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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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無効2009800255 | 審決 | 特許 |
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審決分類 |
審判 一部無効 特36条4項詳細な説明の記載不備 B23Q 審判 一部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 B23Q |
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管理番号 | 1254711 |
審判番号 | 無効2010-800236 |
総通号数 | 149 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-05-25 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2010-12-20 |
確定日 | 2012-03-23 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第4297511号発明「クランプ装置」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
第1.手続の経緯 平成20年 2月15日 本件出願 平成21年 4月24日 設定登録(特許第4297511号) 平成21年12月25日 別件無効審判請求(無効2009-80025 5号) 平成22年 9月 8日 別件無効審判審決(特許有効) 平成22年12月20日 本件無効審判請求 平成23年 3月22日 答弁書 平成23年 5月18日 請求人・口頭審理陳述要領書1 平成23年 6月 3日 請求人・口頭審理陳述要領書2 平成23年 6月 3日 被請求人・口頭審理陳述要領書1及び2 平成23年 6月 3日 口頭審理 第2.本件発明 本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件発明1」という。)は、以下のとおりである。なお、請求項の分説は、請求人によるものであるが、妥当と認められ、争いがないことから、これを採用した。 A.ワークの穴に挿入されて穴の内周面をグリップ可能な環状のクランプ部材であるグリップ部材と、このグリップ部材に内嵌係合させたテーパ軸部を有するクランプロッドと、前記グリップ部材とクランプロッドとを軸心方向へ進退駆動可能な流体圧シリンダと、前記グリップ部材とクランプロッドと流体圧シリンダとが付設される上部本体部材及び下部本体部材とを有するクランプ装置において、 B.前記上部本体部材に形成されワークを着座させる着座面と、 C.前記流体圧シリンダによりクランプロッドを介してグリップ部材をクランプ方向へ駆動してワークを着座面に着座させた状態におけるクランプ不良を検出するクランプ不良検出手段と、 D.前記クランプ部材と一体的に流体圧シリンダの軸心方向へ移動する連動部材とを備え、 E.前記クランプ不良検出手段は、前記クランプ部材がクランプ方向限界位置又はその近傍位置まで移動したときに前記連動部材により開弁操作される弁機構と、この弁機構の入力側に加圧エアを供給するエア通路とを有する F.ことを特徴とするクランプ装置。 第3.請求人の主張 請求人は、本件発明1に係る特許を無効とするとの審決を求めている。 すなわち、本件発明1に係る特許は、以下のいずれかに規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたから、特許法第123条第1項第4号の規定に該当し、無効にすべきというものである。 (1)特許法第36条第6項第2号(明確性要件) (2)特許法第36条第6項第1号(サポート要件) (3)特許法第36条第4項第1号(実施可能要件) 具体的には、以下に摘記したとおりである。行数は空行を含む。 ア.請求書第4ページ第2?12行 「(4-1) 36条6項2号(明確性要件違反)について (ア)「弁機構の入力側」の意義が不明である ・・・。 上記構成Eのうちの「弁機構の入力側」について、本件特許明細書には上記「入力側」の意義が何ら記載されてなく示唆もされていない。このため、その「入力側」が弁機構の如何なる部分を意味しているのかが不明であり、その結果、「弁機構の入力側」の意義も不明である。」 イ.請求書第4ページ第24行?第5ページ第23行 「(イ)「弁機構」の構成(及び機能)が不明である ・・・。 ここで、本件発明1においては、クランプ不良時に連動部材が弁機構を開弁させることによって当該クランプ不良状態を検出するのであるから、クランプ装置の正常状態(クランプ不良ではない状態)で加圧エアが弁機構を開弁させてしまうと、正常状態とクランプ不良状態とを区別できなくなる。このため、その正常状態では、上記加圧エアによる開弁力に抗して弁機構を閉じる手段(以下、閉弁手段という)を設けることが必須となる。 ・・・。 しかしながら、本件発明1の構成には、弁機構に関し、前述したとおり、「前記連動部材により開弁操作される弁機構と、この弁機構の入力側に加圧エアを供給するエア通路」(前記構成E)と記載されているだけであり、その「弁機構」の具体的な構成(及び機能)が全く不明であるうえ、前記閉弁手段について何ら記載されてなく、上記「弁機構」が閉弁手段を構成要素として有することも記載されてない。」 ウ.請求書第6ページ第1?14行 「(4-2) 36条6項1号(サポート要件違反)について ・・・。 しかしながら、本件特許明細書(及び図面)には、前記の閉弁手段としての上記の弁付勢部材(103,140,145)を省略した場合であっても本件発明1が成立することは、何ら記載されてなく示唆もされてない。」 エ.請求書第7ページ第1行?第11ページ第16行 「(4-3) 36条4項1号(実施可能要件違反) (ア) 弁機構ついて ・・・。 これに対して、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、前述したとおり、弁機構(105,105D,105E)が弁部材(102)と弁付勢部材(103,140,145)とを含むことが記載されているものの、閉弁手段としての弁付勢部材を有しない弁機構が実施可能であることや上記閉弁手段を備えない発明が実施可能であることは、何ら記載されてなく示唆もされてない。 ・・・。 (e) まとめ 上述したとおり、本件発明1には、流体圧力によってグリップ部材を「所定の力」で上限位置に保持すると共に上記「所定の力」よりも大きな力によってクランプロッドを引き下げるように流体圧シリンダを構成することが何ら記載されてない。 これに対して、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、上記構成を備えない流体圧シリンダを利用して本件発明1が実施可能であることは、何処にも記載されてなく示唆もされてない。 従って、本件特許明細書の発明の詳細な説明は、本件発明1を実施できる程度に明確かつ十分に記載されているとはいえない。」 オ.口頭審理陳述要領書1第2ページ第3行?第4ページ第19行 「(1-1) 明確性要件違反について (ア)「弁機構の入力側」の意義が不明であること ・・・。 上記構成Eによれば、弁機構105は連動部材5によって開き方向(図中の下方)へ操作されるのであるから、その連動部材5の「開弁用操作力」が弁機構105に加えられることが明らかである。そして、前記(i)項の「入力」の意味に照らせば、上記構成Eの「入力」とは、その文言のとおり『力が入る』ことを意味し、換言すれば、「力が作用する」ことを意味すると解される。そうすると、上記「入力側」とは、上記連動部材の「開弁用操作力が入力される側(開弁用操作力が作用する側)」であると解される。 その一方では、被請求人が主張したように、上記「入力側」とは加圧エアが供給される入口であると解される余地も残されている。 従って、「入力側」とは、上記のように異なる解釈が存在することになり、『如何なる』側であるのかを確定できない。 ・・・。 この点については、下記(1-2)項および(1-3)項で詳しく説明するように、上記の「入力側」が、「弁部材に開弁用操作力が作用する方向」(以下、方向DOという)と解されるのか、若しくは、「弁部材に加圧エアの圧力が作用する方向」(以下、方向DAという)」と解されるのか、又は、上記2つの方向(DO及びDA)を意味すると解されるのかにより、クランプ不良検出手段(及び弁機構)の構成が異なる。その結果、本件発明1は、技術的範囲が変動し、当該発明の全体が不明確になる。」 カ.口頭審理陳述要領書1第5ページ第1?21行 「(1-2) サポート要件違反について ・・・。 (イ) 弁機構の意義について ・・・。 ここで、上記弁部材について、「開弁用操作力が作用する方向DO」と「加圧エアの圧力が作用する方向DA」と「閉弁力が作用する方向(以下、方向DCという)」との3つの方向には、それぞれ種々の方向が考えられる。しかも、上記方向DOと方向DC(又は方向DA)とは必ずしも反対方向である必要はなく、方向DCと方向DAも反対方向である必要はない。このため、上記3つの方向(DO,DA,DC)の相互の組み合わせには、極めて多数の組み合わせが考えられる。 これに対して、本件特許明細書(及び図面)では、後述の(エ)項に示すように、「弁部材に加圧エアの圧力が作用する方向DA」が下方であると共に、「弁部材に開弁用操作力が作用する方向DO」も下方であり、「弁部材に閉弁力が作用する方向DC」は上方である。そして、それ以外の記載は、本件特許明細書(及び図面)には何ら記載されていない。」 キ.口頭審理陳述要領書2第2ページ第21?28行 「第2「第2 明確性要件違反の主張が失当であることについて」に対して (1)「(1) 用語の通常の意味からして明確である」に対して 被請求人は、「『弁機構の入力側』の意味は、用語の通常の意味からして明確である。」と述べたうえで、「『弁機構の入力側』とは、加圧エアが供給される『入口』部分であること明白である。」などと主張する。 しかしながら、用語の通常の意味に照らして本件発明を解釈すれば、「弁機構の入力側」とは、「弁機構に開弁用操作力が入力される側」であると解される。従って、被請求人の上記主張は、失当である。」 ク.口頭審理調書の請求人 「2 弁機構の入力側は、請求項の記載上、開弁操作力の入力側であるとも解される。 3 弁機構に関し、甲第1号証から甲第2号証を提出した意図は、弁にさまざまな形式があり開弁操作力、加圧エアー入力側もさまざまであることを示すためである。 4 流体圧シリンダに関し、実施例が実施できることは認める。しかし、請求項記載の発明のすべてが、実施できるわけではない。 5 所定の力は、所望の動作のため、特定が必要である。」 第4.被請求人の主張 これに対し、被請求人は、本件審判請求は成り立たないとの審決を求めている。 具体的には、以下に摘記したとおりである。 ア.答弁書第4ページ第2行?第5ページ第27行 「2-1. 審判請求書4?5頁の「明確性要件違反」の主張に対して ・・・。 すなわち、弁機構には、気体または液体の入口、出口がある。 したがって、「弁機構の入力側」とは、加圧エアが供給される「入口」部分であると理解できる。 ・・・。 このように、本件発明1の「弁機構」は、「クランプ不良」が生じたときに開弁操作されて加圧エアのリークにより圧力を低下させるものであり、「弁機構の入力側」は、上記加圧エアが供給される部分を意味することは明らかである。」 イ.答弁書第7ページ第1?3行 「開弁操作されていない状態から、開弁操作されることにより不良を検出することを特徴とする本件発明において、閉弁手段を特定する必要はなく、これを特定しなくても、本件発明1は明確である。」 ウ.答弁書第7ページ第10?23行 「2-2. 審判請求書6頁の「サポート要件違反」の主張に対して 閉弁している状態から、開弁することによりクランプ不良を検出するという本件発明において、閉弁手段の特定は必要はないことは、前述のとおりである。「Oリング103」、「弁付勢部材140」、「弁付勢部材145」は例示にすぎず、これらを請求項において特定しなくても、何らサポート要件に欠けるところはない。 したがって、請求人のサポート要件違反の主張には、理由がない。 2-3. 審判請求書7?11頁の「実施可能要件違反」の主張に対して (1) 7頁「ア」項に対して 本件発明1は、明確であり、かつ、明細書の記載にサポートされたものである。当業者であれば、本件明細書および図面の記載に基づいて本件発明を容易に実施できることは明らかであり、実施可能要件違反は存在しないことは明らかである。」 エ.口頭審理陳述要領書2第3ページ第3?25行 「本件発明1では、クランプ部材がクランプ方向限界位置又はその近傍位置まで移動したときに連動部材により弁機構が開弁操作されること(構成要件E)を明記している。したがって、「クランプ不良」が生じたときに、弁機構が開弁操作されることは、請求項の記載上明確であり、「弁機構」の構成は明確である。そもそも、審判請求書における請求人の主張は、「弁機構の入力側」が連動部材の開弁操作力が入力される箇所であるとの仮定を前提とするものであるが(審判請求書4頁下から2行?5頁11行を参照)、本件発明1における「弁機構の入力側」は、加圧エアが供給される部分を意味するに過ぎないから、請求人の主張は、その前提において誤っている。 ・・・。 さらに、閉弁手段としての弁付勢部材(103,140,145)は単なる例示であり、これ以外の手法によっても、クランプ部材がクランプ方向限界位置又はその近傍位置まで移動したときに連動部材により開弁操作される「弁機構」を実現可能であることは、本件特許出願時において本件明細書に接した当業者にとって明らかである。したがって、閉弁手段としての弁付勢部材(103,140,145)が特許請求の範囲に明記されていないことを以って実施可能要件違反とする理由もない。」 オ.口頭審理調書の被請求人 「3 流体圧シリンダについては、段落番号0039から段落番号0045、図1から図3にその構造が、段落番号0052から段落番号0059にその動作が示されており、実施可能要件を満たす。 4 入力側は、加圧エアー入力側であることは、請求項の記載上、明かである。 5 甲第1号証から甲第2号証のごとく弁にさまざまな形式がある以上あえて特定する必要はない。 6 流体圧シリンダに関し、実施可能要件は技術常識を考慮すべき。動かないものをあえて作ることはない。 7 所定の力は、所望の動作のためには当然必要であるからあえて特定する必要はない。 8 技術常識に基づけば、所定の力は流体圧力以外のものであっても、実施可能である。例えば、本件の明細書、段落番号0004に記載の特許文献2を参照。」 第5.当審の判断 1.特許法第36条第6項第2号(明確性要件)について (1)特許法の規定 特許法第36条第6項第2号は、「特許を受けようとする発明が明確であること。」というものであり、「発明」が明確であることを求めている。 そして、「発明」とは、特許法第2条第1項により、「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」とされる。 すなわち、特許法第36条第6項第2号は、「技術的思想の創作」としての発明が「明確であること」を規定するものであり、「技術的思想の創作」を具体化したものである「装置」又は「機構」が「明確であること」まで求めるものではない。 以下、具体的に検討する。 (2)弁機構の入力側 弁機構には、一般に入力側、出力側があることは技術常識である。 また、弁機構は流体の流れを制御するためのものであるから、弁機構の「入力側」とは、一般に流体の「入力側」と解される。 本件発明1は、請求項1記載のとおり「弁機構の入力側に加圧エアを供給するエア通路とを有する」ものであり、弁機構に「加圧エアを供給するエア通路」がある側が「入力側」であることは、明らかである。 弁機構により制御される流体は「加圧エア」であるから、上記一般的解釈とも整合する。 請求人は、弁機構の入力側は、「開弁操作力の入力側」であるとも解される旨、主張するが、特許明細書を参酌しても、その根拠は見いだせない。 (3)閉弁手段 本件発明1は「開弁操作される弁機構」を有するが、閉弁手段については、明らかでない。 しかし、弁機構は、開閉動作するものであるから、弁が開いた後、閉じる必要があることは当然であり、何らかの「閉弁手段」を有することは明らかである。また、特許明細書を参酌しても、本件発明1が「閉弁手段」を有さないものを含むことを伺わせる記載はない。 当然有する手段を特定していないことをもって、「技術的思想の創作」としての発明が直ちに不明確となるものではない。 (4)小括 よって、技術常識を踏まえると、本件発明1に係る特許が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたとすることはできない。 2.特許法第36条第6項第1号(サポート要件) 特許法第36条第6項第1号は、「特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであること。」というものである。 第36条第6項第1号要件の適合性は、「技術的思想の創作」としての「発明」が発明の詳細な説明に記載したものであるか否かを、技術常識を踏まえて判断されるべきものであり、本件に照らすと、「発明」に含まれるすべての種類の弁機構とその閉弁手段の開示を求めるものではない。 上記1.(3)のとおり、本件発明1の「弁機構」が、何らかの「閉弁手段」を有することは明らかである。 特許明細書、図面には、本件発明1の実施例が記載されており、閉弁手段として「弁付勢部材(103,140,145)」が開示されている。 請求人が上記第3.ク.で主張するとおり、弁機構には様々な種類があるから、その閉弁手段にも様々な種類があることは技術常識である。 そして、技術常識である以上、弁機構、閉弁手段のすべての種類について、発明の詳細な説明に記載がないことをもって、本件発明1に係る特許が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたとすることはできない。 請求人は、閉弁手段としての弁付勢部材を省略した場合、本件発明1は成立しない旨、主張する(上記第3.ウ.)が、本件発明1は、閉弁手段を有しないと特定されているものではない。 3.特許法第36条第4項第1号(実施可能要件) (1)特許法の規定 特許法第36条第4項第1号は、以下のとおりである。 「発明の詳細な説明の記載は、次の各号に適合するものでなければならない。 1.経済産業省令で定めるところにより、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであること。」 以下、具体的に検討する。 (2)弁機構 上記1.(3)のとおり、本件発明1の「弁機構」が、何らかの「閉弁手段」を有することは明らかである。 請求人は、閉弁手段を備えない場合、本件発明1は実施しえない旨、主張するが、本件発明1は、閉弁手段を備えないと特定されているものではない。 (3)流体圧シリンダ 流体圧シリンダについては、特許明細書の段落0039から0045、図1から図3に実施例の構造が、段落0052から0059にその動作が示されている。そして、この実施例が実施できることについて、両者間に争いはない。 本件発明1は、「ワークを着座面に着座させた状態におけるクランプ不良を確実に検出可能なクランプ装置を提供する」(特許明細書の段落0007)ものである。 そのための所望の動作を行うためには、「実施例」において、「所定の力」が必要であることは明らかである。 請求人は、「所定の力」が特定されていない本件発明1は、そのすべてが、実施できるわけではない旨、主張する(上記第3.エ.及びク.)。 しかし、特許法第36条第4項第1号の規定は、上記(1)のとおりであり、発明に含まれるすべてのものを実施しうることを求めるものではないし、実施できないものをあえて製作することは不自然であるから、請求人の主張は採用できない。 (4)小括 よって、技術常識を踏まえると、本件発明1に係る特許が、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたとすることはできない。 第6.むすび 以上、本件発明1に係る特許は、特許法第36条第6項第2号、第1号、同第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたとすることはできない。 したがって、本件発明1に係る特許は、同法第123条第1項第4号に該当しないので、無効とすることはできない。 また、他に本件発明1に係る特許を無効とすべき理由を発見しない。 審判費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2011-06-08 |
出願番号 | 特願2008-34921(P2008-34921) |
審決分類 |
P
1
123・
536-
Y
(B23Q)
P 1 123・ 537- Y (B23Q) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 松原 陽介 |
特許庁審判長 |
千葉 成就 |
特許庁審判官 |
藤井 眞吾 菅澤 洋二 |
登録日 | 2009-04-24 |
登録番号 | 特許第4297511号(P4297511) |
発明の名称 | クランプ装置 |
代理人 | 荒川 伸夫 |
代理人 | 深見 久郎 |
代理人 | 高橋 智洋 |
代理人 | 吉田 昌司 |
代理人 | 佐々木 眞人 |
代理人 | 森田 俊雄 |