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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F
管理番号 1250640
審判番号 不服2010-18224  
総通号数 147 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-08-12 
確定日 2012-01-19 
事件の表示 特願2006-286262「弾球遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成20年 5月 1日出願公開、特開2008- 99955〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願の手続の経緯概要は以下のとおりである。
平成18年10月20日 出願
平成21年11月10日 拒絶理由通知
平成22年 1月14日 手続補正
平成22年 5月13日 拒絶査定
平成22年 8月12日 拒絶査定不服審判請求、手続補正A
平成22年11月17日 審尋
平成23年 1月19日 回答書
平成23年 5月24日 補正却下(手続補正A)、拒絶理由通知
平成23年 7月29日 手続補正
平成23年 8月18日 拒絶理由通知
平成23年10月20日 手続補正

2.本願発明
本願の請求項1に記載された発明は、平成23年10月20日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものと認める。
「遊技者に有利な遊技状態を発生させるか否かの当否抽選処理を、第一と第二の入賞口への遊技球の入賞に対応して各々実行すると共に、実行された当否抽選処理に対応して一連の変動動作を経た上で、当該当否抽選処理の抽選結果を報知する第一と第二のメイン表示部、及び、各メイン表示部の変動動作の開始待ち数である変動保留数を各々特定する第一と第二の保留数表示部を、自ら直接的に表示制御する主制御部と、
メイン表示部の何れかの変動動作に対応して演出図柄による一連の変動動作を実行し、対応するメイン表示部における抽選結果の報知に対応して抽選結果を報知する単一のサブ表示部、及び、演出図柄による変動動作の開始保留数であって、第一と第二の保留数表示部の表示総数を表示する単一の総保留数表示部を、主制御部から受ける保留数コマンドに基づいて表示制御する演出制御部と、を有して構成され、
第一と第二の入賞口の何れかに遊技球が入賞したことを検出して、入賞口毎に規定されている上限値を超えない限り、入賞状態の入賞口についての変動保留数を1つ増加させると共に、何れの入賞口に入賞したかを特定して入賞検出情報を記憶する入賞検出手段と、
第一と第二のメイン表示部の何れも変動動作中でないことを条件に機能し、入賞検出情報に基づいて当否抽選処理を実行する抽選手段と、
当否抽選処理の実行に対応する入賞検出情報を消去すると共に、当否抽選処理の実行に対応する入賞口についての変動保留数を1つ減少させる更新手段と、
更新手段によって更新された入賞口についての変動保留数を特定可能な保留数コマンドを、演出制御部に伝送する伝送手段と、
更新手段によって更新された変動保留数に対応して保留数表示部の表示内容を更新する表示手段と、を主制御部に設ける一方、
演出制御部は、伝送手段が伝送した保留数コマンドに基づいて、総保留数表示部の表示内容を更新するよう構成されていることを特徴とする弾球遊技機。」(以下、「本願発明」という。)

3.引用文献及び引用発明
平成23年8月18日付け拒絶理由通知で引用した特開2005-312834号公報(以下、「引用文献1」という。)には、以下の記載がある。
【0006】
ところが、特許文献1に記載された遊技機においては、変動表示部および始動口を分離された遊技領域ごとに設ける必要があり、さらに、遊技領域に打ち込まれた遊技球を、分離された遊技領域のうちいずれかの遊技領域に振り分けるために、振分部材を遊技領域の上方に設ける必要があった。このため、振分部材、および、始動口へ遊技球を導くための釘を遊技盤面においてどのように配列するかや、振分部材等へ遊技球を導くための流路を遊技盤面においてどのように形成するか等、遊技盤面の設計が複雑化する不都合が生じていた。
【0007】
また、遊技場の管理者は、分離した遊技領域各々に設けられている始動口に遊技球が通過する率を所望する値に設定するために、分離した遊技領域ごとに釘調整を行なう必要がある。このため、釘調整に費やす時間・費用が増大し、遊技場管理者の負担を増加させてしまう不都合が生じていた。
【0008】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、遊技盤面の設計を簡素化しつつ、遊技場管理者の負担増大を防止できる遊技機を提供することを目的とする。
【0009】
(1)所定の始動条件の成立(たとえば、始動入賞口14に遊技球が入賞する)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、特別図柄、「1」?「9」の全9種類の数字図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する複数の変動表示部(たとえば、第1特別図柄表示器81、第2特別図柄表示器91)を備え、前記複数の変動表示部のうちのいずれかの変動表示部に予め定められた特定表示結果(たとえば、「3」,「7」)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(たとえば、大当り遊技状態)に制御する遊技機(たとえば、弾球遊技機1)であって、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(CPU56)を備え、
前記遊技制御手段は、
所定の数値範囲内(たとえば、0?599)で数値データ(大当り判定用ランダムカウンタのカウント値)を更新する結果判定用数値データ更新手段(ステップS25)と、
前記始動条件が成立したことを条件として、前記結果判定用数値データ更新手段から数値データを抽出する結果判定用数値データ抽出手段(ステップS232、第1特別図柄プロセス処理の第1始動口スイッチ通過処理におけるステップS114、第2特別図柄プロセス処理の第2始動口スイッチ通過処理においてステップS114に該当するステップ)と、
前記結果判定用数値データ抽出手段が抽出した数値データに応じて、前記変動表示を行なって表示結果を導出表示する変動表示部を前記複数の変動表示部から選択する変動表示部選択手段(ステップS233?S235)と、
前記結果判定用数値データ抽出手段が抽出した数値データが予め定めた特定数値データ(大当り判定値)であるときに、当該始動条件の成立により前記変動表示部選択手段が選択した変動表示部に導出表示する表示結果を前記特定表示結果とすることを判定する事前判定手段(ステップS56)と、を含み、
前記変動表示部選択手段により選択された変動表示部(たとえば、第1変動表示選択フラグがセットされているときには第1特別図柄表示器81、第2変動表示選択フラグがセットされているときには第2特別図柄表示器91)において前記複数種類の識別情報の変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なう表示制御手段(ステップS312、ステップS300?S304)をさらに備える。
【0013】
(2)前記結果判定用数値データ更新手段により更新される前記所定の数値範囲内の数値データは、各々、前記複数の変動表示部のうちいずれか一の変動表示部に予め対応付けられており(ステップS233、たとえば、「0?299」は第1特別図柄表示器81に,「300?599」は第2特別図柄表示器91に各々対応付けられている)、
前記変動表示部選択手段は、前記結果判定用数値データ抽出手段により抽出された数値データに予め対応付けられた変動表示部を選択する(「0?299」のときステップS234において第1変動表示選択フラグがセットされ第1特別図柄表示器81が選択される、「300?599」のときステップS235において第2変動表示選択フラグがセットされ第2特別図柄表示器91が選択される)。
【0015】
(3)前記変動表示部選択手段は、前記始動条件が成立したときに(ステップS231で「YES」のときに)変動表示部を選択し、
前記始動条件は成立しているが、該始動条件に起因した前記表示制御が未だ行なわれていない未消化始動条件の成立数である保留成立数(第1保留記憶数、第2保留記憶数)を、前記変動表示部選択手段により選択された変動表示部ごとに所定個数(たとえば、「4」)を上限値として記憶する保留成立数記憶手段(ステップS114、第1保留記憶バッファ、第2保留記憶バッファ)をさらに備える。
【0023】
(7)前記複数の変動表示部それぞれに対応して一つずつ設けられており、各々が識別可能な複数種類の装飾識別情報(たとえば、飾り図柄、「1」?「9」の全9種類の数字図柄)の変動表示を行なって表示結果を導出表示する複数の装飾変動表示部(第1特別図柄表示器81に対応して第1変動表示部8が、第2特別図柄表示器91に対応して第2変動表示部9が対応して設けられている)をさらに備え、
前記遊技制御手段は、
前記変動表示部選択手段により選択された変動表示部に設けられた発光体(7セグメント表示器)へ駆動信号を出力する制御を行なう変動表示制御手段(CPU56、ステップS69、S303、S304、図2)と、
前記事前判定手段の判定結果に基づき(たとえば、ステップS62、S64またはS65により選択された第1特図変動パターンに応じて、第2特図変動パターンに応じて)、前記変動表示部選択手段により選択された変動表示部に対応して設けられた装飾変動表示部で前記複数種類の装飾識別情報の変動表示の実行を指示するための変動表示指示信号(第1飾り図柄変動パターンコマンド、第2飾り図柄変動パターンコマンド)を送信する制御信号送信手段(ステップS66、S29)と、をさらに含み、
前記表示制御手段は、
前記遊技制御手段からの前記変動表示指示信号に基づき、前記変動表示部選択手段により選択された変動表示部に対応して設けられた装飾変動表示部に表示させる表示内容(飾り図柄の変動パターン、停止図柄)を決定する表示内容決定手段(ステップS801)と、
前記装飾変動表示部を制御し、前記表示内容決定手段によって決定された表示内容に従って、装飾識別情報の変動表示を実行する装飾変動表示制御手段(ステップS802、S803)と、を含む。
【0027】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、ここでは、遊技機の一例としてパチンコ遊技機としての弾球遊技機を示すが、・・・
【0031】
遊技領域7の中央付近には、所定の間隔を有する仕切部106を挟んで離間するように第1変動表示部8と第2変動表示部9とが配置されている。第1変動表示部8および第2変動表示部9は、各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「1」?「9」の全9種類の数字図柄)としての飾り図柄の変動表示(可変表示、更新表示ともいう)を行なって表示結果を導出表示する変動表示部である。第1変動表示部8および第2変動表示部9は、それぞれ液晶表示装置(LCD)により構成され、左・中・右の3つの表示領域(たとえば、図19等で示される第1飾り図柄8a?8c、第2飾り図柄9a?9c)に識別情報が表示制御されるものである。これら左・中・右の3つの表示領域で変動表示される飾り図柄は、左図柄、中図柄、右図柄と呼ばれる。
【0035】
第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91は、各々が識別可能な複数種類の識別情報(たとえば、「1」?「9」の全9種類の数字図柄)の変動表示(可変表示、更新表示ともいう)を行なって表示結果を導出表示する表示制御が行なわれる変動表示部としての7セグメント表示器から構成されている。第1特別図柄表示器81で変動表示される特別図柄は第1特別図柄と呼ばれ、第2特別図柄表示器91で変動表示される特別図柄は第2特別図柄と呼ばれる。
【0036】
また、第1特別図柄表示器81を左右から挟むように、第1保留記憶表示器83が設けられている。同様に、第2特別図柄表示器91を左右から挟むように、第2保留記憶表示器93が設けられている。第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91は、4個のLEDから構成されており、LEDの点灯数により保留記憶数を報知する。
【0043】
そして、弾球遊技機1は、第1事前判定処理により第1特別図柄表示器81における表示結果を大当りとすることが決定されたときに、第1特別図柄表示器81に特定表示結果(たとえば、「3」または「7」)を表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御する機能を有する。また、弾球遊技機1は、第2事前判定処理により第2特別図柄表示器91における表示結果を大当りとすることが決定されたときに、第2特別図柄表示器91に特定表示結果(たとえば、「3」または「7」)を表示した後に遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御する機能を有する。なお、第1特別図柄表示器81に特定表示結果が導出表示されるときには、第1変動表示部8においてゾロ目(たとえば、「333」、「777」等の3つ揃い)が導出表示される。また、第2特別図柄表示器91に特定表示結果が導出表示されるときには、第2変動表示部9においてゾロ目(たとえば、「333」、「777」等の3つ揃い)が導出表示される。
【0049】
第1特別図柄表示器81の第1保留記憶表示器83は、始動条件が成立(打球が始動入賞口14へ入賞)したときに、抽出手段により数値データ更新手段から抽出された数値データ(たとえば、大当り判定用乱数等)の抽出順番を特定可能に記憶する第1保留記憶バッファ(たとえば、表示制御基板80に搭載されるRAM)に記憶された数値データの記憶数(保留記憶数)を、LEDの点灯数により報知するものである。本実施形態における第1保留記憶バッファには、始動条件成立時に抽出された数値データを用いて決定される変動表示選択フラグが、第1変動表示選択フラグにセットされたとき、すなわち、始動条件成立時に抽出された数値データを用いた変動表示を第1図柄表示部で行なうことが選択されたときに、始動条件成立時に抽出された数値データが抽出順に記憶される。このように記憶されるデータは、第1保留記憶データとも呼ばれる。
【0050】
この第1保留記憶表示器83は、4つのLEDから構成されており、有効始動入賞(この実施の形態では、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに打球が始動入賞口14に入賞)があり、第1保留記憶バッファに記憶される毎に点灯数を増加させ、第1特別図柄表示器81において特別図柄の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1減らす。
【0051】
また、第1変動表示部8の下部には、第1未処理変動回数表示領域10が設けられている。第1未処理変動回数表示領域10は、4つの表示領域に分かれており、第1保留記憶表示器の点灯数に併せて、第1保留記憶バッファに記憶される毎に表示色を変化させ、第1飾り図柄の変動表示が開始される毎に表示色が変化している表示領域を1減らす。
【0053】
この第2保留記憶表示器93は、4つのLEDから構成されており、有効始動入賞(この実施の形態では、第2保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数が4未満のときに打球が始動入賞口14に入賞)があり、第2保留記憶バッファに記憶される毎に点灯数を増加させ、第2特別図柄表示器91において特別図柄の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1減らす。
【0054】
また、第2変動表示部9の下部には、第2未処理変動回数表示領域11が設けられている。第2未処理変動回数表示領域11は、4つの表示領域に分かれており、第2保留記憶表示器93の点灯数に併せて、第2保留記憶バッファに記憶される毎に表示色を変化させ
、第2飾り図柄の変動表示が開始される毎に表示色が変化している表示領域を1減らす。
【0058】
第1変動表示部8と第2変動表示部9との下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口14を有する可変入賞装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ62によって検出される。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行なう可変入賞装置15が設けられている。可変入賞装置15は、ソレノイド71によって開状態とされる。ソレノイド71により可変入賞装置15が開状態となることにより、遊技球が始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
【0085】
また、主基板31は、第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91各々において、特別図柄の変動表示を開始した後に表示結果を導出表示する表示制御を行なうための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、プログラムに従い、駆動信号を第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91各々に出力し表示制御を行なう。これにより、主基板31と第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91の表示制御を行なう場合と比較して、大当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。
【0086】
また、主基板31は、第1保留記憶表示器83および第2保留記憶表示器93各々において、対応する保留記憶バッファに記憶されている数値データの記憶数を報知するための回路が形成されている。遊技制御用マイクロコンピュータは、プログラムに従い、保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号を第1保留記憶表示器83および第2保留記憶表示器93各々に出力し制御を行なう。
【0088】
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは表示制御基板80に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路)が第1変動表示部8および第2変動表示部9の表示制御を行なう。演出制御コマンドには、第1変動表示部8の表示を指定するコマンドと、第2変動表示部9の表示を指定するコマンドとが含まれ、表示制御用マイクロコンピュータは、受信したコマンドに応じた変動表示部(第1変動表示部8または第2変動表示部9)を表示制御する。
【0089】
また、表示制御用マイクロコンピュータは、演出制御コマンドを受信することにより、第1未処理変動回数表示領域10および第2未処理変動回数表示領域11の表示制御を行なう。演出制御コマンドには、第1保留記憶バッファに記憶されている保留記憶数を指定するコマンドと、第2保留記憶バッファに記憶されている保留記憶数を指定するコマンドとが含まれ、表示制御用マイクロコンピュータは、受信したコマンドに応じて第1未処理変動回数表示領域10および第2未処理変動回数表示領域11を表示制御する。
【0095】
次に、この実施の形態の弾球遊技機1での制御に用いられる乱数値を発生させるためのランダムカウンタについて説明する。図3は、遊技制御用マイクロコンピュータが遊技制御に用いる各種ランダムカウンタを説明するための図である。図3には、ランダムカウンタの一例として、ランダムカウンタR1?R8のランダムカウンタが示されている。以下に示す各ランダムカウンタは、数値データを所定の数値範囲内で更新する数値データ更新手段としての機能を有する。
【0096】
R1は、第1特別図柄表示器81(第1変動表示部8も含む)および第2特別図柄表示器91(第2変動表示部9も含む)のそれぞれの変動表示について大当り状態を発生させるか否かを事前にランダムに判定するために用いられる乱数値を発生させるための大当り判定用のランダムカウンタであり、「0」からカウントアップしてその上限である「599」までカウントアップし、再度「0」からカウントアップし直すように構成されている。このR1は、2msec毎に加算更新されることとなる。始動口スイッチ62により有効な始動入賞が検出されると、それに応じてこのR1のカウント値が抽出されて第1保留記憶データまたは第2保留記憶データとして、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに記憶される。そして、第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91のそれぞれについて、特別図柄の変動表示を開始する前の段階で、そのようにRAM55に記憶されたR1の数値データが読出され、読出されたR1の数値データが予め定められた大当り判定値と一致するか否かが判断される。この判断において、一致した場合には、変動表示の表示結果を大当り図柄の組合せとして大当りを発生させることが決定されて前述した大当り遊技状態の制御が行なわれ、一致しない場合には、変動表示の表示結果をはずれとすることが決定されて遊技状態が変化しない。・・・
【0140】
この実施の形態の場合には、始動入賞口14への始動入賞の発生に応じた変動表示を、第1図柄表示部(第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8)側で行なうか、第2図柄表示部(第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9)側で行なうかを、大当り判定用ランダムカウンタからの抽出値に基づき選択決定される。
【0149】
まず、第1特別図柄プロセス処理(ステップS24)および第2特別図柄プロセス処理(ステップS27)の処理内容を説明する。第1特別図柄プロセス処理および第2特別図柄プロセス処理の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理が第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8を対象として処理を行ない、第2特別図柄プロセス処理が第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9を対象として処理を行なう点で異なるが、処理の対象となる変動表示部を制御するための処理内容は同様である。このため、ここでは、第1特別図柄プロセス処理をこれらの特別図柄プロセス処理の代表例として説明し、第2特別図柄プロセス処理の処理内容についての重複した説明は繰り返さない。なお、以下に説明する第1特別図柄プロセス処理の処理内容は、第1特別図柄プロセス処理での第1特別図柄表示器81、第1変動表示部8およびそれに関連する装置という処理対象を第1特別図柄表示器81、第2変動表示部9およびそれに関連する装置という処理対象に置き換えることで、第2特別図柄プロセス処理の処理内容となる。
【0152】
第1特別図柄通常処理(ステップS300):第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示を開始できる状態になるのを待つ。CPU56は、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示が開始できる状態になると、第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(第1保留記憶数)を確認する。第1保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は第1保留記憶カウンタのカウント値により確認できる。そして、第1保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示の結果、大当りとするか否か(特定表示結果とするか否か)を第1保留記憶データに含まれる大当り判定用のランダムカウンタR1から抽出された数値データに基づいて決定する。・・・
【0153】
第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301):前述の大当り図柄決定用のランダムカウンタR2の抽出値と、前述のはずれ図柄決定用のランダムカウンタR3の抽出値とを用いて、変動表示後の第1特別図柄の停止図柄(大当り図柄またははずれ図柄)を決定する。さらに、前述のリーチ判定用のランダムカウンタR5の抽出値を用いてリーチ判定を行ない、リーチとするときには、R3の抽出値を用いてリーチ図柄を決定する。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をS302に移行するように更新する。なお、第1特別図柄の停止図柄は、大当りとなるときには、大当り図柄として定められた「3」,「7」の識別情報のうちいずれの停止図柄にするかを決定する。また、上述したように大当りとなるときの第1特別図柄の停止図柄が「7」の図柄となるときには大当り遊技状態終了後に第1確変状態に制御され、「3」の図柄となるときには大当り遊技状態終了後に通常遊技状態に制御される。すなわち、第1特別図柄の大当り図柄を決定することにより大当り遊技状態終了後に第1確変状態(第1特別遊技状態)と通常遊技状態とのいずれの遊技状態に制御するかを判定(決定)している。
【0154】
第1変動パターン設定処理(ステップS302):第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示の変動パターン(変動表示データ)を、始動入賞発生時に抽出した変動パターン決定用のランダムカウンタR4の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターン(変動表示データ)の中から選択する。変動パターンには変動態様と、該変動態様を実行する時間(変動時間)とを特定する情報が含まれている。また、決定された変動パターンに基づいて、第1特別図柄および第1飾り図柄が変動表示を行なって導出表示されるまでの変動時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を第1特別図柄プロセスタイマにセットした後、第1特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、表示制御基板80に対して、大当りの有無、確変の有無、リーチの有無、および、変動時間の長さを含む変動態様(変動パターン)を指令する情報(変動パターンコマンド)が送信される。そして、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に移行するように更新する。
【0156】
第1特別図柄停止処理(ステップS304):第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8において変動表示される第1特別図柄および第1飾り図柄が停止するように制御する。具体的には、第1特別図柄を停止させるとともに、第1特別図柄の停止に同期させて第1飾り図柄を停止させるために、第1飾り図柄停止を示す演出制御コマンド(第1飾り図柄停止コマンド)が送信される状態に設定する。そして、第1大当りフラグがセットされている場合には、内部状態(第1特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に移行するように更新する。そうでない場合には、内部状態をステップS300に移行するように更新する。
【0164】
図10は、図8に示す第1特別図柄プロセス処理における第1特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。第1特別図柄通常処理において、CPU56は、第1特別図柄および第1飾り図柄の変動を開始することができる状態となっている場合(たとえば第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には第2大当り実行中フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS51)。第2大当り実行中フラグは、第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9に大当り図柄(特定表示結果)が導出表示されて第2大当り遊技状態(特定遊技状態)が開始するときに第2特別図柄プロセス処理(ステップS27)における第2特別図柄変動処理(図示しない)にてセットされ、第2大当り遊技状態(特定遊技状態)が終了するときに第2大当り終了処理(図示しない)にてリセットされる。次いで、CPU56は、保留記憶数の値を確認する(ステップS52)。具体的には、第1保留記憶カウンタのカウント値を確認する。なお、第1特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8で第1特別図柄および第1飾り図柄の変動表示がなされていず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。
【0165】
保留記憶数が0でなければ、RAM55の第1保留記憶バッファにおける保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値(始動入賞時に抽出されたR1?R5のそれぞれの数値データ)を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納するとともに(ステップS53)、保留記憶数の値を1減らし(第1保留記憶カウンタのカウント値を1減算し)、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS54)。すなわち、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値(始動入賞時に抽出されたR1?R5の数値データのグループ)を、保留記憶数=n-1に対応する保存領域に格納する。よって、各保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各数値データが抽出された順番は、常に、保留記憶数=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。すなわち、この例では、変動表示の開始条件が成立する毎に、各保存領域の内容をシフトする構成としているので、各数値データが抽出された順番を特定することができる。
【0166】
次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用のランダムカウンタR1の抽出値の数値データを読み出し(ステップS55)、R1と大当り判定値とが一致するか否かに基づいて前述の大当り判定を行なう大当り判定モジュールを実行する(ステップS56)。CPU56は、大当りとすることに決定した場合には(ステップS57)第1大当りフラグをセットする(ステップS58)。そして、第1特別図柄プロセスフラグの値を第1特別図柄停止図柄設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS59)。

以上の記載及びパチンコ遊技機に関する常識によれば、引用文献1には次の発明が記載されていると認められる。
「大当り状態を発生させるか否かを、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファに記憶した乱数値R1に基づいて判定するとともに、特別図柄の変動表示を開始させた後に、大当りとなるときには大当り図柄として定められた特別図柄を導出表示する第1特別図柄表示器81と第2特別図柄表示器91、及び、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファに記憶されている保留記憶数を報知する第1保留記憶表示器83と第2保留記憶表示器93を、表示制御する、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータと、
第1特別図柄表示器81と第2特別図柄表示器91における特別図柄の変動表示パターンに応じて飾り図柄の変動表示を行い、対応する第1特別図柄表示器81と第2特別図柄表示器91に特定表示結果(たとえば、「3」または「7」)を表示するときにはゾロ目(たとえば、「333」、「777」等の3つ揃い)を導出表示する第1変動表示部8と第2変動表示部9、及び、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファの保留記憶数に応じた表示を行う第1未処理変動回数表示領域10と第2未処理変動回数表示領域11を、遊技制御用マイクロコンピュータから受信した保留記憶数を指定するコマンドを含む演出制御コマンドに基づいて表示制御する、表示制御基板80の表示制御用マイクロコンピュータと、を有して構成され、
始動入賞口14に入った入賞球が始動口スイッチ62によって検出されると、4を上限として第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファの保留記憶数を1つ増加させるとともに、その時取得した乱数値R1を第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに記憶する手段と、
一方の特別図柄表示器に基づいて大当りが発生していないことを条件に、他方の特別図柄表示器に係る保留記憶バッファの乱数値R1を読み出し大当り判定を行なう手段と、
保留記憶バッファの乱数値R1を読み出した時に、その保留記憶バッファにおいて、保留記憶数を1減らし、保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値(始動入賞時に抽出されたR1?R5の数値データのグループ)を、保留記憶数=n-1に対応する保存領域に格納する手段と、
第1保留記憶バッファに記憶されている保留記憶数を指定するコマンドと、第2保留記憶バッファに記憶されている保留記憶数を指定するコマンドを含む演出制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータに送信する手段と、
第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号を第1保留記憶表示器83と第2保留記憶表示器93各々に出力し制御し、第1特別図柄表示器81または第2特別図柄表示器91において特別図柄の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1減らす手段と、を遊技制御用マイクロコンピュータに設ける一方、
表示制御用マイクロコンピュータは、受信した演出制御コマンドに基づいて第1未処理変動回数表示領域10と第2未処理変動回数表示領域11の表示制御を行い、第1飾り図柄または第2飾り図柄の変動表示が開始される毎に第1未処理変動回数表示領域10または第2未処理変動回数表示領域11における表示色が変化している表示領域を1減らすよう構成されている、弾球遊技機。」(以下、「引用発明」という。)

4.対比
本願発明と引用発明を対比する。
引用発明の「大当り状態」は本願発明の「遊技者に有利な遊技状態」に相当し、以下同様に、「第1特別図柄表示器81」は「第一のメイン表示部」に、「第2特別図柄表示器91」は「第二のメイン表示部」に、「保留記憶数」は「変動動作の開始待ち数である変動保留数」に、「第1保留記憶表示器83」は「第一の保留数表示部」に、「第2保留記憶表示器93」は「第二の保留数表示部」に、「主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ」は「主制御部」に、「飾り図柄」は「演出図柄」に、「変動表示」は「変動動作」に、「保留記憶数を指定するコマンドを含む演出制御コマンド」は「保留数コマンド」に、「表示制御基板80の表示制御用マイクロコンピュータ」は「演出制御部」に、「乱数値R1」は「入賞検出情報」に、相当する。
そして、引用発明について、以下のことがいえる。
(1)「大当り状態を発生させるか否かを、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファに記憶した乱数値R1に基づいて判定するとともに、特別図柄の変動表示を開始させた後に、大当りとなるときには大当り図柄として定められた特別図柄を導出表示する第1特別図柄表示器81と第2特別図柄表示器91、及び、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファに記憶されている保留記憶数を報知する第1保留記憶表示器83と第2保留記憶表示器93を、表示制御する、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータと」について
「大当り状態を発生させるか否かを」「乱数値R1に基づいて判定する」ということが本願発明の「当否抽選処理」に相当し、「特別図柄の変動表示を開始させた後に、大当りとなるときには大当り図柄として定められた特別図柄を導出表示する」ということが本願発明の「実行された当否抽選処理に対応して一連の変動動作を経た上で、当該当否抽選処理の抽選結果を報知する」に相当することは明らかである。
第1特別図柄表示器81と第2特別図柄表示器91、及び、第1保留記憶表示器83と第2保留記憶表示器93に対して実行する、遊技制御用マイクロコンピュータの表示制御が「自ら直接的に」行われるものとの明記は引用文献1には存在しない。しかしながら、引用文献1の図2には主基板31と第1特別図柄表示器81等との間には基板等を介在させない回路が図示されており、段落【0085】には「遊技制御用マイクロコンピュータは、プログラムに従い、駆動信号を第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91各々に出力し表示制御を行なう。これにより、主基板31と第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した特別図柄表示器用の制御基板等を設け、主基板31からの指令信号に基づき制御基板等により第1特別図柄表示器81および第2特別図柄表示器91の表示制御を行なう場合と比較して、大当り判定の結果を確実に間違いなく表示させることができる。」と記載されているから、引用発明は主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータが第1特別図柄表示器81等を「自ら直接的に」表示制御するものと解される。
そうすると、引用発明と本願発明は、「遊技者に有利な遊技状態を発生させるか否かの当否抽選処理を実行すると共に、実行された当否抽選処理に対応して一連の変動動作を経た上で、当該当否抽選処理の抽選結果を報知する第一と第二のメイン表示部、及び、各メイン表示部の変動動作の開始待ち数である変動保留数を各々特定する第一と第二の保留数表示部を、自ら直接的に表示制御する主制御部と」との構成を具備する点で共通している。
(2)「第1特別図柄表示器81と第2特別図柄表示器91における特別図柄の変動表示パターンに応じて飾り図柄の変動表示を行い、対応する第1特別図柄表示器81と第2特別図柄表示器91に特定表示結果(たとえば、「3」または「7」)を表示するときにはゾロ目(たとえば、「333」、「777」等の3つ揃い)を導出表示する第1変動表示部8と第2変動表示部9、及び、第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファの保留記憶数に応じた表示を行う第1未処理変動回数表示領域10と第2未処理変動回数表示領域11を、遊技制御用マイクロコンピュータから受信した保留記憶数を指定するコマンドを含む演出制御コマンドに基づいて表示制御する、表示制御基板80の表示制御用マイクロコンピュータと、を有して構成され」について
引用発明の「第1変動表示部8と第2変動表示部9」は、特別図柄の変動表示を実行する表示部とは別に演出図柄(飾り図柄)の変動表示を実行するという機能において本願発明の「サブ表示部」と同じであるから、単一であるか否かはさておき、本願発明の「サブ表示部」に相当する。
そして、「第1特別図柄表示器81と第2特別図柄表示器91における特別図柄の変動表示パターンに応じて飾り図柄の変動表示を行い」は本願発明の「メイン表示部」「の変動動作に対応して演出図柄による一連の変動動作を実行し」に相当し、「対応する第1特別図柄表示器81と第2特別図柄表示器91に特定表示結果(たとえば、「3」または「7」)を表示するときにはゾロ目(たとえば、「333」、「777」等の3つ揃い)を導出表示する」ということは、本願発明の「対応するメイン表示部における抽選結果の報知に対応して抽選結果を報知する」に相当する。
また、「第1未処理変動回数表示領域10と第2未処理変動回数表示領域11」は、第1変動表示部8と第2変動表示部9(本願発明のサブ表示部に相当)の保留数を表示するものであって、あわせて総保留数を表示するものであるから、単一であるか否かはさておき、本願発明の「総保留数表示部」に相当する。また、第1変動表示部8と第2変動表示部9で表示された総保留数は、「飾り図柄」による変動表示の開始保留数であって、第1保留記憶表示器83と第2保留記憶表示器93で表示された総保留数と同じであるから、本願発明の「演出図柄による変動動作の開始保留数であって、第一と第二の保留数表示部の表示総数」に相当する。
そうすると、引用発明と本願発明は、「メイン表示部の変動動作に対応して演出図柄による一連の変動動作を実行し、対応するメイン表示部における抽選結果の報知に対応して抽選結果を報知するサブ表示部、及び、演出図柄による変動動作の開始保留数であって、第一と第二の保留数表示部の表示総数を表示する総保留数表示部を、主制御部から受ける保留数コマンドに基づいて表示制御する演出制御部と、を有して構成され」との構成を具備する点で共通している。
(3)「始動入賞口14に入った入賞球が始動口スイッチ62によって検出されると、4を上限として第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファの保留記憶数を1つ増加させるとともに、その時取得した乱数値R1を第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに記憶する手段と」について
遊技球の入賞が保留の契機となる入賞口は、引用発明では一つ(「始動入賞口14」)であり、本願発明では二つ(「第一と第二の入賞口」)であるが、両者とも「入賞口に」「遊技球が入賞したことを検出して」保留が行われることは共通している。
引用発明では、始動入賞口14に入った入賞球が始動口スイッチ62によって検出されると、変動表示を、第1図柄表示部(第1特別図柄表示器81および第1変動表示部8)側で行なうか、第2図柄表示部(第2特別図柄表示器91および第2変動表示部9)側で行なうかを、選択決定し、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファの保留記憶数を1つ増加させ、その時取得した乱数値R1を第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに記憶させるとともに、乱数値R1に基づいて第1特別図柄表示器81または第2特別図柄表示器91の変動表示が行われるものである。
一方、本願発明の「入賞状態の入賞口についての変動保留数」及び「何れの入賞口に入賞したかを特定して入賞検出情報を記憶する」との構成から、変動保留数と入賞検出情報は、それが記憶される契機となった入賞口(第一、第二)を区別するものであり、第一の入賞口への入賞に基づく保留記憶(以下、「第一保留」という)と、第二の入賞口への入賞に基づく保留記憶(以下、「第二保留」という。)からなるものといえる。そして、本願発明では、「第一保留」の入賞検出情報に基づいて「第一のメイン表示部」で変動動作が行われ、「第二保留」の入賞検出情報に基づいて「第二のメイン表示部」で変動動作が行われるものである。
すなわち、引用発明では第1保留記憶バッファの乱数値R1に基づいて第1特別図柄表示器81の変動表示が行われるのに対し、本願発明では「第一保留」の入賞検出情報に基づいて「第一のメイン表示部」の変動動作が行われ、また、引用発明では第2保留記憶バッファの乱数値R1に基づいて第2特別図柄表示器91の変動表示が行われるのに対し、本願発明では「第二保留」の入賞検出情報に基づいて「第二のメイン表示部」の変動動作が行われる。
そうすると、保留記憶の契機がどの(始動)入賞口によるかは別として、特別図柄表示器(メイン表示部)の別(第1、第2)に対応して保留が区別して記憶されているという限りにおいて、引用発明の第1保留記憶バッファにおける保留記憶数及び乱数値R1は上記「第一保留」における変動保留数及び入賞検出情報に相当し、引用発明の第2保留記憶バッファにおける保留記憶数及び乱数値R1は上記「第二保留」における変動保留数及び入賞検出情報に相当する。
以上により、引用発明と本願発明は、「入賞口に遊技球が入賞したことを検出して、第一保留または第二保留毎に規定されている上限値を超えない限り、第一保留または第二保留の変動保留数を1つ増加させると共に、第一保留または第二保留を特定して入賞検出情報を記憶する入賞検出手段と」との構成を具備する点で共通している。
(4)「一方の特別図柄表示器に基づいて大当りが発生していないことを条件に、他方の特別図柄表示器に係る保留記憶バッファの乱数値R1を読み出し大当り判定を行なう手段と」について
当否抽選処理(大当り判定)を実行する条件が、引用発明では「一方の特別図柄表示器に基づいて大当りが発生していない」ことであるのに対し、本願発明では「第一と第二のメイン表示部の何れも変動動作中でない」ことであるが、いずれも「特定の条件」ということができる。
そうすると、引用発明と本願発明は、「特定の条件に機能し、入賞検出情報に基づいて当否抽選処理を実行する抽選手段と」との構成を具備する点で共通している。
(5)「保留記憶バッファの乱数値R1を読み出した時に、その保留記憶バッファにおいて、保留記憶数を1減らし、保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値(始動入賞時に抽出されたR1?R5の数値データのグループ)を、保留記憶数=n-1に対応する保存領域に格納する手段と」について
大当り判定のために「保留記憶バッファの乱数値R1を読み出した」後、「保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値(始動入賞時に抽出されたR1?R5の数値データのグループ)を、保留記憶数=n-1に対応する保存領域に格納する」ことは、当該読み出した乱数値R1を消去することを意味している。
そうすると、引用発明と本願発明は、「当否抽選処理の実行に対応する入賞検出情報を消去すると共に、当否抽選処理の実行に対応する第一保留または第二保留の変動保留数を1つ減少させる更新手段と」との構成を具備する点で共通している。
(6)「第1保留記憶バッファに記憶されている保留記憶数を指定するコマンドと、第2保留記憶バッファに記憶されている保留記憶数を指定するコマンドを含む演出制御コマンドを表示制御用マイクロコンピュータに送信する手段と」について
引用発明の「演出制御コマンド」は、「第一保留」の保留記憶数を指定するコマンドと「第二保留」の保留記憶数を指定するコマンドを含み、このようなコマンドはデータが更新されたときに送受信されるという弾球遊技機における常識を踏まえると、本願発明の「保留数コマンド」に相当する。
そうすると、引用発明と本願発明は、「更新手段によって更新された第一保留または第二保留の変動保留数を特定可能な保留数コマンドを、演出制御部に伝送する伝送手段と」との構成を具備する点で共通している。
(7)「第1保留記憶バッファと第2保留記憶バッファの保留記憶数に応じた駆動信号を第1保留記憶表示器83と第2保留記憶表示器93各々に出力し制御し、第1特別図柄表示器81または第2特別図柄表示器91において特別図柄の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1減らす手段と、を遊技制御用マイクロコンピュータに設ける」について
引用発明は、「保留記憶数に応じた駆動信号を第1保留記憶表示器83と第2保留記憶表示器93各々に出力し制御」するものであり、特別図柄の変動表示が開始される毎にLEDの点灯数を1減らすものであるから、本願発明の「更新手段によって更新された変動保留数に対応して保留数表示部の表示内容を更新する表示手段と、を主制御部に設ける」との構成を実質的に具備するものである。
(8)「表示制御用マイクロコンピュータは、受信した演出制御コマンドに基づいて第1未処理変動回数表示領域10と第2未処理変動回数表示領域11の表示制御を行い、第1飾り図柄または第2飾り図柄の変動表示が開始される毎に第1未処理変動回数表示領域10または第2未処理変動回数表示領域11における表示色が変化している表示領域を1減らすよう構成されている」について
保留数コマンドは、(6)で上記したように、データが更新されたときに送受信されるものと解すべきものであるから、引用発明は、本願発明の「演出制御部は、伝送手段が伝送した保留数コマンドに基づいて、総保留数表示部の表示内容を更新するよう構成されている」という構成を実質的に具備するものである。

以上によれば、本願発明と引用発明は、
「遊技者に有利な遊技状態を発生させるか否かの当否抽選処理を実行すると共に、実行された当否抽選処理に対応して一連の変動動作を経た上で、当該当否抽選処理の抽選結果を報知する第一と第二のメイン表示部、及び、各メイン表示部の変動動作の開始待ち数である変動保留数を各々特定する第一と第二の保留数表示部を、自ら直接的に表示制御する主制御部と、
メイン表示部の変動動作に対応して演出図柄による一連の変動動作を実行し、対応するメイン表示部における抽選結果の報知に対応して抽選結果を報知するサブ表示部、及び、演出図柄による変動動作の開始保留数であって、第一と第二の保留数表示部の表示総数を表示する総保留数表示部を、主制御部から受ける保留数コマンドに基づいて表示制御する演出制御部と、を有して構成され、
入賞口に遊技球が入賞したことを検出して、第一保留または第二保留毎に規定されている上限値を超えない限り、第一保留または第二保留の変動保留数を1つ増加させると共に、第一保留または第二保留を特定して入賞検出情報を記憶する入賞検出手段と
特定の条件に機能し、入賞検出情報に基づいて当否抽選処理を実行する抽選手段と、
当否抽選処理の実行に対応する入賞検出情報を消去すると共に、当否抽選処理の実行に対応する第一保留または第二保留の変動保留数を1つ減少させる更新手段と、
更新手段によって更新された第一保留または第二保留の変動保留数を特定可能な保留数コマンドを、演出制御部に伝送する伝送手段と、
更新手段によって更新された変動保留数に対応して保留数表示部の表示内容を更新する表示手段と、を主制御部に設ける一方、
演出制御部は、伝送手段が伝送した保留数コマンドに基づいて、総保留数表示部の表示内容を更新するよう構成されている、弾球遊技機。」である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点1>
当否抽選処理が、本願発明では、第一と第二の入賞口への遊技球の入賞に対応して各々実行されるのに対し、引用発明はそのような構成でない点。
<相違点2>
本願発明では、サブ表示部が、単一であってメイン表示部の何れかの変動動作に対応して変動動作を実行するとともに、総保留数表示部が単一であるのに対し、引用発明はそのような構成でない点。
<相違点3>
本願発明では、第一保留と第二保留が第一と第二の入賞口に遊技球が入賞したことの検出に基づいて記憶されたものであるのに対し、引用発明では、一つの入賞口への遊技球の入賞に基づいて第一保留記憶バッファまたは第二保留記憶バッファに振り分けて記憶することにより、相違点が生じるものであるが、具体的には、
本願発明では、
入賞検出手段が、第一と第二の入賞口の何れかに遊技球が入賞したことを検出して、入賞口毎に規定されている上限値を超えない限り、入賞状態の入賞口についての変動保留数を1つ増加させると共に、何れの入賞口に入賞したかを特定して入賞検出情報を記憶し、
更新手段が、当否抽選処理の実行に対応する入賞口についての変動保留数を1つ減少させ、
伝送手段が、更新手段によって更新された入賞口についての変動保留数を特定可能な保留数コマンドを、演出制御部に伝送するのに対し、
引用発明では、そのような構成でない点。
<相違点4>
当否抽選処理を実行する特定の条件が、本願発明では、第一と第二のメイン表示部の何れも変動動作中でないことであるのに対し、引用発明ではそのような条件でない点。

5.判断
上記各相違点について検討する。
(1)相違点1、3について
相違点1と相違点3は関連しているので、あわせて検討する。
平成23年8月18日付け拒絶理由通知で引用した特開2005-124939号公報(以下、「引用文献2」という。)には、特別図柄表示器33,39に対応して始動入賞口14A、14Bを設け、始動入賞口14Aに遊技球が入賞したときに第1始動入賞記憶数があらかじめ設定されている上限値に達していなければ第1始動入賞記憶数を1増やす(段落【0095】)とともに各乱数を抽出して第1保存領域に格納し(段落【0096】)、始動入賞口14Bに遊技球が入賞したときに第2始動入賞記憶数があらかじめ設定されている上限値に達していなければ第2始動入賞記憶数を1増やす(段落【0097】)とともに各乱数を抽出して第2保存領域に格納し(段落【0098】)、始動入賞口14aへの入賞にもとづく変動を実行するときには第1始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出すとともに第1始動入賞記憶数の値を1減らし(段落【0104】)、始動入賞口14bへの入賞にもとづく変動を実行するときには第2始動入賞記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出すとともに第2始動入賞記憶数の値を1減らす(段落【0110】)ことが記載されている。
したがって、上記引用文献2には、本願発明の「当否抽選処理を、第一と第二の入賞口への遊技球の入賞に対応して各々実行する」に相当する技術事項、「第一と第二の入賞口の何れかに遊技球が入賞したことを検出して、入賞口毎に規定されている上限値を超えない限り、入賞状態の入賞口についての変動保留数を1つ増加させると共に、何れの入賞口に入賞したかを特定して入賞検出情報を記憶する入賞検出手段」に相当する技術事項、「当否抽選処理の実行に対応する入賞口についての変動保留数を1つ減少させる更新手段」に相当する技術事項が記載されている。更に、引用文献2に記載された技術事項を引用発明に適用すると、引用発明の伝送手段が伝送する「更新された第一保留または第二保留の変動保留数」は「更新された入賞口についての変動保留数」となる。
そうすると、引用発明において、引用文献2に記載された技術事項を採用し、相違点1、3に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば想到容易である。
(2)相違点2について
上記引用文献2の「遊技領域7の中央付近には、それぞれが識別情報としての飾り図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む可変表示装置(特別可変表示部)9が設けられている。」(段落【0028】)との記載、「可変入賞球装置15Aの左側には、それぞれが識別情報としての特別図柄を可変表示(変動表示)する複数の可変表示部を含む特別図柄表示器33が設けられている。」(段落【0034】)との記載、「可変入賞球装置15Bの右側には、それぞれが識別情報としての特別図柄を可変表示する複数の可変表示部を含む特別図柄表示器39が設けられている。」(段落【0035】)との記載及び【図1】によれば、上記引用文献2には、2つの特別図柄表示器33、39の他に飾り図柄を可変表示する可変表示装置9を設けることが記載されており、本願発明の「単一のサブ表示部」に相当する構成が記載されている。
また、上記引用文献2の「第1特別図柄の変動表示を指定する変動パターンコマンドであれば、・・次いで、表示制御用CPU101は、・・特別図柄表示器33での第1特別図柄の変動表示制御と、可変表示装置9での飾り図柄の変動表示制御とを実行する(ステップS805a)。」(段落【0140】)との記載、「第2特別図柄の変動表示を指定する変動パターンコマンドであれば、・・次いで、表示制御用CPU101は、・・特別図柄表示器39での第2特別図柄の変動表示制御と、可変表示装置9での飾り図柄の変動表示制御とを実行する(ステップS805b)。」(段落【0142】)との記載、「上述した実施の形態では、前回の特別図柄の変動表示が完了したあとに、次の特別図柄の変動表示が開始される構成としていた」(段落【0150】)との記載によれば、上記引用文献2には、特別図柄表示器33、39の何れかの変動表示に対応して飾り図柄の変動表示を行うものであり、本願発明の「メイン表示部の何れかの変動動作に対応して演出図柄による一連の変動動作を実行・・するサブ表示部」に相当する構成が記載されている。
更に、上記引用文献2の「可変表示装置9の表示領域には、始動入賞口14A,14Bに入った有効入賞球数すなわち始動入賞記憶数を表示する特別図柄始動記憶数表示エリア(始動記憶数表示エリア)18が設けれている。本例では、始動記憶数表示エリア18には、第1始動入賞記憶数と第2始動入賞記憶数との総数である総始動入賞記憶数が表示される。」(段落【0030】)との記載及び【図1】によれば、本願発明の「単一の総保留数表示部」に相当する構成が記載されている。
そうすると、引用発明において、引用文献2に記載された技術事項を採用し、相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば想到容易である。
(3)相違点4について
上記引用文献2の「変動開始時処理において、CPU56は、特別図柄の変動を開始することができる状態(例えば特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合)には(ステップS51)、総始動入賞記憶数(保留記憶数)の値を確認する(ステップS52)。・・・なお、特別図柄プロセスフラグの値がステップS300を示す値となっている場合とは、特別図柄表示器33,39において特別図柄の変動がなされておらず、かつ、大当り遊技中でもない場合である。」(段落【0102】)との記載、「次いで、CPU56は、乱数格納バッファから大当り判定用乱数を読み出し(ステップS57a)、大当りとするか否かを判定する大当り判定処理を実行する(ステップS58a)」(段落【0106】)との記載、及び「なお、上述した実施の形態では、前回の特別図柄の変動表示が完了したあとに、次の特別図柄の変動表示が開始される構成としていたが、前回の特別図柄の変動表示が完了する前に、次の特別図柄の変動表示を開始するようにしてもよい。すなわち、特別図柄の変動表示が複数箇所で時間的に重複して実行される構成とされていてもよい。」(段落【0150】)との記載からみて、上記引用文献2の「実施の形態」では、特別図柄表示器33,39の何れも変動が行われていないことを条件に、当否抽選が行われるものと認められる。
したがって、引用文献2には、本願発明の「第一と第二のメイン表示部の何れも変動動作中でないことを条件に機能し、・・当否抽選処理を実行する」に相当する技術事項が記載されている。
そうすると、引用発明において、上記引用文献2に記載された技術事項を適用し、相違点4に係る本願発明の構成とすることは当業者にとって想到容易である。
そして、本願発明の効果は、引用発明、引用文献2に記載された技術事項から当業者が予測できる範囲のものである。

以上により、本願発明は、引用発明、引用文献2に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

なお、出願人は、「このように、引用発明では、始動入賞口14が単一個であり、複数の始動入賞口を設けることを禁止している以上、引用発明は、本願発明の構成要件1を具備していないだけでなく、構成要件1を備えることの阻害要因を有していると正しく評価されるべきであります。」(平成23年10月20日付け意見書、5頁1?4行)と主張しているので、検討する。
引用発明は、分離された遊技領域ごとに始動口を設けた遊技機においては、遊技盤面の設計が複雑化するという不都合、遊技場管理者の負担の増加という不都合が生じていた(引用文献1の段落【0006】、【0007】)ため、遊技盤面の設計の簡素化及び遊技場管理者の負担増大の防止を図る(同【0008】)ため、始動入賞口14を単一にしたものと認められる。しかしながら、始動入賞口14を単一にしたのは当該不都合を軽減するためである以上、引用発明において、始動入賞口14を2つにして、当該不都合が生じるとしても、発明が実施できないというような弊害が生じるとは認められない。
したがって、引用発明に引用文献2に記載された技術事項を適用することを阻害する要因はなく、引用発明も引用文献2に記載された技術事項も弾球遊技機に関するものである点で一致しているから、当業者であれば、引用発明に引用文献2に記載された技術事項を適用することは想到容易である。

6.むすび
以上のとおり、本願発明は、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-11-16 
結審通知日 2011-11-22 
審決日 2011-12-06 
出願番号 特願2006-286262(P2006-286262)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 石塚 良一  
特許庁審判長 伊藤 陽
特許庁審判官 小原 博生
澤田 真治
発明の名称 弾球遊技機  
代理人 野中 誠一  

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