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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  A23L
管理番号 1255371
審判番号 無効2011-800015  
総通号数 150 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-06-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 2011-02-01 
確定日 2012-01-04 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第2535311号発明「ナタマメを主成分とする健康茶」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第2535311号の請求項に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第2535311号の出願についての手続の概要は,以下のとおりである。なお,以下,本件無効審判請求人である株式会社ウイルコ及び株式会社百年生物化学研究所を「請求人」という。また,ヨシトメ産業株式会社を「被請求人」という。
平成 6年 1月18日 特許出願。

平成 8年 6月27日 特許権の設定登録(請求項の数5)。

平成23年 2月 1日 無効審判請求。(請求人)(甲第1?14号証)

平成23年 5月 6日 答弁書提出。(被請求人)(乙第1?4号証)

平成23年 6月 6日 上申書(請求人)(甲第15?29号証)

平成23年 8月16日 口頭審理陳述要領書(請求人)(甲第30?53号証)

平成23年 8月17日 口頭審理陳述要領書(被請求人)

平成23年 8月31日 口頭審理

平成23年 9月 2日 無効理由通知および職権審理結果通知

平成23年 9月28日 意見書(請求人)(甲第54号証)

平成23年10月 6日 意見書(被請求人)

平成23年10月 6日 訂正請求書(被請求人)

第2 訂正請求について
1 訂正請求の内容
平成23年10月6日付け訂正請求は,本件特許明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものであって,その訂正の内容は,以下のとおりである。
(1)訂正事項1
本件特許明細書の特許請求の範囲について,
「【特許請求の範囲】【請求項1】 ナタマメとコイックス属の植物を適宜の割合で配合して,これらを粉砕し,炒って成ることを特徴とする,ナタマメを主成分とする健康茶。
【請求項2】 ナタマメとガルデニア属の植物を適宜の割合で配合して,これらを粉砕し,炒って成ることを特徴とする,ナタマメを主成分とする健康茶。
【請求項3】 ナタマメとプランタゴ属の植物を適宜の割合で配合して,これらを粉砕し,炒って成ることを特徴とする,ナタマメを主成分とする健康茶。
【請求項4】 ナタマメとマロティウス属の植物を適宜の割合で配合して,これらを粉砕し,炒って成ることを特徴とする,ナタマメを主成分とする健康茶。
【請求項5】 ナタマメと,コイックス属,ガルデニア属,プランタゴ属及びマロティウス属の各植物のうちの複数の属の植物とを適宜の割合で配合して,これらを粉砕し,炒って成ることを特徴とする,ナタマメを主成分とする健康茶。」とあるのを,
「【特許請求の範囲】【請求項1】ナタマメの豆を1とし,ハトムギをほぼ0.25,クチナシをほぼ0.125,オオバコをほぼ0.5及びアカメガシワをほぼ0.1の重量割合で配合して,これらを粉砕し,炒って成ることを特徴とする,ナタマメを主成分とする健康茶。」と訂正する。

(2)訂正事項2
本件特許明細書の段落【0005】中の「【課題を解決するための手段】そこで請求項1項の発明では,ナタマメとハトムギ等のコイックス属の植物を適宜の割合で配合して,これらを粉砕し,炒って成る,ナタマメを主成分とする健康茶とした。上記ナタマメはナタマメの各部分を全て含むものであるが,効き目の高い順は豆,さや,茎又は葉となっている。」を「【課題を解決するための手段】そこで請求項1項の発明では,ナタマメとハトムギ等のコイックス属の植物を適宜の割合で配合して,これらを粉砕し,炒って成る,ナタマメを主成分とする健康茶とした。」に訂正する。

(3)訂正事項3
本件特許明細書の段落【0011】の「【作用】請求項1項の発明では,ナタマメ自身は本来の効果を発揮するが,さらにハトムギ等のコイックス属の植物を混ぜているため,この植物の鎮痛,鎮痙,鎮咳,去痰,消炎,排膿等の作用と相俟ってナタマメの効果を強化するとともに皮膚の血液の循環を盛んにし,皮膚の発赤等を抑える。」を「請求項1の発明では,ナタマメ自身は本来の効果を発揮するが,ハトムギ,クチナシ,オオバコ及びアカメガシワの各植物を混ぜているため,これらの植物による夫々の薬効作用があるが,これらの植物とナタマメの薬効との相乗作用で薬効の増強を計っている。」

(4)訂正事項4
本件特許明細書の段落【0018】の「なお上記実施例ではナタマメに対し,ハトムギ,クチナシ,オオバコ,アカメガシワを混ぜたが,これに限らずハトムギ,クチナシ,オオバコ,アカメガシワの内の一種類又は複数種類をナタマメに混ぜても良い。さらにハトムギに限らずコイックス属の植物,クチナシに限らずガルデニア属の植物,オオバコに限らずプランタゴ属の植物,アカメガシワに限らずマロティウス属の植物を用いても同様の効果を生ずる。また上記実施例では,ナタマメと上記適宜の植物を配合して,これらを粉砕し,炒ったものをティーバック形態にしたが,これに限らず,同様にして作ったものを煎じたり,浸出させ,或いは更にエキス粉末,顆粒等としたものを用いても同様の効果を生ずる。」を「また上記実施例では,ナタマメと上記植物を配合して,これらを粉砕し,炒ったものをティーバック形態にしたが,これに限らず,同様にして作ったものを煎じたり,浸出させ,或いは更にエキス粉末,穎粒等としたものを用いても同様の効果を生ずる。」に訂正する。

(5)訂正事項5
本件特許明細書の段落【0019】の「【発明の効果】請求項1項の発明では,ナタマメ自身は上記従来通りの効果を発揮するが,コイックス属の植物を混ぜているため,この植物の鎮痛,鎮痙,鎮咳,去痰,消炎,排膿等の作用と相俟ってナタマメの効果を強化するとともに血液の循環を盛んにし,皮膚の発赤等を抑える。従って単にナタマメのみを服用するのに比べ,この発明の健康茶を飲用すればナタマメの摂取量を少なくし,副作用を防止するとともに誰にでも,確実にナタマメの効果を効かせることができるものである。しかも茶葉の形態にしているため,手軽に飲用でき,長期にわたって保存できる。」を「【発明の効果】請求項1項の発明では,ナタマメ自身は上記従来通りの効果を発揮するが,ハトムギを混ぜているため,この植物の鎮痛,鎮痙,鎮咳,去痰,消炎,排膿等の作用と相侯ってナタマメの効果を強化するとともに血液の循環を盛んにし,皮膚の発赤等を抑える。」に訂正する。

(6)訂正事項6
本件特許明細書の段落【0020】の「また請求項2項の発明では,ナタマメ自身は上記従来通りの効果を発揮するが,ガルデニア属の植物を混ぜているため,この植物の作用により解毒や消炎作用がある。さらに薬物の作用を強く現わすためには,飲用者の便を軟便にすると効果が上がるが,このガルデニア属の植物を入れることにより,飲用者の便を軟便にしてナタマメ本来の作用を強化する。この場合も単にナタマメのみを服用するのに比べ,この発明の健康茶を飲用すればナタマメの摂取量を少なくし,副作用を防止するとともに誰にでも,確実にナタマメの効果を効かせることができるものである。しかも茶葉の形態にしているため,手軽に飲用でき,長期にわたって保存できる。」を,「また,クチナシを混ぜているため,この植物の作用により解毒や消炎作用がある。さらに薬物の作用を強く現わすためには,飲用者の便を軟便にすると効果が上がるが,このクチナシを入れることにより,飲用者の便を軟便にしてナタマメ本来の作用を強化する。」に訂正する。

(7)訂正事項7
本件特許明細書の段落【0021】の「また請求項3項の発明では,ナタマメ自身は上記従来通りの効果を発揮するが,プランタゴ属の植物を混ぜているため,この植物の作用による消化不良,下痢,赤痢,便秘等への効き目が加わり,さらにこれらの植物の作用により,飲用者の便を軟便にしてナタマメ本来の作用を強化する。この場合も単にナタマメのみを服用するのに比べ,この発明の健康茶を飲用すればナタマメの摂取量を少なくし,副作用を防止するとともに誰にでも,確実にナタマメの効果を効かせることができるものである。しかも茶葉の形態にしているため,手軽に飲用でき,長期にわたって保存できる。」を,「また,オオバコを混ぜているため,この植物の作用による消化不良,下痢,赤痢,便秘等への効き目が加わりさらにこれらの植物の作用により,飲用者の便を軟便にしてナタマメ本来の作用を強化する。」に訂正する。

(8)訂正事項8
本件特許明細書の段落【0022】の「また請求項4項の発明では,ナタマメ自身は上記従来通りの効果を発揮するが,マロティウス属の植物を混ぜているため,マロティウス属の植物による痔,るいれき,腫物,湿疹等への消炎効果が加わる。その際ナタマメ自身にも消炎作用があるが,これらの植物により効き方が一種類でなく,多数種類と巾を持たせ,作用点を変えている。従って広範囲な症状にも対応でき,確実に効果がでる。この場合も単にナタマメのみを服用するのに比べ,この発明の健康茶を飲用すればナタマメの摂取量を少なくし,副作用を防止するとともに誰にでも,確実にナタマメの効果を効かせることができるものである。しかも茶葉の形態にしているため,手軽に飲用でき,長期にわたって保存できる。」を,「また,アカメガシワを混ぜているため,痔,るいれき,腫物,湿疹等への消炎効果が加わる。」に訂正する。

(9)訂正事項9
本件特許明細書の段落【0023】の「また請求項5項の発明では,ナタマメ自身は上記従来通りの効果を発揮するが,コイックス属,ガルデニア属,プランタゴ属及びマロティウス属の各植物の内の複数の種類の植物を混ぜているため,これらの植物による夫々の薬効作用があるとともに,これらの複数の種類の植物とナタマメとの相乗作用でナタマメの薬効の作用点を変え,広範囲な症状にも対応でき,確実に効果がでる。従って単にナタマメのみを服用するのに比べ,この発明の健康茶を飲用すればナタマメの摂取量を少なくし,副作用を防止するとともに誰にでも,確実にナタマメの効果を効かせることができるものである。しかも茶葉の形態にしているため,手軽に飲用でき,長期にわたって保存できる。」を,「また,ハトムギ,クチナシ,オオバコ及びアカメガシワの各植物を混ぜているため,これらの植物による夫々の薬効作用があるとともに,これらの複数の種類の植物とナタマメとの相乗作用でナタマメの薬効の作用点を変え,広範囲な症状にも対応でき,確実に効果がでる。従って単にナタマメのみを服用するのに比べ,この発明の健康茶を飲用すればナタマメの摂取量を少なくし,副作用を防止するとともに誰にでも,確実にナタマメの効果を効かせることができるものである。しかも茶葉の形態にしているた手軽に飲用でき,長期にわたって保存できる。」に訂正する。

2 当審の本件訂正請求についての判断
(1)訂正事項1について
ア 訂正前の請求項1?4について
訂正前の請求項1?4を削除するものであって,請求項の削除を目的とするものである。

イ 訂正前の請求項5について
訂正前の「ナタマメ」とあるのを「ナタマメの豆」と植物の部分を限定するものである。
そして,訂正前の「コイックス属,ガルデニア属,プランタゴ属及びマロティウス属の各植物のうちの複数の属の植物とを適宜の割合で配合して」とあるのを植物の属をそれぞれ具体的に限定し「ハトムギ」「クチナシ」「プランタゴ属」「オオバコ」及び「アカメガシワ」に限定すると共に,その配合割合を訂正前「適宜の割合」とあったのを,「ナタマメの豆を1とし,ハトムギをほぼ0.25,クチナシをほぼ0.125,オオバコをほぼ0.5及びアカメガシワをほぼ0.1の重量割合で配合」と具体的に割合を限定したものである。
以上の訂正は,特許請求の範囲の減縮を目的としたものであることは明らかである。
そして,訂正前の特許明細書の段落【0016】の「ナタマメの豆を1とし,ハトムギを約0.25,クチナシを約0.125,オオバコを約0.5,アカメガシワを約0.1の割合で混ぜ,これらを小さく粉砕し,よく炒る。そしてこれらの約3g分を1パックとして袋に詰め,お茶のパックとする。」に基づいて,その構成を限定するものである。
ここには,「割合」とのみ記載され「重量割合」とは記載されていない。しかし,ナタマメは,下記甲第15号証1912頁中欄下から14行?下から12行に「3?5銭を煎じるか,薬性を残す程度に焼き,研って粉末として服用する。」と記載されているように,銭(重量の単位)のような重量の単位で計られるのが普通であるし,ハトムギ,オオバコ,アカメガシワも同様である。
そうすると,請求項5についての訂正は,技術常識からみて,願書に添付した明細書又は図面に記載した範囲内においてしたものであるといえ,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。

(2)訂正事項2?9について
上記訂正事項1の訂正に伴い,発明の詳細な説明の記載について,特許請求の範囲との整合を図るため,明りょうでなくなった記載の釈明を目的とするものである。
また,訂正請求書において「(3)訂正事項」の3?6(当審注:原文は丸数字である。以下,同様である。)において『3 特許公報第2頁段落番号【0006】の「・・・(略)・・・」』等のように記載されている。
このように訂正すると,【0006】?【0009】は,実質的に空欄となる。しかし,訂正請求書に添付された訂正明細書の【0006】?【0009】を参照すると,【0006】?【0009】自体が削除されることになる。
したがって,訂正の内容は実質的に,本件特許明細書の段落【0006】?【0009】を削除し,本件特許明細書の段落の段落【0010】及び【0011】をそれぞれ繰り下げ,段落【0006】及び【0007】と訂正したものと解される。
同様に,本件特許明細書の段落【0010】?【0023】についても,上記訂正に伴い連続する段落番号に整理すべく,訂正明細書の段落【0008】?【0015】としたものと解される。

(3)むすび
以上のとおり,本件訂正は,請求項の削除,特許請求の範囲の減縮及び明りょうでない記載の釈明を目的とし,いずれも願書に添付した明細書又は図面に記載されている事項の範囲内の訂正であり,また,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものではない。
よって,本件訂正は,特許法第134条の2ただし書き,及び,同条第5項において準用する同法第126条第3項,4項の規定に適合するので,当該訂正を認める。

第3 本件発明及び本件明細書
平成23年10月6日付けの訂正請求は適法なものであるから,本件特許明細書の請求項1に係る発明は,訂正明細書の特許請求の範囲に記載された次の事項により特定されるものである(以下,「本件発明」という。)。
「【請求項1】ナタマメの豆を1とし,ハトムギをほぼ0.25,クチナシをほぼ0.125,オオバコをほぼ0.5及びアカメガシワをほぼ0.1の重量割合で配合して,これらを粉砕し,炒って成ることを特徴とする,ナタマメを主成分とする健康茶。」
また,訂正された本件特許の明細書を,以下「本件訂正明細書」という。

第4 請求人の主張の概要及び証拠方法
1 請求人の主張
請求人は,「特許第2535311号の請求項1乃至5に係る特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求め,審判請求書において,下記「第4 2 証拠方法」に示した証拠を提出した。ここで,審判請求書において,本件特許明細書の請求項1?5に係る発明の特許を無効とする,との審決を求めているが,上記訂正により,本件特許明細書の請求項1?4は削除されたので,残るの本件特許明細書の請求項5に係る発明の特許を無効とする理由としては,甲第1号証?甲第8号証及び甲第10号証に記載された周知技術,並びに甲第9号証及び甲第11号証?甲第14号証に記載された発明に基づいて,特許出願前に当業者が容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,特許法第123条第1項第2号に該当し本件特許は無効とすべきものであるというものである。
さらに,薬効等についての周知技術として上申書,口頭審理陳述要領書,意見書において,下記「第4 2 証拠方法」に示した甲第15?54号証を提出している。

2 証拠方法
甲第1号証 赤松金芳著,「新訂 和漢薬 一處方集-」,昭和55年3月20日発行,医歯薬出版株式会社,凡例,63頁

甲第2号証 矢数圭堂監修,「漢方処方大成」,昭和63年4月15日発行,自然社,306?307頁

甲第3号証 野呂征男,荻原幸夫,木村孟淳編,「新訂生薬学 改訂第3版」,株式会社南江堂,1992年5月1日発行,9?10頁

甲第4号証 星川清親著,「新編 食用作物」,昭和55年4月25日,株式会社養賢堂,546?549頁

甲第5号証 JamesA.Duke著 星合和夫訳,「世界有用マメ科植物 ハンドブック」,昭和61年6月15日発行,雑豆輸入基金協会 126?126頁

甲第6号証 株式会社小学館編,「中薬大辞典 第二巻」,上海科学技術出版社,株式会社小学館,1035?1036頁,国会図書館平成2年10月30日受け入れ

甲第7号証 株式会社小学館編,「中薬大辞典 第一巻」,1990年6月20日発行,上海科学技術出版社,株式会社小学館,371?377頁,

甲第8号証 特願昭62-196112号 拒絶理由通知書 起案日:平成4年7月16日及び対応公開公報

甲第9号証 特開平5-192116号公報

甲第10号証 「JOURNAL OF ANHUI TCM COLLEGE ,Vol.7,No.4」,1988年,18?19頁

甲第11号証 特開昭60-221067号公報

甲第12号証 特開平1-144957号公報

甲第13号証 特開昭60-49777号公報

甲第14号証 特開昭60-6174号公報

甲第15号証 上海科学技術出版社,株式会社小学館編,「中薬大辞典第三巻」,株式会社小学館,1990年6月20日発行,1911?1912頁,国会図書館平成2年10月30日受け入れ

甲第16号証 奥田拓男編,天然薬物事典,株式会社廣川書店,昭和61年4月15日発行,85頁,306頁

甲第17号証 蕭培根生編,「中国本草図録巻二」,中央公論社,1993年1月25日発行,70頁,270頁

甲第18号証 James A.Duke著 星合和夫訳「世界有用マメ科植物ハンドブック」,財団法人雑豆輸入基金協会,昭和61年6月15日発行,(甲第5号証と同じ),58?59頁

甲第19号証 伏見功著,健康をつくる中国茶,株式会社現代旅行研究所,1988年10月20日発行,134?135頁

甲第20号証 尚学図書編,国語大辞典,株式会社小学館,昭和57年2月12日発行,225頁,1862頁

甲第21号証 特開平5-163129号公報

甲第22号証 星川清親著,新編食用作物,株式会社養賢堂,昭和55年4月25日発行,546?549頁,(頁も含め甲第4号証と同じ)

甲第23号証 特開平5-192116号公報,(甲第9号証と同じ)

甲第24号証 上海科学技術出版社,株式会社小学館編,「中薬大辞典第四巻」,株式会社小学館発行,1990年6月20日発行,2626?2627頁

甲第25号証 野呂征男,荻原幸夫,木村孟淳編,新訂生薬学,株式会社南江堂,1992年5月1日発行,175?176頁,183?185頁,(甲第3号証と同じ)

甲第26号証 上海科学技術出版社,株式会社小学館編,「中薬大辞典第二巻」,株式会社小学館発行,1049?1051頁,1141?1142頁,国会図書館平成2年10月30日受け入れ,(甲第6号証と同じ)

甲第27号証 特開平4-36173号公報

甲第28号証 木村康一,木村孟淳共著,原色日本薬用植物図鑑,株式会社保育社,昭和56年7月1日発行,110?111頁

甲第29号証 堀田満編集(代表),世界有用植物事典,株式会社平凡社,1989年8月25日発行,654頁

甲第30号証 特開昭64-40431号公報

甲第31号証 伏見功著,「健康をつくる中国茶」,株式会社現代旅行研究所,1988年10月20日発行,76?78頁、(甲第19号証と同じ)

甲第32号証 久保道徳・福田真三・勝城忠久著,「薬草入門」,株式会社保育社,昭和55年11月5日発行,8?11頁

甲第33号証 渡辺里美・標ヒロ著,「野草茶・薬草酒の健康法」,株式会社講談社,昭和59年2月20日発行,72?83頁

甲第34号証 東 丈夫・大竹茂清・村上光太郎著,「民間薬の実際知識」,東洋経済新聞社,昭和54年8月30日発行,13?15頁

甲第35号証 田中孝治監修 坪井敏男著,「薬になる草と木」,有限会社研数広文館,1991年7月25日発行,34?37頁,586?587頁

甲第36号証 高橋貞夫著,「九州の薬草」,葦書房,1986年11月25日発行,314?317頁

甲第37号証 浜田善利著,「続・熊本の薬草」,熊本日日新聞社,昭和59年4月12日発行,158?159頁,168?169頁

甲第38号証 畠山陽一著,「秋田薬草図鑑」,(有)無明舎出版,19 84年5月20日発行,216?217頁

甲第39号証 木戸慎蔵及び稲垣典年著,「土佐の薬草」,高知新聞社,昭和60年4月25日発行,180?185頁

甲第40号証 刈米達夫著,「生薬学」,株式会社廣川書店,昭和58年2月25日発行,1頁

甲第41号証 上海科学技術出版社 株式会社小学館編,「中薬大辞典第四巻」,株式会社小学館,1990年6月20日発行,2626頁,(甲第24号証と同じ)

甲第42号証 野呂征男,荻原幸夫,木村孟淳編,「新訂生薬学」,株式会社南江堂,1992年5月1日発行,183頁,(甲第3号証と同じ)

甲第43号証 URL:http://www.danaherbalmarket.com/indeχ. html
[香港にある生薬素材の販売業者である中和南北蓼茸葉行のホームページ],生慧仁(Coix seed)に関する記載箇所

甲第44号証, 香港の電機メーカー(German pool group company limited)が配布している電気製品のパンフレット,食品レシピの生慧仁(Coix seed)に関する記載箇所

甲第45号証 URL:http://www.nih.go.jp/eiken/
[独立行政法人 国立健康・栄養研究所のホームページ],素材情報データベースの記載箇所

甲第46号証 梅棹忠夫等監修,「日本語大辞典」,株式会社講談社,1989年12月1日発行,1251頁,【茶】の欄

甲第47号証 長田武正著,「日本イネ科植物図譜」,株式会社平凡社,1989年12月5日発行,734?735頁

甲第48号証 「植物和名学名対照辞典」,有限会社科学書院,199 2年3月31日発行,623頁

甲第49号証 「世界の植物」,朝日新聞社,1980年2月15日発行,222?224頁

甲第50号証 J.S.Glasby,「Dictionary of Plants Containing Secondary Metabolites」,1991年発行,204頁

甲第51号証 URL:http://ci. nil. ac. jp/
国立情報学研究所のCINII論文情報ナビゲーク[サイニイ]のデータベースより取得した,琉球大学農学部学術報告30, 641-650, 1983-11-30の抄録

甲第52号証 http ://db1.ffpri-tmk.affrc.go.jp/fmi/xsl/hyouhon/home.xsl
独立行政法人森林総合研究所における植物標本データベースより取得したハクメンカンジュの記録

甲第53号証 日本大百科全書 24,小学館,1988年11月1日,743頁

甲第54号証 田中孝治監修,坪井敏男著,「薬になる草と木 424種」 有限会社研数広文館,1991年7月25日発行,365?366頁「ナタマメ」の欄

3 各甲号証記載の事項
各項号証には,以下の事項が記載されている。なお,下線は,当審にて付記したものである。以下同様である。
(1)甲第1号証
(甲1-1)「癲狂(狂,狂癲,心風,狂病)
[対応] 躁病Mania(L,E),Manie;Wahnsinn(D)(その他の精神病Psychosis;Psychopahia(L,E),Psychopathie;Psychose(D)を含む
[処方]
○九物牛黄丸・・・(略)・・・
・・・(略)・・・
○刀豆丸 癲狂(叢桂亭蔵方)
刀豆,使君子,甘草(各等分)」(63頁4行?末行)

(甲1-2)「5.用法について
(イ)漢方方剤には,湯剤すなわち煎剤が主となっている。洋方でも煎剤があるが,日本薬局方によると,生薬50gに精製水950mlを加えて30分加熱し,温時布ごしして,その浸出液に精製水を加えて全量を1,000mlとすることが規定されている。しかし,現在の漢方では,方剤1貼(1日量-方剤によって異なるが約20g)を水500?550mlで煎じ,約半量としたものを布または細かい網で過し,1日3回食間に分服するを常とする。」(凡例の1頁 19行?24行)

(甲1-3)「なお,方剤に”飲”と名付けられているものがあるが,これは多紀元堅の「薬治通議」によると”湯”は常服するもので,”飲”は頓服するものとあるが,現在では,その区別は少ないようである。そのほか,方剤に”散”または”丸”とあっても,煎剤として用いる場合がある。」(凡例の1頁下から3行?凡例の2頁1行)

(甲1-4)「(ハ)”丸”は丸剤で,粉末生薬を蜜または糯米などの賦形剤,結合剤を加えて製丸したもので,現在では0.1gを普通とするが,漢方方剤では梧桐子大とか,小豆大とか書かれていて,大丸子では4?5gに至るものもある。このような大丸子は,沸湯に崩壊して飲用することになる。」(凡例の2頁4?7行)

(甲1-5)「6.本書の方剤名の前に付した○印は内用薬,●印は外用薬を示すものである。」(凡例の2頁末行)

(2)甲第2号証
(甲2-1)「刀豆丸
刀豆,使君子,甘草(各等分)
[叢桂亭医事小言・7巻・蔵方]」(306頁右欄13?15行)

(3)甲第3号証
(甲3-1)「生薬を種々の剤形にして使用する前に必ず何らかの加工調製が行われるが,生薬の本場である中国では,炮製あるいは修治(しゅち)と称して非常に重要な操作としている。その方法を列記する。」(9頁27?30行)

(甲3-2)「1)浄洗
・・・(中略)・・・
2)浸漬
・・・(中略)・・・
3)去心(心抜き),皮去り
・・・(中略)・・・
4)加熱(炒)
浄選した薬用部をそのままあるいは麩皮(ふすま)と混ぜ,加熱器に入れて弱く,物によっては強く加熱する。麩皮を混ぜた場合は後で篩にかける。乾燥を早くしたり,分解や酸化酵素の作用を抑制するためである。
5)湯通し,蒸熱
・・・(中略)・・・
6)炙(しゃ)
・・・(中略)・・・
7)黒焼き(製炭)
・・・(中略)・・・」(9頁下から4行?10頁下から8行)

(甲3-3)「1)粉末生薬Pulveres,powdereddrugs,Drogenpulver.
原料を粉砕し粉末化したもので,日本薬局方では粗末,中末,細末,微末の4段階に分ける。鏡検すれば原料生薬中の特徴ある組織片が観察される。散剤,丸剤,錠剤などにする。」(10頁下から4行?末行)

(4)甲第4号証
(甲4-1)「6.ナタマメ
学名:Canavaliagladiata(Jacq.)DC.
和名:ナタマメ
漢名:刀豆
・・・(中略)・・・完熟種子はサポニンを含み有毒であるが,塩水や水を何回も換えて煮れば除毒できる。キントン原料や煮豆とし,肉と煮れば美味である。炒って粉にしてコーヒー代用とすることもある。」(546頁下から4行?548頁19行)

(5)甲第5号証
(甲5-1)「21.Canavaliagladiata(Jacq.)DC.
亜科名:Fabaceae
和名:[ナタマメ属]ナタマメ(刀豆または鉈豆),タテハキ(帯刀)
・・・(中略)・・・
少量を試験的に食べて見て,下痢や頭痛のような有害作用がないならば,次回から大量に食べてもよいであろう。アジアでは,本種は一度水中に浸漬して,炭酸水素ナトリウムを加えて柔らかくなるまで煮沸し,水洗いして,新しい水で煮沸し,カレーの中に用いるために,あるいはマッシュポテトのようにして用いるためにつぶされる。煎り豆はコーヒーの代用品になる。・・・(略)・・・この子実は0.0097%のシアン化水素を含み,有毒サポニンを含むと言われている。」(58頁右欄1行?59頁左欄23行)

(6)甲第6号証
(甲6-1)「2130 シクンシ
使君子」(1035頁中欄2?4行)

(甲6-2)「[炮製(修治)]<<使君子仁>>外殻を除き,きれいな仁を取り出す。<<炒使君子>>鍋に入れてとろ火でかすかに香りが出るまで炒り,取り出して冷ます。」(1036頁中欄2?5行)

(甲6-3)「<用法>使君子仁(生の仁か,香ばしくもろくなるまで炒ったもの)をかみ砕いて飲み込むか,またはあぶ(当審注:「あぶ」は「火」「共」の漢字を意味する。)って乾かし研って粉末にし,湯で服用する。または煎剤にして服用してもよい。」(1036頁右欄20?24行)

(甲6-4)「また瀉痢を主るというが,それも疳積の中の1つの症状で,消化がうまく行われず大便が異常をきたして下痢になったり積滞することがある。使君子は消化を助け積滞を去ることができるが,それらをあわせ治せることが,脾胃を益し虚熱を除き小児の百病を治すと,李時珍が言う意味である。」(1037頁左欄48?54行)

(7)甲第7号証
(甲7-1)「0698 カンゾウ
甘草・・・(略)・・・
・・・(略)・・・
1副腎皮質刺激ホルモンACTH様作用
・・・(略)・・・
2抗炎症および抗アレルギー作用
・・・(略)・・・
3消化系統に対する作用
・・・(略)・・・
(1)実験的潰瘍に対する効果
・・・(略)・・・
(2)胃酸分泌に対する影響
・・・(略)・・・
(3)鎮痙作用
・・・(略)・・・
4解毒作用
・・・(略)・・・
5脂質代謝に対する影響
・・・(略)・・・
7鎮咳作用
・・・(略)・・・
8鎮痛・抗痙攣作用
・・・(略)・・・
11その他の作用
・・・(略)・・・
18-β型と18-γ型もまた抑菌する。」(371頁右欄9行?374頁中欄8行 なお,(1),(2)及び(3)は,○の中に数字を表す。)

(甲7-2)「[炮製(修治)]<<甘草>>夾雑物を除いて洗浄し,水に浸して8割がたしみたらすくいだし,切てって,陰干しする。・・・(中略)・・・鍋に入れて蓋をし,深黄色になり手に粘りつかなくなるまでとろ火で炒り,取り出して冷ます」(374頁中欄28?34行

(甲7-3)「3[得配本草]粳米(→1521)を混ぜて炒るか蜜と炙って用いる。」(347頁中欄45?47行)

(甲7-4)「[薬効と主治]中を和ませ急を緩める,肺を潤す,解毒する,の効能があり,調和薬である。炮製したものを用いれば,脾胃の虚弱,小食,腹痛と溏便,労倦(疲労)による発熱,肺痿咳嗽,動悸,驚癇(ひきつけ)を治す。生のものを用いれば,咽喉腫痛,消化性潰瘍,癰疽瘡瘍を治す。」(374頁中欄下から4行?同頁右欄2行)

(甲7-5)「痰延咳嗽には,蘇子や二陳(湯)といっしょにして痰を消し順気させることができる。」(377左欄42?44行)

(8)甲第8号証
(甲8-1)「各種植物成分を混合することで,それら各成分の有する薬効を組み合わせた茶乃至飲料を構成する手段は,引用例1?3にも記載があるとおり周知である。」(1頁下から4行?末行)

(9)甲第9号証
(甲9-1)「【請求項1】コーヒーまたは紅茶などにブレンドする健康飲料材において,ジュウヤク,ヨクイニン,ケツメイシなどを複合してなることを特徴とするブレンド用健康飲料材。」

(甲9-2)「【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし,コーヒーまたは紅茶は習慣性があったり,胃腸を害したり,寝付きを妨げられたりする等の問題点があり,特に幼児には不向きな飲料とされている。また,子供向に販売されている甘過ぎるコーヒー牛乳飲料なるものも,子供の健康を配慮しているとは云い難い。」

(甲9-3)「【0004】
【課題を解決するための手段】そこで,洋食のみならず日本食にも適し,また,胃腸のはたらきを促進するとともに身心をリラックスさせ,さらにまた,幼児にも安心して飲用させられるコーヒーあるいは紅茶などに関する健康飲料材および健康飲料を案出した。この発明は,コーヒーまたは紅茶などにブレンドするための複数種以上の民間薬材及び漢方薬材からなる健康飲料材および焙煎コーヒー(含インスタントコーヒー)または紅茶と前記健康飲料材との混合健康飲料材および前記混合飲料材から抽出してなる健康飲料および牛乳飲料と前記健康飲料とが混合されてなる牛乳混合健康飲料である。なお,成分抽出した薬材液と成分抽出したコーヒーなどとを混合したり,粉末薬材エキスと粉末コーヒーとの混合材を作成することは可能である。」

(甲9-4)「【0005】
【作用】民間薬材および漢方薬材は,苦味,辛味,甘味,酸味,鹹味,および苦くも辛くも甘くもない平味に分類されるが,テストによると,苦味の強いコーヒーに苦い薬材を混合すると,前記両材の苦味が相殺されたり相乗されたりして,やわらかな苦味が現出した。また,苦味を有する薬材を単材で混合することなく,苦味,甘味および香味などを有する薬材をともに複数種混合するとまろやかさとコクが生成された。基本的混合薬材として,ジュウヤク(別名どくだみ),ヨクイニン(別名はとむぎ),ケツメイシ(別名ハブ茶)など少なくとも二種以上の薬材を用いる。はとむぎ,裸麦は発芽させたものが好ましく有効成分の抽出率が高い。なお,それぞれの薬味を適当に焙煎したものでは香味が増強された。前記ジュウヤクは,多年草どくだみの葉と花穂からなり,無味であるが独特の薬臭をもち,消炎,利尿,解毒作用を有する漢方用薬材であり,身体を温める作用を有している温(身体を温める性質)剤である。また,前記ヨクイニンは,稲科の一年草はとむぎの種皮を除いた種子からなり,わずかの甘味をもち,利尿,消炎,排膿,鎮痛作用を有する漢方用薬材であり,身体の湿を滲し,水を瀉す作用を有している寒(身体を冷やす性質)剤である。(種皮の付いたものをはとむぎと称す)
さらにまた,ケツメイシは,豆科の一年草エビスグサまたはケツメイグサの種子からなり,わずかの苦味と焙煎による香味をもち,消炎,緩下,利尿,強壮作用を有する漢方用薬材であり,身体を温める作用を有している温剤である。民間薬および漢方薬には,葉,茎,根の他,種子や実が用いられることも多いが,モモの種子からなり,駆▲お▼血作用および鎮痛作用などを有する苦味剤の桃仁や,ハスの種子からなり,健胃作用および強壮作用などを有する甘味剤の蓮肉や,クコの実からなり,解熱作用および強壮作用を有する枸▲こ▼子や,ナツメの果実からなり,緩和作用および強壮作用または利尿作用などを有する甘味剤である大そうや,シャクヤクの根からなり,鎮痛作用および緩和作用などを有する苦味剤の芍薬や,その他,前述と同様の作用を有する菊花,山薬,茯苓,竜眼肉などを混合することは自由である。本来,東洋医学では熱帯地方で生育する植物は体の熱をさます作用を有するという考え方があるが,コーヒーなども例外ではなく血行を促進させ体熱を体表に追い出す作用を有する。コーヒーを飲んだ後,身体が熱く感じたり汗が出たりするのはこの作用によるものである。虚弱体質の人や身体が弱っている時にコーヒーなどを飲用した場合,体熱の発散作用による冷えによって,腹部がはったり,尿が出しぶったりすることがある。お年寄がコーヒーなどを好まれないのにはこのような訳もある。この発明の漢方ブレンドによる健康飲料は前述のような弊害および問題点を除去し,薬効によって腹部を温ため,排尿を促進させる。しかも,美味であるのみならず,前述のようないろいろの作用が相乗された効果的なものである。カフェインによる交感神経への刺戟は,いらいらとした気分のわるいものであり,就寝時には,身体や目は眠りたがっているのに頭の芯がいらいらとして寝つかれず,次の日に疲労感が残ってしまう時もある。発明の薬材入の健康飲料は,前述のような気分の悪さがなく,副交感神経が促進され,身体が温まり身心ともに心地よく疲労がとれ,寝つきが妨げられることもない。なお,薬材臭も心身をリラックスさせた。」

(甲9-5)「【0010】・・・(略)・・・。なお,薬材エキスの加減方によって便秘体質向,普通体質向などの性質を有せしめた健康飲料材および健康飲料の作成は可能である。・・・(略)・・・」

(甲9-6)「【0012】
【発明の効果】この発明は,前述のような構成であるので,味よく風味よく,しかも,身体によくないといわれる砂糖を要しないダイエット飲料であり,また,お年寄から子供まで広範囲の需要に適合し,さらに,健胃作用,消炎作用,利尿作用,解毒作用,鎮痛作用,鎮静作用,強壮作用などの作用効果をも併わせ持つ抜群の健康増進飲料である。・・・(略)・・・」

(10)甲第10号証
なお,翻訳は請求人によるものである。
(甲10-1)「李修伍教授による消化管がん証の治療経験」(タイトル)

(甲10-2)「わが師である李修伍は40余年にわたる治療により,難病を理解するに至った。つまり,虎七散を旋覆花代赭石湯と合わせて常用し,基本処方とする。食道がん,胃がんなど消化管がん証の治療,薬の処方,良好状態の維持,頻繁に起こる宿痾の論証を行う。以下に,李医師の臨床治療50例を総括する。」(18頁左欄1?6行)

(甲10-3)「二,処方・組成および服用方法
虎七散はヤモリ,三七粉の2種を調製して生成される。ヤモリ70匹を火であぶり乾かし,すりつぶして三七粉50gを加え,均一に混ぜる。1日2回,空腹時に1回3?4gを醸造酒または湯で服用する。煎じ薬の基本処方は,党参,茯苓,黄耆各15g,夏枯草20g,姜竹茹10g,姜半夏,旋覆花各12g,白花蛇舌草,代赭石,丹参,半辺蓮各30g,蜂房9g,炙甘草6gである。食道がんの場合は気を下げ乾きを改善するため,公丁香,川貝母,山豆根,石斛,威霊仙,玉竹,太子参,刀豆(ナタマメ)などを加えることができる。(中略)さらに,痰かかる場合には,南星,青蒙石,生意仁(ハトムギ),荒香,佩蘭,車前子(オオバコ),荷梗などを加える。毎日1剤,水に1時開浸した後,水を沸かし30分煎じた後に服用する。」(18頁右欄2行?19頁2行)(当審注:「生意仁」の「意」の上には草かんむりが付いている。以下,同様である。)

(甲10-4)「五,まとめ
李先生は,中国医学のがん治療については,症状を分析することを重んじており,情熱解毒,破堅攻伐のたぐいをむやみに用いてはならないと考えている。 しかし,中国医学の医者が,がんを診断するとき,ほとんどが後期であるため,多くの場合が他の医療技術では対応できなくなっている。臨床所見では,正虚,血疹,毒聚の3種に総括され,多くは正虚邪実の証である。しっかりと扶正を行うことを主とし,化疹抗癌を補助とする冶療を行う。したがって,旋覆花代熊石湯で基本処方を構成し,扶正怯邪,降逆化痰,化疹散結解毒を行う。食道がん患者は降逆潤燥に,胃がん患者は消食導滞に向けるため,患者の体質,年齢などの要因に基づき,臨床の異なる証の型を結びつけ,それぞれ軟堅散結,清熱解毒,活疹止痛,化痰除湿のたぐいを加える。虎七散を同時に服用すると,解毒抗癌の効果かおる。要するに,李医師は消化器がん証を治療するため,扶正怯邪を基礎とし,脾臓および胃の保養に着目して,処方を守り柔軟に措置を行う。それにより,がん証患者の圧状を軽減し,寿命を延ばすことができる。」(19頁右欄22?末行)

(11)甲第11号証
(甲11-1)「(2)発芽大豆,発芽裸麦,発芽ハトムギおよびその他の薬用植物類を焙煎し,粉砕した粉剤,その抽出物またはその乾燥処理物からなる栄養嗜好飲料」(1頁左下欄8?11行)

(甲11-2)「また大豆を原料としたものとしては大豆を焙煎した後粉砕しコーヒー状としたものが知られているが,一般概念からもきな粉のような風味となり,さらに大豆特有の油臭さが残るためこのまゝでは人の嗜好に適さないので,通常はコーヒーに大豆コーヒーを一部混合することによってこのような特有の風味や油臭さを柔らげたものが利用されている。しかしながら完全にこのような異臭等を取り除くことはできない。」(1頁右下欄4?12行)

(甲11-3)「本発明者は栄養価が高く原料的にも安価に入手できる大豆(蛋白質35?40%,油成分18%)を利用した嗜好飲料の製法につき種々検討した結果,適度に発芽した大豆を焙煎,粉砕したものをベースとしてこれに発芽麦類,発芽ハトムギ,薬用植物類などを焙煎,粉砕したものを適宜混合使用することにより,従来品の如ききな粉臭や油臭を完全に除去することができ,大豆の特徴である高カロリー,高栄養分を活用し,消化性もよくしかも風味が良好で適度の苦味,コク,旨味,甘味を持つ大豆をベースとしたコーヒー風の風味を持つ栄養嗜好飲料の発明をした。」(1頁右下欄13行?2頁左上欄5行)

(甲11-3)「本発明の嗜好飲料としては前記によって得られた大豆粉末をベースとして用い,これに発芽麦類,発芽ハトムギあるいはさらに薬用植物類をそれぞれ焙煎し,粉砕したものを2?4種適量混合したものはパック用飲料として,また混合粉末を常法により水や熱湯等で抽出し,必要によりさらに濃縮したものは液体飲料として,さらに抽出液を常法により乾燥処理たとえば粉末化,顆粒化,固型化したものはインスタント用飲料として使用することができ,これらの飲料は大豆を焙煎した場合の如き風味上の欠点がなく,それぞれの配合種類,配合比によってそれぞれ特有のコーヒー風の風味を有し,しかもコーヒーなどのカフェインを含有せず,栄養価値も高く子供にも良好な嗜好飲料である。」(2頁右上欄11行?同頁左下欄5行)

(12)甲第12号証
(甲12-1)「2.特許請求の範囲
クチナシエキスと大豆サポニンを有効成分として含有する健康食品。」(1頁左下欄4?6行)

(甲12-2)「[産業上の利用分野]
本発明は肥満の防止または肥満の解消を可能にする健康食品に関する。」(1頁左下欄7?9)

(甲12-3)「本発明におけるクチナシエキスは通常知られているいかなる製法により得たものであってもよい。例えばクチナシの果実を加熱乾燥,粉砕してn-ヘキサンにより脱脂し,次いで水または,メタノールあるいはエタノールと水との混液により有効成分を抽出し,抽出液から減圧したに溶媒を除去して得られる粉末状のものを使用することができる。」(2頁右上欄4?11行)

(甲12-4)「本発明に用いられる大豆サポニンは通常知られているいかなる製造法により得てもよい。」(2頁右上欄末行?同頁左下欄2行)

(甲12-5)「本発明による健康食品は粉末,顆粒,錠剤,丸剤,飴,菓子などいずれの形態でも用いることができる。」(2頁右下欄11?13行)

(13)甲第13号証
(甲13-1)「穀類(1),野菜類(2),海草類(3)それに塩(4)の内少なくとも1種以上を熱板上に載せてころがしながら加熱し,上記全素材の一部表面を炭化させた後粉砕し,該粉砕した粗粒品を更に熱板で加熱しながら一部を炭化させ,これらの粗粒品を混合機でもって十分混合して粉末状に加工することを特徴とする栄養食品の製造方法。」(1頁左下欄12行?末行)

(甲13-2)「野菜類(2)には,ヨモギ,ゲンノショウコ,ドクダミ,オオバコ,クズ,ヤマイモ等の有益な植物生体を含む。」(2頁左下欄4?6行)

(14)甲第14号証
(甲14-1)「水又は水分含量約20%以上の水混和性有機溶媒で野菜を抽出して得られた水もしくは水性抽出物であって,該抽出物をサイクロデキストリンの存在下で行うか,及び/又は該抽出物にサイクロデキストリンを添加することにより得られた水性抽出物であることを特徴とする野菜抽出物。」(1頁左下欄5?10行)

(甲14-2)「このような野菜類の例として,例えば,アブラナ,・・・(中略)・・・ナタマメ,・・・(中略)・・・,アカメガシワ,・・・(中略)・・・などの野菜類,及びこれらの任意の混合物を例示することができ,」(3頁左上欄9行?同頁左下欄4行)

(甲14-3)「本発明は,野菜類の抽出物に関し,香味(香気及び呈味)変調ないし変質を伴うことなしに,生野菜もしくは,調理したての野菜類に特徴的な且つ優れた嗜好性を有する香味を強く保有し,且つその優れた香味バランスを優れた保香性,呈味持続性及び保存安定性をもって維持できる顕著に改善された野菜類抽出物に関する。」(1頁左下欄11行?同頁右下欄1行)

(甲14-4)「本発明による野菜抽出物は,上記の如き食品材料と混合して,粉末もしくは顆粒状あるいは液体調味料として好適に利用することができるほか,和風スープ類,吸い物,麺つゆ,固形カレー,たれ類,レトルト食品類などの広い分野において利用することができる。」(4頁右下欄11?16行)

(15)甲第15号証
(甲15-1)「トウズ(刀豆)・・・(略)・・・
[炮製(修治)] 砕けた殻や夾雑物を取り除き,洗って日干しし,使用時につき砕く。・・・(略)・・・
抗腫瘍作用がある。・・・(略)・・・吃逆(しゃっくり),嘔吐,腹腸,腎虚による腰痛,痰喘を治す。・・・(略)・・・脾を健やかにする。・・・(略)・・・腸胃を利す。・・・(略)・・・腎を補う。・・・(略)・・・腎気の虚損(衰弱,傷害),腸胃の不和・・・(略)・・・を治す。痢疾を療す。・・・(略)・・・
4 副鼻腔炎の治療 古い刀豆を弱火であぶ(焙)り,乾燥して粉末とし,酒で3銭服用する。」(「トウズ」の項目)

(16)甲第16号証
(甲16-1)「カナバニン・・・(略)・・・ナタマメから初めて単離された・・・(略)・・・植物やウイルスに対して発育阻害剤として,またほ乳類に対しては毒物として働く。(→ナタマメ)」(「カナバニン」の項目)

(甲16-2)「ナタマメ・・・(略)・・・遊離アミノ酸カナバニン,酵素ウレアーゼなどを含む。漢方で去痰,鎮咳に,また病後の栄養剤に用いる。・・・(略)・・・」(「ナタマメ」の項目)

(17)甲第17号証
(甲17-1)「613 刀豆・・・(略)・・・性味・効能 甘,温。種子は中を温め気を降し,腎虚を補う。果殻は活血して月経を通じ,止瀉作用がある。根はお血(当審注:「お血」の「お」は,やまいだれに「於」を表す。以下,同様である。)を散らし鎮痛作用がある。・・・(略)・・・」(「613 刀豆」の項目)

(甲17-2)「お血(オケツ)・・・(略)・・・化膿炎症・・・(略)・・・」(270頁「お血」の項目)

(18)甲第18号証
甲第18号証は,甲第5号証と同じ証拠方法であり,その内容は上記「(5)甲第5号証」参照。

(19)甲第19号証
(甲19-1)「サポニン・・・(略)・・・鎮咳,去痰薬(当審注:「去」は,「去」の右に,しめすへんが付けられている。)・・・(略)・・・抗炎症作用・・・(略)・・・」(134?135頁 「サポニン」の項目)

(20)甲第20号証
(甲20-1)「うみ【膿】1 化膿したところから出る液。微菌性炎症の結果として生じる半流動性,帯黄白色の不透明の滲出液。」(255頁「うみ」の項目)

(甲20-2)「なん-べん【軟便】やわらかな大便。」(1862頁「なん-べん」の項目)

(21)甲第21号証
(甲21-1)「【0012】本発明の化粧料は,更に(d)成分としてアミノ酸及び/又はその塩を添加することにより,皮膚,角質層に対する柔軟効果及び尿素の安定化効果を更に向上させることができる。ここで用いられるアミノ酸としては,例えばリジン,ヒスチジン,アルギニン,オルニチン,カナバニン,グルタミン酸,アスパラギン酸,セリン,アラニン,グリシン,ロイシン,イソロイシン,プロリン,スレオニン,バリン,メチオニン,シスチン,システイン,ハイドロキシプロリンなどのアミノ酸が挙げられるが,特に,リジン,ヒスチジン,アルギニン,オルニチン,カナバニン等の塩基性アミノ酸が望ましい。また,かかる塩基性アミノ酸の塩としては,例えば塩基性アミノ酸の塩酸塩,硫酸塩,硝酸塩等が挙げられるが,特に塩酸塩が好ましい。」

(22)甲第22号証
甲第22号証は,甲第4号証と同じ証拠方法であり,その内容は上記「(4)甲第4号証」参照

(23)甲第23号証
甲第23号証は,甲第9号証と同じ証拠方法であり,その内容は上記「(9)甲第9号証」参照。

(24)甲第24号証
(甲24-1)「5342 ヨクイニン 意以仁(当審注:「意」と「以」の上には,草かんむりが付いている。以下,同様である。)・・・(略)・・・(異名)・・・意仁(ヨクニン)・・・(略)・・・筋筋のひきつり,・・・(略)・・・3[薬性論]肺痿肺気(各種の肺病),吐膿血,咳嗽唾上気(咳をして涙やつばが出る)を主る。・・・(略)・・・気を温める・・・(略)・・・水腫や気管支喘息の治療・・・(略)・・・肺廱で咳,つばが出りもの,心胸に甲錯のあるものの治療・・・(略)・・・筋急拘痙攣・・・(略)・・・」(「5342 ヨクイニン」の項目)

(25)甲第25号証
(甲25-1)「シャゼンシ 車前子 PlantaginisSemen・・・(略)・・・オオバコ・・・(略)・・・利尿消炎作用・・・(略)・・・胃腸部潰瘍・・・(略)・・・慢性下痢,赤痢・・・(略)・・・」(175?176頁「シャゼンシ」の項目)

(甲25-2)「ヨクイニン 意以仁(当審注:「意」と「以」の上には,草かんむりが付いている。以下,同様である。)・・・(略)・・・ハトムギ・・・(略)・・・筋肉痙れんのときの鎮痛鎮痙剤・・・(略)・・・皮膚のあれに用いる。(5)癰(よう)に用いる。・・・(略)・・・肩こり・・・(略)・・・」(184?185頁「ヨクイニン」の項目)

(26)甲第26号証
(甲26-1)「2163 シシ・・・(略)・・・[原植物]クチナシ・・・(略)・・・大小腸の大熱,・・・(略)・・・胃中の熱気を療す能。・・・(略)・・・結膜炎,腫痛を治す。・・・(略)・・・清熱し解毒する。・・・(略)・・・ソラマメ中毒症・・・(略)・・・細菌伝染性下痢,腎炎による水腫・・・(略)・・・瘡瘍腫毒を治す。」(「2163 シシ」の項目)

(甲26-2)「2361 シャゼンシ 車前子・・・(略)・・・和名 オオバコ ・・・(略)・・・小児の単純性消化不良の治療・・・(略)・・・車前子は利尿作用および消化液分泌増加促進により本病治癒を助けるもの・・・(略)・・・」(「2361 シャゼンシ」の項目)

(27)甲第27号証
(甲27-1)「近時,大豆やトウモロコシよりも食物繊維を多量に含むものとしてインド原産のオオバコ科の植物「プランタゴオバータ(Plantago 0vata)」の種子,(特にその皮殻)が注目され,これを医薬品として抗便秘薬の主原料とするものも出て来るようになった。」(1頁右下欄下から4行?2頁左上欄2行)

(28)甲第28号証
(甲28-1)「1.アカメガシワ・・・(略)・・・消炎鎮痛薬とし,胃潰瘍,十二指腸潰瘍,胃酸過多,胆石症,はれものなどに用いられる。・・・(略)・・・」(「アカメガシワ」の項目)

(29)甲第29号証
(甲29-1)「MallotusLour. アカメガシワ属・・・(略)・・・アカメガシワ・・・(略)・・・葉の煎汁を痔に外用し・・・(略)・・・」(「アカメガシワ」の項目)

(30)甲第30号証
(甲30-1)「特許請求の範囲
(1)乾燥粉砕したグァバ,朝鮮人参,西瓜皮,モヤシ豆を必須成分として含む漢方薬。
(2)乾燥粉砕したグァバ,朝鮮人参,西瓜皮,モヤシ豆を必須成分とし,蓬,霊茸,北海菊,桃種,ほうずきの葉,はと麦,玉蜀黍の髭,桂皮の乾燥粉末を少量成分として,これらを液通過性袋に所定量収納してなる特許請求の範囲第1項記載の漢方茶。」(1頁左欄「特許請求の範囲」の欄)

(甲30-2)「上記目的に沿う本発明に係る漢方茶は,乾燥粉末化したグアバ,朝鮮人参,西瓜皮,モヤシ豆を必須成分とするものから構成されている。
ここに,咳漢方茶には補助成分として,作用促進剤,吸収促進剤,甘味剤,賦香剤を適当量使用するのが好ましく,これらに,蓮,霊茸,北海菊,桃種,ほうずきの葉,はと麦,玉蜀黍の髭,桂皮の乾燥粉末を少量成分として採用し,全体を液通過性袋に所定量収納してなるものを採用するのが好ましい。」(2頁左下欄10?18行)

(31)甲第31号証
(甲31-1)「草果(薬)茶(ハーブティ) わが国では”野草茶”あるいは”健康茶”と呼ばれています。・・・(略)・・・この種のお茶は,内容組成の上で二つに分類されます。すなわち,一つは本来のお茶を主体としてそれにその他の植物の葉・花・茎・実・種子などを配合したもの,もう一つはお茶そのものにこだわらず,いろいろな植物を単独あるいは混合物としてお茶と同じ方法で飲用するものです。後者は漢方の煎薬と同じようなものです」(77頁2?9行)

(32)甲第32号証
(甲32-1)「薬草茶の話 私たちは毎日,緑茶や紅茶,コーヒーなどと 好に応じていろいろなお茶を飲みます。・・・(略)・・・心をしずめ,人の和をもたらしてくれるのがお茶です」(第8頁1?4行)

(甲32-2)「薬草茶のいろいろ - 病気の治療の補助薬として,昔からお茶の代りに服用されている民間薬のいろいろ」(10頁1行)

(甲32-3)「ハトムギの果実」「オオバコ」の写真が掲載されている(10?11頁)

(33)甲第33号証
(甲33-1)「野草茶にしたり薬酒にしたりして,このような成分を絶えず摂取していますと,私たちの体内にある酵素の働きが活発になり,栄養のバランスがとれて,新陳代謝が盛んになっています。新陳代謝が盛んになれば,汚れた血液が浄化され,細胞が新しくよみがえってきますし,したがって内臓の障害も,皮膚や外部の粘膜のトラブルも除かれ,ガンさえも予防できるわけです。
・・・(略)・・・とにかく,飲んでよし(お茶やお酒として),食べてよし(野草料理),つけてよし(化粧水や傷薬として肌から吸収させる)の野草や野辺の花々。」(第73頁3?10行)

(甲33-2)「3 充分に乾燥したら,はさみで小さく刻む種類別にしておきあと好みでブレンドする
4 ほうろくかホーローの平たいなべで,こげない程度に炒る。乾燥と効率アップのため」(79頁 写真の説明)(当審注:「3」「4」は,○内に数字を表す。)

(甲33-3)「クチナシの花とかバラなど,花弁が分厚いものを花茶にする」(80頁15行)

(甲33-4)「なるべく多種類のものをいっしょにとることが望ましいのです。別々に一種類ずつとるよりも,それぞれの薬効の相乗作用によって,血液浄化などの効力がいっそう増強しますし,人によっていろいろな体質がありますから,一種類だけでは体によって効かない場合もありますが,多種類であれば,そのうち何種かが,どんな体にもまちがいなく効いてくれます。」(82頁13行?83頁2行)

(甲33-5)「治療に用いる場合は,もちろん調合の種類を考え分量も考えます。」(83頁末行)

(34)甲第34号証
(甲34-1)「普通,薬草茶は健康保持,美容,体質改善などを目的に漠然と使われるもので,普通のお茶のように飲みたいときに何杯でも飲むものであるため,あまり苦味や臭味がなく,できればよい香りのするものを材料とする。しかし,病気を治すことを目的とするときはそれにあった原料を用いる。
材料としては種子(エビスグサ,ハトムギ,ゲンマイ),全草(カワラケツメイ),若葉(クワ,スイカズラ,ウコギ),若芽(アケビ)が使われる。種子は半炒半生といって材料の生のものと,色がつくほどに炒ったものを同量混合して用いるほうがよいが,めんどうならば全部炒ってもよい。」(13頁3?8行)

(甲34-2)「できあがったものはそのまま使ってもよいが,使う前に少し炒ると味がさらによくなる。また使うときは一種類ずつでもよいが,何種類かを混合して使うとよい。」(13頁10行?14頁2行)

(35)甲第35号証
(甲35-1)「アカメガシワ・・・(略)・・・胃潰瘍,十二指腸潰瘍に樹皮・・・(略)・・・とろ火で煎じ,1日3回にわけて飲む。胆石症に,樹皮5gと葉10gを・・・(略)・・・煎じ,3回にわけて飲む。はれものに乾燥葉・・・(略)・・・煎じ,3回に分服する。」(第34下欄10行?36頁上欄1行)

(甲35-2)「何種類かの薬草茶を作っておいて,それを合わせて飲んだ方が,1種 のもの飲むよりも効果があるが,少なくとも5種は合わせたいものである。
まぜ合わせるとき,たんに健康のためというのであれば,それぞれ等量でよいが,からだに疾患があるときは,それに効果のある薬草を,他の薬草より多めにするとよい。
たとえば,便秘がちの人や血圧の高い人はクコを,下痢がちの人はゲンノショウコを,むくみのある人はハトムギやカワラツメイを,また,神経痛やリュウマチの人はヨモギを,いくらか多くするというふうである。」(587頁上欄1?13行)

(36)甲第36号証
(甲36-1)「合煎の可否
1 同じ効能を持つ数種類の薬草を一緒にして煎服することは時によって望ましいことである。その場合,個々の分量は種類数に反比例して減らすがよかろう。
2 同じ効果を持つ薬草を中心に,三十種余りを一緒に煎服していて,長い間いろいろな病気をかかえ込んでいた人がすっかり健康を回復し,自己の貴重な体験をとおして人助けに活躍している方がある(福岡県椎田町の平田真知子,上田治身両氏)。
“百草茶”の発想は個々の薬草の相乗効果と相殺効果をねらったものであろう。
3 漢方茶は古代中国で何千年の長い経験と研究の成果を大成したもので,ほとんどのものが多種類の生薬を混ぜて処方してある。すなわち生薬相互の相乗効果や相殺効果で薬効を最高に発揮させているのである。
一種類単独でやってみて効果がおもわしくない時など,同効のものを数種合煎して用いてみるとよい。」(315頁3行?316頁1行)(当審注:「1」,「2」及び「3」は,○内に数字を表す。)

(甲36-2)アカメガシワについて,薬効として,次のように記載されている。「胃腸病・胃かいよう・胃ガン・痔・はれ物等」(317頁表)

(37)甲第37号証
(甲37-1)「薬用部位 植物はたいてい根,茎,葉の区別があり,花が咲いて実を結ぶ。この植物体を構成する部分で,どこを薬用にするかは,種類によって決まっている。根を薬とするのに,葉だけをたくさん採ったのではよくないから,薬用部位を知っておくことは大切である。薬用部位はふつう根,根茎,木部,皮,葉,花(つぼみ),果実,種子,全草などに分けている。」(159頁10?15行)

(甲37-2)「薬用茶
これは薬草を材料にしてつくるお茶である。・・・(略)・・・血圧の高い人,蕁麻疹の出やすい人がいる家庭では,それに向く処方のお茶を用いるとよい。・・・(略)・・・その上で,なお家庭によってそれぞれの実情に合わせて適当な薬草を加減するとよい。
○にきびができて肌の荒れやすいときは,ハトムギや意以仁を三?五グラム加える。
○咳がでやすいときは,車前草を三?五グラム加える。」(168頁1行?169頁4行)

(38)甲第38号証
(甲38-1)「野草茶の飲み方
・・・(略)・・・
単品よりブレンドで
一種類のものを飲んでも効果はあるが,薬効はさまざまなのだから,何種類かのものを混ぜ合わせて飲むと,より効果的である。
野草にもそれぞれ特有の香りと味があり,それを上手にブレンドすると体質や目的に合った薬草茶になり,一層の効果が期待できる。」(216頁3?15行)

(39)甲第39号証
(甲39-1)「薬草茶として お茶代わりに飲むことも多い。煎じるのと同じ要領でよいが,飲む回数,一回に飲む量,そして適当な濃さを考えながら利用する。・・・(略)・・・
薬草によってはハトムギ,カワラケツメイのように焙じるとおいしいものもある。一般にキュウリのつる,ゲンノショウコ,ハトムギ,ウツボグサ,トウモロコシの毛,ドクダミ,オオバコ,ハブ茶,ハコベなどが利用される。」(180下欄末尾から3行?181頁上欄14行)

(甲39-2)「市販されている高知県の薬草
アカメガシワ・・・(略)・・・オオバコ・・・(略)・・・クチナシ・・・(略)・・・ハトムギ」(183?185頁)

(40)甲第40号証
(甲40-1)「生薬を薬用にする最も簡単な方法は粉末薬・・・(略)・・・として散剤の形で用いるか,あるいは切断生薬・・・(略)・・・を煎剤,浸剤,または茶剤として用いるにある。これは,人類の原始時代から今に至るまで用いられている方法である」。(第1頁11?14行)

(41)甲第41号証
甲第41号証は,甲第24号証と同じ証拠方法であり,その内容は上記「(24)甲第24号証」参照。

(42)甲第42号証
(甲42-1)「ヨクイニン^(局) 意以仁
(英) coix seed (中)意以仁
・・・(略)・・・用部 種皮を除いた種子(仁)」(183頁「ヨクイニン」の欄)

(43)甲第43号証
(甲43-1)「生意仁 (YiYiRen/Coix seed)」(2行)

(44)甲第44号証
(甲44-1)「ハトムギ(ヨクイニン/ヨクベイ[英]Coix seed・・・(略)・・・ 同属植物であるジュズダマは,生薬のヨクイニンとして混用されているが,主成分が異なり注意する必要がある。」(2頁8行?下から3行)

(45)甲第45号証
(甲45-1)「生意仁 Coix Seed」(1頁右欄5?6行)

(46)甲第46号証
(甲46-1)「チャ【茶】
・・・(略)・・・
飲用に加工したチャノキの葉。また,それについでだした汁。」(1251頁「チャ」の欄)

(47)甲第47号証
(甲47-1)「ジュズダマ Coix lacryma-jobi L.」(734頁1?2行)

(48)甲第48号証
(甲48-1)「Gardenia florida→クチナシ
Gardenia florida var. grandiflora→クチナシの変種
Gardenia florida var. ovalifolia→クチナシの変種
Gardenia grandiflora→クチナシ
Gardenia jasminoides→クチナシ
Gardenia jasminoides var. radicans →コクチナシの変種
Gardenia jasminoides var. boninensis→コクチナシの変種
Gardenia Maruba→マルバクチナシ
Gardenia radicans→コクチナシ」(623頁右欄44?55行)

(49)甲第49号証
(甲49-1)「世界中ではオオバコ属Platangoだけ約250種も知られている。」(222頁右欄26?27行)

(甲49-2)「オオバコ Platango asiatica L.」(223左欄2行)

(甲49-3)「中国では,牛馬車の通る道ばたに多いというので,車前草というが,リンネに劣らず上手な名前をつけたものである。この車前草の種子を漢方では,車前子といい,煎じて飲めば鎮咳,去痰,胃腸病,下痢止め,利尿,止血などに効くという。」(223頁右欄7?11行)

(50)甲第50号証
(甲50-1)「MALLOTUS(Euphorbiaceae)
M. hookeriaus.
・・・(略)・・・
M. japonicu.
・・・(略)・・・
M. repandus.
・・・(略)・・・
M. stenanthus.」(204頁右欄12?30行)

(51)甲第51号証
(甲51-1)「ウラジロアカメガシワ30%,アカメガシワ15%」(抄録の欄の5行)

(52)甲第52号証
(甲52-1)「ラベル記載和名:ハクメンカンジュ
標準和名:
ラベル記載学名「Mallotus apelta (Lour.) Muell. Arg.」(「ハクメンカンジュ」の欄)

(53)甲第53号証
(甲53-1)「和漢薬 わかんやく
・・・(略)・・・
和薬と漢薬をあえて区別せず,これらを総称して和漢薬とよぶのが一般的である。また,漢薬といえども西域(インドやヨーロッパ)から学んだ薬物も多いため,和漢薬の用語も,広義には生薬全体を示す用語として解釈されている。」(743頁「和漢薬」の欄)

(54)甲第54号証
(甲54-1)「ナタマメ・・・(略)・・・
▼ せき止めや病変後の栄養料として,刀豆1回量5?10gを,コップ1杯半の水で1/3量になるまで煎じて服用するとよい。」(365?366頁「ナタマメ」の欄)

第5 被請求人の主張と証拠方法
1 被請求人の主張
本件無効審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とするとの審決を求め,下記「第4 2 証拠方法」に示した証拠を提出して,請求人の主張する無効理由は理由がなく,本件発明に係る特許は,特許法第123条第1項第2号の規定により無効にされるものではない,と反論している。

2 証拠方法
乙第1号証 「歯槽膿漏,蓄膿症にナタマメが効く!!」平成15年3月24日主婦の友社発行,48?51頁,56?59頁,70?79頁

乙第2号証 本件審判請求人の一人である株式会社ウイルコのホームページの写し。

乙第3号証 株式会社製茶百年本舗のホームページの会社概要のページの写し。

乙第4号証 本件審判請求人の一人である株式会社百年生物化学研究所のホームページの会社概要のページの写し。

乙第5号証 2000年12月被請求人作成の商品記載の小冊子,5?6頁

乙第6号証 平成23年9月20日付鈴粉末薬品(株)発行証明書。

乙第7号証の1?5 楽天みんなのレビューにおける,商品名「刀豆パワー」に対する,購入者の投稿の写し。

乙第7号証の6 被請求人に送られた葉書の写し。
,次に示す無効理由を主張している。

3 各乙号証記載の事項
(1)乙第1号証
ナタマメ茶の効能が記載されている。

(2)乙第2号証
株式会社ウイルコ(請求人)販売する「刀豆八健」に刀豆の他に,赤芽ガシワ,ハトムギ,オオバコ葉,オオバコ種,クチナシが加えられていることが記載されている。

(3)乙第3号証
株式会社製茶百年本舗の会社概要が記載されている。

(4)乙第4号証
株式会社百年生物化学研究所の会社概要が記載されている。

(5)乙第5号証
(乙5-1)「刀豆パワー[ティバッグ]」(5頁2行)

(乙5-2)「[原材料] 薩摩なた豆,大葉子(オオバコ),鳩麦(ハトムギ),梔(クチナシ),赤芽柏(アカメガシワ)」(5頁,[原材料]の欄)

(6)乙第6号証
被請求人が鈴粉末薬品(株)に製造を委託している健康茶「刀豆パワー」の構成が本件特許請求項1の発明と同じものである旨の,鈴木粉末薬品株式会社発行の証明書である。

(7)乙第7号証の1
(乙7の1-1)「評価5.00 毎日飲んでいます。私にはよく効いています。」

(8)乙第7号証の2
(乙7の2-1)「評価5.00 大きなおできができなくなりました。お茶と併用するようになってから小さいのもできなくて嬉しいです。」

(9)乙第7号証の3
(乙7の3-1)「評価5.00 慢性副鼻腔炎の家族のために購入しました。鼻どおりが改善されるようで大変満足しています。これからも利用したいと思います。」

(10)乙第7号証の4
(乙7の4-1)「評価5.00 はなづまりの緩和を目的に購入しています。(中略)いきいきと生活できます。」

(11)乙第7号証の5
(乙7の5-1)「「刀豆パワーのテイーバッグを5箱購入しました。(中略)はなづまりが解消されたのとできものが化膿しにくくなったと実感しています。」

(12)乙第7号証の6
(乙7の6-1)「若い頃からムシ歯に悩まされ,共に歯槽膿漏で口臭が気になっていました。なたまめハミガキとなた豆茶を使い始めて一週間続けたら,朝起きたらネバネバ感や臭いがスッキリして消えていた。ハグキもピンク色になり始めビックリ!とっても,うれしいです。ありがとうございます。」

第6 当審による無効理由の概要
平成23年9月2日付けの当審の職権審理による無効理由通知の概要は,本件発明は,その出願日前に日本国内において頒布された下記の(引用刊行物一覧)に示した刊行物に記載された発明に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり,特許法第29条第2項の規定に違反するものであるから,特許法第123条第1項第2号の規定に基づき無効とされるべきものであるというものである。
(引用刊行物一覧)
刊行物1:三橋博監修,「原色牧野和漢薬草大図鑑」(当審注:「図」は,旧字体である。),株式会社北隆館,昭和63年10月31日,初版,201頁,「ナタマメ」の欄

刊行物2:特開平4-248974号公報

刊行物3:特開平4-11875号公報

刊行物4:特開平3-292876号公報

刊行物5:特開昭62-6643号公報

刊行物6:特開昭60-118170号公報

刊行物7:丁 宋鐵著,「味と香りを楽しみながら健康増進 この病気にこの健康茶」,株式会社法研,第1刷,平成5年6月1日発行,45頁,59頁70頁,100頁

刊行物8:久保道徳・福田真三・勝城忠久著,「薬草入門」,株式会社保育社,昭和55年11月5日発行,8?11頁(甲第32号証)

刊行物9:渡辺里美・標ヒロ著,「野草茶・薬草酒の健康法」,株式会社講談社,昭和59年2月20日発行,72?83頁(甲第33号証)

刊行物10:東 丈夫・大竹茂清・村上光太郎著,「民間薬の実際知識」,東洋経済新聞社,昭和54年8月30日発行,13?15頁(甲第34号証)

刊行物11:田中孝治監修 坪井敏男著,「薬になる草と木」,有限会社研数広文館,1991年7月25日発行,34?37頁,586?587頁(甲第35号証)

刊行物12:高橋貞夫著,「九州の薬草」,葦書房,1986年11月25日発行,314?317頁(甲第36号証)

刊行物13:浜田善利著,「続・熊本の薬草」,熊本日日新聞社,昭和59年4月12日発行,158?159頁,168?169頁(甲第37号証)

刊行物14:畠山陽一著,「秋田薬草図鑑」,(有)無明舎出版,1984年5月20日発行,216?217頁(甲第38号証)

刊行物15:木戸慎蔵及び稲垣典年著,「土佐の薬草」,高知新聞社,昭和60年4月25日発行,180?185頁(甲第39号証)
刊行物16:蕭培根生編,「中国本草図録巻二」,中央公論社,1993年1月25日発行,70頁,270頁(甲第17号証)

刊行物17:上海科学技術出版社,株式会社小学館編,「中薬大辞典第三巻」,株式会社小学館,1990年6月20日発行,1911?1912頁(甲第15号証)

刊行物18:野呂征男,荻原幸夫,木村孟淳編,「新訂生薬学 改訂第3版」,株式会社南江堂,1992年5月1日発行,9頁(甲第3号証)

第7 無効理由についての当審の判断
1 引用刊行物記載の事項
(1)刊行物1記載の事項
(刊1-1)「ナタマメ[ナタマメ属](まめ科)
・・・(略)・・・【薬効と薬理】薬理は未詳。種子は食用になる。刀豆,刀豆殻は,中を温め,腎を益するなどの効能があり,咽喉頭結核,腰痛を治すといわれる。【使用法】種子,1回量5?10gを水300mlで1/3量に煎じて服用する。病後の栄養料や咳に用いる。刀豆殻を薬性を残す程度に焼き,粉末として酒で調え,腰痛,閉経,わき腹の脹痛の治療に用いる。刀豆根は,酒で煎じて,頭痛やリウマチによる腰や脊椎の痛みに,また,つき潰して酒で蒸して塗布することにより,打撲による筋の損傷の治療に用いる。」

(2)刊行物2記載の事項
(刊2-1)「【請求項1】 乾燥後,焙せんし殻毎粉末にしたはと麦の子実に対して,微粉末にしたマタタビの葉,ヒルガオの茎葉,イカリ草の茎葉を適量ブレンドした後,ティーパック包装するよう構成したことを特徴とするはと麦を主原料とする健康茶の製法。」

(刊2-2)「【0007】
【発明の効果】本発明は,上述の通り構成されているので次に記載する効果を奏する。
・・・(略)・・・
C.はと麦は美容食品としての機能を有し,マタタビはカルシューム,ビタミンCを多量に含み,ヒルガオ,イカリ草は体力増強,栄養補給等漢方としての効果がある。このように,本発明で得た健康茶は,日常手軽に飲用しながら健康維持に役立つ極めて有用なものである。」

(3)刊行物3記載の事項
(刊3-1)「(1)ミシマサイコ属植物の葉を乾燥後粗末化し,ついで,加熱して得られる健康茶。」(1頁左下欄5?6行)

(刊3-2)「乾燥した葉を粗末化する。特に限定するものではないが,手揉みによって容易に粗末にすることができ,特に好ましくは3?15mm,例えば,8mm開きの篩を通過させて,茎,葉柄等の夾雑物を取り除いて葉身部のみの粗末にすると商品価値を高めることができる。また,自動篩選別機等の適当な機械を用いれば,容易に大量の葉の粗末を調製できる。
得られた粗末を加熱する。例えば,適当な容器に入れて焙じることにより,香味の優れた茶を製造することができる。」(2頁右上欄4?14行)

(4)刊行物4記載の事項
(刊4-1)「(1)数種類の薬用植物を粉末にし,この粉末にした数種類の薬用植物を混合し,混合した薬用植物粉を300℃前後の温度で3?4分間加熱し,一方,貝殻,ツブ殻,魚の骨,鶏卵殼等のカルシウム成分を乾燥して粉末にし,この粉末にしたカルシウム成分を300℃前後の温度で3?4分間加熱し,上記加熱した薬用植物の粉末ほぼ80%と,加熱したカルシウム成分の粉末ほぼ20%とを混合して健康茶を製造するようにしたことを特徴とするカルシウム健康茶の製造方法。」(1頁左下欄5?14行)

(5)刊行物5記載の事項
(刊5-1)「以上の実施例のように本発明に係るティゼリーの製造方法は,ウーロン茶,ボーレイ茶,水仙茶,ジャスミン茶,バラ茶,金もくせい茶,くちなし茶,柿の葉茶等の中国茶を主原料として液を抽出し,抽出した液に転化糖および純植物性のゲル化剤を加えて加熱し,その後に冷却して凝固させる方法で,茶の持つ風味を十分に活かし,涼味に富んだデザートとして子供にも好まれるものとなり,かつ,血液中の中性脂肪やコレステロールを低下させ,身体につく脂肪を取除いて肥満を解消し,ダイエツト効果を発揮することができるものである。」(3頁左上欄10行?同頁右上欄4行)

(6)刊行物6記載の事項
(刊6-1)「又,本発明に於いては,同ハトムギの粉砕処理は,任意に採択し得る工程であり,同処理の有無に拘らず所望のハトムギ茶を得ることが可能であるが,ハトムギを粉砕した場合は,次の加熱調整処理時の伝熱効率が高まると共に,ハトムギ中の水分分布を均一に為し得,その結果膨化度合に於いて均一でしかも風味も一層優れたハトムギ茶を得ることができる点で好ましい。」

(7)刊行物7記載の事項
(刊7-1)「アカメガシワ・・・(略)・・・
かぜ 腎臓一般 月経不順 鼻血 解熱 強壮・強精 吐血・・・(略)・・・」(45頁)

(刊7-2)「オオバコ・・・(略)・・・
○効能 胃炎 下痢 せき ぜんそく 止血 強壮・強精・・・(略)・・・」(59頁)

(刊7-3)「クチナシ・・・(略)・・・
○効能 吐血 利尿 鼻血 黄疸 消炎・・・(略)・・・」(70頁)

(刊7-4)「ハトムギ・・・(略)・・・
○効能 腹痛 利尿 むくみ 鎮痛 解熱 消炎・・・(略)・・・」(100頁)

(8)刊行物8記載の事項
(刊8-1)「薬草茶の話 私たちは毎日,緑茶や紅茶,コーヒーなどと嗜好に応じていろいろなお茶を飲みます。・・・(略)・・・心をしずめ,人の和をもたらしてくれるのがお茶です」(第8頁1?4行)

(刊8-2)「薬草茶のいろいろ - 病気の治療の補助薬として,昔からお茶の代りに服用されている民間薬のいろいろ」(10頁1行)

(刊8-3)「ハトムギの果実」「オオバコ」の写真が掲載されている(10?11頁)

(9)刊行物9記載の事項
(刊9-1)「野草茶にしたり薬酒にしたりして,このような成分を絶えず摂取していますと,私たちの体内にある酵素の働きが活発になり,栄養のバランスがとれて,新陳代謝が盛んになっています。新陳代謝が盛んになれば,汚れた血液が浄化され,細胞が新しくよみがえってきますし,したがって内臓の障害も,皮膚や外部の粘膜のトラブルも除かれ,ガンさえも予防できるわけです。
・・・(略)・・・とにかく,飲んでよし(お茶やお酒として),食べてよし(野草料理),つけてよし(化粧水や傷薬として肌から吸収させる)の野草や野辺の花々。」(第73頁3?10行)

(刊9-2)「3 充分に乾燥したら,はさみで小さく刻む種類別にしておきあと好みでブレンドする
4 ほうろくかホーローの平たいなべで,こげない程度に炒る。乾燥と効率アップのため」(79頁 写真の説明)(当審注:「3」「4」は,○内に数字を表す。)

(刊9-3)「クチナシの花とかバラなど,花弁が分厚いものを花茶にする」(80頁15行)

(刊9-4)「なるべく多種類のものをいっしょにとることが望ましいのです。別々に一種類ずつとるよりも,それぞれの薬効の相乗作用によって,血液浄化などの効力がいっそう増強しますし,人によっていろいろな体質がありますから,一種類だけでは体によって効かない場合もありますが,多種類であれば,そのうち何種かが,どんな体にもまちがいなく効いてくれます。」(82頁13行?83頁2行)

(刊9-5)「治療に用いる場合は,もちろん調合の種類を考え分量も考えます。」(83頁末行)

(10)刊行物10記載の事項
(刊10-1)「普通,薬草茶は健康保持,美容,体質改善などを目的に漠然と使われるもので,普通のお茶のように飲みたいときに何杯でも飲むものであるため,あまり苦味や臭味がなく,できればよい香りのするものを材料とする。しかし,病気を治すことを目的とするときはそれにあった原料を用いる。
材料としては種子(エビスグサ,ハトムギ,ゲンマイ),全草(カワラケツメイ),若葉(クワ,スイカズラ,ウコギ),若芽(アケビ)が使われる。種子は半炒半生といって材料の生のものと,色がつくほどに炒ったものを同量混合して用いるほうがよいが,めんどうならば全部炒ってもよい。」(13頁3?8行)

(刊10-2)「できあがったものはそのまま使ってもよいが,使う前に少し炒ると味がさらによくなる。また使うときは一種類ずつでもよいが,何種類かを混合して使うとよい。」(13頁10行?14頁2行)

(11)刊行物11記載の事項
(刊11-1)「アカメガシワ・・・(略)・・・胃潰瘍,十二指腸潰瘍に樹皮・・・(略)・・・とろ火で煎じ,1日3回にわけて飲む。胆石症に,樹皮5gと葉10gを・・・(略)・・・煎じ,3回にわけて飲む。はれものに乾燥葉・・・(略)・・・煎じ,3回に分服する。」(第34下欄10行?36頁上欄1行)

(刊11-2)「何種類かの薬草茶を作っておいて,それを合わせて飲んだ方が,1種のもの飲むよりも効果があるが,少なくとも5種は合わせたいものである。
まぜ合わせるとき,たんに健康のためというのであれば,それぞれ等量でよいが,からだに疾患があるときは,それに効果のある薬草を,他の薬草より多めにするとよい。
たとえば,便秘がちの人や血圧の高い人はクコを,下痢がちの人はゲンノショウコを,むくみのある人はハトムギやカワラツメイを,また,神経痛やリュウマチの人はヨモギを,いくらか多くするというふうである。」(587頁上欄1?13行)

(12)刊行物12記載の事項
(刊12-1)「合煎の可否
1 同じ効能を持つ数種類の薬草を一緒にして煎服することは時によって望ましいことである。その場合,個々の分量は種類数に反比例して減らすがよかろう。
2 同じ効果を持つ薬草を中心に,三十種余りを一緒に煎服していて,長い間いろいろな病気をかかえ込んでいた人がすっかり健康を回復し,自己の貴重な体験をとおして人助けに活躍している方がある(福岡県椎田町の平田真知子,上田治身両氏)。
“百草茶”の発想は個々の薬草の相乗効果と相殺効果をねらったものであろう。
3 漢方茶は古代中国で何千年の長い経験と研究の成果を大成したもので,ほとんどのものが多種類の生薬を混ぜて処方してある。すなわち生薬相互の相乗効果や相殺効果で薬効を最高に発揮させているのである。
一種類単独でやってみて効果がおもわしくない時など,同効のものを数種合煎して用いてみるとよい。」(315頁3行?316頁1行)(当審注:「1」,「2」及び「3」は,○内に数字を表す。)

(刊12-2)アカメガシワについて,効能として,次のように記載されている。「胃腸病・胃かいよう・胃ガン・痔・はれ物等」(317頁表)

(13)刊行物13記載の事項
(刊13-1)「薬用部位 植物はたいてい根,茎,葉の区別があり,花が咲いて実を結ぶ。この植物体を構成する部分で,どこを薬用にするかは,種類によって決まっている。根を薬とするのに,葉だけをたくさん採ったのではよくないから,薬用部位を知っておくことは大切である。薬用部位はふつう根,根茎,木部,皮,葉,花(つぼみ),果実,種子,全草などに分けている。」(159頁10?15行)

(刊13-2)「薬用茶 これは薬草を材料にしてつくるお茶である。・・・(略)・・・血圧の高い人,蕁麻疹の出やすい人がいる家庭では,それに向く処方のお茶を用いるとよい。・・・(略)・・・その上で,なお家庭によってそれぞれの実情に合わせて適当な薬草を加減するとよい。
○にきびができて肌の荒れやすいときは,ハトムギや意以仁を三?五グラム加える。
○咳がでやすいときは,車前草を三?五グラム加える。」(168頁1行?169頁4行)

(14)刊行物14
(刊14-1)「野草茶の飲み方
・・・(略)・・・
単品よりブレンドで
一種類のものを飲んでも効果はあるが,薬効はさまざまなのだから,何種類かのものを混ぜ合わせて飲むと,より効果的である。
野草にもそれぞれ特有の香りと味があり,それを上手にブレンドすると体質や目的に合った薬草茶になり,一層の効果が期待できる。」(216頁3?15行)

(15)刊行物15記載の事項
(刊15-1)「薬草茶として お茶代わりに飲むことも多い。煎じるのと同じ要領でよいが,飲む回数,一回に飲む量,そして適当な濃さを考えながら利用する。・・・(略)・・・
薬草によってはハトムギ,カワラケツメイのように焙じるとおいしいものもある。一般にキュウリのつる,ゲンノショウコ,ハトムギ,ウツボグサ,トウモロコシの毛,ドクダミ,オオバコ,ハブ茶,ハコベなどが利用される。」(180下欄末尾から3行?181頁上欄14行)

(刊15-2)「市販されている高知県の薬草
アカメガシワ・・・(略)・・・オオバコ・・・(略)・・・クチナシ・・・(略)・・・ハトムギ」(183?185頁)

(16)刊行物16記載の事項
(刊16-1)「613 刀豆・・・(略)・・・性味・効能 甘,温。種子は中を温め気を降し,腎虚を補う。果殻は活血して月経を通じ,止瀉作用がある。根はお血(当審注:「お血」の「お」は,やまいだれに「於」を表す。以下,同様である。)を散らし鎮痛作用がある。・・・(略)・・・」(「613 刀豆」の項目)

(刊16-2)「お血(オケツ)・・・(略)・・・化膿炎症・・・(略)・・・」(270頁「お血」の項目)

(17)刊行物17記載の事項
(刊17-1)「トウズ(刀豆)・・・(略)・・・
[炮製(修治)] 砕けた殻や夾雑物を取り除き,洗って日干しし,使用時につき砕く。」(「トウズ」の項目)

(18)刊行物18記載の事項
(刊18-1)「生薬を種々の剤形にして使用する前に必ず何らかの加工調製が行われるが,生薬の本場である中国では,炮製あるいは修治(しゅち)と称して非常に重要な操作としている。その方法を列記する。」(9頁27?30行)

2 刊行物1記載の発明
摘記(刊1-1)からみて,刊行物1には次の発明(以下,「刊行物1発明」という。)が記載されていると認められる。
「ナタマメの種子,1回量5?10gを水300mlで1/3量に煎じ服用する病後の栄養料。」

3 対比
本件発明と刊行物1発明を対比する。
(1)「飲料」とは,株式会社岩波書店 広辞苑第六版によると,「いん‐りょう【飲料】‥レウ 飲むためのもの。」とあり,飲むためのもの一般を飲料というと理解される。
他方,刊行物1発明の「煎じ服用する病後の栄養料」は,水300mlで1/3量に煎じることで,100mlとなったものであり,その組成に多くの水を含んでいるものである。また,「服用」とは,株式会社岩波書店 広辞苑第六版によると「薬をのむこと。」とされている。
これらをまとめると,刊行物1発明「煎じ服用する病後の栄養料」は,水を組成として含む「栄養料」を飲むものであるから,「飲料」ということができる。

また,本件訂正明細書の段落【0006】に「また上記請求項1項の発明の健康茶はこれらをティーバッグの形態にしても良く,また煎じたり,浸出させ,或いは更にエキス粉末,顆粒等と,適宜の形態にして飲用することができる。」と記載されており,本件発明の「健康茶」は,煎じるものも包含しており,「飲用することができる」とあるから「飲料」ということができる。

よって,刊行物1発明の「煎じ服用する病後の栄養料」と,本件発明の「健康茶」とは,「飲料」という点で共通する。

イ 刊行物1発明の「ナタマメの種子」は,本件発明の「ナタマメの豆」に相当する。

そうすると,本件発明と刊行物1発明とは,次の(一致点)並びに(相違点1)及び(相違点2)を有する。
(一致点)
「ナタマメの豆を成分とする飲料。」

(相違点1)
飲料が,本件発明では「健康茶」であるのに対して,刊行物1発明では「病後の栄養料」である点。

(相違点2)
成分が,本件発明では「ナタマメの豆を1とし,ハトムギをほぼ0.25,クチナシをほぼ0.125,オオバコをほぼ0.5及びアカメガシワをほぼ0.1の重量割合で配合して,これらを粉砕し,炒って成る」ものであるのに対して,刊行物1発明では「ナタマメ種子」のみからなるもので,粉砕すること,炒ることについては不明な点。

4 検討・判断
(1)相違点1について
一般的に薬草を材料にして作るお茶は,薬用茶(刊行物13の摘記(刊13-2)),健康茶(刊行物2の摘記(刊2-1)),薬草茶(刊行物15の摘記(刊15-1)),野草茶(刊行物14の摘記(刊14-1))とも呼ばれており,本件出願前から周知のものである。
そして,その抽出方法は刊行物15の摘記(刊15-1)に「薬草茶として・・・お茶代わりに飲むことも多い。煎じるのと同じ要領でよい」とあるように,煎じるのと変わらない抽出方法で用いられることもある。
そうすると,薬草を煎じたものは,茶とも呼ばれているということができる。
また,本件訂正明細書の段落【0004】に「この発明はこのような点に鑑みてなされたものであり,少ない量でも確実にナタマメ本来の効果を生じ,さらに副作用を発生させず誰にでも安心して飲むことができるナタマメを主成分とした健康茶を提供して上記課題を解決しようとするものである。」と記載されているように,ナタマメ本来の効果を生じる健康茶を提供することを目的としている。
このナタマメ本来の効果について,本件訂正明細書の段落【0003】には,「病後の衰弱の回復に用いられている。」と記載されており,病後の衰弱の回復を狙ったものも本件発明の健康茶に包含されるということができる。
以上のことを総合すると,刊行物1発明の「病後の栄養料」は,前記本件訂正明細書の「病後の衰弱の回復に用いられ」るものと変わりはなく,本件訂正明細書でいう健康茶の概念に包含されるものといえるから,相違点1は,実質的に相違点ではない。

2 相違点2について
ア 茶の成分としての「ハトムギ」「クチナシ」「オオバコ」及び「アカメガシワ」について
ハトムギは,茶の成分として周知である(刊行物7,刊行物10,刊行物11,刊行物13及び刊行物15の摘記(刊7-4),(刊10-1),(刊11-2),(刊13-1)及び(刊15-2))。
クチナシは,茶の成分として周知である(刊行物5の摘記(刊5-1),刊行物7の摘記(刊7-3))。
オオバコは,茶の成分として周知である(刊行物7の摘記(刊7-2),刊行物8の摘記(刊8-3)及び刊行物15の(刊9-1))。
アカメガシワは,茶の成分として周知である(刊行物7の摘記(刊7-1))。

イ 「ナタマメの豆を1とし,ハトムギをほぼ0.25,クチナシをほぼ0.125,オオバコをほぼ0.5及びアカメガシワをほぼ0.1の重量割合で配合し」たことについて
健康茶は香,味,効能等を考慮して適宜の薬草をブレンドすることが周知のこととなっている。(刊行物9,刊行物11,刊行物12及び刊行物14の摘記(刊9-4),(刊11-2),(刊12-1)及び(刊14-1)) また,刊行物12の摘記(刊12-1)に,「合煎の可否
1 同じ効能を持つ数種類の薬草を一緒にして煎服することは時によって望ましいことである。その場合,個々の分量は種類数に反比例して減らすがよかろう。
2 同じ効果を持つ薬草を中心に,三十種余りを一緒に煎服していて,長い間いろいろな病気をかかえ込んでいた人がすっかり健康を回復し,自己の貴重な体験をとおして人助けに活躍している方がある(福岡県椎田町の平田真知子,上田治身両氏)。
“百草茶”の発想は個々の薬草の相乗効果と相殺効果をねらったものであろう。
3 漢方茶は古代中国で何千年の長い経験と研究の成果を大成したもので,ほとんどのものが多種類の生薬を混ぜて処方してある。すなわち生薬相互の相乗効果や相殺効果で薬効を最高に発揮させているのである。
一種類単独でやってみて効果がおもわしくない時など,同効のものを数種合煎して用いてみるとよい。」と記載されているように,同効のものを適宜合わせることは,健康茶において周知の技術的事項といえる。

他方,ナタマメの効能は,本件訂正明細書の段落【0012】に記載のように古くから知られたものである。補足するなら,本件出願前の頒布された下記の刊行物Aにも効能について記載されている周知の効能である。そこで,本件訂正明細書の段落【0012】を,下記A)?D)記すと共に,その下に,ナタマメの効能について記載された刊行物の記載事項を対応して並べて整理すると次のようになる。

(ナタマメ自体の効能について)
A)のどの腫れや痛み,声がれ,口内炎によく効く去痰鎮咳薬
刊行物1の摘記(刊1-1)に「咳に用いる。」「咽頭結核・・・を治す」と記載されている。

B)便秘,下痢,腹痛の解消
下記刊行物A(甲第15号証)の摘記(刊A-1)に「腸胃を利す」及び「腸胃の不和・・・を治す」と記載されている。また,摘記(刊A-1)には,「腹脹・・・治す。」と記載されており,腹脹とは,株式会社岩波書店 広辞苑第六版によれば,「はら‐ふくれ【腹膨れ・腹脹れ】 腹がふくれること。」を意味する。

C)病後の衰弱の回復
刊行物1の摘記(刊1-1)に「病後の栄養料」と記載されている。

D)ウミのたまる病気全般に用いられ,強力な排膿消炎作用があり,痔ろう,蓄膿症,歯槽膿漏,面疔,扁桃炎等にも効果
下記刊行物Aの摘記(刊A-1)に副鼻腔炎の別称である「蓄膿症」への作用が記載されている。

E)腎臓の機能を強化し,腎炎や腎臓病による機能低下によって起こる腰痛を改善
刊行物1の摘記(刊1-1)に「腎を補う」と記載されている。

そこで,「ハトムギ」「クチナシ」「オオバコ」及び「アカメガシワ」について,ナタマメと同効といえる効能があるか検討する。

(ア)ハトムギについて
ハトムギには,上記A)の効能について,下記刊行物B(甲第24号証)の摘記(刊B-1)に「咳嗽唾上気(咳をして涙やつばが出る)を主る。」と記載されている。
また,上記D)の効能について,下記刊行物C(甲第9号証)の摘記(刊C-1)に「消炎,排膿」と記載されている。
そうすると,刊行物1発明において,ナタマメと同効のハトムギを加えることは当業者が容易になし得たことといえる。

(イ)クチナシについて
クチナシには,上記D)の効能について,刊行物7の摘記(刊7-3)に「消炎」と記載されている。また,同じくD)の効能について,下記刊行物D(甲第26号証)の摘記(刊D-1)に「瘡瘍腫毒を治す。」と記載されている。
なお,上記B)の効能について,刊行物Hの摘記(刊H-2)に,便秘症の薬物にクチナシが成分として含まれている。
そうすると,刊行物1発明において,ナタマメと同効のクチナシを加えることは当業者が容易になし得たことといえる。

(ウ)オオバコについて
オオバコには,上記A)の効能について,下記刊行物E(甲第49号証)の摘記(刊E-1)に「鎮咳」と記載されている。また。上記B)の効能について,摘記(刊E-1)「胃腸病」と記載されている。
なお,上記B)の効能について,下記刊行物Fの摘記(刊F-1)に「便秘の治療に使用」と記載されている。
そうすると,刊行物1発明において,ナタマメと同効のクチナシを加えることは当業者が容易になし得たことといえる。

(エ)アカメガシワについて
アカメガシワには,上記D)の効能が,刊行物12の摘記(刊12-2)に「痔・はれ物」と記載されている。下記刊行物G(甲第28号証)の摘記(刊G-1)には「消炎鎮痛薬とし,・・・(略)・・・はれものなどに用いられる。」と記載されている。
そうすると,刊行物1発明において,ナタマメと同効のクチナシを加えることは当業者が容易になし得たことといえる。

そして,その配合割合について検討すると,刊行物1発明は,ナタマメの種子からなる病後の栄養料にかかる発明であるから,これに「ハトムギ」,「クチナシ」,「オオバコ」及び「アカメガシワ」を配合する場合,ナタマメの効能を重視することは当然のことであり,必然的にナタマメの量を他の植物より多くするものといえ,本件訂正明細書及び本願出願時の技術常識を参酌しても,本件発明のごとく「ナタマメの豆を1とし,ハトムギをほぼ0.25,クチナシをほぼ0.125,オオバコをほぼ0.5及びアカメガシワをほぼ0.1の重量割合で配合」することで,特段の効果が奏されるともいえないから,前記本件発明の配合割合は,味等を考慮して当業者が適宜決めたものに過ぎない。

刊行物A:上海科学技術出版社,株式会社小学館編,「中薬大辞典第三巻」,株式会社小学館,1990年6月20日発行,1911?1912頁,(甲第15号証)
(刊A-1)「トウズ(刀豆)・・・(略)・・・
[炮製(修治)] 砕けた殻や夾雑物を取り除き,洗って日干しし,使用時につき砕く。・・・(略)・・・
抗腫瘍作用がある。・・・(略)・・・吃逆(しゃっくり),嘔吐,腹腸,腎虚による腰痛,痰喘を治す。・・・(略)・・・脾を健やかにする。・・・(略)・・・腸胃を利す。・・・(略)・・・腎を補う。・・・(略)・・・腎気の虚損(衰弱,傷害),腸胃の不和・・・(略)・・・を治す。痢疾を療す。・・・(略)・・・
4 副鼻腔炎の治療 古い刀豆を弱火であぶ(焙)り,乾燥して粉末とし,酒で3銭服用する。」

刊行物B:上海科学技術出版社,株式会社小学館編,「中薬大辞典第四巻」,株式会社小学館発行,1990年6月20日発行,2626?2627頁,(甲第24号証)
(刊B-1)「5342 ヨクイニン・・・(略)・・・筋筋のひきつり,・・・(略)・・・3[薬性論]肺痿肺気(各種の肺病),吐膿血,咳嗽唾上気(咳をして涙やつばが出る)を主る。・・・(略)・・・気を温める・・・(略)・・・水腫や気管支喘息の治療・・・(略)・・・肺廱で咳,つばが出るもの,心胸に甲錯のあるものの治療・・・(略)・・・筋急拘痙攣・・・(略)・・・」(「5342 ヨクイニン」の項目)

刊行物C:特開平5-192116号公報,(甲第9号証)
(刊C-1)(甲9-4)「【0005】
【作用】・・・(略)・・・また,前記ヨクイニンは,稲科の一年草はとむぎの種皮を除いた種子からなり,わずかの甘味をもち,利尿,消炎,排膿,鎮痛作用を有する漢方用薬材であり,身体の湿を滲し,水を瀉す作用を有している寒(身体を冷やす性質)剤である。(種皮の付いたものをはとむぎと称す)・・・(略)・・・」

刊行物D:上海科学技術出版社,株式会社小学館編,「中薬大辞典第二巻」,株式会社小学館発行,1990年6月20日発行,1049?1051頁,1141?1142頁,(甲第26号証)
(刊D-1)「2163 シシ・・・(略)・・・[原植物]クチナシ・・・(略)・・・大小腸の大熱,・・・(略)・・・胃中の熱気を療す能。・・・(略)・・・結膜炎,腫痛を治す。・・・(略)・・・清熱し解毒する。・・・(略)・・・ソラマメ中毒症・・・(略)・・・細菌伝染性下痢,腎炎による水腫・・・(略)・・・瘡瘍腫毒を治す。」(「2163 シシ」の項目)

刊行物E:「世界の植物」,朝日新聞社,1980年2月15日発行,222?224頁,(甲第49号証)
(刊E-1)「中国では,牛馬車の通る道ばたに多いというので,車前草というが,リンネに劣らず上手な名前をつけたものである。この車前草の種子を漢方では,車前子といい,煎じて飲めば鎮咳,去痰,胃腸病,下痢止め,利尿,止血などに効くという。」(223頁右欄7?11行)

刊行物F:特表平4-506806号公報
(刊F-1)「また,便秘の治療に使用されるような増量剤,例えば,麩,オオバコおよびメチルセルロースは,胃腸管に投与するための本発明による組成物の粘度増強剤として,または他の粘度増強剤と組み合わせて使用することができる。」(4頁左上欄10?14行)

刊行物G:木村康一,木村孟淳共著,原色日本薬用植物図鑑,株式会社保育社,昭和56年7月1日発行,110?111頁,(甲第28号証)
(刊G-1)「1.アカメガシワ・・・(略)・・・消炎鎮痛薬とし,胃潰瘍,十二指腸潰瘍,胃酸過多,胆石症,はれものなどに用いられる。」(「アカメガシワ」の項目)

刊行物H:成田収,大沢政巳,正橋鉄夫,水谷栄彦著,”特集漢方治療薬の実際 便秘”,内科,株式会社南江堂,第56巻,第5号,1985年11月1日発行
(刊H-1)「便秘」タイトル

(刊H-2)Table 1. 便秘症の薬物
加味逍遙散及び防風通聖散に,山梔子,すなわち,クチナシが含まれていることが記載されている。



ウ 「配合して,これらを粉砕し,炒って成る」ことについて
相違点2に記載の本件発明の特定事項は,「配合して」の後に,「これらを粉砕し,炒って成る」とあり,「これらを」は,配合したものを意味すると解される。つまり,配合,粉砕,炒るの順番で作られたものであると解することができる。
ところで,一般的に煎じる場合,砕いて使用することは例示するまでもなく普通であるし,ナタマメを使用前に,砕いて使用することも本件出願前から技術常識となっている。例えば,刊行物17の摘記(刊17-1)に「トウズ(刀豆)・・・(略)・・・[炮製(修治)] 砕けた殻や夾雑物を取り除き,洗って日干しし,使用時につき砕く。」と記載されている。なお,「炮製」,「修治」は,漢方用語であって,生薬の使用前に行う加工調整を意味する。(刊行物18の摘記(刊18-1))
そして,煎じて抽出しようとするのに,砕かずに豆のまま使用することは,想定し難いし,前記したように使用前に砕くという処理が漢方薬において技術常識であることを参酌すれば,種子を煎じる刊行物1発明において,種子が砕かれていると理解するのが自然である。
他方,刊行物10の摘記(刊10-2)「できあがったものはそのまま使ってもよいが,使う前に少し炒ると味がさらによくなる。また使うときは一種類ずつでもよいが,何種類かを混合して使うとよい。」と記載されているように,薬草茶においても炒ることは,味を良くするために慣用されている適宜な付加可能な工程であるし,「粉砕し,炒る」順番の工程を有する薬草を用いた茶は,本件出願前から周知(例えば,刊行物3,刊行物4,刊行物6及び刊行物9の摘記(刊9-2))である。
そうすると,刊行物1発明において,味や香りを考慮して,粉砕し,炒る前記周知の技術事項を適用することに困難性はない。
また,「適宜の割合で配合して,これらを粉砕」することについて検討すると,そもそも粉砕の程度は当業者が好みにより適宜決め得るものであって,粉砕をしてから配合しても,同程度の粉砕物を得ることは出来るし,この工程を前後変えても特段「茶」として違いはないものということができる。

エ 相違点2についての小活
刊行物1発明において,同効の成分を組み合わせるという健康茶における常套手段を適用するに際し,ナタマメと同効であって,かつ,茶の周知の成分である「ハトムギ」,「クチナシ」,「オオバコ」及び「アカメガシワ」を,適宜選んで組み合わせることは当業者が容易になし得たことといえる。
また,刊行物1発明に前記成分を組み合わせる際,本件発明のごとく「ナタマメの豆を1とし,ハトムギをほぼ0.25,クチナシをほぼ0.125,オオバコをほぼ0.5及びアカメガシワをほぼ0.1の重量割合で配合」することで,特段の効果が奏されるともいえないから,前記本件発明の配合割合は,味等を考慮して当業者が適宜決めたものに過ぎない。
さらに,刊行物1発明に前記成分を組み合わせる際,粉砕と配合の順番を「適宜の割合で配合して,これらを粉砕」と適宜決め,健康茶において本件出願前から周知の粉砕した後に炒る工程により健康茶を製造することは,当業者が容易になし得たことといえる。
以上のことから,刊行物1に上記周知の技術的事項を適用し,相違点2に記載の本件発明のごとく構成することは,当業者が容易になし得たことといえる。

(3) 本件発明の効果について
ア 本件訂正明細書における効果に関する記載事項
本件訂正明細書の記載の整理すると次の効果が記載されている。
(ア) 副作用について
「少ない量でも確実にナタマメ本来の効果を生じ,さらに副作用を発生させず誰にでも安心して飲むことができる」(段落【0004】)
「単にナタマメのみを服用するのに比べ,この発明の健康茶を飲用すればナタマメの摂取量を少なくし,副作用を防止するとともに誰にでも,確実にナタマメの効果を効かせることができるものである。」(段落【0004】及び【0015】)

(イ) 手軽に飲用でき,長期保存できることについて
「しかも茶葉の形態にしているた手軽に飲用でき,長期にわたって保存できる。」(段落【0015】)

(ウ) 効能について
(ウ-1) ナタマメ自体の作用について
「ナタマメ自身は本来の効果を発揮するが,ハトムギ,クチナシ,オオバコ及びアカメガシワの各植物を混ぜているため,薬効との相乗作用で薬効の増強を計っている。」(段落【0007】)
「ハトムギ,クチナシ,オオバコ及びアカメガシワの各植物を混ぜているため,これらの植物による夫々の薬効作用があるとともに,これらの複数の種類の植物とナタマメとの相乗作用でナタマメの薬効の作用点を変え,広範囲な症状にも対応でき,確実に効果がでる。」(段落【0015】)
(ウ-2) ハトムギとの相乗作用について
「ナタマメ自身は上記従来通りの効果を発揮するが,ハトムギを混ぜているため,この植物の鎮痛,鎮痙,鎮咳,去痰,消炎,排膿等の作用と相俟ってナタマメの効果を強化するとともに血液の循環を盛んにし,皮膚の発赤等を抑える。」(段落【0011】)
(ウ-3) クチナシとの相乗作用について
「クチナシを混ぜているため,この植物の作用により解毒や消炎作用がある。さらに薬物の作用を強く現わすためには,飲用者の便を軟便にすると効果が上がるが,このクチナシを入れることにより,飲用者の便を軟便にしてナタマメ本来の作用を強化する。」(段落【0012】)
(ウ-4) オオバコとの相乗作用について
「また,オオバコを混ぜているため,この植物の作用による消化不良,下痢,赤痢,便秘等への効き目が加わりさらにこれらの植物の作用により,飲用者の便を軟便にしてナタマメ本来の作用を強化する。」(段落【0013】)
(ウ-5) アカメガシワとの相乗作用について
「アカメガシワを混ぜているため,痔,るいれき,腫物,湿疹等への消炎効果が加わる。」(段落【0014】)

イ 本件発明の効果についての検討
(ア)「副作用」についての効果の検討
ナタマメの豆が有毒であることは,例えば下記刊行物I?Kに記載されているように,本件出願前から周知の事項である。
そして,刊行物1発明に,上記周知の茶の成分である「ハトムギ」,「クチナシ」「オオバコ」及び「アカメガシワ」を配合すれば,刊行物1発明の「ナタマメ」単独のものに比べて,必然的にナタマメの含有割合が低下することは自明なことである。結果として,毒性作用が減ることは明白であって,かかる効果は,刊行物1及び上記周知の事項から当業者が予測し得るものといえる。

刊行物I:JamesA.Duke著 星合和夫訳「世界有用マメ科植物ハンドブック」,財団法人雑豆輸入基金協会,昭和61年6月15日発行,58?59頁,(甲第5号証)
(刊I-1)「21.Canavaliagladiata(Jacq.)DC.
亜科名:Fabaceae
和名:[ナタマメ属]ナタマメ(刀豆または鉈豆),タテハキ(帯刀)
・・・(中略)・・・
少量を試験的に食べて見て,下痢や頭痛のような有害作用がないならば,次回から大量に食べてもよいであろう。アジアでは,本種は一度水中に浸漬して,炭酸水素ナトリウムを加えて柔らかくなるまで煮沸し,水洗いして,新しい水で煮沸し,カレーの中に用いるために,あるいはマッシュポテトのようにして用いるためにつぶされる。煎り豆はコーヒーの代用品になる。・・・(略)・・・この子実は0.0097%のシアン化水素を含み,有毒サポニンを含むと言われている。」(58頁右欄1行?59頁左欄23行)

刊行物J:星川清親著,「新編 食用作物」,昭和55年4月25日,株式会社養賢堂,546?549頁,(甲第4号証)
(刊J-1)「6.ナタマメ
学名:Canavaliagladiata(Jacq.)DC.
和名:ナタマメ
漢名:刀豆
・・・(中略)・・・完熟種子はサポニンを含み有毒であるが,塩水や水を何回も換えて煮れば除毒できる。キントン原料や煮豆とし,肉と煮れば美味である。炒って粉にしてコーヒー代用とすることもある。」(546頁下から4行?548頁19行)

刊行物K:奥田拓男編,天然薬物事典,株式会社廣川書店,昭和61年4月15日発行,85頁,306頁,(甲第16号証)
(刊K-1)「カナバニン・・・(略)・・・ナタマメから初めて単離された・・・(略)・・・植物やウイルスに対して発育阻害剤として,またほ乳類に対しては毒物として働く。(→ナタマメ)」(「カナバニン」の項目)
(イ)「手軽に飲用でき,長期保存できる」という効果についての検討
健康茶は,手軽に飲用でき,乾燥状態にあるから長期保存ができることは,例示するまでもなく本件出願前から周知の事項である。
そうすると,かかる効果は,刊行物1及び上記周知の事項から当業者が予測し得るものといえる。
(ウ)「効能」について
本件発明は,健康茶に係る発明であり,「健康茶」とは,刊行物10の摘記(刊10-1)に「普通,薬草茶は健康保持,美容,体質改善などを目的に漠然と使われるもので,普通のお茶のように飲みたいときに何杯でも飲むものであるため,あまり苦味や臭味がなく,できればよい香りのするものを材料とする。しかし,病気を治すことを目的とするときはそれにあった原料を用いる。」と記載されているように,病人だけでなく,健常者が健康保持,美容等の目的で使用するものである。したがって,特定の病気に対する効能は,その病気の患者に適用された場合に奏される効能であって,本件発明の一つの使用態様における効能ということができ,本件発明の特定事項から直接対応する効果とはいえない。
仮に,かかる効能が本件発明と対応するとする場合について検討する。

A 「ナタマメ自体の効能」についての検討
上記「第7 4(2)イ (ナタマメ自体の効能について)」に記した用に,本願出願前から知られていた効能である。

B 「ハトムギ,クチナシ,オオバコ及びアカメガシワとの相乗作用」についての検討
上記「第7 4(2)イ(ア)ハトムギについて」?「第7 4(2)イ?(エ)アカメガシワについて」に記したように,ハトムギ,クチナシ,オオバコ及びアカメガシワの効能は周知であり,本件訂正明細書記載の効果も,概ね,前記本件出願前から知られた,ナタマメ,ハトムギ,クチナシ,オオバコ及びアカメガシワの効能を組み合わせた程度のものであり,予測し得るものといえる。

また,本件訂正明細書の段落【0015】において,「ハトムギ,クチナシ,オオバコ及びアカメガシワの各植物を混ぜているため,これらの植物による夫々の薬効作用があるとともに,これらの複数の種類の植物とナタマメとの相乗作用でナタマメの薬効の作用点を変え,広範囲な症状にも対応でき,確実に効果がでる。」と相乗作用について記載されている。しかしながら,通例,健康茶において多数の植物を混合する理由として,刊行物9の摘記(刊9-4)に「なるべく多種類のものをいっしょにとることが望ましいのです。別々に一種類ずつとるよりも,それぞれの相乗作用によって,血液浄化などの効力がいっそう増強しますし,人によっていろいろな体質がありますから,一種類だけでは体によって効かない場合もありますが,多種類であれば,そのうち何種かが,どんな体にもまちがいなく効いてくれます。」とあるように,健康茶の分野では,一種類だけでは効かないこともあることは広く知られていることである。
そして,上記「第7 4(2)イ」で言及したように,刊行物1発明において,同効の成分を組み合わせるという健康茶における常套手段を適用するに際し,ナタマメと同効であって,かつ,茶の周知の成分である「ハトムギ」,「クチナシ」,「オオバコ」及び「アカメガシワ」を選んで本件発明の相違点2のごとく構成すれば,ナタマメ一種だけでは不十分であるとしても,同効の「ハトムギ,クチナシ,オオバコ及びアカメガシワ」の効能も期待できることとなる。また,それに加えて「ハトムギ,クチナシ,オオバコ及びアカメガシワ」独自の効能も加わることとなる。
よって,刊行物1及び上記周知の技術的事項から,作用点を変え,広範囲な症状にも対応できるものとなることは予測し得るものといえる。

なお,被請求人は,平成23年10月6日付け意見書7?10頁において,乙第7号証の1?6により,「刀豆パワー」なる商品を購入した消費者の声を提示する。しかしながら,消費者の声どおりの効果があるとしても,上記したように,ナタマメ,ハトムギ,クチナシ,オオバコ及びアカメガシワそれぞれの効能から予測できる程度のものである。

(4)当審の無効理由についての判断のむすび
したがって,本件発明は,刊行物1及び上記周知の技術的事項に基づいて,当業者が容易に発明できたものであるから特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである。

第8 請求人の無効理由についての判断
1 甲第1号証記載の発明
甲第1号証の摘記(甲1-1)からみて,「刀豆丸」は,「癲狂」の治療薬として記載されている。
そうすると,甲第1号証には次の発明(以下,「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「刀豆,使君子,甘草を各等分含有する癲狂治療薬である刀豆丸。」

2 対比
本件発明と甲1発明を対比する。
甲1発明の「刀豆」は,本件発明の「ナタマメ」に相当する。
甲1発明は「刀豆,使君子,甘草を各等分含有」するものであり,刀豆は主成分とまではいえない。そして,どのような処理をして配合するのかについては甲1発明に特定されていない。したがって,甲1発明の「刀豆,使君子,甘草を各等分含有」することと,本件発明の「ナタマメの豆を1とし,ハトムギをほぼ0.25,クチナシをほぼ0.125,オオバコをほぼ0.5及びアカメガシワをほぼ0.1の重量割合で配合して,これらを粉砕し,炒って成る」こととは,「ナタマメと他の植物を配合して,ナタマメを成分として有する」点で共通する。
甲1発明の「癲狂治療薬である刀豆丸」と,本件発明の「健康茶」とは,効能物という点で共通する。

そうすると,両発明は,次の(一致点)及び(相違点1)?(相違点2)を有する。
(一致点)
「ナタマメと他の植物を配合して,ナタマメを成分として有する効能物」

(相違点1)
効能物が,本件発明では「健康茶」であるのに対して,甲1発明では「癲狂治療薬である刀豆丸」である点。
(相違点2)
配合される他の植物及び配合割合が,本件発明では「ナタマメの豆を1とし,ハトムギをほぼ0.25,クチナシをほぼ0.125,オオバコをほぼ0.5及びアカメガシワをほぼ0.1の重量割合で配合して,これらを粉砕し,炒って成る」ものであるのに対して,甲1発明では,「刀豆,使君子,甘草を各等分」配合したものであり,
本件発明では,「配合して,これらを粉砕し,炒ってなる」に対して,甲1発明では,それが不明な点。

3 判断
(1) 相違点1について
ア 薬理について
甲1発明は,「癲狂治療薬である刀豆丸」である。「癲狂」とは,[株式会社岩波書店広辞苑第六版]によると「てん‐きょう【癲狂】‥キヤウ 狂気。ものぐるい。 癲癇てんかんと狂気。」と語彙が示されており,甲1発明は,てんかんや狂気の治療薬であると理解される。
これに対して,本件発明は,「健康茶」,すなわち,健常者が健康を促進するために飲むものである。したがって,「癲狂治療薬」に係る甲1発明を健康茶として適用することはあり得ず,他の証拠方法記載の技術的事項を適用したとしても,本件発明を当業者が容易に発明できたとはいえない。

イ 剤形について
摘記(甲1-4)によれば,「丸」は丸剤を意味するから,甲1発明は丸剤である。丸剤は,通例,そのまま飲み込む剤形を意味する。したがって,通例,丸剤を煎じる,すなわち,茶のように服用することはない。
また,摘記(甲1-3)によれば,「そのほか,方剤に”散”または”丸”とあっても,煎剤として用いる場合がある。」との記載もあるが,「煎剤として用いる場合がある」,すなわち,特殊な用法として煎剤として用いることが示されているのであって,甲1発明がこの特殊な用法に当たり,煎剤として用いることができるとまでいうことはできない。
さらに,摘記(甲1-4)によれば,「大丸子では4?5gに至るものもある。このような大丸子は,沸湯に崩壊して飲用することになる。」との記載があるが,甲1発明が大丸子であるとはいえないし,仮に,大丸子であったとしても,沸湯に崩壊して大丸子を飲むものであり,健康茶のように水溶性成分を抽出して,その抽出物を飲むものではない。
よって,剤形が丸剤である甲1発明を,その剤形を変更して,煎剤,すなわち,健康茶のようにする動機がなく,甲1発明を,相違点1に記載の本件発明のごとくすることは,当業者が容易になし得たとはいえない。

(2)相違点2について
ハトムギ,クチナシ,オオバコ及びアカメガシワには,それぞれ上記「第7 4(2)イ(ア)ハトムギについて」?「第7 4(2)イ(エ)アカメガシワについて」に記したように,その効能は本件出願前から知られているものの,甲各号証を精査しても癲狂に対する効能は,本件出願時に知られていない。
甲1発明は「癲狂治療薬」であり,甲1発明に含まれる「甘草」や「使君子」は,癲狂治療薬としての効能のために加えられたものであり,癲狂治療薬としての成分である「甘草」や「使君子」に代えて,癲狂治療薬としての効能が知られていないハトムギ,クチナシ,オオバコ及びアカメガシワに置換する動機といえるものがない。
したがって,甲1発明において,ハトムギ,クチナシ,オオバコ及びアカメガシワを適用して,相違点2に記載の本件発明のごとく構成することは,当業者といえども困難である。

4 請求人の無効理由についてのむすび
請求人の主張する理由及び証拠方法によっては,本件発明に係る特許を,無効とすることはできない。

第9 むすび
上記「第7 当審の無効理由についての判断」に記すとおり,本件発明についての本件特許は,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,特許法第123条第1項第2号に該当し,無効とすべきものである。
審判に関する費用については,特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により,被請求人の負担とすべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ナタマメを主成分とする健康茶
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】ナタマメの豆を1とし、ハトムギをほぼ0.25、クチナシをほぼ0.125、オオバコをほぼ0.5及びアカメガシワをほぼ0.1の重量割合で配合して、これらを粉砕し、炒って成ることを特徴とする、ナタマメを主成分とする健康茶。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はナタマメを主成分とする健康茶に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、よく乾燥させたナタマメの豆を一日量として、4?15グラム(豆に換算して3?10粒程度)をよく炒って粉末にし、少しずつ湯に溶かしたり、あるいは豆が入ったさや、又はさやだけを用い、4?15グラムを煎じて服用すれば、しゃっくり、のどの腫れや痛み、声がれ、口内炎によく効くので去痰鎮咳薬として用いられている。また便秘、下痢、腹痛の解消にも効果があり、病後の衰弱の回復に用いられている。さらにナタマメはウミのたまる病気全般に用いられ、強力な排膿消炎作用があり、痔ろう、蓄膿症、歯槽膿漏、面疔、扁桃炎等にも効果を発揮する。これらの痔ろう等では煎じ液をふろの中に入れ、浴剤として用いることもできる。またナタマメのつるや茎を採取して乾燥させたものは、湿疹等の皮膚病の改善に有効であり、これもまた煎じ液をふろの中に入れ、浴剤として用いる。さらにナタマメを煎じて服用するか、少し炒ってから粉末にして服用すれば、腎臓の機能を強化し、腎炎や腎臓病による機能低下によって起こる腰痛を改善する作用もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらナタマメを一粒乃至三粒使用した場合は効き目は少ないが、十粒以上使用した場合、ナタマメ本来の効果は強くなるが、むくみとか、かゆみとか、皮膚の発赤を起こすことがある。人によってはアレルギーによるじんま疹が生じることもある。従ってナタマメの量を多くすることは、人によっては副作用が出て必ずしも効果的とは言えない。またその量によってはナタマメ本来の効果が生じない人もいる。この様にナタマメは種々の症状を治癒するのに効果があるが、強すぎたり、副作用があったり、効果が仲々生じない等の欠点がある。
【0004】
この発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、少ない量でも確実にナタマメ本来の効果を生じ、さらに副作用を発生させず誰にでも安心して飲むことができるナタマメを主成分とした健康茶を提供して上記課題を解決しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1項の発明では、ナタマメの豆を1とし、ハトムギをほぼ0.25、クチナシをほぼ0.125、オオバコをほぼ0.5及びアカメガシワをほぼ0.1の重量割合で配合して、これらを粉砕し、炒って成るナタマメを主成分とする健康茶とした。
【0006】
また上記請求項1項の発明の健康茶はこれらをティーバックの形態にしても良く、また煎じたり、浸出させ、或いは更にエキス粉末、顆粒等と、適宜の形態にして飲用することができる。
【0007】
【作用】
請求項1の発明では、ナタマメ自身は本来の効果を発揮するが、ハトムギ、クチナシ、オオバコ及びアカメガシワの各植物を混ぜているため、これらの植物による夫々の薬効作用があるが、これらの植物とナタマメの薬効との相乗作用で薬効の増強を計っている。
【0008】
【実施例】
以下この発明の実施例について説明する。ナタマメの豆を1とし、ハトムギを約0.25、クチナシを約0.125、オオバコを約0.5、アカメガシワを約0.1の割合で混ぜ、これらを小さく粉砕し、よく炒る。そしてこれらの約3g分を1パックとして袋に詰め、お茶のパックとする。この1パックにはナタマメが約1.5g含有され、これはナタマメの豆約1乃至2粒に相当する。
【0009】
このお茶のパックをカップに入れて湯を注ぎ、お茶として服用する。この1パックは約一日分で、これを一日に2回乃至3回服用する。これにより3日位で効果がでてくる。
【0010】
また上記実施例では、ナタマメと上記植物を配合して、これらを粉砕し、炒ったものをティーバック形態にしたが、これに限らず、同様にして作ったものを煎じたり、浸出させ、或いは更にエキス粉末、顆粒等としたものを用いても同様の効果を生ずる。
【0011】
【発明の効果】
請求項1項の発明では、ナタマメ自身は上記従来通りの効果を発揮するが、ハトムギを混ぜているため、この植物の鎮痛、鎮痙、鎮咳、去痰、消炎、排膿等の作用と相俟ってナタマメの効果を強化するとともに血液の循環を盛んにし、皮膚の発赤等を抑える。
【0012】
また、クチナシを混ぜているため、この植物の作用により解毒や消炎作用がある。さらに薬物の作用を強く現わすためには、飲用者の便を軟便にすると効果が上がるが、このクチナシを入れることにより、飲用者の便を軟便にしてナタマメ本来の作用を強化する。
【0013】
また、オオバコを混ぜているため、この植物の作用による消化不良、下痢、赤痢、便秘等への効き目が加わり、さらにこれらの植物の作用により、飲用者の便を軟便にしてナタマメ本来の作用を強化する。
【0014】
また、アカメガシワを混ぜているため、痔、るいれき、腫物、湿疹等への消炎効果が加わる。
【0015】
また、ハトムギ、クチナシ、オオバコ及びアカメガシワの各植物を混ぜているため、これらの植物による夫々の薬効作用があるとともに、これらの複数の種類の植物とナタマメとの相乗作用でナタマメの薬効の作用点を変え、広範囲な症状にも対応でき、確実に効果がでる。従って単にナタマメのみを服用するのに比べ、この発明の健康茶を飲用すればナタマメの摂取量を少なくし、副作用を防止するとともに誰にでも、確実にナタマメの効果を効かせることができるものである。しかも茶葉の形態にしているため、手軽に飲用でき、長期にわたって保存できる。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2011-11-01 
結審通知日 2011-11-09 
審決日 2011-11-24 
出願番号 特願平6-16926
審決分類 P 1 113・ 121- ZA (A23L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 村上 騎見高深草 亜子  
特許庁審判長 郡山 順
特許庁審判官 秋月 美紀子
杉江 渉
登録日 1996-06-27 
登録番号 特許第2535311号(P2535311)
発明の名称 ナタマメを主成分とする健康茶  
代理人 高橋 友和  
代理人 藤沢 則昭  
代理人 高橋 剛  
代理人 高橋 友和  
代理人 藤沢 昭太郎  
代理人 高橋 雅和  
代理人 高橋 剛  
代理人 藤沢 則昭  
代理人 高橋 雅和  
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