• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H05B
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) H05B
管理番号 1257213
審判番号 不服2010-25429  
総通号数 151 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-11-11 
確定日 2012-05-17 
事件の表示 特願2004-354289「有機EL素子、若しくはそれを備えた表示パネル及び表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成18年 6月22日出願公開、特開2006-164737〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本件出願の手続の経緯は、概要次のとおりである。
特許出願 :平成16年12月 7日
拒絶理由通知(最初):平成21年 5月25日(起案日)
手続補正 :平成21年 7月 2日
拒絶査定 :平成22年 8月12日(起案日)
拒絶査定不服審判請求:平成22年11年11日
拒絶理由通知(最初):平成23年12月 1日(起案日)
手続補正 :平成24年 2月 6日
意見書 :平成24年 2月 6日

第2 本願発明について
本願の請求項1、4に係る発明(以下それぞれ「本願発明1」、「本願発明4」という。)は、平成24年 2月 6日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1、4に記載された事項により特定される、以下のとおりのものと認める。

「【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板と離間して対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板とを封止し、前記第1基板と前記第2基板との間に封止空間を形成するシールと、
前記第1基板上にそれぞれ設けられたソースライン、ゲートライン、電源ライン、及び画素電極と、
前記ソースラインに接続された第1TFTと、
前記電源ラインに接続された第2TFTと
を少なくとも有し、
前記電源ラインは、前記第2TFTを介して前記画素電極に接続され、
前記ソースライン、前記ゲートライン、及び前記電源ラインが前記封止空間内に設けられた有機EL素子であって、
前記ソースラインと接続され、前記封止空間内から引き出されたソース引き出し電極と、
前記電源ラインと接続され、前記封止空間内から引き出された電源引き出し電極とを有し、
前記ゲートライン及び前記画素電極の厚みが、前記ソースラインの厚みよりも薄く形成され、
前記ソース引き出し電極又は前記電源引き出し電極は、前記画素電極と同一工程で形成されている有機EL素子。」

「【請求項4】
第1基板と、
前記第1基板と離間して対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板とを封止し、前記第1基板と前記第2基板との間に封止空間を形成するシールと、
前記第1基板上にそれぞれ設けられたソースライン、ゲートライン、電源ライン、及び画素電極と、
前記ソースラインに接続された第1TFTと、
前記電源ラインに接続された第2TFTと
を少なくとも有し、
前記電源ラインは、前記第2TFTを介して前記画素電極に接続され、
前記ソースライン、前記ゲートライン、及び前記電源ラインが前記封止空間内に設けられた有機EL素子であって、
前記ソースラインと接続され、前記封止空間内から引き出されたソース引き出し電極と、
前記電源ラインと接続され、前記封止空間内から引き出された電源引き出し電極とを有し、
前記ゲートライン及び前記画素電極の厚みが、前記ソースラインの厚みよりも薄く形成され、
前記ソース引き出し電極又は前記電源引き出し電極は、前記画素電極と同一の材料により、同一の厚みで形成されている有機EL素子。」

第3 当審における拒絶の理由
当審で通知した平成23年12月1日付け拒絶理由通知書の理由1、3で指摘した内容は、概略次のとおりである。

「理由1
この出願は、発明の詳細な説明の記載が下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。

本願発明1?9において、
「ソース引き出し電極及び/又は電源引き出し電極はゲートライン又は画素電極と同一工程で形成されている」
または、
「ソース引き出し電極及び/又は電源引き出し電極はゲートライン又は画素電極と同一の材料により、同一の厚みで形成されている」
という発明特定事項があるが、発明の詳細な説明において、「ソース引き出し電極」、「電源引き出し電極」、「ゲートライン」及び「画素電極」の形成方法が記載されておらず、どのようにして「同一工程で形成」するのか、また、どのようにして「同一の材料により、同一の厚み」とするのかが当業者であっても理解が困難である。
一般に、「ソース引き出し電極及び/又は電源引き出し電極」と「ゲートライン又は画素電極」とでは、形成する層の高さも位置も異なるから、どのような工程であれば「同一工程」で形成できるのか分からないし、どのようにすれば「同一の厚み」とすることができるのかも分からない。
特に、「画素電極」は、基板上に複数の配線層や絶縁層を形成した後に形成されるものであり、画素領域と封止領域とでは表面形状も異なるから(各領域で異なる構造(段差等)が存在する。)、「同一の厚み」の実現は困難であると考えられる。例えば、図14、16において、「ソース引き出し電極」や「電源引き出し電極」は基板に対して垂直方向に沿って形成される領域も有しており、このような部分をどのようにすれば「同一の厚み」とできるのかが理解困難である。

よって、この出願の発明の詳細な説明は、当業者が本願発明1?9を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されていない。」

「理由3
本願発明1?9は、本願の優先日前に日本国内または外国において頒布された下記の刊行物(引用例1?2)に記載された発明に基づいて、本願の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。


〔引用例一覧〕
・引用例1:特開2003-167258号公報
・引用例2:特開2004-70308号公報

〔当審の判断〕
・・・(中略)・・・
(5)本願発明1?9について;引用例1?2
(備考)
・・・(中略)・・・
(5b)引用例2の発明の実施の形態には、電極引き出し構造に関して、ブリッジ状導電膜を透明画素電極63と同時に形成される導電膜とする発明が記載されている(例えば、段落【0065】、【0091】及び図3)。
引用例2の記載では、ブリッジ状導電膜はさらに接続パッド14を介して外部に導出されるものであるが、配線構造を単純化することは当業者が通常行うことであるから、ブリッジ状導電膜自体を接続パッド14の代わりに外部への引き出し電極となるように構成することは、当業者にとって格別の創意を必要としないことである。
あるいは、透明画素電極63と同時に形成される導電膜で、ブリッジ状導電膜ではなく、接続パッドを形成することも、当業者にとって格別の創意を必要としないことである。
その他細部に関しては、引用例1に記載された技術や周知の技術に過ぎない。
よって、本願発明1?9は、引用例1?2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。」

第4 請求人の主張
平成24年 2月 6日付け意見書における請求人の主張は、概略次のとおりである。

1 拒絶の理由1(実施可能要件)について
「(3)理由1:記載不備について
・・・(中略)・・・
b.発明の詳細な説明について
出願当初の明細書には、「ソース引き出し電極又は電源引き出し電極は画素電極と同一工程で形成されている」、及び「ソース引き出し電極又は電源引き出し電極は画素電極と同一の材料により、同一の厚みで形成されている」との明示的な記載はありません。
しかしながら、出願当時の技術常識を考慮すれば、段落[0041]に記載の「有機EL素子1では、ソース引き出し電極30がゲートライン13と同一膜により形成されているため、ソース引き出し電極30をゲートライン13と同一工程で形成することができる」という内容、段落[0051]に記載の「有機EL素子1では、電極引き出し電極32がゲートライン13と同一膜により形成されているため、電極引き出し電極32をゲートライン13と同一工程で形成することができる」という内容、段落[0074]に記載の「有機EL素子2では、ソース引き出し電極130が画素電極121と同一膜から形成されている」という内容、及び段落[0077]に記載の「有機EL素子2では、電源引き出し電極132が画素電極121と同一膜から形成されている」という内容に基づいて、当業者であれば、その製造方法、即ち、ソース引き出し電極または電源引き出し電極と画素電極とは同時に成膜され、フォトリソグラフィー等の技術により同時に形成される(即ち、同一工程で形成される、または同一の材料により、同一の厚みで形成される)と理解できると言えます。従って、ソース引き出し電極又は電源引き出し電極は画素電極と同一工程で形成されること、及びソース引き出し電極又は電源引き出し電極と画素電極とは同一の材料により、同一の厚みで形成されることは直ちに理解されると言え、このことは、出願当初の明細書に記載されている事項から本願出願時における技術常識を参酌することにより導き出せるものであり、出願当初の明細書に記載されているに等しい事項であると言えます。
また、本願の発明では、画素電極と、ソース引き出し電極または電源引き出し電極とを同一の高さで形成する必要はなく、ソース引き出し電極または電源引き出し電極を、画素電極と同一の材料により形成して、ソース引き出し電極または電源引き出し電極の層厚をより薄くすることができるため、大きな段差を形成することなく、例えば、図15に示すように、シールにより、封止基板と第1基板との間をより確実に封止することができます。
即ち、本願の発明における「同一工程で形成」、及び「同一の材料により同一の厚みで形成」とは、画素電極の工程で、引き出し電極のパターンを形成することを意味します。
なお、引き出し電極のパターン位置については、同一工程における他のパターンと干渉しない位置であれば、任意に決定することができ、成膜した画素電極の材料を、フォトリソグラフィー工程において、任意の位置に配置する(材料を残す)ことが可能であることは、当業者であれば、直ちに理解できる事項といえます。
以上より、発明の詳細な説明は、当業者がその実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであると言えます。」

2 拒絶の理由3(進歩性)について
「(4)理由2:進歩性欠如に対する措置
a.本願発明の説明
本願発明の要旨は、補正後の特許請求の範囲に記載されているとおりであり、今回の補正では、請求項1の発明において、「ソース引き出し電極又は電源引き出し電極は画素電極と同一工程で形成されている」点を明確にするとともに、請求項4の発明において、「ソース引き出し電極又は電源引き出し電極は画素電極と同一の材料により、同一の厚みで形成されている」点を明確にしました。
そして、請求項1,4に係る発明では、「ソース引き出し電極又は電源引き出し電極を画素電極と同一工程で形成する」、または「ソース引き出し電極又は電源引き出し電極を画素電極と同一の材料により、同一の厚みで形成する」ことにより、ソース引き出し電極や電源引き出し電極の厚みをソースラインの厚みよりも薄く形成することができるため、シールを横断する電極をソース引き出し電極と電源引き出し電極のみにすることができ、シールにより封止基板と第1基板との間をより確実に封止することが可能になります。その結果、有機EL素子内への水分や酸素等の進入を効果的に抑制することができるとともに、水分や酸素等に対する高い耐久性を実現することができる、という効果を得ることができます。即ち、従来、厚みの大きいソースラインや電源ラインがシールを横断している場合に見られたシール不良による寿命低下を防止できるという顕著な効果を奏するものです。
b.引用文献に記載の発明の説明
引用例1には、ゲート配線、及び端子部の引き出し配線を構成するゲート配線を備えた液晶表示装置が開示されています。
引用例2には、シール材の外側へと引き出された接続パッド(パッド用配線)が形成された液晶表示装置が開示されています。
c.本願発明と引用文献に記載された発明との対比
本願発明は、シールの外側へと引き出された配線を備える点で引用例1?2に記載された発明と一致します。
しかしながら、引用例1,2のいずれにも、本願の請求項1に係る発明の「ソース引き出し電極又は電源引き出し電極は画素電極と同一工程で形成されている」点、及び本願の請求項4に係る発明の「ソース引き出し電極又は電源引き出し電極は画素電極と同一の材料により、同一の厚みで形成されている」という構成について開示も示唆もされていません。
拒絶理由通知においては、「引用例1には、共通電極CPTに共通電極を供給する共通配線CLを外部に引き出すための電極を設けるという記載はないが、引用例1の共通配線CLが、外部から供給される共通電位を受けるための何らかの外部端子に接続されることが必要であるため、共通電位についても何らかの引き出し電極が設けられていることは明らかである」と記載されています。
しかしながら、引用例1においては、図1、図3から明らかなように、共通配線CLは、ゲート配線GLと同一層から形成されており、引用例1,2のいずれにも、引き出し電極として画素電極を用いる点については開示も示唆もありません。
従いまして、引用例1の内容からは、引き出し電極を設ける構成として、ゲート配線GLが、そのままシール材SELの下を通り抜ける構造を想定することは可能と言えますが、共通配線CLに接続された、画素電極と同一の材料からなる引き出し電極を設ける構造は、到底予想することができないものと言えます。
また、拒絶理由通知においては、「引用例2には、ブリッジ状導電膜自体を接続パッド14の代わりに外部への引き出し電極となるように構成すること、及び透明画素電極63と同時に形成される導電膜で接続パッド14を形成することは、当業者にとって格別な創意を必要としない」と記載されていますが、その根拠として、「配線構造を単純化することは当業者が通常行うことである」としか記されておりません。
更に、引用例1,2においては、本願の発明において見出された、シールと第一基板との間に生じる間隙とシール下の配線(電極)の厚さとの相関関係や、水分や酸素等に起因する表示素子の耐久性への影響について、全く考慮されておりません。
また、本願の発明における表示素子は有機EL素子であり、本願の発明における「電源ライン」は、単に電力を供給するための配線ではなく、有機EL素子に特有の配線であり、引用例1の液晶表示装置用の共通配線CLとは本質的に異なります。
また、本願の請求項1,4に係る発明によれば、上述のごとく、有機EL素子内への水分や酸素等の進入を効果的に抑制することができるとともに、水分や酸素等に対する高い耐久性を実現することができ、従来、厚みの大きいソースラインや電源ラインがシールを横断している場合に見られたシール不良による寿命低下を防止できるという効果が奏されます。かかる効果は、上記本願の請求項1,4に係る発明の「ソース引き出し電極又は電源引き出し電極を画素電極と同一工程で形成する」、または「ソース引き出し電極又は電源引き出し電極を画素電極と同一の材料により、同一の厚みで形成する」という構成について開示も示唆もされていない引用例1,2からは到底予想することができないものであります。」

第5 当審の判断

1 実施可能要件について(特許法第36条第4項第1号)
本願発明4において、
「前記ソース引き出し電極又は前記電源引き出し電極は、前記画素電極と同一の材料により、同一の厚みで形成されている」
という発明特定事項があるが、本願の発明の詳細な説明において、「ソース引き出し電極」、「電源引き出し電極」及び「画素電極」の形成方法が全く記載されておらず、どのようにして「同一の材料により、同一の厚み」とするのかが当業者であっても理解が困難である。
「同一材料により、同一の厚み」で形成することは、「同一工程」で形成することを前提としているものと認められるが、一般に、「ソース引き出し電極又は電源引き出し電極」と「画素電極」とでは、形成する層の高さも位置も異なるから、どのような工程であればそれらを「同一工程」で形成できるのか分からないし、仮に「同一工程」で行えた場合でも、どのようにすれば「同一の厚み」とすることができるのかも分からない。
特に、「画素電極」は、基板上に複数の配線層や絶縁層を形成した後に形成されるものであり、画素領域と封止領域とでは表面形状も異なるから(各領域で異なる構造(段差等)が存在する。)、「同一の厚み」の実現は困難であると考えられる。例えば、本願の図面の図14、16において、「ソース引き出し電極」や「電源引き出し電極」は基板に対して垂直方向に沿って形成される領域も有しており、このような部分をどのようにすれば「画素電極」と「同一の厚み」とできるのかが理解困難である。
上記請求人の主張を参酌しても、本願の発明の詳細な説明には、少なくとも、「ソース引き出し電極又は電源引き出し電極」と「画素電極」とを「同一の厚み」とすることについて具体的な記載が存在しないから、「ソース引き出し電極又は電源引き出し電極と画素電極とは同一の材料により、同一の厚みで形成されることは直ちに理解される」とはいえない。技術常識からしても、「同一工程」で形成される「同一膜」であっても、その形成位置や形成方向等が異なる場合、「同一の厚み」になるとは限らないことは明らかである。例えば、上述した基板に対して垂直方向に沿って形成される電極パターンは、基板に対して水平方向に沿って形成される電極パターンとは異なる厚みとなるのが通常である。

よって、本願の発明の詳細な説明の記載は、当業者が本願発明4を実施することができる程度に明確かつ十分に記載したものでないから、特許法第36条第4項に規定する要件を満たしていない。

2 拒絶の理由3(進歩性)について

2-1 引用例
当審で通知した平成23年12月1日付けの拒絶理由で引用した本願の出願前に頒布された刊行物である特開2004-70308号公報(以下「引用例」という。公開日:平成16年3月4日)には、図面とともに、次の事項が記載されている。

(a)「【0018】
図1は、液晶表示装置の概略全体斜視図であり、図2は画素領域についてのアレイ基板の概略部分断面図である。また、図3は、接続領域についての液晶表示装置の模式的な積層断面図であり、図4は接続領域についてアレイ基板の部分平面図である。」
【0019】
この液晶表示装置は、アレイ基板と対向基板と液晶層とシール材を含む表示セルと、駆動回路基板と、TCPと、面光源を備えて構成される。表示セルと駆動回路基板とをTCPで電気的に接続する。面光源は、表示セルの表示領域を照射する。
【0020】
アレイ基板は、ガラス等の光透過性絶縁基板18上に複数の走査線と、複数の信号線31と、複数のスイッチ素子9と、複数の画素電極6と、補助容量Csを含む。走査線と信号線31とは、絶縁膜を介して直交配置される。スイッチ素子9は、走査線と信号線31の各交点付近に配置され、例えば、薄膜トランジスタ(TFT)で構成される。スイッチ素子9のゲートは対応走査線に接続し、ドレインは対応信号線31に接続し、ソースは対応画素電極6に接続する。
・・・(中略)・・・
【0022】
スイッチ素子9のゲート電極11aは走査線からの延在部により形成されており、スイッチ素子9のドレイン電極32は、信号線31と一体的に形成されている。そして、スイッチ素子9のソース電極33は、層間絶縁膜4及び透光性の厚型樹脂膜5を貫くコンタクトホール43,53を通じて、画素電極6に電気的に接続している。
【0023】
画素電極6は、走査線と信号線31とにより画されるマス目状の領域(画素ドット領域)ごとに配置され、該領域の略全体を覆うとともに両縁部が信号線31と重ねられている。各画素電極6は、金属からなる一つの反射画素電極73と、ITOからなる透明画素電極63とが組み合わさってなる。透明画素電極63は、反射画素電極73の窓状開口に配置され、窓状開口の内縁部が透明画素電極63の外縁部に直接重ね合わされて互いに導通されている。尚、反射画素電極73に対応する位置の厚型樹脂膜5は、その表面に凹部56を有する。
・・・(中略)・・・
【0025】
信号線31は、接続領域まで延在形成され、接続パッドを介してTCPと接続する。」

(b)「【0026】
図3は、液晶表示装置の接続領域の概略断面図、図4はアレイ基板の接続領域の概略平面図である。
【0027】
図3および図4に示すように、接続領域では、厚型樹脂膜5の抜き部54中に、接続パッド14が配列される。
【0028】
接続パッド14は、走査線と同一材料にて同時に作成され、ゲート絶縁膜15及び層間絶縁膜4の対応箇所を除去した絶縁膜抜き部44により、上記抜き部54内の所定個所にて露出されている。
【0029】
なお、接続パッド14は、該接続パッド14から基板内側へと延在されるパッド用配線14aと、コンタクトホール41,42,51,52及びこれらを覆うブリッジ状導電膜71とにより、信号線31の先端部31aに電気的に接続されている。ここで、パッド用配線14aとブリッジ状導電膜71とが接続する部分では、厚型樹脂膜5を貫く上層コンタクトホール51の底部に、層間絶縁膜4及びゲート絶縁膜15を貫く下層コンタクトホール41が配置されている。一方、信号線31とブリッジ状導電膜71とが接続する部分では、厚型樹脂膜5を貫く上層コンタクトホール52の底部に、層間絶縁膜4を貫く下層コンタクトホール42が配置されている。
【0030】
透光性の厚型樹脂膜5は、例えば厚さが1μm以上であり、低誘電率の絶縁性の樹脂材料からなる。特には、アクリル系樹脂等の感光型の硬化性有機樹脂材料からなる。厚型樹脂膜5は、接続パッド14を露出するための抜き部54と、上層コンタクトホール51?53の個所とを除き、アレイ基板上の全体を被覆する。
【0031】
図3に示すように、抜き部54を画する厚型樹脂膜5の内縁端面のうち、接続パッド14の列を基板外側から臨む端面5aには、ショルダー55が形成されている。ショルダー55上の平坦部の幅は、好ましくは5?20μm、例えば10μmに設定される。つまり、厚型樹脂膜5のうち、外部駆動回路であるTCPの端子と重複配置される側の抜き部端面5aにショルダー55を有する段差が形成される。
【0032】
図3中右端部には、テープキャリアパッケージ(TCP)100が実装された様子を模式的に示している。
【0033】
テープキャリアパッケージ100の本体基板部分102が、アレイ基板の端縁に沿って、厚型樹脂膜5上に載置され、本体基板部分102の基板内側の端縁からは基板内側へと向かって端子ピン101が突き出している。端子ピン101の先端の当接部103は、他の部分よりも肉厚に形成されており、特には、下方に膨出するとともに下面に平坦な当接面をなしている。端子ピン101先端の当接部103は、テープャリアパッケージ100が実装された際に、絶縁膜抜き部44内に位置し、端子ピン101の曲げ弾性力でもって、接続パッド14に押し付けられる。
【0034】
図示の例において、端子ピン101は、根元から先端の当接部103に至る中間の領域で、厚型樹脂膜5の端面5aに当接している。
【0035】
一方、図4に示すように、厚型樹脂膜5の、抜き部54を外側から画する端面5aは、平面図において、一様なパルス波形をなす。すなわち、基板内側に向かって突き出すパルス波状の張り出し部5bが、等ピッチで繰り返される形の波形をなしている。
【0036】
これら張り出し部5bは、突き出し寸法及び幅が互いに等しく、配列のピッチが、接続パッド14のピッチと略等しい。すなわち、各張り出し部5bは、接続パッド14に対応する位置に設けられており、接続パッドの幅に対してわずかに幅広に形成されている。
【0037】
図示の具体的な寸法構成例において、張り出し部5bは、幅が180μm、突き出し寸法が370μm、また、繰り返しのピッチが460μmである。また、接続パッド14の幅は、150μmである。
【0038】
このように基板端にある厚型樹脂膜5のパターンの内縁を、ジグザグ状または波状とするのは、後述するように、隣り合う端子ピン101間での短絡をより確実に防止するためである。
【0039】
なお、図示の例では、張り出し部5bの上に端子ピン91が来る配置としたが、隣り合う張り出し部5bの間に端子ピン91が配置されるのであっても、全く同様に、短絡を確実に防止することができる。また、ショルダー55は、抜き部54を外側から画する端面5aの全体にわたって設けてもよい。」

(c)「【0041】
(1) 第1のパターニング
ガラス基板18上に、スパッタ法によりモリブデン-タングステン合金膜(MoW膜)を230nm堆積させる。そして、第1のマスクパターンを用いるパターニングにより、対角寸法2.2インチ(56mm)の長方形領域ごとに、176本の走査線、その延在部からなるゲート電極11a、及び画素ドットごとに幅広部13aをなす補助容量線13を形成する。
【0042】
また、同時に、接続領域では、接続パッド14及びこれから延在されるパッド用配線14aを作成する。」

(d)「【0046】
この後、スパッタ法により、25nm厚のボトムMo層、250nm厚のAl層、及び、50nm厚のトップMo層からなる三層金属膜(Mo/Al/Mo)を堆積する。
【0047】
そして、第3のマスクパターンを用いて、レジストを露光、現像した後、a-Si:H層、n^(+)a-Si:H層、及び三層金属膜(Mo/Al/Mo)を一括してパターニングする。この第3のパターニングにより、対角寸法2.2インチ(56mm)の長方形領域ごとに、220×3本の信号線31と、各信号線31から延在するドレイン電極32と、ソース電極33とを作成する。」

(e)「【0060】
(6) 第6のパターニング
透明導電層としての40nm厚のa-ITOを、堆積した後、アレイ基板上の全体にレジストの塗布、露光及び現像を行う。そして、このレジストパターンの下で、シュウ酸水溶液をエッチング液として用いるパターニングを行うことにより、透明画素電極63を形成する。」

(f)「【0061】
(7) 第7のパターニング(図5(b)?(d))
スパッタ法により、50nm厚のモリブデン金属膜と、この上の50nm厚のアルミニウム金属膜とからなる積層膜(Mo/Al)を堆積する。
・・・(中略)・・・
【0065】
このレジストパターンの下で、ウェットエッチングにより金属積層膜(Mo/Al)のパターニングを行うことにより、コンタクト用のブリッジ状導電膜71と、反射画素電極73とを作成する。この際、図5(d)に示すように、レジスト8残りのないレジストパターンを用いてウェットエッチングを行なうことにより、厚型樹脂膜5の端面5aの麓(厚型樹脂膜と層間絶縁膜の接する部分)の付近に金属積層膜が残留することはない。」

(g)「【0087】
尚、上述の実施例においては、各画素ドット内の反射画素電極に対応する位置に凹部を有するものについて説明したが、透過画素電極と同様に、平坦な構造であってもよい。また、透過画素電極を形成する部分の厚型樹脂膜を除去し、層間絶縁膜上に透過画素電極を形成してもよい。
【0088】
また、上述の実施例においては、各画素ドット内に反射画素電極と透過画素電極を有する半透過型表示装置について説明したが、これに限定されず、反射画素と透過画素が部分的に設けられる部分反射型表示装置や、反射型表示装置、透過型表示装置等に適用することも可能である。
【0089】
図9は一例として、透過型表示装置用のアレイ基板の断面図を示す。
【0090】
透明画素電極63は、コンタクトホール43,53を通じて、ソース電極33の延在部の上面に直接接触することで、導通を行っている。
【0091】
また、図示は省略するが、アレイ基板の周縁部においては、金属膜からなるコンタクト用のブリッジ状導電膜71に代えて、ITO層からなるブリッジ状導電膜を用いてもよい、すなわち、反射金属層73と同時に設けられる導電膜に代えて、透明画素電極63と同時に形成される導電膜が配置される。」

(h)「【0095】
また、液晶表示装置に限らず、有機EL等の平面表示装置であっても、全く同様である。」

(i)図1

(1j)図2

(1k)図3

(1l)図4

〔摘記事項からの認定事項〕
摘記事項(g)の「透過型表示装置」について、「半透過型表示装置」との共通部分については、特段構成を変える必要性がないから、摘記事項(a)?(f)が援用されるものと認められる。

〔引用例に記載された発明の認定〕
これらの記載事項及び認定事項からして、引用例には、
「光透過性絶縁基板18と、
光透過性絶縁基板18と対向する対向基板と、
光透過性絶縁基板18と対向基板とをシールするシール材と、
光透過性絶縁基板18上に設けられた、信号線31、走査線、透明画素電極63と、
走査線がゲートに接続され、信号線31がドレインに接続された薄膜トランジスタで構成されたスイッチ素子9と、
を有し、
信号線31及び走査線がシール材でシールされた空間内に設けられた透過型の液晶表示装置であって、
信号線31に透明画素電極63と同時に形成されるITO層からなるブリッジ状導電膜71が接続され、当該ブリッジ状導電膜71と接続された接続パッド14がシール材でシールされた空間内から引き出され、
信号線31は、25nm厚のボトムMo層、250nm厚のAl層、及び、50nm厚のトップMo層からなる三層金属膜(Mo/Al/Mo)で構成され、
走査線は、230nmのモリブデン-タングステン合金膜(MoW膜)で構成され、
透明画素電極63は、透明導電層としての40nm厚のa-ITOで構成されている透過型の液晶表示装置。」
の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

2-2 対比
本願発明1と引用発明とを対比する。

<対応関係A>
引用発明の「光透過性絶縁基板18」、「対向基板」、「走査線」及び「透明画素電極63」は、本願発明1の「第1基板」、「第2基板」、「ゲートライン」及び「画素電極」に相当する。

<対応関係B>
引用発明の「信号線31」と本願発明1の「ソースライン」とは、「信号線」である点で共通する。

<対応関係C>
引用発明の「光透過性絶縁基板18と対向基板とをシールするシール材」は、本願発明1の「第1基板と第2基板とを封止し、前記第1基板と前記第2基板との間に封止空間を形成するシール」に相当する。

<対応関係D>
引用発明の「走査線がゲートに接続され、信号線31がドレインに接続された薄膜トランジスタで構成されたスイッチ素子9」を有することと、本願発明1の「ソースラインに接続された第1TFTと、電源ラインに接続された第2TFT」とを有することとは、「TFTで構成された画素回路」を有する点で共通する。

<対応関係E>
引用発明の「透過型の液晶表示装置」と本願発明1の「有機EL素子」とは「表示装置」である点で共通し、引用発明の「信号線31及び走査線がシール材でシールされた空間内に設けられた透過型の液晶表示装置」と、本願発明1の「ソースライン、ゲートライン、及び電源ラインが封止空間内に設けられた有機EL素子」とは、「信号線及びゲートラインが封止空間内に設けられた表示装置」である点で共通する。

<対応関係F>
引用発明の「ブリッジ状導電膜71」及び「接続パッド14」からなる電極構造は、「信号線31」を「シール材でシールされた空間内から引き出」すためのものである。
そうすると、引用発明の「ブリッジ状導電膜71」及び「接続パッド14」からなる電極構造と本願発明1の「ソース引き出し電極」とは、「信号線に接続され、封止空間内から引き出された信号線引き出し電極」である点で共通する。

<対応関係G>
引用発明において、「信号線31は、25nm厚のボトムMo層、250nm厚のAl層、及び、50nm厚のトップMo層からなる三層金属膜(Mo/Al/Mo)で構成され、走査線は、230nmのモリブデン-タングステン合金膜(MoW膜)で構成され、透明画素電極63は、透明導電層としての40nm厚のa-ITOで構成されている」ことと、本願発明1の「ゲートライン及び画素電極の厚みが、ソースラインの厚みよりも薄く形成され」ることとは、「ゲートライン及び画素電極の厚みが、信号線の厚みよりも薄く形成され」る点で共通する。

<対応関係H>
引用発明において、「ブリッジ状導電膜71」が「透明画素電極63と同時に形成されるITO層からなる」ことと、本願発明1において、「ソース引き出し電極又は前記電源引き出し電極は、前記画素電極と同一工程で形成されている」こととは、「信号線引き出し電極の少なくとも一部が、画素電極と同一工程で形成されている」点で共通する。

そうすると、本願発明1と引用発明とは、
「第1基板と、
前記第1基板と離間して対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板とを封止し、前記第1基板と前記第2基板との間に封止空間を形成するシールと、
前記第1基板上にそれぞれ設けられた信号線、ゲートライン及び画素電極と、
TFTで構成された画素回路と
を少なくとも有し、
前記信号線及び前記ゲートラインが前記封止空間内に設けられた表示装置であって、
前記信号線と接続され、前記封止空間内から引き出された信号線引き出し電極と、
前記ゲートライン及び前記画素電極の厚みが、前記信号線の厚みよりも薄く形成され、
前記信号線引き出し電極の少なくとも一部が、前記画素電極と同一工程で形成されている表示装置。」
の発明である点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点1)
「表示装置」の「TFTで構成された画素回路」に関して、本願発明1は、「有機EL素子」の「ソースラインに接続された第1TFTと、電源ラインに接続された第2TFT」とを有するものであり、「電源ラインは、第2TFTを介して画素電極に接続され」るものであるのに対して、引用発明は、「透過型の液晶表示装置」の「走査線がゲートに接続され、信号線31がドレインに接続された薄膜トランジスタで構成されたスイッチ素子9」を有するものであり、「電源ライン」も有していない点。

(相違点2)
「信号線」に関して、本願発明1は「ソースライン」とされているに対して、引用発明は「ドレインに接続された」「信号線31」である点。

(相違点3)
本願発明1は、「電源ラインと接続され、封止空間内から引き出された電源引き出し電極」を有するのに対して、引用発明は、そのような構成を有さない点。

(相違点4)
「信号線引き出し電極」に関して、本願発明1は、「ソース引き出し電極・・・は、前記画素電極と同一工程で形成されている」のに対して、引用発明は、「信号線31」を「シール材でシールされた空間内から引き出」す電極構造の一部は「透明画素電極63」と同時に形成されているが、全体としては同一工程では形成されていない点。

2-3 判断
上記相違点について検討する。

(1)相違点1、3について
引用例の上記摘記事項(h)において、「液晶表示装置に限らず、有機EL等の平面表示装置であっても、全く同様である」とされていることからして、引用発明の配線構造はアクティブマトリクス型の液晶表示装置だけでなく、アクティブマトリクス型の有機EL表示装置に適用され得るものであることは明らかである。
そして、相違点1に係る「ソースラインに接続された第1TFTと、電源ラインに接続された第2TFT」とを有し、「電源ラインは、第2TFTを介して画素電極に接続され」る「TFTで構成された画素回路」は、周知のアクティブマトリクス型の有機EL表示装置の画素回路構成に過ぎず(例えば、特開2003-150079号公報(図1等)、特開2004-281183号公報(図1等)を参照されたい。)、同様に、相違点3に係る「電源ラインと接続され、封止空間内から引き出された電源引き出し電極」を有する構成も周知のアクティブマトリクス型の有機EL表示装置の構成に過ぎない(電源ラインへの給電は封止空間外から行う必要があるのでごく当たり前の構成である。)。
そうすると、液晶表示装置における引用発明の配線構造をアクティブマトリクス型の有機EL表示装置に適用するに際して、当該周知の構成を採用することは、当業者にとって何ら創意を必要とすることではない。
よって、引用発明に周知の技術を採用することで、相違点1、3に係る本願発明1の構成を得ることは、当業者であれば容易になし得ることである。

(2)相違点2について
上記「(1)相違点1、3について」で述べたように、引用発明の配線構造をアクティブマトリクス型の有機EL表示装置に適用すれば、同時に得られる構成に過ぎない。
なお、TFTのソース電極とドレイン電極とは本質的に相違するものではないので、この点は、元もと、実質的な相違点ではない。

(3)相違点4について
引用発明では、「信号線31」を「シール材でシールされた空間内から引き出」す電極構造は、「透明画素電極63と同時に形成されるITO層からなるブリッジ状導電膜71」と「当該ブリッジ状導電膜71と接続された接続パッド14」を結合した複合的な電極となっているが、複数部材からなる電極構造を一体化して簡略なものとすることは当業者が通常行うことであるから、「透明画素電極63と同時に形成されるITO層」である「ブリッジ状導電膜71」自体が接続パッド14の代わりに外部への引き出し電極となるように構成することは、当業者にとって格別の創意を必要としないことである。
そして、外部への引き出し電極について、画素電極と同じ工程で形成される電極とする構造は、表示装置の技術分野における周知の技術に過ぎないから(例えば、特開2004-247533号公報(第1?3実施形態及び段落【0025】、【0070】等)、特開平8-171097号公報(段落【0069】?【0076】等)、特開平11-52394号公報(段落【0014】?【0018】等)を参照されたい。)、そのような電極構造の採用は当業者であれば容易に想到することである。

よって、引用発明の配線構造を一体化する設計変更を加えること(あるいは、上記周知の技術を採用すること)で、相違点4に係る本願発明1の構成を得ることは、当業者であれば容易になし得ることである。

(4)作用効果について
本願発明1が奏する作用効果は、引用発明及び周知の技術から当業者が予測できる範囲のものである。

(5)小括
よって、本願発明1は、引用例に記載された発明及び周知の技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

2-4 むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

第6 まとめ
以上のとおり、本願の発明の詳細な説明は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしておらず、また、本願の請求項1に係る発明は、第29条第2項に規定する要件を満たしていないので、特許を受けることができないものである。
したがって、その余の請求項に係る発明について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-03-13 
結審通知日 2012-03-21 
審決日 2012-04-05 
出願番号 特願2004-354289(P2004-354289)
審決分類 P 1 8・ 536- WZ (H05B)
P 1 8・ 121- WZ (H05B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 池田 博一  
特許庁審判長 北川 清伸
特許庁審判官 橋本 直明
森林 克郎
発明の名称 有機EL素子、若しくはそれを備えた表示パネル及び表示装置  
代理人 特許業務法人前田特許事務所  
代理人 竹内 祐二  
代理人 前田 弘  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ