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審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 H04H
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04H
管理番号 1251399
審判番号 不服2009-20454  
総通号数 147 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-10-23 
確定日 2012-01-30 
事件の表示 特願2004-551442「データ・ネットワークを使用した気象/災害警報システム」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 5月27日国際公開、WO2004/044858、平成18年 2月23日国内公表、特表2006-506849〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
本願は、平成15年8月25日(パリ条約に基づく優先権主張 2002年11月12日 米国)を国際出願日とする出願であって、平成21年6月18日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成21年10月23日に拒絶査定不服審判が請求されるとともに、同日付けで手続補正がなされたものである。


第2.平成21年10月23日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成21年10月23日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.補正内容
本件補正は、補正前の特許請求の範囲(平成21年6月4日付けで補正)の請求項1:
「【請求項1】
ネットワークから受信した符号化された信号を判別するプロセッサであって、
前記プロセッサは、オーディオ・データおよびビデオ・データからなる符号化された信号と、前記ネットワークに結合された情報源からのイベントを報告するための符号化された信号とを判別し、前記プロセッサは、地理的位置を表すコードを含む前記符号化された信号と特定地域に関連するコードとを比較してユーザに警報すべきかどうかを判定し、前記オーディオ・ビデオ・及び警報情報を判別するためにパケット識別子が使用され、前記地理的コードは前記警報情報に対応するパケットのユーザ・データ・フィールドに位置する、プロセッサと、
前記符号化された信号の比較結果に応じて、特定地域に関連するコードに対するイベントを報告する警報装置と
を具える警報受信機。」を、

「【請求項1】
ネットワークから受信した符号化された信号を判別するプロセッサであって、
前記プロセッサは、オーディオ・データおよびビデオ・データからなる符号化された信号と、前記ネットワークに結合された情報源からのイベントを報告するための符号化された信号とを判別し、前記プロセッサは、地理的位置を表すコードを含む前記符号化された信号と特定地域に関連するコードとを比較してユーザに警報すべきかどうかを判定し、前記オーディオ・ビデオ・及び警報情報を判別するためにパケット識別子が使用され、前記地理的コードは前記警報情報に対応するパケットのユーザ・データ・フィールドに位置すし、前記イベントを報告するための符号化された信号がSAMEベースメッセージの信号である場合に、前記プロセッサは、前記オーディオ・データおよびビデオ・データからなる符号化された信号に、音声、映像、またはテキスト情報からなる前記警報メッセージを形成する付加的情報を付加する、プロセッサと、
前記符号化された信号の比較結果に応じて、特定地域に関連するコードに対するイベントを報告する警報装置と
を具える警報受信機。」

と補正することを含むものである。なお、下線は、平成21年10月23日付けの手続補正書において、付加されているものである。


2.補正の検討
「明細書、特許請求の範囲又は図面」を、以下「明細書等」という。
「願書に最初に添付した明細書」を、以下「当初明細書」という。
「願書に最初に添付した明細書等」を、以下「当初明細書等」という。

当初明細書の段落番号【0023】に「上述したように、SAMEベースのメッセージを受信すると、番組配信者18は付加的情報をメッセージに追加して、警報のオーサとなる。追加される情報のタイプは警報メッセージを補足する音声、映像、またはテキスト情報である。例えば、SAMEベースのメッセージを受信すると、番組配信者18は、ケーブル・ネットワーク20に接続されたディスプレイ27に表示する気象マップを提供するグラフィック情報、あるいはオーディオ装置27に出力する気象メッセージの内容を話すコンピュータによるシンセサイズ(合成)音声を提供するオーディオ情報を追加し、他の形態の補足的情報が番組配信者18の好みに基づいて選択される。」と記載されている。

したがって、当初明細書の段落番号【0023】の記載によれば、SAMEベースのメッセージを受信すると、番組配信者18は、メッセージに、警報メッセージを補足する音声、映像、またはテキスト情報を追加している。
他方、本件補正後の請求項1によれば、イベントを報告するための符号化された信号がSAMEベースメッセージの信号である場合に、警報受信機のプロセッサが、オーディオ・データおよびビデオ・データからなる符号化された信号に、音声、映像、またはテキスト情報からなる警報メッセージを形成する付加的情報を付加している。

よって、イベントを報告するための符号化された信号がSAMEベースメッセージの信号である場合に、オーディオ・データおよびビデオ・データからなる符号化された信号に、音声、映像、またはテキスト情報からなる警報メッセージを形成する付加的情報を付加する主体が、当初明細書の段落番号【0023】では、番組配信者18であるのに対して、本件補正後の請求項1では、警報受信機のプロセッサであり、両者は異なっている。
また、当初明細書等の記載から、イベントを報告するための符号化された信号がSAMEベースメッセージの信号である場合に、警報受信機のプロセッサが、オーディオ・データおよびビデオ・データからなる符号化された信号に、音声、映像、またはテキスト情報からなる警報メッセージを形成する付加的情報を付加することが自明であるとも認められない。
したがって、本件補正は、「当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないもの」でない。
よって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3.本願発明について
平成21年10月23日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成21年6月4日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものである。


1.引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1(特開2001-339658号公報)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。

(a)段落番号【0026】-【0027】
「【0026】図1を参照すると、本発明によって構成される、地理的特定信号通信受信器は、地理的特定領域の状況に関する情報および地理的特有領域に関連するコード成分を有する警告信号を受信する第1の受信手段を含む。このような手段は、図1に示す本発明の実施形態の場合、警告信号ならびに映像情報成分および音声情報成分を有するテレビ番組信号の両方を捕らえることができるアンテナ10を含む。別々ののアンテナが、両方の信号を受信する単一のアンテナの代わりに用いられ得、1つは警告信号のみを受信し、もう1つはテレビ番組信号のみを受信する。
【0027】アンテナ10が捕らえられた警告信号は、図1に示すように、SAMEモジュール12に伝えられ、SAMEモジュール12によって受信される。SAMEモジュール12は、警告信号を受信および復調し、警告信号に含まれる情報を表すトーン信号を生成するSAME受信器14を含む。トーン信号は、典型的にはバイナリ形式で、トーン信号をデータ信号に変換するトーン-データ変換器16に伝えられ、二次マイクロプロセッサ18に伝えられる。」

(b)段落番号【0030】
「【0030】本発明によって構成される、地理的特定信号通信受信器は、また、対象となる地理的領域に関連するコード情報、および対象となる領域に関する他の情報を格納する手段を含む。対象となる領域は、地理的特定信号通信受信器が位置する領域(すなわち、この受信器のユーザがいる領域)、または近傍の領域(すなわち、家族の一員もしくは友達がいる領域または職場の位置、あるいは、ユーザにとって対象となる場所)であり得る。本発明によって構成される、地理的特定信号通信受信器は、対象となる地理的領域に関する1つより多いコードおよび関連する情報を格納し得る。このようなコード格納および情報格納手段は、図1に示す本発明の実施形態について、不揮発性メモリ/データベース24を含む。」

(c)段落番号【0031】
「【0031】図1の地理的特定信号通信受信器は、格納されたコード情報と警告信号のコード成分とを比較する手段をさらに含む。このような手段は、図1に示す本発明の実施形態について、メインマイクロプロセッサ20に含まれる。格納されたコード情報(すなわち、不揮発性メモリ/データベース24によって識別された領域に関連するコード)および警告信号のコード成分が同じである場合、メインマイクロプロセッサ20は、制御信号を生成する。」

(d)段落番号【0034】
「【0034】本発明によって構成される、地理的特定信号通信受信器は、警告信号、ならびに映像情報成分および音声情報成分を有するテレビ番組信号を受信し、テレビ番組信号の映像情報成分を映像ディスプレイに、テレビ番組信号の音声情報成分を、スピーカーに伝え、メインマイクロプロセッサ20によって生成される制御信号に応答して、警告信号の地理的特有領域における状況に関連する情報を映像ディスプレイに選択的に伝える第2の受信手段をさらに含む。このような手段は、図1の本発明の実施形態の場合、アンテナ10から警告信号およびテレビ番組信号の両方を受信するチューナ28を含む。チューナ28は、警告信号およびテレビ番組信号の映像情報成分の両方を映像プロセッサ30に伝達し場合、ならびにテレビ番組信号の音声情報成分を音声プロセッサ32に伝達する場合において、周波数に応じて選択するように設計される。」

(e)段落番号【0037】
「【0037】警告信号情報に含まれるコード情報が、格納されたコード情報に適合する場合、メインマイクロプロセッサ20によって生成される制御信号は、二次マイクロプロセッサ18からの入力と共に、ブザー26を作動し、対象となる領域(単数または複数)に特有の警告情報が受信されたという可聴警報を提供することによって、ユーザが警告を視聴するために映像ディスプレイ34に関心を向け得る。」

(f)段落番号【0039】
「好適には、本発明によって構成される、地理的特定信号通信受信器は、警告信号を受信するために、「常時オン」または「待機」状態にあるように構成される。典型的には、デジタルテレビ受信器は、「常時オン」であり、連続的に送信される情報を監視している。結果として、デジタルテレビ受信器は、理想的には、本発明に適する。」

したがって、刊行物1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「「常時オン」であり、連続的に送信される情報を監視しているデジタルテレビ受信器である地理的特定信号通信受信器であって、
警告信号ならびに映像情報成分および音声情報成分を有するテレビ番組信号の両方を捕らえることができるアンテナ10を含み、
アンテナ10が捕らえられた警告信号は、SAMEモジュール12に伝えられ、SAMEモジュール12によって受信され、SAMEモジュール12は、警告信号を受信および復調し、警告信号に含まれる情報を表すトーン信号を生成するSAME受信器14を含み、
対象となる地理的領域に関連するコード情報、および対象となる領域に関する他の情報を格納する不揮発性メモリ/データベース24を含み、
格納されたコード情報と警告信号のコード成分とを比較するメインマイクロプロセッサ20を含み、
格納されたコード情報(すなわち、不揮発性メモリ/データベース24によって識別された領域に関連するコード)および警告信号のコード成分が同じである場合、メインマイクロプロセッサ20は、制御信号を生成し、
警告信号、ならびに映像情報成分および音声情報成分を有するテレビ番組信号を受信し、テレビ番組信号の映像情報成分を映像ディスプレイに、テレビ番組信号の音声情報成分を、スピーカーに伝え、メインマイクロプロセッサ20によって生成される制御信号に応答して、警告信号の地理的特有領域における状況に関連する情報を映像ディスプレイに選択的に伝えるチューナ28を含み、
警告信号情報に含まれるコード情報が、格納されたコード情報に適合する場合、メインマイクロプロセッサ20によって生成される制御信号は、二次マイクロプロセッサ18からの入力と共に、ブザー26を作動し、対象となる領域(単数または複数)に特有の警告情報が受信されたという可聴警報を提供することによって、ユーザが警告を視聴するために映像ディスプレイ34に関心を向け得る、
地理的特定信号通信受信器。」


2.本願発明と引用発明の一致点・相違点

デジタルテレビ放送のテレビ番組信号は符号化されているから、引用発明の映像情報成分および音声情報成分を有するテレビ番組信号が、本願発明の「オーディオ・データおよびビデオ・データからなる符号化された信号」に相当する。
引用発明の警告信号については、「警告を発すべき」とする何らかの情報源が存在することは明らかである。また、引用発明の警告信号情報は、コード情報を含むから、コード化、すなわち符号化されていることは明らかである。したがって、引用発明の警告信号は、本願発明の「前記ネットワークに結合された情報源からのイベントを報告するための符号化された信号」と、「情報源からのイベントを報告するための符号化された信号」である点で一致している。

引用発明のアンテナ10は、警告信号ならびにテレビ番組信号の両方を捕らえるのに対し、SAME受信器14は、警告信号のみを受信および復調するから、引用発明のSAME受信器14は、本願発明のプロセッサと、「オーディオ・データおよびビデオ・データからなる符号化された信号と、情報源からのイベントを報告するための信号とを判別」する点で一致している。

引用発明では、メインマイクロプロセッサ20が、格納されたコード情報と警告信号のコード成分とを比較しているから、警告信号のコード成分が、格納されたコード情報と同様に、地理的領域に関連するコード情報を含んでいることは明らかである。
引用発明の警告信号のコード成分が、本願発明の「地理的位置を表すコードを含む前記符号化された信号」に相当する。引用発明の不揮発性メモリ/データベース24に格納されている、対象となる地理的領域に関連するコード情報が、本願発明の「特定地域に関連するコード」に相当する。

引用発明では、格納されたコード情報および警告信号のコード成分が同じである場合、メインマイクロプロセッサ20は、制御信号を生成し、該制御信号に応答して、チューナ28が、警告信号の地理的特有領域における状況に関連する情報を映像ディスプレイに選択的に伝え、ブザー26を作動する。
したがって、引用発明のメインマイクロプロセッサ20は、本願発明のプロセッサと、「地理的位置を表すコードを含む前記符号化された信号と特定地域に関連するコードとを比較してユーザに警報すべきかどうかを判定」する点において、一致している。
また、引用発明のチューナ28、映像ディスプレイ及びブザー26は、本願発明の警報装置と、「前記符号化された信号の比較結果に応じて、特定地域に関連するコードに対するイベントを報告する」点で一致している。

したがって、本願発明と引用発明の一致点・相違点は、次のとおりである。

[一致点]
「オーディオ・データおよびビデオ・データからなる符号化された信号と、情報源からのイベントを報告するための符号化された信号とを判別し、
プロセッサであって、地理的位置を表すコードを含む前記符号化された信号と特定地域に関連するコードとを比較してユーザに警報すべきかどうかを判定する、プロセッサと、
前記符号化された信号の比較結果に応じて、特定地域に関連するコードに対するイベントを報告する警報装置と
を具える警報受信機。」
である点。

[相違点1]
本願発明では符号化された信号をネットワークから受信しているが、引用発明では、警告信号をネットワークから受信するのか否か明らかでない点。

[相違点2]
本願発明の情報源がネットワークに結合されているのに対して、引用発明では、情報源がネットワークに結合されているのか否か明らかでない点。

[相違点3]
本願発明では、プロセッサは、オーディオ・データおよびビデオ・データからなる符号化された信号と、前記ネットワークに結合された情報源からのイベントを報告するための符号化された信号とを判別しているのに対して、引用発明では、アンテナ10が捕らえた警告信号ならびにテレビ番組信号から、SAME受信器14が、警告信号のみを受信および復調している点。

[相違点4]
本願発明では、オーディオ・ビデオ・及び警報情報を判別するためにパケット識別子が使用されているのに対して、引用発明では、警告信号と映像情報成分および音声情報成分を有するテレビ番組信号とを区別するのにどのようにしているのか不明な点。

[相違点5]
本願発明では、地理的コードは警報情報に対応するパケットのユーザ・データ・フィールドに位置するのに対して、引用発明では、警告信号情報に含まれるコード情報がどこに位置するのか明らかでない点。


3.相違点についての検討

[相違点1について]
ネットワークは通信路として一般的なものであるから、引用発明において、ネットワークを経由して警告信号を地理的特定信号通信受信器へ伝送することは、当業者が容易に想到できたことである。

[相違点2について]
ネットワークは通信路として一般的なものであり、且つ一般的に警告信号の情報源と送信設備とは通信路で接続されていると考えられるから、その通信路をネットワークとすることは、当業者が容易に想到できたことである。

[相違点3について]
引用発明の地理的特定信号通信受信器において、警告信号とテレビ番組信号との判別を受信器のどの部分で行うかは設計的事項であり、警告信号の受信および復調をメインマイクロプロセッサ20で行うことは、当業者が容易に想到できたことである。

[相違点4について]
特開平10-327430号公報の段落番号【0010】に「CS(通信衛星)を使ったディジタル放送において、データの伝送はMPEG2トランスポートパケットというデータ構造が用いられている。各パケットには、PID(Packet Identification )というパケット識別子があり、該当パケットの個別ストリームの属性を示している。たとえば、ある立体放送番組の映像データがPID=100,音声データがPID=200で放送されているとする。ここで、この番組中に発生した緊急放送のテロップ情報はPID=300で放送されるものと仮定する。」と記載され、また、特開2002-176596号公報の段落番号【0016】に「なお、番組抽出部3が所望の番組に関するパケットを抽出する際は、まず、MPEG-TSにおける所定のPID(Packet Identification)を有するPAT(Program Association Table)を探し出す。」、及び段落番号【0018】に「一方、情報抽出部5は、ディジタル放送受信部1が出力するMPEG-TSのうち、緊急情報に関する所定のPIDを有するパケットのみを抽出し、映像化部7は、この緊急情報に関するパケットを復号化して文字情報として出力する。」と記載されているように、PID(Packet Identification)を用いて、音声情報、映像情報、及び緊急情報を識別することは周知である。
したがって、引用発明において、映像情報成分、音声情報成分、及び警告信号をPID(Packet Identification)を用いて識別することは、容易に想到できことである。

[相違点5について]
特開2002-262192号公報の従来技術の説明欄である段落番号【0002】に「【従来の技術】現在、地震などの緊急情報はTVなどの放送に付加されて送信され、公衆に知らせている。例えば、アナログ放送において、緊急情報は映像音声信号に多重化されて送信されていて、また、ディジタル放送においては情報信号はユーザデータ領域に多重化されて送信されている。ユーザはそれらの緊急情報を情報表示装置からの表示によって知ることができる。」と記載されているように、ディジタル放送においては緊急情報をユーザデータ領域に多重化することは周知であるから、引用発明において、緊急情報である警告信号情報に含まれるコード情報を、対応するパケットのユーザデータ領域に位置させることは、容易に想到できたことである。

そして、本願発明の作用効果も、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。
したがって、本願発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。


4.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-08-29 
結審通知日 2011-09-02 
審決日 2011-09-14 
出願番号 特願2004-551442(P2004-551442)
審決分類 P 1 8・ 561- Z (H04H)
P 1 8・ 121- Z (H04H)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 川口 貴裕  
特許庁審判長 江口 能弘
特許庁審判官 青木 健
安久 司郎
発明の名称 データ・ネットワークを使用した気象/災害警報システム  
復代理人 濱中 淳宏  
代理人 谷 義一  
代理人 阿部 和夫  
復代理人 渡邉 直幸  

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