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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1257662 |
審判番号 | 不服2010-14136 |
総通号数 | 151 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2012-07-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-06-28 |
確定日 | 2012-05-31 |
事件の表示 | 特願2000-158559「電子番組情報検索方法及び電子番組情報検索装置」拒絶査定不服審判事件〔平成13年12月 7日出願公開、特開2001-337980〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成12年5月29日の出願であって、平成21年9月14日付けの拒絶理由通知に対し、同年11月16日付けで手続補正がなされたところ、平成22年3月19日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年6月28日付けで拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに、同日付けで手続補正がなされ、当審より平成23年11月29日付けで平成22年9月2日付けの前置報告書を援用した審尋がなされ、平成24年2月6日付けで回答書が提出されたものである。 第2 平成22年6月28日付けの手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成22年6月28日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本願発明と補正後の発明 本件補正は、平成21年11月16日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された、 「電子番組ガイドの番組情報が格納されているEPGデータベースを備 えているデータサーバへアクセスするアクセス手段と前記電子番組ガイドの番組情報を検索する為の検索キーワードを入力する入力手段とを備えたクライアントは、所望の検索キーワードを入力し、 該入力された検索キーワードに関連する関連キーワードを辞書データベースから抽出し、該抽出された関連キーワードと前記入力した検索キーワードにより前記電子番組ガイドの番組情報を検索し、 前記検索キーワードと関連キーワードは、該検索キーワードが特定のジャンルのキーワードである時に、関連キーワードは異なったジャンルのキーワードであること を特徴とする電子番組情報検索方法。」(以下、「本願発明」という。)を、 平成22年6月28日付けの手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された、 「電子番組ガイドの番組情報が格納されているEPGデータベースを備えているデータサーバへアクセスするアクセス手段と前記電子番組ガイドの番組情報を検索する為の検索キーワードを入力する入力手段とを備えたクライアントは、所望の検索キーワードを入力し、 該入力された検索キーワードに関連する関連キーワードを辞書データベースから抽出し、該抽出された関連キーワードと前記入力した検索キーワードにより前記電子番組ガイドの番組情報を検索し、 前記検索キーワードと関連キーワードは、該検索キーワードが特定のジャンルのキーワードである時に、関連キーワードは異なったジャンルのキーワードであり、 前記クライアントは、前記データサーバへの経路情報を持つルーティングサーバを介して所望のデータサーバへアクセスできるようにしたこと を特徴とする電子番組情報検索方法。」(以下、「補正後の発明」という。) に変更することを含むものである。(なお、下線部は、本願発明に対する補正箇所である。) 2 補正の適否 (1)新規事項の有無、補正の目的要件 本件補正は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてなされたものであり、「クライアント」が、「前記データサーバへの経路情報を持つルーティングサーバを介して所望のデータサーバへアクセスできるようにした」ものであると具体的に限定するものであるから、補正後の発明は、本願発明を特定するために必要な事項を限定して特許請求の範囲を減縮したものに該当し、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第3項(新規事項)および第4項第2号(補正の目的)の規定に適合している。 (2)独立特許要件 本件補正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、本件補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうかについて以下に検討する。 ア 補正後の発明 上記「1 本願発明と補正後の発明」の項で認定したとおりである。 イ 引用発明 原審の拒絶理由に引用され、本願の出願日前に頒布された特開2000-67074号公報(以下、「引用例」という。)には、「番組予約装置、及び番組予約方法」に関して、図面とともに下記の事項が記載されている。 (ア)「【特許請求の範囲】 【請求項1】 放送を視聴するシステムにおける番組予約装置であって、 表示手段と、 番組の番組識別情報と、前記番組の番組情報とが対応付けられて格納されたデータベースと、 所望の番組の番組識別情報とキーワードとを入力又は選択する為の入力手段と、 前記入力手段で入力又は選択された番組識別情報に対応する番組情報をデータベースから検索し、検索された番組情報を前記表示手段に表示する第1の検索手段と、 前記入力手段で入力又は選択されたキーワードと関連する番組情報をデータベースから検索する第2の検索手段と、 前記検索手段により検索された番組情報に対応する番組識別情報をデータベースから検索し、検索された番組識別情報を前記表示手段に表示する第2の検索手段と、 を有することを特徴とする番組予約装置。」(2頁1欄1?18行) (イ)「【請求項4】 前記第2の検索手段は、類義語を関連付けて格納する第二データベースと、キーワードに関連する類義語を第二データベースから検索する検索手段と、前記検索手段で取得した類義語と同じ文字列を含む番組情報をデータベースから検索する手段とを有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の番組予約装置。」(2頁1欄30?36行) (ウ)「【0004】そこで、本発明の目的は、上記問題点を解決し、番組予約時に、多くの番組の中から予約する番組に関連する番組を自動的に検索し、予約する番組だけでなく、関連する番組も同時に予約することを可能にする番組予約技術を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決する為の手段】上記目的を達成する本発明は、放送を視聴するシステムにおける番組予約装置であって、表示手段と、番組の番組識別情報と、前記番組の番組情報とが対応付けられて格納されたデータベースと、所望の番組の番組識別情報とキーワードとを入力又は選択する為の入力手段と、前記入力手段で入力又は選択された番組識別情報に対応する番組情報をデータベースから検索し、検索された番組情報を前記表示手段に表示する第1の検索手段と、前記入力手段で入力又は選択されたキーワードと関連する番組情報をデータベースから検索する第2の検索手段と、前記検索手段により検索された番組情報に対応する番組識別情報をデータベースから検索し、検索された番組識別情報を前記表示手段に表示する第2の検索手段とを有することを特徴とする。 ・・・(略)・・・ 【0007】また、前記第2の検索手段は、使用者が選択したキーワードと同じ文字列を含む番組情報をデータベースから検索する手段を有することを特徴とする。また、前記第2の検索手段は、類義語を関連付けて格納する第二データベースと、キーワードに関連する類義語を第二データベースから検索する検索手段と、前記検索手段で取得した類義語と同じ文字列を含む番組情報をデータベースから検索する手段とを有することを特徴とする。」(2頁2欄41行?3頁3欄24行) (エ)「【0011】 【発明の実施の形態】本発明の実施形態を説明する。図1は本実施形態の構成図である。図1中、1は番組予約装置である。番組予約装置1は、後述するデータベース2、入力部3、キーワード決定部4、検索部5、及び表示部6から構成される。 【0012】2はデータベースである。このデータベース2は、放送局から受信した番組表データから分離された番組識別情報と番組情報とが互いに関連付けられて格納されている。尚、番組識別情報は例えば番組名等であり、番組情報はその番組の内容である。例えば、番組識別情報として番組名称" プロレス中継" が格納され、番組情報として" 3月10日、AAAホールで行われたプロレスの中継です。"と言うよな形で格納されている。そして、データベース2をアクセスすることで、番組識別情報からはその番組識別情報に関連付けられた番組情報が、また番組情報からはその番組情報に関連付けられた番組識別情報が取得できる。 【0013】3は入力部である。この入力部3は、データベース2から番組識別情報を読み出し、この番組識別情報を表示部6に表示させる。そして、使用者は前記表示を確認し、入力部3が有する選択手段、例えばマウスやキーボード等により、表示された番組の中から予約する番組を選択する。4はキーワード決定部である。キーワード決定部4は入力部3で使用者が選択した番組の番組識別情報に基づいて、データベース2をアクセスし、選択された番組識別情報に対応した番組情報を取得する。そして、取得した番組情報を表示部6に表示させる。使用者は表示部6に表示された番組情報(例えば、" 3月10日、後楽園ホールで行われたプロレスの中継です。" )から、入力部3を使用してキーワード(例えば、" AAA" )を選択する。そして、キーワード決定部4は、入力部3から前記キーワードを取得するものである。 【0014】5は検索部である。検索部5はキーワード決定部4で取得したキーワードに基づいて、同じ文字列を含む番組情報をデータベース2から検索するものである。6は表示部である。表示部6は、番組、番組識別情報、及び番組情報の表示を行うものである。次に、キーワード決定部4について詳細に説明する。」(3頁4欄5?44行) (オ)「【0029】次に、図7に移り、他の実施形態について説明する。図7は他の実施形態の構成図である。尚、他の実施形態の説明にあたって、上述した本実施形態と同様な部分については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。図7中、70は番組予約装置である。番組予約装置70は、データベース2、入力部3、キーワード決定部4、検索部5、表示部6、及び第2のデータベース71から構成される。 【0030】第2のデータベース71は、類義語(同じ意味を持つ語という意味)を関連付けて格納するデータベースである。他の実施形態は、本実施形態の番組予約装置1の構成に加え、このデータベース71を備える点で異なる。次に、他の実施形態の具体的な動作について説明する。例えば、使用者により入力部3で、選択された番組" プロレス中継" のキーワードが" AAA" であるとする。 【0031】すると、キーワード決定部4は、前記キーワード" AAA" の類義語をデータベース71から取得する。尚このでは、" AAA" の類義語として、" BBBランド" が取得されたものとする(AAAとBBBは「遊園地名」の意味をもつものとする)。そして、検索部4で、これら2つのキーワード(" AAA" 、及び" BBBランド" )を含む番組情報を、データベース2から検索する。 【0032】次に、検索された前記番組情報に関連付けられた番組識別情報をデータベース2から取得し、表示部6に表示する。 【0033】 【効果】以上説明したように、本発明によれば、使用者が番組の予約をするときに、予約した番組に関連するキーワードを選択することにより、予約した番組に関連する番組を使用者に提示することができる。このため、使用者は、多くの番組の中から予約した番組に関連する番組を、簡単に見つけて予約することができる。 【0034】また、前記キーワードを類義語まで拡張することで、使用者が予約した番組に関連する番組がより多くなる。」(4頁6欄46行?5頁8欄5行) 上記摘記事項(ア)の請求項1、上記摘記事項(ウ)の第5段落、上記摘記事項(エ)の第12段落を参酌すると、放送局から番組表データを受信すること、放送局から受信した番組表データから分離された番組識別情報と番組情報が関連付けられて格納されるデータベース2が記載されている。 ここでは、番組予約装置が放送局から番組表データを受信しているのであるから、放送局から番組表データが送信されているということができる。また、番組予約装置は、番組表データを受信しているのであるから、受信する手段を有しているということができる。 上記摘記事項(ア)の請求項1、上記摘記事項(ウ)の第5段落、上記摘記事項(エ)の第13?14段落を参酌すると、ここには、番組表データの番組情報を検索する為のキーワードを選択して入力する入力部3が記載されている。 上記摘記事(イ)の請求項4、上記摘記事項(ウ)の第7段落、上記摘記事項(オ)の第30?32段落には、入力されたキーワードに関連する類義語を第2のデータベース71から取得し、取得した類義語と入力したキーワードにより番組表データの番組情報を検索することが記載されている。 また、入力されたキーワードと類義語は、同じ意味を有するキーワードであることも記載されている。 したがって、上記引用例の摘記事項(ア)?(オ)および図7に記載された番組情報検索方法の構成及び動作によれば、上記引用例には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されている。 (引用発明) 「番組表データを送信する放送局から該番組表データを受信する手段と、前記番組表データの番組情報を検索する為のキーワードを入力する入力部とを備えた番組予約装置は、所望のキーワードを入力し、 該入力されたキーワードに関連する類義語を第2のデータベースから取得し、該取得された類義語と前記入力したキーワードにより前記番組表データの番組情報を検索し、 前記キーワードと類義語は同じ意味を有するキーワードである 番組情報検索方法。」 ウ 対比 (ア)補正後の発明と引用発明とを対比する。 a 引用発明の「番組表データ」は、多チャンネル放送サービスにおいて、電子的に配信される番組に関する情報のことであるから、補正後の発明の「電子番組ガイド」と、実質的に同じものである。 b 補正後の発明の「電子番組ガイドの番組情報が格納されているEPGデータベースを備えているデータサーバへアクセスするアクセス手段」は、電子番組ガイドを送信するサーバから、該電子番組ガイドを受信する手段のことでもあるから、引用発明の「番組表データを送信する放送局から該番組表データを受信する手段」と、電子番組ガイドを受信する手段である点で一致している。 c 引用発明の「キーワード」は、番組を検索するためのキーワードのことであるから、補正後の発明の「検索キーワード」と、実質的に同じものである。 d 引用発明の「入力部」は、番組を検索するためのキーワードを入力するための手段のことであるから、補正後の発明の「入力手段」と、実質的に同じものである。 e 引用発明の「番組予約装置」は、番組を検索し、予約するための装置のことであるから、補正後の発明の「クライアント」と、実質的に同じものである。 f 補正後の発明の「関連キーワード」は、引用発明の「類義語」と、検索キーワードに関連するキーワードである点で一致している。 g 引用発明の「第2のデータベース」は、検索キーワードに関連するキーワードが蓄積されたデータベースのことであるから、補正後の発明の「辞書データベース」と、実質的に同じものである。 h 引用発明において、類義語を「取得」することは、検索キーワードに関連するキーワードを「抽出」することでもある。 i 引用発明の「番組情報検索方法」は、電子的に配信される番組に関する情報の検索方法であるから、補正後の発明の「電子番組情報検索方法」と、実質的に同じものである。 (イ)よって、上記a?iから、補正後の発明と引用発明は、以下の点で一致し、また相違している。 (一致点) 「電子番組ガイドを受信する手段と、前記電子番組ガイドの番組情報を検索する為の検索キーワードを入力する入力手段とを備えたクライアントは、所望の検索キーワードを入力し、 該入力された検索キーワードに関連するキーワードを辞書データベースから抽出し、該抽出された検索キーワードに関連するキーワードと前記入力した検索キーワードにより前記電子番組ガイドの番組情報を検索するようにした 電子番組情報検索方法。」 (相違点1) 電子番組ガイドを受信する手段に関し、補正後の発明では、「電子番組ガイドの番組情報が格納されているEPGデータベースを備えているデータサーバへアクセスするアクセス手段」であるのに対し、引用発明では、「番組表データを送信する放送局から該番組表データを受信する手段」であるものの、EPGデータベースを備えているデータサーバへアクセスするものとはされていない点。 (相違点2) 補正後の発明では、「クライアントは、データサーバへの経路情報を持つルーティングサーバを介して所望のデータサーバへアクセスできる」ものであるのに対し、引用発明では、ルーティングサーバを介して所望のデータサーバへアクセスするものとはされていない点。 (相違点3) 検索キーワードに関連するキーワードに関し、補正後の発明では、「検索キーワードが特定のジャンルのキーワードである時に、関連キーワードは異なったジャンルのキーワード」であるのに対し、引用発明では、「類義語」である点。 エ 当審の判断 (ア)相違点1について検討する。 電子番組ガイドを受信する手段に関して、クライアントから、電子番組ガイドの番組情報が格納されているEPGデータベースを備えているデータサーバへアクセスするアクセス手段を設け、電子番組ガイドを取得するようにすることは、例えば、特開平10-174062号公報の第7?8段落及び図1、特開平10-210378号公報の第25段落、特開2000-76735号公報の第24、26段落及び図9等に示されるように、本願の出願日前において、周知技術であったものである。 そして、引用発明及び該周知技術は、ともに電子番組ガイドを用いる番組予約装置という共通の技術分野に属するものであり、引用発明において該周知技術が有用な場合があることや、引用発明において該周知技術を採用可能であることは当業者に自明なことであって、引用発明に該周知技術を適用する上で格別な阻害要因も見あたらないから、引用発明における、「番組表データを送信する放送局から該番組表データを受信する手段」の構成に代えて、あるいはこれに加えて、該周知技術に係る構成を採用することで、補正後の発明のように、「電子番組ガイドの番組情報が格納されているEPGデータベースを備えているデータサーバへアクセスするアクセス手段」を設けることは、当業者であれば容易になし得たことである。 (イ)相違点2について検討する。 クライアントが、データサーバへの経路情報を持つルーティングサーバを介して所望のデータサーバへアクセスできるようにすることについては、例えば、特開平10-145451号公報の第1頁、特開平10-260985号公報の第1頁、特開平11-110406号公報の第1頁等に示されるように、本願の出願日前において、広く知られていた周知・慣用技術であったものである。 そして、引用発明及び該周知・慣用技術は、データベースを検索するという点で共通の技術分野に属し、引用発明において該周知・慣用技術が有用かつ採用可能であることは当業者に自明なことであって、引用発明に該周知・慣用技術を適用する上で格別な阻害要因も見あたらないから、引用発明の「番組予約装置」を、「データサーバへの経路情報を持つルーティングサーバを介して所望のデータサーバへアクセスできる」ようにすることも、当業者が容易になし得たことである。 (ウ)相違点3について検討する。 キーワードによって検索を行う際に、当該キーワードに対して、同義語や類義語以外の異なる分野やカテゴリの語を含む関連性の強い語を関連キーワードに加えて検索を行うようにすることは、例えば、特開平6-251076号公報の第1頁及び図11、特開平8-171569号公報の第1頁及び図2、特開平10-3480号公報の第1頁及び第7段落等に示されるように、本願の出願日前において、周知技術であったものである。 そして、引用発明及び該周知技術は、関連する語を用いて検索を行う装置及び方法である点で共通の技術分野に属しており、引用発明において該周知技術が有用かつ採用可能であることは当業者に自明なことであって、引用発明に該周知技術を適用する上で格別な阻害要因も見あたらない。 すると、引用発明における、検索キーワードに関連するキーワードを、該周知技術に基づいて、異なる分野やカテゴリの語とすることは、当業者が容易になし得たことである。 また、そのようにする際に、検索キーワードとして「特定のジャンルのキーワード」が入力される場合を想定し(引用発明は、番組情報を検索するものであるから、該引用発明において、検索キーワードとして「特定のジャンルのキーワード」が入力される場合は当然に想定される。)、上記「異なる分野やカテゴリの語」として上記「特定のジャンル」とは「異なったジャンルのキーワード」を用意しておくようにすることも、当業者が必要に応じて適宜なし得たことである。 したがって、引用発明の、検索キーワードに関連するキーワードに関し、「検索キーワードが、特定のジャンルのキーワードである時に、関連キーワードは異なったジャンルのキーワード」とすることは、当業者が容易になし得たことである。 (発明の効果について) なお、補正後の発明が奏する効果についても、いずれも引用発明及び上記周知技術から当然に予測される程度のものにすぎず、格別顕著なものではない。 (エ)したがって、上記(ア)?(ウ)から、補正後の発明は引用発明及び上記周知技術に基づいて容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 むすび 以上のとおり補正後の発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項の規定により準用する特許法第126条第5項の規定に適合していない。 したがって、本件補正は、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明について 1 本願発明 平成22年6月28日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、平成21年11月16日付けの手続補正により補正された、明細書および図面の記載からみて、上記「第2 平成22年6月28日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「1 本願発明と補正後の発明」の項中で、「本願発明」として記載したとおりである。 2 引用発明 これに対して、原審の拒絶理由に引用された引用例および引用発明は、上記「第2 平成22年6月28日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「2 補正の適否」の「(2)独立特許要件」の項中で認定したとおりである。 3 対比・判断 本願発明は、上記「第2 平成22年6月28日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「2 補正の適否」の「(1)新規事項の有無、補正の目的要件」の項中で検討したところ、補正後の発明から、本件補正に係る構成の限定を省いたものであって、本願発明の発明特定事項をすべて含み、審判請求時の手続補正によってさらに構成を限定した補正後の発明が、上記「第2 平成22年6月28日付けの手続補正についての補正却下の決定」の「2 補正の適否」の「(2)独立特許要件」の項中で検討したように、引用発明及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、上記限定事項を省いた本願発明も実質的に同様の理由により、引用発明及び上記周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。 4 むすび 以上のとおり、本願発明は、引用発明及び上記周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2012-03-28 |
結審通知日 | 2012-04-03 |
審決日 | 2012-04-18 |
出願番号 | 特願2000-158559(P2000-158559) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
P 1 8・ 575- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 今村 剛 |
特許庁審判長 |
小曳 満昭 |
特許庁審判官 |
猪瀬 隆広 長島 孝志 |
発明の名称 | 電子番組情報検索方法及び電子番組情報検索装置 |
代理人 | 亀谷 美明 |