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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01L
管理番号 1249285
審判番号 不服2010-22144  
総通号数 146 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-10-01 
確定日 2011-12-28 
事件の表示 特願2004-172286号「物理的に小型のデバイスパッケージ」拒絶査定不服審判事件〔平成17年 1月20日出願公開、特開2005- 19985号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、平成16年6月10日(パリ条約による優先権主張2003年6月23日、(US)アメリカ合衆国)の出願であって、平成22年5月28日付けで拒絶査定がされ(発送日:同年6月1日)、これに対し、同年10月1日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。
本願の各請求項に係る発明は、平成22年5月17日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?6に記載された事項によって特定されるものと認められるが、そのうちの請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。

「【請求項1】
デバイスパッケージであって、
デバイスパッケージの設置面積を画定する底面と、少なくとも1個のデバイス設置箇所を有する上面とを有する伝導性基板と、
前記伝導性基板の上面と隣接する側に第1面を有する絶縁基板であって、前記絶縁基板の、前記第1面と対向する第2面と前記少なくとも1個のデバイス設置箇所との間でアクセスを可能とするための少なくとも1個のアパーチャを有し、また、前記少なくとも1個のアパーチャと前記絶縁基板の周囲に配置された1個または複数の接触箇所とを接続する1個または複数の信号経路を前記第2面に有する、絶縁基板と、
一連の導電性タブであって、当該の導電性タブの各々が前記1個または複数の接触箇所のうちの、対応する接触箇所に結合される、導電性タブと、
を具備し、
前記少なくとも1個のデバイス設置箇所に実装された少なくとも1個の光デバイスをさらに具備することを特徴とするデバイスパッケージ。」

2.引用例等及びその記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開2000-114422号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

(A)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体集積回路素子等の電子部品の封止に用いられる電子部品用パッケージ(配線基板)に関し、詳しくはセラミックなどからなるパッケージ本体に、無酸素銅などからなる放熱部材(ヒートシンク)が接合され、その放熱部材及びこれを含む金属面にニッケルメッキが複数回かけられてなる電子部品用パッケージ(以下、単に「パッケージ」ともいう)に関する。」

(B)「【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1を参照しながら詳細に説明する。図中1は、ヒートスラグ型といわれる電子部品用パッケージであって、セラミック製のパッケージ本体2と放熱部材21とを主体として次のように構成されている。すなわち、セラミック製のパッケージ本体2は、詳しくは図示しないが複数の所定のグリーンシートを積層、熱圧着して焼成することにより平面視、略正方形の枠状に形成されてなるもので、上面には電子部品Sの電極とワイヤWでボンディングするためのボンディングパッドをなすメタライズ層4やリード3の接続用のメタライズ層4が形成されている。そして、このメタライズ(金属)層4の上面には、絶縁材から成る枠状のリング5が同時焼成により形成され、メタライズ(金属)層4を内側と外側に分割すると共に、封止用の図示しないリッドの封止部を成すように構成されている。
【0017】また、本体2の中央には、略正方形にて上下(上面から下面)に貫通(開口)する貫通孔7が形成されている。なお、本体2の下面8側における貫通孔7の開口の周縁面には所定の幅でもって図示はしないがタングステンからなるメタライズ層が本体2と同時焼成により形成され、その表面にはNiメッキ(図示せず)が施されている。一方、放熱部材21は本例では無酸素銅からなり、本体2の貫通孔7の内側面7aの平面形状より大きい略正方形板状をなす下段部22と、この上面中央に一体的に形成された上段部23とからなる断面凸型をなしている。なお、上段部23は、貫通孔7の内側面7aの平面形状よりやや小さい略正方形板状をなしている。
【0018】しかして本例では、本体2の貫通孔7にその下面8側から、放熱部材21がその上段部23を隙間嵌め状態で挿入され、その中央に位置決めされ、下段部22の上面(肩面)24を本体2の下面8側におけるNiメッキ付きメタライズ層に、銀ロー(箔)25を介し、例えば800℃に加熱してロー付けにより固着されている。そして、放熱部材21の上段部23の上面が電子部品Sなどをハンダ付けして搭載するダイアタッチ面26をなし、このダイアタッチ面26と貫通孔7の内側面7aの上寄り部位とでダイアタッチキャビティ(凹所)が形成されている。」

(C)図1からみて、放熱部材21は、電子部品用パッケージ全体の設置面積を占めるような構成となっており、電子部品用パッケージの設置面積を画定する底面を有していることが、看て取れる。

図面と共に、上記記載事項(A)?(C)を総合すると、引用例1には、
「電子部品用パッケージであって、
放熱部材21は、電子部品用パッケージの設置面積を画定する底面を有し、無酸素銅からなり、その上段部23の上面が電子部品Sなどを搭載するダイアタッチ面26をなしており、
セラミック製のパッケージ本体2においては、ダイアタッチ面26とパッケージ本体2に形成された貫通孔7の内側面7aの上寄り部位とでダイアタッチキャビティ(凹所)が形成されており、また、パッケージ本体2の上面には電子部品Sの電極とワイヤWでボンディングするためのボンディングパッドをなすメタライズ層4やリード3の接続用のメタライズ層4が形成されている、
ダイアタッチ面26に電子部品Sを搭載した電子部品用パッケージ。」に関する発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

また、同じく拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である特開平11-298048号公報(以下「引用例2」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。

(D)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体装置、表示装置及び発光装置等に利用可能なLED実装基板に関するものである。」

(E)「【0016】実装基板13は、Alによりなる金属板131を有し、この金属板131の上面(一の面)側には複数の凹部130が設けられ(図1では1つのみ示されている)、これら凹部130の各底面は金属板131の上面によって形成されている。そして、これら凹部130内にはそれぞれ複数のLED11が収納されており、各LED11の一端(下面)は凹部130の底面である金属板131の上面に電気的に接続されている。これにより、複数のLED11の一端は金属板131を介して互いに電気的に接続されることになる他、面光源としての照明時、複数のLED11には大電流が流れ、この大電流により熱が発生することになるが、この発生する熱が金属板131から外部に好適に放熱されて、一方の電流経路である金属板131及び各LED11の双方が冷却される。
【0017】また、実装基板13は、複数の凹部130の側壁にそれぞれ対応する複数の貫通孔THが形成された絶縁性の樹脂基板132を有し、この樹脂基板132は、金属板131の上面に取付けられ、LED11の高さに応じた厚みに設定されている。この厚みは、各LED11の高さが例えば0.3mm程度であれば、0.3?0.5mm程度に設定される。」

(F)「【0019】また、実装基板13は、樹脂基板132の上面に形成された銅箔によりなる配線としての接続部材133を有し、この接続部材133は、ワイヤボンディングによる銅等のワイヤWによって複数のLED11の各他端(上面)と電気的に接続されている。このように、複数のLED11に対して両電極がそれぞれ上記金属板131及び接続部材133によって一括接続される。」

3.対比
(1)本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明でいう「電子部品用パッケージ」は、本願発明でいう「デバイスパッケージ」に相当し、以下同様に、「放熱部材21」は、「伝導性基板」に、「電子部品S」は、「デバイス」に、「ダイアタッチ面26」は、「デバイス設置箇所」に、「貫通孔7」は、「アパーチャ」に、「リード3」は、「導電性タブ」に、それぞれ相当する。

引用発明でいう放熱部材21は、放熱のための部材であることが明らかであり、無酸素銅からなっていることから、本願発明でいう「伝導性」を有していることが明らかといえ、その上面が電子部品S(デバイス)を搭載するダイアタッチ面26(デバイス設置箇所)をなしている。したがって、引用発明の放熱部材21と本願発明の伝導性基板とは、「電子部品用パッケージ(デバイスパッケージ)の設置面積を画定する底面と、少なくとも1個のダイアタッチ面26(デバイス設置箇所)を有する上面とを有する」点で共通している。

引用発明でいうパッケージ本体2は、セラミック製であることから本願発明でいう絶縁基板に相当しており、さらに、パッケージ本体2の下側の面を第1面、第1面と対向する上側の面を第2面とすれば、「パッケージ本体2の上面には電子部品Sの電極とワイヤWでボンディングするためのボンディングパッドをなすメタライズ層4」が形成されていること、及び、そのワイヤWが貫通孔7をとおしてボンディングされていること(図1参照)からみて、パッケージ本体2(絶縁基板)の上面である第2面とダイアタッチ面26(デバイス設置箇所)との間でアクセスを可能とするための貫通孔7(アパーチャ)が設けられているといえる。

(2)上記の対比関係からみて、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、本願発明の表記にしたがえば、次のとおりである。
[一致点]
「デバイスパッケージであって、
デバイスパッケージの設置面積を画定する底面と、少なくとも1個のデバイス設置箇所を有する上面とを有する伝導性基板と、
前記伝導性基板の上面と隣接する側に第1面を有する絶縁基板であって、前記絶縁基板の、前記第1面と対向する第2面と前記少なくとも1個のデバイス設置箇所との間でアクセスを可能とするための少なくとも1個のアパーチャを有する絶縁基板と、
導電性タブと、
を具備し、
デバイス設置箇所にデバイスを具備するデバイスパッケージ。」

[相違点1]
本願発明における「絶縁基板」は、「少なくとも1個のアパーチャと絶縁基板の周囲に配置された1個または複数の接触箇所とを接続する1個または複数の信号経路を第2面に有する」ものであり、本願発明における「導電性タブ」は、「一連の導電性タブであって、当該の導電性タブの各々が前記1個または複数の接触箇所のうちの、対応する接触箇所に結合される」ものであるのに対して、引用発明ではそのようになっているのか明らかではない点。

[相違点2]
本願発明においては、「少なくとも1個のデバイス設置箇所に実装された少なくとも1個の光デバイスをさらに具備する」のに対して、引用発明においては、ダイアタッチ面26(デバイス設置箇所)に実装された電子部品Sが、光デバイスとは限定されていない点。

4.当審の判断
上記各相違点について検討する。

[相違点1]について
引用発明においては、上記のとおり「パッケージ本体2の上面には電子部品Sの電極とワイヤWでボンディングするためのボンディングパッドをなすメタライズ層4やリード3の接続用のメタライズ層4が形成」されている。また、図1も併せて参照すれば、貫通孔7(アパーチャ)から出ているワイヤWが貫通孔7の周辺部のメタライズ層4に接続され、リード3(導電性タブ)がパッケージ本体2(絶縁基板)の周辺部のメタライズ層4に接続されていることにより、ワイヤWとリード3とはメタライズ層4を介して接続されていることが看て取れる。したがって、引用発明には、貫通孔7(アパーチャ)と接触箇所とを接続する信号経路がパッケージ本体(絶縁基板)の上面(第2面)に設けられ、リード3(導電性タブ)が接触箇所に結合されることが実質的に記載されているといえる。ここで、「少なくとも1個の」貫通孔7(アパーチャ)と、「1個又は複数の」接触箇所とを接続する「1個又は複数の」信号経路を設け、リード3(導電性タブ)の「各々が1個または複数の」接触箇所のうちの、「対応する」接触箇所に結合されるようにする点は、当業者が適宜なしうる設定的事項にすぎない。
したがって、相違点1にかかる本願発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。

[相違点2]について
引用例2には、記載事項(D)?(F)及び図1からみて、LED実装基板(デバイスパッケージ)において、凹部130(デバイス設置箇所)を有する上面を有する金属板131(伝導性基板)と、樹脂基板132(絶縁基板)の上面(第2面)に形成された配線としての接続部材133と凹部130(デバイス設置箇所)との間でアクセスを可能とするための貫通孔TH(アパーチャ)を有する樹脂基板132(絶縁基板)とを具備し、凹部130(デバイス設置箇所)にLED11(光デバイス)を具備したLED実装基板(デバイスパッケージ)が記載されている(括弧内は、本願発明の表記にしたがって対応する構成を表記したもの)。
引用例2における金属板131は、「この発生する熱が金属板131から外部に好適に放熱されて、一方の電流経路である金属板131及び各LED11の双方が冷却される。」(段落【0016】)とあるように、放熱機能を有していることから、引用例2に記載された発明は、引用発明及び本願発明と、デバイスパッケージの分野においてデバイスの冷却を行うという基本的かつ自明な課題において共通しているといえる。
したがって、引用例2における凹部(デバイス設置箇所)にLED(光デバイス)を具備した点を引用発明に適用して、相違点2にかかる本願発明の構成とすることは当業者が容易になし得たことである。

なお、請求人は審判請求書において、引用例1及び2の目的を挙げたうえで、デバイスの温度を低下させ、デバイスのMTBFを増加することができるという本願発明の効果が、引用例1及び2からは予想できない旨を主張している。しかし、本願発明における「伝導性基板」に相当する引用例1における「放熱部材21」及び引用例2における「金属板131」は、どちらも放熱を目的として設けられたものであることは明らかである。そして、半導体素子等の電子部品において、放熱・冷却が重要であり、これにより寿命を延ばす効果があることは、一般的によく知られていることである。したがって、引用例1及び2から、本願発明の効果を予想することは当業者にとって容易であったというべきであるから、上記主張に首肯することはできない。

そして、本願発明の奏する作用効果について検討しても、引用発明及び引用例2に記載の事項から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本願発明は、引用発明及び引用例2に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明及び引用例2に記載の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そうすると、このような特許を受けることができない発明を包含する本願は、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、原査定は妥当であり、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-08-01 
結審通知日 2011-08-02 
審決日 2011-08-18 
出願番号 特願2004-172286(P2004-172286)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01L)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山本 雄一  
特許庁審判長 千馬 隆之
特許庁審判官 田口 傑
小関 峰夫
発明の名称 物理的に小型のデバイスパッケージ  
代理人 深川 英里  
代理人 松島 鉄男  
代理人 吉田 尚美  
代理人 森本 聡二  
代理人 河村 英文  
代理人 溝部 孝彦  
代理人 古谷 聡  
代理人 中村 綾子  
代理人 有原 幸一  
代理人 西山 清春  
代理人 奥山 尚一  
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