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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1257203
審判番号 不服2010-19769  
総通号数 151 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-09-01 
確定日 2012-05-17 
事件の表示 特願2005- 38919「電子機器」拒絶査定不服審判事件〔平成18年8月31日出願公開,特開2006-227784〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
この出願は,平成17年2月16日に出願されたものであって,平成21年12月18日付け拒絶の理由に対し,平成22年2月19日に手続補正がなされたが,同年5月28日付けで拒絶をすべき旨の査定がなされ,これに対し,同年9月1日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。
その後,当審において平成23年6月30日付けで拒絶の理由を通知したところ,同年9月5日付けで意見書が提出されると共に,手続補正がなされた。

第2 本願発明について
平成23年9月5日付けで補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された発明(以下,「本願発明」という。)は,以下のとおりのものである。
「 【請求項1】
複数方向に操作可能な操作部材を有し,該操作部材の操作方向に応じた動作を行う電子機器において,
前記操作部材の操作方向を検知する手段であって,該操作部材で実現可能な動作数を超える数の操作方向を検知可能な検知手段と,
前記操作部材の操作方向と各動作とを対応づけるにあたり,操作者が前記操作部材を操作すると,そのとき検知された操作方向と実現されるべき動作とを前記複数の方向のそれぞれについて対応づけ,その対応関係を記憶する対応づけ手段と,
動作を実現するにあたり前記記憶された対応関係を参酌し,前記操作部材になされた操作が前記対応づけがなされた方向の操作であることが前記検知手段により検知された場合はその操作方向に対応する動作を行い,前記操作部材になされた操作が前記対応づけがなされた方向の操作でないことが前記検知手段により検知された場合は動作を行わないように制御する制御手段とを具備することを特徴とする電子機器。」

第3 刊行物の記載事項
1 文献1
この出願の出願前に頒布された刊行物であって,当審の拒絶の理由で引用された特開平9-107494号公報(以下,「文献1」という。)には,図面と共に以下の事項が記載されている。
(1) 「【請求項1】 複数の操作方向に可動可能に設けられた操作部材と,
上記操作部材の操作方向に応じて選択的に動作される複数のスイッチとを有する操作装置において,
上記操作部材の操作方向と上記複数のスイッチとの対応関係を電気的に変更する変更手段とを備えたことを特徴とする操作装置。」
(2) 「【0002】
【従来の技術】従来より,ビデオカメラ等の電子機器において,例えば,モニタ上に表示されたカーソルを移動させる場合や,複数のメニュー項目からその1つを選択する場合等の操作を行うためにポインティングデバイスが多く用いられている。図9はビデオカメラ100の本体にポインティングデバイス1を設けた例を示す。尚,2はEVF(電子ビューファインダ)によるモニタを示す。
【0003】このようなポインティングデバイスは,機器の複数の機能に対する操作を1つの操作部材に集約することができるので,操作部を簡潔にまとめることができ,機器の小型化に貢献することができる。また,1つの操作部材に2つ以上のスイッチを割当てることができるので,操作者はポインティングデバイスの操作方向を選択するだけで,2つ以上のスイッチ操作をキーから手を離すことなく行うことができる。このため,これまでのように,複数の機能に対して複数のスイッチ操作部材が1:1で割当てられているものに比べ,操作部材を手探りで探したり,目で見て確認したりする必要がなく,使い勝手のよいものとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,従来の指先で操作する小型のポインティングデバイスで,機器の本体に基部が固定された構造を有するものは,操作者の手の大きさや本体の姿勢等によって操作感が異ることがある。例えば,手の大きさや指の長さ等の個人差によって指先とポインティングデバイスとの位置がうまく合わず窮屈になり,このため操作性が損なわれることがある。
【0005】このため,例えば図10に示すようなモニタ2上に表示されたカーソル3をポインティングデバイスを指先で操作して移動させる場合,図10(A)のように操作者がカーソル1を右方向に移動させようと操作したつもりでも,指先の微妙な位置ずれによって操作方向がずれ,図10(B)のように,カーソル3が右上方向や右下方向のように目的とは違う方向に移動してしまうことがあった。
【0006】図9に示すポインティングデバイス1を用いてモニタ2としてのEVFに表示されたカーソルの移動やメニュー項目の選択等を行う場合,操作者はビデオカメラ100の本体に顔を近づけて構えながら,EVFを覗き込んでポインティングデバイス1を指先で操作することになる。従って,ポインティングデバイス1の位置や操作方向を目で見て確認しながら操作することは困難であり,実際には手探りで操作を行うことになる。このため,操作者の手の大きさや指の長さ,あるいはビデオカメラ100を構える姿勢等によっては操作性が損なわれることがあり,その結果,カーソルの移動やメニュー項目の選択を思い通りに行うことができないことがあった。
【0007】本発明は上述のような実状に鑑みて成されたもので,操作性に優れたポインティングデバイス等の操作装置を得ることを目的としている。」
(3) 「【0010】
【発明の実施の形態】図4はポインティングデバイス1の実施の形態を示す斜視図〔同図(A)〕及び側面断面図〔同図(B)〕である。図4において,カバー4内には8個のタクトスイッチ5を同一円周上に設けたスイッチ板6が設けられると共に,操作レバー7が球体から成る支持部材8で支持されて設けられている。支持部材8は保持部材9で回動可能に保持されている。操作レバー7にはタクトスイッチ5を押圧するための円板状の押し板10が設けられている。
【0011】上記構成によれば,操作レバー7は支持部材8を支点として一定の角度範囲内で360゜方向に傾けることができる。操作者が操作レバー7をある方向に傾けることにより,押し板10も傾けられ,その方向に設けられているタクトスイッチ5の1つが押されてスイッチONとなる。従って,操作レバー7を傾ける方向(操作方向)を選択することによって8個のタクトスイッチ5の1つを選択的にONと成すことができる。尚,8個のタクトスイッチ5にはそれぞれ異なるスイッチ機能が割当てられているものとする。また,以下の説明において,8個のタクトスイッチ5を必要に応じてそれぞれSW1,SW2……SW8と呼ぶことにする。
【0012】図5は上記ポインティングデバイス1を用いたビデオカメラ100の構成を示すブロック図である。図5において,被写体像は撮像部11に入射され,そのズームレンズ12,フォーカスレンズ13を通ってCCD等の撮像素子14で光電変換されて映像信号となる。この映像信号はカメラ信号処理部15で処理され,所定の形式の映像信号に変換された後,記録再生装置16に送られ,その信号記録再生部16aにおいて,磁気テープ等に記録されると共に,合成回路17にも送られる。
【0013】マイクロコンピュータ18は各種制御信号を出力し,サーボ機構20,21を介してズームレンズ12,フォーカスレンズ13を制御すると共に,カメラ信号処理回路15,記録再生装置15及びキャラクタジェネレータ20を制御する。また,カメラ操作スイッチ,レコーダ操作スイッチ等から成る手動スイッチ群19及びポインティングデバイス1の操作に基づく出力信号を受信し,それぞれに応じた制御を行う。
【0014】ポインティングデバイス1がカーソル3を移動させるためのものであるとすると,マイコン18は,ポインティングデバイス1からの操作方向に応じた出力信号に基づく制御信号をキャラクタジェネレータ20に送る。キャラクタジェネレータ20は操作方向に移動するカーソル3のキャラクタ信号を合成回路17に送る。合成回路17はカメラ信号処理回路15からの映像信号とカーソル3とを合成した映像信号をモニタ2に送り表示させる。
【0015】図6はポインティングデバイス1の回路図を示す。図6においてタクトスイッチ5の1つを押すと,図のスイッチSWがONになり,接地されることにより,マイコン18にLレベルの出力信号が送られる。スイッチSWはSW1?SW8の8個あり,それらの8個の出力信号をマイコン18は常に所定周期で順次にサンプリングしている。そのサンプリング結果(Hレベル又はLレベル)は8ビットのレジスタに順次格納される。
【0016】図7は上記のサンプリングによるレジスタ20の内容を示すもので,今回のサンプリング結果をレジスタ20aに格納し,前回のサンプリング結果をレジスタ20bに格納する。次にレジスタ20a,20bの各ビット毎の論理和(OR)をとって,その結果をレジスタ20cに格納する。このレジスタ20cを参照すると,図示の例では,SW2に相当する2ビット目がLレベル(0)であるので,このSW2がONとみなされる。この結果,マイコン18はキャラクタジェネレータ20を制御して,右上方向に移動するカーソル3を生成させる。
【0017】上記の一連の処理を繰り返すことにより,図8(A)に示すように,あるタクトスイッチ5の出力信号の波形は,最終的には同図(B)のような波形となる。(B)において,信号がLレベルのときにマイコン18はそのタクトスイッチ5に対応した処理を行う。
【0018】以上述べた本発明によるポインティングデバイス1は操作レバー7の操作方向と各スイッチSW1,SW2?SW8との対応関係をソフトウェア的に変更できるように成されている。
【0019】図1は上記変更を説明するための図である。ここでは,8ビットのフラグレジスタ21を設け,その内容を参照することによって,レジスタ20c(図7参照)の内容を右方向又は左方向にローテションするようにしている。
【0020】先ず,図1(A)の場合は,フラグレジスタ21の全ビットがLレベルであるので,ローテションは行わず,通常通りレジスタ20cの内容(図示では1ビット目が「0」)に応じてSW1がONになっているものとして,モニタ2上のカーソル3を上方向に移動させる。
【0021】次に,図1(B)の場合は,フラグレジスタ21の1ビット目が「1」となっているので,レジスタ20cの内容をレジスタ20dで示すように右方向に1つローテションする。これによってSW2に対応するビット「0」がSW1に対応するようになる。この結果,SW2を押すことにより,SW1に割当てられた方向にカーソル3が移動する。即ち,通常では右上方向に移動させるSW2を押すことにより,上方向にカーソル3が移動することになる。
【0022】また,図1(C)の場合は,フラグレジスタ21の2ビット目が「1」となっているので,レジスタ20cの内容を左方向に1つローテションしてレジスタ20dのようにする。この結果,SW8を押すことにより,SW1に割当てられた方向にカーソル3が移動することになる。
【0023】上記のようにフラグレジスタ21の「1」の位置に応じてレジスタ20cの内容を右又は左方向に1つ以上ローテションすることによって,SW1?SW8をそれぞれ他のSWに実質的に置き換えることができる。これによって,操作者は自分の手の長さや指の長さ,あるいはビデオカメラ100を構える姿勢等に応じて最も使い易いように各スイッチSW1?SW8の配置換えを行うことができる。
【0024】図2は上記フラグレジスタ21へのフラグの登録を行うための動作を示すフローチャートである。先ず,ステップS1で,フラグ0,1を共に「0」とした後,ステップS2でポインティングデバイス1をカーソル3が上方向(図1のY方向)に移動するように操作する。このとき,SW1が押されていればステップS3,S5を素通りして何の処理も行わない。ステップS3でSW2が押されていれば,ステップS4でフラグ0を「1」に設定して,図1(B)のフラグレジスタ21を作成する。また,ステップS5でSW8が押されていた場合は,ステップS6でフラグ1を「1」に設定して,図1(C)のフラグレジスタ21を作成する。このフラグレジスタ21の内容は,以後,同じ手順で新たに変更が加えられるまで保存される。
【0025】図3は上記のようにしてフラグを登録した後におけるポインティングデバイス1の使用時の動作を示すフローチャートである。電源が投入された後,ステップS11でポインティングデバイス1が操作されると,ステップS12でレジスタ20a,20bの内容の論理和をとって,その結果をレジスタ20cに格納する。次に,ステップS13でフラグレジスタ21のフラグ0を調べ,「0」でなければ,ステップS14でレジスタ20cの内容を右方向にローテションした後,ステップS17へ進む。
【0026】フラグ0が「0」である場合は,ステップS15でフラグ1を調べ,0であれば,ステップS17へ進み,「0」でなければステップS16でレジスタ20cの内容を左方向にローテションした後,ステップS17へ進む,ステップS17では,左又は右のローテションの有無に応じてマイクロコンピュータ1が処理を行い,カーソル3を移動させる制御信号をキャラクタジェネレータ20に送る。キャラクタジェネレータ20はステップS18でカーソル3を移動させるキャラクタ信号を生成し,合成回路17を通じてステップS19でモニタ2に表示させる。以上の処理が電源が遮断されるまで繰り返し行われる。」

以上の記載及び図面の記載から,文献1には,次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されている。
「複数の機能に対する操作を1つの操作部材に集約するポインティングデバイスを有する電子機器において,
前記ポインティングデバイスは,操作レバー7を傾ける方向を選択することによって8個のタクトスイッチ(SW1,SW2,……SW8)の1つを選択的にONと成すことができるものであって,該8個のタクトスイッチにはそれぞれ異なるスイッチ機能が割当てられているものであって,
ポインティングデバイスをカーソルが上方向に移動するように操作し,このとき,SW1が押されていれば何の処理も行わない一方,SW2が押されていればフラグレジスタ21のフラグ0を「1」に設定し,SW8が押されていた場合はフラグレジスタ21のフラグ1を「1」に設定するように,フラグレジスタ21を作成することによって,ポインティングデバイス1と操作レバー7の操作方向と各スイッチSW1,SW2?SW8との対応関係をソフトウェア的に変更できるように成され,
前記フラグレジスタ21の内容を参照することによって,SW1?SW8をそれぞれ他のSWに実質的に置き換えることができるように構成された
ことを特徴とする電子機器。」

2 文献2
この出願の出願前に頒布された刊行物であり,当審の拒絶の理由で引用された特開平10-078847号公報(以下,「文献2」という。)には,図面と共に以下の事項が記載されている。
「【0026】また,INT59を介して,表示器5を駆動して露光条件,測距条件などの表示を行い,シャッタ60を開閉してフィルムへの露光時間を制御し,絞り61の開口量を制御してフィルムへ到達する被写体光量を制御し,給送モータ62を駆動してフィルムの巻き上げ,巻き戻しを制御する。次に,図3は,校正モードでの表示例及び操作手順の説明図である。本発明の校正モードは,校正ボタン8を押下すると,CPU57が,露出に関する作動を全て禁止し,校正モードのプログラムを実行することにより実現される。
【0027】即ち,CPU57は,表示器5の表示画面に図3(a)(c)(e)に示すような操作方向指示の表示をして,撮影者にその指示表示に従った図3(b)(d)(f)のような操作を行わせ,カメラ1の姿勢に合わせて「操作方向指示」と「トラックボール10の回転操作軌跡」との対応関係を取得し,それに基づき請求項1に言う第1信号?第4信号に関する方向信号形成データを生成し,MEM58に格納する処理が行われる。実際の撮影時では,操作により指定する領域を記憶内容に基づいて特定する。
【0028】以下,具体的なデータ取得方法を図3を参照して説明する。なお,図3は,説明の便宜上,本発明の校正モード用の表示画面として図12に示した測距エリアの表示画面を利用した場合を示している。従って,測距エリア24A等と同一名称を用いて説明する。図3(a)は,起点として最左端下の測距エリア24Aを連続点灯し,終点として最右端下の測距エリア24Eを点滅灯させ,左から右へ水平に操作させる指示を行う場合を示す。
【0029】図3(b)は,撮影者が,図3(a)の操作指示に従い親指15でトラックボール10を右方向30へ回転操作する様子を示す。撮影者は,表示器5の表示を見て測距エリアの指定を24Aから24Eに移すつもりでトラックボール10を回転操作するのである。この回転操作は,水平ベクトル成分と垂直ベクトル成分とで規定される操作軌跡の形で操作指示と関連付けてMEM58に格納される。
【0030】図3(c)は,MEM58への格納動作を終了したので,次のデータを取得すべく,起点として最左端下の測距エリア24Aを連続点灯し,終点として最右端下の測距エリア24Eの1つ上の測距エリア23Eを点滅灯させ,左から右へ水平方向から少し右上がりに操作させる指示を行う場合を示す。図3(d)は,撮影者が,図3(c)の操作指示に従い,親指15でトラックボール10を右上がり方向31へ回転操作する様子を示す。撮影者は,前述と同様に,表示器5の表示を見て測距エリアの指定を24Aから23Eに移すつもりでトラックボール10を回転操作するのである。この回転操作は,水平ベクトル成分と垂直ベクトル成分とで規定される操作軌跡の形で操作指示と関連付けてMEM58に格納される。
【0031】図3(e)は,MEM58への格納動作を終了したので,次のデータを取得すべく,起点として最左端下の測距エリア24Aを連続点灯し,終点として最右端測距エリア22Eを点滅灯させ,左から右へ水平方向から更に少し右上がりに操作させる指示を行う場合を示す。図3(d)は,撮影者が,図3(e)の操作指示に従い,親指15でトラックボール10を更に右上がり方向32へ回転操作する様子を示す。撮影者は,前述と同様に,表示器5の表示を見て測距エリアの指定を24Aから22Eに移すつもりでトラックボール10を回転操作するのである。この回転操作は,水平ベクトル成分と垂直ベクトル成分とで規定される操作軌跡の形で操作指示と関連付けてMEM58に格納される。
【0032】以降同様に,起点として最左端下の測距エリア24Aを連続点灯し,終点として測距エリア21E,20E,20D,20C,20B,20Aの9方向への操作軌跡をMEM58に格納し,引き続いて,起点を測距エリア24D,20D,20Aとしそれぞれについての全ての操作軌跡を取得する。取得される軌跡データは全てで36通りである。但し,水平方向と垂直方向では重複するので,後述するようにそれを除く処理をして都合32通りの軌跡データが取得される。
【0033】更に,カメラ1を縦位置に構え,上記と同様の作業を行い,縦位置でのデータとして前述した横位置でのデータと区別して格納する。このようにして取得された操作軌跡が請求項1に言う第1信号である。CPU57は,以上のようにして回転操作方向を直接表現する軌跡データを格納すると,次に本来必要な各回転操作方向を区分する境界線を求めるために,図4に示す処理を実行する。」

3 文献3
この出願の出願前に頒布された刊行物であり,当審の拒絶の理由で引用された特開平8-022371号公報(以下,「文献3」という。)には,図面と共に以下の事項が記載されている。
(1) 「【請求項3】コンピュータに接続されたポインティング入力装置において,前記コンピュータのアプリケーションにポインティング入力の座標系のXY軸を任意に定義して設定する手段を設け,アプリケーションの動作においてポインティング手段から入力される基準軸に対応する座標位置を,前記設定されたXY軸の座標系の値に変換し,変換された座標値によりアプリケーションの処理を実行することを特徴とするコンピュータのポインティング入力装置。」
(2) 「【0008】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理構成図である。図1のA.に原理構成が示され,図中1はポインティング入力装置,2?4はポインティング入力装置内に設けられた各手段であり,2は操作者が任意に方向,角度を設定するための座標軸設定手段,3はポインティング手段,4はポインティング入力の絶対座標を設定されたXY軸の座標に変換する座標変換手段,5はホスト装置,6はディスプレイの画面である。
【0009】本発明はポインティング入力装置にXY軸を任意の方向に設定できる手段と座標変換手段を設けて,位置入力された座標を設定されたXY軸上の座標に変換して出力するものである。
【0010】
【作用】図1において,操作者はポインティングを行う前に,ポインティング入力装置1の座標軸設定手段2に対し自分が操作し易い方向と角度を持つXY軸を設定する。すなわち,基準のXY軸は図1のC.にX0 ,Y0 として示されているが,この基準のX0 ,Y0 の各軸と異なる方向,角度を持つ軸を自由に設定することができる。この場合,図1のB.に例を示すように正方向のX軸(+Xで表示),負方向のX軸(-Xで表示),正方向のY軸(+Yで表示)及び負方向のY軸(-Yで表示)の角度がそれぞれ設定できる。
【0011】このように座標軸設定手段2に設定が行われた後,操作者が画面6を見ながらポインティング入力装置1を操作するとポインティング手段3は移動に応じて距離を計測してその移動距離,方向に対応した位置を表す信号を発生する。この信号は,座標変換手段4へ入力される。座標変換手段4は入力された位置を表す絶対座標を,座標軸設定手段2により設定されたXY軸による座標系の位置を表す座標に変換する。この座標変換手段4の変換出力は,ホスト装置5へ従来のポインティング入力装置と同様に基準のXY軸の座標に対応する位置として受け取って,処理が行われて画面6に表示する。図1のB.に示す点a,点bの場合,点aは+Xと+Yの間に位置し,点bは+Xと-Yの間に位置し,これらの点を直角のXY軸の座標に変換すると同図C.に示すように基準のXY軸の座標上の点a’及び点b’の位置に変換され,ホスト装置5で処理されてディスプレイの画面6に表示される。
【0012】この座標軸設定手段2に設定されるXY軸の各方向の角度は,操作者がポインティング入力装置を使用する環境(例えば,狭いスペースで操作方向が制約される場合)等に応じて自由に設定することができる。
【0013】この図1に示す場合は,ポインティング入力装置内に座標軸設定手段2を設けてX,Y軸を設定しているが,ホスト5に座標軸の設定入力を行い,ディスプレイの画面6上に設定した座標軸を表示させた状態で,ポインティング入力装置により入力を行うようにすることもできる。」

4 文献4
この出願の出願前に頒布された刊行物である特開2002-072329号公報(以下,「文献4」という。)には図面と共に以下の事項が記載されている。
「【0025】図8の例では,カスタム設定時にエリア選択部材30の「B」「D」「F」「H」の各位置をプッシュすることで網掛表示カーソルを斜め方向にスライドさせることができた。しかしながら,網掛表示カーソルが斜め方向にスライドすると,人によっては,そのような斜めスライドに違和感を覚えることがある。そこで,エリア選択部材30のA?Hのどの位置がプッシュされた場合でも,網掛表示カーソルのスライド方向は上下または左右のみとして,斜めスライドを禁止するようにしてもよい。」

5 文献5
この出願の出願前に頒布された刊行物である特開平8-114826号公報(以下,「文献5」という。)には図面と共に以下の事項が記載されている。
(1) 「【0031】次に,この実施例における情報入力の方法について述べる。ここで,表1には「P」,「S」,「A」,「M」の各露出モードにおいてトラックボール6を回転させた場合に変化する内容を示す。
【0032】
【表1】

【0033】すなわち,露出モードが「P」の場合は,トラックボール6を水平方向に回転させると,露光量を変化させずにシャッタ速度と絞り値の組み合わせを変化させる,いわゆるプログラムシフトを行なう。さらに,このトラックボール6を垂直方向に回転させた場合は,露出補正量の設定を行なうように構成している。なお,斜め方向に回転させた場合には,その回転は無視される。
【0034】また,露出モードが「S」の場合は,トラックボール6を水平方向に回転させると,シャッタ速度が変化する。さらに,垂直方向に回転させた場合は,露出補正量の設定を行なうようになっている。また,斜め方向に回転させた場合には,その回転は無視される。
【0035】一方,露出モードが「A」の場合は,トラックボール6を水平方向に回転させると,絞り値が変化する。さらに,垂直方向に回転させた場合は,上述したと同様に,露出補正量の設定が行なわれるようになっている。また,斜め方向に回転させた場合には,その回転は無視される。
【0036】また,露出モードが「M」の場合は,トラックボール6を水平方向に回転させるとシャッタ速度が,垂直方向に回転させると絞り値がそれぞれ変化する。さらに,斜め方向に回転させた場合には,シャッタ速度と絞り値を同時に変更させるようになっている。」
(2) 「【0063】本処理においては,任意に回転するトラックボール6の回転を,あたかも水平,垂直,および45度の斜め方向のみとなっているようにソフト的に処理を行ない,斜め方向に回転した場合にはその回転を無視している。これは,斜め方向に回転させて二つの要素を同時に変更するということがあり得ない撮影情報設定のような場合に適している。」
(3) 「【0084】なお,以上の実施例においては,第1,第2の設定手段として機能する操作検出手段(操作部材)として球状のトラックボール6を例示して用いており,シャッタ速度と絞り値との設定を行なうマニュアルモード以外の露出モードである場合に,空いている操作方向で露出補正量等の設定を行なうに際して効果を発揮でき,しかも露出補正量の設定を撮影時に直接的な操作で素早くダイレクトに操作可能で,その利点は大きい。
【0085】しかし,このような操作検出手段としては,上述した実施例での球状のトラックボール6に限らず,たとえば操作面が略平坦面である半球状のものであってもよく,要は少なくとも二方向についての変位の増減をそれぞれ検出可能である操作部材であれば適用可能である。また,平板状の検出部材を指等の接触子で方向性を持たせた変位検出が行なえるようなものや,二方向に操作可能なレバー等の操作部を有するジョイスティク等を用いてもよい。」

6 文献6
この出願の出願前に頒布された刊行物である特開平6-205238号公報(以下,「文献6」という。)には図面と共に以下の事項が記載されている。
「【0040】ところが,上記のシャトルボール6のカーソル移動操作により,図3(d)に示すようにカーソルKが操作アイテムATのエリア内に位置した場合には,CPU21は図11に示すように,コマンドコードについて,
コマンドコード1,2,16,17,18,32,33,34,48からなるエリアグループA
コマンドコード4,5,6,20,21,22,36,37,38からなるエリアグループB
コマンドコード8,9,10,24,25,26,40,41,42からなるエリアグループC
コマンドコード12,13,14,28,29,30,44,45,46からなるエリアグループD
以上4つのエリアグループとして分割する。
【0041】そして,図3(d)に示すように,カーソルKがMDPの『再生』を示す操作アイテムAT上に位置する状態において,例えば,シャトルボール6をエリアグループB内に含まれるいずれかのコマンドコードに対して回転した場合には,CPU21は,現在カーソルKが位置する操作アイテムATの右側に位置する操作アイテムATとして,『早送り』の操作アイテムAT上にカーソルが移動されるよう制御する。このため画面上は図3(e)に示す状態となる。
【0042】この図3(e)に示す状態からさらに,例えば,シャトルボール6をエリアグループC内に含まれるいずれかのコマンドコードに対して回転した場合には,CPU21により,カーソルKは『早送り』を示す操作アイテムATから,この下側に位置する操作アイテムATとして,『送り方向の頭だし』を示す操作アイテムAT上に移動し,図3(f)に示す状態となる。
【0043】つまり,本実施例では,カーソルKが操作アイテムATのエリア内に存在する場合には,カーソルKは16方向に移動自在とされず,されたA?Dのエリアグループとして定義されたカーソル移動情報に基づき,現在カーソルKが位置する操作アイテムATの上下あるいは左右に位置する操作アイテムATに対してのみカーソルKが移動するように制御される。従って,ユーザーは移動量(シャトルボール6の回転量)を考慮することなく容易に各操作アイテムカーソル指定操作を行うことができる。」

第4 対比及び判断
1 対比
(1) 引用発明の「操作レバー7を傾ける方向を選択することによってによって8個のタクトスイッチ」「の1つを選択的にONと成す」ことができる「ポインティングデバイス」と,本願発明の「複数方向に操作可能な操作部材」は,「複数方向に操作可能な操作部材」である点で一致する。
ここで,本願発明の「操作方向」は,発明の詳細な説明を参照すると,『「操作方向」とは,押圧部12の中心から押圧箇所に向かう方向を意味し,これにより押圧部12の傾倒方向およびオンするスイッチが一義的に定まる。』(段落0015参照。)というものであって,現実に操作部材が操作された方向をいうものであるから,引用発明の「操作レバー7を傾ける方向」と本願発明の「操作部材の操作方向」の「方向」は,同一の「方向」をいうものである。
そして,引用発明の「ポインティングデバイス」により「複数の機能に対する操作」が可能とされることは,本願発明の「操作部材の操作方向に応じた動作を行う」ことに相当する。
また,引用発明と本願発明は共に「電子機器」に係る発明である。
よって,引用発明と本願発明は,「複数方向に操作可能な操作部材を有し,該操作部材の操作方向に応じた動作を行う電子機器」である点で一致する。
(2) 引用発明の「8個のタクトスイッチ(SW1,SW2,……SW8)」は「操作レバー7を傾ける方向を選択することによって」「選択的にON」となるものであるから,引用発明の「8個のタクトスイッチ(SW1,SW2,……SW8)」は本願発明の「操作部材の操作方向を検知する手段」に相当する。
そして,引用発明は「該8個のタクトスイッチにはそれぞれ異なるスイッチ機能が割当てられている」ものであるから,引用発明の「タクトスイッチ」は,それぞれが本願発明でいう「該操作部材で実現可能な動作」を有しているといえる。
よって,引用発明と本願発明は,少なくとも,「前記操作部材の操作方向を検知する手段であって,該操作部材で実現可能な動作数」「の操作方向を検知可能な検知手段」を有している点で一致する。
(3) 引用発明において,「ポインティングデバイスをカーソルが上方向に移動するように操作」するのが人であることは明らかであり,前記のようにポインティングデバイスを「操作する人」は,本願発明の操作部材の「操作者」といえる。
そして,引用発明の「ポインティングデバイスをカーソルが上方向に移動するように操作」は本願発明の「操作者が前記操作部材を操作すると」に,引用発明の「このとき,SW1が押されていれば何の処理も行わない一方,SW2が押されていればフラグレジスタ21のフラグ0を「1」に設定し,SW8が押されていた場合はフラグレジスタ21のフラグ1を「1」に設定するように,フラグレジスタ21を作成することによって,ポインティングデバイス1と操作レバー7の操作方向と各スイッチSW1,SW2?SW8との対応関係」を得ることは,本願発明の「そのとき検知された操作方向そのとき検知された操作方向と実現されるべき動作とを」「対応づけ,その対応関係を記憶する」ことに相当する。
よって,引用発明と本願発明は,「前記操作部材の操作方向と各動作とを対応づけるにあたり,操作者が前記操作部材を操作すると,そのとき検知された操作方向と実現されるべき動作とを」「対応づけ,その対応関係を記憶する対応づけ手段」を有している点で一致する。
なお,本願発明の「複数の方向それぞれについて対応づけ」は,発明の詳細な説明を参照すると,「同様に上下右の各操作(上下右操作)のそれぞれに対してもスイッチとの対応関係が変更できる。」(段落0018参照。)とあるから,本願発明の「複数の方向それぞれについて対応づけ」ことは,「操作者が前記操作部材を操作すると,そのとき検知された操作方向と実現されるべき動作とを」「対応づけ,その対応関係を記憶する」動作を,「複数の方向それぞれについて」行うことを示すものと認められる。
(4) 引用発明の「前記フラグレジスタ21の内容を参照する」ことは,本願発明の「前記記憶された対応関係を参酌」することに相当し,引用発明の「SW1?SW8をそれぞれ他のSWに実質的に置き換える」ことは,本願発明の「前記操作部材になされた操作が前記対応づけがなされた方向の操作である」場合に「その操作方向に対応する動作を行」うことに相当する。
そして,(2)で検討したように,引用発明は,本願発明の「操作部材の操作方向を検知する手段」を有している。
よって,引用発明と本願発明は「動作を実現するにあたり前記記憶された対応関係を参酌し,前記操作部材になされた操作が前記対応づけがなされた方向の操作であることが前記検知手段により検知された場合はその操作方向に対応する動作を行」う「ように制御する制御手段」を有している点で一致する。

2 一致点及び相違点
以上より,本願発明と引用発明は以下の点で一致する。
「複数方向に操作可能な操作部材を有し,該操作部材の操作方向に応じた動作を行う電子機器において,
前記操作部材の操作方向を検知する手段であって,少なくとも,該操作部材で実現可能な動作数の操作方向を検知可能な検知手段と,
前記操作部材の操作方向と各動作とを対応づけるにあたり,操作者が前記操作部材を操作すると,そのとき検知された操作方向と実現されるべき動作とを対応づけ,その対応関係を記憶する対応づけ手段と,
動作を実現するにあたり前記記憶された対応関係を参酌し,前記操作部材になされた操作が前記対応づけがなされた方向の操作であることが前記検知手段により検知された場合はその操作方向に対応する動作を行うように制御する制御手段とを具備することを特徴とする電子機器。」

そして,以下の点で相違する。
相違点1 本願発明の「検知手段」は「操作部材で実現可能な動作数を超え
る数の操作方向を検知可能」であるのに対し,引用発明の「8個の タクトスイッチ」は操作部材で実現可能な動作数の操作は検出でき るものの,それを超える数の操作方向を検知可能であるか否か不明
である点。
相違点2 本願発明の「対応づけ手段」は,対応づけの操作を「複数の方向
それぞれについて」行うものであるのに対し,引用発明は「上方
向」については「操作」により対応関係を得ているものの,他の方
向について操作によって対応づけを行っているかどうかは不明であ
る点。
相違点3 本願発明の「制御手段」は「前記操作部材になされた操作が前記
対応づけがなされた方向の操作でないことが前記検知手段により検
知された場合は動作を行わないように制御する」ものであるのに対
し,引用発明は対応づけがなされていない方向に操作がされた場合
にどのような動作をするのか,対応づけがなされていない方向が存
在するのか等は不明である点。

3 相違点についての判断
(1) 相違点1について
多方向の操作を検出可能な操作部材を用いる機器において,多方向のうち,一部の方向の操作のみを有効し,他の操作を無効とすることは,文献4,文献5,文献6(いずれも摘記箇所参照。)のようにこの出願前周知であり,引用発明にかかる周知技術を適用し,引用発明のSW1ないしSW8の8のスイッチのうち一部のみを有効な操作の対象とすることで,本願同様の実現可能な動作数より多い動作を検知可能な操作部材となるようにする程度のことは,当業者であれば適宜なし得た程度のことにすぎない。
(2) 相違点2について
装置における操作部材について,操作者の操作方向が装置が意図する方向となるようにするための方向の補正のための操作を,単一の操作方向だけでなく,複数の操作方向について行うことは,文献2,文献3(いずれも摘記箇所参照。)に記載されているようにこの出願前周知であり,引用発明の対応関係を定めるにあたり,複数の操作方向について定め得るようにする程度のことは,当業者であれば困難なくなし得た程度のことにすぎない。
(3) 相違点3について
相違点1において示したように,多方向の操作を検出可能な操作部材を用いる機器において,多方向のうち,一部の方向の操作のみを有効し,他の操作を無効とすることは,文献4,文献5,文献6(いずれも摘記箇所参照。)のようにこの出願前周知であるから,引用発明にかかる周知技術を適用し,引用発明のSW1ないしSW8の各スイッチのうち一部のみを有効な操作の対象とし,残りを有効な操作でないとして定義を行わないようにする程度のことは,当業者であれば適宜なし得た程度のことにすぎない。
(4) そして,引用発明にこれらの周知技術を適用することによって生じる作用も,当業者であれば予測できる程度のものにすぎない。
(5) 請求人の主張について
請求人は,平成23年9月30日付け意見書において,『よって,文献1において,タクトスイッチは8個あり,文献1の段落0010,段落0011,段落0014,段落0016及び段落0020の記載を鑑みれば,操作レバーを操作することでカーソルが移動する方向が少なくとも8方向はあると考えるのが妥当です。すなわち,文献1は,タクトスイッチの数がカーソルが移動する方向の数を超えることについて開示も示唆もしていません。
したがって,拒絶理由通知書における審判合議体による認定「相違点1 本願「検知手段」は「操作部材で実現可能な動作数を超える数の操作方向を検知可能」であるのに対し,文献1の「8個のタクトスイッチ5」は操作部材で実現可能な動作数を超えているか否か不明である点。」は,誤りであると思料します。』(意見書「(2-4)」欄)と主張している。
しかしながら,相違点1及び相違点3において検討したように,多方向の操作を検出可能な操作部材を用いる機器において,多方向のうち,一部の方向の操作のみを有効とするように構成することは,文献4,文献5,文献6(いずれも摘記箇所参照。)のように周知であり,引用発明にかかる周知技術を採用し,「操作部材で実現可能な動作数」を超えるスイッチを有することとなるようにする程度のことは,当業者であれば適宜なし得た程度のことにすぎない以上,かかる請求人の主張は採用することができない。

4 まとめ
したがって,本願発明は,引用発明及び周知技術に基づいて,容易に発明することができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第5 まとめ
以上検討したように,本願発明は,引用発明及び周知技術に基づいて,容易に発明できたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
したがって,この出願は,他の請求項について論及するまでもなく,拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-03-16 
結審通知日 2012-03-21 
審決日 2012-04-05 
出願番号 特願2005-38919(P2005-38919)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山崎 慎一  
特許庁審判長 水野 恵雄
特許庁審判官 近藤 聡
齊藤 健一
発明の名称 電子機器  
代理人 永井 冬紀  
代理人 渡辺 隆男  

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