• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G08G
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G08G
管理番号 1257364
審判番号 不服2011-14342  
総通号数 151 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2012-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-07-04 
確定日 2012-05-24 
事件の表示 特願2005-218081「データ管理装置、データ管理装置を備えたナビゲーション装置及び個人情報データの消去方法」拒絶査定不服審判事件〔平成19年 2月 8日出願公開,特開2007- 34754〕について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は,平成17年7月27日の出願であって,平成23年3月31日付けで拒絶査定がなされ,これに対し,同年7月4日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに,同日付け手続補正書による手続補正(以下「本件補正」という。)がなされた後,当審における平成23年11月24日付けの審尋に対し,平成24年1月20日付けで回答書が提出されたものである。

2.本件補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
(1)補正後の本願の発明
本件補正により,特許請求の範囲の請求項1は,
「貸渡の行われるデータ管理装置であって,ユーザの個人情報をデータ内容とする個人情報データを格納する記憶部と,
前記個人情報の有効期限を前記データ管理装置の返却期間として,前記個人情報の有効期限時刻に近づくと,個人情報有効期限目前を知らせる表示画面を表示する表示部と,を備え,前記個人情報の有効期限が切れると前記個人情報データを消去することを特徴とするデータ管理装置。」
と補正された。

上記補正は,請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「データ管理装置」が備えるものについて「個人情報の有効期限をデータ管理装置の返却期間として,個人情報の有効期限時刻に近づくと,個人情報有効期限目前を知らせる表示画面を表示する表示部」を付加するものであって,平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法(以下,単に「改正前の特許法」という。)第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで,本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。

(2)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開2001-50760号公報(以下「引用例」という。)には,図面とともに次の事項が記載されている。

・「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車等の移動体に搭載されるナビゲーション装置に関するものである。」

・「【0029】表示ドライバ17は,制御部19の制御により,表示のための画像情報を生成し,端子34を介して表示部3の表示画面部3aに対して出力する。例えば,DRAM13に格納されている地図情報や測位部4で測位された自車の位置情報に基づいて,自車の現在位置を示す画像信号を生成して表示部3に出力する。また,表示ドライバ17は,SRAM12に記憶されている駐車履歴情報を所定の表示形態により表示させる画像信号を生成して表示部3に出力することが可能とされる。なお,駐車履歴情報の表示形態については後述する。」

・「【0031】制御部19は,当該ナビゲーション本体部2がこれまで説明したような所要の動作を行うために各回路部に対して所要の制御を実行するようにされる。
【0032】上記構成による本実施の形態のナビゲーション装置1では,自車が所定時間以上停止状態を継続して,「駐車」の状態にあるとみなされた時は,その駐車位置に関する各種情報(付随情報)を駐車履歴情報として記憶すると共に,これらの駐車履歴情報に基づいた表示画面を表示部3に表示出力することができる構成とされている。」

・「【0036】上記したような本実施の形態のナビゲーション装置1の駐車履歴情報の作成,及び記憶動作は,ナビゲーション本体部2内に設けられている制御部19が実行する処理動作によって得られる。そこで,図3のフローチャートに上記したナビゲーション装置1の動作を実現するための制御部19の処理動作を示す。
【0037】この場合,先ずステップS11において,制御部19は,先に述べた停止検出によって得られる検出情報に基づいて,自車が停止状態にあるかどうかの検出を行う。そして,停止状態であると判別した時は,ステップS12に進み,時計部15で計時されている現在時刻(日時)を停止開始時刻として,例えばSRAM12(又はDRAM13)に記憶させる制御を実行する。
【0038】そして,次のステップS13においては,制御部19は,自車の停車状態が解除されるまで待機しており,停止検出情報に基づいてこれまでの停止状態が解除されたと判別された時にステップS14に進む。ステップS14においては,先にSRAM12にて記憶している停止開始時刻と,この停止状態が解除された現在時刻とから自車の駐車時間を求め,この駐車時間が予め設定されている所定時間以上かどうかの判別を行う。
【0039】ここで,例えば自車の駐車時間が所定時間以上であれば,これまでの自車の停止は,目的を持った駐車であるものとみなされる。そこで,次のステップS15においては,この駐車位置の位置情報(駐車位置情報)と,この駐車位置に関する各種付随情報により駐車履歴情報を作成して,SRAM12に記憶させる制御を実行する。」

・「【0041】ここで,SRAM12に記憶される駐車履歴情報の内容例について説明する。図4は,SRAM12に記憶される駐車履歴情報の一例を示したものである。この図に示すように,SRAM12に記憶される駐車履歴情報の構造としては,駐車履歴情報41,42,43,44,45・・・のようにして,複数の駐車履歴情報が配列されたテーブル構造を有しているものとされる。従って,ここでは,SRAM12に記憶される1以上の駐車履歴情報の集合について,駐車履歴情報テーブル40ということにする。
【0042】そして,この駐車履歴情報テーブル40における個々の駐車履歴情報としては,先ず自車の駐車位置情報が設けられる。そして,これに続けて,この駐車位置情報が得られた時に対応する駐車時刻情報(日時も含む)と,その駐車時間(期間)情報が設けられる。これら駐車時刻と駐車時間は,この駐車位置情報が得られた時に対応する時間情報であるものとみることができる。そして,また,この駐車位置情報により示される駐車位置を訪れた回数を示す駐車回数情報と,その駐車位置を含む地点,地域に対応する情報であるカテゴリ情報が設けられる。更に,ここでは各駐車履歴情報ごとに,SRAM12に記憶記憶しておくべき期限を設定する有効期限情報が設けられる。つまり,駐車履歴情報は,その駐車位置情報と,ユーザが後に駐車位置を容易に検索することができるような各種付随情報とによって形成されている。
【0043】具体例として,図4に示す駐車履歴情報テーブル40内の駐車履歴情報41にあっては,駐車位置情報について,「135゜35’47”」/「35゜23’55”」のようにして緯度及び経度により示される。また,駐車時刻情報については,「‘98/02/24」,「13:34:45」のようにして年月日と時刻による情報とされる。また,駐車時間情報は例えば「00:55:25」のようにして,その時間長により示している。また,駐車回数情報はここでは「5」が示されて,この位置に対してこれまで5回駐車したことが示され,カテゴリとしては,その場所が「レストラン」であることを示している。また,有効期限としては「‘99/02/24」というように設定が行われれている。」

・「【0048】また,有効期限に関する情報としては,例えば駐車日時に所定の期間(本例では1年)を加算した年月日が有効期限として書き込まれ,その有効期限経過後に,駐車履歴情報が消去される。このように駐車履歴情報に有効期限を設けておくと,SRAM12に記憶される駐車履歴情報の増加を抑制することができるので,駐車履歴情報の検索が容易になると共に,駐車履歴情報の記憶に割り当てるSRAM12の容量を小さくすることができる。
【0049】また,本実施の形態では,有効期限に関する情報を各駐車履歴情報ごとに設定しているが,駐車履歴情報テーブル40に記憶されている全ての駐車履歴情報を所定日時に一括して消去させることも可能とされる。このような一括消去は,当該ナビゲーション装置1が例えばレンタカーといった不特定多数のドライバーが利用する自動車に搭載されている場合に有効なものであり,ドライバーの利用日数に応じて,有効期限を設定すれば,利用するドライバー単位で駐車履歴情報テーブル40を作成することが可能になる。
【0050】なお,この図4に示す駐車履歴情報テーブル40に記憶されている各種情報内容はあくまでも一例であり,駐車位置を示す位置情報に対応させて他の情報内容が設定されても構わないものである。また,必ずしも図4に示した各種情報内容の全てを書き込む必要もない。つまり,駐車位置情報は必須として,残りの情報について何れを駐車履歴情報として含めるのかについては,実際の使い勝手等に応じて決定すればよいものである。
【0051】上記のようにして,本実施の形態のナビゲーション装置1に記憶された駐車履歴情報は,ユーザがリモートコマンダ8により所要の入力操作を行うことで,表示部3の表示部位3bに駐車履歴画面として表示させることができる。そして,ユーザがこの駐車履歴画面を見ながら駐車履歴画面から所望の駐車履歴情報を選択するといった入力操作を行うことで,その駐車履歴情報に対応した地点の地図画像を表示部3に表示させることができるようにされている。
【0052】図5及び図6は,本実施の形態のナビゲーション装置1において表示部3に表示される表示画像の一例を示した図である。これら図5及び図6を参照しながらユーザが以前に立ち寄った地点を検索して表示するまでの動作を説明する。図5(a)は,本実施の形態のナビゲーション装置1が通常のナビゲーション機能として動作している時に表示部3の表示画面部3aに表示される表示画面の一例を示した図である。この図5(a)に示す表示画面50には,自車の現在位置に対応した地図画像が表示されている共に,その走行軌跡が黒丸「●」によって表示されている。」

・「【0059】なお,図5及び図6においては,ソート操作画面61及び履歴情報画面63において有効期限がソートの項目として示されていないが,実際には,有効期限によるソートは,駐車時刻のソート結果と同様となるものと見てよいため,ここでは,ソート項目としては省略している。但し,何らかの使い勝手上,必要があればこの有効期限もソート項目として表示させても構わない。」

・「【0067】図8は,上記のような有効期限経過後の駐車履歴情報を消去処理動作を実現するための制御部19の動作処理を示したフローチャートである。なお,このような消去処理動作は,例えば本実施の形態のナビゲーション装置1の主電源が投入された時に行われる初期設定動作の一つとして実行されるものとされる。
【0068】この場合,先ずステップS31において,制御部19は,SRAM12に記憶されている駐車履歴情報テーブルを参照して,各駐車履歴情報の有効期限情報についての検索(チェック)を行う。次に,ステップS32において,制御部19は,検索した各駐車履歴情報の有効期限と現在日時との比較を行い,有効期限が経過している駐車履歴情報があればステップS33に進む。そしてステップS33において,SRAM12に記憶されている駐車履歴情報のうちから,有効期限が経過した駐車履歴情報を消去する処理を実行する。」

これらの記載事項及び図示内容を総合すると,引用例には,次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認めることができる。
「レンタカーに搭載されるナビゲーション装置1に設けられている制御部19であって,ナビゲーション用のユーザメモリとして用いられる駐車履歴情報をバックアップデータとする駐車履歴情報テーブル40を記憶するSRAM12と,
前記駐車履歴情報の有効期限をドライバーの利用日数に応じて設定して,ドライバーの操作により,前記駐車履歴情報の有効期限を示す駐車履歴画面を表示する表示画面部3aと,
を備え,前記駐車履歴情報の有効期限が経過すると前記駐車履歴情報テーブル40に記憶されている全ての駐車履歴情報を消去するナビゲーション装置1に設けられている制御部19。」

(3)対比
そこで,本願補正発明と引用発明とを対比する。

まず,後者の「レンタカー」は前者の「貸渡の行われる」ものであり,後者の「ナビゲーション装置1に設けられている制御部19」は前者の「データ管理装置」に相当するから,結局,後者の「レンタカーに搭載されるナビゲーション装置1に設けられている制御部19」は前者の「貸渡の行われるデータ管理装置」に相当している。

次に,後者の「ナビゲーション用のユーザメモリとして用いられる駐車履歴情報」は前者の「ユーザの個人情報」に,後者の「バックアップデータとする」態様は前者の「データ内容とする」態様に,後者の「駐車履歴情報テーブル40」は前者の「個人情報データ」に,後者の「記憶する」態様は前者の「格納する」態様に,後者の「SRAM12」は前者の「記憶部」に,それぞれ相当するから,結局,後者の「ナビゲーション用のユーザメモリとして用いられる駐車履歴情報をバックアップデータとする駐車履歴情報テーブル40を記憶するSRAM12」は前者の「ユーザの個人情報をデータ内容とする個人情報データを格納する記憶部」に相当している。

続いて,後者の「駐車履歴情報の有効期限をドライバーの利用日数に応じて設定して」いる態様は前者の「個人情報の有効期限をデータ管理装置の返却期間として」いる態様に相当している。

そして,後者の「駐車履歴情報の有効期限を示す駐車履歴画面」と前者の「個人情報有効期限目前を知らせる表示画面」とは,「個人情報有効期限に関する情報を知らせる表示画面」との概念で共通し,後者の「表示画面部3a」は前者の「表示部」に相当するから,結局,後者の「ドライバーの操作により,駐車履歴情報の有効期限を示す駐車履歴画面を表示する表示画面部3a」と前者の「個人情報の有効期限時刻に近づくと,個人情報有効期限目前を知らせる表示画面を表示する表示部」とは,「個人情報有効期限に関する情報を知らせる表示画面を表示する表示部」との概念で共通している。

さらに,後者の「駐車履歴情報の有効期限が経過すると駐車履歴情報テーブル40に記憶されている全ての駐車履歴情報を消去する」態様は前者の「個人情報の有効期限が切れると個人情報データを消去する」態様に相当している。

したがって,両者は,
「貸渡の行われるデータ管理装置であって,ユーザの個人情報をデータ内容とする個人情報データを格納する記憶部と,
前記個人情報の有効期限を前記データ管理装置の返却期間として,個人情報有効期限に関する情報を知らせる表示画面を表示する表示部と,
を備え,前記個人情報の有効期限が切れると前記個人情報データを消去するデータ管理装置。」
の点で一致し,以下の点で相違している。

[相違点]
表示画面の「個人情報有効期限に関する情報」を知らせる態様に関し,本願補正発明は,「個人情報の有効期限時刻に近づくと,個人情報有効期限目前」を知らせるものであるのに対し,引用発明は,「ドライバーの操作により」,単に「個人情報有効期限」を知らせるものである点。

(4)判断
上記相違点について以下検討する。

例えば,特開平7-287512号公報(【0001】の「【産業上の利用分野】本発明は地図データベース,カーナビゲーション装置に係り,とくに地図データベースに記憶された地図情報の有効期限を管理し,ユーザが有効期限内の地図情報に基づく正確な地図画像を見られるようにした地図データベース,カーナビゲーション装置に関する。」,【0014】の「また,CPU12は地図データベースから読み出した地図情報に含まれる有効期限とGPS受信装置2から入力した現在の年月を比較し,有効期限を過ぎているか,または過ぎていないが現在から一定期間内に有効期限が入っているかチェックし,いずれでも無ければ,とくにメッセージの描画はさせず,有効期限を過ぎているときは「地図データベースの有効期限が切れています」,一定期間内に有効期限が入っているときは「地図データベースの有効期限が迫っています」との文字データをグラフィックコントローラ10に与え,フレームメモリ9の下端近くまたは上端近くに描画させる。フレームメモリ9に描画された画像は映像出力回路11によって読み出され,R,G,B信号に変換されて表示装置4に出力される。」,【0015】の「この結果,表示装置4の画面には自車位置を含むエリアの地図画像が自車位置,自車方位を示す自車マークと一緒に表示される。この際,地図データベース1の有効期限と現在の年月との関係に従い,地図データベース1を購入してからあまり時間が経っていなければ,地図画像と実際の道路状況に差がなく正しい地図画像を見られるのでメッセージ表示はされないが,有効期限が現時点から一定期間内に迫ったときは「地図データベースの有効期限が迫っています」(図2(1)参照),有効期限を過ぎたときは「地図データベースの有効期限が切れています」の文字が表示されるので(図2(2)参照),ユーザに対し,最新の地図データベースへの買い換えを促し,常に,常に有効期限内の地図情報に基づく正確な地図画像を見られるようにすることができる。そして,GPS受信装置2で検出された現在の年月が正確であることから,常に,正確な現在時と有効期限の比較ができ,地図データベース1の有効期限の管理を確実に行うことができる。」なる各記載及び図2?4参照)にも開示されているように,利用情報(「地図データベース1」が相当)の有効期限時刻に近づくと(「一定期間内に有効期限が入っているとき」が相当)有効期限目前である(「有効期限が接近している」態様が相当)ことを表示画面(「表示装置4の画面」が相当)で表示する構成とすることで,利用情報の有効期限の管理を確実に行えるようにすることは,ナビゲーション装置(「カーナビゲーション装置」が相当)の分野における周知技術である。

引用発明において,利用情報である個人情報(駐車履歴情報)の有効期限の管理は,当然に要求されるべき課題であるといえるから,かかる課題の下に上記周知技術を個人情報に適用することで上記相違点に係る本願補正発明の構成とすることは,当業者が容易に想到し得たものというべきである。

そして,本願補正発明の全体構成により奏される作用効果も,引用発明及び上記周知技術から当業者が予測し得る範囲内のものである。

なお,請求人は,回答書(2頁1?7行参照)において,引用発明における「駐車履歴情報」は「個人情報」とはいえない旨主張している。
しかしながら,「駐車履歴情報」はレンタカーを利用するドライバーの趣向と密接な関係を有するところから,一種の「個人情報」と捉え得るものである。
また,本願補正発明において,「個人情報」の具体的内容は何等特定されていないとともに,本願明細書の段落【0012】の「すなわち,前記所定の情報としては,ユーザがナビゲーション装置で登録した地点や設定した目的地や車両走行軌跡などがあり,データ管理装置はこれらの情報を個人情報として扱い,適切に保護する。なお,これらの情報はナビゲーション装置が記憶する所定の情報の例示であり,例えばナビゲーション装置が検索履歴情報などを記憶する場合には,データ管理装置は検索履歴情報を個人情報として扱い,保護することが可能である。」なる記載や,同段落【0031】の「なお,本具体例では,データ管理装置1は,登録したメモリダイヤルやメールアドレスだけでなく,設定した目的地や登録した地点や車両走行軌跡など,ユーザ操作によってナビゲーション装置10に記憶される情報(メモリ内容)も個人情報データとして扱う。」なる記載を参酌すれば,「個人情報」に「車両走行軌跡」や「検索履歴情報」等が含まれると解されることから,引用発明における「駐車履歴情報」が「個人情報」ではないとは到底いえない。
よって,請求人の上記主張は採用できない。

したがって,本願補正発明は,引用発明及び上記周知技術に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)むすび
以上のとおりであって,本件補正は,改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するので,同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下を免れない。

3.本願の発明について
本件補正は上記のとおり却下され,平成23年1月12日付け手続補正書による補正も既に平成23年3月31日付けで補正の却下の決定がなされているので,本願の請求項1に係る発明(以下,同項記載の発明を「本願発明」という。)は,平成22年5月25日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される,以下のとおりのものである。
「貸渡の行われるデータ管理装置であって,ユーザの個人情報をデータ内容とする個人情報データを格納する記憶部を備え,前記個人情報の有効期限が切れると前記個人情報データを消去することを特徴とするデータ管理装置。」

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例,及び,その記載事項は,前記「2.(2)」に記載したとおりである。

(2)対比・判断
本願発明は,前記「2.(1)」で検討した本願補正発明から「データ管理装置」が備えるものについて「個人情報の有効期限をデータ管理装置の返却期間として,個人情報の有効期限時刻に近づくと,個人情報有効期限目前を知らせる表示画面を表示する表示部」を省いたものである。

そうすると,前記「2.(3)」での検討を踏まえれば,本願発明と引用発明とを対比した際の相違点は存在しないこととなるため,本願発明は,引用例に記載された発明であるといわざるをえない。

(3)むすび
以上のとおり,本願発明は,引用例に記載された発明であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないため,本願は,同法第49条第2号の規定に該当し,拒絶をされるべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2012-03-22 
結審通知日 2012-03-27 
審決日 2012-04-09 
出願番号 特願2005-218081(P2005-218081)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G08G)
P 1 8・ 121- Z (G08G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 神山 貴行  
特許庁審判長 大河原 裕
特許庁審判官 堀川 一郎
藤井 昇
発明の名称 データ管理装置、データ管理装置を備えたナビゲーション装置及び個人情報データの消去方法  
代理人 片山 修平  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ