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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C07C
管理番号 1253036
審判番号 不服2008-26267  
総通号数 148 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2008-10-14 
確定日 2012-02-28 
事件の表示 特願2002-98577「ハロゲン置換ジベンジルアルコールの製造方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年11月22日出願公開、特開2002-332251〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
この出願は、平成14年4月1日(パリ条約による優先権主張 2001年4月6日(DE)ドイツ国)の出願であって、平成19年12月18日付けで拒絶理由が通知され、平成20年5月23日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年7月8日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年10月14日に拒絶査定不服審判が請求され、同年11月12日に請求書の手続補正書(方式)が提出されたものである。

第2 本願発明
この出願の請求項1に係る発明は、平成20年5月23日付けの手続補正により補正された明細書(以下、「本願明細書」という。)の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものであると認められる(以下、「本願発明」という。)。
「一般式(I)
【化1】


[式中、
基Xは、同一もしくは異なり、水素、フッ素、塩素または臭素であり、そして少なくとも1つのXがフッ素、塩素または臭素である]
で表されるハロゲン置換ジベンジルアルコールの製造方法であって、一般式(II)
【化2】


[式中、基Xは、一般式(I)で定義した通りである]
で表されるハロゲン置換テレフタル酸をホウ水素化ナトリウムに続いてアルキル化剤または硫酸またはアルキル-もしくはアリールスルホン酸と反応させるが前記硫酸またはアルキル-もしくはアリールスルホン酸が含有する水の量が多くて5体積%でありそして前記ホウ水素化ナトリウムとの反応を温度が0-150℃の範囲の有機溶媒中で実施することによる方法。」

第3 原査定の拒絶の理由
原査定は、「この出願については、平成19年12月18日付け拒絶理由通知書に記載した理由2によって、拒絶をすべきものです。」というものであるところ、その「理由2」の概要は、この出願の請求項1に係る発明は、その出願前(優先日前)に日本国内又は外国において頒布された以下の刊行物に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(当業者)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。

<刊行物>
1.西独国特許出願公開第3714602号明細書
2.特開平7-228556号公報
3.特表平7-501816号公報
(上記刊行物をそれぞれ「引用文献1」、「引用文献2」、「引用文献3」としている。)

そして、原査定の備考の欄に「引用文献3に記載されているように、フッ素置換されたテレフタル酸から還元反応によってジオールが製造できることは知られているから、カルボキシル基の両方を同じようにアルコールに還元する際に、同様の構造を有する引用文献1,2に記載のモノカルボン酸における収率の良い方法を採用し、同様の反応を行ってみることは当業者が容易に想到できたことである。そして、いずれかをカルボン酸のままとする、または、アルデヒドとして得るならともかく、両者ともアルコールにまで還元されたことが、当業者の予測を超える効果であるとはいえない。」と記載されている。
そうすると、原査定の拒絶の理由は、請求項1に係る発明は、引用文献3に記載された発明において引用文献1記載の方法を採用することは当業者が容易に想到し得たとの理由を含むものである。

第4 当審の判断
当審は、原査定の理由のとおり、本願発明は、上記引用文献1及び引用文献3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、と判断する。
以下、詳述する。

1.刊行物の記載事項
引用文献1及び引用文献3には、以下の内容の事項が記載されている。
(1)引用文献1(西独国特許出願公開第3714602号明細書:1988年11月10日発行)
(引用は合議体の仮訳による日本語で記載した。)
a-1「1.式


(式中、Rは水素又はメチルを表す。)
で表される2,3,5,6-テトラフルオロベンジルアルコールの製造方法であって、
式(II)

(式中、Rは水素又はメチルを表す。)
で表される2,3,5,6-テトラフルオロ安息香酸を、ホウ水素化ナトリウムに続いてアルキル化剤と、希釈剤の存在下、-20?+150℃の温度において反応させるにあたり、式(II)の原料化合物1モル当たり、0.5?0.9モルのアルキル化剤を使用する方法。」(2頁3?34行 請求項1)

a-2「本発明の方法は、希釈剤を用いて実施される。好適な希釈剤は、実質的に通常の溶剤であるが、特に、非プロトン極性有機溶媒であり、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジイソブチルエーテル、メチル-t-ブチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、ジグリコールジメチルエーテル(ジグライム)、テトラヒドロフラン、ジオキサンが挙げられる。」(3頁60?63行)

a-3「本発明の方法では、通常のアルキル化剤が使用できる。メチルクロライド、…のようなアルキルハライド、ジメチル硫酸、…のようなジアルキル硫酸、ベンゼンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸のメチルエステルのようなスルホン酸エステルが好ましい。本発明の方法におけるアルキル化剤として、特にジメチル硫酸が好ましい。」(3頁64?68行)

a-4「実施例1
[審決注:構造式省略]
ホウ水素化ナトリウム9.9g(0.262mole)を、100mlのジメトキシエタンに加える。これに、100mlのジメトキシエタンに溶解した45g(0.232mole)テトラフルオロ安息香酸を30分以内に、30℃以上にならないように滴下する。30分撹拌後、これに50mlのジメトキシエタン中のジメチル硫酸23.3g(0.185mole)を50℃で1時間以内に加え、この温度で2時間撹拌する。反応混合物を冷却後、100mlの塩化メチレンを加え、0℃に冷やし、ゆっくり140gの5%硫酸に加える。30分撹拌後、45%水酸化ナトリウム5mlによりアルカリ性とし、有機層を分離する、水相を再度塩化メチレンで抽出し、濃縮し有機層と合わせる。
41.2g(理論値の96.7%)のテトラフルオロベンジルアルコールが得られる(含量98%)。
実施例2
[審決注:構造式省略]
実施例1と同様にして、4-メチル-2,3,5,6-テトラフルオロ安息香酸から4-メチル-2,3,5,6-テトラフルオロベンジルアルコールが収率95%で得られる。」(4頁22?56行)

(2)引用文献3(特表平7-501816号公報:平成7年2月23日発行)
b-1「1.活性成分として、以下の-般式(I):
Z-R-A-R’-Y(I)
[式中、Z及びYが、9から20までの環メンバーを、そして互いに2以上の炭素原子により隔てられた環内の3から6までのアミン窒素をもつ同一の環状ポリアミン部分であり、
Aが、キノリン以外の芳香族又は複素芳香族であり、
R及びR’が、それぞれ、Z及びY中の窒素原子に結合しているメチレンであり、そのアミン窒素原子が他の状態に置換されていない。]により表される結合環状化合物を、

含んで成る、HIVに対して活性な医薬組成物。」(請求項1)

b-2「実施例1
a)2,3,5,6-テトラフルオロ-p-キシレン-α,α’-ジオール
乾燥アルゴン雰囲気下、無水THF(10ml)中のペルフルオロテレフタール酸(1.0g、4.2mmol)の攪拌溶液に、ボラン(Borane)THF複合体(THF中1.0M溶液、10当量、42ml)を1滴ずつ添加し、そしてその混合液を室温において一夜攪拌した。その溶液を、減圧下蒸発させ、無色油を得て、そして過剰のボランを無水メタノール(40ml)の添加により破壊し、そして蒸発させた(3回繰り返した)。この残渣を、5%塩化水素水溶液により処理し、そして次にその混合物のpHを、1N水酸化ナトリウム水溶液によりpH9に調整し、ジクロロメタンにより抽出した(3x50ml)。合わせた有機抽出物を、乾燥させ(MgSO_(4))そして蒸発させ、2,3,5,6-テトラ-フルオロ-p-キシレン-α,α’-ジオール(0.75g、86%)を白色固体として得た。これをさらに精製せずに使用した。」(5頁左上欄下から5行?右上欄9行)

2.引用文献3に記載された発明
引用文献3には、HIVに対して活性な医薬組成物の活性成分である-般式(I)で表される化合物が記載されている(摘記b-1)。そして、該化合物の製造に係る実施例1に、その第1ステップとして、ペルフルオロテレフタール酸(1.0g、4.2mmol)のTHF溶液にボラン・THF複合体を添加、その混合液を室温において一夜撹拌し、後処理することにより、2,3,5,6-テトラフルオロ-p-キシレン-α,α’-ジオール(0.75g、86%)を得ることが記載されている(摘記b-2)。
したがって、引用文献3には、
「ペルフルオロテレフタール酸とボラン・THF複合体との反応により、2,3,5,6-テトラフルオロ-p-キシレン-α,α’-ジオールを製造する方法」
の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているといえる。

3.本願発明と引用発明との対比
本願発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「2,3,5,6-テトラフルオロ-p-キシレン-α,α’-ジオール」は、本願発明の一般式(I)で表されるハロゲン置換ジベンジルアルコールであってすべてのXがフッ素の化合物、すなわち、2,3,5,6-テトラフルオロジベンジルアルコールであり、また、引用発明の「ペルフルオロテレフタール酸」は、本願発明の一般式(II)で表されるハロゲン置換テレフタル酸であってすべてのXがフッ素の化合物、すなわち、2,3,5,6-テトラフルオロテレフタル酸である。
そして、テトラフルオロテレフタル酸をジベンジルアルコールとする反応は、引用発明はボラン・THF複合体を還元試薬とする還元反応であり、本願発明は「ホウ水素化ナトリウムに続いてアルキル化剤または硫酸またはアルキル-もしくはアリールスルホン酸と反応させるが前記硫酸またはアルキル-もしくはアリールスルホン酸が含有する水の量が多くて5体積%」を還元試薬とし、そのホウ水素化ナトリウムとの反応を「温度が0-150℃の範囲の有機溶媒中で実施する」反応であるが、両者はいずれもテトラフルオロテレフタル酸を還元試薬により還元する反応であるといえるから、本願発明と引用発明とは、
「2,3,5,6-テトラフルオロジベンジルアルコールの製造方法であって、2,3,5,6-テトラフルオロテレフタル酸を還元試薬により還元することによる方法」
である点において一致し、次の点において相違している。

還元反応において、本願発明は、還元試薬として「ホウ水素化ナトリウム」に続いて「アルキル化剤または硫酸またはアルキル-もしくはアリールスルホン酸(硫酸またはアルキル-もしくはアリールスルホン酸が含有する水の量が多くて5体積%)」が用いられ、前記ホウ水素化ナトリウムとの反応を「温度が0-150℃の範囲の有機溶媒中で実施する」のに対し、引用発明は、還元試薬として「ボラン・THF複合体」が用いられる点

4.相違点についての検討
上記相違点について検討する。
引用発明は、2,3,5,6-テトラフルオロテレフタル酸のテトラフルオロベンゼン環に結合した2つのカルボキシル基をヒドロキシメチル基とする還元反応である。
引用文献1には、2,3,5,6-テトラフルオロ安息香酸のテトラフルオロベンゼン環に結合したカルボキシル基をヒドロキシメチル基とする還元反応について、その環に結合したカルボキシル基を、ホウ水素化ナトリウムに続いてアルキル化剤と、希釈剤の存在下、-20?+150℃の温度において反応させて、ヒドロキシメチル基とする方法が記載され(摘記a-1)、その好適な希釈剤として、「実質的に通常の溶剤であるが、特に、非プロトン極性有機溶媒」が用いられることが記載されている(摘記a-2)。具体的には、実施例1では、ホウ水素化ナトリウムをジメトキシエタンに加え、これにジメトキシエタンに溶解したテトラフルオロ安息香酸を30℃以上にならないように滴下、撹拌後、ジメトキシエタン中のジメチル硫酸を50℃で加え、この温度で2時間撹拌し、後処理をして、理論値の96.7%のテトラフルオロベンジルアルコール(含量98%)を得たこと、実施例2では、4-メチル-2,3,5,6-テトラフルオロ安息香酸から4-メチル-2,3,5,6-テトラフルオロベンジルアルコールを収率95%で得たことが記載されている(摘記a-4)。
すなわち、引用文献1の2,3,5,6-テトラフルオロ安息香酸を、有機溶媒であるジメトキシエタン中で30℃以上にならないようにホウ水素化ナトリウムと反応させ、続いてアルキル化剤であるジメチル硫酸(摘記a-3)を50℃で作用させることにより、2,3,5,6-テトラフルオロベンゼン環に結合したカルボキシル基をヒドロキシメチル基に95%ないしそれを超える高収率、さらに高純度で還元できることが示されている。
そうすると、同じ2,3,5,6-テトラフルオロベンゼン環に結合したカルボキシル基をヒドロキシメチル基とする還元反応である引用発明の反応において、高収率・高純度の向上を期待して、引用文献1記載の「ホウ水素化ナトリウム」に続いて「アルキル化剤」の還元試薬を用い、実施例における温度程度で有機溶媒中で実施すること、すなわち、「温度が0-150℃の範囲の有機溶媒中で実施する」ことは、当業者であれば容易に想到し得ることといえる。

5.効果について
本願発明の効果は、明記するところはないが、本願明細書段落【0012】の、
「本発明の目的は、特に1位と4位が非対照的に置換されている化合物を実質的に含有しない高純度のハロゲン置換ジベンジルアルコールを相当するハロゲン置換テレフタル酸から出発して高い収率で生じさせることを可能にする方法を提供することにあった。」
との記載からみて、「特に1位と4位が非対照的に置換されている化合物を実質的に含有しない高純度のハロゲン置換ジベンジルアルコールを相当するハロゲン置換テレフタル酸から出発して高い収率で生じさせることができたこと」であると認められる。
引用文献1における反応は、テトラフルオロベンゼン環に結合したカルボキシル基を、例えば実施例1では収率96.7%、含量98%というような、高収率・高純度でヒドロキシメチル基とすることができるものであり(摘記a-4)、本願発明の原料化合物であるテトラフルオロテレフタル酸に引用文献1の反応を適用した場合、テトラフルオロジベンジルアルコールがやはり高収率・高純度で得られることは期待し得ることであり、本願発明において、例えば、目的物が収率90.5%、純度98.7%で得られた(実施例2)ことは、予想を超える顕著なものということはできない。
また、引用文献1に記載の還元方法において、テトラフルオロベンジルアルコールの収率が96.7%、含量が98%という高収率・高純度であるということは、原料化合物のカルボキシル基が、未反応のままカルボキシル基でとどまること、又は還元の中間段階のアルデヒド基にとどまることなく、ほとんど全て、還元の最終段階のヒドロキシメチル基にまで還元されたことを意味するのであるから、引用発明の2つカルボキシル基が対称的な位置にある原料化合物についても、引用文献1に記載の還元方法を採用すれば、それらのカルボキシル基の一方のみが非対称的にカルボキシル基又はアルデヒド基にとどまった化合物、例えば1-ベンズアルデヒド-4-ベンジルアルコール又は1-(安息香酸)-4-ベンジルアルコール、の副生はほとんどない(あったとしても極めて少量)と考えるのが妥当である。
したがって、「1位と4位が非対照的に置換されている化合物を実質的に含有しないこと」も予想を超える顕著なものということはできない。
以上のとおり、本願発明の効果は格別顕著なものということはできない。

6.審判請求人の主張について
(1)審判請求人は、審判請求書の平成20年11月12日付け手続補正書において、次のように述べて本願発明の特許性を主張する(【請求の理由】[III])。
ア.「引用文献1は、2,3,5,6-テトラフルオロベンジルアルコール(モノアルコール)を対応する2,3,5,6-テトラフルオロ安息香酸(モノカルボン酸)から製造することを開示するのみであり」、「本願発明の条件に従って、…ハロゲン置換テレフタル酸(ジカルボン酸)からハロゲン置換ジベンジルアルコールを製造した場合には、副生物[すなわち、1-位及び4-位が非対称的に置換された化合物、例えば、1-(ベンジルアルコール)-4-ベンジルアミン、1-ベンズアルデヒド-4-ベンジルアルコール、1-(安息香酸)-4-ベンジルアルコールなど]の生成が抑えられて高収率を挙げることができる、という本願発明による効果について示唆すらもしておりません。」

イ.「本願発明では純度98.7%の目的生成物が90.5%の収率で得られる(実施例2)のに対して、引用文献3における目的生成物の収率は86%(第5頁右上欄第8行)にすぎません。本願発明のこのような進歩性は、当業者といえども到底予測できるものではありません。」

(2)上記の主張について検討する。
ア.アの主張について
審判請求人が生成を抑えるべき副生物という、非対称的に置換された化合物についてみると、まず、「1-(ベンジルアルコール)-4-ベンジルアミン」は、ジカルボン酸を原料とする製造方法において副生物として生成され得ないものである。また、「1-ベンズアルデヒド-4-ベンジルアルコール」や「1-(安息香酸)-4-ベンジルアルコール」の副生はほとんどないことも、上記5.において述べたとおり、当業者の予測の範囲内のことである。
したがって、非対称的な副生物の生成が抑えられて高収率を挙げることができるという効果は示唆すらもされていない、とはいえないから、審判請求人の主張は採用することができない。

イ.イについて
引用文献3においては、2,3,5,6-テトラフルオロテレフタル酸をボラン・THF複合体を用いてテトラフルオロジベンジルアルコールを86%の収率で製造しているのであって、本願発明とは使用している反応試薬等が相違する。その点を考慮することなく収率を比較することは妥当ではない。
上記5.において述べたとおり、引用文献1記載の還元方法によれば、2,3,5,6-テトラフルオロベンゼン環に結合したカルボキシル基を高収率・高純度でヒドロキシメチル基に還元することができるのであるから、引用発明における2,3,5,6-テトラフルオロテレフタル酸の還元において、引用文献1記載の方法を適用した場合に、対応するアルコールに高収率・高純度で還元できることは、予測の範囲内のことといえる。
この審判請求人の主張も採用することができない。

7.まとめ
したがって、本願発明は、引用文献1及び引用文献3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

第5 むすび
以上のとおり、本願発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、この出願は、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-09-20 
結審通知日 2011-09-27 
審決日 2011-10-11 
出願番号 特願2002-98577(P2002-98577)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (C07C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松本 直子  
特許庁審判長 柳 和子
特許庁審判官 井上 千弥子
齋藤 恵
発明の名称 ハロゲン置換ジベンジルアルコールの製造方法  
代理人 特許業務法人小田島特許事務所  

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