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審決分類 審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 特許、登録しない。 G03G
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G03G
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G03G
管理番号 1252647
審判番号 不服2011-7415  
総通号数 148 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-04-08 
確定日 2012-02-23 
事件の表示 特願2004-338913「画像形成装置及び廃トナーボトル脱着方法」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 1月12日出願公開、特開2006- 11360〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続きの経緯

本願は平成16年11月24日(優先権主張 平成16年 5月24日)の出願であって、平成22年2月18日付けで通知した拒絶理由に対して、同年 4月20日付けで手続補正が提出され、さらに同年 7月20日付けで通知した最後の拒絶理由に対して、同年 9月27日付けで手続補正が提出されたが、平成22年12月28日付けで平成22年 9月27日付け手続補正が却下され、平成22年12月28日付けで拒絶査定がなされ、これに対して平成23年 4月 8日付けで審判請求がなされるとともに、同日付けで手続補正が提出され、その後、当審における審尋に対して同年10月 6日付けで回答書が提出されたものである。


第2 平成23年 4月 8日付け手続補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成23年 4月 8日付け手続補正を却下する。

[理由]
1.補正事項
平成23年 4月 8日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲は、本件補正前の平成22年 4月20日付け手続補正により補正された、
「 【請求項1】
画像形成後の像担持体上に残留する未転写トナーをクリーニングした後の廃トナーを回収する廃トナーボトルを備えた画像形成装置において、
前記廃トナーボトルは、画像形成装置本体の外装カバーに装着する構成であって、前記廃トナーボトルを持つための取っ手を設け、前記取っ手に、画像形成装置本体の外装カバーから外れることを防止するためのロック機構を設けた
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像形成後の像担持体上に残留する未転写トナーをクリーニングした後の廃トナーを回収する廃トナーボトルを備えた画像形成装置において、
前記廃トナーボトルは、画像形成装置本体の外装カバーに装着する構成であって、前記廃トナーボトルを持つための取っ手を設け、前記取っ手の近傍に、画像形成装置本体の外装カバーから外れることを防止するためのロック機構を設けた
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記外装カバーに凸状部材が設けられ、
前記廃トナーボトルのロック機構が、前記廃トナーボトルの取っ手に設けられた、凸部を有する弾性のロック部材であり、
前記廃トナーボトルを前記外装カバーに装着する際には、前記ロック部材を撓ませながら前記取っ手を移動し、前記凸部が前記凸状部材よりも前記外装カバー寄りに位置させて、前記ロック部材を前記凸状部材に繋止させ、
前記廃トナーボトルが前記凸状部材によりロックされた状態において、前記ロック部材を撓ませながら前記取っ手を移動し、前記ロック部材の繋止を解除することにより前記廃トナーボトルのロックを解除する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記外装カバーに平板状の二つの鈎形部材が設けられ、該二つの鈎形部材は離間かつ先 端が対向して位置し、
前記廃トナーボトルのロック機構が、前記廃トナーボトルの取っ手の、前記二つの鈎形部材に対応する位置にそれぞれ設けられた平板状部材であり、
前記廃トナーボトルを前記外装カバーに装着する際には、前記平板状部材が前記鈎形部材よりも前記外装カバー寄りに位置するように、前記取っ手を前記外装カバーに沿ってロック位置までスライドし、
前記廃トナーボトルを前記外装カバーから外す際には、前記取っ手を前記外装カバーに沿ってロック解除位置までスライドして前記廃トナーボトルのロックを解除する
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記廃トナーボトルの取っ手に設けたロック機構は、装着時は常にロック位置に付勢されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
前記廃トナーボトルのロック機構は、取っ手内部に設けられたスプリングにより、ロック位置に付勢されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の画像形成装置において、
前記廃トナーボトルのロック機構及び前記外装カバーに設けられた部材それぞれに傾斜が設けられ、
該傾斜を互いに接触させることにより、前記廃トナーボトルを前記外装カバーに装着され、
該装着の動作により、前記ロック機構が前記外装カバーに設けられた部材の傾斜を利用して解除方向に移動し、その後ロック位置に移動して、自動的に前記廃トナーボトルが前記ロック機構により前記外装カバーにロックされる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
画像形成後の像担持体上に残留する未転写トナーのクリーニングは、搬送スクリュを備えるクリーニングユニットによって行われ、
該クリーニングユニットからの廃トナーが、前記搬送スクリュにより直接廃トナーボトルに排出される
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記廃トナーボトルと対向する位置に、少なくとも像担持体を備えるプロセスカートリッジが配置されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項1ないし7のいずれかに記載の廃トナーボトルを備えたプロセスカートリッジを備える
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
画像形成装置の廃トナーボトル脱着方法において、
前記廃トナーボトルは、画像形成装置本体の外装カバーに装着する構成であって、前記廃トナーボトルを持つための取っ手を設け、前記取っ手に、画像形成装置本体の外装カバーから外れることを防止するためのロック機構が設けられ、
前記外装カバーに平板状の二つの鈎形部材が設けられ、該二つの鈎形部材は離間かつ先端が対向して位置し、
前記廃トナーボトルのロック機構が、前記廃トナーボトルの取っ手の、前記二つの鈎形部材に対応する位置にそれぞれ設けられた平板状部材であり、
前記廃トナーボトルを前記外装カバーに装着する際には、前記平板状部材が前記鈎形部材よりも前記外装カバー寄りに位置するように、前記取っ手を前記外装カバーに沿ってロック位置までスライドし、
前記廃トナーボトルを前記外装カバーから外す際には、前記取っ手を前記外装カバーに沿ってロック解除位置までスライドして前記廃トナーボトルのロックを解除する
ことを特徴とする画像形成装置の廃トナーボトル脱着方法。
【請求項12】
画像形成装置の廃トナーボトル脱着方法において、
前記廃トナーボトルは、画像形成装置本体の外装カバーに装着する構成であって、前記廃トナーボトルを持つための取っ手を設け、前記取っ手に、画像形成装置本体の外装カバーから外れることを防止するためのロック機構が設けられ、
前記外装カバーに凸状部材が設けられ、
前記廃トナーボトルのロック機構が、前記廃トナーボトルの取っ手に設けられた、凸部を有する弾性のロック部材であり、
前記廃トナーボトルを前記外装カバーに装着する際には、前記ロック部材を撓ませながら前記取っ手を移動し、前記凸部が前記凸状部材よりも前記外装カバー寄りに位置させて、前記ロック部材を前記凸状部材に繋止させ、
前記廃トナーボトルが前記凸状部材によりロックされた状態において、前記ロック部材を撓ませながら前記取っ手を移動し、前記ロック部材の繋止を解除することにより前記廃トナーボトルのロックを解除する
ことを特徴とする画像形成装置の廃トナーボトル脱着方法。」
から、

「 【請求項1】
画像形成後の像担持体上に残留する未転写トナーをクリーニングした後の廃トナーを回収する画像形成装置本体の外装カバーに装着する構成の廃トナーボトルを備えた画像形成装置において、
前記廃トナーボトルは、前記外装カバーを閉じた状態で前記画像形成装置本体と対向する側面に設けられた廃トナーを回収するための入口と、前記廃トナーボトルを持つための取っ手と、前記廃トナーボトルが外装カバーから外れることを防止する前記廃トナーボトルの前記外装カバーへのロック機構とを有し、
前記取っ手は、前記外装カバーを開いた状態で、前記廃トナーボトルの前記入口が設けられた面から前記取っ手を握ることができる位置に設けられ、
前記ロック機構は、前記取っ手に設けられ、前記取っ手を握りながら、かつ、前記取っ手を握る動作とは別に操作可能な位置にある
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置において、
前記ロック機構は、ロック部材を有し、
前記外装カバーは、引っ掛け部材を有し、
前記廃トナーボトルを前記外装カバーに装着する際に、前記ロック部材を前記外装カバーに設けた前記引っ掛け部材に対応する位置へ、前記外装カバーの開閉方向に対して垂直な方向にスライド移動させて前記ロック部材と前記引っ掛け部材とを嵌合させることで前記廃トナーボトルが前記外装カバーへロックされる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像形成装置において、
前記外装カバーは、上記外装カバーの下側を回動支点として前記画像形成装置本体に着脱され、前記取っ手は、前記入口よりも上記回動支点からの距離が長くなる位置に設けられている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記廃トナーボトルのロック機構は、装着時は常にロック位置に付勢されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項4に記載の画像形成装置において、
前記廃トナーボトルのロック機構は、前記取っ手内部に設けられたスプリングにより、ロック位置に付勢されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の画像形成装置において、
前記廃トナーボトルのロック機構が有するロック部材及び前記外装カバーに設けられた引っ掛け部材それぞれに、互いに接触させたときに密着する傾斜が設けられ、
該傾斜を互いに接触させながら前記ロック部材を前記引っ掛け部材の方向に移動させることにより、前記廃トナーボトルが前記外装カバーに装着され、
該装着の動作により、前記ロック部材が前記引っ掛け部材の傾斜を利用してロック解除方向に移動し、その後ロック位置に移動して、自動的に前記廃トナーボトルが前記ロック部材により前記外装カバーにロックされる
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置において、
画像形成後の像担持体上に残留する未転写トナーのクリーニングは、搬送スクリュを備えるクリーニングユニットによって行われ、
該クリーニングユニットからの廃トナーが、前記搬送スクリュにより直接廃トナーボトルに排出される
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記廃トナーボトルと対向する位置に、少なくとも像担持体を備えるプロセスカートリッジが配置されている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
画像形成装置の廃トナーボトル脱着方法において、
前記廃トナーボトルは、前記外装カバーを閉じた状態で前記画像形成装置本体と対向する側面に設けられた廃トナーを回収するための入口と、前記廃トナーボトルを持つための取っ手と、前記廃トナーボトルが外装カバーから外れることを防止する前記廃トナーボトルの前記外装カバーへのロック機構とを有し、
前記取っ手は、前記外装カバーを開いた状態で、前記廃トナーボトルの前記入口が設けられた面から前記取っ手を握ることができる位置に設けられ、
前記ロック機構は、前記取っ手に設けられ、前記取っ手を握りながら、かつ、前記取っ手を握る動作とは別に操作可能な位置にあり、
前記ロック機構は、ロック部材を有し、
前記外装カバーは、引っ掛け部材を有し、
前記廃トナーボトルを前記外装カバーに装着する際に、前記ロック部材を前記外装カバーに設けた引っ掛け部材と対応する位置へ、前記外装カバーの開閉方向に対して垂直な方向にスライド移動させて前記ロック部材と前記引っ掛け部材とを嵌合させることで前記廃トナーボトルが外装カバーへロックされ、
前記廃トナーボトルを前記外装カバーから外す際には、前記取っ手を前記外装カバーに沿ってロック解除位置までスライドして前記廃トナーボトルのロックを解除する
ことを特徴とする画像形成装置の廃トナーボトル脱着方法。」
に補正された。

2.補正の適否について
出願人は、本件補正の根拠として、「平成22年4月20日付で提出した手続補正書の特許請求の範囲の請求項1を、本願明細書の段落[0021]、図6、図12の記載に基づいて補正をし、発明特定事項を限定した。また、請求項11も同様に補正し、補正後の請求項9とした。また、請求項2を請求項4の記載に基づいて補正をし、請求項3を図5の記載に基づいて補正をし、発明特定事項を限定した。また、請求項4、10、12を削除する補正をした。これらの補正は、請求項の限定的減縮及び請求項の削除に該当し、補正の内容的制限を十分満足するものである。」と、審判請求書において主張している。

このうち、補正後の請求項3については、補正前のどれかの請求項の発明特定事項を限定するものではなく、図5の記載に基づいて加えた事項から発明特定事項を表現していることから、補正後の請求項3は、特許請求の範囲の減縮を目的としたものではない。
さらに、本件補正前の請求項4を補正後の請求項2としたと主張するが、補正前の請求項4の(a)「外装カバーに平板状の二つの鈎形部材が設けられ、該二つの鈎形部材は離間かつ先端が対向して位置し」ている点や、(b)「ロック機構が、廃トナーボトルの取っ手の、二つの鈎形部材に対応する位置にそれぞれ設けられた平板状部材であ」る点、さらには(c)「廃トナーボトルを外装カバーから外す際には」「廃トナーボトルのロックを解除」する点等、補正前の請求項4に記載された主要な発明特定事項が、補正後の請求項2には記載されていない。
同じく、本件補正後の請求項9についても同様に、補正前の請求項11の主要な発明特定事項である、上記(a),(b)の点が記載されていない。
よって、本件補正後の請求項4及び請求項9も、特許請求の範囲の減縮を目的としたものではない。
しかも、本件補正後の請求項2,3,9は、誤記の訂正及び明りょうでない記載の釈明を目的とするものではないことは、明らかである。

したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3.独立特許要件
仮に本件補正が、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当すると認められると仮定した場合について、補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下、「補正発明1」)が、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるかについて以下に検討する。

(1)引用刊行物
1-1)引用刊行物1
本願の優先日前に頒布された特開2004-145290号公報(以下、「刊行物1」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は当審で付与。)

(1a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム本体と、
該フレーム本体に開閉可能に支持されるフレームカバーと、
トナー像を形成する像形成手段と、
像形成に寄与しなかったトナーを除去するクリーニング手段と、
該クリーニング手段から排出される排トナーを収容する排トナー収容器とを備える画像形成装置において、
上記排トナー収容器が上記フレームカバーに保持されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1の画像形成装置において、
上記排トナー収容器が上記フレームカバーに一体化された状態で保持されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1の画像形成装置において、
上記排トナー収容器が上記フレームカバーに脱着可能に保持されることを特徴とする画像形成装置。」

(1b)「【0006】
ところが、従来の画像形成装置においては、保守点検の際にユーザーがフレームカバー101を開けても、図17に示すように、排トナー収容器103がフレーム本体100内部に残っている。そのため、本来排トナー収容器103の交換時期とは違うが作像ユニットや中間転写ベルト31を交換する場合、作像ユニットや中間転写ベルトを引き出すために、一旦排トナー収容器103を取り出す必要があった。このように、従来の画像形成装置においては、排トナー収容器の交換時期ではないときに排トナー収容器を取り出さなければならず、操作性、利便性が悪かった。また、排トナー収容器を取り出す際、排トナー収容器の置き場所に苦労したり、排トナー収容器から排トナーが飛散し、装置内部やユーザーを汚したりする虞があった。
【0007】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、排トナー収容器の不要な着脱操作をなくし、排トナー収容器からのトナー落ちを防止して、操作性、利便性を向上させた画像形成装置を提供することである。

(1c)「【0010】
以下、本発明を画像形成装置であるフルカラープリンタ(以下、プリンタという)に適用した場合の実施形態について説明する。図1は、このプリンタの内部構成を示す概略構成図である。図2は、このプリンタの外観の構成を示す斜視図である。図3は、このプリンタのカバーを開いた状態の外観の構成を示す斜視図である。図1乃至図3に示すように、このプリンタは、像形成手段としての各構成部材を収納する位置固定されたフレーム本体100と、記録材として転写紙Pを収納する給紙部となる給紙カセット41とを備えている。フレーム本体100は、矢印Aで示す給紙カセット41の引出方向側を装置の正面とすると、左側面に左フレームカバー101を開閉自在に支持し、前側面に前フレームカバー102を開閉自在に支持している。また、フレーム本体100は、上側面に排紙トレイ56を図中上下方向に開閉自在に支持している。左フレームカバー101を開くと、後述するように、排トナー収容器の着脱が可能となる。また、排紙トレイ56を開くと、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)の各色のトナーを収容するトナーボトル57Y、57C、57M、57Kの着脱が可能となる。
【0011】
次に、プリンタの構成及び動作について説明する。このプリンタは、図1に示すように、フレーム本体100内の中心部に、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、黒(K)のトナー画像をそれぞれ形成する作像カートリッジ10(Y、C、M、K)を備える。また、各作像カートリッジ10の下方には、像担持体としての感光体ドラム12(Y、C、M、K)にレーザー光を照射可能な露光手段としての光学ユニット20を備えている。また、作像カートリッジ10の上方には、各作像カートリッジ10により形成されたトナー画像が2次転写される像担持体でもあり中間転写体ともなる中間転写ベルト31を備えた中間転写ユニット30を備えている。また、中間転写ベルト31に転写されたトナー画像を転写紙Pに定着する定着ユニット50を備えている。
【0012】
各作像カートリッジ10Y、10C、10M、10Kの構造は同一であるので、黒の作像カートリッジ10Kについて説明する。図4は、黒の作像カートリッジの内部構成を示す構成図である。黒の作像カートリッジ10Kは、感光体ドラム12K、感光体ドラム12Kを帯電する帯電装置13K、感光体ドラム12Kに形成された潜像を現像する現像装置14Kを備える。また、この作像カートリッジ10Kは、感光体ドラム12Kに残留した現像剤である未転写トナーや紙粉などの排トナーを除去するクリーニング装置15Kを備える。クリーニング装置15Kは、クリーニングブレード15aにより、感光体ドラム12Kの表面をクリーニングする。なお、クリーニング装置15Kのクリーニングブレード15aは、図1に示すように、クリーニングローラであってもよい。このように、作像カートリッジ10Kは、感光体ドラム12K、帯電装置13K、現像装置14K、クリーニング装置15Kを一体に支持し、フレーム本体100に着脱可能なプロセスカートリッジとして構成されている。」

(1d)「【0017】
上記構成のプリンタにおいて、黒色の一色のみからなる画像を形成する場合には、黒の作像カートリッジ10Kにおいて、感光体ドラム12Kが帯電装置13Kによって一様に帯電される。その後、光学ユニット20により、画像情報に基づきレーザー光が走査露光されて感光体ドラム12K表面に潜像が形成される。感光体ドラム12K上の潜像は、現像装置14Kの現像ローラ14aに担持された黒トナーによって現像されてトナー像として可視像化される。感光体ドラム12K上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ35Kの作用によって中間転写ベルト31上に転写される。一次転写終了後の感光体ドラム12Kは、クリーニング装置15Kによってその表面がクリーニングされ、次の画像形成に備えられる。そして、給紙ローラ43および搬送コロ44によってフレーム本体100内に搬送された転写紙Pは、二次転写部37において、中間転写ベルト31上に形成されたトナー画像が転写される。トナー画像が転写された転写紙Pは、定着ユニット50を通過することで画像定着が行われ、フレーム本体100の上部に形成された排紙トレイ56に排出コロ55によって排出される。感光体ドラム12と同様に、転写ベルト31上に残った未転写のトナーは、中間転写ベルト31に接触するベルトクリーニング装置18によってクリーニングされる。
【0018】
上記構成のプリンタにおいて、カラー画像を形成する場合には、黒色と同様の画像形成工程が作像カートリッジ10(Y、C、M、K)においても同様に行われて各色のトナー像が感光体ドラム12(Y、C、M、K)の表面に形成される。そして、感光体ドラム10(Y、C、M、K)上に形成されたトナー像は、各一次転写バイアスローラ35(Y、C、M、K)によって反時計回りに回転駆動される転写ベルト31上に黒、マゼンダ、シアン、イエローの順に順次重ねて転写される。そして転写紙Pが給紙カセット41から給紙ローラ43やレジストローラ44によって転写部37向かって搬送され、転写ベルト31上に形成されたトナー像が二次転写ローラ36の作用によって転写紙Pに一括転写される。トナー像を転写された転写紙Pは、定着ユニット50に搬送され、定着ユニット50の定着ローラ51と加圧ローラ52で形成される定着ニップ部にてトナー像が定着される。そして、定着ユニット50よりも転写紙搬送方向の下流側に配置された排紙ローラ55によって、フレーム本体100の上面に形成された排紙トレイ56に排紙される。
【0019】
各トナーボトル57、中間転写ベルト31、各作像カートリッジ10は、フレーム本体100に対して同一方向に傾斜して配設されていて、フレーム本体100の全長を短くして小型化が図られている。作像カートリッジ10(Y、C、M、K)のうち、黒トナー画像を形成する作像カートリッジ10Kは二次転写部37側に来るように配置される。そして、作像カートリッジ10K側が作像カートリッジ10Y側よりも下方となるように傾斜させている。これは、カラープリンターといえども黒単独での画像形成の頻度を多いため、このような黒色の画像形成をする場合のプリント時間の短縮を図るために、作像カートリッジ10Kを二次転写部37側に配置している。このように傾斜してフレーム本体100内に各部を配置することで、フレーム本体内100には、作像カートリッジ10(Y、C、M、K)と給紙カセット41の間に余剰空間Sが形成されている。左フレームカバー101を閉じた状態では、この余剰空間Sに排トナー収容器16が納められる。」

(1e)「【0020】
ところで、中間転写ベルト31に転写されなかった感光体ドラム12(Y、C、M、K)上の転写残トナーは、第1のクリーニング手段であるクリーニング装置15(Y、C、M、K)によって回収される。各クリーニング装置15は、感光体ドラム12上の転写残トナーをクリーニングローラによって回収し、排トナー搬送手段17によって排トナー回収容器16に搬送する。また、転写紙P上に転写されなかった中間転写ベルト31上の転写残トナーは、第2のクリーニング手段であるベルトクリーニング装置18によって回収される。ベルトクリーニング装置18は、中間転写ベルト31上の転写残トナーをクリーニングローラで回収し、排トナー搬送手段18によって排トナー回収容器16に搬送する。
【0021】
上述した排トナー収容器は、図1に示すように、排トナー収容器16が左フレームカバー101と一体化された状態で保持されている。そのため、装置の保守点検の際、左フレームカバー101を開ければ、排トナー収容器16を取り外さないまま、各作像カートリッジ10や中間転写ベルト31の取り外しが可能となる。突発的に各作像カートリッジ10や中間転写ベルト31で異常が発生し、これらを交換する必要性が生じても、排トナー回収容器16を取り外す必要がない。よって、保守点検の際、排トナー収容器16の置き場所に困る心配もなく、排トナー収容器16からのトナー落ちを最小限に抑えることが可能となる。さらに、排トナー収容器16の容積が装置本体の寿命時までに収容されると想定される排トナー容量を確保していれば、排トナー収容器16の交換は必要なく、メンテナンスフリー化を図ることができる。このように、排トナー収容器16を左フレームカバー101に一体化された状態で保持することにより、保守点検の際の操作性、利便性を向上させることができる。
【0022】
図5は、左フレームカバーと排トナー収容器の構成を示す側面図である。図5に示すように、クリーニング装置15(Y、C、M、K)によって回収された排トナーは、排トナー搬送手段17(Y、C、M、K)に接続される移送パイプ61(Y、C、M、K)を介して排トナー収容器16に搬送される。また、クリーニング装置18によって回収された排トナーは、排トナー搬送手段19に接続される移送パイプ61を介して排トナー収容器16に搬送される。このとき、作像カートリッジ10の排トナー搬送手段17、19に接続された移送パイプ61、61(Y、C、M、K)の先端は、排トナー収容器16と勘合する構成となる。このような構成にすることで、作像カートリッジ10のみの交換が容易となり、操作性が向上する。また、作像カートリッジ10の寿命が延びても、作像カートリッジ10側の排トナー収容部の容積を増やす必要がなく、寿命が長い作像カートリッジ10でも小型化、低コスト化が可能となる。
【0023】
また、図5に示す排トナー収容器16は、左フレームカバー101と一体化された状態で保持されているが、左フレームカバー101とは別体で構成された状態で左フレームカバー101に保持されてもよい。図6は、左フレームカバーとは別体で構成された排トナー収容器の構成を説明する斜視図である。図6に示すように、この排トナー収容器116は、左フレームカバー101とは別体で構成された状態で左フレームカバー101に保持されている。この排トナー回収容器116は、端部に形成された突起部116aを左フレームカバー101に設けられたスライド部材117に係合させることで、左フレームカバー101に保持される。そして、ライド部材117(当審注:「スライド部材117」の誤記)をスライドさせることにより、排トナー収容器31(当審注:「排トナー収容器116」の誤記)の取り外しが可能となる。
【0024】
このように、排トナー収容器116は左フレームカバー101に保持されている。そのため、装置の保守点検の際、左フレームカバー101を開ければ、排トナー収容器116を取り外さないまま、作像カートリッジ10や中間転写ベルト31の取り外しが可能となる。突発的に作像カートリッジ10や中間転写ベルト31で異常が発生し、これらを交換する必要性が生じても、排トナー回収容器116を取り外す必要がない。よって、装置の保守点検の際、排トナー回収容器116の置き場所に困る心配もなく、排トナー回収容器116からのトナー落ちを最小限に抑えることが可能となる。このように、排トナー収容器116を左フレームカバー101に保持させることにより、保守点検の際の操作性、利便性を向上させることができる。さらに、この排トナー収容器116は、取り外しが可能で、新しい排トナー収容器に交換可能であるため、上述した排トナー収容器16の容積よりも小さくすることができ、省スペース化を図ることができる。」

(1f)「【0027】
なお、図1に示す排トナー収容器は、クリーニング装置に対向する面がフレーム本体100の余剰空間Sに合わせて階段状に形成されているが、排トナー収容器の形状は特に限定されるものではない。図7(当審注:「図8」の誤記)は、図1と異なる形状の排トナー収容器の構成を示す斜視図である。例えば、図7に示す排トナー収容器216は、クリーニング装置15(Y、C、M、K)と対向する面となる上面216Aが、感光体ドラム12(Y、C、M、K)の回転中心を結ぶ線Lと略平行になるように傾斜した傾斜面とされている。そして、図7(当審注:「図8」の誤記)に示す排トナー収容器216は、側面216Cに例えば導入孔62、63、64、65を形成し、移送パイプ61(Y、C、M、K)を側面16C側から導入孔62、63、64、65にそれぞれ接続する形態としている。」

(1g)図1,図3,図5,図6,図8は以下のとおり。



図3から、左フレームカバー101を開けた状態で排トナー収容器16の上方を向いている面は、左フレームカバー101を閉じた状態ではフレーム本体100内部に向くものと認められる。
また、図3,図5及び段落【0022】の記載から、左フレームカバー101を開けた状態で、排トナー収容器16の上方を向いている面には、廃トナーを回収するための入口を有しているものと認められる。

これらを踏まえると、刊行物1には次の発明(以下、「刊行物1発明」という。)が記載されているものと認められる。
「中間転写ベルト31に転写されなかった感光体ドラム12上の転写残トナーは、クリーニング装置15によって回収され、クリーニング装置15によって回収された排トナーは、排トナー搬送手段17(Y、C、M、K)に接続される移送パイプ61(Y、C、M、K)を介して排トナー収容器16に搬送され、
排トナー収容器16は、
左フレームカバー101を開けた状態で排トナー収容器16の上方を向いている面に、排トナーを回収するための入口を有し、当該上方を向いている面は左フレームカバー101を閉じた状態ではフレーム本体100内部を向いており、
また別態様として、左フレームカバー101とは別体で構成された状態で左フレームカバー101に着脱自在に保持された排トナー収容器116は、
端部に形成された突起部116aを左フレームカバー101に設けられたスライド部材117に係合させることで、左フレームカバー101に保持され、スライド部材117をスライドさせることにより、排トナー収容器116の取り外しが可能となる、
画像形成装置。」

1-2)引用刊行物2
本願の優先日前に頒布された特開平4-42263号公報には、図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は当審で付与。)

(2a)「(実施例)
図示された例に従って、本発明の現像装置のトナー補給装置の構成を説明する。
第1図および第2図に示される例は、現像装置にトナーカートリッジを装着した状態を示している。本発明の現像装置1は、ハウジング2の感光体ドラム56側の端部に開口3を設け、該開口部3に現像ローラ5を配置している。
前記現像ローラ5に対しては、上部に薄層形成部材を配置し、トナーを薄層にした状態で、感光体ドラムに向けて露出させ、トナーを感光体ドラムの静電潜像に向けて飛翔させるようにする。
前記現像装置の本体部に設けたカートリッジ装着部10には、トナーカートリツジ20を装着するようにしており、該カートリッジ装着部10とトナーカートリッジ20との間に接続孔部11を設け、該接続孔部にシャッター15を開閉可能に配置している。
また、前記トナーカートリッジ20には、挿入部の手前側にハンドル板部材23を設け、該ハンドル板部月23には手を挿入する孔24を設けている。なお、前記シャッター15の開閉機構については、第7図にしたがって、後で説明を行う。
さらに、前記現像ローラと接続孔部11との間に、撹拌用ロッド4を配置し、該ロッド4を駆動することにより、下部で固化しやすいトナーを撹拌し、トナ-が空間部で固まったりすることを防止しながら、現像ローラに向けて供給するようにしている。
前記カートリッジ装着部10に対して、ハウジングの挿入口の部分に設けた係合凹部28に対して、トナーカートリッジのハンドル板部材23の側部に設けた係止突起27を係合させるようにし、トナーカートリツジ20をカートリッジ装着部10に装着した際に、該トナーカートリッジ20を固定することが出来る。
前記係止突起27は、ハンドル板部材23と分割して設けた側部ハンドル26に設けているもので、該側部ハンドル26を介して揺動させることにより、係止突起27を係合凹部28から離間させて、固定状態を解除する動作を行わせることが出来る。」(3頁左上欄14行?左下欄15行)

(2b)第1図は以下のとおり。



(2)補正発明1の進歩性について
2-1)対比
そこで、補正発明1と刊行物1発明とを対比する。
まず刊行物1発明の「感光体ドラム12」,「転写残トナー」,「クリーニング装置15によって回収された排トナー」,「排トナー収容器16」「排トナー」は、それぞれ補正発明1の「像担持体」,「未転写トナー」,「クリーニングした後の廃トナー」,「廃トナーボトル」に相当する。
刊行物1発明の「排トナー収容器16」は、別態様として「左フレームカバー101とは別体で構成された状態で左フレームカバー101に着脱自在に保持され排トナー収容器116」という構成も取ることから、補正発明1の「廃トナーボトル」と同様に、「画像形成装置本体の外装カバーに装着する構成」を有している。

次に刊行物1発明において、「排トナー収容器16」は、「左フレームカバー101を開けた状態で排トナー収容器16の上方を向いている面に、排トナーを回収するための入口を有し、当該上方を向いている面は、左フレームカバー101を閉じた状態ではフレーム本体100内部を向いて」いることから、補正発明1の「排トナーボトル」と同様に、「外装カバーを閉じた状態では画像形成装置本体と対向する側面に設けられた排トナーを回収するための入口」を有している。

刊行物1発明において、「左フレームカバー101に設けられたスライド部材117」に、「排トナー収容器116」の「端部に形成された突起部116a」を「係合させることで、左フレームカバーに保持され、スライド部材117をスライドさせることにより、排トナー収容器31の取り外しが可能となる」ことから、この「左フレームカバー101に設けられたスライド部材117」と、補正発明1の「ロック機構」とは、「廃トナーボトルが外装カバーから外れることを防止する」「ロック機構」である点で共通している。

したがって、補正発明1と刊行物1発明は、
「画像形成後の像担持体上に残留する未転写トナーをクリーニングした後の廃トナーを回収する画像形成装置本体の外装カバーに装着する構成の廃トナーボトルを備えた画像形成装置において、
前記廃トナーボトルは、前記外装カバーを閉じた状態で前記画像形成装置本体と対向する側面に設けられた廃トナーを回収するための入口を有し、
外装カバーには前記廃トナーボトルが外装カバーから外れることを防止するロック機構とを有する、
画像形成装置。」の点で一致するものの、以下のア),イ)の2点で相違している。

ア)補正発明1の廃トナーボトルには、廃トナーボトルを持つための取っ手が、外装カバーを開いた状態で、廃トナーボトルの入口が設けられた面から取っ手を握ることができる位置に設けられているのに対し、刊行物1発明の廃トナーボトルには、取っ手が設けられていない点。

イ)補正発明1のロック機構は、取っ手に設けられ、取っ手を握りながら、かつ、取っ手を握る動作とは別に操作可能な位置にあるのに対し、刊行物1発明のロック機構は、外装カバー設けられており、補正発明1の様に取っ手を握りながら、かつ、取っ手を握る動作とは別に操作可能な位置では無い点。

2-2)判断
上記相違点について検討する。

相違点ア)
廃トナーボトルに取っ手を設けることは、特開平6-130867号公報(段落【0040】,図3の「取手218」参照。)や特開昭62-156669号公報(3頁左上欄9行?左下欄5行,図1,図2の「把手23」参照。)に記載されている様に、周知の技術である。
そして刊行物1の図3を参照すれば、排トナー収容器16は平たい形状であって、しかも左フレームカバー101に対して左フレームカバー101の面方向に広がるよう取り付けられていることから、左フレームカバー101を開けた状態で排トナー収容器16の上方を向いている面も、左フレームカバー101の面方向に広がっている。そうすれば、取っ手を取り付けようとする当業者であれば、位置を選択する際には、当該上方を向いている面が一番自然に手を伸ばすであろうことは容易に気づくはずである。
ここで、当該上方を向いた面には入口が設けられている訳であるから、刊行物1発明の廃トナーボトルに取っ手を設けるにあたって、外装カバーを開いた状態で、廃トナーボトルの入口が設けられた面から取っ手を握ることができる位置に設けることに格別の困難性はないものである。

相違点イ)
まず、廃トナーボトルに取っ手を設けることは、相違点1)で述べた様に従来より周知の技術である。
そして刊行物2には、取っ手に設けられ、取っ手を握りながら、かつ、取っ手を握る動作とは別に操作可能な位置に設けられたロック機構が記載されている。この取っ手に設けられたロック機構は、排トナーボトル側から動作し、他方に係合するものである。
ここで刊行物1発明のロック機構は、左フレームカバー101のスライド部材117がスライド移動して、排トナー収容器116側の突起部116aに係合するものであるが、ロック機構であるスライド部材117を排トナー収容器116側に設けるか他方側に設けるかは、必要に応じて当業者が適宜選択し得る事項に過ぎないものである。
したがって、刊行物1発明の廃トナーボトルに周知な取っ手を取り付ける際に、ロック機構も廃トナーボトル側である取っ手側に設けることにより、ロック機構を取っ手を握りながら、かつ、取っ手を握る動作とは別に操作可能な位置に設けることは、当業者ならば容易に想到し得たものである。

なお、出願人は回答書において、「廃トナーの入口が上を向いた状態で取っ手を握ることができるため、廃トナーボトルから廃トナーの落下を防止することができるという効果を奏する。」と主張している。
しかしながら、補正発明1において、廃トナーを回収するための入口が、外装カバーを閉じた状態で画像形成装置本体と対向する廃トナーボトルの側面に設けた旨の限定はあるものの、外装カバーが開いた状態での外装カバーの向きについての限定は無いことから、補正発明1が、外装カバーが開いた状態で、廃トナーの入口が上を向いた状態で取っ手を握ることができるかどうか不明である。
また、刊行物1発明においても、外装カバーが開いた状態では、廃トナーの入口は上方を向いており、従来より周知な取っ手を設けることによって、出願人が主張するような、「廃トナーの入口が上を向いた状態で取っ手を握ることができるため、廃トナーボトルから廃トナーの落下を防止することができるという効果を奏する。」ものと認められる。
したがって、出願人の効果に関する主張を採用することはできない。

以上のことから、本件補正発明1は、刊行物1,刊行物2に記載された発明、及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際に独立して特許をうけることができない。

(3)補正の却下の決定についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項の規定において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3 本願発明について
1.本願発明
平成23年 4月 8日付け手続補正は上述のとおり却下されたので、本願の請求項1?12に係る発明は、本件補正前の平成22年 4月20日付け手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?12に記載された事項により特定されるとおりのものであり、そのうち請求項1,2に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」,「本願発明2」という。)は以下のとおりである。

「 【請求項1】
画像形成後の像担持体上に残留する未転写トナーをクリーニングした後の廃トナーを回収する廃トナーボトルを備えた画像形成装置において、
前記廃トナーボトルは、画像形成装置本体の外装カバーに装着する構成であって、前記廃トナーボトルを持つための取っ手を設け、前記取っ手に、画像形成装置本体の外装カバーから外れることを防止するためのロック機構を設けた
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
画像形成後の像担持体上に残留する未転写トナーをクリーニングした後の廃トナーを回収する廃トナーボトルを備えた画像形成装置において、
前記廃トナーボトルは、画像形成装置本体の外装カバーに装着する構成であって、前記廃トナーボトルを持つための取っ手を設け、前記取っ手の近傍に、画像形成装置本体の外装カバーから外れることを防止するためのロック機構を設けた
ことを特徴とする画像形成装置。」

2.引用刊行物
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された特開2004-145290号公報の記載事項は、前記第2 3.(1) 1-1)に記載したとおりである。

同じく特開2000-19914号公報(以下、「刊行物3」という。)には、図面とともに以下の事項が記載されている。(下線は当審で付与。)

(3a)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 転写材に転写されないで像担持体上に残ったトナーを廃トナーとして集めて搬送する廃トナーパイプと廃トナーを溜めておく廃トナーボックスを前記像担持体から離れた位置に配置して成る画像形成装置の廃トナー処理装置において、
前記廃トナーパイプの端部に前記廃トナーボックスに廃トナーを排出する開口部と該開口部を塞ぐシャッター部材を設け、前記シャッター部材の開閉を前記廃トナーボックスの画像形成装置内部への脱着動作に連動して行うよう構成したことを特徴とする画像形成装置における廃トナー処理装置。
【請求項2】 前記廃トナーボックスを画像形成装置内部にセットした状態では、前記廃トナーパイプの端部に設けられた連結部材と前記廃トナーボックスに設けられた連結部材とが連結されて前記廃トナーボックスのリセット方向への移動が阻止されるよう構成したことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置における廃トナー処理装置。
【請求項3】 画像形成装置内部にセットされた前記廃トナーボックスのリセットは前記廃トナーパイプの端部に設けられた連結部材と前記廃トナーボックスに設けられた連結部材との連結状態を解除することにより行われ、前記シャッター部材の閉方向への移動力によって前記廃トナーボックスがリセット方向に移動するよう構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置における廃トナー処理装置。」

(3b)「【0022】以上一連の動作において前記クリーニング装置106によって除去された感光ドラム103上の廃トナーは、前記廃トナーパイプ115によって搬送されて前記廃トナーボックス116内に回収されて溜められる。
【0023】ここで、感光ドラム103、現像器104、クリーニング装置106、廃トナーパイプ115及び廃トナーボックス116の位置関係を図2に示す。尚、図2は画像形成装置を斜め背面側から見た斜視図である。
【0024】又、図3に廃トナーパイプ115の先端部分(廃トナーボックス116に連結されて該廃トナーボックス116内に廃トナーを排出する側)の構成の詳細を示しており、同図において、1は廃トナーを廃トナーパイプ115内で搬送するための搬送スクリューであり、該廃トナースクリュー1で搬送された廃トナーは、廃トナーパイプ115に形成された開口部115-1から矢印A方向に自重落下して廃トナーボックス116内へと排出される。
【0025】2は前記開口部115-1を塞ぐためのシャッター部材であり、これはバネ3によって矢印B方向(開口部115-1を塞ぐ方向)に常時付勢されている。
【0026】5は前記シャッター部材2の矢印B方向の移動を規制するストッパー部材であり、その端部には鍵部5-1が形成されている。7は固定部材であり、これは軸6を中心として回転可能に保持されており、弾性部材8によって矢印C方向に付勢されている。
【0027】図4は廃トナーパイプ115と廃トナーボックス116をセットする状態を示す斜視図であり、廃トナーボックス116は画像形成装置本体内部に配せられたセット板金10と位置決め板金11に嵌合することによって所定の位置にセットされる。即ち、廃トナーボックス116の両側面には凹部116-2が長さ方向に形成されており、その上部には凸部116-1が形成されている。又、前記セット板金10の相対する位置には凸部10-1が形成されている。従って、廃トナーボックス116の凸部116-1と凹部116-2を前記位置決め板金111とセット板金10の凸部10-1にそれぞれ嵌合させることによって廃トナーボックス116が所定の位置にセットされるが、このとき、廃トナーパイプ115の先端が廃トナーボックス116に開口する円孔116-3にスムーズに導かれる。
【0028】ここで、廃トナーパイプ115の先端が廃トナーボックス116にセット又はリセットされるときの動作を図5?図7の部分断面図に基づいて説明する。
【0029】図5は廃トナーボックス116を矢印BB方向にセットするときの状態を示しており、このとき、廃トナーボックス116の一部に形成された軸116-4に回転自在に支持されたレバー9が図6に示すように前記固定部材7を前記弾性部材8の付勢力に抗して矢印CC方向に移動させながら、且つ、軸116-4を中心として矢印C方向に回転しながら矢印BB方向に移動していく。
【0030】図7は廃トナーボックス116が廃トナーパイプ115の先端にセットされた状態を示している。このとき、前記レバー9の端部に形成された鍵部9-1と前記ストッパー部材5の端部に設けられた鍵部5-1とが係合して廃トナーボックス116の矢印B方向への移動が阻止される。
【0031】又、廃トナーパイプ115に設けられた前記シャッター部材2は、廃トナーボックス116が矢印BB方向にセットされるときにそのフランジ部2-1が廃トナーボックス116の前記円孔116-3の周囲に形成されたフランジ部116-5に当接することによってバネ3の付勢力に抗して矢印BB方向に移動する。すると、廃トナーパイプ115の前記開口部115-1が露出することとなり、廃トナー搬送スクリュー1によって搬送される廃トナーが開口部115-1から廃トナーボックス116内に排出されて溜められる。
【0032】尚、廃トナーボックス116を矢印B方向にリセットする場合の手順と作用は以上とは逆となり、レバー9とストッパー部材5の連結状態はユーザーがレバー9を矢印CC方向に回動させることによって容易に解除され、廃トナーボックス116のリセットが可能となる。このとき、シャッター部材3はバネ3の付勢力によって閉じられ、該シャッター部材3の閉じ方向への移動力によって廃トナーボックス116がリセット方向に移動する。
【0033】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明によれば、廃トナーパイプの端部に形成された開口部のシャッター部材による開閉を廃トナーボックスの画像形成装置内部への脱着動作に連動して行うようにしたため、トナーの漏れによる汚染を招くことなく廃トナーボックスのチェックと交換を容易に行うことができるという効果が得られる。」

(3c)図3,図4,図5,図6,図7は以下のとおり。


3.本願発明の進歩性について
3-1)対比
本願発明1,2と刊行物1発明を対比する。
まず刊行物1発明の「感光体ドラム12」,「転写残トナー」,「クリーニング手段15によって回収された排トナー」「排トナー収容器16」は、それぞれ本願発明1,2の「像担持体」,「未転写トナー」,「クリーニングした後の廃トナー」,「廃トナーボトル」に相当する。
刊行物1発明の「排トナー収容器16」は、「左フレームカバー101とは別体で構成された状態で左フレームカバー101に着脱自在に保持され」るものであることから、本願発明1,2の「廃トナーボトル」と同様に、「画像形成装置本体の外装カバーに装着する構成」を有している。

刊行物1発明において、「排トナー収容器」の「端部に形成された突起」は、「左フレームカバーに設けられたスライド部材117に係合させることで、左フレームカバーに保持され、スライド部材117をスライドさせることにより、排トナー収容器31の取り外しが可能となる」ことから、本願発明1,2のロック機構の一部を構成している。

刊行物1発明において、「排トナー収容器」の「端部に形成された突起」は、「左フレームカバーに設けられたスライド部材117に係合させることで、左フレームカバーに保持される。スライド部材117をスライドさせることにより、排トナー収容器31の取り外しが可能となる」ことから、この「端部に形成された突起」は、本願発明1,2の「ロック機構」とは、「廃トナーボトルが外装カバーから外れることを防止する」点で共通している。

したがって、本願発明1,2と刊行物1発明は、
「画像形成後の像担持体上に残留する未転写トナーをクリーニングした後の廃トナーを回収する廃トナーボトルを備えた画像形成装置において、
前記廃トナーボトルは、前記画像形成装置本体の外装カバーに装着する構成であって、
外装カバーから外れることを防止するためのロック機構を設けた
画像形成装置。」の点で一致するものの、以下の点で相違している。

〔相違点〕本願発明1,2の排トナーボトルは、廃トナーボトルを持つための取っ手を設け、前記取っ手または取っ手の近傍にロック機構を設けているのに対して、刊行物1発明の排トナーボトルには、取っ手が設けられておらず、取っ手にロック機構が設けられていない点。

3-2)判断
上記〔相違点〕について検討する。
刊行物3において、排トナーボックスの上部に凸部116-1が形成されている。この凸部116-1は位置決め板金11に嵌合して所定位置にセットされるものであるが、図面を参照すると、凸部の形状が水平方向に平板状に突出した凸形状であり、凸部116-1の根元を中心に回動可能にレバー9が設けられている点を考慮すれば、凸部116-1は、排トナーボックスの取っ手として機能していることは、当業者にとって自明な事項であるものと認める。
そしてレバー9が凸部116-1の根元を中心に回動可能であることから、レバー9は凸部116-1に設けられている、もしくは凸部116-1の近傍に設けられているということができる。
また、このレバー9の端部に形成された鍵部9-1と、ストッパー部材5の端部に設けられた鍵部5-1とが係合することから、レバー9はロック部材の一部に相当し、ロック部材の一部が取っ手もしくは取っ手の近傍に設けられていると言うことができる。

刊行物1発明のロック機構及び刊行物3に記載のロック機構は、ともに排トナーボトルを取り付けるためのものであることから、刊行物1発明に、刊行物3に記載された取っ手とロック機構を適用して、廃トナーボトルを持つための取っ手を設け、前記取っ手または取っ手の近傍にロック機構を設けることは、当業者ならば容易に想到し得たものである。

4.むすび
以上のとおり、本願の請求項1および請求項2に係る発明は、刊行物1および刊行物3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、本願は、その他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-12-20 
結審通知日 2011-12-27 
審決日 2012-01-11 
出願番号 特願2004-338913(P2004-338913)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G03G)
P 1 8・ 575- Z (G03G)
P 1 8・ 572- Z (G03G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 村上 勝見  
特許庁審判長 木村 史郎
特許庁審判官 立澤 正樹
住田 秀弘
発明の名称 画像形成装置及び廃トナーボトル脱着方法  
代理人 奥山 雄毅  
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