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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A47J
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A47J
管理番号 1250977
審判番号 不服2010-9467  
総通号数 147 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-05-06 
確定日 2012-01-26 
事件の表示 特願2000-600456号「赤外線発熱体を有するグリドル・プレート」拒絶査定不服審判事件〔2000年8月24日国際公開、WO00/49839、平成14年11月5日国内公表、特表2002-537051号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2000年1月24日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1999年2月17日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成21年12月17日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成22年5月6日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに同日付けで手続補正がされたものである。

第2 平成22年5月6日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成22年5月6日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1.補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、「ハウジングと、
食品をグリル焼きするための金属グリドル・プレートからなる下方プラテンと、
前記金属グリドル・プレートに取り付けた加熱組立体と、
位置決め機構と、
上方プラテン
を包含する調理機器であって、
前記加熱組立体が、容器と、前記金属グリドル・プレートの下面に少なくとも面している平らな表面を含む前記容器内に配置された断熱材と、前記断熱材の平らな表面の上に配置され、かつ前記金属グリドル・プレートの前記下面を少なくともカバーしかつ赤外線を金属グリドル・プレートの前記下面に均一に照射するようなパターンで配列された非接触式赤外線発熱体とを有し、かつ、前記非接触式赤外線発熱体と前記金属グリドル・プレートは、それらの間にスペースが設けられており、前記非接触式赤外線発熱体の発した赤外線が前記平らな表面のいかなる不ぞろいによっても遮られることがないようになってり、かつ、前記金属グリドル・プレートの下面が前記赤外線に均一に照射され、それにより、前記金属グリドル・プレートは如何なるコールドスポットもなく均一に加熱できるものである、
さらに、前記赤外線が、実質的に約900?4,000ナノメートルの波長範囲にある、
前記下方プラテンがハウジングに取り付けられている、
前記位置決め機構が前記ハウジングに取り付けられている、
前記上方プラテンが前記位置決め機構に取り付けられ、前記位置決め機構が下方プラテンに関して調理位置と非調理位置との間で上方プラテンを移動操作可能とする、
調理機器。」と補正された。
上記請求項1に係る補正は、発明を特定するための事項である、下方プラテンに関し、「金属グリドル・プレートからなる」ことを限定し、断熱材に関し、「金属グリドル・プレートの下面に少なくとも面している平らな表面を含む」ことを限定し、非接触式赤外線発熱体に関し、「断熱材の平らな表面の上に配置」され、「かつ前記金属グリドル・プレートの前記下面を少なくともカバーしかつ赤外線を金属グリドル・プレートの前記下面に均一に照射するようなパターンで配列され」、「かつ、前記非接触式赤外線発熱体と前記金属グリドル・プレートは、それらの間にスペースが設けられており」、「かつ、前記金属グリドル・プレートの下面が前記赤外線に均一に照射され、それにより、前記金属グリドル・プレートは如何なるコールドスポットもなく均一に加熱できるものである」ことを限定するものであるから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2.引用刊行物
(1)引用刊行物1
原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先日前に頒布された米国特許第2,632,379号明細書(以下「引用刊行物1」という。)には、第1?7図とともに以下の事項が記載されている。(なお、和訳は当審による。)
ア.「This Invention relates to a double electric cooking grill for simultaneously cooking a food item, such as a steak, on both sides thereof and for applying a desired and uniform pressure to all portions of the food item whereby a rapid and uniform cooking is accomplished.
・・・(中略)・・・Accordingly, it is a primary object of the present invention to provide an electric grill wherein rapid cooking may be accomplished without any sacrifice in quality and wherein, as for example, in the cooking of a steak both sides of the piece of meat may be simultaneously seared to main tain the juices therein and by maintenance of a proper pressure on the steak at all times uniform cooking of the steak can be rapidly accomplished.」(第1欄第1?20行、和訳:この発明は、それによって迅速で一定の調理が遂行される、ステーキのような、その両面において食物アイテムを同時に料理するための、および、食物アイテムのすべての部分に希望のそして均一な圧力を加えるための、ダブルの電気的な料理グリルに関する。
・・・(中略)・・・従って、その中で、品質を犠牲にすることなしに迅速な調理が遂行されるであろう、また、その中で、例として、ステーキの料理において、1つの肉の両面が、そこのジュースを維持するために、同時に焼かれるであろう、そして、ステーキへの適切な圧力の維持により、いつでも、ステーキの均一な調理が遂行されるであろう、電気的なグリルを提供することが、この発明の主な目的です。)
イ.「Referring more specifically to the drawing, the electric grill in its entirety is designated generally 8 and includes a bottom section, designated generally 9 and a top section, designated generally 10.
The bottom section 9 includes a bottom grill plate 11 and a surrounding flange 12 which is preferably formed integral with the plate 11 and which depends therefrom.The flange 12 is also provided with an upper portion which rises from the upper surface of the grill plate 11 and which forms an upstanding surrounding wall 13.A sub bottom 14 is suitably secured within the bottom portion of the flange 12 and combines with the grill plate 11 and flange 12 to form a chamber 15 in which an electric heating element 16 is suitably supported.」(第2欄第14?30行、和訳:図面をより明細に参照すると、電気的なグリルの全体は、通例、8で示され、ボトムの部分は、通例、9で示され、トップの部分は、通例、10で示される。
ボトムの部分9は、ボトムグリルプレート11と、望ましくはプレート11と一体に形成されており、またそこから垂れ下がる周囲のフランジ12を含んでいる。フランジ12もまた、グリルプレート11の上部の表面から立ち上がり、直立の周囲の壁13を形成する、上の部分が提供されている。サブのボトム14は、フランジ12のボトムの部分の内に適切に固定され、また、その中に電気的な発熱体16が適切に支持される、部屋15を形成するように、グリルプレート11とフランジ12に結合される。)
ウ.「The top grill section 10 is likewise an elongated rectangular structure but smaller than the bottom section 9 to fit loosely within the wall 13, as best illustrated in Figure 3, and includes a top grill plate 26 constituting the bottom wall of the upper grill section 10 and which is provided with an integral upstanding flange 27 rising from both longitudinal and transverse edges of the plate 26.An electrical heating element 28 is suitably supported within the surrounding flange 27 above and adjacent the grill plate 26 and the open top of the upper section 10, defined by the upper edge of the flange 27, is closed by a closure 29 which, like the closure 14, is preferably formed of electrical insulating and heat insulating material.The closure 29 is likewise suitably secured to the flange 27 and is provided with a pair of spaced upstanding apertured ears 30 which are located intermediate of the side edges of the section 10 and adjacent the end thereof disposed adjacent the arm 22.The arm 22, opposite to its end 23, has an aperture end 31 which overlies a portion of the bottom grill plate 11 and which is disposed between the apertured ears 30 and connected thereto by a pivot pin 32 which loosely engages ths opening of said end 31 for swingably supporting the upper grill section 10 on the arm 22.」(第3欄第8?35行、和訳:トップグリルの部分10、は同様に長方形の構造であって、しかし、図3に最良として図示されるように、壁13の内に緩く適合するボトムの部分9より小さく、そして、上部のグリルの部分10のボトムの壁を構成しているトップグリルプレート26を含んでおり、そして、プレート26の縦と横の両方の端から立ち上がる一体の直立のフランジ27が提供される。電気的な発熱体28は、グリルプレート26の上側で近接して、周囲のフランジ27の内側に適切に支持され、さらに、フランジ27の上部の端によって定義される、上の部分10の開いた頂部は、望ましくは、覆い14のように、電気的な絶縁および熱的に絶縁の材質から形成される、覆い29によって閉じられている。覆い29は、同様にフランジ27に適切に固定され、そして、部分10の横の端の中間に位置され、それの端に近接し、腕22の近くに配置された、一対の間隔を空けて配置された直立の孔のある耳30が提供される。腕22には、その端部23の反対に、ボトムグリルプレート11の一部に重なり、孔のある耳30の間で配置され、腕22についての上のグリルの部分10を揺り動かせるように支持するための前述の端部31の開き間隔通路に緩く結合するピボットピン32によってそれに接続される、孔のある端部31がある。)
エ.「After the top section 10 is swung downwardly to a horizontal position, the handle 44 is backed off so that the bolt 41 can be swung upwardly to engage in the slot 36, after which the handle 44 is turned to advance the head 47 into engagement with, the roughened arm portion 37 and the handle 44 is then tightened to obtain the desired pressure.With the heating elements 16 and 26 energized, both sides of the steak, not shown, will be cooked simultaneously and initially seared to retain the juices therein.」(第4欄第46?57行、和訳:トップの部分10が水平の位置へ下方へ揺り動かされた後、スロット36の中で結合するためにボルト41が上方へ揺り動かされ得るように、ハンドル44は後ろへ倒され、それから、ハンドル44は結合へその頭47を進めるように回され、その後、凹凸のある腕部の部分37およびハンドル44は希望の圧力を得るように締められます。発熱体16および26にエネルギーが与えられ、図示されないステーキの両面は、ジュースをそこに保持するために、同時に最初に焼かれて、料理されるでしょう。)
オ.第4図には、ボトムの部分9が、ボトムグリルプレート11と、プレート11と一体でそこから垂れ下がる周囲のフランジ12と、下面を覆う覆いであるサブのボトム14とで、部屋15を形成しており、電気的な発熱体16が、周囲のフランジ12の内側の途中に設けられて、部屋15の中間で、ボトムグリルプレート11とサブのボトム14とは間隔を有している様子、トップの部分10が、トップグリルプレート26と、プレート26の縦と横の両方の端から立ち上がる一体の直立のフランジ27と、上面の開いた頂部が覆い29によって閉じられて部屋を形成し、電気的な発熱体28が、部屋の中間に、グリルプレート26の上側でかつ覆い29より下側で間隔を有して、周囲のフランジ27の内側に設けられている様子、及びボトムグリルプレート11とトップグリルプレート26が近接した状態になるようトップの部分10が配設され、凹凸のある腕部の部分37とハンドル4の下面が係合している様子が図示される。
これらの記載事項ア.?エ.及びオ.の図示内容を総合すると、上記引用刊行物1には、「ボトムグリルプレート11と、ボトムグリルプレート11と一体でそこから垂れ下がる周囲のフランジ12と、下面を覆う覆いであるサブのボトム14とで、部屋15を形成し、電気的な発熱体16が、その部屋15の中で、周囲のフランジ12の内側の途中に、ボトムグリルプレート11とサブのボトム14とは間隔を有するように支持されるボトムの部分9と、
トップグリルプレート26と、プレート26の縦と横の両方の端から立ち上がる一体の直立のフランジ27と、上面の開いた頂部が、覆いであるサブのボトム14のように、電気的な絶縁および熱的に絶縁の材質から形成される、覆い29によって閉じられて部屋を形成し、電気的な発熱体28が、部屋の中間に、グリルプレート26の上側でかつ覆い29より下側で間隔を有して、周囲のフランジ27の内側に支持されているトップの部分10と、
トップの部分10にピボットピン32によって緩く結合されて、トップの部分10を揺り動かせるように支持する、腕22をを包含する、
ステーキの料理において1つの肉の両面を同時に焼く、ダブルの電気的な料理グリルであって、
トップの部分10が水平の位置へ下方へ揺り動かされた後、圧力を得るように凹凸のある腕部の部分37とハンドル4の下面が締められ、発熱体16および26にエネルギーを与えられ、肉の両面が同時に最初に焼かれて、料理されるダブルの電気的な料理グリル。」の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
(2)引用刊行物2
同じく引用され、本願の優先日前に頒布された特開昭49-132628号公報(以下「引用刊行物2」という。)には、第1及び2図とともに以下の事項が記載されている。
ア.「この発明は調理用電熱器特にニクロム線等の電熱線上においたセラミツクガラス板が加熱面を形成し、これに調理用なべ等をのせて調理する電熱器の改良に関する。
このような型式の電熱器は金属製の支持トレーを有し、該トレーの内面は断熱材でライニングしてあり、断熱ライニング層に電熱線が設置してある。そしてこの種の電熱器は電気調理器に組込むことができ、セラミツクガラス板が電熱線の上に若干の空隙をおいて被せてある。」(第1頁左下欄第9?18行)
イ.「この発明に係る電熱器はらせん状の電熱線を載置する平担面を有する断熱板を備え、該電熱線は複数個の綴じ金を介し、前記断熱板に固定され、前記断熱板は前記綴じ金を保持するに足る摩擦係数を有する素材で構成してなるものである。
・・・(中略)・・・
まず電熱線は平坦面上に載置してあるから、断熱板による熱の損失は殆ど無く、輻射熱の全部を有効に利用できる。」(第2頁左上欄第11?末行)
ウ.「電熱器のトレー状外側金属板は底部10及び側壁11を有し、図示のように平面円形のもので、電熱線13が断熱材の薄い円盤14上に載置してありさらに該円盤は微細多孔質の断熱材からなる基盤15上に敷設してある。円盤14は例えばセラミツク繊維を積層固着して薄い円盤状に形成したものを使用し、電熱線13を載置する表面は平坦面となつている。
基盤15は微細多孔質の断熱材で円盤状に形成してあり、周辺部は第2図示のように立上り、周側壁16を構成している。」(第2頁右下欄第2?11行)
エ.「基盤15の立上り周側壁16の頂面には円盤14と同一断熱素材からなる肉薄のリング17が載せてあり、ピン、綴じ金、接着剤等の適宜材料を使用して周側壁16の頂面に固定してある。18は前記リング上に載せる耐熱カバー(セラミツクガラス等)を示す。」(第3頁左上欄第6?11行)
(3)引用刊行物3
同じく引用され、本願の優先日前に頒布された特開平3-86116号公報(以下「引用刊行物3」という。)には、第1?6図とともに以下の事項が記載されている。
ア.「ガード(1)の上に取り付けられる加熱プレート(2)は、上の調理面で種々の調理が行われる。したがって、一般には調理に適した熱容量を得るためにやや厚いアルミニウムのダイカスト成形品が使われ、調理面にはテフロン加工が施されて調理品の焦げ付きが防止されるようになっている。」(第2頁左上欄第7?12行)
イ.「(1)は加熱調理器の蓋、(2)は加熱プレート、(3)は本体で、これらはいずれも楕円形に作られている。蓋(1)には把手(4)が設けられ、加熱プレート(2)の上面を覆う。(5)は本体(3)に設けられ薄い金属板を鍋状に成型した反射板、(6)はシースヒータ、(7)は樹脂材からなるガードである。」(第2頁右下欄末行?第3頁左上欄第6行)
ウ.「発熱したシースヒータ(6)の輻射熱は直接加熱プレート(2)を加熱すると共に、反射板(5)からの反射熱も加熱プレート(2)に加わる。特に、シースヒータ(8)の内側サークル(6a)は中心Oと同心になっていて、加熱プレート(2)をO点を中心に等しい距離から調理面を加熱する。また、外側サークル(6b)はほぼ楕円形状に作られて、加熱プレート(2)の楕円の隅部を加熱する。この結果、調理面の温度分布が一様になって、加熱プレート(2)に載せた焼肉等を焼きムラがなく調理することができる。」(第3頁右下欄第9?末行)
(4)引用刊行物4
同じく引用され、本願の優先日前に頒布された国際公開第97/46150号(以下「引用刊行物4」という。)には、第1?42図とともに以下の事項が記載されている。(なお、和訳はファミリー文献である特表2001-523980号公報を参照した。)
ア.「A preferred embodiment according to the present invention is depicted inFIGS. 1 through 4. FIGS. 1 and 2 depict clam shell grill 10 having upper platen (or cooking surface) 12 and lower platen 14. Food items are placed on lower platen 14, and upper platen 12 is subsequently lowered, manually or automatically, to contact and cook the food items.」(第5頁第6?10行、和訳:本発明に基づく好ましい実施形態を図1から図4に示す。図1および図2は、上側プラテン(または調理面)12および下側プラテン14を有する二枚貝状グリル10を示す。食品を下側プラテン14上に配置し、次に上側プラテン12を手動で、または自動的に下降させ、食品に接触させて調理する。)
イ.「The preferred configuration of the two-surfaced cooking apparatus, as shown in FIGS. 1 and 2, comprises a support structure 36 to which lower cooking platen 14 is horizontally mounted. This lower platen has a smooth level cooking surface on its upper side. This lower platen 14 is heated to cooking temperature by gas or electric means via heating elements 38 or equivalent gas burners.・・・(中略)・・・
An upper platen assembly is movably mounted to the rear of support structure 36 by means of a positioning mechanism. The upper platen assembly comprises an upper cooking platen 12 heated to cooking temperature by heating elements mounted within a casing. ・・・(中略)・・・
The positioning mechanism facilitates two distinct motions by upper platen 12 from its uppermost position to a cooking position. In this embodiment, linear actuator 42 is linked to two vertical reciprocating shafts 44 by actuator cross bar linkage 46. Actuator cross bar linkage 46 is clamped to vertical reciprocating shafts 44 which run through linear motion bearings 48. These vertical shafts 44 are affixed to arm pivot/stop heads 50. Cantilever bars 52 run through arm pivot/stop heads 50 through rotational pivot bearings 54. When upper platen 12 is in its uppermost rotational position 22 (see FIG. 1), linear actuator 42 is extended to its maximum position, vertical reciprocating shafts 44 and arm pivot/stop heads 50 are extended upward and to a position which forces the back end of cantilever bars 52 to contact rotational bearing 55 forcing rotational motion of upper platen 12 to an angle of approximately 540 from the horizontal. When linear actuator motion is reversed, upper platen 12 descends both vertically and through an arc caused by the cantilever weight of upper platen 12 maintaining contact between rotational bearing 55 and back of cantilever bars 52. When cantilever bars 52 and upper platen 12 become parallel with lower platen 14, the stop portion of arm pivot/stop head 50 stops the rotational motion of cantilever bars 52 causing purely vertical motion of upper platen 12 from this point and further down to any of the cooking positions.」(第10頁第10行?第11頁第10行、和訳:図1および図2に示すように、二面調理装置の好ましい実施形態では、下側調理プラテン14が水平に取り付けられた支持構造体36を備える。この下側プラテンは、その上側に滑らかで平らな調理面を有している。この下側プラテン14は、加熱要素38または同等のガスバーナーによるガスまたは電気的手段によって、調理温度に加熱される。・・・(中略)・・・
上側プラテン組立体は位置決め機構によって、支持構造体36の後部に可動に取り付けられている。上側プラテン組立体は、ケーシング内に取り付けられた加熱要素によって調理温度に加熱される上側調理プラテン12を備えている。・・・(中略)・・・
位置決め機構は、上側プラテン12による最上方の位置から調理位置への2つの異なる動きを促進する。この実施形態では、直線アクチュエータ42が2つの垂直往復動シャフト44に、アクチュエータ横棒リンケージ46でもって連結されている。アクチュエータ横棒リンケージ46は、直線運動軸受け48を通して動作する垂直往復動シャフト44にクランプされている。これらの垂直シャフト44はアーム回動/停止ヘッド50に固着されている。片持ち梁棒52が回転軸受け54を介してアーム回動/停止ヘッド50を通って延びている。上側プラテン12がその最上方回動位置22にあるとき(図1を見よ)、直線アクチュエータ42はその最大位置まで延ばされ、垂直往復動シャフト44およびアーム回動/停止ヘッド50は上方にある位置まで延在される。この位置では片持ち梁棒52の後端部を回転軸受け55に接触させ、上側プラテン12を水平から約54度の角度までに回転運動させる。直線アクチュエータの移動が逆になると、上側プラテン12は、垂直な下降および弧を描いての下降の双方を行う。この弧を描いての下降は、上側プラテン12の片持ち梁重量により生じしめられる弧を描いての下降であって、回転軸受け55と片持ち梁棒52の後部との間の接触を維持しつつ行われる。片持ち梁棒52と上側プラテン12とが下側プラテン14に平行になったとき、アーム回動/停止ヘッド50のストッパ部分が片持ち梁棒52の回動を停止させ、この点からさらにいずれかの調理位置まで下がる上側プラテン12の純粋な垂直運動を生じさせる。)
ウ.「To illustrate, a typical cooking cycle will be outlined. The grill apparatus begins in an inactive state, with its upper platen 12 in its fully open and raised position. The upper platen 12 is at an angle of 54° from horizontal. 」(第12頁第16?18行、和訳:説明のために、典型的な調理サイクルを概略述べる。グリル装置は、その上側プラテン12が完全に開かれかつ上昇させられた位置の非活動状態で始まる。上側プラテン12は水平から54度の角度にある。)
エ.「upper platen 12 descends to a predetermined position above lower platen 14. This position was programmed into user interface control 62 for the specific product to be cooked.」(第13頁第30?32行、和訳:上側プラテン12は下側プラテン14上方の予め定められた位置まで下降する。この位置は、特定の製品を調理するためにユーザインターフェースコントロール62にプログラムされている。)
オ.「with the ends of bars 52 rotating counterclockwise (as viewed in FIG. 1) about rotational bearings 55 and the front end of upper platen 14 arcing upward until the maximum angle is achieved (approximately 54°). At that point microprocessor 26 halts drive motor 56 and effectively locks upper platen 14 into place.」(第14頁第25?29行、和訳:このとき、片持ち梁棒52の端部は回転軸受け55の回りに(図1で見て)反時計方向に回動し、上側プラテン12の前端部は最大角度(約54度)に到達するまで上方に向かって弧を描く。その地点で、マイクロプロセッサ26は駆動モータ56を停止させ、上側プラテン12を効果的かつ適切に固定する。)

3.対比・判断
本願補正発明と引用発明とを対比すると、後者の「ボトムグリルプレート11」は、その機能・構成からみて、前者の「グリドル・プレート」及び「グリドル・プレートからなる下方プラテン」に相当し、以下同様に、後者の「トップグリルプレート26」は前者の「上方プラテン」に、後者の「ダブルの電気的な料理グリル」は前者の「調理機器」にそれぞれ相当する。
また、後者の「電気的な発熱体16」は、「部屋15の中で、周囲のフランジ12の内側の途中に、ボトムグリルプレート11とサブのボトム14とは間隔を有するように支持される」ものであるから、前者の「非接触式」「発熱体」に相当し、後者の「電気的な発熱体16」の配置についても、前者の「非接触式」「発熱体と金属グリドル・プレートは、それらの間にスペースが設けられ」る配置と同様であるといえる。
そして、後者の「ダブルの電気的な料理グリル」は、「ステーキの料理において1つの肉の両面を同時に焼く」ものであって、「トップの部分10が水平の位置へ下方へ揺り動かされた後、圧力を得るように凹凸のある腕部の部分37とハンドル4の下面が締められ、発熱体16および26にエネルギーを与えられ、肉の両面が同時に最初に焼かれて、料理される」から、後者のトップの部分10の「下方へ揺り動か」す前の位置は前者の「非調理位置」に相当し、「下方へ揺り動か」した後の「水平の位置」が前者の「調理位置」に相当し、その間で「下方へ揺り動か」すから、前者の「調理位置と非調理位置との間で上方プラテンを移動操作可能」であるといえ、その2つの位置はトップの部分10とボトムの部分9により肉の両面が同時に焼くためであるから、トップの部分10はボトムの部分9に対して相対的に移動するといえるので、後者の「水平の位置へ下方へ揺り動かされ」ることは前者の「下方プラテンに関して調理位置と非調理位置との間で上方プラテンを移動操作可能」であることに対応する。また、水平の位置では、ボトムの部分9のボトムグリルプレート11とトップの部分10のトップグリルプレート26は肉の両面を焼くから、後者の「ボトムグリルプレート11」は前者の「金属グリドル・プレートからなる下方プラテン」と同様に「食品をグリル焼きするため」のものといえる。
そうすると、両者は、「食品をグリル焼きするためのグリドル・プレートからなる下方プラテンと、
上方プラテン
を包含する調理機器であって、
非接触式発熱体を有し、かつ、前記非接触式発熱体と前記グリドル・プレートは、それらの間にスペースが設けられており、
下方プラテンに関して調理位置と非調理位置との間で上方プラテンを移動操作可能とする、
調理機器。」である点で一致し、以下の点で相違すると認められる。

相違点A:グリドル・プレートからなる下方プラテンに関して、本願補正発明では、「金属」のグリドル・プレートであって、「加熱組立体」が取り付けられ、「前記加熱組立体が、容器と、前記金属グリドル・プレートの下面に少なくとも面している平らな表面を含む前記容器内に配置された断熱材と、前記断熱材の平らな表面の上に配置され、かつ前記金属グリドル・プレートの前記下面を少なくともカバーしかつ赤外線を金属グリドル・プレートの前記下面に均一に照射するようなパターンで配列された非接触式赤外線発熱体とを有し、かつ、」「前記非接触式赤外線発熱体の発した赤外線が前記平らな表面のいかなる不ぞろいによっても遮られることがないようになってり、かつ、前記金属グリドル・プレートの下面が前記赤外線に均一に照射され、それにより、前記金属グリドル・プレートは如何なるコールドスポットもなく均一に加熱できるものであ」り、「前記赤外線が、実質的に約900?4,000ナノメートルの波長範囲にある」のに対して、引用発明では、「ボトムグリルプレート11と一体でそこから垂れ下がる周囲のフランジ12と、下面を覆う覆いであるサブのボトム14とで、部屋15を形成し、電気的な発熱体16が、その部屋15の中で、周囲のフランジ12の内側の途中に、ボトムグリルプレート11とサブのボトム14とは間隔を有するように支持される」「ボトムの部分9」となっている点。
相違点B:本願補正発明が「ハウジングと、」「位置決め機構」をも包含し、
「下方プラテンがハウジングに取り付けられ」、「位置決め機構が前記ハウジングに取り付けられ」、「上方プラテンが前記位置決め機構に取り付けられ」、「前記位置決め機構が」下方プラテンに関して調理位置と非調理位置との間で上方プラテンを移動操作可能としているのに対して、引用発明は「トップの部分10にピボットピン32によって緩く結合されて、トップの部分10を揺り動かせるように支持する、腕22を包含」するものの、そのようなものではない点。

そこで、上記相違点について検討する。
(1)相違点Aについて
ア.金属グリドル・プレートについて
引用発明のボトムグリルプレート11は、肉を直接焼くものといえ、かつボトムグリルプレート11と一体でそこから垂れ下がる周囲のフランジ12を有するものでもある。
そして、このような肉を直接焼くプレートを金属で形成することは、ホットプレートやグリドル(必要あれば特開平9-299246号公報等参照)等で知られるように、ごく一般的であるといえ、さらに、例えば、引用刊行物3や特開平8-247474号公報等に示されるように、引用発明と同様に、金属のグリルプレートとは間隔を置いて発熱体を設け、輻射により加熱するものも周知であって、引用発明のボトムグリルプレート11を金属で形成することは当業者が上記周知の事項に倣って適宜なし得た設計事項であるといえる。さらにいえば、引用発明のボトムグリルプレート11は、これと一体でそこから垂れ下がる周囲のフランジ12をも有し、肉を焼くように熱するものであるから、このような耐熱性の成形体をみるとき当業者であれば、金属で成形することを直ちに想起するものでもある。
イ.加熱組立体について
引用刊行物2には、若干の空隙をおいて配置された電熱線の輻射熱により加熱する、加熱面である耐熱カバーと、
底部10及び側壁11からなる円形のトレー状外側金属板と、
トレーの内面をライニングする断熱材と、
断熱材の薄い円盤14の平坦面である表面の上に載置されるらせん状の電熱線13とを有し、
基盤15の立上り周側壁16の頂面に耐熱カバーが載せられることで、
電熱線は平坦面上に載置してあるから、断熱板による熱の損失は殆ど無く、輻射熱の全部を有効に利用できることが示されている。
引用発明のボトムの部分9は、「部屋15を形成し、電気的な発熱体16が、その部屋15の中で、」「支持される」ものであるが、このボトムの部分9の構造として、上記引用刊行物2に記載された構造を用いることは、同じくプレートを、これとは間隔を有した発熱体により加熱するものであり、さらに引用刊行物2に記載の構造は輻射熱の全部を有効に利用できるものでもあることから、当業者容易になし得たことといえる。引用発明のボトムの部分9のサブのボトム14がトップの部分10の覆い29と同様に電気的な絶縁および熱的に絶縁の材質から形成されることも示唆されており、引用刊行物2が断熱板を用いるとしても、その構造を用いることが格別困難であるとはいえない。
なお、引用発明のボトムの部分9の部屋15の組み立てを、肉を直接焼くボトムグリルプレート11を別体とし、他の構成と組み立てて、部屋15を形成するという点からみても、上記ア.で引用した金属のプレートである引用刊行物3や特開平8-247474号公報等に記載のものでも、そのような構成とするものであって、どのように分割したものを組み立てるかにすぎず、上記のようになすことが困難であるとはいえない。
そうすると、本願補正発明の、容器と、グリドル・プレートの下面に少なくとも面している平らな表面を含む前記容器内に配置された断熱材と、前記断熱材の平らな表面の上に配置され、非接触式発熱体とを有した加熱組立体及び、加熱組立体がグリドル・プレートに取り付けられる構成とすることは、当業者が格別の困難性を要することなくなし得たことといえる。
そしてそのようになされるとき、発熱体は平坦面上に載置されるから、本願補正発明の「非接触式発熱体の発した」「線が前記平らな表面のいかなる不ぞろいによっても遮られることがないようになって」いるとの構成も当然に有するものといえる。なお、当該記載は特許協力条約34条の補正による補正時からのものであることからもこのように判断せざるを得ない。
ウ.発熱体をパターンで配列することについて
引用刊行物2の電熱線13は、円形のトレー状外側金属板内で、断熱材の薄い円盤14の平坦面である表面の上に、らせん状に載置されるものである。
また、引用刊行物3には、加熱プレート(2)を輻射熱で加熱するシースヒータ(6)において、内側サークル(6a)や外側サークル(6b)の配置とすることで、中心Oの等しい距離の調理面や隅部まで加熱し、調理面の温度分布が一様になって、焼きムラをなくすことが示されている。
そうすると、引用発明に引用刊行物2に記載の構造を用いて、発熱体をらせん状等のパターンとするにあたり、上記引用刊行物3にも示唆されるように、隅まで温度分布が一様となるように、そのパターンを形成することも、当業者が必要に応じて適宜なし得たことといえる。一般的にパターンとするに際し、その配置により均一に加熱するようなすことは当業者にとって通常なすことにすぎない。
したがって、本願補正発明のグリドル・プレートの下面を少なくともカバーしかつ線を金属グリドル・プレートの前記下面に均一に照射するようなパターンで配列された非接触式発熱体とすることも当業者にとって格別の困難性を要したこととはいえない。
そして、このことに加えて、上記イ.で述べたように発熱体を平坦面上に載置することも当業者にとって容易なのであるから、そのようになされるとき、本願補正発明の「グリドル・プレートの下面が線に均一に照射され、それにより、グリドル・プレートは如何なるコールドスポットもなく均一に加熱できるものであ」るとの構成も有しているものといえる。
なお、輻射熱により均一に加熱しようとするとき、均一に照射することも当業者にとって通常なす程度のことであり、かつ当該「照射」との用語は、本件補正により新たに用いられたものでもある。
エ.赤外線について
引用発明はボトムグリルプレート11と間隔を有するから熱線等の電磁波を輻射するとはいえる。
また、引用刊行物2及び3に示されるものも熱線等の電磁波を輻射するものである。
一方、電気コンロをはじめ、可視光を発生しない、つまり赤外線を発生する電熱線を用いることは、加熱体として、ごく通常のものといえる。
そうすると、可視光がでない、できるだけ高温の発熱体を用いることは、当業者が、グリルの大きさ・焼く速さ、肉の量、使える電力、求められる調理法等に応じた、目的とする温度、加熱速度、必要な熱量等の仕様から、適宜なし得たことといえ、赤外線のうち、高温の、近及び中赤外線にあたる、約900?4000ナノメートルの波長を選択することも当業者が適宜なし得た設計的事項といえる。そしてこのような値とすることについて、明細書をみても、格別の効果があるとはいえない。
オ.まとめ
上記ア.?エ.で述べたようであるから、相違点Aに係る本願補正発明の構成となすことは、当業者が容易になし得たことであり、相違点Aについての効果も格別であるともいえない。

(2)相違点Bについて
引用刊行物4には、支持構造体36と、その上側に滑らかで平らな調理面を有していて加熱される下側プラテン14と、位置決め機構と、上側プラテン12を包含する二面調理装置であって、
下側調理プラテン14が支持構造体36に水平に取り付けられ、上側プラテン組立体は位置決め機構によって、支持構造体36の後部に可動に取り付けられ、
位置決め機構は、上側プラテン12を、約54度の最上方の位置から、下側プラテン14上方の予め定められた位置である調理位置へ下降し、また、最大角度(約54度)に到達するまで上方に向かって弧を描く、グリル装置である二面調理装置が記載されている。
引用発明のトップの部分10を揺り動かせるように支持するために、同じくボトムグリルプレート11とトップグリルプレート26に対応する上下のプレートによりグリルする上記引用刊行物4に記載された構造を、支持構造体36を含めて用いて、相違点Bに係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことといえ、そのことによる格別の効果もない。

そして、上記相違点A及びBを合わせ考えても、本願発明の効果が格別であるとはいえない。
そうすると、本願補正発明は、引用発明、引用刊行物2?4に記載の事項及び上記周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、その効果についても格別とはいえない。

4.むすび
上記したように、本願補正発明は、引用発明、引用刊行物2?4に記載の事項及び上記周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成21年7月21日付けで手続補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「ハウジングと、食品をグリル焼きするための下方プラテンと、前記下方プラテンに取り付けた加熱組立体と、位置決め機構と、上方プラテンとを包含する調理機器であって、
前記加熱組立体が、容器と、前記容器内に配置された断熱材と、前記断熱材の頂面に配置した非接触式赤外線発熱体とを有し、前記非接触式赤外線発熱体の発した赤外線が前記頂面のいかなる不ぞろいによっても遮られることがないようになっており、
前記下方プラテンが、前記赤外線によってほぼ均一に加熱されるようになっており、また、前記非接触式赤外線発熱体と前記下方プラテンとの間にスペースが設けられており、さらに、前記赤外線が、実質的に約900?4,000ナノメートルの波長範囲にある、
前記下方プラテンがハウジングに取り付けられている、
前記位置決め機構が前記ハウジングに取り付けられている、
前記上方プラテンが前記位置決め機構に取り付けられ、前記位置決め機構が下方プラテンに関して調理位置と非調理位置との間で上方プラテンを移動操作可能とする、
調理機器。」

1.引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物の記載事項は、前記「第2の2.」に記載したとおりである。

2.対比・判断
本願発明は、前記「第2の1.」で検討した本願補正発明を特定するための事項である、
下方プラテンに関し、「金属グリドル・プレートからなる」との限定、断熱材に関し、「金属グリドル・プレートの下面に少なくとも面している平らな表面を含む」との限定、非接触式赤外線発熱体に関し、「断熱材の平らな表面の上に配置」され、「かつ前記金属グリドル・プレートの前記下面を少なくともカバーしかつ赤外線を金属グリドル・プレートの前記下面に均一に照射するようなパターンで配列され」、「かつ、前記非接触式赤外線発熱体と前記金属グリドル・プレートは、それらの間にスペースが設けられており」、「かつ、前記金属グリドル・プレートの下面が前記赤外線に均一に照射され、それにより、前記金属グリドル・プレートは如何なるコールドスポットもなく均一に加熱できるものである」との限定を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに、他の発明特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2の3.」に記載したとおり、引用発明、引用刊行物2?4に記載の事項及び上記周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様に、引用発明、引用刊行物2?4に記載の事項及び上記周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

3.むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用刊行物2?4に記載の事項及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。そうすると、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-08-17 
結審通知日 2011-08-23 
審決日 2011-09-05 
出願番号 特願2000-600456(P2000-600456)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A47J)
P 1 8・ 575- Z (A47J)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中村 大輔  
特許庁審判長 平上 悦司
特許庁審判官 長浜 義憲
青木 良憲
発明の名称 赤外線発熱体を有するグリドル・プレート  
代理人 結田 純次  
代理人 竹林 則幸  

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