• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1251825
審判番号 訂正2011-390130  
総通号数 148 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-04-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2011-11-29 
確定日 2012-02-06 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4768987号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4768987号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第4768987号の請求項1に係る発明は、平成16年12月28日に出願した特願2004-381558号の特許出願に係り、平成23年6月24日にその特許権の設定の登録がなされたものである。

2.審判請求の要旨
本件審判請求の要旨は、本件特許第4768987号の明細書及び特許請求の範囲(以下、「本件特許明細書」という。)を本件審判請求書に添付された特許請求の範囲及び明細書のとおり訂正することを求めるものである。
その訂正内容は、次のとおりである。

<訂正事項1>
本件特許明細書の発明の効果が記載された段落0023の
「【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、主制御部の処理を簡素化した遊技機を提供することができ、さらに、外れの場合には、様々な外れ図柄を使った演出を行うことができる。その理由は、大当たりの場合には主制御部が当たり図柄を決定するが、外れの場合には、主制御部が外れ図柄を決定するのではなく、外れ図柄で停止させることを指示するコマンドを副制御部経由で主制御部から受信した表示制御部が外れ図柄を独自に決定するからである。」を
「【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、主制御部の処理を簡素化した遊技機を提供することができ、さらに、外れの場合には、様々な外れ図柄を使った演出を行うことができる。」と訂正する。

3.当審の判断
(1)訂正事項1について
訂正事項1によって削除された段落0023の「その理由は、大当たりの場合には主制御部が当たり図柄を決定するが、外れの場合には、主制御部が外れ図柄を決定するのではなく、外れ図柄で停止させることを指示するコマンドを副制御部経由で主制御部から受信した表示制御部が外れ図柄を独自に決定するからである。」は、同じく段落0023に記載された「主制御部の処理を簡素化した遊技機を提供することができ、さらに、外れの場合には、様々な外れ図柄を使った演出を行うことができる。」という本特許発明の効果の「理由」として記載されていたものである。
しかしながら、上記「理由」の記載は、本件特許明細書の段落0170に記載された「大当たりの場合には主制御部が当たり図柄を決定するが、外れの場合には、主制御部が外れ図柄を決定するのではなく、外れ図柄で停止させることを指示するコマンドを副制御部経由で主制御部から受信した表示制御部が外れ図柄を独自に決定する」という、本特許発明の一実施形態を実施した場合の補足的な説明に過ぎず、本件特許明細書の請求項1において特定される本特許発明の「発明の効果」を記載したものではないため、結果として本件特許明細書の請求項1の記載と整合せず、不明りょうとなっている。
よって、本訂正は明りようでない記載の釈明を目的とするものである。
そして、上記訂正は、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

(2)付記
訂正事項1は、上述したとおり、明りようでない記載の釈明を目的としたものと認めることができ、特許法第126条第1項ただし書第1号または第2号に掲げる事項を目的としたものではないから、同法同条第5項の適用はない。
そのため、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際に独立して特許を受けることができたか否かを、あらためて検討することは、訂正許否の要件とはならない。

4.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものである。また、同条第3項及び第4項の規定にも適合する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機をはじめとする遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、パチンコ機等の遊技機は、遊技盤に設けられた始動入賞口への球の始動入賞により、内蔵するプログラムにより大当たり/外れ抽選を行うとともに、抽選した結果、大当たりの場合に、遊技者へ所定の遊技価値を付与する。また、遊技機は、抽選結果に対応した多彩な演出を行うための装置を実装している。例えば、遊技機には、複数の数字や図形等で構成される実際の抽選結果報知のための特別図柄(「本図柄」ともいう)とキャラクタ等の動画からなる演出図柄(「デモ図柄」ともいう)とを変動表示する液晶ディスプレイ等の図柄表示装置を遊技盤中に備えたものがある。演出図柄の表示と特別図柄の表示とを別個に行う理由は、実際の抽選結果報知のために使用される特別図柄に対してはその表示に関して演出等に法規上の制約があるが、演出図柄に対しては、法規上の当たり外れを表示するわけではなく遊技者をひきつけるための演出表示画面という位置づけであるため特別図柄に課せられた表示に関する法規制を受けないからである。よって、演出図柄の表現方法の自由度は特別図柄に比べて高く、遊技機メーカは演出図柄をバラエティに富んだ表示形態とすることができる。さらに、演出図柄は特別図柄では表現できない多彩なリーチアクションも表現することもできる。このように特別図柄とは別個に演出機能を含んだ演出図柄を設けることによって遊技者を飽きさせない凝った演出を行うことが可能となり、遊技性を一層高めることができる。なお、「リーチ」とは、複数の図柄列(通常は3列)を用い、2列の図柄列を先に停止させ、既に停止表示されている表示結果が当たり図柄(同一の図柄)の組み合わせ(大当たり図柄の組み合わせ)となる条件を満たしている表示状態であり、最終停止図柄の停止に期待をもたせる演出のことであり、「リーチアクション」とは、リーチ時の一連の演出のことである。
【0003】
図18は、従来の遊技機1800の正面概観の一例を示す。図において、遊技機は、遊技機の役物等を盤面に据え付ける遊技盤1801、図柄表示装置1802、始動入賞口1803、普通図柄表示装置作動ゲート(左)1804、普通図柄表示装置作動ゲート(右)1805、普通図柄表示装置1806、普通電動役物(チューリップ)1807、特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)1808、1809、1810、1811、可変入賞球装置1812等を含む。尚、説明の便宜上、全ての構成部材を図示してはいない。
【0004】
図柄表示装置1802は、たとえば、液晶表示部等の可変表示装置、モータの回転により可変表示するドラム等その他がある。図柄表示装置1802は、複数の数字や図形等の特別図柄や演出図柄を変動表示する。
【0005】
始動入賞口1803は、遊技者により打ち出された遊技球が入賞すると、その入賞球を検知し、内蔵するプログラムにより大当たりの抽選を行い、図柄表示装置1802の図柄変動の契機を与える。図柄表示装置1802の特別図柄や演出図柄の変動表示は所定の変動時間経過後停止し、抽選結果の報知や演出が行われる。
【0006】
普通図柄表示装置作動ゲート(左)1804及び普通図柄表示装置作動ゲート(右)1805は、遊技者により打ち出された遊技球が通過すると、その通過球を検知し、普通電動役物1807(チューリップ)の開放の抽選が行われ、普通図柄表示装置1806の普通図柄の変動契機を与える。
【0007】
普通図柄表示装置1806は、7セグメントLED(Light Emitting Diode)等で表示される普通図柄を変動表示し、普通電動役物(チューリップ)1807を開放する抽選に当選した時には、特定の普通図柄を停止表示し、いわゆる小当たりを報知する。普通電動役物(チューリップ)1807は、普通図柄表示装置1806が小当たりを報知した場合に開放し、始動入賞口1803への入賞を容易にする。
【0008】
保留ランプ1808、1809、1810、1811は、図柄の変動中に始動入賞口1803に入賞した各球の抽選結果の情報を、遊技機が内蔵するRAM(Random Access Memory)上にある各球毎の保留メモリに記憶するのと連動して点灯し(“球の保留”)、連続して図柄変動可能な回数を報知する。球の保留の対象となった始動入賞口1803への入賞球を保留球という。
【0009】
また遊技機は、抽選の結果大当たりした場合、図柄表示装置1802の特別図柄が、例えば、「1、1、1」、「2、2、2」?「9、9、9」のように予め定めた特定の図柄の組み合わせで停止し、特賞(大当たり)を報知する。特賞とは、遊技が通常状態から遊技者へ多数の賞球を払い出す等の所定の遊技価値を付与する有利な状態(大当たり動作、大当たり中)に切り替わるポイントである。一方、演出図柄は、特別図柄が変動を開始して停止するまでの間、特別図柄の変動と同期して、特別図柄では許されていないリーチアクションをとるなど多彩な演出を伴った変動動作を行う。また、特別図柄による特賞報知が確定すると直ちに大当たりを示す演出図柄の表示が確定する。そして大当たり動作中は、演出図柄はアニメーション等の動画を表示するなどして遊技者を喜ばせる演出を行う。なお、特別図柄と演出図柄は共に図柄表示装置1802に表示される。
【0010】
さらに図18において、可変入賞球装置1812は、特別図柄の停止図柄が予め定めた特定の図柄の組み合わせとなった場合、すなわち、特賞となったときに、その後の大当たり動作における可変入賞球装置1812前面に付置された開閉部材1813の開放及び開閉の動作を行う。
【0011】
大当り動作中は、開閉部材1813がほぼ水平に開き、遊技球の入賞を受け付ける大入賞口1814が開放され、多数の遊技球の入賞を受け付ける。大入賞口1814に遊技球が入賞すると、遊技機はその入賞球数相当の多数の賞球(出玉、セーフ玉)払い出しを行う。大入賞口1814の開放は、大当たり動作中の演出図柄によるアニメーション表示等と同期して、所定時間(例えば、30秒以下)経過するか、所定数の遊技球が大入賞口1814に入賞するまで継続する。この1回の開放をラウンド(R)と呼ぶ。さらに、可変入賞球装置1812は内部にVゾーンと称する特定領域1815を有する。大当たり動作中の大入賞口1814の開放中に特定領域1815を少なくとも1個の遊技球が通過すると、遊技は次のラウンドの権利発生の契機が与えられる。このようにして、ラウンドは1R→2R→・・・と継続し、最大ラウンド(例えば、15ラウンド)まで継続する。ラウンド中に遊技球の特定領域1815の通過がないと、最大ラウンドまで継続せずに大当たり動作は終了する。
【0012】
また従来の遊技機には、特別図柄変動時間短縮スイッチを有し、それが遊技者によって操作されると強制的に図柄変動を停止(即止め)させる機種も存在する。この機能により、一回の図柄変動時間を短縮し単位時間あたりの図柄変動回数を増やすことができる。特別図柄変動時間短縮スイッチの操作による即止めではなく、操作の後、図柄変動が短縮されてから停止するようにできることも当業者には自明であろう。遊技機の中には、遊技盤1801に取り付けられた光学式のタッチセンサである特別図柄変動時間短縮スイッチ1816を有した機種もある。遊技盤1801に据え付けられた役物(表示装置、可変入賞装置、普通電動役物等を総称したもの)、特別図柄変動時間短縮スイッチ1816、釘等はその上に透明なガラス板を被されており、ガラス板と遊技盤1801との間に確保されたスペースを打ち出された遊技球が落下していく。図柄表示装置1802が特別図柄や演出図柄を変動表示中に、遊技者がガラス板を介して特別図柄変動時間短縮スイッチ1816に手をかざすと、それを検知した特別図柄変動時間短縮スイッチ1816がONとなり、図柄表示装置1802の特別図柄や演出図柄の変動表示が即止めされ、又は短縮されて停止することが可能である。
【0013】
また、昨今の遊技機は、遊技機の射幸性に関わる遊技機能部(主制御部)に対する改造発見と検査のし易さのために、遊技機の機能別に各回路基板を分割し、かつ機能部品は遊技内容を制御する遊技機能部からの一方向制御により動作するように構成されている。したがって、図柄表示装置の制御についても、主制御基板に実装された主制御部が図柄表示装置に対して図柄変動に関わる種々のコマンドを送ることにより実現されている。例えば、特許文献1には、図柄表示装置内に擬似図柄表示部(本明細書でいう「演出図柄」を表示する部分に相当)と特別図柄表示部(本明細書でいう「特別図柄」を表示する部分に相当)を設け、始動入賞に基づく主制御部からのコマンドにしたがって擬似図柄表示部に擬似図柄を表示させ、さらに、特別図柄表示部に特別図柄を表示させる弾球遊技機が開示されている。より詳細に述べると、特許文献1には以下のことが記載されている(段落0035、0036、0038、0040?0042を参照)。
【0014】
主制御部208は、カウンタ210a(大当たり判定用のカウンタ)、カウンタ210b(当たり図柄決定用のカウンタ)、カウンタ210c(外れ図柄決定用のカウンタ)からなるカウンタ群210を備える。カウンタ210aは、0?249までの250種類の数値を昇順に繰り返しカウントし、カウンタ210bは、0?11の12の数値を昇順に繰り返しカウントする。カウンタ210cは、それぞれが0?11までを繰り返しカウントする3個のサブカウンタを備える。主制御部208は、始動入賞信号Sが受信されていれば、各カウンタ210a、カウンタ210b、カウンタ210cのカウント値C1、C2、C3を読み込み、これらを使用して大当たり判定処理等を実行する。すなわち、主制御部208は、カウンタ210aのカウンタ値C1が当たり値であるかを判定し、当たり値でない場合(外れの場合)には、カウンタ210cのカウント値C3をコマンドとして図柄表示装置150のCPU180に送信し、他方、カウンタ210aのカウンタ値C1が当たり値である場合(大当たりの場合)には、カウンタ210bのカウント値C2に基づいて当たり図柄を決定し、コマンドとして図柄表示装置150のCPU180に送信する。
【0015】
【特許文献1】特許第2954859号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
特許文献1を含め従来の技術においては、外れの場合、主制御部は自ら外れ図柄を決定し、その外れ図柄をコマンドとして図柄表示装置に送信している。したがって、主制御部の処理は複雑であり、その負荷が大きい。一方、主制御部を実装する主制御基板は、法律上の検査対象であり、また主制御部で使用できるCPUの性能に上限が課されているため、主制御部の処理内容を簡素化することが望まれる。
【0017】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、主制御部の処理を簡素化し、その処理負担を軽減した遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するために、本発明の遊技機は、遊技盤に設けられた始動入賞口への玉の始動入賞を契機として当り/外れの抽選を行い、抽選結果が当りの場合に遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、前記抽選結果を、特別図柄の変動表示により報知する特別図柄表示装置と、前記報知に伴う演出を、演出図柄の変動表示により行う演出図柄表示装置と、遊技機全体を制御する主制御部であって、該主制御部のCPUから前記特別図柄表示装置に対して前記特別図柄の変動表示に係わる制御信号を他の制御部のCPUを介することなく送信することにより前記特別図柄の変動表示を制御する、主制御部と、前記主制御部からの指令に従い、所定の制御を行う副制御部と、前記副制御部からの指令に従い、前記演出図柄表示装置に対して、前記演出図柄の変動表示を制御する表示制御部と、を備え、前記主制御部は、前記演出図柄の変動態様を指定する第1の指令、及び、前記変動表示が停止した際の演出図柄の表示態様を指定する第2の指令であって、前記抽選結果が当りの場合には特定の組み合わせで前記演出図柄を停止表示させることを、前記抽選結果が外れの場合には外れを示す任意の組み合わせで前記演出図柄を停止表示させることを指定する、第2の指令を前記副制御部に送信し、前記副制御部は、前記所定の制御として受信した前記第2の指令が、特定の組み合わせで前記演出図柄を停止表示させることを指定する場合は、当該特定の組み合わせで前記演出図柄を停止表示させることを指定する第3の指令を生成し、任意の外れの組み合わせで前記演出図柄を停止表示させることを指定する場合は、前記演出図柄を任意の外れの組み合わせで停止表示させることを指定する第3の指令を生成して、該生成した第3の指令を前記表示制御部に送信し、前記抽選における当り及び/又は前記演出におけるリーチ変動の発生を予告する表示を指定する第4の指令を生成して、該生成した第4の指令を前記表示制御部に送信し、前記表示制御部は、受信した前記第3の指令が特定の組み合わせで前記演出図柄を停止表示させることを指定する場合は、該特定の組み合わせで前記演出図柄が停止するように前記変動表示を制御し、受信した前記第3の指令が任意の外れの組み合わせで前記演出図柄を停止表示させることを指定する場合は、外れを示す組み合わせを決定し、該決定された組み合わせで前記演出図柄が停止するように前記変動表示を制御し、受信した前記第4の指令に基づいて前記予告の表示を制御する、ことを特徴とする。
【0019】
また、本発明の遊技機において、前記副制御部が生成する前記第4の指令には、複数の変動態様に共通する指令と特定の変動態様に対応する指令とがあり、これらは前記第1の指令に応じて重複することがあることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の遊技機は、遊技機全体を制御する主制御部(図3の310)と、主制御部に接続され、主制御部からの指示にしたがい遊技機が備える演出用制御対象(図5のランプ表示装置、効果音発生装置、演出用可動物)を制御する副制御部(図3の340)と、副制御部に接続され、副制御部からの指示にしたがい演出図柄の変動表示を制御する表示制御部(図3の370)と、表示制御部に接続され、表示制御部からの指示にしたがい演出図柄を変動及び停止させる演出図柄表示装置(図3の103)とを備える遊技機において、主制御部は、演出図柄の変動態様を指示する第1の指令(図15、図16の変動パターンコマンド)と、演出図柄の停止図柄の組み合わせを指示する第2の指令(図8の演出図柄指定コマンド)とを副制御部に対して送信し、副制御部は、第1の指令と、第2の指令に基づいて作成した第3の指令(図8の液晶表示用コマンド)とを表示制御部に対して送信し、表示制御部は、第3の指令が演出図柄を特賞の組み合わせで停止させることを指示する場合(図8の液晶表示用コマンドのコマンドIDが「B2」H)には、第3の指令が指定する演出図柄の組み合わせで停止させることを演出図柄表示装置に指示し、第3の指令が演出図柄を外れの組み合わせで停止させることを指示する場合(図8の液晶表示用コマンドのコマンドIDが「B1」H)には、第1の指令に基づいて外れの組み合わせを決定し、外れの組み合わせで停止させることを演出図柄表示装置に指示することを特徴とする。
【0021】
また、本発明の遊技機は、遊技機全体を制御する主制御部(図3の310)と、演出用制御対象を制御する副制御部(図5のランプ表示装置、効果音発生装置、演出用可動物)と、演出図柄の変動表示を制御する表示制御部(図3の370)とを備える遊技機において、主制御部は、主制御部に接続され特別図柄を変動表示する特別図柄表示装置(図3の102)に対して、特別図柄の変動表示を直接制御し、特別図柄の変動させる処理を開始した後の所定期間中に、特別図柄に対応する演出図柄の変動態様を指示する第1の指令(図15、図16の変動パターンコマンド)と、演出図柄の停止図柄の組み合わせを指示する第2の指令(図8の演出図柄指定コマンド)とを副制御部に送信し、副制御部は、第1の指令、及び、第2の指令に基づいて作成した第3の指令(図8の液晶表示用コマンド)を表示制御部に送信し、表示制御部は、第3の指令が演出図柄を外れの組み合わせで停止させることを指示する場合(図8の液晶表示用コマンドのコマンドIDが「B1」H)には、第1の指令に基づいて外れの組み合わせを決定し(図13)、外れの組み合わせで停止させる制御を行うことを特徴とする。
【0022】
さらに、本発明の遊技機において、第2の指令(図8の演出図柄指定コマンド)は、複数種の特賞の演出図柄の組み合わせを指定する指令(図8の演出図柄指定コマンドにおいて、EVENT値が「00」H?「09」H)と、単一の外れの演出図柄の組み合わせを指定する指令(図8の演出図柄指定コマンドにおいて、EVENT値が「0A」H)とから構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように本発明によれば、主制御部の処理を簡素化した遊技機を提供することができ、さらに、外れの場合には、様々な外れ図柄を使った演出を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、各図面において同じ機能を有する箇所には同一の符号を付す。
【0025】
(装置構成)
図1は、本実施形態の遊技機100の正面概観の一例を示す。図1において、本実施形態の遊技機は、遊技機の役物等を盤面に据え付ける遊技盤101、特別図柄表示装置102、演出図柄表示装置103、第1の始動入賞口104、普通図柄表示装置作動ゲート(左)105、普通図柄表示装置作動ゲート(右)106、普通図柄表示装置107、第2の始動入賞口でもある普通電動役物(チューリップ)108(以下、第2の始動入賞口108という。)、上大入賞口を備える第1の可変入賞球装置109、下大入賞口を備える第2の可変入賞球装置110、遊技機ハンドル111、特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)112、普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)113等を主に備える。
【0026】
特別図柄表示装置102は、例えば、液晶ディスプレイ又はCRT(Cathode-Ray Tube)ディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクス表示装置等があり、複数の数字や図形等の特別図柄を変動表示する。特別図柄表示装置102の停止図柄が予め定めた特定の図柄の組み合わせとなった場合を特賞(大当たり)とする。尚、本実施形態においては、特別図柄表示装置102は2桁の7セグメントLEDとする。
【0027】
演出図柄表示装置103は、たとえば、液晶ディスプレイ又はCRTディスプレイ等の可変表示装置、7セグメントLED、ドットマトリクス表示装置、モータの回転により可変表示するドラム等があり、複数の数字や図形等の演出図柄を変動表示する。本実施形態は、液晶ディスプレイの可変表示装置とする。演出図柄表示装置103を制御する表示制御部(後述する)は、CPU、プログラムROM(Read Only Memory)、RAM、画像処理用LSI(以下、VDP(Video Display Processor))、キャラクタROM、ビデオRAM等を有する。演出図柄表示装置103は、本実施形態では、背景等の画像及び複数の図柄を動画として表示可能な可変表示装置を有する。本実施形態では、多彩な演出図柄を演出図柄表示装置103に表示可能な遊技機を想定している。
【0028】
第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108は、遊技者により打ち出された遊技球が入賞すると、内部の特別図柄始動スイッチのONにより入賞を検知し、特別図柄表示装置102の図柄変動の契機を与える。特別図柄表示装置102の特別図柄や演出図柄表示装置103の演出図柄の変動表示は、所定の変動時間経過後に停止し、抽選結果の報知や演出が行われる。
【0029】
普通図柄表示装置作動ゲート(左)105及び普通図柄表示装置作動ゲート(右)106は、遊技者により打ち出された遊技球が通過すると、内部の普通図柄作動スイッチがONになることにより、その通過球を検知し、普通図柄表示装置107の普通図柄の変動契機を与える。
【0030】
普通図柄表示装置107は、7セグメントLED等で普通図柄を変動表示する。第2の始動入賞口108は、普通図柄表示装置107が特定の普通図柄を停止表示(小当たり)した場合に開放し、第2の始動入賞口108内への入賞を容易にする。尚、第1の始動入賞口104は常時開放している。
【0031】
第1の可変入賞球装置109と第2の可変入賞球装置110は、特別図柄表示装置102の停止図柄が予め定めた特定の図柄の組み合わせとなった場合、すなわち、特賞となったときに、その後の大当たり動作において、第1の可変入賞球装置109と第2の可変入賞球装置110の前面に付置された開閉部材114、115のいずれか一方が開放及び閉鎖の動作を行う。どちらの開閉部材を開放するかは内蔵するプログラムの抽選結果によって決まる。
【0032】
当たり動作中は、開閉部材114、115のいずれか一方がほぼ水平に開き、遊技球の入賞を受け付ける第1の可変入賞球装置109又は第2の可変入賞球装置110が開放され、多数の遊技球の入賞を受け付ける。第1の可変入賞球装置109又は第2の可変入賞球装置110に遊技球が入賞すると、第1の可変入賞球装置109又は第2の可変入賞球装置110の内部の大入賞口スイッチがONになることにより、遊技機は第1の可変入賞球装置109又は第2の可変入賞球装置110への遊技球数を把握し、その入賞に伴う賞球(出玉、セーフ玉)払い出しの契機が与えられる。第1の可変入賞球装置109又は第2の可変入賞球装置110の開放は、所定の時間(例えば、30秒)経過するか、所定数(大入賞口入賞規定数)の遊技球が第1の可変入賞球装置109又は第2の可変入賞球装置110に入賞するまで継続する。この一回の開放をラウンドと呼ぶ。Vゾーン(特定領域)が存在しないので、Vゾーンの通過に基づく継続条件は無くなるため、一度大当たりが発生すれば、所定時間(約30秒)の経過又は所定個数(10個)の入賞により次のラウンドに移行する。
【0033】
尚、従来のように、第1の可変入賞球装置109又は第2の可変入賞球装置110は、内部にVゾーン(図示せず)を各々有してもよい。Vゾーンが存在する場合、大当たり動作中の第1の可変入賞球装置109又は第2の可変入賞球装置110の開放中に特定領域を少なくとも1個の遊技球が通過すると、第1の可変入賞球装置109又は第2の可変入賞球装置110の内部の特定領域スイッチがONになることにより、遊技機は次のラウンドの権利発生の契機が与えられる。このようにして、ラウンドは1R→2R→・・・と継続し、最大ラウンド(例えば6ラウンド又は15ラウンド)まで継続する。
【0034】
遊技機ハンドル111は、タッチセンサを表面に有し、ストップボタン(発射停止)116を付置されている、遊技者が遊技機ハンドル111を握ったことをタッチセンサが検知し、この状態で遊技機ハンドル111が右回り117又は左回り118に回されたことを遊技機ハンドル111内部の可変抵抗器が検知すると、球発射装置に遊技球を連続して打ち出す契機を与える。遊技者は、遊技機ハンドル111を右回り117又は左回り118に回して、遊技盤101上へ打ち出される遊技球の打ち出しルートを調整する。また、遊技者がストップボタン116を押すと、球発射装置の遊技球の打ち出しが停止する。
【0035】
特別図柄作動記憶表示灯112は、特別図柄の変動中に第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108に入賞した各球の情報を、後述する主制御部のRAM上にある各球毎の保留メモリに記憶するのと連動して点灯し(以下、球の保留と呼ぶ)、連続して図柄(特別図柄)変動可能な回数を報知する。尚、当該回数は、演出図柄表示装置103に表示してもよい。また、球の保留の対象となった第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108への入賞球を保留球と呼ぶ。
【0036】
普通図柄作動記憶表示灯113は、普通図柄の変動中に普通図柄作動ゲート(左)105又は普通図柄作動ゲート(右)106を通過した各球の情報を、主制御部のRAM上にある各球毎の保留メモリに記憶するのと連動して点灯し、連続して図柄(普通図柄)変動可能な回数を報知する。尚、当該回数は、演出図柄表示装置103に表示してもよい。
【0037】
遊技盤101に据え付けられた役物、釘等はその上にガラス板を被されており、ガラス板と遊技盤101との間に確保されたスペースを打ち出された遊技球が落下していく。
【0038】
尚、遊技機100は、遊技盤101に取り付けられた光学式のタッチセンサである特別図柄変動時間短縮スイッチ(図示せず)を備えてもよい。特別図柄変動時間短縮スイッチが存在する場合、特別図柄表示装置102や演出図柄表示装置103が特別図柄や演出図柄を変動表示中に、遊技者がガラス板を介して特別図柄変動時間短縮スイッチに手をかざすと、それを検知した特別図柄変動時間短縮スイッチがONになり、特別図柄表示装置102や演出図柄表示装置103の変動表示が即止めされ、又は短縮されて停止することが可能である。
【0039】
また、遊技機100は、演出切替スイッチ120を備える。遊技者は、演出切替スイッチ120を操作することにより、演出図柄表示装置103に好みの演出画面を表示させたり、演出用可動物の動作を制御することができる。
【0040】
図2は、遊技機100、情報表示装置201、ホールコンピュータ202、アウト球検出装置203を備える一般的な遊技システムの概略図である。
【0041】
情報表示装置201は、例えば、遊技機100の上部に設置された表示装置であり、遊技機100からの信号及びホールコンピュータ202からの指示にしたがって、ランプや画面等により遊技者へ遊技状態を報知する。情報表示装置201は、周知の遊技場の情報公開システムを適用すればよく、遊技状況の表示(遊技データの公開)として、例えば、図柄回転数、大当たり回数、出球、差球、トータルゲーム数等を表示し、さらに遊技者の個人のデータ取りの可能なものが知られている。情報公開システムとしては、(株)平和のヨビダス(商標)等、種々の製品が周知であるのでその制御回路の説明は省略する。
【0042】
ホールコンピュータ202は、各遊技機100等からその稼動状況のデータを収集し、各アウト玉検出装置203からの出力を収集し、遊技場の運営を管理する。或いは、各情報表示装置201の遊技状態を報知する。ホールコンピュータ202は、遊技場で使用される周知のホールコンピュータであるので、その制御回路構成については省略する。
【0043】
アウト玉検出装置203は、遊技機設置設備と遊技球補給システムから成る島設備内部に設置されており、遊技盤面を通って遊技機から排出された遊技球の検出を行い、ホールコンピュータ202へアウト玉検出信号を送信する。アウト玉検出装置203の構造や制御回路構成については、当業者には周知であるため、その説明は省略する。
【0044】
図3は、遊技機100内の制御部300の実施形態を示すブロック図である。図に示すように、制御部300は、主に、主制御部310と副制御部340と表示制御部370の3つの制御部から構成される。不正行為防止及び法規上の制約のため、通常、各制御部は機能毎に別々の基板に実装され、通信可能に直接・間接的に接続されている。主制御部310は、第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108への入賞による遊技球の検出に基づいて内部で発生させた乱数に応じてコマンドの送信及び遊技機の全体制御を行う。また、主制御部310は、特別図柄表示装置102を直接制御する。ここで「直接制御」とは、主制御部310が備える特別図柄表示用出力ポートから特別図柄表示装置102に対して直接的に表示駆動に係わる制御信号を送ることにより特別図柄を変動させる処理のことであり、例えば、CPUからの信号(命令)を他のCPUによる判断なしで直接送ることや、割り込み等による時間遅れ(タイムラグ)なしで制御すること等のことである。
【0045】
副制御部340は、主制御部310から送信されるコマンドに応じて表示制御部370を制御するためのコマンドを送信すると共に、遊技領域等に設けられているランプの点滅制御、遊技機のスピーカから出力する音声の制御、モータを回転制御することによって遊技領域等に設けられているキャラクタフィギャア等の演出用可動物制御を行う。表示制御部370は、副制御部340から送信されるコマンドに応じて、液晶表示装置等の演出図柄表示装置103を制御する。
【0046】
次に、主制御部310、副制御部340、表示制御部370の各構成・機能を詳細に説明する。
【0047】
(主制御部の構成・機能)
図4は、主制御部310の内部構成を示す概略ブロック図である。
【0048】
主制御部310は、CPU422、ROM420、RAM424、上及び下大入賞口ソレノイド出力ポート428、普通電動役物ソレノイド出力ポート430、特別図柄表示用出力ポート432、普通図柄表示用出力ポート434、特別図柄作動記憶表示灯用ポート436、普通図柄作動記憶表示灯用ポート438、副制御用コマンド出力ポート(変動パターンコマンド(第1の指令)、演出図柄指定コマンド(第2の指令)等を送出)440、払出制御用コマンド出力ポート442、外部情報出力ポート444、入力ポート426を備える。
【0049】
変動パターンコマンドとは、演出図柄表示装置103に表示されるリーチ、外れ、特賞等の画面変動の態様を指定するコマンドである。演出図柄指定コマンドとは、演出図柄表示装置103に表示される演出図柄の停止図柄を指定するコマンドである。
【0050】
主制御部310は、入力ポート426を介して、各種スイッチ(特別図柄始動スイッチ410、普通図柄作動スイッチ412、大入賞口スイッチ414、その他のスイッチ418及び実装されている場合には特定領域スイッチ416、特別図柄変動時間短縮スイッチ119)からデータを入力し処理する。
【0051】
主制御部310は、出力ポート428?438、444を介して、特別図柄表示装置102、特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)112、普通図柄表示装置103、普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)113、上及び下大入賞口ソレノイド446、普通電動役物ソレノイド448、外部情報出力部454を直接制御する。一方、主制御部310は、副制御部340に副制御用コマンド(変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド等)を送信して副制御部340をコマンド送信により制御する。さらに、主制御部310は、払出制御部450にコマンドを送信して賞球の払出制御を行う。本実施形態にしたがった、主制御部310による特別図柄表示装置102に対する直接制御及び副制御部340へのコマンド送信の制御の詳細については後述する。
【0052】
次に、主制御部310が入力ポートを介して入力する各種スイッチ、主制御部310の構成要素及び主制御部の制御対象について詳細に説明する。
【0053】
特別図柄始動スイッチ410は、遊技者により打ち出されて第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108に入賞した遊技球がこのスイッチを通過する時にONとなり、入賞検知し特別図柄表示装置102の図柄変動の契機を与える。
【0054】
普通図柄作動スイッチ412は、遊技者により打ち出されて普通図柄表示装置作動ゲート(左)105及び普通図柄表示装置作動ゲート(右)106を通過した遊技球が、このスイッチを通過する時にONとなり、普通図柄表示装置107の普通図柄の変動契機を与える。
【0055】
大入賞口スイッチ414は、特賞になった時に、その後の大当たり動作において、第1の可変入賞球装置109又は第2の可変入賞球装置110へ入賞した遊技球がこのスイッチを通過する時にONとなり、主制御部310は遊技球の入賞検知を行う。
【0056】
その他のスイッチ418としては、第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108、第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110以外のその他の入賞口へ入賞した遊技球がこのスイッチを通過する時にONとなり、主制御部310は遊技球の入賞検知を行う。
【0057】
尚、特定領域スイッチ416が実装されている場合には、当該スイッチは、第1の可変入賞球装置109又は第2の可変入賞球装置110の開放中に特定領域を通過した遊技球がこのスイッチを通過する時にONとなり、主制御部310は次のラウンドの権利発生を検知する。特別図柄変動時間短縮スイッチ119が実装されている場合には、当該スイッチは、遊技者が特別図柄表示装置102や演出図柄表示装置103の変動表示を強制的に即止めし、又は短縮させて停止させることを可能とする。
【0058】
CPU422は主制御部全体の制御を行う回路である。
【0059】
ROM420は、遊技機を制御するための主制御部310用のプログラムが記憶されている。具体的には、ROM420は、主制御部310のCPUが行う遊技制御処理の内容を規定した図7、11のフローチャートに示す遊技制御プログラムを記憶している。ROM420にはさらに、副制御部340を指示するための変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンドを始めとする、遊技機を制御するための各種のパラメータの値が格納されている。
【0060】
RAM424は、主制御部310に対する入出力データや演算処理のためのデータ、遊技に関連する乱数カウンタを始めとする各種カウンタ等を一時記憶し、又、各保留球の情報を記憶する保留メモリを有する。
【0061】
特別図柄表示装置102は、複数の数字や図形等の特別図柄を表示する。普通図柄表示装置107は、複数の数字や図形等の普通図柄を表示する。特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)112は、連続して特別図柄の変動が可能な回数を報知する。普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)113は、連続して普通図柄の変動が可能な回数を報知する。
【0062】
上及び下大入賞口ソレノイド446は、第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110の内部の構成部材の一つで、特賞になった時に、その後の大当たり動作において第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110の前面に付置された開閉部材114、115を主制御部310からの指示に基づいて選択的に開放する。
【0063】
普通電動役物ソレノイド448は、普通図柄表示装置107が小当たりの普通図柄を停止表示した場合に、普通電動役物108を主制御部310からの指示に基づいて開放する。
【0064】
払出制御部450は、主制御部310から払出制御用コマンドを受け、特別図柄始動スイッチ410、大入賞口スイッチ414、その他のスイッチ418等で入賞検知がされた場合に賞球払出装置452に賞球の払い出しを行うように指示する。
【0065】
外部情報出力部454は、主制御部310のCPU422からの情報を外部(情報表示装置201、ホールコンピュータ202等)へ提供するための基板である。ホールコンピュータ202及び情報表示装置201は、遊技機の外部情報出力部454を介して遊技機と電気的に接続されている。主制御部310のCPUは、外部情報出力部454を介して、図柄変動の停止、大当たり状態、確率変動状態等がわかる信号を外部装置へ出力する。信号としては、例えば、大当たり信号、入賞数信号、スタート信号、確変信号、時短信号、扉開放信号がある。
【0066】
(副制御部の構成・機能)
図5は、副制御部340の内部構成を示す概略ブロック図である。
【0067】
副制御部340は、主制御部310と同様に、CPU514、RAM512、ROM510、各種入力ポート516、各種出力ポート518を備える。副制御部340は、特に、主制御部310が送信する副制御用コマンド(変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド)を受信して、当該変動パターンコマンド(第1の指令)を表示制御部370に送信し、さらに、当該演出図柄指定コマンドにしたがって、液晶表示用コマンド(第3の指令)を作成し、表示制御部370に送信する。また、副制御部340は、ランプ表示装置520の点滅制御、効果音発生装置522が出力する効果音の発生制御、演出用可動物524の制御等を行う。このように副制御部340は、液晶表示、ランプ点灯、効果音の生成、演出用可動物の制御等の演出に関わる制御を専門的に行うことにより、主制御部310の負荷を軽減する。
【0068】
また、副制御部340は、変動パターンコマンド(コマンドID(identification)値:「A0」H又は「A1」H)及び演出図柄指定コマンド(コマンドID値:「B1」H)を受信した場合には、予告指定コマンド(コマンドID値:「95」H?「98」H)を内部生成して、表示制御部370に送信する。予告指定コマンドとは、大当たりの発生、リーチの発生を遊技者に予告する表示を指定するコマンドである。予告指定コマンドの内容(コマンドID値とEVENT値)と表示内容(予告内容)との関係の一例を図12に示す。コマンドID値が「95」H、「96」H、「97」Hの予告指定コマンドは、大部分の変動パターンが選択されたときに行われる予告演出を指定するコマンドである。コマンドID値が「98」Hの予告指定コマンドは、ある特定の変動パターン(リーチパターン)が選択されたときに行われる予告演出を指定するコマンドである。コマンドID値が異なる理由は、変動パターンコマンドに応じて重複する場合があるからである。
【0069】
ランプ表示装置520は、遊技に関連するランプ類の表示装置であり、副制御部340の指示で複数のランプを選択的に点灯/消灯させる。効果音発生装置522は、遊技に関連する音響を発生する。演出用可動物524は、モータ等により回転制御される遊技領域等に設けられている演出用のキャラクタフィギャア等である。
【0070】
副制御部340は、演出切替スイッチ120からの入力を受け付ける。遊技者は、演出切替スイッチ120を操作することにより、演出図柄表示装置103に好みの演出画面を表示させたり、演出用可動物524の動作を制御することができる。このように、遊技者は演出切替スイッチ120を操作することにより、遊技機の演出面に参加することができる。
【0071】
(表示制御部の構成・機能)
図6は、表示制御部370の内部構成を示す概略ブロック図である。
【0072】
表示制御部370は、特に、副制御部340が送信する変動パターンコマンド(第1の指令)及び液晶表示用コマンド(第3の指令)を受信して、当該変動パターンコマンド及び当該液晶表示用コマンドにしたがって演出図柄表示装置103の演出図柄を変動、停止させ、又は、予告指定コマンドを受信して予告表示する機能を有する。特に、液晶表示用コマンドの内容が、演出図柄を外れの組み合わせで停止させることを指示するものである場合には、表示制御部370は、変動パターンコマンドの内容に基づいて演出図柄表示装置103に最終的に停止表示(確定表示)される外れ図柄を独自に決定する。この表示制御部370による外れ図柄の決定方法については後述する。
【0073】
図6において、本実施形態の表示制御部370の制御回路構成は、変動パターンコマンド及び液晶表示用コマンドを受信する入力ポート618、CPU620、プログラムROM610、RAM612、画像処理用LSI(VDP)622、キャラクタROM616、ビデオRAM614、出力ポート624を有する。
【0074】
入力ポート618は、副制御部340から変動パターンコマンド及び液晶表示用コマンドを受信し、CPU620へ渡す。
【0075】
CPU620は、プログラムROM610に記憶されたプログラムにしたがって、画像処理及び画像表示制御を行う。プログラムROM610は、CPU620が実行する画像処理のためのプログラムを記憶しており、具体的には、CPU620が行う画像表示制御の内容を規定した図13、図14に示す画像表示制御プログラムを記憶している。さらにプログラムROM620は、VDP622のデータ・レジスタにマッピングして書き込むVDP622制御用データ、画像表示を制御するための各種のパラメータの値等も記憶している。
【0076】
RAM612は、CPU620に対する入出力データや演算処理のためのデータを一時記憶し、ワーク・エリアやバッファ・メモリとして機能する。VDP622は、CPU620からの図柄更新の指示に従って演出図柄表示装置103に表示するためのスプライト/スクロール等の画像データをビデオRAM614に展開し、CPU620からの出力指示に従って出力ポート624を介して演出図柄表示装置103の表示領域内に画像データを出力・表示する。演出図柄表示装置103は、LCD、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ等であり、VDP622が出力する画像のビデオ信号を可視表示する。
【0077】
また表示用の制御には、特定の複数の色データを配列して設定したカラーパレット(以下、パレットと呼ぶ)がよく使用される。本実施形態VDP622は、256色を定義するパレットを4つ内蔵しており、4レイヤを処理し、各レイヤに1パレットを関連付けて画像処理を行う。VDP622はCPU620からの出力指示に従って、4つのレイヤ毎に設定した画像データを合成し、その合成画像データを演出図柄表示装置103に出力、表示する。
【0078】
VDP622は、具体的には、ビデオRAM614上の画像データにより指示されるパレットの色データに基づいてその画像データを色データに変換し、その色データをアナログRGBのビデオ信号として演出図柄表示装置103へ出力し、表示する。ここでの画像データはパレットに対するインデックス(配列番号)を含む。
【0079】
本実施形態のVDP622は、1ピクセル当たりR、G、B及びI(intensity;彩度)の各々を3ビットの8階調で制御する仕様とし、4096色(=8×8×8×8)を処理する能力を有する。VDP622は、256色を設定可能なパレットを4つの各レイヤに1パレットずつ関連付けて画像処理を行うため、256色×4レイヤ=1024より4096色中の最大1024色を演出図柄表示装置103へ表示可能である。
【0080】
キャラクタROM616は、CPU620からの指示を受けたVDP622がビデオRAM614に展開する、スプライト/スクロール等の画像データを記憶している。また、VDP622内臓の4つのパレットに設定されるべき4つのパレットデータを記憶している。また、画像データは、ランレングス符号化、予測符号化、ハフマン符号化及びその他周知の圧縮技術によって圧縮され、キャラクタROM616に記憶されている。
【0081】
ビデオRAM614は、VDP622により、演出図柄表示装置103の表示領域内に出力する画像データが展開され、一時記憶される。本実施形態では、4つのレイヤ毎に設定した画像データがビデオRAM614に一時記憶され、ビデオRAM614上で4レイヤの画像データがスクリーンバッファで合成され合成画像データが生成される。
【0082】
(主制御部による遊技制御処理の手順)
次に、主制御部310のCPU422が実行する遊技制御処理の主な手順を説明する。
【0083】
本実施形態の遊技機の上述した動作に関わる処理は、図7のフローチャートに示す処理手順により行われる。図7の処理手順は、主制御部310のCPU422が、ROM420に記憶されている遊技制御プログラムを読み出して実行することにより行われる遊技制御割り込み処理である。この処理においては、周期(例えば4msecと2msec)毎に起動される2種類の割り込み処理(遊技制御系の第1の所定期間毎の割り込み処理(例えば4msec毎の割り込み処理)と、乱数更新及びスイッチチェック等の第2の所定期間毎の割り込み処理(例えば、2msec毎の割り込み処理))が並行して動いている。なお、必要に応じて第3の所定期間毎の割り込み処理や第4の所定期間毎の割り込み処理等を各割り込み処理の周期が重ならないように行うことも可能である。図7において、遊技機が電源の投入をされると、主制御部310はRAM424をクリアしてその初期設定を行い(ステップ710)、次に、副制御部340に初期コマンド(例えば、RAMクリア処理、初期図柄指定、初期状態等)を送信して(ステップ712)、画像、ランプ、音声及び遊技等に関わる初期設定の指示を行う。また、電源断が発生したときは電源復帰を行う。
【0084】
最初に、遊技制御系の第1の所定期間毎の割り込み処理について説明する。
【0085】
(コマンド出力管理処理(ステップ714))
主制御部310は、後述する特別遊技管理処理(ステップ716)で作成されRAM424のコマンド記憶領域上に準備された変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンドを副制御部340へ送信する。まず、送信するコマンドがあるか判断し、送信するコマンドがある場合、副制御部340へコマンドを送信する。出力するコマンドが無い場合、本処理はそのまま終了する。後述するように、コマンド送信が行われる場合、コマンドは、後述の特別遊技管理処理(ステップ716)における特別図柄の変動開始処理が行われた「第1の所定期間毎の割り込み処理」の次に起動される「第1の所定期間毎の割り込み処理」におけるコマンド出力管理処理(ステップ714)の中で送信される。したがって、演出図柄の制御に関わるコマンドは、特別図柄の変動が開始させる処理を開始してから所定期間中として1割り込み後(本実施形態では4msec後)のコマンド出力管理処理によって送信されることになる。
【0086】
尚、このコマンド出力管理処理を後述する特別遊技管理処理(ステップ716)の次の処理に移動させる処理手順を採用した場合、演出図柄の制御に関わるコマンドは、特別図柄を変動させる処理を開始してから所定期間中として同一割り込み内のコマンド出力管理処理によって送信されることになる。
【0087】
変動パターンコマンドと演出図柄指定コマンドとを受信した副制御部340は、表示制御部370に変動パターンコマンドと液晶表示用コマンドを送信する。変動パターンコマンドと液晶用コマンドを受信した表示制御部370は、演出図柄表示装置103の演出図柄を所定の変動時間だけ変動制御し、次に、演出図柄指定コマンドで指定された図柄で停止させる。
【0088】
ここで、表を用いて、演出図柄指定コマンドと液晶表示用コマンドの内容を説明する。
図8は、主制御部が副制御部に送信するコマンド(演出図柄指定コマンド)及び当該コマンドを受信した副制御部が表示制御部に送信するコマンド(液晶表示用コマンド)の内容を示す表である。図8の表において、コマンドは、送信されたコマンド自体を識別して遊技状態を把握するための「コマンドID」部(「MODE」部と呼ぶ場合もある。)と、識別した遊技状態において、その中での具体的な制御情報種類を識別するための「EVENT」部という2つの部分から構成された2バイトのコマンドである。
【0089】
演出図柄指定コマンドの「コマンドID」部は全て「B1」H(16進数)であり、「EVENT」部は、「00」?「0A」Hの11の値のうちのいずれかの値である。また、液晶表示用コマンドの「コマンドID」部は「B2」H又は「B1」Hであり、「EVENT」部は「00」?「09」Hのいずれかの値である。この図8からわかるように、大当たり決定時の特演出図柄0?9指定に関しては、演出図柄指定コマンドの「EVENT」部の値と液晶表示用コマンドの「EVENT」部の値は同一である。したがって、例えば、大当たり決定時の特演出図柄7指定がされた場合には、主制御部は、「B1」H+「07」H(コマンドID+EVENT)の演出図柄指定コマンドを副制御部340に送信し、その演出図柄指定コマンドを受信した副制御部340は、「B2」H+「07」H(コマンドID+EVENT)の液晶表示用コマンドを表示制御部370に送信する。その液晶表示用コマンドを受信した表示制御部370は、演出図柄表示装置103で変動表示中の演出図柄を「777」の組み合わせで停止させる制御を行う。すなわち、遊技状態を示すコマンドID部を変化させて送信している。一方、外れ決定時の特演出図柄10指定に関しては、演出図柄指定コマンドは「B1」H+「0A」Hであり、液晶表示用コマンドは「B1」H+「00」Hである。この場合、表示制御部370は、演出図柄表示装置103で変動表示中の演出図柄を外れの組み合わせで停止させる制御を行う。すなわち、遊技状態は変化しないので、コマンドID部の値は変化させず、そのまま同一の内容で送信している。
【0090】
尚、図8に示す表からわかるように、大当たりの場合には、非確率変動当たりと確率変動当たりを識別するために、演出図柄指定コマンドは複数種類ある。すなわち、演出図柄表示装置103に表示される演出図柄数に対応した複数種類の演出図柄指定コマンドがある。大当たりの場合、遊技結果(遊技状態)の状態数に対応した種類を備えればよいので、例えば、非確率変動当たりと確率変動当たりの2種類のコマンドを演出図柄指定コマンドとして備え、その演出図柄指定コマンドに応じて演出図柄の表示制御を行うものでよい。一方、外れの場合には、外れという一つの遊技結果(遊技状態)があればよいので、遊技結果(遊技状態)に応じた数の演出図柄指定コマンド、すなわち単一の演出図柄指定コマンドで十分に対応できる。
【0091】
変動パターンコマンド(コマンドID+EVENT)の内容は、例えば、大当たりの場合には、「A0」H又は「A1」H+「37」H?「7B」Hであり、外れの場合には、「A0」H+「01」H?「36」Hである。
【0092】
また、図7に戻って説明すると、コマンド出力管理処理(ステップ714)を第1の所定期間毎の割り込み処理の前半部分に置いた理由は、処理の優先度が高い後述の第2の所定期間毎の割り込みが第1の所定期間毎の割り込み処理の後半部分で発生する可能性が高いため、処理時間が通常長いコマンド出力管理処理(ステップ714)を第1の所定期間毎の割り込み処理の後半部分に置くと、その処理の途中で第2の所定期間毎の割り込みによって割り込まれる可能性が高くなり、コマンド出力管理処理(ステップ714)が処理の途中で打ち切られるという問題が生じやすくなるからである。したがって、その問題をできるだけ回避するため、コマンド出力管理処理(ステップ714)を第1の所定期間毎の割り込み処理の前半部分、望ましくは、第1の所定期間毎の割り込み処理の最初の部分に置くことによって、コマンド出力管理処理(ステップ714)の実行タイミングと第2の所定期間毎の割り込みタイミングとができるだけ重ならないようにしている。
【0093】
(特別遊技管理処理(ステップ716))
主制御部310は図柄変動、役物制御等遊技に関わる制御を特別遊技管理処理で行う。
【0094】
第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108への入賞球又は保留球の保留消化による特別図柄の変動開始時には、RAM424上のリーチ乱数ループカウンタから読み取られるリーチ乱数(リーチの種類(通常リーチ、ロングリーチ等)を決定するための乱数)、図柄乱数ループカウンタから読み取られる図柄乱数(停止図柄を決定するための乱数)、及び第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108への入賞球の大当り乱数(大当たりか外れかを決定するための乱数)又はその保留球の保留メモリに記憶されている大当り乱数に基づいて、主制御部310は、変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド及び特別図柄(左)と特別図柄(右)の各停止図柄等をRAM424上の各コマンドや各図柄専用の領域(以下、所定エリアという。)に格納する。演出図柄指定コマンドの体系に関しては、コマンド出力管理処理(ステップ714)の中で既に説明した。
【0095】
また主制御部310は、大当り動作中には、第1の可変入賞球装置109又は第2の可変入賞球装置110を所定時間だけ開放することを上及び下大入賞口作動ソレノイド446に指示するための、大入賞口開放データ及び大入賞口閉鎖データをRAM424上の所定エリアに格納する。
【0096】
さらに、主制御部310は、特別図柄表示用出力ポート432を介して、特別図柄(左)と特別図柄(右)を所定の変動時間だけ変動制御し、RAM424上の所定エリアに記憶されている特別図柄(左)と特別図柄(右)の各停止図柄で停止させる。各停止図柄は、2桁からなる7セグメントの特別図柄表示装置102に表示される。
【0097】
このように、ステップ716において、主制御部310は、特別図柄指定コマンドを他の制御部に送信することにより特別図柄を制御するのではなく、特別図柄表示用出力ポート432を介して特別図柄表示装置102側に表示駆動信号を送信し、特別図柄を直接制御する。
【0098】
主制御部310は、特別図柄を直接制御して変動をさせる処理を開始(例えば、特別遊技管理処理(ステップ716)に係わる制御として、特別図柄変動タイマを設定することや、特別図柄表示装置102側に表示駆動信号の送信を開始すること等)した後(例えば、4msec後)に、次に発生する割り込み処理のコマンド出力管理処理(ステップ714)において、副制御部340に対して変動パターンコマンドと、当該特別図柄に対応する演出図柄を示す演出図柄指定コマンドとを送信する。ここで、変動パターンコマンドで指定される演出図柄変動時間と、特別図柄変動タイマに設定された変動時間とは同一の値に設定されているため、特別図柄と演出図柄の変動開始/変動停止のタイミングは、所定時間(例えば、4msec)、すなわち、遊技制御系の割り込み周期分の時間差で同期がとられている。すなわち、副制御部340の処理速度にもよるが、図9に示すように、演出図柄が停止状態から変動状態に移るタイミング(変動開始タイミング)は、特別図柄(左特別図柄及び右特別図柄)が停止状態から変動状態に移るタイミングより遅れる(例えば、4msec後)。同様に、演出図柄が変動状態から停止状態に移るタイミング(停止タイミング)は、特別図柄が変動状態から停止状態に移るタイミングより遅れる(例えば、4msec後)。
【0099】
このように、演出図柄は、特別図柄の変動開始及び特別図柄の図柄確定した後に変動及び図柄確定するため、特別図柄が「主」図柄であり、演出図柄は「従」図柄(特別図柄に従属する演出用の図柄)であるということが明確になる。
【0100】
ここで、図を用いて、大当たりの場合及び外れの場合の特別図柄と演出図柄の関係を説明する。図10に示すように、例えば、大当たり乱数が大当たりの場合に、大当たり特別図柄乱数ループカウンタから取得した大当たり図柄乱数(0?99の100通りある)が「3」のときには、主制御部310は特別図柄表示装置102に特別図柄として「03」を表示する。そして、図10及び図8が示すように、主制御部310は、特別図柄「03」に対応する値「07」HをEVENT値として含んだ演出図柄指定コマンド(コマンドID値は「B1」H)を副制御部340に送信する。つづいて、副制御部340は、「07」HをEVENT値として同様に含んだ液晶表示用コマンド(コマンドID値は「B2」H)を表示制御部370に送信する。その液晶表示用コマンドを受信した表示制御部370は、演出図柄表示装置103で変動表示中の演出図柄を「777」の組み合わせで停止させる。一方、例えば、大当たり乱数が外れの場合に、外れ特別図柄乱数ループカウンタから取得した外れ図柄乱数(0?20の21通りある)が「1」のときには、主制御部310は特別図柄表示装置102に特別図柄として「-1(ハイフン1)」を表示する。そして、主制御部310は、特別図柄「-1」、すなわち外れ状態に対応する値「0A」HをEVENT値として含んだ演出図柄指定コマンド(コマンドID値は「B1」H)を副制御部340に送信する。つづいて、副制御部340は、液晶表示用コマンド(コマンドID値は「B1」H、EVENT値は「00」H)を表示制御部370に送信する。
【0101】
当該液晶表示用コマンドを受信した表示制御部370は、主制御部310から副制御部340を介して受信した変動パターンコマンドに基づいて外れ図柄(外れ態様の最終停止図柄)を決定し、当該図柄で停止表示させる。
【0102】
ここで、表示制御部370による外れ図柄の決定処理について図13、図14を用いて説明する。図13は、表示制御部370のCPU620が実行する外れ図柄の決定処理の主な手順を示すフローチャートである。
【0103】
ステップ1300において、表示制御部370は、副制御部340経由で主制御部310から変動パターンコマンドを受信する。図15は、変動パターンコマンドの内容を示す図である。図15からわかるように、主制御部310は、副制御部340に対して、コマンドID値「A0」H又は「A1」Hで、EVENT値「01」H?「7B」Hを含む変動パターンコマンドを送信し、副制御部340は、当該変動パターンコマンドを表示制御部370に送信する。
【0104】
変動パターンコマンドを受信した表示制御部370は、変動パターンコマンドで指定される演出図柄変動時間にわたる演出図柄の変動を開始する。表示制御部370は、変動パターンコマンドを解析して、変動パターンコマンドが指示する変動パターンがリーチ変動か通常変動かを判断する。通常変動とは、リーチを伴わない非リーチ変動パターンのことであり、各図柄が単調にスクロールして変動することである。図16は、ROM610に格納されCPU620が参照する変動パターンコマンドテーブルの例を示す図である。図16からわかるように、変動パターンコマンドにおいては、コマンドID値は「A0」H又は「A1」Hであり、EVENT値は「01」H?「05」H、「06」H?「36」H、「37」H?「7B」Hの3つのブロックからなる。EVENT値が「01」H?「05」Hである変動パターンコマンドには、変動パターン番号として1?5が割り当てられ、この場合、変動パターンは非リーチ変動である。また、EVENT値が「06」H?「36」Hである変動パターンコマンドには、変動パターン番号として6?54が割り当てられ、この場合、変動パターンはリーチ変動後に外れを報知するための各種リーチ変動である。さらに、EVENT値が「37」H?「7B」Hである変動パターンコマンドには、変動パターン番号として55?123が割り当てられ、この場合、変動パターンはリーチ変動後に大当たりを報知するためのリーチ変動である。
【0105】
ステップ1310において、表示制御部370は、副制御部340から液晶表示用コマンドを受信する。液晶表示用コマンドの内容については、既に、図8を用いて説明した。
【0106】
ステップ1312において、表示制御部370は、受信した液晶表示用コマンドを解析して、大当たり指定なのか、外れ指定なのかを判断する。すなわち、液晶表示用コマンドのコマンドID値を検査し、当該コマンドID値が「B2」Hの場合には、大当たり指定と判断し、当該コマンドID値が「B1」Hの場合には、外れ指定と判断する。つまり、コマンドIDに示される遊技状態情報に基づいて制御するのである。そして、外れ指定と判断した場合には、ステップ1314に移行し、大当たり指定と判断した場合には、図14のステップ1410に移行する。
【0107】
以下は、ステップ1312において外れ指定と判断された場合の処理の流れである。
外れ指定の場合には、ステップ1314において、表示制御部370は、左図柄を偶数図柄にするか奇数図柄にするかの抽選処理を行う。偶数図柄を選ぶ確率と奇数図柄を選ぶ確率は任意であり、例えば、2対1の割合で偶数図柄が選ばれる確率を奇数図柄が選ばれる確率よりも高く設定してもよい。抽選の結果、偶数図柄が選択された場合には、ステップ1318に移行し、奇数図柄が選択された場合には、ステップ1320に移行する。
【0108】
ステップ1318において、表示制御部370は、左図柄を0、2、4、6、8の中から抽選し、一方、ステップ1320においては、左図柄を1、3、5、7、9の中から抽選する。なお、ステップ1314からステップ1320については省略して制御することも可能である。
【0109】
ステップ1322において、表示制御部370は、変動パターンコマンドを解析して、変動パターンコマンドが指示する変動パターンがリーチ変動か通常変動かを判断する。通常変動とは、リーチを伴わない非リーチ変動のことであり、各図柄が単調にスクロールして変動することである。
【0110】
ステップ1322において、変動パターンコマンドのEVENT値が「06」H?「36」Hであると判断した場合(リーチの場合)には、ステップ1324に移行し、EVENT値が「01」H?「05」Hであると判断した場合(非リーチの場合)には、ステップ1338に移行する。
【0111】
ステップ1324において、表示制御部370は、ステップ1318又はステップ1320で抽選された左図柄と同じ図柄を右図柄に設定する。すなわち、先に決定した図柄と同一の図柄を設定する。
【0112】
ステップ1326において、表示制御部370は、変動パターンコマンドを解析して、変動パターンコマンドが指示する変動パターンがノーマルリーチ変動であるか、スーパーリーチ変動(スペシャルリーチ変動ともいう。)であるかを判断する。ここで、ノーマルリーチ変動とは、例えば、表示する演出図柄の大きさや停止位置が変化しない単純な動きのリーチ変動のことであり、一方、スーパーリーチ変動とは、表示する演出図柄自体の大きさや、表示する演出図柄の位置が変化して、それにあわせて他の演出画像を割り込み表示させる等の複雑な動きのリーチ変動であり、遊技者に対して大当たりの期待度を高めさせる効果を狙ったものである。明示はしないが、変動パターン番号6?54の変動パターンコマンドの中にスーパーリーチ変動を指示するものが含まれている。したがって、ノーマルリーチ変動を指示する変動パターンコマンドを受信した場合には、ステップ1328に移行し、スーパーリーチ変動を指示する変動パターンコマンドを受信した場合には、ステップ1334に移行する。
【0113】
ステップ1328において、表示制御部370は、中図柄の抽選を行う。
【0114】
ステップ1330において、表示制御部370は、ステップ1328で抽選した中図柄が、ステップ1318又はステップ1320で抽選された左図柄と同じかどうかを判断し、同じである場合には、ステップ1332に移行する。
【0115】
ステップ1332において、表示制御部370は、抽選した中図柄より1図柄手前又は1図柄先の図柄を中図柄として再設定する。すなわち、本ステップにおいては、ステップ1328で、偶然、左図柄と同じ中図柄が抽選された場合に、大当たり表示状態を回避するために強制的に中図柄を1個ずらす処理を行う。
【0116】
ステップ1322に戻って説明すると、表示制御部370は、通常変動(非リーチ)の場合にはステップ1338に移行し、ステップ1338では、右図柄の抽選を行う。
【0117】
ステップ1340において、表示制御部370は、ステップ1338で抽選した右図柄が、ステップ1318又はステップ1320で抽選した左図柄と同じかどうかを判断し、同じである場合には、ステップ1342に移行する。
【0118】
ステップ1342において、表示制御部370は、抽選した右図柄より1図柄手前の図柄を右図柄として再設定する。すなわち、本ステップにおいては、ステップ1338で、偶然、左図柄と同じ右図柄が抽選された場合に、リーチ状態を回避するために強制的に右図柄を1個ずらす処理を行う。なお、抽選するにあたり、最初に確定した図柄を除いて抽選を行うことによりリーチ状態を回避するものでもよい。
【0119】
ステップ1344において、表示制御部370は、中図柄(最終停止図柄)を抽選する。
【0120】
ステップ1326に戻って説明すると、ステップ1326においてスーパーリーチ変動と判断された場合、図17に示す、ROM610に格納されている中図柄±1テーブル(スーパーリーチ最終停止図柄強制制御テーブル)を用いて中図柄を決定する。すなわち、スーパーリーチ変動と判断された場合、受信した変動パターンコマンドの変動パターン番号(図16及び図17を参照)にしたがって、中図柄±1テーブルから±1情報を得る。そして、ステップ1336において、+1の場合、右図柄(=左図柄)より1図柄変動を進めた図柄を中図柄(最終停止図柄)に設定し、-1の場合、右図柄(=左図柄)より1図柄手前の図柄を中図柄(最終停止図柄)に設定する。図17によると、例えば、変動パターン番号が11の場合には、右図柄(=左図柄)より1図柄手前の図柄を中図柄に設定し、変動パターン番号が12の場合には、右図柄(=左図柄)より1図柄変動を進めた図柄を中図柄に設定する。なお、本実施形態では、1図柄をずらすように制御しているが、2図柄をずらすように制御してもよい。
【0121】
以上が、外れ時の表示制御部370による外れ図柄の決定処理である。
【0122】
尚、ステップ1312において大当たり指定と判断された場合の処理の流れを図14を用いて説明する。
【0123】
ステップ1410において、表示制御部370は、液晶表示用コマンドのEVENT値、すなわち、大当たり時の停止図柄を検査し、当該図柄が奇数(確率変動図柄)の場合には、ステップ1412に移行し、偶数(非確率変動図柄)の場合には、ステップ1414に移行する。
【0124】
ステップ1412において、表示制御部370は、変動パターンコマンドを解析して、変動パターンコマンドが指示する変動パターンが再抽選演出有りか無しかを判断する。変動パターンコマンドのコマンドID値が「A0」Hである場合は再抽選演出有りであり、「A1」Hである場合は再抽選演出無しである。再抽選演出無しの場合には、ステップ1414に移行し、再抽選ありの場合には、ステップ1416に移行する。ここで、再抽選演出とは、大当たり確定時に一旦仮停止図柄として非確率変動図柄を停止表示させ、その後、その停止図柄を再度変動表示させて確率変動図柄を確定停止図柄として停止表示する制御のことであり、確率変動図柄となった場合に、大当たり制御終了後において確率変動状態を発生させるようにするものである。なお、再度停止表示された表示結果が非確率変動図柄となった場合には確率変動状態は発生しないように制御するものである。また、「確変」とは確率変動制御の略であり、大当たり確率が上がる機能を意味する。
【0125】
ステップ1416において、表示制御部370は、左図柄を0、2、4、6,8等の非確率変動図柄から抽選し、左図柄のデータを偶数図柄のデータに差し替える。ただし、これは、前述の演出のための仮の図柄であり、最終的には、液晶表示用コマンドのEVENT値で指定された奇数図柄の組み合わせで大当たりすることになる。
【0126】
ステップ1414において、表示制御部370は、液晶表示用コマンドのEVENT値で指定された停止図柄(偶数図柄の組み合わせ又は奇数図柄の組み合わせ)の左図柄を設定する。
【0127】
ステップ1418において、表示制御部370は、ステップ1414で設定された左図柄と同じ図柄を右図柄に設定する。すなわち、先に決定した演出図柄と同一の演出図柄を設定する。
【0128】
ステップ1420において、表示制御部370は、ステップ1414で設定された左図柄と同じ図柄を中図柄(最終停止図柄)に設定する。
【0129】
以上が、大当たり時の表示制御部370による処理の流れである。前述したように、大当たり時には、液晶表示用コマンドのEVENT値で指定された図柄が大当たり図柄となる。
【0130】
以上の処理により大当たり時の停止図柄又は外れ時の停止図柄が決定するが、その後、変動パターンコマンドで指定される演出図柄変動時間の経過時に、演出図柄表示装置103上で変動中の演出図柄が当該停止図柄で停止する。
【0131】
以上まとめると、液晶表示用コマンドが大当たりを指定している場合(コマンドID値=B2H、EVENT値=00H?09H、図8参照)には、当該EVENT値で指定された図柄の組み合わせで停止するのに対して、液晶表示用コマンドが外れを指定している場合(コマンドID値=B1H、EVENT値=00H、図8参照)には、表示制御部370が独自に決定した外れ図柄で停止する。
【0132】
(普通遊技管理処理(ステップ718))
普通図柄表示装置作動ゲート(左)105(又は、普通図柄表示装置作動ゲート(右)106)の球の通過による普通図柄の変動開始時には、RAM424上の小当り乱数に基づいて、主制御部310は普通図柄の停止図柄データ等を準備する。この処理は、主制御部310が普通遊技管理処理を行う中で、普通図柄変動開始時と判断された場合に行われる。
【0133】
(外部情報処理(ステップ720))
主制御部310からの遊技状態の情報を、外部情報出力部454を介して遊技機外部(主にホールコンピュータ202や情報表示装置201)に伝えるために、主制御部310は外部情報処理を行うことにより情報を外部に伝える。
【0134】
(ソレノイド制御処理(ステップ721))
主制御部310は、RAM424上の所定エリアに記憶した大入賞口開放データと大入賞口閉鎖データに基づいて、第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110を開放や閉鎖することを、上及び下大入賞口ソレノイド446に指示する。また、主制御部310は、第2の始動入賞口108を開放や閉鎖することも普通電動役物ソレノイド448に指示する。
【0135】
(その他乱数更新処理(ステップ722))
主制御部310は、第1の所定期間の割り込み処理の残余時間中のステップ722において、大当たり乱数及び大当たり特別図柄乱数以外の乱数(リーチ乱数、外れ図柄乱数等)を更新する。
【0136】
次に、第2の所定期間毎の割り込み処理について説明する。
【0137】
(当たり抽選乱数更新処理(ステップ730))
主制御部310は、例えば、周期2msec毎にRAM424上の大当り乱数ループカウンタをインクリメント(+1)することにより、特賞用の大当り乱数、大当たり特別図柄乱数を更新する。同時に、主制御部310は、RAM424上の小当り乱数ループカウンタをインクリメント(+1)することにより、普通図柄用の小当り乱数を更新する。尚、本実施形態において、ループカウンタとは、0?所定の最大値までの値をサイクリックに更新するカウンタを意味する。
【0138】
(入力処理(ステップ732))
主制御部310は、第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108への入賞球を特別図柄始動スイッチ410によって検知すると、大当り乱数ループカウンタから大当り乱数を読み取ってRAM424上に記憶する。また、特別図柄変動中に第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108に球が入賞したことを特別図柄始動スイッチ410によって検知すると、主制御部310は大当り乱数ループカウンタから大当り乱数、大当たり特別図柄乱数を読み取り、RAM424上の保留球の保留メモリに記憶する(球の保留)。特別図柄変動中にこのステップが繰り返し実行される毎に、RAM424上の保留球の保留メモリ上に連続的に各大当り乱数の値が複数保留球分記憶される。
【0139】
また、主制御部310は、普通図柄表示装置作動ゲート(左)105(又は、普通図柄表示装置作動ゲート(右)106)の球の通過を検知すると、小当り乱数ループカウンタから小当り乱数を読み取ってRAM424上に記憶する。
【0140】
さらに、主制御部310は、特別図柄始動スイッチ410による第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108への入賞検知、大入賞口スイッチ414による大当り動作時の第1の可変入賞球装置109又は第2の可変入賞球装置110への入賞検知、その他スイッチ418による第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108、第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110以外のその他の入賞口への入賞検知の結果を、RAM424上に記憶する。特に第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110への入賞検知の際には、主制御部310はまた、RAM424上の大入賞カウンタをインクリメント(+1)する。なお、大入賞カウンタは、大当たり中以外(通常状態時等)はカウントされないように制御されている。
【0141】
尚、主制御部310は、特定領域スイッチ416が実装されている場合には、それによる特定領域を通過した遊技球の検知の際に、RAM424上のVフラグを立てる。さらに、主制御部310は、特別図柄変動時間短縮スイッチ119が実装されている場合には、それによるスイッチONを検知すると、特別図柄変動時間短縮スイッチフラグを立てる。
【0142】
(賞球払出管理処理(ステップ734))
入力処理(ステップ732)でRAM424上に記憶した、特別図柄始動スイッチ410による第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108への入賞検知、大入賞口スイッチ414による大当り動作時の第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110への入賞検知、その他スイッチ418による第1の始動入賞口104、第2の始動入賞口108、第1の可変入賞球装置109、第2の可変入賞球装置110以外のその他の入賞口への入賞検知の各結果に対して、主制御部310は各々の予め設定された賞球数に対応した賞球の払い出し数をRAM424上に記憶する。
【0143】
主制御部310は、RAM424上に記憶した賞球の払い出し数に基づいて、賞球払出装置452へ賞球の払い出しをコマンド出力により指示する。
【0144】
(特別遊技管理処理と普通遊技管理処理)
図11は、図7の特別遊技管理処理(ステップ716)と普通遊技管理処理(ステップ718)を合わせた一連の処理内容を示すフローチャートである。
【0145】
ステップ1110において、主制御部310は、大当り中フラグをチェックし、大当り中フラグONの場合には大当り中のため、大当り処理(ステップ1134)を行い、処理をステップ1140へ進める。大当り中フラグOFFでRAM424上の特別図柄変動タイマが0、即ち、大当り中でも特別図柄変動中でもない場合、この時点における処理対象である特別図柄変動に係る大当り乱数(第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108への入賞球の大当り乱数又は保留メモリの入賞球の大当り乱数)が、RAM424上に格納されているか検査し、第1の始動入賞口104又は第2の始動入賞口108への入賞球又は保留球の保留消化に伴う特別図柄変動開始と判断した場合、処理をステップ1112へ進める。
【0146】
ステップ1112において主制御部310は、RAM424に記憶されている特別図柄変動に係る大当り乱数に基づいて、開始する特別図柄変動の特賞の判定を行う。大当り乱数が特賞の値と一致しないと判定された場合にはRAM424上の特賞フラグをOFFにし、特賞の値と一致すると判定された場合には特賞フラグをONにする。
【0147】
ここで、確変フラグがONの場合(確率変動時)は、特賞の判定を行う特賞の値の個数を増やし、特賞確率を上げる。例えば、通常時(通常遊技状態)においては特賞の値として「7」が設定されていたものが、確変変動時においては特賞の値として「3」、「7」、「11」、「15」、「82」が設定される。時短中フラグがONの場合は、RAM424上の時短変動カウンタをデクリメント(-1)し、その結果時短変動カウンタが0であれば時短中フラグをOFFにする。
【0148】
ステップ1114において、主制御部310は、ステップ1112における判定結果が特賞の場合、大当たり乱数と同様にRAM424に格納されている大当たり特別図柄乱数ループカウンタ(0?99の100通りの値。図10を参照。)から、特別図柄表示装置102及び演出図柄表示装置103に停止表示される複数の図柄を決定する。一方、外れの場合、外れ特別図柄乱数ループカウンタから読み取られる外れ図柄乱数(0?20の21通りの値。図10を参照。)から、特別図柄表示装置102に停止表示させる複数の図柄を決定する。すなわち、主制御部310は、停止させる特別図柄の組み合わせ、及び、演出図柄指定コマンドのコマンドID値(「B1」H)、EVENT値(「00」H?「0A」Hのいずれか一つの値)を決定し、RAM424上の所定エリアに記憶する。
【0149】
ステップ1116において、主制御部310は、特賞の判定、リーチ乱数、図柄乱数に基づいて、演出図柄変動の変動パターンを決定し、RAM424上の所定エリアに記憶する。
【0150】
ステップ1118おいて、主制御部310は、特別図柄変動を指示する特別図柄変動指示データをRAM424上の所定エリアに記憶する。
【0151】
上記特別図柄変動に要する情報の記憶が済むと、ステップ1120において、主制御部310は、通常の演出時間(秒)を変動パターンコマンドのコマンドID値から一意に決められる演出図柄変動に見合った所定の値とした上で、特別図柄の変動を監視するための特別図柄変動タイマを、通常の演出時間(秒)に設定する。尚、通常の演出時間(秒)は変動パターンコマンドのコマンドID値毎に固有なものであり、変動パターンコマンドのEVENT値毎に秒数が異なる。
【0152】
尚、特別図柄変動時間短縮スイッチ119が実装されている場合には、当該スイッチのON・OFFを監視する特別図柄変動時間短縮スイッチタイマを設定する。
【0153】
同様に、ステップ1140において、主制御部310は、普通図柄変動に係る小当り乱数が、処理対象としてRAM424に格納されているが検査し、普通図柄表示装置作動ゲート(左)105又は、普通図柄表示装置作動ゲート(右)106の球の通過に伴う普通図柄変動開始と判断した場合、処理をステップ1142へ進める。
【0154】
ステップ1142において、主制御部310は、RAM424に記憶されている普通図柄変動に係る小当り乱数に基づいて、開始する普通図柄変動の小当りの判定を行う。小当り乱数が小当りの値と一致しないと判定された場合にはRAM424上の小当りフラグをOFFにし、小当りの値と一致すると判定された場合には小当りフラグをONにする。
【0155】
ここで、確変フラグON、又は時短中フラグがONの場合は、小当りの判定を行う小当りの値の個数を増やし、小当り確率を上げる。
【0156】
ステップ1144において、主制御部310は、小当り判定結果から、普通図柄表示装置107に停止表示される普通図柄を決定する。例えば、小当り判定は“小当りフラグON”、小当り判定結果から一意に決められる普通図柄の停止図柄データが「7」Hであるとする。そして、主制御部310は普通図柄の停止図柄データをRAM424上の所定エリアに記憶する。
【0157】
ステップ1146において、主制御部308は、普通図柄変動を指示する普通図柄変動指示データをRAM424上の所定エリアに記憶する。
【0158】
上記普通図柄変動に要する情報の記憶が済むと、ステップ1148において、主制御部310は普通図柄変動を監視するための普通図柄変動タイマを所定の値に設定する。
【0159】
図7に戻って説明すると、主制御部310は、RAM424上の所定エリアに記憶された特別図柄変動に要する情報に基づいて、特別遊技管理処理(ステップ716)を実行して特別図柄の変動を開始する(図11のステップ1118)。同様に、主制御部310は、RAM424上の所定エリアに記憶された普通図柄変動に要する情報に基づいて、普通遊技管理処理(ステップ718)を実行して普通図柄の変動を開始する(図11のステップ1146)。尚、その後に(例えば、4msec以上後に)、コマンド出力管理処理(ステップ714)を実行し変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド等を副制御部340へ送信する。引き続いて、変動パターンコマンド、演出図柄指定コマンド等を受けた副制御部340は、変動パターンコマンド、液晶表示用コマンド等を表示制御部370に送信する。
【0160】
割り込み処理により図7の処理から再び図11の処理が呼び出され、ステップ1110及びステップ1122において、主制御部310は、大当たり中フラグOFFで図柄変動タイマが0でない、即ち、大当たり中でなく特別図柄変動中であると判断した場合には、ステップ1124に移行する。ステップ1124においては、主制御部310は、特別図柄変動タイマを割り込み周期T(例えば4msec)分だけ減算する。ステップ1110及びステップ1122において、大当たり中、特別図柄変動開始、特別図柄変動中のいずれでもない場合、主制御部310は処理をステップ1130に進める。
【0161】
ステップ1126において特別図柄変動タイマが0であるかが判定され、特別図柄変動タイマが0である場合には、ステップ1128において、ステップ1114でRAM424上の所定エリアに記憶された停止図柄で特別図柄を停止する。
【0162】
主制御部310は、図柄変動タイマが0、即ち、図柄変動中でない場合、特賞フラグを検査し(ステップ1130)、特賞フラグONの場合、ステップ1132において、主制御部310は、大当たり中フラグをONにして、大当たり開始コマンド(コマンドID値は「90」H)の情報をRAM424上の所定エリアに記憶する。本コマンドは、図7のコマンド出力管理処理(ステップ714)の中で副制御部340を介して表示制御部370に送信される。尚、本コマンドは、演出図柄表示装置103に大当たり開始画面を表示するためのコマンドである。
【0163】
さらにステップ1132において、主制御部310は、RAM424上のラウンドカウンタ(大当たり動作中のラウンド数を計数するカウンタ)、開放タイマ(1ラウンド中の大入賞口の開放時間を計測するタイマ)を所定の値に設定し、インターバルタイマ(ラウンド間の大入賞口の閉鎖時間を計測するタイマ)を所定の値(数秒)に設定し、大入賞口カウンタ(1ラウンド中に大入賞口に入賞した遊技球数を計数するカウンタ)を0にする。詳細には、ラウンドカウンタを15ラウンド、開放タイマを30秒に設定して、処理をステップ1140に進める。
【0164】
尚、特定領域スイッチ416が実装されている場合は、Vフラグ(遊技球が特定領域を通過した際にONとなるフラグ)をOFFにする。
【0165】
ステップ1126において図柄変動タイマが0でないと判定されると、主制御部310は、処理をステップ1140に進める。また主制御部310は、特賞フラグを検査し(ステップ1130)、特賞フラグOFFの場合、処理をステップ1140へ進める。
【0166】
主制御部310は、普通図柄変動タイマが0でない、即ち、普通図柄変動中と判断した場合(ステップ1140→ステップ1150)、普通図柄変動タイマを割り込み周期T(例えば4mec)分だけ減算する(ステップ1152)。
【0167】
また、普通図柄変動タイマが0になると、主制御部310は、普通図柄変動停止を指示する普通図柄停止指示データをRAM424上の所定エリアに記憶する(ステップ1154→ステップ1156)。
【0168】
主制御部310は、普通図柄変動タイマが0、即ち普通図柄変動中でない場合、小当たりフラグを検査し(ステップ1158)、小当たりフラグONの場合、主制御部310は、普通電動役物108を所定時間だけ開放することを、普通電動役物作動ソレノイド448に指示する小当たり処理指示データをRAM424上の所定エリアに記憶する(ステップ1160)。確変フラグがONの場合は、普通電動役物108の開状態時間を通常時間より長く設定する。これにより確変中には第2の始動入賞口104に球が入りやすくなる。
【0169】
以上が特別遊技管理処理(ステップ716)と普通遊技管理処理(ステップ718)を合わせた一連の処理内容である。
【0170】
以上説明したように、本実施形態によれば、大当たりの場合には主制御部が当たり図柄を決定するが、外れの場合には、主制御部が外れ図柄を決定するのではなく、外れ図柄で停止させることを指示するコマンドを副制御部経由で主制御部から受信した表示制御部が外れ図柄を独自に決定する。
【0171】
本実施形態は例示であって制限的なものではない。したがって、本実施形態の他にも変形は可能である。その変形が特許請求の範囲によって示される技術的思想の範囲内である限り、その変形は本発明の技術的範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0172】
【図1】本発明を用いた遊技機の正面概観の一例を示す図である。
【図2】本発明を用いた遊技システムの一例を示すブロック図である。
【図3】本発明の遊技機の制御部の一実施形態を示すブロック図である。
【図4】本発明の遊技機の主制御部の一実施形態を示すブロック図である。
【図5】本発明の遊技機の副制御部の一実施形態を示すブロック図である。
【図6】本発明の遊技機の表示制御部の一実施形態を示すブロック図である。
【図7】本発明の遊技機の主制御部の遊技制御を示すフローチャートである。
【図8】本発明の遊技機におけるコマンドの例を示す図である。
【図9】本発明の遊技機における特別図柄と演出図柄の変動停止の時間的関係を示す図である。
【図10】本発明の遊技機における図柄乱数と特別図柄と演出図柄との関係を示す図である。
【図11】特別遊技管理処理と普通遊技管理処理の概略を示すフローチャートである。
【図12】副制御部が生成する予告指定コマンドの内容(コマンドID値とEVENT値)と、表示内容(予告内容)との関係を示す図である。
【図13】表示制御部370による外れ図柄の決定処理の概略を示すフローチャートである。
【図14】表示制御部370による外れ図柄の決定処理の概略を示すフローチャートである。
【図15】変動パターンコマンドの例を示す図である。
【図16】変動パターンコマンドテーブルの例を示す図である。
【図17】中図柄(±1)テーブルの例を示す図である。
【図18】従来の遊技機の正面概観の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0173】
100 遊技機
101 遊技盤
102 特別図柄表示装置
103 演出図柄表示装置
104 第1の始動入賞口
105 普通図柄表示装置作動ゲート(左)
106 普通図柄表示装置作動ゲート(右)
107 普通図柄表示装置
108 普通電動役物(チューリップ)(第2の始動入賞口)
109 上大入賞口を備える第1の可変入賞球装置
110 下大入賞口を備える第2の可変入賞球装置
111 遊技機ハンドル
112 特別図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)
113 普通図柄作動記憶表示灯(保留ランプ)
120 演出切替スイッチ
201 情報表示装置
202 ホールコンピュータ
203 アウト球検出装置
310 主制御部
340 副制御部
370 表示制御部
422 CPU
420 ROM
424 RAM
428 上及び下大入賞口ソレノイド出力ポート
430 普通電動役物ソレノイド出力ポート
432 特別図柄表示用出力ポート
434 普通図柄表示用出力ポート
440 副制御用コマンド出力ポート(演出図柄指定コマンド、変動パターンコマンド等を送出)
442 払出制御用コマンド出力ポート
436 特別図柄作動記憶表示灯用ポート
438 普通図柄作動記憶表示灯用ポート
444 外部情報出力ポート
426 入力ポート
410 特別図柄始動スイッチ
412 普通図柄作動スイッチ
414 大入賞口スイッチ
416 特定領域スイッチ
119 特別図柄変動時間短縮スイッチ
418 その他のスイッチ
450 払出制御部
452 賞球払出装置
446 上及び下大入賞口ソレノイド
448 普通電動役物ソレノイド
514 CPU
512 RAM
510 ROM
516 各種入力ポート
518 各種出力ポート
520 ランプ表示装置
522 効果音発生装置
524 演出用可動物
618 入力ポート
620 CPU
610 プログラムROM
612 RAM
622 画像処理用LSI(VDP)
616 キャラクタROM
614 ビデオRAM
624 出力ポート
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤に設けられた始動入賞口への玉の始動入賞を契機として当り/外れの抽選を行い、抽選結果が当りの場合に遊技者に所定の遊技価値を付与する遊技機において、
前記抽選結果を、特別図柄の変動表示により報知する特別図柄表示装置と、
前記報知に伴う演出を、演出図柄の変動表示により行う演出図柄表示装置と、
遊技機全体を制御する主制御部であって、該主制御部のCPUから前記特別図柄表示装置に対して前記特別図柄の変動表示に係わる制御信号を他の制御部のCPUを介することなく送信することにより前記特別図柄の変動表示を制御する、主制御部と、
前記主制御部からの指令に従い、所定の制御を行う副制御部と、
前記副制御部からの指令に従い、前記演出図柄表示装置に対して、前記演出図柄の変動表示を制御する表示制御部と、
を備え、
前記主制御部は、
前記演出図柄の変動態様を指定する第1の指令、及び、
前記変動表示が停止した際の演出図柄の表示態様を指定する第2の指令であって、前記抽選結果が当りの場合には特定の組み合わせで前記演出図柄を停止表示させることを、前記抽選結果が外れの場合には外れを示す任意の組み合わせで前記演出図柄を停止表示させることを指定する、第2の指令
を前記副制御部に送信し、
前記副制御部は、
前記所定の制御として受信した前記第2の指令が、特定の組み合わせで前記演出図柄を停止表示させることを指定する場合は、当該特定の組み合わせで前記演出図柄を停止表示させることを指定する第3の指令を生成し、任意の外れの組み合わせで前記演出図柄を停止表示させることを指定する場合は、前記演出図柄を任意の外れの組み合わせで停止表示させることを指定する第3の指令を生成して、該生成した第3の指令を前記表示制御部に送信し、
前記抽選における当り及び/又は前記演出におけるリーチ変動の発生を予告する表示を指定する第4の指令を生成して、該生成した第4の指令を前記表示制御部に送信し、
前記表示制御部は、
受信した前記第3の指令が特定の組み合わせで前記演出図柄を停止表示させることを指定する場合は、該特定の組み合わせで前記演出図柄が停止するように前記変動表示を制御し、
受信した前記第3の指令が任意の外れの組み合わせで前記演出図柄を停止表示させることを指定する場合は、外れを示す組み合わせを決定し、該決定された組み合わせで前記演出図柄が停止するように前記変動表示を制御し、
受信した前記第4の指令に基づいて前記予告の表示を制御する、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記副制御部が生成する前記第4の指令には、複数の変動態様に共通する指令と特定の変動態様に対応する指令とがあり、これらは前記第1の指令に応じて重複することがあることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第2の指令における前記抽選結果が当りの場合の前記特定の組み合わせは、非確率変動当り又は確率変動当りを示す組み合せであることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2012-01-27 
出願番号 特願2004-381558(P2004-381558)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 瀬津 太朗  
特許庁審判長 立川 功
特許庁審判官 吉村 尚
澤田 真治
登録日 2011-06-24 
登録番号 特許第4768987号(P4768987)
発明の名称 遊技機  
復代理人 堀田 誠  
代理人 堀田 誠  
代理人 特許業務法人 谷・阿部特許事務所  
代理人 特許業務法人谷・阿部特許事務所  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ