• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F16D
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F16D
管理番号 1253841
審判番号 不服2010-28435  
総通号数 149 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-05-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-12-16 
確定日 2012-03-15 
事件の表示 特願2006-528822「鞍乗型車両」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 1月12日国際公開、WO2006/004008〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、2005年6月30日(優先権主張2004年7月1日、日本国)を国際出願日とする出願であって、平成22年9月14日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成22年12月16日に拒絶査定不服審判の請求と明細書及び特許請求の範囲を補正する手続補正とが同時になされたものである。

第2 平成22年12月16日付け手続補正の補正の却下の決定

〔補正の却下の決定の結論〕

平成22年12月16日付け手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]

1.本件補正後の本願発明

本件補正により、特許請求の範囲の請求項1(以下、「本願補正発明」という。)は

「【請求項1】
クラッチアクチュエータおよびシフトアクチュエータによってシフトチェンジが実行可能な自動変速装置を備えた鞍乗型車両であって、
前記クラッチアクチュエータによってクラッチ動作が制御されるクラッチは、多板クラッチであり、
前記多板クラッチには、前記クラッチの半クラッチ領域におけるクラッチ伝達トルクの変化量を鈍感にする付勢手段が設けられており、
前記付勢手段は、前記半クラッチ領域における前記クラッチアクチュエータのクラッチストロークに対する前記クラッチ伝達トルクの傾きを、当該付勢手段が設けられてないときと比較して緩やかにするものであり、
シフトチェンジ時において、前記クラッチアクチュエータと前記シフトアクチュエータは共にオーバーラップして動作するように制御されることを特徴とする、鞍乗型車両。」と、補正された。(なお、下線は、請求人が付した本件補正による補正箇所を示す。)

上記補正は、請求項1についてみると、本件補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項について、本願の願書に最初に添付した明細書の段落【0061】、【0063】及び図6に基づき、付勢手段についての「クラッチの半クラッチ領域を拡大する」との記載を「クラッチの半クラッチ領域におけるクラッチ伝達トルクの変化量を鈍感にする」と記載して明確にし、さらに、付勢手段について、「前記付勢手段は、前記半クラッチ領域における前記クラッチアクチュエータのクラッチストロークに対する前記クラッチ伝達トルクの傾きを、当該付勢手段が設けられてないときと比較して緩やかにするものであ」ると限定するものであって、これは、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項第2号の「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものに該当する。

そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2.引用刊行物記載の発明

原査定の拒絶の理由に引用され、本願の優先権主張の日前に頒布された刊行物及びその記載事項は、次のとおりである。

引用例1:特開2004-11774号公報
引用例2:国際公開第02/40305号

(1)引用例1(特開2004-11774号公報)には、次の事項が図面とともに記載されている。
ア「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載され、変速ギヤの切替動作と、これに伴うクラッチの駆動力伝達の断続動作を制御する変速制御装置及び変速制御方法に関する。」

イ「【0017】
請求項2に記載の本発明は、複数段の変速ギヤを備える多段シフト機構の変速ギヤの切替を行うシフトアクチュエータと、変速ギヤの切替時にクラッチによるエンジンからの駆動力の伝達を断続させるクラッチアクチュエータとを制御する変速制御装置であって、変速ギヤの切替要求に応じてクラッチアクチュエータに駆動力伝達を遮断させる遮断指示手段と、クラッチアクチュエータによる駆動力伝達の遮断開始から駆動力伝達の遮断終了までの間にシフトアクチュエータに変速ギヤの切替を行わせる切替指示手段とを有することを要旨とする。
【0018】
請求項2に記載の本発明にあっては、変速ギヤの切替をクラッチアクチュエータによる駆動力伝達の切断の開始から終了までの間、つまり変速ギヤが有する凸ドグからもう一方の変速ギヤが有する凹ドグへ荷重が加えられていない状態、もしくは荷重が減少している状態で行わせるため、凹ドグから凸ドグを確実且つ円滑に抜くことができる。
【0019】
請求項3に記載の本発明は、請求項2に記載の発明において、切替指示手段は、クラッチの半クラッチ状態を検出する半クラッチ状態検出手段と、半クラッチ状態が検出されるとシフトアクチュエータに変速ギヤの切替を行わせるための変速ギヤ切替指示信号を送信する切替指示信号送信手段とを有することを要旨とする。
【0020】
請求項3に記載の本発明にあっては、変速ギヤの切替をクラッチアクチュエータによる駆動力伝達の切断の開始から終了までの間に行うにあたって、クラッチの半クラッチ状態を検出するため、凹ドグから凸ドグを確実且つ円滑に抜くことができる。
【0021】
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の発明において、半クラッチ状態検出手段は、クラッチを動作させるためのロッドの移動距離を測定する測定手段と、移動距離に基づいて半クラッチ状態を検出する検出手段とを有することを要旨とする。
【0022】
請求項4に記載の本発明にあっては、半クラッチ状態をクラッチを動作させるためのロッドの移動距離に基づいて検出するため、半クラッチ状態を正確に検出することができる。」

ウ「【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の変速制御装置について説明する。
・・・(一部省略)・・・
【0036】
本発明の変則制御装置は、複数段の変速ギヤを備える多段シフト機構の変速ギヤの切替を行うシフトアクチュエータと、変速ギヤの切替時にクラッチによるエンジンからの駆動力の伝達を断続させるクラッチアクチュエータとを制御する変速制御装置であり、以降の説明においては、この変速制御装置が自動二輪車に搭載される場合を示す。
【0037】
図1は、本発明の変速制御装置が搭載される自動二輪車の構成の一例を説明するための図である。
・・・(以下省略)・・・。」

エ「【0050】
図2は、図1の自動二輪車1が有する多段シフト機構及びクラッチ40等の詳細を示す図である。
・・・(以下省略)・・・。
【0051】(省略)
【0052】
また、本実施の形態における自動二輪車1は、クラッチレバー30を有する場合は示したが、これは、前述のセミオートマチックトランスミッション方式、運転者の指示がなくともエンジン69の回転数に応じて自動的に変速ギヤの切替が行われるフルオートマチックトランスミッション方式、運転車がクラッチレバー30とチェンジペダル(図示せず)を用いて変速ギヤの切替を行うマニュアルトランスミッション方式のいずれかにより変速ギヤの切替を行うことを想定しているためである。このため、スイッチ部10には、上記の変速方式を選択するための選択スイッチ(図示せず)が設けられる。」

オ「【0076】
図6は、本発明の第2の実施の形態にかかる変速制御装置65bの構成を示すブロック図である。
変速制御装置65bは、請求項2に記載の遮断指示手段に対応する遮断指示部66bと、切替指示手段に対応する切替指示部68bとを有し、スイッチ部10、エンジン69、クラッチアクチュエータ53、及びシフトアクチュエータ54と接続している。
【0077】
遮断指示部66bは、スイッチ部5から駆動力伝達の遮断要求信号を受信するとクラッチアクチュエータ53にクラッチ40の切断を開始させる。
【0078】
切替指示部68bは、変速ギヤの切替をクラッチアクチュエータ53によるクラッチ40の切断(駆動力伝達の遮断)の開始から終了までの間に変速ギヤの切替を行わせるものであり、本実施の形態では、これを行うにあたって、クラッチ40の半クラッチ状態を検出する場合を示す。
【0079】
クラッチ40の切断が開始されると、切替指示部68bの半クラッチ状態検出部70b(請求項の半クラッチ状態検出手段に対応)は、クラッチ40の半クラッチ状態を検出し、切替指示信号送信部71bは、シフトアクチュエータ54へ変速ギヤ切替指示信号を送信する。
【0080】
また、半クラッチ状態検出部70bは、クラッチ40の切断が開始されてから終了されるまでの間の半クラッチ状態を検出するために図7に示すようなストロークセンサ55(請求項の測定手段に対応)を有する。
【0081】
運転者がスイッチ部(図示せず、図6のスイッチ部10に相当)を用いて変速ギヤの切替を指示すると、シフトアクチュエータ(図示せず、図6のシフトアクチュエータ54に相当)が動作し、これに伴いシフトカム46が回転し、このシフトカム46に設けられえたカム溝47に沿ってシフトフォーク48が移動することにより、変速ギヤ42aが変速ギヤ42b又は変速ギヤ42cと接続する。
【0082】
変速ギヤ42aには外側に突出した凸ドグ72及び73が設けられており、変速ギヤ42aがシフトフォーク48の作用により変速ギヤ42b側へ移動し、凸ドグ72が変速ギヤ42bに設けられた凹ドグ74と係合することにより変速ギヤ42aと変速ギヤ42bとが接続する。
【0083】
また、変速ギヤ42aが変速ギヤ42cと接続する場合は、変速ギヤ42aがシフトフォーク48の作用により変速ギヤ42c側へ移動し、凸ドグ73が変速ギヤ42cに設けられた凹ドグ75と係合する。
【0084】
また、変速ギヤ42aが変速ギヤ42b又は変速ギヤ42cと接続するにあたっては、クラッチ40によるメインシャフト41、変速ギヤ群42への駆動力の伝達が遮断される。クラッチ40は、フリクションプレート76、クラッチプレート77、圧縮バネ78、プレッシャプレート79、ロッド80を有し、クラッチアクチュエータ53、アクチュエータロッド58、レバー59、ピニオン60、及びラック61の作用によりロッド80が引かれると、圧縮バネ78が伸張するとともにプレッシャプレート79が移動し、これにより、互いに密着していたフリクションプレート76とクラッチプレート77とが離れ、駆動力の伝達が遮断される。
【0085】
ストロークセンサ55は、ロッド80の移動距離を測定することにより、フリクションプレート76とクラッチプレート77の間隔を測定し、図6の半クラッチ状態検出部70bの検出手段(図示せず)は、ストロークセンサ55の測定値を基に半クラッチ状態を検出する。なお、ロッド80の移動距離は、ピニオン60、レバー59、アクチュエータロッド58の移動量から求められる。
【0086】
なお、本実施の形態においては、クラッチアクチュエータ53等がクラッチ40の右側に配置され、ロッド80を図の右側に『引く』場合を示したが、これに限定されず、クラッチアクチュエータ53等を変速ギヤ42bの左側に配置し、図13のロッド114のようにロッド80の長さを伸張し、メインシャフト41の中空部分に通し、クラッチアクチュエータ53がロッド80を図の右側へ『押す』ことによりクラッチ40の切断動作を行う構成とすることもできる。
【0087】
図8は、図6の変速制御装置65bの作用を示すシーケンス図である。
遮断指示部66bは、スイッチ部10から変速ギヤ切替要求信号を受信するとクラッチアクチュエータ53へクラッチ切断指示信号を送信する(ステップS1b)。クラッチアクチュエータ53は、クラッチ40の切断を開始する(ステップS2b)。
【0088】
半クラッチ状態検出部70は、クラッチ7の切断終了(ステップS6b)までの半クラッチ状態を検出すると切替指示信号送信部71へ変速ギヤ切替指示信号の送信を要求する(ステップS3b)。クラッチ7が半クラッチ状態になると、変速ギヤの凸ドグから凹ドグに加えられていた荷重は、減少もしくはゼロとなる。
【0089】
変速ギヤ切替指示信号を受けた切替指示信号送信部71はシフトアクチュエータ54へ変速ギヤ切替指示信号を送信する(ステップS4b)。シフトアクチュエータ54は変速ギヤ切替指示信号を受信すると変速ギヤの切替を行う(ステップS5b)。
【0090】
図9は、図6に示した変速制御装置65bにより制御される変速ギヤ切替動作を説明するための図である。
クラッチの切断(駆動力伝達の遮断)が開始され、半クラッチ状態になると、aに示すように凹ドグと密着していた凸ドグが、bに示すように矢印Eの変速ギヤ切替方向に抜かれ、変速ギヤの切替が行われる。この後、切断されていたクラッチが再接続される。
【0091】
上記のとおり、変速制御65bは、変速ギヤの切替をクラッチアクチュエータによる駆動力伝達の切断の開始から終了までの間、つまり変速ギヤが有する凸ドグからもう一方の変速ギヤが有する凹ドグへ荷重が加えられていない状態、もしくは荷重が減少している状態で行わせるため、凹ドグから凸ドグを確実且つ円滑に抜くことができる。
【0092】
また、変速ギヤの切替をクラッチアクチュエータによる駆動力伝達の切断の開始から終了までの間に行うにあたって、クラッチの半クラッチ状態を検出するため、凹ドグから凸ドグを確実且つ円滑に抜くことができる。
【0093】
また、半クラッチ状態をクラッチを動作させるためのロッドの移動距離に基づいて検出するため、半クラッチ状態を正確に検出することができる。」

カ 図1から、自動二輪車1は、鞍乗型車両であること、図7から、クラッチ40が多板クラッチであることが看取できる。

これらの記載事項及び図面からみて、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「クラッチアクチュエータ53およびシフトアクチュエータ54によって変速ギヤ42の切替が可能なセミオートマチックトランスミッション方式或いは、フルオートマチックトランスミッション方式の変速装置を備えた自動二輪車1であって、
前記クラッチアクチュエータ53によってクラッチ動作が制御されるクラッチ40は、多板クラッチであり、
自動二輪車1は、クラッチ40を動作させるためのロッド80の移動距離を測定するストロークセンサ55と、移動距離に基づいて半クラッチ状態を検出する検出手段とを有する半クラッチ状態検出手段70bを備え、
変速ギヤ42の切替時に、クラッチアクチュエータ53による駆動力伝達の遮断開始から駆動力伝達の遮断終了までの間に、半クラッチ状態検出手段70bが、クラッチ40の半クラッチ状態を検出し、切替指示信号送信手段71bがシフトアクチュエータ54に変速ギヤ42の切替を行わせる自動二輪車1。」

(2)引用例2(国際公開第02/40305号)には、次の事項が図面とともに記載されている。なお、丸括弧内は当審による仮訳である。
サ「This invention relates to clutch mechanisms in particular but not exclusively for automobile applications.
Clutch mechanisms are known having a clutch for selectively transmitting drive from a drive to a driven member. There is usually operating means for changing the state of the clutch between an operative and inoperative position. In addition there is actuating means for energising the operating means for operating the clutch. Mechanical linkages are provided between the actuating means and the operating means to transmit drive to the clutch. Automobile clutches usually have a short length of travel between the operative and inoperative positions which makes them sensitive to use. Proposals have been made for cushioning the clutch movement over the bite point, for example by the use of springs between the clutch plates. However these arrangements have tended to be somewhat costly to manufacture.」(第1頁第3?15行)
(この発明は、特に限定するものではないが、自動車用のクラッチ機構に関する。
クラッチ機構は、駆動部材から被駆動部材に選択的に動力を伝えるためのクラッチを持っていることが知られている。通常、作動位置と非作動位置とにクラッチの状態を変更する操作手段がある。加えて、クラッチを操作する操作手段に動力を与える作動手段がある。機械的な結合は、作動手段とクラッチに動力を伝える操作手段との間に設けられている。自動車のクラッチは通常、作動位置と非作動位置との間の行程が短く、それらを使う上で、センシティブである。例えば、クラッチプレート間にバネを配置することによって、咬合点付近のクラッチの動きを弱める提案がなされている。しかし、これらの配置は、製造を幾分高価にする傾向がある。)

シ「Referring to the drawings, Fig. 1 shows a conventional layout for a clutch mechanism in which there is provided clutch plates 10 located within a housing 12 and operated by clutch operating mechanism 13 by which the clutch plates 10 are moved between operative (engaged) and inoperative (disengaged) positions. For simplicity the operating means 13 is shown as a lever arm of which one end operatively engages the clutch plates 10, the other is attached to transmission means 14, in the form of a rod, and having a pivot 15.
The rod 14 is connected at its opposite end to an actuator 16 by which the rod 14 is moved reciprocally to operate the operating means 13. The actuator 16 includes a housing 17 in which is movable a piston 11, attached to the rod 14, by the introduction of fluid into the housing 17 upon receiving a signal at valve 19 to introduce or release fluid from the housing 17 which defines a cylinder.
In the arrangement shown in Fig. 1 operation of the clutch plates 10 is effected by direct movement of the piston 11 in the cylinder 17 causing the operating means 13 to engage or disengage the clutch. Referring to Fig. 6 the action of the clutch mechanism in this arrangement would result in a generally straight line displacement on the application of constanly increasing force. As can be seen from Fig. 6, if the bite point of the clutch occupies a displacement E this occurs over a short distance of displacement which may be only one or two millimetres in practice.
Although it has been proposed to increase the amount of displacement over the bite point this has involved the use of cushioning within the clutch plates which can be problematical in terms of cost and difficulty in assembly.」(第3頁第18行?第4頁第11行)
(図面を参照すると、図1には、クラッチ操作機構13を操作することによって作動(係合)位置と非作動(非係合)位置間で移動されるクラッチ板10がハウジング12内に設けられた、従来のクラッチ機構の配置が示されている。単純化のために、操作手段13は、一端がクラッチ板10に操作可能に係合し、他端が伝達手段14に接続された、回転軸15を備えたロッド状のレバーアームとして示されている。
ロッド14は、その反対側の端部でアクチュエータ16に接続されており、ロッド14は、アクチュエータ16によって、操作手段13を操作するように相互に動かされる。アクチュエータ16は、ロッド14に接続され、シリンダーを構成するハウジング17へ流体を導入し或いは排出するバルブ19へ信号が届くと、ハウジング17へ流体が導入されることによって動かされるピストン11を内部に備えたハウジング17を含む。
図1に示される配置では、クラッチ板10の操作は、操作手段13にクラッチ係合或いはクラッチ非係合とさせる、シリンダー17内のピストン11の直接動作により達成される。図6を参照すると、この配置におけるクラッチ機構の挙動は、通常、移動量につれて一定割合で力が増加する、直線となる。図6からわかるように、クラッチの咬合点が変位Eを占め、これは、実際にはわずか1,2ミリメートル程度の短い変位距離で起きる。
咬合点を含む変位総量を増やす提案が既になされているけれども、これは、クラッチ板内にクッションを使用することを含み、コストと組立困難性の点で問題がある。)

ス「Referring now to Fig. 2 there is shown one arrangement whereby cushioning is introduced into the transmission between the actuating means 16 and the clutch operating means 13. In the Fig. 2 arrangement the rod 14 has interposed between its ends a cushioning arrangement 20 defined by a housing 21 in which is located a spring 23, a movable disc 24 acting as a piston and having a stop 25 extending from one side which, upon movement of the disc 24 along the housing 21 is engagable with the opposite end of the space within the housing 21.
The spring 23 has a resilience chosen to match the requirements of the clutch mechanism and may be a helical spring as shown, or can be another kind of resilient spring.
As the piston 11 of the actuating means 16 moves to the left as seen in Fig. 1, this causes the rod 14 to move, and compressive force is applied to the spring 23. Until the compressive force on the spring is sufficient to overcome the resilience of the spring no compression occurs and the unit 20 moves as one towards the left with the piston 11 and causes the clutch operating means 13 to move the clutch towards the disengaged position. Such movement continues until the clutch approaches its bite position and, when this occurs, the cushioning device 20 comes into play with the spring 23 begim ing to compress according to the predetermined resilience of the spring chosen. Thus the disc 24 moves along the housing towards the opposite end thereof until the projection 25 engages with the opposite end of the housing 21 which is when the clutch has moved through the bite point. Thereafter the unit 20 moves as one with the rod 14 through a further phase of movement of the clutch.
To explain the phases of movement more clearly and referring to Fig. 6, displacement of the clutch is initially by movement of the piston 11 causing movement of the operating means 13 with the cushioning means 20 and rod 14 moving as one. Such movement is over the distance A in Fig. 6, and constitutes a first phase of movement.
A second phase of movement is over the distance E in Fig. 6 which is through the bite point of the clutch. When the clutch is in the form having the cushioning means 20 of Fig. 2 the extent of the bite point changes to that of B in Fig. 6 which, it can be seen, gives rise to a bigger displacement over this movement.
After passing through the bite point the clutch then moves a further distance, shown as C in Fig. 6 which can be termed a third phase of movement. This is the same with the Fig. 1 arrangement as with the arrangement as modified according to Fig. 2.」(第4頁第13行?第5頁第18行)
(図2を参照すると、クッションが、作動手段16とクラッチ操作手段13との間の伝達経路に組み込まれているものが示されている。図2の配置では、ロッド14は、その両端間に緩衝装置20を配置し、緩衝装置20は、スプリング23、可動ディスク24を配置されているハウジング21からなり、可動ディスク24は、ピストンとして作動し、一方から延びるストッパ25を有し、ハウジング21に沿うディスク24の動きにより、ストッパ25は、ハウジング21内のスペースの他方端で当接する。
スプリング23は、クラッチ機構が必要とするのと適合するように選ばれた弾力性を持ち、示されているような螺旋ばねでも、その他の弾性ばねでもよい。
図1を見ると、作動手段16のピストン11が左に移動すると、ロッド14が移動され、圧縮力がスプリング23にはたらく。スプリングにかかる圧縮力がばねの弾力性を越えるのに充分になるまでは、圧縮は生じず、ユニット20は、ピストン11と共に左へ移動し、クラッチ操作手段13はクラッチを非係合位置へ向けて移動させる。クラッチが咬み合い位置に近づくまで、この移動が続き、これが起こる時、緩衝装置20は、予め選択したばねの弾力性にしたがって圧縮され始める。
このように、ディスク24は、ハウジングに沿って反対の端へ向けて移動し、それゆえ、突起25は、ハウジングの他端と当接し、クラッチは咬み合い点を超える。その後、ユニット20は、クラッチ移動の更なる段階へ、ロッド14と共に移動する。
移動の段階を、図6を参照して、さらに詳しく説明すると、クラッチの移動は、最初、ピストン11の動きによって、緩衝装置20とロッド14と共に操作手段13の動きをひきおこす。このような動きは、図6の距離Aにわたる。そして、これは、最初の移動の段階を構成する。
移動の第2段階は、図6の距離Eにわたり、クラッチの咬み合い点を含む。クラッチが図2の緩衝装置20を持っている形態であるとき、咬み合い点の範囲は図6のBのように変わり、この移動にわたる変位をより大きく生じさせる。
咬み合い点を通過すると、クラッチは図6のCに示すように、移動の第3段階と呼ぶことができる距離、さらに移動する。これは、図1の配置と、図2にしたがって変更されたものとで同じである。)

3.対比

そこで、本願補正発明と引用発明とを対比すると、その機能又は構成からみて、後者の「クラッチアクチュエータ53」は前者の「クラッチアクチュエータ」に相当し、以下同様に、「シフトアクチュエータ54」は「シフトアクチュエータ」に、「変速ギヤ42の切替が可能な」は「シフトチェンジが実行可能な」に、「セミオートマチックトランスミッション方式或いは、フルオートマチックトランスミッション方式の変速装置」は「自動変速装置」に、「自動二輪車1」は「鞍乗型車両」に、「クラッチ40」は「クラッチ」に、「変速ギヤ42の切替時に」は「シフトチェンジ時において」に、「クラッチアクチュエータ53による駆動力伝達の遮断開始から駆動力伝達の遮断終了までの間に」、「切替指示信号送信手段71bがシフトアクチュエータ54に変速ギヤ42の切替を行わせる」は「前記クラッチアクチュエータと前記シフトアクチュエータは共にオーバーラップして動作するように制御される」に、それぞれ相当するから、本願補正発明の用語を用いて表現すると、両者は、
「クラッチアクチュエータおよびシフトアクチュエータによってシフトチェンジが実行可能な自動変速装置を備えた鞍乗型車両であって、
前記クラッチアクチュエータによってクラッチ動作が制御されるクラッチは、多板クラッチであり、
シフトチェンジ時において、前記クラッチアクチュエータと前記シフトアクチュエータは共にオーバーラップして動作するように制御される、鞍乗型車両。」である点で一致し、次の点で相違する。

・相違点1
本願補正発明の多板クラッチには、「前記クラッチの半クラッチ領域におけるクラッチ伝達トルクの変化量を鈍感にする付勢手段が設けられており」、当該付勢手段は、「前記半クラッチ領域における前記クラッチアクチュエータのクラッチストロークに対する前記クラッチ伝達トルクの傾きを、当該付勢手段が設けられてないときと比較して緩やかにするもの」であるのに対して、引用発明の多板クラッチに、そのような付勢手段が設けられていない点。

4.判断

・上記相違点1の検討
クラッチにおいて、クラッチの半クラッチ領域におけるクラッチストロークに対するクラッチ伝達トルクの変化量を鈍感にする付勢手段を設けることは、例えば、引用例2の、上記「2.引用刊行物記載の発明」に摘記したサに、クラッチプレート間にバネを配置することによって、咬合点付近のクラッチの動きを弱める提案が既になされていることが記載され、同スに、作動手段16とクラッチ操作手段13との間の伝達経路にスプリング23を組み込むことが記載されているように、従来周知の事項である。

そして、引用例2には、上記「2.引用刊行物記載の発明」で摘記したサに、自動車のクラッチは通常、作動位置と非作動位置との間の行程が短く、それらを使う上で、センシティブである、つまり、クラッチの作動位置と非作動位置との間の行程が短く、わずかな操作変位で作動と非作動とが変わってしまうという問題があることが記載ないし示唆されており、この問題は、引用発明の半クラッチ状態検出手段70bにおいて、半クラッチ状態をクラッチ40を動作させるロッド80の移動距離により検出する際にも問題となる事項であるから、引用発明の半クラッチ状態検出手段70bの検出をより正確に行うために、引用発明に上記従来周知の事項を適用して、上記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たものである。

以上に関して、審判請求人は、審判請求の理由の「3.本発明が特許されるべき理由」の「(3)本発明と引用発明との対比」において、
「国際公開第02/40305号に開示された技術も、クラッチアクチュエータのクラッチストロークとクラッチ伝達トルクとの関係の変化率を変更するものはありません。具体的には、同公報の第4頁の第5行の『constantly increasing force』から、図6中のFORCEはクラッチにかかる荷重であることがわかります。そして、図6におけるB領域では、荷重の変位に対する変化率が変更されています。この変更は、アクチュエータの一定速度での作動を、ある領域において作動速度にて変更することによるものです。結局は、荷重速度が変更されるものです。
…(一部省略)…。
したがいまして、引用文献1も、当該技術常識(特公昭56-22725号公報および特公平2-11456号公報)も、当該周知技術(国際公開第02/40305号)も、本発明の発明特定事項『前記多板クラッチには、前記クラッチの半クラッチ領域におけるクラッチ伝達トルクの変化量を鈍感にする付勢手段が設けられており、前記付勢手段は、前記半クラッチ領域における前記クラッチアクチュエータのクラッチストロークに対する前記クラッチ伝達トルクの傾きを、当該付勢手段が設けられてないときと比較して緩やかにするものであり』を開示も示唆もしておりません。」(審決注:審判請求書の「引用文献1」は、本審決の「引用例1」と同じ。同「国際公開第02/40305号」は、同「引用例2」。以下、同様。)と、主張している。
しかし、引用例2には、上記「2.引用刊行物記載の発明」で摘記したスに記載されているように、移動の第2段階において、図2に示される緩衝装置20によって、図6における咬み合い点を含む領域である破線のE領域を、実線のB領域に変更したものが記載されている。また、[クラッチの摩擦係数]と[クラッチにかかる力]と[クラッチの接触面の平均半径」と[多板クラッチの枚数]の積がクラッチ伝達トルクであり、クラッチ伝達トルクとクラッチにかかる力とは比例するから、引用例2に記載されている従来周知の事項には、「前記多板クラッチには、前記クラッチの半クラッチ領域におけるクラッチ伝達トルクの変化量を鈍感にする付勢手段が設けられており、前記付勢手段は、前記半クラッチ領域における前記クラッチアクチュエータのクラッチストロークに対する前記クラッチ伝達トルクの傾きを、当該付勢手段が設けられてないときと比較して緩やかにするもの」が開示又は示唆されている。
したがって、「前記多板クラッチには、前記クラッチの半クラッチ領域におけるクラッチ伝達トルクの変化量を鈍感にする付勢手段が設けられており、前記付勢手段は、前記半クラッチ領域における前記クラッチアクチュエータのクラッチストロークに対する前記クラッチ伝達トルクの傾きを、当該付勢手段が設けられてないときと比較して緩やかにするもの」は引用例2に記載された従来周知の事項に開示又は示唆されていることが明らかであるから、審判請求人の上記主張は採用できない。

また、前置審査報告書を利用した審尋に対する、平成23年7月25日付けの回答書の「(2)本発明と引用発明との対比」において、
A)「(2-1)
引用文献1(特開2004-11774号公報)は、上記した本願発明の構成のうち、a、bおよびeを開示しております。(例えば、請求項2および請求項5参照)その構成により、ドグに掛かる荷重を短い時間で減少させて、ドグ抜きを確実かつ円滑にできるようになります(例えば、段落番号[0018]、[0024]参照)。
また、引用文献1の大前提となる技術思想は、この「ドグに掛かる荷重を短い時間で減少させること」であります。これは、段落番号[0013]に記載されているように、「クラッチの切断により前述の荷重を減少させるまで時間を要する」従来技術を否定していることから明白であります。」と、主張している。
しかし、引用例1において、「ドグに掛かる荷重を短い時間で減少させ」る構成は、例えば、その請求項1に関して、段落【0016】に「変速ギヤの切替を行わせるにあたって、エンジンの点火を停止させることにより、変速ギヤが有する凸ドグからもう一方の変速ギヤが有する凹ドグへ加えられている荷重を減少させ、その後、クラッチアクチュエータに駆動力伝達を遮断させることにより更に荷重を減少させるため、短時間で荷重を減少させることができ、これにより凹ドグから凸ドグを確実且つ円滑に抜くことができる。」と記載されているように、「エンジンの点火を停止させること」等により達成されるものであり、本願発明の構成のうち、a、bおよびeに「ドグに掛かる荷重を短い時間で減少させること」に対応する構成は見いだすことができないから、引用発明において、「大前提となる技術思想は、この『ドグに掛かる荷重を短い時間で減少させること』であります。」との主張は、引用発明(引用例1の「請求項2?4」、「第2の実施の形態」)に対応したものではない。(なお、一般的な課題として、「ドグに掛かる荷重を短い時間で減少させ」るとの課題があることを否定するものではない。)

B)また、「(2-2)
引用文献2(国際公開第02/40305号)は、上記した本願発明の構成のうち、cおよびdを開示しております(例えば、クレーム1、FIG1、2および6参照)。その構成により、クラッチの接続時には、移動距離を伸ばして鈍感にしたので、クラッチの制御性を向上できます。しかしながら、クラッチの切断時には、移動距離が伸びるので、クラッチの切断にかかる時間は長くなります。
上述したように、引用文献2に記載された技術が、クラッチ接続時のクラッチの制御性を向上できるというメリットを有するだけでなく、クラッチの切断にかかる時間が長くなってしまうというデメリットも有することは、明白であります。」とも、主張している。
しかし、クラッチアクチュエータの移動距離を伸ばしても、クラッチアクチュエータの移動速度を速めれば、移動にかかる時間を同じにできることは明らかである。むしろ、引用発明においては、「クラッチアクチュエータ53による駆動力伝達の遮断開始から駆動力伝達の遮断終了までの間に、半クラッチ状態検出手段70bが、クラッチ40の半クラッチ状態を検出し、切替指示信号送信手段71bがシフトアクチュエータ54に変速ギヤ42の切替を行わせる」ことが必要であるから、半クラッチ状態検出手段70bが半クラッチ状態を検出してから、切替指示信号送信手段71bの変速ギヤ切替指示信号によりシフトアクチュエータ54が変速ギヤの切替を行う(凹ドグから凸ドグを抜く)時までは半クラッチ状態であるようにクラッチアクチュエータは駆動されなくてはならず、したがって、半クラッチ状態検出手段70bが半クラッチ状態を検出してから、可能な限り短い時間で変速ギヤ42の切替を行うという条件を満たすべく、引用発明と引用発明に上記従来周知の事項を適用した発明とにおいて、半クラッチ状態検出手段70bが半クラッチを検出する位置から半クラッチが終わる位置までの移動量を同じ時間(最大でも、半クラッチ検出時から凹ドグから凸ドグを抜くまでにかかる時間)で移動するようにクラッチアクチュエータの速度を設定すれば、引用発明に上記従来周知の事項を適用した発明の方が、全体としてクラッチの切断までにかかる時間は短くなる(詳細には、引用例2のFIG6のE領域とB領域との通過時間が同じとなるようにクラッチアクチュエータの速度を設定することとなるから、E領域とB領域での時間は同じであるがC領域を通過する時間が短くなる)ことが明らかであるから、審判請求人の上記主張は採用できない。

・本願補正発明の作用効果の検討
本願補正発明の作用効果は、引用例1及び上記従来周知の事項に基づいて、当業者が予測し得た程度のものである。

5.むすび

以上のとおり、本願補正発明は、引用発明及び上記従来周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。
したがって、本件補正は、他の補正事項について検討するまでもなく、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

1.本願発明の内容

本件補正は上記のとおり却下されたので、本件出願の請求項1ないし17に係る発明(以下、「本願発明1」?「本願発明17」という。)は、出願当初の明細書、特許請求の範囲及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし17に記載された事項により特定されるものと認められ、そのうち、本願発明1は、次のとおりのものである。

「【請求項1】
クラッチアクチュエータおよびシフトアクチュエータによってシフトチェンジが実行可能な自動変速装置を備えた鞍乗型車両であって、
前記クラッチアクチュエータによってクラッチ動作が制御されるクラッチは、多板クラッチであり、
前記多板クラッチには、クラッチの半クラッチ領域を拡大する付勢手段が設けられており、
シフトチェンジ時において、前記クラッチアクチュエータと前記シフトアクチュエータは共にオーバーラップして動作するように制御されることを特徴とする、鞍乗型車両。」

2.引用刊行物記載の発明

原査定の拒絶の理由に引用された引用例1及び2とその記載事項は、上記「第2 平成22年12月16日付け手続補正についての補正の却下の決定」に記載したとおりである。

3.対比・判断

本願発明1は、実質的に、上記「第2 平成22年12月16日付け手続補正についての補正の却下の決定」で検討した本願補正発明を、付勢手段について、「クラッチの半クラッチ領域におけるクラッチ伝達トルクの変化量を鈍感にする」を「クラッチの半クラッチ領域を拡大する」とし、また「前記付勢手段は、前記半クラッチ領域における前記クラッチアクチュエータのクラッチストロークに対する前記クラッチ伝達トルクの傾きを、当該付勢手段が設けられてないときと比較して緩やかにするものであ」るとの限定を削除して拡張したものに相当する。

そうすると、本願発明1の特定事項をすべて含み、さらに限定したものに相当する本願補正発明が、上記「第2 平成22年12月16日付け手続補正についての補正の却下の決定」に記載したとおり、引用例1に記載された発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明1も、同様の理由により、引用例1に記載された発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび

以上のとおり、本願発明1は、引用例1に記載された発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

そして、本願発明1が特許を受けることができないものである以上、本願発明2ないし15について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2011-12-28 
結審通知日 2012-01-10 
審決日 2012-01-30 
出願番号 特願2006-528822(P2006-528822)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (F16D)
P 1 8・ 575- Z (F16D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 増岡 亘  
特許庁審判長 川本 真裕
特許庁審判官 山岸 利治
倉田 和博
発明の名称 鞍乗型車両  
代理人 手島 勝  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ