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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H04W
管理番号 1252258
審判番号 不服2010-16658  
総通号数 148 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-07-23 
確定日 2012-02-15 
事件の表示 特願2004-518222「無線ネットワークを介した無線デバイス常駐診断インタフェースとの遠隔対話」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 1月 8日国際公開、WO2004/004381、平成17年10月27日国内公表、特表2005-532718〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、2003年7月1日(パリ条約による優先権主張2002年7月1日、米国、2003年4月15日、米国)を国際出願日とする出願であって、平成21年1月23日付けの拒絶の理由の通知に対して、同年4月9日付けで意見書が提出されるとともに、手続補正がなされたが、平成22年3月12日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年7月23日に審判請求がなされたものである。

2.本願発明について
本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成21年4月9日付け手続補正書に記載された特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものと認める。

「無線デバイスの常駐診断インタフェースとの遠隔対話のためのシステムであって、
選択的に接続されたコンピュータデバイスからの少なくともデータ通信を持つ無線ネットワークと、
互いに遠隔配置され、それぞれが前記無線ネットワークを介して他のコンピュータデバイスと選択的に通信する複数の無線デバイスとを備え、
各無線デバイスは、前記無線デバイスの動作パラメータのためのデバイスステータスデータ、又はネットワークステータスデータ、又はデバイスステータスデータとネットワークステータスデータとの両方から構成されるステータスデータに少なくともアクセスするための常駐診断インタフェースを含むコンピュータプラットフォームを含んでおり、前記常駐診断インタフェースは、前記無線ネットワークを介して別のコンピュータデバイスによる選択的なアクセスが可能であり、
前記常駐診断インタフェースへのアクセスを提供するアプリケーションが、前記無線ネットワークを介して、前記無線デバイスの前記コンピュータプラットフォームへ送信されるシステム。」

3.引用例
原査定の拒絶の理由で引用された、福家他、無線LANネットワークにおける通信周波数の切り替え管理手法、電子情報通信学会技術研究報告、社団法人電子情報通信学会、2001年10月12日、第101巻、 第357号、43-50頁、CS2001-100(以下、「引用例」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。なお、丸付き数字を「○」及びそれに続く数字で代用した。

A.「本稿では、無線LANの周波数を遠隔から集中監視し、干渉の影響に応じて動的に切り替える手法を提案する。まず、無線LANの周波数切り替えを行う際の課題として、周波数の切替制御手法及び劣化検出と周波数管理手法を挙げ、その解決方法を示す。また、2.4GHz帯無線LANシステムであるCFO-SSに提案手法を実装したので、その概要を報告する。

2.無線LANの周波数切り替えにおける課題

本稿では、SNMP(Simple Network Management Protocol)等により、無線LAN装置を遠隔から監視・制御できることを前提とする。具体的にはネットワーク管理ソフトがSNMPマネージャ、無線LAN装置がSNMエージェント(審決注:SNMPエージェントの誤記と認める。)として動作する。このようなシステムにおいて周波数切り替えを行うには、以下の課題が存在する。」(第44頁右欄1行?15行)

B.「正常な周波数切り替えの手順は次の通りである。
○1 無線LANはSNMPマネージャから周波数切り替えの要求(SetRequest)パケットを受信し、周波数切り替えを実行する。
○2 正常に周波数切り替えが行われた場合、対向する無線LANに対し確認パケット(宛先が自局のMACアドレスである折り返しパケット)を一定間隔(t1)で送信する。
○3 確認時間(t2)内に無線パケットを受信した場合、周波数切り替えが正常に行われたと判断し、SNMPマネージャにGetResponse(errorstatus=noError(0))を送信して、周波数切り替え処理を終了する。」(第45頁右欄1行?15行)

C.「4.SNMPマネージャによる劣化検出と周波数管理
無線LANはSNMPエージェントとして機能し、通信品質の劣化検出、及びそれに伴う周波数切り替え命令はSNMPマネージャが行う。本節では、SNMPマネージャによる通信品質の劣化検出とそれに伴う周波数切り替え手順について示す。
全体の流れは次の通りである。
○1 回線品質の劣化検出
○2 周波数切り替え及び確認処理
○2の確認処理とは周波数変更後に再度周波数確認を行うことを指す。3節で述べたように、無線LANは周波数切り替え後、通信可否を確認する機能を有している。このため、SNMPマネージャは無線LANからの応答だけで切り替え処理の成否を知ることができるが、ここでは更に再度周波数の確認(GetRequest)を行い信頼性を向上させる。

4.1 回線品質の劣化検出
SNMPマネージャは一定時間ごとに各無線LANにGetRequestを行い、次の値を取得する。
・無線通信パケット数
・タイムアウトパケット数
・無線受信パケット数
・CRCエラーパケット数
送信パケットのうち、タイムアウトせず正常に送信されたパケットの割合(a1)、及び、受信パケットのうち、CRCエラー無く受信したパケットの割合(a2)を、無線LAN毎に計算する。
回線品質劣化の判断は、無線LANがポイント-ポイント(P-P)構成、ポイント-マルチポイント(P-MP)構成の何れであるかにより異なる。

4.1.1 P-P構成の回線品質判断
alまたはa2のいずれか1つが事前に設定した閾値pより小さくなる無線LANがある場合、無線回線品質劣化と判断し、4.2節の周波数切り替え処理を行う。周波数切り替えは回線品質劣化のP-P構成1リンク(2台の無線LAN)を単位として行う。例えば、図5においてWLAN1のa1のみが閾値pを下回った場合、該当無線リンクの2台の無線LAN(WLANl,WLAN2)とも切り替えを行う。

4.1.2 P-MP構成の回線品質判断
a1またはa2のいずれか1つが閾値pより小さくなる無線区間が半分以上の場合、無線回線品質劣化と判断し、4.2節の周波数切り替え処理を行う。周波数切り替えは回線品質劣化のP-MP構成を単位として行う。ここで、無線区間の数とは親機-子機の区間数を指し、図6においては無線区間が3つであるため、閾値を下回る無線区間が2つ以上の場合に品質劣化と判断する。例えば、WLAN4のa1とWLAN5のa1が閾値を下回った場合、回線品質が劣化した無線区間が半分以上になるため、P-MP構成の4つ無線LAN(WLAN3?WLAN6)に対して周波数切り替えを行う。」(第46頁右欄下から6行?第47頁右欄12行)

D.「5.CFO-SS無線システムヘの周波数切り替え機能の実装
以上提案した周波数切り替え機能をKDDI研究所が開発したCFO-SS無線システム(以下、CFO-SS)に実装した。合わせて提案手法を実装したSNMPマネージャソフトの開発も行った。

5.1 CFO-SSの概要
CFO-SSは2.4GHz無線LANであり、10Mbit/sの伝送速度を有するCFO-SS10、及び18Mbit/sの伝送速度を有するCFO-SS18の2種類がある。表1にCFO-SSの基本仕様を示す。CFO-SSで使用可能なチャネル数は表1に示すように4つであるが、互いに干渉無く通信可能なチャネル数は3つである。」(第49頁左欄第4行?16行)

E.「5.2 CFO-SSへのネットワーク管理機能の実装とMIB項目
CFO-SSでは、装置パラメータ、装置の動作状態及び通信品質を把握する手段として、SNMPによるネットワーク管理機能を備えている。SNMPにより取得及び設定が可能なMIB(Managemant Information Base)項目は、標準のMIB-IIの他、提案方式の周波数管理を行うため独自のプライベートMIB項目を定義し実装した。
CFO-SSのMIB項目は6グループに分けられ、それぞれ次のような項目を定義した。ここでは、取得及び設定が可能な項目と、取得のみの項目が存在する。これらの項目は、Telnet及びシリアル経由での設定も可能とした。
○1 CFO-Radioグループ
CFO-SSの無線に関するパラメータを定義している。
・通信周波数
・アクセス形態(P-P、P-MP)
・SSID(Service Set Identifier)
・受信レベル
○2 CFO-Ethernetグループ
有線Ethernetに関するパラメータを定義している。
・有線Ethernetのバッファサイズ
・伝送速度
○3 CFO-Filteringグループ
MACアドレスによるフィルタリングを行うか否かを設定する。フィルリングを行わない場合はリピータとなる。
○4 CFO-Statisticsグループ
無線区間に送受信したパケットの統計情報を得ることが可能である。
・送信パケット数
・受信パケット数
・タイムアウトパケット数
・再送パケット数
○5 CFO-Adminグループ
機器設置の際にpingパケットを用いて疎通確認を行うことや、装置再起動が可能である。
○6 CFO-Diagnosisグループ
機器の動作状態を取得可能である。

5.3 SNMPマネージャ
開発したSNMPマネージャには、4節で提案した周波数管理手法を実装するとともに、CFO-SSに実装しているMIB項目を取得し、その変化をグラフ表示する機能や他のネットワーク機器(ルータやPC等)も合わせて管理する機能を持たせた。また、4.2節に記述したようなネットワークのトポロジー、すなわちSNMPマネージャからのネットワーク上での距離を、手動で設定できるようにした。」(第49頁左欄下から3行?第50頁左欄6行)

以上の記載によれば、この引用例には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されていると認められる。

「無線LANの周波数を遠隔から集中監視し、干渉の影響に応じて動的に切り替える方法において、
SNMP等により、無線LAN装置を遠隔から監視・制御できることを前提とし、具体的にはネットワーク管理ソフトがSNMPマネージャ、無線LAN装置がSNMPエージェントとして動作し、通信品質の劣化検出、及びそれに伴う周波数切り替え命令はSNMPマネージャが行い、
回線品質の劣化検出では、SNMPマネージャは一定時間ごとに各無線LANにGetRequestを行い、無線通信パケット数、タイムアウトパケット数、無線受信パケット数、CRCエラーパケット数を取得し、送信パケットのうち、タイムアウトせず正常に送信されたパケットの割合(a1)、及び、受信パケットのうち、CRCエラー無く受信したパケットの割合(a2)を、無線LAN毎に計算し、a1またはa2のいずれか1つが閾値pより小さくなる無線区間が半分以上の場合、無線回線品質劣化と判断し、周波数切り替え処理を行い、
提案した周波数切り替え機能を実装したCFO-SS無線システムは2.4GHz無線LANであり、CFO-SSでは、装置パラメータ、装置の動作状態及び通信品質を把握する手段として、SNMPによるネットワーク管理機能を備え、SNMPにより取得及び設定が可能なMIB(Managemant Information Base)項目は、標準のMIB-IIの他、提案方式の周波数管理を行うため独自のプライベートMIB項目を定義し実装し、CFO-SSのMIB項目は6グループに分けられ、CFO-Statisticsグループでは、無線区間に送受信した、送信パケット数、受信パケット数、タイムアウトパケット数、再送パケット数のパケットの統計情報を得ることが可能で、CFO-Diagnosisグループでは、機器の動作状態を取得可能である方法。」

4.対比
本願発明と引用発明を対比する。

引用発明の「無線LAN装置」は、本願発明の「無線デバイス」に相当する。引用発明の「SNMPマネージャ」は、コンピュータ上で「ネットワーク管理ソフト」が実行されることによって実現されていることは明らかである。そして、本願発明の「他のコンピュータデバイス」、「別のコンピュータデバイス」とは、「無線デバイス」に対する「他のコンピュータデバイス」、「別のコンピュータデバイス」と解されるので、引用発明の「SNMPマネージャ」として動作するネットワーク管理ソフトが実行されるコンピュータは、本願発明の「コンピュータデバイス」、「他のコンピュータデバイス」、「別のコンピュータデバイス」に相当する。

引用発明において、「SNMPマネージャは一定時間ごとに各無線LANにGetRequestを行い、無線通信パケット数、タイムアウトパケット数、無線受信パケット数、CRCエラーパケット数を取得」しているので、各無線LAN装置はSNMPマネージャと常時通信しており、そのためのインタフェースが常時備えられていることは明らかである。したがって、引用発明の、「SNMP等により、無線LAN装置を遠隔から監視・制御」することと、本願発明の「無線デバイスの常駐診断インタフェースとの遠隔対話のためのシステム」とは、無線デバイスの常駐インタフェースとの遠隔対話のためのシステムという点で共通する。

引用発明の「無線LAN装置」は「SNMPマネージャ」と無線LANネットワークを介して接続されており、また、引用発明はMACアドレス等の識別情報により無線LANを選択的に接続するものであることは明らかであるので、引用発明は、選択的に接続されたコンピュータデバイスからの少なくともデータ通信を持つ無線ネットワークを備えているといえ、引用発明の「無線LAN装置」は、互いに遠隔配置され、それぞれが前記無線ネットワークを介して他のコンピュータデバイスと選択的に通信するといえる。

引用発明における、SNMPマネージャが各無線LANにGetRequestを行い、取得する「無線通信パケット数、タイムアウトパケット数、無線受信パケット数、CRCエラーパケット数」は、本願発明の「無線デバイスの動作パラメータのための」「ネットワークステータスデータ」に相当する。また、引用発明の無線LAN装置のMIB項目である「CFO-Diagnosisグループ」で取得可能な「機器の動作状態」は、本願発明の「デバイスステータスデータ」に相当する。引用発明において無線LAN装置の「MIB項目」はSNMPにより取得が可能なので、引用発明の「無線LAN装置」は、前記無線デバイスの動作パラメータのためのデバイスステータスデータ、又はネットワークステータスデータ、又はデバイスステータスデータとネットワークステータスデータとの両方から構成されるステータスデータに少なくともアクセスするための常駐インタフェースを含んでいるといえる。

引用発明の「SNMPマネージャ」が、「各無線LANにGetRequestを行い、無線通信パケット数、タイムアウトパケット数、無線受信パケット数、CRCエラーパケット数を取得」することと、本願発明の「常駐診断インタフェースは、前記無線ネットワークを介して別のコンピュータデバイスによる選択的なアクセスが可能であ」ることとは、常駐インタフェースは、無線ネットワークを介して別のコンピュータデバイスによる選択的なアクセスが可能である点で共通する。

したがって、両者は、
「無線デバイスの常駐インタフェースとの遠隔対話のためのシステムであって、
選択的に接続されたコンピュータデバイスからの少なくともデータ通信を持つ無線ネットワークと、
互いに遠隔配置され、それぞれが前記無線ネットワークを介して他のコンピュータデバイスと選択的に通信する複数の無線デバイスとを備え、
各無線デバイスは、前記無線デバイスの動作パラメータのためのデバイスステータスデータ、又はネットワークステータスデータ、又はデバイスステータスデータとネットワークステータスデータとの両方から構成されるステータスデータに少なくともアクセスするための常駐インタフェースを含んでおり、前記常駐インタフェースは、前記無線ネットワークを介して別のコンピュータデバイスによる選択的なアクセスが可能であるシステム。」
で一致するものであり、次の点で相違している。

[相違点1]
無線デバイスの動作パラメータのためのデバイスステータスデータ、又はネットワークステータスデータ、又はデバイスステータスデータとネットワークステータスデータとの両方から構成されるステータスデータに少なくともアクセスするためのインタフェースは、本願発明は、「常駐診断インタフェース」であるのに対し、引用発明は、常駐インタフェースを備えていることは明らかであるものの、常駐診断インタフェースであるのかどうか明らかではない点。

[相違点2]
本願発明は、「無線デバイス」が、「常駐診断インタフェースを含むコンピュータプラットフォームを含んでおり」、「常駐診断インタフェースへのアクセスを提供するアプリケーションが、前記無線ネットワークを介して、前記無線デバイスの前記コンピュータプラットフォームへ送信される」ものであるのに対し、引用発明は、そのようなものではない点。

5.当審の判断
上記相違点について検討する。

[相違点1]について
引用例の摘記事項Eに記載されているように引用発明のSNMPマネージャが取得可能なMIB項目に「CFO-Diagnosisグループ」があり、機器の動作状態が取得可能である。そして、該機器に「無線LAN装置」が含まれることは明らかであるから、引用発明において、SNMPマネージャは、無線LAN装置に常時備えられていることが明らかなインタフェースを介して、「CFO-Diagnosisグループ」、すなわち、診断(Diagnosis)のためのMIB項目である無線LAN装置の動作状態を取得可能であるといえる。
したがって、引用発明の無線LAN装置に常時備えられていることが明らかなインタフェースは、診断のための常駐インタフェースでもあり、「常駐診断インタフェース」といえる。よって、相違点1は、実質的な相違点ではない。

[相違点2]について
引用発明において、無線LAN装置のSNMPエージェントの機能は、アプリケーションソフトウェアによって実現されるものであることは明らかである。そして、コンピュータネットワークの技術分野において、コンピュータから、遠隔のコンピュータにアプリケーションソフトウェアを送信して、インストールすることは周知技術(例えば、原査定で引用された特開平6-59994号公報の【請求項1】には、通信回線を介して接続された複数のコンピュータ装置に同時にリモートインストールを行うリモートインストールシステムであって、インストール情報を格納したインストール情報記憶手段を有する1次局コンピュータ装置と、前記1次局コンピュータ装置内のインストール情報を通信回線を介して2次局コンピュータ装置にマルチドロップ制御のデータリンクにより転送する転送手段と、前記1次局コンピュータ装置により転送されたインストール情報に基づいてインストールを実行する複数の2次局コンピュータ装置と、から構成されることを特徴とするリモートインストールシステムが記載され、国際公開第00/40049号のClaim13(第16頁第19行?第17頁第11行)には、モバイルテストソフトウェアエージェントを移動局へダウンロードして、移動局でモバイルテストソフトウェアエージェントを実行することが記載されている。)である。
また、アプリケーションソフトウェアを、アプリケーションプログラムインターフェース等のインタフェースを含むコンピュータプラットフォーム上で実行させることは周知技術である。
したがって、これらの周知技術を引用発明にそれぞれ適用して、引用発明において、無線LAN装置をSNMPエージェントとして動作させるに際し、無線LAN装置がインタフェースを含むコンピュータプラットフォームを備える構成とし、コンピュータプラットフォーム上でSNMPエージェントのアプリケーションを実行させること、及び、SNMPエージェントに関するアプリケーションをSNMPマネージャであるコンピュータからSNMPエージェントとして動作する無線LAN装置のコンピュータプラットフォームに送信することは当業者が容易に想到し得たものである。

そして、本願発明の作用効果も、引用発明及び周知技術から当業者が予測できる範囲のものである。

6.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

したがって、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-09-15 
結審通知日 2011-09-20 
審決日 2011-10-05 
出願番号 特願2004-518222(P2004-518222)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H04W)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 中元 淳二  
特許庁審判長 清水 稔
特許庁審判官 青木 健
安久 司郎
発明の名称 無線ネットワークを介した無線デバイス常駐診断インタフェースとの遠隔対話  
代理人 市原 卓三  
代理人 佐藤 立志  
代理人 峰 隆司  
代理人 堀内 美保子  
代理人 河野 直樹  
代理人 竹内 将訓  
代理人 中村 誠  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 白根 俊郎  
代理人 福原 淑弘  
代理人 村松 貞男  
代理人 野河 信久  
代理人 岡田 貴志  
代理人 山下 元  
代理人 幸長 保次郎  
代理人 勝村 紘  
代理人 河野 哲  
代理人 砂川 克  

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