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審決分類 |
審判 査定不服 (訂正、訂正請求) 取り消して特許、登録 A61K |
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管理番号 | 1252128 |
審判番号 | 不服2007-34786 |
総通号数 | 148 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-04-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-12-26 |
確定日 | 2012-02-28 |
事件の表示 | 特許権存続期間延長登録願2006-700075「速崩壊性固形製剤」拒絶査定不服審判事件〔請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願については、特許権の存続期間の延長登録をすべきものとする。 特許番号 特許第3404648号 延長の期間03年03月07日 特許法第67条第2項の政令で定める処分の内容 願書に記載のとおり |
理由 |
1.本件出願 本件特許権存続期間延長登録出願は、平成18年9月4日の出願であって、特許第3404648号の特許発明の実施について特許法第67条第2項の政令で定める処分を受けることが必要であったとして、3年3月7日の特許権存続期間の延長を求めるものであり、当該政令で定める処分の内容は、願書に記載のとおりに記載されたとおりのものである。 2.原査定の理由 原査定の理由の概要は、以下の理由から特許発明の実施をすることができなかった期間がいつから始まるのかが不明であるため、本願において延長を求める期間が特許発明の実施をすることができなかった期間を超えていないとはいえないから、特許法第67条の3第1項第3号の規定に該当するというものである。 (1) 「タケプロンOD錠15」が、本件特許発明の技術的範囲に属するか否か不明である。 (2) 治験に用いられた薬剤は、「1カプセル中ランソプラゾール(lansoprazol)として15mg又は30mgを含有する」カプセル剤であって、「タケプロンOD錠15」ではない。 (3) 「対象疾患」の欄に記載された「症候性胃食道逆流症」と今回の承認で追加された効能効果である「非びらん性胃食道逆流症」とが一致していない。 3.当審の判断 本件延長の理由となる処分は、薬事法第14条第7項に規定する医薬品の製造の承認事項の一部変更に係る同項の承認(以下、「本件承認」という。)であって、処分の対象となった物は、販売名「タケプロンOD錠15」である。 最初に、「タケプロンOD錠15」が、特許第3404648号(以下、「本件特許」という。)の技術的範囲に含まれるか、検討する。 本件特許の請求項1に記載された事項は次のとおりである。 「ランソプラゾールを含有し、核と被覆層を有する細粒を含有し、細粒以外の部分に砂糖、澱粉糖、乳糖、蜂蜜及び糖アルコールから選ばれる1種以上の糖類およびヒドロキシプロポキシル基含量が5重量%以上7重量%未満の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有してなる口腔内速崩壊性錠剤。」 一方、請求人が提出した平成19年2月2日付け意見書に添付された参考資料C及びDから、「タケプロンOD錠15」は、ランソプラゾールを含有し、核と被覆層を有する細粒を含有し、細粒以外の部分にマンニトール(糖アルコールに該当する)及びヒドロキシプロポキシル基含量が5.8重量%の低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含有する口腔内速崩壊性錠剤であると認めることができる。 したがって、「タケプロンOD錠15」は本件特許の技術的範囲に属する。 次に、本件承認を受けるための治験について検討する。 平成20年2月21日付けで提出された「審査報告書」(参考資料W)の記載事項等からみて、治験計画書における「症候性胃食道逆流症」は、事実上「非びらん性胃食道逆流症」と同じ疾患であるということができる。 また、本件承認は、既に承認を受けている「タケプロンOD錠15」について、効能又は効果として「非びらん性胃食道逆流症」を追加するものであって、臨床試験において「タケプロンOD錠15」と生物学的同等性が確認されている「タケプロンカプセル15」を使用したものである。 そうすると、本願において延長を求める期間は本件特許発明の実施をすることができなかった期間を超えているということはできないから、本件特許権存続期間延長登録出願は、特許法第67条の3第1項第3号の規定に該当しない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2012-02-13 |
出願番号 | 特願2006-700075(P2006-700075) |
審決分類 |
P
1
8・
71-
WY
(A61K)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 井上 明子、齋藤 恵 |
特許庁審判長 |
横尾 俊一 |
特許庁審判官 |
新留 豊 穴吹 智子 |
発明の名称 | 速崩壊性固形製剤 |
代理人 | 片山 英二 |
代理人 | 小林 純子 |
代理人 | 小林 浩 |