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審決分類 |
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 B41J 審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない。 B41J |
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管理番号 | 1254690 |
審判番号 | 不服2011-2230 |
総通号数 | 149 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-05-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2011-01-31 |
確定日 | 2012-03-26 |
事件の表示 | 特願2005- 62245「ラベル作成方法、プリンタ制御装置、プログラム及び記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 9月14日出願公開、特開2006-240226〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成17年3月7日の出願であって、平成22年4月27日付けで拒絶の理由が通知され、同年6月22日付けで手続補正(以下「本件1次補正」という。)がなされ、同年8月2日付けで拒絶の理由が通知され、同年9月22日付けで手続補正がなされ、この平成22年9月22日付け補正が同年11月16日付けで却下され、同日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、平成23年1月31日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正(以下「本件2次補正」という。)がなされたものである。 なお、請求人は、当審における平成23年3月28日付け審尋に対して、同年5月19日付けで回答書を提出している。 第2 本願の願書に最初に添付した特許請求の範囲、明細書又は図面(以下「当初明細書等」という。)の記載 1 特許請求の範囲には、プリンタ制御装置の発明として、次の記載がある(下線は審決で付した。以下同じ。)。 「【請求項4】 ラベルプリンタを制御するプリンタ制御装置であって、 1つのラベルに印字される連続する複数のデータを作成する作成手段と; 前記複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとして前記ラベルプリンタに認識させる認識手段と;を備えるプリンタ制御装置。 【請求項5】 前記作成手段は、前記複数のデータをラベルの送り方向である行方向、及び前記行方向に直交する列方向の少なくともいずれかの方向に配列することを特徴とする請求項4に記載のプリンタ制御装置。 【請求項6】 前記複数のデータは前記行方向と前記列方向とにそれぞれ配列され、 前記複数のデータは、その番号が前記行方向に連続していることを特徴とする請求項5に記載のプリンタ制御装置。」 2 明細書の発明の詳細な説明には、プリンタ制御装置及びラベルの切り込みに関連する次の記載がある。 (1)「【0001】 本発明は、…(略)…プリンタ制御装置…(略)…に係り、更に詳しくは、…(略)…ラベルプリンタを制御するプリンタ制御装置…(略)…に関する。 【背景技術】 【0002】 現在、バーコードはいろいろな産業分野で用いられ、商品の管理に欠くことのできないものとなっている。そして、バーコード用の用紙(以下「バーコード用紙」と略述する)が用紙メーカやラベルメーカから市販されるようになった。また、バーコード用紙にバーコードを印刷するためのラベルプリンタも市販されている。 【0003】 バーコード用紙は、台紙に複数のラベルが貼り付けられたものである。そして、各ラベル間には、一例として図16に示されるように、2?5mmのギャップが設けられている。 【0004】 一般のラベルプリンタは、上記ギャップを検知するセンサーなどを備えている(例えば、特許文献1参照)。 【0005】 ところで、電気製品等に用いられるプリント基板も一つの製品であり、各プリント基板には製品のシリアル番号等を示すバーコードが印刷されたラベルが貼られている。 【0006】 近年、電気製品等の小型化の要求に応じて、プリント基板は小型化が進んでいる。これに伴って、プリント基板におけるラベルエリアも縮小傾向にある。現在では、サイズが25mm(幅)×4mm(長さ)程度のラベルが要求されている。 【0007】 しかしながら、特許文献1に開示されているラベルプリンタでは、ギャップを正しく検知するには、ラベルの最小の長さは6mmが限界であった。従って、バーコードが小さくても、1枚のバーコード用紙に印刷できるバーコードの数を増やすことができず、無駄が多いという不都合があった。 【0008】 【特許文献1】特開平9-267523号公報 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0009】 本発明は、かかる事情の下になされたもので、…(略)…。 【0010】 また、本発明の第2の目的は、ラベルプリンタに対して1つのラベルに連続する複数のデータを印刷させることができるプリンタ制御装置を提供することにある。 …(略)… 【課題を解決するための手段】 【0012】 請求項1に記載の発明は、ラベルプリンタを用いて情報が印刷されたラベルを作成するラベル作成方法であって、連続する複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとして前記ラベルプリンタに認識させる工程を含むラベル作成方法である。 【0013】 これによれば、ラベルプリンタに対して、連続する複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとして認識させているため、連続する複数のデータが印刷されたラベルを作成することが可能となる。 …(略)… 【0016】 請求項4に記載の発明は、ラベルプリンタを制御するプリンタ制御装置であって、1つのラベルに印字される連続する複数のデータを作成する作成手段と;前記複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとして前記ラベルプリンタに認識させる認識手段と;を備えるプリンタ制御装置である。 【0017】 これによれば、作成手段により1つのラベルに印字される連続する複数のデータが作成され、該複数のデータは、認識手段により1つのラベルに印字される1つのデータとしてラベルプリンタに認識される。従って、ラベルプリンタに対して1つのラベルに連続する複数のデータを印刷させることが可能となる。 【0018】 この場合において、請求項5に記載のプリンタ制御装置の如く、前記作成手段は、前記複数のデータをラベルの送り方向である行方向、及び前記行方向に直交する列方向の少なくともいずれかの方向に配列することとすることができる。 【0019】 この場合において、請求項6に記載のプリンタ制御装置の如く、前記複数のデータが前記行方向と前記列方向とにそれぞれ配列される場合には、前記複数のデータは、その番号が前記行方向に連続していることとすることができます。 【0020】 請求項7に記載の発明は、ラベルプリンタを制御するプリンタ制御装置で用いられるプログラムあって、連続する複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとして前記ラベルプリンタに認識させる手順を前記プリンタ制御装置に実行させるプログラムである。 【0021】 これによれば、本発明のプログラムが所定のメモリにロードされ、その先頭アドレスがプログラムカウンタにセットされると、プリンタ制御装置は、連続する複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとしてラベルプリンタに認識させる。すなわち、本発明のプログラムによれば、プリンタ制御装置に請求項1に記載の発明に係るラベル作成方法を実行させることができ、これにより、ラベルプリンタに対して1つのラベルに連続する複数のデータを印刷させることが可能となる。 【0022】 請求項8に記載の発明は、請求項7に記載のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。 【0023】 これによれば、請求項7に記載のプログラムが記録されているために、コンピュータに実行させることにより、ラベルプリンタに対して1つのラベルに連続する複数のデータを印刷させることが可能となる。」 (2)「【発明を実施するための最良の形態】 【0024】 以下、本発明の一実施形態を図1?図15に基づいて説明する。図1には、本発明の一実施形態に係るプリンタ制御装置としてのパーソナルコンピュータ(以下「パソコン」という)100の概略構成が示されている。 【0025】 この図1に示されるパソコン100は、CPU102、フラッシュROM104、RAM106、入力装置108、表示装置110、及びインターフェース120などを備えている。 【0026】 前記フラッシュROM104は、プログラム領域とデータ領域とから構成されている。プログラム領域には、CPU102にて解読可能なコードで記述された、本発明に係るプログラムを含む複数のプログラムが格納されている。データ領域には、生産管理情報、機種情報、用紙情報、印字履歴情報などが格納されている。 【0027】 生産管理情報としては、一例として図2に示されるように、生産月、該生産月に生産されるロットのロット番号、該ロットで生産される機種の部番、生産台数が含まれている。 【0028】 機種情報としては、一例として図3に示されるように、部番、印字書式、色、用紙の種類、最終番号が含まれている。なお、印字書式とは、1ラベルに複数のバーコードを印字するときのバーコードの並び方を示している。例えば、5×2とは、一例として図4に示されるように、5行2列に並べることを意味し、降順とは、第1列の1行目から第1列の5行目向かって番号が増加し、次に第2列の1行目から第2列の5行目向かって番号が増加することを意味している。ここでは、行方向はラベルの送り方向であり、列方向は前記行方向に直交する方向である。 【0029】 用紙情報としては、一例として図5に示されるように、1ラベルの大きさであるラベルサイズ(幅、長さ)、幅方向のラベル数であるラベル配列が含まれている。なお、ここでは、ロール状の用紙が用いられるものとする。また、各ラベルには、印刷されたバーコードを個別に台紙から剥がせるように、印字書式に応じた切り込みが予め入れられている。 【0030】 前記表示装置110は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)などを用いた表示部(図示省略)を備え、CPU102から指示された各種情報を表示する。 【0031】 前記入力装置108は、例えばキーボードなどの入力手段(図示省略)を備え、ユーザから入力された各種情報をCPU102に通知する。 【0032】 前記インターフェース120は、印字装置との双方向の通信を行うための通信インターフェースである。 【0033】 前記CPU102は、フラッシュROM104に格納されている上記プログラムに従って前記各部の動作を制御するとともに、制御に必要なデータなどをRAM106に保存する。 【0034】 本実施形態では、一例として、ラベルプリンタとしての3台の印字装置(p1、p2、p3)及びバーコードスキャナbsが、インターフェース120を介してパソコン100に接続されているものとする。」 (3)「【0035】 次に、作業者が入力装置108を介してラベル作成要求を入力したときのパソコン100の動作について、図6及び図7を用いて説明する。図6及び図7のフローチャートは、CPU102によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。入力装置108からラベル作成要求を受けとると、フラッシュROM104に格納されている図6及び図7のフローチャートに対応するプログラム(以下、「ラベル作成処理プログラム」という)の先頭アドレスがCPU102のプログラムカウンタにセットされ、ラベル作成処理がスタートする。なお、ここでは、一例として、連続する数字付きのバーコードが印刷されるものとする。 【0036】 最初のステップ401では、接続されている印字装置の情報を取得する。具体的には、各印字装置の名称、接続ポートなどを取得する。 【0037】 次のステップ403では、各印字装置を初期化する。なお、初期化が不要な印字装置については何もしない。 【0038】 次のステップ405では、印字情報などの入力画面を表示装置110を介して表示する。ここでは、一例として図8に示されるように、ロット番号、部番、開始番号、枚数、印字書式が入力できるようになっている。 【0039】 次のステップ407では、ロット番号が入力されたか否かを判断する。具体的には、ロット番号の入力欄に所定の桁数の英数字が入力されると、ここでの判断は肯定され、ステップ409に移行する。 【0040】 このステップ409では、入力されたロット番号をキーにして前記生産管理情報(図2参照)を検索し、入力されたロット番号に対応する部番及び生産台数を取得する。ここで取得された部番及び生産台数は、一例として図9に示されるように、表示装置110を介して表示される。なお、生産台数は枚数の欄に表示される。以下では、枚数は、必要とされるバーコードの数を示すものとする。 【0041】 次のステップ411では、部番をキーにして前記機種情報(図3参照)を検索し、部番に対応する印字書式、色、用紙の種類、及び最終番号を取得する。ここで取得された最終番号は、一例として図10に示されるように、+1されて開始番号として表示装置110を介して表示される。 【0042】 次のステップ413では、用紙の種類をキーにして前記用紙情報(図5参照)を検索し、用紙の種類に対応するラベルサイズ、段数及び列数を取得する。 【0043】 次のステップ415では、「OK」ボタンが押されるのを待機する。なお、開始番号及び枚数は変更することができる。「OK」ボタンが押されると、ここでの判断は肯定され、ステップ417に移行する。 【0044】 このステップ417では、用紙の種類、印字色などに応じて印字装置を決定する。ここでは、3つの印字装置のうち1つの印字装置が選択される。 【0045】 次のステップ419では、一例として図11に示されるように、印字装置への用紙のセットを促す画面を表示装置110を介して表示する。 【0046】 次のステップ421では、「印字開始」ボタンが押されるのを待機する。なお、「印字開始」ボタンよりも先に、「戻る」ボタンが押されると、上記「OK」ボタンが押される前の表示に戻る。「印字開始」ボタンが押されると、ここでの判断は肯定され、ステップ423に移行する。 【0047】 このステップ423では、用紙情報を印字装置に出力する。そして、ステップ501に移行する。 【0048】 このステップ501では、一例として図12に示されるように、印字書式に応じて、2次元配列のデータ格納領域をRAM106に確保する。ここでは、データ格納領域は、iを列、jを段とし、data(i,j)で示されている。 【0049】 次のステップ503では、印字番号を示す変数mに開始番号をセットする。 【0050】 次のステップ505では、印字されたバーコードの数を示すカウンタnに初期値0をセットする。 【0051】 次のステップ507では、2次元配列のデータ格納領域を初期化する。ここでは、各データ格納領域にバーコードに変換されないデータ(例えばヌルデータ)が格納される。 【0052】 次のステップ509では、一例として図13に示されるように、2次元配列のデータ格納領域に印字データを格納する。ここでは、data(1,1)にmが格納され、data(1,2)にm+1が格納され、data(1,3)にm+2が格納され、data(1,4)にm+3が格納され、data(1,5)にm+4が格納され、data(2,1)にm+5が格納され、data(2,2)にm+6が格納され、data(2,3)にm+7が格納され、data(2,4)にm+8が格納され、data(2,5)にm+9が格納される。 【0053】 次のステップ513では、選択された印字装置の特性、ラベルサイズ及びラベル配列などに基づいて、印字データが印刷されるラベルの基準位置に対する位置情報を取得する。 【0054】 次のステップ514では、印字データ及び上記位置情報を含む印字情報を生成する。 【0055】 次のステップ515では、上記印字情報を選択された印字装置に出力する。このとき、データ格納領域に格納されている各印字データは接続されている印字装置のコマンドに合わせ、専用用語で1ワード単位で出力される。すなわち、データ格納領域に格納されている各印字データは、1つのラベルに印字される印字データとして印字装置に認識される。これにより、一例として図14に示されるように、1つのラベルに複数のバーコードが印刷される。 【0056】 次のステップ517では、mに印字されたバーコードの数である印字枚数を加算する。 【0057】 次のステップ519では、nに印字枚数を加算する。 【0058】 次のステップ521では、nの値が指定された枚数未満であるか否かを判断する。nの値が指定された枚数未満であれば、ここでの判断は肯定され、前記ステップ507に戻る。一方、nの値が指定された枚数未満でなければ、ここでの判断は否定され、ステップ523に移行する。 【0059】 このステップ523では、印字データにバーコードが含まれているか否かを判断する。印字データにバーコードが含まれていれば、ここでの判断は肯定され、ステップ525に移行する。 【0060】 このステップ525では、作業者に、バーコードスキャナbsを用いて最初のバーコードと最後のバーコードを読み取るよう指示する。 【0061】 このステップ527では、最初のバーコードと最後のバーコードとを照合し、正常に読み取られたか、及び番号とびや番号重複がないか否かを判断する。正常に読み取られ、かつ番号とびや番号重複がなければ、ここでの判断は肯定され、ステップ529に移行する。 【0062】 このステップ529では、前記機種情報における最終番号を現在のmの値に更新する。 【0063】 次のステップ533では、前記印字履歴情報に、ロット番号、部番、枚数、最終番号、印字状態、印字日、及び作業者名などを追加する。そして、ラベル作成処理を終了する。」 (4)「【0064】 なお、上記ステップ527において、バーコードが正常に読み取られなかったり、番号とびや番号重複があれば、ここでの判断は否定され、ステップ531に移行する。このステップ531では、例えば表示装置110に「このラベルは使用できません。破棄して下さい」というメッセージを表示し、作業者にそのラベルの廃棄を通知する。そして、上記ステップ533に移行する。 【0065】 また、上記ステップ523において、印字データにバーコードが含まれていなければ、ここでの判断は否定され、上記ステップ529に移行する。 【0066】 以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るパソコン100では、CPU102及び該CPU102にて実行されるプログラムとによって、作成手段及び認識手段がそれぞれ実現されている。なお、CPU102によるプログラムに従う処理によって実現した各手段の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。 【0067】 また、本実施形態では、記録媒体としてのフラッシュROM104のプログラム領域に記録されているプログラムのうち、図7に対応するプログラムによって、本発明に係るプログラムが実行されている。 【0068】 そして、上記ラベル作成処理にて、本発明に係るラベル作成が実施されている。 【0069】 以上説明したように、本実施形態に係るパソコン100によると、印字装置を用いてラベルにバーコードを印刷する際に、1つのラベルに印字される連続する複数の印字データが作成され、該複数の印字データは、1つのラベルに印字される1つの印字データとして印字装置に認識される。従って、印字装置に対して1つのラベルに連続する複数のバーコードを印刷させることが可能となる。」 (5)「【0070】 そして、一例として図15に示されるように、バーコード単価を従来(印字書式が1×1)よりも大きく下げることができる。 【0071】 また、本実施形態によると、複数のバーコードは、その番号が行方向に連続しているため、バーコードを製品に貼り付ける際に、ピンセット等で行方向に5?6枚を一度に台紙から剥がし、上から順に製品に貼っていくことが可能となる。これにより、バーコードを製品に貼る際にバーコード番号をチェックする工程や、予めバーコード番号を連続させる工程が不要となり、作業工程を簡素化することができる。 【0072】 なお、上記実施形態では、プリンタ制御装置がパソコンの場合について説明したが、これに限らず、プリンタの制御に特化した装置であっても良い。 【0073】 また、上記実施形態では、プリンタ制御装置とプリンタとが個別の場合について説明したが、これに限らず、プリンタ制御装置とプリンタとが一体化されていても良い。 【0074】 また、上記実施形態では、バーコードが行方向及び列方向の両方向に配置される場合について説明したが、これに限らず、バーコードが行方向及び列方向のいずれかの方向に配置されても良い。 【0075】 また、上記実施形態では、バーコードと数字とが印刷される場合について説明したが、これに限らず、例えば、バーコード及び数字の一方であっても良い。 【0076】 また、上記実施形態では、本発明に係るプログラムは、フラッシュROM104に記録されているが、他の記録媒体(CD、光磁気ディスク、DVD、メモリカード、USBメモリ、フレキシブルディスク等)に記録されていても良い。この場合には、各記録媒体に対応する再生装置(又は専用インターフェース)を介して本発明に係るプログラムをフラッシュROM104にロードすることとなる。また、ネットワーク(LAN、イントラネット、インターネットなど)を介して本発明に係るプログラムをフラッシュROM104に転送しても良い。要するに、本発明に係るプログラムがフラッシュROM104にロードされれば良い。」 (6)「【産業上の利用可能性】 【0077】 以上説明したように、本発明のラベル作成方法によれば、連続する複数のデータが印刷されたラベルを作成するのに適している。また、本発明のプリンタ制御装置によれば、ラベルプリンタに対して1つのラベルに連続する複数のデータを印刷させるのに適している。また、本発明のプログラム及び記録媒体によれば、プリンタ制御装置に、ラベルプリンタに対して1つのラベルに連続する複数のデータを印刷させるのに適している。」 第3 本願の本件1次補正後の特許請求の範囲、明細書又は図面(以下「本件1次補正明細書等」という。)の記載 1 特許請求の範囲には、プリンタ制御装置の発明として、次の記載がある。 「 【請求項4】 複数のラベルがギャップを設けて台紙に貼り付けられている用紙に情報を印刷するラベルプリンタを制御するプリンタ制御装置であって、 印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる切り込み手段と; 1つのラベルに印字される連続する複数のデータを作成する作成手段と; 前記複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとして前記ラベルプリンタに認識させる認識手段と; 前記複数のデータを、前記台紙の送り方向を列方向、該列方向に直交する方向を行方向とし、ラベルの一の列で送り方向に向かって番号が連続し、それに続く番号が他の列で送り方向に向かって連続するように印刷させる印刷制御手段と;を備えるプリンタ制御装置。 【請求項5】 前記認識手段は、作業者が部番を入力すると、該部番に対応したラベルサイズと前記印字書式を検索して表示することを特徴とする請求項4に記載のプリンタ制御装置。 【請求項6】 前記印字書式で複数のバーコードが印刷され、最初に印刷されたバーコードと最後に印刷されたバーコードを、バーコードスキャナで読み取るように作業者に指示する指示手段と; 前記バーコードスキャナで読み取られたバーコード情報が正常か否かを判断し、その判断結果を作業者に通知する通知手段と;を更に備えることを特徴とする請求項4又は5に記載のプリンタ制御装置。」 2 本件1次補正により当初明細書等の発明の詳細な説明の記載から変更されている記載は次のとおりである。 (1)「【0012】 本発明は、第1の観点からすると、複数のラベルがギャップを設けて台紙に貼り付けられている用紙に、ラベルプリンタを用いて情報を印刷するラベル作成方法であって、印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる工程と;連続する複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとして前記ラベルプリンタに認識させる工程と;前記複数のデータを、前記台紙の送り方向を列方向、該列方向に直交する方向を行方向とし、ラベルの一の列で送り方向に向かって番号が連続し、それに続く番号が他の列で送り方向に向かって連続するように印刷させる工程と;を含むラベル作成方法である。 【0013】 これによれば、連続する複数のデータが印刷されたラベルを作成することが可能となる。 【0014】(削除) 【0015】(削除) 【0016】 本発明は、第2の観点からすると、複数のラベルがギャップを設けて台紙に貼り付けられている用紙に情報を印刷するラベルプリンタを制御するプリンタ制御装置であって、印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる切り込み手段と;1つのラベルに印字される連続する複数のデータを作成する作成手段と;前記複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとして前記ラベルプリンタに認識させる認識手段と;前記複数のデータを、前記台紙の送り方向を列方向、該列方向に直交する方向を行方向とし、ラベルの一の列で送り方向に向かって番号が連続し、それに続く番号が他の列で送り方向に向かって連続するように印刷させる印刷制御手段と;を備えるプリンタ制御装置である。 【0017】 これによれば、ラベルプリンタに対して1つのラベルに連続する複数のデータを印刷させることが可能となる。 【0018】(削除) 【0019】(削除) 【0020】 本発明は、第3の観点からすると、複数のラベルがギャップを設けて台紙に貼り付けられている用紙に情報を印刷するラベルプリンタを制御するプリンタ制御装置で用いられるプログラムであって、印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる手順と;連続する複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとして前記ラベルプリンタに認識させる手順と;前記複数のデータを、前記台紙の送り方向を列方向、該列方向に直交する方向を行方向とし、ラベルの一の列で送り方向に向かって番号が連続し、それに続く番号が他の列で送り方向に向かって連続するように印刷させる手順と;を前記プリンタ制御装置に実行させるプログラムである。 【0021】 これによれば、ラベルプリンタに対して1つのラベルに連続する複数のデータを印刷させることが可能となる。 【0022】 本発明は、第4の観点からすると、本発明のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。 【0023】 これによれば、本発明のプログラムが記録されているために、コンピュータに実行させることにより、ラベルプリンタに対して1つのラベルに連続する複数のデータを印刷させることが可能となる。」 (2)「【0028】 機種情報としては、一例として図3に示されるように、部番、印字書式、色、用紙の種類、最終番号が含まれている。なお、印字書式とは、1ラベルに複数のバーコードを印字するときのバーコードの並び方を示している。例えば、5×2とは、一例として図4に示されるように、5行2列に並べることを意味し、降順とは、第1列の1行目から第1列の5行目向かって番号が増加し、次に第2列の1行目から第2列の5行目向かって番号が増加することを意味している。ここでは、列方向はラベルの送り方向であり、行方向は前記列方向に直交する方向である。」 (3)「【0071】 また、本実施形態によると、複数のバーコードは、その番号が列方向に連続しているため、バーコードを製品に貼り付ける際に、ピンセット等で列方向に5?6枚を一度に台紙から剥がし、上から順に製品に貼っていくことが可能となる。これにより、バーコードを製品に貼る際にバーコード番号をチェックする工程や、予めバーコード番号を連続させる工程が不要となり、作業工程を簡素化することができる。」 第4 本願の本件2次補正後の特許請求の範囲、明細書又は図面(以下「本件2次補正明細書等」という。)の記載 1 特許請求の範囲には、プリンタ制御装置の発明として、次の記載がある。 「 【請求項4】 複数のラベルがギャップを設けて台紙に貼り付けられている用紙に情報を印刷するラベルプリンタを制御するプリンタ制御装置であって、 印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる切り込み手段と; 1つのラベルに印字される連続する複数のデータを作成する作成手段と; 前記複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとして前記ラベルプリンタに認識させる認識手段と; 前記複数のデータを、前記台紙の送り方向を列方向、該列方向に直交する方向を行方向とし、1つのラベルの一の列で送り方向に向かって番号が連続し、それに続く番号が他の列で送り方向に向かって連続するように印刷させる印刷制御手段と;を備えるプリンタ制御装置。 【請求項5】 前記認識手段は、作業者が部番を入力すると、該部番に対応したラベルサイズと前記印字書式を検索して表示することを特徴とする請求項4に記載のプリンタ制御装置。 【請求項6】 前記印字書式で複数のバーコードが印刷され、最初に印刷されたバーコードと最後に印刷されたバーコードを、バーコードスキャナで読み取るように作業者に指示する指示手段と; 前記バーコードスキャナで読み取られたバーコード情報が正常か否かを判断し、その判断結果を作業者に通知する通知手段と;を更に備えることを特徴とする請求項4又は5に記載のプリンタ制御装置。」 2 当初明細書等の発明の詳細な説明の記載から変更されている本件2次補正後の記載は次のとおりである。 (1)「【0012】 本発明は、第1の観点からすると、複数のラベルがギャップを設けて台紙に貼り付けられている用紙に、ラベルプリンタを用いて情報を印刷するラベル作成方法であって、印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる工程と;連続する複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとして前記ラベルプリンタに認識させる工程と;前記複数のデータを、前記台紙の送り方向を列方向、該列方向に直交する方向を行方向とし、1つのラベルの一の列で送り方向に向かって番号が連続し、それに続く番号が他の列で送り方向に向かって連続するように印刷させる工程と;を含むラベル作成方法である。 【0013】 これによれば、連続する複数のデータが印刷されたラベルを作成することが可能となる。 【0014】(削除) 【0015】(削除) 【0016】 本発明は、第2の観点からすると、複数のラベルがギャップを設けて台紙に貼り付けられている用紙に情報を印刷するラベルプリンタを制御するプリンタ制御装置であって、印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる切り込み手段と;1つのラベルに印字される連続する複数のデータを作成する作成手段と;前記複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとして前記ラベルプリンタに認識させる認識手段と;前記複数のデータを、前記台紙の送り方向を列方向、該列方向に直交する方向を行方向とし、1つのラベルの一の列で送り方向に向かって番号が連続し、それに続く番号が他の列で送り方向に向かって連続するように印刷させる印刷制御手段と;を備えるプリンタ制御装置である。 【0017】 これによれば、ラベルプリンタに対して1つのラベルに連続する複数のデータを印刷させることが可能となる。 【0018】(削除) 【0019】(削除) 【0020】 本発明は、第3の観点からすると、複数のラベルがギャップを設けて台紙に貼り付けられている用紙に情報を印刷するラベルプリンタを制御するプリンタ制御装置で用いられるプログラムであって、印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる手順と;連続する複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとして前記ラベルプリンタに認識させる手順と;前記複数のデータを、前記台紙の送り方向を列方向、該列方向に直交する方向を行方向とし、1つのラベルの一の列で送り方向に向かって番号が連続し、それに続く番号が他の列で送り方向に向かって連続するように印刷させる手順と;を前記プリンタ制御装置に実行させるプログラムである。 【0021】 これによれば、ラベルプリンタに対して1つのラベルに連続する複数のデータを印刷させることが可能となる。 【0022】 本発明は、第4の観点からすると、本発明のプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。 【0023】 これによれば、本発明のプログラムが記録されているために、コンピュータに実行させることにより、ラベルプリンタに対して1つのラベルに連続する複数のデータを印刷させることが可能となる。」 (2)「【0028】 機種情報としては、一例として図3に示されるように、部番、印字書式、色、用紙の種類、最終番号が含まれている。なお、印字書式とは、1ラベルに複数のバーコードを印字するときのバーコードの並び方を示している。例えば、5×2とは、一例として図4に示されるように、5行2列に並べることを意味し、降順とは、第1列の1行目から第1列の5行目向かって番号が増加し、次に第2列の1行目から第2列の5行目向かって番号が増加することを意味している。ここでは、列方向はラベルの送り方向であり、行方向は前記列方向に直交する方向である。」 (3)「【0071】 また、本実施形態によると、複数のバーコードは、その番号が列方向に連続しているため、バーコードを製品に貼り付ける際に、ピンセット等で列方向に5?6枚を一度に台紙から剥がし、上から順に製品に貼っていくことが可能となる。これにより、バーコードを製品に貼る際にバーコード番号をチェックする工程や、予めバーコード番号を連続させる工程が不要となり、作業工程を簡素化することができる。」 第5 本件2次補正についての補正却下の決定 〔補正却下の決定の結論〕 本件2次補正を却下する。 〔理 由〕 1 上記「第4」のとおり、本件2次補正明細書等には、印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる切り込み手段を備えるプリンタ制御装置、印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる工程を含むラベル作成方法及び印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる手順を前記プリンタ制御装置に実行させるプログラムが記載されている。 2 また、本件2次補正明細書等には、「各ラベルには、印刷されたバーコードを個別に台紙から剥がせるように、印字書式に応じた切り込みが予め入れられている。」(【0029】)との記載がある。 3 しかし、当初明細書等には、ラベルの「切り込み」に関して、上記2の記載はあるものの、上記1の記載はない。 4 当初明細書等には、プリンタ制御装置が「1つのラベルに印字される連続する複数のデータを作成する作成手段」及び「前記複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとして前記ラベルプリンタに認識させる認識手段」を備える事項は記載されていたが、プリンタ制御装置が「印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる切り込み手段」を備える事項は記載されていない。 5 当初明細書等の記載(上記「第2」参照。)から、ラベルの「切り込み」と「プリンタ制御装置」との関係について把握することができる事項は、 「プリンタ制御装置はラベルプリンタを制御するものであり、バーコード用紙にバーコードを印刷するためのラベルプリンタが市販されており、バーコード用紙は台紙に複数のラベルが貼り付けられたものであり、バーコード用紙において各ラベル間には2?5mmのギャップが設けられており、一般のラベルプリンタは各ラベル間には2?5mmのギャップを検知するセンサーなどを備えており、サイズが25mm(幅)×4mm(長さ)程度のラベルが要求されており、ラベルプリンタでギャップを正しく検知するためにはバーコードが小さくても1枚のバーコード用紙に印刷できるバーコードの数を増やすことができず無駄が多いという不都合があったが、ラベルプリンタを制御するプリンタ制御装置において、1つのラベルに印字される連続する複数のデータを作成する作成手段と;前記複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとして前記ラベルプリンタに認識させる認識手段と;を備えよれば、作成手段により1つのラベルに印字される連続する複数のデータが作成され、該複数のデータは、認識手段により1つのラベルに印字される1つのデータとしてラベルプリンタに認識されて、ラベルプリンタに対して1つのラベルに連続する複数のデータを印刷させることが可能となり、ここでは、各ラベルに印刷されたバーコードを個別に台紙から剥がせるように印字書式に応じた切り込みが予め入れられているロール状の用紙が用いられる。」といった事項であって、ラベルの「切り込み」と「プリンタ制御装置」との関係について、上記1の「印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる切り込み手段を備えるプリンタ制御装置」までは把握できない。 6 上記1の「印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる切り込み手段を備えるプリンタ制御装置」という技術事項は、本件1次補正により追加され本件2次補正後も残っており、上記5のとおり当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項ではないから、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものとはいえない。 7 小括 以上のとおりであるから、本件2次補正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものとはいえない。 したがって、本件2次補正は、当初明細書等に記載された事項の範囲内でなされたものではないから、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第3項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第6 本願発明について 1 本願発明 本件2次補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし8に係る発明は、本件1次補正後の特許請求の範囲の請求項1ないし8に記載された事項により特定されるとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は「この出願については、平成22年8月2日付け拒絶理由通知書に記載した理由によって、拒絶をすべきものでです。」というものであるところ、平成22年8月2日付け拒絶理由通知書に記載された拒絶の理由は概略次のとおりである。 「本件1次補正は、下記の点で当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 記 本件1次補正により、請求項1、4、7および、関連する明細書の段落【0012】、【0016】、【0020】において、『印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる工程/印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる切り込み手段/印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる手順』との記載(構成を)含むようになったが、当初明細書等には、段落【0029】に『用紙情報としては、一例として図5に示されるように、1ラベルの大きさであるラベルサイズ(幅、長さ)、幅方向のラベル数であるラベル配列が含まれている。なお、ここでは、ロール状の用紙が用いられるものとする。また、各ラベルには、印刷されたバーコードを個別に台紙から剥がせるように、印字書式に応じた切り込みが予め入れられている。』と記載されているように、『各ラベルには、印刷されたバーコードを個別に台紙から剥がせるように、印字書式に応じた切り込みが予め入れられている。』と記載されているのみで、プリンタ制御装置などの構成、工程、手順の中に含まれたものではなく、プリンタ制御装置などの構成、工程、手順に入る前に既に『印字書式に応じた切り込みが入れられ』たラベルを(どこからか入手して)使用する旨の記載でしかなく、これを構成、工程、手順として組み入れることは示唆もないから、本件1次補正は当初明細書等に記載された事項の範囲内とは、認められない。」 3 当審の判断 (1)上記「第3」のとおり、本件1次補正明細書等には、印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる切り込み手段を備えるプリンタ制御装置、印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる工程を含むラベル作成方法及び印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる手順を前記プリンタ制御装置に実行させるプログラムが記載されている。 (2)また、本件1次補正明細書等には、「各ラベルには、印刷されたバーコードを個別に台紙から剥がせるように、印字書式に応じた切り込みが予め入れられている。」(【0029】)との記載がある。 (3)しかし、当初明細書等には、ラベルの「切り込み」に関して、上記(2)の記載はあるものの、上記(1)の記載はない。 (4)当初明細書等には、プリンタ制御装置が「1つのラベルに印字される連続する複数のデータを作成する作成手段」及び「前記複数のデータを1つのラベルに印字される1つのデータとして前記ラベルプリンタに認識させる認識手段」を備える事項は記載されていたが、プリンタ制御装置が「印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる切り込み手段」を備える事項は記載されていない。 (5)当初明細書等の記載(上記「第2」参照。)から、ラベルの「切り込み」と「プリンタ制御装置」との関係について把握することができる事項は、上記「第5〔理 由〕5」に記載したとおりであって、ラベルの「切り込み」と「プリンタ制御装置」との関係について、上記(1)の「印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる切り込み手段を備えるプリンタ制御装置」までは把握できない。 (6)上記(1)の「印字書式に応じてラベルに切り込みを入れる切り込み手段を備えるプリンタ制御装置」という技術事項は、本件1次補正により追加された事項であって、上記(5)のとおり当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項ではないから、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものとはいえない。 4 むすび 以上のとおりであるから、本件1次補正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものとはいえない。 したがって、本件1次補正は、当初明細書等に記載された事項の範囲内でなされたものではないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-01-30 |
結審通知日 | 2012-02-01 |
審決日 | 2012-02-14 |
出願番号 | 特願2005-62245(P2005-62245) |
審決分類 |
P
1
8・
55-
Z
(B41J)
P 1 8・ 561- Z (B41J) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 松川 直樹 |
特許庁審判長 |
小牧 修 |
特許庁審判官 |
鈴木 秀幹 小林 英司 |
発明の名称 | ラベル作成方法、プリンタ制御装置、プログラム及び記録媒体 |
代理人 | 立石 篤司 |