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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1252748 |
審判番号 | 不服2010-6789 |
総通号数 | 148 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-04-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-04-01 |
確定日 | 2012-02-22 |
事件の表示 | 特願2005-133828「データ・ストレージ・システム間でのポイント・イン・タイム・コピー」拒絶査定不服審判事件〔平成17年11月17日出願公開、特開2005-322237〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成17年5月2日(パリ条約による優先権主張 2004年5月5日、米国)の出願であって、平成21年6月1日付け拒絶理由通知に対し、平成21年9月8日付けで手続補正がなされたが、平成21年11月24日付けで拒絶査定され、これに対し、平成22年4月1日に拒絶査定不服の審判が請求されるとともに、同時に手続補正がなされたものである。 第2 平成22年4月1日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成22年4月1日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1.本件補正前及び本件補正後の本願発明 本件補正は、特許請求の範囲についてするもので、 (a)本件補正前の請求項1、7、13、14、15に記載された「ポイント・イン・タイム・コピー・データ」への「アクセス」又は「取得」について、「ポイント・イン・タイム・コピー・データに関する要求を前記ターゲット・データ・ストレージ・システムが受信したことに応じて」との限定を付し、 (b)請求項15に「前記ターゲット・ストレージ・システム」とあったところを、「前記ターゲット・データ・ストレージ・システム」と補正するものである。 よって、少なくとも請求項1についての補正は、特許法第17条の2第4項第2号(特許請求の範囲の減縮)に掲げる事項を目的とするものである。 そこで、本件補正後の特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項に規定する要件を満たすか)否かを、請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)について以下に検討する。 本願補正発明は、次のとおりのものである。 「【請求項1】 ソース・データ・ストレージ・システムとターゲット・データ・ストレージ・システムとの間でデータのポイント・イン・タイム・コピーを提供するための情報処理システムであって、 前記ターゲット・データ・ストレージ・システムを前記ソース・データ・ストレージ・システムにリンクさせるための、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのピアツーピア通信リンク・インターフェースと、 前記ピアツーピア通信リンク・インターフェースを介して前記ソース・データ・ストレージ・システムから受信したポイント・イン・タイム・コピー・データを格納するための、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのデータ・ストレージと、 前記ポイント・イン・タイム・コピー・データの受信前に、前記ポイント・イン・タイム・コピー・データの論理識別を、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで格納されたポイント・イン・タイム・コピー・データと、前記ソース・データ・ストレージ・システムで格納されたポイント・イン・タイム・コピー・データとに関連付ける情報を確立する、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのテーブルであって、前記テーブルの前記情報が、要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データを有する前記データ・ストレージ・システムのうちの1つを参照することが可能である、テーブルと、 ポイント・イン・タイム・コピー・データに関する要求を前記ターゲット・データ・ストレージ・システムが受信したことに応じて、前記テーブルの前記情報が、前記要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データが前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで入手可能であることを示す場合は、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで前記要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データにアクセスし、そうでない場合は、前記要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データを前記ソース・データ・ストレージ・システムから前記ピアツーピア通信リンク・インターフェースを介して取得する、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのコントローラと、 を備える、情報処理システム。」 2.引用例 原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先日前に頒布された刊行物である、特開2002-297455号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに以下の技術事項が記載されている。 (イ)「【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、論理ディスク等のデータ領域間の複写を行うためのデータ領域間の複写処理方法、記憶システムに関し、特に、遠隔地に通信可能に配置された正センタと副センタとで構成されるリモートシステムにおいて、正センタに備えられたデータ領域を副センタに備えられたデータ領域へ複写する指示に応じて、直ちにデータ領域へのアクセスを可能とするデータ領域間の複写処理方法、記憶システムに関する。」(第3欄第48行?第4欄第7行)、 (ロ)「【0026】そのアクセスを処理するステップは、まず、前記アクセス対象ブロックが、複写処理が完了しているブロックに対するものか否かをデータ領域毎に判断した後、当該判断に基づいて、以下の処理ステップを有する。 【0027】アクセスが、複写元データ領域の複写未完了ブロックへの更新アクセスである場合には、複写元データ領域のアクセス対象ブロックに格納されているデータを、中間媒体データ領域へ複写した後、複写元データ領域の前記アクセス対象ブロックを更新する。 【0028】アクセスが、複写先データ領域の複写未完了ブロックであって複写元データ領域から中間媒体データ領域へのデータ複写未完了ブロックへの参照アクセスである場合には、複写元データ領域のデータを参照する。 【0029】アクセスが、複写先データ領域の複写未完了ブロックであって複写元データ領域から中間媒体データ領域のデータ複写完了ブロックへの参照アクセスである場合には、複写元データ領域のデータ又は中間媒体データ領域のデータを参照する。装置の処理性能を考慮すれば、一般的には後者が望ましいが、キャッシュメモリ上にデータが存在するなど、様々な要因により具体的な性能の優劣は異なる。」(第7欄第20?42行)、 (ハ)「【0035】第2に、アクセス対象領域が複写完了領域か複写未完了領域か、更に中間媒体への複写が完了しているか否かによって、アクセス処理を変更している。即ち、複写完了領域への参照及び更新アクセスは、複写が完了しているので、アクセスを許可する。一方、複写未完了領域へのアクセスは、複写指示時のデータを保存しつつ、アクセスを許可する。即ち、複写元データ領域の複写未完了領域への参照アクセスは、データの変更がないため、そのまま許可する。複写元データ領域の複写未完了領域への更新アクセスは、そのまま更新すると、更新前の未複写データが消失する。このため、複写元データ領域のアクセス対象領域を、複写先データ領域へ複写して、更新前のデータを複写先データ領域に移す。その後、複写元データ領域のアクセス対象領域を更新する。これにより、論理的には、複写指示時の更新前のデータを複写することができる。 【0036】しかし、正センタと副センタとが遠隔地に配置され、通信回線を介してデータの二重化を行うリモートシステムの場合には、上記手順をそのまま適用することはできない。リモートシステムにおいては、正センタと副センタとの間のデータの転送に、同一記憶システム内で行う記憶装置間のデータ転送処理の、実に4倍もの時間を要するからである。これは、正センタと副センタとの距離が数百キロにも及ぶ場合があることと、通信に一般専用線等を利用していることに起因する。 【0037】そうすると、データ複写中に、複写元データ領域の複写未完了ブロックに更新処理が行われると、当該ブロックを副センタに複写する動作が必要となる。この複写処理が完了するまで、複写元データ領域の複写未完了ブロックに対する、上位装置からの更新処理は待たされることになる。上位装置からの更新処理は著しく遅延することとなり、装置性能を大幅に低下させる。 【0038】このため、特に、リモートシステムの場合には、中間媒体が必要となる。正センタから副センタのデータ複写が開始されると、まず、複写元データ領域から中間媒体データ領域に対する複写が開始される。この複写は同一記憶システム内で実行されるので、複写処理中に前述のような、複写元データ領域の複写未完了ブロックに対する更新処理が行われたとしても、当該ブロックの中間媒体への複写は比較的短い時間で終了する。このため、装置性能の低下は最低限度に抑えられ、通常は問題とならない範囲で収まる。」(第8欄第23行?第9欄第14行)、 (ニ)【0043】本発明の他の態様は、前記データ領域が論理ディスクで構成することにより,RAIDシステムでの論理ディスク間の複写が容易にできる。更に、本発明の他の態様では、前記アクセス処理ステップは、更に、前記複写元データ領域の参照アクセスに対し、前記複写元データ領域の前記アクセス対象領域を参照するステップと、前記複写先データ領域の複写完了領域へのアクセスに対し、前記複写先データ領域の前記アクセス対象領域を参照又は更新するステップとを有する。 【0044】本発明の他の態様は、前記複写先データ領域の複写未完了領域への参照ステップは、前記複写元データ領域の前記アクセス対象領域を参照した後、前記参照した複写元データ領域の前記アクセス対象領域を、前記複写先データ領域へ複写するステップからなる。これにより、参照と共に、複写が可能となる。 【0045】もちろん、中間媒体を備えているので、中間が痛い領域への複写が完了していれば、そちのデータを参照することもできる。 【0046】本発明の他の態様は、前記複写ステップは、前記各領域の複写状況を示す管理情報を参照して、次の複写領域を決定するステップと、前記複写領域の複写完了時に、前記複写領域の管理情報を更新するステップを有する。又、前記アクセスステップは、前記管理情報を参照して、前記アクセス対象領域が複写完了領域か複写未完了領域かを判定するステップを有する。 【0047】管理情報を設けているので、アクセス対象領域のデータを先に複写しても、その領域が再度複写されることを防止できる。又、管理情報により、アクセス対象領域が複写完了領域か複写未完了領域かを判定するため、正確にアクセス領域が、複写完了領域か複写未完了領域かを判定できる。」(第9欄第42行?第10欄第22行)(当審注:第【0045】段落に「中間が痛い」とある記載は、「中間媒体」の誤記と認められる。)、 (ホ)「【0050】本発明の他の態様は、前記複写ステップは、前記各領域の複写状況を示すフラグで示すビットマップを参照して、次の複写領域を決定するステップと、前記複写領域の複写完了時に、前記ビットマップの前記複写領域のフラグを更新するステップを有する。管理情報をビットマップで表現するため、管理情報の占めるメモリ領域を少なくすることができる。」(第10欄第40?46行)、 (ヘ)「【0057】 【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施の形態の記憶システムのブロック図、図2は図1のコピー処理フロー図、図3は、図1のビットマップメモリの説明図である。 【0058】図1に示すように、RAIDシステムでは、論理ディスク1は、1又は複数の物理ディスクで構成される。物理ディスクは、磁気ディスクや光ディスクを使用することができる。論理ディスク2は、1又は複数の物理ディスクで構成される。正センタ側ディスクコントローラ14は、ホストの指示に応じて、論理ディスク1、2をアクセスする。 【0059】ディスクコントローラ14は、プロセッサ(CPU)4と、メモリ(主記憶)7とを有する。メモリ7には、論理ディスク1のキャッシュ領域(キャッシュメモリという)9と、論理ディスク2のキャッシュ領域(キャッシュメモリという)11とが設けられている。又、メモリ7には、論理ディスク1の複写状態を管理するためのビットマップエリア(ビットマップという)8と、論理ディスク2の複写状態を管理するためのビットマップエリア(ビットマップという)10とが設けられている。 【0060】即ち、ビットマップ8、10は、図3(A)に示すように、論理ディスク1、2の複写範囲の各データブロックに対して、1ビットを割り当て、未複写ブロックを「1」、複写済ブロックを「0」として、データブロックの複写状態を管理する。プロセッサ4は、メモリ7に格納されたファームウェアの記述に基づいて動作する。そして、ビットマップ8、10を用いて、論理ディスクの複写範囲を各データブロック単位で複写する。 【0061】論理ディスク3もまた、1又は複数の物理ディスクで構成される。副センタ側ディスクコントローラ15は、ホストの指示及び正センタの指示に応じて、論理ディスク3をアクセスする。また、通信回線を介して、副センタの複写先データ領域に対するアクセスも可能である。 【0062】ディスクコントローラ15は、プロセッサ(CPU)6と、メモリ(主記憶)16とを有する。メモリ16には、論理ディスク3のキャッシュ領域(キャッシュメモリという)13が設けられている。又、メモリ16には、論理ディスク3の複写状態を管理するためのビットマップエリア(ビットマップという)12が設けられている。 【0063】即ち、ビットマップ12は、図3(A)に示すように、論理ディスク3の複写範囲の各データブロックに対して、1ビットを割り当て、未複写ブロックを「1」、複写済ブロックを「0」として、データブロックの複写状態を管理する。プロセッサ6は、メモリ7に格納されたファームウェアの記述に基づいて動作する。そして、ビットマップ12を用いて、論理ディスクの複写範囲を各データブロック単位で複写する。 【0064】図2のコピー処理フローに従い、複写処理を説明する。ここで、複写元を論理ディスク1、中間媒体を論理ディスク2、複写先を論理ディスク3とする。 【0065】(S0)ホストは、コピー開始に当たり、ディスクコントローラ14に複写指示を与える。プロセッサ4は、複写指示を受けると、ホストに複写完了を通知する。これにより、ホストは、論理ディスク1、2、3のアクセスが可能となる。 【0066】(S1)プロセッサ4は、複写元ビットマップ8の複写済みブロック情報を未複写に設定する。プロセッサ4は、複写先ビットマップ12の複写済みブロック情報を未複写に設定するよう、副センタに指示する。プロセッサ4は、中間媒体用ビットマップ10の複写済みブロック情報を複写済みに設定する。図3(B)に示すように、ビットマップ6、10の各ビットは、未複写の「1」に設定される。ビットマップ8の各ビットは、複写済の「0」に設定される。 【0067】この後、プロセッサ4は、複写元から中間媒体への複写を実行しつつ、中間媒体から複写先への複写(S8以降)を並列に実行する。」(第11欄第31行?第13欄第2行)(当審注:第【0066】段落に「ビットマップ6、10」、「ビットマップ8」とある記載は、それぞれ「ビットマップ8、12」、「ビットマップ10」の誤記と認められる。)、 (ト)「【0131】図15は、副センタに接続されたホスト100が、複写先論理ディスク3の複写未完了ブロックに対して参照要求を行った状態を示す図である。この場合、プロセッサ6は当該領域の複写を正センタに要求し、正センタからの日複写が完了した後、当該データをホストに送信する。この後、当該領域への複写を禁止するため、ビットマップ12を更新し、該当するブロックに対応するビットを複写済「0」にセットする。」(第19欄第48行?第20欄第5行)(当審注:「正センタからの日複写」とある記載は、「正センタからの複写」の誤記と認められる。)、 (チ)「【0146】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、次の効果を奏する。 【0147】(1)複写元論理ディスク等のデータ領域を複数に分割し、分割された領域単位で、複写先論理ディスク等の他のデータ領域へ複写するようにして、複写中に、アクセス要求があった時は、複写動作を中断し、アクセス要求を実行するため、実データを複写しながら、アクセス要求を受け付け、複写元及び複写先論理ディスクへの参照及び更新アクセスを行うことができる。」(第24欄第1?10行)、 (リ)「【0149】(2)このようにしても、複写元論理ディスク等のデータ領域の複写未完了領域への更新アクセスは、複写元論理ディスク等のデータ領域のアクセス対象領域を、複写先論理ディスクへ複写した後、複写元論理ディスクのアクセス対象領域を更新するので、複写指示時の更新前のデータを複写することができる。 【0150】(3)複写先論理ディスクの複写未完了領域への参照アクセスに対し、複写元論理ディスクの当該領域のデータを読みだすため、複写先論理ディスクの複写未完了領域であっても、当該領域の複写データを参照することができる。」(第24欄第18?28行) また、引用例の図3には、ビットマップの説明として、先頭データブロックから最終データブロックまでのそれぞれのデータブロックごとに、「複写済」又は「未複写」のフラグを設定することが記載されている。 引用例の上記記載事項及び図面を総合勘案すると、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。 「遠隔地に通信回線を介して通信可能に配置された正センタと副センタとで構成されるリモートシステムにおいて、正センタに備えられたデータ領域を副センタに備えられたデータ領域へ複写する指示に応じて、直ちにデータ領域へのアクセスを可能とする記憶システムであって、 正センタ側ディスクコントローラ14は、ホストの指示に応じて、論理ディスク1をアクセスし、ディスクコントローラ14は、プロセッサ4と、メモリ7とを有し、メモリ7には、論理ディスク1の複写状態を管理するためのビットマップエリア(ビットマップという)8が設けられており、 副センタ側ディスクコントローラ15は、ホストの指示及び正センタの指示に応じて、論理ディスク3をアクセスし、ディスクコントローラ15は、プロセッサ6と、メモリ16とを有し、メモリ16には、論理ディスク3の複写状態を管理するためのビットマップエリア(ビットマップという)12が設けられ、ビットマップ12は、論理ディスク3の複写範囲の各データブロックの複写状態を管理し、 ホストは、コピー開始に当たり、ディスクコントローラ14に複写指示を与え、プロセッサ4は、複写元ビットマップ8の複写済みブロック情報を未複写に設定し、複写先ビットマップ12の複写済みブロック情報を未複写に設定するよう、副センタに指示し、この後、プロセッサ4は、複写元から複写先への複写を実行し、該複写は、データ転送に長時間を要するので、正センタ側の中間媒体を介して行われ、 管理情報はビットマップで表現され、ビットマップでは、先頭データブロックから最終データブロックまでのそれぞれのデータブロックごとに、複写済、未複写のフラグが設定され、 複写ステップは、各複写領域の複写状況を示すフラグで示すビットマップを参照して、次の複写領域を決定するステップと、前記複写領域の複写完了時に、前記ビットマップの前記複写領域のフラグを更新するステップを有し、 アクセスステップは、前記管理情報を参照して、前記アクセス対象領域が複写完了領域か複写未完了領域かを判定するステップを有し、前記複写先データ領域の複写完了領域へのアクセスに対しては、前記複写先データ領域の前記アクセス対象領域を参照し、 副センタに接続されたホスト100が、複写先論理ディスク3の複写未完了ブロックに対して参照要求を行った場合、プロセッサ6は当該領域の複写を正センタに要求し、正センタからの複写が完了した後、当該データをホストに送信し、 複写元論理ディスク等のデータ領域の複写未完了領域への更新アクセスがあったとしても、複写元論理ディスク等のデータ領域のアクセス対象領域を、複写先論理ディスクへ複写した後、複写元論理ディスクのアクセス対象領域を更新するので、複写指示時の更新前のデータを複写することができ、複写先論理ディスクの複写未完了領域への参照アクセスに対し、複写元論理ディスクの当該領域のデータを読みだすため、複写先論理ディスクの複写未完了領域であっても、当該領域の複写データを参照することができる、記憶システム。」 3.対比・判断 本願補正発明を引用発明と対比する。 引用発明における「論理ディスク1」と「正センタ側ディスクコントローラ14」とを含む「正センタ」は、「複写元」であるから、本願補正発明の「ソース・データ・ストレージ・システム」に相当する。 次に、引用発明における「論理ディスク3」と「ディスクコントローラ15」とを含む「副センタ」は、「複写先」であるから、本願補正発明の「ターゲット・データ・ストレージ・システム」に相当する。 次に、引用発明において「正センタに備えられたデータ領域を副センタに備えられたデータ領域へ複写する」ことと、本願補正発明の「ソース・データ・ストレージ・システムとターゲット・データ・ストレージ・システムとの間でデータのポイント・イン・タイム・コピーを提供する」こととは、ソース・データ・ストレージ・システムとターゲット・データ・ストレージ・システムとの間でデータのコピーを提供する、点で一致する。 次に、引用発明において、「遠隔地に通信回線を介して通信可能に配置された正センタと副センタ」とが対等に「通信回線」で結ばれていることは明らかであるから、引用発明の「通信回線」が、本願補正発明の「前記ターゲット・データ・ストレージ・システムを前記ソース・データ・ストレージ・システムにリンクさせるための、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのピアツーピア通信リンク」に相当する。 次に、引用発明において、「複写先」、すなわち「副センタ」の「論理ディスク3」には、「複写元」すなわち「正センタ」の「論理ディスク1」から、「中間媒体」及び「通信回線」を介して複写のデータが送られており、該「通信」のためのインタフェースが「副センタ」に備えられていることは明らかであるから、引用発明の「複写先」、すなわち「副センタ」の「論理ディスク3」と本願補正発明の「前記ピアツーピア通信リンク・インターフェースを介して前記ソース・データ・ストレージ・システムから受信したポイント・イン・タイム・コピー・データを格納するための、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのデータ・ストレージ」とは、前記ピアツーピア通信リンク・インターフェースを介して前記ソース・データ・ストレージ・システムから受信したコピー・データを格納するための、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのデータ・ストレージ、の点で一致する。 次に、引用発明は、「ホストは、コピー開始に当たり、ディスクコントローラ14に複写指示を与え、プロセッサ4は、複写元ビットマップ8の複写済みブロック情報を未複写に設定し、複写先ビットマップ12の複写済みブロック情報を未複写に設定するよう、副センタに指示」しているから、引用発明の「複写先ビットマップ12」は、コピー開始前(すなわち複写のデータブロックの受信前)に確立されていることがわかる。 また、引用発明では、「複写ステップ」は「前記複写領域の複写完了時に、前記ビットマップの前記複写領域のフラグを」「未複写」から「複写済」に「更新」しているから、「ビットマップ」のフラグが「未複写」を示す場合には、該フラグの位置によって識別される「データブロック」は「正サイト」にあることを示し、「ビットマップ」のフラグが「複写済」を示す場合には、該フラグの位置によって識別される「データブロック」は「副サイト」にあることになる(言い換えると、フラグの内容(「未複写」、「複写済」)は、該フラグの位置によって識別される情報と、該データブロックの所在とを関連付ける情報である。)。 よって、引用発明において、コピー開始前に(すなわち複写のデータブロックの受信前に)、フラグの位置によって識別される情報を、「正サイト」にある「データブロック」と、「副サイト」にある「データブロック」とに関連付ける、フラグの内容(「未複写」、「複写済」)を確立する「ビットマップ」と、本願補正発明の「前記ポイント・イン・タイム・コピー・データの受信前に、前記ポイント・イン・タイム・コピー・データの論理識別を、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで格納されたポイント・イン・タイム・コピー・データと、前記ソース・データ・ストレージ・システムで格納されたポイント・イン・タイム・コピー・データとに関連付ける情報を確立する、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのテーブル」とは、前記コピー・データの受信前に、コピー・データを識別し得る情報を、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで格納されたコピー・データと、前記ソース・データ・ストレージ・システムで格納されたコピー・データとに関連付ける情報を確立する、配列データ、の点で一致する。 次に、引用発明において、「ビットマップ」によって表現された「管理情報」は、データの「アクセスステップ」において「参照」され、「管理情報により、アクセス対象領域が複写完了領域か複写未完了領域かを判定する」ために用いられている。 よって、引用発明の「ビットマップ」には、アクセスの対象とされたデータが、複写完了領域のデータ(すなわち、副センタを参照すべきデータ)であるのか、複写未完了領域のデータ(すなわち、正センタを参照すべきデータ)であるのかを判定するための、フラグの内容(「未複写」、「複写済」)が設定されているのであるから、引用発明の「ビットマップ」は、本願補正発明の「前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのテーブルであって、前記テーブルの前記情報が、要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データを有する前記データ・ストレージ・システムのうちの1つを参照することが可能である、テーブル」とは、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムの配列データであって、前記配列データの前記情報が、要求されたコピー・データを有する前記データ・ストレージ・システムのうちの1つを参照することが可能である、配列データ、である点で一致する。 次に、引用発明の「ディスクコントローラ15」の「プロセッサ6」は、「副センタに接続されたホスト100が、複写先論理ディスク3の複写未完了ブロックに対して参照要求を行った場合、」「当該領域の複写を正センタに要求し、正センタからの複写が完了した後、当該データをホストに送信」している。そして、該「要求」と「送信」とが「遠隔地に通信可能に配置された正センタと副センタ」とを対等に結ぶ「通信回線」を介して行われていること、及び、「副センタ」に該通信のためのインターフェースが備えられていることは明らかであるから、引用発明の「ディスクコントローラ15」と本願補正発明の「ポイント・イン・タイム・コピー・データに関する要求を前記ターゲット・データ・ストレージ・システムが受信したことに応じて、前記テーブルの前記情報が、前記要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データが前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで入手可能であることを示す場合は、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで前記要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データにアクセスし、そうでない場合は、前記要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データを前記ソース・データ・ストレージ・システムから前記ピアツーピア通信リンク・インターフェースを介して取得する、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのコントローラ」とは、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで入手可能でないコピー・データに関する要求を前記ターゲット・データ・ストレージ・システムが受信したことに応じて、前記要求されたコピー・データを前記ソース・データ・ストレージ・システムから前記ピアツーピア通信リンク・インターフェースを介して取得する、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのコントローラ、の点で一致するといえる。 次に、引用発明の「記憶システム」が、次の相違点は別として、本願補正発明の「情報処理システム」に相当する。 すると、本願補正発明と引用発明とは、次の点で一致する。 <一致点> ソース・データ・ストレージ・システムとターゲット・データ・ストレージ・システムとの間でデータのコピーを提供するための情報処理システムであって、 前記ターゲット・データ・ストレージ・システムを前記ソース・データ・ストレージ・システムにリンクさせるための、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのピアツーピア通信リンク・インターフェースと、 前記ピアツーピア通信リンク・インターフェースを介して前記ソース・データ・ストレージ・システムから受信したコピー・データを格納するための、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのデータ・ストレージと、 前記コピー・データの受信前に、前記コピー・データを識別し得る情報を、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで格納されたコピー・データと、前記ソース・データ・ストレージ・システムで格納されたコピー・データとに関連付ける情報を確立する、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムの配列データであって、前記配列データの前記情報(関連付ける情報)が、要求されたコピー・データを有する前記データ・ストレージ・システムのうちの1つを参照することが可能である、配列データと、 前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで入手可能でないコピー・データに関する要求を前記ターゲット・データ・ストレージ・システムが受信したことに応じて、前記要求されたコピー・データを前記ソース・データ・ストレージ・システムから前記ピアツーピア通信リンク・インターフェースを介して取得する、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのコントローラと、 を備える、情報処理システム。 また、両者は次の点で相違する。 <相違点1> 本願補正発明では、コピー・データが「ポイント・イン・タイム・コピー・データ」であるのに対し、引用発明では、「複写」される「データブロック」(本願補正発明の「コピー・データ」に相当する。以下同じ。)が「ポイント・イン・タイム・コピー・データ」とは記載されていない点。 <相違点2> 本願補正発明では、コピー・データを識別し得る情報として「論理識別」を用い、配列データとして「テーブル」を用いているのに対し、引用発明では、コピー・データを識別し得る情報として、「フラグ」の位置を用い、配列データとして「ビットマップ」を用いている点。 <相違点3> 本願補正発明では、「ポイント・イン・タイム・コピー・データに関する要求を前記ターゲット・データ・ストレージ・システムが受信したことに応じて、前記テーブルの前記情報が、前記要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データが前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで入手可能であることを示す場合は、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで前記要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データにアクセスし、そうでない場合は、前記要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データを前記ソース・データ・ストレージ・システムから前記ピアツーピア通信リンク・インターフェースを介して取得する」のに対し、引用発明では、「副センタに接続されたホスト100が、複写先論理ディスク3」「に対して参照要求を行った場合」、該参照要求が「複写済み」ブロックに対する参照要求であるのか、「未複写」ブロックに対する参照要求であるのかをどのように判断しているのか明らかでなく、さらに、該参照要求が「複写済み」ブロックに対する参照要求である場合は、どのような処理を行っているのか明らかでない点。 そこで上記相違点について検討すると、 <相違点1>について: 本願補正発明でいう「ポイント・イン・タイム・コピー」とは、請求人が平成21年9月8日付け意見書にて述べているとおり、「ある特定時点でのデータのコピー」であって、「データは、スケジュール通りに、またはオリジナルデータが更新されるときに、転送することができ」(本願明細書第【0028】段落、第5文)、「オリジナルのデータがソースに保持されているのであれば、必ずしもそのコピーをターゲットに送る必要はない。ただし、ソースでオリジナル・データが更新される場合は、その特定時点でのデータがなくなってしまうので、更新前にオリジナル・データがソースからターゲットに送られる。」(同意見書)ものを意味していると認められる。 そこで検討するに、引用発明に記載された複写は、「複写指示」のあった時点での「複写元論理ディスク」の複写であって、「複写先論理ディスクの複写未完了領域への参照アクセスに対し、複写元論理ディスクの当該領域のデータを読みだすため、複写先論理ディスクの複写未完了領域であっても、当該領域の複写データを参照することができ」、しかも「複写元論理ディスク等のデータ領域の複写未完了領域への更新アクセスがあったとしても、複写元論理ディスク等のデータ領域のアクセス対象領域を、複写先論理ディスクへ複写した後、複写元論理ディスクのアクセス対象領域を更新するので、複写指示時の更新前のデータを複写することができ」るのであるから、引用発明の複写と、本願補正発明の「ポイント・イン・タイム・コピー」との間に実質的な差異はないものといえる。 よって、相違点1は実質的な相違点ではない。 <相違点2>について: 特定の領域がコピーされたか否かを判断するためのメカニズムとして、「ビットマップ」の代わりに「ルックアップテーブル」(テーブル)を用いることは普通に知られていることである(例えば、米国特許第6618794号明細書、第6欄第3?12行の「Furthermore, the mechanism for determining whether particular areas of the selected unit have been overwritten or copied to the temporary unit does not necessarily have to be a bitmap in cache memory, but rather, can be any mechanism or method known in the art for storing event-related indicia. For example, a lookup table, or other indicating mechanism, in either volatile or non-volatile memory accessible to the controller or processor managing the operation of the present system could be employed in lieu of bitmap 102 .」(当審訳:更に、選択されたユニットの特定の領域が上書きされたかどうか、あるいは一時ユニットにコピーされたかどうか判断するためのメカニズムは、必ずしもキャッシュ・メモリー中のビットマップである必要はなく、出来事と関連した「しるし」を格納するための、当該技術の中で知られている任意のメカニズムあるいは方法とすることも可能です。例えば、ビットマップ102の代わりに、現在のシステムのオペレーションを管理するコントローラ又はプロセッサがアクセス可能な、揮発性又は不揮発性のどちらかのメモリの中に設けられたルックアップテーブル、あるいは、他の指示機構を使用することができるかもしれません。)参照。)。 そして、「ルックアップテーブル」(テーブル)のインデックスとして、ブロック番号(「Block 0」、「Block 1」、「Block 2」・・・)など、各ブロックを論理的に識別し得る情報(論理識別)を用いることも、上記米国特許第6618794号明細書のTABLE 1、TABLE 2、に見られるように、当業者にとって明らかなことである。 よって、引用発明において、各データブロックを識別し得る情報として、各ブロックを論理的に識別しうる情報(論理識別)を用い、配列データとして、「ビットマップ」に代え「ルックアップテーブル」(テーブル)を用いるようにすることは、当業者が容易になし得たことである。 <相違点3>について: 引用発明の複写が「ポイント・イン・タイム・コピー」であるといえること、及び、引用発明の「ビットマップ」に代え「ルックアップテーブル」を用いることが当業者にとって容易になし得たことは、前記「<相違点1>について:」、「<相違点2>について:」にて述べたとおりである。 そして、引用発明には「前記アクセスステップは、前記管理情報を参照して、前記アクセス対象領域が複写完了領域か複写未完了領域かを判定する」と記載されているから、かかる「判定」を「副センタに接続されたホスト100が、複写先論理ディスク3」に対して「参照要求を行った場合」にも用い、また、「ビットマップ」に代え「ルックアップテーブル」を用いることで、「副センタに接続されたホスト100」が、「参照要求を行った場合」、該参照要求の行われたブロックが「複写完了領域か複写未完了領域か」(「前記テーブルの前記情報が、前記要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データが前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで入手可能であることを示す場合」か「そうでない場合」か)を、各ブロックごとに「ルックアップテーブル」の情報(「複写済」、「未複写」)(前記テーブルの前記情報)を用いて判断することは、当業者が容易になし得たことである。 また、引用発明には「複写先データ領域の複写完了領域へのアクセスに対しては、前記複写先データ領域の前記アクセス対象領域を参照」すると記載されているから、アクセスステップが、「複写先データ領域の複写完了領域へのアクセス」であると判断された場合(前記要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データが前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで入手可能であることを示す場合)には、「前記複写先データ領域の前記アクセス対象領域」すなわち「副センタ」を参照し(前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで前記要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データにアクセスし)、「複写未完了ブロックに対して」の参照要求である場合(そうでない場合)には、引用発明に記載のとおり「当該領域の複写を正センタに要求し、正センタからの複写が完了した後、当該データをホストに送信」する(前記要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データを前記ソース・データ・ストレージ・システムから前記ピアツーピア通信リンク・インターフェースを介して取得する)ようにすることは、当業者が容易になし得たことである。 また、本願補正発明の作用効果も、引用発明及び周知技術に基づいて当業者が予測し得るものである。 4.本件補正についての結び 以上のとおり、本願補正発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 したがって、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1.本願発明 平成22年4月1日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?15に係る発明は、平成21年9月8日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?15に記載されたとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりのものである。 「【請求項1】 ソース・データ・ストレージ・システムとターゲット・データ・ストレージ・システムとの間でデータのポイント・イン・タイム・コピーを提供するための情報処理システムであって、 前記ターゲット・データ・ストレージ・システムを前記ソース・データ・ストレージ・システムにリンクさせるための、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのピアツーピア通信リンク・インターフェースと、 前記ピアツーピア通信リンク・インターフェースを介して前記ソース・データ・ストレージ・システムから受信したポイント・イン・タイム・コピー・データを格納するための、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのデータ・ストレージと、 前記ポイント・イン・タイム・コピー・データの受信前に、前記ポイント・イン・タイム・コピー・データの論理識別を、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで格納されたポイント・イン・タイム・コピー・データと、前記ソース・データ・ストレージ・システムで格納されたポイント・イン・タイム・コピー・データとに関連付ける情報を確立する、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのテーブルであって、前記テーブルの前記情報が、要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データを有する前記データ・ストレージ・システムのうちの1つを参照することが可能である、テーブルと、 前記テーブルの前記情報が、前記要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データが前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで入手可能であることを示す場合は、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムで前記要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データにアクセスし、そうでない場合は、前記要求されたポイント・イン・タイム・コピー・データを前記ソース・データ・ストレージ・システムから前記ピアツーピア通信リンク・インターフェースを介して取得する、前記ターゲット・データ・ストレージ・システムのコントローラと、 を備える、情報処理システム。」 2.引用例 原査定の拒絶の理由で引用された引用例及びその記載事項は、前記「第2 [理由]2.」に記載したとおりである。 3.対比・判断 (a)本願発明は、前記「第2 [理由]」にて検討した本願補正発明から、「ポイント・イン・タイム・コピー・データに関する要求を前記ターゲット・データ・ストレージ・システムが受信したことに応じて」との限定を省いたものに相当する。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、更に他の発明特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第2 [理由]3.」に記載したとおり、引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 4.むすび 以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。 従って、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2011-09-21 |
結審通知日 | 2011-09-27 |
審決日 | 2011-10-13 |
出願番号 | 特願2005-133828(P2005-133828) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 菅原 浩二、梅景 篤 |
特許庁審判長 |
清水 稔 |
特許庁審判官 |
稲葉 和生 安島 智也 |
発明の名称 | データ・ストレージ・システム間でのポイント・イン・タイム・コピー |
代理人 | 太佐 種一 |
代理人 | 上野 剛史 |
代理人 | 市位 嘉宏 |