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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する A63F
管理番号 1253788
審判番号 訂正2012-390014  
総通号数 149 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-05-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2012-02-03 
確定日 2012-03-12 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第4383508号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第4383508号に係る明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨及び訂正の内容
本件審判請求は、本件特許4383508号の明細書(以下、「本件明細書」という。)及び特許請求の範囲(以下、「本件特許請求の範囲」という。)を、本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを求めるものである。(下線部は訂正箇所を意味する。)
その訂正内容は、次のとおりである。

(1)訂正事項1
本件特許請求の範囲の請求項1における
「図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、受信後に、停止図柄データに係る停止図柄を本来停止すべき位置で停止させる」という記載を、
「図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、受信後に、停止図柄データに係る停止図柄を本来停止すべき位置で停止表示するように制御する」と訂正する。

(2)訂正事項2
本件明細書の段落【0007】の
「更に、停止図柄の停止位置の微妙なずれを解消することを目的とする。」という記載を削除する。

(3)訂正事項3
本件明細書の段落【0008】における
「 (請求項1)
上記の課題に鑑み、本発明のうち請求項1記載の発明は、3つのグループに分かれて変動する図柄を各々所定の方向に変動表示する図柄表示装置と、主基板とを有する弾球遊技機であって、主基板及び図柄表示装置は各々別にCPUを有し、この主基板のCPUは、図柄の変動時間情報を含んだ変動コマンドを図柄表示装置のCPUに送信するとともに、図柄表示装置のCPUからは主基板のCPUに送信不能に形成し、図柄表示装置は、停止図柄を表す停止図柄データと、図柄の変動パターンを表す変動パターンデータと、2つのグループの図柄が停止した際、あと1つのグループの図柄次第では特定の配列となるときに、その旨を知らせる演出パターンを有する演出パターンデータとを記憶するROMを有し、主基板では、変動コマンドを、主基板のCPUから図柄表示装置のCPUに変動開始時にのみ送信すると共に、変動コマンドの変動時間情報に含まれる図柄の変動時間をタイマーに設定し、タイマーに設定された時間の経過の計測が開始され、変動コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、ROMから、変動コマンドに応じた、停止図柄データ、変動パターンデータ及び演出パターンデータを取得し、変動開始から変動停止までを変動パターンデータ及び演出パターンデータに従って変動表示を行うと共に、停止図柄データに従って停止図柄を表示するように制御し、主基板は、タイマーで計測している時間が設定された時間に達したとき、主基板のCPUから図柄停止コマンドを図柄表示装置のCPUに送信し、図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、受信後に、停止図柄データに係る停止図柄を本来停止すべき位置で停止させることを特徴とする。」という記載を、
「 (請求項1)
上記の課題に鑑み、本発明のうち請求項1記載の発明は、3つのグループに分かれて変動する図柄を各々所定の方向に変動表示する図柄表示装置と、主基板とを有する弾球遊技機であって、主基板及び図柄表示装置は各々別にCPUを有し、この主基板のCPUは、図柄の変動時間情報を含んだ変動コマンドを図柄表示装置のCPUに送信するとともに、図柄表示装置のCPUからは主基板のCPUに送信不能に形成し、図柄表示装置は、停止図柄を表す停止図柄データと、図柄の変動パターンを表す変動パターンデータと、2つのグループの図柄が停止した際、あと1つのグループの図柄次第では特定の配列となるときに、その旨を知らせる演出パターンを有する演出パターンデータとを記憶するROMを有し、主基板では、変動コマンドを、主基板のCPUから図柄表示装置のCPUに変動開始時にのみ送信すると共に、変動コマンドの変動時間情報に含まれる図柄の変動時間をタイマーに設定し、タイマーに設定された時間の経過の計測が開始され、変動コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、ROMから、変動コマンドに応じた、停止図柄データ、変動パターンデータ及び演出パターンデータを取得し、変動開始から変動停止までを変動パターンデータ及び演出パターンデータに従って変動表示を行うと共に、停止図柄データに従って停止図柄を表示するように制御し、主基板は、タイマーで計測している時間が設定された時間に達したとき、主基板のCPUから図柄停止コマンドを図柄表示装置のCPUに送信し、図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、受信後に、停止図柄データに係る停止図柄を本来停止すべき位置で停止表示するように制御することを特徴とする。」と訂正する。

(4)訂正事項4
本件明細書の段落【0014】における
「そこで、本発明に係る弾球遊技機は、主基板は、変動コマンドを送信してから、指定した変動パターンに要する時間の経過後に、図柄停止コマンドを図柄表示装置のCPUに送信するとともに、図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、停止図柄を正位置で停止させることとしている。」という記載を、
「そこで、本発明に係る弾球遊技機は、主基板は、変動コマンドを送信してから、指定した変動パターンに要する時間の経過後に、図柄停止コマンドを図柄表示装置のCPUに送信するとともに、図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、停止図柄を正位置で停止させるように制御する。」と訂正する。

(5)訂正事項5
本件明細書の段落【0015】における
「まず、図柄の変動の開始時に、主基板が図柄表示装置へ変動コマンドを送信し、これを受信した図柄表示装置はこの変動コマンドに従って図柄の変動をする。」という記載を、
「まず、図柄の変動の開始時に、主基板が図柄表示装置へ変動コマンドを送信し、これを受信した図柄表示装置はこの変動コマンドに従って図柄の変動を制御する。」と訂正する。

(6)訂正事項6
本件明細書の段落【0016】における
「ここで、上記図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、この停止位置から正位置まで図柄を移動させることとなっている。」という記載を、
「ここで、上記図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、この停止位置から正位置まで図柄を移動させるように制御する。」と訂正する。

(7)訂正事項7
本件明細書の段落【0016】の
「これにより、停止図柄の表示の微妙なずれを解消することが可能となっている。」という記載を削除する。

(8)訂正事項8
本件明細書の段落【0017】の
「更に、停止図柄の停止位置の微妙なずれを解消することが可能となる。」という記載を削除する。

(9)訂正事項9
本件明細書の段落【0022】における
「この変動コマンド40を受信した図柄表示装置10のCPU11は、データROM12から、停止図柄コード43が指定する停止図柄データ13、変動パターンコード44が指定する変動パターンデータ14、及び演出パターンコード45が指定する演出パターンデータ15を取得する。そして、この取得したデータに基づいて、液晶画面16に、指定された停止図柄を、指定された変動パターン及び演出パターンで表示することとなっている。」という記載を、
「この変動コマンド40を受信した図柄表示装置10のCPU11は、データROM12から、停止図柄コード43が指定する停止図柄データ13、変動パターンコード44が指定する変動パターンデータ14、及び演出パターンコード45が指定する演出パターンデータ15を取得する。そして、この取得したデータに基づいて、液晶画面16に、指定された停止図柄を、指定された変動パターン及び演出パターンで表示するように制御する。」と訂正する。

(10)訂正事項10
本件明細書の段落【0030】における
「そして、S106において所要時間が経過したと判断されると、主基板50から図柄表示装置50へ、図柄停止コマンドが送信される(S106)。この図柄停止コマンドとは、主基板50のCPU51と図柄表示装置10のCPU11とのクロック周波数の違い、コマンド送信タイミングのずれ、表示画面の書き換えタイミングのずれ等により、本来図柄30を停止させたい正位置からの停止位置のずれを防ぐためのものである。この図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置10のCPU11は、受信の時点で表示している図柄30にかかわらず、停止図柄まで図柄変動させた後、その停止図柄を正位置で停止させることとなっている。」という記載を、
「そして、S106において所要時間が経過したと判断されると、主基板50から図柄表示装置50へ、図柄停止コマンドが送信される(S106)。この図柄停止コマンドとは、主基板50のCPU51と図柄表示装置10のCPU11とのクロック周波数の違い、コマンド送信タイミングのずれ、表示画面の書き換えタイミングのずれ等により、本来図柄30を停止させたい正位置からの停止位置のずれを防ぐためのものである。この図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置10のCPU11は、受信の時点で表示している図柄30にかかわらず、停止図柄まで図柄変動させた後、その停止図柄を正位置で停止させるように制御する。」と訂正する。


2.当審の判断
(1)訂正事項1について
訂正事項1は、図柄表示装置のCPUが、図柄の停止などの図柄変動の表示を制御することを明りようにするために、
請求項1の「図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、受信後に、停止図柄データに係る停止図柄を本来停止すべき位置で停止させる」という記載を、
請求項1の「変動コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、/ROMから、変動コマンドに応じた、停止図柄データ、変動パターンデータ及び演出パターンデータを取得し、/変動開始から変動停止までを変動パターンデータ及び演出パターンデータに従って変動表示を行うと共に、停止図柄データに従って停止図柄を表示するように制御し、」(/は改行)、段落【0012】の「また、図柄表示装置には、主基板のCPUとは別に、実際の図柄の変動を制御するCPUが設けられている。」、段落【0020】の「この液晶画面16に表示される図柄を制御するCPU11」という記載に基づき、
「図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、受信後に、停止図柄データに係る停止図柄を本来停止すべき位置で停止表示するように制御する」と訂正するものであるから、明りようでない記載の釈明に該当する。

(2)訂正事項2、7及び8について
訂正事項2、7及び8は、特許請求の範囲の記載に対応しない本件発明の目的又は効果の記載を削除するものであるから、明りようでない記載の釈明に該当する。

(3)訂正事項3について
訂正事項3は、訂正事項1における訂正した特許請求の範囲の記載と、発明の詳細な説明の記載との整合を取るものであって、明りようでない記載の釈明を目的とするものである。

(4)訂正事項4?6、9?10について
訂正事項4?6、9?10は、訂正事項1と同様の訂正であって、明りようでない記載の釈明に該当する。

そして、当該訂正事項1ないし10は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

3.むすび
したがって、本件審判の請求は、特許法第126条1項ただし書3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条3?4項の規定に適合する。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
弾球遊技機
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾球遊技機の図柄表示装置の制御に関し、特に、図柄の制御を行う主基板の処理の負担軽減に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、弾球遊技機においては、盤面に図柄表示装置を備えるものが提供されている。
この図柄表示装置とは、通常、0から9までの数字、又はこれに加えて所定の図柄(たとえば、チェリー、BAR等)を表示する装置であって、液晶、ブラウン管、7セグメントLED、ドットマトリクス、又はこれらの図柄を回転筒周面に印刷したリール等の表示手段で形成されている。この図柄表示装置は、通常複数(多くの場合三つ)の図柄を表示するように形成されているが、単数の図柄を表示する場合もある。
そして、所定の始動チャッカーに入球した際に、これらの表示手段において図柄が変動を始め、やがてある図柄で停止することとなる。このとき、所定の図柄、又は所定の図柄の組み合わせで停止すると、遊技者に対し、たとえば、大入賞口の開口等の所定の利益状態が提供されることとなっている。
【0003】
この図柄表示装置における図柄の変動又は停止は、主基板から送信されるコマンドで制御されることとなっている。
そして、たとえば液晶、ブラウン管、ドットマトリクス等の画面で図柄の変動を行う場合には、所定の単位時間ごとに表示させる図柄番号と、その図柄の停止位置からのずれを示すオフセット値がコマンドとして送信される。そして、これを受信した図柄表示装置が、オフセット値に応じたずれをもって、図柄番号に対応する図柄を、上記所定の単位時間ごとに表示することとなっている。このため、図柄を一定方向に変動させる場合(たとえば、1、2、3…のように順番に表示させるような場合)、図柄番号及び少しずつ変化させたオフセット値を所定の単位時間ごとに送信し続けることで、図柄表示装置に駒送りのような画像を表示させることとしていた。
【0004】
一方、表示手段としてリールを使用する場合には、主基板からパルスを出力することで、回転するリール周面の図柄の変動を制御することとしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10-179865号公報
【特許文献2】特開平10-127877号公報
【特許文献3】特開平6-218115号公報
【特許文献4】特開平6-246050号公報
【特許文献5】特開平8-224339号公報
【特許文献6】特開平10-113433号公報
【特許文献7】特開平5-228245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の方法では、図柄の変動中に、主基板は図柄番号及びオフセット値を少しずつ変化させる制御と、その内容を送信する制御を行わなければならなかった。そのため、主基板からの通信処理容量の多くを図柄の変動に割くこととなり、図柄変動以外の演出(たとえば、所定のキャラクターの出現、背景の変化、図柄の拡大若しくは縮小等)を制御するコマンドの送信の種類及び回数が制限されることとなっていた。
また、液晶等の画像を表示する表示手段と、リールのような表示手段とでは、図柄変動の表示方法が異なっているため、主基板における制御コマンド体系が異なるものとならざるを得なかった。
【0007】
そこで、本発明のうち請求項1記載の発明は、図柄表示装置を備えた弾球遊技機において、図柄を変動させる際にのみ、図柄の変動を指示するコマンドを送信するとともに、そのコマンドに応じた画像表示は図柄表示装置に任せることで、図柄制御における主基板の通信負担を軽くすることを目的とする。これに加えて、表示媒体のいかんに拘わらず統一したコマンド体系で図柄変動を制御することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(請求項1)
上記の課題に鑑み、本発明のうち請求項1記載の発明は、3つのグループに分かれて変動する図柄を各々所定の方向に変動表示する図柄表示装置と、主基板とを有する弾球遊技機であって、主基板及び図柄表示装置は各々別にCPUを有し、この主基板のCPUは、図柄の変動時間情報を含んだ変動コマンドを図柄表示装置のCPUに送信するとともに、図柄表示装置のCPUからは主基板のCPUに送信不能に形成し、図柄表示装置は、停止図柄を表す停止図柄データと、図柄の変動パターンを表す変動パターンデータと、2つのグループの図柄が停止した際、あと1つのグループの図柄次第では特定の配列となるときに、その旨を知らせる演出パターンを有する演出パターンデータとを記憶するROMを有し、主基板では、変動コマンドを、主基板のCPUから図柄表示装置のCPUに変動開始時にのみ送信すると共に、変動コマンドの変動時間情報に含まれる図柄の変動時間をタイマーに設定し、タイマーに設定された時間の経過の計測が開始され、変動コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、ROMから、変動コマンドに応じた、停止図柄データ、変動パターンデータ及び演出パターンデータを取得し、変動開始から変動停止までを変動パターンデータ及び演出パターンデータに従って変動表示を行うと共に、停止図柄データに従って停止図柄を表示するように制御し、主基板は、タイマーで計測している時間が設定された時間に達したとき、主基板のCPUから図柄停止コマンドを図柄表示装置のCPUに送信し、図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、受信後に、停止図柄データに係る停止図柄を本来停止すべき位置で停止表示するように制御することを特徴とする。
【0009】
「図柄表示装置」とは、液晶、ブラウン管、ドットマトリクス等によって図柄を画像で表示する装置、及び、スロットマシンで使用されるような、回転筒周面に図柄を印刷したリールによって図柄を表示する装置をいう。
「図柄」とは、数字その他の文字、記号、又はこれらに加えて、これら以外の、たとえばチェリー、BAR等の図柄を含めたものをいう。また、これらの図柄は、複数の要素が一次元的に配列して、最後の要素の次に、再び最初の要素が現れるような配列(以下、「循環配列」とする。)となっていてもよい。また、複数の図柄がランダムに出現するようになっていてもよい。
【0010】
「所定の方向」とは、一方向であっても、また、双方向であってもよい。したがって、通常では下方向に変動することとして、所定の条件で上方向に変動するような設定をすることも可能である。
「変動表示」とは、たとえば、図柄がリールの回転のように変動することをいう。本発明における図柄表示装置では、図柄は下又は上へ少しずつずれていくことで徐々に消えていくこととなっている。それと同時に、上又は下から少しずつ次の図柄が現れることとなっている。
「停止図柄」とは、図柄の変動を経て、最終的に図柄表示装置が表示する図柄をいう。
【0011】
「停止図柄データ」とは、上記の停止図柄を表すデータをいう。この停止図柄データは、液晶等の図柄を画像表示するものにおいては、停止図柄の画像データとして表される。また、実際に印刷された図柄を表示するリールにおいては、たとえば、所定の基準点からの回転角を示すデータとして表すことができる。
「変動パターン」とは、図柄の変動のパターンをいう。たとえば、図柄変動に係る変動の速度の変化や、図柄を複数表示する場合には停止する順番等を示すものである。
「変動パターンデータ」とは、上記の変動パターンを表すデータをいう。たとえば、図柄変動に係る変動の速度の変化や、図柄を複数表示する場合には停止する順番等を示すデータで表される。
【0012】
「主基板」とは、CPUとプログラムROMとを備えたIC基板をいう。この主基板は、上記の変動コマンドを図柄表示装置へ送信することとなっている。
「データ記憶手段」とは、上記の停止図柄データ及び変動パターンデータ、後述の演出パターンデータを記憶したROM等の記憶装置をいう。このデータ記憶手段は、図柄表示装置に設けられることとなっている。
また、図柄表示装置には、主基板のCPUとは別に、実際の図柄の変動を制御するCPUが設けられている。
本発明では、主基板は、図柄の変動状態の開始時に変動コマンドを送信すれば足り、表示する図柄及びその変動パターンに相当するデータを常時送信する必要がなくなるため、主基板の通信処理負担を軽減することができる。
【0013】
また、変動パターンさえ同一であれば、その変動パターンに見合う実際の図柄の表示の制御は図柄表示装置のCPUに任せられるので、図柄表示装置として、たとえば液晶等の図柄を画像で表示するものであっても、また、リールのように現実の図柄を表示するものであっても、同一の変動コマンドで制御が可能となる。
また、「演出パターン」とは、図柄の変動に係る演出のパターンをいう。たとえば、三個の図柄を表示する場合、二つの図柄が停止した際、あと一つの図柄次第では特定の配列になるとき(いわゆるリーチ状態)に、背景の表示を変化させたり、所定のキャラクターを出現させたりして、遊技者にその旨を知らせるような演出がある。
【0014】
「演出パターンデータ」とは、上記の演出パターンを表すデータをいう。たとえば、図柄の背景の変化や、所定のキャラクターの動作等を示すデータで表される。
また、本発明では、主基板と図柄表示装置とのCPUのクロック周波数の違い、コマンド送信タイミングのずれ、及び表示画面の書き換えタイミングのずれ等によって、図柄が本来停止すべき位置(以下、「正位置」とする。)からずれた位置で停止したり、また、本来停止すべき時点に至ってもまだ変動が続行している事態も想定される。
そこで、本発明に係る弾球遊技機は、主基板は、変動コマンドを送信してから、指定した変動パターンに要する時間の経過後に、図柄停止コマンドを図柄表示装置のCPUに送信するとともに、図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、停止図柄を正位置で停止させるように制御する。
【0015】
ここで、「図柄停止コマンド」とは、主基板が変動コマンドとは別に図柄表示装置へ送信するコマンドであって、図柄表示装置における図柄の変動を停止表示させる指令をいう。
本発明に係る弾球遊技機においては、以下のように図柄の変動が制御される。
まず、図柄の変動の開始時に、主基板が図柄表示装置へ変動コマンドを送信し、これを受信した図柄表示装置はこの変動コマンドに従って図柄の変動を制御する。
そして、変動コマンドで指定された変動パターンに要する時間(以下、「変動所要時間」とする。)の経過後に、主基板は、図柄表示装置のCPUへ上記図柄停止コマンドを送信する。
【0016】
図柄表示装置は、この変動所用時間の間に、所定の変動パターンによる図柄変動を経て、停止図柄で変動を停止表示させているはずであるが、上記の理由により、その停止位置が正位置から若干ずれることがある。
ここで、上記図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、この停止位置から正位置まで図柄を移動させるように制御する。
【発明の効果】
【0017】
本発明は上記のように構成されているので、以下に記す効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明の説明によると、図柄表示装置を備えた弾球遊技機において、図柄を変動させる際にのみ、図柄の変動を指示するコマンドを送信するとともに、そのコマンドに応じた画像表示は図柄表示装置に任せることで、図柄制御における主基板の通信負担を軽くすることが可能となる。これに加えて、表示媒体のいかんに拘わらず統一したコマンド体系で図柄変動を制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一の実施の形態を示す機能ブロック図である。
【図2】主基板における処理を示すフローチャートである。
【図3】図柄の変動のタイミングの一例を示すタイムチャートである。
【図4】図柄変動の一例を示す模式図である。破線は高速変動を示す。
【図5】変動コマンドの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ本発明の一の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態を模式的に示した機能ブロック図である。
本実施の形態に係る弾球遊技機は、図1に示すように、始動チャッカー60、主基板50及び図柄表示装置10を備えることとなっている。
「始動チャッカー」とは、図柄表示装置10の図柄変動を作動させる入賞口に設けてある。この始動チャッカー60に入球があると、下記の主基板50のCPU51へ、入球信号が発せられる。
「主基板」とは、弾球遊技機の作動を制御するソフトウェアが収められた電子制御回路板であって、CPU51、乱数を発生させる乱数ROM53及びプログラムが記憶されているプログラムROM52が搭載されている。
【0020】
「図柄表示装置」とは、液晶画面に図柄を表示する装置であって、図柄を表示する液晶画面16、この液晶画面16に表示される図柄を制御するCPU11、並びに停止図柄、図柄の変動パターン、及び演出のパターンに係るデータが記憶されているデータ記憶手段たるデータROM12を有している。なお、この図柄表示装置10としては、液晶画面で画像を表示するものの他に、ブラウン管、7セグメントLED又はドットマトリクス等のように、図柄を画像で表示するものも使用可能である。
次に、この図1を参照しつつ、本実施の形態に係る弾球遊技機の制御の概略について説明する。
【0021】
主基板50のCPU51は、プログラムROM52に記録されているプログラムに従って、弾球遊技機の役物の作動等を制御している。
そこへ、始動チャッカー60への入球があると、始動チャッカー60から、主基板50のCPU51へ入球信号が送信される。
この入球信号を受信した主基板50のCPU51は、乱数ROM53により発生された乱数に従って、停止図柄、変動パターン及び演出パターンの組み合わせを決定する。
そして、これらの組み合わせを指定するコードは、変動コマンド40として、変動開始の時点で、主基板50のCPU51から、図柄表示装置10のCPU11へ送信される。
【0022】
この変動コマンド40を受信した図柄表示装置10のCPU11は、データROM12から、停止図柄コード43が指定する停止図柄データ13、変動パターンコード44が指定する変動パターンデータ14、及び演出パターンコード45が指定する演出パターンデータ15を取得する。そして、この取得したデータに基づいて、液晶画面16に、指定された停止図柄を、指定された変動パターン及び演出パターンで表示するように制御する。
図柄表示装置10の液晶画面16は、図4イに示すような外観を呈している。この液晶画面は、三個の表示枠20(以後、左から順に「左枠」、「中枠」及び「右枠」と称する。)中のそれぞれに図柄30(以後、左から順に「左図柄」、「中図柄」及び「右図柄」と称する。)を表示することで、三桁の図柄30を表すこととなっている。なお各図柄30は、数字の「0」から「9」まで順に変動し、「9」の次は再び「0」へ変動するものとする。
【0023】
図柄30の変動及び停止を概念的に例示したのが図3である。この図と図柄30の変動を模式的に例示した図4とを参照しつつ、図柄30の変動及び停止について説明する。
最初は、各図柄30とも停止状態にある(図4イ)。この状態から、所定の始動チャッカー60に入球することによって、図柄30の変動が開始する(図3のa、図4ロ)。
各図柄30は、変動開始直後は低速で変動するが、程なく高速変動に入る(図3のb、図4ハ)。
それから、まず左図柄31が再び低速になり(図3のc、図4ニ)、そして停止する(図3のd、図4ホ)。この時点では、中図柄32及び右図柄33は高速変動を維持している。
【0024】
次に中図柄32が再び低速になり(図3のe、図4ヘ)、そして停止する(図3のf、図4ト)。この時点では、右図柄33は高速変動を維持している。
最後に右図柄33が再び低速になり(図3のg、図4チ)、そして停止する(図3のh、図4リ)。
そして、各図柄30全てが再び停止状態となる(図3のi)。
本実施の形態においては、図3中におけるaの時点で、主基板のCPUが、変動コマンド40を送信することとなっている。
変動コマンド40の構成は図5に示すとおり、合計6個のセグメントから成っている。
【0025】
<1>は、変動コマンド40の先頭を示す変動開始コマンド41を示す。
<2>は、左図柄31の停止図柄を指定する左図柄コード43aを示す。
<3>は、中図柄32の停止図柄を指定する中図柄コード43bを示す。
<4>は、右図柄33の停止図柄を指定する右図柄コード43cを示す。
これらの左図柄コード43a、中図柄コード43b及び右図柄コード43cに対応する停止図柄データ13は、図柄表示装置10のデータROM12に記録されている。たとえば、停止図柄が「7」である場合には、停止図柄コード43として、「7」を指定するコードが決定されることとなる。そして、この「7」を実際に表示するための画像データは、データROM12中に停止図柄データ13として記録されている。
【0026】
<5>は、図柄30の変動パターンを指定する変動パターンコード44を示す。これは、変動速度の変化のパターン及び図柄30の停止順番のパターンを指定するものである。たとえば、上記の図柄変動の例では、下記の表1のようなパターンがこの変動パターンコード44で指定されることとなる。
【0027】
【表1】

【0028】
上記の変動パターンを表示するデータは、図柄表示装置10のデータROM12に、変動パターンデータ14として記憶されている。なお、同表中の最左列の符号は、図3の符号と対応している。
また、図5の<6>は、演出パターンコード45を示す。これは、図柄30の背景等の演出を指定するコードである。たとえば、二つの図柄30が停止した際に、あと一つの図柄30次第では特定の配列になる場合(いわゆるリーチ状態)に遊技者にその旨を知らせる演出がある。この演出パターンコード45で指定されるデータは、図柄表示装置10のデータROM12に、演出パターンデータ15として記憶されている。
【0029】
(処理手順)
主基板50における処理を示すのが図2のフローチャートである。以下、この図を参照しつつ主基板50における処理を説明する。
まず、始動チャッカー60に入球があると、主基板50において乱数を発生させ(S100)、これに応じて停止図柄、変動パターン及び演出パターンが決定される(S101)。
そして、この変動パターン及び演出パターンに要する時間が決定される(S102)。この時間は、主基板50の図示しないRAMに設けられるタイマーに設定される(S103)。
しかる後に、停止図柄コード43、変動パターンコード44及び演出パターンコード45を含む変動コマンド40が図柄表示装置10のCPU11に送信される(S104)。そして、タイマーに設定された変動所要時間が減算され(S105)、その変動所用時間が経過したかどうかが判断される(S106)。まだ経過していないときは、変動所要時間の減算が継続される(S105)。なお、この変動所要時間の間に、図柄表示装置10において、上記の変動コマンドに従って図柄の変動が行われることとなっている。
【0030】
そして、S106において所要時間が経過したと判断されると、主基板50から図柄表示装置50へ、図柄停止コマンドが送信される(S106)。この図柄停止コマンドとは、主基板50のCPU51と図柄表示装置10のCPU11とのクロック周波数の違い、コマンド送信タイミングのずれ、表示画面の書き換えタイミングのずれ等により、本来図柄30を停止させたい正位置からの停止位置のずれを防ぐためのものである。この図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置10のCPU11は、受信の時点で表示している図柄30にかかわらず、停止図柄まで図柄変動させた後、その停止図柄を正位置で停止させるように制御する。
以上で主基板50における処理は終了するが、次に始動チャッカー60に再び入球があると、また、上記の手順で処理を繰り返すこととなっている。
【0031】
ここで再び、図4に示す図柄変動の例における処理の手順について、適宜図2及び図5を参照しつつ説明する。
まず、始動チャッカー60に入球するまでは、前回の停止図柄(この例では「823」が図柄表示装置10に表示されている(図4イ)。
そして、始動チャッカー60に入球すると、主基板50において乱数によって(図2のS100)、停止図柄が決定される。たとえば、停止図柄として「456」が決定されると、左図柄31の停止図柄が「4」、中図柄32の停止図柄が「5」、及び右図柄33の停止図柄が「6」ということになる。これに加えて、変動パターン及び演出パターンも決定される。ここまでが図2のS101に示す段階である。
【0032】
そして、この変動パターン及び演出パターンに要する時間が決定され(図2のS102)、主基板50のタイマーにこの変動所要時間が設定される。これが図2のS103に示す段階である。
そして、停止図柄コード43、変動パターンコード44、及び演出パターンコード45を指定した変動コマンド40が、主基板50から図柄表示装置10のCPU11へ送信される。これが図2のS104に示す段階である。以後、主基板50においては、S105及びS106の段階で変動所要時間の監視を行っているが、図柄変動に関する図柄表示装置10へのコマンド送信はこの間には行われない。
【0033】
この間の図柄変動は、図柄表示装置10自体が制御することとなっている。
すなわち、変動コマンド40を受信した図柄表示装置10のCPU11は、当該変動パターンコード44に対応する変動パターンをデータROM12から取得する。以後、表1に示すパターンが取得されたものとして説明する。
まず、表1の「ロ」のデータに従って、各図柄30を低速変動させることとなる。すなわち図柄表示装置10は、各表示枠20において、現在表示している図柄30から下方向へ低速で変動を開始する(図4ロ)。
次に、表1の「ハ」のデータに従って、各図柄30を高速変動させることとなる。すなわち図柄表示装置10は、各表示枠20において、現在表示している図柄30から下方向へ高速で変動を開始する(図4ハ)。
【0034】
次に、表1の「ニ」のデータ及び左図柄コード43aに従って、左図柄31を停止図柄「4」へ向けて低速移動させるとともに、中図柄32及び右図柄33を高速変動させることとなる。すなわち図柄表示装置10は、左枠21では停止図柄の「4」へ向けて低速変動を開始する。しかし、中枠22及び右枠23では依然として高速変動を維持している(図4ニ)。
次に、表1の「ホ」のデータ及び左図柄コード43aに従って、左図柄31を停止図柄「4」の停止状態とするとともに、中図柄32及び右図柄33を高速変動させることとなる。すなわち図柄表示装置10は、左枠21では停止図柄「4」の停止状態を表示する。しかし、中枠22及び右枠23では依然として高速変動を維持している(図4ホ)。
【0035】
次に、表1の「ヘ」のデータ並びに左図柄コード43a及び中図柄コード43bに従って、左図柄31を停止図柄「4」の停止状態とし、中図柄32を停止図柄「5」へ向けて低速移動させるとともに、右図柄33を高速変動させることとなる。すなわち図柄表示装置10は、左枠21では停止図柄「4」の停止状態を表示する。また、中枠22では停止図柄の「5」へ向けて低速変動を開始する。しかし、右枠23では依然として高速変動を維持している(図4ヘ)。
次に、表1の「ト」のデータ並びに左図柄コード43a及び中図柄コード43bに従って、左図柄31を停止図柄「4」の停止状態とし、中図柄32を停止図柄「5」の停止状態とするとともに、右図柄33を高速変動させることとなる。すなわち図柄表示装置10は、左枠21では停止図柄「4」の停止状態を表示する。また、中枠22でも停止図柄「5」の停止状態を表示する。しかし、右枠23では依然として高速変動を維持している(図4ト)。
【0036】
次に、表1の「チ」のデータ並びに左図柄コード43a、中図柄コード43b及び右図柄コード43cに従って、左図柄31を停止図柄「4」の停止状態とし、中図柄32を停止図柄「5」の停止状態とするとともに、右図柄33を停止図柄「6」へ向けて低速移動させることとなる。すなわち図柄表示装置10は、左枠21では停止図柄「4」の停止状態を表示する。また、中枠22でも停止図柄「5」の停止状態を表示する。そして、右枠23では停止図柄の「6」へ向けて低速変動を開始する(図4チ)。
次に表1の「リ」のデータ並びに左図柄コード43a、中図柄コード43b及び右図柄コード43cに従って、左図柄31、中図柄32及び右図柄33をそれぞれ停止図柄「4」、「5」および「6」の停止状態とすることとなる。すなわち図柄表示装置10は、左枠21では停止図柄「4」の停止状態を表示する。また、中枠22でも停止図柄「5」の停止状態を表示する。更に、右枠23でも停止図柄「6」の停止状態を表示する(図4リ)。
【0037】
この時点で、主基板50のCPU51と図柄表示装置10のCPU11とのクロック周波数の違い、コマンド送信タイミングのずれ、表示画面の書き換えタイミングのずれ等により、図柄変動が停止していない事態も考えられる。このときには、図2のS106の段階で変動所要時間が経過したと判断されることとなる。そこで主基板50は、図柄停止コマンドを図柄表示装置10に送信する。これが図2のS107に示す段階である。これを受けた図柄表示装置10は、左枠21では停止図柄の「4」で変動を正位置で停止させる。また、中枠22でも停止図柄の「5」で変動を正位置で停止させる。更に、右枠23でも停止図柄の「6」で変動を正位置で停止させる。これによって、停止図柄はずれもなく正位置に表示されることとなる。そして、再び始動チャッカー60に入球するまで、この状態を維持することとなる。
【0038】
(変形例)
上述の説明では、左図柄31、中図柄32、右図柄33の順に変動が停止することとしているが、もちろんこの順番に限られるものではなく、停止する順番も任意に変動コマンド40によって指定することが可能である。
また、各図柄30は停止状態から、低速変動を経て高速変動に至り、再び低速変動を経て停止状態となることとしているが、もちろんこのパターンに限られるものではなく、たとえば、一旦停止した図柄30が再び変動を始めるようなパターンを変動コマンド40によって指定することも可能である。
【0039】
更に、図柄30の変動方向も、下方向ばかりでなく上方向に変動させることも可能である。
また、上述の説明では、演出パターンコード45での演出については特に言及していないが、図柄表示装置10のデータROM12に様々な演出のパターン(たとえば、リーチ状態の場合に所定のキャラクターを出現させたり、背景を変化させたりするような演出)に対応する演出パターンデータ15を記憶させておき、これらのデータを演出パターンコード45で指定することが可能である。
更に、本発明では、図柄変動の開始時に変動コマンド40を送信すれば足りるので、その送信以外の時に、上記の演出パターンコード45とは別に、所定のキャラクターを出現させる等の、図柄変動とは直接関係のない演出に係るコマンドを送信することができる。
【0040】
なお、上記の実施の形態では、図柄30は一定の循環配列に従って変動速度を変化させつつ変動することとしている。しかし、図柄変動の切り替えの時点ごとに、所定の図柄変動を示す画像に差し替えながら表示することも可能である。たとえば、高速変動から低速変動を経て停止図柄「5」で停止させる場合に、変動コマンド40受信時に、たとえば「7」の図柄を表示していたとしても、次の瞬間に「1」に図柄を差し替えて、そこから「5」の図柄に向かって徐々に変動速度を減じていくような画像データを、データROM12から取得して表示させるようにしてもよい。
また、図柄変動のタイミングは、図3に示すものに限られるわけではない。たとえば、左図柄31がcからdまでで低速変動をしている間に、中図柄32がeのタイミングで低速変動に移行するように変動コマンド40で指定することも可能である。同様に、中図柄32がeからfまでで低速変動をしている間に、右図柄33がgのタイミングで低速変動に移行するように変動コマンド40で指定することも可能である。
【符号の説明】
【0041】
10 図柄表示装置
11 CPU 12 データROM
13 停止図柄データ 14 変動パターンデータ
15 演出パターンデータ 16 液晶画面
20 表示枠
21 左枠 22 中枠
23 右枠
30 図柄
31 左図柄 32 中図柄
33 右図柄
40 変動コマンド
41 変動開始コマンド
43 停止図柄コード
43a 左図柄コード 43b 中図柄コード
43c 右図柄コード
44 変動パターンコード 45 演出パターンコード
50 主基板
51 CPU 52 プログラムROM
53 乱数ROM
60 始動チャッカー
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3つのグループに分かれて変動する図柄を各々所定の方向に変動表示する図柄表示装置と、
主基板とを有する弾球遊技機であって、
主基板及び図柄表示装置は各々別にCPUを有し、この主基板のCPUは、
図柄の変動時間情報を含んだ変動コマンドを図柄表示装置のCPUに送信するとともに、図柄表示装置のCPUからは主基板のCPUに送信不能に形成し、図柄表示装置は、
停止図柄を表す停止図柄データと、
図柄の変動パターンを表す変動パターンデータと、
2つのグループの図柄が停止した際、あと1つのグループの図柄次第では特定の配列となるときに、その旨を知らせる演出パターンを有する演出パターンデータとを記憶するROMを有し、
主基板では、
変動コマンドを、主基板のCPUから図柄表示装置のCPUに変動開始時にのみ送信すると共に、変動コマンドの変動時間情報に含まれる図柄の変動時間をタイマーに設定し、タイマーに設定された時間の経過の計測が開始され、
変動コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、
ROMから、変動コマンドに応じた、停止図柄データ、変動パターンデータ及び演出パターンデータを取得し、
変動開始から変動停止までを変動パターンデータ及び演出パターンデータに従って変動表示を行うと共に、停止図柄データに従って停止図柄を表示するように制御し、
主基板は、
タイマーで計測している時間が設定された時間に達したとき、主基板のCPUから図柄停止コマンドを図柄表示装置のCPUに送信し、
図柄停止コマンドを受信した図柄表示装置のCPUは、受信後に、停止図柄データに係る停止図柄を本来停止すべき位置で停止表示するように制御することを特徴とする弾球遊技機。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2012-03-01 
出願番号 特願2009-130762(P2009-130762)
審決分類 P 1 41・ 853- Y (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 ▲高▼藤 啓太田 恒明  
特許庁審判長 立川 功
特許庁審判官 秋山 斉昭
瀬津 太朗
登録日 2009-10-02 
登録番号 特許第4383508号(P4383508)
発明の名称 弾球遊技機  
代理人 黒田 博道  
代理人 黒田 博道  

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