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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01G
管理番号 1257075
審判番号 不服2010-20580  
総通号数 151 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-09-13 
確定日 2012-05-14 
事件の表示 特願2000-218845「電解コンデンサ」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 2月 8日出願公開、特開2002- 43181〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成12年7月19日の出願であって、平成21年11月19日付けの拒絶理由通知に対して、平成22年2月1日に意見書及び手続補正書が提出されたが、同年6月10日付けで拒絶査定がされ、それに対して、平成22年9月13日に拒絶査定に対する審判請求がされたものである。


2.本願発明
本願の請求項1?4に係る発明は、平成22年2月1日に提出された手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1?4に記載されている事項により特定されるとおりのものであり、そのうちの請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、請求項1に記載された以下のとおりのものである。
「【請求項1】 陽極箔と陰極箔との間に電解紙を介在させてなる電解コンデンサにおいて、
前記電解紙として、無塩素法による漂白と、漂白後の洗浄によって腐食性イオンとしての硫酸イオンを3ppm以下に低減させたTCFクラフトパルプを少なくとも10重量%以上配合した原料を用いて抄紙した電解紙を使用することを特徴とする電解コンデンサ。」


3.引用刊行物に記載された発明
(1)本願の出願前に日本国内において頒布され、原査定の根拠となった拒絶の理由において引用された刊行物である特開平11-283873号公報(以下「引用例」という。)には、図1、図3及び図11とともに以下の記載がある(なお、下線は当合議体にて付加したものである。以下同じ。)。

a.「【0002】
【従来の技術】従来から、アルミ電解コンデンサ用セパレータ紙の中のCl^(-)やSO_(4)^(-)はアルミ電極を腐食させ、コンデンサの寿命を低下させるため、特に厳重に管理されており、セパレータを構成する原料であるクラフトパルプや、マニラ麻は未晒し品、又は漂白しても一般に行われている次亜塩素を用いず、過酸化水素を用いており、Cl^(-)やSO_(4)^(-)等のアニオン型不純物は制限されている。」

b.「【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、Na,K,Ca,Mg等のカチオン型不純物について特に検討されたことがなく、ESRに影響があるとは考えられてはいなかった。
【0004】発明者らは、アルミ電解コンデンサ用セパレータ紙の原料中のカチオン型不純物について着目し、以下に述べるカチオン型不純物の除去方法によってカチオン型不純物の異なるセパレータを作成し、ESRを実測して両者の相関を調べ、セパレータ中のカチオン型不純物を一定水準以下にすることによって、極めて低いESRのセパレータを得ることができることの知見を得た。
【0005】なお、コンデンサはその性能上、電圧に対する電流の応答性が良いことが必要とされており、電解液中のイオン伝達がセパレータを構成する繊維によって妨害されるため、応答に時間的ズレを生ずる。これをESR(等価直列抵抗)としてコンデンサの性能の目安としている。
【0006】又、電子機器のS/N比を向上させ、消費電力を低減させるには、アルミ電解コンデンサのESRを低下することが重要であり、このため、従来はセパレータの低密度化によって対応してきた。しかし、低密度化はセパレータが必要としている強度や遮蔽性と相反するため、限界があった。
【0007】この発明は、カチオン型の不純物がコントロールされていることによって、優れた低ESRアルミ電解コンデンサ用セパレータ紙を提供することを目的としている。」

c.「(実施例)
○実施例1
(原料の精製)マニラ麻繊維をパルパーで2%濃度にスラリー化し、原料に対し重量比2%のエチレンジアミン4酢酸を加えて20分攪拌した後、原料を脱水し、純粋で洗浄した。
【0035】(原料の叩解)ビータでCSF=700mlに叩解した。
(抄紙)円網抄紙機2台を用いて、2層の湿紙を形成し、ヤンキードライヤーで乾燥して目標坪量25g/m^(2 )の湿紙を得た。
【0036】○実施例2
原料の精製において実施例1のエチレンジアミン4酢酸に代えて、硝酸を重量比1%を使用した。原料繊維の種類や、叩解、抄紙は実施例1と同様とした。
【0037】○実施例3
原料の精製において実施例1のエチレンジアミン4酢酸に代えて、マレイン酸を重量比2%を使用した。原料繊維の種類や、叩解、抄紙は実施例1と同様とした。
【0038】○実施例4
原料の精製において実施例1のエチレンジアミン4酢酸に代えて、マレイン酸を重量比1%を使用した。原料繊維の種類や、叩解、抄紙は実施例1と同様とした。
【0039】○比較例1
原料の精製は行なわず、洗浄のみを行い、原料繊維の種類や、叩解、抄紙は実施例1?4と同様とした。
【0040】○実施例5
実施例4の原料精製を行なった後の原料をDDRにてCSF=400mlに叩解し、2台の円網抄紙機のコンビネーションで抄紙し、ヤンキードライヤーで乾燥し、カレンダーにて紙厚を圧縮して段階的に高密度化してセパレータ紙を得た。
【0041】○実施例6
実施例4の原料精製を行なった後の原料をリファイナーにてCSF=500mlに叩解し、2台の円網抄紙機のコンビネーションで抄紙し、ヤンキードライヤーで乾燥し、カレンダーにて紙厚を圧縮して段階的に高密度化してセパレータ紙を得た。
【0042】○実施例7
実施例4の原料精製を行なった後の原料をビータにてCSF=600mlに叩解し、傾斜ワイヤーと円網抄紙機のコンビネーションで抄紙し、多筒式ドラムドライヤーで乾燥し、カレンダーにて紙厚を調整してセパレータ紙を得た。
【0043】○実施例8
実施例4の原料精製を行なった後の原料をビータにてCSF=700mlに叩解し、傾斜ワイヤーと円網抄紙機のコンビネーションで抄紙し、多筒式ドラムドライヤーで乾燥し、カレンダーにて紙厚を調整してセパレータ紙を得た。
【0044】○比較例2
比較例1の原料で、傾斜ワイヤーを用い、密度0.3g/cm^(3 )以下のシートを得た。
【0045】
【表1】

上記実施例1乃至実施例3において、同程度の密度、坪量、厚みで比較例1よりも低ESRとなっており、このことから、強度、遮蔽性等を向上することができる。又、特に実施例4においては、原料精製によって得られたセパレータ紙のESRは、従来の物(比較例1)に比較し、同一程度の密度で約半分となっている。このことから、実施例4では、従来以上の密度でも使用できることとなり、この場合、強度、遮蔽性等を向上することができる。
【0046】図1には、上記表1中の実施例1乃至実施例4、及び比較例1に含有しているカチオンと、ESRの特性図を示している。同図において、左側のスケールはNaのためのスケールであり、右側のスケールは残りの他のカチオンのためのスケールである。
【0047】
【表2】

表2中、実施例5乃至実施例8はいずれも細孔径分布及び引張り強度において比較例2に比較して良好な評価が得られた。又、ESRにおいても比較例2に比較して、各実施例は、密度がいずれも比較例よりも高いにもかかわらず、実施例5乃至実施例8は低ESRのものが得られた。従って、実施例のものは強度及び遮蔽性が向上したものとなっている。
【0048】さらに、実施例5乃至実施例8では、上記表2の数値よりも高密度にした場合においても、低ESRの物が得られることが理解でき、この場合、強度及び遮蔽性を上げることができる。
【0049】・ 上記表中の評価において、セパレータ紙のESR(単位はΩ/μm)が、ESR≧7×10^(-3)が△、5 ×10^(-3)≦ESR<7 ×10^(-3)が○、ESR<5 ×10^(-3)が◎とした。
【0050】・ 表1のアニオン含有量(単位はppm )はCl^(- )、SO_(4 )^(- )ともに、2未満を◎、2?5を△、5以上を×とした。
・ 表中のアニオン総量は、2ppm未満が◎、2?4ppmが○、4?10ppmが△、10ppmが×とした。
【0051】・ 細孔径分布はその平均径(単位はμm)が50以上が×、30?50が△、8?30が○、8未満が◎とした。
・ 引張強度(単位はkg/15mm)が1未満が×、1?1.5が△、1.5?3が○、3以上が◎とした。」

(2)以上によれば、引用例には、従来の技術として、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「過酸化水素を用いて漂白してCl^(-)やSO_(4)^(-)等のアニオン型不純物を制限したクラフトパルプにより構成したセパレータを有するアルミ電解コンデンサ。」


4.本願発明と引用発明との対比
(1)引用発明の「セパレータ」、「SO_(4)^(-)」及び「アルミ電解コンデンサ」は、各々、本願発明の「電解紙」、「硫酸イオン」及び「電解コンデンサ」に相当する。また、引用例の0002段落の「アルミ電解コンデンサ用セパレータ紙の中のCl^(-)やSO_(4)^(-)はアルミ電極を腐食させ」という記載によれば、引用発明の「SO_(4)^(-)」が本願発明の「腐食性イオン」に相当するものであることは明らかである。

(2)引用発明の「過酸化水素を用いて漂白」という構成は、本願発明の「無塩素法による漂白」という構成に相当する。

(3)引用発明の「Cl^(-)やSO_(4)^(-)等のアニオン型不純物を制限」という構成は、本願発明の「硫酸イオンを低減させた」という構成と、「硫酸イオン」が少ないという点において共通するものである。

(4)以上によれば、本願発明と引用発明とは、
「電解紙として、無塩素法による漂白を行った、腐食性イオンとしての硫酸イオンの少ないクラフトパルプを用いたことを特徴とする電解コンデンサ。」
である点で一致し、以下の4点で相違する。

(相違点1)本願発明は、「陽極箔と陰極箔との間に電解紙を介在させてなる電解コンデンサ」であるのに対して、引用発明においては、そのような特定をしていない点。

(相違点2)本願発明においては、「無塩素法による漂白と、漂白後の洗浄によって」「硫酸イオンを3ppm以下に低減させ」ているのに対し、引用発明においては、そのような特定をしていない点。

(相違点3)本願発明においては、クラフトパルプが「TCFクラフトパルプ」であるのに対して、引用発明においては、そのような特定をしていない点。

(相違点4)本願発明はクラフトパルプを10重量%以上配合した原料を用いて抄紙した電解紙を用いているのに対して、引用発明においては、そのような特定をしていない点。


5.相違点についての当審の判断
(1)相違点1について
通常、電解コンデンサにおける電解紙は、陽極箔と陰極箔との間に介在されるものである。したがって、相違点1は実質的なものではない。

(2)相違点2について
(2-1)クラフトパルプを漂白するに際し、漂白後の水等による洗浄は当然に行われるものである。そして、クラフトパルプ中の硫酸イオンが、水による洗浄により除去されることは、例えば、本願の出願前に日本国内において頒布された下記の周知例1等に記載されているように、当業者において周知であるし、硫酸イオンが水溶性であるという技術常識からみても明らかである。
したがって、漂白後の洗浄は当然に行われるものであり、当該洗浄によって硫酸イオンは当然に低減させられるものである。

a.周知例1:特開平9-3792号公報
上記周知例1には、以下の記載がある。
「【0014】本発明に係るステンレス鋼帯用中性合紙は、針葉樹及び/或いは広葉樹木材からのクラフトパルプを原料として用い、公知の湿式抄紙機により抄紙されたクラフト紙に前記滑剤を含有させて得られる。本発明に用いられるクラフト紙は、精選工程及び抄紙工程においてスリットスクリーン、セントリークリーナー等の除塵装置を用いて結束繊維、樹脂(ピッチ)、砂等の夾雑物や異物を十分除去し、更に水洗浄を十分に施したクラフトパルプを原料として抄紙され、塩素イオンと硫酸イオンの含有量が少ない中性の紙である。」

(2-2)また、引用例の0002段落に、「アルミ電解コンデンサ用セパレータ紙の中のCl^(-)やSO_(4)^(-)はアルミ電極を腐食させ、コンデンサの寿命を低下させる」と記載されるように、電解コンデンサに用いられる電解紙中の硫酸イオンの含有量は可及的に小さく制御されるべきである。
さらに、引用例の0050段落の「表1のアニオン含有量(単位はppm )はCl^(- )、SO_(4 )^(- )ともに、2未満を◎、2?5を△、5以上を×とした。」という記載や、表1や表2に記載されたマニラ麻を用いた実施例によれば、電解コンデンサの電解紙において、硫酸イオンの含有量を2ppm未満程度の値とすることが好ましく、かつ、この程度の硫酸イオンの含有量を実現することが、本願出願前の技術水準において十分に可能であったことは明らかである。

(2-3)そして、本願の明細書(特に、実施例の記載)においては、硫酸イオン等の腐食性イオンの除去に関して「イオン交換水で洗浄及び除塵処理を行い、不純物を除去した」(0025段落、0026段落、0033段落、0034段落及び0041段落)と記載されているのみであり、具体的な漂白方法等が一切明らかにされていないことからみても、「硫酸イオンを3ppm以下に低減させ」ることが、特殊な方法を用いずとも十分に実現可能であることは明らかである。

(2-4)したがって、引用発明において、「無塩素法による漂白と、漂白後の洗浄によって」「硫酸イオンを3ppm以下に低減させ」ることは、当業者が容易になし得たことである。

(3)相違点3について
一般に、無塩素漂白の方法としては、仕上げに二酸化塩素等を使用するECFと、塩素の入った漂白剤を一切使用しないTCFに大別されることは、当業者によく知られた事項であるが、引用発明は、Cl^(-)、すなわち塩素イオンの含有量を低減させるものであるのだから、漂白方法としては、より塩素の混入が少なくなる方法が選択されるべきである。そして、TCFは塩素を含有する物質を一切用いないものであり、より塩素の混入が少なくなると解されるから、引用発明において、漂白方法としてTCFを採用する、すなわち、引用発明における「クラフトパルプ」として「TCFクラフトパルプ」を採用することは、当業者が容易になし得たことである。

(4)相違点4について
(4-1)引用発明においては、クラフトパルプと混合する原料について特定がないことから、クラフトパルプのみ、すなわち原料の100%がクラフトパルプであると解される。よって、相違点4は実質的なものではない。

(4-2)以下、仮に相違点4が実質的なものであったとして、検討する。
(4-2-1)一般に、クラフトパルプを10重量%以上配合した原料を抄紙して電解コンデンサの電解紙を形成することは、例えば、本願の出願前に日本国内において頒布された下記の周知例2及び3にも記載されているように、当業者における周知技術であることを考慮すれば、引用発明におけるクラフトパルプを他の原料に配合して用いるようにすることは、当業者が容易になし得たことである。

a.周知例2:特開平3-222314号公報
上記周知例2には、以下の記載がある。
「(1)陽極箔と陰極箔との間に電解紙を介在して成る電解コンデンサにおいて、前記電解紙は原料として少なくとも20重量%以上のユーカリパルプを使用して抄造されていることを特徴とする電解コンデンサ。
・・・・(中略)・・・・
(4)前記電解紙は20重量%以上のユーカリパルプと、80重量%以下の針葉樹クラフトパルプとを配合して成る請求項1記載の電解コンデンサ。」(特許請求の範囲)
また、第4ページ右下欄の表2には、実施例5として、ユーカリ60%、針葉樹クラフトパルプ(NUKP)を40%使用した電解紙を用いて電解コンデンサを形成することが記載されている。

b.周知例3:特開昭53-142652号公報
上記周知例3には、以下の記載がある。
「本発明は、従来の電解コンデンサ紙の有するこのような欠点を排除し且つ電解コンデンサ紙の特性を改善するために、本発明者等によつて鋭意研究を重ねた結果によつて開発されたものであり、本発明によつて、断面径が小さく、且つ断面形状が円径に近いエスパルトパルプにマニラ麻パルプまたはマニラ麻以外の他のパルプを95%以下の割合にて配合して混抄した電解コンデンサ紙が提供される。
本発明において、マニラ麻パルプ以外の他のパルプと総称するのは、他のパルプがクラフトパルプ、亜麻パルプ、大麻パルプ、ベナレスパルプ、がんびパルプ、こうぞパルプ、みつまたパルプ、竹パルプなどを包含することを意味するものである。」(第2ページ左下欄第1?15行)
また、第3ページ右上欄の表には、実施例2及び7として、エスパルト60%、クラフト40%を使用した電解コンデンサ紙を用いて電解コンデンサを形成することが、実施例6として、エスパルト80%、クラフト20%を使用した電解コンデンサ紙を用いて電解コンデンサを形成することが、各々記載されている。

(4-2-2)また、引用発明は、セパレータ紙に含まれた硫酸イオンによる電極箔の腐食を防止することを課題としており、当該課題を解決するためには、セパレータ紙全体に含まれる硫酸イオンを低減させる必要があると解される。したがって、引用発明において、クラフトパルプに他の原料を混合するという上記周知技術を適用する場合には、セパレータ紙全体の硫酸イオン含有量が少なくなるように、硫酸イオン含有量を減少させたクラフトパルプが所定以上の割合で用いられるようにすることは、当業者であれば当然に想到する事項である。そして、その割合を「10重量%以上」と設定したことは、当業者による通常の創作能力の発揮にすぎないものである。

(4-2-3)さらに、本願発明も、電解紙に含まれた硫酸イオンによる電極箔の腐食を防止することを課題としており、当該課題を解決するためには、電解紙全体に含まれる硫酸イオンを低減させる必要があると解される。つまり、配合される他の原料に関しても硫酸イオンの含有量が特定されてはじめて、「クラフトパルプを10重量%以上配合」なる構成の技術的意義が生じるものと解される。
しかし、本願発明は、電解紙の一成分にすぎないTCFクラフトパルプの硫酸イオンの含有量のみを特定するものであり、該TCFクラフトパルプに配合される他の原料についての硫酸イオン含有量に関して何らの特定をするものではないから、相違点4により奏せられる効果は、格別顕著なものとは認めることができず、「10重量%以上」なる配合割合に臨界的意義を認めることはできない。

(4-3)したがって、相違点4は実質的なものではなく、実質的なものと認めたとしても、当業者が容易になし得た範囲に含まれる程度のものである。

(5)以上より、本願発明は、周知技術を勘案して、引用例に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


6.むすび
以上のとおりであるから、本願は、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく拒絶をすべきものである。
よって、上記結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-03-15 
結審通知日 2012-03-19 
審決日 2012-03-30 
出願番号 特願2000-218845(P2000-218845)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (H01G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小池 秀介  
特許庁審判長 鈴木 匡明
特許庁審判官 酒井 英夫
恩田 春香
発明の名称 電解コンデンサ  
代理人 田中 幹人  

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