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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02B
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G02B
管理番号 1252752
審判番号 不服2010-15291  
総通号数 148 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-07-08 
確定日 2012-02-22 
事件の表示 特願2007- 93110「薄膜パターン層を有する基板構造とその製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成19年10月25日出願公開、特開2007-279725〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯

本願は、平成19年3月30日(パリ条約による優先権主張 平成18年4月7日 台湾)の出願であって、平成22年1月14日付けで拒絶の理由が通知され、同年4月2日付けで拒絶査定がなされ、これに対して同年7月8日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。
その後、前置報告書の内容について、審判請求人の意見を求めるために平成23年4月27日付けで審尋がなされ、同年8月10日付けで当該審尋に対する回答書が提出された。



2.補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]

平成22年7月8日付け手続補正(以下「本件補正」という)を却下する。

[理由]

2-1.本願補正発明

本件補正は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1の記載を以下のとおり補正することを含むものである。

「 基板と、該基板の上に形成される複数の隔壁とを含み、隣接する前記隔壁と前記基板との間に、インクを収容する複数の収容空間を形成する基板構造であって、前記基板構造は、更に複数の収容空間に形成される薄膜パターン層を含み、該薄膜パターン層は、二つの隣接する収容空間の間の隔壁の側面及び上面を覆うことを特徴とする薄膜パターン層を有する基板構造。」(当審注:下線は補正箇所を示す)

上記の請求項1に係る補正は、本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明を特定するための事項である「薄膜パターン層」が「覆う」「隔壁」の範囲について、「側面及び上面」と限定するものであり、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下「平成18年改正前特許法」という)第17条の2第4項第2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当する。

そこで、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載した発明(以下「本願補正発明」という)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか、すなわち平成18年改正前特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するかについて以下に検討する。


2-2.引用発明

2-2-1.刊行物の記載事項

本願の優先日前に頒布され、原査定の拒絶の理由に引用された刊行物である、特開2003-128966号(以下「引用例」という)には、以下の技術事項が記載されている(後述の「2-2-2.引用発明の認定」において引用した記載に下線を付した)。

記載事項a.【0163】乃至【0174】
「【0163】(カラーフィルターの製造方法)本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインク組成物を、カラーフィルターの透明基板上の所定領域にインクジェット方式により選択的に付着させて所定パターンのインク層を形成した後、当該インク層を加熱して硬化させることによって、画素部、ブラックマトリックス層、柱状スペーサー、保護膜など、カラーフィルターの細部としての硬化樹脂層を形成することができる。
【0164】(1)第一の方法
本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインク組成物として、顔料を配合した画素部形成用インクを用いるカラーフィルターの製造方法の一例を、以下に説明する。先ず、図4(A)に示すようにカラーフィルターの透明基板15を準備する。この透明基板としては、従来よりカラーフィルターに用いられているものであれば特に限定されるものではないが、例えば石英ガラス、パイレックスガラス(登録商標)、合成石英板等の可とう性のない透明なリジット材、あるいは透明樹脂フィルム、光学用樹脂板等の可とう性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。この中で特にコーニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラスであるため、アクティブマトリックス方式によるカラー液晶表示装置用のカラーフィルターに適している。本発明においては、通常、透明基板を用いるが、反射性の基板や白色に着色した基板でも用いることは可能である。また、基板は、必要に応じてアルカリ溶出防止やガスバリア性付与その他の目的で表面処理を施したものを用いてもよい。
【0165】次に、図4(B)に示すように、透明基板15の一面側の画素部間の境界となる領域にブラックマトリックス層16を形成する。ブラックマトリックス層16は、スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000?2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成することができる。このパターニングの方法としては、スパッタ等の通常のパターニング方法を用いることができる。
【0166】また、ブラックマトリックス層16としては、樹脂バインダー中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層であってもよい。用いられる樹脂バインダーとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いることができる。このような樹脂製ブラックマトリックス層の厚みとしては、0.5?10μmの範囲内で設定することができる。このような樹脂製ブラックマトリックス層のパターニングの方法としては、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。
【0167】次に、図4(C)に示すように、ブラックマトリックス層のパターンの幅方向中央に、ブラックマトリックス層よりも幅の狭い撥インク性凸部17を必要に応じて形成する。このような撥インク性凸部の組成は、撥インク性を有する樹脂組成物であれば、特に限定されるものではない。また、特に透明である必要はなく、着色されたものであってもよい。例えば、ブラックマトリックス層に用いられる材料であって、黒色の材料を混入しない材料等を用いることができる。具体的には、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の水性樹脂を1種または2種以上混合した組成物や、O/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を挙げることができる。本発明においては、取扱性および硬化が容易である点等の理由から、光硬化性樹脂が好適に用いられる。また、この撥インク性凸部は、撥インク性が強いほど好ましいので、その表面をシリコーン化合物や含フッ素化合物等の撥インク処理剤で処理したものでもよい。
【0168】撥インク性凸部のパターニングは、撥インク性樹脂組成物の塗工液を用いる印刷や、光硬化性塗工液を用いるフォトリソグラフィーにより行うことができる。撥インク性凸部の高さは、上述したようにインクジェット法により着色する際にインクが混色することを防止するために設けられるものであることから、ある程度高いことが好ましいが、カラーフィルターとした場合の全体の平坦性を考慮すると、画素部の厚さに近い厚さであることが好ましい。具体的には、吹き付けるインクの堆積量によっても異なるが、通常は0.1?2.0μmの範囲内であることが好ましい。
【0169】次に、R、G又はBの顔料が配合された本発明に係る各色の画素部形成用インク組成物を用意する。そして、図4(D)に示すように、透明基板15の表面に、ブラックマトリックス層16のパターンにより画成された各色の画素部形成領域18R、18G、18Bに、対応する色の画素部形成用インクをインクジェット方式により吹き付けてインク層を形成する。インク層は赤色パターン、緑色パターン及び青色パターンがモザイク型、ストライプ型、トライアングル型、4画素配置型等の所望の形態で配列されるように形成される。このインクの吹き付け工程において、画素部形成用インクは、ヘッド19の先端部で粘度増大を起こし難く、良好な吐出性を維持し続けることができる。従って、所定の画素部形成領域内に、対応する色のインクを正確に、且つ、均一に付着させることができ、正確なパターンで色ムラや色抜けのない画素部を形成することができる。また、各色の画素部形成用インクを、複数のヘッドを使って同時に基板上に吹き付けることもできるので、印刷等の方法で各色ごとに画素部を形成する場合と比べて作業効率を向上させることができる。さらに、本発明にかかるインク組成物の安定性は上述のように高いので、一旦使用に供して残ったインク組成物の残液は、短時間の作業ではまだ劣化していない。従って、そのような残液を回収したり或いは新鮮なインク組成物を注ぎ足すなどして再使用することが可能であり、経済的である。
【0170】次に、図4(E)に示すように、各色のインク層20R、20G、20Bを硬化させる。インク層を硬化させるには、バインダー系の反応形式に応じて電離放射線21等の何らかの光線(不可視光又は可視光)を照射するか又は加熱する。インク層には、インク層を硬化させた後、必要に応じて、ポストベークを行って画素部を形成する。画素部の厚さは、光学特性等を考慮して、通常は0.1?2.0μm程度とする。
【0171】次に、図4(F)に示すように、透明基板の画素部22R、22G、22Bを形成した側に、保護膜23を形成する。保護膜の厚みは、使用される材料の光透過率、カラーフィルターの表面状態等を考慮して設定することができ、例えば、0.1?2.0μmの範囲で設定することができる。保護膜は、例えば、公知の透明感光性樹脂、二液硬化型透明樹脂等の中から、透明保護膜として要求される光透過率等を有するものを用いて保護膜用塗工液を調製し、スピンコーターにより500?1500回転/分の範囲内で塗工することにより形成できる。
【0172】保護膜上の透明電極は、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)等、およびそれらの合金等を用いて、スパッタリング法、真空蒸着法、CVD法等の一般的な方法により形成され、必要に応じてフォトレジストを用いたエッチング又は治具の使用により所定のパターンとしたものである。この透明電極の厚みは20?500nm程度、好ましくは100?300nm程度とすることできる。
【0173】透明電極上に柱状スペーサーを形成する場合には、光硬化性樹脂組成物の塗工液を、スピンコーター、ロールコーター、スプレイ、印刷等の方法により塗布し、フォトマスクを介する紫外線照射により露光し、アルカリ現像後、クリーンオーブン等で加熱硬化することにより形成できる。柱状スペーサーは、例えば、5μm程度の高さに形成される。スピンコーターの回転数も保護膜を形成する場合と同様に、500?1500回転/分の範囲内で設定すればよい。
【0174】このようにして、本発明に係るカラーフィルター用インクジェットインク組成物を用いてカラーフィルター103が製造される。そして、このカラーフィルターの内面側に配向膜を形成し、電極基板と対向させ、間隙部に液晶を満たして密封することにより、液晶パネルが得られる。」

記載事項b.図4





2-2-2.引用発明の認定

記載事項aには、以下のように記載されている。
「ブラックマトリックス層のパターンの幅方向中央に、ブラックマトリックス層よりも幅の狭い撥インク性凸部17を必要に応じて形成する。」(【0167】)
「撥インク性凸部の高さは、上述したようにインクジェット法により着色する際にインクが混色することを防止するために設けられるものである・・・」(【0168】)
これらの記載及び記載事項b(図4)の記載内容から、引用例の「カラーフィルター」のインク層及び該インク層から形成される画素部22R、22G、22Bは、ブラックマトリックス層16の側面と上面のうち、撥インク性凸部17が形成された部位を除く全ての部位、すなわち、ブラックマトリックス層16の側面及び上面の一部を覆っているといえる。

上記事項及び記載事項aの記載内容から、引用例には、

「 透明基板15の一面側の画素部間の境界となる領域にブラックマトリックス層16が形成され、
ブラックマトリックス層のパターンの幅方向中央に、ブラックマトリックス層よりも幅の狭い撥インク性凸部17が形成され、
透明基板15の表面に、ブラックマトリックス層16のパターンにより画成された各色の画素部形成領域18R、18G、18Bに、対応する色の画素部形成用インクをインクジェット方式により吹き付けてインク層が形成され、
インク層は赤色パターン、緑色パターン及び青色パターンがストライプ型の形態で配列されるように形成され、
各色のインク層20R、20G、20Bを硬化させ、
インク層には、インク層を硬化させた後、ポストベークを行って画素部22R、22G、22Bを形成し、
画素部22R、22G、22Bは、ブラックマトリックス層16の側面及び上面の一部を覆っている、
カラーフィルター。」

(以下「引用発明」という)が記載されていると認められる。


2-3.対比及び判断

本願補正発明と引用発明を対比する。

引用発明の「透明基板15」は、本願補正発明の「基板」に相当する。
本願の明細書の段落【0011】及び図8等を参酌するに、本願補正発明における「該基板の上に形成される複数の隔壁」とは、複数の収容空間が形成されるように基板上を区画する隔壁を意味するものと認められる。一方、引用発明は、「ブラックマトリックス層16のパターンにより画成された各色の画素部形成領域18R、18G、18B」を有するものであるから、引用発明の「ブラックマトリックス層16」は、複数の収容空間が形成されるように基板上を区画するものであるといえる。したがって、引用発明の「ブラックマトリックス層16」は、本願補正発明の「該基板上に形成される複数の隔壁」に相当する。
本願の明細書の段落【0011】及び図8等を参酌するに、本願補正発明における「隣接する前記隔壁と前記基板との間に、インクを収容する複数の収容空間を形成する」とは、インクを収容するための複数の収容空間が、隔壁により囲まれた基板上の領域として形成されていることを意味するものと認められる。一方、引用発明は、「透明基板15の表面に、ブラックマトリックス層16のパターンにより画成された各色の画素部形成領域18R、18G、18Bに、対応する色の画素部形成用インクをインクジェット方式により吹き付けてインク層が形成され」るものであるから、インクを収容するための複数の収容空間が、ブラックマトリックス層16により囲まれた基板上の領域として形成されているといえる。したがって、引用発明の「透明基板15の表面に、ブラックマトリックス層16のパターンにより画成された各色の画素部形成領域18R、18G、18B」を有することは、本願補正発明の「隣接する前記隔壁と前記基板との間に、インクを収容する複数の収容空間を形成する」ことに相当する。
引用発明の「画素部形成領域18R、18G、18Bに、対応する色の画素部形成用インクをインクジェット方式により吹き付けて」「形成され」た「インク層」は、本願補正発明の「複数の収容空間に形成される薄膜パターン層」に相当する。
引用発明の「ブラックマトリックス層16」は「画素部間の境界となる領域に」「形成され」たものであり、かつ、「ブラックマトリックス層16のパターン」により「各色の画素部形成領域18R、18G、18B」が画成されるものであるから、引用発明の「ブラックマトリックス層16」は、二つの隣接する「画素部形成領域」の間に存在するものであるといえる。よって、引用発明の「画素部22R、22G、22Bは、ブラックマトリックス層16の側面及び上面の一部を覆っている」ことは、本願補正発明の「該薄膜パターン層は、二つの隣接する収容空間の間の隔壁の側面及び上面を覆うこと」に相当する。
引用発明の「カラーフィルター」は、本願補正発明の「基板構造」に相当する。

したがって、本願補正発明と引用発明とは、

「 基板と、該基板の上に形成される複数の隔壁とを含み、隣接する前記隔壁と前記基板との間に、インクを収容する複数の収容空間を形成する基板構造であって、前記基板構造は、更に複数の収容空間に形成される薄膜パターン層を含み、該薄膜パターン層は、二つの隣接する収容空間の間の隔壁の側面及び上面を覆う、薄膜パターン層を有する基板構造。」

の点で一致し、相違点はない。

よって、本願補正発明は、引用発明である。


なお、前述したように、引用発明の「画素部22R、22G、22Bは、ブラックマトリックス層16の」「上面の一部を覆っている」ことが、本願補正発明の「該薄膜パターン層は、二つの隣接する収容空間の間の隔壁の」「上面を覆うこと」に相当するが、例え本願補正発明の「隔壁の」「上面を覆うこと」が、“隔壁の上面全体を覆う”ことを意味するとしても、以下に述べるように、当業者が引用発明から容易に想到し得るものと認められる。

引用発明は、「インク層は赤色パターン、緑色パターン及び青色パターンがストライプ型の形態で配列されるように形成され」るものである。
(インク層によって形成される)画素部をストライプ型とする際に、ブラックマトリックスにより形成される画素部形成領域の形状(マトリックス配置)は維持したまま、インクを複数の画素部形成領域に跨って供給することは、本願の優先日前に周知の技術思想である(例えば、特開2000-258622号(【0020】乃至【0038】、図1、図3参照))。
よって、引用発明において、画素部をストライプ型とする際に上記周知の技術思想を採用することにより、(インク層により形成される)画素部が、画素部をストライプ型とする際に結合されることになる複数の画素部形成領域の間のブラックマトリックス層16の上面の全体を覆う(具体的には、当該複数の画素部形成領域の間のブラックマトリックス層16の上面に撥インク性凸部17を形成しない)構成とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。


2-4.補正の却下の決定のむすび

以上のとおり、本願補正発明は、引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に規定する発明に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができない。
したがって、本件補正は、平成18年改正前特許法17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。



3.本願発明について

3-1.本願発明

本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という)は、出願当初の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。

「 基板と、該基板の上に形成される複数の隔壁とを含み、隣接する前記隔壁と前記基板との間に、インクを収容する複数の収容空間を形成する基板構造であって、前記基板構造は、更に複数の収容空間に形成される薄膜パターン層を含み、該薄膜パターン層は、二つの隣接する収容空間の間の隔壁を覆うことを特徴とする薄膜パターン層を有する基板構造。」


3-2.引用発明

引用例及びその記載事項は、前記「2-2.引用発明」に記載したとおりである。


3-3.対比及び判断

本願発明は、本願補正発明から、「薄膜パターン層」が「覆う」「隔壁」の範囲について、「側面及び上面」と限定のあるところを、これを削除したものに相当する。
そうすると、本願発明と引用発明とは、前述の「2-3.対比及び判断」において述べたように、相違点は存在せず、よって本願発明は引用発明である。


3-4.むすび

以上のとおり、本願発明は、引用発明であるから、特許法第29条第1項第3号に規定する発明に該当し、特許を受ける事ができない。

したがって、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-09-20 
結審通知日 2011-09-27 
審決日 2011-10-11 
出願番号 特願2007-93110(P2007-93110)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G02B)
P 1 8・ 575- Z (G02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 横川 美穂磯貝 香苗本田 博幸  
特許庁審判長 北川 清伸
特許庁審判官 吉川 陽吾
神 悦彦
発明の名称 薄膜パターン層を有する基板構造とその製造方法  
代理人 渡邊 隆  
代理人 村山 靖彦  
代理人 志賀 正武  
代理人 実広 信哉  

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