• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B41J
管理番号 1248713
審判番号 不服2010-20004  
総通号数 146 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-09-06 
確定日 2011-12-07 
事件の表示 特願2008-324968「印刷装置及び印刷装置の制御方法」拒絶査定不服審判事件〔平成21年 4月 9日出願公開、特開2009- 73200〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は、平成15年3月14日(優先権主張:平成14年3月14日、平成14年5月14日)に出願した特願2003-574445号の一部を平成20年12月22日に新たな特許出願としたものであって、平成21年9月17日、同年10月1日及び平成22年5月17日に手続補正がなされ、同年6月2日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年9月6日に拒絶査定に対する審判請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
その後、同年12月1日付けで、審判請求人に前置報告書の内容を示し意見を求めるための審尋を行ったところ、平成23年1月31日に回答書が提出された。
当審においてこれを審理した結果、同年7月8日付けで拒絶の理由を通知したところ、審判請求人は同年9月8日に意見書及び手続補正書を提出した。

2 本願発明
本願の請求項1ないし3に係る発明は、平成23年9月8日の手続補正後の特許請求の範囲、明細書及び図面の記載からみて、特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された事項により特定されるものであり、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、以下のとおりである。
「印刷対象データを記憶した第1の記憶媒体が装着される第1のインタフェースと、
印刷対象データを記憶した第2の記憶媒体が装着される第2のインタフェースと、
前記第1のインタフェースに前記第1の記憶媒体が装着され、かつ、前記第2のインタフェースに前記第2の記憶媒体が装着されている状態で印刷装置の電源が投入された場合に、前記第1のインタフェースに装着されている前記第1の記憶媒体からのみ、前記印刷対象データを読み出すためのアクセスを可能とし、前記電源の投入後、前記第2の記憶媒体が装着されている状態で前記第1の記憶媒体が非装着となった場合に、前記第2のインタフェースに装着されている前記第2の記憶媒体に自動的に切換えて、該第2の記憶媒体から前記印刷対象データを読み出すためのアクセスを可能とする排他制御部と、
前記排他制御部により前記印刷対象データを読み出すためのアクセスが可能とされた記憶媒体から前記印刷対象データを読み出す画像処理部と、
前記画像処理部により読み出された前記印刷対象データに対してユーザの印刷指示を受け付ける操作部と、
前記第1または前記第2のインタフェースに装着された前記第1または前記第2の記憶媒体に、ホスト装置からアクセスするためのポートと、
を備え、
前記排他制御部は、
前記電源の投入後、前記第2の記憶媒体が装着されている状態で前記第1の記憶媒体が非装着のとき、前記第1の記憶媒体が前記第1のインタフェースに装着された場合、前記第2の記憶媒体から前記印刷対象データを読み出すためのアクセスを維持することを特徴とする、印刷装置。」

3 引用刊行物
平成23年7月8日付け当審の拒絶の理由に引用され、本願優先権主張日前に頒布された刊行物である特開2002-62835号公報(以下「刊行物1」という。)には、以下の記載が図とともにある(下線は審決において付した。以下同じ。)。
ア 【0025】本体ケース11の上面には、少なくともプリントに関する情報を表示することが可能な表示手段としての液晶表示器16と、プリントに関する各種の命令を指示する指示手段としての操作ボタン17a?17iと、プリント動作の進行に係わる点灯表示を行なうLED(発光ダイオード)などで構成される表示ランプ18a?18dが配設されている。
【0026】操作ボタン17a?17iには、電源投入及び電源オフを指示する電源ボタン17a、印刷動作を指示するプリントボタン17b、印刷モード(標準プリント,インデックスプリント,全コマプリント,DPOF)を選択する印刷モードボタン17c、シャープネス(標準,ソフト,シャープ)を選択するシャープネスボタン17d、分割印刷の分割数(分割無し、2,4,9,16画面)を選択する分割ボタン17e、日付け印刷及び日付け印刷表示形態を指定する日付けボタン17f、メモリカード52の切換えを行なうカード切換ボタン17g、印刷コマ番指定モードと印刷枚数(コピー枚数)指定モードとを切り換えるコマ番/印刷枚数切換ボタン17h、コマ番又は印刷枚数の数を増減する(+)ボタン及び(-)ボタン17i、などがある。
イ 【0029】さらに、プリンタ装置の後方側には、前述のSMやCFなど複数のメモリカード52を着脱可能に収納する記録メディア収納部が設けられている。記録メディア収納部は、プリンタ装置本体10の後端部15にあるバッテリィ装着部と前述の操作ボタン部17a?17i及び液晶表示器16との間に位置し、SM及びCFを上下方向に挿脱し得る構造で設けられている。該記録メディア収納部の上面には、スマートメディア(SM)用挿入口61と、コンパクトフラッシュ(CF)用挿入口62が設けられている。また、コンパクトフラッシュ(CF)用挿入口62の横には挿着されたコンパクトフラッシュ(CF)を挿入口62から取り出すためのイジェクトボタン63が突没可能に設けてある。なお、スマートメディア(SM)に関しては、挿入口61に挿着されたスマートメディア(SM)を取り出すにはスマートメディア(SM)の後端部(図示上端部)を指で摘んで引き出せばよいのでイジェクト手段は特に必要としない。また、挿入口61,62の周辺には各メディアSM,CFの取り出しを容易にするために各挿入口61,62周辺の両側から挿入口に向かって下降するように傾斜した斜面部68,69が形成されている。
ウ 【0035】以上のようなプリンタ装置では、印刷するデータをプリンタ装置内の画像データ用バッファメモリ(図1のメモリカード85に相当する)に読み込むのに2通りの場合がある。第1に、複数のメモリカード52のうちのいずれかの記録媒体(スマートメディアSM又はコンパクトフラッシュCF又はメモリスティックMS)からのデータを読み込む場合であり、第2に、図示しないパソコンのコネクタ51をプリンタ装置本体10内のインターフェース(図示せず)と接続し、パソコンからのデータを読み込む場合である。以下の説明では、複数のメモリカード52のうちのいずれかの記録媒体にアクセスしてファイルを読み込みそのアクセス中の記録媒体の種類を表示手段としての液晶表示器16に文字セグメントで表示する場合や、或いは日付け印刷を行なう際の日付け表示形態を液晶表示器16に文字セグメントで表示する場合の表示方法を中心に説明を行なう。
【0036】プリンタ装置では、電源ボタン17aをオンにした時に、プリント情報を表示する液晶表示器16には、通常、初期状態の表示として、例えばシャープネス標準を示す“NORMAL”,標準プリントマーク,印刷コマ番の初期値を示すFRAME‘000’,及びバッテリィ残量マークが表示される。この電源オン時に、スマートメディアSMが挿着されていたとすると、メモリカード表示として“SM”が文字セグメント表示される。なお、電源オン時に、SM,CF,MSの全てが挿着されている場合は、SMが優先的にアクセスされて“SM”が表示される。また、電源オンされている状態で、メモリカードを挿入する時に他のメモリカードが装着されている場合は、先に装着されているカードが優先される。従って、希望のメモリカードを選択したい場合は、カード切換ボタン17gを押してアクセスしたいメモリカードを選択する。
【0037】電源ボタン17aオン後、上記の操作ボタン17c?17iにて各種設定を行い、プリントボタン17bを押すと、例えば、設定された記録媒体の設定されたコマ番の画像データを、設定された枚数だけプリントアウトすることができる。

上記記載及び図面を含む刊行物1全体の記載から、刊行物1には、以下の発明が記載されていると認められる。
「本体ケース11には、プリントに関する情報を表示することが可能な表示手段としての液晶表示器16と、プリントに関する各種の命令を指示する指示手段としての操作ボタン17a?17iが配設されており、
操作ボタン17a?17iには、電源投入及び電源オフを指示する電源ボタン17a、印刷動作を指示するプリントボタン17b、印刷モード(標準プリント,インデックスプリント,全コマプリント,DPOF)を選択する印刷モードボタン17c、シャープネス(標準,ソフト,シャープ)を選択するシャープネスボタン17d、分割印刷の分割数(分割無し、2,4,9,16画面)を選択する分割ボタン17e、日付け印刷及び日付け印刷表示形態を指定する日付けボタン17f、メモリカード52の切換えを行なうカード切換ボタン17g、印刷コマ番指定モードと印刷枚数(コピー枚数)指定モードとを切り換えるコマ番/印刷枚数切換ボタン17h、コマ番又は印刷枚数の数を増減する(+)ボタン及び(-)ボタン17i、などがあり、
後方側には、スマートメディア(SM)用挿入口61と、コンパクトフラッシュ(CF)用挿入口62が設けられているプリンタ装置であって、
パソコンのコネクタ51をプリンタ装置本体10内のインターフェースと接続し、パソコンからのデータを読み込む場合と、
複数のメモリカード52のうちのいずれかの記録媒体にアクセスしてファイルを読み込みそのアクセス中の記録媒体の種類を表示手段としての液晶表示器16に文字セグメントで表示する場合があるものであって、
プリント情報を表示する液晶表示器16には、電源オン時に、スマートメディアSMが挿着されていたとすると、メモリカード表示として“SM”が文字セグメント表示され、電源オン時に、SM,CF,MSの全てが挿着されている場合は、SMが優先的にアクセスされて“SM”が表示され、電源オンされている状態で、メモリカードを挿入する時に他のメモリカードが装着されている場合は、先に装着されているカードが優先され、
電源ボタン17aオン後、上記の操作ボタン17c?17iにて各種設定を行い、プリントボタン17bを押すと、例えば、設定された記録媒体の設定されたコマ番の画像データを、設定された枚数だけプリントアウトすることができるプリンタ装置。」(以下「引用発明」という。)

4 対比
a 本願発明と引用発明とを比較すると、引用発明の「『スマートメディアSM』あるいは『SM』」、「スマートメディア(SM)用挿入口61」、「CF」、「コンパクトフラッシュ(CF)用挿入口62」、「プリンタ装置」、「操作ボタン17b?17i」、「パソコン」、「『パソコンのコネクタ51』と『接続』する『プリンタ装置本体10内のインターフェース』」は、それぞれ本願発明の「第1の記憶媒体」、「第1のインタフェース」、「第2の記憶媒体」、「第2のインタフェース」、「印刷装置」、「操作部」、「ホスト装置」、「ポート」に相当する。
b 引用発明の「スマートメディアSM」及び「CF」がいずれも印刷対象データを記憶するものであることは当業者に自明であるから、引用発明は、印刷対象データを記憶した第1の記憶媒体が装着される第1のインタフェースと、印刷対象データを記憶した第2の記憶媒体が装着される第2のインタフェースを備えているものといえる。
c 引用発明は「プリント情報を表示する液晶表示器16には、電源オン時に、スマートメディアSMが挿着されていたとすると、メモリカード表示として“SM”が文字セグメント表示され、電源オン時に、SM,CF,MSの全てが挿着されている場合は、SMが優先的にアクセスされて“SM”が表示され、電源オンされている状態で、メモリカードを挿入する時に他のメモリカードが装着されている場合は、先に装着されているカードが優先され」るものであるから、引用発明が「排他制御部」を有することは、当業者に自明であり、該引用発明の排他制御部と本願発明の排他制御部とは「第1のインタフェース(スマートメディア(SM)用挿入口61)に第1の記憶媒体(SM)が装着され、かつ、第2のインタフェース(コンパクトフラッシュ(CF)用挿入口62)に第2の記憶媒体(CF)が装着されている状態で印刷装置(プリンタ装置)の電源が投入された場合に、前記第1のインタフェースに装着されている前記第1の記憶媒体からのみ、前記印刷対象データを読み出すためのアクセスを可能とし、前記電源の投入後、前記第2の記憶媒体が装着されている状態で前記第1の記憶媒体が非装着のとき、前記第1の記憶媒体が前記第1のインタフェースに装着された場合、前記第2の記憶媒体から前記印刷対象データを読み出すためのアクセスを維持する」点で共通する。
d 上記cで検討したように引用発明が「排他制御部」を有することが自明であり、引用発明は「複数のメモリカード52のうちのいずれかの記録媒体にアクセスしてファイルを読み込」むものであるから、引用発明は、排他制御部により印刷対象データを読み出すためのアクセスが可能とされた記憶媒体から前記印刷対象データを読み出す画像処理部を有することが当業者に自明である。
e 引用発明は「電源ボタン17aオン後、上記の操作ボタン17c?17iにて各種設定を行い、プリントボタン17bを押すと、例えば、設定された記録媒体の設定されたコマ番の画像データを、設定された枚数だけプリントアウトすることができる」ものであるから、引用発明の「操作ボタン17b?17i」(操作部)は、画像処理部により読み出された印刷対象データに対してユーザの印刷指示を受け付けるものといえる。
f 引用発明は「パソコンのコネクタ51をプリンタ装置本体10内のインターフェースと接続し、パソコンからのデータを読み込む場合」があるものであるから、引用発明の「プリンタ装置本体10内のインターフェース」と本願発明の「ポート」とは、ホスト装置と接続されるポートの点で共通する。
g 上記aないしfより、本願発明と引用発明は、
「印刷対象データを記憶した第1の記憶媒体が装着される第1のインタフェースと、
印刷対象データを記憶した第2の記憶媒体が装着される第2のインタフェースと、
前記第1のインタフェースに前記第1の記憶媒体が装着され、かつ、前記第2のインタフェースに前記第2の記憶媒体が装着されている状態で印刷装置の電源が投入された場合に、前記第1のインタフェースに装着されている前記第1の記憶媒体からのみ、前記印刷対象データを読み出すためのアクセスを可能とし、
前記電源の投入後、前記第2の記憶媒体が装着されている状態で前記第1の記憶媒体が非装着のとき、前記第1の記憶媒体が前記第1のインタフェースに装着された場合、前記第2の記憶媒体から前記印刷対象データを読み出すためのアクセスを維持する排他制御部と、
前記排他制御部により前記印刷対象データを読み出すためのアクセスが可能とされた記憶媒体から前記印刷対象データを読み出す画像処理部と、
前記画像処理部により読み出された前記印刷対象データに対してユーザの印刷指示を受け付ける操作部と、
ホスト装置と接続されるポートと、
を備える、印刷装置。」
の点で一致し、以下の点で相違している。
[相違点1]排他制御部について、本願発明は「前記第1のインタフェースに前記第1の記憶媒体が装着され、かつ、前記第2のインタフェースに前記第2の記憶媒体が装着されている状態で印刷装置の電源が投入された場合に、前記第1のインタフェースに装着されている前記第1の記憶媒体からのみ、前記印刷対象データを読み出すためのアクセスを可能とし、前記電源の投入後、前記第2の記憶媒体が装着されている状態で前記第1の記憶媒体が非装着となった場合に、前記第2のインタフェースに装着されている前記第2の記憶媒体に自動的に切換えて、該第2の記憶媒体から前記印刷対象データを読み出すためのアクセスを可能とする」、「前記電源の投入後、前記第2の記憶媒体が装着されている状態で前記第1の記憶媒体が非装着のとき、前記第1の記憶媒体が前記第1のインタフェースに装着された場合、前記第2の記憶媒体から前記印刷対象データを読み出すためのアクセスを維持する」と特定されているのに対し、引用発明は「前記第1のインタフェースに前記第1の記憶媒体が装着され、かつ、前記第2のインタフェースに前記第2の記憶媒体が装着されている状態で印刷装置の電源が投入された場合に、前記第1のインタフェースに装着されている前記第1の記憶媒体からのみ、前記印刷対象データを読み出すためのアクセスを可能とし、前記電源の投入後、前記第2の記憶媒体が装着されている状態で前記第1の記憶媒体が非装着のとき、前記第1の記憶媒体が前記第1のインタフェースに装着された場合、前記第2の記憶媒体から前記印刷対象データを読み出すためのアクセスを維持する」といえるものの、「前記電源の投入後、前記第2の記憶媒体が装着されている状態で前記第1の記憶媒体が非装着となった場合に、前記第2のインタフェースに装着されている前記第2の記憶媒体に自動的に切換えて、該第2の記憶媒体から前記印刷対象データを読み出すためのアクセスを可能とする」ものであるか否か明らかでない点。
[相違点2]ホスト装置と接続されるポートについて、本願発明は「前記第1または前記第2のインタフェースに装着された前記第1または前記第2の記憶媒体に、ホスト装置からアクセスするための」と特定されているのに対し、引用発明は、第1または第2の記憶媒体にホスト装置からアクセスできるか否か明らかでない点。

5 判断
(1)相違点1についての検討
引用発明において、電源の投入後、第2の記憶媒体(CF)が装着されている状態で第1の記憶媒体(SM)が非装着となる場合があることは、当業者に自明である。刊行物1には、第2の記憶媒体が装着されている状態で第1の記憶媒体が非装着となる場合の記憶媒体へのアクセス状態がどのようになるかの記載はない。引用発明は「メモリカード52の切換えを行なうカード切換ボタン17g」を有しているから、第1の記憶媒体が非装着となる場合、第2の記憶媒体に自動的に切換えず、ボタン17gによって、第2の記憶媒体にアクセスを可能とさせることも想定できる。
しかしながら、装着されている記憶媒体は、その記憶媒体が保有する印刷対象データに対してアクセスすることを予定して装着されているものであるから、ユーザによるボタン17g操作を省略できるように、引用発明において、電源の投入後、第2の記憶媒体が装着されている状態で第1の記憶媒体が非装着となった場合に、第2のインタフェースに装着されている前記第2の記憶媒体に自動的に切換えて、該第2の記憶媒体から印刷対象データを読み出すためのアクセスを可能とするようなものとし、本願発明の上記相違点1のような構成とすることは当業者が容易になし得る程度のことである。

(2)相違点2についての検討
印刷装置において、印刷装置に装着された記憶媒体に、ホスト装置からアクセスすることは、本願優先権主張日前に周知技術(例えば、特開平11-321028号公報、特開2001-347706号公報参照。)であるから、引用発明において、周知技術を適用し、装着された記憶媒体が有するデータに対し、ホスト装置がアクセスできるように、本願発明の上記相違点2のような構成とすることは当業者が容易になし得る程度のことである。

(3)以上のように、本願発明の相違点1及び2に係る構成は、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に想到することができたものであり、それにより得られる効果も当業者が予測できる範囲のものである。

6 むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明を検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-10-13 
結審通知日 2011-10-14 
審決日 2011-10-25 
出願番号 特願2008-324968(P2008-324968)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (B41J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小宮山 文男  
特許庁審判長 長島 和子
特許庁審判官 鈴木 秀幹
小林 英司
発明の名称 印刷装置及び印刷装置の制御方法  
代理人 稲葉 良幸  
代理人 田中 克郎  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ