能する、容器。」と補正された。

上記の補正は、発明を特定するために必要な事項である「液状の媒体を加熱する加熱手段および該媒体の蒸気を冷却する冷却手段からなる群から選択される少なくとも1つの手段」を、「液状の媒体を加熱する加熱手段と、該媒体の蒸気を冷却する冷却手段」と限定した上、さらに、発明を特定するために必要な事項である「加熱・冷却装置」について「装置の上部に冷却手段を備え、そして、該冷却手段の下部に凝縮液散布手段を備えており、該冷却手段が該媒体の蒸気を凝縮して凝縮液を生成し、該凝縮液が該装置の伝熱面に沿って流れるように構成され」ることを限定するものであり、かつ、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明と、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例とされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が独立する特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例とされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するかどうか)について以下に検討する。

2.引用刊行物とその記載内容
刊行物1:特開昭63-189763号公報
刊行物2:特開平4-338241号公報

(1)原査定の拒絶の理由に引用され、本願出願前に頒布された刊行物1には、加熱-冷却容器に関して以下の記載がある。

ア.「容器の一部に設置された、誘導コイルを備えた電磁誘導発熱機構と、
前記電磁誘導発熱機構によって加熱される気液二相の熱媒体を封入した液溜部を有する、前記容器本体の周囲に設けたジャケット室と、
前記ジャケット室内に設けた、蒸発した前記熱媒体を凝縮させるための熱交換装置および該交換装置によって凝縮した前記熱媒体を集液し整流して前記容器本体の外壁面に流下させるための集液整流装置、または凝縮機能と共に集液整流機能を有する熱交換装置、とからなり、
前記容器本体の内部に保有された被処理物を加熱する場合には、前記電磁誘導発熱機構によって加熱されて蒸発した、前記熱媒体の潜熱の授受によって加熱し、
前記被処理物を冷却する場合には、前記電磁誘導発熱機構によって加熱されて蒸発した前記熱媒体を、前記熱交換装置によって凝縮し、この凝縮した熱媒体を、前記集液整流装置または前記熱交換装置の集液整流機能によって、前記容器本体の外壁面に膜状または滴状にして流下させ、凝縮した前記熱媒体が前記容器内の前記被処理物の保有している熱量によって蒸発する際の潜熱の授受によって冷却するようになしたことを特徴とする加熱-冷却容器。」(公報第1ページ、特許請求の範囲の欄の記載)

イ.「本発明は容器の一部に設置した電磁誘導発熱機構によって、熱媒体を蒸発させ、蒸発した熱媒体が前記容器本体の外壁面で凝縮する際の潜熱の授受によって前記容器内の被処理物を加熱する容器において、被処理物を冷却する場合にも、熱媒体が蒸発する際の潜熱の授受によって冷却できるようにし、極めて応答の早い加熱・冷却が行えるようにすることを目的とする。」(公報第3ページ左上欄第10?17行の記載)

ウ.「本発明の実施例を図面によって説明すると、気液二相の熱媒体が、減圧封入された密閉ジャケット室2の内部の蒸気相部7に、冷却用の熱交換装置8を設ける。この熱交換装置8は本実施例ではフィン付パイプ9からなり、これを加熱-冷却容器本体lの外壁部5の外周にコイル状に巻回することによって設置する。このとき、フィン付パイプ9と容器外壁面5が接触しないように、適当な距離の隙間をおいて設置する。フィン付パイプ9には熱媒蒸気を凝縮させるための冷却用熱媒体が供給されるようになっており、12はその冷却用熱媒体の供給の出入口である。
熱交換装置8に冷却用熱媒体を供給することによって、熱交換装置8の表面で、ジャケット室2内部の加熱用熱媒体の蒸気が凝縮されて液滴となって落下するが、その凝縮液を集液し、集液した加熱用熱媒体の凝縮液を容器外壁面5に均一に流下させるための集液整流装置10が設置される。」(公報第3ページ右上欄第14行?左下欄第11行の記載/下線部は当審にて加入。以下同様。)

エ.「以上の構成において、電磁誘導発熱機構15を駆動すると、電流が誘起し、ジュール熱が発生してジャケット室2内の液溜部6の液相の熱媒体が加熱されて蒸発する。この蒸発した熱媒蒸気は容器本体の外壁面5に接触して凝縮し、その際、凝縮潜熱を放出して容器内部の被処理物4を加熱する。凝縮した熱媒体は再び液溜部6にもどって再度蒸発する。これを繰り返して容器内部の被処理物4を所定温度に加熱する。
次に反応熱や溶解熱などのような、容器内部の被処理物4から発生する熱量を除去して、所定温度に維持したり、次工程の操作を行うために容器内の被処理物4の温度を下げる場合には、ジャケット室2内のフィン付パイブ9に冷却用熱媒体を供給すればよい。冷却用熱媒体が供給されると、直ちにジャケット室2内の熱媒体蒸気がフィン付パイブ9の表面で凝縮し落下して集液整流板11によって集液され、容器外壁面5と集液整流板11との隙間から、容器外壁面5に沿ってほぼ均一に、膜状あるいは滴状になって流下する。流下中に凝縮液は、容器内部の高温の被処理物4から受ける熱によって蒸発し、その際蒸発潜熱を被処理物から奪うため、被処理物4の温度は極めて速やかに低下する。」(公報第3ページ右下欄第13行?公報第4ページ左上欄第16行の記載)

オ.第1図には、熱媒蒸気を冷却して凝縮するための熱交換装置8を構成するフィン付パイプ9が、ジャケット2における上部から下部にわたって設けられていること、フィン付きパイプ9の下部に集液整流装置10が設けられていること、加熱-冷却容器本体1内部に攪拌装置3を設けることが示されている。

以上のア.?エ.の記載と、オ.に示した図1から把握できる事項とを総合すると、刊行物1には、以下の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

「ジャケット室2および攪拌装置3を備える加熱-冷却容器本体1であって、ジャケット室2内に、気液二相の熱媒体が減圧封入されており、液相の熱媒体を加熱する電磁誘導発熱機構15と、熱媒蒸気を冷却して凝縮するフィン付パイプ9とを備え、
ジャケット室2が加熱-冷却容器本体1の周囲に設けられ、
ジャケット室2が、ジャケット室2における上部からほぼ中間部にわたって熱媒蒸気を冷却して凝縮するフィン付パイプ9を備え、そして、該フィン付きパイプ9の下部に集液整流装置10を備えており、該フィン付きパイプ9が熱媒蒸気を冷却して凝縮することにより凝縮液を生成し、該凝縮液が加熱-冷却容器本体1の容器外壁面5に沿って均一に流下するように構成される加熱-冷却容器。」

(2)原査定の拒絶の理由に引用され、本願出願前に頒布された刊行物2には、加熱冷却装置に関して以下の記載がある。

カ.「熱媒体を封入した加熱冷却室を有する熱交換器と、加熱冷却室に設けた液溜部と、該液溜部の熱媒体を加熱して蒸気を発生する加熱手段と、熱媒体を冷却し熱交換器を熱媒体の蒸発潜熱により冷却するものにおいて、液溜部の熱媒体に振動を与える振動発振体を取り付けた加熱冷却装置。」(特許請求の範囲の欄)

キ.「【0008】
【実施例】図示の実施例を詳細に説明する。本実施例においては、熱交換器として反応釜を用いた例を示す。加熱冷却室としてのジャケット室1を有した反応釜2と、ジャケット室1の下部に形成した液溜部3と、液溜部3の熱媒体を加熱する加熱手段4と、熱媒体を冷却する冷却手段5と、液溜部3の熱媒体に振動を与える振動発振体6で加熱冷却装置を構成する。
【0009】ジャケット室1は熱媒体の蒸発温度が所望値となるような圧力状態にする。例えば熱媒体として水を使用した場合、100度以下の加熱蒸気を必要とするならば、ジャケット室1内を大気圧以下の減圧状態に維持する。ジャケット室1は反応釜2の上部を除いたほぼ全周を覆うように設ける。ジャケット室1の下部には、円筒状の液溜部3を設け、熱媒体を封入する。」

ク.「【0011】反応釜2には、内部の被加熱冷却物を撹拌するための撹拌器11を取り付けると共に、被加熱冷却物の温度を検出するための温度センサ?12を取り付ける。」

以上のカ.?ク.の記載を総合すると、刊行物2には、以下の発明(以下「刊行物2記載の発明」という。)が記載されている。

「熱媒体を封入した加熱冷却室としてのジャケット室1と攪拌器11とを有する反応釜2であって、該ジャケット室1内を減圧状態に維持する手段を備えた加熱冷却装置。」

3.発明の対比
本願補正発明と、引用発明とを対比すると、引用発明における「ジャケット室2」は、その内部で熱媒の加熱及び冷却を行うためのものであるから、本願補正発明における「加熱・冷却装置」に、引用発明の「加熱-冷却容器本体1」は、本願補正発明の「容器」に、以下同様に、「気液二相の熱媒体」は、「液状の媒体」及び「媒体の蒸気」に、「液相の熱媒体を加熱する電磁誘導発熱機構15」は、「液状の媒体を加熱する加熱手段」に、「熱媒蒸気」は、「媒体の蒸気」に、「フィン付きパイプ9」は、「冷却手段」に、「加熱-冷却容器本体1の周囲」は、「容器本体の外側面」に、「集液整流装置」は、「凝縮液散布手段」に、「凝縮液が加熱-冷却容器本体1の容器外壁面5に沿って均一に流下するように構成」することは、「凝縮液が装置の伝熱面に沿って流れるように構成」することにそれぞれ相当する。

よって、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。

[一致点]
「加熱・冷却装置および撹拌装置を備える容器であって、
該加熱・冷却装置が、該液状の媒体を加熱する加熱手段と、該媒体の蒸気を冷却する冷却手段とを備え、
該加熱・冷却装置が、該容器本体の外側面に備え付けられ、
該加熱・冷却装置が、該冷却手段の下部に凝縮液散布手段を備えており、該冷却手段が該媒体の蒸気を凝縮して凝縮液を生成し、該凝縮液が該装置の伝熱面に沿って流れるように構成される容器。」

[相違点1]
本願補正発明においては、「加熱・冷却手段が、該装置内に液状の媒体および該媒体の蒸気を減圧状態で維持する手段」を備えるのに対し、引用発明においては、ジャケット室2(加熱・冷却装置)内に、気液二相の熱媒体(液状の楳体及び媒体の蒸気)が減圧封入されているものであるが、さらに、該熱媒体が減圧状態で維持される手段を備えるかまでは明らかでない点。

[相違点2]
本願補正発明においては、「加熱・冷却装置が、該装置の上部に冷却手段を備える」のに対し、引用発明においては、ジャケット室2(加熱・冷却装置)が、ジャケット室2における上部から下部にわたって熱媒蒸気を冷却して凝縮するフィン付きパイプ9(冷却手段)を備える点。

[相違点3]
本願補正発明においては、「撹拌装置が、撹拌によって生じる遠心力を利用して該容器本体内の液を汲み上げ、該容器本体の上部内壁に散布し得る液体散布装置として機能する」ものであるのに対し、引用発明においては、攪拌装置3がそのようなものであるかどうか明らかでない点。

4.当審の判断
そこで、上記相違点について検討する。

[相違点1について]
本願補正発明と、刊行物2記載の発明とを対比すると、刊行物2記載の発明における「熱媒体」は、本願補正発明における「媒体」に、以下同様に、「加熱冷却室としてのジャケット室1」は、「加熱・冷却装置」に、「攪拌器11」は、「攪拌装置」に、「反応釜2」は、「容器」にそれぞれ相当するから、刊行物2記載の発明は、媒体を封入した加熱・冷却装置および攪拌装置を備える容器であって、加熱・冷却装置内を減圧状態に維持する手段を備えたものといえる。そして、刊行物2記載の発明における「減圧状態に維持する」ことは、上記2.(1)キ.に示した「ジャケット室1は熱媒体の蒸発温度が所望値となるような圧力状態にする。例えば熱媒体として水を使用した場合、100度以下の加熱蒸気を必要とするならば、ジャケット室1内を大気圧以下の減圧状態に維持する。」の記載から、例えば100度以下の所望の温度における加熱蒸気による加熱を必要とした場合に行うものであるから、加熱の際、所望の温度の熱媒体の蒸気を得るなどのために、引用発明において、刊行物2記載の発明に倣って、加熱及び冷却を行うためのジャケット室2内において熱媒体を減圧状態に維持する手段を設けることにより上記相違点1に係る本願補正発明とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。

[相違点2について]
上記2.(1)エ.に示した刊行物1の記載には「次工程の操作を行うために容器内の被処理物4の温度を下げる場合には、ジャケット室2内のフィン付パイブ9に冷却用熱媒体を供給すればよい。冷却用熱媒体が供給されると、直ちにジャケット室2内の熱媒体蒸気がフィン付パイブ9の表面で凝縮し落下して集液整流板11によって集液され、容器外壁面5と集液整流板11との隙間から、容器外壁面5に沿ってほぼ均一に、膜状あるいは滴状になって流下する。流下中に凝縮液は、容器内部の高温の被処理物4から受ける熱によって蒸発し、その際蒸発潜熱を被処理物から奪うため、被処理物4の温度は極めて速やかに低下する。」とあり、フィン付きパイプ9及び集液整流板11をジャケット室2に設けることによる作用は本願補正発明のものと同様である。
そして、引用発明において、容器内を冷却する際に必要となる冷却能力などに応じてフィン付きパイプ9をジャケット室の上部に設けたものとし、上記相違点2に係る本願補正発明とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。

[相違点3について]
容器本体内に設けられた攪拌装置につき、「撹拌によって生じる遠心力を利用して該容器本体内の液を汲み上げ、該容器本体の上部内壁に散布し得る液体散布装置として機能する」ものであり、散布した液が容器の内壁に沿って流れ落ちるように構成して伝熱効率や伝熱速度を増大させることは、例えば、国際公開第02/26374号(明細書第5ページ第10?24行及び第1図等を参照)、特開2000-271404号公報(公報段落【0008】,【0015】?【0016】,【0033】,【0094】?【0095】等を参照)、特開2004-177553号公報(公報段落【0014】?【0015】,【0029】等及び図面を参照)により従来周知(以下「周知の技術的事項」という。)であるから、引用発明の攪拌装置において伝熱効率や伝熱速度を増大させるために、上記周知の技術的事項を適用して、撹拌によって生じる遠心力を利用して該容器本体内の液を汲み上げ、該容器本体の上部内壁に散布し得る液体散布装置として機能するものを採用し、上記相違点3に係る本願補正発明とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。

そして、本願補正発明全体により得られる効果も、引用発明、刊行物2記載の発明及び、周知の技術的事項から、当業者であれば予測できた範囲のものである。

よって、本願補正発明は、引用発明、刊行物2記載の発明及び、周知の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により独立して特許を受けることができない。

5.結び
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例とされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する、同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項により読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。

第3.本願発明について
1.本願の発明
本件補正は上述のように却下されたので、本願の請求項1に係る発明は、平成21年5月1日付けで手続補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。(以下「本願発明」という。)

「加熱・冷却装置および撹拌装置を備える容器であって、
該加熱・冷却装置が、該装置内に液状の媒体および該媒体の蒸気を減圧状態で維持する手段と、該液状の媒体を加熱する加熱手段および該媒体の蒸気を冷却する冷却手段からなる群から選択される少なくとも1つの手段とを備え、
該加熱・冷却装置が、該容器本体の外側面に備え付けられ、そして、
該撹拌装置が、撹拌によって生じる遠心力を利用して該容器本体内の液を汲み上げ、該容器本体の上部内壁に散布し得る液体散布装置として機能する、
容器。」

2.引用刊行物とその記載内容
引用刊行物は、上記「第2.2.」で記載したとおりのものである。

3.発明の対比・判断
本願発明は、上記「第2.」で検討した本願補正発明から、上記「第2.1.」に記載した限定を省いたものである。そうすると、本願発明の構成要件を全て含んだものに相当する本願補正発明が、上記「第2.4.」に記載したとおり、引用発明、刊行物2記載の発明及び、周知の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も同様に、引用発明、刊行物2記載の発明及び、周知の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.結び
以上のとおり、本願発明は、引用発明、刊行物2記載の発明及び、周知の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-02-23 
結審通知日 2011-03-01 
審決日 2011-03-14 
出願番号 特願2004-193210(P2004-193210)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (F25D)
P 1 8・ 121- Z (F25D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 槙原 進下原 浩嗣  
特許庁審判長 森川 元嗣
特許庁審判官 松下 聡
長崎 洋一
発明の名称 加熱・冷却装置  
代理人 進藤 卓也  

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