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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F16C
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F16C
管理番号 1252156
審判番号 不服2011-3873  
総通号数 148 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-02-22 
確定日 2012-02-09 
事件の表示 特願2007- 17798「電食防止型転がり軸受」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 4月26日出願公開、特開2007-107725〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
【1】手続の経緯

本願は、平成12年8月4日に出願した特願2000-236791号(以下、「原出願」という。)の一部を平成19年1月29日に新たな特許出願としたものであって、平成22年11月8日(起案日)付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成23年2月22日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに手続補正がなされたものである。

【2】平成23年2月22日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成23年2月22日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正後の本願発明

平成23年2月22日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1は、
「【請求項1】
軌道輪のハウジングまたは軸に取付けられる面に、それぞれ溶射層からなるセラミックスの絶縁層と、この絶縁層と前記面との間に介在する金属層との2層構造の被覆層を設け、前記セラミックスの絶縁層の厚さを0.15mm?0.45mmとし、前記絶縁層および金属層は封孔処理を施し、前記金属層は溶射後の硬さをHv450以下とし、前記セラミックスの絶縁層の前記軌道輪に対する密着力を、44.8MPa以上とした電食防止型転がり軸受。」
と補正された。(なお、下線は補正箇所を示す。)

上記補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「セラミックスの絶縁層」と「金属層」とについて、「それぞれ溶射層からなる」、「前記絶縁層および金属層は封孔処理を施し」及び「前記金属層は溶射後の硬さをHv450以下とし」との限定を付加するものであって、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号に規定された特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の上記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2.引用刊行物とその記載事項

原査定の拒絶の理由に引用された、原出願の出願前に日本国内において頒布された刊行物は、次のとおりである。

刊行物1:実願昭59-82976号(実開昭61-2454号)
のマイクロフィルム
刊行物2:実願昭63-124258号(実開平2-46119号)
のマイクロフィルム

(1)刊行物1(実願昭59-82976号(実開昭61-2454号)のマイクロフィルム)の記載事項

刊行物1には、「電食防止形転がり軸受」に関し、図面(特に、第1図)とともに次の事項が記載されている。

(ア) 「(技術分野)
この考案は、主として車両主電動機用軸受として有効な電食防止形転がり軸受に関し、詳しくは、玉軸受、ころ軸受などの転がり軸受の外輪とハウジングとの間または/および内輪と軸との間の互の接触面間に流れる電流を絶縁し、電流の通過による局部的溶融(電食)を防止するようにしたものである。」(明細書第1ページ第12?19行)

(イ) 「(実施例)
次にこの考案を第1図および第2図に示す二つの実施例について説明すると、1は転がり軸受(第1図は玉軸受、第2図はころ軸受)、2は外輪、3は内輪、4はセラミック被膜(層)、5は前記セラミック被膜の気孔に合成樹脂の充てんされた封孔層である。
はじめに、第1図に示す玉軸受において、外輪2は、あらかじめその外表面に、後述するセラミックの結合性を高めるための下地として、ニッケル50、クロム50による下地溶射層(図示せず)を有し、その表面、すなわち、軸受を装置に取付けた際に、ハウジングと接する外周面および端面にセラミック(主成分酸化アルミ)の溶射によって形成されたセラミック被膜4を有し、かつ、前記被膜4は該被膜4のもつ気孔をうめるために、真空含侵法、焼結法、塗布法などによる封孔処理によって、フエノール系、エポキシ系の合成樹脂が気孔に封入され、これ等の封入樹脂によって目つぶしされている。
すなわち、前記外輪2の外表面に形成されている絶縁層としてのセラミック被膜4は、セラミックの溶射後、合成樹脂による封孔処理によって、前記セラミック層の全部の気孔(厚さの全部)が目つぶしされた封孔層5となっている。」(明細書第3ページ第11行?第4ページ第15行)

上記記載事項(ア)(イ)及び図面(特に、第1図)の記載を総合すると、刊行物1には、
「外輪2は、あらかじめその外表面に、セラミックの結合性を高めるための下地として、ニッケル50、クロム50による下地溶射層を有し、その表面、すなわち、軸受を装置に取付けた際に、ハウジングと接する外周面および端面にセラミックの溶射によって形成されたセラミック被膜4を有し、前記外輪2の外表面に形成されている絶縁層としてのセラミック被膜4は、セラミックの溶射後、合成樹脂による封孔処理によって、前記セラミック層の全部の気孔(厚さの全部)が目つぶしされた封孔層5となっている、電食防止形転がり軸受1。」
の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

(2)刊行物2(実願昭63-124258号(実開平2-46119号)のマイクロフィルム)の記載事項

刊行物2には、「電食防止型転がり軸受」に関し、図面とともに次の事項が記載されている。

(ウ) 「〔産業上の利用分野〕
本考案は、例えば鉄道車両のモータ用軸受や車軸用軸受として用いられる電食防止型の転がり軸受に関する。」(明細書第1ページ第12?15行)

(エ) 「〔実施例〕
以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。
転がり軸受1は、内輪2と外輪3との間に、複数のコロ4を転動可能に配設した円筒コロ軸受で、外輪3の外周面から両端面に亙って、金属層5,6との間に絶縁層7を挟装した被覆層8が設けられている。
上記金属層5,6は、それぞれ金属パウダを溶射して、また絶縁層7は、アルミナやグレイアルミナ,ジルコニア等のパウダを溶射してそれぞれ形成される。これら各層5,6,7のコーティング厚さは、例えば本考案の転がり軸受1を鉄道車両のモータ用軸受として使用する場合に、内側の金属層5で0.1?0.15mm,外側の金属層6で0.3?0.4mm(但し研削代0.15?0.2mmを含む),また絶縁層7で0.2?0.3mm程度に設けられる。」(明細書第3ページ第13行?第4ページ第9行)

(オ) 「金属層5,6は、セラミックスの絶縁層7に較べて充分に軟かく、且つ変形能も大きいことから、絶縁層7のアンダコートとなる内側の金属層5では、溶射される絶縁層7が付着し易くなり、またオーバーコートとなる外側の金属層6は、外周の研削加工が容易に行なえて、所定の寸法精度が出し易くなり、更に圧入による軸受箱への嵌合にも、絶縁層7に剥離を生じない。」(明細書第4ページ第10?17行)

(カ) 「また、溶射によって形成される各層5,6,7には、微小な孔が存在するため、浸透性の良い接着剤を含浸させ、これら各層5,6,7の密着力を増しながら、封孔処理を行なうことも有効である。」(明細書第4ページ第18行?第5ページ第2行)

3.発明の対比

本願補正発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「外輪2」は、本願補正発明の「軌道輪」に相当し、以下同様に、外輪2の「外表面、すなわち、軸受を装置に取付けた際に、ハウジングと接する外周面および端面」は、軌道輪の「ハウジングに取付けられる面」に、「セラミックの結合性を高めるための下地として、ニッケル50、クロム50による下地溶射層」は、その形成位置、形成方法、材質及び機能からみて、「この絶縁層と前記面との間に介在する金属層」に、「セラミックの溶射によって形成されたセラミック被膜4」は、その形成位置、形成方法、材質及び機能からみて、「溶射層からなるセラミックスの絶縁層」に、「前記外輪2の外表面に形成されている絶縁層としてのセラミック被膜4は、セラミックの溶射後、合成樹脂による封孔処理によって、前記セラミック層の全部の気孔(厚さの全部)が目つぶしされた封孔層5」としたことは、「前記絶縁層は封孔処理を施し」たことに、「電食防止形転がり軸受1」は、「電食防止型転がり軸受」に、それぞれ相当する。

よって、本願補正発明と引用発明とは、
[一致点]
「軌道輪のハウジングに取付けられる面に、それぞれ溶射層からなるセラミックスの絶縁層と、この絶縁層と前記面との間に介在する金属層との2層構造の被覆層を設け、前記絶縁層は封孔処理を施した電食防止型転がり軸受。」
である点で一致し、次の点で相違する。

[相違点1]
本願補正発明は、「前記セラミックスの絶縁層の厚さを0.15mm?0.45mmとし」たのに対して、引用発明は、絶縁層としてのセラミック被膜4の厚さが明らかでない点。

[相違点2]
本願補正発明は、絶縁層および「金属層」に封孔処理を施しているのに対して、引用発明は、絶縁層としてのセラミック被膜4には封孔処理を施しているが、ニッケル50、クロム50による下地溶射層にも封孔処理を施しているか否か明らかでない点。

[相違点3]
本願補正発明は、「前記金属層は溶射後の硬さをHv450以下とし、前記セラミックスの絶縁層の前記軌道輪に対する密着力を、44.8MPa以上とした」のに対して、引用発明は、そのような硬さや密着力が明らかでない点。

4.当審の判断

(1)相違点1について

刊行物2の記載事項(エ)及び図面には、金属層5,6との間に絶縁層7を挟装した3層構造の被覆層8を設けたものにおいて、絶縁層7のコーティング厚さを0.2?0.3mm程度とする旨が記載されており、当該絶縁層7のコーティング厚さ「0.2?0.3mm程度」は、上記相違点1に係る本願補正発明のセラミックスの絶縁層の厚さ「0.15mm?0.45mm」に包含される数値である。
そして、引用発明おいて、ニッケル50、クロム50による下地溶射層と絶縁層としてのセラミック被膜4との2層構造の被覆層を設けるに際して、電気絶縁性の確保、加工時間の短縮、材料の節減、放熱性の向上、亀裂の発生の防止を図ることは、当業者が配慮すべき一般的な課題であるから、上記刊行物2に記載の3層構造の被覆層8における絶縁層7のコーティング厚さ「0.2?0.3mm程度」を参酌し、実験的に数値範囲を最適化又は好適化して、上記相違点1に係る本願補正発明のセラミックスの絶縁層の厚さ「0.15mm?0.45mm」とすることは、当業者の通常の創作能力の発揮というべきことであり、また、上記相違点1に係る本願補正発明の数値限定の内と外で量的に顕著な効果の差異があるともいえない。

(2)相違点2について

刊行物2の記載事項(カ)には、金属層5,6との間に絶縁層7を挟装した3層構造の被覆層8を設けたものにおいて、各層5,6,7の封孔処理を行うこと、すなわち、絶縁層7と外輪3の外周面との間に介在する内側の金属層5に封孔処理を行なうことも有効であることが記載されている。
そして、引用発明のニッケル50、クロム50による下地溶射層は、溶射層であるので気孔が存在するものと解されるから、上記刊行物2の絶縁層7と外輪3の外周面との間に介在する内側の金属層5に封孔処理を行なうことが有効であるとの記載に接した当業者であれば、当該下地溶射層の気孔を、刊行物1の記載事項(イ)の真空含侵法、焼結法、塗布法などによる封孔処理によってうめることによって、上記相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは、容易に想到し得たことである。

(3)相違点3について

先ず、上記相違点3のうちの「前記金属層は溶射後の硬さをHv450以下とした」ことについて検討すると、刊行物2の記載事項(オ)には、「金属層5,6は、セラミックスの絶縁層7に較べて充分に軟かく、且つ変形能も大きいことから、絶縁層7のアンダコートとなる内側の金属層5では、溶射される絶縁層7が付着し易くなり」との記載がある。
そして、引用発明のニッケル50、クロム50による下地溶射層は、セラミックの結合性を高めるための下地として設けられるものであるから、柔らかくする必要があることは明らかであり、その柔らかさの数値として、溶射後の硬さをHv450以下とすることは、下地溶射層の金属の材質や溶射条件を適宜選択することによって、当業者が容易になし得ることであるし、また、本願明細書の記載を検討しても、上記「Hv450」という上限値に臨界的意義があるともいえない。
次に、上記相違点3のうちの「前記セラミックスの絶縁層の前記軌道輪に対する密着力を、44.8MPa以上とした」ことについて、本願明細書の記載を検討すると、図1に示す提案例である、外輪2に直接にセラミックスの絶縁層6を設けるものに関し、「JISによる密着力測定法に準拠し、絶縁層6の密着力を測定したところ、44.8MPa以上の結果が得られ、十分に実用性の有ることが確認できた。」(段落【0014】)との記載はあるが、図2に示すこの発明の一実施形態に関しては、「外輪2の金属層8を設ける表面は、図1の提案例と異なり、密着性向上処理は施さない。」、及び、「この絶縁層6は硬い材質であるセラミックスの溶射層からなるが、アンダーコートとなる内側の柔らかい金属層8により、外輪2に対する付着性が得られる。」(いずれも段落【0017】)との記載があるだけで、セラミックスの絶縁層の軌道輪に対する密着力についての具体的な数値は何ら記載されていない。
そうすると、本願補正発明においては、外輪2の金属層8を設ける表面に密着性向上処理など格別の処理を施さなくても、アンダーコートとなる内側の柔らかい金属層8を設けることにより、セラミックスの絶縁層の軌道輪に対する密着力が44.8MPa以上となるものと解されるから、引用発明においてニッケル50、クロム50による下地溶射層の溶射後の硬さをHv450以下としたものでも、絶縁層としてのセラミック被膜4の外輪2に対する密着力が44.8MPa以上となることは予測されるし、仮にそうでないとしても、必要とされる密着力の値を適宜設定し、その値以上の密着力を得るようにすることは、当業者が通常行う設計上の事項にすぎない。更に、本願明細書の記載を検討しても、上記「44.8MPa」という下限値に臨界的意義があるともいえない。

(4)作用効果について

本願補正発明が奏する作用効果は、刊行物1及び2に記載された発明から当業者が予測できる程度のものである。

(5)まとめ

したがって、本願補正発明は、刊行物1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(6)審判請求人の主張について

審判請求人は、平成23年2月22日付けで提出した審判請求書の請求の理由において、本願補正発明は、「セラミックスの絶縁層と金属層との2層構造の被覆層において、セラミックスの絶縁層の厚さを0.15mm?0.45mmとし、絶縁層および金属層に共に封孔処理を施し、かつ金属層の溶射後の硬さをHv450以下とし、絶縁層の軌道輪に対する密着力を44.8MPa以上とするという各構成の組み合わせによって、電気絶縁性の向上、絶縁性の信頼性向上、絶縁層の密着性の向上、および製造の簡易化によるコスト低減などの優れた効果が得られ」(【本願発明が特許されるべき理由】の「3.」の「(相違点1?3の総合的考察)」の項を参照。)るのに対し、これらの相違点は、刊行物1及び2には記載されていない旨を主張するとともに、当審における審尋に対する平成23年8月18日付けの回答書においても同趣旨の主張をしている。
しかしながら、上記審判請求人が主張する相違点の構成は、上記「4.(1)相違点1について」?「4.(3)相違点3について」で説示したとおり、ニッケル50、クロム50による下地溶射層と絶縁層としてのセラミック被膜4との2層構造の被覆層を設けた引用発明に、金属層5,6との間に絶縁層7を挟装した3層構造の被覆層8を設けた刊行物2記載の各事項を適用することにより当業者が容易に想到し得たことであるし、被覆層が2層構造であるか3層構造であるかの相違により、引用発明に刊行物2記載の各事項を適用することを妨げるような特段の事情も見あたらず、しかも、上記請求人が主張する効果も、刊行物1及び2に記載された発明から当業者が予測できる程度のものである。
よって、審判請求人の主張は採用できない。

5.むすび

以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

【3】本願発明について

1.本願発明

平成23年2月22日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成22年9月24日付けの手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
軌道輪のハウジングまたは軸に取付けられる面に、セラミックスの絶縁層と、この絶縁層と前記面との間に介在する金属層との2層構造の被覆層を設け、前記セラミックスの絶縁層の厚さを0.15mm?0.45mmとし、前記セラミックスの絶縁層の前記軌道輪に対する密着力を、44.8MPa以上とした電食防止型転がり軸受。」

2.引用刊行物とその記載事項

原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1及び2とその記載事項は、上記【2】2.に記載したとおりである。

3.対比・判断

本願発明は、上記【2】で検討した本願補正発明から、「セラミックスの絶縁層」と「金属層」とについての限定事項である「それぞれ溶射層からなる」、「前記絶縁層および金属層は封孔処理を施し」及び「前記金属層は溶射後の硬さをHv450以下とし」との事項を省いたものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、審判請求時の手続補正によってさらに構成を限定的に減縮した本願補正発明が、上記【2】3.及び【2】4.に記載したとおり、刊行物1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、刊行物1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび

以上のとおり、本願発明(請求項1に係る発明)は、刊行物1及び2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。


 
審理終結日 2011-11-25 
結審通知日 2011-11-29 
審決日 2011-12-16 
出願番号 特願2007-17798(P2007-17798)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F16C)
P 1 8・ 575- Z (F16C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 久保 克彦佐々木 芳枝  
特許庁審判長 川上 溢喜
特許庁審判官 所村 陽一
常盤 務
発明の名称 電食防止型転がり軸受  
代理人 野田 雅士  
代理人 杉本 修司  

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