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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1251967
審判番号 不服2010-21919  
総通号数 148 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-09-29 
確定日 2012-02-09 
事件の表示 特願2000-272245「情報処理装置及び表示制御方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 3月22日出願公開、特開2002- 82745〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成12年9月7日の出願であって、平成21年1月28日付けで拒絶理由が通知され、平成21年4月8日付けで手続補正がなされ、平成22年4月16日付けで拒絶理由(最後)が通知され、平成22年6月7日付けで手続補正がなされ、平成22年6月21日付けで平成22年6月7日付け手続補正が却下され、同日付で拒絶査定がなされ、これに対して平成22年9月29日に拒絶査定を不服として審判が請求されるとともに、同時に手続補正がなされたものである。

2.平成22年9月29日付け手続補正について
[補正却下の決定の結論]
平成22年9月29日付け手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
本件補正は、補正前の特許請求の範囲の、請求項1、請求項1をそれぞれ引用する請求項2?請求項8、請求項9、請求項9をそれぞれ引用する請求項10?請求項16を、補正後の請求項1、請求項1をそれぞれ引用する請求項2?請求項4、請求項5、請求項5を引用する請求項6?8に補正するものである。新旧の請求項の対応関係から、補正前の請求項1を引用する請求項2と、補正後の請求項1との関係について以下に検討する。

本件補正前の請求項1を引用する請求項2、本件補正後の請求項1はそれぞれ以下のとおりである。
補正前の請求項1を引用する請求項2
「【請求項1】 画像データ及び付加情報が夫々のコンテンツに対応付けられ、第1の表示領域及び第2の表示領域を有する表示部に情報を表示させる情報処理装置において、
前記第1の表示領域に、前記コンテンツに対応付けられた画像データをスクロール可能に所定の順序で並べて表示させ、前記第2の表示領域に、前記並べて表示された画像データの中からユーザの操作により選択された画像データに対応するコンテンツの付加情報を表示させる表示制御手段
を備え、
前記付加情報は、アーティスト名、アルバム名、タイトル、演奏時間、及びデータ容量の内の少なくとも1つである
情報処理装置。
【請求項2】 前記表示制御手段は、ユーザの所定の操作により前記並べて表示された画像データを拡大または縮小表示させ、拡大または縮小表示された前後において、選択可能な画像データの数を異ならせて表示する
請求項1記載の情報処理装置。」

補正後の請求項1
「【請求項1】 アルバムジャケット画像データ及び付加情報が夫々のコンテンツに対応付けられ、第1の表示領域、第2の表示領域及び第3の表示領域を有する表示部に情報を表示させる情報処理装置において、
前記第1の表示領域に、前記コンテンツに対応付けられたアルバムジャケット画像データをスクロール可能に所定の順序で並べて表示させ、前記第2の表示領域に、前記並べて表示されたアルバムジャケット画像データの中からユーザの操作により選択されたアルバムジャケット画像データに対応するコンテンツの付加情報を表示させ、前記第3の表示領域に、再生制御に関する複数のアイコンを表示させる表示手段と、
ユーザの所定の操作により前記並べて表示されたアルバムジャケット画像データを拡大または縮小表示させ、拡大または縮小表示された前後において、選択可能なアルバムジャケット画像データの数を異ならせて表示する表示制御手段と、
前記付加情報は、アーティスト名、アルバム名、タイトル、演奏時間、及びデータ容量の内の少なくとも1つであり、
前記並べて表示されたアルバムジャケット画像データに対して、選択する操作とは異なる第2の操作を行なうことで操作された画像データに対応するコンテンツがプレイリストに追加される
情報処理装置。」

この補正は、以下の補正を含むものである。
(イ)補正前には記載がない「表示手段」を追加して「表示制御手段」に関する記載を「表示手段」に関する記載に変更し、「表示制御手段」について、新たに、「ユーザの所定の操作により前記並べて表示されたアルバムジャケット画像データを拡大または縮小表示させ、拡大または縮小表示された前後において、選択可能なアルバムジャケット画像データの数を異ならせて表示する表示制御手段」と限定する補正。
(ロ)補正前には記載がない「プレイリスト」に関して、「前記並べて表示されたアルバムジャケット画像データに対して、選択する操作とは異なる第2の操作を行なうことで操作された画像データに対応するコンテンツがプレイリストに追加される」との事項を追加する補正。

(1)補正の目的について
(イ)の補正は、補正前には記載がない「表示手段」を追加し、「表示制御手段」に関する記載を「表示手段」に関する記載に変更し、「表示制御手段」に関する記載を新たに追加するものであって、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものではなく、特許請求の範囲を減縮するものではない。
(ロ)の補正は、補正前には記載のない、プレイリストに関して「前記並べて表示されたアルバムジャケット画像データに対して、選択する操作とは異なる第2の操作を行なうことで操作された画像データに対応するコンテンツがプレイリストに追加される」との事項を追加するものであって、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものではなく、特許請求の範囲を減縮するものではない。

そして、上記(イ)(ロ)の補正は、誤記の訂正あるいは、明りょうでない記載の釈明にも当たらない。

(2)新規事項の有無について
上記(ロ)の補正により請求項1に追加された「前記並べて表示されたアルバムジャケット画像データに対して、選択する操作とは異なる第2の操作を行なうことで操作された画像データに対応するコンテンツがプレイリストに追加される」ついて、新規事項の有無について以下に検討する。

請求項1に記載された「アルバムジャケット画像データ」は、段落【0042】、【0043】に記載されているように、アルバム一覧グループ102内のパネル102a、102b等に貼り付けられている「アルバムのCDジャケットの画像」に対応する。(なお、コンテンツ一覧グループ103内のパネル103a等には、その上位階層のアルバムのCDジャケットの画像を短冊状に分割したものを貼り付けており、当該画像は、「アルバムジャケット画像データ」ということはできない。仮に、当該画像が「アルバムジャケット画像データ」であるとしても、上記アルバム一覧グループ102内のパネル102a、102b等に貼り付けられている「アルバムのCDジャケットの画像」も請求項1に記載された「アルバムジャケット画像データ」に含まれることは当然のことである。)

そして、本願の願書に最初に添付された明細書及び図面(以下、「当初明細書等」という。)には、コンテンツのプレイリストへ追加する操作等に関して、段落【0039】、【0042】?【0044】、【0047】に、以下の記載がある。
「【0039】
また、図3の左下部のボタン領域110には、再生ボタン111等のモード選択ボタンや、後述するプレイリスト自動作成用のボタン112、作成したプレイリストを保存するボタン113等が設けられている。さらに、図3の右下部の表示領域120内には、後述するように、マウスカーソルでポインティングされたパネルに関連する情報としてのアーティスト名121やアルバム名122等が表示されている。」
「【0042】図5は、アルバム一覧グループ102内のパネル102aにマウスカーソルが位置した状態を示し、このパネル102aの周囲に枠が表示されると共に、このポインティングされたパネル102aに関連する情報としてのアーティスト名121及びアルバム名122が表示領域120内に表示される。ここで、アルバム一覧グループ102内のパネル102a、102b等には、対応するアルバムのCDジャケットの画像等を貼り付けておくことが挙げられるが、これに限定されず、例えばユーザの好みの画像を貼り付けてもよい。なお、画像には、絵や写真のみならず、レタリング文字や記号等も含むことは勿論である。
【0043】図6は、コンテンツ一覧グループ103内のパネル103a上にマウスカーソルが位置した場合を示し、表示領域120内には、このポインティングされたパネル103aに対応するコンテンツ、この場合はアルバム内の1曲についての情報として、アーティスト名121、アルバム名122、コンテンツ名(曲名)123、及び演奏時間/データ容量124が表示される。なお、この具体例では、コンテンツ一覧グループ103内のパネル103a等には、その上位階層のアルバムのCDジャケットの画像を短冊状に分割したものを貼り付けているが、ユーザが任意に画像を貼り付けてもよい。
【0044】
ここで、アーティスト一覧グループ101やアルバム一覧グループ102の各パネルを、マウスや上記図1のタッチパッド6にてダブルクリックすると、その中身としての下位側の階層のグループが表示され、コンテンツ一覧グループ103のパネルをダブルクリックすると、後述するようにそのパネルのコンテンツがプレイリストに追加される。」
「 【0047】
また、図9は、コンテンツ一覧グループ103内のパネル103aをダブルクリックすることにより、この選択されたパネル103aのコンテンツ(曲)が、図中右側のプレイリスト105に追加される状態を示している。このプレイリスト105を構成するコンテンツ(曲)のパネル105a、105b等も、多角柱の側面を形成するような表示がなされる。作成されたプレイリストは、ボタン領域110内のボタン113をクリックすることで保存することができる。」

これら,当初明細書等の記載によれば、プレイリストにコンテンツを追加する操作は、コンテンツ一覧グループ103のパネルをダブルクリックすることによりなされるが、当初明細書等には、上記(ロ)により追加された、アルバム一覧グループ102内のパネル102a、102b等に貼り付けられている「アルバムジャケット画像データ」に関して、「前記並べて表示されたアルバムジャケット画像データに対して、選択する操作とは異なる第2の操作を行なうことで操作された画像データに対応するコンテンツがプレイリストに追加される」ことについては記載がない。
したがって、上記(ロ)の補正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであるから、特許法第17条の2第3項の規定に違反している。

(3)むすび
したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
また、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.本願発明について
平成22年9月29日付け手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成21年4月8日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「画像データ及び付加情報が夫々のコンテンツに対応付けられ、第1の表示領域及び第2の表示領域を有する表示部に情報を表示させる情報処理装置において、
前記第1の表示領域に、前記コンテンツに対応付けられた画像データをスクロール可能に所定の順序で並べて表示させ、前記第2の表示領域に、前記並べて表示された画像データの中からユーザの操作により選択された画像データに対応するコンテンツの付加情報を表示させる表示制御手段
を備え、
前記付加情報は、アーティスト名、アルバム名、タイトル、演奏時間、及びデータ容量の内の少なくとも1つである
情報処理装置。」

(1)引用刊行物
原査定の拒絶の理由(平成22年4月16日付け拒絶理由)に引用された、本願の出願日前に頒布された刊行物「特開平8-305340号公報」(以下「引用刊行物1」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
「【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、表示装置(テレビ111)上の表示画面に文字を修飾するための文字修飾図形(せりふ枠、ふきだし)を表示させる機能を有する画像処理装置を前提とする。」(第2頁)

「【0014】
【実施例】以下、図面を参照しながら、本発明の実施例につき詳細に説明する。
<実施例の回路の全体構成>図1は、本発明の実施例の回路の全体構成図であり、ゲーム機の外観を有する低年齢層向けの似顔絵作成装置として実施され、テレビ111を除いて同一の筐体内に構成される。」(第2頁)

「【0062】この結果、モード2の選択領域が強調表示されると共に、図59(M-b) に示される説明ふきだしが表示される。ユーザがコントロールパッド112上のENTERスイッチ202をONするまではステップ1402?1407の処理が繰り返される。ユーザがENTERスイッチ202をONすると、ステップ1407の判定がYESとなって、図13のステップ1302のモード選択処理を終了する。
ファイル
ファイルロード処理のフロー
図16?図19は、図13のステップ1304として実行されるファイルロード処理を示す動作フローチャートである。この処理によって表示されるファイル操作画面上で、ユーザは、バッテリバックアップされているワークRAM108から、予めプリセットされている、或いは、ユーザ自身が作成し保存してあった似顔絵の画像データファイルを、SRAM103又はDP-RAM104にロードすることができる。
【0063】ファイル操作画面としては、図49に示されるように、現在選択されているファイルの番号及び名前を表示する現在ファイル番号表示部及びファイル名表示部と、ファイルの種類を絵として表示するファイルアイコン1?6と、説明ふきだしと人形の絵からなるヘルパーとが、テレビ111に表示される。
【0064】ファイル操作画面では、ユーザは、コントロールパッド112上の上スイッチ203又は下スイッチ204をONすることにより、これからロードすべきファイルのグループとして、ファイルアイコン1?3のグループとファイルアイコン4?6のグループとの間を移動することができる。また、ユーザは、コントロールパッド112上の左スイッチ205又は右スイッチ206をONすることにより、これからロードすべきファイルとして、現在選択されているグループ内のファイルアイコンの何れかを選択することができる。これによって、選択されたファイルアイコンが強調表示されると共に、現在ファイル番号表示部とファイル名表示部の表示内容がそのファイルアイコンに対応する内容に変化する。そして、この状態でユーザがコントロールパッド112上のENTERスイッチ202をONすることによって、上記ファイルアイコンに対応するファイルのデータがSRAM103又はDP-RAM104にロードされる。ユーザは、このデータをもとにして、後述する図13のステップ1306の顔作成処理によって、似顔絵を編集することができる。」(第6?7頁)

「【0121】ステップ3802では、選択アイコンの選択位置を示すレジスタNの値と、選択アイコンの表示階層を示すレジスタKの値が、共に0にリセットされる。ステップ3803では、CPU101は、プログラム/データROM107上の図6に示されるアイコン画像データのうち図8に示される00番?60番の7種類のアイコンに対応する各アイコン選択番号00?60を、ワークRAM108上の図9に示されるアドレスエリア{AD2}?{AD2+6}にストアする。」(第14頁)

図49(ファイル操作画面のレイアウト図)には、ファイルアイコン1-6が2行3列に順に表示され、当該6個のファイルアイコンの上部の離間した位置に、現在ファイル番号表示部と、ファイル名表示部が表示されている。

これら引用刊行物1の記載から、引用刊行物1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「表示装置に接続される画像処理装置であって、表示装置に画像データファイルの種類を絵として表示する6個のファイルアイコン1?6を順に配置し、当該6個のファイルアイコンの内、ユーザが選択したファイルアイコンに対応するファイル名を、上記6個のファイルアイコンとは離間した位置のファイル名表示部に表示する、画像処理装置。」

(2)対比・判断
本願発明と引用発明を対比すると、
引用発明の「画像処理装置」及び「画像データファイル」は、それぞれ、本願発明の「情報処理装置」及び「コンテンツ」に相当する。
引用発明の「表示装置」は、本願発明の「表示部」と「表示手段」である点で共通している。
引用発明の情報処理装置(画像処理装置)は表示手段(表示装置)に表示を行っているから、引用発明の情報処理装置が表示手段に表示を行うために、本願発明の「表示制御手段」に相当する手段を有していることは当然のことである。
引用発明の、コンテンツ(画像データファイル)の種類を絵として表示する「ファイルアイコン」は、本願発明のコンテンツに対応付けられる「画像データ」とコンテンツに対応付けられる「データ」である点で一致している。
引用発明の「ファイル名」は、コンテンツに関連する情報であるから、本願発明のコンテンツに対応付けられた「付加情報」に相当する。
引用発明の6個のファイルアイコンが表示される部分は、本願発明の「第1の表示領域」に対応し、引用発明の「ファイル名表示部」は、本願発明の「第2の表示領域」に対応する。

したがって、両者は
「データ及び付加情報が夫々のコンテンツに対応付けられ、第1の表示領域及び第2の表示領域を有する表示手段に情報を表示させる情報処理装置において、
前記第1の表示領域に、前記コンテンツに対応付けられたデータを所定の順序で並べて表示させ、前記第2の表示領域に、前記並べて表示されたデータの中からユーザの操作により選択されたデータに対応するコンテンツの付加情報を表示させる表示制御手段を備える、情報処理装置。」の点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1
本願発明の表示手段は、情報処理装置の表示部であるのに対して、引用発明の表示手段は、情報処理装置の表示部ではない点。

相違点2
本願発明のコンテンツに対応付けられるデータは画像データであるのに対して、引用発明のコンテンツに対応付けられるデータは、ファイルの種類を絵として表示するアイコンである点。

相違点3
本願発明は、コンテンツに対応付けられたデータをスクロール可能に所定の順序で並べて表示させているのに対して、引用発明もコンテンツに対応付けられたデータを所定の順序で並べて表示させているが、当該データがスクロール可能かどうか明らかではない点。

相違点4
本願発明は、付加情報は、アーティスト名、アルバム名、タイトル、演奏時間、及びデータ容量の内の少なくとも1つであるのに対して、引用発明の付加情報はファイル名である点。

(3)当審の判断
以下、上記相違点について検討する。

相違点1について
情報処理装置において表示部を設けることは慣用手段であって、引用発明の表示手段を情報処理装置の表示部とすることは、当業者が必要に応じて適宜なし得ることである。

相違点2について
アイコン等のデータを画像データとすることは、引用刊行物1の段落【0121】(「アイコン画像データ」が記載されている。)に記載され、また、特開平10-164450号公報(以下、「周知刊行物1」という。段落【0081】に「ディスクのジャケットのグラフィックを縮小した情報アイコンEY_(disc)が一覧表示される。」と記載されている。)に記載されているように周知であって、格別のことではない。

相違点3について
画像データ(アイコン等)を並べて表示する場合に、スクロール可能に表示することは、上記周知刊行物1(段落【0078】に多数のアイコンを上下、左右方向にスクロールすることが記載されている。)、特開平9-97153号公報(段落【0027】?【0038】、図6、図8等には、コンテンツに対応するアイコンをスクロール可能に並べて設けることが記載されている。)、に記載されているように周知であって格別のことではなく、引用発明のコンテンツに対応付けられた所定の順序で並べて表示させたデータをスクロール可能にすることは当業者が必要に応じて適宜なし得ることである。

相違点4について
一般的に、ファイルに関係する情報(本願発明の「付加情報」に相当する。)として、データ容量を表示することは周知である。また、ファイルに関連させて当該ファイルに関係する歌手名、アルバム名、タイトル等の情報を表示することは、国際公開第97/49057号(特表2001-503930号公報参照、原審の補正の却下の決定及び前置報告書に周知技術を示す文献として引用された文献である。第20頁第3?7行には、Album Name subwindow 436, The titles of available songs と記載され、FIG.17のAlbum Name subwindow 436 には、SINGER と記載されている。)、特開平3-134883号公報(第2頁左下欄第1?12行、第5頁左上欄第5?10行には、CDアルバムの歌手名、アルバム名、曲名を表示することが記載されている。)に記載されているように周知であり、CD等の音楽ファイルの場合に、演奏時間がファイルに関係付けられることは当然のことである。
したがって、引用発明のファイルの関連情報として、ファイル名に代えて、アーティスト名、アルバム名、タイトル、演奏時間、及びデータ容量の内の少なくとも1つとすることは当業者が容易に想到し得ることである。

そして、本願発明のように構成したことによる効果も引用発明及び周知技術から予測できる程度のものである。

(4)むすび
以上のとおり、本願発明(請求項1に係る発明)は、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、本願はその余の請求項について論及するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-12-02 
結審通知日 2011-12-06 
審決日 2011-12-22 
出願番号 特願2000-272245(P2000-272245)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G06F)
P 1 8・ 561- Z (G06F)
P 1 8・ 572- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山崎 慎一森田 充功  
特許庁審判長 大野 克人
特許庁審判官 稲葉 和生
安島 智也
発明の名称 情報処理装置及び表示制御方法  
代理人 小池 晃  
代理人 祐成 篤哉  
代理人 野口 信博  
代理人 藤井 稔也  
代理人 伊賀 誠司  

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