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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01N
管理番号 1251466
審判番号 不服2008-28784  
総通号数 147 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-03-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-11-11 
確定日 2012-01-30 
事件の表示 特願2001-523868「早期癌腫瘍マーカー」拒絶査定不服審判事件〔平成13年 3月22日国際公開、WO01/20333〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は,平成12年9月8日(優先権主張 平成11年9月10日,平成11年12月3日及び平成12年2月10日)を国際出願日とする出願であって,平成20年2月8日付けで拒絶理由通知書が出され,同年5月29日付けで手続補正がなされ,同年10月3日付けで拒絶査定がなされ,これに対して,同年11月11日付けで拒絶査定不服審判が請求されるとともに,同年12月8日付けで手続補正(以下,「本件補正」という。)がなされたものである。

第2 本件補正の目的及び本願発明
本件補正により,補正前の請求項12及び請求項13が削除された。
したがって,本件補正は,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第1号に規定する請求項の削除を目的とするものに該当し,適法なものである。
そうすると,本願請求項1?9に係る発明は,本件補正により補正された明細書及び図面の記載からみて,その特許請求の範囲の請求項1?9に記載された技術的事項により特定されたとおりのものと認める。
そして,その請求項1に係る発明は,次のとおりである。
「【請求項1】次の工程を含む,早期癌の検出方法:
a)血液又は尿中のミッドカインおよび/またはそのフラグメントを測定する工程,
b)工程a)によって得られる測定値を正常者の測定値と比較する工程。」(以下,「本願発明」という。)

第3 刊行物記載の事項
原査定の拒絶の理由に引用され本願優先日前に頒布された刊行物である
C.Ye et al.,British Journal of Cancer, vol.79, no.1, p.179-184, 1999年1月(以下,「刊行物1」という。)及び
Xiao-Jun Song et al.,Biomedical Research, vol.18, no.5, p.375-381, 1997年(以下,「刊行物2」という。)には,次の事項が記載されている。
1.刊行物1記載の事項
(1-1)「Summary It has been suggested that a heparin-binding growth factor, midkine (MK), plays an important role in carcinogenesis because of various frequent overexpression,in various malignant tumours.To clarify whether or not MK contributes to the early stage of carcinogenesis, we examined the status of MK mRNA in 20 adenomas with moderate- and severe-grade dysplasia, 28 carcinomas and 28 corresponding normal tissues, by means of Northern blotting.The MK expression level was significantly more elevated in adenomas than in normal tissues (P< 0.001, unpaired Student's t-test).A difference was also observed between carcinomas and the corresponding normal tissues (P< 0.04,paired Student's t-test).Moreover, MK immunostaining was positive in the adenomas with moderate- and severe-grade dysplasia and in the carcinomas, but not in mild-grade dysplasia or in normal tissues.These findings were in line with those on Western blotting, in three patients with both adenomas with moderate- or sever- grade dysplasia and carcinomas,elevated MK expression was observed in the neoplastic lesions.This is the first report of the association of elevated MK expression with the early stage of carcinogenesis in humans.」(第179頁「Summary」の欄)
(当審訳)
「要約
ヘパリン結合性増殖因子(ミッドカイン(MK)が,様々な悪性の腫瘍の中で,様々な頻繁な過剰発現のために発がんに重要な役割を果たすことが示唆されました。MKが発がんの初期段階に寄与するかどうか明確にするために,私たちは,ノーザンブロッティングによって,中度異形性及び高度異形性を持った20のアデノーマ,28のカルシノーマおよび28の対応する正常組織で,MK mRNAのステータスを,調査しました。MK発現レベルは,正常組織よりもアデノーマの方が,著しく高かったです。(P<0.001,対応のないt検定)。違いも,カルシノーマと対応する正常組織(P<0.04,対応のあるt検定)の間で観察されました。さらに,MK免疫染色は,中度異形性および高度異形性のカルシノーマおよびアデノーマにおいて陽性で,軽度異形性あるいは正常組織では,そうではありませんでした。これらの発見は,中度異形性及び高度異形性を備えたアデノーマおよびカルシノーマの両方を持った3人の患者の中で,ウェスタンブロッティングに沿い,上昇したMK発現が,腫瘍性病変で観察されました。これは,ヒトにおける発がんの初期段階での高いMK発現に関連する最初の報告です。」

(1-2)「RESULTS
Twenty adenomas (16 with mild- and four with severe- grade dysplasia) and 28 pairs of carcinomas and corresponding normal tissues were examined for MK RNA expression by means of Northern blotting.Representatives are shown in Figure 1A.On comparison of the densities of the autoradiograms with β-actin, the mean ratio of MK mRNA was found to be 1.35 (sd=0.9) for normal colorectal tissues, but 3.72 (sd=2.4) for adenomas.Since normal tissue corresponding to an adenoma was very difficult to obtain on polypectomy, we used the value for normal colorectal tissues from independent individuals with carcinomas as a relative standard.
There was no statistical difference in age and gender between the adenoma and carcinoma patients.A statistical difference was found between adenomas and normal tissue (P < 0.001) using the unpaired Student's t-test (Figure 2).
When investigating the status of MK mRNA in normal tissue and carcinoma samples, we often observed higher expression of MK in a carcinoma tissue than in the corresponding normal tissue ,as shown in Figure IB.A higher level of MK expression was observed in 19 of the 28 carcinoma samples (68%) than in the corresponding normal tissues, a statistically significant difference (P = 0.036) being revealed with thepaired Student's t-test (Figure2).Thus, the level of MK mRNA was elevated from the adenoma with dysplasia stage to the advanced carcinoma stage.
In addition, interestingly, the MK mRNA expression level in adenomas was rather higher than that in carcinomas (P <0.01, unpaired Student's t-test)
To determine the status of MK at the protein level during the progress of colorectal carcinogenesis, immunostaining was performed for 50 adenoma specimens, comprising 16 with mild- grade dysplasia, 29 with moderate-grade dysplasia and five with severe-grade dysplasia, and for 22 paired samples of carcinomas at different stages and corresponding normal tissues.
MK staining was observed in adenomas with moderate- and severe-grade dysplasia and in carcinomas, but not in the normal colorectal mucosa or adenomas with mild-grade dysplasia (Figure 3 and Table 1).The intercellular distribution of MK appeared to be mainly in the cytoplasm, but also in some nuclei.Positive staining was observed in none of the 16 adenomas with mild-grade dysplasia, in 18 of the 29 with moderate-grade dysplasia, in all five with severe-grade dysplasia (Table I) and in all 22 carcinomas (data not shown).The extent of positive staining paralleled the severity of the dysplasia.
To confirm the results of immunostaining, Western blot analysis was performed.
The protein could be extracted from two adenomas with severe-grade dysplasia, three with moderate-grade dysplasia and 14 paired specimens of carcinomas and corresponding normal tissues.In addition, samples from one case, in which adenoma with moderate-grade dysplasia, carcinoma at stage B and corresponding normal tissues were available, were also subjected to Western blot analysis.The level of the MK protein was much higher in carcinomas than in the corresponding normal tissue in all 14 paired specimens (examples are shown in Figure4).
Strong expression of the MK protein was also detected in all five adenomas (an example is shown in Figure 4).MK migrates as an approximately 17-kDa molecule:thus, the faint signals higher than this may be artifacts.Importantly, although only one case with adenoma, carcinoma and corresponding normal tissue was available for Western blot analysis, MK protein expression was much higher in the adenoma and carcinoma than in the corresponding normal tissue (Figure 4).
In three cases normal, adenoma with moderate/severe-grade dysplasia and carcinoma tissues were all available for Northern blot analysis and immunohistochemistry.
These cases showed that, in the same individual MK RNA expression was elevated from the adenoma stage to the carcinoma stage, and MK protein expression revealed by immunohistochemistry exhibited a similar profile (Table 2).
These findings were consistent with the MK expression profile observed in the mass studies described above.」(第180頁右欄1行?第181頁左欄31行)
(当審訳)「結果
20のアデノーマ(中度異形性の16 そして 高度異形性の4),カルシノーマおよび対応する正常組織の28組が,ノーザンブロッティングによるMK RNA発現のために調べられました。それぞれは,図1Aに示されます。β-アクチンでのオートラジオグラムの密度を比較すると,MK mRNAの平均の比率は正常な結腸組織では1.35(sd=0.9)ですが,アデノーマでは3.72(sd=2.4)であると分かりました。アデノーマに対応する正常組織がポリープ切除において得るのが非常に難しかったので,私たちは比較スタンダードとして,カルシノーマから独立した個々の正常な結腸の組織の値を使用しました。アデノーマとカルシノーマの患者間の年代および性別に統計的な違いはありませんでした。統計的な違いは,対応のないt検定(図2)を使用するアデノーマと正常組織(P<0.001)の間で見つかりました。
正常組織とカルシノーマのサンプル中のMK mRNAのステータスを調査する時,図IBの中で示されるように,私たちはしばしば対応する正常組織よりカルシノーマ組織中で高いMKの発現を観察しました。MK発現の高いレベルは,対応する正常組織でよりも28のカルシノーマサンプル(68%)の19で,対応のあるt検定(Figure2)で示す統計的有意差(P=0.036)が観察されました。このように,MK mRNAのレベルは形成障害段階のアデノーマから進行カルシノーマ段階になるにつれ上昇しました。さらに,興味深いことには,アデノーマ中のMK mRNA発現レベルは,カルシノーマ(P<0.01,対応のないt検定)のそれよりむしろ高かったのです。
結腸の発がんの進行中のタンパク質レベルでMKのステータスを決定するために,免疫染色が,軽度異形性16,中度異形性29,高度異形性5からなるアデノーマ標本50に対して行なわれ,そして,異なるステージのカルシノーマと対応する正常組織の22組のサンプルに対して行われました。
MK染色は,中度異形性及び高度異形性を備えたアデノーマ,およびカルシノーマで観察され,軽度異形性(図3および表1)を備えた,正常な結腸の粘膜あるいはアデノーマでは観察されませんでした。MKの細胞間の分布は,主として細胞質,いくつかの核にあるように見えました。ポジティブ染色法は,軽度異形性のカルシノーマで観察されず,中度異形性の29のうちの18,高度異形性5のすべて(表1),および,22のカルシノーマすべて(データ示さず)で観察されました。ポジティブ染色法の範囲は,異形性の重度に平行しました。
免疫染色の結果を確認するために,ウエスタンブロット解析が行なわれました。タンパク質が,2つの高度異形性のアデノーマ,3つの中度異形性のカルシノーマ及び14組のカルシノーマと対応する正常組織の対から抽出されます。さらに,中度異形性のアデノーマ,ステージBのカルシノーマおよび対応する正常組織が利用可能となっている,1つのケースからのサンプルが,ウエスタンブロット解析の対象とされました。MKタンパク質のレベルは,14のペアになった標本すべて(例えば,図4で示されます)で,対応する正常組織よりカルシノーマの方が,非常に高かったです。MKタンパク質の強い発現も5つのアデノーマすべて(例えば,図4に示されます)で検出されました。MKはほぼ17-kDaの分子として移動します:したがって,これより高い弱い信号はアーティファクトかもしれません。重要なことは,アデノーマ,カルシノーマおよび対応する正常組織を有する1つのケースだけがウエスタンブロット解析に利用されたのかもしれませんが,MKタンパク質発現は,対応する正常組織よりもアデノーマおよびカルシノーマにおいてはるかに高かったということです(図4)。
3つのケースににおいて,正常,中度異形性/高度異形性のアデノーマ及びカルシノーマ組織が,ノーザンブロット解析と免疫組織化学にすべて利用されました。これらの場合はそれを示しました。同じ個人では,MK RNA発現はアデノーマ段階からカルシノーマ段階で上昇し,また,免疫組織化学によって現わされたMKタンパク質発現は同様のプロフィール(表2)を示しました。これらの発見は,上に記述された多くの研究で観察されたMK発現プロフィールと一致していました。」

(1-3)第183頁の図4には,ケース43(ステージAの結腸カルシノーマ)で,正常組織と比較して,ウエスタンブロッティングの反応がカルシノーマで明確に出ている状態が図示されている。

(1-4)「MK in colorectal tissue ,as analysed by Western bloting.Case 24, tubular villous adenoma with severe-grade dysplasia;case43, colorectal carcinoma at stage A;case 38 ,stage B;
and case49 , stage c.For case 53 ,both adenoma, with moderate-grade dysplasia carcinoma, at stage B and corresponding normal tissues were available.The level of MK protein expression was much higher in adenomas and carcinomas than in normal tissues.」(第183頁 図4 説明文)
(当審訳)「結腸の組織中のMK,ウエスタンブロッティングによって分析された,結腸組織におけるMK。ケース24(高度異形性を備えた管状絨毛腺腫);ケース43(ステージAの結腸カルシノーマ);ケース38(ステージB);またケース49(ステージC)。ケース53は,中度異形性カルシノーマを伴うステージBのアデノーマとそれに対応する正常組織の両方が使用できました。MKタンパク質発現のレベルは,正常組織よりアデノーマおよびカルシノーマにおいてはるかに高かったです。」

ここで,ウエスタンブロッティング分析とは,組織の有するタンパク質を電気泳動にかけ,タンパク質を分子量に従って分離し,免疫染色を行い測定する手法である。摘記事項(1-2)に記載のようにウエスタンブロッティング分析を行うと,ミッドカインは分子量が17-kDaの位置に,免疫染色をもって検出されることとなる。
また,摘記事項(1-1)に「ヒトにおける発がんの初期段階での高いMK発現に関連する最初の報告です。」と記載されているように,刊行物1は,初期段階のMKの発現に関する報告であって,そのデータの一つとして,図4(摘記事項(1-3)参照)には,ステージAのカルシノーマのデータが示されている。

以上の事項を総合すると,刊行物1には,次の発明(以下,「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる。
「 次の工程を含む,ステージAの結腸カルシノーマの分析方法:
a)結腸組織をウエスタンブロッティング分析して,ミッドカインに相当するタンパク質を免疫染色により測定する工程,
b)正常組織の測定値とステージAの結腸カルシノーマの測定値を比較する工程」

2.刊行物2記載の事項
(2-1)「ABSTRACT
Midkine (MK) is a heparin-binding growth factor distinct from fibroblast growth factors.Serum levels of MK were determined by enzyme-linked immunoassay using affinity-purified anti-human MK antibody.Elevated levels of MK were frequently observed in sera from patients with various carcinomas including lung carcinoma, bile duct carcinoma, colon carcinoma and esophageal carcinoma.Most patients with lung carcinoma showed high MK serum values.In colorectal carcinoma, some correlation was observed between high MK value and tumor invasion.Surgical removal of carcinomas invariably resulted in decreases in the MK level.
Determination of serum MK may be useful as an aid in initial screening of certain carcinomas,, such as lung carcinoma.」(第375頁「ABSTRACT」の欄)
(当審訳)「要約
ミッドカイン(MK)は繊維芽細胞成長因子とは異なるヘパリン結合性増殖因子です。MKの血中濃度は,アフィニティー精製された抗ヒトMK抗体を使用して,酵素免疫測定法によって決定されました。MKの高いレベルは,肺カルシノーマ,胆管カルシノーマ,結腸カルシノーマおよび食道カルシノーマを含む様々なカルシノーマの患者から血清の中で頻繁に観察されました。肺カルシノーマのほとんどの患者はMK血清値を高く示しました。結腸カルシノーマでは,ある相関が,高いMK値と腫瘍浸潤の間で観察されました。癌の外科の除去は,例外なくMKレベルの減少を起こしました。血清MKの決定は,肺カルシノーマのような,特定のカルシノーマの初期スクリーニングの助けとして有用かもしれません。」

(2-2)「We have developed a highly sensitive enzyme immunoassay for MK(22).Using this assay, normal human serum was shown to contain undetectable or low levels of MK, whereas in the majority of cases of hepatocellular carcinoma the serum MK level was markedly increased (22).Therefore, we examined the MK level in sera of various cancer patients to determine whether the MK level is increased in other malignancies.」(第375頁本文右欄8?17行)
(当審訳)「私たちは,MKのための非常に敏感な酵素免疫定量法を開発しました(22)。この分析を使用して,正常ヒト血清はMKの検出できないか低レベルを含むことが示されましたが,肝細胞性カルシノーマの大多数の場合では,血清MKレベルは著しく増加していました(22)。したがって,MKレベルが他の悪性腫瘍の中で増加されるかどうか判断するために,私たちは様々な癌患者の血清の中でMKレベルを検査しました。」

(2-3)「Result
Serum MK Levels in Patients with Various Carcinomas
We determined MK levels in sera from 59 patients with various carcinomas(Tabele 1) useing a highly sensitive enzyme immunoassay.In 67 normal human sera simultaneously determined , MK levels were less than 300pg/0.5ml ,as reported previously(22).Thus, we regarded MK values of more than 300pg/0.5ml as significantly high.
In all 5 case of hepatocellular carcinomas ,high level of MK were detected in the sera, confirming the findings described in our previous report (22)(Table 1).High levels of serum MK were found in 6 of 7 cases of lung carcinoma, 3 of 7 cases of bile duct carcinoma, 5 of 12 cases of colon carcinoma, and 5 of 14 cases of esophageal carcinoma were also positive (Table 1).One of 6 cases of gastric carcinoma, 2 cases of pancreatic carcinoma and one case of breast carcinoma were also positive (Table 1).Thus, in many carcinomas, the serum MK level, was elevated.
In colorectal carcinoma, high MK values were encountered in 3 of 5 cases in which lymph node metastasis was found, while it was encountered only in 1 of 6 cases in which there was no lymph node metastasis (Table 1).Furthermore, high MK values were found, in all 3 cases in which tumors invaded the subserosal layer (cases 23, 24 and 26).It should be noted that there was no lymph node metastasis in case 26 even though the MK value was high.Although more extensive studies are needed, the results obtained to date suggest that MK serum levels are correlated with tumor invasion to a certain extent in colorectal carcinoma.」(第377頁左欄35行?同頁右欄26行)
(当審訳)「結果
様々なカルシノーマ患者の中の血清MKレベル
私たちは,非常に感知可能な酵素免疫定量法を使用して,様々なカルシノーマ(表 1)の59人の患者からの血清中のMKレベルを決定しました。同時に決定された67の正常ヒト血清では,以前に(22)報告されたように,MKレベルが300pg/0.5ml未満でありました。したがって,私たちは,300pg/0.5mlを越えるMK値を有意に高いとしました。
肝細胞性カルシノーマの5つの症例すべてに,高レベルのMKが血清中で検出され,たちの前の報告書(22)(表1)に述べられていた発見を確認しました。高レベルの血清MKは,肺カルシノーマの7つの症例のうちの6つ,胆管カルシノーマの7つのケースのうちの3つ,結腸カルシノーマの12の症例のうちの5つ,および食道カルシノーマの14の症例のうちの5つで見つかり,陽性でした(表1)。さらに,胃カルシノーマの6つの症例,膵臓カルシノーマの2つの症例および乳カルシノーマの1つの症例のうちの1つは陽性でした(表1)。このように,多くのカルシノーマで,血清MKレベルが上昇しました。
結腸カルシノーマでは,高いMK値が,リンパ節転移が見つかった5つのケースのうちの3つにみられましたが,一方,リンパ節転移(表1)がなかった6つのケースのうちの1つにのみそれがみられました。更に,高いMK値は,腫瘍が漿膜下の層に浸潤した3つのケース(23,24および26)すべてで見つかりました。MK値は高かったが,リンパ節転移がなかったケース26が注目されるべきです。より広範囲な研究は必要ですが,現在まで得られた結果はMK血中濃度が結腸カルシノーマで腫瘍浸潤とある程度まで関連していることを示唆します。」

(2-4)「DISCUSSION
MK expression is significantly associated with tumorigenesis.Firstly, MK is overexpressed in a variety of human tumors such as hepatocellular(28), esophageal (3), colon (3), pancreatic (3), lung (6), breast (7), stomach (3) and bladder (25) carcinomas.In more than 80% of cases of the above carcinomas, MK overexpression is evident.In neuroblastoma (24) and bladder carcinoma (25), strong MK expression is correlated with poor prognosis.Secondly, MK is overexpressed in all cases of Wilms' tumor specimens (28);and WT1, a tumor suppressor gene whose loss is associated with Wilms' tumor, has been found to suppress human MK promoter function (2).Finally, transfection of murine MK cDNA and its overexpression lead to oncogenic transformation of the recipient NIH3T3 cells (9).Therefore, overexpression of MK in human tumors appears to be correlated with their malignant phenotype.The general expression MK in human tumors and its probable role malignant phenotype make MK an excellent candidate as a tumor marker.
Indeed, we found that serum MK levels are increased in many carcinomas, not only in hepatocellular carcinoma but also in lung,bile duct,colon and esophageal carcinomas and others.This is in agreement with the elevated MK mRNA levels observed in many human carcinomas (3, 6, 7, 28).Due to the low or non-detectable levels of MK in sera of large numbers on normal human subjects, serum MK levels may be a useful marker in initial screening for cancer.It is especially interesting that high MK levels were encountered in most cases of lung carcinoma.」(第378頁本文左欄13行?第378頁本文左欄5行)
(当審訳)「議論
MK発現は有意に腫瘍形成に関係しています。第1に,MKは,肝細胞性(28),食道の(3),結腸(3),膵臓(3),肺(6),胸(7),胃(3)および膀胱(25)カルシノーマのような様々なヒトの腫瘍中で過剰発現されます。上記のカルシノーマのケースの80%以上で,MK過剰発現は明白です。神経芽細胞腫(24)および膀胱カルシノーマ(25)では,強いMK発現は予後不良と関連しています。第2に,MKは腎芽腫のケースのすべての場合に過剰発現されます(28);また,WT1(その減少が腎芽腫に関係しているがん抑制遺伝子)は,ヒトのMKプロモーター機能を抑制することが分かりました(2)。最後に,マウスMK相補的DNAおよびその過剰発現は,受容体NIH3T3細胞の腫瘍化転換へ導きます(9)。したがって,ヒトの腫瘍中のMKの過剰発現は,それらの悪性表現型と関連するように見えます。ヒトの腫瘍における全般的なMK発現及びその悪性腫瘍表現型として関与する可能性が,腫瘍マーカーとしての優れた候補となります。
確かに,私たちは,肝細胞性カルシノーマだけでなく肺,輸胆管,結腸および食道のカルシノーマ等の多くのカルシノーマで血清MKレベルが増加されることを知りました。これは,多くのヒトのカルシノーマ(3,6,7,28)で観察された高いMK mRNAのレベルと一致します。多くの健常者の血清中において,MKは低いか不検出のレベルであることから,血清MKレベルは癌のための初めの検査における有用なマーカーかもしれません。高いMKレベルが肺カルシノーマのほとんどのケースで起きていると言うことは特に興味深いです。」

(2-5)「Table 1 Serum MK Levels in Patients with Primary Tumors」(第376頁)
(当審訳)「表1 原発性腫瘍における患者の血清MKレベル」
また,表1には,リンパ節転移のない下記のケースで高いMKレベル(300pg/0.5mlを越えるMK値)が示されている。
ケース番号10(食道カルシノーマ) 血清MKレベル 5000pg/0.5ml
ケース番号13(食道カルシノーマ) 血清MKレベル 530pg/0.5ml
ケース番号16(胃カルシノーマ) 血清MKレベル 1310pg/0.5ml
ケース番号26(結腸カルシノーマ) 血清MKレベル 400pg/0.5ml
ケース番号43(胆管カルシノーマ) 血清MKレベル 1290pg/0.5ml
ケース番号46(胆管カルシノーマ) 血清MKレベル 389pg/0.5ml
ケース番号49(膵臓カルシノーマ) 血清MKレベル 430pg/0.5ml
ケース番号52(肺カルシノーマ) 血清MKレベル 450pg/0.5ml
ケース番号54(肺カルシノーマ) 血清MKレベル 455pg/0.5ml
ケース番号55(肺カルシノーマ) 血清MKレベル 720pg/0.5ml


第4 対比
本願発明と刊行物1発明を対比する。
1.本願発明における早期癌とは,本願明細書第4頁9?17行に「「早期癌」とは,腫瘍が発生した局所(粘膜内)に限局していて,周囲組織への浸潤のないもの,あるいは浸潤があってもその範囲が局所に限局しているものを言う。特に,浸潤が見られないものは,公知の腫瘍マーカーでその存在を検出することが困難であったことから,本発明における重要な検出対象である。この定義は,皮膚,口腔,気道,消化管,子宮頸部,卵巣,胆嚢,膀胱などほとんどの癌にあてはめることができる。早期癌はTNM分類のステージ0(carcinoma in situ)とステージIを含み,この病期では,脈管内侵襲や遠隔転移はなく,局所の腫瘍切除だけで完治できる。」と定義されている。
ここで,ステージ0,I,II,III,IVに分類するTNM分類とステージA,B,C,Dに分類するデュークス分類との関係について,特開平8-116999号公報には,次のように記載されている。
「【0002】【従来の技術】年間約150,000 の症例及び60,000の死亡例があり,結腸ガンは米国におけるガンによる死亡の最も一般的な原因の一つである1 。現在,術後のアジュバント療法のための予後の決定及び患者の選択は主に病理学的,及び臨床的なステージ分けによっている2,3。TNM ステージIガンの患者( デュークスステージA:リンパ節への転移はなく,腸壁に限定された腫瘍) は通常,正常な寿命であるが,ステージIVの散在性疾患の患者は非常に低い生存率しか示さない。しかし,中間段階の患者の診断を決するのは困難である。ステージIIの結腸ガンの患者( デュークスステージB:リンパ節への転移はなく,腸壁を通して拡大した腫瘍) は,約70% の5 年生存率を示し,ステージIII の患者( デュークスステージC:局所的なリンパ節への転移) は,40から50% の5年生存率しか示さない4 。アジュバント療法は一部の患者の状態を改善するが,実質的な病的な状態に至る5-9 。結腸ガンの患者の予後を処方するより良い方法は,アジュバント的化学療法及び放射線療法を行う患者の選択を改善することになる。」
そうすると,刊行物1発明の「ステージA」とはステージA?Dまで癌の進行度を分類するデュークス分類といわれる分類であって,ステージAは,TNM分類ではステージIに相当する。よって,刊行物1発明の「ステージA」は,上記本願発明における「早期癌」に包含される。
よって,刊行物1発明の「ステージAの結腸カルシノーマの分析方法」と,本願発明の「早期癌の検出方法」とは,早期癌を対象とした測定方法という点で共通する。

2.刊行物1発明の「a)結腸組織をウエスタンブロッティング分析して,ミッドカインに相当するタンパク質を免疫染色により測定する工程」と,本願発明の「a)血液又は尿中のミッドカインおよび/またはそのフラグメントを測定する工程」とは,ミッドカインを測定する工程という点で共通する。

3.刊行物1発明の「b)正常組織の測定値とステージAの結腸カルシノーマの測定値を比較する工程」と,本願発明の「b)工程a)によって得られる測定値を正常者の測定値と比較する工程。」とは,測定値を正常者の測定値と比較する工程という点で共通する。

以上のことから,両者は,次の点で一致する。
(一致点)
次の工程を含む,早期癌を対象とした分析方法:
a)ミッドカインおよび/またはそのフラグメントを測定する工程,
b)工程a)によって得られる測定値を正常者の測定値と比較する工程。
そして,両者は,次の点で相違する。

(相違点)
測定する対象が,本願発明では「血液又は尿」であるのに対して,刊行物1発明では組織であり,
分析方法が,本願発明では「早期癌の検出方法」,すなわち,早期癌を発見する方法であるのに対して,刊行物1発明では,早期癌と正常組織とを比較して,癌組織の特徴を分析するものである点。

第5 検討
刊行物2には,「私たちは,300pg/0.5mlを越えるMK値を有意に高いとしました。」(摘記事項(2-3))と記載されているように,300pg/0.5mlを越えるMK値を高レベルとする判断基準の下に,摘記事項(2-1)?(2-4)のように,高レベルの血清MKが,様々な種類のカルシノーマの患者の血清で観察し得ることが把握できる。
そして,刊行物2には「多くの健常者の血清中において,MKは低いか不検出のレベルであることから,血清MKレベルは癌のための初めの検査における有用なマーカーかもしれません。」(摘記事項(2-4))と記載されているように,血液中のミッドカイン濃度を測定することで,健常者と区別できる癌検出ができる可能性について記載されている。
また,摘記事項(2-5)には,リンパ節転移のないカルシノーマの複数のケースにおいて,高レベルの血清MKが観察されたことが記載されている。リンパ節転移のないカルシノーマは,上記「第4 1.」に記したように,TNM分類ステージの0?IIのいずれかに相当するものであり,ステージ0?IIのいずれかに属する癌が,血清MKの測定により検出できることが分かる。
さらに,刊行物2には,「ヒトの腫瘍における全般的なMK発現及びその悪性腫瘍表現型として関与する可能性が,腫瘍マーカーとしての優れた候補となります。」(摘記事項(2-4))及び「血清MKレベルは癌のための初めの検査における有用なマーカーかもしれません。」(摘記事項(2-5))と記載されているように,血清からミッドカインを検出することで癌を検知できるという示唆がなされている。
以上のことから,刊行物2には「次の工程を含む,癌の検出方法:
a)血液中のミッドカインおよび/またはそのフラグメントを測定する工程,
b)工程a)によって得られる測定値を正常者の測定値と比較する工程。」で癌が検出できるという可能性が,表1(摘記事項(2-3)及び(2-5)参照。)に記載されているような多数のケースの裏付けをもって示されているといえる。

他方,癌は早期ほど治療効果が上がることから,早期癌の検出用のマーカーの開発は,本願優先権主張日前から強く望まれる周知の課題となっていた。(例えば,下記刊行物A?C参照。)
刊行物A:特開平4-249770号公報
(A-1)「【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,癌の新規な診断剤に関するものであり,特に早期癌の発見を可能とするものであって,医学上の検査,診断分野において大きな貢献が期待できるものである。
【0002】
【従来の技術】従来癌の血清学的診断は,主として血中の腫瘍マーカーと総称される物質を測定することによってなされていた。腫瘍マーカーとしては,癌胎児性抗原(Carcinoembryonic Antigen,CEA),α-フェトプロテイン(AFP),CA19-9,前立腺酸性フォスファターゼ等が知られている。これら腫瘍マーカーは,癌種による陽性率に差はあるものの一般的に腫瘍の増大とともに血中濃度が上昇する。従って癌の治療効果のモニタリングや予後の診断などに利用されてきた。しかしこれらの腫瘍マーカーが血中に検出されるのは癌がかなり成長した段階であり,癌発生の初期段階,いわゆる早期癌においてこれらの腫瘍マーカーを検出することは全く困難であった。すなわち治癒確率の極めて高い早期癌のスクリーニングには役に立たなかったのである。
(中略)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は,早期癌の発見につながる真に有効な癌の血清学的診断に有用なシステムを新たに開発することである。」(なお,下線は当審に記したものである。以下,同様。)

刊行物B:国際公開第98/43093号
(B-1)第1頁13行?末行
(翻訳)「ヒトの種々の癌を早期に検出するための癌マーカーが現在必要となっている。乳癌および女性生殖器癌は,女性にとって深刻な死亡要因であり,早期介入が課題となっている。例えば,卵巣癌は,女性の悪性疾患による死亡の四番目に大きな原因である(American Cancer Society,Cancer J.Clin.,43:7-26(1993))。より治療可能性の高い初期の段階で診断を行えば,現時点では診断時に患者の70%が進行疾患状態にある卵巣癌において生存率を増大させることができるであろう。利用可能な最良の血清マーカーであるCA125は,単独のマーカーとして卵巣癌のスクリーニングに使用するのに十分な感度も特異性も備えていない(Einhorn et al.,Obstet.Gynecol.,80:14-18(1992))。特に,初期段階の卵巣癌を有する患者の50%までは,血清中にCA125が検出されない(Schapira et al.,Ann.Intern.Med.,118:838-843(1993))。子宮頸癌や子宮癌を検出するための血漿マーカーも血清マーカーも存在しない。更に,乳癌があるかを調べるための有効な血清スクリーニング試験も存在しない。マーカーとしてCA125を使用する場合の偽陽性結果の割合は約2%であり,検出された各早期癌に対して約100例の偽陽性結果が得られている(Jacobs et al.,BMJ,313:(7069):1355-1358(1996);Dortum et al.,E.J.Cancer 32A(10):1645-1651(1996);Muto et al.,Gynecologic Oncol.51(1):12-20(1993);Jacobs et al.,Lancet 1(8580):268-271(1988))。 」(なお,翻訳は,対応日本出願の公開公表である特表2002-510386号公報による。)

刊行物C:国際公開第98/41649号
(C-1)第4頁27行?第5頁17行
(翻訳)「 現在まで,多くのケースで,新生物増殖の存在に関する生化学的指示薬であり,血清,血漿または他の体液中で検出可能な腫瘍マーカーを用いることによって,腫瘍を早期に検出し,疾患を注意深くモニターすることが考慮されている。ガン胚抗原(CEA),腫瘍壊死因子(TNF-αおよびβ),シアル酸,前立腺特異的抗原(PSA)などの腫瘍マーカーの主な用途は,治療応答,残留する疾患または再発の決定にあった。今日まで,腫瘍マーカーはいずれも特異性を示しておらず;正常な生理的状態または非新生物疾患にも,実質的にほとんどの腫瘍マーカーが低レベルで存在している。したがって,これらのマーカーはガンに関する一般的スクリーニングには適用することができない。
腫瘍マーカーの主要な不利益を除くため,本発明は,無症候性段階においてガンを迅速にスクリーニングする方法の確立,あるいはその症候期における確認に関する。このガン疾患の早期検出は,腫瘍局在化に用いられる他の通常の方法とともに効果的な外科手術または薬物治療を可能にする。
現時点までに,出願人は,精製された炭酸脱水酵素IIはガン患者の血清によって有意に活性化され,この活性化は健康な患者の血清またはガン以外の他の疾患の患者の血清では観察されないことを見出した。これらの観察から出発して,出願人らは,精製された炭酸脱水酵素IIの活性に対する血液血清の効果を試験することによって,任意のタイプのガンを,初期段階のガンでさえも診断することができることを発見した。」(なお,翻訳は,対応日本出願の公開公表である特表2001-524815号公報による。)

以上のことから,刊行物1発明において,ステージIに相当する早期癌の段階で,癌組織においてミッドカインが検出されていたこと,及び,刊行物2にリンパ節転移していないステージ0?IIのいずれかの段階の癌で,血清からミッドカインを検出できていること、刊行物2にMKが有用なマーカーかもしれないという教示があること(摘記事項(2-4))から,刊行物1及び2に接した当業者であれば,血清中のミッドカインが早期癌マーカの候補となり得る程度の示唆は受けるものといえる。
そして,本願優先日前より早期癌を検出し得るマーカーの開発が強く望まれる周知の課題となっていたことを考慮すると,この程度の示唆があれば,刊行物1発明において,刊行物2記載の上記技術的事項を適用して,本願発明の如く血清を測定対象とし,かつ,早期癌を検出できるか試そうとすることは,当業者であれば,何の困難性もなくなし得たことといえる。
そして,本願発明の如く早期癌の検出方法とすることは,上記したような示唆に基づき早期癌を検出できるか試した結果,早期癌の検出が行えることを単に確かめたものにすぎず,当業者が容易になし得たことといえる。

(作用効果について)
一般的に,癌の検出は,治療に寄与することを目的とするものであるから,治療方針に大きな影響を与える早期癌なのか後期癌なのかといった,進行度に関する情報が求められている(刊行物A?C参照。)。
そうすると,前記したように刊行物1発明に刊行物2記載の上記技術的事項を適用して本願発明の如く構成するに当たり,早期癌に適用可能かどうかを確かめることは,当業者であれば普通に行うことといえる。
そして,刊行物1及び2に接した当業者であれば,上記したように、血清中のミッドカインが早期癌マーカの候補となり得る程度の示唆を受けるものといえるから,それを確かめて,そのとおりの結果が得られたものにすぎない。
よって,早期癌を検出できたとする本願発明の作用効果は,当業者が予測し得るものといえ,格別顕著な作用効果とはいえない。

第6 むすび
以上のとおり,本願発明は,刊行物1及び2に記載された発明並びに周知の技術的事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
したがって,その他の請求項に係る発明についての判断を示すまでもなく,本願は拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2010-07-16 
結審通知日 2010-07-20 
審決日 2010-08-06 
出願番号 特願2001-523868(P2001-523868)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G01N)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 宮澤 浩白形 由美子  
特許庁審判長 郡山 順
特許庁審判官 秋月 美紀子
竹中 靖典
発明の名称 早期癌腫瘍マーカー  
代理人 実広 信哉  
代理人 村山 靖彦  
代理人 渡邊 隆  
代理人 志賀 正武  

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